【SS】絵里「ただ、ありふれた夜」 花陽「第三夜、です」

SS


1: 2020/08/13(木) 22:25:58.35 ID:KpDt8l7M
絵里「・・・じゃあ、お先です」

「お疲れー、ごめんねわざわざ土曜に来て貰っちゃって」

絵里「いえ、仕事ですし」

「ふふ、絵里ちゃんは硬いなぁ。お酒とか飲むの?」

絵里「ええまあ、人並みには」

「そっか、たまにはしっかり羽伸ばしてね」

絵里「有難うございます、また」

「お疲れ様ー」

2: 2020/08/13(木) 22:26:33.45 ID:KpDt8l7M
絵里「19時か・・・」


ちょっとした仕事を終わらせるつもりが、予想より手こずると何故か損をした気分になる

時は夜、街は騒ぎ出す、そう思える人の多さ


絵里「・・・時間も時間だし、ご飯食べに行こう」

3: 2020/08/13(木) 22:27:00.98 ID:KpDt8l7M
何て事の無い、何の変哲もないただの日常

だから特に気取る気も、そんな必要も無い今の自分にぴったりな食事・・・


絵里「お腹、満たす為だけの、ね」

ガラッ

イラッシャーセー

絵里「1人です・・・ん?」


?「すいません、お代わりお願いします」

アリアトヤース


絵里「・・・花陽?」

花陽「んぐっ!?絵里ちゃん!?」


・・・最近こんなのばかりね?

4: 2020/08/13(木) 22:27:21.96 ID:KpDt8l7M
https://youtu.be/AVn29iINdy4


絵里「・・・じゃあ、サバの味噌煮御膳を」

アリアトヤース

花陽「絵里ちゃん、中々渋いね」


小泉花陽

海未と同じで、私たちは盟友、いや戦友?

この子達のお陰で私はあの1年、とても濃密だった

5: 2020/08/13(木) 22:27:51.37 ID:KpDt8l7M
絵里「まあ、お腹に入れば何でも・・・」

花陽「むっ、白米好きを前にしてそんな事言うんですか」

絵里「・・・あははっ、ごめんごめん」


そう、花陽の前だと私は

あの時の様に、自然に笑える

じりじりと、咲くのを今か今かと待つ、花のように

6: 2020/08/13(木) 22:28:16.76 ID:KpDt8l7M
花陽「お仕事、大変なの?」

絵里「え?まあ、そうかしら」

花陽「凛ちゃんもそうだったんだ、一時期お仕事が大変過ぎて、何を食べるのにも無感情で・・・」

絵里「似たような物、なのかしらね?」

花陽「きっとそうだよ!だから休める時に、思いっきり休んでね!私も凛ちゃんもそうしてるから」

絵里「・・・ええ、そうするわ」

7: 2020/08/13(木) 22:28:33.98 ID:KpDt8l7M
「お待たせしましたーサバの味噌煮御膳でーす」

絵里「ありがとうございます」

花陽「・・・!!」キラキラ

絵里「・・・ふふっ、もうそんな目で見て・・・1口食べる?」

花陽「是非ともっ!」

絵里「ふふっ、はいどうぞ」クスクス


久方振りに、思い出した

笑顔とは、特に自然に綻ぶ笑いとは

かくも心が洗われるものだったのかと

8: 2020/08/13(木) 22:28:50.38 ID:KpDt8l7M
花陽「いやあ、美味しかったです!」

絵里「もう、ご飯粒付いてるわよ」

花陽「はっ!お恥ずかしい所を・・・」パク

絵里「あはは・・・」


ああ、心地良い

花陽の笑顔に、日々の疲れはどこへやら

今日は良い眠りにつけそう・・・

9: 2020/08/13(木) 22:29:10.00 ID:KpDt8l7M
花陽「・・・」ジーッ

絵里「・・・え?どうしたの?」


・・・もしかして、余計な事に勘づかれた?


花陽「絵里ちゃん、この後どうするの?」

絵里「え?そ、そうね・・・」チラッ


腕時計は、もうすぐ20時を差すところだった

まあ確かに、このまま直帰するのは少しばかり忍びない・・・


絵里「・・・馴染みの店にでも行こうかなって」

花陽「私もついてっていいですか?」

絵里「え?あ、うん、良いわよ?」

花陽「折角会った縁です!今日は絵里ちゃんの日々の疲れを癒します!」

絵里「・・・」

10: 2020/08/13(木) 22:29:29.90 ID:KpDt8l7M
ほら、やっぱり

余計な事に首突っ込まなくてもいいのに

私の疲れなんか、微々たるもの


花陽「・・・鯖の、お礼です」

花陽「ダメ、ですか?」


その目はズルいわ・・・


絵里「・・・そう、じゃあお願いしようかしら?」

花陽「はいっ!」


ごめんね、花陽

私なんかに、付き合わせて・・・

11: 2020/08/13(木) 22:30:07.78 ID:KpDt8l7M



~BAR Nine~


カランカラン・・・

ダイヤ「いらっしゃいませ・・・絵里さん」

絵里「今晩は、今日は友達を連れて来たわ」

花陽「ほえー・・・お洒落なお店・・・」

ダイヤ「ふふ、ありがとうございます、当店のマスターです」

花陽「こ、小泉花陽です!お世話になります!」

絵里「そんな固まらないの、ね?ダイヤさん」

ダイヤ「ええ、肩肘張らずに、ゆっくりなさって下さい」

花陽「は、はい!」

絵里「・・・さてと、何を貰おうかしら」

花陽「メニュー、ありますか?」

ダイヤ「勿論ですわ、どうぞ」

花陽「わあ・・・いっぱいあるなぁ・・・」

絵里「花陽はお酒、大丈夫なの?」

花陽「うん、仕事柄よく飲むし」

絵里「そう・・・さしずめ日本酒好きって所でしょ?」

花陽「えへへ、その通りです」

絵里「やっぱりね・・・あ、私はマティーニを」

花陽「私は・・・テキーラサンライズを下さい」

絵里「最初から飛ばすわね?」

花陽「そう?結構飲みやすくて好きなんだ」

ダイヤ「かしこまりましたわ」

12: 2020/08/13(木) 22:30:56.69 ID:KpDt8l7M
絵里「へえ、ダイヤさんの所はシャンパングラスなのね?」

ダイヤ「はい、細長いタンブラーグラスの所もありますが、私のお店ではこれで・・・」シャッ


少しだけ、ほんの少しだけいじわるで、作ってる途中に話しかけてみた

結果はお察し、1ミリも心動かさず、さも当然の様に手際良く、メジャーカップを切っている


ダイヤ「・・・」ピッ

花陽「わあ、かっこいいなぁ」

13: 2020/08/13(木) 22:31:13.27 ID:KpDt8l7M
ダイヤ「あ、ありがとうございますわ///」コロッ

ダイヤ「あらら」サッ


・・・私の意地悪より、花陽の素直な賞賛に焦ってしまっている・・・


絵里「・・・なんか意外ね」

ダイヤ「・・・///」

花陽「?」

14: 2020/08/13(木) 22:32:22.28 ID:KpDt8l7M
絵里「しかし・・・」



何度見ても、テキーラサンライズは良い物ね

オレンジジュースで満たされたシャンパングラスに

寸分狂わずあてがわれたバースプーンに

真っ赤な、グレナデンシロップが伝っていく

外は夜、しかし今この場だけは、"日の出"



花陽「うんうん、いつ見ても綺麗ですよね・・・」

絵里「・・・」


確かに綺麗だ

しかし今、私の目にカクテルは映っていない

花陽の少し上気した、まだほんのり暖かい頬に


ダイヤ「お待たせ致しました、テキーラサンライズです」


私は1人、日の出を感じていた

15: 2020/08/13(木) 22:32:36.97 ID:KpDt8l7M
花陽「じゃあ、出揃いましたので・・・」スッ

絵里「ええ」スッ

えりぱな「「乾杯」」

絵里「・・・んっ」ゴクッ

花陽「ごくっ」

絵里「・・・流石ね、マスター」

ダイヤ「恐れ入ります」

花陽「飲みやすい・・・美味しいです!」

ダイヤ「ありがとうございますわ」

花陽「それに、何だかレモンの風味がする様な・・・?」

ダイヤ「アレンジという程では無いですが、これを使いましたわ」

花陽「これは・・・レモンの欠片?」

絵里「レモンピールね、同じ柑橘系だし、合わない訳が無いわね」

ダイヤ「元来テキーラサンライズは甘めですし、香り付けも兼ねて、ですわ」

花陽「素晴らしいお心遣い・・・おいし♡」ゴクッ

16: 2020/08/13(木) 22:32:53.09 ID:KpDt8l7M
ダイヤ「・・・ここにいらっしゃる時、外は暑かったですか?」

絵里「まあね、湿気が凄いわ」ゴクッ

花陽「ウチはお米がよく育って嬉しいですがね!」

ダイヤ「まあ、農園を持ってらっしゃるんですの?」

花陽「いえいえ、農園何て大それたものじゃありません。趣味でお米を作ってるんです!」

ダイヤ「それだけでも素晴らしい事ですわ!花陽さんに是非飲んで頂きたいカクテルがあるのですが、いかがですか?」

花陽「是非!頂きます!」

17: 2020/08/13(木) 22:33:14.80 ID:KpDt8l7M
絵里「あらあら、随分仲良くなっちゃって・・・ふふ」

ダイヤ「絵里さんは次、何になさいますか?」

絵里「そうね・・・今日は休みなのにお仕事して疲れちゃったから、Between The Sheetsを貰おうかな」

ダイヤ「・・・かしこまりましたわ」

花陽「?」

18: 2020/08/13(木) 22:33:30.11 ID:KpDt8l7M
・・・白ワイン?

白ワインを使うカクテル?

あまり聞いた事ないわ・・・

・・・この香りは、ミントティー?


「・・・ああ、花陽にぴったりなカクテルね」

「絵里ちゃんこれだけでワカッチャッタノォ!?」

「奥で氷を砕きますので、少しお待ち下さい」

「氷を砕くんですね・・・」


ガシッガシッ・・・

19: 2020/08/13(木) 22:33:59.67 ID:KpDt8l7M
「そしてこのクラッシュドアイスをゴブレットに詰め」

「白ワインを30ml ミントティーを45ml」

「ミントの葉は添えないのね?」

「はい、代わりにローズマリーを添えますの」

「後はソーダで満たせば・・・」

シュワアァァァ・・・

コトッ

「お待たせ致しました」

「"プランタン"です」

20: 2020/08/13(木) 22:34:29.01 ID:KpDt8l7M
花陽「ぷぷぷプランタン!?」

ダイヤ「はい、花陽さんのお米が無事に春"プランタン"を迎えられる様にと」

花陽「ぐ、偶然ですよね?」

絵里「・・・偶然でしょう?」

ダイヤ「ええ、春以外に何か意味がありますの?」ニコ

花陽「偶然にしても凄いです!何だか嬉しい・・・」ゴクッ

花陽「・・・美味しい・・・凄く涼し気で、この季節に合いますねぇ」

ダイヤ「恐れ入りますわ」

21: 2020/08/13(木) 22:34:54.40 ID:KpDt8l7M
花陽「ねぇ、絵里ちゃんのそのカクテルは、どんなカクテルなの?」

絵里「・・・」ポケー

花陽「・・・絵里ちゃん?」

絵里「・・・んはっ!い、意識が・・・」

花陽「だ、大丈夫なの?絵里ちゃん・・・」

絵里「ええ、ええ、ちょっと疲れが溜まってるのね・・・これを飲んだら帰るわ」

22: 2020/08/13(木) 22:35:38.83 ID:KpDt8l7M
花陽「・・・絵里ちゃん」ギュッ

絵里「ハラッ!?///」

ダイヤ「まあ・・・」

花陽「疲れたら、休んでいいんだよ?悩んでたら、私達に相談していいんだよ?」ナデナデ

絵里「・・・っ」ギュッ

花陽「ね、花陽がお家まで送るから、今はゆっくり飲もう?」

絵里「・・・うん、ありがとう」

ダイヤ「・・・ふふ、ほんとに仲がよろしいんですのね」

花陽「えへへ、私達も長いですから」

絵里「まあね・・・ふふっ」ゴクッ

23: 2020/08/13(木) 22:35:57.13 ID:KpDt8l7M


カランカラン・・・

ダイヤ「今日はありがとうございました、花陽さん、絵里さん」

花陽「こちらこそ、美味しいカクテルをありがとうございます」

ダイヤ「いえ、恐縮ですわ・・・ところで」

花陽「はい?」

ダイヤ「・・・絵里さん、大丈夫ですか?」

絵里「ほへぇ~・・・はなよがふたりぃ・・・」

24: 2020/08/13(木) 22:36:13.68 ID:KpDt8l7M
花陽「大丈夫じゃ無さそうなので私が責任もってお家にお届けします!!!」

ダイヤ「は、はい!宜しくお願いしますわ!」


ハナヨォ~ナンデフタリイルノォ~?

ワタシハヒトリダヨエリチャン!

25: 2020/08/13(木) 22:36:25.18 ID:KpDt8l7M
ダイヤ「・・・絵里さん、本当にお疲れなのね」

ダイヤ「私には・・・せめて絵里さんにとって、この店が安らげる場所である様、精進する事しか出来ない」

ダイヤ「・・・また、来て下さいね、絵里さん」

26: 2020/08/13(木) 22:36:38.09 ID:KpDt8l7M
久しぶりね、ここまで飲んだのは

懐かしい友に会ったから?

花陽の屈託の無い笑顔に惹かれたから?

存外、頭は回るものだ

足取りは・・・まあ、さもありなん

27: 2020/08/13(木) 22:36:54.13 ID:KpDt8l7M
絵里「花陽ぉごめんねぇ・・・」

花陽「もう、謝らないの!」

絵里「あうぅ・・・」


駄目だ、頭もぼんやりしてきた

ごめん花陽、せめて肩は離さないで・・・


花陽「・・・でも、ちょっと嬉しいかも」

絵里「んえぇ・・・?」

28: 2020/08/13(木) 22:37:10.80 ID:KpDt8l7M
花陽「昔は怖い人だなって思ってたけど、皆と活動し始めてからとっても良い人だって気づけた」

花陽「あの時は、絵里ちゃんの事は知り尽くしたつもりだったの、ちょっとおこがましいけどね」

花陽「でも今、こんなへろへろの絵里ちゃんが見れて嬉しいんだ」

花陽「今日会った時だって、どこか薄い壁を張ってた絵里ちゃんだけど、どうやら壊せたみたいだね?」

29: 2020/08/13(木) 22:37:22.71 ID:KpDt8l7M
・・・流石花陽ね

絵里「・・・流石花陽ね」


花陽「え?」

30: 2020/08/13(木) 22:37:39.64 ID:KpDt8l7M
全部気づいてたのね、あなたは


絵里「全部気づいてたのね、あなたは」


今日、あなたは言ってくれたわね、癒してくれるって


絵里「今日、あなたは言ってくれたわね、癒してくれるって」


大成功よ、このKKEの酩酊姿を見られたんだから


絵里「大成功よ、このKKEの酩酊姿を見られたんだから」

31: 2020/08/13(木) 22:38:00.09 ID:KpDt8l7M
花陽「・・・ふふっ、絵里ちゃんったら」

花陽「・・・わっ見て絵里ちゃん、もうこんな時間だったから、ほら・・・」

絵里「・・・」


ビルとビルとの間から

眩しい眩しい、陽の光

でも、今の私は頭が回らない

だから・・・

32: 2020/08/13(木) 22:38:23.17 ID:KpDt8l7M
絵里「・・・綺麗ね、日の出」

花陽「・・・ね」


あのビルの隙間から見える、日の出と

今、私の隣にいる、"日の出"と

どちらが本物の太陽なのか、今の私には分からないのーーーー

33: 2020/08/13(木) 22:39:08.30 ID:KpDt8l7M
暑い中お疲れ様です 過去作もいくつか宜しければ


絵里「雨の日のコーヒー」

穂乃果「第一次音ノ木坂抗争」

絵里 「ゲームセンターに行きましょう!」 にこ 「拒否」 希 「話を聞こう」

にこ 「絵里って」 希 「映画の影響」 ことり 「受け過ぎだよね」

絵里 「真夜中に」 にこ 「愚痴を肴に」 希「姦しく」

花陽「都市伝説!」 絵里「対決よ!」

穂乃果&ツバサ「聖♡おねえさん」

絵里「ノッキン・オン」 にこ「ヘブンズ・ドア」

絵里「青き」 海未「サムライ」

孤独のエレナ

海未「ふぁ~あ・・・眠いな・・・」 ことほの「「!?」」

絵里「ただ、ありふれた夜」

穂乃果「今日も今日とて」 英玲奈「いつものあの店」 ダイヤ「BAR Aqua Vitaeへ」

聖良「夜も更けて」 ダイヤ「姉会ですわ」

聖良「私達の」 ダイヤ「日常」

絵里「壊れた世界で、ただ1人」

海未「あなたは」 ことり「サマーガール」

希「ライブ?」 真姫「そうよ」

34: 2020/08/14(金) 19:53:33.11 ID:n2rtTvm6
いい雰囲気だ えりぱな良き

37: 2020/08/16(日) 23:27:53.74 ID:83GR4Hy/
よかった
このシリーズ好き

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1597325158/

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