海を覆う傘【SS】

SS


1: 2016/11/26(土) 21:12:00.08 ID:nX7fmKl5.net
ことり「……はぁ…」


地球は死にかけていました

人口は120億人を越え、大規模な食料危機に陥り、追い討ちをかけるような大地殻変動……

まさに人類滅亡の危機……

そんなときに《あれ》が突然……そらから降りてきました……


ことり「よいしょ……チーズケーキ……あったかなぁ」ガサゴソ

2: 2016/11/26(土) 21:17:00.22 ID:nX7fmKl5.net
あれから20年……

多くの人は《あれ》を気にしなくなっていた……

ことり「……いってきます……」

もたらされたのは大量の食料と技術

降りてきた時にメッセージがあってしばらく貸してください…だって

それっきり、音沙汰もなく、海の上に浮かんでるだけ……

3: 2016/11/26(土) 21:23:45.02 ID:nX7fmKl5.net
善子「今日で19年と261日か……」

たしか200年ぐらい前だったかしら……

私たちの星は壊れちゃった

それから100数十年…宇宙を放浪してやっと見つけた住める星……

入念に下準備して、食料と技術を与えた

コンコン

善子「はいはい……どうぞぉ」

ルビィ「ごくろうさまっ」

善子「そっちこそ……」

5: 2016/11/26(土) 21:27:45.50 ID:nX7fmKl5.net
善子「どうしたの?」

ルビィ「ルビィは今日のお仕事終わったから善子ちゃんのお手伝いだよ」

この地球の海水が私たちにとっても悪いものでそれをすべて真水にするのにちょうど20年

それが終わったらこの星を支配するものたちを片付ける

善子「ありがと……でももう終わりそうだから大丈夫よ」

ルビィ「そぉ?……じゃあ待ってるね」

7: 2016/11/26(土) 21:31:32.64 ID:nX7fmKl5.net
ことり「おはよう海未ちゃん♪」

海未「おはようございます」ペコリ

私は少数派……この海の上に浮かぶ《あれ》に違和感がある

海未「今年で……20年ですか……」

ことり「私たちが産まれる前からあるのに……」

海未「何故でしょうか……私たちにとって《あれ》は日常の一部のはずなのに」

8: 2016/11/26(土) 21:35:50.55 ID:nX7fmKl5.net
善子「ふぅ~……おしまいよ!!」

ルビィ「さすが善子ちゃん!!はいお茶だよ」

ポンッ

善子「ありがとうルビィ……さてと」

ルビィ「またやるの?……違反だしやめといたほうが……」

善子「もう遅いのよ♪」カタタタカタ

ルビィ「地球のインターネットに不正アクセスなんて……二年間謹慎くらいの罪だよ……」

善子「バレなきゃ罪じゃないのよ♪」

9: 2016/11/26(土) 21:40:21.98 ID:nX7fmKl5.net
ルビィ「ダメダメ!!ダメだよ善子ちゃん!!おねえちゃんに怒られちゃうよ!!」

善子「もお……あんた私と遊びたいだけでしょ…?」

ルビィ「うゅ………ち……違うもん!!善子ちゃんが謹慎になったら遊べな………」

善子「ほら」

ルビィ「うゅ……違うもん!!善子ちゃんなんて知らない!!ばかばか!!」ウルウル

トットットット

善子「あとで謝っとこう……」

善子「来るかなぁ……Toriさん……」

10: 2016/11/26(土) 21:43:54.78 ID:nX7fmKl5.net
海未「聞きましたか……?」

ことり「うん……近々大規模攻撃をするんだっけ……」

海未「そうです……我々の持ちうるすべてを使って……《あれ》を落とすと……通達が」

ことり「成功したら……どうなるかな……」

海未「わかりません…今より悪くなる可能性もあります……」

ことり「でも……」

海未「はい、それが私たちの使命です」

ことり「だよね……」

11: 2016/11/26(土) 21:49:50.52 ID:nX7fmKl5.net
ことり「ふぅ……ただいまぁ……」

ことり「ごはんとぉ……お味噌汁……あとは……鮭のムニエル!!」

ピーッピーッゴハンタケマシタ

ことり「………いただきます」パクッパクッ

……………………………

ことり「ごちそうさまでした……」

ことり「………ちょっとだけ……今日はYohaneさんいるかなぁ」

12: 2016/11/26(土) 21:52:59.81 ID:nX7fmKl5.net
ことり「よいしょ……ログイン」カタタタカタ

私は今インターネットの仮想空間でのコミュニケーションサービスにどっぷり浸かっています……

ことり「えーっと…Yohane……Yohane……いた!!」

カタタタカタ

13: 2016/11/26(土) 21:57:04.77 ID:nX7fmKl5.net
善子「おっいた!!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━

Yohane「こんばんはToriさん」

Tori「こんばんわ♪」

Tori「今日もお仕事大変でしたぁ…もうくたくたですぅ」

Yohane「大変ねぇ、私は簡単なことしか任されてなくて…すぐ終わるのよ♪」

Tori「いいなぁ……」

14: 2016/11/26(土) 22:01:52.81 ID:nX7fmKl5.net
Tori「はぁ…憂鬱ですぅ……しかも3ヶ月後くらいにとんでもないプロジェクトを……私にできるのかなぁ……」

Yohane「Toriさんも!?」

Tori「も?」

Yohane「いや~ちょうど私も3ヶ月後くらいにとんでもないプロジェクトが控えてて……」

Tori「ほんとですか!?」

Yohane「うん…そうなのよ……でもそれが終わったらもうお仕事も終わりだから……」

Tori「それはがんばらないとだね♪」

15: 2016/11/26(土) 22:04:34.66 ID:nX7fmKl5.net
Yohane「Toriさんも…がんばってね…無理しちゃダメよ?」

Tori「Yohaneさんは……とにかく本番で失敗しないように!!」

Yohane「あはは、私本番に弱いから……」

Tori「大丈夫!!Yohaneさんならきっとうまくいくよ!!」

Yohane「ありがと……」

16: 2016/11/26(土) 22:07:17.09 ID:nX7fmKl5.net
Yohane「それより今日はどんな遊びを教えてくれるの?!」わくわく

Tori「きょうはねぇ……この間教えたすごろくって覚えてる?」

Yohane「もちろんよ…えっと…さいころで出た目の数だけ進んではやくゴールについた人が勝つんでしょ?」

Tori「それの応用編だよ……名前は……人生ゲームといいます!!」

Yohane「人生……ゲーム?……全然すごろくと関係なさそうね……」

17: 2016/11/26(土) 22:10:08.43 ID:nX7fmKl5.net
…………………

Yohane「今日も楽しかったわ!」

Tori「Yohaneさんが喜んでくれて良かったな❤」

Yohane「さっそく明日ともだちとやってみるわよ♪」

Tori「おっ、いいねぇ私もひさしぶりにやってみたいなぁ」

Yohane「じゃあまたね」

Tori「うん…バイバイ」

18: 2016/11/26(土) 22:13:40.17 ID:nX7fmKl5.net
善子「……人生ゲーム……か……作るのめんどくさそうね……」カタタタカタ

Toriさん……この星のどこかにいる私のともだち

この星の遊びを教えてもらったり、お互い仕事の愚痴を言い合ったりする……

この人も…あと3ヶ月で片付けられる……

19: 2016/11/26(土) 22:19:36.36 ID:nX7fmKl5.net
ことり「……へへへ…Yohaneさん……」

Yohaneさんは不思議な人……いろんなことに詳しいようでいろんなことを全く知らない……

知らない人になにかを教えるのは楽しくって…ついつい夜遅くまで話しちゃう

お仕事の愚痴とか言い合ったりして…励みあってます

この人は……どこに住んでるんだろう……

海沿いなら逃げてほしいな……

20: 2016/11/26(土) 22:22:09.25 ID:nX7fmKl5.net
トゥルルルル

ルビィ「えーっと…6!!」

トンットンットンッ

ルビィ「いちにーさんしーごーろく……えっと……お仕事……お医者さん!!やったぁ!!」

トゥルルルル

善子「げっ!3……」

トンットンットンッ

善子「うわっ……家が火事に……火災保険に加入していなければ家を失うゥ!?」

ルビィ「えへへへ、善子ちゃんほーむれすだね」

21: 2016/11/26(土) 22:25:30.19 ID:nX7fmKl5.net
ことり「……………」

海未「………穂乃果は」

ことり「いいの……」

海未「っ…………」

ことり「誰のせいでもないんだよ……」

海未「しかし……穂乃果の仇を討たなければ……」

ことり「だよね……」

海未「私たちは順調です……このまま3ヶ月後……私たちの手で……この星を取り戻すのです」

22: 2016/11/26(土) 22:28:58.24 ID:nX7fmKl5.net
ルビィ「えへへへ、ルビィの勝ちだよ♪資産は……19億!!」

善子「早いわよ!!ぐぅ……もう負けよ……借金2億……」

ルビィ「楽しかったなぁ♪善子ちゃんはゲーム考える天才だね♪」

善子「…………そうだわ♪」

ルビィ「うゅ?」

善子「このゲーム私が考えたものじゃないのよ」

ルビィ「うそぉ!?」

23: 2016/11/26(土) 22:32:11.78 ID:nX7fmKl5.net
善子「本当よ、このゲームだけじゃない……いままでにやった…トランプ…すごろく…将棋…オセロもぜーんぶよ」

ルビィ「うそぉ………じゃあ誰が……」

善子「絶対に誰にも言わない?」

ルビィ「もちろん!ルビィは約束だけはしっかり守るよ!!」

善子「締切も守れないのに?」

ルビィ「あっ……」

善子「そうね……私が最近アクセスしてる地球の」

ルビィ「あああ!!ダメっていったのにぃ!!」

善子「約束は約束よ!!ぜっっっっったいに!言わないでね?」

ルビィ「ずるいよ……」

24: 2016/11/26(土) 22:35:35.49 ID:nX7fmKl5.net
善子「そこで教えてくれるのよ♪」

ルビィ「……コミュニケーションを勝手にとったら最悪解任もあるよ……」

善子「大丈夫だって…この私がミスなんてすると思う?」

ルビィ「………大きな発表のときはいつも資料忘れるくせにぃ……」

善子「……それは……そうだけど……」

ルビィ「ルビィだって庇えないよ?」

善子「そうよね…いくら提督の妹でも……」

ルビィ「うん…だから気をつけてね……」

善子「ええ、気をつけてやるわ」

ルビィ「やらないでよぉ!!」

25: 2016/11/26(土) 22:43:13.04 ID:nX7fmKl5.net
Tori「こんばんわ」

Yohane「Toriさんきょうは遅かったわね」

Tori「えへへ…ちょっとね」

Yohane「お仕事は平気?」

Tori「きょうはちょっと……」

Yohane「どうしたの?大丈夫?」

Tori「きょうはお友達のお墓参りにいったの」

Yohane「ええっ…ごめんなさい……無理してログインしなくてもよかったのよ」

26: 2016/11/26(土) 22:45:32.48 ID:nX7fmKl5.net
Tori「大丈夫、Yohaneさんとお話したいし❤」

善子「ふふ…このぉ……」ヘラヘラニタニタ

Yohane「そう?…私も……Toriさんとお話するのは楽しいから…いつでもログインして待ってるけど……」

Tori「きょうはね…大事なお話があるの」

Yohane「大事なお話?」

27: 2016/11/26(土) 22:50:54.91 ID:nX7fmKl5.net
Tori「その前に…私のお仕事のことを話さなきゃいけないの」

Yohane「そういえば知らないわね」

Tori「私ね…《傘》を壊すための秘密機関で働いてるの」

Yohane「えっ!?《傘》って………」


善子「う……うそぉ!?傘って……たしか地球人が私たちの宇宙船につけた名前……よね……」


Tori「そうなの…それでね、3ヶ月後に私たちが《傘》に大規模な攻撃をするの…ちょっと20年の日の前日に……」

Yohane「…………」

善子「信じ……られない」

29: 2016/11/26(土) 22:54:58.65 ID:nX7fmKl5.net
Tori「だからね…もしYohaneさんが海沿いに住んでるなら…できるだけ内陸部に逃げてほしいの……」

Yohane「わかったわ、ありがとう」

Tori「よかったぁ、それとね」

Yohane「それと?」

Tori「もし…失敗したら……きっと私は死んじゃうから……だから、それまでに一度だけ…本当のあなたに会ってみたいな」

善子「え………」

Yohane「………それは……」

Tori「そうだよね、無理だよね、ごめんね無理いって……でも最初のお願いは聞いてくれるよね?ちゃんと海から離れてね♪」

Yohane「わかったわ……」

30: 2016/11/26(土) 23:00:06.89 ID:nX7fmKl5.net
善子「…………………」

Toriさんが………私たちの宇宙船を壊す組織に……?…

私たちがこの星に来て…食料危機が解決して……何も悪いこと無いじゃない!!

まあ……3ヶ月後、ちょうど20年が経ったら侵略する訳だけど……

でも……まさか…その前日に攻撃を仕掛けてくるなんて……

提督に報告しないと……

32: 2016/11/26(土) 23:07:00.91 ID:nX7fmKl5.net
善子「………でも……」

なんとか……ならないのかしら……

Toriさんは……会ったことが無くても…私の大事なともだちになった……

ただ暇だから…地球人とコンタクトを取ってみようと思った…それだけなのに……

報告したら……私は罰せられて…そのまま謹慎

私が謹慎してるあいだにすぐさま攻撃を仕掛けて地球人をひとり残らず消し去るんだろうな

でも……Toriさん……

33: 2016/11/26(土) 23:14:35.77 ID:nX7fmKl5.net
ダイヤ「ありえません!!」

ルビィ「ね?」

善子「そうですよね……」

ダイヤ「地球人と共存などできませんわ!」

善子「…はい」

ダイヤ「善子さん…あなたは優秀なのですからそんなくだらないことを言わないでしっかり仕事をしてください!!きっとすぐに昇進できますから」

善子「はい……」

ルビィ「残念だね」

34: 2016/11/26(土) 23:18:40.96 ID:nX7fmKl5.net
ルビィ「善子ちゃん……まさか例の……」

善子「そうよ」

ルビィ「もぉ……だからいったのに……」

善子「でも……」

ルビィ「でもじゃないよ…ルビィは心配してるんだよ?辛い思いをするのは善子ちゃんなんだよ」

善子「ごめん……」

35: 2016/11/26(土) 23:34:02.76 ID:nX7fmKl5.net
善子「会ってみたい……Toriさんに」

……あの人が会いたいと言うのなら……

本当に救えないのなら…あの人の顔を…声を…知りたい…

そう思うのは…おかしいことかしら……

善子「えっと」ガサガサ

善子「あった……」

善子「地上調査……もう地上調査の仕事はないけど……隙を見れば外に出られるかもしれない……」

バレたら……きっと………

でも…Toriさんは……死ぬ覚悟だってできてるんだろうな……

なら私も……がんばらないと……

36: 2016/11/26(土) 23:41:03.48 ID:nX7fmKl5.net
ことり「はぁ………」

海未「どうしましたか?……浮かない顔ですね」

ことり「海未ちゃん……私ね……」

海未「?」

ことり「………ううん…なんでもないの……お仕事がんばろう?」

海未「はい、n56爆弾と……」

ことり「……うん…あとは………」


Yohaneさん……いまどこにいるのかな……お仕事頑張ってるのかな……

……会いたかったな………どうか……せめて…3ヶ月後…死なないで……私の言うことを信じて内陸部に………

37: 2016/11/26(土) 23:45:16.06 ID:nX7fmKl5.net
Yohane「Toriさん!!」

Tori「?どうしたの?」

Yohane「私も……あなたに会いたい!!」

Tori「……無理しなくて良いんだよ…会わなくたって、ここでお話ができるし」

Yohane「違うの……とにかく会いたいの!!」

ことり「……えへへ……嬉しいなぁ……」

Tori「本当にいいの?何か都合が悪かったり」

Yohane「大丈夫!!でも時間は夜がいいわ!お仕事が終わったあと!!」

Tori「じゃあ……明後日の夜に……そうだ、Yohaneさんはどこに住んでるの?」

38: 2016/11/26(土) 23:47:51.88 ID:nX7fmKl5.net
Yohane「いつでも大丈夫!!……え?私のすんでる場所?」

善子「どうしよう……」

Yohane「えっと……東京よ!東京!!」

Tori「わあ本当!?以外と近くにいたんだね!私も東京だよ!!」

Yohane「じゃあ明後日の夜24時に東京でいい?」

Tori「うん、よろしくね」

Yohane「うん!絶対に行くから!!」

ことり「……Yohaneちゃんに……会える……」

39: 2016/11/26(土) 23:51:10.62 ID:nX7fmKl5.net
善子「…………と……いうことなのよ」

ルビィ「あわわわわ本当にダメだよ、もう解任とか退去とかそういうレベルじゃないよ!?」

善子「大丈夫…覚悟はできてるわ!!」

ルビィ「でも!!」

善子「はぁ…ちょっとオフ会するだけよ……」

ルビィ「オフ会ってなに……」

善子「とにかく……決めたんだから!!絶対に行く!!」

ルビィ「ルビィは……善子ちゃんにいなくなってほしくないよ……」

善子「大丈夫!!必ず戻ってくる!!約束する!!」

ルビィ「………約束だよ……」

善子「うん!!大丈夫よ!!」

44: 2016/11/27(日) 10:31:58.17 ID:qDFLcNwB.net
ことり「……」ニタァ

海未「………どうしましたか?昨日とはうってかわって楽しそうですね」

ことり「えへへ…今日もお仕事頑張るよ!!」グィッ

海未「…?…まあやる気があるのはいいことです…」

ことり「ふふふ」

たぶん…私の人生で最後に作ったおともだち……どんな子かな?……

ことり「かわいい女の子かな?……実は男の子だったりして…へへへ」

海未「………」

45: 2016/11/27(日) 10:39:12.15 ID:qDFLcNwB.net
善子「………ふぅ……よしっ」

地殻変動によって前よりもっと広くなった太平洋をまるごと覆うように浮かぶ大きな銀色の傘……私たちの船……

出口は1200箇所…私の住む区画からならJP08と02が一番近くて…東京にいくなら02!

勝手に出たらたぶん警報がなるから……そこは細工させてもらったわ♪

さらに出たあと海に落ちないためのエアロドライブは昔作ったのがある!!

善子「完璧だわ!!…これで……」

46: 2016/11/27(日) 10:46:00.92 ID:qDFLcNwB.net
ことり「うーみちゃん?」バッ!!

海未「はいっ!?」ビックリ

ことり「今日このあと一緒にお洋服買いにいこ?」

海未「えっ……はい予定はないので……」

…………………………………………………………………

ザワザワザワザワ

ことり「わぁぁぁぁぁ」パァ

海未「…………///」

ことり「海未ちゃん似合ってるよぉぉ」

海未「もう良いですか!?今日はことりが服を買いたいと!!」

ことり「あっ忘れてた♪」

海未「しかし…こんな時に服を…」

ことり「もぉ!海未ちゃんは女心がわかってないなぁ」

海未「はいっ!?」(まさか……)

ことり「えへへへ」

明日はちゃあんとおしゃれして…Yohaneさんに会うんだ

47: 2016/11/27(日) 10:51:27.19 ID:qDFLcNwB.net
コンコン

善子「はぁい」

ガチャッ

ルビィ「うゅ……善子ちゃん……」

善子「ルビィ………」

ルビィ「善子ちゃん……」ウルウル

善子「約束したでしょ?」

ルビィ「でも……でも……善子ちゃんが……もし居なくなったら」ウルウル

善子「大丈夫だって何度も言ったでしょ?」

ルビィ「やだよぉ!!いかないで善子ちゃん」ボロボロ

善子「………ごめんね…心配かけて……」

ルビィ「ばかぁ……とんこつぅ……」ウェッウッ

善子「ポンコツじゃない?……」

ルビィ「うゅ…ポンコツ!!」

48: 2016/11/27(日) 10:54:13.84 ID:qDFLcNwB.net
善子「………ということよ、もう下準備は済ませてあるから」

ルビィ「……でも0.0006%が起きたら……?」

善子「そんなの無いわよ♪」

ルビィ「あるもんっ!!」

善子「帰ってくるってば」

ルビィ「………………じゃあ……今日はたくさん遊ぼ……?…」

善子「もちろん良いわよ、いままでのオールスターズよ♪ババ抜きから人生ゲームまでね」

ルビィ「よぉぉしルビィ全部勝っちゃうよ!!」

49: 2016/11/27(日) 10:59:59.17 ID:qDFLcNwB.net
次の日………

善子「……………っ……はぁ」ムクッ

善子「……今日…ね…」

とりあえず今日の仕事を終わらせて……

24時……まあ実質明日ね……Toriさん……

━━━━━━━━━━━━━━━━━
('8')「チュンチュン……」

ことり「ふぁ…………もう……今日……」

とにかく……今日のお仕事を頑張って……

夜……東京駅で……Yohaneさんに……

50: 2016/11/27(日) 11:34:45.24 ID:qDFLcNwB.net
善子「…………………」

覚悟はできてるわ……

善子「はぁ……エアロドライブ……出口セキュリティ偽装……大丈夫!!」

ルビィ「……気をつけてね………」

善子「うん……じゃあまた明日ね」

ウィィィィン……トポポポポポ

キュポンッ

外に………

51: 2016/11/27(日) 11:36:50.19 ID:qDFLcNwB.net
ことり「おつかれさまでぇす」

海未「あっことり」

ことり「どうしたの?」

海未「もし良ければこのあと駅の蕎麦屋さんに」

ことり「ごめんね海未ちゃん…今日は大事な用事があるの」

海未「……そうですか…ではまた」

ことり「うんっまたね~」

54: 2016/11/27(日) 17:33:00.05 ID:qDFLcNwB.net
善子「うおっ!」ドパッ

善子「っ…ととと」フワン

真っ暗……まあもう夜の10時だし

善子「……さすがに東京は明るくて分かりやすいわね……」

フォォォォォン

ちょっと早すぎたかしら……でも何かあったらのことを考えたら遅いくらいよね……

55: 2016/11/27(日) 17:36:26.77 ID:qDFLcNwB.net
ことり「よしっ…おさいふ、バッグ……あっ!昨日買った新しいマフラー♪いけないいけない」

ちょっと早いかもだけど……

ことり「いってきまーす」

夜遅くだけど……東京ならごはん食べられるところたくさんあるよね?…

56: 2016/11/27(日) 17:44:36.37 ID:qDFLcNwB.net
善子「このへんに浮かべておけばばれないわよね……」

トットコトットコ

善子「これは……築地?……よね……なら北の方にしばらく歩けば東京よね…」

こんな時間なのに…キラキラしてるわね……

教材で見た東京よりきれいなのね……

57: 2016/11/27(日) 17:48:24.23 ID:qDFLcNwB.net
ことり「……………」

どんな子だろう……頭におだんごがついてるとしか聞いてないなぁ……

善子「…………」キョロキョロ

ことり「…………あのぉ……」

善子「はいっ!?はいなんでしょうか!?」

ことり「Yohaneさんですか?」

善子「えっ……え……じゃああなたが…Toriさん?……」

ことり「そうです!!」

60: 2016/11/27(日) 20:09:58.81 ID:qDFLcNwB.net
善子「…………」(♀だったのね……)

ことり「…………」(かわいい………)

善子「えっと……」

ことり「じゃあ、ごはんでも食べに行こっか…」

善子「う…うん…」(地球の…ごはん……)

トットコトットコ

ことり「うーん……あそこで良いかな?」(結局お蕎麦……ごめんね海未ちゃん)

蕎麦屋

善子「えっと……いいわよ?」(読めない……)

61: 2016/11/27(日) 20:13:35.35 ID:qDFLcNwB.net
善子「おいしい!とってもおいしいわこれ!!」ツルルルッ

ことり「お蕎麦…はじめてなの?」

善子「えっ……あ…いや…ひ…ひさしぶりで」

ことり「おはしも……慣れてないみたいだけど……」

善子「そ……その…………旅よ!!旅をしてたの!」

ことり「旅?」

善子「うん!ここからずーーっと遠くから…産まれたときからずーっと旅をしてたの…それでね、あんまりおはしは慣れてないのよ」

ことり「へぇ~」

62: 2016/11/27(日) 20:22:04.52 ID:qDFLcNwB.net
ことり「どんなところに行ったの?」

善子「えっ…えーっと……戦争中のほ…国だったり……すっごいまぶしいところとか……」

ことり「すごいね、いいなぁ…私は日本から離れたことないから……」

善子「そう………」

ことり「なら大丈夫だね♪」

善子「?」

ことり「海から離れた町に行っても……旅をしてるならここから離れるんでしょ?」

善子「………離れないのよ………ずーっとここに住むつもりなの……」

ことり「え!?どうして!?」

善子「……ずーっと…私たちの住むところを探して旅をしてて……やっと見つけられたの……」

ことり「……でも…せめて…3ヶ月後の……作戦の日だけでも……」

善子「……………」

63: 2016/11/27(日) 20:24:09.61 ID:qDFLcNwB.net
善子「ねえ」

ことり「?」

善子「Toriさんの………あなたの話が聞きたいな……いままで…どんな風に生きてきたの?……」

ことり「えへへ…長くなるよ?」

善子「いくらでも聞かせて♪…あっでも4時は越えないように……」

ことり「そんなにおそくはならないよ」

64: 2016/11/27(日) 21:01:40.46 ID:qDFLcNwB.net
…………………………………………

善子「……………」

いろいろな話を聞いた……

大好きなチーズケーキの話、小さな頃の思い出…高校生の時の部活動の話…両親の話…幼なじみの話…そして死んでしまった親友の話……

産まれたときから《傘》はあったのに…どうしてかそれに対する違和感が消えなかったこと……そして同じような違和感を持つ人が集まり今の組織ができたということ……

ことり「……長くなっちゃったね…ごめん」

善子「でもまだ1時だわ…余裕よ」

3ヶ月後…この人は私たちの手で………

この人を知るほど…この人が死ぬという事実が重くのし掛かる

Toriさんだけでも…生きてほしいと思う……

ことり「ねえ」

わかってる……Toriさんだけ生かしても…Toriさんは悲しいだけ……

ことり「こんどは…あなたの話を聞かせて…Yohaneさん……」

善子「えっ?」

65: 2016/11/27(日) 21:17:03.21 ID:qDFLcNwB.net
ことり「旅をしてたんでしょ?…あなたのことを知りたいな」

善子「……………」

ことり「……………」

善子「……あの…大きな宇宙船の中で産まれて」

善子「68区画を任されてて………」

ことり「え……何を………」

善子「旅をしてたっていうのは…半分嘘……船がここに来てから産まれた第四世代……」

ことり「え……」

嘘なんて……つけなかった……Toriさんの目を見たら……

67: 2016/11/27(日) 21:33:41.18 ID:qDFLcNwB.net
ことり「…………」

わけがわからない…でも不思議なことはたくさんあった……
トランプを知らないし箸の持ち方も……そもそも今日もお金を持ってきてないし…歩いてここまでやって来た?……電車は?バスは?
どこから来たかも言わなくて……

善子「…………信じる?……」

ことり「え……」

穂乃果ちゃんを……死なせたあの《傘》の住民だったなんて……信じられないよ……

ことり「わ……わからないよ……」

何もわからないよ……

ネットで出会って……仲良くなって会ったら……宇宙人だなんて……

69: 2016/11/27(日) 21:44:55.70 ID:qDFLcNwB.net
ことり「……じゃあ……私たちが攻撃しようとしてるのは……」

善子「あの《傘》は…私たちの船よ……」

善子「0.0006%……私たちの住める環境が見つかる確率……そんなに低くはないわ……実際ここから12光年離れたところに私たちの住める星がある……」

ことり「じゃあ」

善子「でももうそこまで行く燃料がないの……この星の一番大きな海を覆うほどの宇宙船で約200年稼働し続けることができるけど……それはちょうど…3ヶ月後……この星に来たのもギリギリだった……」

善子「その時海水の変換が終わって……地球に降りて……」

ことり「へ……」

やっぱり私たちは正しかった……あの《傘》に対する違和感……
あれは侵略者だった……今すぐにでも壊さないと…私たちは………

でも……そしたらYohaneさんは……

70: 2016/11/27(日) 21:54:41.65 ID:qDFLcNwB.net
善子「………………」

あのあと別れた……
気持ちが落ち着いたらまた会おうと言った……
本当に会えるかな……
明日にはあっちから攻撃してくるかもしれない…もしもToriさんが報告したら……

ルビィ「大丈夫だったんだね……」

善子「……………」

ルビィ「大丈夫?遅くまで出掛けてたんだよね……今日はお仕事休みなよ」

善子「………」

報告しないといけない……地球の秘密組織が3ヶ月後に攻撃しようとしているということを……

でもいままでもしなかったし……したら……すぐにこっちから地球人の掃除を仕掛けるんだろうな……そうしたらToriさんは……

71: 2016/11/27(日) 21:59:29.25 ID:qDFLcNwB.net
ことり「……はい……今日は休みます……うん……大丈夫……ごめんね海未ちゃん」 ピーッピーッ

頭の中がごちゃごちゃ……まともに考えられない……

72: 2016/11/27(日) 22:06:02.16 ID:qDFLcNwB.net
報告しないと……やっぱり《傘》は侵略者だって……私たちの違和感は本物だって……

でも……もし攻撃して……《傘》を落としたら……Yohaneさんは………死んじゃうの?

またおともだちがいなくなっちゃうの…?…

Yohaneさんだけ連れ出しても……Yohaneさんの他の友達とか……言い出したらきりがない……自分だけ生き残ってもYohaneさんは幸せじゃない……

コンコン

海未「はいりますよ?」

ガチャッ

ことり「海未ちゃん……」

74: 2016/11/27(日) 23:45:43.28 ID:qDFLcNwB.net
海未「休んでしまいました」

ことり「………ごめんね……」

海未「いえ大丈夫です、密輸は絵里がロシアの独自ルートを知っているので輸入した部品から組み立てるだけなので」

ことり「………」

今私たちの組織はロシアから特殊な爆弾の材料を輸入しています……それはもちろん3ヶ月のためのもの……

海未「こんな時期ですけど七草粥を作りますよ、待っていてください」

75: 2016/11/27(日) 23:49:07.86 ID:qDFLcNwB.net
ことり「…………」カタカタカタタ

Yohaneさんは…ログインしてない……当たり前だよね…きっといまお仕事頑張ってるんだよね……

海未「できましたよ!」

ことり「ありがとう……いただきます……」

海未「……………ことり………」

ことり「?」モグモグ

海未「昨夜……何をしていたのですか?」

ことり「え」

76: 2016/11/27(日) 23:55:13.61 ID:qDFLcNwB.net
善子「……………」

資料室…あそこに行こう……

私が気になっていたのはToriさんの死んでしまった親友のこと……

善子「……えっと……なんて調べようかしら……」

地球人?……

飛行機に乗ってこの船の上を飛んでたらそのまま帰ってこなかったんだっけ……それで飛行機の残骸を太平洋で見つけたとか…………

考えられるのは…この船に衝突したか……コアの半径10メートルに入ったか……私たちの方からいままで危害を加えた記録はないから…たぶんその2つのどちらか

善子「地球人 事故?でいいかしら…」

78: 2016/11/28(月) 00:05:01.24 ID:zSKw+MbD.net
善子「……12件ヒット……」

少ないのね……

善子「……小型飛行機コア6メートルまで接近……撃墜……これかしら……」

えーっと……七年前……じゃあたぶん……これが……

飛行機には地球人の♀がひとり乗っていた……即死

善子「………七年前は…これ以外に事故はない………」

奪ってた……Toriさんの親友の命を……

善子「……これじゃ…恨まれても仕方ないわね……」

このまま…いっそToriさんにコアのことを教えて…船を落としてもらおうか……

私は親友を〇した宇宙人の仲間……Toriさんは私のこと嫌いになったかしら……

79: 2016/11/28(月) 00:19:25.09 ID:zSKw+MbD.net
ことり「……おともだちと会ってたんだよ…」

海未「その前はあんなに楽しそうにしてたのに…今日は…とても辛い顔をしています…何があったのですか」

ことり「えっ……大丈夫だよ、普通に夜遅くまでしゃべってただけだよ」

海未「…………嘘……ですよね?」

ことり「…………」

穂乃果ちゃんがいたら……きっとこのことを相談してたんだろうな…

ことり「……………誰にも……言わない?」

海未「約束します」

81: 2016/11/28(月) 00:30:40.78 ID:zSKw+MbD.net
…………………………

海未「………………」

ことり「…………」

話したって…何も変わらないのはわかってる……でも……

海未「つまりネットで仲良くなった人があの《傘》に住む宇宙人だったのですね」

ことり「……………」

海未「大丈夫ですよ!共存する道もきっとあります!さあやる気が出てきましたよ!私は帰ります!」

ことり「あ……うん……じゃあね」

海未「明日は休まないでくださいね!」

ガチャン

海未ちゃん……無理しないで……本当のことを言ってほしいな……穂乃果ちゃんの仇をうちたいんでしょ?…私だって……でもYohaneさん…あなただけは…

82: 2016/11/28(月) 00:35:15.86 ID:zSKw+MbD.net
ことり「……でも……」

共存……共存じゃなくても……何か他の道を……

ことり「……あっYohaneさん!ログインしてる!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━

Tori「またお話したいな、次はいつ大丈夫ですか?」

Yohane「夜ならたぶんいつでも大丈夫よ」

Tori「じゃあさっそく今夜でもいいですか?」

Yohane「問題ないわよ」

Tori「じゃあまた同じ場所で」

Yohane「はい」

83: 2016/11/28(月) 00:43:19.74 ID:zSKw+MbD.net
善子「………今夜……」

良かった……会えるのね……

善子「今のうちに寝とこうかしら……」

Toriさんの親友の死……それを再確認しただけで……今日は何もなかった

何か……何か考えないと……Toriさん……私は……あなたと同じ世界にいたい……

85: 2016/11/28(月) 09:19:51.82 ID:SfIV0hkn.net
善子「こんばんは……」

ことり「こんばんは」

善子「調べたわ……あなたの親友……」

ことり「じゃあ……」

善子「うん……」

ことり「………………」

善子「ごめんなさい…」

ことり「あなたのせいじゃない……よね?」

善子「……でも……」

ことり「……………ねえ……名前……」

善子「?」

86: 2016/11/28(月) 09:23:09.50 ID:SfIV0hkn.net
ことり「あなたの名前が知りたいな……ハンドルネームじゃなくて…ほんとの名前」

善子「………善子………善子よ」

ことり「よしこちゃん……」

善子「あなたは?……Toriさん」

ことり「ことりだよ」

善子「え?ことり?」

ことり「本当だよ!」

善子「嘘!?ことり…?もうひとつの半値じゃ」

ことり「本当だってばぁ!免許見てよ!!」

善子「……ことり……ひらがなで読みやすいわね」

ことり「でしょ?…善子ちゃん」

善子「うんことり」

87: 2016/11/28(月) 09:26:07.55 ID:SfIV0hkn.net
善子「ごめんね…今日もお金無くて……」

ことり「仕方ないよ、宇宙人だもんね」

善子「うっ…」

ことり「今日はぁ……ラーメン屋さんにいってみる?」

善子「ラーメン……よく分からないけどいい響きね♪」

ことり「うん行こっか」

88: 2016/11/28(月) 09:30:38.83 ID:SfIV0hkn.net
らあめん猫の手……

店主「らっしゃいにゃ!!」

ことり「えへへ、こんばんは」

店主「あれっ!?ことりちゃん!?こんな遅くにどうしたの!?」

善子「…………」キョロキョロ

店主「って……海未ちゃんが縮んで頭にだんごがついて少し目付きが悪くなってる!?」

ことり「あはは……他人だよ……」

店主「えっ!?ああ失礼しました!奥のテーブル席が空いてるからどうぞぉ」

ことり「はぁい」

89: 2016/11/28(月) 09:42:34.91 ID:SfIV0hkn.net
善子「また蕎麦?」

ことり「うーん…まあ確かに…ごはんにすれば良かったね」

善子「いいわよ蕎麦でも…どれがおいしいの?」

ことり「しょうゆでいいと思うよ」

善子「しょうゆ……それがことりのおすすめね」

ことり「うん!しょうゆふたつおねがいしまぁす」

店主「がってんしょうちにゃ!!」

90: 2016/11/28(月) 09:51:45.27 ID:SfIV0hkn.net
ことり「あのね…善子ちゃん」

善子「?」オヒヤゴクゴク

ことり「やっぱり……考えてみたの…何か他の道はないのかな…って」

善子「……………」(私も考えたわ……でも)

ことり「だから…あなたたちのことが…もっと知りたいな……」

善子「…」

ことり「何人くらいいるのかな?地球人と何が違うのかな?ほかにも…たくさん知りたい!!」

善子「うーん……」

店主「へいおまち!!しょうゆふたつにゃ!!」

ことり「ありがとう」

店主「ごゆっくり~」

91: 2016/11/28(月) 09:56:15.53 ID:SfIV0hkn.net
善子「いただきます」

ことり「いただきます」

善子「あっつ」

ことり「えへへ…ふぅーってするんだよ?」

善子「フゥーーーフゥーーー」チュルルルッ

善子「ふぅん……これがラーメン……」

ことり「それで……」

善子「そうね…なら一番手っ取り早い手で」

ことり「?」

善子「私たちの船に来てみたら?見た目はほぼ一緒だし…たぶんバレないわよ…私の友達も紹介したいな」

ことり「ええっ!?」

93: 2016/11/28(月) 11:47:58.54 ID:JIYf53wR.net
申し訳ない「うん……ことり……」

94: 2016/11/28(月) 11:52:52.00 ID:JIYf53wR.net
善子「ごちそうさま」

店主「また来てね!」

ことり「善子ちゃん……本当に……」

善子「私たちは…地球人のことをしっかり調べたけど…あなたたちは私たちのこと何も知らないもんね……」

ことり「…………」

《傘》に入る……だなんて……信じられないよ……

善子「しばらく海の方にあるいたところにここまで降りてきた乗り物があるわ」

ことり「…………」

少しだけ……わくわくしてるかもしれない……宇宙人の船に……乗るなんて……

95: 2016/11/28(月) 11:56:27.08 ID:JIYf53wR.net
善子「これよ」

ことり「……ただのうきわにしか見えないよ……」

善子「これの上に立つの……よいしょ」

ことり「うわわ……狭いよ」

善子「大丈夫……ほら……」

ことり「うわぁぁぁぁ」グラッ

善子「あああ暴れないで…私に掴まって」

ことり「うん」ギュ

善子「いくわよ!」

フワワーン

97: 2016/11/28(月) 12:00:45.91 ID:JIYf53wR.net
善子「ここが入口よ」

ことり「え……どこに……」

善子「さわってみて」

ことり「…………」ヒタッ

ニュルン

ことり「わぁぁぁ!」ニュポッ

善子「そこだけ液体なのよ」ニュルル

ブポッ

ことり「わぁ!!……」

ここが……………

ブポッ

善子「っと……どう?…はじめての宇宙船は」

98: 2016/11/28(月) 12:06:30.69 ID:JIYf53wR.net
ことり「………ひろい……」

あまり地球とは変わらない……?……これだけ広ければそういうものなのかな……

善子「まあ……」

ことり「善子ちゃんのおうちは?」

善子「あっちよ」

テクテクテク

ことり「…………」キョロキョロ

宇宙船のなかなのに……木が生えてる……
それに月も………

ことり「ってあれ……月が…いちにーさん……3つ……」

善子「私はみたことないんだけど前に住んでた星は3つあったんだって……名前は……興味ないから忘れちゃった……どうせ偽物だし……」

ことり「へぇ……」

善子「そろそろよ」

99: 2016/11/28(月) 12:33:03.19 ID:JIYf53wR.net
善子「……」

ガチャッ

ことり「おじゃましまーす……」

ルビィ「……んゅ……あぇ……よしこちゃん…?…」

善子「…………なにしてんのよ」

ルビィ「えっとぉ………というかその人……」

善子「地球人の」

ことり「ことりです」

ルビィ「ぴぎっ!!?……あなたが……」

100: 2016/11/28(月) 12:37:12.13 ID:JIYf53wR.net
ルビィ「…いまお茶だすので」

善子「いいから、私が」

ルビィ「ぴぎゃ!!」ドテッ

善子「座ってて……」

ルビィ「ごめんなさい……」

……………………………………………

ルビィ「あなたは……」

ことり「ことりといいます」

ルビィ「面白い名前だねぇ」

善子「はい」

ポン

ことり「…………」

善子「ちょっとまってて…初等用の教科書があるから」

トテテテテ

ことり「あなたも…この《傘》で産まれたんだよね?」

ルビィ「はい……」

102: 2016/11/28(月) 12:45:01.60 ID:JIYf53wR.net
ルビィ(あわわわわ、ダメだよぉ……おしまいだぁ……おねえちゃんにばれたら…)

善子「はい……」

ことり「これは……読めないよ」

善子「あっ!?……じゃあ読むわえーっとまずは」

ことり「人口…は?…」

善子「うん…この船には…およそ11億6000万人ね」

ことり「……すごいね……」

共存……やっぱり難しいのかな……

善子「次は何がいい?」

ことり「あなたたちのことが知りたいな」

善子「生物としてってことよね?……」

ことり「うん」

103: 2016/11/28(月) 19:40:18.58 ID:zSKw+MbD.net
…………………………………………

ことり「うーん……難しいなぁ」ポンッ

善子「まあ見た目はほぼ一緒ね」

ルビィ「ねえねえ」

善子「?」

ルビィ「この人からゲームを教えてもらってたの?」

善子「ああ、そうね」

ルビィ「へえ~」キラキラ

ことり「えへへ」(かわいい)

104: 2016/11/28(月) 20:09:17.57 ID:zSKw+MbD.net
ルビィ「なにかゲームないですか?」

善子「あんたねぇ……」

ことり「うーん……いままでのゲームを三人でやるのはどう?きっとふたりでやるより楽しいよ!!」

ルビィ「ふわぁぁぁ」

善子「………」

ルビィ「やろうよ!!」

善子「ええ…」

ことり「うん!何にする?」

ルビィ「うーん……すごろく!!」

105: 2016/11/28(月) 22:02:04.67 ID:zSKw+MbD.net
ルビィ「えへへあがりだよ」

ことり「わぁ!ルビィちゃんサイコロ降ると6ばっかり」

ルビィ「えへへ今日はついてるなぁ」

善子「むぐぐぐ」

ことり「はい…1.2.3あがり♪」

善子「ああああああっ!!何でよぉ!!」

ルビィ「善子ちゃん運が悪いね」

善子「なんでルビィばっかり6!6!」

ことり「仕方ないよ♪」

善子「あっ……」

ことり「そろそろ帰らないと……」

ルビィ「うゅ……」

ことり「またね、ルビィちゃん」

ルビィ「ばいばい!!」

善子「ついてきてことり」

ことり「うん!」

106: 2016/11/28(月) 22:37:44.07 ID:zSKw+MbD.net
ことり「ばいばい善子ちゃん」

普通に遊んじゃった……

でもいろんなことを聞けたから良かった……

これから3ヶ月の間に……考えないと……

善子ちゃんたちと…私たちのことを……

善子「うん…またねことり」フワワワーン

107: 2016/11/28(月) 22:39:56.95 ID:zSKw+MbD.net
善子「はぁ…」

ルビィ「うゅ……さすがに今日は休めないよね……」

善子「そうね……二日連続は…」トホホ

ウィーン

ルビィ「あれ……おねえちゃん…?…」

ダイヤ「ルビィ…ちょっとこちらへ」

ルビィ「?うん?」

どうしたのかしら………いつものお説教?

108: 2016/11/28(月) 22:45:52.05 ID:zSKw+MbD.net
ダイヤ「……ルビィ」

ルビィ「どうしたのおねえちゃん」

ダイヤ「最近夜…出掛けてますね?」

ルビィ「うん…善子ちゃんのおうちに遊びに……」

ダイヤ「………………そうですか」

ルビィ「……………」

ダイヤ「……………JP02の出口が開いていたのですが……何かご存じですか?」

ルビィ「えっ!?」ビクッ

ルビィ(善子ちゃん!?)

ダイヤ「………68区のコンピューターから…地球のインターネットへのアクセスがありました……それは?」

ルビィ「え……その……」アワワワ

ダイヤ「入念に……足跡を残さないように工夫をしていました……そんなことができる方をしっていますか?」

ルビィ「え……あ………」

109: 2016/11/28(月) 22:51:25.32 ID:zSKw+MbD.net
善子「………………」zzzz

ガチャン

ドッドッドッド

善子「ぇ……あっ…寝ちゃった……って……」

警備隊「TY-045確保します」

善子「え………」

警備隊「さあこちらへ」

善子「ちょっと!!?なんなのよ!!?」

警備隊「特定機密漏洩および外患誘致の疑いがかけられています」

善子「………っ」

バレた…!?…全部……

110: 2016/11/28(月) 22:59:06.44 ID:zSKw+MbD.net
ガシャン

善子「……………」

冷たい……この船にこんなに冷たい部屋があったなんて……

どこからバレたの……?…

2回目だから油断した?……何か気づかないようなミスをしたの?……

ごめん……ことり……もう………


コツコツコツコツ

ダイヤ「こんにちは善子さん」

善子「………………」

112: 2016/11/28(月) 23:18:42.16 ID:zSKw+MbD.net
ダイヤ「本来なら死刑の罪なのですが……ルビィが泣いてうるさいのと……あなたのお陰で3ヶ月後の地球人の攻撃の情報が手にはいったので…」

善子「………じゃあ…」

ダイヤ「ええ、明日にでも…地球人の片付けを開始しますわ……すこし早まりましたが問題ありません」

善子「…………………」

私のせいで……私のせいで地球人が…ことり………

善子「あぁ………」ポロポロ

ダイヤ「………それほどですか……ずいぶん地球人に毒されてますね…」

善子「やめ……て……」ポロポロ

ダイヤ「大丈夫ですよ、戦いが終わったら善子さんの地球人に関する記憶を削除してまた公務員として雇ってあげます…特例ですよ」

114: 2016/11/28(月) 23:50:14.63 ID:zSKw+MbD.net
善子「…………………」

どれだけ時間がたったのかな……

今……外は……地球はどうなってるんだろう……

攻撃は始まったのかしら……

ことり………生きてるの?……

たった2回会っただけなのに……私は………


チャリン

善子「………………?…」

「うゆ……あれれ~………鍵で遊んでたら檻のなかに飛んでいっちゃったぁ……えへへ…まあいっか……ルビィはしーらないっ!……」

トットコトットコ

善子「あっ……」

116: 2016/11/29(火) 10:59:49.43 ID:yPJQfo8j.net
ガチャン

善子「っ!ありがとう!!」

「うゆゆ~なんのことかなぁ?……ふぇぇ外はもう子機を展開してるんだぁ~大変だなぁ」

子機を!?

いかないと!……外に……取り返しがつかなくなる前に!!

ごめんねルビィ……本当にありがとう

117: 2016/11/29(火) 11:12:02.03 ID:yPJQfo8j.net
善子「っ…………」

これだけの数を……

いそがないと

ヒュオーーン

「何をしているのですか?」

善子「あっ…」

ヒュラララ

「空を飛ぶ円盤に…《傘》の方向から…あなたは……」

善子「待って!敵じゃない!!」

「ならばこちらへ!何故避難していないのですか!!」

善子「あっ危ないっ!!」ドンッ

「えっ」ドサッ

善子「子機よ……地球人が触れたら神経毒を打ち込まれる…下部中央にあるコアに攻撃したら壊せるわ」

「あなた……あの銀の円盤を……何者……」

118: 2016/11/29(火) 11:21:42.93 ID:yPJQfo8j.net
善子「とりあえずあれを壊すわよ!武器は?」

「銃と旧式の手榴弾が」

善子「爆弾をかしなさいっ!!」

「はいっ!」

善子「えいっ」

コロコロリ➰➰?

ドンッ

善子「よしっ」

「数が多いです!きりがありませんっ!!我々の基地へ!!」

善子「わかった!!」

ダッダッダッ

「あなた……名前は……」

善子「善子っ……善子よ」

「善子……ですか…私は海未ですっ!園田海未!!」

善子「海未ね……よろしく」

海未「一気に抜けますよ!!」

119: 2016/11/29(火) 11:31:06.35 ID:yPJQfo8j.net
コツコツコツ

善子「……深いのね」

海未「古い地下鉄の駅を利用しています……バれるのも時間の問題でしょう……それより……あなたは……」

善子「………私は……」

海未「空を飛ぶ円盤に乗ってやって来て……あの銀の円盤…小さな《傘》の壊し方を知っている……何者ですか……」

善子「……あなたの思ってる通り………《傘》から来たわ……」

海未「そう…ですか……」

善子「………敵じゃないわ……あなたたちを…助けに…」

海未「……私はあなたに…善子に助けてもらいました……信じますよ……あなたは味方です」

善子「……ありがとう」

海未「さあ…洗いざらい吐いてもらいますからね」

善子「ふふ、望むところよ」

海未「さあここが入口です」

ガチャン

122: 2016/11/29(火) 16:57:13.14 ID:t0KmPJ33.net
ザワザワ

善子「…………」

海未「ここまで来るまでに…命を落とした人もたくさんいます…」

善子「………ごめん……なさい」

みた感じざっと100人くらい…もちろん生き残りはここにいるだけではないと思う……けど……

海未「……二日前…突然《傘》から大量の銀の円盤が大量に現れました……」

善子「ふつか……」

二日も……あんなところに閉じ込められてたの……

123: 2016/11/29(火) 17:04:55.28 ID:t0KmPJ33.net
海未「我々は…あの《傘》に違和感を持っていました……20年前突然空に現れ…人類を救って……それから空に浮かんでいるだけの《傘》に……違和感を……恐怖を抱いていました……」

善子「……っ」

この人……まさか……

海未「準備をしていたので…といってもこの避難所はまだ未完成なのですが」

善子「あなた……」

海未「どうかしましたか?」

善子「………聞きたいの……聞きたいことがあるの……」

海未「どうぞ」

善子「……ことりという人を…知ってる?」

海未「!………そうですか……あなたが………なんという偶然……」

善子「じゃあ!!」

海未「…………こちらへ」

124: 2016/11/29(火) 17:12:09.77 ID:t0KmPJ33.net
善子「…………」

海未「………ここです…」

ガチャッ

海未「…………ことり…?」

ことり「………はぁ……はぁ……海未……ちゃん…?…それに………」

善子「へ………」ヘナヘナ

ストン

ことり「善子……ちゃん…?…」

海未「…ことりは…あの銀の円盤に触れてしまいました……」

善子「……え…」

そんな……ことり………

海未「教えてください……この毒のことを……いや…とにかく…知っていることを……とにかくなんでも良いのです……教えてください……」

126: 2016/11/29(火) 17:22:24.54 ID:t0KmPJ33.net
善子「……毒は……5日……5日で……」

海未「………」

善子「全身に回って…」

………死ぬ

海未「………解毒薬…は………あるのですか?……」

善子「……あるわ……第三層に……」

海未「第三層…?…」

善子「第三層は軍……兵器の実験や訓練に使われる層……《傘》の下から二番目の層よ……」

海未「今すぐ行きます…入り方は?」

善子「いや…私が……いく……」

私のせいで………私がやらないと……

127: 2016/11/29(火) 17:26:30.93 ID:t0KmPJ33.net
海未「私も行きます!!」

善子「ダメよ……危ない……あんたが死んだら……」

海未「行きます」

善子「だからぁ」

海未「いかなければいけません……ことりまで失う訳には……」

善子「…………」

海未「絶対についていきます…腕が千切れても…地を這ってでも行きます」

善子「わかった……」

128: 2016/11/29(火) 17:29:30.60 ID:t0KmPJ33.net
善子「……………と……こんなもんよ」

海未「……ことりに聞いていた通り……」

善子「ってことり勝手に喋ってたの!?」

海未「ええ、聞きました」

海未「………どうするのですか?……あなた…裏切って脱走したのでしょう?」

善子「……………なんとか……なんとかするわ……」

海未「なんとか……とは?」

善子「うぐぐ…」

海未「?」

善子「なんとかよ!なんとか!!とにかく絶対に私がどうにかするの!!」

131: 2016/11/29(火) 17:46:05.74 ID:t0KmPJ33.net
善子「おそらく……二週間…前の計算だと二週間で子機がすべての人類を片付ける……二週間過ぎたら子機は撤退して《傘》から私たちが降りる予定だった」

海未「二週間……」

善子「まずは解毒薬をとりにいく」

海未「わかりました」

善子「すぐにでも」グゥ~

海未「………拘束されていたのでしたね」

善子「………///」

海未「食料の備蓄があります…よければ…」

善子「いただくわ……」

133: 2016/11/29(火) 20:14:58.45 ID:c1CxQPEn.net
善子「これは……」

海未「三分待ってください」

善子「そしたらどうなるの?」

海未「ラーメンになりますよ」

善子「らーめん……食べたことあるわよ!!」

海未「ことりといったのですね」

善子「うん!」

ピピピピ…ピピピピ

海未「さあ」ペリペリ

善子「すごい……いただきます」パンッ

134: 2016/11/29(火) 20:17:19.57 ID:c1CxQPEn.net
ツルルルルッ

善子「うん!おいしいわ!!この前のと味が違う!!」

海未「これは……シーフードですね」

善子「しーふーど……海の食べ物!!」

ツルルッ

海未「そうですね」

善子「シーフード……シーフード!!」

海未「…………」

135: 2016/11/29(火) 20:19:22.14 ID:c1CxQPEn.net
善子「…………………」zzz

海未「寝てしまいました……よほど疲れたのでしょうか……出発は明日ですね……」

海未「……………ことり……待っていてくださいね……絶対に……絶対にあなたを死なせたりはしません」

136: 2016/11/29(火) 20:27:01.82 ID:c1CxQPEn.net
ダイヤ「むぐぐぐぐ」

ルビィ「えへへへ………」

ダイヤ「逃げたァ!?」

ルビィ「そりゃもうすごい手刀で……ルビィの首をトンってね……もう気を失っちゃって」

ダイヤ「……………許しませんわぁぁぁぁ!!」

ルビィ「ね!?大丈夫!!ルビィ生きてるから!!ね?」

ダイヤ「いったいどこへ………」

ルビィ「…」(あわわわ、どうしよう)

ダイヤ「ルビィ……何か知っていますか?」

ルビィ「るる、ルビィ知らないよ、ルビィ知らないもんね」

ダイヤ「……………」

ルビィ「あっ!ルビィおしっこ!おしっこいってこなきゃ!!」

ダイヤ「あっ、こら!!」

137: 2016/11/29(火) 20:38:47.46 ID:c1CxQPEn.net
善子「……ぁ…………寝ちゃってた!?」

海未「ふふふ、カップ麺を食べたらそのまま寝てしまいました」

善子「あ……////」

海未「何か食べている夢でもみていたのですか?口を大きく開けてよだれを…」

善子「うるさい!!」

海未「さて…はやく出発しましょう…ことりのために…」

善子「そうね……とにかく解毒薬を……荷物は最低限にするわよ」

海未「わかりました」

138: 2016/11/29(火) 20:44:06.57 ID:c1CxQPEn.net
善子「さ、乗って」

海未「乗る?……」

善子「乗って」

海未「どれに……」

善子「これよ!!この円盤!!」

海未「はぁ…」ガタッ

善子「いくわよ」フワワーン

グラッ

海未「うわぁ!」

善子「もう!!バランス感覚よ!!」

ヒュオーーン

139: 2016/11/29(火) 20:52:02.96 ID:c1CxQPEn.net
フワワーン

善子「………子機……ものすごい数ね」

海未「そろそろ地下を目指すでしょうか……」

善子「……そうね…ペースは早そう…」

海未「急ぎましょう」

善子「うん……」

ヒュオーーン

140: 2016/11/29(火) 20:55:53.02 ID:c1CxQPEn.net
善子「ここが入口よ……」

海未「?……どこに……」

善子「入口は液体になってるのよ今は硬いけど……パスワードを」

ピッピッピ

善子「よしっ……触ってみて?」

海未「…………」ツンッ

ブニュル

海未「っ!?」

善子「いくわよ!」

ズニュ…ニュルルルッ

……………

ブポン

善子「………」

海未「気持ち悪いです……」

警報「ブビーブビーブビーブビー侵入者侵入者」

善子「やっぱりこうなるか……走るわよ!!」

海未「はいっ」

142: 2016/11/30(水) 01:00:11.56 ID:clanCTuS.net
善子「こっちよ」

海未「はいっ」

善子「…………保管庫…解毒薬以外にも毒があるから気を付けてね」

海未「なるほど……」

「止まれえい!!」

善子「っ!?」

善子「千歌?!」

千歌「善子ちゃん!?あれっ!?捕まったんじゃ!?」

海未「失礼っ!」

ビビビビビビ

千歌「あばばばばばば」ビビビ

善子「何を!?」

海未「ただのスタンガンです!」

善子「ごめん……千歌……」

143: 2016/11/30(水) 01:09:45.49 ID:clanCTuS.net
ダイヤ「?!第三層に侵入者!?」

ルビィ「うそっ!?こんな時に?」

ダイヤ「……地球人……ですかね……」

ルビィ「えっと……カメラカメラ……はいおねえちゃん」

ダイヤ「これは……善子さん!!!」

ルビィ「ぴぎゃっ善子ちゃん!?」(どうしてまた…)

ダイヤ「必ず捕まえなさい!!二層四層の警備隊を第三層へ!!」

ルビィ「うゆゆ」(不味いよ……)

144: 2016/11/30(水) 01:13:31.50 ID:clanCTuS.net
善子「ここよ!………鍵が……」

海未「まかせてください」

??ズガン

善子「ちょっ!!」

ガチャッ

海未「開きました!!」

善子「嘘ぉ!?」

海未「どれですか!?」

善子「えっと……これよ!!」ビンッ

海未「逃げましょう」

善子「うんっ!」

145: 2016/11/30(水) 01:19:01.82 ID:clanCTuS.net
善子「はぁっはぁっ……あっち!!」

海未「はいっ!」

ゾロゾロ

善子「くっ……集まってきたわ……」

海未「どうしますか!?」

善子「遠回りするわよ!!」

警備隊ゾロゾロ

善子「っ………早いわね……対応が……」

海未「戻るしか……」

善子「………そうよ!??!もどるの!!」

海未「本当に戻るのですか!?」

善子「はぁっはぁっ……あっちには……たぶん…」

海未「大丈夫ですか!?」

146: 2016/11/30(水) 01:23:26.64 ID:clanCTuS.net
善子「はぁっ……はぁっ……ビンゴよ……」

海未「……これは……あの銀の円盤!?」

善子「半分正解ね……これは旧型……人が乗れるわ!さあ入って!」

海未「はいっ」

ジャコンジャコン

善子「えっと…えっと」

海未「何をもたもたしてるんですか!?早く!!追っ手が!!」

善子「えっと…これかな?」ポヂッ

フワワーン

善子「動いた!!」

フワワーン

147: 2016/11/30(水) 01:28:59.87 ID:clanCTuS.net
通信機「TY-045および地球人逃げられました!!」

ダイヤ「…………いったい……なぁにをしているのですか!!」

ルビィ「'……………」(善子ちゃん……うまく逃げ切れたんだ……)ホッ

ダイヤ「一度脱走され……帰ってきたと思ったら子機を取られて逃げられたぁ!?ありえませんわ……あってはならないことです!!」

通信機「さらに高海一等が気絶!」

ダイヤ「千歌さんが!?」

148: 2016/11/30(水) 01:32:29.54 ID:clanCTuS.net
ヒュオーーン

善子「大成功よ♪」

海未「やりましたね!これで…ことりが…」

善子「ええ、大丈夫よ♪」

海未「さあ戻りましょう!!」

善子「うんっ…………ねえ」

海未「どうしました?」

善子「…………相談があるの……」

海未「……大事なことですか?」

善子「………そうね」

150: 2016/11/30(水) 01:42:53.90 ID:clanCTuS.net
ヒュオーーン

善子「……あれを……《傘》を落とすわ」

海未「やはり……そうですね」

善子「さっき警報を聞いて思い付いたの……でもこの作戦は…もうひとりいないとできない…だから……力を貸して」

海未「……いまさら何を……」

善子「ごめん……」

海未「落とせるのですね……善子の考えた方法で……」

善子「うん……落とすのは簡単なの……」

海未「そうなんですか!?」

善子「でも中の…中のみんなを助けるのが……」

海未「…………」

善子「でも大丈夫……とっておきの方法を思い付いたわ!!」

151: 2016/11/30(水) 01:47:13.22 ID:clanCTuS.net
━━━━━━━━━━━━━━━

善子「ことりっ!!」

ことり「よし……こちゃん?」

海未「ことり……さあこれを飲んでください」

トポポポ

ことり「え……」ゴクッ

善子「………はぁ……大丈夫よ……三日もすればいままで通り歩けるようになるわ……」

海未「ことり………良かったです……」

ことり「海未……ちゃん……」

海未「…………良かった……本当に…」ポロポロ

152: 2016/11/30(水) 02:04:48.13 ID:clanCTuS.net
善子「…………………」

大丈夫……覚悟は……出来てる……

私にしか……できないこと……私がやらなきゃ……誰もやらない……

私が考えた……最善……

ごめんね……ルビィ……約束は……守れそうにないわ……

海未「善子……本当に……いいのですか…?…ほかに……」

善子「もし……私が…ネットでことりに出逢わなかったら……三ヶ月後……あんたたちが皆〇しされた地球で…何も気にせず生きてるでしょうね」

海未「………」

善子「でも…私はことりに出逢って…地球人を知っちゃった……不幸なことだと思う?」

海未「……………」

善子「あとのことは……任せるわ…」

海未「わかりました……」

善子「じゃあ明日……失敗するんじゃないわよ……海未」

155: 2016/11/30(水) 13:02:17.59 ID:PeRuu+ZV.net
善子「……ことり……おきてる?」

ことり「……?……善子ちゃん?…」

善子「…気分はどう?」

ことり「……熱は引いたと思うよ…まだすこし……体が重いけど…」

善子「そう…良かった……」

ことり「ふふふ」

善子「ことりと会ってから…数日しかたってないけど……ずいぶん長く感じるわ……」

ことり「私もだよ……ずっと友達だったみたい……」

善子「いま同じ事言おうと思ってたのに……」

ことり「わあっ…ごめんね」

善子「いいのよ」

ことり「…………」

善子「本当に楽しかったわ……ありがとう……」

156: 2016/11/30(水) 13:04:14.54 ID:PeRuu+ZV.net
ことり「え……どうしたの?」

善子「いくわ……ゆっくり寝てて…」

ことり「善子ちゃん!」

善子「またね…」

ことり「……………」

どういうこと……善子ちゃんは……何を……

157: 2016/11/30(水) 13:08:04.37 ID:PeRuu+ZV.net
善子「はぁ………いくわよ……」

海未「はい……」

善子「子機の運転は大丈夫?」

海未「覚えました!両手でレバー!」

善子「ふふ…大丈夫そうね……」

海未「はい!」

フワワーン

海未「いきますよ!」

善子「うんっ!」

ヒュオーーン

158: 2016/11/30(水) 13:10:52.13 ID:PeRuu+ZV.net
ヒュオーーン

海未「ここですね」

善子「うん…一層にはそとからの入口がないから…ここしかないわ」

海未「善子が合図をしたら…良いのですね…」

善子「失敗するんじゃないわよ」

海未「何があっても成功させます!」

善子「じゃあね」ニュルルルッ

ブニュル…ブポンッ

159: 2016/11/30(水) 13:16:11.87 ID:PeRuu+ZV.net
善子「………管制室にアクセスできるコンピューター……一層の前に私が使ってたあれしかない!!」

警報「ブォーンブォーンシンニュウシャ!!シンニュウシャ!!」

善子「とりゃあっ」

〰??ボンッ!!

シュゥゥゥゥゥ

善子「急がなきゃっ!!」

160: 2016/11/30(水) 13:23:47.34 ID:PeRuu+ZV.net
善子「よしっ……」

コツコツコツ…

善子「っ!?誰!?」?チャキ

ルビィ「善子ちゃん……やっぱり……」

善子「ルビィ……」

ルビィ「何をするの?……何をするつもりなの?」

善子「……落とすわ……この船を……緊急用の船のところにいってなさい……」

ルビィ「……善子ちゃんは?……」

善子「ちょっとやらなきゃいけないことがあるのよ……」

ルビィ「落とすなら……こんなところにいたら危ないよ……いっしょの船で出ようよ!!」

善子「だから

ルビィ「やだよ……善子ちゃんといっしょじゃないと……」

善子「わかった…あとで必ず追い付くから…あんたは先に行ってて……」

ルビィ「……約束だよ?……絶対だよ!!?」

善子「うん」

161: 2016/11/30(水) 13:26:25.47 ID:PeRuu+ZV.net
善子「…………」カタタカタッカタカタ

善子「よし……警報……」ポチッ

警報「ブォーンブォーンブォーンブォーン!!緊急!緊急!コアに重大な損害が出ました!指定の避難経路から避難用船に乗って外へデテクダサイ!!ブォーンブォーン」

善子「………始まった!!」

162: 2016/11/30(水) 13:28:58.39 ID:PeRuu+ZV.net
警報「ブォーンブォーン!!ブォーンブォーン!!緊急!」

ザワザワ

ダイヤ「はあっ!?コアに重大な損害!?やられましたわ!!……善子さん……」ギリギリ

ルビィ「………」

ダイヤ「ルビィ!今すぐこの船から出ますよ!!」

ルビィ「あっ!ダメ!!」

ダイヤ「何をいっているのですか!」ガシッ

ルビィ「え」

ダイヤ「逃げますよ!さあほかの皆さんも!」

ザワザワ

163: 2016/11/30(水) 13:31:06.09 ID:PeRuu+ZV.net
善子「よし……避難率5…7……13……」

早く……早く逃げてっ………

善子「……25%!!」

ポチッ

善子「海未!!今よ!!」

トランシーバー「了解です!!」

164: 2016/11/30(水) 13:34:32.34 ID:PeRuu+ZV.net
ヒュオーーン

海未「n56……これで………終わりです!!」

海未「それっ!!」カチッ

ガシャン……シュゥゥゥゥゥゥン

海未「頼みますよ……」

ヒュオーーン

165: 2016/11/30(水) 13:40:56.59 ID:PeRuu+ZV.net
ダイヤ「ふぅ…避難船には…乗れましたが……」

部下「提督!!窓の外を!!」

ダイヤ「はい?」



ダイヤ「まあっ!!船が……無傷!?何故!?警報は!!?」

部下「それが……誤報だったようで」

ダイヤ「なななな!なんという!!」

部下「あ……子機がコアに接近!!」

ダイヤ「はい?!いったい何を!?」

166: 2016/11/30(水) 13:43:43.40 ID:PeRuu+ZV.net
ドォォォォォォォォォォォォン

ダイヤ「はあ!?今になってコアに爆弾が!?」

部下「わかりません!!警報の誤報…遅れてのコアへの爆撃……」

ダイヤ「ま……さ……か……善子さんに……してやられたのですか……」

167: 2016/11/30(水) 13:45:27.48 ID:PeRuu+ZV.net
ズズズズ

善子「!」

この揺れ……やったのね…海未!!

善子「避難率…28……35…」

このペースなら……いける!!

168: 2016/11/30(水) 13:52:08.23 ID:PeRuu+ZV.net
善子「よし……よし……40……48……55…」

船が形状を維持できなくなるまで……あとおよそ20分……ギリギリ……間に合う!!

善子「もお!早く逃げなさいよ!!」ドンッ

━━━━━━━━━━━━━━━━━

ダイヤ「くっ……これでは……」

部下「じきに本体コアの崩壊で子機は止まります…地球に降りるしか……」

ダイヤ「くっ……それが狙いですか……善子さん……無理矢理…私たちと地球人を…共存させるのですね……」

169: 2016/11/30(水) 13:55:50.19 ID:PeRuu+ZV.net
………………………………………………

善子「87……90………95……97…99……よしっ!!」

船の崩壊まで……5分……本当にギリギリ……よくやったわ!私!!

善子「あれ……」

99……………………99……………99

善子「どうして……なんで進まないのよ!!」

100%……全員がこの船から出るまで……

99………

善子「なんでよ!この……」

残り2分……まずい……このままじゃ……

善子「……………」

そうだ……覚悟はしてたんだ……

善子「………大丈夫……」


「何してるの善子ちゃん!!!!」

170: 2016/11/30(水) 13:57:37.49 ID:PeRuu+ZV.net
善子「え……ルビィ……」

ルビィ「何してるの!!逃げるっていったじゃん!!」

善子「あんた……なんで……避難したんじゃ……」

ルビィ「うるさぁい!!早く!!」

善子「でも……残り1分半っ!」

ルビィ「うるさい!!うるさい!!早く!!」

171: 2016/11/30(水) 14:01:20.20 ID:PeRuu+ZV.net
チリチリチリ

海未「………すごい……あれだけの大きさの《傘》が……紙吹雪のように……散っています…」

海未「やったのですね……善子……」



フワワーン

海未「?!銀の円盤!?」

銀の円盤「ガシャンウィーん」

ダイヤ「ごほっごほっ………あれは…地球人…?…」

海未「………」

ダイヤ「な……なんですか!?」

海未「………ようこそ」

172: 2016/11/30(水) 14:06:36.16 ID:PeRuu+ZV.net
ことり「おはよう!海未ちゃん」

海未「おはようございます!」

ことり「………」

あれから1ヶ月……《傘》は塵となって消えて……《傘》から降りてきた宇宙人たちはというと……
私たち地球人と同じ姿をしているので…各地に散って…地上のどさくさに紛れて地球人として暮らしているみたいです

ダイヤ「どうも」

ことり「えへへ…おはようダイヤちゃん…朝から口に小豆がついてるよ?」

ダイヤ「なっ!?違いますわ!!!」

ことり「えへへ冗談だよ♪」

173: 2016/11/30(水) 14:17:34.88 ID:PeRuu+ZV.net
ことり「へへ……」

善子ちゃんは…………わかりません……

海未ちゃんと二人で《傘》を落とす作戦にいって……それから1ヶ月……噂も聞いていません……

ガチャッ

海未「誰ですか?こんな時間に」

ダイヤ「まあっ!?………る……ルビィ!?」

ルビィ「おねえちゃん!!ここにいたの!?それに……ことりさんっ!?」

ことり「え?!ルビィちゃん!?」

海未「?知り合いですか?」

ことり「じゃ……じゃあ……」

ルビィ「うんっ!もちろんいるよ!!」

ガチャッ

善子「ふっ………英雄の帰還……」

ことり「善子ちゃん………おかえり……」


~fin~


また会う日まで……

174: 2016/11/30(水) 14:52:43.34 ID:yRoF/aNs.net
久々に更新楽しみなSSだった
面白かったよ乙

175: 2016/11/30(水) 15:00:24.08 ID:4bGsSdCV.net
新鮮で面白かった 乙

177: 2016/11/30(水) 17:44:25.84 ID:xtKFyafP.net
めちゃくちゃ面白かった、ありがとう
また書いてくれよ

179: 2016/11/30(水) 20:33:19.57 ID:goEGLUAN.net
面白かった

181: 2016/11/30(水) 21:55:42.31 ID:4Ec31dKp.net
仮に元ネタがないとしたら、ラブライブのSSじゃなくても普通に一冊小説が書けそうなレベル

引用元: http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1480162320/

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