【SS】かのん「不束者のクーとカー」【ラブライブ!スーパースター!!】

SS


1:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:09:43.44 ID:vM45LflO
かのくぅ(クーカー)
 

2:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:11:26.12 ID:vM45LflO
かのん「お邪魔しまー、うわわっ、なにこれ!?部屋の中どこもかしこも物だらけ!」

可可「あはは、衣装作りに打ち込んでいたら、いつの間にかこんなことに…」

かのん「ライブ前の追い込み作業で、物や道具が置きっぱなしとは聞いてたけど、これほどとは…」

可可「うう、お恥ずかしいデス…」
 
3:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:12:42.60 ID:vM45LflO
かのん「もはや倉庫とか作業場レベルだよ。こんなに物がいっぱいで、一体どこでどうやって寝てるの?」

可可「ここに、こう、寝ぐるみを使いまして!」

かのん「ああ、この可可ちゃんサイズの隙間がそうなんだ」

可可「スペースのかしこい有効利用デス!」
 
4:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:13:48.89 ID:vM45LflO
かのん「むしろ非効率の極みだよ。ダメだよ、ちゃんと整理整頓しなきゃ」

可可「わ、わかってはいるのデスが」

かのん「熱心なのはいいけど、こんなに物が散らかってたら暮らしが大変だし、友達だって呼べないでしょ」

可可「大丈夫デス、そういうときは外で会いますので!」
 
5:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:14:43.40 ID:vM45LflO
かのん「ん、そっか…」

可可「かのん?」

かのん「ああ、実はね。うちだと家族の目が気になるし、週末は可可ちゃんの部屋にお邪魔したいなーって考えてて」

可可「わあ、素晴らしいアイデア!大歓迎デス!ぜひぜひ遊びに――」
 
6:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:16:06.85 ID:vM45LflO
かのん「でも、この状態じゃちょっと無理そうだね」

可可「えっ」

かのん「移動もやっとって感じで、落ち着いて座ったりお茶したりする場所も無さそうだし」

可可「ええっ」
 
7:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:17:07.47 ID:vM45LflO
かのん「ライブも終わったことだから、二人でゆっくりまったりして、お泊りも出来たら最高だなって思ってたんだけどなー」

可可「ええーっ!?」

かのん「仕方ないから、なんか適当に予定入れちゃおうっと。はぁ、残念」

可可「か、片付けマス!」
 
8:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:18:29.65 ID:vM45LflO
かのん「えー、でも」

可可「今やります、すぐやります!カキューテキ速やかにお片付けしますから、週末は一緒にいてクダサイ~!」

かのん「ふふっ、やっと決心がついたみたいだね。私も手伝うよ、二人なら作業も捗るし、きっと楽しくできるはずだから」

可可「うう、かのん…!」
 
9:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:20:46.39 ID:vM45LflO
かのん「でも、今からでは遅くなっちゃうから、始めるのはまたにしよう。週末は一緒にお片付けして、それまでは可可ちゃんが我が家にお泊まり、なんてどうかな?」

可可「大賛成デス!フツツカモノですが、お邪魔させていただきマス!」

かのん「あー…それ、家族の前では言わないでね」

可可「なぜ?」
 
10:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:22:12.94 ID:vM45LflO
かのん「それを聞いたお母さんやありあが『うちの方こそ不束者ですが、なにとぞよろしくお願いします』とかやりだすから。間違いなく」

可可「おおっ、なんだか目に浮かぶようデス!」

かのん「そこは浮かばないで欲しかったなー。ってことで」

可可「ハイ、さっそく準備しちゃいマス!かのんの部屋にお泊りデスー!」
 
11:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:23:09.52 ID:vM45LflO
……………………………………

数日後、かのんちゃん家の喫茶店

カランカラン――

可可「イラッシャイマセー!」

かのん「ただいまー。やっほー、可可ちゃん」
 
12:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:24:04.61 ID:vM45LflO
可可「あっ、かのん!」

かのん「お疲れ様、調子はどう?」

可可「見てのとおり、バッチリです!」

かのん「みたいだね。エプロン、今日もよく似合ってるよ」
 
13:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:25:42.76 ID:vM45LflO
かのん(お部屋の片付けのため、急きょ我が家に連泊することになった可可ちゃんは)

可可『可可にお店のお手伝いをさせてクダサイ!お世話になるばかりでは心苦しいので!』

かのん(進んでお手伝いを買って出て、こうしてエプロン姿でお店に立ってくれているというわけだ)

かのん「仕事にも慣れてきたみたいだし、可可ちゃん、もうすっかり一人前なんじゃない?」
 
14:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:26:35.87 ID:vM45LflO
可可「えへへ、喫茶店で働くのは初めてデスが、みなさん良くしてくれるおかげでだんだんと…はっ」

かのん「ん?」

可可「あっ、ああーーー!!」

かのん「ちょ、ちょっと、可可ちゃん!?急に叫んじゃって、一体どうしたの!?」
 
15:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:27:39.02 ID:vM45LflO
可可「わ、忘れていました…」

かのん「忘れてた?」

可可「喫茶店で働くにあたって、決して忘れてはならない最も大事なことを。可可ともあろう者が、なんという不覚…」

かのん「忘れちゃいけない最も大事なこと?どういうことなの?」
 
16:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:28:28.80 ID:vM45LflO
可可「…やり直しマス」

かのん「へっ?」

可可「やり直しマス、やり直してもいいですか?」

かのん「やり直すって、何を?」
 
17:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:29:27.84 ID:vM45LflO
可可「やり直してもいいデスか!?」

かのん「わ、わかった、よくわかんないけどわかったから!」

可可「では、かのんはもう一度お店に入ってきてクダサイ」

かのん「はい?」
 
18:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:30:38.83 ID:vM45LflO
可可「かのんがお店に入ってきたところからリスタートしますので」

かのん「もう一回入って来ればいいの?」

可可「そうデス!お願いしマス!」

かのん「わ、わかったってば。いや、ますますわかんないけど…」
 
19:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:31:25.68 ID:vM45LflO
可可「では、テイク・ツー、スタート!」

かのん(可可ちゃん、こうと決めたら一直線だからなぁ…)

カランカラン

可可「イラッシャイマセー!」
 
20:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:32:43.02 ID:vM45LflO
かのん「た、ただいまー」

可可「あっ、かのん!」

かのん(やり直しって、これじゃさっきと何も変わってないような――)



可可「こほん。お帰りなさいませ、お嬢様!」

かのん「――!!??」
 
21:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:33:52.09 ID:vM45LflO
可可「ふふっ、どうです?可可の立ち振る舞い、このスマイル!なかなかサマになってましたでしょう!」

かのん「…」

可可「喫茶店と言えばやはりコレ、一度やってみたかったのデス!くぅ~、また一つ夢が叶いマシタ!」

かのん「…」
 
22:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:35:08.12 ID:vM45LflO
可可「あれ、かのん?おーい、かーのーんー」

かのん「…はっ!?」

可可「急に黙って、どうかしたのデスか?」

かのん「い、いや、どうしたんだろうね、あはは…」
 
23:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:36:23.45 ID:vM45LflO
可可「んー?」

かのん(――それはまるで、雷が体を突き抜けたような衝撃だった)

可可「それではお席にご案内させていただきマス!どうぞこちらへ!」

かのん(輝きが違う、眩しさが違う、何から何まで段違い…エプロン姿の可可ちゃん、あまりにも可愛すぎるよ…!)
 
24:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:37:48.78 ID:vM45LflO
――――――――

可可「お待たせしました!可可特製、見習いミルクティーです!」

かのん「わ、良い香り。いただきまーす。んんっ」

可可「お口に合いましたか?」

かのん「すっごく美味しい!お茶の淹れ方がますます上手になったね」
 
27:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:38:47.63 ID:vM45LflO
かのんママ「私の教え方がいいからねー」

かのん「はいはい。でも本当に美味しいや。可可ちゃんも一緒にどう?」

可可「いえ、まだ勤務中デスので!」

かのん「他にお客さんもいないしさ、せっかくだから付き合ってよ」
 
30:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:40:13.83 ID:vM45LflO
可可「ですが…」

かのんママ「仕事はひと段落したし、ゆっくり休憩していいわよ」

かのん「ほらね、オーナーもこう言ってるし」

かのんママ「というか、可可ちゃんがこんなに頑張ってるっていうのに、何食わぬ顔でお客さんしちゃってるかのんの方がそもそもおかし」
 
32:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:41:07.83 ID:vM45LflO
かのん「わ、わーっ、わーっ!」

可可「ふふっ、では、話し相手ということで!」

かのん「そ、そうそう、そうこなくっちゃ!お母さん、可可ちゃんに飲み物お願い!」

かのんママ「はいはい、お代はかのん持ちねー」
 
34:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:42:11.62 ID:vM45LflO
――――――――

かのん「ふふっ」

可可「ん?」

かのん「いや、似合うなーって思ってさ」

可可「ああ、エプロンですか?可愛くてお気に入りデス!」
 
35:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:43:22.81 ID:vM45LflO
かのん「それもだけど、雰囲気って言うか、空気感っていうか」

可可「雰囲気、空気感…?」

かのん「ごめんね、上手に言えないや」

可可「でも、わかるような気がします。可可も喫茶店のこと、さらに好きになってきました」
 
36:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:44:45.59 ID:vM45LflO
かのん「将来のことなんてわからないけど…いつかさ、二人で喫茶店を開いちゃったり」

可可「えっ」

かのん「あははっ、なーんて」

可可「それ、すごく良いデス!一緒にお店を切り盛りしながら、かのんが歌の弾き語りをしたり、可可が衣装づくりのワークショップやマルシェをしたり!」
 
37:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:45:55.67 ID:vM45LflO
かのん「わ…いいアイデアかも!そういうの、とっても素敵だなぁ…!」

可可「かのんと可可の二人のお店デス、賑やかで居心地がよくて、笑顔が集まる場所になること間違いなしデス!」

かのん「二人のお店、か。私が大人になっても、きっとまだまだ不束者だと思うけど、その時はなにとぞよろしくね」

可可「こちらこそ、デス!」



終わり
 
38:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/01/30(日) 10:49:00.10 ID:vM45LflO
不束者の笑顔溢れるかのくぅでした。

宣伝となり恐縮ですが、下記はかのくぅの過去作です。よろしければ併せてお願いします。

かのん「可可ちゃんは花ざかり」
https://fate.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1642903579/

ありがとうございました。
 

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1643504983/

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