【SS】希 「スピリチュアルをこの身に呼ぶんよ」

SS


4: 2021/03/27(土) 23:21:00.20 ID:nPnqlbfP
穂乃果 「スピリチュアルを呼ぶ?」

希 「そう。例えば昔の偉人さんの霊とか、あと神様とか、他には守護霊とか? そういうのを自分の身体に呼んで対話することができるんよ」

凛 「す、すごいにゃ……!! それって霊媒師とかができるやつだよね!?」

希 「うん。イメージとしてはそれで正解」

穂乃果 「で、でも霊を体に呼ぶなんて希ちゃんは大丈夫なの……? その間希ちゃんはどうなっちゃうの?」

6: 2021/03/27(土) 23:22:06.76 ID:nPnqlbfP
希 「それは大丈夫や。たしかに霊を体に呼ぶときは体を貸すってことやからウチの魂は奥に引っ込んじゃうんだけど、あくまで体の主はウチやから。霊が変なことをしようとしたらすぐ取り返せるから問題ないんよ」

穂乃果 「じゃあ希ちゃんに何か危害が加わることはないってこと……?」

希 「うん。問題点を強いて言えば、スピリチュアルを体に入れてる間は白目になっちゃうってことかなぁ、まあ些細なことやん?」

凛 「アイドルとしては致命的にゃ……」

穂乃果 「じゃあ早速見せてよ、希ちゃん!!」 ワクワク

希 「じゃあ何を呼び寄せたい?」

穂乃果 「えっ、何を……?」

凛 「決まった霊を呼び寄せられるの?」

8: 2021/03/27(土) 23:23:19.21 ID:nPnqlbfP
希 「もちろん! そこら辺にいる得体の知れない幽霊を呼んでも面白くないやろ?」

穂乃果 「え、幽霊ってそんなそこら辺にいるものなの?」

希 「驚くほどたくさんいるもんやで? 例えばあそこにいるのは源三さんや、やぁ元気? なるほど。孫の様子を見に来たんやね、はは、風呂覗いちゃいかんよ」

凛 「独り言にゃ……怖いにゃ……」

穂乃果 「幽霊と対話してるんだよ!! 凛ちゃん!!」

希 「まあ今のは独り言なんやけど」

穂乃果 「独り言だったの!?」

9: 2021/03/27(土) 23:24:21.08 ID:nPnqlbfP
希 「ちなみに源三さんは今もバリバリご存命や。今日だって刑務所の中で元気に暮らしとるんよ」

穂乃果 「覗きで捕まってるじゃん!?」

希 「でもそろそろ出所する頃やな。お祓いしてあげんと」

凛 「お祓い?」

穂乃果 「もしかして覗きなんかしちゃったのは、悪霊が取り憑いててそのせいでとか……!?」

希 「いや覗きは源三さんの趣味。取り憑いてるのは奥さんの生き霊。女癖の悪いじいさんだから、奥さんも魂の一部が取り付くほど憎んどるんやろうな」

穂乃果 「自業自得だった!!!」

10: 2021/03/27(土) 23:25:31.15 ID:nPnqlbfP
希 「まあ何にせよ、生き霊として魂の一部分が自分から離れてしまうのは危険やからね。早くお祓いをして奥さんに戻してあげんと。それはさておき、そこにいるのは葉山さんやん! 元気?」

凛 「えっ、希ちゃん、そこには誰もいないよ……?」

穂乃果 「今度こそ幽霊と対話してるんだよ!! ねえ希ちゃん?」

希 「まあ独り言なんやけどね」

穂乃果 「いい加減にしてよ!?」

希 「あっ、ちなみに葉山さんっていうのは」

穂乃果 「そのくだりはもう良いよ!?」

11: 2021/03/27(土) 23:26:34.58 ID:nPnqlbfP
希 「……まあここまでは冗談で、本当に幽霊っていうのは至る所にいるんよ。だから幽霊を呼び寄せるにしても、何かしら条件を指定してくれないと困るんや」

凛 「ていうか希ちゃん、もしかして嘘ついてないよね? なんかさっきから嘘っぱちに聞こえるにゃ」

穂乃果 「り、凛ちゃん……! 希ちゃんは仮にも巫女さんだしスピリチュアルを名乗ってるんだよ!? 嘘なわけないじゃん!」

希 「そ、そそそそうやねん!? わっちが嘘なんてそ、そそんなの」 アセアセ

穂乃果 「思ったよりも図星な反応だった!!!」

凛 「そうだね! 希ちゃんが嘘つくはずないにゃ」

穂乃果 「騙し通せてるし!!!」

12: 2021/03/27(土) 23:27:33.33 ID:nPnqlbfP
希 「さて、呼び寄せたい昔の偉人とかいる?」

穂乃果 「あっ、普通に続けるんだ……」

凛 「うーん……じゃあ織田信長!!」

希 「織田信長?」

穂乃果 「お、織田信長!? 織田信長ってあの恐ろしいって言われてる!? 希ちゃんのスピリチュアルがどんなにエセでも流石に織田信長はやめとこうよ……」

希 「そうやねぇ。エセって言われてるのはともかく、織田信長は流石に危険かもなぁ」

凛 「できないの?」

希 「できないわけないやん!!!! そんな言うならやってみせたるっ!!」 ドッ

穂乃果 「煽り耐性が低すぎるよ!?」

13: 2021/03/27(土) 23:28:53.99 ID:nPnqlbfP
希 「じゃあ呼ぶから静かにしといてな?」

穂乃果 「う、うん」 ドキドキ

凛 「緊張するにゃ……」 ドキドキ

希 「うぅ……白目っ!!」 ギロッ

_人人人人人人人_
> 白目のぞみ <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

凛 「って希ちゃん白目、できてないにゃ」

希 「しっ……! 今霊を呼んどるからっ!」

_人人人人人人人人人_
> 白目できてない <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

14: 2021/03/27(土) 23:32:12.42 ID:nPnqlbfP
穂乃果 「いや、できてないって」

希 「うるさい! 今集中してるから!!」

_人人人人人人人人人_
> そんな希ちゃん <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

凛 「いや白目ってできない人が無理にやるものじゃないよ!? 希ちゃん、無理しないで!」

希 「大丈夫や……! 霊を呼んでみせるんや……!!」 ギリギリ

_人人人人人人人人人人_
> 幸せならOKです <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

凛 「大丈夫なの……希ちゃん……?」

穂乃果 「結局白目はできてないけど……」

希 「どうも織田信長です」

穂乃果 「あっ、白目できてなくても普通に呼べるんだね」

15: 2021/03/27(土) 23:34:03.22 ID:nPnqlbfP
凛 「あっ、星空凛です」

希 「あっ、はじめましてー」

穂乃果 (織田信長さん、礼儀が良すぎる……)

希 「えっと、織田信長を呼んだのはあなた方で間違いありませんか?」

凛 「は、はい! え、えっと、本当に織田信長なんですか!?」

希 「はい、織田信長です」

凛 「す、すごいにゃーーーーー!!!! さ、サイン欲しいにゃ!!」

希 「分かりました、どうぞ」

_人人人人人人人人_
> おだのぶなが <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

16: 2021/03/27(土) 23:36:18.07 ID:nPnqlbfP
凛 「一族の宝物にしますね!!」

希 「一族……その言葉は私にとってトラウマでして」

凛 「あっ、ごめんなさい……!」

穂乃果 「……」

穂乃果 (いや色々とおかしいでしょ!? そもそも戦国時代にそんなサインの文化はあるの!?)

※サインに近いものとして花押というものがあるが、ファンに求められて書くようなサイン文化があったかは不明。

18: 2021/03/27(土) 23:38:11.89 ID:nPnqlbfP
希 「それより私を呼んだということは、何か聞きたいことがあるんですよね?」

凛 「えっ……ほ、穂乃果ちゃん、何か聞きたいことある?」 ヒソヒソ

穂乃果 「ええっ、凛ちゃん何も考えてなかったの……!? 穂乃果だって質問なんて考えてないよ!」 ヒソヒソ

穂乃果 (そもそもこれ希ちゃんの演技でしょ!? 質問したってそれは希ちゃんに聞いてるのと一緒なんだよ!!)

凛 「えっと、じゃあ明智光秀さんとの仲を教えてください!!」

希 「明智光秀との仲?」

凛 「は、はい! かつては仲間だったのに最後に裏切っちゃった明智光秀さんでしたけど……あの世でもう会ってるはずですよね? 仲直りできたのかなぁって思って……ね? 穂乃果ちゃん!?」

穂乃果 「えっ!? う、うん、そうだね!!」

19: 2021/03/27(土) 23:40:11.67 ID:nPnqlbfP
希 「なるほど……たしかに明智光秀とはよく会いますね、飲み会を開きます」

凛 「ってことは仲直りできたんですか!?」

希 「はい。むしろ本能寺の変を話のネタに酒が進んでますよ! あはは」

凛 「なら良かったです……! 喧嘩別れなんてとても悲しいと思うから……」 グスッ

希 「君は良い子だねぇ。まあ安心してほしい、明智光秀とは本当に仲良しだから。今なんて二人で本能寺の変をテーマにした同人誌を描いてるんだよ。どんなオシャレに切腹するかを毎度議論しててね、笑えるだろ?」

穂乃果 (いや全然笑えない……)

20: 2021/03/27(土) 23:42:08.77 ID:nPnqlbfP
希 「他に質問はあるかい? そろそろこの体の子も大変そうだから」

希 「ぐっ……り、凛ちゃん……早く質問をするんや……体乗っ取られてしまう……!」

凛 「って大丈夫なのっ!? 希ちゃん!?」

希 「だから質問はあと一個にしなさい」

希 「そうや……! ウチ限界なんよ……!!」

凛 「分かったよ!! あと一個にするね!!」

穂乃果 (一人芝居も甚だしいなぁ……これ以上織田信長を演じて綻びが出るのを恐れたんだね)

21: 2021/03/27(土) 23:44:11.98 ID:nPnqlbfP
凛 「えっと、じゃあ息子さんの名前を教えてください!!」

希 「はい? 息子?」

凛 「そういえば織田信長さんの息子さんの名前ってあんまり知られてないなぁ……って思って!」

希 「あ、えっと、そ、その」 アセアセ

穂乃果 (あ、これ希ちゃん知らないやつだ)

凛 「気になるなぁ」 ワクワク

希 「……」

穂乃果 「……」

希 「分かったよ、息子の名前ね。息子何人もいるんだけど、その一人を言わせてもらうね」

凛 「それでも大丈夫にゃ!!」

希 「織田……」

凛 「織田……?」

23: 2021/03/27(土) 23:46:08.79 ID:nPnqlbfP
希 「織田信成やっ!!」

穂乃果 「織田信成はスケート選手でしょぉぉ!?」

穂乃果 「さっきからバレバレなんだよ!! 希ちゃん、演技してるんでしょ!? 霊を体に呼べるなんて嘘なんだよね!?」

希 「そ、そんな嘘なんて……」

穂乃果 「白目もできてないし、さっきから綻びばかりなんだよ!! 今スマホで調べたけど織田信長の息子はそんな名前じゃないし!!」

希 「……」

凛 「……」

穂乃果 「……」

希 「だってしょうがないやん……織田信長に関係があって姓が織田なんて人、ウチこの人しか知らんかったんやもん」

24: 2021/03/27(土) 23:48:10.15 ID:nPnqlbfP
凛 「そ、そんな希ちゃん……? それとも織田信長さん……? 凛を騙してたの?」

希 「ごめん……最初は冗談のつもりだったんや。でも凛ちゃんが本当に嬉しそうで興味津々で……嘘だって言い出せなくなったんよ」

穂乃果 「気持ちは分かるけど、やっぱり嘘は良くないよ」

凛 「そうだよ……このサインなんてもう何の意味もないよ。後で鼻かむときに使うよ」

希 「……ごめんなさい」

凛 「恥を知れ、恥を」

希 「うぅ……」

25: 2021/03/27(土) 23:50:08.22 ID:nPnqlbfP
ピコーン

穂乃果 「ん? 海未ちゃんからメール? 『最近の穂乃果について話したいことがある』? ごめんね二人とも、少し離れるね」

タタタタ

凛 「……」

希 「……」

凛 「嘘は悲しかったよ? でも、すごく楽しかった嘘だった、ありがとう希ちゃん」

希 「……!」

凛 「凛、希ちゃんは大好きな先輩だから、こんなことで嫌いになりたくない。だから許すよ、希ちゃん」 ニコッ

希 「凛ちゃん……」 ポロポロ

凛 「これからも仲良くしてね、希ちゃん」 ダキッ

希 「うん。うん……! ごめんね、ありがとう、凛ちゃん……!!」 ポロポロ






27: 2021/03/27(土) 23:52:12.89 ID:nPnqlbfP
凛 「希ちゃん、泣き止んだ?」

希 「うん……」 グスッ

凛 「希ちゃんが泣いてるなんて、初めて見たかもしれないにゃ」

希 「あはは、嘘も含めて色々と恥ずかしいところを見せちゃったなぁ……ごめんなぁ凛ちゃん」

凛 「ううん、もう謝らないでよ。さっきも言ったけどその嘘で凛はすごく楽しめたから……そうだ! またスピリチュアルやってよ!」

希 「えっ? 嘘だけどいいの?」

凛 「うん!! 希ちゃんの演技見たいから!!」

希 「分かった!! じゃあスピリチュアルを込めてぇぇ……希パワー注入! はい、プシュー!」

28: 2021/03/27(土) 23:54:04.96 ID:nPnqlbfP
ガチャ

ことり 「あれ穂乃果ちゃんは……っ!?」

ことり 「……」 フラッ

希 「ってことりちゃん……?」

凛 「そんなところで突っ立ってどうしたの……?」

ことり 「!!」 ギロッ

希 「って!?」

凛 「ことりちゃん白目になってるにゃ!?」

_人人人人人人人_
> 白目ことり <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

凛 「まさかスピリチュアルを体に呼んじゃったの……!?」

希 「そんな、まさか、成功するなんて……!!」

29: 2021/03/27(土) 23:56:08.92 ID:nPnqlbfP
ことり 「ふふふ」

凛・希 「「!?」」

ことり 「ウチはそう遠くない未来からやってきた……生き霊」

凛 「生き霊!?」

希 「未来から!?」

ことり 「世界を救うために過去へ生き霊を飛ばしたんよ……ちなみに正体を教えるつもりはない。μ'sの誰か、とまでは言っておこうやん」

凛 「いや希ちゃんだよね?」

ことり 「言っとるやろ? ウチは正体を教えるつもりは……」

凛 「いやウチって言ってるじゃん。希ちゃんだよね?」

ことり 「かもしれんなぁ」

希 「折れるの早いなぁ、ウチ」

30: 2021/03/27(土) 23:58:09.81 ID:nPnqlbfP
凛 「でも未来からなんて、いったい何をしに来たの?」

希 「それに、そう遠くない未来って一体いつのことなん?」

ことり 「明日や」

希 「想像以上にそう遠くない未来だった!!!」

ことり 「目的は最初に言ったけど、世界を救うために来たんよ」

凛 「世界を救うため……?」

ことり 「とりあえず凛ちゃん、真姫ちゃんを呼んでほしい。なるべく早く」

希 「真姫ちゃん? なんで真姫ちゃんを」

ことり 「いいから早く!! 時間がないんよ!!」

凛 「わ、分かったにゃ!!」

31: 2021/03/28(日) 00:00:24.53 ID:FN4565LK
タタタタ

ドタバタ

ナニスルノヨ! リンッ!

ドタバタ

タタタタ

真姫 「私を椅子に縛ってどういうつもり!? 希!! 凛!! ことり!!」

凛 「ごめんね、真姫ちゃん。でも仕方ないにゃ……世界を救うためだから」

希 「理由はことりちゃん、というか未来のウチから聞いてほしい」

ことり 「未来のウチです」

真姫 「えっと、どういうこと?」

32: 2021/03/28(日) 00:02:06.52 ID:FN4565LK
ことり 「単刀直入に聞くけど、真姫ちゃん、ロケット作ってるよね?」

真姫 「な!?」 ギクッ

凛 「あーたしかに真姫ちゃんロケット作ってるよね!」

真姫 「ええっ!? なんであなたまで知ってるのよ!? 密かに作ってたのに!!」

希 「ウチも知ってるけど」

真姫 「な、なんで……!」

凛 「いやよく真姫ちゃんどっかに電話しては、『早くロケット作りなさい!』って怒鳴ってるし……」

希 「なんていうかバレバレなんよ……目的は知らないけど」

ことり 「目的はにこっちの宇宙ツアーやね」

真姫 「!? な、なんでそこまで」

33: 2021/03/28(日) 00:05:31.96 ID:FN4565LK
ことり 「それはウチがスピリチュアルやからやな。東條希は明日、スピリチュアルに急に目覚めるんよ。そして未来予知で、その日の午前中に世界が滅ぶことを知る」

凛 「ええっ!? 世界が明日には滅んじゃうの!?」

ことり 「そう。でもウチにはどうしようもなかった。未来予知によると多くの偶然があれば世界は救えるんやけど……どうしても一つ意図的に準備しないといけないことがあって、それはもう間に合わなかった。だからスピリチュアルを活かして過去に生き霊を飛ばすことで、その準備を事前にしておこうって算段なんよ」

希 「ウチが明日そんな能力に目覚めるなんて……ええっと、その準備っていうのは?」

34: 2021/03/28(日) 00:07:16.93 ID:FN4565LK
ことり 「そのロケットのボタンを所定のゴミ箱に捨ててくることや!!」

真姫 「!?」

凛 「それだけでいいの?」

ことり 「そう。あとは偶然が何とかしてくれる」

真姫 「そ、そんな!? あのロケットは莫大なお金をかけて制作したのよ!? ボタンを捨てるってことは、そのお金をドブに捨てることと同じ!! 認められないわ!!」

凛 「ミトメラレナイワァ!」

ことり 「凛ちゃん、空気読んで」

35: 2021/03/28(日) 00:09:06.76 ID:FN4565LK
希 「でも真姫ちゃん、ロケットのボタンを捨てなきゃ世界は救えないんよ……お願い!! 今回は我慢してほしい!!」

真姫 「あのね……!」

希 「お金はウチが何とかする」

真姫 「えっ」

希 「このスピリチュアルを駆使して何とか占いで一つ当てたりしてお金を稼ぐから、許してほしいんよ……!」

真姫 「簡単に稼げる額じゃないのよ?」

希 「だけど頑張るから……」

真姫 「……」

希 「……」

36: 2021/03/28(日) 00:11:08.07 ID:FN4565LK
真姫 「ねぇ、一つだけ教えて。今回のことは希が悪いわけじゃない、なのになんでそんな責任を取ろうとするの?」

希 「……ウチはμ'sが好きだから」

真姫 「!」

希 「μ'sはウチがようやく見つけた居場所だから……世界を救おうなんて大きな気持ちがあるわけじゃない、ただ、その居場所を守りたいだけなんよ……!」

真姫 「……」

希 「だからお願い!! 真姫ちゃん!! ボタンをウチらに譲ってほしい!!」

真姫 「……バカね。本当にバカよ」

37: 2021/03/28(日) 00:13:05.92 ID:FN4565LK
タタタタ

凛 「ボタンを所定のゴミ箱に捨ててきたにゃ!!」

希 「え、凛ちゃん……? えっと、まだボタンはもらってないはずなんやけど……」

ことり 「もうとっくに真姫ちゃんはウチらに渡してたよ、ボタン」

希 「ええっ!?」

凛 「ふふ、希ちゃん、真姫ちゃんにからかわれたんだにゃ」 ニヤニヤ

希 「ええっ本当!? 真姫ちゃん!?」

真姫 「……当たり前でしょ! 私だってμ'sをとても大切に思ってるんだから。ロケットはまた作ればいいし。希が必死だから理由が気になっただけよ」

希 「ま、真姫ちゃん、それは冗談が過ぎるんやない!?」

真姫 「でもまあ、希の本音が聞けて良かったわ……普段はポーカーフェイスなものだから。μ'sへの愛なら誰にも負けないのにね」

希 「なっ……///」 カァァ

38: 2021/03/28(日) 00:15:16.07 ID:FN4565LK
凛 「それにしても本当にこれで世界は救われたの?」

ことり 「うん、大丈夫や」

真姫 「まあ多分、このロケットが誤作動を起こして大変なことになるとか、そんなんだったんでしょ?」

ことり 「どちらかと言うと、このロケットが救世主になるんやけどね」 ボソッ

真姫 「?」

ことり 「でもまあこれで一安心やから、明日もいつも通り過ごしても大丈夫」

希 「良かったぁ……」

ことり 「じゃあウチは帰るね。ありがとう、みんな、そしてこれからもよろしくな」 ニコッ

ことり 「……」 フラッ

ことり 「あれ!? ここは!?」

凛 「なんかいい話風に終わったけど、ことりちゃんずっと白目だったからとんでもない絵図だったにゃ」

真姫 「正直びびってたわ」

39: 2021/03/28(日) 00:17:23.57 ID:FN4565LK
ことり 「あっ、穂乃果ちゃんは?」

希 「穂乃果ちゃんは海未ちゃんにメールで呼ばれてさっき向かってたよ」

ことり 「ええっ!? じゃあ行き違っちゃったの!? 大変! ことりも早く行かないと!」

凛 「ことりちゃんも呼ばれてるの? 三人で何の話をするの?」

ことり 「穂乃果ちゃんが最近よく寝坊するから、それに関しての説教だって……遅刻の説教なのに私が遅れたら大変だよ!! 早く行かないと!!」

ことり 「あっ、でも最後に一つ聞いていい?」

希 「もちろん!」

ことり 「さっきまで痛くなかったのにすごく目が痛いんだけど何か知ってるかな?」

真姫 「……」

凛 「……」

希 「……もしかして幽霊のせいかも、葉山さんって言う」

おわり

40: 2021/03/28(日) 00:20:23.52 ID:FN4565LK
ありがとうございました。
希のμ’sを強く想う気持ちが、偶然を起こして世界を救ったのかもしれません。実はこのssは単体でも読めるのですが、前作の前日談となっています。このロケットがどうなるのか、気になる方はぜひ。

前作
穂乃果 「えーと時刻は……ええっ!?」
【SS】穂乃果 「えーと時刻は……ええっ!?」【ラブライブ!】
穂乃果 「ち、遅刻しちゃう……!!」 穂乃果 「でもなんで海未ちゃんとことりちゃんは来てな……あっ」


前々作
海未 「Today」
【SS】海未 「Today」【ラブライブ!】
眠って、鳥の鳴き声が聞こえてきて、すきまから陽ざしが入ってきて、つい昔の癖で夢で浮かんだ歌詩を書きかけたけれど、それはもう過去のことと気付いて微睡みから覚めて、私はカーテンを大きく開いた。「今日はたしか大学の授業はなかったですよね……どうしましょうか」 私の家は由緒正しき日舞の家元で、いずれは私が継ぐことになる。しかし、大学はしっかり行って世のことわりを学んできなさいと、母の教えで現在は大学に通って一人暮らしをしている。 起きてからしばらく経って、朝のランニングから帰ってきた頃には意識がはっきりしていた。 「予定を考えておくべきでしたね……実家に帰りましょうか。それとも、たまには一日、本を読んで過ごすのも良いですね」 そんなふうに頭の中で思考を巡らせていたけれど、そこからものの数秒で、その思考は無駄になることになる。

41: 2021/03/28(日) 00:42:39.79 ID:YZfdTV7z
スピリチュアルやね

43: 2021/03/28(日) 02:56:22.09 ID:8y98deqI
ロケットのスイッチ云々ってなんか聞き覚えあると思ったら

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1616854779/

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