【長編SS】歩夢「せつ菜ちゃんに侑ちゃんを寝取られた……」【ラブライブ!虹ヶ咲】 | ラブライブ!まとめ ぷちそく!!

【長編SS】歩夢「せつ菜ちゃんに侑ちゃんを寝取られた……」【ラブライブ!虹ヶ咲】





SS
941: 2021/02/02(火) 22:16:27.54 ID:XYEysqQo
>1-54   共通ルート
>62-216  ルート1(途中まで)
>244-367 ルート3
>370-394 ルート3-選択肢2(せつ菜エンド)
>408-542 ルート3-選択肢1(歩夢エンド)
>570    ルート2(次スレまで継続中)

1: 2021/01/07(木) 00:39:32.67 ID:/0a4YLU2
歩夢「侑ちゃん、せつ菜ちゃんと付き合うなんて……」

歩夢「……どうして?」

歩夢「私の方が、ずっと前から侑ちゃんのことを好きだったのに……」

歩夢「……せつ菜ちゃんも」

歩夢「私が、私が侑ちゃんのこと好きなの、気づいてたよね……?」

歩夢「なのに、どうして、私から侑ちゃんを寝取るなんて」

歩夢「ひどいよ……」



せつ菜「それは違います!!!!!」

@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ!?

2: 2021/01/07(木) 00:42:41.74 ID:vWIGB2UK
歩夢「せつ菜ちゃん、何しに来たの……?」

せつ菜「歩夢さん、あなたは一つ思い違いをしています」

歩夢「何を言って……」



せつ菜「私は侑さんを寝取ってなどいません!!!!!」

@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ!?

7: 2021/01/07(木) 00:48:17.68 ID:vWIGB2UK
歩夢「何を……何を言ってるの!?」

歩夢「だって、私は侑ちゃんのことがずっと好きで、一緒にいたの……!」

歩夢「そこにせつ菜ちゃんが現れて、私から、私から侑ちゃんを……!」

せつ菜「歩夢さん!!!!!」

歩夢「っ」ビクッ

8: 2021/01/07(木) 00:50:12.75 ID:vWIGB2UK
せつ菜「落ち着いて聞いてください」

せつ菜「侑さんは、あなたのモノだったんですか?」

歩夢「そ、それは……」

せつ菜「違いますよね?」

歩夢「……」

せつ菜「……沈黙は肯定と受け取りますよ」

11: 2021/01/07(木) 00:55:01.07 ID:vWIGB2UK
せつ菜「侑さんと歩夢さんは特別な交際関係ではなかった、これは事実です」

せつ菜「私が告白したとき、侑さんにちゃんと確認を取りましたから」

歩夢「侑ちゃんが……?」

せつ菜「はい」

せつ菜「……正直、私も半ば玉砕覚悟の告白だったんです」

せつ菜「侑さんと歩夢さんはとても……友人以上に仲良く見えましたので」

歩夢「……」

15: 2021/01/07(木) 01:00:55.39 ID:vWIGB2UK
歩夢「でも、それと今の話に何の関係が」

せつ菜「それが大いにあるんですよ」

せつ菜「歩夢さん、あなたは私に侑さんを"寝取られた"と言いましたね?」

歩夢「……うん」

歩夢「だって、私は侑ちゃんのことが好きで」

せつ菜「歩夢さん!!!!!」

歩夢「っ」ビクッ



せつ菜「片想いしている相手が自分の想いを伝える前に別の人間と恋仲になった」

せつ菜「それは"NTR"ではないんですよ!!!!!」

@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ!?

17: 2021/01/07(木) 01:06:32.03 ID:vWIGB2UK
歩夢「ど、どういうこと……?」

せつ菜「NTR……すなわち寝取られとは、既に恋仲あるいは夫婦関係にある二人のどちらか片方が別の人間に取られてしまうことを指すんですよ」

歩夢「……!」

せつ菜「お気づきのようですね」

せつ菜「そう、侑さんと歩夢さんは恋人でも夫婦でもなく」

せつ菜「特別の仲の良い幼馴染でしかない」

せつ菜「そこに"寝取られた"という言葉を使用するのはおかしいんです!!!!!」

@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ!!!!!

19: 2021/01/07(木) 01:12:37.42 ID:vWIGB2UK
せつ菜「歩夢さんのそれは"BSS"と言うのが正しいでしょう」

歩夢「び、びーえすえす……?」

せつ菜「
僕が、
先に、
好きだったのに、
の頭文字を取ってBSSです


歩夢「……そう」

せつ菜「話を戻しましょう」

せつ菜「つまり……片想いの状態から失恋したに過ぎないんですよ」

歩夢「そ、そんな……」

21: 2021/01/07(木) 01:16:32.52 ID:vWIGB2UK
せつ菜「そもそも、私と侑さんはまだ付き合ったばかりですし」

せつ菜「その、そういうことはまだ……」カァァァ

@cメ#˶ˆ ᴗ ˆ˵リピキッ

せつ菜「……つ、つまりそういう意味でまだ寝てもいませんし"寝取られた"というのは尚更おかしいんです!!!!!」

せつ菜「わかっていただけましたか!!!!?」

歩夢「……」

24: 2021/01/07(木) 01:22:37.92 ID:vWIGB2UK
歩夢「……わからないよ」

せつ菜「!」

歩夢「わからないよ!!そんなの!!」

歩夢「わかりたくもないよ!!!!」

歩夢「寝取られとか!!!!BSSとか!!!!そんなことどうでもいいの!!!!」

歩夢「私は!!!!侑ちゃんが好きなの!!!!せつ菜ちゃんと付き合った今でも!!!!」

歩夢「でも!!!!侑ちゃんはせつ菜ちゃんを選んだ!!!!私は選ばれなかった!!!!」

歩夢「なら!!!!」ガシッ

せつ菜「!」ビクッ

歩夢「……なら」



歩夢「私の、この"想い"は、どうすればいいの……」

せつ菜「歩夢、さん……」

25: 2021/01/07(木) 01:27:20.53 ID:vWIGB2UK
歩夢「うっ、うぅ……」グスッ

せつ菜「……」

歩夢「……何か、言ってよ……!」

せつ菜「……私から言えることは、ありません」

せつ菜「ここで謝るのも、おかしいと思いますから」

歩夢「う、うぅ……」



侑「せつ菜ちゃーん!」タッタッタッ

@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ!?

26: 2021/01/07(木) 01:30:18.08 ID:vWIGB2UK
せつ菜「ゆ、侑さん、どうしてここに」

侑「練習終わったし一緒に帰ろうと思ってさ、でもせつ菜ちゃんどっかに行っちゃったみたいだから探しに……」

歩夢「ゆ、侑ちゃん……」グスッ

侑「歩夢!?」

せつ菜「!こ、これは」

28: 2021/01/07(木) 01:33:39.82 ID:vWIGB2UK
侑「どうしたの!?なんで泣いて……!」

歩夢「侑ちゃん……」グスッ

せつ菜「侑さん、あの……」

侑「……せつ菜ちゃん?二人で何話してたか教えてもらっても」

歩夢「侑ちゃん」

侑「!」

29: 2021/01/07(木) 01:42:39.56 ID:vWIGB2UK
歩夢「大丈夫、もう平気だから」

侑「平気、って……!」

歩夢「……犬だよ」

侑「へ?」

歩夢「野良犬がね、突然私に襲いかかってきて」

歩夢「そこを通りかかったせつ菜ちゃんが助けてくれたの」

歩夢「歩夢さんに何してるんだー!うおおお!って」

歩夢「そしたらその野良犬もびっくりしたのか逃げていってね」

歩夢「でも私怖くて泣いちゃってて」

歩夢「だよね?せつ菜ちゃん」チラ

せつ菜「えっ」

歩夢「ね?」

せつ菜「えと、そ、そうです!!うおおおおおおおおって追い払ってやったとこです!!!!」

侑「そ、そうなんだ……」

30: 2021/01/07(木) 01:46:28.73 ID:vWIGB2UK
侑「でも、そっか」

侑「歩夢が無事でよかった」ニコッ

歩夢「!」ドキッ

侑「せつ菜ちゃんありがとう!歩夢のこと助けてくれて!」

せつ菜「あ、あはは、お、お安い御用ですよ!!」

32: 2021/01/07(木) 01:50:21.46 ID:vWIGB2UK
侑「じゃあ帰ろっか!」

せつ菜「そ、そうですね……っと」チラ

歩夢「……」

侑「歩夢?どしたの?」

歩夢「……そうだ、私職員室に用事があるんだった」

侑「あっそうなんだ、じゃあ待っ」

歩夢「ううん、待たなくて大丈夫」



歩夢「せつ菜ちゃんとの時間、大切にしてあげて?」

侑「え」

せつ菜「!」

33: 2021/01/07(木) 01:56:46.90 ID:vWIGB2UK
歩夢「せっかく付き合ったんだから、帰り道くらい二人で帰りなよ」

侑「や、やだな~そんな気回さなくても」

歩夢「侑ちゃん」

侑「!」

歩夢「ね?」

侑「……わかった」

侑「それじゃ、先に二人で帰ろっか」

せつ菜「……はい」

35: 2021/01/07(木) 02:01:44.81 ID:vWIGB2UK
侑「歩夢、帰り道気を付けてね」

歩夢「大丈夫だよ」

歩夢「侑ちゃんこそ、せつ菜ちゃんを変なところに連れ回したりしちゃダメだよ」

侑「わかってるよ~!」

歩夢「ホントに~?」

侑「ホントホント!そんなに信用ないかなぁ」

歩夢「ふふ、そうだね」

侑「えぇ~?も~歩夢がいじめてくるよせつ菜ちゃーん」ギュッ

せつ菜「わわっ、ゆ、侑さんってば」

侑「えへへ」ニコニコ

歩夢「っ」ズキッ

37: 2021/01/07(木) 02:09:28.34 ID:vWIGB2UK
歩夢「そ、それじゃ」ダッ

侑「また明日ね~!」

せつ菜「……」



歩夢「はぁ……はぁ……」タッタッタッ

歩夢「はぁ……ふぅ……」

歩夢「……」

歩夢「……う、うぅ」

歩夢「うぅぅぅ」



@cメ*༎ຶ ۝ ༎ຶ リゆ゛う゛ち゛ゃ゛あ゛あ゛あああああああああああああああん

52: 2021/01/07(木) 11:04:23.43 ID:vWIGB2UK
~上原家、歩夢の部屋~
歩夢「はぁ……」


───────

せつ菜「私は侑さんを寝取ってなどいません!!!!!」

───────


歩夢(……そうだよね)

歩夢(私からすれば侑ちゃんを取られた、って感覚になるけど)

歩夢(実際、侑ちゃん自身は私を含め特定の誰かと付き合っていたわけでもなかった)

歩夢(だから、侑ちゃんが私以外の誰かから告白を受けることも、そしてその想いに応えることも……侑ちゃんの自由なんだよね)

歩夢(私の想いは、侑ちゃんの"今の想い"には関係がない)

歩夢(私の想いは、一方的なモノに過ぎなくて、ただの片想いでしかない)

歩夢(ならこれは、この胸の痛みは……)



歩夢「ただの失恋……なのかな」ズキズキ

54: 2021/01/07(木) 11:12:28.88 ID:vWIGB2UK
歩夢「でも、でも私は……」


───────


侑「歩夢が無事でよかった」ニコッ


───────


歩夢「侑ちゃん……」

歩夢「……」



1.私の想いは諦めて、侑ちゃんを応援しよう

2.諦めるなんてダメ、やっぱり侑ちゃんが好き

3.@cメ*◉ _ ◉リ侑ちゃんを私のモノにする

↓2

55: 2021/01/07(木) 11:13:29.59 ID:OSjkOkOo
3

56: 2021/01/07(木) 11:13:59.73 ID:t1rYnwHD
1

59: 2021/01/07(木) 11:15:57.50 ID:5rhldeUQ
1

60: 2021/01/07(木) 11:16:07.76 ID:hRiobKQ5
1

61: 2021/01/07(木) 11:16:38.94 ID:YsAuDw3p
せつ菜庇った展開みたく歩夢は優しい子だから…
1

62: 2021/01/07(木) 11:24:03.63 ID:vWIGB2UK
1を選択



歩夢(……そうだよ)

歩夢(私は、侑ちゃんの笑顔が好き)

歩夢(侑ちゃんには、幸せでいてほしい)

歩夢(そして今、侑ちゃんを笑顔にできるのは……)


───────


侑「えぇ〜?も〜歩夢がいじめてくるよせつ菜ちゃーん」ギュッ

せつ菜「わわっ、ゆ、侑さんってば」

侑「えへへ」ニコニコ


───────


歩夢「……せつ菜ちゃん、だよね」

歩夢(それなら私は)

歩夢(私の想いは諦めて、侑ちゃんを応援しよう)

歩夢(きっとそれが、一番正しいことだと思うから)

歩夢(侑ちゃんも、そう思うよね……?)

64: 2021/01/07(木) 11:29:15.28 ID:vWIGB2UK
~翌朝、高咲家、侑の部屋~


侑「……」スヤスヤ

侑「……んぅ」ゴロン

侑「……」

侑「……んー……」

侑「……んん?」パチッ



侑「げ!?もうこんな時間!?」ガバッ

65: 2021/01/07(木) 11:34:25.62 ID:vWIGB2UK
侑「やばいやばい遅刻する!」ドタドタ

侑「歩夢待たせちゃってるよな~怒ってたらどうしよ~」バタバタ

侑(とりあえずスマホで連絡入れとこっと)

侑「……ん?」


歩夢『おはよう』

歩夢『今日は先に行くから一人でちゃんと起きてね』

歩夢『遅刻しちゃダメだよ』


侑「……んん?」

66: 2021/01/07(木) 11:39:28.25 ID:vWIGB2UK
~教室~


侑「はぁ……はぁ……」

侑「な、なんとか間に合った……」グッタリ

侑(全力で走ったから脇腹が痛い……)

侑「うぅ……お?」

歩夢「……あっ」

侑「おはよー歩夢」

歩夢「……うん、おはよう」

67: 2021/01/07(木) 11:47:13.00 ID:vWIGB2UK
侑「いや~目覚ましが鳴らなくてさ~全然起きれなくて」

歩夢「……無意識のうちに止めたんじゃないかな」

侑「そうなのかなぁ?そろそろ目覚まし複数用意した方がいいのかな~」

歩夢「……そうだね」

侑「いや~でも目覚ましよりも歩夢に起こしてもらえれば私は」

歩夢「それはダメだよ」

侑「……へっ?」

70: 2021/01/07(木) 11:52:18.76 ID:vWIGB2UK
侑「あ、歩夢……?」

歩夢「……」

侑「あの、何か怒ってる……?」

歩夢「怒ってないよ」

侑「いやでも、今朝も一人で先に行っちゃうし」

歩夢「それは……」

侑「……私、何かしちゃったとか?」

歩夢「っ」

71: 2021/01/07(木) 11:56:59.81 ID:vWIGB2UK
侑「歩夢?」

歩夢「……ううん、そんなことないよ」

侑「じゃ、じゃあどうして?」

歩夢「……それは」


キーンコーンカーンコーン


侑「あっ」

歩夢「……ホームルーム、始まるよ」

侑「っ」

歩夢「席、着かなきゃ」

歩夢「ね?」

侑「……うん」

73: 2021/01/07(木) 12:01:47.41 ID:vWIGB2UK
~昼休み、教室~


侑「歩夢ー!」

歩夢「!な、なに?」

侑「今日お昼どこで食べよっか?」

侑「教室もいいけど天気いいし中庭もありだよね!あっ食堂でもいいし屋上とかも」

歩夢「ごめんね」

侑「良さそう……え?」

74: 2021/01/07(木) 12:12:49.46 ID:vWIGB2UK
歩夢「私、今日別の人と食べる約束してるから」

侑「べ、別の人?」

歩夢「うん」

歩夢「だから、今日は一緒にお昼食べられないの」

歩夢「ごめんね?」

侑「なっ……」

歩夢「……そうだ、せ……菜々ちゃんを誘ってみたら?きっと喜ぶよ」

歩夢「だってほら」



歩夢「二人は、付き合ってるんだし」ボソッ

75: 2021/01/07(木) 12:18:21.55 ID:vWIGB2UK
侑「あ、歩夢……?」

歩夢「……ごめん、待たせたらいけないからもう行くね」タッ

侑「あっ……」

侑「……」ポツン


侑(……菜々ちゃん、お昼一緒に食べてくれるかな)

79: 2021/01/07(木) 12:32:13.30 ID:vWIGB2UK
~裏庭~


歩夢(嘘、ついちゃった)

歩夢(本当は、誰かと食べる約束なんてないのにね)

歩夢「はぁ……」


歩夢(でも、私は侑ちゃんを応援するって決めたから)

歩夢(侑ちゃんの幸せには、せつ菜ちゃんが必要だから)

歩夢(そこに私は、必要ないから)

歩夢「……」グスッ

歩夢(また、涙が出てきちゃう)

歩夢「私、ホントに泣き虫だな……」



愛「いーんじゃない?別に泣き虫でも」

歩夢「!?」

88: 2021/01/07(木) 12:45:42.31 ID:vWIGB2UK
歩夢「あ、愛ちゃん……?どうしてここに」

愛「んーそうだね……それよりもまずは」

愛「はい、ハンカチ」スッ

歩夢「えっ」

愛「別に泣き虫でもいいけどさ、それで目元が腫れたりしたらせっかくの可愛い顔が台無しじゃん?」

愛「愛さんとしては、そういうの見過ごせないんだよね」ニカッ

歩夢「愛ちゃん……」

89: 2021/01/07(木) 12:59:36.65 ID:vWIGB2UK
愛「とりあえずテキトーにどっか座ろっか」

愛「立ちっぱも疲れるしね!」

歩夢「……そうだね」




~一方その頃、生徒会室~


侑「むー……」

菜々「どうしたんですか?先程から難しい顔してますけど」

侑「……あのね、歩夢が変なの」

菜々「変?歩夢さんが?」

侑「うん」

侑「今朝は先に行っちゃうし、休み時間もなんかそっけないし、お昼も別の人と約束があるーなんて」

侑「歩夢らしくない、っていうか」

菜々「なるほど……」

侑「私、何かしちゃったのかな……」

菜々「……」

92: 2021/01/07(木) 13:10:17.54 ID:vWIGB2UK
菜々(これは……確実に侑さんを避けていますね)

菜々(原因はおそらく……私、でしょうね)

菜々(侑さんと歩夢さんは基本的にどこでも一緒に行動している節がありますし、学校でもそれは変わらないのでしょう)

菜々(しかし今、侑さんは私と特別な交際関係にあります)

菜々(今までと同じように過ごしていては私に悪い、と歩夢さんが考えたのであれば……一連の行動の理由としては辻褄が合います)

菜々(ですが、長年仲の良い友人として接していた侑さんからすればこれは……)

侑「はぁ……」

菜々(……つらい、ですよね)

93: 2021/01/07(木) 13:26:18.96 ID:vWIGB2UK
菜々(原因は侑さんと私が付き合いだしたこと)

菜々(ですが、本質的にはこれは侑さんと歩夢さんがこれまで築いてきた関係性によって生じているすれ違い……だと私は思います)

菜々(であれば、そこに私が下手に介入するのは状況を悪化させることにしかなりません)

菜々(そんな中で私にできることは……)


菜々「侑さん」

侑「ん?」

菜々「私は、いつだって侑さんのそばにいたいと思ってます」

菜々「そして、侑さんにはいつでも笑顔でいてほしいとも思ってます」

侑「菜々ちゃん……」

菜々「あ、これは別に泣くなとか悲しむなとか言っているわけではなくてですね!いつでも笑顔でいてほしいというのはつまり侑さんにはいつも幸せな気持ちでいてほしいというか私と一緒にいることで少しでもそうなってたらいいなというかとにかくそのあの」

侑「……」

菜々「~っ!」ギュッ

侑「!」

94: 2021/01/07(木) 13:38:22.48 ID:vWIGB2UK
侑(握られた手はとても熱く、少し汗ばんでいて)

菜々「ゆ、侑さん……」

侑(私自身は手を繋ぐなんて、それなりに仲の良い人とはいくらでもしてきた行為なのに)

菜々「こ、こういうので」

侑(顔だけでなく、耳まで真っ赤になった菜々ちゃんの上目遣いが)


菜々「……元気、出たりしますか?」


侑(これは好意ある者へ向けた特別な行為なんだ、と……私に強く訴えかけているような気がした)

95: 2021/01/07(木) 13:41:05.24 ID:vWIGB2UK
侑「……」

菜々「あ、あの……」ドキドキ

侑「…………」

菜々「ゆ、侑さん、何か言ってくださ」

侑「菜々ちゃーん!!!!」ガバッ

菜々「い!?」ドサッ

97: 2021/01/07(木) 13:44:29.31 ID:vWIGB2UK
菜々「あ、あああの侑さん!?」ドキドキドキドキ

侑「菜々ちゃん……」ギューッ

菜々「は、はい!」ドキドキドキドキ

侑「元気、出たよ」

菜々「!」

98: 2021/01/07(木) 13:53:01.27 ID:vWIGB2UK
侑(そうだ、こんな風に落ち込んでるのは私らしくない)

侑(ちゃんと歩夢に聞かなきゃ!)


侑「うん、私元気出たよ!」

菜々「な、ならよかったです」ドキドキ

侑「菜々ちゃんがそばにいてくれてよかった」スッ

侑「ありがとね、菜々ちゃん」ニコッ

菜々「……はい!」

99: 2021/01/07(木) 13:54:59.80 ID:vWIGB2UK
昼ご飯食べてきます!!!!!
それとあそこまでで半分くらいと言いましたがルート分岐出してしまったので嘘になりました!!!!!
まだまだ続きそうです!!!!!

104: 2021/01/07(木) 15:57:53.66 ID:vWIGB2UK
~一方その頃、裏庭~


愛「いや~にしても裏庭って意外とイイとこなんだね~」

愛「他に人も見当たらないし静かに過ごしたいときはちょうどいいかも!」

歩夢「そう、だね」

愛「……特に、誰かの話をゆっくり聞きたいときとかは尚更、ね?」チラ

歩夢「!」

106: 2021/01/07(木) 16:11:17.05 ID:vWIGB2UK
愛「……ゆうゆと、何かあった?」

歩夢「な、なんで、侑ちゃんが」

愛「ゆうゆとせっつー」

歩夢「っ」ビクッ

愛「二人が付き合いだしてからの歩夢、なんか元気なさそうだったし」

愛「今日だって珍しく昼休みに一人で歩いてたし」

歩夢「そ、それくらい別に」

愛「そうだね、一人で歩いてるくらいだったら別にアタシも気にしなかったと思う」

愛「でも」

愛「泣くのを我慢してるような、悲しい表情でフラフラ歩いてるの見かけたら」



愛「そんなの、一人にさせたらダメに決まってるっしょ」

歩夢「……!」

107: 2021/01/07(木) 16:17:10.69 ID:vWIGB2UK
歩夢「愛ちゃん……」

愛「うん」

歩夢「私……」

歩夢「私、は……」

歩夢「……」

愛「……いいよ、ゆっくりで」

歩夢「……うん」

108: 2021/01/07(木) 16:22:22.69 ID:vWIGB2UK
歩夢「私、ね」

愛「……」

歩夢「……侑ちゃんのこと、好きだったの」

愛「……うん」

歩夢「幼馴染とか、友達としての好きじゃなくてね」

歩夢「一人の女の子として、侑ちゃんのことが好きだったの」

歩夢「ずっと、ずっと好きだったの」

愛「……そっか」

109: 2021/01/07(木) 16:27:30.80 ID:vWIGB2UK
歩夢「でも、私がもたもたしてる間に、せつ菜ちゃんが現れて」

歩夢「侑ちゃんは、せつ菜ちゃんの方を向くようになっちゃってた」

愛「……うん」

歩夢「……私ね、嫌な子なんだ」

愛「嫌な子?」

歩夢「うん」

歩夢「侑ちゃんからせつ菜ちゃんと付き合うことになった、って言われたとき」

歩夢「せつ菜ちゃんに侑ちゃんを"取られた"って思っちゃって」

愛「……!」

110: 2021/01/07(木) 16:34:37.96 ID:vWIGB2UK
歩夢「今思えば、変な話だよね」

歩夢「侑ちゃんは、別に私のモノじゃないのに」

歩夢「私は、ただの幼馴染でしかないのに」

歩夢「……」

愛「……そっか」

歩夢「……こんなんじゃ、侑ちゃんに好きになってもらえないのも、当然だよね」アハハ

愛「……んー」

愛「それは少し違うんじゃない?」

歩夢「え?」

111: 2021/01/07(木) 16:43:46.70 ID:vWIGB2UK
愛「これは愛さんの話になるんだけど」

愛「小学校のときに、クラスでめっちゃ仲良い友達がいたんだけどさ」

愛「学年が変わって違うクラスになっちゃったのね」

愛「んで愛さんもその友達も、それぞれのクラスでできた新しい友達を連れて久々に皆で遊ぼーよって話になってさ」

愛「愛さんとしては、その子とめっちゃ仲良かったし楽しみにしてたんだけど……」

歩夢「……?」

愛「その子、新しい友達と話してるときの方がすごーく楽しそうでさ」アハハ

歩夢「!」

112: 2021/01/07(木) 16:49:58.10 ID:vWIGB2UK
愛「たぶん好きなこととかハマってることのタイプが似てたんだろうね」

愛「アタシの知らない話題ですごーく楽しそうに話しててさ」

愛「まあ、今だったら何それ楽しそう教えてー!ってそこに突撃するんだろうけど……愛さんも子どもだったからね」

愛「あー、別のクラスの子に"取られちゃった"って思ったりして」

歩夢「……愛ちゃんでも、そういうこと思ったりするんだ」

愛「意外だった?」

歩夢「……うん」

愛「そっか……まあでもそんなもんだよ」

113: 2021/01/07(木) 16:56:04.45 ID:vWIGB2UK
愛「ね、歩夢」

歩夢「?」

愛「そんな愛さんは、嫌な子に見える?」

歩夢「えっ」

愛「どう?」

歩夢「……そんな、仲の良い友達が別の子と……自分よりも仲良さそうに話してたら、誰だって嫌な気持ちに、なるんじゃないかな」

歩夢「だから、愛ちゃんは嫌な子じゃない……って私は思う、かな」

愛「……そっか」

愛「なら、愛さんも同じだよ」

歩夢「え?」



愛「歩夢は、嫌な子じゃない」

歩夢「……!」

114: 2021/01/07(木) 17:07:02.62 ID:vWIGB2UK
愛「好きな人が他の人と付き合い始めたんだもん、嫌な気持ちになるのも当たり前っしょ」

愛「しかもそれがゆうゆなら尚更だよ」

歩夢「そう、かな」

愛「そうだよ」

歩夢「そっ、か……」

愛「……」

愛「歩夢はさ」

歩夢「?」

愛「ゆうゆに好きだー!って告白しないの?」

歩夢「えぇ!?」

115: 2021/01/07(木) 17:11:54.67 ID:vWIGB2UK
歩夢「な、な、そんなこと、だって侑ちゃんは……!」

愛「せっつーと付き合ってるね」

歩夢「そ、そうだよ、だから」

愛「ダメなの?」

歩夢「!?」

愛「好きな人に付き合ってる人がいたとして、それが告白しちゃいけない理由になるの?」

歩夢「だ、だって……それは……」

116: 2021/01/07(木) 17:15:58.15 ID:vWIGB2UK
愛「……ゆうゆとせっつーに迷惑かけることになる~って思ってる?」

歩夢「……うん」

愛「そっか、そう考えるのも正しいと思うよ」

歩夢「な、なら!」

愛「でも」ビッ

愛「それなら、歩夢の気持ちはどうなるのさ?」

歩夢「……!」

117: 2021/01/07(木) 17:26:49.95 ID:vWIGB2UK
愛「ゆうゆを好きだーって思う歩夢の気持ちは、どうなるの?」

歩夢「それ、は……」

愛「そりゃ愛さんだって、相手が先生とか既に結婚してる人とかだったらこういうことは言わないよ、社会的にまずいからね」

愛「でも、アタシ達はまだ高校生だ」

愛「これからまた別の人を好きになるかもしれないし」

愛「もしかしたらゆうゆとせっつーだって別れることがあるかもしれない」

歩夢「!」

愛「もちろん、可能性の話だよ」

愛「このまま二人がゴールインする可能性だって十分ある、最近は同性同士の付き合いにも寛容な世の中になってきてるからね」

愛「むしろ、何もしなければそうなる可能性が高いと思うよ」

愛「……そうなったとき、歩夢の気持ちはどうなるのかな」

歩夢「そんな、そんなの……」



歩夢「私が聞きたいよ…!!」

118: 2021/01/07(木) 17:35:54.74 ID:vWIGB2UK
歩夢「侑ちゃんのことは大好きだよ、その気持ちは今でも変わらない」

歩夢「でも、侑ちゃんの幸せにはせつ菜ちゃんが必要で!」

歩夢「そこに私は必要ないの!!」

歩夢「だから、だから私は侑ちゃんを応援するって決めたの……!!」

歩夢「その決心を、覚悟を、今さら崩したくないの……!!」ポロポロ

愛「じゃあ、ゆうゆには告白しないの?」

歩夢「……しないよ」グスッ

愛「……そっか」

119: 2021/01/07(木) 17:43:05.99 ID:vWIGB2UK
歩夢「うっ、うっ……」グスッ

愛「……ごめんね、強く聞きすぎたかも」

歩夢「……んん、いいの」

歩夢「むしろ、気持ち聞いてもらって、ちょっとスッキリしたかも」

愛「そっか」

歩夢「私、こんなに涙出るんだなぁ……」アハハ

愛「……」

愛「歩夢は、凄いなぁ」

歩夢「え?」

121: 2021/01/07(木) 17:50:38.09 ID:vWIGB2UK
愛「愛さんは、一人の人をそこまで真剣に好きになったことがないから」

愛「ゆうゆのことをそこまで想える歩夢は凄いな、って思ってさ」

歩夢「……そうかな」

愛「そうだよ」

歩夢「……ただ重いだけじゃないかな」

愛「想いだけに?」ニカッ

歩夢「……」

愛「……ごめん、ふざけるとこじゃなかったね」

歩夢「……ぷっ」クスッ

愛「!」

歩夢「あっこれはダジャレにウケたわけじゃないからね」

愛「あ、うん」

歩夢「気まずそうな表情してる愛ちゃんが、なんだか新鮮で面白かったの」ニコッ

愛「!そ、そっか」

122: 2021/01/07(木) 18:00:14.92 ID:vWIGB2UK
歩夢「色々話してたら、元気出てきたかも……」

歩夢「ありがとう、愛ちゃん」ニコッ

愛「へへ、どーいたしましてっ」ニカッ


歩夢「……んーっ」ノビー

歩夢「はぁ……なんか、体動かしたい気分になってきたかも」

愛「お、いいね!」

歩夢「……今日、練習お休みの日だったよね」

愛「ん、確かそうだね」

歩夢「……ね、愛ちゃん」



歩夢「放課後、ちょっと付き合ってくれる?」

138: 2021/01/08(金) 02:44:07.73 ID:x9G+ctYU
~放課後、教室~


侑「歩夢!」タッタッタッ

歩夢「!侑ちゃん」

侑「今日練習休みだよね、少し聞きたいことが」

歩夢「ごめんね」

歩夢「私、この後約束があっ」

ガシッ

歩夢「!」

侑「……聞きたいことが、あるんだよ」

侑「だから、今度は逃がさない」ギュッ

139: 2021/01/08(金) 02:48:55.44 ID:x9G+ctYU
侑「歩夢」ジッ

歩夢「っ」ドキッ

歩夢「そ、それ、今じゃなきゃダメ?」ドキドキ

侑「ダメ」

歩夢「で、でも私」ドキドキ

侑「ダメだよ」ジッ

歩夢「ゆ、侑ちゃん……」

140: 2021/01/08(金) 02:57:07.70 ID:x9G+ctYU
「え、高咲さんと上原さんどうしたの?」

「なんか雰囲気まずくない?」

ザワザワ


侑「……場所、変えよっか」グイッ

歩夢「ちょ、ちょっと待って」

侑「待たない」スタスタ

侑(待てばきっと、歩夢は逃げてしまう)

侑(それじゃダメだ)

侑(今、このとき歩夢がどう思ってるか聞かなきゃ)

侑(じゃないと私達は────)


ガララ


愛「やっほー歩夢、迎えに来たよー!」

侑「!」

歩夢「あ、愛ちゃん……」

141: 2021/01/08(金) 03:03:52.71 ID:x9G+ctYU
愛「っと、ゆうゆもいたんだね!やっほー」

侑「愛ちゃん……」

歩夢「あ、あの」

侑「……ごめんね愛ちゃん、私歩夢と話したいことあるから」

侑「何か用事があるならまた後で」スタスタ

愛「おっと」ガシッ

侑「!」

142: 2021/01/08(金) 03:11:58.31 ID:x9G+ctYU
愛「どこに行こうってのさ?」

侑「……愛ちゃんには関係ないよ」

愛「いーや関係あるね」

愛「歩夢はこれから愛さんと遊ぶ約束してるんだ」

愛「だから、このまま連れてかれるのをただ黙って見過ごすワケにはいかないんだよね」ニッ

侑「……!」

143: 2021/01/08(金) 03:18:19.70 ID:x9G+ctYU
侑「歩夢、それ本当?」

侑「愛ちゃんと、遊ぶ約束してるって」

歩夢「……うん、ホントだよ」

侑「そっか……」

愛「……さ、それじゃ歩夢の手を離し」

侑「ごめんそれはできない」ギュッ

歩夢「!」

愛「……へぇ?」

144: 2021/01/08(金) 03:30:42.61 ID:x9G+ctYU
侑「歩夢と遊びに行くのは別にいいよ、そこは私が口出すことじゃないと思うから」

侑「でも、その前に歩夢に聞きたいことがあるの」

愛「別にいい、ねぇ……」

愛「その聞きたいことって今ここで聞いちゃダメなの?」

侑「……ダメだよ」

侑「これは私と歩夢の話だから、二人だけでちゃんと話さなきゃ」

愛「……ふーん、そっかそっか」

侑「だから、悪いけど今は」

愛「ゆうゆさぁ」

侑「……何?」

愛「それなら、歩夢の意見もちゃんと聞かなきゃじゃない?」チラ

歩夢「!」

146: 2021/01/08(金) 03:41:50.71 ID:x9G+ctYU
愛「ね、歩夢はどうしたい?」

歩夢「ど、どうって」

愛「ゆうゆと先に二人で話すか、それともこのまま愛さんと遊びに行っちゃうか」

愛「どっちがいい?」

歩夢「そ、それは……」チラ

侑「歩夢……!」ギュッ

歩夢「っ!」ドキッ

侑「お願い……!」ジッ

歩夢「……」チラ

愛「……愛さんは大丈夫、歩夢の好きにしなよ」ニコ

歩夢「……」

歩夢「私、は……」



歩夢「私は、愛ちゃんと遊びに行きたい、な」

147: 2021/01/08(金) 03:56:52.72 ID:x9G+ctYU
侑「なっ!?」

愛「……そっか」


歩夢「ごめんね、侑ちゃん」

歩夢「今はちょっと……」

侑「歩夢!」ガシッ

歩夢「っ!」

侑「どうして!二人で話したいってだけなのに!」

歩夢「ゆ、侑ちゃん……痛い、よ」

侑「やっぱり今日の歩夢おかしいよ!」

侑「いつもだったら私の話ちゃんと聞いてくれるのに!」

歩夢「ゆ、侑ちゃんっ」

侑「なんかそっけないし!それに一度も目合わせてくれないし!」

歩夢「っ、は、離し」

侑「私が何かしちゃったなら謝るから!だから!いつもの歩夢に────」


ドンッ

侑「っ!」ヨロッ

愛「はいストップ、そこまでだよゆうゆ」

歩夢「あ、愛ちゃん……」

148: 2021/01/08(金) 04:08:50.67 ID:x9G+ctYU
愛「歩夢、大丈夫?」

歩夢「う、うん」

侑「どうして……なんで邪魔するの!私はただ……!」

愛「どうしても何も」チラ

歩夢「……」

愛「……アタシは────」



菜々「なんですか、この騒ぎは?」

ゆうぽむあい「!!」

171: 2021/01/09(土) 11:35:09.49 ID:L5o4iXDs
「生徒会長だ!」

「あの三人の修羅場に乱入者が!?」

「盛り上がってきましたわー!」

ザワザワザワザワ



菜々「これは……」

菜々「!」


侑「菜々ちゃん!」

歩夢「っ」

愛「!」

172: 2021/01/09(土) 11:53:53.50 ID:L5o4iXDs
菜々(侑さん!……と向かい合うように愛さん、そしてその背後に歩夢さん……?)

菜々(これは、一体どういう……?)


愛「やっほー、せっ……じゃなくて」

愛「あー、生徒かいちょー?」

菜々「……こんにちは」

菜々「なんだか騒がしかったので様子を見に来たのですが……あなた方だったんですね」

愛「ありゃ、そんなにうるさかった?」

菜々「周りに野次馬ができる程度には」

愛「あちゃ~それはまずったなぁ」

侑「……だから場所変えようって言ったのに」ジッ

菜々「!」

174: 2021/01/09(土) 12:09:09.44 ID:L5o4iXDs
侑「愛ちゃんが邪魔するから……!」

愛「んー、まあそれに関してはごめんだけどさぁ」アハハ

侑「ならそこをどいて」

愛「それはムリだね」

侑「……このっ!」ダッ

愛「おっ」ガシッ

侑「!」

愛「よっ」グイッ

侑「いっ!?」

175: 2021/01/09(土) 12:13:40.36 ID:L5o4iXDs
愛「……乱暴はダメだよゆうゆ」グググ

侑「い、いたたた!は、離してよ!」グググ

愛「離したら大人しくしてくれる?」グググ

侑「愛ちゃんがどいてくれるならっ!」グググ

愛「じゃあダメだね」グググ

侑「く、くうううう!」グググ

歩夢「ふ、二人とも喧嘩は……!」


菜々「ごほんっ」

ゆうぽむあい「!」

176: 2021/01/09(土) 12:25:17.42 ID:L5o4iXDs
菜々「生徒会長である私の目の前で喧嘩とは……」

菜々「いい度胸ですね?高咲さん、宮下さん」ジロッ

ゆうあい「うっ」

菜々「……この場は私が預かるものとします」

菜々「二人とも、生徒会室に来なさい」

愛「は~い」

侑「な、菜々ちゃんっ私は!」

菜々「高咲さん」スッ

菜々「こうも周りに人がいては、ロクに落ち着いて話もできないでしょう?」ボソボソ

侑「!」

177: 2021/01/09(土) 12:30:49.66 ID:L5o4iXDs
菜々「歩夢さんと愛さんに話があるなら、生徒会室でゆっくりしましょう?」

菜々「その方が侑さんにとってもいいはずですから」

侑「……そう、だね」

侑「ごめん、頭に血が上ってた」

菜々「わかってくだされば大丈夫です」

侑「……ありがと」

菜々「はい」ニコ


菜々「……それと、上原さん」

歩夢「!」

菜々「あなたも来てください」

菜々「何故この騒動が起きたのか、話を聞きたいので」

歩夢「……うん」

187: 2021/01/10(日) 15:06:56.99 ID:4tLwSzcg
~生徒会室~


菜々「……なるほど、大体状況はわかりました」

菜々「侑さんは歩夢さんに聞きたいことがある」

侑「今すぐにね!」

菜々「……しかし歩夢さんはこの後愛さんと遊びに行く約束をされている」

愛「そーだよ」

菜々「そして、歩夢さん自身も愛さんとの約束を優先したい……と」

歩夢「……」コクリ

菜々「ふむ……」


菜々(これは少々……いや、かなり難しいですね……)

菜々(お昼休みの出来事を踏まえると、おそらく侑さんの"聞きたいこと"はどうして歩夢さんが自分を避けるのか……その原因を知りたい、といったところでしょう)

菜々(しかし、それをきちんと説明するには歩夢さんが侑さんに対して特別な好意を抱いていることを説明する必要がありそうですが……)

菜々「……」チラ

歩夢「……」

菜々(それができるなら、そんなに苦しそうな表情はされてませんよね……)

188: 2021/01/10(日) 15:08:16.67 ID:4tLwSzcg
菜々(単純な喧嘩ならお互い腹を割って話そう!で解決するものですが、今回は事情が事情だけにそうもいきません)

菜々(それに、私自身も当事者というのがまたなんとも……)

菜々(こういうときは時間を置いて一旦頭を冷やす、というのが定石ですが……)

菜々「……」チラ

侑「……」ジーッ

菜々「!」

菜々(そ、そんな期待を込めた眼差しで見ないでください!)

菜々(確かに侑さんとしては一刻も早く歩夢さんの本心を聞き出したいところでしょうが……)

菜々(その結果、歩夢さんの好意を知った侑さんが、もし……もしも……)

菜々(私ではなく歩夢さんを……なんてことに、なったら)

菜々(私は……)

菜々(……)


ガツンッ!!

ゆうぽむあい「!?」

189: 2021/01/10(日) 15:08:56.34 ID:4tLwSzcg
侑「なっ菜々ちゃん!?どうしていきなり机に頭突きを!?」

愛「せ、せっつー?」

歩夢「だ、大丈夫……?」

菜々「……」シュー



菜々(……何を)

菜々(一体何を考えているのですか私は!!!!!)

190: 2021/01/10(日) 15:09:43.01 ID:4tLwSzcg
菜々(私は……私はいつからそんな弱い人間になってしまったのですか!!!!!)

菜々(勇気を振り絞って!!!!!玉砕覚悟で侑さんに告白した私は!!!!!)

菜々("優木せつ菜"はどこに行ったのですか!!!!!)


菜々「っ!!!!!」ガバッ

ゆうぽむあい「!?」

シュバババッ!!



せつ菜「……ふぅ」

侑「菜々ちゃ……せつ菜、ちゃん?」

191: 2021/01/10(日) 15:11:08.92 ID:4tLwSzcg
せつ菜(侑さんは歩夢さんの本心を聞きたい)

せつ菜(そして私は、侑さんに歩夢さんの本心を知ってもらった上で!改めて私を選んでもらいたい!!)

せつ菜(……ですが、現状歩夢さんは侑さんを避けるような態度を取っています)

せつ菜(そんな状態の歩夢さんと侑さんを無理に会話させるのはお二人にとっても、そして私にとっても望ましいことではありません)

せつ菜(歩夢さんが侑さんにちゃんと向き合えるようになる為には、落ち着いて考える時間と……その話をする為の相談相手が必要なはずです)

せつ菜(しかしその相手は、侑さんは当然として恋敵である私もまた相応しくありません)

せつ菜(今回の問題に直接の関係がなく、かつ私達と仲が良く今の状況をそれなりに把握している人物は……)ハッ

せつ菜「っ」ジッ



愛「ん?」

192: 2021/01/10(日) 15:11:45.00 ID:4tLwSzcg
せつ菜「愛さん!!!!!」バンッ

せつ菜「お願いがあります!!!!!」

愛「お、おお、どしたのせっつー?」

せつ菜「歩夢さんを!!!!!今すぐここから連れ去ってもらえますか!!!!!」

ゆうぽむ「!?」

愛「……へ?」

193: 2021/01/10(日) 15:12:39.71 ID:4tLwSzcg
愛「それ、どういう……」

せつ菜「っ」ジッ

愛「……!」


歩夢「せ、せつ菜ちゃん?」

侑「あ、歩夢を連れ去ってって……なんでそんなこと」

愛「おっけー、わかったよせっつー」ガシッ

歩夢「え?」

愛「行くよ歩夢!」グイッ

歩夢「あ、愛ちゃん!?」

194: 2021/01/10(日) 15:13:25.36 ID:4tLwSzcg
侑「ちょ、ちょっと」ガタッ

せつ菜「侑さん!!!!!」

侑「わっ」ビクッ

せつ菜「すみません!!」ガシッ

侑「なっ!?」

ガララ

愛「サンキューせっつー!後は任せた!」ダッ

せつ菜「はい!」

侑「ま、待って────」

ギュッ

侑「!」

せつ菜「すみません侑さん」

せつ菜「今は、あの二人のことを追わないでいてください」

侑「な、なんで!?」

196: 2021/01/10(日) 15:14:56.31 ID:4tLwSzcg
歩夢「っ……」タッタッタッ

侑「歩夢……!」


侑(このままじゃ歩夢が逃げちゃう!)

侑(でもせつ菜ちゃんに後ろから抱き締められたままじゃ追いかけられない……!)

侑(せつ菜ちゃんを説得……ううん、最悪振り払ってでも────)

ギュッッ

侑「!」

せつ菜「……侑さん」

せつ菜「お願い、します」ギュッ

201: 2021/01/10(日) 15:27:36.39 ID:4tLwSzcg
侑「せつ菜ちゃん……?」

せつ菜「……侑さん」

侑「なに?」

せつ菜「侑さんは……」

せつ菜「その……」

せつ菜「……」

侑「?」

せつ菜「……いえ、なんでもないです」

侑「そう……?それなら離し」

せつ菜「それはダメです!」ギュッ

侑「ぐぇっ!」

せつ菜「あ、すっすみません!力を入れすぎてしまいました!!」

侑「うぅ……愛ちゃんだけでなくせつ菜ちゃんにも勝てないのか私……」

せつ菜「日頃からしっかり鍛えている甲斐がありました!!」ペカー

202: 2021/01/10(日) 15:33:38.55 ID:4tLwSzcg
せつ菜「……それで、歩夢さんのことなのですが」

侑「そっそうだ!歩夢!」バッ

せつ菜「侑さん!!!!!」

侑「っ!?」ビクッ

せつ菜「私の話を、ちゃんと聞いていただけますか?」ギュッ

侑「うっ」

侑(……今から追いかけても、もう間に合わないか)

侑「……うん、いいよ」

せつ菜「ありがとうございます」ニコッ

204: 2021/01/10(日) 15:40:31.69 ID:4tLwSzcg
せつ菜「侑さんは歩夢さんに聞きたいことがあるって言ってましたよね」

侑「……うん」

せつ菜「それは、お昼休みに話してくださったことについて、ですか」

侑「……そうだよ」

侑「だって、歩夢ホントに変なんだもん」

侑「今までもちょっとしたことで喧嘩になって不機嫌にさせちゃったことはあるけど……それでもあんな風に全く話を聞いてくれないなんてことはなかったんだよ」

侑「だから、何が原因なのか聞かなくちゃって思って」

侑「もし私が何かしちゃったのならちゃんと謝りたいし」

せつ菜「侑さん……」

206: 2021/01/10(日) 15:46:11.67 ID:4tLwSzcg
せつ菜(侑さんは本当に真っ直ぐな人です)

せつ菜(一度決めたらこう!と突き進むタイプで、その振る舞いによって今まで色んな人を惹き付けてきたのでしょう)

せつ菜(私も……それから歩夢さんも、少なからずそんなところに惹かれているのは確かだと思います)

せつ菜(ですが、今回は……)


せつ菜「侑さん」

侑「なに?」

せつ菜「確かに、歩夢さんに直接聞いてみるのも大事なことだと思います」

せつ菜「何をどのように考えているかは、その人自身にしかわからないことですから」

せつ菜「……ただ」

侑「ただ?」

せつ菜「どうして歩夢さんが侑さんと話そうとしないのか……まずはその理由を自分で考えてみるのも大事じゃないでしょうか?」

207: 2021/01/10(日) 15:53:09.37 ID:4tLwSzcg
侑「理由を、自分で……?」

せつ菜「はい」

せつ菜「まずは、歩夢さんの視点に立って、歩夢さんの気持ちを考えてみるんです」

せつ菜「そうしたらきっと、今まで見えなかったものが見えるようになるでしょうし」

せつ菜「それにいざ歩夢さんと話せる状態になったときにスムーズに話が進むかもしれません」

せつ菜「こちらから無闇矢鱈にアタックを仕掛けるより、歩夢さんが話してくれることを信じて待つことも大事だと思うんです!!」

侑「……なるほど」

せつ菜「いかがでしょう……?」

侑「歩夢を、信じて待つ……」

侑「……うん、確かにそれ大事かも!」

せつ菜「!」

侑「ありがとうせつ菜ちゃん、まずは歩夢の気持ちを考えてみるよ!」

せつ菜「いえ!侑さんの為になったらよかったです!!」

208: 2021/01/10(日) 15:58:24.28 ID:4tLwSzcg
侑「よし、そうと決まったら……!」

せつ菜「はい!」



侑「……まずは、離してもらってもいいかな?」

せつ菜「え?」

侑「ほら、ずっと後ろからぎゅーってされっぱだし……ね?」アハハ

せつ菜「はっ!!!!すみません!!!!」バッ

210: 2021/01/10(日) 16:04:28.43 ID:4tLwSzcg
せつ菜(侑さんを止める為とはいえっ……無意識のうちになんて大胆なことを……!!!!)

せつ菜(は、恥ずかしいです!!!!)

せつ菜「っ!!!!」カァァァァ

侑(せつ菜ちゃん、顔だけでなく耳まで真っ赤だ)

侑「……ふふっ」クスッ

せつ菜「な、なんですか!?」

侑「いや、せつ菜ちゃんのそういうところホントに可愛いなって」

せつ菜「なっ、あっ……!!」

侑「歌ってるときとか踊ってるとき、それとさっきみたいに真面目に話してるときはカッコいいのにね」アハハ

せつ菜「か、からかわないでください!!」フイッ

213: 2021/01/10(日) 16:25:13.23 ID:4tLwSzcg
すみません、 >>210>>211 の間にこれが抜けてました



侑「……あ、そうだ」

せつ菜「な、なんですか!?」

侑「さっき何か言いかけてなかった?」

せつ菜「え?」

侑「ほら、私を抱き締めてすぐくらいのときにさ」

せつ菜「だ、抱き締め……いえそれはよくて」

せつ菜(そのときに聞こうとしたこと……)ハッ

侑「?」

せつ菜「……忘れちゃいました」

せつ菜「たぶん、大した話じゃなかったと思いますよ」ニコ

侑「そう?ならいいんだけど」

211: 2021/01/10(日) 16:09:47.19 ID:4tLwSzcg
せつ菜「……それよりですね!」スッ

ギュッ

侑「!」

せつ菜「侑さんと私は……付き合ってるんですから」

せつ菜「歩夢さんのことばかり話されると、その……」


せつ菜「ヤキモチ、妬いてしまいます……」

侑「!!」ドキッ

212: 2021/01/10(日) 16:16:49.55 ID:4tLwSzcg
せつ菜「侑さんにとって大事な話を相談していただけるのは嬉しいのですが……」

せつ菜「……すみません」シュン

侑「~っ!!」ガバッ

せつ菜「!ゆ、侑さんっ!?」

侑「……せつ菜ちゃん!」ギューッ

せつ菜「はっはい!」

侑「ごめんね、今度からもっとちゃんとする」

せつ菜「……はい」ギュッ

侑「あとせつ菜ちゃんが可愛すぎてときめきがやばいんだけどどうしたらいいと思う?」

せつ菜「え……えぇ!?」

214: 2021/01/10(日) 16:31:55.17 ID:4tLwSzcg
侑「とりあえず今日の帰りはどっかで遊んで帰ろう!デートしよデート!」

せつ菜「で、デートですか!?」

侑「うん!」

せつ菜「わ、わかりました!」

せつ菜「よろしくお願いします!!」

侑「よし!じゃあレッツゴー!」

せつ菜「ゴー!です!!」



せつ菜(……すみません、侑さん)

せつ菜(さっきの質問の答え、嘘をついてしまいました)

215: 2021/01/10(日) 16:38:31.67 ID:4tLwSzcg
せつ菜(本当は覚えてるんです、あなたに何を聞こうとしたのか)

せつ菜(でも、今の状況でこれを聞くのは卑怯だと思ったんです)

せつ菜(それに、侑さんを困らせたくはないですから)

せつ菜「……」チラ

侑「どこに行こっかな~」フフン

せつ菜(……でも、その質問に対する答えが気になってしまう私がいるのも確かなんです)

せつ菜(侑さん、あなたは────)

216: 2021/01/10(日) 16:43:44.62 ID:4tLwSzcg
せつ菜(私と歩夢さん、どちらの方が大切なんですか?)

242: 2021/01/14(木) 22:59:25.38 ID:9LRSu4zg
すみません……!
>>54 にて1を選択した場合のルートを書いていましたが、3を選択した場合のルートを先に最後まで書きたくなってしまったので一旦今からそちらを書かせていただきます!

ルート1の続きを楽しみにしていた方々には申し訳ありませんが、まずはルート3をお楽しみいただければと思います……!

244: 2021/01/14(木) 23:12:09.33 ID:9LRSu4zg
>>54 から
3を選択した場合



歩夢(……そうだよ)

歩夢(私は、侑ちゃんの笑顔が好き)

歩夢(でも……)


───────


侑「えぇ〜?も〜歩夢がいじめてくるよせつ菜ちゃーん」ギュッ

せつ菜「わわっ、ゆ、侑さんってば」

侑「えへへ」ニコニコ


───────


歩夢「……っ!」ギリッ

歩夢(侑ちゃんが他の人に笑顔を向けてるのを見るのはイヤ……!!)

歩夢(侑ちゃんをずっと好きだったのは私なのに……!)


───────


せつ菜「私は侑さんを寝取ってなどいません!!!!!」


───────


歩夢(……寝取ってないなんて、そんなのただの言葉遊びだよ)

歩夢(せつ菜ちゃんが私から侑ちゃんを奪ったのは事実なんだから……!!)

246: 2021/01/14(木) 23:26:26.75 ID:9LRSu4zg
歩夢「……侑ちゃん」


───────


侑「歩夢!?」


侑「どうしたの!?なんで泣いて……!」


───────


歩夢(あのときの侑ちゃん、私のことを心配してくれてた)

歩夢("今は"せつ菜ちゃんと付き合ってるのに、私のことを心配してくれてた)

歩夢(そう、侑ちゃんはとっても優しい子なんだよ)

歩夢(……せつ菜ちゃん、こう言ってたよね)


───────


せつ菜「……正直、私も半ば玉砕覚悟の告白だったんです」

せつ菜「侑さんと歩夢さんはとても……友人以上に仲良く見えましたので」


───────


歩夢(……つまり、侑ちゃんはせつ菜ちゃんの必死さに負けて"付き合ってあげる"ことにした可能性もあるんだよね)

歩夢(侑ちゃんは優しい子だもん、せつ菜ちゃんが泣きながら告白でもしたら絆されてそのまま付き合っちゃうなんてことも……)

歩夢「……っ!!」ギリリッ



歩夢「そんなの、卑怯だよ……!!」

247: 2021/01/14(木) 23:39:05.40 ID:9LRSu4zg
────一度浮かんだ黒い感情は、もはや自分ではどうにもならなくて



歩夢「せつ菜ちゃん……許せない……っ!」



────もしかしなくても、侑ちゃんは元からせつ菜ちゃんのことが好きで快く告白を受け入れた可能性だってあったのに



歩夢「侑ちゃんの優しさを利用して……っ!」



────侑ちゃんもせつ菜ちゃんも、ちゃんとお互いを想い合ってる関係かもしれないのに



歩夢「私が、私が侑ちゃんを助けてあげなきゃ……!!」



────そんな自分にとって都合の悪い可能性を押し潰すように、私の心はどんどん黒く染まっていってしまって



歩夢「……そうだよ、最初からそうすればよかったんだ」



────もう、後戻りはできない



@cメ*◉ _ ◉リ侑ちゃんを私のモノにする

249: 2021/01/14(木) 23:50:45.43 ID:9LRSu4zg
〜翌朝、高咲家、侑の部屋〜


歩夢(翌朝、私はいつもより少し早めに起きて侑ちゃんの部屋へ向かった)

歩夢(侑ちゃんのお母さんにはいつもより起こしに来るの少し早いね?と聞かれたけど、学校でやることがあると適当に誤魔化しておいたので問題はないはず……)


ガチャ


歩夢「……侑ちゃん、起きてる?」ガチャ


侑「すー……すー……」スヤスヤ


歩夢(……よかった、まだぐっすり寝てるみたい)

侑「んー……」ムニャムニャ

歩夢「……」ジッ

歩夢(可愛い寝顔だなぁ)

歩夢「ふふ……」ナデナデ

侑「ん……」

歩夢(……私以外の誰にも見せたくないなぁ)

250: 2021/01/14(木) 23:59:59.04 ID:9LRSu4zg
歩夢(考えたくないけど、このまま何もしなかったらせつ菜ちゃんとお泊まり会とかしちゃうんだよね……)

歩夢(そしたらきっとその夜は……)

歩夢「……っ!」ギリッ

歩夢(嫌っ!!)

歩夢(侑ちゃんが私以外の人とそんなことするなんて、そんなの絶対に許さない!!)

侑「すー……」スヤスヤ

歩夢(誰かに奪われるくらいなら、先に私が……)

歩夢「……侑ちゃん」ソッ

侑「……む」

歩夢「?」

侑「あ、ゆむ……」ムニャムニャ

歩夢「……!」

251: 2021/01/15(金) 00:06:47.77 ID:zN+BdELw
侑「えへへ……」ムニャムニャ

歩夢「侑、ちゃん……」

歩夢(寝言で、私の名前を……!)

歩夢「……」ジッ

侑「すー……」スヤスヤ

歩夢(……いくらなんでも、寝てるところを襲うのはダメだよね)

歩夢「……」ナデナデ

歩夢(侑ちゃんが自然に起きるまで、愛でるだけにしよう)

歩夢(……さすがにまだ朝だし、ね)

253: 2021/01/15(金) 00:13:16.48 ID:zN+BdELw
~しばらくして~


侑「……ん」パチッ

歩夢「あ、起きた?」

侑「……あゆ、む?」

歩夢「おはよう、侑ちゃん」ニコ

侑「……おはよ」

歩夢「よく寝られた?」

侑「うん、まあ……」

歩夢「そっか、ならよかった」ニコ

侑「……んん?」

歩夢「どうしたの?」

侑「いや、あれ……?」



侑「なんで私の横に歩夢が寝てるの……?」

255: 2021/01/15(金) 00:20:03.29 ID:zN+BdELw
歩夢「……もう、侑ちゃん覚えてないの?」

侑「え?」

歩夢「昨日侑ちゃんが無理やり私のことを……」

侑「……えぇ!?」

歩夢「忘れるなんてひどいよ」グスッ

侑「い、いやいや!そんなことしてないよね!?」

歩夢「うん、嘘だよ」ニコ

侑「そっ……そうだよね!はー、焦った……寝起きにいきなりそんな冗談やめてよもう……」ハハ

歩夢「……ねぇ侑ちゃん」

侑「なに?」

歩夢「さっきいった"そんなこと"って、どんなこと?」ニコ

侑「……へ?」

256: 2021/01/15(金) 00:26:03.30 ID:zN+BdELw
歩夢「侑ちゃんはどんなこと想像したのかな?」

侑「あ、歩夢……?何を言って」

歩夢「……例えば」グイッ

侑「えっ」


ドサッ


歩夢「こんな状態、だったりするのかな……?」

侑「!?」

侑(あ、歩夢の上に覆い被さる形に……!)

歩夢「侑ちゃん……」ジッ

侑「!」ドキッ

257: 2021/01/15(金) 00:36:11.97 ID:zN+BdELw
歩夢「……ね、どういうこと思い浮かべたのかな?」

侑「あ、歩夢……」

歩夢「教えて……?」ジッ

侑「っ」ドキッ


侑(な、なにこれ、歩夢どうしちゃったの!?)

歩夢「……」ジッ

侑(そんな潤んだ瞳で人のこと見上げる歩夢なんて!私知らないよ……!)

侑「え、と……」ドキドキ

歩夢「侑ちゃん……」

侑「い、いや私は……」ドキドキ

歩夢「……」

侑「~っ!!」



歩夢「……ふふ」クスッ

侑「!」

258: 2021/01/15(金) 00:47:02.30 ID:zN+BdELw
歩夢「ね、侑ちゃん」ジッ

侑「な、なに……?」

歩夢「目、ちゃんと覚めた?」

侑「え?」

歩夢「……」ニコニコ

侑「……っ!も、もうだから冗談はやめてってば!」バッ

歩夢「ふふ、だって侑ちゃん可愛い反応するから」クスクス

侑「~っ!なんか変だよ歩夢!」

歩夢「……そう?」

侑「いつもならこんなことしないのに!」フイッ

歩夢「そうかなぁ」アハハ

侑「そうだよ!幼馴染の私が言うんだから間違いないよ!」

歩夢「そっかぁ……じゃあ」



歩夢「本当に変になっちゃったのかも、ね?」ニコ

260: 2021/01/15(金) 00:56:08.09 ID:zN+BdELw
侑「え?」

歩夢「……なんてね」

歩夢「冗談はおしまい!さっ、学校行く準備しよっか」ニコ

歩夢「侑ちゃんが起きたって、侑ちゃんのお母さんに伝えてくるね」

侑「う、うん」



~侑の部屋の外~



歩夢「……ふぅ」


歩夢(き、緊張した……!)ドキドキ

歩夢(侑ちゃんにあんなこと、初めてしたよ……!)カァァァ

歩夢「うぅ……」ドキドキ

歩夢(……でも、私だけじゃなくて────)


───────


侑「え、と……」ドキドキ


侑「い、いや私は……」ドキドキ


侑「〜っ!!」


───────


歩夢(────侑ちゃんもドキドキ、してくれてたよね?)

262: 2021/01/15(金) 01:04:19.71 ID:zN+BdELw
歩夢(侑ちゃんがもし本当にせつ菜ちゃんのことを好きで付き合ってるなら)

歩夢(私に向けてあんな顔したりしないよね……?)

歩夢(侑ちゃん、やっぱりせつ菜ちゃんのことは本気じゃないんじゃないかな……?)

歩夢(せつ菜ちゃんに付き合ってくださいってお願いされたら付き合ってるだけなんじゃないかな……?)

歩夢(もし、もしもそうだとしたら)



@cメ*◉ ᴗ ◉リ侑ちゃんを私のモノにするチャンスは、大いにあるってことだよね……!

263: 2021/01/15(金) 01:14:59.34 ID:zN+BdELw
>>262
すみません、以下訂正です

×歩夢(せつ菜ちゃんに付き合ってくださいってお願いされたら付き合ってるだけなんじゃないかな……?)

◯歩夢(せつ菜ちゃんに付き合ってくださいってお願いされたから付き合ってるだけなんじゃないかな……?)


──────


~登校中~


歩夢「侑ちゃんっ」

侑「ん?」

歩夢「手、繋いで歩いてもいいかな?」ニコ

侑「うん、いいよ」ギュッ

歩夢「えへへ……」ギュッ


歩夢(……ほら、やっぱり)

歩夢(付き合ってる人がいるなら、他の人とこんなことしたりしないよね?)

歩夢(侑ちゃんはやっぱりせつ菜ちゃんのことなんてなんとも────)


侑「……あっ」

歩夢「?」

侑「ごめん歩夢、やっぱり手繋ぐのなしで」パッ

歩夢「……え?」

264: 2021/01/15(金) 01:21:05.32 ID:zN+BdELw
歩夢「な、なんで……?」

侑「……私、せつ菜ちゃんと付き合ってるじゃん?だから、他の人とこういうことするのはよくないかなって」

侑「相手が歩夢だったからさ、ついいつものノリで自然と繋いじゃった」アハハ

歩夢「……そっ、か」

侑「うん、ごめんね」

歩夢「ううん……私こそ、配慮が足りてなかったから」

歩夢「ごめん、ね……?」

侑「大丈夫、うっかりしてた私が悪いからさ」

侑「いや~でもそっかぁ……これから歩夢と手繋いだりするのも控えなくちゃだなぁ」アハハ

歩夢「!」

265: 2021/01/15(金) 01:31:40.21 ID:zN+BdELw
歩夢「それ、は……」

侑「そしたら腕組みとか……あ、ハグとかもダメなのかな?」

歩夢「……」

侑「どこまでセーフでどこまでアウトなんだろ?私そういうのあんまり気にしてこなかったからなぁ」ムムム

歩夢「…………」

侑「そうだ!ね、歩夢はどう思う?」

歩夢「……なにが?」

侑「その、恋人以外の人とやることについて、かな?どこまでセーフでどこからアウトなのかなって」

歩夢「恋人以外、と……?」

侑「そうそう!」

侑「ほら、私わりと皆にくっついたりくっつかれたりしがちな感じあるからさ!その辺りのラインを決めとかないと今後色々とアレかなって」アハハ

歩夢「……そう、だね」

歩夢「私は……」

266: 2021/01/15(金) 01:40:33.91 ID:zN+BdELw
歩夢(もし、私が侑ちゃんの恋人なら)

歩夢(……手を繋ぐなんて絶対にやってほしくない)

歩夢(当然腕組みもダメ、ハグなんて以ての外で……それだけじゃない)

歩夢(私以外の誰かが、侑ちゃんの隣にいるのも嫌)

歩夢(侑ちゃんの笑顔が別の誰かに向けられるのも嫌)

歩夢(侑ちゃんのそばに誰も近寄って来てほしくない)

歩夢(誰かがそばにいたら、優しい侑ちゃんはきっと誰にでも優しくしてしまうから)

歩夢(そしたら、いつ誰が侑ちゃんのことを好きになるかわからない)

歩夢(……今のせつ菜ちゃんみたいに)

歩夢(だから)

歩夢(だから、私だけの侑ちゃんでいてほしい)

歩夢(他の誰のことも見ないで、私だけを見ていてほしい)

歩夢(……なんて)



歩夢(言えるわけ、ないよね)

267: 2021/01/15(金) 01:49:11.41 ID:zN+BdELw
侑「歩夢?」

歩夢「!」

侑「どうしたの?」

歩夢「……ううん、なんでもないよ」ニコ

侑「そう?」

歩夢「うん……さっきの質問の答え、だけど」

歩夢「侑ちゃんの意見と、せつ菜ちゃんの意見を擦り合わせて見たらいいんじゃないかな?」

侑「せつ菜ちゃんと?」

歩夢「……私に恋人がいたら、相手に相談したかなって思って」

侑「なるほど……」

歩夢「……」

侑「確かにそうだね!うん、せつ菜ちゃんに相談してみるよ!」

歩夢「……うん」

侑「いや~さすが歩夢だなぁ」

歩夢「そんなこと……」ハハ



歩夢(何を笑ってるの、私……!)

268: 2021/01/15(金) 01:57:38.41 ID:zN+BdELw
歩夢(こんなんじゃダメだよ……!これじゃ侑ちゃんはせつ菜ちゃんの元に向かっちゃう……!)

歩夢(侑ちゃんを私のモノにするんでしょ!?)

歩夢(だったら!もっと、もっと攻めなきゃ……!)

歩夢「……っ」ゴクリ

歩夢「で、でもっ」


ギュッ


侑「!」

歩夢「……っ」ギューッ

侑「あ、歩夢、だから手は繋いじゃ……」

歩夢「恋人じゃなくてっ」

侑「?」

歩夢「幼馴染の、私としては……」



歩夢「侑ちゃんと手を繋げなくなるの、寂しいよ……」ギュッ

侑「っ」ドキッ

269: 2021/01/15(金) 02:04:38.80 ID:zN+BdELw
歩夢「今までずっと、手を繋いだり」

歩夢(そうだよ)

歩夢「腕を組んで登下校したり」

歩夢(もっと)

歩夢「たまにハグしたり」

歩夢(もっと攻めるんだ)

歩夢「そうやって過ごしてきたんだもん」

歩夢(他の誰からどう思われたっていい)

歩夢「侑ちゃんに恋人ができたからって、いきなりそれが全部できなくなるのは」

歩夢(侑ちゃんさえいれば、私は)



歩夢「私、寂しいよ……!」グスッ

歩夢(他のモノなんて、何もいらないんだよ……!)

270: 2021/01/15(金) 02:17:23.52 ID:zN+BdELw
侑「あ、歩夢……」

歩夢「……ごめん、ね」グスッ

歩夢「なんか、涙出ちゃった」ニコ

侑「……っ」

歩夢「……いきなり、手繋いだりしてごめんね」パッ

侑「あっ」

歩夢「さっきはああいう風に言ったけど」クルッ

歩夢「私の寂しさなんて、侑ちゃんは考えなくても大丈夫だから」

侑「な……っ!」

歩夢「だから、侑ちゃんはちゃんとせつ菜ちゃんと……」

歩夢「……」グスッ

侑「!」

歩夢「ご、ごめんね、すぐに泣き止むから……」ゴシゴシ

侑「歩夢……」

歩夢「えへへ、こんなこと言われても、侑ちゃん困っちゃうよね」

侑「……私、は」

歩夢「……うん、大丈夫……涙は止まったから」

歩夢「さっ、学校行こっか!早くしないと遅刻しちゃ」



侑「待ってよ!」ギュッ

歩夢「!」

271: 2021/01/15(金) 02:27:10.31 ID:zN+BdELw
歩夢「……侑ちゃん?どうしたの?」

侑「……」ギュッ

歩夢「さっき、手繋いじゃダメって」

侑「歩夢」

歩夢「!」

侑「私、まだ何も言ってないよ」

歩夢「侑ちゃん……」

侑「……私、歩夢の気持ち全然考えられてなかったね」

歩夢「そんな……そんなこと」

侑「あるよ」

侑「そうじゃなきゃ、歩夢のこと泣かせたりなんてしてない」

歩夢「……」

侑「……と思う」

歩夢「そっか」クスッ

侑「実際、私もその……」



侑「歩夢と手繋いだりできなくなるの、寂しいなって思ったし」

歩夢「!!」

273: 2021/01/15(金) 02:33:32.84 ID:zN+BdELw
歩夢「……そうなんだ」

侑「うん……なんというか、その」

侑「歩夢にそう言われるまで、現実味がなかったというか」

侑「実際に人とちゃんと付き合うってこともまだよくわかってなくて」

歩夢「……そっか」

侑「だから、その」

歩夢「ねぇ侑ちゃん」

侑「……なに?」

歩夢「一つ、聞いてもいいかな」

侑「?うん」



歩夢「どうして、せつ菜ちゃんと付き合ったの?」

274: 2021/01/15(金) 02:49:24.69 ID:zN+BdELw
侑「え?どうしてって……」

歩夢「うん、教えてほしいな」

侑「……それは、せつ菜ちゃんに告白されて」

歩夢「うん」

侑「私がそれにOKを出して」

歩夢「そこだよ」

侑「え?」

歩夢「どうして、OKを出したのかなって」

歩夢「同好会の皆の前で付き合い出したことを報告したときも、それについては特に何も言ってなかったでしょ?」

歩夢「だから、その理由を教えてほしいなって」

侑「理由、って……」

歩夢「うん、だって大事じゃない?どうしてお付き合いを始めたのか、って」

侑「それは、そうだけど」

歩夢「……そうだよね、そう簡単に人に教えるものじゃないよね」

歩夢「"ただの幼馴染"の私に、そこまで話す義理はないもんね……」

侑「!」

歩夢「ごめんね、変なこと聞いて?」

歩夢「侑ちゃんにとっては大事なことなのに……"私なんか"にそんな大事なこと話せないよね」

侑「っ!」

歩夢「もう、手も離していいからさ、だから」

侑「話すよ」

歩夢「!」

275: 2021/01/15(金) 02:55:28.91 ID:zN+BdELw
侑「ちゃんと話すよ」

歩夢「……いいの?」

侑「うん……だから」

侑「"ただの幼馴染"とか"私なんか"とか、そんな自分を下げるような言い方はしないで」

侑「……私も、悲しくなるから」

歩夢「……うん、ごめんね」

侑「ううん、今思えば歩夢にちゃんと話してなかった私も悪いなって」

侑「歩夢は"大事な幼馴染"なのにね」アハハ

歩夢「……っ」ズキッ

276: 2021/01/15(金) 03:03:51.91 ID:zN+BdELw
侑「……それじゃあ、話すね」

歩夢「……うん」

侑「前に歩夢に先に帰っててほしいって言った日あるでしょ?実はあのときせつ菜ちゃんに呼び出されててさ」

歩夢「……そうなんだ」

侑「で、そのときは何かの相談かな?と思って話を聞きに行ったんだけど」

侑「呼び出された場所に行ったら、なんだか凄い緊張してそうなせつ菜ちゃんがいてさ」

侑「そんなに凄い話なのかなと思ってこっちも身構えてたんだけど」

侑「……特に回りくどい前置きもなく、どストレートにその場で告白されたんだ」

歩夢「……っ、それで」

歩夢「侑ちゃんは、どう、思ったの……?」

侑「……私は」



侑「凄い、嬉しいなって思ったんだ」

277: 2021/01/15(金) 03:12:22.70 ID:zN+BdELw
歩夢「……嬉しい?」

侑「うん」

侑「だって、あのせつ菜ちゃんがだよ!?最初は私なんかのことを!?もしかしてドッキリか何か!?ってびっくりしたもん!」

歩夢「……それは」

侑「でも、せつ菜ちゃんの真剣そうな表情を見てたらさ、あぁこれはドッキリでもなんでもなく本当に正真正銘本気の告白なんだなって気づいて」

歩夢「……それで?」

侑「……まず最初は凄いな、嬉しいなって思って」

侑「で、次に私のことをこんな風に好きになってくれる人がいるんだってことにドキドキして」

侑「こんなど直球の告白ができるせつ菜ちゃんカッコいいなって思って」

侑「それで……」



侑「そんなせつ菜ちゃんとお付き合いできたら、きっと楽しいだろうなって」

歩夢「……楽しい?」

278: 2021/01/15(金) 03:22:52.39 ID:zN+BdELw
侑「うん!」

侑「歩夢は当然知ってるだろうけど、私今まで誰かとそういう風に付き合ったりしたことなかったからさ」

侑「ほら、これまで恋愛とかに全然縁がない学生生活だったじゃん?」アハハ

歩夢「……そう、だね」

侑「だからそういうことやってみるのも楽しそうだなって!」

侑「そりゃもちろん全然知らない人からいきなり告白!とかだったら断ってただろうけど……」

侑「せつ菜ちゃんだったら全然アリというかむしろめちゃくちゃ良いよねって思って!」

歩夢「……」

歩夢「侑ちゃんは、さ」

侑「ん?」



歩夢「女の子同士だから……とか、考えたりしなかった?」

侑「えっ……?」

280: 2021/01/15(金) 03:31:57.83 ID:zN+BdELw
歩夢「ほら、だって世間的には、その……」

侑「……んー」

侑「なるほど、言われてみれば確かに」ムムム

歩夢「っ、な、なら」

侑「なんかあれだね……そういうことよりも、せつ菜ちゃんに告白されて嬉しいって気持ちの方が勝ってたというか」

侑「女の子同士の問題とか意識してなかったな」アハハ

歩夢「……そ、それって」

侑「あっいや、あれだよ!?別に私女の子なら誰でもOKとかじゃないからね!?」

侑「あくまでせつ菜ちゃんに告白されたときに意識しなかったっていうだけであって、私自身が女の子好きってわけじゃないから!」

歩夢「……っ、それ、は」

侑「……いや、どうなんだろ?意外と女の子好きだったりするのか私……?」

侑「確かに今まで男の子をそういう目で意識したことは」

歩夢「ゆ、侑ちゃん!」

侑「!」

歩夢「け、結局さ、それって」



歩夢「せつ菜ちゃんのこと、好きだから付き合ったわけじゃないってこと……?」

281: 2021/01/15(金) 03:38:52.57 ID:zN+BdELw
侑「えっ……」

歩夢「だって、侑ちゃんさっきから告白されて嬉しいとか付き合ったら楽しそうってことばかりで……実際にせつ菜ちゃんのことどう思ってるのかちゃんと言ってないよ……?」

侑「それは、だから全然アリというかむしろめちゃくちゃ良いよねって」

歩夢「……それって恋人としての"好き"ってことなの?」

侑「うっ……」

歩夢「どうなの……?」

侑「うーん……」

歩夢「……」

侑「……」



侑「……正直言うと、まだよくわからない、かな」

歩夢「!!」

282: 2021/01/15(金) 03:47:39.49 ID:zN+BdELw
侑「あっこれは好きじゃないって言ってるわけじゃなくてね!?」

侑「せつ菜ちゃんのことはカッコいいし可愛いし素敵だなって思ってるし一緒にいて楽しいしこれからもっともっと楽しくなっていくんだろうなって思ってるよ!」

歩夢「……っ」

侑「……そういう風に思ってる、けど」

侑「でも、それを恋人としての"好き"って呼んでいいのか」

侑「自分では、まだはっきりとわからなくて……」

歩夢「……」

侑「だって、こんなの初めてだから」

侑「人から特別な意味で"好き"って言われるのも、恋人として誰かと付き合うのも」

侑「ドラマとか映画、マンガやアニメではそういうの見たことあるけどさ」

侑「自分自身で経験するのは初めてだから……」



侑「……だから、まだわからない、って言うのが正しいかな」

歩夢「……そっ、か」

283: 2021/01/15(金) 03:56:20.08 ID:zN+BdELw
歩夢(……これは)

侑「私は、こんな感じだけど」

歩夢(この状態なら、まだ)

侑「せつ菜ちゃんは、私のことを……恋人としての意味で"好き"ってちゃんと言ってくれたから」

歩夢(侑ちゃんの気持ちが向いている先は)

侑「だから」



侑「私も、せつ菜ちゃんのことそういう意味でちゃんと好きになれたらいいなって、思ってるよ……!」

歩夢(完全にせつ菜ちゃんに定まったわけでは、ない……!!)

284: 2021/01/15(金) 04:05:56.42 ID:zN+BdELw
歩夢(なら、私がすべきことは……)



歩夢「……侑ちゃん」クルッ

侑「?」

歩夢「話してくれてありがとう」ニコ

侑「う、うん」

侑「なんか、はっきりしてなくてごめんね」

歩夢「ううん、そんなことないよ」

歩夢「告白されたからってそんなすぐに気持ちがはっきりするわけじゃないし」

歩夢「焦らなくても大丈夫」

歩夢「侑ちゃんのペースで、少しずつ進んでいけばいいんだから」

歩夢「ね?」ギュッ

侑「歩夢……!」

歩夢「せつ菜ちゃんのこと"まだ"好きじゃなくたっていいと思うよ」

歩夢「……告白してくれたから付き合おうって思うのも、変なことじゃないと思うし」

歩夢「侑ちゃん自身の気持ちを大事にしてあげて?」

侑「……うん!」

286: 2021/01/15(金) 04:21:05.93 ID:zN+BdELw
侑「……歩夢」

歩夢「なぁに?」

侑「ありがとね、話聞いてくれて」

侑「歩夢に話したら少し気持ちが楽になったというか……」

侑「これでいいんだって自信が持てたよ!」

歩夢「……そっか」ニコ

侑「やっぱり、私歩夢がいないとダメだな~」

歩夢「……っ」

侑「……って、せつ菜ちゃんと付き合ってるのにこういうこと言っちゃダメだよね」

侑「ホントに、こういうところがダメなんだろうなぁ私」アハハ

歩夢「……ぁ」

歩夢「っ……!」


ギュッ


歩夢「……そう、だよ」ドッドッドッ

侑「?歩夢、ちょっと強く握りすぎ」

歩夢「侑ちゃん、鈍感すぎるんだもん……!!」ガバッ

ギューッ

侑「あ、歩夢!?」

287: 2021/01/15(金) 04:35:49.03 ID:zN+BdELw
歩夢(心臓が、やけにうるさい)

歩夢「侑ちゃん、さっき恋愛に全然縁がなかったって言ってたよね」ドッドッドッ

侑「え、う、うん……」

歩夢(今からやろうとしていることに、抵抗しようとしてるのかな)

歩夢「それが、実は侑ちゃんが気づいてなかっただけって言ったら……驚く?」ドッドッドッ

侑「え?ど、どういうこと?」

歩夢(でも、勝負を仕掛けるなら)

歩夢「私、侑ちゃんのこと好きだった人達、たくさん知ってるよ」ドッドッドッ

侑「え!?な、なにそれ?しかもたくさん!?」

歩夢(今……!)

歩夢「幼稚園に通ってた頃も、小学生、中学生、高校生になってからだって……侑ちゃんのこと好きな人はいつだっていたよ」ドッドッドッ

侑「えぇ!?本当に!?どうして言ってくれなかったの!?」

歩夢「だって、私は────」



歩夢「────侑ちゃんのこと、ずっとずっと特別な意味で好きだったから」

歩夢「だから、他の人に侑ちゃんを渡すようなこと、したくなかったんだよ……!!」ギュッッ

歩夢(ここしか、ない……!!)

288: 2021/01/15(金) 04:52:17.69 ID:zN+BdELw
侑「……え?」

歩夢「ねぇ侑ちゃん」ドッドッドッ

歩夢(心臓が、はち切れそうなくらい暴れてる)

侑「え、歩夢、待って」

歩夢「さっき、告白されたとき嬉しかったって言ってたよね」

侑「あゆ」

歩夢「ドキドキしたって、言ってたよね」

侑「……っ」

歩夢「女の子同士なんて、意識しなかったって、言ってたよね……!」

歩夢(このまま、もし破裂したらどうなるかな)

歩夢「ねぇ、侑ちゃん」

歩夢(もし破裂して私が死んだら)

歩夢「私、ずっと前から侑ちゃんのことが好きで……それでね」

歩夢(侑ちゃん、あなたは)

歩夢「侑ちゃんがせつ菜ちゃんと付き合った今でも」



歩夢「まだ、侑ちゃんのこと好きなんだよ……!!」ギュッッ

歩夢(私の為に、泣いてくれるのかな)

296: 2021/01/15(金) 22:28:30.56 ID:zN+BdELw
侑「────」


侑(歩夢が、私のことを、特別な意味で好き?)

侑(ずっと前からって、一体いつから?)

侑(いや、それよりも)

侑(今でも?せつ菜ちゃんと付き合ってからも?)

侑(それじゃ────)


───────


歩夢「せつ菜ちゃんとの時間、大切にしてあげて?」

歩夢「せっかく付き合ったんだから、帰り道くらい二人で帰りなよ」

歩夢「侑ちゃん」

歩夢「ね?」


───────


侑(────あのときも?)

299: 2021/01/15(金) 22:41:43.47 ID:zN+BdELw
侑「そん、な」

侑(歩夢は、一体)


───────


侑「えぇ〜?も〜歩夢がいじめてくるよせつ菜ちゃーん」ギュッ

せつ菜「わわっ、ゆ、侑さんってば」

侑「えへへ」ニコニコ


───────


侑(どんな気持ちで見ていたのだろう)


───────


侑「……私、せつ菜ちゃんと付き合ってるじゃん?だから、他の人とこういうことするのはよくないかなって」

侑「相手が歩夢だったからさ、ついいつものノリで自然と繋いじゃった」アハハ


───────


侑(どんな気持ちで聞いていたのだろう)


───────


侑「歩夢は"大事な幼馴染"なのにね」アハハ


───────


侑("大事な幼馴染")

侑(私にとってはかけがえのない存在を意味する言葉)

侑(それを、歩夢は)



侑(一体、どんな風に受け取っていたのだろう)

300: 2021/01/15(金) 23:10:46.75 ID:zN+BdELw
歩夢「────」ギュッ


────私を抱き締める力が、強まるのを感じる


歩夢「────」ドッドッドッ


────押しつけられた胸の奥から、強く高鳴る鼓動が聴こえてくる


歩夢「────」モゾ


────首元に擦り寄せられた頬が、熱を帯びているのが伝わってくる


侑「……歩夢」

歩夢「……なに?」


────首に当たる吐息が、なんだかこそばゆくてくすぐったい


侑「顔、見せてよ」

歩夢「……やだ」


────いつもより幼く聴こえるのは、弱々しく震えている声のせいかな


侑「……どうして?」

歩夢「……だって」


────なんでだろう


歩夢「こんな、顔」


────私、今


歩夢「侑ちゃんに、見せられないよ……!」


────歩夢に、すっごくときめいてる……!

302: 2021/01/15(金) 23:40:34.45 ID:zN+BdELw
侑「ねぇ、歩夢」

歩夢「……」

侑「……答えなくてもいいよ」

侑「でも、ちゃんと聞いててね」

歩夢「……」コクリ


侑「……私ね、本当にまだ恋人としての"好き"がわからないの」

侑「だから、歩夢に……特別な意味で、ずっと好きだったって言われて」

侑「凄く、本当にびっくりするくらい、驚いてる」

侑「だって、私にとっての歩夢は"大事な幼馴染"……ずっとそばにいてくれた、かけがえのない存在で」

侑「だけど、そういう風に意識したことはなかったから」

侑「本当に、信じられないくらいびっくりしてて」

侑「今だって、まだ飲み込みきれてないくらいで」

侑「……っ」

侑「でも、でもね」

侑「鈍感で、歩夢がいなかったらダメダメな私だけど……それでも」

侑「歩夢の"好き"は、ちゃんと伝わったよ……!」

侑「その証拠にほら、聴こえる……?」


ドッドッドッ


侑「……私の心臓も、すっごいドキドキしてるでしょ?」

歩夢「……!」

303: 2021/01/15(金) 23:50:11.47 ID:zN+BdELw
侑「……どうしよう」

歩夢(……きた)

侑「私、今せつ菜ちゃんと付き合ってるのに」

歩夢(きた)

侑「なのに」

歩夢(きた……!)



侑「歩夢に、すっごいときめいちゃってる……!」ドッドッドッ

@cメ*◉ ᴗ ◉リ侑 ち ゃ ん を 私 の モ ノ に す る チ ャ ン ス が !

305: 2021/01/16(土) 00:08:27.40 ID:TiOedL79
歩夢(侑ちゃんはまだせつ菜ちゃんを恋人として"好き"なわけではない)

歩夢(あくまで素敵な人だから、付き合ったら楽しそうだから、告白されて嬉しかったからという動機で告白を受け入れた)

歩夢(それなら、ずっとそばにいた"大事な幼馴染"という……世界に一人しかいない大切な存在である私からずっと好きだったと告白されたら?)

歩夢(……正直、ここに関しては賭けだった)

歩夢(ただの幼馴染にしか見れない、そう言われて切り捨てられる可能性もあった)

歩夢(でも)


侑「────」ドッドッドッ


歩夢(侑ちゃんは、私の告白にもちゃんとときめいてくれた……!)

歩夢(それなら、後は)



歩夢(侑ちゃんの気持ちを、完全に私の方へ向かせるだけ……!!)

309: 2021/01/16(土) 00:17:44.89 ID:TiOedL79
歩夢「……侑ちゃん」

侑「!」

歩夢「質問、してもいいかな」

侑「……うん、いいよ」

歩夢「……侑ちゃんが今感じてくれてるときめきは」



歩夢「せつ菜ちゃんに告白されたときと、同じものかな……?」ギュッ

侑「えっ」

311: 2021/01/16(土) 00:28:35.62 ID:TiOedL79
歩夢「どう……?」

侑「それ、は……」

侑「……」

歩夢「……ゆっくりで、大丈夫だよ」

歩夢「侑ちゃんのペースで、大丈夫だから」

歩夢「だから、聞かせてほしいな」ギュッ

侑「……っ、うん」

侑「そうだね……」

侑「告白については、正直びっくりしたっていうのが一番大きい、けど」

歩夢「……」

侑「……でも、歩夢が私のことを特別に想ってくれてるっていうのは」



侑「凄く、嬉しかったよ」

歩夢「……!」

313: 2021/01/16(土) 00:44:53.30 ID:TiOedL79
侑「……それとね」

侑「私のせいで、歩夢のこといっぱい傷つけちゃったんだろうな、って」

歩夢「……それは」

侑「だって、私歩夢の前でせつ菜ちゃんに抱きついたりしてたし」

侑「手繋いだりするのもやめようかなんて言ったりして」

侑「もしかしたら、私が気づいてないだけで他にもたくさん……!」

歩夢「侑ちゃん」スッ

侑「歩夢……?」

歩夢「大丈夫だよ」

歩夢「私の気持ちを知らなかったんだから、そんなの当たり前だよ」

歩夢「侑ちゃんは悪くない」

歩夢「だから気にしないで」

歩夢「ね?」

侑「歩夢……」



侑「歩夢は、ホントに優しいね……」

歩夢「……そんなこと、ないよ」ニコ

314: 2021/01/16(土) 00:54:10.76 ID:TiOedL79
歩夢「続き、聞かせて?」

侑「うん」コクリ

侑「……それで」

侑「私を抱き締める力の強さとか」

侑「心臓が凄くドキドキしてることとか」

侑「顔も凄く熱くなってるのとか」

侑「声が震えちゃってるのとか」

侑「全部……全部私を好きでいてくれるからなのかな、って思ったら」

侑「そしたら……」

侑「……」



侑「すっごく、ときめいちゃってたんだ」カァァァ

315: 2021/01/16(土) 01:01:38.89 ID:TiOedL79
歩夢「……ふふ」

侑「な、なに?」

歩夢「……侑ちゃんも、顔真っ赤で可愛いなって」

侑「なっ!」カァァァ

歩夢「あっ、さえぎちゃってごめんね」

歩夢「続けて?」ニコ

侑「も、もう歩夢ってば……」

侑「……こほん」

侑「それでね、このときめきがせつ菜ちゃんと同じかっていうと」

侑「……」



侑「たぶん、違うんじゃないかな、って思う」

317: 2021/01/16(土) 01:12:57.62 ID:TiOedL79
歩夢「……どういうことか、詳しく聞いてもいい?」

侑「えっと、ね」

侑「なんというか……」

侑「せつ菜ちゃんに感じたときめきは『うおー!凄い!嬉しいな!』って感じで」

侑「テンションが上がるっていうか……盛り上がる?感じだったんだけど」

侑「歩夢に感じたときめきは『え!ホントに!?嬉しい!でも、どうしよう……?』って感じで」

侑「なんだろう、どうしたらいいかわからないっていうか……戸惑う?感じで」

侑「今もドキドキしてるけど、でも……」

侑「……っ」

侑「ごめんね、何か煮え切らない感じの答えで……」アハハ

歩夢「……ううん」



歩夢「侑ちゃんなりに、しっかり答えようとしてくれて……嬉しかったよ」

歩夢「ありがとう」ニコ

侑「っ」ドキッ

319: 2021/01/16(土) 01:17:35.82 ID:TiOedL79
侑「な、ならよかったよ」フイッ

歩夢「……侑ちゃん?」

侑「な、なに……?」

歩夢「どうして、顔を背けてるの?」

侑「えっ、こ、これは」

歩夢「……」ギュッ

侑「っ」

歩夢「……侑ちゃんの心臓」

侑「!」


ドッドッドッ


歩夢「……すっごく、ドキドキしてるね?」

侑「なっ!?」

322: 2021/01/16(土) 01:27:29.29 ID:TiOedL79
歩夢「ね、侑ちゃん」

歩夢「これって、どういう意味でドキドキしてるのかな」

歩夢「教えてくれる?」ニコ

侑「い、いやこれは……」ドキドキ

歩夢「侑ちゃん」ギュッ

侑「っ!」

歩夢「どんな答えでも、侑ちゃんのこと怒ったりしないから」

歩夢「だから、安心して」

侑「うっ、で、でも」チラ

歩夢「ね?」ニコ

侑「う……」フイッ

歩夢「……」

侑「で、でも、これは……」

歩夢「……そっか」パッ

侑「あ、歩夢……?」



歩夢「ごめんね、気づかなくて」クルッ

歩夢「私、調子に乗りすぎちゃったんだよね?」

侑「えっ」

323: 2021/01/16(土) 01:34:53.07 ID:TiOedL79
歩夢「侑ちゃんが嫌がってるのに無理矢理聞き出そうとして……」

侑「あ、いや……」

歩夢「ごめんね、もう聞いたりしないから」ニコ

侑「!」

歩夢「……学校、行こっか」タッ

侑「っ……」ダッ


ギュッ


歩夢「!」

侑「ま、待ってよ……!」

侑「ちゃんと、ちゃんと言うから……!」

侑「だから……!」

歩夢「……だから?」

侑「そ、そんな寂しそうな笑顔しないでよ……」

侑「私、歩夢の笑ってる顔が好きだから……!」

歩夢「!」ドキッ

325: 2021/01/16(土) 01:42:25.03 ID:TiOedL79
侑「だから……!」

歩夢「……侑ちゃん」クルッ

侑「!」

歩夢「ごめんね、ちょっと意地悪しちゃった」

侑「あ、歩夢……」

歩夢「許してくれる?」ニコ

侑「!……う、うん」フイッ

歩夢「あ、また顔!」

侑「だ、だって……!」

歩夢「……話してくれるんだよね?」

侑「……うん」

侑「あの、笑わないで聞いてね……?」

歩夢「うん」

侑「その、ね……」


侑「今まで、そういう風に思わなかったのに」

侑「むしろ見たら安心してたのに」

侑「……」

侑「今、は」

侑「歩夢の笑顔を見ると、ドキッとしちゃって」

侑「その……」



侑「まともに、直視できないなって……」カァァァ

326: 2021/01/16(土) 01:46:55.82 ID:TiOedL79
歩夢「えっ」

侑「……」カァァァ

歩夢「……本当に?」

侑「……」コクリ

歩夢「ほ、本当の本当に?」

侑「こ、ここで嘘つく理由、ないでしょ……」

歩夢「……そっ、か」

歩夢「……」



歩夢「それなら、嬉しい、な」カァァァ

侑「!」ドキッ

329: 2021/01/16(土) 02:03:19.54 ID:TiOedL79
侑(歩夢、顔真っ赤だ)

侑(私が、歩夢の笑顔を直視できないって言ったから?)

侑(……なんだろう)

侑(今、すっっっごく!!)

侑(歩夢が、可愛く見える……!!)

侑(いや今までの歩夢だって可愛いんだけどさ)

侑(なんか、可愛さの種類が違うっていうか)

侑(凄く……特別な感じがする……!)

侑(……でも、私は今は────)



歩夢(侑ちゃん、私の笑顔を直視できないって)

歩夢(……それって、私のことを意識してくれてるってことだよね?)

歩夢(本当の本当に……あの侑ちゃんが、私でドキドキしてくれてるんだ!)

歩夢(嬉しい、すっごく嬉しいな……!)

歩夢(このまま上手くいけば、本当に私のことを……)

歩夢(……でも、それには────)



侑(────せつ菜ちゃんと、付き合ってるんだよね)

歩夢(────せつ菜ちゃんと、別れてもらう必要があるんだよね)

331: 2021/01/16(土) 02:13:09.72 ID:TiOedL79
ゆうぽむ「……あの」

ゆうぽむ「!」

侑「あ、歩夢先に言っていいよ!」

歩夢「いや、侑ちゃんが先に!」

侑「い、いやいや歩夢が先に!」

歩夢「侑ちゃんが先!」

侑「歩夢!」

歩夢「侑ちゃん!」

ゆうぽむ「……」ムムム

ゆうぽむ「……」

侑「……ぷっ」

歩夢「……ふふ」

侑「なにこれ、何の譲り合いなの」アハハ

歩夢「だって侑ちゃんが譲らないから」クスクス

侑「それは歩夢もでしょ~?」

歩夢「まあそうだけど」フフ

ゆうぽむ「……」



侑「先に言っても、いい?」

歩夢「うん、いいよ」

332: 2021/01/16(土) 02:25:53.31 ID:TiOedL79
侑「……せつ菜ちゃんの、ことなんだけど」

歩夢「!う、うん」

侑「歩夢に告白されて、私嬉しかったしドキドキしたよ」

侑「それで、今も歩夢にドキドキしてる」

侑「……けどね」

侑「私は、今はせつ菜ちゃんと付き合ってる」

歩夢「……でも、それは」

侑「歩夢」

歩夢「!」



侑「最後まで、聞いてほしいな」

歩夢「……うん」

侑「ありがとう」ニコ

334: 2021/01/16(土) 02:34:14.32 ID:TiOedL79
侑「……それでね」

侑「せつ菜ちゃんから告白されたときも、私嬉しかったしドキドキしたんだ」

侑「そのとき感じたときめきは、歩夢のときとは種類が違うかもしれないけど」

侑「それでも、せつ菜ちゃんの"好き"に応えたいなって思ったのは確かで」

侑「せつ菜ちゃんを恋人として好きになりたいっていう気持ちが私の中に生まれたのも確かで」

侑「そしてその想いは」

侑「確かに今も、私の中にあるんだ」

歩夢「……」

侑「……だから、だからね」

侑「私、私は……」

侑「わた、し、は……」

侑「……」ゴクッ

侑「……すぅ……はぁ」

侑「────ッ」



侑「私は、歩夢とは付き合えない」

侑「歩夢の想いには応えられない」

侑「ごめんなさい……!!」バッ

340: 2021/01/16(土) 02:50:43.42 ID:TiOedL79
歩夢「────」


────目の前には、深々と頭を下げる侑ちゃん


侑「歩夢の気持ち、すっごく嬉しかったよ!」


────先程まで、胸に湧いていた高揚感は薄れ始めていて


侑「ホントに、私にはもったいないくらい……」


────その代わりか、全身の熱が全て私の脳味噌に集結したかの如く高速で稼働し始めていた


侑「でも、歩夢のことが大事なのは変わらないから……」


────ただ一つ、目指すべき未来へたどり着くにはどうしたらいいのか


侑「だから……」


────侑ちゃんを私のモノにする、ただその為だけに


侑「歩夢さえ良ければ……」


────だって私は



侑「これからも、"幼馴染"として仲良くしてもらえたら嬉しいな!」



────侑ちゃん以外、何もいらないんだよ?

341: 2021/01/16(土) 02:55:56.26 ID:TiOedL79
────"幼馴染"


歩夢「────ッ」


────その言葉を聞いた瞬間


歩夢「────ぁ」


────私の中を


歩夢「────ぁハ」


────再び、ドス黒い感情が


歩夢「────ぁハハ……ッ!」


────たっぷりと、満たし始めていた

344: 2021/01/16(土) 03:03:53.67 ID:TiOedL79
侑「歩夢……?」


────可笑しな笑い声を漏らした私を心配したのか、侑ちゃんの顔がこちらに向く


歩夢「ぁハハ、そっかぁ……」


────でも、ダメだ


侑「ど、どうしたの……?」


────一度壊れてしまった心は


歩夢「……ねぇ、侑ちゃん」

侑「な、なに?」


────どんな薬を処方しても


歩夢「振った女の子にそんなこと言うなんて」


────どう足掻いたとしても


歩夢「笑いのツボだけじゃなくて」


歩夢「恋愛に関しても、赤ちゃんなんだねぇ?」ポロポロ


────元に戻ることは、ない

348: 2021/01/16(土) 03:08:12.01 ID:TiOedL79
侑「歩夢……泣いて……!」

歩夢「ぁハ、あれ、なんで……?」ポロポロ

歩夢「私、泣くつもり、なんて……」ポロポロ

侑「……っ」

歩夢「待っててね、侑ちゃん」ポロポロ

歩夢「今、泣き止むから」ポロポロ

歩夢「だから」ポロポロ



歩夢「私のこと、嫌いにならないで、ね?」ニコ

侑「……!!」

349: 2021/01/16(土) 03:15:20.44 ID:TiOedL79
侑「違っ……!」


───────


侑「そ、そんな寂しそうな笑顔しないでよ……」

侑「私、歩夢の笑ってる顔が好きだから……!」


───────


侑「私、そんなつもりじゃ……!」


───────


侑「歩夢の笑顔を見ると、ドキッとしちゃって」

侑「その……」

侑「まともに、直視できないなって……」カァァァ


───────


侑「歩夢の……!」


───────


歩夢「……そっ、か」

歩夢「……」

歩夢「それなら、嬉しい、な」カァァァ


───────


侑「歩夢の泣き顔なんて、私は……!」

351: 2021/01/16(土) 03:21:15.11 ID:TiOedL79
歩夢「なんで、なんで止まらないの……?」ポロポロ

歩夢「早く、早く止めないと侑ちゃんに嫌われちゃうのに……」ポロポロ

歩夢「止まらない、よぉ……」ポロポロ

侑「……っ!」

歩夢「うぅ……」ポロポロ

侑「だ、大丈夫だよ歩夢!」

歩夢「ぇ……?」ポロポロ

侑「泣き止まなくても、私は歩夢のこと嫌いになったりしないから!」

侑「だから安心し」

歩夢「じゃあ」ポロポロ

歩夢「……それじゃあ、私のこと」ポロポロ



歩夢「好きに、なってくれる?」ニコ

侑「えっ……」

353: 2021/01/16(土) 03:26:46.98 ID:TiOedL79
侑「それ、は」

歩夢「……侑ちゃん?」ポロポロ

侑「っ、好き!好きだよ歩夢のこと!」

歩夢「えへへ、嬉しいなぁ」ニコ

侑「……ほっ」

歩夢「侑ちゃん、私のこと好きなんだね」グスッ

侑「……うん、好きだよ」

歩夢「えへへ、私も侑ちゃんのこと好きだよ」ニコ

歩夢「私達、両想いだね!」ニコニコ

侑「そ、そうだね」

歩夢「……それじゃあ」



歩夢「せつ菜ちゃんと、別れてくれるよね?」ニコ

侑「!?」

355: 2021/01/16(土) 03:36:57.62 ID:TiOedL79
歩夢「……別れて、くれないの?」グスッ

侑「そ、それとこれとは話が……!」

歩夢「え……?」ポロポロ

歩夢「じゃあさっき好きって言ってくれたのは、嘘だったの……?」ポロポロ

侑「う、嘘じゃないよ……!」

歩夢「じゃあ、なんでせつ菜ちゃんと別れてくれないの……?」ポロポロ

侑「それ、は」

歩夢「……」ポロポロ

侑「歩夢への好きと、せつ菜ちゃんへの好きは、違うモノだから……」

歩夢「何が違うの?」ポロポロ

侑「え……?」

歩夢「侑ちゃん、言ってくれたよね」ポロポロ

歩夢「私の告白、嬉しかったって」ポロポロ

歩夢「私の笑顔で、ドキドキしたって」ポロポロ

歩夢「私の、こと、意識してくれたんだよね」ポロポロ

歩夢「だったら」ポロポロ



歩夢「私とせつ菜ちゃんで、何が違うの……ッ!!」ポロポロ

侑「……っ」

357: 2021/01/16(土) 03:51:44.23 ID:TiOedL79
侑「私、は……」

侑「せつ菜ちゃんの、最初に知った"想い"を大事にしたくて……!」

歩夢「……ねぇ、侑ちゃん」グスッ

侑「な、なに?」

歩夢「私は、せつ菜ちゃんよりも……ううん、私達がせつ菜ちゃんと出会うよりもずっとずっとずっとずっとずっと」ポロポロ

歩夢「ずーっと前から」ポロポロ

歩夢「侑ちゃんのこと、好きだったんだよ」ポロポロ

侑「!」

歩夢「それでも、私が十数年ずっと大事にしてきた"好き"よりも」グスッ

歩夢「ここ数ヶ月か数週間かもわからないような……そんな短い期間でパッとせつ菜ちゃんの中に偶然生まれた"好き"を」ヒック

歩夢「ただ"先に伝えられた"っていう理由だけで、優先するんだね」グスッ

侑「……!」

歩夢「私の"想い"は、侑ちゃんにしてみればどうでもいいって」ポロポロ



歩夢「……そういうことだよね?」ニコ

侑「ッッ!!!」

359: 2021/01/16(土) 03:57:40.39 ID:TiOedL79
侑「違うッッッ!!!」

侑「歩夢の"想い"がどうでもいいなんて!そんなこと言ってない!!」

侑「ただ、ただ私は……!」

歩夢「……ねぇ、侑ちゃん」グスッ

歩夢「恋愛はね、友情とは違うの」ヒック



歩夢「たった一人だけしか、選べないんだよ?」ニコ

侑「……っ」

360: 2021/01/16(土) 04:04:35.33 ID:TiOedL79
侑「でも、でも私にとって歩夢は"大事な幼馴染"で」

歩夢「侑ちゃん」

侑「っ?」ビクッ

侑(な、なに?今のホントに歩夢の声なの?)

侑(歩夢のこんなに怖い声、私聞いたこと)

歩夢「"大事な幼馴染"って────」



歩夢「────ナニ?」ニコ

侑「ひっ!?」ゾクッッ

362: 2021/01/16(土) 04:10:50.05 ID:TiOedL79
歩夢「教えて?」ニコ

侑「あゆ、む……」ブルブル

侑(な、に……?その笑顔、は……)

侑(表情は、笑ってるのに)

侑(……いつもの、歩夢の笑顔は)

侑(見てると癒されたり)

侑(元気がもらえたり)

侑(あぁ幸せだな、ってそう思えるのに)

侑(今の、歩夢の笑顔は────)

歩夢「侑ちゃん」



歩夢「"大事な幼馴染"の意味」

歩夢「教えて?」ニコ

侑(────怖い、よ)

364: 2021/01/16(土) 04:20:33.01 ID:TiOedL79
侑「それ、は」

歩夢「うん」ニコニコ

侑「昔からずっと一緒で」

歩夢「うん」ニコニコニコニコ

侑「これから先もずっと仲良く一緒にいたいな、って思える大切な存在、で」

歩夢「うん」ニコニコニコニコニコニコ

侑「それ、で」

歩夢「うん」ニコニコニコニコニコニコニコニコ

侑「……」

歩夢「侑ちゃん?」

侑「な、に?」

歩夢「続きは?」ニコ

侑「っ、な、ないよ……!」

侑「私にとって"大事な幼馴染"っていうのはそう意味で!」

侑「それ以上も以下もないよ……!」

歩夢「……そっかぁ」

歩夢「じゃあ、次の質問ね?」

侑「次の、質問……?」

歩夢「うん」



歩夢「"大事な幼馴染"と"恋人"」

歩夢「どっちの方が大事なの?」ニコ

侑「……!」

365: 2021/01/16(土) 04:24:07.05 ID:TiOedL79
侑「それ、は」

歩夢「教えて?」ニコ

侑「私、は……」

歩夢「うん」ニコニコ

侑「……」

歩夢「侑ちゃん?」ニコニコ

侑「……ない、よ」

歩夢「?」ニコニコ

侑「……そんなのっ!」



侑「選べないよ……!」

366: 2021/01/16(土) 04:31:15.33 ID:TiOedL79
歩夢「なんで?」ニコニコ

侑「……え?」

歩夢「なんで選べないの?」ニコニコ

侑「だって、それは」

歩夢「何か理由があるの?」ニコニコ

侑「理由、って……だって、そんなのどっちを選ぶとかそういう話じゃ……!」

歩夢「そういう話だよ」

侑「!」

歩夢「"大事な幼馴染"と"恋人"」

歩夢「私とせつ菜ちゃん」

歩夢「どっちかを選ぶんだよ」

歩夢「どっちかしか選べないんだよ」

歩夢「だから、どっちかを選んでよ」

歩夢「侑ちゃん」

歩夢「ね?」



歩夢「選んで?」ニコ

侑「……ッ!!」

367: 2021/01/16(土) 04:37:58.25 ID:TiOedL79
侑「歩夢とせつ菜ちゃん、どっちかを選べ……って」


───────


歩夢「侑ちゃん!」ニコ


───────


侑「そんな、そんなの……」


───────


せつ菜「侑さんっ!」ペカー


───────


侑「私、私は……ッ!!」



3-1.大事な幼馴染
3-2.恋人
※どちらも書きますので後味を想像して先に見たい方をお選びください

↓2

368: 2021/01/16(土) 04:43:08.95 ID:gNdV/Ma2
後味良くしたいし先に3-2を

369: 2021/01/16(土) 04:44:03.33 ID:cRB0FU0Z
>>368に賛成で3-2を先に

370: 2021/01/16(土) 04:53:29.93 ID:TiOedL79
3-2を選択



侑「私、は……」

侑「……」

侑「……恋人を」

侑「せつ菜ちゃんを、選ぶよ」

歩夢「────」

侑「やっぱり、最初に知った想いを大事にしたい、から」

侑「だから、歩夢のことは選べない」

侑「ごめん」ペコッ

侑「ごめんなさい……」グスッ

歩夢「そっ、か」

歩夢「……ここまでしても、ダメなんだね」ボソッ

歩夢「なら、私は……」ボソボソ

侑「あ、歩夢……?」

歩夢「……侑ちゃん」



歩夢「せつ菜ちゃんのこと、大事にしてね」ニコ

侑「!」

371: 2021/01/16(土) 05:00:20.67 ID:TiOedL79
侑(さっきまでの、怖い笑顔じゃない)

侑(私の、私の好きな歩夢の笑顔だ……!)

侑「あゆ、む……」ポロポロ

歩夢「わっ、侑ちゃんどうしたの!?」

侑「だって、だって歩夢が怖かったからぁ……」ポロポロ

侑「でも、でも今の笑顔は私の、私の好きな歩夢だったから……!」ポロポロ

歩夢「……そっか」

歩夢「驚かせて、ごめんね?」ナデナデ

侑「うぅ……」ポロポロ

歩夢「もう、ホントに泣きたいのは私の方なんだけどな~?」ナデナデ

侑「ごめんなさい……」ポロポロ

歩夢「侑ちゃんってば」クスッ



歩夢「……そういうところも、大好きだったよ」ボソッ

372: 2021/01/16(土) 05:04:27.50 ID:TiOedL79
侑「ぇ……今なんて……」グスッ

歩夢「……ううん、なんでもないよ?」

歩夢「それより!何か忘れてない?」

侑「……?」

歩夢「すっかり話し込んじゃってたから忘れてたけど」



歩夢「今日、普通に学校行く日だよね」クスッ

侑「……あぁ!?」

373: 2021/01/16(土) 05:09:19.97 ID:TiOedL79
侑「や、やばいよ歩夢!このままじゃ遅刻確定だよ!」

歩夢「あはは、どうしよっか」

侑「どうしよっかじゃないよ~!そういう台詞言うのは私の役目なのに!」

歩夢「もしかしたら今から走って行けばまだ間に合うかもしれないよ?侑ちゃんファイト!」

侑「侑ちゃんファイト!じゃないよ!歩夢も走るんだよ!ほら!」

歩夢「……ううん」

歩夢「私は、いいや」

侑「へ?だ、だって走らないともう」



歩夢「私は、もう学校行かないから」ニコ

侑「え、えぇ!?」

374: 2021/01/16(土) 05:14:04.19 ID:TiOedL79
侑「もしかして歩夢ズル休みする気!?」

歩夢「あはは、ズル休みってひどいな侑ちゃんは」

歩夢「……これでも、私傷心中の身なんだよ?」

侑「うっ……そ、それは」

歩夢「……」ジト

侑「ご、ごめんなさい!私には何の口出しする権利もございません!」

歩夢「わかればよろしい」クスッ

歩夢「それじゃあ、先生と……」



歩夢「それと、皆にもよろしくね」ニコ

侑「……うん、伝えておくね」

377: 2021/01/16(土) 05:21:55.20 ID:TiOedL79
歩夢「それと……そうだ、侑ちゃんのお母さんにも」

侑「?うちのお母さん?」

歩夢「……明日からは、起こしに行ったりできないから」ニコ

侑「……そっ、か」

侑「寂しいけど、そうだよね」

侑(これ以上、私のワガママで歩夢を苦しめちゃいけない)

侑(さっきみたいに怖くて苦しそうな歩夢は、もう見たくないから)

侑「……わかった、伝えておくね」

歩夢「……うん」

侑「あ、でも、夜ごはんを一緒に食べたりするくらいは……たまにならいいんじゃないかな!」

侑「ほら!お母さんも歩夢に会いたいだろうし!」

侑「ね!?」ズイッ

歩夢「あはは、そうだね」

歩夢「……うん」



歩夢「覚えて、おくよ」ニコ

378: 2021/01/16(土) 05:34:14.52 ID:TiOedL79
侑「よし!」ニッ

歩夢「……侑ちゃん、そろそろホントに時間危ないんじゃない?」

侑「うわ!ホントだ!」

侑「じゃ、じゃあごめんだけど私行くね」

歩夢「うん」ニコ

侑「私が言うのもあれだけど、しっかり休んでね」

歩夢「……うん」

侑「明日……すぐにじゃなくてもいいから、学校でね」

侑「同好会だって、歩夢がいなきゃダメなんだから」

歩夢「……そうだね」

侑「……じゃあ、行くね」

歩夢「…………うん」

侑「またね!」ダッ

歩夢「……いってらっしゃい」ニコ



侑(今までみたいに過ごすことはもう難しいだろうけど……でも、それでも私は歩夢との関係をゼロになんてしたくない)

侑(あの質問ではせつ菜ちゃんを選んだけど、歩夢が大事なことには代わりはない)

侑(今はダメでも、いつかまた歩夢と一緒に仲良く過ごせるようになったらいいな……!)



歩夢「……」フリフリ

歩夢「……行っちゃった」

歩夢「侑ちゃん……」

歩夢「私、ちゃんと笑えてたよね?」

歩夢「侑ちゃんの好きな、私の笑顔で……」

歩夢「ぅ……」グスッ

歩夢「……」ゴシゴシ



歩夢「……バイバイ、侑ちゃん」ニコ

379: 2021/01/16(土) 05:51:34.15 ID:TiOedL79
~エピローグ~



侑(あの後、結局私は遅刻した)

侑(私としてはめちゃくちゃ走ったつもりだったけど、それでもやっぱり間に合わなかった)

侑(というか途中で体力が尽きたのが一番の原因だと思う……私も皆と一緒にトレーニングするようにしようかな?)

侑(放課後、同好会の練習が始まる前に歩夢が休む旨を伝えた)

侑(……それと、せつ菜ちゃんにだけは朝に歩夢との間で起きた諸々の事情を説明しておいた)

侑(どうやらせつ菜ちゃんは歩夢の私に対する好意を既に知っていたようで、前日に歩夢とそのことで少し口論になっていたことを教えてくれた)

侑(せつ菜ちゃんは自分が歩夢に少し言い過ぎたのが原因かもしれないと私に謝ってきたけど、きっとこれは遅かれ早かれ起きていた出来事なのだと思う)

侑(だからせつ菜ちゃんのせいじゃないよ、とだけ伝えておいた)

侑(……私のせいで、歩夢とせつ菜ちゃんが仲良くできてないかもしれないんだよね)

侑(いつか、二人も普通に友達として仲良くしてくれたら嬉しい……なんて、少し欲張りすぎかな)

侑(……あぁ、早く歩夢と話したいなぁ)

侑(恋人にはなれなかったけど、やっぱり私にとって歩夢は大事な存在なんだ)

侑(歩夢がいないとダメっていうのは、どうやら過言でもなんでもなさそう……でもいつかは歩夢から離れても平気な風にならなきゃなぁ)

侑(こういうことを歩夢に話したら笑われちゃうかな?)

侑(最近なんだか歩夢のことを考えてばっかりだ)

侑(歩夢……早く歩夢に会いたいな……)

侑(早く……)



「……侑さん」

381: 2021/01/16(土) 05:58:28.65 ID:TiOedL79
侑「……え?」

せつ菜「……こんにちは」

侑「せつ菜ちゃん、来てたんだ」ニコ

せつ菜「……ずっと、いましたよ」

侑「あれ、そうなの?」

せつ菜「……えぇ」

侑「気づけなくてごめんね、ちょっと考え事をしてたからかな?なんて」ニコ

せつ菜「……それは」

せつ菜「……っ」

侑「せつ菜ちゃん?」

せつ菜「っ、いえ……なんでもありません」

侑「そう?」

せつ菜「……侑さん」

侑「ん?」



せつ菜「……いつになったら、学校に来て下さるのですか!」グスッ

383: 2021/01/16(土) 06:09:19.33 ID:TiOedL79
侑「ごめんね、まだ体調が良くならなくて」アハハ

せつ菜「もう三ヶ月ですよ!」

侑「……うん」

せつ菜「このままだと、留年しちゃいますよ!」

侑「それはまずいなぁ」アハハ

せつ菜「それに!修学旅行や文化祭、体育祭などの色んな学校行事も参加できずに終わってしまいます!」

侑「それは惜しいことをしたなぁ」アハハ

せつ菜「まだ!まだ間に合いますから!」

せつ菜「だから……!」

侑「うーん、でも」

侑「体調が、良くならないから」

侑「だから、ごめんね?」アハハ

せつ菜「……っ!」

せつ菜「……」

せつ菜「私、侑さんとしたいことたくさんあるんですよ」

せつ菜「ちゃんとしたデートだって、まだ一回も行けてません」

せつ菜「それにお泊まり会も、夜通しアニメ鑑賞会も、何も……!」

侑「……そうだね」

侑「ごめんね……?」

侑「私、ダメだよね」



侑「歩夢にも、せつ菜ちゃんを大事にって言われたのになぁ」アハハ

せつ菜「……ッ!」

384: 2021/01/16(土) 06:16:28.30 ID:TiOedL79
侑「今の状態を歩夢が見たら、なんて言うかなぁ」アハハ

せつ菜「侑、さん……」

侑「歩夢には怒られたくないなぁ」アハハ

せつ菜「あなた、は……」

侑「あ、そうだ」

侑「せつ菜ちゃんは最近歩夢に会った?」

せつ菜「!」

侑「歩夢ってばあれ以来全然連絡返してくれなくて」ゴソゴソ

侑「ほら、これ見てよ」スッ

せつ菜「!!」

侑「毎日、あの手この手で連絡しようとしてるんだけどさ、電話も出ないしメールも返って来ないしSNSも動いてないし」

侑「本当、何してるんだろうね?」アハハ

せつ菜「……ッ!」

侑「もしかして機種変とかアカウント変更してるのかなぁ、だったら教えてくれればいいのに」アハハ

せつ菜「……ッッ」ワナワナ

ガチャ

侑母「待たせてごめんね~、今お茶とお菓子を」



せつ菜「いい加減にしてください!!!!!」

385: 2021/01/16(土) 06:21:19.09 ID:TiOedL79
侑母「きゃっ」ビクッ

せつ菜「はー……はー……」

侑「……せつ菜ちゃん?どうしたのいきなり大きな声出して?」アハハ

せつ菜「いつまで……」

侑「?」

せつ菜「いつまで、歩夢さんに囚われてるんですか……!!」

侑「え?」

せつ菜「……ッ!」

せつ菜「いいですか侑さん!!」

せつ菜「歩夢さんは!!三ヶ月前のあの日に!!!」

侑母「!せつ菜ちゃん、ダメ────」



せつ菜「既に!!!!亡くなっているじゃないですか!!!!!」

387: 2021/01/16(土) 06:30:42.98 ID:TiOedL79
侑「…………え?」

せつ菜「いい加減、現実を見てください……!」グスッ

侑「なに、いってるの」アハハ

せつ菜「歩夢さんは、もういないんです……!」ヒック

侑「だって、電話もメールもSNSも」ハハ…

せつ菜「電話もメールも解約済みで届いていませんし、SNSは作成したアカウントが放置されているだけです……!」グスッ

侑「え……」ハ…

せつ菜「もう、何を送っても」ヒック

せつ菜「歩夢さんには、届かないんですよ……!」グスッ

侑「……届か、ない?」

せつ菜「そうです……!」

侑「届か、ない……」

せつ菜「……だから」

せつ菜「お願いだから」



せつ菜「今目の前にいる、私のことをちゃんと見てください……!!」ポロポロ

388: 2021/01/16(土) 06:38:13.28 ID:TiOedL79
侑「届かない……」

せつ菜「侑さん……」ギュッ

侑「歩夢は、もういない……?」

せつ菜「……残念ながら、そうです」

せつ菜「でも、私なら、私ならここに」

せつ菜「ここにちゃんといますから、だから」

侑「……嘘だ」ボソッ

せつ菜「私のことを……侑さん?」

侑「歩夢がいない、なんて」

侑「どうしてそんな嘘つくの?」

せつ菜「侑さん……?」

侑「そんなわけ、ないじゃん」

侑「だって、またねって」

侑「また学校でねって」

侑「たまに夜ごはん一緒に食べようね、って」

侑「約束、してそれ、で」

侑「歩夢、と……」


───────


『────あゆむ!?歩夢!?』

『なんでどうして、こんなこと……!』

『またね、って、また学校でね、って言ったじゃん……!』

『なんで……!』



『なんで自殺なんて……!!』


───────


侑「────ァ」

390: 2021/01/16(土) 06:49:32.77 ID:TiOedL79
せつ菜「侑さ」

侑「ァあああァアアアアぁぁァァああああ!!!!!!!!!!!」ガタッ

せつ菜「!?」ビクッ

侑「あ、あゆ、歩夢……!!!!やだ、やだよ!!!いかないで、いかないでよ……!!!!」

せつ菜「ゆ、侑さん!?」

侑「やだやだやだいっちゃやだ!!!!!ああああァあああああぁアアアア!!!!!」

せつ菜「これ、は」

侑母「侑!!!!!」ギュッ

侑「ああああぁぁぁアアアア!!!!」ジタバタ

侑母「大丈夫!!歩夢ちゃんはちゃんと生きてるから!!!!」ギュゥッ

侑「ぁあああ……ぁ?」

侑母「あの子が言ったのは嘘だから、ね!」

侑母「だから安心して、ね?」ナデナデ

侑「ぁ、ゆむ、生きてるの……?」

侑母「そうよ、生きてるのよ」ナデナデ

侑母「今はちょっと会えないけど、ちゃんと生きてるから、ね」ナデナデ

侑「そっ、か、なら、よかっ……」

せつ菜「……っ」

侑「……すー……」

侑母「……よかった、眠ってくれた」

せつ菜「あの、これは……?」

侑母「……そうね、せつ菜ちゃんには話しておいた方がいいわね」

侑母「実は────」

392: 2021/01/16(土) 06:57:41.54 ID:TiOedL79
せつ菜「────なるほど」

せつ菜「……侑さんの中では、歩夢さんが本当に生きていることになっている、と」

侑母「……ちゃんと説明してなくてごめんなさいね」

せつ菜「いえ……こちらこそご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありませんでした」ペコッ

侑母「……真面目なのね」クスッ

侑母「こんなに良い友達がいるのに、この子は本当に……」ナデナデ

侑「ん……」ムニャムニャ

せつ菜「侑さん……」

侑母「こんな子だけど……その、これからも仲良くしてもらえるかしら……?」

せつ菜「……もちろんです!!」

せつ菜「侑さんは私の大事な人ですから!!」

侑母「あら……もしかして友達以上の関係だったりするのかしら?」フフ

せつ菜「……ご想像にお任せします!」ペカー

侑母「あらあら、真面目に加えて面白い子なのね」フフフ



せつ菜(侑さんを見捨てたりなんて、私は絶対にしませんよ)

せつ菜(例え、何年かかったとしても侑さんを過去の呪縛から救い出してみせます)

せつ菜(だから)

せつ菜(だからどうかお願いします)

せつ菜(そろそろ、侑さんを解放してあげてください)



せつ菜(歩夢さん……!)

394: 2021/01/16(土) 07:09:14.46 ID:TiOedL79
────あのとき


────もしこのまま心臓が破裂して私が死んだらあなたは泣いてくれるかな、なんて考えたけど


────心臓が破裂するのは、凄く痛そうだしさすがに嫌だなぁ


────痛みを感じずにいける方法があればいいんだけど……まあ多少は仕方ないか


────ねぇ、侑ちゃん


────私は、あなたに選ばれなかったけど


────あなたの恋人には、なれなかったけど


────それでも、せめて


────せめて、あなたの心だけは私のモノになってくれないかなぁ


────なんて、ちょっと欲張りすぎかな?


────でも、そうなったら嬉しいなぁ


────そんなこと、無理だってわかってるけどね


────こっちに来たら、いっぱいお話しようね


────それで、今度こそ



────今度こそ、あなたの恋人になれたらいいな



~ルート3-2:侑のココロNTRルート、完~

396: 2021/01/16(土) 07:13:23.03 ID:TiOedL79
自分の書いたSSで登場人物が亡くなったのは初めてです……

引き続きルート3-1を書いていきますが、その後ルート1に戻るかルート2に行くかは少し考えさせていただければと思います(後味的な意味で書く順番を考慮したいなと……!)

406: 2021/01/16(土) 17:19:41.50 ID:TiOedL79
お待たせしました、それではルート3-1を書いていきます

408: 2021/01/16(土) 17:27:50.31 ID:TiOedL79
>>367 から
3-1を選択した場合



侑「私、は……」

侑「……」

侑「……大事な、幼馴染を」

侑「歩夢を、選ぶよ」

歩夢「────」

侑「せつ菜ちゃんのことも、大事だけど」

侑「でも、やっぱり私は……私には、歩夢がいないと……」

侑(せつ菜ちゃん、ごめん)

侑(ごめんなさい……!)

歩夢「そっ、か」

歩夢「……侑ちゃん」

侑「……な、に?」



歩夢「ありがとう、私を選んでくれて」ニコ

侑「!」

410: 2021/01/16(土) 17:31:22.72 ID:TiOedL79
侑(さっきまでの、怖い笑顔じゃない)

侑(私の、私の好きな歩夢の笑顔だ……!)

侑「あゆ、む……」ポロポロ

歩夢「わっ、侑ちゃんどうしたの!?」

侑「だって、だって歩夢が怖かったからぁ……」ポロポロ

侑「でも、でも今の笑顔は私の、私の好きな歩夢だったから……!」ポロポロ

歩夢「……そっか」

歩夢「驚かせて、ごめんね?」ナデナデ

侑「うぅ……」ポロポロ

歩夢「ふふ、こんなに泣いてる侑ちゃん初めて見たかも」ナデナデ

侑「だってぇ……」ポロポロ

歩夢「もう、侑ちゃんってば」クスッ



歩夢「……そういうところも、大好きだよ」ギュッ

411: 2021/01/16(土) 17:43:19.60 ID:TiOedL79
侑「ぅ……あゆ、む……」グスッ

歩夢「……よしよし」ナデナデ

侑「ん……」ギュッ

歩夢「!」

歩夢(侑ちゃん、抱き締め返してくれた……!)

歩夢「……嬉しい」ギュッ

侑「歩夢……」ギュッ

侑(……歩夢に抱き締められると、とても安心する)

侑(それと、ドキドキも……)

侑(……でも)

侑「ねぇ、歩夢……」

歩夢「なぁに?侑ちゃん」ニコ

侑「っ」ギュッ

侑(今の歩夢は、いつもの優しい歩夢だ)

侑(でも、いつまたさっきの怖い歩夢になるか……わからないよね)

侑(でも、でも……!)



侑(勇気を出して、ちゃんと言わなくちゃ……!)

412: 2021/01/16(土) 17:50:11.30 ID:TiOedL79
侑「あの、ね……」

侑「さっきは、私、歩夢のこと選んだじゃん……?」

歩夢「うん、とっても嬉しかったよ」ニコ

侑「っ、で、でも、ね」

侑「その……」

侑「今は、私、まだ」

侑「せつ菜ちゃんと、付き合ってるじゃん……?」

歩夢「────」ピクッ

侑「だから、私、その……」

侑「うぅ……」

歩夢「……」



歩夢「大丈夫だよ、侑ちゃん」ニコ

侑「!」

413: 2021/01/16(土) 18:04:08.68 ID:TiOedL79
歩夢「侑ちゃんは"先に"せつ菜ちゃんに告白されたからせつ菜ちゃんと付き合い出した」

歩夢「でも、せつ菜ちゃんのことをまだ"恋人として好き"なわけじゃない」

歩夢「そうだよね?」

侑「う、うん……付き合っていくうちに、ちゃんと好きになれたらいいな、って」

歩夢「……それで、その状態で今度は私から告白されて」

歩夢「嬉しく思ったしドキドキもしたし意識もしてくれた」

歩夢「そうだよね?」ニコ

侑「……うん」

侑「正直、自分でも、何言ってるんだろうって感じだけど」

侑「それが、今の私の、正直な気持ち、だから……」

歩夢「うん、正直に言ってくれてありがとう」ニコ

歩夢「大丈夫だよ、侑ちゃんは悪くないから」

侑「え……」

歩夢「侑ちゃんの気持ちをよく理解しないまま付き合い出したせつ菜ちゃんと」

歩夢「既にせつ菜ちゃんと付き合ってるのに告白した私が悪いんだから」

歩夢「だから、侑ちゃんは悪くないんだよ」

歩夢「ね、安心して?」ニコ

侑「そう、なのかな……」

侑(違うような、気がする、けど)

歩夢「侑ちゃん」ギュッ

侑「!」

侑(でも)



歩夢「私を、信じて?」ニコ

侑(歩夢が笑顔なら……それでいっか)

417: 2021/01/16(土) 18:21:07.18 ID:TiOedL79
歩夢「……でも、このままじゃ侑ちゃんは苦しいままだよね」

歩夢「本当は、せつ菜ちゃんのことを恋人として好きなわけじゃないのに、これからも付き合い続けなくちゃいけなくて」

歩夢「一番仲の良い幼馴染の私も、そういう意味で意識する存在になってるなんて」

侑「そう、だね……」

侑(そうだ、このままじゃいけないのは確かなんだ)

侑(歩夢が言ってたように、恋愛は一人しか選べない)

侑(歩夢を選ぶなら、せつ菜ちゃんときちんとお別れしなきゃ……)


───────


せつ菜「侑さんっ!」ペカー


───────


侑「……っ」ズキッ

侑(せつ菜ちゃん、私の前ではいつも笑顔でキラキラしてて)

侑(私が、もし別れようなんて言ったら)

侑(どんな顔、するのかな……)

侑「っ」ズキズキッ

侑(でも言わなきゃ、いけないよね……)

侑(だって、そうじゃなきゃ歩夢が……)


───────


歩夢「私のこと、嫌いにならないで、ね?」ニコ


───────


侑(歩夢の、あんな悲しそうな笑顔……!)

侑(もう見たくないよ……ッ!!)

418: 2021/01/16(土) 18:24:47.16 ID:TiOedL79
侑「はぁ……はぁ……」ズキズキ

歩夢「侑ちゃん?ど、どうしたの?顔色良くないよ?」

侑「いや……大丈夫……」ズキズキ

歩夢「本当に?凄く苦しそうだよ?」

侑「大丈夫、だから……」ズキズキ

歩夢「侑ちゃん……」



歩夢「嘘ついたら、ダメだよ」ギュッ

侑「!」

419: 2021/01/16(土) 18:33:59.84 ID:TiOedL79
歩夢「苦しいなら苦しい、ってちゃんと言っていいんだよ」

歩夢「嘘をついて無理して、それで後で倒れちゃう方が、私やだよ」ギュッ

侑「歩夢……」

侑(……不思議だな、さっきまであんなにズキズキと胸が痛かったのに)

侑(歩夢に抱き締められると、自然と痛みが和らいでいって)

侑(なんだか、とっても落ち着く)

侑「……うん、ごめんね」

侑「苦しくないなんて、嘘言っちゃった」

侑「ごめんなさい」ギュッ

歩夢「……よく言えました」ナデナデ

侑「ん……」

侑(歩夢は、ホントに優しいな)

侑(あまりにも、優しすぎて)

侑(このままじゃ、私は……)



侑「……もう、歩夢なしじゃ生きられないかも」ボソッ

歩夢「……!」

420: 2021/01/16(土) 18:38:01.71 ID:TiOedL79
歩夢「……嬉しい、な」ボソッ

侑「え?」

歩夢「……ううん、なんでもないよ」ニコ

歩夢「それより!何か忘れてない?」

侑「……?」

歩夢「すっかり話し込んじゃってたから忘れてたけど」



歩夢「今日、普通に学校行く日だよね」クスッ

侑「……あぁ!?」

421: 2021/01/16(土) 18:42:05.81 ID:TiOedL79
侑「や、やばいよ歩夢!このままじゃ遅刻確定だよ!」

歩夢「あはは、どうしよっか」

侑「どうしよっかじゃないよ〜!そういう台詞言うのは私の役目なのに!」

歩夢「もう走っても間に合わなさそうだよね」アハハ

侑「う~どうしよ~!」

歩夢「……」

歩夢「ねぇ、侑ちゃん」

侑「なに?良い案でも思いついた?」



歩夢「今日はもう、このまま学校サボっちゃおうよ」ニコ

侑「え、えぇ!?」

422: 2021/01/16(土) 18:50:51.97 ID:TiOedL79
侑「あ、歩夢がそんなこと言うなんて……!」

歩夢「ふふ、私だってそういう気分になるときくらいあるよ」

歩夢「それに」

歩夢「今日はお休みしてさ、ゆっくり考えてみようよ」

歩夢「侑ちゃんと、私のこれからを」

侑「!」

歩夢「……今学校に行っても、せつ菜ちゃんと顔会わせづらいでしょ?」

侑「それは……」

歩夢「……」ジッ

侑「……うん」

歩夢「よし、なら決まりだね」ニコ

侑「で、でもサボるったってどこに行くの?」

侑「二人とも制服だし、一回家に帰るわけにも……」

歩夢「……実はね」



歩夢「私の家、今日は夜遅くまで誰もいないの」ニコ

439: 2021/01/17(日) 13:49:40.63 ID:WHDE0BRG
~しばらくして、上原家、歩夢の部屋~



侑「……本当に、サボっちゃったね」

歩夢「学校に電話してるときの侑ちゃんの声、震えてて可愛かったよ」ニコ

侑「だ、だってさぁ!ああいうの自分でやったことなかったし、しかも嘘ついちゃってるし……!」

歩夢「ふふ、侑ちゃんって意外と真面目さんだよね」

侑「いやいや、歩夢が不真面目ちゃんな方が意外すぎるから……」

歩夢「そうかな……」スッ

ピト

侑「!」

歩夢「……ねぇ、侑ちゃん」



歩夢「不真面目な私は、嫌い?」ニコ

440: 2021/01/17(日) 13:59:39.82 ID:WHDE0BRG
侑「っ」ドキッ

侑「そ、その聞き方は……ずるいよ……っ」フイッ

歩夢「そうかな?」

侑(なんか、変だ)

侑「そ、そうだよっ」

侑(こんな風に歩夢と肩をくっつけて座りながら喋るなんて、今までいくらでもやってきたことなのに)

侑「だって」

侑(歩夢の顔が、まともに見れなくて)

侑「私が、歩夢のこと……っ」

侑(それで────)



侑「嫌いになんて、なれるわけないじゃん……っ!」

侑(────顔が、妙に熱くなっていくのを感じる)

442: 2021/01/17(日) 14:20:07.98 ID:WHDE0BRG
歩夢「……それって」スッ


────私の左手に、歩夢の右手が重ねられる


歩夢「私のこと」


────それと同時に、心臓がどんどんうるさくなっていく


歩夢「好き、ってことかな?」

侑「っ」


────歩夢の声が、やけに艶っぽく聴こえる


侑「それ、は」

歩夢「……ね、侑ちゃん」ソッ


────歩夢の左手が、私の右頬に添えられて


侑「!」


────そのまま、歩夢の方を向くように顎をクイっと持ち上げられる


歩夢「こっち、向いてよ」

侑「ぁ……っ」


────歩夢の潤んだ瞳に、恍惚とした私の顔が映されている気がした

443: 2021/01/17(日) 14:42:26.42 ID:WHDE0BRG
────なに、これ


歩夢「侑ちゃん……」


────歩夢から、目が離せない


歩夢「……私は」


────歩夢の唇の動きに、私の視線は釘付けで


歩夢「侑ちゃんのこと」


────次に紡がれる言葉は何かと、両耳に神経が集中していく


歩夢「好き、だよ」


────告げられた瞬間、心臓が跳ねて


歩夢「侑ちゃんは」


────握られた左手が汗ばんでいって


歩夢「私のこと」


────顔だけじゃなく、全身が熱を帯びていって


歩夢「好き」


────私は、もう


歩夢「……かな?」ニコ


────すっかり、歩夢の虜になっていた

445: 2021/01/17(日) 14:54:12.94 ID:WHDE0BRG
侑(……あぁ、そっか)


────一度気づいてしまったら


侑(この胸の高鳴りが)


────もう、止められない


侑(この熱さが)


────この気持ちを言葉にしたら


侑(友情じゃなく恋愛として)


────もう、戻れないとわかっていても


侑(人を好きになる、ってことなんだ)


────それでも、私は……


侑「……うん」



侑「私も、好きだよ」

446: 2021/01/17(日) 15:04:59.61 ID:WHDE0BRG
侑(ごめんね、せつ菜ちゃん)

歩夢「……それは」

侑(私、凄く軽率だった)

歩夢「幼馴染としての好き、じゃなくて」

侑(付き合う前に、もっとよく考えるべきだったんだ)

侑「……もちろん」

侑(私の周りにいる人と、私自身の気持ちについて)



侑「恋人としての好き、だよ」

侑(本当に、ごめんなさい)

448: 2021/01/17(日) 15:16:03.49 ID:WHDE0BRG
歩夢「……ぁ」

歩夢「っ……」ポロポロ

侑「!?」

歩夢「っ、あ……っ」ポロポロ

侑「あ、歩夢!?どうしたの!?」

歩夢「だって、だって……」ポロポロ

歩夢「侑ちゃんに、そういう意味で好きって言ってもらうの」グスッ

歩夢「ずっと、ずっと夢見てたから……!」

侑「……!」

歩夢「だから……っ」グスッ


ギュッ


侑「……歩夢」

歩夢「!」

449: 2021/01/17(日) 15:21:27.65 ID:WHDE0BRG
侑「好きだよ」

歩夢「……っ」

侑「好き」

歩夢「ぅん……」

侑「……好き」

歩夢「うん……っ」

侑「大好き」

歩夢「私も」



歩夢「侑ちゃんのこと、大好きだよ……っ」

450: 2021/01/17(日) 15:29:37.11 ID:WHDE0BRG
──────
────
──



侑「……落ち着いた?」ナデナデ

歩夢「うん……」

侑「ならよかった」ニッ

歩夢「……夢じゃないんだよね」

侑「夢じゃないよ」

侑「頬っぺたつねろっか?」ニシシ

歩夢「……」

侑「じょ、冗談だって」

歩夢「……つねるんじゃなくて」

歩夢「ちゅー」

侑「……え?」

歩夢「……ほっぺに、ちゅー」



歩夢「してほしい、な」カァァァ

侑「!!」ドキッ

451: 2021/01/17(日) 15:35:55.74 ID:WHDE0BRG
侑(なに、この)

歩夢「そしたら、夢じゃないって」

侑(この感じ……っ)

歩夢「思えそう、だから」

侑(ドキドキが、止まらない)

歩夢「だから、してほしい」

侑(歩夢が……!)



歩夢「……ダメ、かな?」ジッ

侑(めっっっちゃ可愛く見える……っ!!)

452: 2021/01/17(日) 15:44:45.99 ID:WHDE0BRG
────潤んだ瞳が


歩夢「侑ちゃん……」


────紅潮した頬が


歩夢「……」ギュッ


────すがるように私の左袖を握る力が


歩夢「お願い……」


────弱々しく震えた声が


歩夢「……ダメ?」


────歩夢の全てが、愛しい……!

454: 2021/01/17(日) 16:06:50.39 ID:WHDE0BRG
侑(こんな歩夢見せられたら……!)

侑「……わかった」

侑(断れるわけないよ……っ!)

侑「歩夢……」


────歩夢の左頬にそっと右手を添える


歩夢「……っ」


────ビクッと跳ねる、その反応すらも可愛く思えるし


侑「……するよ」

歩夢「……ぅん」


────ぎゅっと目を閉じた表情もとても可愛い


侑「……」


────このまま、少しだけ


歩夢「……っ」


────眺めていてもいいかな?


歩夢「~っ」


────だって、今の歩夢


歩夢「~!」


────めちゃくちゃ可愛いんだもん

455: 2021/01/17(日) 16:07:29.06 ID:WHDE0BRG
歩夢「……ゆ、侑ちゃん?」

侑「ん?」


────だから


歩夢「い、いつまで待たせるの……?」

侑「あぁ……ごめんごめん」

侑「歩夢のキス待ち顔が可愛すぎてさ……ちょっと眺めてた」ニッ

歩夢「なっ!」パチッ


────驚いた歩夢の目が開いた瞬間を狙って


歩夢「なんでそんなこと────」


チュ


────不意討ちをかましたりしても


歩夢「────なっ」

侑「……えへへ」


────いいよね?

456: 2021/01/17(日) 16:18:41.54 ID:WHDE0BRG
歩夢「なんで目開けたときにするの……っ!」カァァァ

侑「なんで、って」

侑「……歩夢が可愛すぎたからさ」

侑「つい、イジワルしたくなっちゃった」アハハ

歩夢「なっ……!」

歩夢「っ、っ……!」ポムポム

侑「いっ、痛いよ歩夢~」

侑(ホントは全然痛くないけど)

歩夢「だって、だって……!」

歩夢「……もう、侑ちゃんのイジワルっ」

侑「ごめんごめん」ハハ

侑「……でもさ」



侑「これで夢じゃないって、わかったでしょ?」ニッ

歩夢「……うん」コクリ

457: 2021/01/17(日) 16:30:08.01 ID:WHDE0BRG
歩夢「……ねぇ、侑ちゃん」

侑「?」

歩夢「今の私達は、両想い……だよね?」

侑「……そうだね」

歩夢「なら、さ」

侑「……うん」

侑(そうだ)

侑(歩夢と楽しい時間を過ごす前に)

侑(私には、やらなくちゃいけないことがある)



侑「せつ菜ちゃんのこと、だよね」

歩夢「……」コクリ

458: 2021/01/17(日) 16:37:59.06 ID:WHDE0BRG
侑「……私、本当に馬鹿だよね」

侑「私が、せつ菜ちゃんに告白されたときに軽率に付き合ったりしなければ」

侑「私が、もっと早く歩夢の想いに気づいていれば」

侑「私が、私自身の気持ちにちゃんと向き合っていれば」

侑「歩夢のことも泣かせずに済んだし」

侑「……それから、せつ菜ちゃんの気持ちを裏切ることもなかったのにね」

歩夢「……」

侑「せつ菜ちゃんには、謝っても許してもらえないだろうなぁ……」

歩夢「……侑ちゃん」



歩夢「侑ちゃんは、悪くないよ?」ニコ

侑「……え?」

459: 2021/01/17(日) 17:07:10.06 ID:WHDE0BRG
歩夢「侑ちゃんにちゃんと考える時間をあげなかったせつ菜ちゃんと」

歩夢「今までずっと、侑ちゃんに告白できずにいた私が悪いんだから」

歩夢「だから、侑ちゃんは悪くないよ」ニコ

侑「そ、そんなこと」

歩夢「あるよ」

歩夢「だから、侑ちゃんは悪くない」

歩夢「悪くないんだよ」ニコ

侑「……そう、かな」

歩夢「そうだよ」ニコニコ

侑「そっ、か」

歩夢「うん」ニコニコ

侑「私は、悪くない……」

歩夢「侑ちゃんは悪くないよ」ニコニコ

侑(……歩夢が、笑顔だし)



歩夢「全部、せつ菜ちゃんと私が悪いの」ニコニコ

侑(それで、いいのかな……?)

460: 2021/01/17(日) 17:14:13.21 ID:WHDE0BRG
侑「……でも」

歩夢「────」ピクッ

侑「例え、私が悪くなくても」

侑「せつ菜ちゃんには、ちゃんと謝らなくちゃ」

侑「謝って、きちんとお別れしなきゃ」

侑「せめて、それだけはちゃんとしないと」

侑「だから」

侑「だから、せつ菜ちゃんに会ってちゃんと話を」

歩夢「……嫌っ!」


ドサッ


侑「えっ」

歩夢「……っ」ギュッ

461: 2021/01/17(日) 17:28:41.84 ID:WHDE0BRG
侑(私、歩夢に押し倒されてる……?)


歩夢「……せつ菜ちゃんと、話すの?」

侑「う、うん、それできちんとお別れを」

歩夢「二人きりで?」

侑「え?そりゃ大事な話だし、他の人に聞かれるわけには」

歩夢「……やだ」

侑「え?」

歩夢「二人きりで会っちゃ、やだ」ギュッ

侑「な、なんで……?」

歩夢「……だって、せつ菜ちゃんは侑ちゃんのことが好きなんだよ」

歩夢「二人きりで会ったら、侑ちゃんに何されるかわからないもん……!」ギューッ

侑「い、いや、あのせつ菜ちゃんだよ?そんなおかしなことは」

歩夢「……侑ちゃんは」

歩夢「私と、今みたいな状況になるって……」



歩夢「想像したこと、ある?」ジッ

侑「っ」ドキッ

462: 2021/01/17(日) 17:39:25.17 ID:WHDE0BRG
歩夢「どうなの?」ジーッ

侑「……な、ない、けど」

歩夢「……そう」

侑「な、なんでちょっと悲しそうなの?」

歩夢「……本当に、私のことそういう意味で意識したことなかったんだな、って」

侑「そ、そりゃ歩夢は」

歩夢「"大事な幼馴染"だったから?」

侑「っ、う、うん……そうだよ」

歩夢「じゃあせつ菜ちゃんは?」

侑「え?」

歩夢「侑ちゃんにとってせつ菜ちゃんはどういう存在なの?」

侑「それ、は……」

侑「私にとって、せつ菜ちゃんは」

歩夢「侑ちゃん」ズイッ

侑「!」ドキッ

侑(あ、歩夢の顔が目の前に)

侑「あ、歩夢、近いよ……」ドキドキ

歩夢「今の質問はね、答えが聞きたかったわけじゃないの」

侑「え?じゃ、じゃあどういう意味で?」

歩夢「私が言いたかったのは」



歩夢「侑ちゃんにとってせつ菜ちゃんがどんな存在でも」

歩夢「せつ菜ちゃんにとって侑ちゃんは恋愛対象なの」

歩夢「だから、侑ちゃんがせつ菜ちゃんのことを同級生や同じ同好会の仲間や友達くらいにしか思っていなかったとしても」



歩夢「そんなの、関係ないってことだよ……!」

464: 2021/01/17(日) 17:52:25.18 ID:WHDE0BRG
歩夢「それに、侑ちゃんだってせつ菜ちゃんの性格は知ってるでしょ?」

侑「ど、どういう意味?」

歩夢「せつ菜ちゃん、負けず嫌いだから……」


歩夢「『今は歩夢さんのことが好きでも!いつか私のことを好きにさせてみせます!』って」

侑「!」

歩夢「……侑ちゃんから別れを切り出されたら、きっとこんな感じのこと言うと思うよ」

侑「た、確かに、せつ菜ちゃんなら言いそうだね」

侑「で、でも!だとしても私は」

歩夢「嫌なの」

侑「え?」

歩夢「もしそうなったら、きっとせつ菜ちゃんは全力で私から侑ちゃんを奪いに来るから」

侑「そ、そんなこと」

歩夢「あるよ」

侑「な、なんでそこまで」

歩夢「だって」



歩夢「だって私が、今まさにそうしてるんだもん……!」

466: 2021/01/17(日) 18:06:57.10 ID:WHDE0BRG
侑「!」

歩夢「ねぇ侑ちゃん」

歩夢「恋愛ってね、楽しくてキラキラしてる時間ばかりじゃないの」

歩夢「自分の好きな人が他の人と仲良くしてるのを見てるときは辛いし」

歩夢「自分じゃない別の誰かに笑顔を向けてるのを見てるときは苦しくなるし」

歩夢「もし他の人に取られたりしたらどうしようって考えると凄く怖くなって」

歩夢「そういう、暗い感情とも付き合っていかなくちゃいけないの」

歩夢「しかも、別の人が自分と同じようにその人を好きになってるのを知ってたら尚更……!」

侑「っ」

侑「で、でも!私はちゃんと歩夢のこと……!」

歩夢「ありがとう」ニコ

歩夢「その気持ちは本当に嬉しいし、"今の"侑ちゃんが本気でそう想ってくれてるのも伝わってくるよ」

歩夢「……でもね」

歩夢「もしせつ菜ちゃんに別れを告げたときに」

歩夢「目の前でせつ菜ちゃんが涙を流しながら別れないでくださいって必死にお願いしてきたら」

歩夢「私のこと捨てないでくださいってボロボロの表情ですがってきたら」

歩夢「それでも侑ちゃんは」



歩夢「せつ菜ちゃんと、きっちりお別れできる?」ニコ

侑「……ッ!!」

468: 2021/01/17(日) 18:23:26.77 ID:WHDE0BRG
侑「それ、は……」

侑「それでも、私は……」


───────


歩夢「私のこと、嫌いにならないで、ね?」ニコ


───────


侑「っ!」

侑(……そうだ、私は歩夢の泣き顔を見たくなくて)

侑(あんな顔を、歩夢にしてほしくなくて)

侑(……なら、もしせつ菜ちゃんが泣いたら?)

侑(いつも笑顔でキラキラして、"大好き"を大切にしているせつ菜ちゃんがもし……)


───────


せつ菜「別れるなんて、そんな……!」ポロポロ

せつ菜「そんなの嫌です……っ!」ポロポロ

せつ菜「嫌ですよ侑さん……っ」グスッ

せつ菜「私のこと、捨てないでください……!」ギュッ


───────


侑「ッ!!」ズキズキッ

470: 2021/01/17(日) 18:35:35.47 ID:WHDE0BRG
侑「っ、ぁ……!」

歩夢「!?」

侑「はぁ……はぁ……!」ズキズキ

侑(ダメだ、もしそんなせつ菜ちゃんを目の前にしたら)

侑(私は、私は手を差し伸べずにはいられない……!)

侑(でも、でもそれじゃ……!)

侑「ぅ、ぁ……っ」ズキズキ

歩夢「侑ちゃん!」ギュッ

侑「!」

歩夢「大丈夫、大丈夫だから!」ギューッ

侑「ぁ、ゆむ……」

歩夢「ごめんね、怖いこと考えさせちゃったよね」

歩夢「今は大丈夫、大丈夫だから……」

侑「ぅ……ん」ギュッ

歩夢「よしよし……」ナデナデ

侑「ん……」

侑「……」

侑「私……」

歩夢「ん?」ナデナデ



侑「私は、どうしたらいいのかな……?」ポロポロ

471: 2021/01/17(日) 18:47:13.52 ID:WHDE0BRG
歩夢「侑ちゃん……」

侑「歩夢のこと、ちゃんと好きだってわかったのに……!」グスッ

侑「でも、せつ菜ちゃんの傷ついた姿を想像したら……!」ヒック

侑「せつ菜ちゃんがあんな風になるの、私見てられないよ……」グスッ

侑「でも、でもそれじゃ歩夢がぁ……」ヒック

歩夢「……」ギュッ

歩夢「侑ちゃんは、本当に優しい子だね」ナデナデ

歩夢「私とせつ菜ちゃん、どっちの気持ちも大切にしようとしてくれてるんだよね?」ナデナデ

侑「……ぅん」グスッ

侑「私が、私がもっとしっかりしてれば……っ」ヒック

歩夢「侑ちゃん」ギュッ

侑「っ」

歩夢「侑ちゃんは、悪くないよ」

歩夢「今回は、ただちょっとすれ違っちゃっただけだから」

歩夢「ね?」

侑「……ん」ギュッ

歩夢「……」ナデナデ

歩夢「あのね、侑ちゃん」

侑「……な、に?」グスッ



歩夢「一つ、私に良い案があるんだけど」

歩夢「聞いてくれる?」ニコ

481: 2021/01/18(月) 00:19:39.34 ID:auorbzPc
~翌日、昼休み、学校の廊下~



愛「お、やっほー歩夢」

歩夢「……愛ちゃん、こんにちは」ニコ

愛「昨日休んでたみたいだけど、体調はもう大丈夫な感じ?」

歩夢「うん、私は大丈夫だよ」

愛「そっか~、ならよかった!」

愛「……あ、ゆうゆはどう?一緒じゃないみたいだけど」

歩夢「侑ちゃんの方はまだ良くならないみたいで、今日もお休みなの」

歩夢「早く良くなるといいんだけど、ね」

愛「……そっかぁ」

愛「まあでも、歩夢が元気そうでよかったよ!」

歩夢「ふふ、心配してくれてたんだね」

愛「ん、まーね」ニッ

歩夢「ありがとう」ニコ

愛「……それじゃ、愛さんそろそろ行くね~また放課後練習で!」タッ

歩夢「うん、また後でね」フリフリ



愛「……」ムムム

482: 2021/01/18(月) 00:26:48.64 ID:auorbzPc
愛(……歩夢、思ったよりも元気そうだったな)

愛(ゆうゆとせっつーが付き合い出してからは、なんか浮かない感じの雰囲気だったし)

愛(それにどーみても前からゆうゆのこと……って感じだったから心配だったけど)

愛(歩夢なりに折り合いをつけたのかな……?)

愛(……まあ、とりあえず元気そうならいっか!)



愛「りなりーお待たせ!」

璃奈「愛さん、やっと来た」

愛「や~購買が混んでてさぁ、あっそういえば────」

483: 2021/01/18(月) 00:44:22.66 ID:auorbzPc
~放課後、練習終了後~



せつ菜「お待たせしました」

歩夢「せつ菜ちゃん、来てくれたんだね」ニコ

せつ菜「……それは」

せつ菜「侑さんのことで大事な話がある、なんて言われたら来るに決まってますよ!」

歩夢「ふふ、そうだよね」

せつ菜「それで、侑さんが関わる話とはなんですか……?」

歩夢「……回りくどいのもあれだから、率直に言うね」



歩夢「侑ちゃん、私と付き合うことになったの」

歩夢「だから、せつ菜ちゃんにはお別れしてもらいたいの」ニコ

せつ菜「……!?」

485: 2021/01/18(月) 00:52:59.96 ID:auorbzPc
せつ菜「え、っと……?あ、歩夢さん、あなたは何を言って……」

歩夢「聞こえなかった?じゃあもう一度言うね」

歩夢「侑ちゃんは、私と付き合うことに決めたの」

歩夢「だから、せつ菜ちゃんは侑ちゃんとお別れし」


せつ菜「ふざけないでください!!!!!」


歩夢「……相変わらず凄い大きな声だね」ニコ

せつ菜「侑さんが、歩夢さんと……?」

せつ菜「何を言ってるんですかあなたは!!侑さんは!!!私の────」



歩夢「違うよ」

せつ菜「!?」ゾクッッッ

せつ菜(な、なんですか今の恐ろしい感じは……!?)

歩夢「……ちゃんと説明した方が良さそうだね」ニコ

486: 2021/01/18(月) 01:01:05.83 ID:auorbzPc
歩夢「私ね、昨日侑ちゃんに告白したの」

せつ菜「なっ……!」

歩夢「そしたら侑ちゃん凄いびっくりしてね、最初はそんなまさか!?って感じで」

歩夢「……でもね?」

歩夢「最終的には、私のことちゃんと受け入れてくれたの」ニコ

せつ菜「!!そん、な……!?」

せつ菜「……い、いえ!それはおかしいです!!だって侑さんは今私と」

歩夢「付き合ってる、って?」

せつ菜「っ……!そ、そうです!!だから」

歩夢「だから私と付き合うのはおかしい……そう言いたいのかな?」

せつ菜「っ、そうです!!あの、いちいち私の言うことに被せなくても」

歩夢「それこそおかしいんだよ、せつ菜ちゃん」

せつ菜「……は?」

せつ菜「ど、どういう意味ですかそれは!!!」

歩夢「だって侑ちゃんは」



歩夢「せつ菜ちゃんのこと、そういう意味で好きなわけじゃないんだよ?」ニコ

せつ菜「……ッッ!!!!」

488: 2021/01/18(月) 01:14:27.49 ID:auorbzPc
歩夢「侑ちゃんは、せつ菜ちゃんに告白された時点ではせつ菜ちゃんのことを"恋愛対象として好き"なわけではなかった」

せつ菜「……っ」

歩夢「そしてそれは、今もまだそこまで大きく変化しているわけじゃない」

せつ菜「それ、は……」

歩夢「……その反応、せつ菜ちゃん自身も気づいてたんだね?」

せつ菜「っ!」

歩夢「そっかぁ、それだったら話は」

せつ菜「待ってください!!!!!」

せつ菜「確かに私も薄々そうなんじゃないかとは感じていました……!!」

せつ菜「でも、侑さんは!私に対してかっこいいや可愛いという言葉をくれましたし……す、好きとも言ってくれました!」

歩夢「……それで?」



歩夢「その"好き"って言葉は、せつ菜ちゃんが口にする"好き"と同じものだったのかな?」ニコ

せつ菜「ぐっ……!!」

490: 2021/01/18(月) 01:22:34.56 ID:auorbzPc
せつ菜「……た、確かに!」

せつ菜「これまで侑さんが私にくれた"好き"に込められていた意味は……私が、本当に欲しいものではなかったかもしれません……!」

歩夢「そこまでわかってるなら」

せつ菜「ですが!!」

せつ菜「私と侑さんが付き合っているのはまぎれもない事実です!!!」

せつ菜「そこに侑さんの幼馴染とは言え第三者である歩夢さんが介入するのは」

歩夢「せつ菜ちゃん」

せつ菜「っ!」

歩夢「私の話、ちゃん聞いてたのかな?」ニコ

せつ菜「ど、どういう意味ですか!」

歩夢「私言ったよね、『最終的にはちゃんと受け入れてくれた』って」

歩夢「それはね、せつ菜ちゃんが告白したときとは違って」



歩夢「侑ちゃんも私のことを"恋愛対象として好き"になってくれた、って意味なんだよ」ニコ

せつ菜「なっっ!!!!?」

492: 2021/01/18(月) 01:33:47.06 ID:auorbzPc
歩夢「その意味、わかるよね?」ニコニコ

せつ菜「そん、な……!そんなこと……!!」

歩夢「あのときの侑ちゃん、本当に可愛かったなぁ」ニコニコ

歩夢「私のことを意識し始めたからか、顔も凄く赤くて」ニコニコ

歩夢「ぎゅっと抱き締めたら、心臓の鼓動がこっちにも聴こえるくらいドキドキしてくれてて」ニコニコ

歩夢「そっと手を重ねたら、こっちにも緊張してるのが伝わってくるくらいに汗かいてて」ニコニコ

歩夢「もう私のことしか見えない、って感じのうっとりした表情になってて」ニコニコ

歩夢「本当に、可愛かったなぁ」ニコニコ

せつ菜「なっ、侑さんが、そん、な……!」

歩夢「ねぇ、せつ菜ちゃん」

歩夢「せつ菜ちゃんは侑ちゃんがそんな風になるところ」



歩夢「見たこと、あるの?」ニコッ

せつ菜「……ッッ!!!!!」

494: 2021/01/18(月) 01:42:41.69 ID:auorbzPc
せつ菜「私、は……」ブルブル

歩夢「あるのかな?」ニコニコ

せつ菜「……っ、です」ブルブル

歩夢「ん?」ニコニコ

せつ菜「……ぃです」ブルブル

歩夢「ごめんね、よく聴こえないからちゃんと大きな声で言ってくれる?」ニコニコ

せつ菜「……ッッ、ないですよ!!!!!」

歩夢「わっ、びっくりした」

せつ菜「そんなの、一度だって、まだ……!!」グスッ

歩夢「そっかぁ」ニコッ

せつ菜「……っ」ゴシゴシ

せつ菜「歩夢さん!!!!!」

歩夢「なに?」ニコニコ



せつ菜「そこまで言うのでしたら!!証拠を見せてください!!!」

歩夢「……証拠?」

497: 2021/01/18(月) 01:51:20.29 ID:auorbzPc
せつ菜「そうです!!」

せつ菜「今はまだ歩夢さんの口から聞いているだけに過ぎず、第三者の証言や物的証拠と言えるものがまだ何もありません!!!!」

歩夢「……そうだね」

せつ菜「ですから!!歩夢さんの言葉以外で!!!それが事実であると証明していただきたいのです!!!!!」

歩夢「……そっかぁ」

歩夢「まあ確かに、せつ菜ちゃんからしたら私が嘘を言っていると"勘違い"してもおかしくはないよね」ニコッ

せつ菜「そ、そうです!」

せつ菜「出せる証拠があるのなら!!是非私に見せてください!!!」

歩夢「……そこまで言うなら、しょうがないか」

歩夢「いいよ、せつ菜ちゃん」



歩夢「証拠、見せてあげる」ニコッ

せつ菜「!!」

498: 2021/01/18(月) 01:56:37.91 ID:auorbzPc
歩夢「……でも、その前に」

歩夢「約束、してもらってもいいかな?」ニコ

せつ菜「約、束……?」

歩夢「うん」

せつ菜「な、なんですか、その約束って」

歩夢「えっとね」



歩夢「金輪際、侑ちゃんと会話しないで」ニコ

せつ菜「!?」

499: 2021/01/18(月) 02:04:00.64 ID:auorbzPc
歩夢「電話も、メールも、SNSも」

歩夢「どんな手段であっても、侑ちゃんとコミュニケーションを取らないで」ニコッ

せつ菜「な、そん、なの……っ」

歩夢「あ、でも同好会に所属してる間はそれだと侑ちゃんが困っちゃいそうだし……そうだなぁ」

歩夢「事務的な会話だけはオッケー、でどうかな?」

歩夢「もちろん私がいるところに限るけど、ね」ニコッ

せつ菜「……っ、そ、そんなの横暴が過ぎます!!」

歩夢「えぇ、これでもかなり譲歩したつもりなんだけどなぁ」

歩夢「……それとも」



歩夢「侑ちゃんのこと、信じられないのかな?」ニコッ

せつ菜「……ッッ!!!!」

503: 2021/01/18(月) 02:10:41.83 ID:auorbzPc
歩夢「だってそうだよね?」

歩夢「侑ちゃんが、私と付き合ったりしないって」

歩夢「私の告白を受け入れたりしないって」

歩夢「せつ菜ちゃんのことを捨てたりしないって」

歩夢「そう、心の底から信じてるなら」

歩夢「こんな約束の内容なんて、何も気にしないよね?」ニコッ

せつ菜「……っ、それ、は……!!」

歩夢「やっぱり侑ちゃんのこと、信じられないのかな?」ニコニコ

せつ菜「そん、な……」

せつ菜「……ッ」ギリッ



せつ菜「そんなわけ、ありませんよ!!!!!」

505: 2021/01/18(月) 02:18:58.87 ID:auorbzPc
せつ菜「私は!!侑さんのことを信じています!!!」

せつ菜「侑さんは!!!!私の恋人なんですから!!!!!」

歩夢「……それじゃあ、約束は?」

せつ菜「……っ、いいでしょう!!しますよ!!」

歩夢「そっかぁ」ニコッ

歩夢「それならこれを」

せつ菜「それと!!」

歩夢「ん?」

せつ菜「こちらからも!!条件があります!!!」

歩夢「……条件?」ピクッ

せつ菜「はい!」

せつ菜「歩夢さんが用意した証拠に!もし偽りや加工などの小細工があった場合は!!」



せつ菜「先ほど歩夢さんが!!私に対して突きつけた約束事を!!!歩夢さん自身に実行してもらいます!!!!」

歩夢「……へぇ」ニコッ

506: 2021/01/18(月) 02:27:25.86 ID:auorbzPc
せつ菜「よろしいですか!?」ビシッ

歩夢「うん、いいよ」ニコッ

せつ菜「……っ、随分あっさりと」

歩夢「だって、私は侑ちゃんのことを信じてるからね」

歩夢「少し迷ったせつ菜ちゃんと違って、ね?」ニコッ

せつ菜「っ……」

歩夢「さ、それじゃ証拠確認といこっか」ニコッ

せつ菜「は、はい……!」

歩夢「えーっと」スッ

せつ菜「!スマホ、ですか?」

歩夢「うん、写真で撮ってきたからね」ニコッ

せつ菜「写真、ですか」

歩夢「本当は映像が一番なんだけど……さすがに侑ちゃんの"あんな姿"は見せたくないし、私も恥ずかしいからね」スッスッ

歩夢「これを見れるせつ菜ちゃんは、本当にラッキーだよ」ニコッ

せつ菜「っ、い、一体何の写真を……!?」

歩夢「さ、これだよ」

歩夢「よーく見て、ね?」ニコッ

せつ菜「……」ゴクリ

せつ菜「確認、しますね」スッ



せつ菜「……!?」

509: 2021/01/18(月) 02:39:02.07 ID:auorbzPc
────そこに映っていたのは


せつ菜「なん、ですか……っ」


────頬を紅潮させた侑さんが歩夢さんの頬に


せつ菜「これは……っ!!」


────キス、をしている写真だった



歩夢「ふふ」クスッ

歩夢「これで驚いてたら、この後の写真はまともに見られないんじゃないかな?」ニコニコ

せつ菜「なっ、どっどういう意味ですか!?」

歩夢「言うより見る方が早いよ」ニコッ

せつ菜「……っ」



────二枚目は、歩夢さんが侑さんの頬にキスを


せつ菜「……っ!?」


────三枚目は、侑さんと歩夢さんが唇を重ね合わせていた


せつ菜「な、ぁ……!?」カァァァ


────四枚目は、侑さんと歩夢さんの舌が絡み合っていた


せつ菜「っ、ぁ……!!」


────五枚目は、制服がはだけた侑さんの首元に歩夢さんが唇を重ねていた


せつ菜「……っ、ぇ……!!」


────六枚目は、もう見ていられなかった

511: 2021/01/18(月) 02:47:03.56 ID:auorbzPc
歩夢「あれ?写真見ないの?」ニコニコ

せつ菜「ぁ……っ……!」

歩夢「せつ菜ちゃん?」ニコニコ

せつ菜「はぁっ……はぁっ……!」

歩夢「なんだか息が荒いね?」

歩夢「……もしかして」



歩夢「侑ちゃんと私がキスしてるのを見て、興奮しちゃった、とか?」ニコッ

せつ菜「……っっ!!」ギリッ

515: 2021/01/18(月) 02:51:24.57 ID:auorbzPc
せつ菜「歩夢さん!!!あなたは!!!!」バッ

歩夢「なにかな?」ニコニコ

せつ菜「どうして、こんな……っ!!」

歩夢「あれ?せつ菜ちゃんは知らないのかな?」

歩夢「仲の良い恋人同士だとキスプリとかやったりするんだけどなぁ……まあ、さすがにここまで激しくはやらないかもしれないけど」クスッ

歩夢「……それとも、もしかして」



歩夢「まだ侑ちゃんと、キスしたことなかった?」ニコッ

せつ菜「……ッッッ!!!!!」

517: 2021/01/18(月) 02:58:04.87 ID:auorbzPc
せつ菜「私、は……侑さんのことを、大事に……っ」ブルブル

歩夢「本当にそうかな?」

せつ菜「は……っ?」

歩夢「せつ菜ちゃん、侑ちゃんが自分のことをまだ"恋人として好き"なわけではないって気づいてたんだよね?」

歩夢「あくまでまだ、"付き合ってもらっている"関係でしかない、って思ってたんじゃない?」

せつ菜「なっ、そん、なっこと……!」

歩夢「だから、侑ちゃんに強く迫ることができなかった」



歩夢「違うかな?」ニコッ

せつ菜「な……っ!」

518: 2021/01/18(月) 03:02:04.43 ID:auorbzPc
せつ菜「そん……ちがっ……私、は……っ」ブルブル

せつ菜「侑さんの、こと……本当に、大事にしたくて……!」ポロポロ

歩夢「……まあそこについてはどうでもいいんだけど」


歩夢「でも、これでわかったよね」ニコッ

歩夢「侑ちゃんと私が」ニコニコ

歩夢「ちゃんと付き合ってるってこと」ニコニコ

歩夢「わかったよね」ニコニコ



歩夢「ね?」ズイッ

せつ菜「っ」ビクッ

519: 2021/01/18(月) 03:11:32.62 ID:auorbzPc
せつ菜「……っ」グスッ

歩夢「納得してくれるよね?」ニコニコ

せつ菜「……」ゴシゴシ

せつ菜「……いえ」


せつ菜「まだ、です……!」

歩夢「……へぇ?」

せつ菜「まだ、その画像が加工されたものだという可能性が残っています……!」

歩夢「……加工?」

せつ菜「そうです!推理モノのドラマや映画ではよくあることです!画像加工で作られた捏造証拠に騙されるというパターンが!」

歩夢「へぇ、そうなんだ」ニコッ

せつ菜「ですから!!それだけでは証拠不十分です!!!」ビシッ

歩夢「……そっかぁ、これだけじゃ足りないかぁ」

せつ菜「足りませんね!!それらの写真とはまた別の証拠を提示してください!!!!」

歩夢「うーん、"せつ菜ちゃんの為"にもこれはしない方がいいかなぁって考えてたんだけど」

歩夢「でも、これで足りないって言われちゃったら」



歩夢「しょうがないよね?」ニコッ

せつ菜「ッッ」ゾクッッ

520: 2021/01/18(月) 03:19:45.49 ID:auorbzPc
歩夢「……せつ菜ちゃん、この後時間ある?」ニコッ


せつ菜(門限まで、あまり余裕はありません……が)

せつ菜(今は緊急事態です!!門限のことなど考えてる場合ではありません!!!!)


せつ菜「ありますよ……!!」

歩夢「そっか、ならよかった」ニコッ

歩夢「それじゃ、ついてきて」スタスタ

せつ菜「っ、一体どこに……!」

歩夢「……それは」クルッ



歩夢「着いてからのお楽しみ、だよ」ニコッ

せつ菜「……っ」ゴクリ

せつ菜「わかりました!地獄の果てだろうとどこだろうと!!ここまできたら行きますよ!!!!」

歩夢「……そっか」ニコッ

521: 2021/01/18(月) 03:37:26.35 ID:auorbzPc
~しばらくして~



歩夢「はい、着いたよ」

せつ菜「あの、ここって……」

歩夢「私が住んでるところだよ」

歩夢「それと、侑ちゃんもね」ニコッ

せつ菜「!」

歩夢「……一応、もう一度聞くけど」

歩夢「さっきの証拠だと、納得してくれないんだよね?」

せつ菜「……はい、あの画像だけでは、まだ信じられません」

歩夢「……うん、ならしょうがないよね」

歩夢「とりあえず行こっか」



歩夢「私の部屋に、ね?」ニコッ

せつ菜「……っ、はい」

524: 2021/01/18(月) 03:44:46.05 ID:auorbzPc
~上原家、歩夢の部屋~



せつ菜「ここが……」ゴクリ

歩夢「そうだよ」ニコッ

せつ菜「っ」キョロキョロ

歩夢「……どうしたの?」

せつ菜「どこに何が仕掛けられているかわかりませんから……!」キョロキョロ

歩夢「……ふふ、そんな漫画じゃないんだから」クスッ

せつ菜「それでも!警戒を怠るわけにはいきません……!」

歩夢「まあ、好きにしてていいけどね」ニコッ


ピンポーン


歩夢「!私、ちょっと出てくるね」ガタッ

せつ菜「?あ、はい」

525: 2021/01/18(月) 03:49:19.64 ID:auorbzPc
せつ菜(歩夢さんの部屋……)

せつ菜(一見、女の子らしく可愛らしい雰囲気のお部屋ですが……しかし)

せつ菜(油断大敵!何が起きても動揺しないようにしないと……)


ガチャ


せつ菜「!歩夢さ」

歩夢「はい、入っていいよ」

侑「……」ヒョコッ

せつ菜「!!!!!」

526: 2021/01/18(月) 03:54:24.82 ID:auorbzPc
せつ菜「侑さん!!!!!」

侑「っ」ビクッ

歩夢「……せつ菜ちゃん」ハァ

せつ菜「な、なんですか!?」

歩夢「静かに話して、隣の人とかに迷惑だから」

せつ菜「あっ、す、すみません、つい……」

せつ菜「ごほんっ」

せつ菜「……それで、どうして侑さんがここに?」

侑「それ、は……」



歩夢「侑ちゃんが証拠だから、だよ」ニコッ

せつ菜「……は?」

527: 2021/01/18(月) 04:05:46.79 ID:auorbzPc
せつ菜「どういう、意味ですか……?」

歩夢「そのままの意味だよ」ニコニコ

歩夢「あ、でも正確にはそれだけじゃ足りないね」

歩夢「侑ちゃん」スッ

侑「あ、歩夢……」

歩夢「……ごめんね、せつ菜ちゃんを説得するって言ったのに」

歩夢「せつ菜ちゃん、あの写真見せても納得してくれなくて」

侑「あ、あれホントに見せたの……?」

歩夢「その為に撮ったものだからね」ニコ

侑「っ、は、恥ずかしい……」カァァァ

歩夢「侑ちゃん、顔真っ赤だよ」ニコニコ

せつ菜「!」

せつ菜(なん、ですか、これは)

侑「だ、だって……!」

歩夢「ふふ、まあ恥ずかしいのは私も同じなんだけどね」ニコ

せつ菜(……まるで)

侑「で、でも歩夢は全然顔に出てないじゃん!」

歩夢「ふふ、そうかな?」



せつ菜(まるで、あの写真の出来事が本当にあったかのような……!)

528: 2021/01/18(月) 04:11:49.89 ID:auorbzPc
歩夢「……それじゃあ、侑ちゃん」ソッ

侑「あ、歩夢……」

侑「……ほ、ホントにここでするの?」

せつ菜「!な、なにを」

歩夢「そうしないと、せつ菜ちゃん信じてくれないみたいだから」

侑「……」チラ

せつ菜「ゆ、侑さん……?」

歩夢「ね?」

侑「……わかった」コクリ

せつ菜「あ、あのお二人とも何を……?」

歩夢「せつ菜ちゃん」

歩夢「よーく見てて、ね?」ニコッ

せつ菜「!や、やめ」


チュ


ゆうぽむ「……んっ」

せつ菜「!!!!!」

529: 2021/01/18(月) 04:17:52.97 ID:auorbzPc
────なんですか、これは


歩夢「侑ちゃん……んっ」


────何が、起きてるんですか


侑「ちょ、ん……ぁゆむ、激し……っ」


────私の目の前で起きている、これは


侑「せつ菜ちゃ……が、見て……んぅ」


────ダメです、これは


歩夢「侑ちゃん……私だけ、見てて……」


────これ以上は、見ていられません


歩夢「他の子なんて、見ないで……!」


────これ以上、見ていたら


侑「ぁゆ……んぁ……っ」


────頭が、おかしくなってしまいます……ッッ!!!!!

530: 2021/01/18(月) 04:24:28.81 ID:auorbzPc
せつ菜「ぅ……っ」ブルブル


侑「……はぁ……ん……」


せつ菜「ぁっ……」ブルブル


侑「ぁゆ……んむ……っ」


せつ菜「ぁぁ……っ」ポロポロ


侑「ぅ……ぁ……っ」ビクッ

歩夢「……ふふ、侑ちゃんは本当に感じやすいんだね」

侑「はぁ……はぁ……」

歩夢「まだキスしかしてないのに」ニコッ

侑「だ……だって、歩夢が……!」

歩夢「私が?」ニコニコ

侑「……っ」



侑「歩夢が、キス上手すぎるんだもん……っ」カァァァ

せつ菜「────ァ」プツン

532: 2021/01/18(月) 04:31:19.24 ID:auorbzPc
せつ菜「────」ダッ

侑「!?せ、せつ菜ちゃ」

歩夢「!」ガシッ

せつ菜「っ」

歩夢「せつ菜ちゃん」

せつ菜「離してください!!」ポロポロ

せつ菜「もう!!ここにはいたくありません!!!」ポロポロ

侑「せ、せつ」

歩夢「帰ってもいいよ」

歩夢「でも、その前に」


グイッ


せつ菜「!」

歩夢「これで納得してくれた?」

歩夢「侑ちゃんと、私のこと」ニコッ

せつ菜「……ッッ」ギリッ

533: 2021/01/18(月) 04:38:41.38 ID:auorbzPc
せつ菜「……わかり、ました」グスッ

歩夢「!」

せつ菜「認め、ます……」ヒック

せつ菜「だから、だから……」ポロポロ

歩夢「……」パッ

せつ菜「────ッ」ダッ

侑「……せつ菜ちゃん!!」

せつ菜「────」ピクッ

歩夢「ゆ、侑ちゃんっ」

侑「……ごめんなさい」

侑「これだけは、ちゃんと私の口から伝えたかったから……!」

せつ菜「……自己満足の謝罪、ですか?」グスッ

侑「っ」ビクッ

せつ菜「……もう、何も聞きたくありません」



せつ菜「────さようなら」

534: 2021/01/18(月) 04:43:34.88 ID:auorbzPc
せつ菜「────」ダッ

侑「あっ、待っ」

歩夢「侑ちゃん!」ガシッ

侑「あ、あゆ」

歩夢「いかないで」ギュッ

侑「!」

歩夢「お願いだから……」

歩夢「いかない、で……っ」ブルブル

侑「……うん」



侑「ごめんね」

侑「それと」

侑「ありがとう」

チュッ

歩夢「!」

535: 2021/01/18(月) 04:48:06.73 ID:auorbzPc
侑「私の代わりに、嫌なこと言うの全部引き受けてくれて」

侑「私が、弱いから」

侑「私が、ダメダメだから」

侑「全部、歩夢に任せちゃって」

侑「私は……」

歩夢「……ううん」

歩夢「侑ちゃんは、悪くないよ」ニコ

侑「歩夢……」

侑「……だとしても」



侑「ありがとう」ギュッ

歩夢「……うん」ギューッ

536: 2021/01/18(月) 05:13:11.35 ID:auorbzPc
~エピローグ~



侑(あの後、せつ菜ちゃんは学校に来なくなってしまった)

侑(そして、そのまませつ菜ちゃん……いや菜々ちゃんは転校してしまった)

侑(完全に、私達の前から姿を消してしまったのだ)

侑(程なくして、スクールアイドル界隈では『優木せつ菜』の突然の失踪に関する色んな噂が立ち始めた)

侑(まあ、どの噂も真実とは異なるものばなりなんだけどね)


侑(……それと)

侑(私と歩夢はスクールアイドル同好会を辞めることにした)

侑(せつ菜ちゃんを捨てて、歩夢を選んだ私を皆は許さないだろうし)

侑(歩夢本人も、スクールアイドルを続ける気力はもう残っていないように見えたから……)

侑(……退部するときは、それはもうめっちゃくちゃに揉めて大変だった)

侑(ある人には泣かれ)

侑(ある人には軽蔑され)

侑(ある人には失望され)

侑(ある人には嫌われ)

侑(ある人にはビンタされ)

侑(ある人にはグーで思いっきり殴られた)

侑(……でも、それも何もかも私が悪いんだ)

侑(歩夢は『侑ちゃんは悪くない』って言ってくれるけど、いくらダメダメな私でもそれくらいはわかっているつもりだ)

侑(歩夢を選ぶ代わりに、全てを捨てたのだから)

侑(でも、せめて歩夢は)

侑(歩夢だけは……)



「……侑ちゃん」

538: 2021/01/18(月) 05:24:51.39 ID:auorbzPc
歩夢「どうしたの、ボーッと天井見上げて」

侑「……ちょっと、考え事してた」

歩夢「それって……?」

侑「皆のこと、かな」

歩夢「……そっか」

侑「今でも、たまにふと考えちゃうときがあってさ」

侑「どうすれば、せつ菜ちゃんも同好会の皆も……誰も傷つけずにいられたかなって」

歩夢「……」

侑「なんて、欲張りすぎだよね……」ハハ

歩夢「……侑ちゃんは、優しいからね」

侑「そうかな……」

歩夢「そうだよ」ニコ

侑「歩夢……」


チュ


歩夢「……はぁ」

侑「……私ね」



侑「歩夢のこと、好きだよ」ニッ

歩夢「!」

539: 2021/01/18(月) 05:30:33.95 ID:auorbzPc
歩夢「なに、そんな改まって?」クスッ

侑「言いたくなったから言っただけだよ」ニッ

歩夢「……そっか」

歩夢「侑ちゃん」

侑「なに?」

歩夢「私も、侑ちゃんのこと好きだよ」ニコ

侑「……うん」ニコ

歩夢「……」ジッ

侑「……」ジッ

歩夢「……ふふ」

侑「どうしたの?」

歩夢「……ううん」



歩夢「ピロートークって、こういう感じでいいのかなって思って」クスッ

侑「……なるほどね」クスッ

540: 2021/01/18(月) 05:37:06.63 ID:auorbzPc
歩夢「……侑ちゃん」

侑「ん?」

歩夢「ずっと、一緒に」

歩夢「私のそばに、いてね」ギュッ

侑「……うん」ギュッ

侑「歩夢こそ、いなくならないでよ?」

歩夢「いなくならないよ」

歩夢「私が、侑ちゃんの前からいなくなるなんて」

歩夢「そんなこと、あるわけない」ギューッ

侑「お、ホントに~?」

歩夢「……侑ちゃんに捨てられたら、別だけど」ジト

侑「なっ、だ、大丈夫だって!私が歩夢のこと捨てるわけないじゃん!」

歩夢「ホントに~?」

侑「ホントホント!」

歩夢「……じゃあ」


チュ


歩夢「……もっかい、しよ?」

侑「っ」ドキッ

侑「……いいよ」

侑「しよっか」ニッ

541: 2021/01/18(月) 05:45:16.55 ID:auorbzPc
────どうしてですか、先輩……っ!!



────そんな人だとは、思いませんでした……思いたく、ありませんでした



────ひどい、せつ菜さんが可哀想



────せっつー、泣いてたよ……なんで、こんなやり方……!



────どんな風に恋愛するかは自由だけどさ~……これはちょっと、ねぇ?



────最低



────許さないよ、絶対に



────さようなら

542: 2021/01/18(月) 05:53:27.20 ID:auorbzPc
────このやり方が正しかったのかなんて、わからない



────でも、それでも欲しいモノがあった



────全てを捨ててでも、手に入れたいモノがあった



────その気持ちだけは、誰にも否定されたくない



────だから、きっとこれで良かったんだと思う



────でも



────もしも



────もしも、"次"があるなら



────そのときは



────せめてもう少しだけ、皆も幸せだったらいいな



~ルート3-1:侑NTRせつ菜脳破壊ルート、完~

543: 2021/01/18(月) 05:59:45.74 ID:auorbzPc
自分の書いたSSでNTR描写をしっかり描いたのは初めてです……

これにてルート3完結です!!!!!
引き続きルート2を書いていく予定ですが、そちらはここまで胸糞後味悪い展開にはならない予定ですので、ルート3は途中でギブアップ!という方でも読めるかと思います……!

569: 2021/01/19(火) 02:49:36.72 ID:c7iiPatI
お待たせしました、それではルート2を書いていきます

570: 2021/01/19(火) 02:51:36.04 ID:c7iiPatI
>>54 から
2を選択した場合



歩夢(……そうだよ)

歩夢(私は、侑ちゃんの笑顔が好き)

歩夢(そしてそれは……)


───────


侑「えぇ〜?も〜歩夢がいじめてくるよせつ菜ちゃーん」ギュッ

せつ菜「わわっ、ゆ、侑さんってば」

侑「えへへ」ニコニコ


───────


歩夢「……っ」ズキッ

歩夢(他の人に対してじゃなくて……)

歩夢(私に、向けていてほしいの……!)

歩夢「……やっぱり、嫌だよ」

歩夢「だって……っ」



歩夢「私、侑ちゃんのこと好きだもん……っ!」ポロポロ

571: 2021/01/19(火) 02:52:34.84 ID:c7iiPatI
────そうだよ


歩夢「ぅ……」グスッ


────ここで諦めるなんてダメ


歩夢「……っ」ゴシゴシ


────私は


歩夢「すー……はぁ……」


────やっぱり侑ちゃんが好き


歩夢「……」


────だから


歩夢「……言うんだ」


────例え、どんな結果になったとしても


歩夢「侑ちゃんに、好きって……!」


────せめて、この"想い"だけはちゃんと伝えたい……!

573: 2021/01/19(火) 03:03:37.99 ID:c7iiPatI
~翌朝、高咲家、侑の部屋~



歩夢(……とは言ったものの)


侑「すー……すー……」スヤスヤ

歩夢「……もう、相変わらずお寝坊さんなんだから」クスッ

侑「んー……」ムニャムニャ

歩夢「侑ちゃ~ん、朝だよ~」

侑「……」スヤスヤ

歩夢「……侑ちゃ~ん、もう起きなきゃいけない時間過ぎてるよ~」ユサユサ

侑「んん……ぁと5分……」ムニャムニャ

歩夢「侑ちゃ~ん?」

侑「……んー」ゴロッ

歩夢「……」



歩夢「いい加減起きなさーい!」

バサッ

侑「んぁ!?」パチッ

574: 2021/01/19(火) 03:16:26.78 ID:c7iiPatI
~高咲家、リビング~



侑「……まさかいきなり布団を剥ぎ取られるとは」

歩夢「だって侑ちゃん全然起きる気配ないんだもん、あれくらいしなきゃ」

侑「いやでもあれされるとさぁ」

侑「こう、心臓がびっくりするというか……目覚めが悪いと言うか……」

歩夢「……じゃあ、ちゃんと一人で起きられるようになってね?」ニコ

侑「うっ、そ、それはまた話が別というかなんというか」

歩夢「……せっかく毎日起こしに来てあげてるのに」フイッ

侑「あ、歩夢……?」

歩夢「……」

侑「え、もしかして怒ってる……?」

歩夢「……つーん」

侑「あ、歩夢~ごめんってば~」

歩夢「……私の好意を無下にする侑ちゃんは好きじゃないでーす」ツーン

侑「あ、歩夢~!」



侑母「……ふふっ」

575: 2021/01/19(火) 03:25:17.61 ID:c7iiPatI
侑母「侑と歩夢ちゃんってばホントに……」クスクス

侑「な、なにお母さん、今大変なんだけど」

侑母「いやね、毎朝二人のそういうやりとり見てるけど」

侑母「あなた達ってホントに仲良いわね」ニコッ

ゆうぽむ「!」

侑母「幼馴染だからっていうのもあるけど、そうね」

侑母「そういう風にしてるのを見ると、なんだか……」



侑母「若い頃のお父さんと私を思い出しちゃうわね」クスクス

ゆうぽむ「!!」

576: 2021/01/19(火) 03:36:01.32 ID:c7iiPatI
侑母「侑がダメ夫で、歩夢ちゃんがそれを正そうと頑張る奥さん……みたいな?」クスクス

侑「お、お母さん!」

歩夢「わ、私が……侑ちゃんの、奥さん……」

侑母「……あ、でも侑が子どもで歩夢ちゃんがママって言うのもあるかも?」

侑「お母さん!?」

歩夢「わ、私が侑ちゃんのママ……なるほど、そういう道も……」

侑「歩夢!?」

侑母「そしたら私はおばあちゃんかしらね~」ニヤニヤ

侑「も、もう!何言ってるの!」

侑「朝から変なことでからかわないでよ!」

侑母「はいはい」クスクス



歩夢「……」

577: 2021/01/19(火) 03:45:11.79 ID:c7iiPatI
歩夢(私が、侑ちゃんの奥さん……)

歩夢(……でも、侑ちゃんはせつ菜ちゃんと)

歩夢「……っ」ズキッ


侑「歩夢も何か言ってやってよ~!」

歩夢「……」

侑「……?歩夢?」

歩夢「はっ、な、何?」

侑「ほら、お母さんがからかってきたから何か言い返そうって」

歩夢「……そうだね」

歩夢「でも、それならまず一人で起きられるようにならなくちゃね?」ニコ

侑「なぁ!?結局話はそこに戻るの!?」

侑母「そうよ~、侑ももういいトシなんだからいつまでも歩夢ちゃんに甘えてちゃダメよ~」

歩夢「!」

侑「も~子ども扱いしないでよ~」

侑母「何言ってんの、侑はまだ子どもでしょ」

侑「いやまあそれはそうなんだけど、そういうことじゃなくて……ね?」



歩夢「……」

歩夢(侑ちゃんが、私に甘えてる……か)

578: 2021/01/19(火) 03:53:30.12 ID:c7iiPatI
歩夢(……確かに、毎朝私が侑ちゃんを起こしに来てるのもその一つ、だよね)

歩夢(侑ちゃんがせつ菜ちゃんと付き合い出してからも私達の関係があまり変わってないのは、そういうところも大きい……のかな?)

歩夢(……もし、侑ちゃんが毎朝ちゃんと起きられるようになって)

歩夢(私に対して、甘えに来てくれなくなったら……)

歩夢「……」

歩夢「ねぇ、侑ちゃん」

侑「ん、なに?」

歩夢「侑ちゃんは、いつまで……」

侑「?」



歩夢「いつまで、私の子どもでいてくれる?」ニコ

侑「いや歩夢の子どもじゃないんだけど!?」

579: 2021/01/19(火) 04:05:18.85 ID:c7iiPatI
歩夢「……ふふ、冗談だよ」クスッ

侑「も、もう!歩夢までお母さんの冗談に悪ノリして~!」

歩夢「さっき私の好意を無下にした罰でーす」

侑「あれまだ根に持ってたの!?」

歩夢「むっ」ジト

侑「うっ」

歩夢「……そういうこと言うなら、本当に起こしに来るのやめようかな」フイッ

侑「ごっごめんってば!」

侑「私には歩夢の目覚ましが必要なの!だから見捨てないで~!」ヒシッ

歩夢「……」チラ

侑「お願い……ね?」

歩夢「……はぁ」

歩夢「そこまでお願いされたらしょうがないよね……これからも起こしに来るよ」ニコ

侑「さっすが私の歩夢~!信じてたよ!」ギュッ

歩夢「!」ドキッ

歩夢「ゆ、ゆゆ侑ちゃんってば」カァァァ

侑母「歩夢ちゃんは本当に侑に甘いわね~」クスクス

侑「お母さん!解決しそうなとこなんだから口挟まないで!」

侑母「はいはい、それじゃ後は若い者同士でごゆっくり~」ヒラヒラ

侑「それはまたなんか違くない!?」



歩夢「……」ドキドキ

580: 2021/01/19(火) 04:19:05.00 ID:c7iiPatI
~登校中~



侑「はぁ……朝から疲れた」

歩夢「ふふ、お疲れ様」

侑「お母さんどんどんいじってくるんだもん……毎回毎回相手するの大変だよ、ホントに」クスッ

歩夢「でも侑ちゃん楽しそうだったよ?」

侑「……まあ、ああいうやりとりするのは嫌いじゃないよ」

歩夢「嫌いじゃない、なんだね」ニコ

侑「う……」

歩夢「ふふ、親子仲が良いのは悪いことじゃないと思うよ」ニコニコ

侑「……まあ、それはそうだけどさ~」

歩夢「ふふっ」ニコニコ



歩夢(……楽しいな)

581: 2021/01/19(火) 04:27:04.97 ID:c7iiPatI
歩夢(朝、侑ちゃんを起こしに行って)

歩夢(そのまま、朝食を食べる侑ちゃんと洗い物をしてる侑ちゃんのお母さんと三人で楽しくお喋りして)

歩夢(その後は、侑ちゃんとこうして二人で他愛もない話をしながら学校へ向かって)

歩夢(この朝の時間は、私と侑ちゃんのモノって感じがして……好き)

歩夢(……いっそ、この時間がずっと続けばいいのにって思ってしまうくらいに居心地が良くて)

歩夢(でも……)



侑「……にしても」

歩夢「?」

侑「いつまでも歩夢に甘えてちゃダメ、か~」

歩夢「!」



歩夢(……楽しい時間はいつまでも続かない、よね)

582: 2021/01/19(火) 04:45:54.02 ID:c7iiPatI
侑「お母さんに言われたときは子ども扱いしないで~って言ったけど」

歩夢「……うん」

歩夢(侑ちゃんは、せつ菜ちゃんと付き合い始めた)

侑「実際さ、よく考えてみると私って結構歩夢に甘えてるかも~って思って」

歩夢「……そうだね」

歩夢(それは、侑ちゃんの一番が私ではないことを意味していて)

侑「やっぱそうだよね~」アハハ

歩夢「……」

歩夢(このまま行けば、確実に侑ちゃんは私から)

侑「私も親離れ……じゃなくて」



侑「歩夢離れ?するときがついに来たか~」アハハ

歩夢「っ」ズキッ

歩夢(離れて、いっちゃうんだ……っ!)

583: 2021/01/19(火) 04:51:16.36 ID:c7iiPatI
侑「……なんてね、まあ歩夢に甘えることは卒業しても歩夢から離れることは……歩夢?」

歩夢「な、なに?」ズキズキ

侑「大丈夫?なんか顔色良くないよ」

歩夢「だ、大丈夫だよ」ズキズキ

侑「ホントに?」ギュッ

歩夢「!」ドキッ

侑「んー……脈拍は異常なし、かな?」

歩夢「ゆ、侑ちゃん……そんなことわかるの?」ドキドキ

侑「いやわかんないよ」アハハ

歩夢「えぇ?じゃあなんで私の手を」

侑「だってこうやって手を繋げば」


ギュッ


侑「歩夢が安心してくれるかな、って思ってさ」ニッ

歩夢「……!」

584: 2021/01/19(火) 05:08:21.54 ID:c7iiPatI
侑「大丈夫だよ」ギュッ

歩夢「侑、ちゃん」

侑「私は、歩夢から離れていったりなんてしないからさ」

侑「だから、安心してよ」ニッ

歩夢「……」

歩夢「それって……」

侑「ん?」



歩夢「まだまだ私に甘え足りない、ってことかな?」ニコ

侑「んな!?」

585: 2021/01/19(火) 05:16:45.04 ID:c7iiPatI
歩夢「そうだよね、侑ちゃんはまだまだお子様だもんね」ニコニコ

侑「なっ、こっ子どもじゃないってば!」

歩夢「あれ?さっきお母さんの前では認めてなかった?」

侑「そ、それはまた話が別!というか」

歩夢「そっかぁ、あっでも確かに子どもじゃないかも」

侑「え?そ、そうだよ私は子どもじゃ」

歩夢「赤ちゃん、とか?」クスッ

侑「なぁ!?」

歩夢「ほら、侑ちゃんってお笑いのレベルが赤ちゃんだし」クスクス

侑「うぐっ……いやでも!私にとっては面白いんだもん!」

歩夢「そうだよね、侑ちゃんにとっては面白いんだもんね」ニコニコ

侑「むぅ、なんか腑に落ちないなぁ」ムムム

歩夢「ふふ、そうかな?」

侑「……まあでも」



侑「これで元気、少しは出たかな?」

歩夢「……うん」ニコ

586: 2021/01/19(火) 05:23:01.86 ID:c7iiPatI
侑「ね、歩夢」

歩夢「なに?侑ちゃん」

侑「今日は、このまま学校まで手繋いでこっか?」

歩夢「え!?」ドキッ

侑「寂しがりのあゆぴょんへ私からの大サービス!」

歩夢「なっ」カァァァ

侑「ふふ、なんてね」ニッ

歩夢「も、もう侑ちゃんってば!」

侑「で、どうかな?」

歩夢「……うん」



歩夢「手、繋いで行きたい」ギュッ

侑「……ん」ギュッ

侑「じゃあ、いこっか」ニッ

歩夢「うん」ニコ

587: 2021/01/19(火) 05:30:23.65 ID:c7iiPatI
侑「あ、でも人増えてきたら離すよ?その、恥ずかしいし、ね」

歩夢「そうだね、それは私も恥ずかしいし賛成」

侑「……あと」

歩夢「?」

侑「せつ菜ちゃんに悪いし、ね」

歩夢「!」ズキッ

侑「ほら、私とせつ菜ちゃん付き合ってるじゃん?だから他の人とこういうことするのはよくないかなって」アハハ

歩夢「そっ、か」

侑「……ただ」



侑「歩夢は、私にとって"特別"だからさ」

歩夢「!」

588: 2021/01/19(火) 05:37:20.67 ID:c7iiPatI
侑「だから、手繋ぐくらいならいいかなって!」

歩夢「……」

侑「それに元々よくやってたしね、今更それをきっぱりやめるっていうのも」

歩夢「侑ちゃん」

侑「?」

歩夢「侑ちゃんの言う"特別"って……」



歩夢「どういう意味、かな……?」

侑「えっ」

歩夢「……っ」


ギュッ


侑「!歩夢、なんか力つよ」

歩夢「教えて」

歩夢「……ね?」ニコ

侑「……わかった」コクリ

589: 2021/01/19(火) 05:47:41.98 ID:c7iiPatI
侑「私にとって、歩夢は」

歩夢(……わかってるよ)

侑「小さい頃から、ずっと一緒に過ごしてきた幼馴染で」

歩夢(侑ちゃんの言う"特別"が、私の欲しい"特別"じゃないなんて)

侑「それで、しょっちゅう私のことを思って世話を焼いてくれる子で」

歩夢(聞いても意味ないなんて、そんなことわかってる)

侑「今も変わらずそばにいてくれる────」

歩夢(それでも……)



侑「────世界に一人しかいない"大事な幼馴染"だよ」ニッ

歩夢(聞かずには、いられないんだよ……!)

590: 2021/01/19(火) 06:07:16.95 ID:c7iiPatI
歩夢(侑ちゃんに……好きな人に、そういう風に言ってもらえることは)

歩夢(きっと、本当に幸せなことなんだと思う)

歩夢(これはこれで、唯一無二の存在とも言えるのだから)

歩夢(……でも)



侑「だから、たとえ付き合ってる人がいたとしても」

歩夢(それでも、この"特別"は)

侑「歩夢だけは"特別"なんだ」

歩夢(私にとっての"特別"とは、違うモノで)

歩夢「……」

歩夢(その違いが、私にとっては)

歩夢「……私も」



歩夢「私も、侑ちゃんだけは"特別"だよ」ニコ

歩夢(何よりも、辛いことなんだよ……っ!)

591: 2021/01/19(火) 06:14:58.23 ID:c7iiPatI
侑「……なんか、あれだね」

侑「改めて直接こういうこと言い合うと」

歩夢「……うん」

侑「その……照れる、ね」

歩夢「……そう、だね」

侑「……」

歩夢「……」

侑「さ、さぁ学校行こっか!のんびりしてたら遅刻しちゃうし!」

歩夢「……ふふっ、そうだね」



歩夢(やっぱり、このままじゃダメだよ……!)

593: 2021/01/19(火) 06:23:54.78 ID:c7iiPatI
歩夢(このまま何もせず過ごしていても、私の立ち位置が"大事な幼馴染"から変わることはない)

歩夢(でも、きっとせつ菜ちゃんと侑ちゃんはこれから恋人としてどんどん仲良くなっていくはず)

歩夢(そうなったら、今は"特別"でもいつかは……!)

歩夢(……でも)

歩夢(仮に私の"想い"を伝えたとして)

歩夢(それで今より良くなるのかな?)

歩夢(確かに、告白することで"大事な幼馴染"からは変われるかもしれない)

歩夢(でも、あっさりと振られたら?)

歩夢(そこで気まずくなって、今より遠い関係になったら?)

歩夢(侑ちゃんと過ごす、この朝の時間が失われることになったら)

歩夢(それでも私は、想いを伝えてよかったなんて思えるのかな?)

歩夢(……むしろ)



歩夢(伝えなければよかった、って後悔しないかな……?)

594: 2021/01/19(火) 06:35:09.12 ID:c7iiPatI
歩夢(……ううん、そんなこと考えちゃダメ)

歩夢(だって、言わなきゃ何も変わらない!)

歩夢(……けど)

歩夢(それで、この居心地の良い場所まで失ってしまうなら)

歩夢(そうなるくらいなら……)

歩夢(……私、意気地無しだな)

歩夢(どうしたら、勇気を出して一歩踏み出せるんだろう)

歩夢(私、一人じゃ何もできない子なのかな……)

歩夢(どうしたらいいんだろう……)

歩夢(……誰かに)



歩夢(誰かに、相談したいな……)

595: 2021/01/19(火) 06:36:45.86 ID:c7iiPatI
一旦ここまでです!!!!!
続きは今日の午後かまた深夜に書ければと思います!!!!!

603: 2021/01/20(水) 03:50:36.59 ID:EP6Nvkr4
~昼休み、学校の廊下、自販機前~



歩夢(……あれから、誰に相談しようかとかどう相談するかとかあれこれ考えてたけど)

歩夢(おかげで、授業の内容が全然頭に入ってこなかったよ……)

歩夢(侑ちゃんにも『なんかボーっとしてなかった?大丈夫?』って心配されちゃうし)

歩夢(誤魔化す為に『ちょっと飲み物買ってくるね!』なんて言って抜け出してきたけど……)

歩夢「……本当に、誰に相談すればいいんだろう」

歩夢(結構込み入った話になりそうだし、気軽にできる話でもないし……)

歩夢「……うぅ」

歩夢(思えば、私こういうとき侑ちゃん以外に相談できる相手いないかも……?)

歩夢(同好会の誰か……いやでも、皆こんな話聞かされても困るだろうし)

歩夢「……どうしよう」



愛「そうだね~愛さんのオススメはこれかな?」

歩夢「えっ」

604: 2021/01/20(水) 04:13:18.94 ID:EP6Nvkr4
愛「やっほ~歩夢」ヒラヒラ

歩夢「あ、愛ちゃん!?どうしてここに!?」

愛「どうしてって、飲み物買いに来ただけだよ」

歩夢「飲み物、を?」

愛「いや~購買でお昼買ったはいいけどうっかり飲み物買い忘れてさ~」

愛「途中まで食べたはいいけど、やっぱ飲み物欲しいな~って」アハハ

歩夢「そ、そっか」アハハ

愛「……歩夢は?」

歩夢「え?」

愛「歩夢も、飲み物買いに来たんでしょ?」

歩夢「あ、うっうん、そうだよ!」

愛「そうだよね、なんかめっちゃ悩んでる顔してたし」アハハ

歩夢「そっそうそう、どれにしようかな~って……悩んでて、ね」アハハ

愛「あーあるある、いざ買いに来たらどれにしよう!?ってなるやつ!」

歩夢「う、うん」

愛「……まあ、愛さんだったらそういうときは一緒に買いに来た子にオススメ聞いたりするかな~」

歩夢「そうなんだ」

愛「そうすると、普段自分だと選ばない新しいのに出会えるかもだしね~」

歩夢「そっか……なんか愛ちゃんらしいね」ニコ

愛「……というわけでさ」

歩夢「?」



愛「歩夢のオススメ、教えてよ」ニッ

歩夢「え?」

605: 2021/01/20(水) 04:26:10.67 ID:EP6Nvkr4
歩夢「私の、オススメ……?」

愛「そ、いや~アタシもどれにしようかな~って思ってさ」

愛「だからさ、ここは歩夢のオススメ教えてくれたらウレシーなって」

歩夢「えっと、じゃあ……これ、かな?」

愛「おっ、んじゃそれにしーよっと」ピッ

ガコン

歩夢「えっ、ほっ本当にそれでいいの?」

愛「え、ダメなやつなの?」

歩夢「い、いやダメじゃないけど」

歩夢「でも、私が選んだのでいいのかなって……」

愛「いいんだよ」

愛「アタシからオススメ聞いたんだし……それにこういうのはさ」



愛「実際にやってみなきゃ、わかんないっしょニッ」

歩夢「!」

607: 2021/01/20(水) 04:36:36.55 ID:EP6Nvkr4
歩夢「実際に、やってなきゃ……」

愛「そうそう、ほら何事もちょーせん!って言うじゃん?」

歩夢「そう、だね……」

歩夢(何事も、挑戦……私は……)

愛「……いや~にしてもこれで歩夢に貸しがひとつできちゃったな~」

歩夢「え?」

愛「これはなにかしないと愛さんの気が済みそうにないな~?」

歩夢「そ、そんな私大したこと」

愛「いーのいーの、愛さんがそう思ってるんだからさ」

歩夢「……そうなの、かな」

愛「そうそう」

愛「……だからさ」



愛「愛さんになんでも言っちゃっていいんだよ?」ニッ

歩夢「!」

608: 2021/01/20(水) 04:52:56.00 ID:EP6Nvkr4
歩夢「なん、でも……?」

愛「うん、なんでも」ニッ

愛「……あっ、でもお金ちょーだいとかはなしだからね!」

歩夢「えぇ!?お金!?」

愛「まあ歩夢ならそういうことは言わないだろうけど」

愛「……ゆうゆとかならイジワル言うかもな~なんて思ったりしてさ」アハハ

歩夢「!」

歩夢(侑ちゃん……)

愛「あ、今のゆうゆにはナイショね?言ったのバレたら怒られそーだし」

歩夢「う、うん」

愛「ま、歩夢なら口堅そうだしそこんとこ安心だよね」ニッ

歩夢「そう、かな?」



愛「……逆に、歩夢がなんでも人に言いふらしちゃう子だったら愛さんショックだよ」シクシク

歩夢「そ、それはないから安心して!」

愛「ならよかった!」ニッ

609: 2021/01/20(水) 05:08:51.84 ID:EP6Nvkr4
愛「……アタシもさ、色んな部活の助っ人で飛び回ったりしてると、結構色んな人の話聞くことが多くて」

愛「それで中には他の部員には言わないで~って言われるようなナイショ話もあったりするからさ」アハハ

歩夢「愛ちゃん頼りになりそうだもんね」ニコ

愛「……歩夢からもそう見える?」

歩夢「えっ?う、うん」

歩夢「だって愛ちゃんは友達もたくさんいるし……それに普通の人だったらできない色んな経験をしてそうだから」

歩夢「だから、私から見ても頼りになりそうな子だなって思うよ」ニコ

愛「……」

歩夢「?愛ちゃん?」

愛「あ、あぁ……いや、なんでもないよ」

歩夢「そう?」

愛「うん、だいじょぶだいじょぶ」アハハ

歩夢「そっか」ニコ

愛「そうそう」アハハ

愛「……じゃなくて!」

歩夢「?」

愛「えーと……だから、さ」



愛「もし歩夢が何か悩んでるんなら……愛さんでよければ、なんでも聞くよ?」ニッ

歩夢「……!」

610: 2021/01/20(水) 05:13:24.87 ID:EP6Nvkr4
>>607
すみません、以下訂正です

×愛「……いや〜にしてもこれで歩夢に貸しがひとつできちゃったな〜」

◯愛「……いや〜にしてもこれで歩夢に借りがひとつできちゃったな〜」

611: 2021/01/20(水) 05:27:26.44 ID:EP6Nvkr4
歩夢「なん、でも……?」

愛「うん、なんでも」ニッ

歩夢(なんでも、聞いてくれる……)

愛「……こー見えても愛さん口堅い方だよ?さっき話した各部活のナイショ話もちゃんと言わないでいるし!」

愛「それにさ」ズイッ

歩夢「わっ」

愛「さっきの歩夢、飲み物のチョイスで悩んでるにしちゃやけにムズかしそーな顔してたから」

歩夢「!」

愛「だから、つい気になって声かけたんだよね」アハハ

歩夢「そっ、か」

歩夢(私、そんなに顔に出てたんだ……)

歩夢「……」

愛「……まあ、別に今ここで無理に聞き出そうってわけじゃないからさ」



愛「歩夢が話したくなったときに、いつでも言ってよ」

愛「そんときは、しっかり話聞くからさ」ニッ

歩夢「愛ちゃん……」

612: 2021/01/20(水) 05:40:04.62 ID:EP6Nvkr4
愛「……それじゃそろそろ行くね」スッ

歩夢「あっ、うん……」

愛「またね~」ヒラヒラ

歩夢「うん、また」フリフリ

歩夢「……」


歩夢(愛ちゃん、私のこと気にかけてくれたんだ)

歩夢(嬉しいな……)

歩夢(……でも、侑ちゃんのこと相談してもいいのかな)

歩夢(そんなこと聞かされても、愛ちゃんが困るだけ────)


───────


愛「実際にやってみなきゃ、わかんないっしょ」ニッ


───────


歩夢(────!)

歩夢(……そうだよ、私の話だって実際に相談してみなきゃどんな反応されるかは……)

歩夢(それに……)


───────


愛「愛さんになんでも言っちゃっていいんだよ?」ニッ


───────


歩夢(なんでもって、言ってたもんね……!)

歩夢「……っ」ゴクリ



歩夢(勇気出して、一歩踏み出してみよう……!)

613: 2021/01/20(水) 05:58:31.02 ID:EP6Nvkr4
~一方その頃~



愛「ふぅ……」

愛(……いや~思ったよりもムズかしかったなぁ)

愛(もっとスムーズに切り出せたらよかったんだけど……意外と手強いな~)

愛(……まああそこまで言ってダメなら、アタシじゃダメな話なんだろうなぁ)

愛(でも……)


───────


歩夢「だって愛ちゃんは友達もたくさんいるし……それに普通の人だったらできない色んな経験をしてそうだから」

歩夢「だから、私から見ても頼りになりそうな子だなって思うよ」ニコ


───────


愛(……歩夢、アタシのことああいう風に思ってくれてたんだ)

愛「……」

愛(力になれたら、いいんだけどな)



愛「……りなりーお待たせ~」

璃奈「愛さん、やっと来た」

愛「いや~そこで知り合いに会ってさ、ちょっと話し込んじゃった」アハハ

璃奈「……そう」

璃奈「でも、飲み物まだ残ってたのに」

璃奈「それに、愛さんにしては珍しい飲み物」

愛「あーこれ?……まあこういうのもたまにはね~」

愛「それよりさ!さっき────」

618: 2021/01/20(水) 16:19:23.42 ID:EP6Nvkr4
~放課後、教室~



歩夢(やっと授業終わった……!)

歩夢(待たせちゃいけないし早めに行かなきゃ────)

侑「歩夢~」

歩夢「!ゆ、侑ちゃん」

侑「今日練習休みだったよね、帰りどっか寄ってく?」

歩夢「えっ、と……」

侑「?」

歩夢「ご、ごめんね、実はこの後用事があって」

侑「あ、そうなんだ」

侑「じゃあ今日は寄り道せずに帰ろっか」

歩夢「あー、っと、その……」



歩夢「……ほ、他の人と待ち合わせしてるんだ!だから悪いけど今日は侑ちゃん一人で帰って!!」ダッ

侑「え!?」

歩夢「ごめんなさ~い!」タッタッタッ

侑「あ、歩夢~!?」

619: 2021/01/20(水) 16:27:35.94 ID:EP6Nvkr4
侑「……行っちゃった」ポツン


侑(他の人って、誰だろ?)

侑(同好会の誰か、とか?でも、それだったらわざわざ『他の人』なんて言い方しなくてもいいよね)

侑(なんか怪しいな……?)

侑「……」

侑(……まあでもわざわざ追って聞く程のことでもないし、明日また聞けばいっか)

侑(にしても、このまま一人で帰るのもな~)



侑「……あ、そうだ」

侑(せっかくだし、せつ菜ちゃん誘ってみようかな!)

620: 2021/01/20(水) 16:44:28.23 ID:EP6Nvkr4
~学校を出て少し離れた場所~



歩夢「はぁ……はぁ……」

歩夢(侑ちゃん、追ってきてないよね……?)

歩夢「……ふぅ」

歩夢(……あ~!なんであんな言い方しちゃったんだろ……!)

歩夢(急に聞かれたからびっくりしちゃって、つい変な風に誤魔化しちゃった……)

歩夢(侑ちゃんに変な子だと思われちゃったかな……)

歩夢「……はぁ」

「どしたの?ため息なんかついて」

歩夢「いやちょっと侑ちゃんに変なこと言っちゃって……」

「ふーん、それってどんな?」

歩夢「それは……って誰!?」クルッ


シーン


歩夢「……あれ?誰もいない?」

「わっ」トンッ

歩夢「きゃっ!?」ビクッ

「お、いい反応」

歩夢「え、え?」

愛「やっほ~歩夢っ」ニッ

歩夢「愛ちゃん!?」

621: 2021/01/20(水) 17:03:36.01 ID:EP6Nvkr4
歩夢「もう、先に来てたならそう言ってくれたらよかったのに」

愛「いや~つい、ね?」アハハ

歩夢「愛ちゃんも大概イタズラ好きだよね……」

愛「そうかな?」

歩夢「そうだよ」ジト

愛「そっか~、まあほら『可愛い子にはイタズラせよ』って言葉もあるしいいじゃん」アハハ

歩夢「……いやそんな言葉ないよ!?」

歩夢(一瞬考えちゃったけど!)

愛「あら、バレちったか~」

歩夢「……もう、愛ちゃんってば」クスッ



愛「お、笑ってくれたね」

歩夢「え?」

622: 2021/01/20(水) 17:17:51.28 ID:EP6Nvkr4
愛「いやここに着いて早々ため息ついてたからさ、どうしたのかな~って思って」

歩夢「それは……」

愛「で、まずは一笑い挟みたいな~と思ったんだけど、歩夢には愛さんのダジャレ効かないじゃん?」

歩夢「そ、そうだね」

歩夢(あれで笑うのは侑ちゃんだけなんじゃ……って、これは言わない方がいいよね)

愛「だからいつもとは違うやり方で攻めてみようかな?ってね」ニッ

歩夢(愛ちゃん、ただイタズラしたかっただけじゃなくて私のこと……)



歩夢「……そっか」クスッ

愛「まあとりあえず元気出たならオッケー!」

歩夢「うん、ありがとね」ニコ

愛「……どーいたしまして!」ニカッ

623: 2021/01/20(水) 17:30:30.60 ID:EP6Nvkr4
愛「さてと、それじゃどっか入ろっか!このまま立ち話続けるのもあれだし」

愛「……歩夢の話、ゆっくりできるとこでちゃんと聞きたいからね」

歩夢「う、うん」

愛「んじゃ場所決めよっか」スッ

愛「そうだな~……あんまし他の人に聞かれないようなとこがいい感じ?」

歩夢「そ、そうだね、できれば……というか、知られたら困るというか……」

愛「オッケー、んじゃファミレスとか喫茶店はナシっと」スッスッ

歩夢「あっご、ごめん私も調べるね」スッ

愛「ありがと~!でも大丈夫、愛さんがパパっと」

624: 2021/01/20(水) 17:30:30.77 ID:EP6Nvkr4
愛「さてと、それじゃどっか入ろっか!このまま立ち話続けるのもあれだし」

愛「……歩夢の話、ゆっくりできるとこでちゃんと聞きたいからね」

歩夢「う、うん」

愛「んじゃ場所決めよっか」スッ

愛「そうだな~……あんまし他の人に聞かれないようなとこがいい感じ?」

歩夢「そ、そうだね、できれば……というか、知られたら困るというか……」

愛「オッケー、んじゃファミレスとか喫茶店はナシっと」スッスッ

歩夢「あっご、ごめん私も調べるね」スッ

愛「ありがと~!でも大丈夫、愛さんがパパっと」

626: 2021/01/20(水) 17:38:07.56 ID:EP6Nvkr4
>>624
すみません書き途中で投稿してしまいました



──────



愛「さてと、それじゃどっか入ろっか!このまま立ち話続けるのもあれだし」

愛「……歩夢の話、ゆっくりできるとこでちゃんと聞きたいからね」

歩夢「う、うん」

愛「んじゃ場所決めよっか」スッ

愛「そうだな〜……あんまし他の人に聞かれないようなとこがいい感じ?」

歩夢「そ、そうだね、できれば……というか、知られたら困るというか……」

愛「オッケー、んじゃファミレスとか喫茶店はナシっと」スッスッ

歩夢「あっご、ごめん私も調べるね」スッ

愛「ありがと〜!でも大丈夫、愛さんがパパっと調べちゃうからさ」スッスッ

愛「他の人に聞かれないのを最優先するなら……そうだね」

愛「カラオケとかはどうかな?」

歩夢「カラオケ?」

愛「うん、個室だし周りの人達は他の部屋なんて気にしてないだろうしさ」

歩夢「そうだね……じゃあカラオケがいいかな?」

愛「オッケー、んじゃこっから近くていいとこ知ってるから……そこ行こっか」ニッ

歩夢「うん」ニコ

627: 2021/01/20(水) 17:50:57.30 ID:EP6Nvkr4
~しばらくして、カラオケ~



愛「さて、飲み物も用意したことだし!」

歩夢「う、うん」

愛「早速歌っちゃおっか!」

歩夢「……え!?」

愛「ウソウソ、じょーだんだよじょーだん」アハハ

歩夢「び、びっくりした……」

愛「ごめんね~、歩夢の反応がいいからつい……ね?」

歩夢「も、もう……!」

愛「……まあでも、嬉しくてテンションアガっちゃってるのもあるのかな」

歩夢「?何が?」

愛「何が、ってほら……」



愛「愛さんを相談相手に選んでくれたことが、さ」

歩夢「えっ……?」

628: 2021/01/20(水) 18:02:07.92 ID:EP6Nvkr4
愛「昼休みはカッコつけてああいう風に言ったけど、実際その後なんも音沙汰なかったらハズかしーな~ってちょっぴり思ってたからさ」アハハ

歩夢「そ、そんなこと……!」

愛「……だから」


愛「歩夢から『相談したいことがある』って連絡来たとき、嬉しかったよ」ニッ

歩夢「!そ、そっか……」

愛「うん、ありがとね」

歩夢「え?私お礼言われるようなことは……というかむしろこっちがお礼を」

愛「いーのいーの、愛さんが言いたいだけだからさ」

歩夢「じゃ、じゃあ私も私が言いたいだけだから……だから、ありがとう」

愛「ん、ならこっちも素直にどーいたしまして、だね」ニッ

歩夢「……うん」ニコ

629: 2021/01/20(水) 18:12:47.24 ID:EP6Nvkr4
歩夢「……」ゴクリ

歩夢「そ、それでね、相談っていうのは……」

愛「……うん」

歩夢「その……」

愛「……」

歩夢「あの……」

歩夢(……だ、ダメっ、いざ言おうと思うと、怖くて口が動かない……っ)

歩夢「……っ」

歩夢(だって、私のこの"想い"を自分以外の人に知られるのは初めてで……!)

歩夢「ぁ……っ」ブルブル

歩夢(い、今になって、また不安が込み上げて……っ)

愛「……歩夢」ソッ


ギュッ


歩夢「!」

630: 2021/01/20(水) 18:30:41.63 ID:EP6Nvkr4
────膝上で握り締めるように震えていた私の手に、愛ちゃんの手がそっと重ねられ


愛「……大丈夫」


────包み込むように、ぎゅっと優しく握られる


愛「焦らなくて平気だから」


────愛ちゃんの話す声は、さっきまでの明るく元気な感じとはまた変わって


愛「歩夢のペースで、大丈夫だから」


────今度は、優しく語りかけるような声色になっていて


愛「アタシは、ゆっくりのんびり待ってるからさ」


────なんだか、その姿は


愛「だから、安心してよ」ニッ
侑『だから、安心してよ』ニッ


────大好きで"特別"な幼馴染に、重なって見えた気がした

631: 2021/01/20(水) 18:42:04.81 ID:EP6Nvkr4
歩夢「ぁ……」

歩夢(今朝、侑ちゃんが手を握ってくれたときのことを思い出して……)

歩夢(……なんでだろ?)

愛「……?」

歩夢「愛、ちゃん……」

歩夢(……理由はわからないけど、でも)

歩夢「……!」

歩夢(おかげで、手の震えは止まったよ!)

歩夢(それに、今はそれよりも……!)

歩夢「……うん」

歩夢「すぅ……はぁ……」

歩夢「……」

歩夢「よしっ!」カッ



歩夢「愛ちゃん」

愛「ん?」

歩夢「私の話……聞いてくれる?」ニコ

愛「……もちろん!」ニカッ

632: 2021/01/20(水) 18:56:28.04 ID:EP6Nvkr4
歩夢「私ね」

愛「うん」

歩夢「侑ちゃんのこと、ずっと好きだったの」

歩夢「幼馴染とか、友達としての好きじゃなくてね」

歩夢「一人の女の子として、侑ちゃんのことが好きだったの」

愛「……うん」

歩夢「……でも、私がもたもたしてる間に……侑ちゃんはせつ菜ちゃんと付き合い始めちゃって」

歩夢「あぁ、侑ちゃんの一番は私じゃなかったんだなって気づいて」

歩夢「私のこの"想い"は、どうすればいいのかなって悩んで」

愛「……」

歩夢「……けど、けどね」

歩夢「私、この"想い"を諦めたくないの」

歩夢「たとえ、侑ちゃんが"今"はせつ菜ちゃんの方を向いていたとしても」

歩夢「私が侑ちゃんを想ってきた"これまで"が消えてなくなるわけじゃないし」

歩夢「侑ちゃんを、好きだって想うこの気持ちは」

歩夢「せつ菜ちゃんと付き合ったからって、それで消えてなくなるものじゃないの……!」

歩夢「だから、だからね……」

歩夢「侑ちゃんに、ちゃんとこの"想い"を」



歩夢「あなたのことが好きだよって、ちゃんと私の口から伝えたいの……!!」

639: 2021/01/21(木) 00:59:12.04 ID:x7HrQlEu
歩夢「それで、それで……」

歩夢「っ……」

愛「……大丈夫」ギュッ

愛「ちゃんと、聞いてるよ」

歩夢「……」コクリ


歩夢「……それで、伝えたからって侑ちゃんが私の方を向いてくれるかはわからないけど」

歩夢「何もしなかったら、今のまま何も変わらないって思って」

歩夢「……でも」

歩夢「その結果、もし悪い方向に変わっちゃったら」

歩夢「侑ちゃんが、私から離れていっちゃったら」

歩夢「侑ちゃんの"特別"……"大事な幼馴染"でいることすらできなくなっちゃったら」

歩夢「伝えたことを、後悔するんじゃないかって……そう考えたら怖くなっちゃって、それで……」

歩夢「私、どうしたら……って、わかんなく、なっちゃって……っ」ポロポロ

愛「……」

歩夢「ご、ごめんね……なんか、涙が……っ」グスッ

歩夢「私、意気地無し、だよね……」ヒック

愛「……そうだね」

歩夢「だ、だよね……」アハハ

愛「でも」


ポン


愛「別にいーじゃん、意気地無しでもさ」ナデナデ

歩夢「……え?」

640: 2021/01/21(木) 01:23:05.12 ID:x7HrQlEu
愛「だってさ、二人はずっとチョー仲良しの幼馴染として一緒に過ごしてきたんでしょ」

歩夢「……うん」

愛「それが今、歩夢の行動次第でなくなっちゃうかもしれない」

歩夢「……そう、だよ」

愛「でも、行動しなかったら歩夢はゆうゆの幼馴染のまま、苦しい気持ちのままでい続けることになる……だよね?」

歩夢「……」コクリ

愛「……こんな状況、誰だって怖いに決まってるよ」ナデナデ

歩夢「……そう、かな」

愛「愛さんだって、今の歩夢の立場になったら怖いって思うよ」ニッ

歩夢「愛ちゃん、でも……?」

愛「お?なになにその反応は?」

歩夢「だって、愛ちゃん凄いから……怖いものなんて、ないのかなって……」

愛「おお?愛さんそんなに凄いイメージあった?」

歩夢「う、うん……」

愛「そっか~、いやそれはそれでウレシーんだけどさ」

愛「……愛さんだって、人並みに怖がりなとこあるんだよ」アハハ

歩夢「えっと、例えば……?」

愛「……これ、皆にはナイショだよ?」

歩夢「う、うん」コクリ



愛「……雷」

歩夢「え?」

愛「雷が、苦手なんだよね~……」アハハ

642: 2021/01/21(木) 01:39:48.53 ID:x7HrQlEu
歩夢「雷、って……空から降ってくる……?」

愛「そーそー」

愛「いや~いきなりピカッ!って光ってゴロゴロー!って鳴られるとさ、おへそ取られる!ってつい身構えちゃって」アハハ

歩夢「そ、そうなんだ……」

愛「そーだよ~、それで未だにおばあちゃんに泣きついたりしてるもん」

歩夢「あ、愛ちゃんが……?」

愛「あはは、想像できないって顔してるね」

歩夢「だ、だって、その……愛ちゃんってカッコいいイメージがあるというか」

歩夢「雷とかも、楽しんじゃいそうなイメージがあるかも……?」

愛「か、雷を楽しむ!?な、なるほど……その発想は……」

愛「……いや、雷を楽しむって、どうやったら……?」

愛「光と音に合わせて歌と踊りを……?いやその前に体が怖くて固まっちゃうし……」ムムム

歩夢「……ふふ」

愛「一体どうしたら……歩夢?」

歩夢「ふふふ……あ、ごめんね」

歩夢「愛ちゃんでも、そういう風になるんだなって考えたらね」



歩夢「……なんだか、とっても面白くて」ニコッ

愛「!」

644: 2021/01/21(木) 01:55:45.74 ID:x7HrQlEu
歩夢「そっか……愛ちゃんでも、怖いものあるんだ」クスッ

愛「そ、そーだよ!雷怖ガール愛さんだー!」バッ

歩夢「……」

愛「……な、なんてね?」

歩夢「……ふふっ」クスッ

愛「!愛さんのダジャレが歩夢に効いた!?」ガタッ

歩夢「あっこれはダジャレにウケたわけじゃないからね」

歩夢「一瞬間ができたときの……愛ちゃんの気まずそうな顔が面白くて」クスクス

愛「な、なんだそっちか~」ストッ

愛「やっと歩夢も愛さんのダジャレの面白さに目覚めてくれたかと思ったのに」ムスー

歩夢「ごめんね?たぶんそれは……難しい、かな?」ニコ

愛「ぐっ、そこではっきりと言い切らない歩夢の優しさがかえって愛さんの心に傷を……!」

歩夢「え!?ご、ごめんね、大丈夫!?」

愛「いやじょーだんだよじょーだん」アハハ

歩夢「そ、そっか」ホッ

愛「……まあでも」



愛「元気、出たみたいでよかった」ニカッ

歩夢「……うん」ニコッ

645: 2021/01/21(木) 02:07:12.43 ID:x7HrQlEu
愛「さて、歩夢も元気になったところで」

愛「……ゆうゆへの告白、どうしよっか?」

歩夢「え?」

愛「え?」


歩夢「ど、どうしよっかって……?」

愛「?だってするんでしょ、ゆうゆに好きだーって告白!」

歩夢「し、したいけど、でも」

愛「え?しないの?」

歩夢「したいよ!したいけど……」

愛「……やっぱり怖い?」

歩夢「……」コクリ

愛「ん~……怖いのは仕方ないとして、実際言わないと何も変わらないしな~」ムムム

歩夢「そう、だよね……」

愛「そうだな~……それじゃ、考え方を変えてみよっか」ニッ

歩夢「考え方を……?」

愛「そ!」

愛「突然だけど!ここで愛さんから歩夢への質問ターイム!」ビシッ

歩夢「し、質問?」



愛「ズバリ!歩夢がゆうゆへの告白を怖がっている理由とは!?」

歩夢「!?」

646: 2021/01/21(木) 02:17:22.06 ID:x7HrQlEu
歩夢「怖がっている、理由……?」

愛「そ!直感でいいからさ、答えてみてよ」ニッ

歩夢「それは……さっきも話したけど、関係が悪くなっちゃったらどうしようって」


愛「はい!じゃあ二つ目の質問ね!」ビシッ

歩夢「!?う、うん」

愛「ズバリ!どうして悪くなると思うの?」

歩夢「な、なんでって……それは、もし……ふ、振られたら、気まずくなっちゃうかなって」


愛「はい!じゃあ三つ目の質問ね!」ビシッ

歩夢「な、なんかテンポ早くないかな!?」

愛「こういうのはテンポ良く行かなきゃね!」

愛「ズバリ!どうして振られると思うの?」

歩夢「え!?そ、それは……」

歩夢「うぅ……」

愛「さぁさぁ!テンポ良く行こう!」

歩夢「え、えーっと」

歩夢「だって……」



歩夢「……せつ菜ちゃんの方が、私より可愛いから」シュン

647: 2021/01/21(木) 02:25:11.70 ID:x7HrQlEu
愛「……他には?」

歩夢「え?」

愛「他にも、何か理由があったりしない?」

歩夢「えっ、と……」


歩夢「……せつ菜ちゃんの方が、私よりカッコいいし」

愛「うんうん、他には?」

歩夢「う……その、せつ菜ちゃんの方が、私より元気で明るいし」

愛「なるほど、他には?」

歩夢「えと、せつ菜ちゃんの方が……私よりアイドルとして凄いし」

愛「ふむふむ、他には?」

歩夢「え?えっと……その、私といるよりも、せつ菜ちゃんといるときの方が……」



歩夢「……侑ちゃん、楽しそうだなって」シュン

愛「本当に?」

歩夢「……え?」

648: 2021/01/21(木) 02:35:36.31 ID:x7HrQlEu
愛「本当に、歩夢と一緒にいるときよりも、せっつーといるときのゆうゆの方が楽しそうだって思うの?」

歩夢「だ、だって、せつ菜ちゃんといるときの侑ちゃん、よく笑ってるし楽しそうだから」

歩夢「だから、せつ菜ちゃんの告白にもオッケー出して付き合ったんだろうなって」

愛「はいストップ!これで質問タイムはしゅーりょー!」ビッ

歩夢「えっ」

愛「たくさん答えてくれて、ありがとね」

歩夢「う、うん」

愛「……今ので、よ~くわかったよ」

歩夢「な、なにが……?」

愛「……これは、愛さんから見ての話だけど」



愛「歩夢は、可愛いよ」

歩夢「!?」ドキッ

649: 2021/01/21(木) 02:45:55.57 ID:x7HrQlEu
愛「そう、歩夢は可愛いんだよ」

歩夢「あ、愛ちゃん!?な、なに言って……」カァァァ

愛「そして!せっつーも可愛い!」

歩夢「……え?」

愛「二人とも可愛いんだよ!スクールアイドルやれてるくらいだもん、そりゃそうだよね!」

歩夢「えっ、と……?」

愛「……でもさ」

愛「その可愛さって、比べられるものじゃないっしょ」

歩夢「!」

愛「せっつーが元気爆発パワフル可愛い!って感じならさ」

愛「歩夢はふんわり癒しのヒロイン可愛い……って感じで」

愛「可愛いの種類が違うんじゃないかな?」

歩夢「可愛いの、種類……」

愛「そ!で、それはカッコよさにも言えることだしスクールアイドルとして凄いかどうかにも、それに……」



愛「……一緒にいる人がどう感じるのかにも、ね?」

歩夢「……!」

650: 2021/01/21(木) 02:55:42.91 ID:x7HrQlEu
愛「確かに、歩夢の言う通りせっつーといるときの方がゆうゆはよく笑ってて楽しいと感じてるのかもしれない」

愛「……でもさ」

愛「それが付き合う人を決める判断基準になるかどうかってのは、また別の話じゃない?」ニッ

歩夢「……た、確かに」

愛「それで、歩夢はゆうゆが付き合う人を決めた基準は知ってるの?」

歩夢「う、ううん……」

愛「そっか……ならゆうゆが何を基準にせっつーと付き合うことを決めたのかはまだ知らない、と」

歩夢「そう、だね」

愛「そっかそっか~」

愛「……なら」



愛「勝機は、そこにあるね」ニカッ

651: 2021/01/21(木) 03:13:02.86 ID:x7HrQlEu
歩夢「ど、どういうこと……?」

愛「んーと、つまりゆうゆにはゆうゆなりに"何かしらの判断基準"を持ってて、たぶんせっつーの告白がその基準を満たしたから『せっつーと付き合う』っていう判断結果を出したんだよ」

愛「ここまではオッケー?」

歩夢「う、うん」

愛「で、問題はここから」

愛「おそらく、その"判断基準"には一定の合格ラインがある」

歩夢「一定の、合格ライン?」

愛「そ、ほら試験でも何点以上なら合格って基準があったりするじゃん?」

歩夢「そうだね」

愛「それと同じで、きっとゆうゆの中にも『恋人に選ぶ人を判断する為の基準』があって、それは一項目だけじゃなくて複数項目で構成されてると思うんだ」

愛「……まあ、たぶんゆうゆの場合は無意識のうちに生まれてるものだろうけどさ」

歩夢「どうして?」

愛「いや、だってさ」



愛「ゆうゆって、恋愛とか意識して生きてきたタイプじゃないっしょ」

歩夢「うん、それは間違いないね」

652: 2021/01/21(木) 03:27:14.67 ID:x7HrQlEu
愛「……話を戻すけど」

愛「つまり、ゆうゆの中でせっつーの告白……いやせっつー自身に対して『点数がつけられている』はずなんだよ」

歩夢「て、点数って……そんな、侑ちゃんが……?」

愛「あぁ、もちろん"無意識のうちに"ね?ゆうゆ自身はそんなこと全く意識してないと思うよ」

歩夢「……そうだと、いいな」

歩夢「だって、恋人に点数をつけるなんて、そんなの……」

愛「……気を悪くしたならごめんね」

愛「でも」



愛「既に恋人がいる相手に対して勝負を仕掛けようと思うなら……しっかり考えないと、ね?」

歩夢「そう、だけど……」

653: 2021/01/21(木) 03:30:05.08 ID:x7HrQlEu
愛「……これはさ、アタシの友達が言ってた話なんだけど」

愛「ここで歩夢に問題!」

歩夢「え?」

愛「恋人のいる相手といない相手、どっちの方が付き合いやすいでしょうか?」

歩夢「えぇ……?なに、その質問……?」

愛「いいからいいから!答えてみて、ね?」ニッ

歩夢「……それじゃあ」


歩夢「恋人のいない相手、じゃないかな?」

愛「ふむふむ、その心は!?」

歩夢「え?だ、だって既に恋人がいるのに他の人と付き合おう、って……普通はしないんじゃないかな」

愛「……ちなみに、今から歩夢がやろうとしてるのはその普通はやらないことだからね」ニッ

歩夢「う……わ、わかってるよ……っ」

654: 2021/01/21(木) 03:40:00.90 ID:x7HrQlEu
歩夢「それで、答えは……?」

愛「聞きたい?」

歩夢「こ、ここまで来たら聞きたいよ!」

愛「正解は……」



愛「なんと!恋人のいる相手の方でした!」

歩夢「え!?どうして!?」

愛「それはね、『明確な比較相手』がいるからだよ」

歩夢「ど、どういうこと……?」

愛「恋人のいない人はね、余程意識してる人じゃない限りは『漠然とした判断基準』しか持ってないんだよ」

愛「だから、余程相手のハードルが低いか、もしくは自分のスペックが高くないと、誰とでも付き合うってのは難しいんだ」

愛「なぜなら、ちゃんと聞き出しでもしない限り『相手の判断基準』がサッパリわからないからね」アハハ

歩夢「それは、そうだけど……」

愛「……でもね」



愛「恋人のいる相手は『明確な比較相手』がいるから『相手の判断基準』がわかりやすいんだよ」

歩夢「……あっ」

655: 2021/01/21(木) 03:48:05.45 ID:x7HrQlEu
愛「納得した?」

歩夢「で、でもだからってそんな簡単に……!」

愛「そう、これはあくまで『相手の判断基準』がわかるというだけで、どんなときでも誰にでも通用する万能な理論じゃない」

愛「もしこれが万能な理論なら……世界は略奪愛で溢れてるだろうしね」

歩夢「ッ!」ゾクッッ

愛「愛だけに」ニッ

歩夢「……」

愛「……本題に戻るね」

愛「とはいえだよ、今回はこの理論を適用してもいい勝負だと愛さんは思うんだ」

歩夢「それって」

愛「……そう」



愛「歩夢が、せっつーに勝てばいいんだよ」

愛「恋人としてのスペックで、ね」ニッ

674: 2021/01/23(土) 17:55:06.77 ID:lZH82wN8
~しばらくして、街中~



侑「いや~ごめんね今日は、急に誘っちゃってさ」

せつ菜「そんな!侑さんから誘ってくださって嬉しかったですよ!」

侑「そう?ならいいんだけどさ」

せつ菜「はい!」


せつ菜「……侑さん、あの」

侑「なに?」

せつ菜「一つ、確認させていただきたいのですが……!」

侑「?うん、いいよ」

せつ菜「……」ゴクリ

せつ菜「きょっ、今日のこのお出かけは……!」



せつ菜「侑さんとのデート!ということでいいんでしょうか……!?」

侑「え?」

676: 2021/01/23(土) 17:56:03.04 ID:lZH82wN8
せつ菜「がっ、学校の帰り道で!時間もそれ程ありませんでしたが!」

せつ菜「それでも……ふ、二人だけで遊びましたし……!」

侑「……」

せつ菜「ど、どうなんでしょうか……?」

侑「……そうだね!」

侑「今日のお出かけは……せつ菜ちゃんと付き合ってからの初デート、になるのかな?」

せつ菜「!そっそうですよね!」

せつ菜「初デート……ですね!!」ペカー

侑「ふふ、せつ菜ちゃん凄い嬉しそう」

せつ菜「そっそれはそうですよ!」

せつ菜「だって、すっ……好きな、人と……念願の初デートが実現したんですから」



せつ菜「……嬉しくないわけ、ないじゃないですか」カァァァ

侑「!」ドキッ

677: 2021/01/23(土) 17:57:34.10 ID:lZH82wN8
侑(そう呟いて頬を赤く染めるせつ菜ちゃんは、なんだかとっても可愛くて)

せつ菜「ゆ、侑さんのことが……特別なんだって自覚してからは……こういう風に過ごしてみたいなって考えていたので」

侑(本当に、どうして私なんかを好きになってくれたんだろうって不思議になるくらいに)

せつ菜「今日誘ってくださって……本当に、本当に嬉しかったんです……」

侑(照れ笑いを浮かべるせつ菜ちゃんは、可愛く見えて)

せつ菜「……だから、侑さんが謝る必要はなくて」

侑(私にはもったいないくらい、素敵な女の子で)

せつ菜「むしろ、こちらがお礼を言いたいくらいなんですよ?」

侑(そんな子が、こうして私に笑顔を向けてくれる)

せつ菜「……侑さん」

せつ菜「私、やっぱり侑さんのことが好きです」

侑(隠すことなく、好意を伝えてくれる)

せつ菜「あのとき……勇気を出して、本当によかったです」

侑(その事実に、私は)

せつ菜「……これからも」

侑(どうしようもないくらいに、ときめきを感じると同時に────)



せつ菜「たくさんデート!しましょうね!」

侑(────自分が同じくらいの熱量をまだ抱けていないことに、チクリと胸が痛んだ)

678: 2021/01/23(土) 17:58:38.41 ID:lZH82wN8
侑「……そうだね」

侑「デート!たくさんしよっか!」

せつ菜「はい!」

侑「ふふ……それにしても」

せつ菜「?」

侑「せつ菜ちゃんはホントに可愛いなぁ!」ギュッ

せつ菜「わっ!ゆっ侑さん!?」

侑「抱き締めちゃいたいくらいだよ!」ギューッ

せつ菜「も、もう抱き締めてますよっ」カァァァ

侑「えへへ」ニコニコ

せつ菜「う、うぅ~!」

侑「せつ菜ちゃん顔真っ赤だよ~?」

せつ菜「あ、当たり前じゃないですか!嬉しいですけど、その……ここでは恥ずかしいので……!」

侑「ふふ、じゃあもっと抱き締めちゃお」ギューッ

せつ菜「ゆ、侑さんってば!」

侑「あはは……ん?」



歩夢「────」

愛「────」



侑(歩夢!……と)

侑(……愛ちゃん?)

679: 2021/01/23(土) 18:04:20.43 ID:lZH82wN8
侑(あれ、歩夢今日は確か……)



───────


歩夢「……ほ、他の人と待ち合わせしてるんだ!だから悪いけど今日は侑ちゃん一人で帰って!!」ダッ


───────


侑(……って言ってたよね)

侑(なんだ、『他の人』って愛ちゃんのことだったんだ!それならそう言えばよかったのに)

侑(……なんでわざわざぼかした言い方したんだろう?)



愛「────!」

歩夢「────?」

愛「────」ニッ

歩夢「────」ニコ



侑(……ここからじゃ、何話してるかまではわからないけど)

侑(なんか、楽しそうだなぁ……)

680: 2021/01/23(土) 18:05:27.86 ID:lZH82wN8
せつ菜「あ、あの侑さん……」ドキドキ

せつ菜「そ、そろそろ離し……」チラ

侑「……」

せつ菜「侑さん?どうかしましたか?」

侑「……えっ?ああ、ごめんね」パッ

せつ菜「ぁ……」

侑「ほら、あっちに歩夢がいるのに気づいてさ」

せつ菜「……歩夢さん、ですか?」クルッ



歩夢「────」

愛「────」



侑「愛ちゃんと二人みたいなんだけど、あのツーショットは珍しいなぁって思ってさ」

せつ菜「確かに……そうですね」

侑「それに歩夢がさ、今日は他の人と用事あるって言ってたんだけど、愛ちゃんとは言ってなかったからちょっと気になっちゃって」

せつ菜「……なるほど」

侑「……二人で何してるのかな?せっかくだしちょっと声かけてみよっか」タッ

せつ菜「あっ……ま、待ってください!」ガシッ

侑「わ!?」

681: 2021/01/23(土) 18:06:34.37 ID:lZH82wN8
せつ菜「……っ」ギュッ

侑「せ、せつ菜ちゃん?どうしたの?」

せつ菜「……その、歩夢さんが侑さんにはっきりと言わなかったということは」

せつ菜「何か……事情があるのかもしれませんし」

せつ菜「……声をかけておくのは、やめておきませんか?」

侑「事情、って……たとえばどんな?」

せつ菜「それは……わからないですけど」

せつ菜「……でも」



せつ菜「今は、行かないで……ください」ギュッ

侑「!」

せつ菜「我が儘ですみません……でも、お願いします……」

侑「……」

侑「うん、わかったよ」

侑「今は、やめておこっか!」

せつ菜「……!」

682: 2021/01/23(土) 18:07:33.96 ID:lZH82wN8
侑「……ちょっと気になるけど」

侑「でも、今はせつ菜ちゃんとのデート中だもんね!」

せつ菜「!そ、そうですよ!」

せつ菜「私とのデート中なんですから、他の人のことは気にしないでください!」

せつ菜「……って、なんだかこのセリフ漫画みたいですね」カァァァ

侑「あはは……ごめんね?私こういうのまだわかってないところあるからさ」

侑「せつ菜ちゃんに、嫌な思いさせちゃうときもあるかもしれないけど……」

せつ菜「……大丈夫です!」ギュッ

侑「!」

せつ菜「そういうのも含めて!少しずつ慣れていけばいいんですから!」

侑「せつ菜ちゃん……」

せつ菜「……それに、私だって誰かとお付き合いをするのは……ゆ、侑さんが初めてですから……!」



せつ菜「ですから、少しずつでも!一緒に学んでいきましょう!!」ペカー

侑「……そうだね!」

683: 2021/01/23(土) 18:13:11.04 ID:lZH82wN8
侑「私頑張るよ!」

せつ菜「はい!一緒に頑張りましょう!」

侑「……ははっ」

せつ菜「ふふ……」

侑「……手、繋いで帰ろっか?」スッ

せつ菜「はい!」ギュッ

せつ菜「……え!?いいんですか!?」サッ

侑「はは、一回握ったのに引っ込めるんだ」アハハ

せつ菜「そ、それはつい勢いで……!」

侑「……いいよ」

侑「だって」



侑「私達、恋人だもんね?」

せつ菜「!……はいっ!」ギュッ

684: 2021/01/23(土) 18:14:09.50 ID:lZH82wN8
侑(……そう、せつ菜ちゃんは私の恋人だ)

侑(可愛くて素敵な、私の恋人なんだ)

侑(勇気を出して告白してくれたの、凄く嬉しかった)

侑(実際に付き合ってみて、こうして過ごしてると凄い楽しいし)

侑(せつ菜ちゃんのこと、これからもっともっと大事にしなくちゃだよね!)

侑(だって恋人なんだから……!)

侑「……」ギュッ



せつ菜(……侑さん)

せつ菜(私、今日のデート凄く楽しかったです)

せつ菜(侑さんから誘ってもらえて、本当に嬉しかったです)

せつ菜(こうして並んで歩いているだけでも幸せなのに)

せつ菜(手を繋いだらドキドキが止まりませんし、抱き締められたら心臓が弾けそうで……それくらい幸せなんですよ!)

せつ菜(……幸せ、なんですけど)

せつ菜(……侑さんも、私と同じように幸せを感じてくれているのか)



せつ菜(正直、自信がありません……)

685: 2021/01/23(土) 18:15:31.45 ID:lZH82wN8
せつ菜(侑さんも、楽しそうには見えるのですが……)

せつ菜(……先ほど、歩夢さんを見かけたときは)

せつ菜(完全に、あちらに意識が向いていたように思えて)

せつ菜(侑さん、あなたは本当は……)

せつ菜(……)

せつ菜(いえ!こんなことで弱気になってはいけません!)

せつ菜(せっかく侑さんと付き合えることになったのですから!今はこの幸せな状況を楽しみましょう!)

せつ菜(それで、それでいつかは────)



せつ菜「……」チラ

侑「ん?」

せつ菜「あ、いえ!なんでもないです!」

侑「?そう?」

せつ菜「はい!」



せつ菜(────心の底から、お互いに幸せだと思える時間を過ごせるように)

せつ菜(そうなれるよう、今は頑張るのみです……!!)

705: 2021/01/24(日) 04:05:20.26 ID:AawDdWgD
~夜、宮下家、愛の部屋~



愛「ふー……」

愛(歩夢からの相談について、ある程度の方針は立った……けど)

愛(……正直、それで解決するかどうかはわからない)

愛(アタシにできるのは、せいぜい助言とちょっとしたサポートだけで……結局は歩夢次第なところが大きいし)

愛(それに、もし歩夢の想いがゆうゆに上手く届いてあの二人が結ばれたとしても)

愛(……今度は、別の問題が浮上することになる)


愛「アタシが今やろうとしてること……せっつーが知ったらなんていうかなぁ」ゴロン

愛(歩夢の"これまで"の想いが成就する手助けをするということは……それはつまり、せっつーの"今"の想いを踏みにじる行為に他ならない)

愛(どんな綺麗事を並べたとしても、この問題からは逃がれられない……とアタシは思う)

愛(それがわかっていたとしても、それでもアタシは────)



───────


歩夢「侑ちゃんに、ちゃんとこの"想い"を」

歩夢「あなたのことが好きだよって、ちゃんと私の口から伝えたいの……!!」


───────



愛「────歩夢の想いが叶うところを、見たいんだろうなぁ」

706: 2021/01/24(日) 04:06:38.18 ID:AawDdWgD
愛(アタシのこの"想い"の始まりがいつだったのかは、なんとなく覚えている)



愛(アタシ自身は、今まで恋愛感情を他人に抱いたことがない)

愛(興味がないわけじゃないけど、それよりも友達と遊ぶ方が楽しいと思ったからね)

愛(……でも、恋愛は何も自分から始まるだけのものじゃなくて)


愛(友達だと思っていた子)

愛(部活の助っ人に行ったときに仲良くしてた子)

愛(同じクラスの子)

愛(廊下ですれ違ったら挨拶する子)

愛(たぶんどこかで、ちょっとしたことで困ってたのを助けた子)


愛(……例を挙げると、キリがないけど)

愛(決して少なくない数の他人から、想いを告げられた経験だけは人並み以上にある……とアタシは思っている)

愛(だから、次第に他人のそういった感情に敏感になっていくのは……何も、不思議なことじゃなかった)

愛(そんな頃だったかな、スクールアイドル同好会に入ったのは)

愛(そこにも、恋愛感情を他人に抱いている子────)



愛(────歩夢が、いた)

707: 2021/01/24(日) 04:07:59.32 ID:AawDdWgD
愛(ただし、それはアタシに……ではなくまた別の子────ゆうゆへと向けられているもので)

愛(歩夢のゆうゆを見る目や、話しかける声色、距離の取り方など……数日も一緒に過ごしていれば、確信を得るには十分だった)

愛(……そして、歩夢の想いがゆうゆには全く伝わっていないことも……同時に理解した)


愛(それでも、二人は仲の良い"幼馴染"として一緒に過ごしていて)

愛(歩夢も、自分以上にゆうゆと仲良くしようとする相手に嫉妬することはあっても……これ以上、今の関係を押し進めることに関しては前向きなようには見えなくて)

愛(……だから、この二人の関係はこのままでいいのかもしれないと、静かにアタシは見守っていた)

愛(……だけど)



愛(その均衡を崩したのが、せっつーだった)

708: 2021/01/24(日) 04:09:29.31 ID:AawDdWgD
愛(せっつーが明確にゆうゆに恋愛感情を抱いたのはいつなのか……それに関してはアタシも把握していない)

愛(ある日、気がついたらゆうゆを見るせっつーの目が変わっていて)

愛(せっつーの猛アタックによって、あれよあれよといううちにせっつーとゆうゆの距離がどんどん縮まっていって)

愛(だけど、歩夢はそれを不安そうに眺めているだけで)

愛(そうこうしているうちにせっつーとゆうゆから……交際を始めた、という報告があった)

愛(当然、同好会メンバーの反応はいくつかに分かれた)


愛(素直に二人を祝福する人)

愛(歩夢の想いを察してか、素直に二人を祝福できない人)

愛(歩夢の想いを察した上で、それでも二人を明るく祝福しようとする人)


愛(当然、アタシの性格上取った選択肢は三択のうち最後のもので)

愛(あの場では、二人のことを祝った)

愛(……でも)



愛(歩夢がゆうゆに向ける優しい眼差しが)

愛(慈しむような声色が)

愛(寄り添うような距離の取り方が)

愛(これまで見てきた歩夢の姿が、アタシの脳裏にしっかり焼き付いていて)

愛(だから……)



愛(……歩夢が抱いてきた"想い"は一体どうなっちゃうんだろう?っていう疑問がアタシの中に生まれるのも)

愛(何も、不思議なことじゃなかった)

709: 2021/01/24(日) 04:11:32.28 ID:AawDdWgD
愛(あのときの歩夢のことは、今でもはっきりと思い出せる)


愛(多少は、想像していた出来事だったんだろうけど……)

愛(……それでも、それが今日来るかもしれないなんて覚悟は決まっていなかったことがわかる様子で)

愛(表面上は、二人を祝福している様子だったけど)

愛(それでも、そのときの歩夢の様子がおかしいってアタシにはわかってしまって)

愛(当然、アタシがわかるくらいなんだからゆうゆだってそのことには気づいた)

愛(……けど)


愛(まさか、自分が原因だなんてことには思い至ってもいない様子で)

愛(歩夢の告げた『ごめんね、ちょっと体調が悪くて』という見え見えのウソを信じきったようで)

愛(アタシは、そんなわけないじゃん!歩夢がそうなってるのは────!って言ってやりたい気持ちだったけど)

愛(当然、そんなことはできるわけがなかった)


愛(……そのときのアタシは、りなりーが心配して袖を掴んでくる程度には機嫌の悪さが表に出ていたみたいで)

愛(練習で行ったランニングでは、自分の中のモヤモヤを解消しようといつもよりハイペースで走りすぎて珍しくバテちゃって)

愛(地面に寝転がって、アタシもまだまだ子どもだなぁ……なんて、空を眺めながらぼんやり考えたことを覚えている)

710: 2021/01/24(日) 04:12:58.21 ID:AawDdWgD
愛(でも、アタシ自身の気持ちは走ったことで少しだけ紛れたかもしれないけど)

愛(歩夢の想いは、そう簡単に上手くいくものではなくて)

愛(アタシが静かに見守っていた二人の関係は、どこかぎくしゃくとしたものに変わり始めていて)

愛(歩夢が辛さを誤魔化す為の笑顔をしているのを見ると、アタシまで何かモヤモヤした気持ちを抱くようになっていて)

愛(だから)



愛(歩夢の想いがゆうゆに届いて、また二人の関係が落ち着いたものに戻って)

愛(それで、歩夢の笑顔が元に戻ればいいのに……ってアタシが考えるようになったのも)

愛(何も不思議なことじゃないと、そう思って)

愛(だから、アタシは)

愛(アタシに、できることがあるなら)

愛(アタシは────)



愛「────歩夢の力に、なりたいんだ」

711: 2021/01/24(日) 04:14:14.63 ID:AawDdWgD
愛(もしかしたら……いや、間違いなくせっつーを傷つけることになるけど)

愛(でも、そのときはそのときだ)

愛(今度は、アタシ自身がせっつーに手を差し伸べればいい)

愛(せっつーには、傷つけるきっかけに加担した張本人が何言ってるんだ!って言われるかもしれないけど)

愛(でも、それでもアタシは行動せずにはいられない)

愛(歩夢がゆうゆに想いを伝えたいというなら、それに協力してあげたい)

愛(その結果、せっつーとゆうゆの仲を引き裂くことになっても)

愛(それでも、アタシは……)



愛「……なんでここまでしようと思うんだろ」ゴロン

愛(同情?それともただの自己満足?あるいは────)



愛(────その答えが出る前に、アタシは意識を手放していたようで)

愛(気づいたときには、いつも目を覚ます時間になっていた)

712: 2021/01/24(日) 04:39:31.68 ID:AawDdWgD
すみません、このまま続きも書こうと思っていたのですが眠気が凄まじいので一度寝て起きてから書きます……

716: 2021/01/24(日) 17:19:43.24 ID:AawDdWgD
~翌朝、上原家、歩夢の部屋~



歩夢「……もう朝になっちゃった」

歩夢(昨日愛ちゃんと話した内容が頭の中をぐるんぐるんと駆け巡っていて、とてもじゃないけどぐっすりは寝られなかったな……)


───────


愛「歩夢が、せっつーに勝てばいいんだよ」

愛「恋人としてのスペックで、ね」ニッ


───────


歩夢(……なんて、愛ちゃんは言ってたけど)

歩夢「そんなこと、できるのかな……?」


歩夢(実際、私はせつ菜ちゃんが侑ちゃんに告白したことは知っていても)

歩夢(『どうして侑ちゃんがせつ菜ちゃんと付き合おうと判断したのか?』については何も知らなくて)

歩夢(侑ちゃんに聞いたら、もしかしたら教えてくれるかもしれないけど……なんだか怖くて聞けないでいた)

歩夢(そのことを愛ちゃんに伝えたら『オッケー!じゃあ愛さんからゆうゆに聞いてみるよ!』って返答が来て)

歩夢(そこまでしてもらうのは……と思ったんだけど、でもきっと私からは聞けないだろうなとも思って結局お願いすることにした)

歩夢(話を聞いてもらうだけじゃなくてここまで協力してくれてるんだもん)



歩夢「……この話が落ち着いたら、何かお礼をしたいな」

717: 2021/01/24(日) 17:20:37.90 ID:AawDdWgD
歩夢(……愛ちゃんは、本当に優しい)

歩夢(私の話をちゃんと聞いてくれるし、その上でどうしたらいいのか具体的なアイデアも一緒に考えてくれる)

歩夢(それも押し付けがましい感じではなく、あくまで私の意見を尊重しながらで)

歩夢(……どうして私なんかにここまでしてくれるのか、不思議なくらいで)

歩夢(でも、愛ちゃんのことだから……きっと今までもこんな風に色んな人を助けてきたんだろうなとも思えて)

歩夢「……"部室棟のヒーロー"なんて呼ばれてるくらいだもんね」

歩夢(……本当に、優しい人で)

歩夢(私からすると、そういうところが少しだけ侑ちゃんと重なって見えて)

歩夢(だから、あのとき……)


───────


愛「だから、安心してよ」ニッ
侑『だから、安心してよ』ニッ


───────


歩夢「……」

歩夢「……そうだよね」

歩夢(ここまで協力してくれてる愛ちゃんの為にも……)



歩夢(侑ちゃんには、ちゃんと私の想いを伝えなきゃ……!)

718: 2021/01/24(日) 17:21:36.00 ID:AawDdWgD
~高咲家、侑の部屋前~



歩夢(愛ちゃんは『想いを伝える前に、まずは相手に意識させることが大事』って言ってた)

歩夢(その為には、いつも通りのままじゃダメで)

歩夢(だから……!)

歩夢「ふぅ……」

歩夢「……」ゴクリ


コンコンコン


歩夢「侑ちゃーん、起きてるー?」

シーン

歩夢(返事なし……ということはまだぐっすり寝てるってことかな)

歩夢「侑ちゃーん、入るよー……」ガチャ


侑「……」

歩夢「侑ちゃん……まだ寝てる……?」

侑「……すー……すー」

歩夢(……うん、まだ寝てるね)

歩夢(普段だったらここで声をかけて、ダメなら体をゆすって、それでもダメならお布団を……ってしてたけど)



歩夢(今日は、普段とは違うことをやってみよう……!)

719: 2021/01/24(日) 17:22:32.33 ID:AawDdWgD
────静かに、仰向けで寝ている侑ちゃんの近くに寄っていく


歩夢「……」スッ


────そのままそっとベッドに腰掛け、侑ちゃんの寝顔を覗き込んでみる


歩夢「……」ジッ

侑「すー……すー……」

歩夢「……ふふ」

歩夢(可愛い寝顔だなぁ)

歩夢「……寝てるんだよ、ね」


────少し躊躇いはあったけど、そっと侑ちゃんの頭に手を置いてみる


侑「……っ」ビクッ

歩夢「!」

歩夢(起こしちゃった!?)

侑「……」

歩夢「……」ドキドキ



侑「……すー……すー」

歩夢(よ、よかった……まだ起きてないみたい)

720: 2021/01/24(日) 17:23:22.00 ID:AawDdWgD
────今度は、さっきよりも慎重に侑ちゃんの頭に手を置き


侑「……」


────優しく、ゆっくり撫でてみる


侑「……ん」

歩夢「……」ナデナデ

侑「……すー」

歩夢「ふふ……」

歩夢(侑ちゃんの髪の毛、サラサラだ)

歩夢(……こんな風に頭を撫でたりするの、いつ以来だろう)

歩夢(少なくとも、侑ちゃんがせつ菜ちゃんと付き合い出してからはなかったけど……)


───────


侑「ほら、私とせつ菜ちゃん付き合ってるじゃん?だから他の人とこういうことするのはよくないかなって」アハハ


───────


歩夢(……頭を撫でるのは、侑ちゃんの中ではセーフなのかな)

721: 2021/01/24(日) 17:24:28.49 ID:AawDdWgD
────抱いた疑問に対して、答えを求めるように


歩夢(……じゃあ)


────頭を撫でていた手を、そのまま頬に滑らせていく


歩夢(ほっぺに触れるのは?)


────頬に添えた手を、少しだけ遊ばせてみる


歩夢(……気持ちいいな)

歩夢(それに、こうしてると侑ちゃんの体温が伝わってきて……なんだか安心する)

歩夢(……)


────そのままぼんやりしていると、ふと侑ちゃんの唇に視線が向いて


歩夢(侑ちゃんはもう……)

歩夢(キス、したのかな)

歩夢(……せつ菜ちゃんと)


────頬に手は添えたまま、親指を使ってそっと唇に触れてみる


歩夢(……柔らかい)


────その感触が心地よくて、しばらくぷにぷにと優しく押していると


侑「……んん」ゴロン

歩夢「!」


────侑ちゃんは、こちらに背を向けるように寝返りを打ってしまった

722: 2021/01/24(日) 17:25:27.28 ID:AawDdWgD
歩夢「あっ……」

歩夢(わわ、もしかしてやりすぎちゃった……!?)

歩夢(ど、どうしよう、変に夢中になっちゃった……!)

歩夢「……」チラ

侑「……」

歩夢(……寝てる?)

侑「……すー」

歩夢(寝息……じゃあ、まだ寝てるのかな……?)

歩夢「……」ドキドキ

歩夢(……なんだか、イケナイことをしているような)

歩夢(そうだよ!よく考えたら侑ちゃんが寝ているのをいいことに何してるの私……!)

歩夢(……でも)

歩夢(侑ちゃんに触れていると、なんだか胸の辺りがぽかぽかして)

歩夢「……」

歩夢(……もっと)



歩夢(もっと、侑ちゃんに触れていたい、な)

723: 2021/01/24(日) 17:26:27.44 ID:AawDdWgD
────一度抱いた欲望は、思ったよりも強いもので


歩夢(侑ちゃん……)


────私は腰掛けていた姿勢を崩し、その場で横になるように寝転がり


歩夢(ごめんね……)


────ちょうど、侑ちゃんの背中に向けて添い寝する形に


歩夢(侑ちゃんは寝てるのに、こんなこと……)


────それでも、私と侑ちゃんの間にはまだ僅かに距離があって


歩夢(……でも)


────そのたった数センチが、どうしようもない程にもどかしくて


歩夢(でも、私……!)


────うなじから香る侑ちゃんの匂いが、私の鼻腔を刺激してきて


歩夢(侑ちゃんに、触れたくて……!)


────それを合図にするかのように、私の身体は侑ちゃんを求めて熱を帯び始めて


歩夢「……っ!」


────気がつけば、侑ちゃんの体を思いきり抱き締めていた

724: 2021/01/24(日) 17:27:24.10 ID:AawDdWgD
────一度解き放ってしまった欲望は、もはや抑えが効かず


歩夢(侑ちゃん……)


────両腕は抱き寄せるように侑ちゃんのお腹に回し


歩夢(好き……)


────上体は侑ちゃんの背中に密着させ


歩夢(好きだよ……)


────鼻は侑ちゃんのうなじに押し当てるようにして


歩夢(大好き……)


────侑ちゃんとの"今"の距離を少しでも埋められるように


歩夢(大好きなんだよ……)


────強く強く、侑ちゃんを抱き締めて


歩夢「……侑ちゃん」


────首すじに、そっと口づけを



「……歩夢?」

727: 2021/01/24(日) 18:34:04.69 ID:AawDdWgD
歩夢「!!」ビクッ

侑「……歩夢、だよね?」

歩夢「ゆ、侑ちゃ……!」バッ

侑「ふぁ~ぁ……」ゴシゴシ

侑「……んん?」



侑「なんで歩夢が私のベッドに……?」

歩夢「!えっ、とこれは……!」

侑「……歩夢~?」

歩夢「……そ、そう!昨日侑ちゃんが布団剥ぎ取るのは心臓に悪いって言ってたじゃない!?だから今日は別の方法で起こしてみようかなって思って!」

歩夢「そ、それでどうしようかなって思って!布団の中に忍び込んでびっくりさせてみようかな!ってね!?」

侑「……へぇ」

歩夢「だから別に他意はないというかなんというかそのあの……」



歩夢「……勝手に入って、ごめんね」シュン

侑「……」

侑「いいよ」

歩夢「……え?」

728: 2021/01/24(日) 18:35:30.88 ID:AawDdWgD
侑「私を起こそうとしてくれたんでしょ?なら別にいいよ」

歩夢「ほ、本当に?怒ってない……?」

侑「……なんで怒られると思ったの?」

歩夢「だって、勝手に横に寝るなんて、その……」

侑「ふふっ、やった本人がそれ言うの?」

歩夢「だ、だって……!」


侑「大丈夫だって」ポン

歩夢「!」

侑「私と歩夢の仲だよ?今さらこれくらいで怒らないって」ナデナデ

歩夢「侑ちゃん……」

侑「それとも、怒った方がよかった?」

歩夢「そ、そんなこと……!」

侑「だよね」クスッ

729: 2021/01/24(日) 18:36:37.96 ID:AawDdWgD
侑「というか昔はよく一緒に並んでお昼寝とかしてたじゃん」

歩夢「!お、覚えてくれてるんだ、一緒に寝てたりしたの……」

侑「よくやってたからね~」

侑「……歩夢ほど細かくは覚えてないけどさ、私にとっても昔のことは大事な思い出だしね」

歩夢「……そっか」

歩夢「それなら、嬉しいな」

侑「……」

侑「それじゃ私着替えるからさ、先にリビング行っててもらってもいい?」

歩夢「うん、待ってるね」タッ



侑「……ふぅ」ドサッ

侑「……」ゴロン



侑(えええええ!?歩夢何してんのあの子!?)

730: 2021/01/24(日) 18:47:15.18 ID:AawDdWgD
侑(昨日の歩夢と愛ちゃんの一件が気になってたせいか、なんかいつもより眠りが浅くて)

侑(そのせいか普段よりもちょっと早く目が覚めて、部屋の外から呼び掛ける歩夢の声も聴こえてたんだけど)

侑(……昨日の光景が浮かんで、なんか反応しづらかったからまだ寝てるフリしてたのに)

侑(そしたら頭撫でられるわ、ほっぺ触られるわ、唇ぷにぷにされるわ、最後は後ろから抱き締められるわ……)

侑(……今日の歩夢どうしちゃったの!?)

侑(抱き締め方も、なんかいつもやってたようなハグとは違ってもっと強かったというかなんというか……!)

侑(私の名前を呟いたときの声色もなんか大人っぽかったというか……色っぽくて……)

侑「……っ!」ドキッ

侑(ほ、ホントになんだったの……!?)

侑「……なんか、あっついなぁ」

侑「……」



侑「冷水で顔洗ったら、少しはマシになるかな……?」ドキドキ

739: 2021/01/25(月) 04:38:32.04 ID:jTVLfxtM
~登校中~



侑(あの後、いつも通りお母さんも含めた三人でお喋りしながら朝食を済ませ、今はいつものように歩夢と二人並んで学校に向かっている)

侑(……だけど)

侑「……」チラ

歩夢「?どうかした?」

侑「あ、いや、なんでもないよっ」

歩夢「そう?」


侑(……ダメだー!どうしても部屋での出来事を意識しちゃって……)

侑(なんか歩夢の顔がちゃんと見れない……!)

侑「うー……」



歩夢「……」ジッ

740: 2021/01/25(月) 04:39:33.28 ID:jTVLfxtM
歩夢(……侑ちゃん、なんだか難しそうな顔してるけどどうしたのかな?)

歩夢(……やっぱり、侑ちゃんの部屋でやっちゃったことがいけなかったのかな)

歩夢(でも、侑ちゃんは怒ってないって言ってたし……)

歩夢「……」チラ


侑(あと!昨日愛ちゃんと遊んでたのをわざわざ私に隠すような言い方してたのも気になるし……!)

侑(……でも、なんて聞こう?)

侑(『昨日愛ちゃんと遊んでたみたいだけど、なんで私に隠してたの?』……何この言い方!?ダメに決まってるじゃん!)

侑(『昨日、偶然愛ちゃんと二人でいるとこ見かけてさ……何してたの?』……なんか圧があるかも?これもダメ!)

侑(もっと何気なく他愛ない感じで……偶然見かけたことを強調して……)

侑(『昨日せつ菜ちゃんと遊んでてさ、そのとき偶然歩夢を見かけたんだけど、愛ちゃんと遊んでたんだね~』……よし、こんな感じでいこう!)



侑「……あっ、歩夢!」

歩夢「?」

741: 2021/01/25(月) 04:40:26.58 ID:jTVLfxtM
侑「じっ実は昨日せつ菜ちゃんと遊んでてさ~」

歩夢「!そ、そうなんだ」

歩夢(私が一緒に帰らなかったから、その後せつ菜ちゃんを誘ったのかな……)

歩夢(……もし一緒に帰ってれば、そうはならなかったのかな)

侑「それで、そのときにさ……ぐっ偶然歩夢を見かけたんだけど」

歩夢「えっ」ドキッ

歩夢(嘘、侑ちゃんに見られて……!?)

歩夢(まさか、愛ちゃんとの話を聞かれてた!?いやでも、カラオケ以外では相談についての具体的な話はしてないはず……!)

侑「い、一緒にいたの愛ちゃん……だよね?いや~二人で遊んでたんだね~」アハハ

歩夢(話を聞かれていないなら、相談については隠し通したいし……)

歩夢(……ここは!)

歩夢「……」ゴクリ



歩夢「うん、そうだよ」ニコ

歩夢(上手く誤魔化さなきゃ!)

742: 2021/01/25(月) 04:41:39.27 ID:jTVLfxtM
侑「へ、へぇ~……なんか珍しい組み合わせだね?」

歩夢「そうかな?」

侑「うん、だって愛ちゃんは璃奈ちゃんと一緒にいるイメージがあるというか……歩夢と二人でいるイメージはあまりなかったというか」

歩夢「そう?私と愛ちゃんだってちゃんと友達だよ?」

侑「ま、まあそうだけどさ……ただ、二人だけで遊びに行くイメージはしづらいというか」

歩夢「……そうかな」

侑「そっそうだよ、だって二人だけで仲良くしてるところなんて私あんまり見たことないし」

歩夢「……最近は、前よりも仲良くなってきてるかもしれないね」

侑「最近、なんだ」

歩夢「うん」ニコ

侑「……」ゴクリ

侑「その……」



侑「……何か、きっかけがあったとか?」

歩夢「……!」

743: 2021/01/25(月) 04:44:06.05 ID:jTVLfxtM
歩夢「……どうしてそんなこと聞くの?」

侑「えっ、どっどうしてって……」

侑「……なんか、気になってさ」

歩夢「気になる、って?」

侑「……えっ、と」

侑「こういうこと言うのもあれだけど、さ」

侑「……歩夢が、私以外の友達と二人だけで遊んだとか出かけたとかって話を今まであんまり聞いたことがなかったから……かな?」

侑「なんか、気になっちゃって……ね」

歩夢「……」

侑「それに……」



侑「私には『他の人と待ち合わせしてる』って言ってたじゃん?」

侑「だから……なんで『愛ちゃんと遊びに行く』ってはっきり言わなかったんだろう、って……ちょっと気になっちゃって」

歩夢「あっ……」

744: 2021/01/25(月) 04:48:27.75 ID:jTVLfxtM
侑「そんな、大したことじゃないんだけどね!ちょっと不思議に思っただけだからさ!」

歩夢「それは……ごめんね」

歩夢「昨日聞かれたときに、ぱっと答えられなくて……それで変な言い方になっちゃったの」

侑「そっ、か……こっちこそごめんね!変なこと聞いちゃって!」

歩夢「い、いや大丈夫だよ」

歩夢「……」

歩夢「侑ちゃん、一つ聞いてもいい?」

侑「ん?なに?」

歩夢「あのね……」



歩夢「私が、侑ちゃん以外の人と二人だけで遊ぶの……侑ちゃんはどう思う?」

侑「えっ」

746: 2021/01/25(月) 04:50:03.11 ID:jTVLfxtM
侑「どう思う、って」

歩夢「……教えてほしいな」ニコ

侑「えっと……」

侑(歩夢が、私以外の人と二人だけで?)

侑(別に、そんなことは普通にあり得ることで私が気にすることじゃ……)

侑(……いや、昨日からさっきまでの私はそれを気にしてたんだよね)

侑「うーん……気になる、かなぁ」

歩夢「気になる、って……どういう風に?」

侑「え?それは……うーん」

侑(どういう風に、と聞かれると……難しいなぁ)

侑(……実際どうだったか振り返ってみよう)

侑「そうだね……」

侑「昨日、歩夢と愛ちゃんが一緒にいるのを見たときは」



侑「二人とも、楽しそうだなぁって……」

歩夢「……楽しそう?」

748: 2021/01/25(月) 04:51:30.23 ID:jTVLfxtM
侑「うん、話の内容はわからなかったけどさ」

侑「二人とも笑い合ってて……なんか楽しそうだなぁ、って」

歩夢「……そっか」

侑「ホントは声かけようと思ってたんだけど、せつ菜ちゃんに止められちゃってさ」

歩夢「せつ菜ちゃんに……?」

侑「うん、『今は私とのデート中なんですから、他の人のことは気にしないでください!』って言われちゃって」

侑「まあ言われてみればそりゃそうだって話だよね」アハハ

歩夢「……そう、だね」

歩夢(きっと私も、侑ちゃんと二人で遊んでるときにそうなったら止めてたと思うし……せつ菜ちゃんの気持ちはよくわかる)

歩夢(でも、そっか……二人は昨日デートを……)

侑「……いや~でも歩夢と愛ちゃんが二人で遊ぶなんてね~」

侑「結構意外な組み合わせというか……」

歩夢「……」

侑「まあ、愛ちゃんは誰にでも優しいし」

歩夢「ダメなの?」

侑「歩夢でも接しやす……え?」



歩夢「私と愛ちゃんが二人で遊んだら……ダメなの?」

750: 2021/01/25(月) 04:53:03.03 ID:jTVLfxtM
侑「え?いや別にダメとは……」

歩夢「だって、侑ちゃんなんか変な言い方するから」

侑「へ、変な言い方って、別にそんなことは」

歩夢「珍しい組み合わせとか、一緒にいるイメージがないとか……色々言ってたよ」

侑「うっ、で、でも実際二人が話してるところなんて私はあんまり」

歩夢「そうだね、侑ちゃんがいる前ではあんまり話してないかもね」フイッ

侑「え?そ、それって」

侑(ま、前から二人だけで遊んでたりしてたってこと?)

侑(いやでもさっきは最近仲良くなってきたって言ってたよね?)

侑(うーん……)



侑(……なんか、モヤモヤするなぁ)

751: 2021/01/25(月) 04:55:43.95 ID:jTVLfxtM
歩夢「……愛ちゃん、凄く優しくて良い人なんだよ」

侑「それは……私も知ってるよ」

歩夢「こんな私の話でもちゃんと聞いてくれるし、それに色々教えてくれて……本当に優しいんだよ」

侑「……へぇ、そうなんだ」

歩夢「そうだよ、それで入るお店とかもささっと探してくれるし……それもただ自分のオススメを上げるんじゃなくてちゃんと私の意見も聞いた上でなんだよ」

侑「……ふーん」

歩夢「なんでもそつなくこなす感じで皆からも頼られててカッコいいイメージがあったけど、話していくうちに本当にカッコいいんだって実感したなぁ」

侑「……そう」

歩夢「あ、でもね?カッコいいだけじゃなくて可愛いところも……あっごめん、これは他の人には言っちゃいけない約束してたんだった」

侑「……」

歩夢「ふふ、だからね?そんな感じで私と愛ちゃんは」

侑「歩夢」

歩夢「ちゃんと仲良く……侑ちゃん?」



侑「その話、聞かなきゃダメ?」

歩夢「……え?」

753: 2021/01/25(月) 05:16:31.45 ID:jTVLfxtM
歩夢「ゆ、侑ちゃん……?」

侑「……」

歩夢「どうしたの……?」

侑「……っ、ごめん」

侑「ちょっと……嫌な言い方しちゃった!ごめんね?」

歩夢「う、ううん……別に、大丈夫だけど」

歩夢「……えっと、私こそちょっと嫌な感じになってたかも」

歩夢「ごめんね……?」

侑「いや、いいよいいよ!」

侑「私が見てないところで歩夢の交友関係が広がるのはいいことだし!」

侑「愛ちゃんが優しくていい子なのも知ってるから!だから大丈夫!うん!」

歩夢「……うん」


侑(そう、私が見てないところで歩夢が誰と仲良くしようがそれは歩夢の自由で)

侑(私が変に気にすることじゃない……!そう!そうだよ!)

侑(……だけど)



侑(なんか、モヤモヤが取れないなぁ……)

侑(なんだろう、これ……)

754: 2021/01/25(月) 05:22:46.44 ID:jTVLfxtM
すみません、もう少し進めたかったのですがキリが悪くなりそうなので一旦ここまでとさせていただきます!!!!!
続きはまたお昼~夕方頃に書ければと思います!!!!!

765: 2021/01/25(月) 18:06:40.45 ID:jTVLfxtM
~昼休み、学校の廊下、自販機前~



歩夢(……あ、もう来てくれてる)

歩夢「愛ちゃん、こんにちは」

愛「やっほー歩夢」ヒラヒラ

歩夢「ごめんね、急にお話したいだなんて呼び出して」

愛「いーよいーよ、気にしないで」

愛「それで、話って?」

歩夢「えっとね、侑ちゃんのことでまた……相談があって……」

愛「……なら、場所変えよっか」

愛「ここだと誰に聞かれるかわからないしさ」

歩夢「……うん」



~一方その頃、教室~



侑(歩夢、飲み物買いに行くって慌てて出ていったけど)

侑(なんか、様子がおかしかったような……)

侑「……」

侑(帰ってきたら、聞いてみようかな……?)

766: 2021/01/25(月) 18:07:30.61 ID:jTVLfxtM
~裏庭~



愛「お、人いなさそうじゃない?」キョロキョロ

歩夢「ここなら大丈夫かな」

愛「んじゃテキトーにどっか座ろっか」

愛「立ちっぱも疲れるしね!」

歩夢「そうだね」ニコ



愛「……それで、ゆうゆのことで相談って?」

歩夢「えっとね……」

歩夢「今朝のことなんだけど────」

767: 2021/01/25(月) 18:08:18.91 ID:jTVLfxtM
歩夢「────っていう感じで……」

愛「……ふむ」

歩夢「なんか侑ちゃんとちょっと変な感じになっちゃったから、どうすればいいのかなって」

愛「なるほどな~」

愛「それにしても……」ジッ

歩夢「?」

愛「……歩夢ってば結構大胆なところあるんだね」

歩夢「えっ?」

愛「だってさ」



愛「ベッドで寝てるゆうゆの体を好き放題したあげくに隣に潜り込んで抱き締めるなんて」

愛「……意外とやるねぇ」ニッ

歩夢「!!」カァァァ

768: 2021/01/25(月) 18:09:24.71 ID:jTVLfxtM
愛「いや~その大胆さがあれば告白なんて簡単にできそうなもんだけどな~」ニヤニヤ

歩夢「ちょっちょっと愛ちゃん!」

愛「あはは、ごめんごめん」

愛「いやでも実際驚いたのは確かだよ?行動力あるなー!って思ったもん」

歩夢「そう、かな……?」

愛「……というか、わざわざ毎朝起こしに部屋に行く間柄って相当だと思うんだけどなぁ」

歩夢「?幼馴染ならそういうものじゃないの?」

愛「……いやいや、世にいる幼馴染が全てそんな関係だったら愛さん驚きだよ」

歩夢「そんなに……?」

愛「うんうん、もう驚きすぎて踊ろー木の上で!って感じだよ!驚きだけに!」

歩夢「……」

愛「……あの、毎回真顔になられると……愛さんでもさすがに傷つくな~って」

歩夢「……ふふ、ごめんね」



歩夢「あれもしかしてやらかしちゃった?って心配そうな顔になる愛ちゃんが可愛くて」クスッ

愛「なっ」

769: 2021/01/25(月) 18:10:17.60 ID:jTVLfxtM
歩夢「だからつい……ね?」クスクス

愛「……歩夢って意外とイジワルな子?」

歩夢「えっ?そんなことないと思うけど」

愛「……まあいいや、本題に戻ろっか」

愛「確か、歩夢とゆうゆが家族公認の仲って話だったよね」

歩夢「家族公認って、そんなこと……!」

愛「いや相手の家に自由に出入りが認められてる時点でそうでしょ」アハハ


愛(……というか、そこまでいっててなんで付き合ってなかったのか不思議なレベルだよねもはや)

愛(まあでもゆうゆは鈍感そうだし歩夢はかなりの奥手だし……それにやっぱり女の子同士だから踏み出しづらかったってのもあるのかな~)

愛(……そう考えると、この短期間で告白までやり遂げて実際に付き合うところまで持っていったせっつーがむしろ凄すぎるのかな?)

愛(……まあ今はその話はよくて、それよりも気になるのは)



愛「ゆうゆの様子がおかしかった、かぁ」

歩夢「……うん」

770: 2021/01/25(月) 18:14:08.56 ID:jTVLfxtM
愛「もう一度聞くけど……愛さんの話を出した辺りからおかしかったんだよね?」

歩夢「そうだね……侑ちゃんからせつ菜ちゃんの話が出てきたときに、ちょっと私がムキになっちゃって」

歩夢「それで愛ちゃんの話をしてたんだけど、そしたら……」


───────


侑「その話、聞かなきゃダメ?」


───────


歩夢「……って」

愛「……」

歩夢「あのときの侑ちゃん、ちょっと怖かったな……」

愛「……なるほどね」

愛(歩夢の話の通りなら、ゆうゆは……)



愛(……アタシに、嫉妬してる?)

771: 2021/01/25(月) 18:15:12.85 ID:jTVLfxtM
愛(アタシと歩夢が一緒にいたのも相当気にしてたみたいだし)

愛(嫉妬してるって考えると、一番しっくりくる)

愛(まあ……単純にアタシのことが嫌いって可能性もなくはないけど、ゆうゆに限ってそれはなさそうだし……ないと思いたい)

愛「……ふむ」

愛(アタシがこれまで歩夢とゆうゆを見てきた感じでは、歩夢からゆうゆへの恋愛感情は見えたけど)

愛(……ゆうゆから歩夢へのそういう感情は見えなかった……と思う)

愛(単純にアタシが見逃していただけ……?)

愛(それとも、ゆうゆの抱いている"嫉妬"は恋愛感情から来るものじゃない……とか?)

愛(……でも、なんにせよ歩夢がアタシと仲良くしているのを知ったことで、ゆうゆに何らかの"変化"が起きているのは間違いない)

愛(となれば……)

愛「……歩夢」

歩夢「なにかな?」

愛「ちょっと試してみたいことがあるんだけど……」



愛「協力してもらっても、いいかな?」

772: 2021/01/25(月) 18:16:16.54 ID:jTVLfxtM
~しばらくして、教室~



歩夢「遅くなってごめんね~」

侑「ホントだよ~……どこまで飲み物買いに行ってたの?」

歩夢「えっとね……その」

歩夢「……実は、愛ちゃんと偶然会ってね?」

侑「!」

歩夢「それで、ちょっと話し込んでたらいつの間にかこんな時間になっちゃってたの」

侑「ふーん……そうなんだ」

歩夢「それでね、愛ちゃんってば……」

歩夢(……愛ちゃんの作戦、上手くいくかな?)



~少し前、裏庭~



歩夢「……え?侑ちゃんの前で愛ちゃんの話をたくさんするの?」

愛「うん」ニッ

歩夢「それはいいけど……どうして?」

愛「ゆうゆはね、たぶんアタシに嫉妬してるんだ」

歩夢「……えっ?」

774: 2021/01/25(月) 18:17:51.56 ID:jTVLfxtM
愛「だからゆうゆの前でアタシの話をたくさんして、ゆうゆの嫉妬心を煽ることでどうなるか……反応を見たいんだ」

歩夢「えっ、と……?侑ちゃんが愛ちゃんに嫉妬……?」

愛(……なるほど、そこからか~)

愛「うーんと……歩夢にいくつか質問があるんだけど、いい?」

歩夢「う、うん」

愛「歩夢ってさ、今までゆうゆ以外に二人だけで話したり遊びに行ったりする友達っていた?」

歩夢「え?えっと……そうだね、お喋りはともかく……遊びに行ったりっていうのは、あんまりなかったかも」

愛「そっか、なら次の質問ね」

愛「歩夢は、ゆうゆが自分に隠して誰か他の人と二人だけで遊びに行ったりしてたらどう思う?」

歩夢「えっ、それは……」

愛「……正直に話して大丈夫だよ、今は愛さんしか聞いてないからさ」

歩夢「……うん」

歩夢「私は……嫌だな、って思っちゃう、かな……?」

歩夢「誰と遊ぶのも侑ちゃんの自由だってわかってるけど、でも……」

愛「……オッケー、答えてくれてありがとね」

歩夢「うん……」

愛「今、歩夢が答えてくれたそれね」



愛「たぶん、ゆうゆも同じだよ」

歩夢「……え?」

775: 2021/01/25(月) 18:20:05.58 ID:jTVLfxtM
愛「ゆうゆも、自分に隠して歩夢が誰かと遊びに行ったりするのはイヤなんだと思う」

歩夢「侑ちゃんが……?」

愛「だから、アタシと歩夢が一緒にいるのを見かけてショックだったんじゃないかな?」

愛「アタシの話に対して怒るような反応を示したのも、たぶんそういうことだと思うし」

歩夢「……」

愛「……まあ、あくまでまだ仮説でしかないから確定じゃないけどね」

愛「ただ、これがもし事実なら……」

愛「ゆうゆを振り向かせるの、思ったより難しくないかも」

歩夢「……どういう、こと?」

愛「だって、歩夢と同じように嫉妬してるってことだよ?それってつまりさ」

歩夢「……!」

愛「そういうこと」ニッ

歩夢「嘘……侑ちゃんが……?」

愛「それを実証する為にも、歩夢にはさっきの方法で確認してもらいたいんだ」

歩夢「侑ちゃんの、嫉妬心を……」

歩夢「……っ」ゴクリ



歩夢「わかった、やってみるね……!」

776: 2021/01/25(月) 18:24:14.13 ID:jTVLfxtM
~現在、教室~



歩夢「────って感じだったんだよ、愛ちゃん」

歩夢(作戦通り、愛ちゃんの話をたくさんしてみたけど……侑ちゃんの反応は……?)


侑「……そっかぁ」

侑「ホントに、愛ちゃんと仲良いんだね」

歩夢(……あれ?)

歩夢「そ、そうだよ」

侑「なかなか帰って来ないなぁとは思ってたけど……」

歩夢(こ、これは……どうなんだろう?)

侑「……」

歩夢(うう、私には判断できないよ愛ちゃん!)

歩夢「えっと、じゃあそろそろ授業始まるし……席戻るね!」

侑「!」

歩夢(一旦愛ちゃんに状況報告だけして────)


グイッ


侑「……待ってよ」

歩夢「……え?」

777: 2021/01/25(月) 18:27:27.03 ID:jTVLfxtM
歩夢(侑ちゃんに、腕掴まれて……?)

侑「まだ始まるまで数分あるし」

侑「……それに、さっきまでいなかったんだからさ」



侑「もうちょっと、喋ってようよ」

歩夢「えっ」

侑「……ダメ?」ギュッ

歩夢「!だ、ダメじゃないよ!」

侑「そっか、ならよかった」ニッ

歩夢「う、うん」



歩夢(……ええ!?)

歩夢(まさか、侑ちゃんが本当に……!?)

歩夢(嘘……)

歩夢(……後でこっそり愛ちゃんに報告しなきゃ!)

779: 2021/01/25(月) 18:52:36.55 ID:jTVLfxtM
~しばらくして~



愛(お、歩夢から連絡きた)

愛(……おお~、やっぱりアタシの読みは当たってるっぽいね)

愛(となると、ゆうゆが歩夢に抱いてる感情がなんであれ……少なくとも『自分以外の誰かと歩夢が仲良くする』と嫉妬しちゃうってことだね)

愛(……その嫉妬心がチョー仲良い友人相手だから生まれてるものなのか、はたまた無意識下で歩夢に恋愛感情を抱いてるからなのかはまだわからないけど)

愛(でも、ゆうゆを歩夢に振り向かせるならこれを利用しない手はない)


愛(……普通なら、恋人のいる状況で他の人から告白されても断るだろうけど)

愛(もし、その相手が長年仲良くしてきた大事な幼馴染なら……?)

愛(加えて、自分が断ったら他の人のところに行ってしまうかもしれない……そんな状況だったら……?)

愛(……うん、次の作戦はこれがいいかな)

愛(……)

愛(普段は"部室棟のヒーロー"なんて呼ばれてるけど、今回はヒールとして動くことになりそうだな~)

愛(……まあでも)



愛(歩夢の力になれるなら、それでもいっか)

791: 2021/01/26(火) 04:11:20.28 ID:1uv6BhMo
すみません、深夜にまとめて投下しようと思っていたのですが書き貯めがキリのいいところまで進まなかったのでまた起きてからにしたいと思います……

793: 2021/01/26(火) 15:53:55.29 ID:1uv6BhMo
~放課後、部室~



侑「もう誰かいるかな?」

歩夢「どうだろうね?」

ガチャ

侑「こんにちは~」

せつ菜「あっ侑さん!こんにちは!」

歩夢「!」

侑「せつ菜ちゃん!今日は早いね」

せつ菜「はい!今日は生徒会での仕事が特に何もなかったので!」

せつ菜「歩夢さんもこんにちは!」

歩夢「……うん、こんにちは」ニコ

侑「まだせつ菜ちゃんだけ?」

せつ菜「はい!」

侑「そっか、じゃあ準備しながらお喋りでもしてよっか」

歩夢「……そうだね」ニコ

歩夢(……うぅ、三人だけだと辛いなぁ)

歩夢(早く誰か来てくれると助かるんだけど……)



ガチャ

愛「こんにちはー!」

歩夢「あっ愛ちゃん!」

侑「……!」

794: 2021/01/26(火) 15:54:44.24 ID:1uv6BhMo
愛「おっ、一番乗りじゃなかったか~」

せつ菜「愛さん!こんにちは!」

愛「おー!やっほーせっつー」ヒラヒラ

歩夢(よかった、愛ちゃんが来てくれた……)

歩夢「ほっ……」

愛「……んー?どしたの歩夢?」ズイッ

歩夢「え?な、なんでもないよ」

愛「そう?ならいいんだけどさ」ニッ

侑「……愛ちゃん!こんにちは!」ズイッ

歩夢「!」

愛「お?ゆうゆもやっほ~」

歩夢(侑ちゃん……?)



歩夢(……今、愛ちゃんと私の会話を遮ろうとしてた……?)

795: 2021/01/26(火) 15:55:48.41 ID:1uv6BhMo
歩夢(いや、でもさすがにそれは思い込みかな……?)


侑「愛ちゃん、璃奈ちゃんとは一緒じゃなかったんだ?」

愛「ん、まーね!今日はまっすぐこっちに来たし」

侑「そうなんだ」

せつ菜「やる気MAX!って感じですか!?」

愛「まあ……」チラ

歩夢「?」

愛「……そんな感じかな!」アハハ

せつ菜「いいですね!今日もはりきっていきましょう!」

愛「あはは、せっつーは今日も元気だね~」


歩夢(……愛ちゃん、今私の方をチラッと見てた?)

歩夢(なんでだろう……?)



侑「……」

796: 2021/01/26(火) 15:56:51.20 ID:1uv6BhMo
~練習中~



侑「じゃあまずはいつも通りストレッチから!」


愛「歩夢~!一緒にやらない?」

侑「……!」

歩夢「私?うん、いいよ」

愛「やったー!」ギュッ

歩夢「わっ!愛ちゃん!?」

侑「……!!」

愛「へへ、じゃああっちでやろっか」グイッ

歩夢「う、うん」

侑「……」ジー

せつ菜「侑さん!」

侑「……」ジーッ

せつ菜「……侑さん?どうかしましたか?」

侑「えっ?あっごめんね、何かな?」

せつ菜「ストレッチの手伝いをお願いできますか!」

侑「うん、いいよ」

せつ菜「ありがとうございます!ではあちらで!」ペカー

侑「うん……」チラ


歩夢「愛ちゃん、さっきのって」

愛「あー気にしないで気にしないで」アハハ


侑「……」ムムム

797: 2021/01/26(火) 15:57:38.12 ID:1uv6BhMo
~ストレッチ終了後~



侑「じゃあ次はランニングね!」



~しばらくして~



侑(……おかしい)

侑(いつもだったらもう愛ちゃんはゴールしてるはずなのにまだ来ないなんて……)

侑(……もしかして)



歩夢「はぁ……はぁ……」

愛「ほら、もうちょっとだよ!」

侑「!」

侑(歩夢と、愛ちゃんが……並んで走ってる……?)

798: 2021/01/26(火) 15:59:29.41 ID:1uv6BhMo
歩夢「……ふぅ」

愛「お疲れぃ~、どうだった?なるべく歩夢のペースに合わせてみたんだけど」

歩夢「うん……いつもよりちょっとペース速かったけど、これならなんとかついていけるかも」

愛「そっか~ならよかった」

歩夢「ふふ……愛ちゃんと一緒に走ってると、なんだか私ももっと速く走れそうな気がしてくるよ」

愛「おっ、なら二人で最速目指しちゃう?」

歩夢「さ、最速は難しいんじゃないかな……?」

愛「へへ、まあ無理に催促はしないけどね……最速だけに!」

歩夢「……」

愛「あ、歩夢……だから真顔はやめてってば~」

歩夢「……ふふ、ごめんね?」

愛「急に真顔になられると愛さん嫌な意味でドキっとしちゃうよ……」

歩夢「でも焦ってる愛ちゃん可愛いよ?」クスッ

愛「いやそういうことじゃなくてさぁ……」

歩夢「ふふっ」ニコニコ



侑「……」ムムムム

799: 2021/01/26(火) 16:07:39.29 ID:1uv6BhMo
せつ菜「侑さん!今日はいつもより速く走れたように感じたのですが、どうでしたか?」

侑「……」ジー

せつ菜「……侑さん?」

せつ菜(一体どこを見て……)チラ



歩夢「────」ニコニコ

愛「────!」



せつ菜(歩夢さんと愛さん……?)

せつ菜(なんだかとっても楽しそうです!……けど)チラ

侑「……」ジーッ

せつ菜(……侑さん)

800: 2021/01/26(火) 16:09:01.96 ID:1uv6BhMo
せつ菜「……っ、侑さん!」グイッ

侑「!わっ、なっなに?」

せつ菜「私のタイムはどうでしたか!?」ズイッ

侑「え!?えっ、と……うん、いつもより少し速くなってる、かな?」

せつ菜「そうですか!それはよかったです!」

せつ菜「このまま同好会内最速を目指しますよ!!」ペカー

侑「あはは、そうだね……それを目標に頑張ってみよっか!」

せつ菜「はいっ」

せつ菜「……」

せつ菜「あの、侑さん……っ」

侑「ん?なに?」



せつ菜「歩夢さんと愛さんのこと、見てましたけど……どうかしましたか?」

侑「えっ……」

802: 2021/01/26(火) 16:15:28.44 ID:1uv6BhMo
せつ菜「その、じっと見ていたので」

侑「そ、そんなに見てた?」

せつ菜「……私が声をかけても、気づかないくらいには」

侑「あ、あちゃー……そんなに見てたんだ私」アハハ

侑「あ、あはは」

せつ菜「……」

侑「はは、は……」

せつ菜「……侑さん」



せつ菜「無理に、笑わなくてもいいんですよ……?」

侑「……え?」

804: 2021/01/26(火) 16:23:30.41 ID:1uv6BhMo
せつ菜「気分を害されたらすみません」

せつ菜「でも……なんだか今の侑さんは、無理に笑顔を作っているように見えまして……」

侑「……そっか」

侑「さすがせつ菜ちゃん、だね」

せつ菜「い、いえ」

せつ菜「……何か、困っていることがあれば話していただけませんか?」

侑「え?」

せつ菜「その……私に話して解決できることなのかはわかりませんが」

せつ菜「それでも、侑さんの気持ちだけでも楽になればいいな……と思いまして」

侑「せつ菜ちゃん……」

せつ菜「私達は、その……」



せつ菜「……こっ恋人ですし、ね」カァァァ

侑「……」

807: 2021/01/26(火) 16:36:17.81 ID:1uv6BhMo
侑「……せつ菜ちゃん」

せつ菜「は、はい」

ポン

せつ菜「!」

侑「ありがとね、心配してくれて」ナデナデ

せつ菜「い、いえ……!」

侑(……せつ菜ちゃん、ホントにいい子だな)

侑(恋人なら、こういうときは相談するもの……なのかな?)

侑(でも、これは私の気持ちの問題で……)

侑(……だけど)


───────


せつ菜「そういうのも含めて!少しずつ慣れていけばいいんですから!」

せつ菜「……それに、私だって誰かとお付き合いをするのは……ゆ、侑さんが初めてですから……!」

せつ菜「ですから、少しずつでも!一緒に学んでいきましょう!!」ペカー


───────


侑(……一緒に学んでいこうって、言ってたもんね)

侑(なら……!)

侑「せつ菜ちゃん」



侑「聞いてほしい話があるんだけど、いいかな……?」

せつ菜「……もちろんです!」

808: 2021/01/26(火) 16:48:36.39 ID:1uv6BhMo
侑「ただ、今は練習中だから……終わった後でもいいかな?」

せつ菜「はい!大丈夫ですよ!」

侑「そっか、それならよかった」

せつ菜「では!また練習後ということで!」

侑「うん、よろしくね」


せつ菜(侑さんに頼ってもらえました!しっかりお話を聞いて、できれば解決までいけたら嬉しいのですが……)

せつ菜(とりあえず練習後も頑張らねばですね……!)

せつ菜「うおおおお!!残りの練習もはりきっていきますよ!!!」


愛「はは、せっつーはホントに元気だね~」

歩夢「そうだね」クスッ

歩夢(……侑ちゃんと、何話してたんだろう?)

愛「……あっ、そうだ」

愛「歩夢さ、今日練習終わった後大丈夫?」

歩夢「?うん、大丈夫だよ」

愛「オッケー、ならよかった」

愛「……ちょっと今後の方針について伝えておきたくて、ね」

歩夢「!……わかった」

愛「じゃ、とりあえず残りの練習も頑張ろっか」ニッ

歩夢「うん」ニコ

809: 2021/01/26(火) 17:00:05.74 ID:1uv6BhMo
~練習後~



侑「あっ歩夢!今日なんだけどさ」

歩夢「ゆっ侑ちゃん、今日は」

ゆうぽむ「あっ……」

侑「……えっと、歩夢からいいよ」

歩夢「ゆ、侑ちゃんからで大丈夫だよ」

侑「そ、そう?なら、私から言うね」


侑「今日は、その……せつ菜ちゃんと一緒に帰ろうと思って」

歩夢「!」

侑「だから、歩夢には悪いけど……今日は一人で」

歩夢「それなら大丈夫だよ」ニコ

侑「……え?」

歩夢「私もね、今日は愛ちゃんと帰るからって言おうとしてたところだったんだ」

歩夢「……ちょうどよかったね」

侑「そう、だね……」

歩夢「……うん」

ゆうぽむ「……」



侑「じゃあ、また明日ね……?」

歩夢「……うん、また明日」

810: 2021/01/26(火) 17:15:32.30 ID:1uv6BhMo
~しばらしくして、とあるカフェ~



せつ菜「あの、歩夢さんはなんて言ってましたか……?」

侑「ん?あー……今日は愛ちゃんと一緒に帰るから、だからちょうどよかったねって」

せつ菜「愛さんと?」

侑「うん、そう言ってたよ」

せつ菜「そうですか……」

せつ菜(それなら、安心ですかね……私が安心というのもおかしな話ですが)

せつ菜(しかし……)チラ

侑「……」

せつ菜(……侑さん、浮かない表情をされていますね)

せつ菜(やはり、歩夢さんと愛さんのことを気にされて……)

せつ菜「……侑さん!」

侑「?」

せつ菜「侑さんのお話、私に聞かせていただけますか……?」

せつ菜「どんなお話でも、しっかり聞きますので……!」

侑「……ありがとう、せつ菜ちゃん」



侑「それじゃあ、話すね」

811: 2021/01/26(火) 17:30:24.55 ID:IF6D8TuT
~一方その頃、カラオケ~



愛「今日は別の部屋だね~」

歩夢「二日連続でカラオケなんて……初めてだよ」

愛「まあ、今日は昨日みたいに長い時間はいられないけどね」

歩夢「そっか……それで、お話って?」

愛「ああ、ちょっと今後の方針を考えてきたんだ」

愛「歩夢にゆうゆを振り向かせる為の、ね」

歩夢「……っ」ゴクリ

愛「へへ、そんな緊張しないでも大丈夫だよ、単純な作戦だからさ」

歩夢「そう、なの?」

愛「うん」ニッ

歩夢「……その、作戦って」

愛「えっとね、ゆうゆが愛さんに嫉妬してるって話はしたじゃん?」

歩夢「う、うん」

愛「それで、歩夢自身もそれは実際に確認した……ここまではオッケー?」

歩夢「うん……」

愛「で、今後はゆうゆの嫉妬心を煽っていこうって話をしたと思うんだけど」

愛「ゆうゆに言ってみようと思うんだ」

歩夢「えっ侑ちゃんに?なにを?」



愛「愛さんは歩夢のこと好きだよ、って」ニッ

歩夢「……えっ!?」

812: 2021/01/26(火) 17:33:44.10 ID:1uv6BhMo
〜一方その頃、カラオケ〜



愛「今日は別の部屋だね〜」

歩夢「二日連続でカラオケなんて……初めてだよ」

愛「まあ、今日は昨日みたいに長い時間はいられないけどね」

歩夢「そっか……それで、お話って?」

愛「ああ、ちょっと今後の方針を考えてきたんだ」

愛「歩夢にゆうゆを振り向かせる為の、ね」

歩夢「……っ」ゴクリ

愛「へへ、そんな緊張しないでも大丈夫だよ、単純な作戦だからさ」

歩夢「そう、なの?」

愛「うん」ニッ

歩夢「……その、作戦って」

愛「えっとね、ゆうゆが愛さんに嫉妬してるって話はしたじゃん?」

歩夢「う、うん」

愛「それで、歩夢自身もそれは実際に確認した……ここまではオッケー?」

歩夢「うん……」

愛「で、今後はゆうゆの嫉妬心を煽っていこうって話をしたと思うんだけど」

愛「ゆうゆに言ってみようと思うんだ」

歩夢「えっ侑ちゃんに?なにを?」



愛「愛さんは歩夢のこと好きだよ、って」ニッ

歩夢「……えっ!?」

814: 2021/01/26(火) 17:44:46.62 ID:1uv6BhMo
愛「あっもちろん恋人になりたいって意味の好きだよ?って伝えるよ」

歩夢「えっ、えっ……?」カァァァ

歩夢「あ、愛ちゃんが……?」

愛「……ん?」

歩夢「う、嘘……どうしよう……」

愛「あ、歩夢?どしたの?」スッ

歩夢「っ」フイッ

愛「えっ……」

歩夢「あ、あの……本当なの?」ドキドキ

愛「?なにが?」

歩夢「わ、私のこと……そういう意味で好き、って」ドキドキ

愛「えっ?」

歩夢「あの、ここまで優しく相談に乗ってくれたりしたのも……その……」ドキドキ

愛「……?」

歩夢「で、でも、愛ちゃんには何度も話したけど私は侑ちゃんのことが好きで……」ドキドキ

愛「……!」

歩夢「だから……」ドキドキ

愛「歩夢、ストップ」ビッ

歩夢「……?」



愛「ごめん、愛さんの言い方が紛らわしかったのかもしれないけど」

愛「さっき言ったのは、ゆうゆに伝えるってだけでホントのことじゃないよ?」

歩夢「……え?」

817: 2021/01/26(火) 17:52:06.74 ID:1uv6BhMo
愛「ほら、ゆうゆは歩夢と仲良くし始めた愛さんに嫉妬してるわけでしょ?」

愛「ただ、それが友達として仲良くしようとしてるだけならそこまで焦ることでもないじゃんか」

歩夢「……」

愛「でもさ、もしそれが恋人になりたくて歩夢に迫ってるとしたら……ゆうゆの嫉妬心をイイ感じに煽れるんじゃないかなと思ってね」

歩夢「……あっ」

愛「だから明日にでもゆうゆに言いに行って反応を見ようかなって」

歩夢「……そっ、か」

愛「どうかな?ゆうゆを揺さぶるにはイイ作戦だと思ったんだけど」

歩夢「……」

愛「……歩夢?」



歩夢「……っ」カァァァ

愛「!」

818: 2021/01/26(火) 18:00:41.44 ID:1uv6BhMo
歩夢「わっ私!本当のことだと勘違いしてて……!」

愛「……あー」

歩夢「あ、愛ちゃんが私のこと好きって!どうしようって!」

愛「そ、そっか」

歩夢「うぅ……凄い勘違いしちゃった……」カァァァ

愛「……」

歩夢「恥ずかしくて顔上げられないよぉ……」

愛「……ふふっ」

歩夢「な、なに……?」

愛「いや、勘違いとはいえさ……」



愛「歩夢って、告白されたらそういう反応するんだなって」

歩夢「!」

愛「で、女の子らしくて可愛い反応だなぁって思って……ね?」

歩夢「も、もう~!愛ちゃんってば……!」

愛「いいじゃんいいじゃん、愛さんそういうの好きだよ」アハハ

歩夢「うぅ……」カァァァ

820: 2021/01/26(火) 18:10:53.03 ID:1uv6BhMo
愛「いや~でも勘違いさせちゃってごめんね?」ポンポン

歩夢「……ううん、私も早とちりしちゃったから」

歩夢「愛ちゃんが、私のことをそういう意味で好きなんて……あるわけないのにね」ニコ

愛「……」

歩夢「じゃあ、作戦の話に戻ろっか!」

愛「……そうだね!」



~一方その頃、とあるカフェ~



侑「────って感じで、なんか歩夢と愛ちゃんが仲良くしてるのを見るとなんかモヤモヤしちゃってさ」

せつ菜「……」

侑「なんだろうこれ?って考えてるんだけど、よくわかんなくて……」

せつ菜「……なるほど」

823: 2021/01/26(火) 18:16:06.99 ID:1uv6BhMo
侑「ごめんね、なんか煮え切らない感じの話になっちゃって」

せつ菜「いえ、そんなことは……!」

せつ菜「お話してくださってありがとうございます!」

侑「……ありがとう」

侑「せつ菜ちゃんは、ホントに優しいね」

せつ菜「そ、そうでしょうか?」

侑「うん、こういう愚痴みたいな話も真剣に聞いてくれてさ」

せつ菜「侑さんがしてくださるなら!どんなお話でも聞きますよ!」

侑「はは、そっか」

せつ菜「はい!」ペカー



せつ菜(……しかしこれは、どうしましょうか)

824: 2021/01/26(火) 18:25:00.42 ID:1uv6BhMo
せつ菜(歩夢さんと愛さんが一緒にいるところを見るとモヤモヤしてしまう……)

せつ菜(そのモヤモヤはおそらく……いえ、間違いなく愛さんへの嫉妬、だと思うのですが)

せつ菜(素直にそれを伝えたとして、ではその嫉妬はどこから来るものなのか?という話に今度はなりそうで)

せつ菜(そうなったとき、侑さんは自分の気持ちについて真剣に考えることになると思います)

せつ菜(そうしたら、きっとそのときにこそ……侑さんの中での歩夢さんがどんな存在なのかがはっきりすることになって)

せつ菜(もし、それが……であれば、私は……)

せつ菜(私の、ことは……)

せつ菜「……」



せつ菜「あの、侑さん」

侑「?」

せつ菜「一つ、聞いてもよろしいですか……?」

825: 2021/01/26(火) 18:32:02.77 ID:1uv6BhMo
侑「うん、いいよ」

せつ菜「……ありがとう、ございます」

せつ菜(私は、これからずるいことをしようとしています)

せつ菜「あの、侑さんは……」

せつ菜(侑さんの優しさにつけこんで、卑怯な真似を……と言われてしまうかもしれません)

せつ菜「……っ」ゴクリ

せつ菜(でも、だとしても)

せつ菜「……侑さん」ギュッ

侑「……!」

せつ菜(それでも、私にだって)

せつ菜「侑さんは……」



せつ菜「私のこと、好きですか……?」

せつ菜(失いたくないモノが、あるんです……!!)

827: 2021/01/26(火) 18:47:12.57 ID:1uv6BhMo
────せつ菜ちゃんの目は、真剣そのもので


せつ菜「……」ギュッ


────重ねられた手の緊張具合から、これが軽率に答えていい質問ではないことが伝わってきて


せつ菜「私は、侑さんのことが好きです」


────少し震えているけど芯のある声を聴くと、告白された日の光景が思い出されて


せつ菜「本当に、大好きなんです」


────あの日私に想いを告げたせつ菜ちゃんと、今目の前にいるせつ菜ちゃんの姿が重なって見えて


せつ菜「……ですから」


────まるで、それを合図にするかのように


せつ菜「侑さんの"今"の気持ちを、教えてください」


────私の心臓が、激しく動き始めた

844: 2021/01/27(水) 02:45:01.04 ID:vtZc/dwl
侑「私の、"今"の気持ち……」


侑(もちろん、せつ菜ちゃんのことは好きだよ!)

侑(好き、だけど……)

侑(せつ菜ちゃんの言う"好き"と、私が今言える"好き"には……どこか差がある気がして)

侑(せつ菜ちゃんが私に向けてくれる"好き"は、なんというかとにかく物凄くて!言われた私がときめいちゃうくらいエネルギーを感じるもので……!)

侑(だから、告白されたときは『せつ菜ちゃんと付き合ってみたら一体どんな風になるのかな!?』っていうときめきが私を突き動かして)

侑(それで、告白に対してOKを出したんだよね)

侑(実際、せつ菜ちゃんと付き合って恋人として一緒に過ごす時間は楽しいし、以前にも増してせつ菜ちゃんの素敵なところが見えるようになってきていて)

侑(せつ菜ちゃんのことを、どんどん好きになってきている私がいるのも確かで)

侑(……でも)

侑(私の中にある"好き"を、この気持ちを"恋人としての好き"って呼んでいいのかは……まだ自信がない状態なのも確かで)

侑(……だから)



侑(ここは『軽率に好きだよ!』って答えて終わらせていい場面じゃない……と思う)

845: 2021/01/27(水) 02:46:32.38 ID:vtZc/dwl
侑「私、は……」


侑(この気持ちを……"今"の正直な気持ちを、せつ菜ちゃんに伝えてもいいのかな……?)

侑「……っ」

せつ菜「……」

せつ菜「侑さん」

侑「……?」

せつ菜「大丈夫ですよ」

せつ菜「どんな答えでも、私は受け入れますから」

侑「せつ菜ちゃん……」

せつ菜「それに、さっきも言ったじゃないですか」



せつ菜「侑さんがしてくださるお話なら、どんな内容でも聞きますよ」ニコッ

846: 2021/01/27(水) 02:47:35.46 ID:vtZc/dwl
侑「せつ菜ちゃん……」

せつ菜「だから、安心してください」ギュッ

侑「……」

侑「……ありがとう」

侑「正直に言うね……"今"の、私の気持ちを」

せつ菜「……お願いします」

侑「……っ」ゴクリ

侑「……私ね」



侑「せつ菜ちゃんのこと、好きだよ」

侑「でもね、せつ菜ちゃんが私に言ってくれる"好き"と、私がせつ菜ちゃんに言える"好き"にはまだ差があるんじゃないかなって思うんだ」

せつ菜「……差、ですか?」

侑「うん」

侑「それで、私の中でせつ菜ちゃんを好きだって思う気持ちを"恋人としての好き"って呼んでいいのか」

侑「……まだ、自信がないんだ」

せつ菜「……」

847: 2021/01/27(水) 02:48:33.21 ID:vtZc/dwl
侑「これが、私の正直な"今"の気持ちだよ」

侑「……なんか、情けない感じの回答でごめんね」

せつ菜「……いえ」

せつ菜「正直に伝えてくださってありがとうございます!」

せつ菜「……おかげで、私が今すべきことがわかりました!」

侑「……え?」

せつ菜「それで、私からもお話したいことがあるのですが……」



せつ菜「ここでするのは望ましくなさそうなので!一旦外に出ましょう!」

侑「そ、外に?」

せつ菜「はい!」ペカー

848: 2021/01/27(水) 02:49:26.59 ID:vtZc/dwl
~海辺の公園~



せつ菜「……この辺りまで来れば大丈夫でしょうか」

侑「せつ菜ちゃん……?」

せつ菜「侑さん、また質問してもいいですか?」

侑「え?うん、いいよ」

せつ菜「ありがとうございます!」

せつ菜「では、侑さんは……」



せつ菜「付き合う前の私と今の私」

せつ菜「どちらの方が好きですか?」

侑「……え?」

849: 2021/01/27(水) 02:52:39.73 ID:vtZc/dwl
せつ菜「可能な限り、正直に答えてくださると嬉しいです!」

侑「それは……今のせつ菜ちゃんの方が好きだよ!」

せつ菜「おお!では、それはどうしてですか?」

侑「どうしてって……それは、付き合ってからどんどんせつ菜ちゃんの素敵なところが見え始めたから」

侑「だから、前に比べてどんどん好きになってるんだって……そう思うからだよ!」

せつ菜「そうですか……それは嬉しいですね」ニコ

せつ菜「では、次の質問です!」



せつ菜「今日の私と明日の私」

せつ菜「侑さんは、どちらの方がより好きになっていると思いますか?」

850: 2021/01/27(水) 02:54:01.07 ID:vtZc/dwl
侑「今日と、明日……?」

せつ菜「はい!」

侑「それは……」

侑「まだ明日になってないし、正直まだわからない、かな……?」

せつ菜「ふふ……そうですよね」

せつ菜「でも、私はこう思うんです」



せつ菜「今日よりも、明日の私の方が侑さんに好きになってもらえているって!」

侑「?どういうこと?」

せつ菜「……侑さん、さっき言ってくださいましたよね」

せつ菜「『前に比べてどんどん好きになってる』って」

侑「うん」

せつ菜「……私思うんです」



せつ菜「その気持ちはきっと」

せつ菜「こうして今、二人で過ごしている一分一秒の中で」

せつ菜「ゆっくりかもしれませんが、それでも着実に育まれているものなんだ……って」

せつ菜「だから」タッ

侑「……!」

851: 2021/01/27(水) 02:57:06.89 ID:vtZc/dwl
────駆け寄ってきたせつ菜ちゃんに、正面から両肩を掴まれる


侑「────ぁ」


────そのまま、私の体はせつ菜ちゃんの方へと引き寄せられ


侑「────っ」


────抱き締められるのかな、なんてぼんやり思ったのも束の間


せつ菜「────ん」


────左頬に、柔らかく温かな感触


侑「────ぇ」


────反射的に、視線が向いた先には


せつ菜「────っ」


────顔だけでなく、耳まで真っ赤に染まっていて


せつ菜「────どうでしょう」


────潤んだ瞳で、こちらを見つめながら


せつ菜「これでまた……」



せつ菜「……私への"好き"は、変わりましたか?」


────震えた声で、そう告げるせつ菜ちゃんがいた

852: 2021/01/27(水) 02:58:18.33 ID:vtZc/dwl
────瞬間、私の心臓は跳ねて


侑「────ッ」


────確かめるように、自然と手が左頬に伸びて


侑(今の、って)


────ある一点を中心に、そこから体全体に熱が広がっていくような錯覚を覚えて


侑(ほ、ほっぺに)


────脳味噌が、沸騰するかの如く熱くなっていくのを感じて


侑「きっ、キス……?」


────ひどく間の抜けた声で、そう呟いていた

853: 2021/01/27(水) 03:01:22.20 ID:vtZc/dwl
侑「……え、ええええ!?」バッ

せつ菜「侑さん!」ガシッ

侑「わっ!」

せつ菜「……逃げないで、ください」ギュッ

侑「!」

せつ菜「……っ」ギューッ

侑「~っ!!」


ドッドッドッ


せつ菜「……心臓の音、凄いですね」

侑「だっ、だっだって!いきなり、あんな……!」

せつ菜「……ふふっ」

侑「なっ、なんで笑うの!?」

せつ菜「ふふ、すみません……嬉しくて、つい」

侑「う、嬉しい?」

せつ菜「はい、だって……」



せつ菜「侑さんがこんなにドキドキしてくれているの、初めてですから……!」ギュッ

侑「……!」

854: 2021/01/27(水) 03:07:43.67 ID:vtZc/dwl
せつ菜「……侑さん」

侑「な、なに?」

せつ菜「このドキドキは、私の……き……きっ……」

せつ菜「……口づけで!生まれたものですよね!?」

侑「……っ、うん」コクリ

せつ菜「……えへへ、それならよかったです!」ギュッ

侑「!!」ドキッ

せつ菜「あっ、また激しくなりましたね!」

侑「だっ、だって!」

侑「今の……!」



侑「今の嬉しがってたせつ菜ちゃん、すっごく可愛かったから……!」

せつ菜「!」

855: 2021/01/27(水) 03:22:04.89 ID:vtZc/dwl
侑「そんな反応されたら、ドキドキしちゃうよ……っ」カァァァ

せつ菜「そ、そうですか……」カァァァ

ゆうせつ「……」

侑「……せつ菜ちゃん」ギュッ

せつ菜「!な、なんですか?」

せつ菜(侑さん、抱きしめ返してくれました……!)

侑「さっきの質問の答え、だけど」

せつ菜「は、はい」

侑「私、今せつ菜ちゃんのことすっごく可愛いなって思ってる」

せつ菜「えっ、あっ」

侑「それに加えて、すっごく心臓がドキドキしてる」

ドッドッドッ

侑「……正直言うとね、前はせつ菜ちゃんのこと可愛いなって思うときでも……ここまでドキドキが凄くなることってなくて」

せつ菜「……はい」

侑「でも、今はすっごくドキドキしてるんだよ」

侑「これってさ」



侑「せつ菜ちゃんに対する"好き"の気持ちが、また変わったんじゃないかな」

侑「そして、それはきっと"今"だけじゃなくて……"これから"もそうなっていくんじゃないかなって……そう思うんだ」

侑「だから」



侑「さっきまでと今が違うように」

侑「明日の私はきっと、今よりもっとせつ菜ちゃんのことを好きになってるって」

侑「そう思うよ……!」

856: 2021/01/27(水) 03:32:31.87 ID:vtZc/dwl
せつ菜「侑、さん……」

侑「さっきはまだ明日じゃないからわからないって言ったけど」

侑「でも、今はそういう風に思えるんだ」

せつ菜「……っ」グスッ

侑「えっ……せつ菜ちゃんどうしたの!?」バッ

せつ菜「いっいえ!すみません!」ゴシゴシ

せつ菜「侑さんに、そう言ってもらえたのが嬉しくて……!」

せつ菜「それで、つい涙が出ちゃいました……!」

侑「そっか……」

せつ菜「……あの、侑さん」

侑「?」

せつ菜「先ほど、カフェで私と侑さんの"好き"には差があるって話をされてたじゃないですか」

侑「……うん」

せつ菜「それって」



せつ菜「当たり前のことなんじゃないかなって、私は思うんです」

侑「……え?」

857: 2021/01/27(水) 03:50:04.19 ID:vtZc/dwl
せつ菜「考えてもみてください」

せつ菜「私は侑さんのことを想っていた期間と付き合い始めてからの期間を合わせて、ずーっと侑さんに対して好きの気持ちを向けてますけど」

せつ菜「侑さんがそれを意識し始めたのは、私と付き合い始めてからの期間だけですよね?」

侑「……うん」

せつ菜「であれば!現時点で差があっても何もおかしなことではないんですよ!」

侑「そう、なのかな……?」

せつ菜「そうです!だって好きの気持ちを積み重ねていた時間が違うのですから!」

侑「そっか……時間が……」

せつ菜「……ですから!」ズイッ

侑「!」



せつ菜「これから私と一緒に過ごす時間を通して」

せつ菜「私へ向けてくださっている"好き"の気持ちを育んでいただいて」

せつ菜「それで……いつかは私が侑さんを好きだと思う気持ちと同じくらいに!私のことを好きになってくださればいいんです!」

侑「!!」

858: 2021/01/27(水) 03:57:04.81 ID:vtZc/dwl
せつ菜「ゆっくりでもいいですから……ね?」

侑「……ゆっくりでも、いいのかな?」

せつ菜「大丈夫ですよ!」

せつ菜「それに、先ほど早速私への"好き"の気持ちに変化が生じましたし」

せつ菜「差がなくなるのは……想像以上に早いかもしれませんよ?」ニコッ

侑「……そっか」

侑「……」


侑「ありがとう、せつ菜ちゃん」

侑「私、早くせつ菜ちゃんに追いつかなくちゃって……心のどこかで焦ってたのかも」

せつ菜「……その気持ち自体は嬉しいものですが」

せつ菜「何事も、無理はいけませんからね」

せつ菜「ですから」



せつ菜「侑さんは侑さんのペースで!それでいいんですよ!」ペカー

侑「……ははっ、そうだね!」ニッ

859: 2021/01/27(水) 04:06:44.73 ID:vtZc/dwl
侑「そうだよね、私は私のペースで……」

侑「うん、これからはそうしていくよ!」

せつ菜「では!改めてよろしくお願いしますね!」

侑「うん!」



せつ菜「……さて、これで私の質問に関してのお話は終わりとして」

せつ菜「侑さんの話に、戻りましょうか」

侑「!」

せつ菜「だいぶ遠回りになってしまってすみません」

せつ菜「……ですが、その話をする前にどうしてもしておきたかったので」

侑「どういうこと……?」

860: 2021/01/27(水) 04:14:38.06 ID:vtZc/dwl
せつ菜「歩夢さんと愛さんが仲良くしているのを見るとなんだかモヤモヤしてしまう……そういう話でしたよね」

侑「……うん」

せつ菜「そのモヤモヤについて、ですが……」

せつ菜「……」


せつ菜(……大丈夫、"今"の侑さんの私に対する気持ちは先ほどはっきりさせましたから)

せつ菜(後は、"これから"の侑さんを信じるだけ……)


せつ菜「……これはあくまで私の推測ですので、それを念頭に置いて聞いてくださいね」

侑「わかった」

せつ菜「侑さん、あなたは……」



せつ菜「嫉妬、しているんだと思います」

侑「……嫉妬?」

861: 2021/01/27(水) 05:09:17.19 ID:vtZc/dwl
~一方その頃、カラオケからの帰り道~



愛「んーっ」ノビー

愛「……ふぅ」

愛(歩夢にも今後の方針と作戦は伝えたから……後は、アタシと歩夢でそれを実行していくだけ)

愛(まずは明日、ゆうゆと話さなきゃだけど……いや~どんな反応するかな?)

愛(今日だって結構アタシ達のこと見てたし……もしかしたら凄いことになるかもしれないなぁ)

愛(……いやいや、今更ビビるなアタシ!今回はヒールを演じきるって決めたんだから!)

愛(こういう役回りは新鮮だし、いっそ楽しむくらいでいかなきゃ……!)

愛(ゆうゆから歩夢を奪おうとする悪い女役に徹しなきゃね!フッフッフッ……)

愛「……」

愛(……それにしても)


───────


歩夢「……っ」カァァァ

歩夢「わっ私!本当のことだと勘違いしてて……!」

歩夢「あ、愛ちゃんが私のこと好きって!どうしようって!」

歩夢「うぅ……凄い勘違いしちゃった……」カァァァ


───────


愛(あのときの歩夢、凄かったなぁ)

862: 2021/01/27(水) 05:10:21.94 ID:vtZc/dwl
愛(ゆうゆに言われたわけでもないのに、あんなに顔赤くしちゃってさ)

愛「……ふふっ」

愛(勘違いとはいえ、アタシに好きって言われてあんな風になるなんてね~)

愛(いや~歩夢はホントにウブな女の子って感じで可愛いな~)

愛(あんな可愛い子がアタシの幼馴染だったら……)

愛(……だったら?)

愛「……?」

愛(アタシ、何を考えて……)

愛「……」



愛(……まあ、別に考えるくらいはいいよね)

863: 2021/01/27(水) 05:11:15.25 ID:vtZc/dwl
愛(もし、歩夢がアタシの幼馴染だったら)

愛(きっと、アタシが歩夢を色んなところに連れて回って遊んだりしてさ)

愛(それで、部活の助っ人でアタシが試合に出る度に歩夢が応援に来てくれたり)

愛(たまにみやしたの人手が足りないときは、歩夢にもお手伝いをお願いしたりしちゃって)

愛(アタシがやることに、なんだかんだ歩夢はついてきてくれて)

愛(それで、歩夢が何かで困ってたらアタシが助けたりして)

愛(なんだかんだ、持ちつ持たれつって感じの関係になっていって)

愛(それで……)

愛「……」



愛(……何考えてんだろ、アタシ)

864: 2021/01/27(水) 05:12:06.40 ID:vtZc/dwl
愛(歩夢はゆうゆの幼馴染で)

愛(アタシとは最近仲良くなったばっかでしょ……)

愛(……変なこと考えるのはやめやめ!)

愛(それよりも、今はゆうゆと歩夢のことを……)


───────


歩夢「愛ちゃんが、私のことをそういう意味で好きなんて……あるわけないのにね」ニコ


───────


愛(……なんで、今それを思い出すかな~)

愛「はぁ……」

愛「……」

愛(……あのとき、歩夢にああいう風に言われて)

愛(ちょっとだけ……ほんのちょーっとだけ)



愛(じゃあもしアタシが本気だったらどうすんの?)

愛(……って、思っちゃったんだよね)

865: 2021/01/27(水) 05:13:11.22 ID:vtZc/dwl
愛(……まあでも)


───────


歩夢「で、でも、愛ちゃんには何度も話したけど私は侑ちゃんのことが好きで……」ドキドキ

歩夢「だから……」ドキドキ


───────


愛(……照れてたとは言え、ゆうゆがいる以上はアタシが本気とかそういうの関係ないよね)

愛「……ふぅ」

愛(なんかさっきから変なことばっかり考えちゃってるな~?)

愛(アタシがどう思ってるかは、今回の件には別に関係ないって……)

愛(……いや、これはこれでゆうゆから歩夢を奪う悪役に徹するのにいいのかも?)

愛(しずくだって演劇の練習に集中してる期間は、私生活でもその役の考え方で過ごすときもあるって言ってたし……)

愛「……」

愛(それなら)

愛(もし)



愛(もしアタシが歩夢に本気だったら)

愛(そう考えて行動しても、いいのかな……?)

866: 2021/01/27(水) 05:19:11.12 ID:vtZc/dwl
今回は一旦ここまでです!!!!!
続きはまた午後~夕方くらいに書ければと思います!!!!!

それと、おそらくこのスレではギリギリルート2が終わるか終わらないかくらいのボリュームになりそうなので、最後にルート3をやることも考えると2スレ目に突入するかと思われます……
ですのでその際はまたそちらで続きを読んでいただければと思います……!

889: 2021/01/30(土) 21:47:15.26 ID:k8p3cw6S
~翌日、昼休み、裏庭~



侑「……こんにちは、愛ちゃん」

愛「おっ、やっほ~ゆうゆ~」ヒラヒラ

愛「来てくれてありがとね!」

侑「うん」

侑「……それで、話ってなにかな?」

愛「あぁ、ちょっとゆうゆに聞きたいことがあるんだ」

侑「私に?」

愛「うん!ゆうゆがさ……」



愛「……せっつーの告白にオッケーを出した理由、知りたいなって」

侑「……えっ?」

890: 2021/01/30(土) 21:48:28.78 ID:k8p3cw6S
侑「私が……出した理由……?」

愛「うんっ」

愛「いや~実は友達からちょっと恋愛相談を受けててさ~」

侑「愛ちゃんの、友達?」

愛「そーそー!んで、その子友達からコクられたみたいなんだけど……なんて返事するか迷ってるみたいで」

愛「それでアタシに相談してくれたみたいなんだけど……ほら、愛さんは恋愛経験ないからさ~そういうの上手く答えられなくって」アハハ

愛「……だからさ!」ガシッ

侑「!」

愛「ゆうゆの力を貸してほしいんだ……!」

愛「ゆうゆなら実際にコクられてから付き合うって答えを出す経験をしてるからさ、そんときにどんなこと考えてたとか話聞かせてもらえたら助かるなーって!」

侑「私の、経験を……」

愛「あっもちろんその子とゆうゆは知り合いじゃないし直接話すのも気まずいだろうからさ、もらったアドバイスは愛さんから伝えるよ!」

愛「だから……このとーり!お願いっ!」ペコッ

侑「わっそんな!頭上げてよ……!」

愛「……じゃあ、協力してくれる……?」

侑「うっ……」

侑「……」



侑「……わかったよ」

愛「……!」

891: 2021/01/30(土) 21:49:16.64 ID:k8p3cw6S
侑「私の経験でよければ、だけどね」

愛「やったー!さっすがゆうゆ!」ギューッ

侑「わ!?愛ちゃん!?」

愛「へへっ、じゃあよろしくお願いしますセンセー!」

侑「せ、センセーって……」

侑「……こほん、では私に任せなさい!」

愛「お願いしまーす!」



愛(……よし、上手くいった!)

愛(やっぱり、ゆうゆにはこういう風に頼むのが一番効くよね!)

愛(……ちょーっと罪悪感があるけど)

愛(でも、今は……!)



愛「……それじゃ、まずせっつーからどんな感じでコクられたか教えてくれる?」

侑「うん……あのときは────」

892: 2021/01/30(土) 21:50:16.85 ID:k8p3cw6S
侑「────って感じで告白されて」

愛「おぉ、さすがせっつー……どストレートだね」

侑「うん……それでね、私凄い嬉しいなって思って」

愛「嬉しいとな?」

侑「だって、あのせつ菜ちゃんがだよ!?最初は私なんかのことを!?もしかしてドッキリか何か!?ってびっくりしたくらいでさ」アハハ

愛(あれ、告白されるまでせっつーの気持ちに気づいてなかったんだ……あんなに好き好きアピールされまくってたのに)

愛(やっぱりゆうゆの鈍感っぷりはホントに凄いなぁ……これは歩夢も苦労するわけだ)

侑「……でも、せつ菜ちゃんの真剣そうな表情を見てたらさ、あぁこれはドッキリでもなんでもなく本当に正真正銘本気の告白なんだなって気づいて」

愛「ふむふむ」

侑「……まず最初は凄いな、嬉しいなって思って」

侑「で、次に私のことをこんな風に好きになってくれる人がいるんだってことにドキドキして」

侑「こんなど直球の告白ができるせつ菜ちゃんカッコいいなって思って」

侑「それで……」



侑「そんなせつ菜ちゃんとお付き合いできたら、きっと楽しいだろうなって」

愛「……楽しいとな?」

893: 2021/01/30(土) 21:51:12.57 ID:k8p3cw6S
侑「うん!」

侑「私、今まで誰かとそういう風に付き合ったりしたことなかったからさ」

侑「これまで恋愛とかに全然縁がない学生生活だったし」アハハ

愛「へぇ、そうなんだ~」

愛(それってゆうゆが好意を向けられてるのに気づかなかっただけでは……?)

侑「だから、そういうことやってみるのも楽しそうだなって!」

愛(楽しそう、か……)

侑「そりゃもちろん全然知らない人からいきなり告白!とかだったら断ってただろうけど……」

愛(うん、それはアタシも身に覚えがあるからわかる)

侑「せつ菜ちゃんだったら全然アリというかむしろめちゃくちゃ良いよねって思って!」

愛「なるほどね~」


愛(……これは、鈍感なゆうゆでもどストレートに告白されたらその気になる……ってことなのかな)

愛(話聞いてると、今までゆうゆ自身の中にそもそも"人と付き合う"っていう考え自体があんましなかったっぽいし)

愛「……ふむ」

愛(一個ずつ、確認してみようかな)


愛「これは参考までに聞きたいんだけど……質問いいかな?」

侑「ん?うん、いいよ」

愛「じゃあ……ゆうゆはさ」



愛「女の子同士はな~……とか、考えたりしなかった?」

侑「……えっ?」

895: 2021/01/30(土) 21:52:50.81 ID:k8p3cw6S
愛「ほら、世間的にはまだまだそういうのに優しくなかったりするじゃん?だからそういうの気にしたりはしなかったのかなーって」

侑「……」

愛「あっもちろん愛さんは女の子同士のそういう関係を否定する気はないよ?本人達 が好き合ってるならそれでいーと思うし」

侑「……んー」

侑「なるほど、言われてみれば確かに」ムムム

愛「……その反応だと、そもそも気にしてなかった感じかな?」

侑「そうだね……なんか、そういうことよりもさ……せつ菜ちゃんに告白されて嬉しいって気持ちの方が勝ってたというか」

侑「女の子同士の問題とか、全然意識してなかったなぁ……」

愛「そっか~、ゆうゆは女の子同士とか気にしないタイプなんだね~」

侑「あっ、でもあれだよ!?別に私女の子なら誰でもOKとかじゃないからね!?」

侑「あくまでせつ菜ちゃんに告白されたときに意識しなかったっていうだけであって、私自身が女の子好きってわけじゃないから!」

愛「えーホントにぃ?」

侑「ほ、ホントだって!」

侑「……いや、どうなんだろ?意外と女の子好きだったりするのか私……?」

侑「確かに今まで男の子をそういう目で意識したことはないかも……あれ、私そうなのかな……?」

愛「……ふーん」

愛(とにかく、ゆうゆは女の子同士でもあまり気にしないタイプ……ってことっぽいね)

愛(どっちかって言うと、性別よりも"誰に"言われたのかってことの方が大事そうだし)

愛(それなら……ちょっと試してみよっかな)

愛「……じゃあさ」



愛「アタシがゆうゆのこと好きって言ったら」

愛「どうする?」

896: 2021/01/30(土) 21:54:01.58 ID:k8p3cw6S
侑「……え?」

愛「もちろん、"恋人になりたい"って意味での好きで」

侑「え!?嘘!?」ガタッ

侑「愛ちゃんが!?私のことを!?ど、どうしよう……!!」

愛「……あー、あれだよ?今のホントの話じゃないからね」

侑「せつ菜ちゃんになんて言えば……え?」

愛「もしもの話ってことだよ……アタシがゆうゆにコクったらなんて返してくれるのかなーって」

侑「……あっ」

侑「っ」カァァァ

愛「あはは、勘違いしちゃった?ごめんね」

侑「う、うぅ~!あ、愛ちゃんってばもう!」

愛「まーまーそう怒らないでって」アハハ

愛(歩夢と同じような反応……さすが幼馴染、なのかな?)


愛「でさ、実際どう?もしアタシにそう言われたら」

侑「……んー」ムムム

愛「あっ、せっつーと付き合う前に言われたらどうだったかなって感じでよろしくね」

侑「せつ菜ちゃんと、付き合う前……」

愛「うん、ゆうゆがまだ誰とも付き合ってない頃にそう言われたらどうだったかなって」

侑「うーん……愛ちゃんに告白されたら、か~……」

愛「難しいかな?」

侑「そうだね……なんというか、想像ができないというか」

愛「そっかそっか……じゃあ」



愛「実際に言ってみよっか?」

侑「えっ」

897: 2021/01/30(土) 21:54:54.63 ID:k8p3cw6S
────そう言って微笑んだ直後


愛「────」


────左隣に座っていた愛ちゃんの右腕が、瞬時に私の腰に回されて


侑「────ぇ」


────抱き寄せられたかと思えば、今度は愛ちゃんの左手が私の顎に添えられ


愛「────ゆうゆ」


────そのまま、クイっと持ち上げられて


侑「────ぁ」


────真剣な瞳をした愛ちゃんと、バチンと目が合って



愛「────アタシ、ゆうゆのことが好き」


愛「だから、アタシと付き合ってほしい」



────流れるように、綺麗に告白を決められてしまった

898: 2021/01/30(土) 21:55:48.52 ID:k8p3cw6S
侑「……なっ、ぁ……っ」

愛「……」ジッ

侑「ぇ、っと……その……」

愛「……」ジーッ

侑「わ、私、は……」



愛「……なんてね!」バッ

侑「へっ……?」

愛「いや~どうだった!?今の愛さんの迫真の演技!」

侑「ぇ、演技……?」

愛「試してみよっか~って言ったじゃん!」

愛「……もしかして、本気に聞こえちゃった?」

侑「……っ」カァァァ

愛「あはは、ゆうゆ顔真っ赤だよ!」

侑「しょ、しょうがないじゃん!今のは反則だよ!」

愛「だってゆうゆが想像つかないって言ったからさ~」アハハ

侑「い、言ったけどさぁ!」

愛「あはは……で、どうだった?ドキドキした?」

侑「っ……う、うん」



侑「ドキドキ、したよ……っ」

愛「……へぇ~?」

899: 2021/01/30(土) 21:57:01.91 ID:k8p3cw6S
侑「いきなりあんなことされたら、誰だってドキドキしちゃうよ……!」フイッ

愛「誰だって、かぁ……愛さんの告白がよすぎたのかな?」アハハ

侑「そ、そうだよ……!よすぎるよ!」

愛「まあそれはそれでいいんだけど……」


愛「で、どう?実際ああいう風に告白されてたとしたら」

愛「ゆうゆは、どんな風に答えてくれた?」

侑「ど、どうって……」

侑「……」

侑「ま、まずは……ちょっと待って、って言うかな?」

愛「ほー?その心は?」

侑「だって、愛ちゃんのことそういう風に意識したことなかったし……確かにドキドキはしたけど、それでも少し考える時間がほしいなって」

愛「なるほどねぇ」

侑「……だけど」

愛「?」

侑「愛ちゃんと付き合ったら、楽しそうなのも確かだし……」

侑「せつ菜ちゃんと付き合う前に、そう言われてたら────」



侑「────オッケー、してたかも……」カァァァ

愛「……そっかぁ」

900: 2021/01/30(土) 22:01:05.00 ID:k8p3cw6S
侑「で、でも!今はダメだよ!?だって私せつ菜ちゃんと付き合ってるし!」

侑「もし、今の話がホントだとしても、私は……」

愛「あーだいじょぶだよ、もしもの話だからさ」

愛「ちゃんと答えてくれて、ありがとね」ポンポン

侑「う、うん……」


愛「……いや~でもそっかぁ、アタシでも付き合えてたかもしれないのか~」

侑「だ、だって愛ちゃんはカッコよくて可愛くて素敵な子だから、告白されたら嬉しいなって……私じゃなくたって、誰だってそう思うだろうし」

侑「付き合ったら楽しいだろうなって、そう思うよ?」ニッ

愛「そ、そっか……なんかそうどストレートに褒められると照れるなぁ」アハハ

侑「へへ、照れてる愛ちゃんも可愛いよ!」

愛「……そういうところなんだろうなぁ」

侑「え?」

愛「いや、なんでもないよ」


愛(……にしても、誰だってそう思う、か)

愛(なら……)

愛「……」

愛(……じゃなくて!今考えるのはそこじゃないでしょ!)

愛(今重要なのは……)



愛(……思ったより!ゆうゆがチョロいってことだよ!)

901: 2021/01/30(土) 22:04:48.75 ID:k8p3cw6S
愛(告白さえすれば、アタシでも付き合えた可能性があるってことはだよ)

愛(それってゆうゆにとって魅力的な子であれば、ちゃんと好きだって伝えて"付き合う"という選択肢を提示できていれば恋人になることができたってことで)

愛(なら……それなら……!)

愛(歩夢が、せっつーと付き合う前に告白してたら……!)

愛(……いや、今はもうその話をしてもしょうがないよね)

愛(それよりも重要なのは)


愛(せっつーと付き合っている今でも、他の人に告白されたらドキドキしちゃう可能性が大いにあるってこと!)

愛(アタシでもゆうゆをドキドキさせられたんだもん、これが歩夢なら……)

愛(……うん、いい情報が手に入ったね!これは後で歩夢に共有しなきゃ)

愛(それに、アタシにとっての本題はここから……!)



愛「……なるほどね~、色々参考になったよ!ありがとね!」

侑「そうかな?それならいいんだけど」

愛「うんうん、その子にはしっかり伝えておくよ!」



愛「……それに、愛さんにとっても参考になったしね」

侑「え?」

902: 2021/01/30(土) 22:08:04.85 ID:k8p3cw6S
侑「愛ちゃんにとっても、ってどういう……?」

愛「あっ、今の聞こえちゃった?」

侑「う、うん」

愛「参ったな~、まだ隠しておくつもりだったんだけど」

愛「……まあゆうゆにだけ話させておいて、アタシは何も話さないってのもあれだもんね」

侑「えっ、愛ちゃんもしかして……?」

愛「そ!……実はアタシも今好きな人がいてさ」

侑「えっ、えー!!凄いビッグニュースだよそれ!!」

愛「わっ、ゆうゆ声大きいって!」

侑「あっ、ごっごめん」


侑「そ、それで……愛ちゃんの好きな人って、付き合ってる人がいるってこと?」

愛「いや、まだ付き合ってはなくて……」

侑「そ、それって、ひょっとして片想いってやつ……?」

愛「ま、そんな感じだね」

侑「わ、わー!凄い!ホントに恋愛って感じだね!」

愛「へへ、そうかな?」

侑「そ、それで……その相手がどんな人とかって、聞いてもいいのかな……?」

愛「んー……知りたい?」

侑「あっ愛ちゃんさえよければ……!」

愛「ふふ、じゃあ当ててもらおっかな」

侑「えっ、私が知ってる人なの……!?」

愛「そーだよ、じゃあヒント一個目ね」

侑「……っ」ゴクリ



愛「同好会の誰か、だよ」ニッ

侑「えっ……!」

903: 2021/01/30(土) 22:12:49.32 ID:k8p3cw6S
侑「どっ同好会の誰かって、ホントに!?」

愛「ふふっ、さーて誰だと思う?まずはノーヒントで」

侑「だ、誰って……愛ちゃんと仲良い人だったら……」

侑「……り、璃奈ちゃんとか!」

愛「おっ、りなりーか~!」

侑「どう!?一発で当たっちゃったんじゃないかな!」

愛「答えは~……」


愛「残念!りなりーじゃありませんでしたー!」

侑「あれ、璃奈ちゃんじゃないんだ!?二人はとっても仲良いし、てっきり璃奈ちゃんかと……」

愛「あはは、仲良いのはホントだけどね!でもりなりーとはそういうのじゃないよ」

侑「そ、そうなんだ……じゃあ誰だろう……?」



愛「……じゃあ、ヒント二個目ね?」

侑「う、うん……」ゴクリ

904: 2021/01/30(土) 22:16:44.90 ID:k8p3cw6S
愛「ズバリ!年下じゃないよ~」

侑「!つ、つまりかすみちゃんとしずくちゃんも違うってことだね」

愛「そういうことだね~」

侑「じゃ、じゃあ……!」


侑「わかった!果林さんだ!二人だけで仲良さそうにしてるところたまに見かけるし!」

侑「どう!?今度こそ当たっちゃったんじゃないかな!」

愛「ん~、答えは~……」


愛「残念!カリンじゃありませんでしたー!」

侑「あれっ、ホントに!?」

愛「カリンとも仲良いけどね!でもそういう関係じゃないんだよね~」

侑「そっかぁ……でも、それじゃあ誰なんだろう……」

愛「ふふ、じゃあヒント三個目ね?」

侑「うん……!」



愛「ズバリ、同い年の誰かだよ!」

侑「……えっ」

905: 2021/01/30(土) 22:21:20.34 ID:k8p3cw6S
侑「そ、それって……!」

愛(ふふ、さすがに気づいたかな……?)


侑「せっせつ菜ちゃんってこと!?」

愛「えっ」

侑「だっダメだよ!せつ菜ちゃんは今私の恋人なんだから……!」

愛「えーと……せっつーではないかな~」

侑「え!?じゃ、じゃあ……」

愛(今度こそ気づいたかな)


侑「やっぱり私が本命!?」

愛「いや違うから!ゆうゆわざと外してない!?」

侑「えっ、で、でもだってそれじゃ……」

愛「……そうだよ」



愛「アタシが好きなのは、歩夢だよ」

侑「……!!」

906: 2021/01/30(土) 22:24:33.09 ID:k8p3cw6S
侑「えっ……ほ、ホント?」

愛「ホントのホントだよ」

侑「じっ実はドッキリでしたー!なんてオチは……?」

愛「ないよ」

侑「そ、それかまた私の勘違いとか」

愛「違うよ」


愛「アタシは歩夢が好き」

愛「本気だよ」

侑「……っ」

愛(……おっ、反応してるね……それなら)


愛「いや~てっきりゆうゆは気づいてるかな~って思ってたんだけどね」

侑「!な、なんで」

愛「ほら、愛さんと歩夢最近よく一緒にいるでしょ?」

愛「そのときにさ~」



愛「ゆうゆがこっち見てるな~って思ってたんだよね」

侑「!」

908: 2021/01/30(土) 22:27:20.74 ID:k8p3cw6S
侑「そ、そんなこと……」

愛「あれ、それじゃあ愛さんの気のせいかな?それとも」

愛「ゆうゆが無意識のうちに、見ちゃってたとかかな?」

侑「……」

愛「……ゆうゆがせっつーと付き合った今だからぶっちゃけるけどさ」

愛「実は前から歩夢のことは気になっててさ」

侑「……えっ」

愛「でもほら、歩夢ってゆうゆといつも一緒にいたじゃん?だから二人は付き合ってるもんだと思っててさ~」

侑「わ、私達は、そんなんじゃ……」

愛「そうだよね、二人はチョー仲良しの"幼馴染"だもんね?」

侑「っ……そ、そうだよ」

愛「だよね!」

愛「まあそんなわけでさ、ゆうゆがせっつーと付き合ったのを見て『あ~この二人は付き合ってたわけじゃなかったんだなぁ』って気づいたからさ」

愛「だから」



愛「歩夢に、アタック仕掛けちゃってもいいんだなって思ったんだよね」ニッ

侑「……っ!」

909: 2021/01/30(土) 22:30:34.53 ID:k8p3cw6S
愛「それで最近は歩夢と一緒にいるようにしてて」

侑「そう、なんだ」

愛「だってほら」



愛「今なら、ゆうゆが歩夢のそばにいないでしょ?」

侑「!」

愛「攻めるなら今がチャンス!って思ってさ!」

愛「なんか、歩夢もゆうゆと一緒にいられる時間が減って寂しいみたいだし」

侑「……っ」

愛「だからまあ愛さんがその寂しさを埋められたらいいなって、そう思ってね」

侑「歩夢……」

愛「……実際、アタシといるときの歩夢楽しそうにしてくれてるしさ~」

愛「このまま付き合ったら楽しいだろうな~って思って!」

侑「……」

愛「さっきさ、ゆうゆもせっつーに告白されたときは楽しそうだな~って考えてオッケー出したって話聞かせてくれたじゃん?」

侑「そう、だね」

愛「それ聞いてさ」



愛「歩夢も、そんな風に考えてくれるかもしれないなって」

愛「ちょっと自信持てたんだよね」

愛「だから……ありがとね」ニッ

侑「……っ!」ズキッ

910: 2021/01/30(土) 22:33:34.18 ID:k8p3cw6S
愛「ゆうゆのおかげで助かったよ!」

侑「そっ、か」

愛「うんうん、愛さんもっとアタック頑張っちゃおーって思ったよ!」

侑「なら、よかった」

愛「それで、今日すぐにってわけにはまだいかないけどさ」



愛「近いうちに、歩夢に告白しようかなって思ってる」

侑「……!!」

愛「こういうのはさ、時間をかけるよりも……気持ちが盛り上がってるうちにそのまま行った方がいいだろうし」

愛「だから、今度デートにでも誘って……それで、そのときに気持ち伝えよっかなって」

侑「……そう、なんだ」

愛「……ゆうゆは、どう思う?」

侑「え?」



愛「アタシの告白、上手くいくと思う?」

911: 2021/01/30(土) 22:36:34.06 ID:k8p3cw6S
侑「そ、それは……」

侑「……」

侑「……上手く、いくんじゃないかな?」

愛「ホント?」

侑「うん……だって、愛ちゃんはカッコよくて可愛くて……それに歩夢も愛ちゃんのこと楽しそうに話してたし……」

愛「……」

侑「だから、愛ちゃんから告白されたら」



侑「歩夢も、きっと嬉しいと思うよ」ニコ

愛「……そっか」

912: 2021/01/30(土) 22:39:25.25 ID:k8p3cw6S
愛「それじゃ、頑張ってみよーっと!」スクッ

愛「話聞いてくれてありがとね!ゆうゆからもらった意見は友達にもちゃんと伝えておくから!」

侑「う、うん……」

愛「じゃあ戻ろっか」

侑「あっ……わ、私は、もう少しでここでのんびりしてよっかな……」

愛「そう?じゃあ、また放課後練習でね!」ヒラヒラ

侑「うん、また放課後」フリフリ

侑「……」フリフリ



侑「……愛ちゃん」

侑(歩夢のこと、好きだったんだ)

侑(だから、最近一緒にいて、あんな風に仲良くしてて)

侑(歩夢が、好きだから……)

侑「……」

侑(もし、愛ちゃんが歩夢に告白して付き合うことになったら)

侑 (そしたら、歩夢は……)



侑(私と歩夢は、どうなるんだろう……)

913: 2021/01/30(土) 22:42:58.24 ID:k8p3cw6S
侑(歩夢が愛ちゃんと付き合ったら、きっと愛ちゃんと一緒にいる時間がだんだん増えて)

侑(私と一緒にいる時間は、徐々に減っていって)

侑(……でも、よく考えたらそれは私がせつ菜ちゃんと付き合ったときからそうなっている話で)

侑(私と同じように、歩夢にもそういう相手ができるってだけの話で)

侑(それなら、私と歩夢の関係自体は今まで通りなはずで)

侑(何も、変わらないはずで)

侑(でも、今の私は……)


───────


せつ菜「侑さん、あなたは……」



せつ菜「嫉妬、しているんだと思います」


───────


侑(……嫉妬、してるんだよね)



侑(その嫉妬がどこから来るものなのか、それは私にしかわからないってせつ菜ちゃんは言ってた)

侑(だから、私はこの嫉妬がどこから来るのかちゃんと考えなくちゃいけなくて)

侑(……けど)

侑(考えてるだけじゃ、この答えは決められそうになくて)

侑(だから)



侑(ただ考えるだけじゃなくて、行動してみよう)

侑(そして、そのときこそ私は────)

914: 2021/01/30(土) 22:47:35.32 ID:k8p3cw6S
~一方その頃~


愛「……ふぅ」

愛(さすがに、緊張したなぁ……)

愛(特に、あのときのゆうゆの笑顔は……)


───────

侑「歩夢も、きっと嬉しいと思うよ」ニコ

───────


愛(……作るにしても、もう少し上手く作ってよ)

愛「はぁ……」

愛(ゆうゆに嘘をついたのは心苦しいけど、でもたぶんああするのが一番聞き出しやすかったし)

愛(それに、今さら少し嘘つくくらいいいよね)

愛(だって今回のアタシの役回りはヒールなんだから)

愛(ゆうゆから歩夢を奪おうとする悪役を最後まで演じなきゃ……そう、これは演技なんだから……)

愛(無事に歩夢が告白して、それで二人がくっついたら……そのときにでも謝ればいいよね)

愛(二人が、くっついたら……)


───────

侑「だ、だって愛ちゃんはカッコよくて可愛くて素敵な子だから、告白されたら嬉しいなって……私じゃなくたって、誰だってそう思うだろうし」

侑「付き合ったら楽しいだろうなって、そう思うよ?」ニッ

───────


愛(……誰だってそう思う、か)

愛(でもね、ゆうゆ……)


───────


歩夢「で、でも、愛ちゃんには何度も話したけど私は侑ちゃんのことが好きで……」ドキドキ

歩夢「だから……」ドキドキ


───────


愛(……アタシじゃ、ダメなんだよ)

915: 2021/01/30(土) 22:50:36.19 ID:k8p3cw6S
愛(確かにアタシと一緒にいるときも歩夢は楽しそうにしてくれる)

愛(笑ってくれるし、可愛いところだって見せてくれる)

愛(それでもね)

愛(アタシじゃ、ホントの意味で歩夢を笑顔にはできない)

愛(とてもじゃないけど、ゆうゆと一緒にいるときの歩夢の笑顔には敵わない)

愛(歩夢には、ゆうゆじゃなきゃダメなんだよ)

愛(だからさ)



愛(早く歩夢の想いを聞いて、それでそのままくっついてよ)

愛(そうじゃないと、アタシは────)

916: 2021/01/30(土) 22:53:22.34 ID:k8p3cw6S
~夜、上原家、歩夢の部屋~



歩夢「……ふぅ」ゴロン


歩夢(今日の練習中もずっと愛ちゃんと一緒にいたけど)

歩夢(やっぱり、侑ちゃんチラチラとこっち見てたみたいだし)

歩夢(……私のこと、気にしてくれてるのかな)

歩夢(それに、お昼に愛ちゃんが私のことす……好きだって、侑ちゃんに伝えたときも動揺してたって愛ちゃん言ってたし……)

歩夢(侑ちゃん……)

歩夢「……」

歩夢(……告白してたら付き合えてた、かぁ)

歩夢(愛ちゃんはそう言ってたけど……でも、今はせつ菜ちゃんがいるわけで)

歩夢(侑ちゃんも、それは気にしていたみたいだし)

歩夢(普通なら、それが当たり前で)

歩夢(でも……)



歩夢「……今からでも、間に合わないかな」

917: 2021/01/30(土) 22:56:59.33 ID:k8p3cw6S
歩夢(……なんてね)

歩夢(とにかく、愛ちゃんの作戦通り今度は侑ちゃんを遊びに誘って……それでそのときに私から……!)


ピコン


歩夢「!」

歩夢(スマホ光ってる……誰からだろ……)

歩夢「……」スッスッ

歩夢「!侑ちゃんからメッセージ……えっ!?」



侑『今度の日曜、遊びに行かない?』

侑『二人でさ』


歩夢「……えぇ!?」

939: 2021/02/02(火) 20:32:20.66 ID:OmL0u+/J
次スレ

歩夢「せつ菜ちゃんに侑ちゃんを寝取られた……」愛「2」
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1612265104/

940: 2021/02/02(火) 21:44:52.03 ID:lJI0qgF9
>>938
>>939
次スレはこちらです!!!!!
そちらに書き貯め投下し終わってから誘導しようと思っていたのですが先にやっていただきありがとうございます!!!!!

話の区切りがちょうどよかったのと現在スレ立て規制が激しいゆえ早めに次スレを立てておきたかったので、こちらのスレが完走する前に次スレを代行で立てていただきました
こちらのスレはこのまま落としていただければと思います……!

引用元: https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1609947572/

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