1: 2019/07/12(金) 11:56:48.99 ID:fMy0KsrI
~コンビニ~
梨子「(…あ、新作のお菓子…)」スッ
梨子「(いちごチョコ…)」
梨子「善子ちゃん好きそうだなぁ…」ボソ
スタスタ
梨子「お会計お願いします」
店員「は、はいっ!///」
ピッ、ピッ
店員「……///」ソワソワ
梨子「…?」
梨子「(この店員さん、ちょっと様子が…)」
店員「445円になります!///」
梨子「……」ゴソゴソ
店員「っ、あ、あの……」
梨子「はい?」
梨子「(…あ、新作のお菓子…)」スッ
梨子「(いちごチョコ…)」
梨子「善子ちゃん好きそうだなぁ…」ボソ
スタスタ
梨子「お会計お願いします」
店員「は、はいっ!///」
ピッ、ピッ
店員「……///」ソワソワ
梨子「…?」
梨子「(この店員さん、ちょっと様子が…)」
店員「445円になります!///」
梨子「……」ゴソゴソ
店員「っ、あ、あの……」
梨子「はい?」
2: 2019/07/12(金) 12:00:09.38 ID:fMy0KsrI
店員「う、浦の星女学院の…スクールアイドル、Aqoursの桜内梨子さん、ですか…?」
梨子「え?!は、はい…」
梨子「(本当にこんなことがあるなんて…)」
店員「その、ず、ずっとファンで…」
梨子「あ…そうなんですか。ありがとうございますっ///」ペコリ
店員「……か、」
店員「彼氏、いますか?…その、す、好きです!///」
梨子「え……」
梨子「(こ、告白…?!ど、どうしよう…!)」アセアセ
梨子「え?!は、はい…」
梨子「(本当にこんなことがあるなんて…)」
店員「その、ず、ずっとファンで…」
梨子「あ…そうなんですか。ありがとうございますっ///」ペコリ
店員「……か、」
店員「彼氏、いますか?…その、す、好きです!///」
梨子「え……」
梨子「(こ、告白…?!ど、どうしよう…!)」アセアセ
3: 2019/07/12(金) 12:04:32.36 ID:fMy0KsrI
梨子「あ、あの…」オロオロ
店員「す、すみません!困らせてしまって…これ、僕の気持ちです!連絡先、書いてあるので…返事待ってます!///」
梨子「えぇっと…」
梨子「(貰わないと、失礼だよね…)」
梨子「…わ、分かりました…」スッ
店員「…!」パァァァ
店員「あ、ありがとうございます!いつまでも待ってます!///」ニコッ
梨子「は、はい…」
梨子「(……優しそうな人…)」
店員「す、すみません!困らせてしまって…これ、僕の気持ちです!連絡先、書いてあるので…返事待ってます!///」
梨子「えぇっと…」
梨子「(貰わないと、失礼だよね…)」
梨子「…わ、分かりました…」スッ
店員「…!」パァァァ
店員「あ、ありがとうございます!いつまでも待ってます!///」ニコッ
梨子「は、はい…」
梨子「(……優しそうな人…)」
6: 2019/07/12(金) 12:10:23.30 ID:fMy0KsrI
~善子宅~
ピンポーン
善子母「はーい」
ガチャ
梨子「こんにちは。今日も…いいですか?」
善子母「ええ。もちろん。毎日ありがとうね、梨子ちゃん」ニコッ
梨子「いえ…」
スタスタ…
善子母「ごめんなさいね。お茶とか出せなくて」
梨子「いえそんな…お構いなく。私が無理言って会わせてもらってる側なので」
ピンポーン
善子母「はーい」
ガチャ
梨子「こんにちは。今日も…いいですか?」
善子母「ええ。もちろん。毎日ありがとうね、梨子ちゃん」ニコッ
梨子「いえ…」
スタスタ…
善子母「ごめんなさいね。お茶とか出せなくて」
梨子「いえそんな…お構いなく。私が無理言って会わせてもらってる側なので」
8: 2019/07/12(金) 12:13:52.69 ID:fMy0KsrI
~善子部屋~
ガチャ
梨子「こんにちは、善子ちゃん。今日もお邪魔させてもらうね」
善子母「それじゃ、ごゆっくり」ニッコリ
梨子「はい」
バタン…
梨子「今日はね、いつものじゃなくて新作のお菓子買ってきたの」
善子「……」
梨子「いちごチョコのクッキーなんだけど…あ、口に合わなかったらごめんね?」
善子「……」
ガチャ
梨子「こんにちは、善子ちゃん。今日もお邪魔させてもらうね」
善子母「それじゃ、ごゆっくり」ニッコリ
梨子「はい」
バタン…
梨子「今日はね、いつものじゃなくて新作のお菓子買ってきたの」
善子「……」
梨子「いちごチョコのクッキーなんだけど…あ、口に合わなかったらごめんね?」
善子「……」
9: 2019/07/12(金) 12:19:02.52 ID:fMy0KsrI
梨子「…今日あったこと、聞いてくれる?」
善子「……」
梨子「あのね、今日千歌ちゃんと曜ちゃんが来年のピアノコンクールで弾く曲、音楽室で聴いてくれたの」
善子「……」
梨子「満足できるような演奏は出来なかったんだけど、2人に褒められちゃって…嬉しかったな」
善子「……」
梨子「…ごめんね、話のレパートリーが少なくて…退屈な話よね」
善子「……」
梨子「…善子ちゃん、そっちの生活には慣れた?」
善子「……」
善子「……」
梨子「あのね、今日千歌ちゃんと曜ちゃんが来年のピアノコンクールで弾く曲、音楽室で聴いてくれたの」
善子「……」
梨子「満足できるような演奏は出来なかったんだけど、2人に褒められちゃって…嬉しかったな」
善子「……」
梨子「…ごめんね、話のレパートリーが少なくて…退屈な話よね」
善子「……」
梨子「…善子ちゃん、そっちの生活には慣れた?」
善子「……」
10: 2019/07/12(金) 12:23:32.94 ID:fMy0KsrI
梨子「…一つ、相談してもいいかな」
善子「……」
梨子「私ね、告白されちゃったの。善子ちゃん家に来るほんの少し前に」
善子「……」
梨子「お手紙、渡されちゃった。断れなくて。良い人そうだったし…」
善子「……」
梨子「返事が無いと、寂しい、な…」
善子「……」
梨子「また、リリーって呼んでよ。怒らないから…」ポロポロ
梨子「────────善子ちゃん。私、どうしたらいいと思う……?」
善子「……」
梨子「私ね、告白されちゃったの。善子ちゃん家に来るほんの少し前に」
善子「……」
梨子「お手紙、渡されちゃった。断れなくて。良い人そうだったし…」
善子「……」
梨子「返事が無いと、寂しい、な…」
善子「……」
梨子「また、リリーって呼んでよ。怒らないから…」ポロポロ
梨子「────────善子ちゃん。私、どうしたらいいと思う……?」
11: 2019/07/12(金) 12:27:57.43 ID:fMy0KsrI
ザァ…ザァ…
梨子『(雨、強くなってきちゃった…)』
パッ
梨子『(善子ちゃんが学校に戻ってから30分…)』
梨子『もう、善子ちゃんったら…いつまで待たせるつもり…?!』キョロキョロ
千歌『…梨子ちゃん?』
梨子『わっ?!』ビクッ
曜『お、ほんとだ』
梨子『千歌ちゃん…曜ちゃん…』
千歌『あれ、善子ちゃんは?一緒に帰ったんじゃ…』
梨子『(雨、強くなってきちゃった…)』
パッ
梨子『(善子ちゃんが学校に戻ってから30分…)』
梨子『もう、善子ちゃんったら…いつまで待たせるつもり…?!』キョロキョロ
千歌『…梨子ちゃん?』
梨子『わっ?!』ビクッ
曜『お、ほんとだ』
梨子『千歌ちゃん…曜ちゃん…』
千歌『あれ、善子ちゃんは?一緒に帰ったんじゃ…』
12: 2019/07/12(金) 12:31:27.01 ID:fMy0KsrI
梨子『うん…待っててって言われちゃって、善子ちゃん学校に戻って行ったんだけど、もう30分も帰って来なくて』
千歌『善子ちゃんなら曜ちゃんと一緒にさっき会ったけど…』
曜『うんうん、会ったよー?』
梨子『そっか…』
千歌『少ししたらきっと戻ってくるよー!』
梨子『そうね…』
千歌『善子ちゃんなら曜ちゃんと一緒にさっき会ったけど…』
曜『うんうん、会ったよー?』
梨子『そっか…』
千歌『少ししたらきっと戻ってくるよー!』
梨子『そうね…』
14: 2019/07/12(金) 12:35:56.45 ID:fMy0KsrI
曜『あははっ、上級リトルデーモンリリーは振り回されてばっかりで大変だね!』ポンポン
梨子『もう、揶揄わないでよ曜ちゃん!///』
曜『ごめんごめん』アハハ
千歌『じゃあ千歌達は先帰るね』
梨子『うん、また明日ね』
スタスタ…
千歌『もー、曜ちゃんったらー!///』
曜『えへへ…///』
\キャッキャッ/
ザァ…ザァ…
梨子『……』
梨子『雨、また強くなってる…』
梨子『もう、揶揄わないでよ曜ちゃん!///』
曜『ごめんごめん』アハハ
千歌『じゃあ千歌達は先帰るね』
梨子『うん、また明日ね』
スタスタ…
千歌『もー、曜ちゃんったらー!///』
曜『えへへ…///』
\キャッキャッ/
ザァ…ザァ…
梨子『……』
梨子『雨、また強くなってる…』
15: 2019/07/12(金) 12:42:42.36 ID:fMy0KsrI
梨子『あー!もう待ってられない!あの堕天使!!大雨警報出てるって言うのに学校で何してるわけ?!』
梨子『全く…』
トコトコ…
梨子『….…はぁ…』
梨子『(この坂雨だと滑りやすいのよね…)』
梨子『……ん?』
『っ、ぅっ…』
梨子『……善子ちゃん?!』
梨子『(嘘、何で倒れてるの…?!)』
梨子『全く…』
トコトコ…
梨子『….…はぁ…』
梨子『(この坂雨だと滑りやすいのよね…)』
梨子『……ん?』
『っ、ぅっ…』
梨子『……善子ちゃん?!』
梨子『(嘘、何で倒れてるの…?!)』
17: 2019/07/12(金) 12:48:46.52 ID:fMy0KsrI
パシャパシャパシャ…
梨子『善子ちゃん?!大丈夫?!』
善子『…っぐ…』
梨子『頭から出血…どうしよう、誰か…!!』
梨子『善子ちゃん!私の声、聞こえる?!』ユサユサ
善子『っ…り、りぃ……』
梨子『…!うん、私、梨子だよ!』
善子『り、り……っの……ば………か、』
梨子『─────────え』
善子『ば……か………』
善子『り、り………ば……………か』
梨子『…………馬鹿…?』
ザァ……ザァ………
梨子『善子ちゃん?!大丈夫?!』
善子『…っぐ…』
梨子『頭から出血…どうしよう、誰か…!!』
梨子『善子ちゃん!私の声、聞こえる?!』ユサユサ
善子『っ…り、りぃ……』
梨子『…!うん、私、梨子だよ!』
善子『り、り……っの……ば………か、』
梨子『─────────え』
善子『ば……か………』
善子『り、り………ば……………か』
梨子『…………馬鹿…?』
ザァ……ザァ………
18: 2019/07/12(金) 12:51:11.38 ID:fMy0KsrI
梨子「っ!!」ハッ
ガバッ
梨子「はぁっ、はぁっ……」
梨子「(どうして思い出しちゃうの…)」
梨子母「梨子ー?朝ご飯できたわよー!」
梨子「は、はーい!」
ガチャ
タンタンタン…
梨子「…おはよう」
梨子母「もうこんな時間よ。早くご飯食べちゃいなさい」
梨子「うん…」
ガバッ
梨子「はぁっ、はぁっ……」
梨子「(どうして思い出しちゃうの…)」
梨子母「梨子ー?朝ご飯できたわよー!」
梨子「は、はーい!」
ガチャ
タンタンタン…
梨子「…おはよう」
梨子母「もうこんな時間よ。早くご飯食べちゃいなさい」
梨子「うん…」
19: 2019/07/12(金) 12:54:25.02 ID:fMy0KsrI
梨子「……」モグモグ
梨子母「最近寝坊してばかりじゃない。夜更しは駄目だってお母さん言ってるでしょ?」
梨子「夜更しなんて、してないよ」
梨子母「夜更しじゃなくても、疲れてるんだったら早く寝るのよ?」
梨子「……お母さん、今日も帰り遅くなるから」
梨子母「…また、善子ちゃん家?」
梨子「……うん」コクリ
梨子母「最近寝坊してばかりじゃない。夜更しは駄目だってお母さん言ってるでしょ?」
梨子「夜更しなんて、してないよ」
梨子母「夜更しじゃなくても、疲れてるんだったら早く寝るのよ?」
梨子「……お母さん、今日も帰り遅くなるから」
梨子母「…また、善子ちゃん家?」
梨子「……うん」コクリ
20: 2019/07/12(金) 13:00:03.88 ID:fMy0KsrI
梨子母「そんな毎日毎日押しかけて…迷惑になってないかしら」
梨子「…善子ちゃんのお母さんは歓迎してくれてるよ」
梨子母「迷惑だったとしても言えないでしょう?」
梨子「…そうだけど」
梨子母「あのね、梨子。辛いのは分かるけど、いい加減受け入れたらどう?」
梨子「ちゃんと、受け入れてるよ」
梨子「……私はその償いをしてるだけだから」
梨子母「……」
梨子「…善子ちゃんのお母さんは歓迎してくれてるよ」
梨子母「迷惑だったとしても言えないでしょう?」
梨子「…そうだけど」
梨子母「あのね、梨子。辛いのは分かるけど、いい加減受け入れたらどう?」
梨子「ちゃんと、受け入れてるよ」
梨子「……私はその償いをしてるだけだから」
梨子母「……」
21: 2019/07/12(金) 13:03:16.00 ID:fMy0KsrI
ピロリン♪
梨子母「…ほら、千歌ちゃん待たせてるんじゃない?」
梨子「……」パッ
『千歌:日直だから先行くね!ごめん!(><)』
梨子「千歌ちゃん、日直だから先に行くって」
梨子母「あらそうなの?」
梨子「千歌ちゃんと一緒に行けるように早く準備しようかな」タッ
梨子母「……困ったものね…」ハァ…
梨子母「…ほら、千歌ちゃん待たせてるんじゃない?」
梨子「……」パッ
『千歌:日直だから先行くね!ごめん!(><)』
梨子「千歌ちゃん、日直だから先に行くって」
梨子母「あらそうなの?」
梨子「千歌ちゃんと一緒に行けるように早く準備しようかな」タッ
梨子母「……困ったものね…」ハァ…
22: 2019/07/12(金) 13:11:21.99 ID:fMy0KsrI
~浦の星女学院~
梨子「(上履き履いて…っと)」
梨子「はぁ…」
梨子「(結局いつものバスに乗って来ちゃった…)」
スタスタ…
梨子「…花丸ちゃん?」
花丸「あ、梨子ちゃん。おはよう」
梨子「おはよう」
花丸「千歌ちゃんは?」
梨子「日直の仕事で私より早く行ったの」
花丸「そうだったんだ」
梨子「お水替えるの?」
花丸「ううん。今丁度替えたところずら」
梨子「(上履き履いて…っと)」
梨子「はぁ…」
梨子「(結局いつものバスに乗って来ちゃった…)」
スタスタ…
梨子「…花丸ちゃん?」
花丸「あ、梨子ちゃん。おはよう」
梨子「おはよう」
花丸「千歌ちゃんは?」
梨子「日直の仕事で私より早く行ったの」
花丸「そうだったんだ」
梨子「お水替えるの?」
花丸「ううん。今丁度替えたところずら」
23: 2019/07/12(金) 13:16:00.22 ID:fMy0KsrI
梨子「…あれ。お花も…」
花丸「あ…うん。これ今朝学校に来る時にルビィちゃんが選んだんだ」
梨子「…綺麗ね」
ピョコッ
ルビィ「善子ちゃんね、いつも梨子ちゃんの話ばかりだったんだよ」
花丸「ルビィちゃん…」
ルビィ「だから桜色のお花、喜ぶかなって」
梨子「そうだったんだ」
ルビィ「……今日で、一ヶ月だし」
花丸「あ…うん。これ今朝学校に来る時にルビィちゃんが選んだんだ」
梨子「…綺麗ね」
ピョコッ
ルビィ「善子ちゃんね、いつも梨子ちゃんの話ばかりだったんだよ」
花丸「ルビィちゃん…」
ルビィ「だから桜色のお花、喜ぶかなって」
梨子「そうだったんだ」
ルビィ「……今日で、一ヶ月だし」
24: 2019/07/12(金) 13:34:04.86 ID:fMy0KsrI
花丸「る、ルビィちゃ…」
ルビィ「あっ…ご、ごめんなさい…」
梨子「いいよ。気にしないで。毎日お水替えてくれてありがとうね」
スタスタ…
ルビまる「……」
花丸「花瓶、善子ちゃんの席に置きに行こっか」
ルビィ「うぅっ…ぅ…よしこちゃ…一ヶ月経ってもやっぱり、寂しいよ…」
花丸「…それはマルだって同じずら」
梨子「(そう、ルビィちゃんの言う通り、あの日から今日で一ヶ月)」
梨子「(私の不注意…私が原因で起きてしまった)」
梨子「……」フイ
梨子「…ごめんね、善子ちゃん」ボソ
梨子「(─────善子ちゃんの、事故死)」
ルビィ「あっ…ご、ごめんなさい…」
梨子「いいよ。気にしないで。毎日お水替えてくれてありがとうね」
スタスタ…
ルビまる「……」
花丸「花瓶、善子ちゃんの席に置きに行こっか」
ルビィ「うぅっ…ぅ…よしこちゃ…一ヶ月経ってもやっぱり、寂しいよ…」
花丸「…それはマルだって同じずら」
梨子「(そう、ルビィちゃんの言う通り、あの日から今日で一ヶ月)」
梨子「(私の不注意…私が原因で起きてしまった)」
梨子「……」フイ
梨子「…ごめんね、善子ちゃん」ボソ
梨子「(─────善子ちゃんの、事故死)」
25: 2019/07/12(金) 13:48:34.02 ID:fMy0KsrI
~2年生教室~
カサ…
梨子「…ん?」
『桜内梨子さんへ』
梨子「(手紙…バッグに入れっぱなしだった…)」
梨子「(まだクラスの人たちあまり来てないし…)」キョロキョロ
カサカサ…
『桜内梨子さんへ』
『初めて見た時から目が離せませんでした。
多分、一目惚れというものだと思います。
桜内さんのピアノも聴きました──────────』
梨子「……」
千歌「りーこーちゃんっ!」
梨子「きゃっ?!」
カサ…
梨子「…ん?」
『桜内梨子さんへ』
梨子「(手紙…バッグに入れっぱなしだった…)」
梨子「(まだクラスの人たちあまり来てないし…)」キョロキョロ
カサカサ…
『桜内梨子さんへ』
『初めて見た時から目が離せませんでした。
多分、一目惚れというものだと思います。
桜内さんのピアノも聴きました──────────』
梨子「……」
千歌「りーこーちゃんっ!」
梨子「きゃっ?!」
26: 2019/07/12(金) 13:59:10.45 ID:fMy0KsrI
梨子「(か、隠さなきゃ…!)」
千歌「こんちかー!」
曜「おはヨーソロー!」
梨子「う、うん…!おは、よう…」
千歌「ごめんねー先に行っちゃって…」
梨子「ううん…大丈夫だよ」
曜「…梨子ちゃん、後ろに手回して…何か隠してるの?」
梨子「えっ?!い、いや別にこれは…!」アワアワ
千歌「あー!隠し事は良くないよー梨子ちゃんっ!」
梨子「か、かかか隠してないよ!」
曜「じゃあ両手、見せてもらおうか…」ニヤニヤ
千歌「こんちかー!」
曜「おはヨーソロー!」
梨子「う、うん…!おは、よう…」
千歌「ごめんねー先に行っちゃって…」
梨子「ううん…大丈夫だよ」
曜「…梨子ちゃん、後ろに手回して…何か隠してるの?」
梨子「えっ?!い、いや別にこれは…!」アワアワ
千歌「あー!隠し事は良くないよー梨子ちゃんっ!」
梨子「か、かかか隠してないよ!」
曜「じゃあ両手、見せてもらおうか…」ニヤニヤ
28: 2019/07/12(金) 14:21:37.68 ID:fMy0KsrI
梨子「うぅ…///」スッ
千歌「手紙?」
曜「梨子ちゃん宛てのファンレターかな?」
千歌「読んじゃおーっと♪」パシッ
梨子「あっ…!ち、千歌ちゃん、私読み終わってないのに…」アセアセ
曜「梨子ちゃんのファン、どんな人か気になるなぁ」
千歌「どれどれ…」カサカサ
ようちか「ふむふむ……」
梨子「はぁ……」ガックリ
千歌「……り、りりり、梨子ちゃん…こ、これって…」ガタガタ
梨子「もう…私より先に読まないでよ…///」
千歌「手紙?」
曜「梨子ちゃん宛てのファンレターかな?」
千歌「読んじゃおーっと♪」パシッ
梨子「あっ…!ち、千歌ちゃん、私読み終わってないのに…」アセアセ
曜「梨子ちゃんのファン、どんな人か気になるなぁ」
千歌「どれどれ…」カサカサ
ようちか「ふむふむ……」
梨子「はぁ……」ガックリ
千歌「……り、りりり、梨子ちゃん…こ、これって…」ガタガタ
梨子「もう…私より先に読まないでよ…///」
29: 2019/07/12(金) 14:33:29.39 ID:fMy0KsrI
曜「……ラブレター、だね…」
千歌「ご、ごっめーん!全部読んじゃったぁ!」
梨子「う、うん…まぁ、いいけど…」
曜「この人が通ってる高校、沼津の男子校だよね」
千歌「え?あ、ほんとだー!」
梨子「男子校なんて沼津にあるの?」
曜「うん。かなり偏差値高い学校。卒業後の進学は高確率で国立大学だよ」
千歌「すごいじゃん梨子ちゃん!こんな人に好かれるなんて!」
梨子「そ、そう…かな」
千歌「ご、ごっめーん!全部読んじゃったぁ!」
梨子「う、うん…まぁ、いいけど…」
曜「この人が通ってる高校、沼津の男子校だよね」
千歌「え?あ、ほんとだー!」
梨子「男子校なんて沼津にあるの?」
曜「うん。かなり偏差値高い学校。卒業後の進学は高確率で国立大学だよ」
千歌「すごいじゃん梨子ちゃん!こんな人に好かれるなんて!」
梨子「そ、そう…かな」
30: 2019/07/12(金) 14:54:48.48 ID:fMy0KsrI
千歌「梨子ちゃん、この人…返事待ってるみたいだけど、どうするの?」
梨子「うん…悩んでて…」
曜「断るの?」
梨子「それも決めてない…」
千歌「え、じゃあもしかして付き合う可能性もあるってこと?!」
梨子「か、可能性があるってだけで本当に付き合うかどうかは…!///」
千歌「なんぱーせんと?!50?!」
梨子「そ、そんなの分からないわよ!!///」
千歌「うそっ、90ぱーせんと?!」
梨子「そんなこと言ってないってばーー!!!」
曜「………」
梨子「うん…悩んでて…」
曜「断るの?」
梨子「それも決めてない…」
千歌「え、じゃあもしかして付き合う可能性もあるってこと?!」
梨子「か、可能性があるってだけで本当に付き合うかどうかは…!///」
千歌「なんぱーせんと?!50?!」
梨子「そ、そんなの分からないわよ!!///」
千歌「うそっ、90ぱーせんと?!」
梨子「そんなこと言ってないってばーー!!!」
曜「………」
31: 2019/07/12(金) 15:30:53.40 ID:fMy0KsrI
キーンコーンカーンコーン
千歌「あ、チャイム鳴っちゃった」
曜「席着かないと~」
スタスタ
先生「出席確認します───」
梨子「……」カサ…
『桜内梨子さんへ』
『初めて見た時から目が離せませんでした。
多分、一目惚れというものだと思います。
桜内さんのピアノも聴きました。とても綺麗な音色で聴いていて癒やされます。
Aqoursとしての桜内さんもピアニストとしての桜内さんにも気が付いたら惹かれていました。
桜内さんからすれば、僕はただのファンにしか見えないと思います。ですがこの気持ちは本物です。
コンビニで初めて見掛けた時からずっと好きでした。
桜内梨子さん、僕とお付き合いして下さい。
お返事待ってます。』
『携帯→〇〇〇-△△△-☓☓☓
〇〇高校 ───────より』
梨子「(一体どうすれば……)」
千歌「あ、チャイム鳴っちゃった」
曜「席着かないと~」
スタスタ
先生「出席確認します───」
梨子「……」カサ…
『桜内梨子さんへ』
『初めて見た時から目が離せませんでした。
多分、一目惚れというものだと思います。
桜内さんのピアノも聴きました。とても綺麗な音色で聴いていて癒やされます。
Aqoursとしての桜内さんもピアニストとしての桜内さんにも気が付いたら惹かれていました。
桜内さんからすれば、僕はただのファンにしか見えないと思います。ですがこの気持ちは本物です。
コンビニで初めて見掛けた時からずっと好きでした。
桜内梨子さん、僕とお付き合いして下さい。
お返事待ってます。』
『携帯→〇〇〇-△△△-☓☓☓
〇〇高校 ───────より』
梨子「(一体どうすれば……)」
35: 2019/07/12(金) 15:52:16.36 ID:fMy0KsrI
~放課後~
ダイヤ「え?ファンレター…ではなくラブレター?」
梨子「は、はい…///」
千歌「もうビックリだよー!こんな事今まで無かったのに」
ルビィ「り、梨子ちゃんしゅごい…」
花丸「スクールアイドルでもこういうことってあるずらね…」
鞠莉「梨子は清楚系だしねー。boysから好かれてもおかしくないわ」
梨子「(ううぅ…みんなに報告なんて恥ずかしい…!!///)」
ダイヤ「え?ファンレター…ではなくラブレター?」
梨子「は、はい…///」
千歌「もうビックリだよー!こんな事今まで無かったのに」
ルビィ「り、梨子ちゃんしゅごい…」
花丸「スクールアイドルでもこういうことってあるずらね…」
鞠莉「梨子は清楚系だしねー。boysから好かれてもおかしくないわ」
梨子「(ううぅ…みんなに報告なんて恥ずかしい…!!///)」
36: 2019/07/12(金) 16:01:50.95 ID:fMy0KsrI
曜「Aqoursを結成した当初、手紙を貰っても返事はしない、って約束をしたけどこの場合どうしたらいいのかなって千歌ちゃんと話してて…」
梨子「ごめんね、私なんかのことで…」
果南「梨子は謝らなくていいんだよ」
ダイヤ「相手の方には申し訳ありませんが…ぶっぶー、ですわね」
千歌「そうだよねぇ…」
梨子「ごめんね、私なんかのことで…」
果南「梨子は謝らなくていいんだよ」
ダイヤ「相手の方には申し訳ありませんが…ぶっぶー、ですわね」
千歌「そうだよねぇ…」
39: 2019/07/12(金) 16:11:27.35 ID:fMy0KsrI
ルビィ「お返事、というか…スクールアイドルでも恋愛はしちゃいけないかも…」
千歌「ゔっ…///」
曜「……///」
鞠莉「…ま、千歌と曜はグループ内だから例外だけどねぇ?」ニヤ
千歌「ま、鞠莉ちゃんっ!///」
ダイヤ「とにかく、ルビィの言う通りですわ。たとえ本格的な表舞台にはあまり立たないスクールアイドルだとしても恋愛は禁止です!梨子さんだけではなく、他の皆さんも改めて肝に銘じて下さい」
梨子「(そうだよね…)」
ダイヤ「…梨子さん、分かりましたか?」
梨子「…はい」
千歌「ゔっ…///」
曜「……///」
鞠莉「…ま、千歌と曜はグループ内だから例外だけどねぇ?」ニヤ
千歌「ま、鞠莉ちゃんっ!///」
ダイヤ「とにかく、ルビィの言う通りですわ。たとえ本格的な表舞台にはあまり立たないスクールアイドルだとしても恋愛は禁止です!梨子さんだけではなく、他の皆さんも改めて肝に銘じて下さい」
梨子「(そうだよね…)」
ダイヤ「…梨子さん、分かりましたか?」
梨子「…はい」
40: 2019/07/12(金) 16:32:53.07 ID:fMy0KsrI
~バス停~
ブロロロロ…
曜「梨子ちゃん、今日もこっちで降りるんだね」
梨子「うん。善子ちゃん家に行くのが日課になってるから…」
曜「そしたら分かれ道まで一緒に行くであります!」ビシッ
梨子「そうね。ありがとう」ニコッ
ブロロロロ…
曜「梨子ちゃん、今日もこっちで降りるんだね」
梨子「うん。善子ちゃん家に行くのが日課になってるから…」
曜「そしたら分かれ道まで一緒に行くであります!」ビシッ
梨子「そうね。ありがとう」ニコッ
41: 2019/07/12(金) 16:38:30.89 ID:fMy0KsrI
トコトコ…
梨子「……」
曜「恋愛禁止、かぁ…」
梨子「え?」
曜「さっきルビィちゃんが言った時『そうだった』って思い出したんだよね。あ、ごめんね、気に触っちゃったら。あんな事の後に言っちゃって…」
梨子「大丈夫よ。でも曜ちゃんには関係ない事なんじゃない?グループ内だし…」
曜「あはは。私と千歌ちゃん?うん…そうだね」エヘヘ
梨子「2人、本当にお似合いよね」クスッ
梨子「……」
曜「恋愛禁止、かぁ…」
梨子「え?」
曜「さっきルビィちゃんが言った時『そうだった』って思い出したんだよね。あ、ごめんね、気に触っちゃったら。あんな事の後に言っちゃって…」
梨子「大丈夫よ。でも曜ちゃんには関係ない事なんじゃない?グループ内だし…」
曜「あはは。私と千歌ちゃん?うん…そうだね」エヘヘ
梨子「2人、本当にお似合いよね」クスッ
42: 2019/07/12(金) 16:44:35.39 ID:fMy0KsrI
曜「ありがとう。でも私と千歌ちゃんじゃなくてさ、梨子ちゃんのことだよ」
梨子「私?」
曜「ラブレター渡してきた子のこと。残念だなーって思ってたりする?」
梨子「ううん、別に。どんな人かあの手紙じゃ何にも分からないし」
曜「そっか」
梨子「どうして急に?」
曜「ちょっと心配になっただけ。本当に好きになってたらなーって」
梨子「ありがとう。心配してくれて」
曜「いえいえ。梨子ちゃんにも私と千歌ちゃんのことでたくさん迷惑掛けちゃったし」
梨子「…ここでお別れね」
曜「うん、バイバイ!」タッ
梨子「私?」
曜「ラブレター渡してきた子のこと。残念だなーって思ってたりする?」
梨子「ううん、別に。どんな人かあの手紙じゃ何にも分からないし」
曜「そっか」
梨子「どうして急に?」
曜「ちょっと心配になっただけ。本当に好きになってたらなーって」
梨子「ありがとう。心配してくれて」
曜「いえいえ。梨子ちゃんにも私と千歌ちゃんのことでたくさん迷惑掛けちゃったし」
梨子「…ここでお別れね」
曜「うん、バイバイ!」タッ
43: 2019/07/12(金) 17:05:49.71 ID:fMy0KsrI
~善子部屋~
梨子「善子ちゃん、今日も来たよ。お菓子置いておくね」
善子「……」
梨子「(コンビニ、行き難いから家のお菓子持ってきちゃった…)」
梨子「…ごめんね、気軽に話せるような話無いんだ」
善子「……」
梨子「…相談しか持ち合わせてないんだけど、聞いてくれる…?」
善子「……」
梨子「善子ちゃん、今日も来たよ。お菓子置いておくね」
善子「……」
梨子「(コンビニ、行き難いから家のお菓子持ってきちゃった…)」
梨子「…ごめんね、気軽に話せるような話無いんだ」
善子「……」
梨子「…相談しか持ち合わせてないんだけど、聞いてくれる…?」
善子「……」
44: 2019/07/12(金) 17:22:17.26 ID:fMy0KsrI
梨子「…告白の返事、することすら駄目なんだって」
善子「……」
梨子「ほんと、相手の子に悪いよね。勇気出してくれたのに」
善子「……」
梨子「……もし、皆に言わないでこっそり付き合ったら、バレちゃうかな」
善子「……」
梨子「それで幸せになれたら私────」
梨子「………最低かな…うん、最低だよね」
善子「……」
善子「……」
梨子「ほんと、相手の子に悪いよね。勇気出してくれたのに」
善子「……」
梨子「……もし、皆に言わないでこっそり付き合ったら、バレちゃうかな」
善子「……」
梨子「それで幸せになれたら私────」
梨子「………最低かな…うん、最低だよね」
善子「……」
45: 2019/07/12(金) 17:28:51.98 ID:fMy0KsrI
コンコン
梨子「は、はい!」
ガチャ
善子母「突然ごめんなさいね。お茶淹れたからどうかなって思って」
梨子「すみません、ありがとうございます」
善子母「ありがとうはこっちの台詞よ。さ、リビングへどうぞ」
善子母「それと…話したいことがあって」
梨子「っ…」ドキ
梨子「わかり、ました…」
梨子「は、はい!」
ガチャ
善子母「突然ごめんなさいね。お茶淹れたからどうかなって思って」
梨子「すみません、ありがとうございます」
善子母「ありがとうはこっちの台詞よ。さ、リビングへどうぞ」
善子母「それと…話したいことがあって」
梨子「っ…」ドキ
梨子「わかり、ました…」
47: 2019/07/12(金) 17:43:55.26 ID:fMy0KsrI
~リビング~
善子母「どう?お口に合うかしら」
梨子「はい…とても美味しいです」
善子母「…スクールアイドルの方はどう?」
梨子「…えっと…というのは…?」
善子母「善子が居なくなって、活動に支障が出てないかしらって」
梨子「確かに、支障は出ています。善子ちゃんのダンスや歌のパートの話し合いばかりで、まともなレッスンが出来てなくて」
善子母「そう…」
善子母「どう?お口に合うかしら」
梨子「はい…とても美味しいです」
善子母「…スクールアイドルの方はどう?」
梨子「…えっと…というのは…?」
善子母「善子が居なくなって、活動に支障が出てないかしらって」
梨子「確かに、支障は出ています。善子ちゃんのダンスや歌のパートの話し合いばかりで、まともなレッスンが出来てなくて」
善子母「そう…」
48: 2019/07/12(金) 17:53:35.22 ID:fMy0KsrI
梨子「でも、ラブライブで優勝する目標は今も変わりません。みんな家でも練習しています」
善子母「…頑張ってるんだ」
梨子「…はい」
善子母「なら、足を引っ張るような事はしたくないわね」
梨子「え?」
善子母「梨子ちゃん。この一ヶ月間、どうもありがとう」
梨子「…どういう、ことですか」
善子母「…頑張ってるんだ」
梨子「…はい」
善子母「なら、足を引っ張るような事はしたくないわね」
梨子「え?」
善子母「梨子ちゃん。この一ヶ月間、どうもありがとう」
梨子「…どういう、ことですか」
49: 2019/07/12(金) 18:18:12.32 ID:fMy0KsrI
善子母「納骨しようって決めたの」
梨子「のう、こつ……」
善子母「梨子ちゃんには感謝してもしきれないわ」
善子母「でも、これからの梨子ちゃんの人生の邪魔はできないから」
善子母「ラブライブに、専念してほしいの」
善子母「優勝すれば、善子もきっと天国で喜ぶわ」
善子母「ごめんなさいね、梨子ちゃん」
梨子「(頭を、撃たれたような感覚)」
梨子「(あぁ、善子ちゃんが本当に居なくなってしまう────)」
梨子「(私は最期まで、何もしてあげられなかった)」
梨子「っ……」
梨子「のう、こつ……」
善子母「梨子ちゃんには感謝してもしきれないわ」
善子母「でも、これからの梨子ちゃんの人生の邪魔はできないから」
善子母「ラブライブに、専念してほしいの」
善子母「優勝すれば、善子もきっと天国で喜ぶわ」
善子母「ごめんなさいね、梨子ちゃん」
梨子「(頭を、撃たれたような感覚)」
梨子「(あぁ、善子ちゃんが本当に居なくなってしまう────)」
梨子「(私は最期まで、何もしてあげられなかった)」
梨子「っ……」
50: 2019/07/12(金) 18:30:59.00 ID:fMy0KsrI
~梨子部屋~
バタンッ!
梨子「っ、ぅっ、うぅっ、」グスッ
ドンドンドンドンッ!!
梨子母「梨子?そんなに泣いてどうしたの?!お母さんに話して!」
梨子「来ないで!!!」グスッグスッ
梨子「(全部、全部、終わってしまった)」ポロポロ
梨子「(私があの時しっかりしていれば、こんなことにはならずに済んだのに…)」ポロポロ
梨子母「………善子ちゃんのこと?」
梨子「……!」
バタンッ!
梨子「っ、ぅっ、うぅっ、」グスッ
ドンドンドンドンッ!!
梨子母「梨子?そんなに泣いてどうしたの?!お母さんに話して!」
梨子「来ないで!!!」グスッグスッ
梨子「(全部、全部、終わってしまった)」ポロポロ
梨子「(私があの時しっかりしていれば、こんなことにはならずに済んだのに…)」ポロポロ
梨子母「………善子ちゃんのこと?」
梨子「……!」
51: 2019/07/12(金) 18:43:30.72 ID:fMy0KsrI
梨子母「納骨…するんですってね。お世話になったって今日善子ちゃんのお母さんが家に来たの」
梨子「……」
梨子母「梨子。あなたいつも善子ちゃんの遺影に話し掛けてるんですって?」
梨子「な……っ」
梨子母「…あなたは嘘をついているわ」
梨子「私は嘘なんて…!」
梨子母「いい加減、善子ちゃんの死を認めなさい」
梨子母「あなた、受け入れてるようで全く受け入れてない」
梨子母「善子ちゃんが、生きているような気持ちのままでいる」
梨子「そんな、ことっ……!」グスングスン
梨子「……」
梨子母「梨子。あなたいつも善子ちゃんの遺影に話し掛けてるんですって?」
梨子「な……っ」
梨子母「…あなたは嘘をついているわ」
梨子「私は嘘なんて…!」
梨子母「いい加減、善子ちゃんの死を認めなさい」
梨子母「あなた、受け入れてるようで全く受け入れてない」
梨子母「善子ちゃんが、生きているような気持ちのままでいる」
梨子「そんな、ことっ……!」グスングスン
52: 2019/07/12(金) 19:02:29.11 ID:fMy0KsrI
梨子母「…お夕飯、食べたくなったら下まで降りてきてね」
スタスタスタ…
梨子「っ、っ………」ポロポロ
梨子「ちがう、わたし、は────────!!!」
梨子「…もうこんなの、イヤよ……」ポロポロ
梨子「善子ちゃん…ねぇ、何処に…何処にいるの……?」グスン
梨子「っう…うぁぁぁっ……」ポロポロ
梨子「(──────幸せに、なりたい…)」
梨子「(苦しい、嫌だ、イヤ、いや……)」
梨子「(もうこんな思いしたくない)」
梨子「(誰か、誰か私を───────)」
梨子「幸せに、して…っ………」ポロポロ
スタスタスタ…
梨子「っ、っ………」ポロポロ
梨子「ちがう、わたし、は────────!!!」
梨子「…もうこんなの、イヤよ……」ポロポロ
梨子「善子ちゃん…ねぇ、何処に…何処にいるの……?」グスン
梨子「っう…うぁぁぁっ……」ポロポロ
梨子「(──────幸せに、なりたい…)」
梨子「(苦しい、嫌だ、イヤ、いや……)」
梨子「(もうこんな思いしたくない)」
梨子「(誰か、誰か私を───────)」
梨子「幸せに、して…っ………」ポロポロ
53: 2019/07/12(金) 19:12:47.27 ID:fMy0KsrI
梨子「(……そうだ)」
カサ、カサカサ…
『携帯→〇〇〇-△△△-☓☓☓』
梨子「……」ゴクリ
梨子「(幸せに、なりたいんだから)」
梨子「(バレなきゃいいだけの話で…)」
梨子「……ごめんなさい、ダイヤさん。みんな」
ポチポチポチ…
プルルルル……
プルルルル……
ガチャ
男(店員)「はい」
梨子「あ、あの、桜内です──────────」
カサ、カサカサ…
『携帯→〇〇〇-△△△-☓☓☓』
梨子「……」ゴクリ
梨子「(幸せに、なりたいんだから)」
梨子「(バレなきゃいいだけの話で…)」
梨子「……ごめんなさい、ダイヤさん。みんな」
ポチポチポチ…
プルルルル……
プルルルル……
ガチャ
男(店員)「はい」
梨子「あ、あの、桜内です──────────」
56: 2019/07/12(金) 19:27:03.82 ID:fMy0KsrI
男「──────で、では、おやすみなさい…り、梨子…さん///」
梨子「…はい。おやすみなさい」
ピッ
梨子「(末永くよろしくお願いします、なんて初めて言った…)」
梨子「(これで幸せに、なれるのかな)」
梨子「ねぇ、よしk………」
梨子「っ……」ブンブン
梨子「(もう、あの子のことは忘れるの)」
梨子「(考えたって、苦しくなるだけよ…)」
梨子「…はい。おやすみなさい」
ピッ
梨子「(末永くよろしくお願いします、なんて初めて言った…)」
梨子「(これで幸せに、なれるのかな)」
梨子「ねぇ、よしk………」
梨子「っ……」ブンブン
梨子「(もう、あの子のことは忘れるの)」
梨子「(考えたって、苦しくなるだけよ…)」
57: 2019/07/12(金) 19:40:09.81 ID:fMy0KsrI
~翌日~
プルルルル…
ガチャ
梨子「もしもし?あ、梨子…です///」
梨子「ご、ごめんなさい、彼氏とか初めてで…緊張しちゃって」
~数日後~
梨子「あなたの話、面白い…もっと聞かせて欲しいな…」
梨子「え、私?うーん…そうね───────」
~一週間後~
梨子「ふぁぁ…夜更しし過ぎちゃったね、寝よっか…」
梨子「えぇっ?!そ、そんな……恥ずかしいようぅ……私も好き、よ……?///」
プルルルル…
ガチャ
梨子「もしもし?あ、梨子…です///」
梨子「ご、ごめんなさい、彼氏とか初めてで…緊張しちゃって」
~数日後~
梨子「あなたの話、面白い…もっと聞かせて欲しいな…」
梨子「え、私?うーん…そうね───────」
~一週間後~
梨子「ふぁぁ…夜更しし過ぎちゃったね、寝よっか…」
梨子「えぇっ?!そ、そんな……恥ずかしいようぅ……私も好き、よ……?///」
58: 2019/07/12(金) 19:56:29.84 ID:fMy0KsrI
~二週間後~
梨子「おはよう、お母さん」
梨子母「おはよう梨子───って、その髪どうしたの?」
梨子「たまには結んでみようかなって。似合ってる?」
梨子母「え、ええ…似合ってるけど…。珍しいわね。そんな派手なリボン、校則違反じゃないの?」
梨子「浦女、頭髪に関しては校則緩いから」
梨子母「そう…」
梨子「(今日の放課後はコンビニに行くんだから、お洒落しなくっちゃ…///)」
梨子「おはよう、お母さん」
梨子母「おはよう梨子───って、その髪どうしたの?」
梨子「たまには結んでみようかなって。似合ってる?」
梨子母「え、ええ…似合ってるけど…。珍しいわね。そんな派手なリボン、校則違反じゃないの?」
梨子「浦女、頭髪に関しては校則緩いから」
梨子母「そう…」
梨子「(今日の放課後はコンビニに行くんだから、お洒落しなくっちゃ…///)」
62: 2019/07/12(金) 21:03:19.80 ID:fMy0KsrI
~浦の星女学院・昇降口~
千歌「ほぇー」ジーッ
梨子「…どうしたの千歌ちゃん?」
千歌「い、今更なんだけど…梨子ちゃんそのリボン…ちょっと派手じゃない?」
梨子「や、やっぱりそうだったかな?!は、恥ずかしい…///」
千歌「いやいや、似合ってるよ?!ただ、らしくないなっていうか…」
ガサッ!
ガサガサッ!!
ドンッ!!
千歌「ほぇー」ジーッ
梨子「…どうしたの千歌ちゃん?」
千歌「い、今更なんだけど…梨子ちゃんそのリボン…ちょっと派手じゃない?」
梨子「や、やっぱりそうだったかな?!は、恥ずかしい…///」
千歌「いやいや、似合ってるよ?!ただ、らしくないなっていうか…」
ガサッ!
ガサガサッ!!
ドンッ!!
63: 2019/07/12(金) 21:13:17.33 ID:fMy0KsrI
梨子「…?」クルッ
千歌「梨子ちゃんどうかした?」
梨子「今…音しなかった?」
千歌「え?何も聞こえなかったけど…」
「い、いったぁ~~い…!!」
梨子「───────え、」
千歌「???」
梨子「千歌ちゃん、教室先に行ってて!」ダッ
千歌「え?!ちょ、りーこーちゃーーん!」
梨子「(まさか、まさか)」
梨子「(そんなこと、ある筈がないって思ってるのに、期待してる自分がいて)」
「はぁ…観察してただけなのに…こんな時でもツイてないんだからぁ…もうっ…!」
梨子「(運命で、導かれてるような─────)」
スタスタ…
「こ、これくらいの痛みなら、回復の魔力で───────え?」
千歌「梨子ちゃんどうかした?」
梨子「今…音しなかった?」
千歌「え?何も聞こえなかったけど…」
「い、いったぁ~~い…!!」
梨子「───────え、」
千歌「???」
梨子「千歌ちゃん、教室先に行ってて!」ダッ
千歌「え?!ちょ、りーこーちゃーーん!」
梨子「(まさか、まさか)」
梨子「(そんなこと、ある筈がないって思ってるのに、期待してる自分がいて)」
「はぁ…観察してただけなのに…こんな時でもツイてないんだからぁ…もうっ…!」
梨子「(運命で、導かれてるような─────)」
スタスタ…
「こ、これくらいの痛みなら、回復の魔力で───────え?」
65: 2019/07/12(金) 21:26:04.55 ID:fMy0KsrI
梨子「よし、こ、ちゃん…?」
善子「へ……り、リリー?!何で?!」
梨子「何でって…それはこっちの台詞よ!」
善子「わ、私が見える…?嘘でしょ…?……って、ちょ、り、梨子……」
梨子「え?私?」
善子「そ、その、リボンなに…?いつから着け始めたの…?」
梨子「今はそんなことはどうでもいい!一旦場所を変えよう?」グイッ
善子「わぁっ?!ちょ、ど、何処に連れて行くつもりよ~~~!!!」
善子「へ……り、リリー?!何で?!」
梨子「何でって…それはこっちの台詞よ!」
善子「わ、私が見える…?嘘でしょ…?……って、ちょ、り、梨子……」
梨子「え?私?」
善子「そ、その、リボンなに…?いつから着け始めたの…?」
梨子「今はそんなことはどうでもいい!一旦場所を変えよう?」グイッ
善子「わぁっ?!ちょ、ど、何処に連れて行くつもりよ~~~!!!」
67: 2019/07/12(金) 21:35:04.54 ID:fMy0KsrI
~保健室~
善子「い、イヤ!痛い痛い痛いっっ!」
梨子「消毒が痛いのは分かるけど我慢して!傷治らなくなるわよ!」
ペタッ
善子「ひー…い、痛かった…」
梨子「はい。これで処置終わり…っと。保健室、先生居なくて良かったわね」
善子「月曜日は保健室先生休みなのよ」
梨子「そうなんだ…知らなかったわ」
善子「こういう変な所は運が良いのよ、私」
善子「い、イヤ!痛い痛い痛いっっ!」
梨子「消毒が痛いのは分かるけど我慢して!傷治らなくなるわよ!」
ペタッ
善子「ひー…い、痛かった…」
梨子「はい。これで処置終わり…っと。保健室、先生居なくて良かったわね」
善子「月曜日は保健室先生休みなのよ」
梨子「そうなんだ…知らなかったわ」
善子「こういう変な所は運が良いのよ、私」
68: 2019/07/12(金) 21:45:45.43 ID:fMy0KsrI
梨子「…状況整理しなきゃだね」
善子「まず、私は死んだってことは自分でも分かってるわ」
梨子「じゃあ何でここに…?」
善子「三途の川を渡った時よ。渡ったっていうか、渡っていた時。滑って橋から落ちちゃって、濁流に飲み込まれたのよ…」
梨子「そ、それは大変だったね…」
善子「それで、目を覚したら自分の部屋にいたの」
梨子「そこから浦の星に?」
善子「ええ、そうよ。散歩のつもりだったんだけど…まさかリリーに会えるなんて」
善子「まず、私は死んだってことは自分でも分かってるわ」
梨子「じゃあ何でここに…?」
善子「三途の川を渡った時よ。渡ったっていうか、渡っていた時。滑って橋から落ちちゃって、濁流に飲み込まれたのよ…」
梨子「そ、それは大変だったね…」
善子「それで、目を覚したら自分の部屋にいたの」
梨子「そこから浦の星に?」
善子「ええ、そうよ。散歩のつもりだったんだけど…まさかリリーに会えるなんて」
69: 2019/07/12(金) 21:56:39.27 ID:fMy0KsrI
善子「同じクラスの人達は私から近寄っても一切気付かなかった。でも私が木から落ちて、その音を聞き取って駆け付けて…声を掛けてくれたのはリリーだけ」
梨子「あっ、千歌ちゃんも善子ちゃんが木から落ちる音聞こえてなかったわ。つまり、見えるのは私だけ…ってこと?」
善子「そうだと思う。…で、あくまで私の推測でしかないんだけど…」
善子「私、幽霊の姿で帰って来ちゃった…かも」
梨子「ゆ、幽霊…?!」
善子「っていうか、それ以外考えられないでしょ!!」
梨子「で、でも…そうね。それが一番妥当かも」
梨子「あっ、千歌ちゃんも善子ちゃんが木から落ちる音聞こえてなかったわ。つまり、見えるのは私だけ…ってこと?」
善子「そうだと思う。…で、あくまで私の推測でしかないんだけど…」
善子「私、幽霊の姿で帰って来ちゃった…かも」
梨子「ゆ、幽霊…?!」
善子「っていうか、それ以外考えられないでしょ!!」
梨子「で、でも…そうね。それが一番妥当かも」
70: 2019/07/12(金) 22:15:05.77 ID:fMy0KsrI
梨子「それにしても不思議ね。どうして私だけ善子ちゃんの姿が…心当たりある?」
善子「っ……」
梨子「善子ちゃん…?」
善子「な、ないわね。何でリリーだけ私の姿が見えるのかしら」
梨子「うーん…善子ちゃんが亡くなる最期の瞬間に居合わせてたのが私だったから…とか?」
善子「っ、そ、そうね。それだわ。さすが我が上級リトルデーモン、リリーね!」ギラン
梨子「……ふふっ」クスッ
善子「な、何よ!笑うなんて失礼ね!」
梨子「ううん、嬉しくて」
善子「…へ」
梨子「おかえり、善子ちゃん」ニコッ
善子「っ……」ドキッ
善子「た、ただい、ま…」
梨子「(─────あぁ、忘れようとしてたのに)」
善子「っ……」
梨子「善子ちゃん…?」
善子「な、ないわね。何でリリーだけ私の姿が見えるのかしら」
梨子「うーん…善子ちゃんが亡くなる最期の瞬間に居合わせてたのが私だったから…とか?」
善子「っ、そ、そうね。それだわ。さすが我が上級リトルデーモン、リリーね!」ギラン
梨子「……ふふっ」クスッ
善子「な、何よ!笑うなんて失礼ね!」
梨子「ううん、嬉しくて」
善子「…へ」
梨子「おかえり、善子ちゃん」ニコッ
善子「っ……」ドキッ
善子「た、ただい、ま…」
梨子「(─────あぁ、忘れようとしてたのに)」
72: 2019/07/12(金) 22:32:07.38 ID:fMy0KsrI
~放課後~
ガラッ
梨子「善子ちゃん、帰ろ?」
善子「…zzz」
梨子「まだベッドで寝てたの?」
善子「…zzz」
梨子「起きて?置いて帰っちゃうよ?」ユサユサ
善子「むにゃ…りり、ぃ…」
梨子「……///」カァァァ
梨子「こ、こら!早く置きなさいっ!!!///」
善子「っ?!?!」パチッ
善子「な、何よ、そんな大声で起こさなくても…!」
梨子「い、いくら声掛けても起きないのが悪いんだから!!///」
ガラッ
梨子「善子ちゃん、帰ろ?」
善子「…zzz」
梨子「まだベッドで寝てたの?」
善子「…zzz」
梨子「起きて?置いて帰っちゃうよ?」ユサユサ
善子「むにゃ…りり、ぃ…」
梨子「……///」カァァァ
梨子「こ、こら!早く置きなさいっ!!!///」
善子「っ?!?!」パチッ
善子「な、何よ、そんな大声で起こさなくても…!」
梨子「い、いくら声掛けても起きないのが悪いんだから!!///」
73: 2019/07/12(金) 22:47:25.14 ID:fMy0KsrI
~帰り道~
善子「…いいの?」
梨子「何が?」
善子「その…リリーの家に泊まらせてもらうなんて」
梨子「もし駄目って言ったら善子ちゃんは何処に行くつもり?」
善子「…迷惑掛けるから自分の家に帰るわよ」
梨子「迷惑じゃないよ。善子ちゃん家に独りぼっちなんて。寂しすぎるわ」
善子「…そう。あ、ありがと」
梨子「来てくれたら、私のピアノ、聞いてほしいな」
善子「…うん」
善子「…いいの?」
梨子「何が?」
善子「その…リリーの家に泊まらせてもらうなんて」
梨子「もし駄目って言ったら善子ちゃんは何処に行くつもり?」
善子「…迷惑掛けるから自分の家に帰るわよ」
梨子「迷惑じゃないよ。善子ちゃん家に独りぼっちなんて。寂しすぎるわ」
善子「…そう。あ、ありがと」
梨子「来てくれたら、私のピアノ、聞いてほしいな」
善子「…うん」
75: 2019/07/12(金) 23:54:01.66 ID:fMy0KsrI
~梨子部屋~
ガチャ
梨子「善子ちゃん、夕飯持って来たよ」
善子「ありがと。いただきます」
梨子「一緒に食べたかったんだけど、リビング行かないとお母さん心配させちゃうから…ごめんね」
善子「気にすることないわ。食べれるだけで充分」モグッ
梨子「…美味しい?」
善子「美味ね。上級リトルデーモンの産みの親…流石だわ」モグモグ
梨子「うん、よかった」ニコッ
ガチャ
梨子「善子ちゃん、夕飯持って来たよ」
善子「ありがと。いただきます」
梨子「一緒に食べたかったんだけど、リビング行かないとお母さん心配させちゃうから…ごめんね」
善子「気にすることないわ。食べれるだけで充分」モグッ
梨子「…美味しい?」
善子「美味ね。上級リトルデーモンの産みの親…流石だわ」モグモグ
梨子「うん、よかった」ニコッ
76: 2019/07/12(金) 23:55:44.89 ID:fMy0KsrI
今日はここまでとさせていただきます。
明日は午後から書く予定なのでまたお付き合い出来る方はよろしくお願いします。
明日は午後から書く予定なのでまたお付き合い出来る方はよろしくお願いします。
83: 2019/07/13(土) 10:58:48.28 ID:Xz5cFhdS
善子「それにしても…貴女今日の髪型本当にどうしたの…?」ジーッ
梨子「えっ?!あっ、大した事じゃないよ?たまにはどうかなーって」
善子「リリーだったら『こんなの恥ずかしい~!無理~!!』って全力で拒否しそうだけどね、そんな派手なリボン。ギルキスの時どれだけ私とマリーが苦労したか…」
梨子「ちょ、ちょっとした気まぐれよ!あと私そんな喋り方じゃないからぁ!!///」
善子「ふうん…?」
ブーッブーッ
善子「…ん、リリー、電話じゃない?」
梨子「えっ?!あっ、大した事じゃないよ?たまにはどうかなーって」
善子「リリーだったら『こんなの恥ずかしい~!無理~!!』って全力で拒否しそうだけどね、そんな派手なリボン。ギルキスの時どれだけ私とマリーが苦労したか…」
梨子「ちょ、ちょっとした気まぐれよ!あと私そんな喋り方じゃないからぁ!!///」
善子「ふうん…?」
ブーッブーッ
善子「…ん、リリー、電話じゃない?」
84: 2019/07/13(土) 11:05:56.65 ID:Xz5cFhdS
梨子「うん」パッ
ブーッブーッ
『彼氏』
梨子「あ…」ドキッ
梨子「(善子ちゃんのことで精一杯になって会えなくなったの連絡し忘れちゃった…謝らなきゃ)」
善子「どうしたの?」
梨子「う、ううん。何でもないよ、ベランダ行ってくる」
善子「ええ」
ガラガラ…ピシャン
ピッ
梨子「も、もしもし…?あの…ご、ごめんなさい…」
ブーッブーッ
『彼氏』
梨子「あ…」ドキッ
梨子「(善子ちゃんのことで精一杯になって会えなくなったの連絡し忘れちゃった…謝らなきゃ)」
善子「どうしたの?」
梨子「う、ううん。何でもないよ、ベランダ行ってくる」
善子「ええ」
ガラガラ…ピシャン
ピッ
梨子「も、もしもし…?あの…ご、ごめんなさい…」
85: 2019/07/13(土) 11:15:49.32 ID:Xz5cFhdS
男『もしもし、梨子さん?今日はどうしたの?』
梨子「…ダンスのレッスン、長引いちゃって。連絡する暇も無かったの、本当にごめんなさい」
男『終わってから来れば良かったのに。僕8時まで居るんだよ』
梨子「そうだったの?ごめんね。覚えておきます」
男『そんなに謝らなくていいよ。僕は頑張ってる梨子さんが好きだから』
梨子「(優しい人……)」
男『明日は来てくれたら嬉しいな。待ってるから』
梨子「………はい」
梨子「…ダンスのレッスン、長引いちゃって。連絡する暇も無かったの、本当にごめんなさい」
男『終わってから来れば良かったのに。僕8時まで居るんだよ』
梨子「そうだったの?ごめんね。覚えておきます」
男『そんなに謝らなくていいよ。僕は頑張ってる梨子さんが好きだから』
梨子「(優しい人……)」
男『明日は来てくれたら嬉しいな。待ってるから』
梨子「………はい」
86: 2019/07/13(土) 11:25:34.89 ID:Xz5cFhdS
梨子「今日は、もうお電話切ってもいい…?」
男『え、全然話せてないけど…』
梨子「ピアノのレッスンがあって…」
男『そっか。残念だけど今日はここまでかぁ。遅くまでお疲れ様』
梨子「うん…明日は必ず行きます」
男『……梨子』
梨子「えっ…」
男『愛してる』
梨子「あ、あはは…う、うん」
男『え、全然話せてないけど…』
梨子「ピアノのレッスンがあって…」
男『そっか。残念だけど今日はここまでかぁ。遅くまでお疲れ様』
梨子「うん…明日は必ず行きます」
男『……梨子』
梨子「えっ…」
男『愛してる』
梨子「あ、あはは…う、うん」
88: 2019/07/13(土) 11:42:46.95 ID:Xz5cFhdS
梨子「…………私も、愛してる」
梨子「そ、それじゃあ、バイバイ」
男『うん』
ピッ
梨子「(あの人に対する愛情が、薄くなってる気がする…昨日までは彼の事しか考えられなかったのに…)」
梨子「(違う、きっと善子ちゃんが戻って来たからよ。それに囚われてるだけであって…)」
梨子「(愛してもらってるんだから、応えなくちゃ…)」
梨子「(私は幸せ、幸せなの───────)」
ガラガラ…ピシャン
梨子「電話終わった……よ…」
善子「……」キュウッ
梨子「そ、それじゃあ、バイバイ」
男『うん』
ピッ
梨子「(あの人に対する愛情が、薄くなってる気がする…昨日までは彼の事しか考えられなかったのに…)」
梨子「(違う、きっと善子ちゃんが戻って来たからよ。それに囚われてるだけであって…)」
梨子「(愛してもらってるんだから、応えなくちゃ…)」
梨子「(私は幸せ、幸せなの───────)」
ガラガラ…ピシャン
梨子「電話終わった……よ…」
善子「……」キュウッ
92: 2019/07/13(土) 13:09:48.15 ID:Xz5cFhdS
梨子「善子ちゃん?箸止まってるけど…やっぱり美味しくなかった?」
善子「考え事してただけ。何でもないわ」モグッ
梨子「そう…」
梨子「(明日こそ、会わないとだよね…)」
梨子「(善子ちゃんになら彼氏のこと話してもいい、のかな…)」
善子「…おかしいのは梨子の方よ」
梨子「えっ?」
善子「考え事してただけ。何でもないわ」モグッ
梨子「そう…」
梨子「(明日こそ、会わないとだよね…)」
梨子「(善子ちゃんになら彼氏のこと話してもいい、のかな…)」
善子「…おかしいのは梨子の方よ」
梨子「えっ?」
93: 2019/07/13(土) 13:13:34.58 ID:Xz5cFhdS
善子「電話が掛かってきた時から困ったような顔して…誰からだったの?」モグモグ
梨子「…東京の知り合いから、だよ」
善子「ま、あまり話したくないならそれでいいわ。いくら仲がいい友達でも話したくないプライベートってものがあるだろうし」モグモグ
梨子「……」
カチャン…
善子「ごちそうさま、美味しかったわ。直接伝えられないのが残念なくらい」
梨子「……後で私が代わりに、伝えておくね」
梨子「…東京の知り合いから、だよ」
善子「ま、あまり話したくないならそれでいいわ。いくら仲がいい友達でも話したくないプライベートってものがあるだろうし」モグモグ
梨子「……」
カチャン…
善子「ごちそうさま、美味しかったわ。直接伝えられないのが残念なくらい」
梨子「……後で私が代わりに、伝えておくね」
94: 2019/07/13(土) 14:32:31.24 ID:Xz5cFhdS
カチャカチャ…
梨子「お皿お母さんの所に持って行くね」
善子「ええ、お願い」
ガチャ
バタン…
善子「……」
ブーッブーッ
善子「また電話…?しつこいわね…」
スタスタ…
パッ
『彼氏』
善子「えっ────────」
梨子「お皿お母さんの所に持って行くね」
善子「ええ、お願い」
ガチャ
バタン…
善子「……」
ブーッブーッ
善子「また電話…?しつこいわね…」
スタスタ…
パッ
『彼氏』
善子「えっ────────」
95: 2019/07/13(土) 14:44:06.87 ID:Xz5cFhdS
~台所~
梨子「お母さん」
梨子母「あら、これ誰が食べたの?」
梨子「さ、さっきお父さんがリビングで食べて、そのまま会社に行ったの」
梨子母「そうなの?あの人ったら、私に黙って出て行くなんて…」
梨子「(お父さん、ごめんなさい…)」
梨子「部屋、戻るね」
梨子母「梨子、お風呂沸いたから入ってきなさい」
梨子「うん、わかった」
梨子「お母さん」
梨子母「あら、これ誰が食べたの?」
梨子「さ、さっきお父さんがリビングで食べて、そのまま会社に行ったの」
梨子母「そうなの?あの人ったら、私に黙って出て行くなんて…」
梨子「(お父さん、ごめんなさい…)」
梨子「部屋、戻るね」
梨子母「梨子、お風呂沸いたから入ってきなさい」
梨子「うん、わかった」
96: 2019/07/13(土) 15:07:19.63 ID:Xz5cFhdS
~梨子部屋~
ガチャ
梨子「善子ちゃん」
善子「わぁっ!」ビクン
梨子「…どうしたの?」
善子「い、いや…突然入って来たから驚いただけよ」
梨子「そう…?ねぇ、お風呂沸いたから入らない?」
善子「っ、な、えっ、は、はぁ?!」
梨子「というか、入らないと駄目よ」
善子「そ、そうじゃなくて…ふ、二人で…?」
ガチャ
梨子「善子ちゃん」
善子「わぁっ!」ビクン
梨子「…どうしたの?」
善子「い、いや…突然入って来たから驚いただけよ」
梨子「そう…?ねぇ、お風呂沸いたから入らない?」
善子「っ、な、えっ、は、はぁ?!」
梨子「というか、入らないと駄目よ」
善子「そ、そうじゃなくて…ふ、二人で…?」
97: 2019/07/13(土) 15:21:53.77 ID:Xz5cFhdS
梨子「うん…仕方ないと思って?善子ちゃんに何かあってからだと遅いわ」
善子「そ、そうね…」
梨子「(誰かと二人きりでお風呂に入るなんて、何年ぶりかな…)」
梨子「(その相手が、善子ちゃんで)」
梨子「……///」カァァァ
梨子「(何でだろう、すごく…)」
梨子「」チラッ
善子「?」
梨子「(胸の奥が、モヤモヤする……)」
善子「そ、そうね…」
梨子「(誰かと二人きりでお風呂に入るなんて、何年ぶりかな…)」
梨子「(その相手が、善子ちゃんで)」
梨子「……///」カァァァ
梨子「(何でだろう、すごく…)」
梨子「」チラッ
善子「?」
梨子「(胸の奥が、モヤモヤする……)」
98: 2019/07/13(土) 15:46:14.27 ID:Xz5cFhdS
~風呂場~
ザバァ…
善子「ふぅ~…」
梨子「……」
善子「なにモジモジしてんのよ」
梨子「か、身体見られてるって思うと…その…///」
善子「さ、誘ってきたのはリリーの方じゃない!」
梨子「そうだけどぉっ!」
善子「わ、私だって恥ずかしいんだから…///」
梨子「っ~~~///」
善子「ジロジロ見たら上級リトルデーモンでも怒る、わよ…///」
梨子「だったら私もそっくりそのままお返ししますー!///」
ザバァ…
善子「ふぅ~…」
梨子「……」
善子「なにモジモジしてんのよ」
梨子「か、身体見られてるって思うと…その…///」
善子「さ、誘ってきたのはリリーの方じゃない!」
梨子「そうだけどぉっ!」
善子「わ、私だって恥ずかしいんだから…///」
梨子「っ~~~///」
善子「ジロジロ見たら上級リトルデーモンでも怒る、わよ…///」
梨子「だったら私もそっくりそのままお返ししますー!///」
100: 2019/07/13(土) 17:58:56.61 ID:Xz5cFhdS
梨子「…シャワー、お先にどうぞ」
善子「悪いわね。ありがと」
ザァッ…
キュッ…サァァァ…
梨子「(…肌、白いなぁ…)」
梨子「(善子ちゃんて意外と細いのね…でも胸は結構大き────)」
梨子「(ってなに考えてるの私…!見ちゃダメって言われたばかりなのに…)」プイッ
梨子「(いつからだろ…善子ちゃんと居ると調子狂う…)」
善子「悪いわね。ありがと」
ザァッ…
キュッ…サァァァ…
梨子「(…肌、白いなぁ…)」
梨子「(善子ちゃんて意外と細いのね…でも胸は結構大き────)」
梨子「(ってなに考えてるの私…!見ちゃダメって言われたばかりなのに…)」プイッ
梨子「(いつからだろ…善子ちゃんと居ると調子狂う…)」
101: 2019/07/13(土) 18:07:49.69 ID:Xz5cFhdS
~梨子部屋~
ガチャ
バタン
善子「はぁ、あっつ…」
梨子「冷蔵庫にアイスあるから持ってくる?」
善子「いいわよ。衣食住、なにからなにまでしてもらってるんだから我慢する」
梨子「遠慮なんてしくてもいいのに…」
善子「…Switchがあったら借りてたかもね」
梨子「ごめん、それは…無いかな」
善子「ちぇっ…」
ガチャ
バタン
善子「はぁ、あっつ…」
梨子「冷蔵庫にアイスあるから持ってくる?」
善子「いいわよ。衣食住、なにからなにまでしてもらってるんだから我慢する」
梨子「遠慮なんてしくてもいいのに…」
善子「…Switchがあったら借りてたかもね」
梨子「ごめん、それは…無いかな」
善子「ちぇっ…」
102: 2019/07/13(土) 18:14:35.21 ID:Xz5cFhdS
梨子「でも…何も出来ないのは退屈だよね」
善子「そーいえば梨子、ピアノ聞いてほしいんじゃなかったっけ?」
梨子「え…本当に聞いてもらっていいの?」
善子「指導は難しいけど、感想を言うくらいなら力になれるわ」
梨子「ありがとう。それじゃ…」
スタスタ
キイッ…
スッ…
♪~♪~♪……
善子「そーいえば梨子、ピアノ聞いてほしいんじゃなかったっけ?」
梨子「え…本当に聞いてもらっていいの?」
善子「指導は難しいけど、感想を言うくらいなら力になれるわ」
梨子「ありがとう。それじゃ…」
スタスタ
キイッ…
スッ…
♪~♪~♪……
103: 2019/07/13(土) 20:10:59.75 ID:Xz5cFhdS
♪…
善子「終わり?」
梨子「終わりよ」
善子「良かったわ。リリーのピアノは聞いていて心地良いわね」
梨子「ありがとう」
善子「ふぁぁ…聞いていたら眠くなってきた…」ウトウト
梨子「まだ9時よ?」
善子「疲れてるのよ、体力的にも精神的にも…」
梨子「そうね…幽霊とはいえ突然生き返ったようにここへ戻って来たんだもの…疲れちゃったよね」
善子「終わり?」
梨子「終わりよ」
善子「良かったわ。リリーのピアノは聞いていて心地良いわね」
梨子「ありがとう」
善子「ふぁぁ…聞いていたら眠くなってきた…」ウトウト
梨子「まだ9時よ?」
善子「疲れてるのよ、体力的にも精神的にも…」
梨子「そうね…幽霊とはいえ突然生き返ったようにここへ戻って来たんだもの…疲れちゃったよね」
104: 2019/07/13(土) 20:19:26.71 ID:Xz5cFhdS
善子「布団、用意してもらってもいいかしら?」
梨子「ごめんね、私の家ベッドしかないの」
善子「ならいいわ。床で寝る」パタリ
梨子「床は痛いよ。私のベッドで一緒に寝よ?」
善子「……は」
梨子「普通のシングルベッドより多少は広いから大丈夫…だと思う」
善子「い、いや、そうじゃなくて…」グイッ
梨子「え?」
梨子「ごめんね、私の家ベッドしかないの」
善子「ならいいわ。床で寝る」パタリ
梨子「床は痛いよ。私のベッドで一緒に寝よ?」
善子「……は」
梨子「普通のシングルベッドより多少は広いから大丈夫…だと思う」
善子「い、いや、そうじゃなくて…」グイッ
梨子「え?」
105: 2019/07/13(土) 20:43:21.15 ID:Xz5cFhdS
善子「私、おかしくなる、から…///」
梨子「…な、なに言ってるの?この前善子ちゃん家でお泊りした時だって、」
善子「っ……///」
梨子「─────────────あ」
善子「……あんな事したのに、優しいのね」
梨子「それは…それ、は…」
梨子「…あの時のことは気にしないで、許すから…寝よ?」
善子「……」コクリ
梨子「…な、なに言ってるの?この前善子ちゃん家でお泊りした時だって、」
善子「っ……///」
梨子「─────────────あ」
善子「……あんな事したのに、優しいのね」
梨子「それは…それ、は…」
梨子「…あの時のことは気にしないで、許すから…寝よ?」
善子「……」コクリ
107: 2019/07/13(土) 20:51:41.54 ID:Xz5cFhdS
パチッ
ノソノソ
梨子「おやすみなさい」
善子「おやすみ」
・
・
・
・
梨子「(……眠れない)」
梨子「…善子ちゃん、寝た?」
善子「zzz……」スヤスヤ
梨子「(学校でも寝てたのに…相当疲れてるのね)」
ノソノソ
梨子「おやすみなさい」
善子「おやすみ」
・
・
・
・
梨子「(……眠れない)」
梨子「…善子ちゃん、寝た?」
善子「zzz……」スヤスヤ
梨子「(学校でも寝てたのに…相当疲れてるのね)」
108: 2019/07/13(土) 21:00:57.13 ID:Xz5cFhdS
スッ…
ムニムニ
梨子「(頬、柔らかい…)」
サラ…
梨子「(髪もサラサラ…)」
梨子「(綺麗な肌、柔らかい頬、ダークブルーの艶のある髪、ワインレッドの瞳…)」
梨子「(こんなの、間近で見てしまったら…思い出してしまう、気にしないようにしていたのに)」
梨子「(私達が過ちを犯した、あの夏の日のことを────)」
ムニムニ
梨子「(頬、柔らかい…)」
サラ…
梨子「(髪もサラサラ…)」
梨子「(綺麗な肌、柔らかい頬、ダークブルーの艶のある髪、ワインレッドの瞳…)」
梨子「(こんなの、間近で見てしまったら…思い出してしまう、気にしないようにしていたのに)」
梨子「(私達が過ちを犯した、あの夏の日のことを────)」
110: 2019/07/13(土) 21:11:34.05 ID:Xz5cFhdS
善子『ねぇ、梨子』
梨子『うん?』
善子『もし泊まりを誘う相手が私じゃなかったら…梨子は行ってた?』
梨子『行ってるよ?』
善子『…あっそう』
梨子『…………嫉妬?』
善子『っ、うにゃぁぁ!!///嫉妬じゃないわよ別に!///』
梨子『ふふっ、善子ちゃんってそういう所可愛いよね』クスッ
善子『むぅ…///』
梨子『うん?』
善子『もし泊まりを誘う相手が私じゃなかったら…梨子は行ってた?』
梨子『行ってるよ?』
善子『…あっそう』
梨子『…………嫉妬?』
善子『っ、うにゃぁぁ!!///嫉妬じゃないわよ別に!///』
梨子『ふふっ、善子ちゃんってそういう所可愛いよね』クスッ
善子『むぅ…///』
111: 2019/07/13(土) 21:21:30.61 ID:Xz5cFhdS
梨子『っ…ふふっ…』クスクス
善子『もう!いつまで笑ってるつもり?!このヨハネを揶揄ったら地獄まで着いてきてもらうわよっ!』
梨子『ふふっ、ごめんね、嬉しくなって』
善子『うれ、しい…?』
梨子『後輩とここまで仲良くなれるなんて思ってなかったの、だから…つい』
善子『リリー…』
梨子『誘ってくれてありがとう』ニコッ
善子『もう!いつまで笑ってるつもり?!このヨハネを揶揄ったら地獄まで着いてきてもらうわよっ!』
梨子『ふふっ、ごめんね、嬉しくなって』
善子『うれ、しい…?』
梨子『後輩とここまで仲良くなれるなんて思ってなかったの、だから…つい』
善子『リリー…』
梨子『誘ってくれてありがとう』ニコッ
112: 2019/07/13(土) 21:28:55.26 ID:Xz5cFhdS
善子『っ……』
梨子『はぁ…笑い疲れちゃった。今度こそ寝よう?』
善子『……よ』
梨子『え?』
善子『……ずるいわよ、そんなこと言うなんて』
梨子『変なこと…言っちゃった?笑い過ぎた───っ?!』
ガシッ
ドサ……
梨子『はぁ…笑い疲れちゃった。今度こそ寝よう?』
善子『……よ』
梨子『え?』
善子『……ずるいわよ、そんなこと言うなんて』
梨子『変なこと…言っちゃった?笑い過ぎた───っ?!』
ガシッ
ドサ……
113: 2019/07/13(土) 21:55:10.27 ID:Xz5cFhdS
梨子『よしこ、ちゃ…』パチッ
善子『っ~~~』
梨子『(私、押し倒されてる…?!)』ハワワ
善子『…嫉妬してるって言ったら、どうする?』ミミツブ
梨子『っ?!///』ドキッ
善子『ねぇ、梨子』ジッ
梨子『それは、それで……うれ、しいよ…?///』
善子『それ、本気で言ってる?』
梨子『う、嘘ついても仕方ないでしょ…?///』
善子『っ~~~』
梨子『(私、押し倒されてる…?!)』ハワワ
善子『…嫉妬してるって言ったら、どうする?』ミミツブ
梨子『っ?!///』ドキッ
善子『ねぇ、梨子』ジッ
梨子『それは、それで……うれ、しいよ…?///』
善子『それ、本気で言ってる?』
梨子『う、嘘ついても仕方ないでしょ…?///』
116: 2019/07/13(土) 23:33:56.15 ID:Xz5cFhdS
善子『してるから、』
善子『嫉妬』
梨子『────────え』
チュッ
梨子『んっ、んんっ、よしこ、ちゃんっ、ふぁっ…///』
善子『ふっ、ちゅ、ふ、んっ…///』
梨子『は、ぁっ…んんん…///』
プチ、プチ…
梨子『やぁっ、ふく、は……っ!!!///』
善子『────────全部、梨子が悪いから』
梨子「(その後、私達は最後まで達してしまった)」
梨子「(とはいえ、朝を迎えても先輩後輩の関係性は変わらず何事も無かったかのように過ごしていた)」
梨子「(なぜ私は抵抗しなかったのか、自分でも未だに分からない)」
梨子「(善子ちゃんの唇は今まで感じたことがない、どんなものでも例える事が出来ない甘さでいっぱいだった)」
梨子「(そのことで頭が塗り潰され考える余裕は、一切なかった)」
善子『嫉妬』
梨子『────────え』
チュッ
梨子『んっ、んんっ、よしこ、ちゃんっ、ふぁっ…///』
善子『ふっ、ちゅ、ふ、んっ…///』
梨子『は、ぁっ…んんん…///』
プチ、プチ…
梨子『やぁっ、ふく、は……っ!!!///』
善子『────────全部、梨子が悪いから』
梨子「(その後、私達は最後まで達してしまった)」
梨子「(とはいえ、朝を迎えても先輩後輩の関係性は変わらず何事も無かったかのように過ごしていた)」
梨子「(なぜ私は抵抗しなかったのか、自分でも未だに分からない)」
梨子「(善子ちゃんの唇は今まで感じたことがない、どんなものでも例える事が出来ない甘さでいっぱいだった)」
梨子「(そのことで頭が塗り潰され考える余裕は、一切なかった)」
117: 2019/07/13(土) 23:44:04.39 ID:Xz5cFhdS
今日の更新はここでストップしておきます。
善子ちゃんお誕生日おめでとうございました。
明日もお付き合い出来る方はよろしくお願いします。
善子ちゃんお誕生日おめでとうございました。
明日もお付き合い出来る方はよろしくお願いします。
122: 2019/07/14(日) 14:47:04.89 ID:fwFKRHNK
~朝~
ピピピピッ、ピピピピッ
梨子「んんぅ…」
パチッ
梨子「善子ちゃん、起きて…?」ユサユサ
善子「……」パチ
梨子「朝ご飯持って来るから…」
グイッ
善子「っ…ぅ…」ポロポロ
梨子「え…?!善子ちゃん…?!」ギュッ
善子「よかった…」ポロポロ
ピピピピッ、ピピピピッ
梨子「んんぅ…」
パチッ
梨子「善子ちゃん、起きて…?」ユサユサ
善子「……」パチ
梨子「朝ご飯持って来るから…」
グイッ
善子「っ…ぅ…」ポロポロ
梨子「え…?!善子ちゃん…?!」ギュッ
善子「よかった…」ポロポロ
123: 2019/07/14(日) 15:00:10.81 ID:fwFKRHNK
善子「私、まだ此処に居るんだって、思ったら…」
梨子「そっか…」ナデナデ
梨子「(もうこの世には存在しない人物…いつ消えるか分からないもんね…)」
梨子「私も、居てくれて嬉しい」
善子「っ……」
梨子「(逝って欲しくないって、思ってる)」
梨子「(やっぱり私は、死を受け入れてなかったんだ─────)」
梨子「そっか…」ナデナデ
梨子「(もうこの世には存在しない人物…いつ消えるか分からないもんね…)」
梨子「私も、居てくれて嬉しい」
善子「っ……」
梨子「(逝って欲しくないって、思ってる)」
梨子「(やっぱり私は、死を受け入れてなかったんだ─────)」
124: 2019/07/14(日) 15:52:58.00 ID:fwFKRHNK
~バス~
ブロロロロ…
善子「リリー…あの」
梨子「ん?」
善子「今日はリボン、しなくていいの?」
梨子「あぁ…うん、私には似合わないなって」
善子「悪くないのに」
梨子「そう…かな?」
善子「…」プイッ
ブロロロロ…
善子「リリー…あの」
梨子「ん?」
善子「今日はリボン、しなくていいの?」
梨子「あぁ…うん、私には似合わないなって」
善子「悪くないのに」
梨子「そう…かな?」
善子「…」プイッ
125: 2019/07/14(日) 15:58:37.60 ID:fwFKRHNK
梨子「(…そうだ…今日の放課後どうしよう…善子ちゃんになんて言えば…)」
梨子「よ、善子ちゃん」
善子「?」
梨子「今日…沼津に行こうと思ってて…」
善子「Aqoursのみんなで?」
梨子「う、ううん、そうじゃ…なくて」
善子「他の友達?」
梨子「あ、うんうん!そうなの」
善子「そ。だったら邪魔はできないわね。だったら私は…暇潰しに家にでも帰ろうかしら」
梨子「よ、善子ちゃん」
善子「?」
梨子「今日…沼津に行こうと思ってて…」
善子「Aqoursのみんなで?」
梨子「う、ううん、そうじゃ…なくて」
善子「他の友達?」
梨子「あ、うんうん!そうなの」
善子「そ。だったら邪魔はできないわね。だったら私は…暇潰しに家にでも帰ろうかしら」
126: 2019/07/14(日) 16:12:21.48 ID:fwFKRHNK
梨子「寂しく、ない?」
善子「大丈夫よ。マ……お、お母さんの顔、最後に見ておきたいから」
梨子「…そっか」
梨子「(ごめんなさい、嘘ついちゃった…)」
梨子「(でも、会わなきゃ………)」
梨子「(会わなきゃ、愛想尽かされる…)」
善子「大丈夫よ。マ……お、お母さんの顔、最後に見ておきたいから」
梨子「…そっか」
梨子「(ごめんなさい、嘘ついちゃった…)」
梨子「(でも、会わなきゃ………)」
梨子「(会わなきゃ、愛想尽かされる…)」
127: 2019/07/14(日) 16:38:42.61 ID:fwFKRHNK
~屋上~
ダイヤ「では、本日の練習はここまでとしましょうか」
果南「梨子、負担が掛かっちゃったけど頑張れる?」
梨子「はい、頑張ります。善子ちゃんの為に」
鞠莉「ok.善子のポジションは梨子が兼任するって事で───」
善子「……」
千歌「じゃー今日もみんなお疲れ様!」
7人「お疲れ様でしたー!」
ガヤガヤ
スタスタスタ…
梨子「善子ちゃん」コソッ
ダイヤ「では、本日の練習はここまでとしましょうか」
果南「梨子、負担が掛かっちゃったけど頑張れる?」
梨子「はい、頑張ります。善子ちゃんの為に」
鞠莉「ok.善子のポジションは梨子が兼任するって事で───」
善子「……」
千歌「じゃー今日もみんなお疲れ様!」
7人「お疲れ様でしたー!」
ガヤガヤ
スタスタスタ…
梨子「善子ちゃん」コソッ
128: 2019/07/14(日) 18:25:01.70 ID:fwFKRHNK
善子「リリー、私のポジションで踊るの…?」
梨子「うん。最初からあった振り付けに少し加えるだけよ」
善子「無くしたっていいのに…」
梨子「善子ちゃんはAqoursに居た、って証を残すの」
千歌「梨子ちゃーん!屋上の鍵閉めちゃうよー?」
梨子「はーい!」
善子「…行きましょ」
梨子「うん。最初からあった振り付けに少し加えるだけよ」
善子「無くしたっていいのに…」
梨子「善子ちゃんはAqoursに居た、って証を残すの」
千歌「梨子ちゃーん!屋上の鍵閉めちゃうよー?」
梨子「はーい!」
善子「…行きましょ」
129: 2019/07/14(日) 18:37:33.95 ID:fwFKRHNK
~バス~
曜「あれ、梨子ちゃん」
梨子「曜ちゃん」
善子「………曜」
曜「沼津行きのバスだけど…」
梨子「うん…」
曜「…善子ちゃんに会うの?」
梨子「ううん…違うよ」
曜「そうなの?」
梨子「と、友達に会うの」
曜「………」
曜「あれ、梨子ちゃん」
梨子「曜ちゃん」
善子「………曜」
曜「沼津行きのバスだけど…」
梨子「うん…」
曜「…善子ちゃんに会うの?」
梨子「ううん…違うよ」
曜「そうなの?」
梨子「と、友達に会うの」
曜「………」
130: 2019/07/14(日) 18:43:34.53 ID:fwFKRHNK
~沼津~
曜「じゃーねー梨子ちゃーん!」タッタッタッ
梨子「うん!また明日ー!」
善子「…私も行くわ。帰りになったら私のマンションに来て」
梨子「うん、わかった。後でね」タッ
善子「ええ」
スタスタスタ…
梨子「(ここね…)」
ウイーン…
曜「じゃーねー梨子ちゃーん!」タッタッタッ
梨子「うん!また明日ー!」
善子「…私も行くわ。帰りになったら私のマンションに来て」
梨子「うん、わかった。後でね」タッ
善子「ええ」
スタスタスタ…
梨子「(ここね…)」
ウイーン…
131: 2019/07/14(日) 18:57:05.24 ID:fwFKRHNK
~コンビニ~
男「あっ、梨子さん!」
梨子「こんばんは。昨日は…本当にごめんなさい」
男「ううん。いいんだ。忙しそうだもんね、梨子さんは」
梨子「(怒らないんだ…)」
男「うちのコンビニ、淹れたての珈琲が買えるんだけど知ってる?」
梨子「ええ。飲んだことはないけど」
男「ならいい機会だね。僕が奢るからさ、一緒に飲まない?」
梨子「いいの?」
男「もちろん」
梨子「ありがとう。お願いします」
男「あっ、梨子さん!」
梨子「こんばんは。昨日は…本当にごめんなさい」
男「ううん。いいんだ。忙しそうだもんね、梨子さんは」
梨子「(怒らないんだ…)」
男「うちのコンビニ、淹れたての珈琲が買えるんだけど知ってる?」
梨子「ええ。飲んだことはないけど」
男「ならいい機会だね。僕が奢るからさ、一緒に飲まない?」
梨子「いいの?」
男「もちろん」
梨子「ありがとう。お願いします」
132: 2019/07/14(日) 19:19:21.87 ID:fwFKRHNK
・
・
梨子「」ゴクッ
梨子「わぁ、美味しい」
男「人気なんだよそれ」
梨子「やば珈琲でしか飲んだことなかったけど、コンビニのでも美味しいのね」
男「なぁ、梨子さん」
梨子「はい?」
男「今の時期…結構忙しいかな」
梨子「えーっと…土日は基本的に休みよ?」
・
梨子「」ゴクッ
梨子「わぁ、美味しい」
男「人気なんだよそれ」
梨子「やば珈琲でしか飲んだことなかったけど、コンビニのでも美味しいのね」
男「なぁ、梨子さん」
梨子「はい?」
男「今の時期…結構忙しいかな」
梨子「えーっと…土日は基本的に休みよ?」
133: 2019/07/14(日) 19:29:04.32 ID:fwFKRHNK
男「ほんと?あのさ、梨子さんと…あれ、行きたいんだよね」ユビサシ
梨子「あの広告…?」
梨子「『花火大会』…?」
男「高海さん家の前の砂浜でやるらしいんだ」
梨子「へぇ…」
男「今週末なんだけど…よかったらどう?」
梨子「(花火…カップルの定番イベントだよね)」
梨子「こんな私でよければ…是非」ニコッ
梨子「あの広告…?」
梨子「『花火大会』…?」
男「高海さん家の前の砂浜でやるらしいんだ」
梨子「へぇ…」
男「今週末なんだけど…よかったらどう?」
梨子「(花火…カップルの定番イベントだよね)」
梨子「こんな私でよければ…是非」ニコッ
134: 2019/07/14(日) 19:50:18.48 ID:fwFKRHNK
~善子宅~
グッ
善子「(鍵が掛かってない…?!ラッキー…!)」
ガチャ
バタン…
スタスタ…
善子母「っ…よし、こ…」
善子「ママ……?」
善子母「帰って来て頂戴…善子…」
善子「……ママ、ただいま」
善子母「うぅっ…」
善子「(ママにも姿は見えないのね…)」
善子「お願い、泣かせるつもりなんて無いのよ…」ポロポロ
善子「(不幸になるのは、私だけでよかったのに…)」
善子「(神様の意地悪っ…)」
グッ
善子「(鍵が掛かってない…?!ラッキー…!)」
ガチャ
バタン…
スタスタ…
善子母「っ…よし、こ…」
善子「ママ……?」
善子母「帰って来て頂戴…善子…」
善子「……ママ、ただいま」
善子母「うぅっ…」
善子「(ママにも姿は見えないのね…)」
善子「お願い、泣かせるつもりなんて無いのよ…」ポロポロ
善子「(不幸になるのは、私だけでよかったのに…)」
善子「(神様の意地悪っ…)」
135: 2019/07/14(日) 20:02:40.12 ID:fwFKRHNK
~善子部屋~
ガチャ
バタン…
善子「…!」
善子「あ…私の、私のバッグ…」ダッ
ガサゴソ
パッ
『リリーへ』
善子「(はいっ、てる…)」
善子「…こんなの見せたって、今更よ…」
善子「幽霊の姿で抱き締めてなんて言える訳ないじゃない…っ!」ポロポロ
ガチャ
バタン…
善子「…!」
善子「あ…私の、私のバッグ…」ダッ
ガサゴソ
パッ
『リリーへ』
善子「(はいっ、てる…)」
善子「…こんなの見せたって、今更よ…」
善子「幽霊の姿で抱き締めてなんて言える訳ないじゃない…っ!」ポロポロ
136: 2019/07/14(日) 21:02:55.63 ID:fwFKRHNK
善子「(それに、もうリリーには…)」
『彼氏』
善子『えっ────────』
善子「っっ…こんなものっ………!!!!」
グシャグシャグシャ…ポイッ
善子「っ…はぁっ…はぁっ…」
善子「(これで…いいのよね……)」
善子「(今までのは全部、私の勝手な思い込み…期待でしかなかったのよ…」
善子「リリーは、私のことなんて」
『彼氏』
善子『えっ────────』
善子「っっ…こんなものっ………!!!!」
グシャグシャグシャ…ポイッ
善子「っ…はぁっ…はぁっ…」
善子「(これで…いいのよね……)」
善子「(今までのは全部、私の勝手な思い込み…期待でしかなかったのよ…」
善子「リリーは、私のことなんて」
137: 2019/07/14(日) 21:35:17.89 ID:fwFKRHNK
キイッ…バタン
善子「(やることは全てやれた)」
善子「…もう家に用は無いわね」
トコトコトコ
善子「(早く済ませすぎてしまったわ…商店街でもブラついてようかしら)」
ビュゥゥゥ…
善子「風が気持ち良い…」
ウイーン…
男「顔を見て話せて嬉しかったよ」
梨子「うん。珈琲、また買いに来るね」
男「いつでも待ってるから」
善子「…………あっ」
善子「(やることは全てやれた)」
善子「…もう家に用は無いわね」
トコトコトコ
善子「(早く済ませすぎてしまったわ…商店街でもブラついてようかしら)」
ビュゥゥゥ…
善子「風が気持ち良い…」
ウイーン…
男「顔を見て話せて嬉しかったよ」
梨子「うん。珈琲、また買いに来るね」
男「いつでも待ってるから」
善子「…………あっ」
138: 2019/07/14(日) 21:50:16.30 ID:fwFKRHNK
善子「(腕、組んでる……あの人が、リリーの…)」ドクン…
男「今週末、楽しみにしてる」
善子「(何よ、これ)」ドッドッ
梨子「待ち合わせとかはラインでもいい?」
善子「(こんなの、見たくなかった)」ドッドッドッ
男「ああ。暇な時でいいから決めよう」
善子「(今すぐ、逃げたいのに)」ドッドッドッドッ
梨子「うん…それじゃ、またね」
善子「(足が、動かな────────)」ドッドッドッドッドッ
梨子「!」
バチッ
男「今週末、楽しみにしてる」
善子「(何よ、これ)」ドッドッ
梨子「待ち合わせとかはラインでもいい?」
善子「(こんなの、見たくなかった)」ドッドッドッ
男「ああ。暇な時でいいから決めよう」
善子「(今すぐ、逃げたいのに)」ドッドッドッドッ
梨子「うん…それじゃ、またね」
善子「(足が、動かな────────)」ドッドッドッドッドッ
梨子「!」
バチッ
139: 2019/07/14(日) 21:59:33.87 ID:fwFKRHNK
~梨子部屋~
ガチャ
バタン
梨子「……」
善子「……」
梨子「…善子ちゃん、お母さんに挨拶はできた?」
善子「誰よ、あの人」
梨子「……っ」
善子「様子がおかしいと思っていたら…やっぱりそうだったのね」
梨子「……友達よ」
善子「男女の友達が、腕を組む?聞いたことも見たこともないわ」
ガチャ
バタン
梨子「……」
善子「……」
梨子「…善子ちゃん、お母さんに挨拶はできた?」
善子「誰よ、あの人」
梨子「……っ」
善子「様子がおかしいと思っていたら…やっぱりそうだったのね」
梨子「……友達よ」
善子「男女の友達が、腕を組む?聞いたことも見たこともないわ」
140: 2019/07/14(日) 22:07:42.58 ID:fwFKRHNK
梨子「怒ってる…?」
善子「………っ、Aqoursのことを思ってよ。アイドルが軽率に恋愛なんて」
梨子「…ごめんなさい」ペコリ
善子「私だけに謝ることじゃないでしょ…?」
梨子「……」
善子「…いいわ。行ってきなさい」
梨子「え?」
善子「花火大会。彼氏バレしようが何だろうが、私に責任はないから」
善子「………っ、Aqoursのことを思ってよ。アイドルが軽率に恋愛なんて」
梨子「…ごめんなさい」ペコリ
善子「私だけに謝ることじゃないでしょ…?」
梨子「……」
善子「…いいわ。行ってきなさい」
梨子「え?」
善子「花火大会。彼氏バレしようが何だろうが、私に責任はないから」
141: 2019/07/14(日) 23:34:12.09 ID:fwFKRHNK
梨子「いいの…?」
善子「だからいいってば…」
グイッ
梨子「違う!Aqoursの為とかじゃなくて…」
梨子「………善子ちゃんは、一人でいいのって話…」
善子「本当に、貴女が私に同情してそう思うんだったら…デートは断るでしょ…?」
梨子「…ごめん、私が悪かった」
善子「…花火大会、年に一度なの。彼氏の気持ちも考えると可哀想で仕方なくなってくるわ。楽しんで来て」
善子「だからいいってば…」
グイッ
梨子「違う!Aqoursの為とかじゃなくて…」
梨子「………善子ちゃんは、一人でいいのって話…」
善子「本当に、貴女が私に同情してそう思うんだったら…デートは断るでしょ…?」
梨子「…ごめん、私が悪かった」
善子「…花火大会、年に一度なの。彼氏の気持ちも考えると可哀想で仕方なくなってくるわ。楽しんで来て」
142: 2019/07/14(日) 23:34:45.70 ID:fwFKRHNK
今日はここまでにします。
明日で完結する…かもしれません。
明日で完結する…かもしれません。
145: 2019/07/15(月) 12:36:17.05 ID:BehPN6r/
~週末~
梨子「んー…」グッグッ
善子「手伝うわよ、着付け」
梨子「あ、ありがとう…」
善子「……」グッグッ
善子「はい、できた」
梨子「善子ちゃんて着物の着付けできるんだね」
善子「自分のは難しいけど、人のだったら…まあ」
梨子「……」
梨子「(あれから数日、善子ちゃんと私の間には冷たい空気が変わらずに漂っていた)」
梨子「んー…」グッグッ
善子「手伝うわよ、着付け」
梨子「あ、ありがとう…」
善子「……」グッグッ
善子「はい、できた」
梨子「善子ちゃんて着物の着付けできるんだね」
善子「自分のは難しいけど、人のだったら…まあ」
梨子「……」
梨子「(あれから数日、善子ちゃんと私の間には冷たい空気が変わらずに漂っていた)」
146: 2019/07/15(月) 12:48:38.18 ID:BehPN6r/
梨子「(ほんの少しの会話はするけれど、善子ちゃんの喜怒哀楽を出さない、無表情な姿に自然と言葉が詰まるようになってしまった)」
梨子「(そして迎えた週末───)」
善子「リボン、着けていったらどう?」
梨子「え?」
善子「アレ、浴衣に合いそうじゃない」
梨子「私に似合うかな…」
善子「なによ、私と会った時自信満々で着けてたじゃない」
梨子「自信満々ではないけど…」
善子「…彼氏の為だったんでしょ」
梨子「っ…!なんで……」
善子「私だって一応女よ?それくらい分かるわ。好きな人に可愛いって思われたいのは当たり前のことよ」
梨子「(そして迎えた週末───)」
善子「リボン、着けていったらどう?」
梨子「え?」
善子「アレ、浴衣に合いそうじゃない」
梨子「私に似合うかな…」
善子「なによ、私と会った時自信満々で着けてたじゃない」
梨子「自信満々ではないけど…」
善子「…彼氏の為だったんでしょ」
梨子「っ…!なんで……」
善子「私だって一応女よ?それくらい分かるわ。好きな人に可愛いって思われたいのは当たり前のことよ」
147: 2019/07/15(月) 13:06:51.69 ID:BehPN6r/
善子「あの時は邪魔して悪かったわね。私のせいで会えなくなったんでしょ」
梨子「善子ちゃんのせいじゃないよ…」
善子「…時間よ。行って来なさい」ポンッ
梨子「善子ちゃん……」
善子「何でそんな顔してんのよ。化粧までしたのに、それじゃ台無しよ」
梨子「(何でって……)」
梨子「それは…善子ちゃんの方じゃないかな」
梨子「善子ちゃんのせいじゃないよ…」
善子「…時間よ。行って来なさい」ポンッ
梨子「善子ちゃん……」
善子「何でそんな顔してんのよ。化粧までしたのに、それじゃ台無しよ」
梨子「(何でって……)」
梨子「それは…善子ちゃんの方じゃないかな」
148: 2019/07/15(月) 13:14:54.37 ID:BehPN6r/
善子「は…?」
梨子「目が、寂しそうに見えるよ」
善子「私はいいの!寂しくなんてない!!」
善子「……昼寝でもして、暇潰ししてるから」
善子「いってらっしゃい梨子。とても…似合ってるわ」ニコ
梨子「っ~~~~」ウルウル
善子「ぁ……」ハッ
梨子「っ、」ダッ
ガチャ
バタン!
善子「……」
梨子「目が、寂しそうに見えるよ」
善子「私はいいの!寂しくなんてない!!」
善子「……昼寝でもして、暇潰ししてるから」
善子「いってらっしゃい梨子。とても…似合ってるわ」ニコ
梨子「っ~~~~」ウルウル
善子「ぁ……」ハッ
梨子「っ、」ダッ
ガチャ
バタン!
善子「……」
150: 2019/07/15(月) 13:38:34.42 ID:BehPN6r/
~花火大会~
梨子「あ……」ハッ
梨子「(リボン、着けるの忘れちゃった…)」
男「梨子さん!」タッ
梨子「こんばんは。今日は誘ってくれてありがとう」
男「夢みたいだよ、梨子さんと花火が見れるなんて」
梨子「あ、あはは…私も」
梨子「(あれ…)」
善子『いってらっしゃい梨子。とても…似合ってるわ』ニコ
梨子「(頭の中、善子ちゃんでいっぱいで上手く集中できない────)」
梨子「あ……」ハッ
梨子「(リボン、着けるの忘れちゃった…)」
男「梨子さん!」タッ
梨子「こんばんは。今日は誘ってくれてありがとう」
男「夢みたいだよ、梨子さんと花火が見れるなんて」
梨子「あ、あはは…私も」
梨子「(あれ…)」
善子『いってらっしゃい梨子。とても…似合ってるわ』ニコ
梨子「(頭の中、善子ちゃんでいっぱいで上手く集中できない────)」
151: 2019/07/15(月) 13:46:42.74 ID:BehPN6r/
ガヤガヤ
曜「千歌ちゃーん!りんご飴買ってきたよ」ハイッ
千歌「ありがと曜ちゃん!」
曜「梨子ちゃん、無理やりでも連れて来ればよかったなぁ」
千歌「ピアノ忙しそうだもんね~。年に一度なのに断られちゃった」ページ
曜「まぁ仕方ないか~。来年だね」ペロペロ
タッタッタッ…
千歌「……あれ?」
曜「ん?」
曜「千歌ちゃーん!りんご飴買ってきたよ」ハイッ
千歌「ありがと曜ちゃん!」
曜「梨子ちゃん、無理やりでも連れて来ればよかったなぁ」
千歌「ピアノ忙しそうだもんね~。年に一度なのに断られちゃった」ページ
曜「まぁ仕方ないか~。来年だね」ペロペロ
タッタッタッ…
千歌「……あれ?」
曜「ん?」
152: 2019/07/15(月) 13:48:58.97 ID:BehPN6r/
>>151
【訂正】
✕千歌「ピアノ忙しそうだもんね~。年に一度なのに断られちゃった」ページ
◯千歌「ピアノ忙しそうだもんね~。年に一度なのに断られちゃった」ペロペロ
【訂正】
✕千歌「ピアノ忙しそうだもんね~。年に一度なのに断られちゃった」ページ
◯千歌「ピアノ忙しそうだもんね~。年に一度なのに断られちゃった」ペロペロ
153: 2019/07/15(月) 13:53:56.77 ID:BehPN6r/
ルビまる「千歌ちゃん!曜ちゃん!」ハァハァ
千歌「ルビィちゃんと花丸ちゃんも来てたんだね!」
曜「じゃあもしかして3年生もいるのかな?」
ルビィ「お姉ちゃんたちも来てるけど、そうじゃなくて…」
花丸「大変ずらぁ!」
ルビィ「あのね、ルビィと花丸ちゃんで見ちゃったんだけど…」
ようちか「えっ?」
ルビまる「梨子ちゃんが────────」
千歌「ルビィちゃんと花丸ちゃんも来てたんだね!」
曜「じゃあもしかして3年生もいるのかな?」
ルビィ「お姉ちゃんたちも来てるけど、そうじゃなくて…」
花丸「大変ずらぁ!」
ルビィ「あのね、ルビィと花丸ちゃんで見ちゃったんだけど…」
ようちか「えっ?」
ルビまる「梨子ちゃんが────────」
154: 2019/07/15(月) 14:12:08.94 ID:BehPN6r/
~梨子部屋~
善子「(寝てしまえば私の勝ちよ…)」
善子「(眠れば少ない時間かもしれないけど苦しみから開放される…)」
ドオン…!
ドドーン…!
善子「……」パチ
善子「ダメだわ…眠れない…」ムクリ
スタスタ
ガラッ
ドオン…!
ドドーン…!
\ワー!パチパチパチ/
善子「………綺麗」
善子「(寝てしまえば私の勝ちよ…)」
善子「(眠れば少ない時間かもしれないけど苦しみから開放される…)」
ドオン…!
ドドーン…!
善子「……」パチ
善子「ダメだわ…眠れない…」ムクリ
スタスタ
ガラッ
ドオン…!
ドドーン…!
\ワー!パチパチパチ/
善子「………綺麗」
155: 2019/07/15(月) 14:28:30.48 ID:BehPN6r/
ドオン…!
ドドーン…!
善子「っ……」ポロポロ
善子「ちょ…な、何で泣いて…」グシグシ
善子「(─────私が死んだ日。)」
善子「(あの日、私はリリーに告白しようとしていた)」
善子「(黒魔術や儀式に、文句を言いながらも付き合ってくれるリリーのことが大好きだった)」
善子「(私が何処に行っても必ず見つけ出して、叱ってくれるリリーのことが大好きだった)」
善子「(艶のある長い赤毛が、オレンジ色の瞳が、白い肌が、一度だけ触れてしまった薄い唇が。大好きだった)」
ドドーン…!
善子「っ……」ポロポロ
善子「ちょ…な、何で泣いて…」グシグシ
善子「(─────私が死んだ日。)」
善子「(あの日、私はリリーに告白しようとしていた)」
善子「(黒魔術や儀式に、文句を言いながらも付き合ってくれるリリーのことが大好きだった)」
善子「(私が何処に行っても必ず見つけ出して、叱ってくれるリリーのことが大好きだった)」
善子「(艶のある長い赤毛が、オレンジ色の瞳が、白い肌が、一度だけ触れてしまった薄い唇が。大好きだった)」
156: 2019/07/15(月) 14:42:14.88 ID:BehPN6r/
善子「(先輩後輩、友達の関係じゃいられない。そう思ったのはいつからだろう)」
善子「(私達は女同士。告白したら引かれるかもしれないし、もう話してくれないのかもしれない)」
善子「(それでも私は決意した。不幸なんだからフラレるに違いないと、最初は諦めていた)」
善子「(でも、耐えきれなかった)」
善子「(私達は女同士。告白したら引かれるかもしれないし、もう話してくれないのかもしれない)」
善子「(それでも私は決意した。不幸なんだからフラレるに違いないと、最初は諦めていた)」
善子「(でも、耐えきれなかった)」
157: 2019/07/15(月) 14:46:13.65 ID:BehPN6r/
善子「(リリー。貴女は私を変えてくれた、大切な人)」
善子「(でも私は、貴女の側にいられないみたい)」
善子「(貴女が選んだのは、私じゃなくてあの人)」
善子「(告白なんか、しなくて正解だった)」
善子「(私を〇した神様に、今は感謝してる)」
善子「(私が幽霊になって帰って来た理由、本当はずっとわかってた)」
善子「(リリーに、未練があった)」
善子「(でも私は、貴女の側にいられないみたい)」
善子「(貴女が選んだのは、私じゃなくてあの人)」
善子「(告白なんか、しなくて正解だった)」
善子「(私を〇した神様に、今は感謝してる)」
善子「(私が幽霊になって帰って来た理由、本当はずっとわかってた)」
善子「(リリーに、未練があった)」
158: 2019/07/15(月) 15:22:15.17 ID:BehPN6r/
スゥッ…
善子「…!身体が…」
善子「………リリーの幸せが、私の幸せだったみたい…」グスッグスッ
ドオン…!
ドドーン…!
善子「この花火大会に、告白が成功したら誘うつもり…だったんだけど…ね……」ポロポロ
善子「ホント、ヨハネってば不幸ね」グシグシ
善子「お別れの挨拶もできないで、消えてしまうなんて………」
スゥゥゥゥゥゥウ………
善子「…!身体が…」
善子「………リリーの幸せが、私の幸せだったみたい…」グスッグスッ
ドオン…!
ドドーン…!
善子「この花火大会に、告白が成功したら誘うつもり…だったんだけど…ね……」ポロポロ
善子「ホント、ヨハネってば不幸ね」グシグシ
善子「お別れの挨拶もできないで、消えてしまうなんて………」
スゥゥゥゥゥゥウ………
159: 2019/07/15(月) 15:40:40.14 ID:BehPN6r/
~花火大会~
梨子「綺麗だったね…」
男「うん。でも」
グイッ
梨子「きゃっ」
男「梨子さんの方が綺麗で、可愛い」
梨子「……あ、ありがとう」
フワッ…
男「っ───────」
梨子「(え?!か、顔が近づいてきてる…?!)」
ドンッ
男「え」
梨子「あ、あの…えっと…」オドオド
梨子「綺麗だったね…」
男「うん。でも」
グイッ
梨子「きゃっ」
男「梨子さんの方が綺麗で、可愛い」
梨子「……あ、ありがとう」
フワッ…
男「っ───────」
梨子「(え?!か、顔が近づいてきてる…?!)」
ドンッ
男「え」
梨子「あ、あの…えっと…」オドオド
160: 2019/07/15(月) 15:47:51.96 ID:BehPN6r/
男「あー、ごめん。人が多い場所じゃ駄目だよね」
梨子「わ、私の方こそ…」
梨子「(おかしい、どうして…)」
ギュッ
梨子「!」
男「今日、僕の家…親いないんです」
梨子「ぁ……」
男「梨子さん、来て下さい」
梨子「……え、えっと」
男「我慢できないんだ」
梨子「わ、私の方こそ…」
梨子「(おかしい、どうして…)」
ギュッ
梨子「!」
男「今日、僕の家…親いないんです」
梨子「ぁ……」
男「梨子さん、来て下さい」
梨子「……え、えっと」
男「我慢できないんだ」
161: 2019/07/15(月) 15:57:59.30 ID:BehPN6r/
~男・自室~
男「荷物は適当な場所に置いていいよ」
梨子「は、はい」
男「あはは。敬語使わないって約束したじゃん。同い年なのに」
梨子「ご、ごめんなさい。男の人の部屋…入るの初めてで。緊張してるっていうか…」
男「僕も女の子を部屋に入れたのは初めてだよ」
梨子「…そうなんですね…」
梨子「(違う…これは緊張なんかじゃない…!!)」ビクビク
男「荷物は適当な場所に置いていいよ」
梨子「は、はい」
男「あはは。敬語使わないって約束したじゃん。同い年なのに」
梨子「ご、ごめんなさい。男の人の部屋…入るの初めてで。緊張してるっていうか…」
男「僕も女の子を部屋に入れたのは初めてだよ」
梨子「…そうなんですね…」
梨子「(違う…これは緊張なんかじゃない…!!)」ビクビク
162: 2019/07/15(月) 16:18:00.80 ID:BehPN6r/
男「父さんも母さんも、朝まで帰って来ないんだ」
梨子「う、うん…」
男「僕がナニしたいか、わかる?」
梨子「…察してました」
男「なら話は早いね…」
サワッ…モミモミ
梨子「あんっ…!///」
梨子「(い、嫌……!)」
ヌギヌギ
梨子「(浴衣、脱がされちゃうっ…!)」
梨子「う、うん…」
男「僕がナニしたいか、わかる?」
梨子「…察してました」
男「なら話は早いね…」
サワッ…モミモミ
梨子「あんっ…!///」
梨子「(い、嫌……!)」
ヌギヌギ
梨子「(浴衣、脱がされちゃうっ…!)」
163: 2019/07/15(月) 16:25:10.88 ID:BehPN6r/
男「梨子さんは、こういうの初めて…?」モミモミ
梨子「んっ…ぁ、やっ…///」
男「そっか…初めてなんだね…」モミモミ
梨子「(やだっ、やだやだっ…触り方、気持ち悪いっ……!)」
男「初めては────僕が貰うね」
善子『ふっ、ちゅ、ふ、んっ…///』
梨子『は、ぁっ…んんん…///』
梨子「っ────────!!!!」
ドンッ!ドタンバタッ!バンッ!
梨子「んっ…ぁ、やっ…///」
男「そっか…初めてなんだね…」モミモミ
梨子「(やだっ、やだやだっ…触り方、気持ち悪いっ……!)」
男「初めては────僕が貰うね」
善子『ふっ、ちゅ、ふ、んっ…///』
梨子『は、ぁっ…んんん…///』
梨子「っ────────!!!!」
ドンッ!ドタンバタッ!バンッ!
164: 2019/07/15(月) 16:31:16.59 ID:BehPN6r/
男「いって…!!」
梨子「イヤ!!触らないで!!!!」
男「わ、わかった、やめよう」
梨子「それと私…初めてじゃないんで」
男「え」
梨子「……もう、あなたとは付き合えません、ごめんなさい」
男「な、何で?僕の何が駄目だった?直すから」
梨子「ううん…あなたは私にとっても優しくしてくれました、でも私…他に好きな人がいて…」
男「だったらどうして僕と…」
梨子「イヤ!!触らないで!!!!」
男「わ、わかった、やめよう」
梨子「それと私…初めてじゃないんで」
男「え」
梨子「……もう、あなたとは付き合えません、ごめんなさい」
男「な、何で?僕の何が駄目だった?直すから」
梨子「ううん…あなたは私にとっても優しくしてくれました、でも私…他に好きな人がいて…」
男「だったらどうして僕と…」
166: 2019/07/15(月) 16:43:50.07 ID:BehPN6r/
梨子「気付かなかったんです、その人が好きだって」
男「……」
梨子「…さようなら」
ガチャ バタン!
梨子「はぁっはぁっ…」タッタッタッ…
梨子「(私、馬鹿すぎる…どうして今まで…)」タッタッタッ…
梨子「(善子ちゃんに触れられて…嬉しくて、気持ちよかった)」タッタッタッ…
梨子「(私は─────)」
梨子「善子ちゃんが、好きっ……」
男「……」
梨子「…さようなら」
ガチャ バタン!
梨子「はぁっはぁっ…」タッタッタッ…
梨子「(私、馬鹿すぎる…どうして今まで…)」タッタッタッ…
梨子「(善子ちゃんに触れられて…嬉しくて、気持ちよかった)」タッタッタッ…
梨子「(私は─────)」
梨子「善子ちゃんが、好きっ……」
170: 2019/07/15(月) 17:31:11.94 ID:BehPN6r/
梨子「(善子ちゃんに、ちゃんと伝えなきゃ…)」
梨子「(善子ちゃんが消えてしまう前に…)」
~梨子宅~
ガチャ、 バタン
梨子母「あらおかえり。遅かったじゃない」
梨子「っ、うんっ」ポロポロ
梨子母「え…泣いてるの?」
梨子「ごめんっ…また、後で」タッタッタッ…
梨子「(善子ちゃんが消えてしまう前に…)」
~梨子宅~
ガチャ、 バタン
梨子母「あらおかえり。遅かったじゃない」
梨子「っ、うんっ」ポロポロ
梨子母「え…泣いてるの?」
梨子「ごめんっ…また、後で」タッタッタッ…
171: 2019/07/15(月) 17:39:33.26 ID:BehPN6r/
~梨子部屋~
ガチャ
梨子「善子ちゃん、大事な話が───」
シン……
梨子「…え?」
梨子「よ、善子ちゃん?もう…すぐ何処かに行っちゃうんだから…」
梨子「(ベランダ…?なんで開いてるの…?)」
スタスタ…
梨子「いない…」
梨子「そんな、ねぇ、なんで…?嘘でしょ…?」
梨子「成仏…しちゃったの……?」
ガチャ
梨子「善子ちゃん、大事な話が───」
シン……
梨子「…え?」
梨子「よ、善子ちゃん?もう…すぐ何処かに行っちゃうんだから…」
梨子「(ベランダ…?なんで開いてるの…?)」
スタスタ…
梨子「いない…」
梨子「そんな、ねぇ、なんで…?嘘でしょ…?」
梨子「成仏…しちゃったの……?」
173: 2019/07/15(月) 17:57:06.78 ID:BehPN6r/
~翌日・浦の星女学院~
梨子「(あの後、何処かでフラついてるだけかと思っていたけれど…結局善子ちゃんは帰って来なかった)」
梨子「(この胸の内を誰かに話したい気持ちはある。でも信じてもらえる筈がない)」
千歌「それでね……梨子ちゃん?」
梨子「あ、う、うん?」
千歌「なんか…朝から変だけど大丈夫?」
梨子「大丈夫。ちょっとボーッとしちゃうだけで…」
千歌「体調悪かったら言ってね」
梨子「うん」
曜 「……」
梨子「(あの後、何処かでフラついてるだけかと思っていたけれど…結局善子ちゃんは帰って来なかった)」
梨子「(この胸の内を誰かに話したい気持ちはある。でも信じてもらえる筈がない)」
千歌「それでね……梨子ちゃん?」
梨子「あ、う、うん?」
千歌「なんか…朝から変だけど大丈夫?」
梨子「大丈夫。ちょっとボーッとしちゃうだけで…」
千歌「体調悪かったら言ってね」
梨子「うん」
曜 「……」
174: 2019/07/15(月) 18:04:38.42 ID:BehPN6r/
ガラッ
鞠莉「梨子ー?いる?」
梨子「鞠莉さん…ダイヤさんも」
ダイヤ「…お時間、いただけないでしょうか」
生徒A「理事長と生徒会長じゃん…」ヒソヒソ
生徒B「桜内さん何かしたの?」ヒソヒソ
生徒C「Aqoursのことじゃないの?」ヒソヒソ
曜「……梨子ちゃん、行こう」
梨子「曜ちゃん…?」
千歌「チカも行く」
梨子「千歌ちゃんまで…一体どうしたの?」
曜「………梨子ちゃんが一番よくわかってるんじゃないかな」
鞠莉「梨子ー?いる?」
梨子「鞠莉さん…ダイヤさんも」
ダイヤ「…お時間、いただけないでしょうか」
生徒A「理事長と生徒会長じゃん…」ヒソヒソ
生徒B「桜内さん何かしたの?」ヒソヒソ
生徒C「Aqoursのことじゃないの?」ヒソヒソ
曜「……梨子ちゃん、行こう」
梨子「曜ちゃん…?」
千歌「チカも行く」
梨子「千歌ちゃんまで…一体どうしたの?」
曜「………梨子ちゃんが一番よくわかってるんじゃないかな」
175: 2019/07/15(月) 18:12:55.05 ID:BehPN6r/
~部室~
ダイヤ「梨子さん、あなたを呼び出した理由…わかりますか?」
梨子「え…?」
ルビィ「お、お姉ちゃ…」
ダイヤ「ルビィ、お黙りなさい!」バンッ!
ルビィ「ピギィッ!」ダキッ
花丸「……」ナデナデ
鞠莉「昨日の花火大会」
梨子「…!」
ダイヤ「その反応…やはりあの方は梨子さんだったのですね」
ダイヤ「梨子さん、あなたを呼び出した理由…わかりますか?」
梨子「え…?」
ルビィ「お、お姉ちゃ…」
ダイヤ「ルビィ、お黙りなさい!」バンッ!
ルビィ「ピギィッ!」ダキッ
花丸「……」ナデナデ
鞠莉「昨日の花火大会」
梨子「…!」
ダイヤ「その反応…やはりあの方は梨子さんだったのですね」
176: 2019/07/15(月) 18:23:53.64 ID:BehPN6r/
果南「……彼氏?」
梨子「っ……」
ダイヤ「否定しない、ということは認めたと捉えてよろしいのですね?」
鞠莉「ラブレター貰った人なの?」
梨子「っ……」
ダイヤ「梨子さん、はっきり言わせて下さい」
ダイヤ「……見損ないましたわ」
千歌「だ、ダイヤさん、梨子ちゃんにだって何かしらの理由があるかもしれないし…」
ダイヤ「高校2年生にもなって、言い訳が通用すると…?」
千歌「う……」
梨子「っ……」
ダイヤ「否定しない、ということは認めたと捉えてよろしいのですね?」
鞠莉「ラブレター貰った人なの?」
梨子「っ……」
ダイヤ「梨子さん、はっきり言わせて下さい」
ダイヤ「……見損ないましたわ」
千歌「だ、ダイヤさん、梨子ちゃんにだって何かしらの理由があるかもしれないし…」
ダイヤ「高校2年生にもなって、言い訳が通用すると…?」
千歌「う……」
178: 2019/07/15(月) 18:38:06.12 ID:BehPN6r/
梨子「…あの人は、彼氏…だった人です」
鞠莉「だった…?」
梨子「昨日、花火大会の後に別れました」
花丸「…え」
梨子「別れたのはAqoursの為とか、相性が悪かったとかではありません」
梨子「………代わりにしてたんだと思います」
ダイヤ「代わり…?」
梨子「幸せが、欲しかったんです」
鞠莉「だった…?」
梨子「昨日、花火大会の後に別れました」
花丸「…え」
梨子「別れたのはAqoursの為とか、相性が悪かったとかではありません」
梨子「………代わりにしてたんだと思います」
ダイヤ「代わり…?」
梨子「幸せが、欲しかったんです」
179: 2019/07/15(月) 18:41:48.10 ID:BehPN6r/
梨子「私からも相手からも愛を与えて、受け取って…」
梨子「…それを善子ちゃんとしたかったんです」
梨子「私、善子ちゃんの死から逃げてました」
梨子「昨日…そのことにやっと気付いたんです」
鞠莉「梨子…やっぱりあなた、善子のこと…」
ダイヤ「……すみません、少し言い過ぎてしまいましたわね」
曜「…梨子ちゃん、やっぱりそうだったんだ」
千歌「よ、曜ちゃ…」
梨子「えっ?」
曜「なんとなく梨子ちゃんの事…全部わかってた」
梨子「…それを善子ちゃんとしたかったんです」
梨子「私、善子ちゃんの死から逃げてました」
梨子「昨日…そのことにやっと気付いたんです」
鞠莉「梨子…やっぱりあなた、善子のこと…」
ダイヤ「……すみません、少し言い過ぎてしまいましたわね」
曜「…梨子ちゃん、やっぱりそうだったんだ」
千歌「よ、曜ちゃ…」
梨子「えっ?」
曜「なんとなく梨子ちゃんの事…全部わかってた」
180: 2019/07/15(月) 19:29:00.83 ID:BehPN6r/
曜「梨子ちゃんを見る度にいつも思ってたんだ」
曜「梨子ちゃんは多分、善子ちゃんのことが好きなんだって。そしてそれに気付いてないんだって」
曜「だから善子ちゃんが亡くなって、梨子ちゃんが心配だったんだ。そんな時にラブレターなんて」
曜「梨子ちゃんが壊れるだけだから。付き合っちゃ駄目ってちゃんと言えばよかったね。ごめん」
梨子「謝らないで曜ちゃん…」
曜「梨子ちゃんは多分、善子ちゃんのことが好きなんだって。そしてそれに気付いてないんだって」
曜「だから善子ちゃんが亡くなって、梨子ちゃんが心配だったんだ。そんな時にラブレターなんて」
曜「梨子ちゃんが壊れるだけだから。付き合っちゃ駄目ってちゃんと言えばよかったね。ごめん」
梨子「謝らないで曜ちゃん…」
182: 2019/07/15(月) 19:55:41.56 ID:BehPN6r/
千歌「…っ、あの!」
7人「?」
千歌「今日…みんなで善子ちゃん家に行かない?」
果南「そういえば善子の家、亡くなってから行ってなかったね」
ダイヤ「構いませんけど…行ってどうするのですか?」
千歌「善子ちゃんのお母さんからね、遺品整理…お願いされてるの」
梨子「え…」
千歌「ある程度は片付けてるらしいんだけど…お世話になったからって私達にも手伝って欲しいんだって」
7人「?」
千歌「今日…みんなで善子ちゃん家に行かない?」
果南「そういえば善子の家、亡くなってから行ってなかったね」
ダイヤ「構いませんけど…行ってどうするのですか?」
千歌「善子ちゃんのお母さんからね、遺品整理…お願いされてるの」
梨子「え…」
千歌「ある程度は片付けてるらしいんだけど…お世話になったからって私達にも手伝って欲しいんだって」
183: 2019/07/15(月) 20:22:19.41 ID:BehPN6r/
曜「梨子ちゃん…大丈夫?」
梨子「うん、大丈夫。行こう」
ルビィ「部室から始めたらどうかな。善子ちゃんの私物たくさんあると思うんだ」
果南「お母さんにお土産とか買って行った方がいいよね」
鞠莉「そうなったら…手分けするのが良いわね」
ダイヤ「そうですわね」
梨子「うん、大丈夫。行こう」
ルビィ「部室から始めたらどうかな。善子ちゃんの私物たくさんあると思うんだ」
果南「お母さんにお土産とか買って行った方がいいよね」
鞠莉「そうなったら…手分けするのが良いわね」
ダイヤ「そうですわね」
184: 2019/07/15(月) 20:23:42.45 ID:BehPN6r/
~善子部屋~
善子母「無理言ってごめんなさいね」
千歌「いいんです。むしろ私達にやらせて下さい」
善子母「それじゃ、お願いね」
バタン
花丸「あー!善子ちゃん本の整理全くしてないずらー!」
ルビィ「これ…ルビィが善子ちゃんの誕生日にあけたプレゼント…」
曜「おおー!クローゼットの中…お宝でありますっ!!ゴス口り!!!」ガバッ
善子母「無理言ってごめんなさいね」
千歌「いいんです。むしろ私達にやらせて下さい」
善子母「それじゃ、お願いね」
バタン
花丸「あー!善子ちゃん本の整理全くしてないずらー!」
ルビィ「これ…ルビィが善子ちゃんの誕生日にあけたプレゼント…」
曜「おおー!クローゼットの中…お宝でありますっ!!ゴス口り!!!」ガバッ
185: 2019/07/15(月) 20:26:45.55 ID:BehPN6r/
ダイヤ「善子さんて、意外と勉強熱心ですのね…入学してから数ヶ月しか経っていないのに、こんなにノートを…」ペラペラ
鞠莉「アリマァーシター!!it's魔法陣!!」
果南「善子って、ずっとこんな真っ暗な部屋で生活してたの…?」
梨子「……」ニコニコ
千歌「…梨子ちゃん。梨子ちゃんは、どこ整理する?」
梨子「そうね…」
コツン
梨子「…ん、ゴミ…?」
カサ…
鞠莉「アリマァーシター!!it's魔法陣!!」
果南「善子って、ずっとこんな真っ暗な部屋で生活してたの…?」
梨子「……」ニコニコ
千歌「…梨子ちゃん。梨子ちゃんは、どこ整理する?」
梨子「そうね…」
コツン
梨子「…ん、ゴミ…?」
カサ…
186: 2019/07/15(月) 20:34:24.30 ID:BehPN6r/
梨子「……え」
千歌「んー?なになにー?」
『リリーへ』
梨子「私宛ての、手紙…?」
千歌「…開けてみなよ、梨子ちゃん」
梨子「ダメっっ……!」
6人「!?」クルッ
千歌「どうして?」
梨子「私には…読む資格なんてない…」
曜「…梨子ちゃんが、〇したって思ってるから?」
梨子「…!」
千歌「んー?なになにー?」
『リリーへ』
梨子「私宛ての、手紙…?」
千歌「…開けてみなよ、梨子ちゃん」
梨子「ダメっっ……!」
6人「!?」クルッ
千歌「どうして?」
梨子「私には…読む資格なんてない…」
曜「…梨子ちゃんが、〇したって思ってるから?」
梨子「…!」
187: 2019/07/15(月) 20:42:21.80 ID:BehPN6r/
梨子「だって…!あの時私が、善子ちゃんが学校に引き返すのを止めてたら…!」
曜「…この手紙は、梨子ちゃんしか読めない、梨子ちゃんしか読んじゃいけない手紙だよ」
梨子「私しか…?」
千歌「当たり前だよ。これは、善子ちゃんが梨子ちゃんの為に書いたんだよ」
梨子「善子ちゃんを〇したのは、私みたいなものなのに…?」
千歌「うん、いいの。いいんだよ、梨子ちゃん」
梨子「……わかった」
ペリ、ペリペリペリ…
曜「…この手紙は、梨子ちゃんしか読めない、梨子ちゃんしか読んじゃいけない手紙だよ」
梨子「私しか…?」
千歌「当たり前だよ。これは、善子ちゃんが梨子ちゃんの為に書いたんだよ」
梨子「善子ちゃんを〇したのは、私みたいなものなのに…?」
千歌「うん、いいの。いいんだよ、梨子ちゃん」
梨子「……わかった」
ペリ、ペリペリペリ…
188: 2019/07/15(月) 20:54:56.65 ID:BehPN6r/
カサカサ
ペラ…
梨子「……あ…」
梨子「あはは…字、滲んちゃってる。何でかな。これじゃ読めないね」
千歌「っ……」
梨子「ごめんね、取り乱しちゃった。再開しよ?」
6人「……」
千歌「梨子ちゃん!」
梨子「え?」
千歌「チカ、その手紙の内容…知ってるんだ─────」
ペラ…
梨子「……あ…」
梨子「あはは…字、滲んちゃってる。何でかな。これじゃ読めないね」
千歌「っ……」
梨子「ごめんね、取り乱しちゃった。再開しよ?」
6人「……」
千歌「梨子ちゃん!」
梨子「え?」
千歌「チカ、その手紙の内容…知ってるんだ─────」
189: 2019/07/15(月) 21:07:27.99 ID:BehPN6r/
ガラッ
千歌『はぁ…部室の鍵閉めるの忘れてたぁ…』
千歌『…あれ、善子ちゃん?』
善子『ち、千歌…!てゆーかヨハネよっ!』
千歌『よはねちゃん。四つん這いになってどうしたの?』
善子『わ、忘れ物よ…』
千歌『忘れ物?あの分厚い本とか?』
善子『違う!そんなのよりもっと、もっと大事なものよ…!』
千歌『はぁ…部室の鍵閉めるの忘れてたぁ…』
千歌『…あれ、善子ちゃん?』
善子『ち、千歌…!てゆーかヨハネよっ!』
千歌『よはねちゃん。四つん這いになってどうしたの?』
善子『わ、忘れ物よ…』
千歌『忘れ物?あの分厚い本とか?』
善子『違う!そんなのよりもっと、もっと大事なものよ…!』
190: 2019/07/15(月) 21:14:47.70 ID:BehPN6r/
千歌『大雨だから早く帰れって言われてるけど…そんなに大切なものなら一緒に探すよ?』
善子『えっ』
千歌『今日は旅館の手伝いお休みだから!全然大丈夫!』
善子『い、いいわよ。一人で探すから…///』
千歌『え~?!先輩後輩の関係はなしっ!遠慮しちゃダメっ!』
善子『あ、あまり人に見られたくないのよ…///』
千歌『……へ』
善子『えっ』
千歌『今日は旅館の手伝いお休みだから!全然大丈夫!』
善子『い、いいわよ。一人で探すから…///』
千歌『え~?!先輩後輩の関係はなしっ!遠慮しちゃダメっ!』
善子『あ、あまり人に見られたくないのよ…///』
千歌『……へ』
191: 2019/07/15(月) 21:21:26.35 ID:BehPN6r/
千歌『も~!チカは善子ちゃんの趣味、バカになんてしないってば!』
善子『い、いや、千歌、本当に黒魔術も儀式も関係な…』
千歌『こーなったら、善子ちゃんの私物っぽいもの見つけるからな~~!!』
善子『……』
千歌『でてこ~い、ぎしきのどうぐ~!!』キョロキョロ
カサ…
千歌『ん…?』パッ
善子『い、いや、千歌、本当に黒魔術も儀式も関係な…』
千歌『こーなったら、善子ちゃんの私物っぽいもの見つけるからな~~!!』
善子『……』
千歌『でてこ~い、ぎしきのどうぐ~!!』キョロキョロ
カサ…
千歌『ん…?』パッ
195: 2019/07/15(月) 23:47:43.41 ID:BehPN6r/
『リリーへ』
千歌『…善子ちゃん、忘れ物って、これ…?』クルッ
善子『あ…!』
千歌『えっへへ~梨子ちゃん宛て…?チカどんな内容か気になっちゃうな~』ニヤニヤ
善子『え、あ、ちょ、それは選ばれたリトルデーモンしか読むことができない物で…!』
千歌『♪~』ペリペリ
千歌『…善子ちゃん、忘れ物って、これ…?』クルッ
善子『あ…!』
千歌『えっへへ~梨子ちゃん宛て…?チカどんな内容か気になっちゃうな~』ニヤニヤ
善子『え、あ、ちょ、それは選ばれたリトルデーモンしか読むことができない物で…!』
千歌『♪~』ペリペリ
202: 2019/07/16(火) 20:54:31.88 ID:ubTymGUz
千歌『え……』ボーゼン
善子『も、もう!返しなさいよ!!///』パッ
千歌『…ご、ごめんね善子ちゃん…読んじゃった…』
善子『…もういいわよ別に』
ガラッ
曜『千歌ちゃーん!遅いから来ちゃったけど…って善子ちゃんもいる』
千歌『ごめんね曜ちゃーん』
曜『ん、善子ちゃんそれなに?』
善子『も、もう!返しなさいよ!!///』パッ
千歌『…ご、ごめんね善子ちゃん…読んじゃった…』
善子『…もういいわよ別に』
ガラッ
曜『千歌ちゃーん!遅いから来ちゃったけど…って善子ちゃんもいる』
千歌『ごめんね曜ちゃーん』
曜『ん、善子ちゃんそれなに?』
203: 2019/07/16(火) 21:09:10.52 ID:ubTymGUz
善子『えっ、あ、い、いや…///』
千歌『選ばれたリトルデーモンしか読めない手紙…つまり、上級リトルデーモン…』ボソッ
曜『…梨子ちゃん?』
善子『う、うるさいわね!悪い?!///』
曜『あはは。そっか~善子ちゃんファイト~』
善子『え、あ、あなたこの手紙に何が書いてあるか』
曜『コ・ク・ハ・ク♡…でしょ?』ニコッ
善子『うにゃああぁぁぁっっ!!!///』
千歌『選ばれたリトルデーモンしか読めない手紙…つまり、上級リトルデーモン…』ボソッ
曜『…梨子ちゃん?』
善子『う、うるさいわね!悪い?!///』
曜『あはは。そっか~善子ちゃんファイト~』
善子『え、あ、あなたこの手紙に何が書いてあるか』
曜『コ・ク・ハ・ク♡…でしょ?』ニコッ
善子『うにゃああぁぁぁっっ!!!///』
204: 2019/07/16(火) 21:22:00.13 ID:ubTymGUz
梨子「じゃあ、千歌ちゃんは…」
千歌「『リリーへ』」
梨子「…覚えてるの……?」
千歌「うん…」
千歌「……」スウッ…
千歌「────────────」
梨子「っ、ぁ……」ポロポロ
千歌「梨子ちゃん、これが善子ちゃんの気持ちだよ」ギュッ
梨子「え…それだけ…?」グスッ
千歌「うん…その手紙、書いて消した跡がたくさん残ってたんだ」
千歌「このたった一言が梨子ちゃんに一番伝えたかったことなんだと思う」
千歌「『リリーへ』」
梨子「…覚えてるの……?」
千歌「うん…」
千歌「……」スウッ…
千歌「────────────」
梨子「っ、ぁ……」ポロポロ
千歌「梨子ちゃん、これが善子ちゃんの気持ちだよ」ギュッ
梨子「え…それだけ…?」グスッ
千歌「うん…その手紙、書いて消した跡がたくさん残ってたんだ」
千歌「このたった一言が梨子ちゃんに一番伝えたかったことなんだと思う」
205: 2019/07/16(火) 21:30:39.04 ID:ubTymGUz
梨子「そっか……そう、だったんだ…」グスッ、グスッ
曜「…梨子ちゃん、今までよく頑張ったね」ナデナデ
梨子「っ、ぅ、うわぁぁあぁぁんんっっ……!!!」ポロポロ
梨子「(善子ちゃんへ)」
梨子「(私も同じ気持ちです)」
梨子「(私と出逢ってくれてありがとう)」
梨子「(こんな私を、好きになってくれてありがとう─────)」
曜「…梨子ちゃん、今までよく頑張ったね」ナデナデ
梨子「っ、ぅ、うわぁぁあぁぁんんっっ……!!!」ポロポロ
梨子「(善子ちゃんへ)」
梨子「(私も同じ気持ちです)」
梨子「(私と出逢ってくれてありがとう)」
梨子「(こんな私を、好きになってくれてありがとう─────)」
206: 2019/07/16(火) 23:12:52.58 ID:ubTymGUz
『沼津市に大雨特別警報が出されました。生徒の皆さんは速やかに下校して下さい。繰り返します───』
千歌『えぇ~?!今部活始めたばっかりなのにぃ~~』
ダイヤ『残念ですが今日はここまでと─────』
梨子『ちょっと善子ちゃん?!』
善子『クックック…これで準備は完璧ね…では、リトルデーモン…召喚っ!』
梨子『もう!こんな時くらいちゃんと放送聞きなさい!!』
善子『聞いてたわよ!閻魔大王がこの地に降りて────』
梨子『閻魔大王なんて来ないから!大雨警報!!』
果南『善子と梨子は相変わらずだねぇ』ニコニコ
千歌『えぇ~?!今部活始めたばっかりなのにぃ~~』
ダイヤ『残念ですが今日はここまでと─────』
梨子『ちょっと善子ちゃん?!』
善子『クックック…これで準備は完璧ね…では、リトルデーモン…召喚っ!』
梨子『もう!こんな時くらいちゃんと放送聞きなさい!!』
善子『聞いてたわよ!閻魔大王がこの地に降りて────』
梨子『閻魔大王なんて来ないから!大雨警報!!』
果南『善子と梨子は相変わらずだねぇ』ニコニコ
207: 2019/07/16(火) 23:25:37.23 ID:ubTymGUz
ルビィ『うゆ…ルビィ、傘持って来るの忘れちゃったよぅ…』
花丸『ルビィちゃん、マルの傘に一緒に入ろ』
千歌『うあー!チカも傘忘れたぁ!』
曜『じゃあ私の傘に入れてあげるよー』
鞠莉『ダイヤーダイヤー…』
ダイヤ『はぁ…仕方ありませんわねぇ…』
鞠莉『さっすがダイヤ♡マリーの言いたいことがわかるなんて♡』
果南『私も入れてもらおうかな』
ダイヤ『果南さんまで忘れたんですの?全く…あなた達は…』
梨子『……』
善子『……』
善子『傘、持ってる?』
梨子『う、うん…』
花丸『ルビィちゃん、マルの傘に一緒に入ろ』
千歌『うあー!チカも傘忘れたぁ!』
曜『じゃあ私の傘に入れてあげるよー』
鞠莉『ダイヤーダイヤー…』
ダイヤ『はぁ…仕方ありませんわねぇ…』
鞠莉『さっすがダイヤ♡マリーの言いたいことがわかるなんて♡』
果南『私も入れてもらおうかな』
ダイヤ『果南さんまで忘れたんですの?全く…あなた達は…』
梨子『……』
善子『……』
善子『傘、持ってる?』
梨子『う、うん…』
208: 2019/07/16(火) 23:33:50.45 ID:ubTymGUz
バッ
梨子『…はい』
善子『ありがと』
スタスタ…
善子『(リリー、怒らせちゃった…?)』
梨子『明日は休校みたいね…しばらく部活もないし、次に会えるのは一週間後くらいかな』
善子『え…そうなの?』
梨子『ほら話聞いてなかったじゃない』
善子『う…』
梨子『はぁ…』
善子『(余計怒らせてしまった…)』
梨子『…はい』
善子『ありがと』
スタスタ…
善子『(リリー、怒らせちゃった…?)』
梨子『明日は休校みたいね…しばらく部活もないし、次に会えるのは一週間後くらいかな』
善子『え…そうなの?』
梨子『ほら話聞いてなかったじゃない』
善子『う…』
梨子『はぁ…』
善子『(余計怒らせてしまった…)』
209: 2019/07/16(火) 23:40:01.04 ID:ubTymGUz
善子『(…会えるの…一週間後?それまでリリーと…ちゃんと仲直りできないの?)』
ピタッ
善子『り、リリー』
梨子『え?』
善子『あ、あの、さ』
梨子『もう…早く帰らなきゃいけないのに』
善子『こ、これ…』ガサゴソ
善子『(…あれっ?!)』
善子『あ、あの、学校戻る!』
梨子『はぁ?!』
善子『お願い、ここで待ってて!』ダッ
梨子『え、傘もささずに?!風邪引くわよ!』
パシャパシャパシャ…
梨子『……』
ピタッ
善子『り、リリー』
梨子『え?』
善子『あ、あの、さ』
梨子『もう…早く帰らなきゃいけないのに』
善子『こ、これ…』ガサゴソ
善子『(…あれっ?!)』
善子『あ、あの、学校戻る!』
梨子『はぁ?!』
善子『お願い、ここで待ってて!』ダッ
梨子『え、傘もささずに?!風邪引くわよ!』
パシャパシャパシャ…
梨子『……』
210: 2019/07/16(火) 23:43:19.76 ID:ubTymGUz
諸事情であまり書けませんでしたが、今日はここまでとさせて下さい…
明日こそ必ず完結です。
明日こそ必ず完結です。
218: 2019/07/17(水) 20:47:30.86 ID:XKfmsPts
ガラッ
善子『はぁっ、はぁ…』
善子『(きっとこの部室のどこかにあるはずよ…!)』
善子『……』ガサゴソ
善子『……』ガサゴソ
善子『(…え?!な、ない…?!)』
善子『(このまま見つからなかったら……)』
善子『こんな大事な時まで不幸だなんてぇ~~!!!』ウワーン
ガラッ
善子『はぁっ、はぁ…』
善子『(きっとこの部室のどこかにあるはずよ…!)』
善子『……』ガサゴソ
善子『……』ガサゴソ
善子『(…え?!な、ない…?!)』
善子『(このまま見つからなかったら……)』
善子『こんな大事な時まで不幸だなんてぇ~~!!!』ウワーン
ガラッ
219: 2019/07/17(水) 20:49:53.56 ID:XKfmsPts
千歌『はぁ…部室の鍵閉めるの忘れてたぁ…』
千歌『…あれ、善子ちゃん?』
善子『ち、千歌…!てゆーかヨハネよっ!』
千歌『よはねちゃん。四つん這いになってどうしたの?』
善子『(う、こ、ここで変な事言ったら…)』
善子『わ、忘れ物よ…』
千歌『忘れ物?あの分厚い本とか?』
善子『違う!そんなのよりもっと、もっと大事なものよ…!』
千歌『…あれ、善子ちゃん?』
善子『ち、千歌…!てゆーかヨハネよっ!』
千歌『よはねちゃん。四つん這いになってどうしたの?』
善子『(う、こ、ここで変な事言ったら…)』
善子『わ、忘れ物よ…』
千歌『忘れ物?あの分厚い本とか?』
善子『違う!そんなのよりもっと、もっと大事なものよ…!』
220: 2019/07/17(水) 20:53:53.56 ID:XKfmsPts
千歌『大雨だから早く帰れって言われてるけど…そんなに大切なものなら一緒に探すよ?』
善子『えっ』
善子『(いや…あんなラ、ラブレターなんて見られたら…絶対揶揄われる…)』
善子『(それに…告白したのにフラレたらあまりにも恥ずかしすぎるわ…!)』
千歌『今日は旅館の手伝いお休みだから!全然大丈夫!』
善子『い、いいわよ。一人で探すから…///』
千歌『え~?!先輩後輩の関係はなしっ!遠慮しちゃダメっ!』
善子『(こ、この…しつこいわね……)』
善子『あ、あまり人に見られたくないのよ…///』
千歌『……へ』
善子『えっ』
善子『(いや…あんなラ、ラブレターなんて見られたら…絶対揶揄われる…)』
善子『(それに…告白したのにフラレたらあまりにも恥ずかしすぎるわ…!)』
千歌『今日は旅館の手伝いお休みだから!全然大丈夫!』
善子『い、いいわよ。一人で探すから…///』
千歌『え~?!先輩後輩の関係はなしっ!遠慮しちゃダメっ!』
善子『(こ、この…しつこいわね……)』
善子『あ、あまり人に見られたくないのよ…///』
千歌『……へ』
221: 2019/07/17(水) 20:57:06.73 ID:XKfmsPts
千歌『も~!チカは善子ちゃんの趣味、バカになんてしないってば!』
善子『い、いや、千歌、本当に黒魔術も儀式も関係な…』
千歌『こーなったら、善子ちゃんの私物っぽいもの見つけるからな~~!!』
善子『(千歌が見つけたらどうすればいいのよ~~~!!!)』
千歌『でてこ~い、ぎしきのどうぐ~!!』キョロキョロ
善子『(こうなったら、何がなんでも私が先に見つけないと…!!)』ガサゴソ
千歌『ん…?』パッ
善子『…えっ』クルッ
善子『い、いや、千歌、本当に黒魔術も儀式も関係な…』
千歌『こーなったら、善子ちゃんの私物っぽいもの見つけるからな~~!!』
善子『(千歌が見つけたらどうすればいいのよ~~~!!!)』
千歌『でてこ~い、ぎしきのどうぐ~!!』キョロキョロ
善子『(こうなったら、何がなんでも私が先に見つけないと…!!)』ガサゴソ
千歌『ん…?』パッ
善子『…えっ』クルッ
222: 2019/07/17(水) 20:59:40.48 ID:XKfmsPts
千歌『…善子ちゃん、忘れ物って、これ…?』クルッ
善子『あ…!』
善子『(ま、まずい、先に見つけられたぁ…!)』
千歌『えっへへ~梨子ちゃん宛て…?チカどんな内容か気になっちゃうな~』ニヤニヤ
善子『え、あ、ちょ、それは選ばれたリトルデーモンしか読むことができない物で…!』
千歌『♪~』ペリペリ
善子『(あぁ、終わった……終わったわ…)』
善子『あ…!』
善子『(ま、まずい、先に見つけられたぁ…!)』
千歌『えっへへ~梨子ちゃん宛て…?チカどんな内容か気になっちゃうな~』ニヤニヤ
善子『え、あ、ちょ、それは選ばれたリトルデーモンしか読むことができない物で…!』
千歌『♪~』ペリペリ
善子『(あぁ、終わった……終わったわ…)』
223: 2019/07/17(水) 23:19:10.80 ID:XKfmsPts
千歌『え……』ボーゼン
善子『も、もう!返しなさいよ!!///』パッ
千歌『…ご、ごめんね善子ちゃん…読んじゃった…』
善子『…もういいわよ別に』
ガラッ
曜『千歌ちゃーん!遅いから来ちゃったけど…って善子ちゃんもいる』
善子『(げっ!よ、曜……)』
千歌『ごめんね曜ちゃーん』
曜『ん、善子ちゃんそれなに?』
善子『(ひぃっ…!!)』ギクゥッ
善子『も、もう!返しなさいよ!!///』パッ
千歌『…ご、ごめんね善子ちゃん…読んじゃった…』
善子『…もういいわよ別に』
ガラッ
曜『千歌ちゃーん!遅いから来ちゃったけど…って善子ちゃんもいる』
善子『(げっ!よ、曜……)』
千歌『ごめんね曜ちゃーん』
曜『ん、善子ちゃんそれなに?』
善子『(ひぃっ…!!)』ギクゥッ
224: 2019/07/17(水) 23:23:28.63 ID:XKfmsPts
善子『えっ、あ、い、いや…///』
千歌『選ばれたリトルデーモンしか読めない手紙…つまり、上級リトルデーモン…』ボソッ
曜『…梨子ちゃん?』
善子『(そ、即答?!)』
善子『う、うるさいわね!悪い?!///』
曜『あはは。そっか~善子ちゃんファイト~』
善子『え、あ、あなたこの手紙に何が書いてあるか』
曜『コ・ク・ハ・ク♡…でしょ?』ニコッ
善子『(なんで曜は全部わかってるわけ?!)』
善子『うにゃああぁぁぁっっ!!!///』
千歌『選ばれたリトルデーモンしか読めない手紙…つまり、上級リトルデーモン…』ボソッ
曜『…梨子ちゃん?』
善子『(そ、即答?!)』
善子『う、うるさいわね!悪い?!///』
曜『あはは。そっか~善子ちゃんファイト~』
善子『え、あ、あなたこの手紙に何が書いてあるか』
曜『コ・ク・ハ・ク♡…でしょ?』ニコッ
善子『(なんで曜は全部わかってるわけ?!)』
善子『うにゃああぁぁぁっっ!!!///』
225: 2019/07/17(水) 23:36:19.93 ID:XKfmsPts
曜『じゃあ帰ろっか』
千歌『うん、またね善子ちゃ──っていない?!』
~廊下~
タッタッタッ…
善子『はぁっはぁっ…』
花丸『あれ、善子ちゃん』
ルビィ『まだいたの?』
善子『ちょ、アンタ達早く帰りなさいよ!』
花丸『それは善子ちゃんにも言えることずら』
善子『うっ、そ、そうだけど…!』
花丸『マルは図書室の仕事がまだ残ってるずら』
ルビィ『だからルビィも手伝おうと思って』
千歌『うん、またね善子ちゃ──っていない?!』
~廊下~
タッタッタッ…
善子『はぁっはぁっ…』
花丸『あれ、善子ちゃん』
ルビィ『まだいたの?』
善子『ちょ、アンタ達早く帰りなさいよ!』
花丸『それは善子ちゃんにも言えることずら』
善子『うっ、そ、そうだけど…!』
花丸『マルは図書室の仕事がまだ残ってるずら』
ルビィ『だからルビィも手伝おうと思って』
226: 2019/07/17(水) 23:37:22.79 ID:XKfmsPts
善子『だったら私にも言いなさいよ。リリーも手伝ってくれたかもしれないのに…』
花丸『いやいや、仲睦まじいお二人さんの邪魔はできないずら』
ルビィ『うん。善子ちゃんと梨子ちゃん、すっごく仲良いもんね』
花丸『ま、けんかっぷるっぽいところもあるけどね』
善子『なっ…か、カップルじゃないわよ!』
花丸『いやいや、仲睦まじいお二人さんの邪魔はできないずら』
ルビィ『うん。善子ちゃんと梨子ちゃん、すっごく仲良いもんね』
花丸『ま、けんかっぷるっぽいところもあるけどね』
善子『なっ…か、カップルじゃないわよ!』
227: 2019/07/17(水) 23:43:25.98 ID:XKfmsPts
花丸『ふ~~ん…?』
ルビィ『そういえば梨子ちゃんは?』
善子『あ…私が忘れ物したから待っててって』
花丸『善子ちゃんなにしてるずら…彼女を待たせるなんて』
善子『う、うるさいわね!さっきから!カップルじゃないし彼女でもないわよ!』
善子『………い、今は…だけど///』
花丸『あーはいはいそうずらかー。とにかく梨子ちゃんのところ早く行くずら』グイグイ
善子『…うん、わかった。じゃあね!』
ルビィ『ばいばーい!』
ルビィ『そういえば梨子ちゃんは?』
善子『あ…私が忘れ物したから待っててって』
花丸『善子ちゃんなにしてるずら…彼女を待たせるなんて』
善子『う、うるさいわね!さっきから!カップルじゃないし彼女でもないわよ!』
善子『………い、今は…だけど///』
花丸『あーはいはいそうずらかー。とにかく梨子ちゃんのところ早く行くずら』グイグイ
善子『…うん、わかった。じゃあね!』
ルビィ『ばいばーい!』
228: 2019/07/17(水) 23:52:47.66 ID:XKfmsPts
~外~
パシャパシャパシャ…
善子『(雨強くなってきてる…)』
善子『(告白の日に大雨なんて…ツイてないわね…)』
善子『…さむっ…』ブルブル
善子『(寒いなんて言ってる場合じゃないわ…!)』
善子『(早く…早く、リリーがいる場所に…!)』
パシャパシャ…ズルッ
善子『へっ……』
パシャパシャパシャ…
善子『(雨強くなってきてる…)』
善子『(告白の日に大雨なんて…ツイてないわね…)』
善子『…さむっ…』ブルブル
善子『(寒いなんて言ってる場合じゃないわ…!)』
善子『(早く…早く、リリーがいる場所に…!)』
パシャパシャ…ズルッ
善子『へっ……』
229: 2019/07/17(水) 23:55:53.01 ID:XKfmsPts
ドッターン!!!
善子『ぅ…いった…い…』
善子『…!』
善子『(嘘、血が…)』
善子『(でも、こんなの私は慣れっ子よ…!)』
善子『こんな、くらいでっ…ぅっ…?!』グラッ
善子『(なんで…?!上手く立てな、)』
ボタッボタッ…
善子『(え…血って…頭…?!)』
善子『(打ち所が悪かったのね…)』
善子『(あぁ…意識がぼんやりしていく…)』
善子『(私は…告白する直前に死んでしまうの…?)』
善子『ぅ…いった…い…』
善子『…!』
善子『(嘘、血が…)』
善子『(でも、こんなの私は慣れっ子よ…!)』
善子『こんな、くらいでっ…ぅっ…?!』グラッ
善子『(なんで…?!上手く立てな、)』
ボタッボタッ…
善子『(え…血って…頭…?!)』
善子『(打ち所が悪かったのね…)』
善子『(あぁ…意識がぼんやりしていく…)』
善子『(私は…告白する直前に死んでしまうの…?)』
230: 2019/07/18(木) 00:02:50.34 ID:bPWt1X5f
パシャパシャパシャ…
善子『(あ…赤毛の……)』
梨子『善子ちゃん?!大丈夫?!』
善子『…っぐ…』
梨子『頭から出血…どうしよう、誰か…!!』
梨子『善子ちゃん!私の声、聞こえる?!』ユサユサ
善子『っ…り、りぃ……』
善子『(言葉が、出ない…)』
梨子『…!うん、私、梨子だよ!』
善子『(ダメ…このままじゃ逝けない…)』
善子『(言葉で伝えられないなら、せめて手紙を…!)』
善子『り、り……っの……ば………か、』
梨子『─────────え』
善子『(う…上手く、伝わらない…)』
善子『(バッグの、バッグの中…!バッグの中に、手紙が…!!)』
善子『ば……か………』
善子『(もうダメ…これ以上、意識を保てない…)』
善子『り、り………ば……………か』
善子『(まぁ、最期に看取ってもらえるのが好きな人ってだけで…少しは運がよかったのかしら─────)』
『リリーへ』
『好きです。わたしと、付き合って下さい。』
善子『(あ…赤毛の……)』
梨子『善子ちゃん?!大丈夫?!』
善子『…っぐ…』
梨子『頭から出血…どうしよう、誰か…!!』
梨子『善子ちゃん!私の声、聞こえる?!』ユサユサ
善子『っ…り、りぃ……』
善子『(言葉が、出ない…)』
梨子『…!うん、私、梨子だよ!』
善子『(ダメ…このままじゃ逝けない…)』
善子『(言葉で伝えられないなら、せめて手紙を…!)』
善子『り、り……っの……ば………か、』
梨子『─────────え』
善子『(う…上手く、伝わらない…)』
善子『(バッグの、バッグの中…!バッグの中に、手紙が…!!)』
善子『ば……か………』
善子『(もうダメ…これ以上、意識を保てない…)』
善子『り、り………ば……………か』
善子『(まぁ、最期に看取ってもらえるのが好きな人ってだけで…少しは運がよかったのかしら─────)』
『リリーへ』
『好きです。わたしと、付き合って下さい。』
237: 2019/07/18(木) 21:30:11.38 ID:bPWt1X5f
─────────────────────────────────────────────
ルビィ「善子ちゃん、善子ちゃん!」
ルビィ「お花、ルビィと花丸ちゃんと…今回はお姉ちゃんも!一緒に選んだんだ」
花丸「ダイヤさんの生け花、とっても素敵だからお願いしたんだよ」
鞠莉「ん~♡いい香りがするわ」
ダイヤ「ふふっ…お役に立てて何よりですわ」
果南「それにしてもお墓掃除…大変そうだねこれは」
曜「まずは水を汲むところからだね」
千歌「うっわぁ~…水道まで結構距離あるよぉ~…」
果南「ま、8人もいればすぐ終わるよ」
梨子「……」
千歌「梨子ちゃん、大丈夫?」
梨子「…うん。大丈夫よ」
ルビィ「善子ちゃん、善子ちゃん!」
ルビィ「お花、ルビィと花丸ちゃんと…今回はお姉ちゃんも!一緒に選んだんだ」
花丸「ダイヤさんの生け花、とっても素敵だからお願いしたんだよ」
鞠莉「ん~♡いい香りがするわ」
ダイヤ「ふふっ…お役に立てて何よりですわ」
果南「それにしてもお墓掃除…大変そうだねこれは」
曜「まずは水を汲むところからだね」
千歌「うっわぁ~…水道まで結構距離あるよぉ~…」
果南「ま、8人もいればすぐ終わるよ」
梨子「……」
千歌「梨子ちゃん、大丈夫?」
梨子「…うん。大丈夫よ」
238: 2019/07/18(木) 21:36:46.21 ID:bPWt1X5f
千歌「善子ちゃんに、話してあげて」コソッ
梨子「うん。ありがとう」
千歌「よーっし!それじゃあみんな!水汲みに行くぞー!」
タッタッタッ…
梨子「……」
梨子「…ごめんね、善子ちゃん。ラブライブの練習とかあって…なかなか来れなかったの」
梨子「…優勝、したんだよ。私達」
梨子「善子ちゃんのお陰でもあるの。あの時…PVの再生数があそこまでなかったら─────」
梨子「廃校は…しちゃったけどね」
梨子「うん。ありがとう」
千歌「よーっし!それじゃあみんな!水汲みに行くぞー!」
タッタッタッ…
梨子「……」
梨子「…ごめんね、善子ちゃん。ラブライブの練習とかあって…なかなか来れなかったの」
梨子「…優勝、したんだよ。私達」
梨子「善子ちゃんのお陰でもあるの。あの時…PVの再生数があそこまでなかったら─────」
梨子「廃校は…しちゃったけどね」
239: 2019/07/18(木) 21:43:05.45 ID:bPWt1X5f
梨子「きょ、今日は…お話があります」
梨子「お手紙、ちゃんと受け取ったよ。ありがとう」
梨子「字、滲んじゃってたけど千歌ちゃんが教えてくれたの」
梨子「あのね、善子ちゃん───────」
梨子「私も、好き。今でも」
梨子「二人で、いろんな所行きたかったね」
梨子「本当は、善子ちゃんと花火見たかった」
梨子「っ、今更よね、ごめんなさい」
梨子「お手紙、ちゃんと受け取ったよ。ありがとう」
梨子「字、滲んじゃってたけど千歌ちゃんが教えてくれたの」
梨子「あのね、善子ちゃん───────」
梨子「私も、好き。今でも」
梨子「二人で、いろんな所行きたかったね」
梨子「本当は、善子ちゃんと花火見たかった」
梨子「っ、今更よね、ごめんなさい」
240: 2019/07/18(木) 21:57:06.23 ID:bPWt1X5f
梨子「……ごめん、ごめんなさい、善子ちゃん…っ」ポロポロ
梨子「好きって、あなたが生きてる間に気付けなかった。言えなかった……」ポロポロ
梨子「馬鹿よね、私…先輩なのに…」グスッグスッ
ビュォォォォ…!
梨子「わっ…!風…?!」
『梨子』
梨子「…!」
『ありがとう』
ピラ…ピラ…
梨子「あ…」パッ
梨子「この、羽……」
タッタッタッ…
千歌「わーい!チカいっちばーん!」
曜「はぁっ…千歌ちゃん早いよー!」ヘロヘロ
千歌「…梨子ちゃん?」
梨子「好きって、あなたが生きてる間に気付けなかった。言えなかった……」ポロポロ
梨子「馬鹿よね、私…先輩なのに…」グスッグスッ
ビュォォォォ…!
梨子「わっ…!風…?!」
『梨子』
梨子「…!」
『ありがとう』
ピラ…ピラ…
梨子「あ…」パッ
梨子「この、羽……」
タッタッタッ…
千歌「わーい!チカいっちばーん!」
曜「はぁっ…千歌ちゃん早いよー!」ヘロヘロ
千歌「…梨子ちゃん?」
241: 2019/07/18(木) 22:09:22.26 ID:bPWt1X5f
梨子「……」ポロポロ
千歌「…気持ち、伝えられた?」
梨子「…うん…!」グシグシ
曜「…よかった。じゃーみんなより先に掃除始めるとしますかー!」
千歌「おー!」
ゴシゴシ…
梨子「……あ、あのね!」
ようちか「んー?」
梨子「お掃除が終わったら、聞いてほしいことがあるの」
千歌「なになに?どんな話ー?!」
梨子「───────善子ちゃんが、幽霊になって帰ってきた話」
おわり
千歌「…気持ち、伝えられた?」
梨子「…うん…!」グシグシ
曜「…よかった。じゃーみんなより先に掃除始めるとしますかー!」
千歌「おー!」
ゴシゴシ…
梨子「……あ、あのね!」
ようちか「んー?」
梨子「お掃除が終わったら、聞いてほしいことがあるの」
千歌「なになに?どんな話ー?!」
梨子「───────善子ちゃんが、幽霊になって帰ってきた話」
おわり
242: 2019/07/18(木) 22:09:47.23 ID:bPWt1X5f
これにて完結です。
モブ男や死ネタという地雷要素たっぷりな内容だったにも関わらず、最後まで読んで下さった方がいることにただただ感謝です。
数日間のお付き合い、本当にありがとうございました。
モブ男や死ネタという地雷要素たっぷりな内容だったにも関わらず、最後まで読んで下さった方がいることにただただ感謝です。
数日間のお付き合い、本当にありがとうございました。
246: 2019/07/18(木) 22:25:10.21 ID:MD++OdPZ
お疲れ様でした
とても素敵な作品でした
とても素敵な作品でした
245: 2019/07/18(木) 22:24:58.94 ID:/js59Fj4
乙~
スクフェス花嫁SRのセリフに、ヨハネとの絆は死ごときで断ち切れなどしないわって合ったけど
生まれ変わってもまた会えそう
スクフェス花嫁SRのセリフに、ヨハネとの絆は死ごときで断ち切れなどしないわって合ったけど
生まれ変わってもまた会えそう
247: 2019/07/18(木) 22:26:35.50 ID:b69pDHJm
良い作品をありがとう。
249: 2019/07/19(金) 06:01:05.71 ID:wWPRtnst
おつです
泣いちゃうわこんなん。良かったです
泣いちゃうわこんなん。良かったです
251: 2019/07/19(金) 21:37:47.82 ID:WZWFh5BZ
乙です、素晴らしかった
梨子ちゃんの恋の危なかっかしさとヨハネが成仏しちゃったところでどうなることかと思ったけど
最後には想いが届いて梨子ちゃんも前を向けて良かったよ….…
梨子ちゃんの恋の危なかっかしさとヨハネが成仏しちゃったところでどうなることかと思ったけど
最後には想いが届いて梨子ちゃんも前を向けて良かったよ….…
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1562900208/