2:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 22:34:39 ID:???00
夏美「きな子、笑顔!」
きな子「はいっす!」ニヘラ…
夏美「ちっがーう! もっと顔全体使って柔らかく!!」
きな子「ひぇ~っ…すみませんっす~…!」
メイ「相変わらずやってるな、あの二人」
四季「そういうメイも、まだ今日の笑顔ノルマに達してない。終わらなければくすぐりmachineの刑…」
メイ「なっ、そういう四季だって全然できてないだろ!?」
四季「私は…まだ練習中」プイッ
きな子「はいっす!」ニヘラ…
夏美「ちっがーう! もっと顔全体使って柔らかく!!」
きな子「ひぇ~っ…すみませんっす~…!」
メイ「相変わらずやってるな、あの二人」
四季「そういうメイも、まだ今日の笑顔ノルマに達してない。終わらなければくすぐりmachineの刑…」
メイ「なっ、そういう四季だって全然できてないだろ!?」
四季「私は…まだ練習中」プイッ
3:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 22:36:04 ID:???00
夏美「はぁ…普段はおろかステージでだっていい顔をするのに、どうして写真だと上手く笑えないんですの~?」
きな子「うぅ…急に楽しいときと同じ顔をしろって言われても難しいっすよ~…」
夏美「私と練習しているときは楽しくないと?」
きな子「そ、そういうわけではないっすけど…」
夏美「冗談ですの。しっかし…メイや四季は表情が固くても説明のつくキャラしてますけど、きな子は笑顔が一番の武器になるタイプですし…」
きな子「…そうっすよね、きな子なんか二人に比べたら魅力もパフォーマンスも…」
夏美「そ、そうは言ってませんけれど…」
きな子「うぅ…急に楽しいときと同じ顔をしろって言われても難しいっすよ~…」
夏美「私と練習しているときは楽しくないと?」
きな子「そ、そういうわけではないっすけど…」
夏美「冗談ですの。しっかし…メイや四季は表情が固くても説明のつくキャラしてますけど、きな子は笑顔が一番の武器になるタイプですし…」
きな子「…そうっすよね、きな子なんか二人に比べたら魅力もパフォーマンスも…」
夏美「そ、そうは言ってませんけれど…」
5:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 22:38:05 ID:???00
夏美「とはいえ、まぁ別に今のままでも…」
きな子「夏美ちゃん?」
夏美「…きな子、本当に写真写りのためだけに特訓する覚悟がありますの?」
きな子「だけ、っていうのはちょっと違うっすけど…例えば集合写真とかなにかの取材とかで写真を撮ったとき、きな子だけ下手っぴな笑顔で写ってるなんて、そんなの絶対嫌っすから!」
夏美「ん~、それもそうですが…いやでも、なかなか難儀な…」
きな子「ひぅ、やっぱりきな子は手の施しようも…!」
夏美「あー違う違う、ちょっとアプローチの仕方を考えてるだけですの…」
きな子「夏美ちゃん?」
夏美「…きな子、本当に写真写りのためだけに特訓する覚悟がありますの?」
きな子「だけ、っていうのはちょっと違うっすけど…例えば集合写真とかなにかの取材とかで写真を撮ったとき、きな子だけ下手っぴな笑顔で写ってるなんて、そんなの絶対嫌っすから!」
夏美「ん~、それもそうですが…いやでも、なかなか難儀な…」
きな子「ひぅ、やっぱりきな子は手の施しようも…!」
夏美「あー違う違う、ちょっとアプローチの仕方を考えてるだけですの…」
7:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 22:40:01 ID:???00
夏美「…よし、決めましたの! きな子、これからひと月の間、あなたを株式会社オニナッツの広報大使に任命いたしますの!」
きな子「えぇっ!? き、急にいったい…きな子が広報大使!?」
夏美「ま、それはただの方便ですの。大事なのはその中身。私はこれから一ヶ月、桜小路きな子を撮って撮って撮りまくる! そしてできる限りのペースでその写真をSNSに上げる!」
きな子「はぁ、つまりきな子は被写体に…でもきな子なんかが広報だなんて…」
夏美「だ~から方便だと。四季みたいに元々あんまり笑わないタイプでもないんですから、今のきな子はただカメラを向けられるのに慣れてないだけですの。ならば撮る、過剰なまでに!」
きな子「なるほど…つまりカメラに慣れるための特訓ってことっすかね…?」
きな子「えぇっ!? き、急にいったい…きな子が広報大使!?」
夏美「ま、それはただの方便ですの。大事なのはその中身。私はこれから一ヶ月、桜小路きな子を撮って撮って撮りまくる! そしてできる限りのペースでその写真をSNSに上げる!」
きな子「はぁ、つまりきな子は被写体に…でもきな子なんかが広報だなんて…」
夏美「だ~から方便だと。四季みたいに元々あんまり笑わないタイプでもないんですから、今のきな子はただカメラを向けられるのに慣れてないだけですの。ならば撮る、過剰なまでに!」
きな子「なるほど…つまりカメラに慣れるための特訓ってことっすかね…?」
8:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 22:42:04 ID:???00
きな子「でも、その写真をSNSに上げるって…いったいどこに…?」
夏美「もちろん私のアカウントですの。Liella!のアカウントは練習場にしてはフォロワーが多すぎますし、独断で動かした日にはすみれ先輩がオニですし…」
きな子「あ、あはは…」
夏美「その点、私のアカウントならある程度の緊張感を持たせるのに丁度いい。ついでにきな子目的のフォロワーもチョイと引っ張ってこれれば…!」
きな子「ちゃっかりしてるっすねぇ…」
夏美「もちろん私のアカウントですの。Liella!のアカウントは練習場にしてはフォロワーが多すぎますし、独断で動かした日にはすみれ先輩がオニですし…」
きな子「あ、あはは…」
夏美「その点、私のアカウントならある程度の緊張感を持たせるのに丁度いい。ついでにきな子目的のフォロワーもチョイと引っ張ってこれれば…!」
きな子「ちゃっかりしてるっすねぇ…」
9:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 22:43:40 ID:???00
夏美「…で、きな子はそれで構いませんの?」
きな子「あれ、もう決まりじゃないんすか?」
夏美「一応本人の意志くらいは…それにきな子との個人契約ということを明確にしておかないと、Liella!との契約に抵触して詰められますの…」
きな子「そういうことなら…きな子はその内容でOKっす! わざわざきな子のために時間使ってくれてるんすもん、少しくらいは夏美ちゃんの利益になれるよう頑張るっす!」
夏美「よしっ、交渉成立契約締結! それなら早速…今日の分を撮っちゃいますの!」
きな子「い、今からっすか!?」
きな子「あれ、もう決まりじゃないんすか?」
夏美「一応本人の意志くらいは…それにきな子との個人契約ということを明確にしておかないと、Liella!との契約に抵触して詰められますの…」
きな子「そういうことなら…きな子はその内容でOKっす! わざわざきな子のために時間使ってくれてるんすもん、少しくらいは夏美ちゃんの利益になれるよう頑張るっす!」
夏美「よしっ、交渉成立契約締結! それなら早速…今日の分を撮っちゃいますの!」
きな子「い、今からっすか!?」
10:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 22:46:11 ID:???00
きな子『──というわけで、これから一ヶ月間よろしくお願いします!』
夏美「…初日の挨拶くらいは動画で、と思ったけど…緊張と決意の顔しかありませんの…笑顔は…?」
きな子「不甲斐ないっす…」
夏美「まぁできないのはわかってますし、初日からとやかく言うつもりもありませんの。ただし、明日から少しずつ慣れていくこと!」
きな子「はいっす!」
夏美「では、これはあとで私が投稿しておきますの。今日の特訓はこれまで!」
きな子「ありがとうございましたっす!!」
夏美「…部活?」
夏美(SNSに上げるといっても、正直それは格好だけ。どうせ私のアカウントなんて…というのはきな子には内緒ですの。自分を変えたいというのなら、緊張感を持ってやってもらわないと)
夏美「…初日の挨拶くらいは動画で、と思ったけど…緊張と決意の顔しかありませんの…笑顔は…?」
きな子「不甲斐ないっす…」
夏美「まぁできないのはわかってますし、初日からとやかく言うつもりもありませんの。ただし、明日から少しずつ慣れていくこと!」
きな子「はいっす!」
夏美「では、これはあとで私が投稿しておきますの。今日の特訓はこれまで!」
きな子「ありがとうございましたっす!!」
夏美「…部活?」
夏美(SNSに上げるといっても、正直それは格好だけ。どうせ私のアカウントなんて…というのはきな子には内緒ですの。自分を変えたいというのなら、緊張感を持ってやってもらわないと)
11:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 22:48:09 ID:???00
~次の日~
夏美(…い、意外に結構伸びてますの…これがスクールアイドルパワー、いやおすすめアルゴリズムの力…?)
きな子「し、しーいーおー…! なんだか聞いてた以上に注目されてるような気がするんすけど…!?」
夏美「い、いやいや想定通りですの! やはりこれくらいの注目がなければ甲斐がないというもの!」
夏美(しかし…これだけ伸びてしまうとちょーっと都合が…)
メイ「おい、夏美…」
夏美「ひぃっ!?」
夏美(…い、意外に結構伸びてますの…これがスクールアイドルパワー、いやおすすめアルゴリズムの力…?)
きな子「し、しーいーおー…! なんだか聞いてた以上に注目されてるような気がするんすけど…!?」
夏美「い、いやいや想定通りですの! やはりこれくらいの注目がなければ甲斐がないというもの!」
夏美(しかし…これだけ伸びてしまうとちょーっと都合が…)
メイ「おい、夏美…」
夏美「ひぃっ!?」
12:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 22:50:11 ID:???00
きな子「メイちゃん、四季ちゃん! おはようっす!」
四季「おはよう。それよりきな子ちゃん、昨日の動画…」
メイ「お前、まーたLiella!を使って変なこと企んでんじゃないだろうな!?」
夏美「ご、誤解ですの冤罪ですの~っ!」
きな子「ああっ違うんす! あれはきな子が夏美ちゃんに頼んで手伝ってもらってるんす!」
四季「本当? 騙されていたりしない?」
夏美「仲間からの信頼がまるでありませんの…!」
四季「おはよう。それよりきな子ちゃん、昨日の動画…」
メイ「お前、まーたLiella!を使って変なこと企んでんじゃないだろうな!?」
夏美「ご、誤解ですの冤罪ですの~っ!」
きな子「ああっ違うんす! あれはきな子が夏美ちゃんに頼んで手伝ってもらってるんす!」
四季「本当? 騙されていたりしない?」
夏美「仲間からの信頼がまるでありませんの…!」
13:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 22:51:55 ID:???00
カクカクシカジカ
メイ「なるほどな…ま、本気でやるための企画ってことなら私たちはなんも言えねーけど…」
四季「うん、いいと思う。私も応援したい」
きな子「ありがとうっす、二人とも!」
夏美「ふぃ~、これで問題は一つ解決…ちなみに先輩たちへの説得も手伝ってくれたりしません?」
メイ「お前が企画したならお前が説明しろ、って言いたいとこだけど…まぁきな子に免じてサクラくらいはしてやるよ」
夏美「言い方…とはいえ味方がいるのは心強いですの。さてきな子、あとは本格的にあなたの頑張り次第!」
きな子「なんだかプレッシャーも大きくなった気がするっすけど…頑張るっす!」
メイ「なるほどな…ま、本気でやるための企画ってことなら私たちはなんも言えねーけど…」
四季「うん、いいと思う。私も応援したい」
きな子「ありがとうっす、二人とも!」
夏美「ふぃ~、これで問題は一つ解決…ちなみに先輩たちへの説得も手伝ってくれたりしません?」
メイ「お前が企画したならお前が説明しろ、って言いたいとこだけど…まぁきな子に免じてサクラくらいはしてやるよ」
夏美「言い方…とはいえ味方がいるのは心強いですの。さてきな子、あとは本格的にあなたの頑張り次第!」
きな子「なんだかプレッシャーも大きくなった気がするっすけど…頑張るっす!」
14:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 22:53:56 ID:???00
きな子(メイちゃんと四季ちゃんのおかげで先輩たちへの説明もスムーズに進み、ついにきな子の特訓本格始動! なんすけど…)
夏美「なーんかどんどん気になってきましたのーっ! そもそもカメラ目線が甘いですの、しっかりレンズ見る!」
きな子「き、基礎のキすらできてない…!?」
きな子(思ってた以上にできてないことも多くて、課題は山積み…なんだか先が思いやられるっす…)
きな子(でも、協力してくれる夏美ちゃんや応援してくれるみんながいるから、あんまり辛くはなくて。それよりも、成長したきな子の姿でお返ししたいって気持ちが大きくなってきたっす)
夏美「なーんかどんどん気になってきましたのーっ! そもそもカメラ目線が甘いですの、しっかりレンズ見る!」
きな子「き、基礎のキすらできてない…!?」
きな子(思ってた以上にできてないことも多くて、課題は山積み…なんだか先が思いやられるっす…)
きな子(でも、協力してくれる夏美ちゃんや応援してくれるみんながいるから、あんまり辛くはなくて。それよりも、成長したきな子の姿でお返ししたいって気持ちが大きくなってきたっす)
15:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 22:56:20 ID:???00
きな子(一日中夏美ちゃんのカメラに撮られて、下校のときにその日撮った写真を確認する。それがきな子たちの新しい日課)
きな子「夏美ちゃん、今日はどんな感じだったっすかね…?」
夏美「ん~…午後の写真はそこそこ、でも朝が硬すぎですの。慣れがリセットされるのはどうにかしたいところですが…って、すっごい顔…」
きな子「あぅ、それは突然カメラを向けられてびっくりして…恥ずかしいから消してほしいっす~…!」
夏美「そりゃ突然向けられても笑顔で写れるようにするための練習なんですから…とはいえ、これはいい写真なのでとっておきますの」
きな子「なんでっすかぁ!?」
きな子「夏美ちゃん、今日はどんな感じだったっすかね…?」
夏美「ん~…午後の写真はそこそこ、でも朝が硬すぎですの。慣れがリセットされるのはどうにかしたいところですが…って、すっごい顔…」
きな子「あぅ、それは突然カメラを向けられてびっくりして…恥ずかしいから消してほしいっす~…!」
夏美「そりゃ突然向けられても笑顔で写れるようにするための練習なんですから…とはいえ、これはいい写真なのでとっておきますの」
きな子「なんでっすかぁ!?」
16:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 22:58:19 ID:???00
夏美「撮った写真の扱いはこっちの自由という契約ですの。悔しかったら過去の自分を恨みますの~」
きな子「うぅ、こうなったら…!」スッ
夏美「にゃはっ♪」ニッコリ
カシャッ
きな子「えぇっ!? なんで一瞬でそんな完璧な笑顔を作れるんすか!?」
夏美「やり返そうという魂胆が見え見えですの。それに私はLTuber、笑顔くらいパッと出せなきゃ話になりませんの~」
きな子「ほぇ~、流石っす…」
きな子「うぅ、こうなったら…!」スッ
夏美「にゃはっ♪」ニッコリ
カシャッ
きな子「えぇっ!? なんで一瞬でそんな完璧な笑顔を作れるんすか!?」
夏美「やり返そうという魂胆が見え見えですの。それに私はLTuber、笑顔くらいパッと出せなきゃ話になりませんの~」
きな子「ほぇ~、流石っす…」
17:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 23:00:21 ID:???00
きな子(そんなふうな日々がしばらく続いたある日の夜、夏美ちゃんから連絡があったっす)
夏美『今週末は原宿周辺で街撮りしますの。いつも制服か練習着の写真ばかりですから、たまには私服写真で味変ですの』ピコン
きな子『私服っすか? どんなのがいいっすかね』シュポッ
夏美『そこはきな子におまかせしますの。都会らしいオシャレな姿を期待してますの~』ピコン
きな子(オシャレな姿って…きな子全然わかんないんすけど…)
きな子(しかも、ただのおでかけと違ってみんなに見られるんすよね…そう思うと、きんちょーして余計に選べなくなっちゃうっす…!)
きな子「…夏美ちゃんなら、どういうのが好きかな…」
夏美『今週末は原宿周辺で街撮りしますの。いつも制服か練習着の写真ばかりですから、たまには私服写真で味変ですの』ピコン
きな子『私服っすか? どんなのがいいっすかね』シュポッ
夏美『そこはきな子におまかせしますの。都会らしいオシャレな姿を期待してますの~』ピコン
きな子(オシャレな姿って…きな子全然わかんないんすけど…)
きな子(しかも、ただのおでかけと違ってみんなに見られるんすよね…そう思うと、きんちょーして余計に選べなくなっちゃうっす…!)
きな子「…夏美ちゃんなら、どういうのが好きかな…」
18:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 23:02:29 ID:???00
~週末、原宿~
夏美「ごめんなさい、遅れましたの!」
きな子「夏美ちゃん! 大丈夫っすよ、きな子の方が家近いっすから…それより、今日の格好ってこんな感じでいいんすかね…?」
夏美「ん……うん、悪くありませんの! ちょっと牧歌的な感じはしますけど、きな子っぽくていい味ですの」
きな子「ぼ、牧歌的…やっぱりきな子に都会っぽいファッションなんて夢のまた夢っすね…」
夏美「それもまた慣れですの。ま、無理に合わせて似合わない格好するよりずーっといいですの」
きな子(…一応、褒めてもらえてるんすかね?)
夏美「さーて、じゃんじゃんバリバリ撮っていきますの!」
夏美「ごめんなさい、遅れましたの!」
きな子「夏美ちゃん! 大丈夫っすよ、きな子の方が家近いっすから…それより、今日の格好ってこんな感じでいいんすかね…?」
夏美「ん……うん、悪くありませんの! ちょっと牧歌的な感じはしますけど、きな子っぽくていい味ですの」
きな子「ぼ、牧歌的…やっぱりきな子に都会っぽいファッションなんて夢のまた夢っすね…」
夏美「それもまた慣れですの。ま、無理に合わせて似合わない格好するよりずーっといいですの」
きな子(…一応、褒めてもらえてるんすかね?)
夏美「さーて、じゃんじゃんバリバリ撮っていきますの!」
19:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 23:05:22 ID:???00
カシャッ
きな子「これがフォトスポット…初めて来たっす…」
夏美「えぇ、あんなにいいところに住んでるのに…もったいなさすぎますの」
きな子「いやぁ…一人でこういう場所で写真撮るのってちょっと恥ずかしくて…」
夏美「そんな調子でよくスクールアイドルなんてやってますの…」
カシャッ
きな子「さっきから路地とかばっかっすけど、大通りの方はいいんすか?」
夏美「人通りの多いところはボカシが大変だからあんまり行きたくないんですの」
きな子「ああ…大変なんすねぇ…」
きな子「これがフォトスポット…初めて来たっす…」
夏美「えぇ、あんなにいいところに住んでるのに…もったいなさすぎますの」
きな子「いやぁ…一人でこういう場所で写真撮るのってちょっと恥ずかしくて…」
夏美「そんな調子でよくスクールアイドルなんてやってますの…」
カシャッ
きな子「さっきから路地とかばっかっすけど、大通りの方はいいんすか?」
夏美「人通りの多いところはボカシが大変だからあんまり行きたくないんですの」
きな子「ああ…大変なんすねぇ…」
20:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 23:07:46 ID:???00
店員「ごゆっくりどうぞ~」
きな子「ふぃ~…ちょっと疲れたっす…」
夏美「疲れたときこそプロ根性の見せ所ですの。スイーツを前にして、はいニッコリ」カシャッ
きな子「あぅ、休憩がほしいっす~…!」
夏美「ま、今はこれくらいにしときますの。その前に、自分の写真も忘れないようにーっと」カシャッ カシャッ
きな子「そんなにいっぱい撮るんすね…参考になるっす…」モグモグ
きな子「ふぃ~…ちょっと疲れたっす…」
夏美「疲れたときこそプロ根性の見せ所ですの。スイーツを前にして、はいニッコリ」カシャッ
きな子「あぅ、休憩がほしいっす~…!」
夏美「ま、今はこれくらいにしときますの。その前に、自分の写真も忘れないようにーっと」カシャッ カシャッ
きな子「そんなにいっぱい撮るんすね…参考になるっす…」モグモグ
21:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 23:10:13 ID:???00
きな子「でも、こんなオシャレなカフェも知ってるなんて、夏美ちゃんはやっぱりすごいっす」
夏美「どっちかっていうときな子が疎すぎるだけですの。ここ結構有名ですのよ?」
きな子「う、そうだったんすね…なんだかどんどん自信が…」
夏美「…まぁ、知ってるからどうという話でもありませんし。ほら、クリーム付いちゃってますの」フキフキ
きな子「んむ…ありがとうっす。夏美ちゃんってすごく面倒見いいっすよね。きな子のこともそうっすけど、合宿のときだったり、Liella!に入る前から広報を買って出てくれたり」
夏美「あれは面倒見というか……面倒見で言うなら、妹がいるっていうのは影響してるかもしれませんの」
きな子「ほぇ、妹さんいるんすか? 意外なような、でも納得なような…」
夏美「どっちかっていうときな子が疎すぎるだけですの。ここ結構有名ですのよ?」
きな子「う、そうだったんすね…なんだかどんどん自信が…」
夏美「…まぁ、知ってるからどうという話でもありませんし。ほら、クリーム付いちゃってますの」フキフキ
きな子「んむ…ありがとうっす。夏美ちゃんってすごく面倒見いいっすよね。きな子のこともそうっすけど、合宿のときだったり、Liella!に入る前から広報を買って出てくれたり」
夏美「あれは面倒見というか……面倒見で言うなら、妹がいるっていうのは影響してるかもしれませんの」
きな子「ほぇ、妹さんいるんすか? 意外なような、でも納得なような…」
22:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 23:12:31 ID:???00
きな子「夏美ちゃんみたいなお姉ちゃんがいたら、きっとすごく楽しくなりそうっす!」
夏美「…どうでしょう。自分ではそうは思えませんの」
きな子「え…?」
夏美「最近はあまり話もできていませんし…って、きな子にする話ではなかったですの」
きな子「…あの、家族の話に首を突っ込むのはよくないってわかってるっすけど…なにかあったら話くらいは聞かせてほしいっす! ずっと夏美ちゃんにはお世話になってるから、少しでもお返しを──」
夏美「…ありがとう、でも大丈夫ですの。さて、そろそろ休憩も終わりにして、撮影を再開しますの!」
きな子「あ…はいっす!」
夏美「…どうでしょう。自分ではそうは思えませんの」
きな子「え…?」
夏美「最近はあまり話もできていませんし…って、きな子にする話ではなかったですの」
きな子「…あの、家族の話に首を突っ込むのはよくないってわかってるっすけど…なにかあったら話くらいは聞かせてほしいっす! ずっと夏美ちゃんにはお世話になってるから、少しでもお返しを──」
夏美「…ありがとう、でも大丈夫ですの。さて、そろそろ休憩も終わりにして、撮影を再開しますの!」
きな子「あ…はいっす!」
23:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 23:15:21 ID:???00
きな子(そのときに見た夏美ちゃんの寂しそうな顔が引っかかって…午後の撮影はちょっとだけ気持ちが入らなかったっす)
きな子(それでも、変わらずに元気で、笑顔できな子を撮る夏美ちゃんを見ていると、いつもの夏美ちゃんらしさに安心してしまって。今はそれでいいんだと思うことにしたっす)
夏美「──よし、今日はこのくらいにしておきますの。いい写真もたくさんありますし、これは反響が見込めますの~!」
きな子「わぁっ、一日頑張った甲斐があったっす!」
夏美「ではでは、私は編集もありますのでこれで。お疲れ様ですの~」
きな子「…あの、夏美ちゃん!」
夏美「ん?」
きな子(それでも、変わらずに元気で、笑顔できな子を撮る夏美ちゃんを見ていると、いつもの夏美ちゃんらしさに安心してしまって。今はそれでいいんだと思うことにしたっす)
夏美「──よし、今日はこのくらいにしておきますの。いい写真もたくさんありますし、これは反響が見込めますの~!」
きな子「わぁっ、一日頑張った甲斐があったっす!」
夏美「ではでは、私は編集もありますのでこれで。お疲れ様ですの~」
きな子「…あの、夏美ちゃん!」
夏美「ん?」
24:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 23:16:37 ID:???00
きな子「また…一緒に遊んでほしいっす! 撮影のついででも、息抜きでも、なんでも!」
夏美「…ええ。ではまた今度!」
きな子(…駅へ向かう夏美ちゃんの後ろ姿が寂しく見えたのは、きっときな子の気のせいだと思うけれど。でもどうしてそう見えたのか、それはわからなかったっす)
夏美「…ええ。ではまた今度!」
きな子(…駅へ向かう夏美ちゃんの後ろ姿が寂しく見えたのは、きっときな子の気のせいだと思うけれど。でもどうしてそう見えたのか、それはわからなかったっす)
25:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 23:19:19 ID:???00
~週明け、結ヶ丘~
クラスメイト「きな子ちゃん、土日にあがってた私服の写真、すっごく可愛かったよ!」
きな子「そ、そうっすか? えへへ…夏美ちゃんが上手く撮ってくれたからっすよ」
夏美(この一ヶ月企画も今日から三週目。きな子もずいぶんカメラに慣れてきて、少しアプローチを変えてみることにしましたの)
夏美「──きな子、今日からの撮影ですけど。私だけでなく四季やメイにも協力してもらうことにしましたの」
きな子「ふぇ、そうなんすか?」
夏美「ええ、私から撮られることに慣れるだけではダメですの。実際にあなたを撮るのはもっと別の人なんですから、そういう場面にも慣れないと」
きな子「なるほど…きな子、頑張ってみるっす!」
クラスメイト「きな子ちゃん、土日にあがってた私服の写真、すっごく可愛かったよ!」
きな子「そ、そうっすか? えへへ…夏美ちゃんが上手く撮ってくれたからっすよ」
夏美(この一ヶ月企画も今日から三週目。きな子もずいぶんカメラに慣れてきて、少しアプローチを変えてみることにしましたの)
夏美「──きな子、今日からの撮影ですけど。私だけでなく四季やメイにも協力してもらうことにしましたの」
きな子「ふぇ、そうなんすか?」
夏美「ええ、私から撮られることに慣れるだけではダメですの。実際にあなたを撮るのはもっと別の人なんですから、そういう場面にも慣れないと」
きな子「なるほど…きな子、頑張ってみるっす!」
26:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 23:21:33 ID:???00
夏美(と、言ってみたはいいものの…)
四季「これで今日撮った写真は全部」
メイ「どうだ、使えそうなのあったか?」
夏美「うーん…正直どれもパッとしない、といいますか…」
メイ「そっか…悪いな、こういうちゃんとした写真ってあんま撮ったことなくてさ」
夏美「いや、技量の問題ではないんですの。きな子の表情が少し硬いのが気になっただけで」
四季「確かに、見比べると夏美ちゃんの撮ったきな子ちゃんの方が表情が柔らかい気がする。でも…」
メイ「言われなきゃわかんねぇ…よくこんな細かいところまで気づくな」
夏美「そりゃ、ここしばらくずっと撮っていますし…」
四季「これで今日撮った写真は全部」
メイ「どうだ、使えそうなのあったか?」
夏美「うーん…正直どれもパッとしない、といいますか…」
メイ「そっか…悪いな、こういうちゃんとした写真ってあんま撮ったことなくてさ」
夏美「いや、技量の問題ではないんですの。きな子の表情が少し硬いのが気になっただけで」
四季「確かに、見比べると夏美ちゃんの撮ったきな子ちゃんの方が表情が柔らかい気がする。でも…」
メイ「言われなきゃわかんねぇ…よくこんな細かいところまで気づくな」
夏美「そりゃ、ここしばらくずっと撮っていますし…」
27:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 23:26:20 ID:???00
メイ「けどさ、まだやり方変えてから初日だろ? きな子も慣れてないだけなんじゃないか?」
夏美「それはまぁ…そうですの」
四季「数日、様子を見てみるのもいいと思う。その間に私たちもいろいろやってみる」
夏美「…ありがとう、二人とも。ここまで協力してもらうことになるとは思ってませんでしたの」
メイ「言っとくけど、きな子のためだからな! お前のSNSを伸ばすのに協力してるわけじゃないぞ!」
夏美「ええ、わかってますの。ちなみにきな子が終わったら次はメイの番ですので、覚悟しておいてくださいの~」
メイ「はぁっ!? やるわけないだろ!」
四季「大丈夫、そのときは私も協力する」
メイ「なにも大丈夫じゃねー!!」
夏美「それはまぁ…そうですの」
四季「数日、様子を見てみるのもいいと思う。その間に私たちもいろいろやってみる」
夏美「…ありがとう、二人とも。ここまで協力してもらうことになるとは思ってませんでしたの」
メイ「言っとくけど、きな子のためだからな! お前のSNSを伸ばすのに協力してるわけじゃないぞ!」
夏美「ええ、わかってますの。ちなみにきな子が終わったら次はメイの番ですので、覚悟しておいてくださいの~」
メイ「はぁっ!? やるわけないだろ!」
四季「大丈夫、そのときは私も協力する」
メイ「なにも大丈夫じゃねー!!」
28:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 23:29:11 ID:???00
~数日後、夏美の部屋~
夏美(…メイと四季に手伝ってもらうようになってから数日が経ったけれど、未だにきな子の笑顔はどことなく硬いまま。別にこのままで問題があるとも思わない、けど──)
夏美(あれだけ本気で自分を変えようとしているのなら。このあがきが無駄かどうかなんて最後までわからない)
夏美「でも、ぶっちゃけ結構手詰まりですの…仲のいいメイや四季が撮影役でもああなるのなら、知らない人に撮られたらまた下手な笑顔に戻ってしまう可能性もありますし…」
夏美(メイと四季が撮った写真だって、別にわかりやすく変なわけじゃない。ただ日常生活で出すあの笑顔より少し硬いだけ。あ、この写真のきな子はいい顔してる…)
夏美「…よく見たら、この写真撮ったの夏美じゃありませんの…きな子と四季が写ってて、ならメイか…目線は思いきりカメラから外れてるけど、撮られてるのに気づいていないわけでもなさそう…」
夏美(…メイと四季に手伝ってもらうようになってから数日が経ったけれど、未だにきな子の笑顔はどことなく硬いまま。別にこのままで問題があるとも思わない、けど──)
夏美(あれだけ本気で自分を変えようとしているのなら。このあがきが無駄かどうかなんて最後までわからない)
夏美「でも、ぶっちゃけ結構手詰まりですの…仲のいいメイや四季が撮影役でもああなるのなら、知らない人に撮られたらまた下手な笑顔に戻ってしまう可能性もありますし…」
夏美(メイと四季が撮った写真だって、別にわかりやすく変なわけじゃない。ただ日常生活で出すあの笑顔より少し硬いだけ。あ、この写真のきな子はいい顔してる…)
夏美「…よく見たら、この写真撮ったの夏美じゃありませんの…きな子と四季が写ってて、ならメイか…目線は思いきりカメラから外れてるけど、撮られてるのに気づいていないわけでもなさそう…」
29:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 23:31:01 ID:???00
夏美(その上で自然な表情をしているなら、状況とかきな子の視線の先にヒントがあるはず。思い出しますの、このメンツならおそらく私もこの場にいる。きな子が向いている先はメイのすぐ隣くらい、その先になにが…)
夏美(…あれ、このときって確か、メイに頼まれてカメラの設定を教えていたような…ならメイの隣って──)
夏美「──きな子が見ているのは、もしかして…私…?」
夏美(…あれ、このときって確か、メイに頼まれてカメラの設定を教えていたような…ならメイの隣って──)
夏美「──きな子が見ているのは、もしかして…私…?」
30:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 23:33:25 ID:???00
prrrrr…
きな子『もしもし、夏美ちゃん? 珍しいっすね、こんな時間に電話なんて…』
夏美「…その、忘れないうちに伝えたいことがありまして。明日もまた二人に写真を撮られると思いますけど、一つ実践してみてほしいことがあるんですの」
きな子『わぁ、アドバイスっすか!? それってどんな…!』
夏美「──カメラを向けられたら、私のことを思い浮かべて」
きな子『…へ?』
夏美「撮る人を私に置き換えるとか、レンズの向こうに私がいると思うとか、あとで私に見せるための写真だと思うとか、とにかくなんでもいい! 撮られるときに夏美を思い浮かべてほしいんですの!」
きな子『な、夏美ちゃん…それ…』
夏美「…これで上手くいくかはわからないですけど、もし上手くいったら…この特訓はもうほとんど終わりですの。頑張りますの、きな子」
きな子『…はいっす。ありがとう、夏美ちゃん』
夏美「いえ、伝えたいことはこれだけですの。ではまた明日」プツッ
きな子『もしもし、夏美ちゃん? 珍しいっすね、こんな時間に電話なんて…』
夏美「…その、忘れないうちに伝えたいことがありまして。明日もまた二人に写真を撮られると思いますけど、一つ実践してみてほしいことがあるんですの」
きな子『わぁ、アドバイスっすか!? それってどんな…!』
夏美「──カメラを向けられたら、私のことを思い浮かべて」
きな子『…へ?』
夏美「撮る人を私に置き換えるとか、レンズの向こうに私がいると思うとか、あとで私に見せるための写真だと思うとか、とにかくなんでもいい! 撮られるときに夏美を思い浮かべてほしいんですの!」
きな子『な、夏美ちゃん…それ…』
夏美「…これで上手くいくかはわからないですけど、もし上手くいったら…この特訓はもうほとんど終わりですの。頑張りますの、きな子」
きな子『…はいっす。ありがとう、夏美ちゃん』
夏美「いえ、伝えたいことはこれだけですの。ではまた明日」プツッ
31:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 23:35:33 ID:???00
夏美「はぁーっ…なんだか緊張しましたの…」ゴロン
夏美(…もしこの考えがあっていて、しかも本当に解決の糸口になるなら、それはつまり…)
夏美「でも、どうして…」
夏美(…もしこの考えがあっていて、しかも本当に解決の糸口になるなら、それはつまり…)
夏美「でも、どうして…」
32:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 23:38:18 ID:???00
~翌日、放課後の教室~
メイ「きな子、今日の表情すげぇいい感じだったぞ!」
四季「本当、昨日までと全然違う。でもどうして急に?」
きな子「えへへ…実は昨日の夜に夏美ちゃんからアドバイスをもらって…それがよく効いたみたいっす」
メイ「へぇ、夏美もやるじゃんか。ちなみにどんな内容だったんだ?」
きな子「それは…秘密にさせてほしいっす。でも、二人ならきっとすぐに気づけると思うっす!」
メイ「なんだそりゃ」
四季「…ふーん」
メイ「きな子、今日の表情すげぇいい感じだったぞ!」
四季「本当、昨日までと全然違う。でもどうして急に?」
きな子「えへへ…実は昨日の夜に夏美ちゃんからアドバイスをもらって…それがよく効いたみたいっす」
メイ「へぇ、夏美もやるじゃんか。ちなみにどんな内容だったんだ?」
きな子「それは…秘密にさせてほしいっす。でも、二人ならきっとすぐに気づけると思うっす!」
メイ「なんだそりゃ」
四季「…ふーん」
33:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 23:40:35 ID:???00
メイ「って、そろそろ部室行かなきゃな。夏美はなにしてんだ?」
きな子「あ、提出物出しに行くって言ってたっす。きな子もお手洗い行ってから向かうっすから、二人とも先に行っててほしいっす」
四季「夏美ちゃんまた間に合わなかったんだ」
メイ「いつものことだろ、私も人のこと言えねーけどさ…きな子も急いだ方がいいぞ」
きな子「わかったっす!」
きな子「あ、提出物出しに行くって言ってたっす。きな子もお手洗い行ってから向かうっすから、二人とも先に行っててほしいっす」
四季「夏美ちゃんまた間に合わなかったんだ」
メイ「いつものことだろ、私も人のこと言えねーけどさ…きな子も急いだ方がいいぞ」
きな子「わかったっす!」
34:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 23:42:41 ID:???00
夏美「ふぃ~、長いお説教でしたの…あら?」
きな子「夏美ちゃん!」
夏美「きな子、どうして…先に行っててほしいと言ったのに」
きな子「その、直接お礼がしたくて…夏美ちゃんのおかげで、今日の表情すっごくよかったって褒めてもらえたっす」
夏美「ああ、それならさっき写真もらいましたの。あれくらいしっかり笑えるなら、もう合格点をあげても問題ありませんの!」
きな子「わぁ…! やった!」
きな子「夏美ちゃん!」
夏美「きな子、どうして…先に行っててほしいと言ったのに」
きな子「その、直接お礼がしたくて…夏美ちゃんのおかげで、今日の表情すっごくよかったって褒めてもらえたっす」
夏美「ああ、それならさっき写真もらいましたの。あれくらいしっかり笑えるなら、もう合格点をあげても問題ありませんの!」
きな子「わぁ…! やった!」
35:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 23:44:24 ID:???00
夏美「正直、一ヶ月じゃ絶対足りないと思ってましたけど…まさか三週間で仕上がるなんて」
きな子「夏美ちゃんの指導がよかったんすよ、きな子一人だけじゃ無理だったっす」
夏美「もっと自信持ちますの、素材はいいんですから。さて、そろそろ部室に──」
きな子「──夏美ちゃん、ちょっとだけ…わがままを言ってもいいっすか?」
夏美「…わがまま?」
きな子「その、半分ただのお願いなんすけど…来週の土曜日、またきな子とお出かけしてほしいんす!」
夏美「改まって言うからなんだと思えば、そんなこと…まぁ、きな子のおかげで増えたフォロワーも多いですし、それくらいなら聞いてあげてもいいですの」
きな子「いいんすか!? じゃあ約束っすよ!」
きな子「夏美ちゃんの指導がよかったんすよ、きな子一人だけじゃ無理だったっす」
夏美「もっと自信持ちますの、素材はいいんですから。さて、そろそろ部室に──」
きな子「──夏美ちゃん、ちょっとだけ…わがままを言ってもいいっすか?」
夏美「…わがまま?」
きな子「その、半分ただのお願いなんすけど…来週の土曜日、またきな子とお出かけしてほしいんす!」
夏美「改まって言うからなんだと思えば、そんなこと…まぁ、きな子のおかげで増えたフォロワーも多いですし、それくらいなら聞いてあげてもいいですの」
きな子「いいんすか!? じゃあ約束っすよ!」
36:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 23:47:05 ID:???00
~一ヶ月企画、最後の土曜日~
夏美「おまたせしましたの」
きな子「夏美ちゃん! わぁ、すっごくかわいいっす!」
夏美「とびきりオシャレな格好で、なんて…わざわざ悩むようなこと書かないでほしいですの」
きな子「ふふん、ちょっと前の仕返しっすよ!」
夏美「えー、いつのことですの…」
夏美「おまたせしましたの」
きな子「夏美ちゃん! わぁ、すっごくかわいいっす!」
夏美「とびきりオシャレな格好で、なんて…わざわざ悩むようなこと書かないでほしいですの」
きな子「ふふん、ちょっと前の仕返しっすよ!」
夏美「えー、いつのことですの…」
37:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 23:48:42 ID:???00
夏美「で、今日はなにするんですの? 一週間も秘密にされちゃ気になりますの」
きな子「ふっふっふ、それはっすね~…これっす!」スッ
夏美「…スマホ? ちょっと、全然意味が──あっ!」
カシャッ
きな子「やった、夏美ちゃんのお写真一枚ゲットっす!」
夏美「う、く~っ…! 盗撮ですの、削除を要求しますの!」
きな子「夏美ちゃんがそれ言うんすか~? 大丈夫っすよ、ネットにあげたりはしないっすから」
きな子「ふっふっふ、それはっすね~…これっす!」スッ
夏美「…スマホ? ちょっと、全然意味が──あっ!」
カシャッ
きな子「やった、夏美ちゃんのお写真一枚ゲットっす!」
夏美「う、く~っ…! 盗撮ですの、削除を要求しますの!」
きな子「夏美ちゃんがそれ言うんすか~? 大丈夫っすよ、ネットにあげたりはしないっすから」
38:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 23:50:49 ID:???00
夏美「…とはいえ、なにがしたいかはわかりましたの」
きな子「はいっす、今日はきな子が夏美ちゃんのことをたくさん撮る日っすよ!」
夏美「いったいどういう風の吹き回しなんですの?」
きな子「まぁ、特に意味はないんすけど…撮る側の気持ちも知りたいというか、最後に改めてお手本を見たいというか…」
夏美「煮え切らない…ま、いいですの。この夏美を撮りたいと言うのであれば、相応のクオリティでお願いしますの!」
きな子「もちろんっすよ!」
きな子「はいっす、今日はきな子が夏美ちゃんのことをたくさん撮る日っすよ!」
夏美「いったいどういう風の吹き回しなんですの?」
きな子「まぁ、特に意味はないんすけど…撮る側の気持ちも知りたいというか、最後に改めてお手本を見たいというか…」
夏美「煮え切らない…ま、いいですの。この夏美を撮りたいと言うのであれば、相応のクオリティでお願いしますの!」
きな子「もちろんっすよ!」
39:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 23:52:37 ID:???00
きな子「このフォトスポット、トリックアートみたいな写真が撮れるらしいんすよ。こうやって手をかざすと…」
夏美「ふむ、なるほど…ではこんな感じにポーズを取れば…」
きな子「完璧っす!」
カシャッ
きな子「この大通り、雰囲気よくて好きなんす。歩いてるだけでもなんだか気持ちいいっすね」
夏美「確かに。けど、人通りが多くて写真撮りづらいのが難点ですの…」
きな子「ふふっ。でも今日はSNSにあげる写真だけじゃないっすから、気にせずたくさん撮っちゃうっすよ!」
カシャッ
夏美「ふむ、なるほど…ではこんな感じにポーズを取れば…」
きな子「完璧っす!」
カシャッ
きな子「この大通り、雰囲気よくて好きなんす。歩いてるだけでもなんだか気持ちいいっすね」
夏美「確かに。けど、人通りが多くて写真撮りづらいのが難点ですの…」
きな子「ふふっ。でも今日はSNSにあげる写真だけじゃないっすから、気にせずたくさん撮っちゃうっすよ!」
カシャッ
40:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 23:55:05 ID:???00
夏美「ふぅ…ちょっと休憩~ですの」ストン
きな子「涼しくなってきて、公園のベンチに座ってるだけでも気持ちいいっすねぇ」
夏美「ですの!」
きな子「そうだ、温かい紅茶もいれてきたんすよ。ちょっと待っててほしいっす」ガサゴソ
夏美「紅茶? きな子にしてはなんだか珍しい…」
きな子「それが、前に生徒会室で恋先輩がいれてくれたのが美味しくて! いくつかティーバッグをもらったんす。夏美ちゃんにも飲んでもらいたかったっすし」
夏美「私にもって…恋先輩の私物ということは、きっとお値段も…」
きな子「うっ…も、貰い物のお値段気にするのはよくないことっすよ、うん…」
きな子「涼しくなってきて、公園のベンチに座ってるだけでも気持ちいいっすねぇ」
夏美「ですの!」
きな子「そうだ、温かい紅茶もいれてきたんすよ。ちょっと待っててほしいっす」ガサゴソ
夏美「紅茶? きな子にしてはなんだか珍しい…」
きな子「それが、前に生徒会室で恋先輩がいれてくれたのが美味しくて! いくつかティーバッグをもらったんす。夏美ちゃんにも飲んでもらいたかったっすし」
夏美「私にもって…恋先輩の私物ということは、きっとお値段も…」
きな子「うっ…も、貰い物のお値段気にするのはよくないことっすよ、うん…」
41:
◆gz1XSSsa★
2025/10/01(水) 23:59:04 ID:???00
きな子「はい、どうぞ。まだ熱いっすから気をつけて」
夏美「ありがとうこざいますの…いい香り…」
きな子「紅茶の香りでリラックスすれば、きっとあとの撮影も落ち着いて臨めるっすよ!」
夏美「夏美はきな子と違ってカメラの前で緊張なんてしませんの…ん、美味しい…!」
きな子「……」ジーッ
夏美「…なぜ私の顔をまじまじと?」
きな子「…はっ! シャッターチャンスを逃してしまったっす…あぁっ、そもそもコップと水筒で両手が塞がってるからスマホが…!」
夏美「ふふっ、きな子の方が慌ててどうするんですの。そんなんじゃカメラマンとしてはまだまだですの」
きな子「うぅ、ぐうの音も出ないっす…」
夏美「ありがとうこざいますの…いい香り…」
きな子「紅茶の香りでリラックスすれば、きっとあとの撮影も落ち着いて臨めるっすよ!」
夏美「夏美はきな子と違ってカメラの前で緊張なんてしませんの…ん、美味しい…!」
きな子「……」ジーッ
夏美「…なぜ私の顔をまじまじと?」
きな子「…はっ! シャッターチャンスを逃してしまったっす…あぁっ、そもそもコップと水筒で両手が塞がってるからスマホが…!」
夏美「ふふっ、きな子の方が慌ててどうするんですの。そんなんじゃカメラマンとしてはまだまだですの」
きな子「うぅ、ぐうの音も出ないっす…」
42:
◆gz1XSSsa★
2025/10/02(木) 00:02:24 ID:???00
夏美「ふぅ…それにしても、いつの間にやら紅葉シーズンですの」
きな子「そうっすね、周りの木はほとんど色づいて…今年はなんだかあっという間だったっす」
夏美「来週には『ラブライブ!』の地区予選もありますし、本当はこんなことしている場合でもないですけど…」
きな子「でも、きな子は夏美ちゃんのおかげですっごく成長できたっすよ。この前の練習では先輩たちに表情を褒められたっすし」
夏美「実際きな子は普段の顔もよくなってますの。それにあの企画でLiella!の新規ファンもいくらか増えたようですし、この調子なら『ラブライブ!』の地区予選くらい…!」
きな子「ちゃ、ちゃんと練習もしないとダメっすよ? それに東京は激戦区らしいっすから、気を引き締めないとここで敗退なんてことも全然…」
夏美「む…まぁ、そうなったら流石に寝覚めが悪いですの…」
きな子「そうっすね、周りの木はほとんど色づいて…今年はなんだかあっという間だったっす」
夏美「来週には『ラブライブ!』の地区予選もありますし、本当はこんなことしている場合でもないですけど…」
きな子「でも、きな子は夏美ちゃんのおかげですっごく成長できたっすよ。この前の練習では先輩たちに表情を褒められたっすし」
夏美「実際きな子は普段の顔もよくなってますの。それにあの企画でLiella!の新規ファンもいくらか増えたようですし、この調子なら『ラブライブ!』の地区予選くらい…!」
きな子「ちゃ、ちゃんと練習もしないとダメっすよ? それに東京は激戦区らしいっすから、気を引き締めないとここで敗退なんてことも全然…」
夏美「む…まぁ、そうなったら流石に寝覚めが悪いですの…」
43:
◆gz1XSSsa★
2025/10/02(木) 00:04:21 ID:???00
きな子「…今日夏美ちゃんを誘ったのも、改めてお礼がしたかったんす。夏美ちゃんのおかげで、きな子はちょっぴりでも自信をつけることができて…少しずつでも変わっていけてる自分が、嬉しくて」
夏美「きな子…」
きな子「夏美ちゃんと一緒に笑顔の練習をしている時間が、すっごく楽しかったんす。厳しいけど、ちゃんときな子のことを見てくれて。ああすればこうすればって改善点も真剣に考えてくれて。それで本当に上手くいけば、きな子と一緒に喜んでくれて」
きな子「夏美ちゃんが電話で教えてくれたときも、多分お家で写真を見返して考えてくれてたんすよね。夏美ちゃんも忙しいはずなのに」
夏美「そりゃあ、そういう契約を持ちかけたのは私ですし。それにやってることはいつも練習を見てくれてる先輩たちと同じですの、なにも私が特別なわけじゃない」
きな子「でも夏美ちゃんには利がないじゃないっすか。少なくとも、きな子は未だに夏美ちゃんへお返しできてる気がしないっす」
夏美「きな子…」
きな子「夏美ちゃんと一緒に笑顔の練習をしている時間が、すっごく楽しかったんす。厳しいけど、ちゃんときな子のことを見てくれて。ああすればこうすればって改善点も真剣に考えてくれて。それで本当に上手くいけば、きな子と一緒に喜んでくれて」
きな子「夏美ちゃんが電話で教えてくれたときも、多分お家で写真を見返して考えてくれてたんすよね。夏美ちゃんも忙しいはずなのに」
夏美「そりゃあ、そういう契約を持ちかけたのは私ですし。それにやってることはいつも練習を見てくれてる先輩たちと同じですの、なにも私が特別なわけじゃない」
きな子「でも夏美ちゃんには利がないじゃないっすか。少なくとも、きな子は未だに夏美ちゃんへお返しできてる気がしないっす」
44:
◆gz1XSSsa★
2025/10/02(木) 00:06:29 ID:???00
夏美「…それで言うなら、私だって正しいことを教えられていたかなんてわかりませんの。最後のアドバイスだって、もっといい方法があったはず」
きな子「ううん、きっと今の正解はあれしかなかったっす。本来きな子が出せる笑顔は、メイちゃんや四季ちゃんのカメラに写るものが限界で。その限界の先を引き出せるのは夏美ちゃんしかいなかったんす」
夏美「どうして私だけだと…」
きな子「…きな子は嘘も隠し事も下手だから、夏美ちゃんには気づかれてると思うっすけど。でもそれはずるいから、ちゃんと伝えるっすね」
きな子「ううん、きっと今の正解はあれしかなかったっす。本来きな子が出せる笑顔は、メイちゃんや四季ちゃんのカメラに写るものが限界で。その限界の先を引き出せるのは夏美ちゃんしかいなかったんす」
夏美「どうして私だけだと…」
きな子「…きな子は嘘も隠し事も下手だから、夏美ちゃんには気づかれてると思うっすけど。でもそれはずるいから、ちゃんと伝えるっすね」
45:
◆gz1XSSsa★
2025/10/02(木) 00:09:26 ID:???00
きな子「夏美ちゃん、好きです。スクールアイドルへのお誘いを断られ続けても、それでも一緒に同じ景色を見たいと思うくらいに」
夏美「なっ…断られって、あなたいつから…!?」
きな子「えへへ…わかんないっすけど、多分最初に背中を押してもらったときからちょっとずつ…」
夏美「ほ、本当にいつの話ですの…」
きな子「ちなみに、夏美ちゃんはいつから気づいたっすか?」
夏美「…もしかしたらと思ったのは、きな子に電話したとき…本当にそうなのかもと思ったのは、次の日写真を見たとき…ですの」
きな子「わ、じゃあきな子も結構頑張れてたんすね」
夏美「なっ…断られって、あなたいつから…!?」
きな子「えへへ…わかんないっすけど、多分最初に背中を押してもらったときからちょっとずつ…」
夏美「ほ、本当にいつの話ですの…」
きな子「ちなみに、夏美ちゃんはいつから気づいたっすか?」
夏美「…もしかしたらと思ったのは、きな子に電話したとき…本当にそうなのかもと思ったのは、次の日写真を見たとき…ですの」
きな子「わ、じゃあきな子も結構頑張れてたんすね」
46:
◆gz1XSSsa★
2025/10/02(木) 00:11:11 ID:???00
きな子「きな子は夏美ちゃんの真剣なお顔が好きっす。もちろん笑顔も素敵っすけど…もっともっといろんな顔をする夏美ちゃんが見たい」
夏美「だから今日一日変なタイミングで写真を…」
きな子「まぁ、それはただのきな子の趣味なんすけど…とにかく、きな子は夏美ちゃんのいろんなところを知りたいんす。笑顔だけじゃない、夏美ちゃんの辛さも、悩みも、全部全部」
夏美「…知ってどうするんですの」
きな子「夏美ちゃんが辛い顔をしてたら、力になりたい! きな子が夏美ちゃんに助けられたように!」
夏美「…本当に、お人好し」ボソッ
きな子「へ、なんて…?」
夏美「なんでもありませんの」
夏美「だから今日一日変なタイミングで写真を…」
きな子「まぁ、それはただのきな子の趣味なんすけど…とにかく、きな子は夏美ちゃんのいろんなところを知りたいんす。笑顔だけじゃない、夏美ちゃんの辛さも、悩みも、全部全部」
夏美「…知ってどうするんですの」
きな子「夏美ちゃんが辛い顔をしてたら、力になりたい! きな子が夏美ちゃんに助けられたように!」
夏美「…本当に、お人好し」ボソッ
きな子「へ、なんて…?」
夏美「なんでもありませんの」
47:
◆gz1XSSsa★
2025/10/02(木) 00:13:33 ID:???00
きな子「でも、きな子はまだまだっすね。夏美ちゃんをドキドキさせることすらできないんすもん…」
夏美「…ホント、まだまだですの。自分の気持ちだけで、私がどう思ってるかもわかってない」
きな子「う、そうっすよね…ごめんなさい、きな子一人で盛り上がって…」
夏美「──あなたの笑顔の先が私だと気づいたとき…私だってちゃんと、ドキドキしましたの」
きな子「…へ、うそ…?」
夏美「…ホント、まだまだですの。自分の気持ちだけで、私がどう思ってるかもわかってない」
きな子「う、そうっすよね…ごめんなさい、きな子一人で盛り上がって…」
夏美「──あなたの笑顔の先が私だと気づいたとき…私だってちゃんと、ドキドキしましたの」
きな子「…へ、うそ…?」
48:
◆gz1XSSsa★
2025/10/02(木) 00:15:32 ID:???00
夏美「っ、今のなし、今のなしですの!」
きな子「そんな、ずるいっすよ!」
夏美「ずるくない! きな子に乗せられただけですの!」
きな子「ならなんでそんなに真っ赤な顔してるんすか!」
夏美「っ! それは、そんなの…」
きな子「…夏美ちゃん、もっとよく知りたいっす。きな子のことを想ってくれてるときの夏美ちゃんが、どんな表情なのかを!」
きな子「そんな、ずるいっすよ!」
夏美「ずるくない! きな子に乗せられただけですの!」
きな子「ならなんでそんなに真っ赤な顔してるんすか!」
夏美「っ! それは、そんなの…」
きな子「…夏美ちゃん、もっとよく知りたいっす。きな子のことを想ってくれてるときの夏美ちゃんが、どんな表情なのかを!」
49:
◆gz1XSSsa★
2025/10/02(木) 00:17:36 ID:???00
夏美「~~~っ…! きな子の……ばかっ!」カァァ
きな子「夏美ちゃんっ…! 可愛いっす~!」ダキッ
夏美「ぎゃーっ! 急に抱きついたら危ないですの!」
きな子「だって、ずっと…! きな子の気持ちなんて一方的な片思いだと…!」
夏美「もう、自信あるんだかないんだかよくわかりませんの…」
きな子「自信があったらもっとアプローチしてるっすよ~…!」グスッ
夏美「なんて悲しい…!」
きな子「夏美ちゃんっ…! 可愛いっす~!」ダキッ
夏美「ぎゃーっ! 急に抱きついたら危ないですの!」
きな子「だって、ずっと…! きな子の気持ちなんて一方的な片思いだと…!」
夏美「もう、自信あるんだかないんだかよくわかりませんの…」
きな子「自信があったらもっとアプローチしてるっすよ~…!」グスッ
夏美「なんて悲しい…!」
50:
◆gz1XSSsa★
2025/10/02(木) 00:19:11 ID:???00
夏美「ほら、泣きやんで…好きなら好きでかっこいいとこ見せてほしいですの」
きな子「うぅ、すみませんっす…やっぱり夏美ちゃんはいいお姉ちゃんっす…」
夏美「それはどうも…」
きな子「…今はまだ夏美ちゃんのことも知らないことが多くて、ご家族のことなんてもっとわからないっすけど。でもきっと妹さんとも上手くいくって、そんな気がするっす!」
夏美「…生意気。でも、たまには…その根拠のない自信を受け取ってあげてもいいですの」
きな子「夏美ちゃん…!」
きな子「うぅ、すみませんっす…やっぱり夏美ちゃんはいいお姉ちゃんっす…」
夏美「それはどうも…」
きな子「…今はまだ夏美ちゃんのことも知らないことが多くて、ご家族のことなんてもっとわからないっすけど。でもきっと妹さんとも上手くいくって、そんな気がするっす!」
夏美「…生意気。でも、たまには…その根拠のない自信を受け取ってあげてもいいですの」
きな子「夏美ちゃん…!」
51:
◆gz1XSSsa★
2025/10/02(木) 00:21:15 ID:???00
夏美「ですが! 返事はまだしてあげませんの!」
きな子「返事って…あ、もしかして…!」
夏美「ええ。私もあなたも、胸を張ってスクールアイドルだと言えるようになるまで! そのときまであなたの気持ちが変わってなければ…考えてあげてもいいですの」
きな子「は、はいっす! きな子、頑張るっす!」
夏美「違うでしょ?」
きな子「へ…?」
夏美「私ときな子、一緒に! 頑張りますの!」
きな子「…! うん!」
きな子「返事って…あ、もしかして…!」
夏美「ええ。私もあなたも、胸を張ってスクールアイドルだと言えるようになるまで! そのときまであなたの気持ちが変わってなければ…考えてあげてもいいですの」
きな子「は、はいっす! きな子、頑張るっす!」
夏美「違うでしょ?」
きな子「へ…?」
夏美「私ときな子、一緒に! 頑張りますの!」
きな子「…! うん!」
52:
◆gz1XSSsa★
2025/10/02(木) 00:23:27 ID:???00
~~~
夏美「ちょっと、近いですの…」
きな子「そうっすか? いつもこれくらい近づくじゃないっすか」
夏美「いや、今は状況が違うと言いますか…」
きな子「もう、シャッター押しちゃうっすよ? はい、チーズ!」
カシャッ
きな子「えへへ、夏美ちゃんが照れてるお写真ゲットっす~♪」
夏美「満面の笑み…こんなことなら笑顔の練習なんて付き合ってあげるんじゃなかったですの…」
夏美「ちょっと、近いですの…」
きな子「そうっすか? いつもこれくらい近づくじゃないっすか」
夏美「いや、今は状況が違うと言いますか…」
きな子「もう、シャッター押しちゃうっすよ? はい、チーズ!」
カシャッ
きな子「えへへ、夏美ちゃんが照れてるお写真ゲットっす~♪」
夏美「満面の笑み…こんなことなら笑顔の練習なんて付き合ってあげるんじゃなかったですの…」
53:
◆gz1XSSsa★
2025/10/02(木) 00:25:24 ID:???00
きな子「それじゃあ夏美ちゃん、広報大使としての最後の写真は絶対これっすよ! 変えちゃダメっす!」
夏美「わかってますの…もう腹は括ってますの」
きな子「楽しみにしてるっす! …あ、夏美ちゃんはそろそろ時間っすかね?」
夏美「あら、いつの間にこんな時間…悪いけど、もう帰らせてもらいますの」
きな子「大丈夫っすよ! 今日はきな子に付き合ってくれてありがとうっす!」
夏美「いえ、私も…楽しかったですの」
夏美「わかってますの…もう腹は括ってますの」
きな子「楽しみにしてるっす! …あ、夏美ちゃんはそろそろ時間っすかね?」
夏美「あら、いつの間にこんな時間…悪いけど、もう帰らせてもらいますの」
きな子「大丈夫っすよ! 今日はきな子に付き合ってくれてありがとうっす!」
夏美「いえ、私も…楽しかったですの」
54:
◆gz1XSSsa★
2025/10/02(木) 00:28:14 ID:???00
夏美「では、またですの!」
きな子「はいっす、また学校で!」
きな子(駅に向かっていく夏美ちゃんの後ろ姿は、この前と全く同じ。けどそこに寂しさは感じられなくて、やっぱりあれはきな子の気のせいだったのかもしれないと思ったっす。でも──)
夏美「……」フリフリ
きな子「……!」ブンブン
きな子(振り向いて手を振ってくれる夏美ちゃんの頬が少しだけ赤く見えたのは…きっと気のせいじゃないっすよね?)
おわり。
きな子「はいっす、また学校で!」
きな子(駅に向かっていく夏美ちゃんの後ろ姿は、この前と全く同じ。けどそこに寂しさは感じられなくて、やっぱりあれはきな子の気のせいだったのかもしれないと思ったっす。でも──)
夏美「……」フリフリ
きな子「……!」ブンブン
きな子(振り向いて手を振ってくれる夏美ちゃんの頬が少しだけ赤く見えたのは…きっと気のせいじゃないっすよね?)
おわり。
55:
◆gz1XSSsa★
2025/10/02(木) 00:34:42 ID:???00
2期のビタサマ後~チャンチャン直前くらいの時期のお話でした。
3期放送開始から1年が経とうとしているこの時期に。
3期放送開始から1年が経とうとしているこの時期に。