【SS】ほのりん「良い女になりたい！」

凛「ふ〜ん」

穂乃果「何読んでるの？」

凛「にこちゃんが読んでた雑誌」

穂乃果「面白い？」

凛「あんまり」

にこ「悪かったわね。私だってアイドル特集が載ってるから買っただけだし」

穂乃果「へ〜そうなんだ。凛ちゃんもアイドル特集読んでるの？」

凛「違うよ。このページ」

穂乃果「ん〜…良い女特集？」
　

凛「うん。良い女の5箇条とか載ってるけど凛にはチンプンカンプンだよ。本当になれるのかな？」

穂乃果「読んだだけで良い女になれるなら苦労しないよ」

凛「だよね〜」

希「そんなの読まなくても身近に居るんやから参考にすればいいやん？」

穂乃果「希ちゃん！！身近にって？」

にこ「ふっ、悪いけどにこに付き纏うのはやめてよね」

希「居るやろ？身近に良い女が」

にこ「ちょっと！何無視してんのよ！！」
　

ガチャ

絵里「ちょっと希！なんで先に行っちゃうのよ」

希「ほら！」

穂乃果「あ〜確かに」

凛「身近に居たね！」

希「そうやろ？」

絵里「え？何？」

穂乃果「落ち着いてて、頭が良くて、美人で色っぽくて、適度にユーモアもあるし」

凛「睫毛も長いし〜、髪も綺麗で背も高いし、運動も出来るもんね〜絵里ちゃんは」

にこ「ふん」

絵里「………何かやらかしたの？」

穂乃果「どうして！！？」

絵里「いや…急に人のご機嫌取ろうとしてるから。何か怒られる様な事したのかと思って」
　

穂乃果「あのね。そんなさ、しょっちゅうやらかしたりなんてしないよ」

絵里「ならいいけど」

ガチャ

海未「穂乃果ぁ！！！」

穂乃果「げっ！！？海未ちゃん…」

海未「今日は資料の整理をするって言ってあったでしょう！！！！何ですぐに忘れるのですか！！！！」

穂乃果「あっ…ご、ごめん」

絵里「やらかしてるじゃない」
　

〜その後〜

穂乃果「はあ…海未ちゃんにこってりしぼられたよ」

凛「良い女には程遠かったよ」

穂乃果「私？」

凛「うん」

穂乃果「だろうね。良い女は海未ちゃんに怒鳴られたりしないだろうしね」

凛「絵里ちゃんが怒鳴られたりしてる所見た事ないもんね」
　

穂乃果「はあ…良い女は怒鳴られなくて済むのか。羨ましい」

凛「怒鳴られなくて済むんじゃなくて、良い女は怒鳴られる様な事をしないんじゃないの？」

穂乃果「どっちにしろ怒鳴られたりしないだから一緒だよ」

凛「一緒かな？」

穂乃果「はあ…良い女になりたい…」

凛「絶対動機がおかしいと思うよ」
　

穂乃果「そうかな？」

凛「うん。きっと良い女は絶対にそんな発言しないよ」

穂乃果「え〜難しいな」

凛「でもさ、本気で良い女になりたいなら希ちゃんが言ってたみたいに絵里ちゃんを参考にすればいいんじゃない？」

穂乃果「絵里ちゃんを参考に？」

凛「うん。絵里ちゃんと同じ様に振る舞えば良い女になれると思うんだよね」
　

穂乃果「ハラショー！」

凛「そう言う事じゃなくて！」

穂乃果「分かってるよ。挙動を真似ろってんでしょ？あと佇まいとか」

凛「そう」

穂乃果「そっか。ちょっと真似してみようか」
　

凛「そうだよ。せっかく身近に居るんだから」

穂乃果「そうだね。明日からちょっとやってみようか？」

凛「そうしよう！二人で絵里ちゃんみたいに良い女になろうよ！」

穂乃果「そうだね！そうと決まれば〜明日から良い女目指して頑張るぞー」

凛「おー！」
　

〜翌日〜

凛「穂乃果ちゃん…そう言う事じゃないにゃ…」

穂乃果「この方が気持ちも入るかなと思ってさ」

花陽「あれ？穂乃果ちゃんいつもと髪型違うね！ポニーテールも似合ってて可愛いよ」

穂乃果「ありがとう」
　

ガチャ

絵里「お疲れ様〜」

穂乃果「あっ！来た！絵里ちゃんと希ちゃん！」

絵里「あら！」

希「穂乃果ちゃん今日はいつもと雰囲気違うね？いつものサイドテールはやめたの？」
　

穂乃果「まあね」

絵里「ふ〜ん。私とお揃いね」

穂乃果「だね！」

絵里「もしかして私の真似だったりして」
　

穂乃果「まあ遠からずって所かな」

絵里「え？そうなの？」

穂乃果「そうなの」

絵里「ふ〜ん。ああ…そう。なんだかちょっと照れちゃうわ」

凛「ほら、穂乃果ちゃん。照れ方一つ取っても良い女って感じだよ」

穂乃果「確かに」
　

希「なるほど。昨日ウチが言った事を実践したんや？」

穂乃果「え？あっ、うん。そうなの」

絵里「え？何の話？花陽知ってる？」

花陽「ううん。知らないよ」
　

凛「でも、希ちゃんが言ってたのってこう言う事じゃないよね？」

希「ん〜…でも形からなりきるのもありなんやない？」

穂乃果「ほら！」

凛「え〜そうなの？じゃあ凛は無理じゃん。髪短いし」
　

絵里「ねえ？何の話をしてるの？」

穂乃果「え？何でもないよ」

絵里「何でもない事はないでしょ。ね？」

花陽「え？えっと…」グゥゥゥゥゥ

絵里「…お腹空いたのね」
　

希
　

希「まあでも、ポニーテールにしただけで良い女になれる訳でもないから」

穂乃果「分かってるよ。このポニーテールはあくまでも心意気だから」

希「心意気ねぇ」
　

穂乃果「とは言ったものの…絵里ちゃんの何を参考にすればいいのやら」

凛「ずっと張り付いて見てる訳にもいかないしね」

穂乃果「それだ！ずっと張り付いて観察しよう！」

凛「え？本気？」

穂乃果「うん」

凛「凛、そんなに暇じゃないんだけどな」

穂乃果「大丈夫！」

凛「何が大丈夫なの？」
　

それから

海未「あの…昨年度から台帳の管理の仕方が変わってるみたいなのですが…なんかパソコンで…」

絵里「あ〜そうね。私達の代からガラッと変えたのよ。今までずっと紙ベースやってだったものをパソコンで管理する様にしたのよ。ほら？データベースで管理しておけば検索とか簡単でしょ？もちろんプリントした紙でも残しておくけど」

海未「そうなんですか…私はパソコンに疎くて…」

絵里「大丈夫よ。私も最初はちんぷんかんぷんだったんだから。やっていくうちに慣れるわ。ようはやる気よ」

海未「そうですか。絵里がそう言うなら」



穂乃果「なるほど。良い女はパソコンが得意なんだ」

凛「え〜関係あるかなぁ？」

穂乃果「あるよ。ネット社会なんだから」

凛「ん〜そうかなぁ」


海未「なんですか…あれは？」

絵里「なんかさっきからずっと私の後をついて回ってるのよ。なんなのかしら」

海未「絵里も大変ですね」
　

絵里「あら？花陽ちょっと」

花陽「どうしたの？」

絵里「そこ、ほつれてる」

花陽「え？あっ…本当だ」

絵里「そこ座って。直してあげる」

花陽「いいの？」

絵里「うん。結構お裁縫得意なんだから」

花陽「そうなんだ」


穂乃果「良い女は裁縫も得意と。じゃあ、ことりちゃんも一歩リードだな」

凛「なんか違う様な気がするなぁ」

穂乃果「ほら！縫ってる姿もなんか色っぽいし」

凛「それは確かに」



花陽「凛ちゃん達は何してるのかな？」

絵里「さあ？」
　

真姫「ねえ。ここの問題なんだけど」

絵里「ん〜？どれどれ。あ〜ここはね…」

真姫「流石ね。やっぱり頼りになるわ！」

絵里「ふふっ。力になれて良かったわ」


穂乃果「やっぱりあれだ。良い女は知的に見えるもんなんだなぁ」

凛「見てるんじゃなくて本当に知的なんだよ。3年生とはいえあの真姫ちゃんに勉強を教えられるんだよ？良い女だから知的に見えるんじゃなくて知的だから良い女なんだよ」

穂乃果「そうかぁ。ここにきて大きな壁が立ちはだかるとは…」

凛「ずっと前からそびえ立ってたと思うけど」



真姫「なにあれ…隠れてるつもりなのかしら？」

絵里「さあ…どう言うつもりなんだか…」
　

〜穂乃果の部屋〜

穂乃果「見て見て！合宿の時の写真！特に気にしてなかったけど絵里ちゃんの水着姿って色っぽいよね」

凛「うん」

穂乃果「ナイスバディだしね」

凛「そうだね」

穂乃果「こう言う所なのかなぁ」

凛「穂乃果ちゃん」

穂乃果「何？」

凛「なんか違うんだよね」

穂乃果「何が？」
　

凛「着眼点みたいな」

穂乃果「着眼点？」

凛「なんて言うか…穂乃果ちゃんが注目してるのって…ん〜…表面的と言うかね」

穂乃果「表面的？」

凛「うん。頭良さそうに見えるとかビキニが似合うとか。確かにそう言うのもあるかもだけど」

穂乃果「うん」

凛「もっと内側から溢れ出るものなんじゃない？」

穂乃果「あ〜…内側からね」

凛「でしょ？」

穂乃果「どう言う事？」
　

凛「なんとなく分からない？」

穂乃果「なんとなく…」

ガチャ

雪穂「お姉ちゃん！お母さんが洗濯物…」

凛「あっ、雪穂ちゃん！お邪魔してます！」

雪穂「凛さん来てたんですね！………で、お姉ちゃんは絵里さんの写真並べて何してるの？」

穂乃果「良い女の研究」

雪穂「…………なんて？」

穂乃果「どうしたら良い女になれるか凛ちゃんと研究してるんだよ」

雪穂「へ〜…………頑張って。凛さん、ごゆっくり」

バタン

凛「……凛、雪穂ちゃんに誤解されたよね」

穂乃果「何を誤解されたの？」

凛「何をかは分からないけど…誤解されたよ」
　

穂乃果「別に誤解される様な事はしてないけどね」

凛「………」

穂乃果「どうしたの？」

凛「やっぱり…凛は降りようかな…」

穂乃果「え？なんで？」

凛「良い女の人って」

穂乃果「うん」

凛「そもそもこんな事しないと思うし」
　

穂乃果「それは…ほら？まだ私達は良い女じゃないからさ」

凛「良い女になりたいのに良い女とは程遠い行動を取ってるって本末転倒じゃない？」

穂乃果「それは…だって良い女になるには良い女を知らないと…凛ちゃんは良い女になりたくないの？」

凛「なりたいよ。なりたいけど穂乃果ちゃんがやってる事は違うと思う」

穂乃果「それは…だって…」

凛「何も考えずにスクールアイドルやってる時の穂乃果ちゃんの方がよっぽど良い女だったと思うよ。じゃあね。お邪魔しました」

穂乃果「凛ちゃん………別に何も考えてない訳ではないんだけど…」
　

翌日

絵里「………」ポケ〜

希「凄い顔してるよ」

絵里「え？あっ…居たの？言ってよ恥ずかしい」

希「10分くらい前からね。えりちってばボーッと窓の外ばっかり見て気が付かないんだもん。まあ良い天気だもんね」

絵里「て言うかちょっと寝不足で」

希「寝不足はお肌に悪いよ」

絵里「そうね。お陰でほら！ニキビが…」
　

穂乃果「ほ〜」

絵里「え…穂乃果？」

穂乃果「絵里ちゃんでもニキビ出来るんだ」

絵里「そりゃあね。人間だし…って言うか何？希といい急にヌルッと現れて」

希「だからえりちがボーっとしてただけでウチも穂乃果ちゃんも居たけどな」

絵里「……そ」
　

穂乃果「……あのさ。絵里ちゃんは良い女の条件ってなんだと思う？」

絵里「良い女の条件？」

穂乃果「うん」

絵里「どう言う事？」

希「穂乃果ちゃんは良い女になりたいんだって」

絵里「……まさか……それで散々人を付け回していたの？」

穂乃果「あはは…まあね」
　

絵里「呆れた…」

穂乃果「ごめん」

絵里「だいたいそんなものは目指そうとしてなれるものじゃないのよ」

穂乃果「じゃあ私はどうすればいいの？」

絵里「穂乃果はそのままで良いわよ」

穂乃果「え〜そんなぁ」

絵里「全く。そんな事気にするよりも他にやる事あるでしょ。これから練習なんだから」

穂乃果「はい…」

希「自分もボーッとしてたくせに〜」

絵里「一言多いのよ。どうせ希でしょ？穂乃果を唆したのは」
　

希「唆すなんて人聞きの悪い」

絵里「本当の事じゃない」

希「ウチ嘘は吐いてないも〜ん」

絵里「ふ〜ん。じゃあ、希が思う良い女の条件って何よ？」

希「ん〜？それはねぇ」
　

ガチャ

ことり「今日はケーキ焼いて来ました」

穂乃果「え！本当！わーい！嬉しいなぁ」


希「やっぱり笑顔じゃない？良い女の条件って」

絵里「ふふっ。じゃあ、穂乃果はもうなってるじゃない」

希「うん。別に穂乃果ちゃんは違うなんて一言も言ってないしね」


ことり「皆んなが揃ったら食べようね」

穂乃果「はーーーい！！！」ニコニコ
　

完
　

おつ
穂乃果ちゃんは最高にいい女だよね
　

やっぱ凛ちゃんの恥じらいよ
　

みなかわいい