【SS】ダイヤ「ドッペルゲンガーですの？」【ラブライブ！サンシャイン!!】

ルビィ「し、しんじゃうの？」

善子「えぇ、もう1人の自分を見たものは死んでしまうらしいわ」

花丸「そういえば芥川龍之介も亡くなる前にドッペルゲンガーを見てたとかいう話を聞いたことあるずら！」

ルビィ「えぇ！？」

善子「そう、アメリカのリンカーン大統領もドッペルゲンガーを見たって言われてるの」

ルビィ「ひぃっ！」
　

ダイヤ「……善子さん」

善子「何よ、折角人が楽しく話してたのに」

ダイヤ「人の妹を怖がらせておいて何が楽しく、ですか！」

ダイヤ「ルビィも、そんな根拠もない話で怖がらない！」

ルビィ「で、でも芥川龍之介さんもリンカーンさんも――」

ダイヤ「芥川龍之介は自〇でリンカーン大統領は暗〇ですわよ？」

ルビィ「あ……」
　

善子「ダイヤはなんにもわかってない！」

ダイヤ「何がですの？」

善子「ドッペルゲンガーは原因が何であろうと死ぬ前に現れるのよ」

善子「きっと死を伝えにきた悪魔的存在！」

ダイヤ「ですからそういうのがありえないと言っているのです！」

ダイヤ「自分にそっくりな人物は世界に3人はいるとよく言うでしょう？」

ダイヤ「そっくりな人を見つけてドッペるゲンガーだと思い込み、心を病んでしまった人がいるだけではなくて？」

善子「うー……。ダイヤは夢がないんだから」
　

ダイヤ「ですからもう2度とドッペルゲンガーの話はしないこと、いいですわね？」

善子「ヨハネがどんな話したっていいじゃない！」

ダイヤ「ルビィが怖がるので」

ルビィ「ぴぎぃ……」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

ダイヤ「花丸さんも変に茶化さない」

花丸「はーい……」

善子「……」

ダイヤ「善子さんもわかりましたわね？」

善子「はーい」
　

――
翌日

鞠莉「……あれ？」

ダイヤ「あぁ、鞠莉さん。ごきげんよう」

鞠莉「ダイヤさっきあっちにいなかった？」

ダイヤ「いえ、わたくしはこっちから歩いてきましたけど」

鞠莉「え、でもルビィと仲良さそうに」

ダイヤ「ルビィと？ わたくしが？」

鞠莉「うん」
　

ダイヤ「いや、わたくしルビィとは朝別れて以来ですけど」

鞠莉「えー、おかしいな、見間違いかな……」

善子『ドッペルゲンガーはね、まるで本人みたいに日常生活の範囲で出てくるのよ』

善子『友人から「あれ？ さっきあっちにいなかった？」なんて言われるんだって』

ダイヤ「っ！」ｿﾞｸｿﾞｸ

鞠莉「ダイヤ？ 顔色よくないけどどうしたの？」

ダイヤ「い、いえ、なんでもありませんわ」
　

ダイヤ「わ、わたくし生徒会室に行きますので」

鞠莉「？ あんまり体調悪いんだったら無理しないでね」

ダイヤ「えぇ、ありがとうございます」

ダイヤ（あんなの戯言ですわ、ドッペルゲンガーなんて非科学的なもの……）

果南「あれ？ ダイヤ？ さっきあっちにいたのに――」

ダイヤ「いませんわ！ わたくしはそっちにはいませんわよ！」ﾀﾞｯ

果南「ちょ、どうしたのダイヤ！？」
　

――

千歌「あ、ダイヤさん。もう平気？」

ダイヤ「へ？ 何がですの？」

曜「え、だってさっき風邪引いて声でないからって」

梨子「ルビィちゃんが『お姉ちゃんが声でないからルビィが通訳してるんだ』って言ってたのに」

ダイヤ「そんなことありませんけど？」

千歌「えー、でも確かにダイヤさんだったよね？」

曜「うん、あの吊り目といい髪型といいダイヤさんだったよ」

梨子「これって、もしかしてあれ？」

ダイヤ「あ、あれってなんですの……？」
　

梨子「もう1人の自分っていうやつ、なんだっけえーっと……」

千歌「ノッペリゲンガー！」

曜「ドッペルゲンガー。見たら死んじゃうっていうやつだよね」

千歌「え、うそ！？ じゃあダイヤさんが会ったら――」

ダイヤ「っ！」ｿﾞｸｿﾞｸ

ダイヤ「そ、そそ、そんな非科学的なことありえませんわ！」ﾀﾞﾀﾞｯ

曜「あ、ダイヤさん！ そっちは！ って、もういない……」

梨子「あっちにドッペルゲンガーがいたのに、大丈夫かな……」
　

――

ダイヤ（ありえませんわありえませんわ）

ダイヤ（ドッペルゲンガーなんてそんなもの――）

ルビィ「あれ？ お姉ちゃん？」

ダイヤ「ルビィ！ なんともありませんの？」

花丸「なんともって？」

ルビィ「お姉ちゃんこそ大丈夫なの？」

ダイヤ「な、何がですの……？」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ
　

花丸「だって風邪引いて声でないからって、ルビィちゃんと一緒に生徒会室まで行って――」

ルビィ「さっき生徒会室でお姉ちゃんと別れたばっかりなのに」

花丸「そういえばこっちからダイヤさんがくるのもおかしいような……」

ダイヤ「……」ｻｰｯ

ダイヤ「わ、わたくしは生徒会室にいますの……？」

ルビィ「？ う、うん。生徒会室にいると思ってたけど」

花丸「マルも生徒会室前でルビィちゃんとダイヤさんが別れるところ見たずら」

ダイヤ「っ！」
　

――

ダイヤ「こ、この中にわたくしのドッペルゲンガーが……」

ダイヤ「今日は入るのやめた方がいいでしょうか……」

ダイヤ「い、一日くらい大丈夫ですわよね！」

ｷﾞｨ

ダイヤ「！？ と、扉が開いて――」

ダイヤ？「……」ｽｯ

ダイヤ「きゃああああああああああああああああ」
　

ダイヤ「わ、わたくしまだ死にたくないですわ！」

ダイヤ「ルビィを残して死ぬなんて……！」

ダイヤ「み、見てませんわ！ 来ないで！」

ダイヤ？「ダイヤ」

ダイヤ「な、なな、何も聞こえませんわ」ｶﾞｸﾌﾞﾙ

ダイヤ？「ダイヤってば」ﾄﾝﾄﾝ

ダイヤ「ひぃっ……！」

善子「ヨハネよ、ヨ・ハ・ネ！」

ダイヤ「……うぅ」ｶﾞｸﾌﾞﾙ
　

善子「ふふ、どう？ 似てるでしょ？」

ダイヤ「わ、わたくしですわ……」

善子「カラコンまで入れて本気でダイヤに成りきったの」

善子「ダイヤに仕返ししてやろうって思ってね！」

善子「まさかルビィまで騙せるとは思わなかったけど」ｸｽｸｽ

ダイヤ「み、みてしまいましたわ、わたくしこのまま死んでしまいますわ……」ｶﾞｸﾌﾞﾙ

善子「だからドッキリだって」

ダイヤ「きゅう……」ﾊﾟﾀﾝ

善子「ちょ、ダイヤ！ ダイヤーっ！」
　

――

ダイヤ「んん……」

善子「あ、起きた？」

ダイヤ「善子さん……？」

善子「まあヨハネのせいで倒れちゃったわけだし、罪滅ぼしね」

ダイヤ「なんのこｔ――」ｶｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ

ダイヤ「どうして膝枕してますの！？」ｶﾞﾊﾞｯ

善子「だから、ヨハネのせいで倒れたから罪滅ぼし！」
　

善子「ダイヤってば信じてないなんていったくせに本気で怖がっちゃって、気絶までするとは思わなかったんだから！」

ダイヤ「なっ！ あれ善子さんの仕業ですの！？」

善子「気絶する前から何回も言ってたじゃない！」

ダイヤ「というかなぜ膝枕？」

善子「ヨハネの膝枕なんてレアよ？」

善子「気持ちよかったでしょ？」

ダイヤ「……気絶していたから全くわかりませんわ」
　

善子「寝てるときすっごい気持ち良さそうにヨハネのふとももに頬ずりしてたけど？」

ダイヤ「は？」

善子「あまりにも面白かったからムービー撮っちゃった」

ダイヤ「ちょ、消しなさい！ 善子さん！」

善子「あー、ごめん。もうAqoursのグループに貼っちゃった」

ダイヤ「なぁっ！？」

善子「大丈夫、みんなダイヤかわいいって言ってるから！」

ダイヤ「全然よくありませんわよ！」

おわり