【SS】梨子「ようりこが欲しいな……」【ラブライブ！サンシャイン!!】

梨子「昨日見たカップリングまたようちかだったわね」

梨子「ようりこは…まだ来てないか……」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ

梨子「ようちか、よしまる、かなまり……やっぱりみんな幼馴染みが好きなのかな……はぁ……」

梨子「分かるんだけどね、昔からずっと一緒にいて今でも仲が良くて…私だってたまに羨ましいって感じちゃうもん」

梨子「曜ちゃんはどう思ってるんだろう、やっぱり千歌ちゃんのことが好きなのかな……」

梨子(気になるなあ…でも答えを聞くのが怖い……)

梨子(それに仮に違ったとしても、曜ちゃん人気者だし……私なんかじゃ……)
　

──ｶﾞﾗｯ


曜「ヨーソロー！……ってうわっ！どうしたの梨子ちゃん！？なんか暗いよ！？」

梨子「あ、曜ちゃん……」ﾄﾞﾝﾖﾘ

曜「なにか悩み事？私でよかったら相談に乗るよ！」

梨子「え、でも……」

曜「遠慮なんかしないでよ、私と梨子ちゃんの仲じゃん！」ﾆｺｯ
　

梨子(これはもしかして曜ちゃんの好きな人を聞けるチャンスなんじゃ……けど…)

梨子(いや、今ここで悩んでいても仕方ないよね…よし、聞いてみよう)

梨子「じゃあ…えーとね曜ちゃん」

曜「うん」

梨子「曜ちゃんは誰か好きな人とかいるの？」

曜「え？」
　

曜「ええええええええええええええ！？いやいやいやちょっと待って！好きな人！？なにそれなんでいきなりそんなこと！///」

梨子「ちょ、ちょっと曜ちゃん落ち着いて……」

曜「梨子ちゃんのせいじゃん！///」

梨子「ご、ごめんなさい……」


梨子(でも今の質問に対する反応……)

梨子(曜ちゃん、好きな人がいるんだ……)ｽﾞｷｯ
　

……

…



曜「ようやく落ち着いてきたヨーソロー……///」

梨子「本当にごめんね曜ちゃん…まさかあそこまで取り乱すなんて思ってなくて……」

曜「ううんいいよ、私も反応が少しオーバーだったと思うから///」

曜「でも好きな人かあ…梨子ちゃんどうして唐突にそんなこと聞いてきたの？」

梨子「えっ、それはその……」ｶｱｧ
　

梨子「い、言わなきゃ駄目？///」

曜「だって気になるし」

梨子「私はその前にさっきの質問に答えて欲しかったんだけど……」ｼﾞﾄｯ

曜「うっ…」ﾀｼﾞｯ

曜「聞いたら言うから！ね？おねがい梨子ちゃん！」ﾊﾟﾝｯ

梨子「本当に？」ｽﾞｲｯ

曜「ホントのホントに！///」

梨子「仕方ないなあ……あのね」

曜「うん」
　

梨子「実はAqoursのカップリング人気に悩んでいて……」

曜「うん？」

梨子「創作ものを見ているとようりこよりようちかの方が圧倒的に多いの」

曜「……梨子ちゃん？」

梨子「ようりこも増えてきてはいるんだけど、それでも結構な差があるのよね……」

梨子「だからこういう界隈だとやっぱり幼馴染みが多くの人に好かれるのかなあって…」

曜「梨子ちゃん」

梨子「別に幼馴染みを否定しているわけじゃないの、でもね新しい出会いから始まって徐々に芽生えていく恋ごころっていうのもいいと思うの」

梨子「例えばね？例えばなんだけど…いきなり東京から転校生がやってきて、ふとしたきっかけでその子と一緒に活動することになって、最初はお互いぎこちなかったんだけど次第に他愛のない話もできるようになってきて……」

曜「梨子ちゃんってば」
　

梨子「なに？」ｷｮﾄﾝ

曜「まず聞きたいんだけど、Aqoursのカップリングってなに？」

梨子「え？」

曜「いやだからその、ようちか…とかようりこ…とかが私よく分からないんだけど……」ｱｾｱｾ

梨子「」


梨子「曜ちゃんと千歌ちゃんがイチャイチャしてるのがようちかで、曜ちゃんと私がイチャイチャしてるのがようりこ」

曜「随分ざっくりした説明だね…」

曜(というか今の間は一体なんだったんだろう…)
　

曜「ま、まあ今のでなんとなく分かったよ」

曜「えーと、今の説明を聞いたうえで話を戻すけど……」


曜「梨子ちゃんはようりこよりようちかが多いことで悩んでるんだよね？」

梨子「うん」

曜「それで梨子ちゃんはようりこももっと増えてほしいって思ってるんだよね？」

梨子「……うん」

曜「私と梨子ちゃんがイチャイチャしてるのが増えてほしいって……思ってるんだよね？///」

梨子「……///」ｶｱｧ
　

曜「それってつまりさ…///」

梨子「……///」

曜「え、えーと…その…///」

梨子「…………/////」

曜「なんといいますか……///」

梨子「………………/////」

曜「もう…なにか言ってよぉ……///」

梨子「だってぇ……///」ｶｵﾏｯｶ
　

梨子「うぅ……///」

曜「……あのさ、梨子ちゃん」

梨子「……？///」

曜「梨子ちゃんは私のことどう思ってるのかな？///」

梨子「え？///」

曜「梨子ちゃんの口から直接聞きたいなあ…なんて///」



梨子「…………そうだよね」

梨子「あのね、曜ちゃん」
　

梨子「私ね、曜ちゃんのことが好き、大好き」
梨子「でも怖かったの、この気持ちを伝えるのが…」

曜「どうして？」

梨子「だって、曜ちゃんずっと千歌ちゃんのことが好きだと思ってたから……」

梨子「それに幼馴染みって人気だし、曜ちゃんも人気者でしょ？地味な私なんかじゃ釣り合わないって勝手にそう思い込んで、言い訳して、逃げていたの……」

曜「……」

梨子「でもやっぱり諦めきれなくて、だからこんなずるい形で告白しちゃった…ごめんね？」

曜「梨子ちゃん……」
　

梨子「ありがとう曜ちゃん、私の告白…聞いてくれて……これでもう思い残すことはないよ……」ｸﾞｽｯ

梨子「曜ちゃん、好きな人いるんだよね…頑張ってね……応援…するから……うぅ……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

曜「……私よく人に鈍いって言われるけどさ、梨子ちゃんも大概だよね」

梨子「え…？」ｸﾞｽｯ


ｷﾞｭｯ


梨子「曜ちゃん……？」

曜「梨子ちゃん最初に私に聞いたよね、曜ちゃんは好きな人がいるの？って」

曜「今答えるよ、私が好きな人は──」


曜「梨子ちゃんだよ」
　

梨子「嘘…」

曜「本当だよ、だから最初に梨子ちゃんから好きな人いるの？なんて聞かれたときはビックリしちゃった…えへへ……」

曜「悩みを聞いてるうちにさ、もしかしてって思ったんだけどまだ確信がなくて……私も梨子ちゃんにずるい聞き方しちゃった…なんか似てるね私たち」ｸｽｯ

梨子「…曜ちゃん」ｷﾞｭｯ

曜「なに？」

梨子「嘘じゃない？」ｷﾞｭｩ

曜「嘘じゃないよ」

梨子「ホントのホントに？」ｷﾞｭｩｩｩ

曜「ホントのホントに」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ


梨子「ぐすっ…ようちゃぁ……嬉しい…嬉しいよ……うぅ…」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

曜「アハハ、梨子ちゃんまた泣いてる」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
　

梨子「だって…」ｸﾞｽｯ

曜「笑ってよ梨子ちゃん、梨子ちゃんは笑ったほうが可愛いよ！」ﾊﾟｯ

梨子「曜ちゃん…？」

曜「おっはヨーソロー！ほらほら梨子ちゃんも！」ｹｲﾚｲｯ

梨子「お、おはヨーソロー…」ｹｲﾚｲｯ

曜「よくできました！これはね、元気になれるおまじないだよ！」ﾆｺｯ

梨子「…緊張が解けるおまじないじゃなかったっけ？」ｸｽｯ

曜「まあまあ、そんなの気にしない気にしない！」

梨子「フフ…そうだね」


ﾁｭｯ


曜「うえぇっ！！？ちょっ…梨子ちゃん！？///」

梨子「えへへ…///ありがとう曜ちゃん」ﾀﾞｷｯ



──大好きだよ。
　

……

…


曜「そういえばさ」

梨子「どうしたの曜ちゃん？」

曜「いやさ私たちはもう両想いなわけだし、これで梨子ちゃんがようちかとかようりことかで気にする必要なんてないのかなあって」

梨子「」ﾋﾟｸｯ


梨子「何言ってるの曜ちゃん」

曜「へ？」

梨子「ようりこの戦いはまだ始まったばかりだよ！」ｶﾞﾀｯ

曜「ええっ！？」
　

梨子「当たり前じゃない！ここで付き合ってはい終わりなんてことになったら、ますますようちかとの差が開いちゃうよ！」

梨子「まずは付き合い始めた私たちが先導して皆にようりこの可能性を知ってもらうの！」

曜(なんか色々吹っ切れてるなあ梨子ちゃん……)ｱﾊﾊ

曜「…ってちょっと待って、私たち？…私もやるの！？」

梨子「当然でしょ？私と曜ちゃんでようりこだもん、曜ちゃんがいなかったら何の意味もないわ」
　

梨子「さて、そうと決まれば早速デートね！行くわよ曜ちゃん！」ｶﾞｼｯ

曜「ちょっ、ストップ！梨子ちゃん落ち着こう！？マイペースにいこうよ、ね！？」

梨子「曜ちゃん、青春は一度きりだよ？そんなのんびりしている暇はないわ」ｽﾀｽﾀ

梨子(そう、きっと急いでも足りないくらい……)ｸｽｯ


梨子「だからね、曜ちゃん」

梨子「今のうちに思い出をたくさん作りましょう？ほら、全速前進！」ﾋﾞｼｯ

曜「ヨーソロー！…ってああっ引っ張らないで！せめて自分で歩かせ……ちょっと梨子ちゃん足速くない？速いよね！？お願いだから一回止まろう！？梨子ちゃん！？梨子ちゃああああああああああああん！」ｽﾞﾙｽﾞﾙ



終わり
　

ありがとうございました。