【SS】絵里「真面目な私達」

※絵里ちゃん加入後ぐらい


海未「失礼します。絵里先輩」

絵里「えっと…園田さんだったわよね？どうしたの？」

海未「海未で構いませんよ」

絵里「ええ、分かったわ。海未」

海未「絵里先輩に相談があるのですが、お時間よろしいですか？」

絵里「私に？何でも聞いていいわよ」
　

海未「練習メニューについてなのですが、これからは絵里先輩に相談しようと思いまして」

絵里「私に？」

海未「はい。絵里先輩に教えてもらってからメンバーのダンスが一気に上達しましたし」

海未「ダンスの経験者に考えてもらうのが一番ではないかと考えています」

絵里「なるほどね」

海未「絵里先輩も加入してくださったので、練習メニューを改めて見直していただこうかと考えているのですが…」

絵里「分かったわ。その前に今までの物を見せてもらえる？」

海未「分かりました」
　

絵里「なるほど…今までは体力づくりの方がメインだったのね」

海未「私なりにバランスよく入れてみたつもりだったのですが…」

絵里「気にする必要はないわ。今まで運動経験の無い子もいるみたいだったし良いと思うわよ」

絵里「個人差はあるけど、ある程度は成果は出てると思うし、次のステップ入ってもいいと思うの」

海未「次のステップですか？」

絵里「次はダンスをする為の身体作りをした方が良いかなって」
　

絵里「今までも教えたけど、柔軟性を高めるトレーニングと、ステップを踏むための筋肉トレーニングを中心に行っていこうと思うんだけど」

絵里「当然、まだ体力のない子もいるからそこらへんはバランス良く考えた方がいいわね」

絵里「ダンスの練習に時間を割きたくなるけど、基礎練習を地道に積み重ねていく事が最も近道になるし、怪我の防止にも繋がるし…」

海未「…」ｳﾙｳﾙ

絵里「ど…どうしたの？」
　

海未「絵里先輩っ！」

絵里「な…何っ！？」

海未「私は絵里先輩のような方に加入していただいて本当に良かったと思います！」

絵里「そ…そう？ありがとう」

絵里「気持ちは嬉しいけど、ちょっと落ち着いてね」

海未「はっ！す…すみません…その…嬉しくて…///」
　

絵里「嬉しい？」

海未「あの…どちらかといえば、μ’sは先の事を考えないでとにかく行動というメンバーが多くて」

海未「絵里先輩の様に先を見据えて落ち着いて行動してくれる方がようやく加入してくれたと思うとつい…」

絵里「そ…そう…苦労してるのね」

海未「はい…」
　

海未「今までも色々ありまして…」

海未「あ…すみません…愚痴になってしまいました」

絵里「別にいいわよ。私ももっとμ’sの事、メンバーの事を知りたいし」

絵里「せっかく一緒にアイドルをやるわけなんだもの、仲良くやりたいじゃない？」

海未「そうですね。私ももっと絵里先輩と話したいです」

絵里「ふふっ、ありがとう。私もそう思うわ」
　

絵里「少ししか話してないけど、海未の事が分かった気がするし」

海未「私の事ですか？」

絵里「ええ。海未は真面目で苦労性なんだなって」ｸｽｸｽ

海未「はい…おっしゃる通りです…」

絵里「あら？どうしたの？」

海未「私は真面目すぎるから少し肩の力を抜いた方がいいとよく言われまして…その…」

海未「どうにかならないものかと考えていまして…」

絵里「気にしてたの？ごめんなさいね」ｸｽｯ
　

絵里「でもいいじゃない。ずっと真面目でいられるなんて偉いと思うわよ」

絵里「私だって気を抜きたくなる時だってあるし、なかなかできる事じゃないもの」

海未「絵里先輩…」

絵里「でもね、海未。私が加入してくれて嬉しいって言ってたけど」

絵里「私達みたいに考えすぎちゃう人が多くても、きっと上手くいかないわ」
　

絵里「時には勢いも必要になるのよ。何かを成し遂げるにはね」

海未「そういうものでしょうか…？」

絵里「そういうものなのよ。バランスが保っていればいいのよ、多分だけど」ﾌﾌｯ

海未「言われてみればそうかもしれませんね」ﾌﾌｯ
　

絵里「でも、なんとなく海未の気持ちも分かるわ」

海未「そうですか？」

絵里「ええ、希に似たような事良く言われるから」ﾌﾌｯ

絵里「って、話が逸れたわね。練習メニューは少し時間貰ってもいいかしら？」

絵里「スクールアイドルになったからって生徒会の仕事をさぼって良いわけじゃないし」

絵里「今まで以上に真剣にやらないと、理事長に合わせる顔も無いわ」

絵里「だから、少し時間かかっちゃうかも」
　

海未「ふふっ」

絵里「あら、どうしたの？」

海未「絵里先輩は本当に真面目なんですね」

絵里「あ…そうね。きっとこういうところが真面目だって言われる原因なのかも」ｸｽｯ

絵里「まあ、似た者同士仲良くなれそうじゃない？」

絵里「改めてよろしくね。海未」

海未「こちらこそ、よろしくおねがいします」

海未「絵里先輩が加入してくれてなんだか気が楽になった気がします」ﾌﾌｯ

絵里「それは良かったわ」ﾌﾌｯ
　

絵里「練習メニューは三日ぐらい待ってもらえるかしら？」

海未「分かりました。それではよろしくお願いします」

絵里「任せてちょうだい」

海未「はい。それでは失礼しますね」

絵里「ええ、お疲れ様」
　

絵里「ふぅ…」

希「遅くなってごめんなあ…えりちどしたん？」

絵里「え？」

希「なんだか嬉しそうやん」

絵里「そうかしら？」

希「なんか少し肩の荷が下りたって感じがしてるんよ」
　

希「さっき海未ちゃんとすれ違ったけど、何かあったんかな」

絵里「そう…かもしれないわ」

絵里「私、正直μ’ｓに入る前なんて半ば八つ当たりみたいな感じで接してたのに」

絵里「私の事を頼って生徒会室まで来てくれる後輩もいるんだって思うと、なんだか嬉しくて」

希「まあ、あの時のえりちはおっかなかったしなあ」
　

絵里「…うるさいわよ」

希「ウチだって散々とばっちり食らったしなあ…少しぐらい文句言ったってええやん」

絵里「…悪かったわよ」

希「ふふっ、冗談冗談」

絵里「全く…希ったら…」
　

絵里「でも、正直な話、こんな私の事を受け入れてくれるかなってちょっと思ってたりもしたんだけど」

希「そんな心配はいらんよ。みんないい子やし」

絵里「そうみたいね」ﾌﾌｯ

希「えりちは本当にめんどくさい事ばっかり考えてるんやから…」

希「それに一つ忘れてるんよ」

希「後輩だけじゃなくてウチもにこっちもちゃーんといるからね」

絵里「ええ、そうね」

希「えりちは本当にめんどくさい事ばっかり考えてるんやから…」

絵里（さっきは海未に色々偉そうなことを言ったけど）

絵里「本当、どうにかならないものかしらね」ｸｽｯ


おわり
　

良い…乙
真面目に考えすぎちゃうところ、二人とも可愛いよ
　

えりうみはいいなぁ