【SS】愛「りなりー……そのお腹どうしたの？」璃奈「うふ、出来ちゃった」ﾎﾟｯｺﾘ【ラブライブ！虹ヶ咲】

愛「うえぇっ!?出来たってまさか、赤ちゃん!?」

愛「嘘でしょ？だって昨日までお腹膨らんでいなかったのに」ﾏｼﾞﾏｼﾞ

璃奈「愛さんのせいだよ」

璃奈「責任……取ってよね」

愛「んなーっ!?ぶっちゃけありえなーい‼」

璃奈「―なんてね、冗談だよ」

愛「へっ？」

璃奈「今日保健体育の授業で妊婦さん体験をやってね」

璃奈「これ、妊婦体験ベスト。ここに重りが付いている」ﾍﾟﾛﾝ

愛「ほ、本当だ……これを付けてたからお腹膨らんでたのかぁ」

愛「いやぁ～ビビったし、本当に妊娠したのかと思ったわ」

璃奈「まさか、そんなすぐにお腹が膨らむなんてあり得ない」

璃奈「愛さんにちょっといたずらしてみた、璃奈ちゃんボード『ドッキリでした』」

愛「りなりーがそんないたずらしてくるとはこりゃ一本取られたよ」

璃奈「うふふ、ごめんね愛さん」

愛「それにしても妊婦さん体験ねぇ」

愛「そのベスト、重いの？」

璃奈「うん、重りは７キロだから割りとずっしり」

璃奈「本当の妊婦さんは赤ちゃんが入ってるから精神的にも大変だと思う」

愛「つわりとかあるんだよね、ストレス半端なさそう」

愛「あ、そうだりなりー」

愛「どうせならさ、他の娘達にもドッキリ仕掛けてみない？」

愛「よく考えたらあり得ないってわかるけど、かなりインパクトあるよ」

璃奈「う～ん、そこまでするつもりはなかったけど」

璃奈「せっかくベストを付けているし、やってみようかな」

愛「愛さんだけドッキリに引っ掛かるのは癪だからね～」

愛「たまにはこういうのも面白いかも、いしししし」

璃奈「それまで私の体力もてばいいけど。このベスト、結構腰にくる……」

かすみ「お疲れ様で～す」

愛「おっすかすみん」

璃奈「やぁかすみちゃん」

かすみ「あれ？りな子なんだかお腹膨らんでる、太った？」

璃奈「実はね、お腹の中に赤ちゃんが」

かすみ「えぇーっ!?赤ちゃん!?」

かすみ「なななな、なにがどうしてどうなって!?」ｱﾀﾌﾀ

璃奈「いるっていう想定のベストを付けているの」

かすみ「えっ？ベスト」ｷｮﾄﾝ

愛「りなりーネタバラシすんの早くないかぁ？」

璃奈「いずれわかるし混乱させるのも悪いかと」ﾍﾟﾛﾝ

かすみ「うわぁ、よく出来てる……本当に妊娠してるみたい」ｻﾜｻﾜ

璃奈「かすみちゃんの驚いた顔はなかなか傑作だったよ」

愛「いたずらをされる気分はどう？」

かすみ「りな子みたいにいたずらをしない娘がすると心臓に悪いですよ、内容も内容だし」

璃奈「またまた大成功、璃奈ちゃんボード『してやったり』」

しずく「今日もよろしくお願いします」

愛「いや～こんなに大きくなってまぁ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

かすみ「元気な赤ちゃん生んでねりな子」ｻｽｻｽ

璃奈「ありがとう、お腹の子も喜んでる」

しずく「なにやってるんですか？」

かすみ「あ、しず子。見てよ」

璃奈「赤ちゃん、出来ちゃった。璃奈ちゃんボード『ご懐妊』」

しずく「あぁ、なるほど。妊娠したと想定して演技しているんだね」

愛「あちゃ～流石しずく、演劇部員は伊達じゃなかったかぁ」

璃奈「あっさりバレてちょっぴりショックかも」

かすみ「しず子ノリが悪いよ～」

しずく「な、なんかごめんね……」

しずく「あまりにも下手な演技だったから」

璃奈「うっ……ハッキリ言ってくれる、どうせ私は大根役者」

しずく「演技したいならもう少しリアリティを出さないとね」

しずく「よかったらアドバイスしてあげるよ」

歩夢「皆、今日も頑張ろうね」

歩夢「あれ？どうしたの」

しずく「しーっ、静かにしてください。今やっと落ち着いたところなんです」

歩夢「えっ？な、なに？」

璃奈「……」ﾎﾟｯｺﾘ

歩夢「璃奈ちゃん？どうしたのそのお腹……」

愛「歩夢、野暮な事聞くもんじゃないよ」

かすみ「そうですよ、お腹が膨らんでいるってのはつまりそういう事です」

歩夢「え？え？え？そういう事ってどういう……」

歩夢「ま、まさか……」

璃奈「歩夢さん、今はなにも話したくない」

璃奈「どうか、察して」

歩夢「そ、そんな……嘘……」ﾜﾅﾜﾅ

愛「おっとここまでかな、これ以上は洒落にならない」

璃奈「歩夢さん、ごめんなさい。これは妊婦体験ベスト。お腹が膨らんでいたのは重りのせい」ﾍﾟﾛﾝ

歩夢「ベスト？重り？」

かすみ「りな子のしかけたドッキリだったんですよ」

歩夢「なぁんだ、そうだったの。そうだよね、朝会った時は普通だったもんね」

しずく「少しシリアスにし過ぎてしまいましたね」

歩夢「びっくりしちゃったよ、もう」

彼方「おっす～」

歩夢「あ、彼方さん」ﾎﾟｯｺﾘ

彼方「おや？気のせいかな、歩夢ちゃんのお腹が膨らんでいるような」

彼方「私、寝ぼけてるのかな」ｸｼｸｼ

かすみ「気のせいじゃないですよ」

愛「ほらよく見て、ハッキリ膨らんでる」

彼方「んん～？あぁ膨らんでるねぇ」ｼﾞｰｯ

璃奈「なんかリアクションが薄い……」

しずく「歩夢さん……妊娠したんですよ」

彼方「へっ？」ﾊﾟﾁｯ

彼方「いやいやまさかぁ～」ｻﾜｻﾜ

彼方「やっぱり、偽物じゃないの」ﾍﾟﾛﾝ

歩夢「あはは、そりゃバレるよね」

愛「いやでもカナちゃんの目を見開かせたからこれはこれで成功っしょ」

かすみ「だんだん判定が雑になってきてますね……」

璃奈「ただのお遊戯会になっちゃってる」

彼方「ホッとしたところでおやすみなさ～い」ｺﾞﾛﾝ

エマ「ふんふんふふふーん♪」

かすみ「あ、エマ先輩」ﾎﾟｯｺﾘ

エマ「あれ？かすみちゃん、どうしたのそのお腹」

かすみ「実は内緒にしていたんですけど、赤ちゃんが出来ちゃったみたいで」

かすみ「かすみん、妊娠しちゃいました」

エマ「あはは、上手に出来てるねそのお腹」

かすみ「ちょ、もう気付いたんですかぁ？」

歩夢「エマさんもあっさりわかっちゃった」

エマ「故郷のママが妊娠してる時そばにいたからね」

璃奈「なるほど、本物を見て来た訳かぁ」

愛「何回も見て来ただろうしねぇ」

しずく「と言うかかすみさん、璃奈さん以上に演技が下手ですね」

かすみ「んなっ!?」ｶﾞｰﾝｯ

かすみ「そこまで言うなら今度はしず子がやってみてよぉ!!」

しずく「いいよ、妊婦さんを演じきってみせる」

しずく「ふぅ……ふぅ……」

果林「あら、しずくちゃん。どうしたの青い顔をして」

しずく「少し気分が……うっ」

果林「えっ？ちょっと大丈夫？」

果林「て言うかなんでそんな急にお腹が膨らんで」

しずく「実は……妊娠してしまいまして……」

しずく「つわりがひどくて辛いんです……」

果林「えぇっ!?妊娠!?」

果林「たたた大変だわ……どうしたら……」

しずく「……」

しずく「―こんな感じですかね」

果林「えっ？」ﾎﾟｶｰﾝ

しずく「ごめんなさい果林先輩、今のは演技でした。本当は妊娠なんてしていません」

果林「え、演技……」

果林「はぁ、すっかり騙されたわね。こんないたずらするなんて悪い娘」

かすみ「す、すごい……まさに迫真の演技」

璃奈「しずくちゃんの女優魂を見せてもらったね」

歩夢「最後はせつ菜ちゃんか」

愛「せっつーにやったらいたずらじゃ済まなくなるんじゃない？」

エマ「ほどほどにしてあげようね」

せつ菜「すいません‼生徒会の仕事で遅くなりました‼」

璃奈「お疲れ様、せつ菜さん」ﾎﾟｯｺﾘ

せつ菜「璃奈さん、そのお腹は？」

璃奈「……出来ちゃったの」

せつ菜「え？」

璃奈「赤ちゃん……出来ちゃったの」ﾎﾟｯ

せつ菜「赤ちゃん……？」

せつ菜「……」

せつ菜「～～～～!!」ﾌﾟｯｼｭｰ

せつ菜「ああああ赤ちゃん!?」

せつ菜「いやいやいや‼なにを言ってるんですか璃奈さん!!」

せつ菜「あなたはまだ１年生でしょう!?いけませんよこんな事!!」

璃奈「あ、あのねせつ菜さん、これは」

愛「はいはい、ストップせっつー」ｶﾞｼｯ

せつ菜「なんですか!?今大事な話を」

璃奈「ごめんなさい、今のは冗談。ほら」ﾍﾟﾛﾝ

せつ菜「じょ、冗談……？」

せつ菜「―はあぁ～本気にしましたよもう～」ﾍﾅﾍﾅ

エマ「大丈夫？せつ菜ちゃん」

かすみ「気の毒なくらい動揺してましたね」

歩夢「せつ菜ちゃん、真面目で冗談が通じないから」

しずく「璃奈さんの演技、よくなってきましたね」

せつ菜「妊婦体験ベストですか」

せつ菜「こんな物があったなんて知りませんでしたね」

せつ菜「うっ、これは重い……妊婦さんはこの状態で動いているんですね」

歩夢「妊婦さんって大変だね」

璃奈「今日授業で色々習ってつくづくそう思った」

愛「他にはどんな事習ったの？」

璃奈「えっと、ミルクの作り方とあげ方。あとはオムツ交換のやり方とか」

エマ「懐かしいなぁ、私も妹弟達のお世話でやってたよ」

しずく「私はひとりっ子なのでそういう経験はありませんね」

璃奈「よかったらやってみる？哺乳瓶とオムツもあるよ」

果林「へぇ、面白そうね」

かすみ「今から覚えておけば他のお母さんに差をつけられますね」

彼方「ふわぁ～」ﾑｸﾘ

彼方「あれぇ、まだやってたんだぁ」

璃奈「これが等身大の赤ちゃんの人形」ｽｯ

しずく「なんだかかすみさんに似てるね」

愛「なら、この子をかすみんと呼ぼう」

かすみ「それじゃまるで私が赤ちゃんみたいじゃないですか」

璃奈「私もこの子を見た時そう思った、この子の名前はかすみ」

かすみ「なに勝手に名付けてるの!?」




璃奈「基本赤ちゃんは泣いてばかりいるからいかにうまくあやしてあげるかがポイント」

しずく「赤ちゃんは泣くのが仕事だからね」

璃奈「お～よしよし、いい子だね～今ミルクあげるからね～」ﾕﾗﾕﾗ

愛「あはは、うまいうまい」

しずく「璃奈さん、私にもやらせて」

璃奈「はい、どうぞ」ｽｯ

しずく「わぁ、この人形も重みがある」ｷﾞｭｯ

しずく「うふふ、かわいいね～かすみさん」ﾕﾗﾕﾗ

かすみ「いや、その名前定着させるのやめて……」

璃奈「こうやってミルクをあげるんだよ」ｽｯ

かすみ「でも、人形だと反応がないね。当たり前だけど」

愛「そんじゃ～」ﾁﾗｯ

かすみ「いやいや‼私は赤ちゃん役なんてやりませんからね!!」

しずく「なら、私がやってみましょう」

しずく「これも演技の練習、いつか赤ちゃんの役を演じる時が来るかもしれません」

かすみ「そんな時来るのかなぁ……」

しずく「―ママ、まんまぁ～」ﾖﾁﾖﾁ

璃奈「おぉ、すごい。赤ちゃんになりきってる」

愛「いいねいいね、愛さんがミルクあげちゃう」ﾀﾞｷｯ

愛「ほぉらしずく、ミルクでちゅよ～」

しずく「ちゅぱちゅぱ、んぐんぐっ」

かすみ「すごい光景……」

璃奈「これはリアル、いい練習になりそう」

璃奈「ミルクをあげた後は背中をさすってゲップをさせるんだよ」

愛「こうかな？」ｻｽｻｽ

しずく「……けぷぅ」

璃奈「そうそう、２人共上手」

しずく「あ～い!!」ｷｬｯｷｬｯ

かすみ「しず子……本当にそれでいいの？」

エマ「オムツはね、こうやって交換するんだよ」ｽｯｽｯ

歩夢「流石エマさん、手慣れてるね」

エマ「歩夢ちゃんもやってみなよ」

歩夢「う、うん」

歩夢「―これ、やり辛いね。人形は動かないからかな」

歩夢「……」ｼﾞｰｯ

せつ菜「なんですか歩夢さん？」

歩夢「ねぇ、ちょっとここに横になってみて」ﾆｺｯ

せつ菜「ま、まさか……」

歩夢「せつ菜ちゃんなら小柄だからオムツはけるよね？」

歩夢「スカートの上からだから、ね？」

せつ菜「『ね？』じゃありませんよ‼なんで私がそんな事を」

歩夢「１回だけ練習でやらせて、お願い」ｶﾞｼｯ

せつ菜「ちょ、歩夢さん？やめ、やめて」ｺﾞﾛﾝ

歩夢「それじゃ、いくよせつ菜ちゃん」ｽｯ

せつ菜「い、嫌ぁ～やめてくださ～い!!」

彼方「果林ちゃんも私を赤ちゃんだと思って抱っこしてみない？」

果林「そうやって私を抱き枕にするつもりでしょ」

彼方「ありゃ、バレちゃったか～」

彼方「それじゃ、果林ちゃんが赤ちゃんになってみる？」

果林「えっ？私が？」

彼方「たまには甘えてみたらどうだい、両親にも会ってないんでしょ」

彼方「特別に彼方ちゃんがお母さんになってあげよう」ｷﾞｭ～ｯ

果林「ちょ、ちょっと彼方」ｶｧｧ

彼方「本当は寂しいんだろ～ほれほれ」ｽﾘｽﾘ

果林「―もう……」

果林「……」ﾎﾟﾌｯ

果林「……お母さん」ｷﾞｭｯ

彼方「んふふ、素直でよろしい。いい子いい子」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

彼方「そしてこのままお昼寝続行～」ｺﾞﾛﾝ

果林「きゃっ!?彼方ったら……どっちみちこうなっちゃうのね」

果林「―しょうがないわね、うふふ」

果林「お母さ～ん」ｽﾘｽﾘ

終わりです。支援、最後まで読んでいただきありがとうございました。

良かった乙