【SS】すみれ 「ギャラクシーな誕生日」【ラブライブ！スーパースター!!】

かのん 「……明日はすみれちゃんの誕生日です！」

可可 「グソクムシの誕生日ですか？」

かのん 「違うよ！ すみれちゃんの誕生日だよ、可可ちゃん！ めっ！」

可可 「……むぅ、分かってマスヨ」
　

恋 「ふふ、可可さんもすみれさんのことが大好きなはずなのに、素直じゃないですね」

可可 「なっ！/// 大好きなんかじゃ、ないデス〜！！///」

恋 「はて、二期第九話で確かに大好きと言っていたはずですが……解釈違いでしょうか？」

かのん 「何言ってるの恋ちゃん」
　

千砂都 「それでかのんちゃん、祝うなら覚悟はできてるよね？」

かのん 「覚悟って何！？ お祝いするのに要る覚悟とは！？」

千砂都 「何事も、やるなら本気だよ。それこそ命をかけるくらい」

かのん 「お祝いで命かけるの！？」
　

恋 「お祝いされる側も荷が重くなってしまいますよ、千砂都さん」

かのん 「そ、そうだよ、ちぃちゃん！」

千砂都 「あはは、ごめんね、冗談だよー」

可可 「目が笑ってないデス……」
　

ｶﾞﾗｯ

きな子 「すみれ先輩のお祝いをするって本当っすか！？」

四季 「Galaxy」

メイ 「急にどうしたんだよ」

四季 「……イメージトレーニング」

夏美 「そんなに発音が良いとスマホのCMが浮かぶんですの……」

かのん 「よし！ 一年生も集まったね！ じゃあ早速すみれちゃんのお祝い企画なんだけど……良い案はないかな？」
　

恋 「みんなでゲーム大会というのはどうでしょう？」

かのん 「おおっ、純粋な私利私欲だね、恋ちゃん」

千砂都 「じゃあじゃあたこ焼きパーティー！」

かのん 「自分のしたいことを挙げる時間じゃないんだよ」
　

メイ 「じゃあすみれ先輩のサイン会！」

かのん 「メイちゃんが欲しいだけでしょ、いつでも貰えるんだからさ」

夏美 「とりあえずすみれさんの誕生日パーティーは生中継ですの！」

かのん 「ダメだよ？ プライベートなんだから！」
　

可可 「全然良い案が出ないデスネ……」

かのん 「うーん、でも悪くは言えないよ。私も可可ちゃんも、アイデアすら出してないんだもん」

可可 「可可はもう考えてマスヨ」

かのん 「えっ！？ 本当！？」

可可 「あのグソクムシのことですから」

恋 「可可さん？」

可可 「……あのすみれのことですから、きっとギャラクシーなものなら喜んでくれるはずデス」
　

きな子 「ギャラクシーなもの？ 北海道っすか？」

メイ 「どこに北海道の要素があるんだよ！」

きな子 「広いっすよ！」

四季 「Galaxy……つまり宇宙。ならロケットで月に行こう」

夏美 「そんな軽いノリで。お金と技術力で無理ですのに」

四季 「恋先輩の経済力と、私のセンスがあれば、可能」

夏美 「あながち否定できない……」
　

恋 「宇宙というと、最近グラディウスをプレイしました。ああいう感じでしょうか？」

かのん 「それだとすぐに私たちのロケット突き堕とされちゃうことになるけど……」

千砂都 「……」

かのん 「って、ちいちゃん、どうしたの？」

千砂都 「……かのんちゃん、行けるかもしれないよ！」

かのん 「えっ？」
　

〜翌日。すみれちゃんの誕生日〜

ｶﾞﾗｯ

すみれ 「あれ、一番乗りかしら」

すみれ 「ん？」

すみれ (あからさまに怪しいものが机に置いてある……)

すみれ 「これ、恋の家で見たわね。確かVRヘッド？」
　

すみれ 「……」

すみれ 「興味ないったら興味ないわよ」

すみれ 「……」

すみれ 「待ってる間暇だし」 ｶﾁｬ


——VR葉月恋 ギャラクシーを救え！！ 平安名すみれ——


すみれ 「おおっ、なんか始まった」
　

グソクムシ 『はじめまして、すみれ。今から私の案内に従って……』

すみれ 「なに、このゲームの案内役グソクムシなの？ 他のゲームみたいに蝶とか猫で良くない？ どの層狙ってるの？」

グソクムシ 『宇宙戦闘機に乗って人工衛星に重要なアイテムを届けるのデス』

すみれ 「いや、こいつ可可でしょ。話し方まんまなんだけど」

グソクムシ 『頼みマシタよ、グソク……すみれ！』

すみれ 「今グソクムシにグソクムシって言われかけたわよ！？」
　

ﾄｩｯﾄｩｯﾗﾘﾄｩﾚ～

♪だいすきのうた

かふぇおれ～ 焼きりんご～ だいすきさ るっるるる～ トマトもたべたい～ はんばあぐもいい～ ふー！

すみれ 「bgm緊張感ないわねぇ」

グソクムシ 『とにかく隕石や敵の攻撃を避けて、人工衛星に向かうのデス』

すみれ 「なるほど、体を動かして避けるってことね。楽しいじゃない」 ﾌｯ ﾌｯ
　

グソクムシ 『どうしても避けられない攻撃は、机の上に一緒に置いてあったおもちゃの剣を使うのデス』

すみれ 「えっと、今視界がゲーム内だからよく分からないけど、多分これかしら。よしっ！」 ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

ﾊﾞｼｯ

「痛いですの！」

すみれ 「当たる感覚まで再現してるのね」
　

グソクムシ 『そろそろ人工衛星に着きマス。お疲れ様デス。では中に入って指定された部屋まで行ってクダサイ』

すみれ 「着いたわね。へぇー、本当にリアルねぇ。最近の3D技術はすごいとは聞いていたけど……」

ﾋﾟﾋﾟｯ

『コンピューターです。ここから先は、本人照合しないと進めません。サインをお願いします』

すみれ 「なんかゲーム内でサインを要求されたんだけど！」
　

『そのおもちゃの剣はペンにもなります。空中に色紙にサインを書くように、綺麗なサインをお願いします』

すみれ 「詐欺とかに使われないわよね？」 ｶｷｶｷ

ｳｨｰｰﾝ

すみれ 「よし、じゃあ部屋に向かって」

『第二の本人確認の試練です。たこ焼きを私の目の前で作ってください』

すみれ 「世界観どうなってるの！？」

すみれ 「宇宙でたこ焼きって！ たこ焼きって！」
　

『一式はそこにあります』

すみれ 「仕方ない……やっていくしかないわね」

ｼﾞｭｰｼﾞｭｰ

すみれ 「千砂都ほど綺麗な丸にはならないと思うけど」

ｼﾞｭｰｼﾞｭｰ

すみれ 「料理は得意なのよ！」
　

『美味しそうなたこ焼き。おめでとうございます。ではお進みください』

すみれ 「もう本人確認は終わりかしら……」

『大変です！！ 敵が大量に侵入してきました！ 衛星内にいる隊員はただちに戦ってください』

すみれ 「まあ、ゲームだものね、そうなるか」
　

すみれ 「よし！ やるったらやるわよ！！」

ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

すみれ 「おりゃぁぉぁぁぁーーーーーーー！！！」

ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

「痛いですのーーーー！ なんで私ばかり！？」
　

『ありがとう。あなたはヒーローです。では前にある部屋に入ってください。あなたの帰還を待っていますよ』

すみれ 「ふぅ、ようやくゴールね。短いゲームだけど、楽しかったわ」

ｳｨｰｰﾝ

ﾃﾚﾃﾚﾃｰ！

『すみれちゃん！！ 誕生日おめでとう！！』

すみれ 「……は？」
　

『VRヘッドを外してみて！』

すみれ 「えっと、どういうこと……？」 ｶﾁｬ

リエラ一同 「「……」」

すみれ 「へ？」

リエラ一同 「「すみれ(先輩、さん、ちゃん)お誕生日おめでとう〜！！」」 ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ
　

かのん 「どう？ 楽しかった？ みんなのアイデアを詰め込んだゲーム！」

可可 「すみれがVRに夢中になっている間に、パーティーの準備をしたデス」

恋 「ゲームをしている間は周りが見えなくなりますからね、逆手に取りました！」

千砂都 「ナイスたこ焼きだったよ！ 厳しめでも六十点は、いってる！」
　

きな子 「北海道要素は入れられなかったっすけど、その代わり取り寄せた美味しい北海道の食べ物がたくさんあるっすよ！」

メイ 「サイン、宝物にしますっ！！ ……じゃなくて、すみれ先輩、おめでとうございます！」

四季 「すみれ先輩が喜んでくれたなら、頑張ってゲームを作った甲斐があった」

夏美 「普段節約してるおかげでゴージャスなケーキを用意できたんですの！ たんと召し上がれ！」
　

すみれ 「み、みんな……！」

すみれ (私の誕生日のために、こんなゲームを用意してくれたり、部屋の飾りをしてくれたり……)

すみれ (これは流石に予想できないわよぉ……！) ｸﾞｽｯ

夏美 「ちなみにVRの映像は録画してるんですの！ これを公開すれば再生数は間違いなし！ 良いですよね、すみれ先輩！？」

すみれ 「……うーん、ダメ！」

夏美 「がーん！」
　

すみれ (だって……)

すみれ (こんな幸せなこと、私だけのものにしたいじゃない)

すみれ 「ふふ、みんなありがとう」

すみれ 「こんな幸せな……ギャラクシーな誕生日をくれて！」

おわり
　

ありがとうございました。
すみれちゃんお誕生日おめでとう！！ ということで一つ書かせてもらいました。

前作
四季 「メイに告白したい」 夏美 「それで私に？」

　

みんなですみれのために考えたんやなぁ
　

おつ
平和で良かった