【SS】かのん「口溶けを重ねて」【ラブライブ!スーパースター!!】

SS


1:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:31:55.09 ID:NEp2ERPJ
かのくぅ(クーカー)
 

2:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:32:56.81 ID:NEp2ERPJ
ありあ「ふぅ、ご馳走様」

かのん「ど、どうだった?」

ありあ「うーん、ひと言で言い表すのなら…」

かのん「…っ」

ありあ「すごく美味しかったよ」
 
3:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:33:45.45 ID:NEp2ERPJ
かのん「ほんと?気になる所とか無い?」

ありあ「強いて言えば、もう少しビターにしても良いかもね。でも、好みの問題だから、これはこれでちゃんと完成してると思う。本当に美味しいよ」

かのん「そ、そっか。よかったぁ…!」

ありあ「ふふふっ、それにしても、知らなかったなー」
 
4:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:36:08.45 ID:wmnWGNXg
かのん「ん、何が?」

ありあ「姉ちゃんに、手作りスイーツを贈るようなお相手が居たなんてさ」

かのん「ふえっ!?」

ありあ「時期的に考えて、バレンタインのお返しでしょ?ホワイトデーには、心のこもった特別なプレゼントをあなたに、みたいな。やっぱり高校生になるとそういうものなんだねー」
 
5:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:37:11.16 ID:m/kh40dp
かのん「ち、違うから!今度可可ちゃんと一緒にお返し用のお菓子作りするから、その予行練習ってだけ!変なこと言わないで!」

ありあ「へー、なるほどー、そうなんだぁ」

かのん「なに、その何か言いたげな顔」

ありあ「お気になさらず。仲良しだなーって思っただけ」
 
6:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:38:03.30 ID:m/kh40dp
かのん「と、とにかく、そういうわけで器具一式借りてくからね。ハンドミキサーとか」

ありあ「使う予定無いから別にいいけど、わざわざ持って行かなくても、うちで作ればいいのに」

かのん「可可ちゃんのことだから、色々と気を遣わせちゃうかなって」

ありあ「ここだと家族の目も気になるしね」
 
7:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:38:51.66 ID:m/kh40dp
かのん「そうそう、それなんだよねー…って、だから違うってば!」

ありあ「あははっ。でも、ティラミスかぁ」

かのん「…なにか?」

ありあ「ううん、いいアイデアだね」

かのん「…うん、二人で決めたんだ!」
 
8:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:39:37.22 ID:m/kh40dp
……………………………………

ホワイトデー、前日

かのん「お邪魔しまーす」

可可「かのん、いらっしゃい!」

かのん「荷物、キッチンに置いちゃうね」

可可「すみません、色々準備をさせてしまって」
 
9:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:40:25.15 ID:m/kh40dp
かのん「いいからいいから。それじゃ、さっそく始めていこうか!」

可可「ハイ、よろしくお願いしマス!」

かのん「まずは材料の確認ね。マスカルポーネチーズ、卵、生クリーム、砂糖、クッキー、そしてココアパウダー」

可可「ココア!」
 
10:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:41:25.03 ID:m/kh40dp
かのん「それと、インスタントコーヒー。使うものはこれで全部だね」

可可「調理器具はおおむねセット済みデス!」

かのん「そこに、うちから持ってきたハンドミキサーと茶こしを加えれば、準備はオーケー」

可可「この確認作業が、料理には大事なのですよね」
 
11:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:42:14.72 ID:m/kh40dp
かのん「そういうこと。準備が終わったところで、ティラミス作り開始です!」

可可「よろしくおねがいしマス!最初は生クリームからデスか?」

かのん「うん。生クリームをボウルに入れて、ハンドミキサーで泡立てていくよ」

可可「おおっ、お菓子作りでよく見るやつデス!」
 
12:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:43:06.44 ID:m/kh40dp
かのん「ここでのポイントは、よく冷やしながら泡立てること。氷水を入れた大きめのボウルの中で作業するんだ」

可可「それはどうして?」

かのん「温度が上がると、綺麗にホイップできないことがあるんだって」

可可「ふーむ。イメージとしては、温めたほうがふわふわになりそうなものデスが」
 
13:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:43:48.03 ID:m/kh40dp
かのん「生クリームって繊細だからね。こんな感じで、空気を含ませながらすばやく混ぜていく」

可可「わあ、本当にお菓子作り教室の先生みたいデス!」

かのん(先生、か。ふふっ、練習しておいてよかった)

可可「可可も、可可もやってみたい!」
 
14:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:44:52.26 ID:m/kh40dp
かのん「じゃあ交代しよっか。ボウルを傾けながら、全体を混ぜるようにしてね」

可可「やってみます!わわっ、これ楽しいデス!」

かのん「いい感じいい感じ。生クリームは、少しもったりするくらいでいいと思うよ」

可可「わかりマシタ!もったりー、もったりー♪」
 
15:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:45:41.79 ID:m/kh40dp
かのん(お菓子作りする可可ちゃん、いいな)

可可「もったりー♪かのん、このくらいでどうでしょうか?」

かのん「ん、良さそうだね。生クリームはこれで完成、続いては卵!」

可可「たーまごっ!」
 
16:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:47:01.58 ID:m/kh40dp
かのん「生クリームとは別のボウルに卵黄と砂糖を入れて、これもハンドミキサーで混ぜていく。目安は白っぽくなるくらいまでかな」

可可「結構な量のお砂糖が入りましたね」

かのん「こんなに入れるんだって思うよね。でも、ここで手加減すると、仕上がりが微妙な感じになっちゃうんだ」

可可「お菓子作りには思い切りが大事、と言うわけデスね」
 
17:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:47:46.20 ID:m/kh40dp
かのん「スクールアイドルと同じだね」

可可「あっ、可可が言おうとしましたのに!」

かのん「ふっふーん、お見通しー」

可可「むうぅ、可可が出し抜かれるとは。かのん、さらに出来るようになりました!」
 
18:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:48:27.44 ID:m/kh40dp
かのん「誰かさんの影響かなー。さてさて、大変な作業はここまで。お次は生クリーム、卵、マスカルポーネを混ぜ合わせていくよ」

可可「これもハンドミキサーで?」

かのん「ううん。ここではゴムベラを使って、ムラなくしっかり、ふんわりと混ぜるんだ」

可可「ムラなくしっかり。よいしょ、よいしょ」
 
19:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:49:15.41 ID:m/kh40dp
かのん「上手、上手。綺麗にできてるよ」

可可「なんだか美味しそうになってきました!」

かのん「それじゃ、ここらへんで味の確認といきますか」

可可「いきますいきます!」
 
20:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:50:08.98 ID:m/kh40dp
かのん「スプーンにすくって。はい、あーん」

可可「あー、むっ。ん~っ!」

かのん「お味はどう?って、その顔を見ればわかるね」

可可「とっても美味しい!ふわふわであまあまデス!」
 
21:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:51:39.34 ID:m/kh40dp
かのん「どれどれ。うん、良さそう!ティラミスクリームはこれで出来上がり!後は容器に入れるだけ!」

可可「いよいよ完成が近づいて来ました!」

かのん「まずはガラス瓶の中に、濃いめのコーヒーをしみこませたクッキーを敷き詰めていくよ」

可可「これがスポンジの代わりになるわけデスね」

かのん「そうそう。この上にクリームを重ねていくんだ。瓶の半分くらいまで入れたら、ここにまたクッキーを重ねて、さらにクリームを入れてっと」
 
22:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:52:27.54 ID:m/kh40dp
可可「わぁ~、こんなの絶対美味しいデス!」

かのん「入れ終わったら、最後の仕上げはこちら!」

可可「ココア!」

かのん「茶こしを使ってふりかけるんだ。とんとんってね」
 
23:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:53:30.62 ID:m/kh40dp
可可「とんとん、とんとん。どのくらいかけますか?」

かのん「好みにもよるけど、ちょっとかけすぎかな、ってくらいが美味しいと思うよ」

可可「了解デス!とんとん、とんとん――かのん、出来マシタ!」

かのん「うん!瓶詰めティラミス、これにて完成だよ!」
 
24:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:54:12.88 ID:m/kh40dp
――――――――

可可「かのん、お茶が入りました!」

かのん「ありがとー」

可可「はやくはやく!」

かのん「そんなに慌てなくても、ティラミスは逃げないって」
 
25:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:55:38.25 ID:m/kh40dp
可可「そうは言っても、可可、もうワクワクが止まりません!」

かのん「その気持ちはわからなくもないかな。本当は冷蔵庫で冷やしてから食べるんだけど、今回は試食ってことで」

可可「では、出来立てのティラミスを…!」

かのん「うん!」

かのくぅ「いただきまーす!」
 
26:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:56:44.97 ID:m/kh40dp
可可「ああ、夢見ていたこの瞬間が遂に…!あむっ。ん~!美味しいー!なめらかな口溶けと蕩ける美味しさ、甘さと苦さが織りなす絶妙なハーモニー!」

かのん「うんうん!クリームの濃厚な甘さにココアとコーヒーの苦味が最高にマッチしてる。食感もちょうどいいし、大成功だね!」

可可「瓶入りというのもいいデスね。見栄えが良くお洒落ですし、瓶の中に幸せがいっぱい詰まっている感じがします!」

かのん「これならきっとみんなに喜んでもらえるよ!」
 
27:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:57:35.36 ID:m/kh40dp
――――――――

可可「はぁ、至福のひとときでした~」

かのん「美味しく出来てよかったよ。可可ちゃんが頑張ったおかげだね」

可可「いえいえ、かのんの準備と教え方のおかげデス!」

かのん「なら、二人のおかげってことで」

可可「ですです!」
 
28:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:59:05.13 ID:m/kh40dp
かのん「それにしても、ティラミスっていうのはいいアイデアだったよね。コーヒーとココアの組み合わせ、私たちにぴったりだもん」

可可「スイーツについて色々調べていた時、ティラミスにはコーヒーとココアを使うことに気付いて、これだーって思いました」

かのん「そこに気が付くなんて、さすが可可ちゃんだよ」

可可「だからこそ、かのんと一緒に作りたかったのです。お願いを聞いてくれてありがとう」
 
29:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 17:59:47.22 ID:m/kh40dp
かのん「可可ちゃん」

可可「えへへっ。ねえ、かのん」

かのん「なぁに――んむっ…!?」

可可「ん…」
 
30:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 18:00:41.21 ID:m/kh40dp
かのん「ん、んんっ」

可可「ん、んー…ぷあっ」

かのん「はぁ、はぁ…」

可可「ふふっ。ご馳走様、デス」
 
31:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 18:01:52.96 ID:m/kh40dp
かのん「い、いきなりは反則って言ってるのに」

可可「だって、かのんが可愛いから」

かのん「か、可愛いも禁止って言ってる!」

可可「可愛いのだから仕方ないのデス。溢れ出す大好きの気持ちは、抑えようがありません」
 
32:◆2XUM89JJWNIX (光) 2022/03/14(月) 18:02:40.06 ID:m/kh40dp
かのん「う、うぅ~…!」

可可「だから、もっともっと伝えたい」

かのん「く、可可ちゃ、ん、むっ…」

可可「ん、ちゅ…かのん、かのん…」

不意打ちのキスは、はじめての時と同じ、ココアの味がした。



終わり
 
36: (らっきょう) 2022/03/14(月) 21:18:58.07 ID:jOJNYBOt
6cƠᴗƠ∂はぁ…スバラシイSSの人ありがとうございます。コーヒー✕ココア⇒ティラミスでクーカーていいデスネー。
 
35: (たこやき) 2022/03/14(月) 21:13:43.44 ID:K1xGSQ4R

いつも楽しみにしてる
クーカーはいいぞ
 

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1647246715/

タイトルとURLをコピーしました