4: 2021/05/04(火) 20:33:16.68 ID:veIuBxO0
〜生徒会室〜
菜々「こんにちは」
副会長「……あ、こんにちは会長」
菜々(副会長が生徒名簿を熱心に読んでます)
菜々「資料の私的利用は感心しませんね」
副会長「い、いやその、すみません」
菜々「読む分には構いませんが、個人情報ですので取扱いには注意して下さい」
副会長「それはわかってます。……会長、もしこの学校の生徒以外がこの学校の名で部活動をしていたらどうなるんですか?」
菜々「それは、生徒名簿に載っていない優木せつ菜さんのことですか?」
副会長「……はい」
菜々「こんにちは」
副会長「……あ、こんにちは会長」
菜々(副会長が生徒名簿を熱心に読んでます)
菜々「資料の私的利用は感心しませんね」
副会長「い、いやその、すみません」
菜々「読む分には構いませんが、個人情報ですので取扱いには注意して下さい」
副会長「それはわかってます。……会長、もしこの学校の生徒以外がこの学校の名で部活動をしていたらどうなるんですか?」
菜々「それは、生徒名簿に載っていない優木せつ菜さんのことですか?」
副会長「……はい」
6: 2021/05/04(火) 20:36:47.31 ID:veIuBxO0
菜々「学外の人間であれば活動中止要請を出しますね。それに応じない場合は出入り禁止の措置を取る事になります」
副会長「会長はせつ菜ちゃんの事知ってたって事ですよね! じゃあ一体」
菜々「彼女は紛れもなくこの学校の生徒ですよ。彼女の本名はその名簿に載っています」
副会長「!」
菜々「あの同好会とは色々ありましたので。せつ菜さんの事もあるので今まで話す事はしませんでしたが」
副会長「そうだったんですか。ありがとうございます」
菜々「私の方こそ、あなたに無用な心配をさせてしまいました」
副会長「そんなことありません! 会長のお陰でせつ菜ちゃんが活動出来ているんだからもう会長には頭が上がりませんよ!」
せつ菜(……私が生徒会長でなければ活動は難しかったでしょうね)
副会長「会長はせつ菜ちゃんの事知ってたって事ですよね! じゃあ一体」
菜々「彼女は紛れもなくこの学校の生徒ですよ。彼女の本名はその名簿に載っています」
副会長「!」
菜々「あの同好会とは色々ありましたので。せつ菜さんの事もあるので今まで話す事はしませんでしたが」
副会長「そうだったんですか。ありがとうございます」
菜々「私の方こそ、あなたに無用な心配をさせてしまいました」
副会長「そんなことありません! 会長のお陰でせつ菜ちゃんが活動出来ているんだからもう会長には頭が上がりませんよ!」
せつ菜(……私が生徒会長でなければ活動は難しかったでしょうね)
7: 2021/05/04(火) 20:39:52.81 ID:veIuBxO0
〜会議室〜 【SIF打ち合わせ】
副会長「それでは『優木せつ菜–ステージ案』の会議を始めます。司会は――」
せつ菜(なんでファンの集まりであなたが仕切ってるんですか! やりづらいですよ!)
ガヤガヤ
せつ菜(まあ、彼女が買って出なくても任されそうなものです。しっかりしてますし)
副会長「一旦案は出たので、せつ菜ちゃんの意見を聞きましょう」
せつ菜「私はもっとド派手に行きたいですね! サビで炎をドーンと!」
副会長「炎をドーン……?」
副会長「それでは『優木せつ菜–ステージ案』の会議を始めます。司会は――」
せつ菜(なんでファンの集まりであなたが仕切ってるんですか! やりづらいですよ!)
ガヤガヤ
せつ菜(まあ、彼女が買って出なくても任されそうなものです。しっかりしてますし)
副会長「一旦案は出たので、せつ菜ちゃんの意見を聞きましょう」
せつ菜「私はもっとド派手に行きたいですね! サビで炎をドーンと!」
副会長「炎をドーン……?」
10: 2021/05/04(火) 20:43:10.03 ID:veIuBxO0
せつ菜(やりづらさはあったけど、良いステージになりそうです!)
副会長「ちょっとお話いいですか?」
せつ菜(2人きり……いやまさか)
副会長「せつ菜ちゃんと会長がお知り合いだったと聞きました」
せつ菜「ええ、菜々さんは私の正体を知る数少ない人物ですね」
副会長「正直ちょっと意外でした。私もこの間までスクールアイドルをよく知らなかったのでわかりませんが、会長の趣味とか交友関係全然知らなくて」
せつ菜(学生生活の半分が存在しない菜々も割と謎が多い人物になってしまってますね)
せつ菜「菜々さんは特定の部活に肩入れしてる状態を後ろめたく思ってたのではないでしょうか」
せつ菜(肩入れどころか在籍してますけど)
副会長「ちょっとお話いいですか?」
せつ菜(2人きり……いやまさか)
副会長「せつ菜ちゃんと会長がお知り合いだったと聞きました」
せつ菜「ええ、菜々さんは私の正体を知る数少ない人物ですね」
副会長「正直ちょっと意外でした。私もこの間までスクールアイドルをよく知らなかったのでわかりませんが、会長の趣味とか交友関係全然知らなくて」
せつ菜(学生生活の半分が存在しない菜々も割と謎が多い人物になってしまってますね)
せつ菜「菜々さんは特定の部活に肩入れしてる状態を後ろめたく思ってたのではないでしょうか」
せつ菜(肩入れどころか在籍してますけど)
12: 2021/05/04(火) 20:46:16.84 ID:veIuBxO0
せつ菜「私としては、彼女は同好会の部員と仲が良いだけで悪い事は何も無いと思いますよ」
副会長「会長ってどんな人なんですか? 私全然知らなくて」
せつ菜「うーん、多分あなたが知らないようなことは私もほとんど知らないと思いますけど」
せつ菜(菜々についてかなり食いついてきますね。疑われてるのでしょうか?)
副会長「会長の交友関係とか」
せつ菜「私の知る限りでは同好会の人と話してるところ以外見てないですね」
せつ菜(あれ、なんか悲しくなってきた)
副会長「会長ってどんな人なんですか? 私全然知らなくて」
せつ菜「うーん、多分あなたが知らないようなことは私もほとんど知らないと思いますけど」
せつ菜(菜々についてかなり食いついてきますね。疑われてるのでしょうか?)
副会長「会長の交友関係とか」
せつ菜「私の知る限りでは同好会の人と話してるところ以外見てないですね」
せつ菜(あれ、なんか悲しくなってきた)
13: 2021/05/04(火) 20:49:24.69 ID:veIuBxO0
副会長「……じゃあせつ菜ちゃんしか」
せつ菜「?」
副会長「ファンなのにこんなこと話すの、おかしいと思うんですけど」
せつ菜「なんですか?」
副会長「私、好きな人がいるんです」
せつ菜「うぉぉぉ!!! 恋ですね!!」
せつ菜「?」
副会長「ファンなのにこんなこと話すの、おかしいと思うんですけど」
せつ菜「なんですか?」
副会長「私、好きな人がいるんです」
せつ菜「うぉぉぉ!!! 恋ですね!!」
18: 2021/05/04(火) 20:52:38.34 ID:veIuBxO0
副会長「とても優しくて、誠実で、素敵な方で……」
せつ菜(副会長の恋愛事情なんて初めて聞きました。そんな方が居るんですね)
副会長「仕事も出来てすごく綺麗で……」
せつ菜(仕事? 大人の方でしょうか?)
副会長「共通の知り合いが生徒会の人以外いなかったので今まで言えなかったんですけど、どうしても誰かに聞いて欲しくて」
せつ菜(ん? 生徒会に関わりがあってせつ菜の知り合い……)
副会長「私、生徒会長が、中川菜々さんが好きなんです!」
せつ菜「!?!?!?」
せつ菜(副会長の恋愛事情なんて初めて聞きました。そんな方が居るんですね)
副会長「仕事も出来てすごく綺麗で……」
せつ菜(仕事? 大人の方でしょうか?)
副会長「共通の知り合いが生徒会の人以外いなかったので今まで言えなかったんですけど、どうしても誰かに聞いて欲しくて」
せつ菜(ん? 生徒会に関わりがあってせつ菜の知り合い……)
副会長「私、生徒会長が、中川菜々さんが好きなんです!」
せつ菜「!?!?!?」
19: 2021/05/04(火) 20:55:43.73 ID:veIuBxO0
副会長「でもきっと会長は私なんかに気はなくて。そんなとき、せつ菜ちゃんに出会ったんです」
せつ菜(え、待ってください。告白された!? 私せつ菜ですよね!?)
副会長「せつ菜ちゃんは会長と全然似てもいないのに、不思議と会長を見ているような気持ちになって」
せつ菜(同一人物ですからね! あれ同一人物ですよね?)
副会長「諦めようと思ってた会長への気持ちを、せつ菜ちゃんの応援に全部ぶつけようって思ったんです」
せつ菜(ああもうパニックです! 何か言わないと! 私は優木せつ菜! こんなとき優木せつ菜ならなんて言う!?)
副会長「ファンになったきっかけが会長だったんですよね。ふふっ、なんか話したらスッキリしました!」
せつ菜「それは……」
せつ菜(せつ菜なら……!)
せつ菜(え、待ってください。告白された!? 私せつ菜ですよね!?)
副会長「せつ菜ちゃんは会長と全然似てもいないのに、不思議と会長を見ているような気持ちになって」
せつ菜(同一人物ですからね! あれ同一人物ですよね?)
副会長「諦めようと思ってた会長への気持ちを、せつ菜ちゃんの応援に全部ぶつけようって思ったんです」
せつ菜(ああもうパニックです! 何か言わないと! 私は優木せつ菜! こんなとき優木せつ菜ならなんて言う!?)
副会長「ファンになったきっかけが会長だったんですよね。ふふっ、なんか話したらスッキリしました!」
せつ菜「それは……」
せつ菜(せつ菜なら……!)
21: 2021/05/04(火) 20:58:53.51 ID:veIuBxO0
せつ菜「そんなの駄目です!」
副会長「え?」
せつ菜「大好きという気持ちは、別の何かへの大好きでは代わりになんてならないんです! 優木せつ菜が大好きですか!?」
副会長「は、はい!」
せつ菜「中川菜々さんが大好きですか!?」
副会長「いやでも会長は……」
せつ菜「大好きなんでしょう!? 大好きをそんな簡単に別の人に向けたら駄目です! 他の誰を大好きになったとしても! 菜々さんへの大好きは別です!」
副会長「!」
副会長「え?」
せつ菜「大好きという気持ちは、別の何かへの大好きでは代わりになんてならないんです! 優木せつ菜が大好きですか!?」
副会長「は、はい!」
せつ菜「中川菜々さんが大好きですか!?」
副会長「いやでも会長は……」
せつ菜「大好きなんでしょう!? 大好きをそんな簡単に別の人に向けたら駄目です! 他の誰を大好きになったとしても! 菜々さんへの大好きは別です!」
副会長「!」
22: 2021/05/04(火) 21:02:07.16 ID:veIuBxO0
せつ菜「上手くいくなんて無責任な事は言えませんが、その大好きはちゃんと菜々さんに伝えるべきです!」
副会長「それは……」
せつ菜「私へ大好きを伝えて、後悔しましたか?」
副会長「……わかりました。私は今も、会長のことが好きです。すぐには出来ないと思いますけど、この気持ちを無かったことにはしません」
せつ菜「その意気です!」
せつ菜(あれ、私今なんて言いましたっけ?)
副会長「それは……」
せつ菜「私へ大好きを伝えて、後悔しましたか?」
副会長「……わかりました。私は今も、会長のことが好きです。すぐには出来ないと思いますけど、この気持ちを無かったことにはしません」
せつ菜「その意気です!」
せつ菜(あれ、私今なんて言いましたっけ?)
25: 2021/05/04(火) 21:05:51.07 ID:veIuBxO0
~その後~
副会長「見てくださいこのSIFのリハ映像! ここすっごく可愛くないですか?」
菜々「え、ええ。いいんじゃないでしょうか」
副会長「あ! 今のところ私の案なんですよ! せつ菜ちゃん恥ずかしがってやめようって言ってたんですけど、絶対可愛いからやった方がいいってお願いしたんですよ!」
菜々「少し照れてるように見えますね……」
副会長「だから可愛いんですよ! あ~たまんない!!」
菜々「あまりせつ菜さんが嫌がることを強要しないでくださいね。彼女断るの苦手だと思うので」
副会長「見てくださいこのSIFのリハ映像! ここすっごく可愛くないですか?」
菜々「え、ええ。いいんじゃないでしょうか」
副会長「あ! 今のところ私の案なんですよ! せつ菜ちゃん恥ずかしがってやめようって言ってたんですけど、絶対可愛いからやった方がいいってお願いしたんですよ!」
菜々「少し照れてるように見えますね……」
副会長「だから可愛いんですよ! あ~たまんない!!」
菜々「あまりせつ菜さんが嫌がることを強要しないでくださいね。彼女断るの苦手だと思うので」
28: 2021/05/04(火) 21:09:01.94 ID:veIuBxO0
副会長「一緒にせつ菜ちゃんのリハ見たときの会長が本当素敵で!」
せつ菜「そ、そうですか!」
副会長「会長と一緒にせつ菜ちゃんのライブ観るのがこんなに幸せだなんて!」
せつ菜「いいですよね! だ、大好きな人と大好きなものを観るのは!」
副会長「可愛いって言うのちょっとためらうところとか! 会長と仕事以外のお話するの初めてで知らないところたくさん知っちゃいました!」
せつ菜「うおお! もっと聞かせてください!」
せつ菜「そ、そうですか!」
副会長「会長と一緒にせつ菜ちゃんのライブ観るのがこんなに幸せだなんて!」
せつ菜「いいですよね! だ、大好きな人と大好きなものを観るのは!」
副会長「可愛いって言うのちょっとためらうところとか! 会長と仕事以外のお話するの初めてで知らないところたくさん知っちゃいました!」
せつ菜「うおお! もっと聞かせてください!」
30: 2021/05/04(火) 21:12:10.88 ID:veIuBxO0
副会長「はぁ……せつ菜ちゃんかっこいいなぁ」
菜々「そうですか……」
副会長「会長はSIF当日どうするんですか?」
菜々「出来れば終日居たかったのですが、昼過ぎまで少しの時間しか居られそうもないです。ですので会場の事はあなたと髙咲侑さんに任せることになってしまいます」
副会長「昼過ぎまでですか……」
菜々「準備に関してもほとんどあなたに任せてしまって申しわ」
副会長「じゃあ12時半のせつ菜ちゃんのステージ一緒に観ましょう!」
菜々「ええっと……その時間は、え~……」
菜々「そうですか……」
副会長「会長はSIF当日どうするんですか?」
菜々「出来れば終日居たかったのですが、昼過ぎまで少しの時間しか居られそうもないです。ですので会場の事はあなたと髙咲侑さんに任せることになってしまいます」
副会長「昼過ぎまでですか……」
菜々「準備に関してもほとんどあなたに任せてしまって申しわ」
副会長「じゃあ12時半のせつ菜ちゃんのステージ一緒に観ましょう!」
菜々「ええっと……その時間は、え~……」
31: 2021/05/04(火) 21:15:21.35 ID:veIuBxO0
副会長「はじめて会長と二人きりでお昼ご飯を一緒に食べました!」
せつ菜「やりましたね!」
副会長「生徒会室で二人きりだったので、あのまま告白しようかなって思ったんですけど」
せつ菜「えっ」
副会長「すぐに人来たのでダメでした」
せつ菜「それは惜しかったですね! 菜々さんは最近忙しいみたいなのでチャンスを待ちましょう!」
せつ菜「やりましたね!」
副会長「生徒会室で二人きりだったので、あのまま告白しようかなって思ったんですけど」
せつ菜「えっ」
副会長「すぐに人来たのでダメでした」
せつ菜「それは惜しかったですね! 菜々さんは最近忙しいみたいなのでチャンスを待ちましょう!」
33: 2021/05/04(火) 21:18:48.07 ID:veIuBxO0
副会長「せつ菜ちゃんが――」
副会長「会長が――」
副会長「せつ菜ちゃんって――」
副会長「会長に――」
副会長「会長が――」
副会長「せつ菜ちゃんって――」
副会長「会長に――」
34: 2021/05/04(火) 21:21:55.24 ID:veIuBxO0
せつ菜「ああああああああ!!!!!!!!」
36: 2021/05/04(火) 21:25:01.44 ID:veIuBxO0
~部室~
せつ菜「つらいです……」
歩夢「せつ菜ちゃんどうしたの?」
かすみ「こんなに落ち込むせつ菜先輩を見るのは初めて……あの時以来ですね」
せつ菜「これが己を偽った者への罰だというのでしょか」
侑「大丈夫だよせつ菜ちゃん! 今は何かあっても私たちが力になるから」
せつ菜「侑さん……ありがとうございます。わかりました。これは私が起こした問題ですが、戒めとして皆さんにはお話しします」
せつ菜「つらいです……」
歩夢「せつ菜ちゃんどうしたの?」
かすみ「こんなに落ち込むせつ菜先輩を見るのは初めて……あの時以来ですね」
せつ菜「これが己を偽った者への罰だというのでしょか」
侑「大丈夫だよせつ菜ちゃん! 今は何かあっても私たちが力になるから」
せつ菜「侑さん……ありがとうございます。わかりました。これは私が起こした問題ですが、戒めとして皆さんにはお話しします」
37: 2021/05/04(火) 21:28:16.07 ID:veIuBxO0
侑「つまり、せつ菜ちゃんの姿で副会長が菜々ちゃんのことを好きだって聞いちゃった上に、振るつもりなのに告白した方がいいってアドバイスしちゃった。副会長からいつ告白されるのかに怯えながら、自分の恋バナを延々聞かされて気が狂いそうだと」
璃奈「それは……」
果林「最低ね」
エマ「果林ちゃん!」
愛「せっつーは何で告白した方がいいって言っちゃったの? 副会長は諦めようとしてたじゃん?」
せつ菜「せつ菜なら何て言うか考えてたらつい……」
しずく「せつ菜さんは役に入り込むタイプなんですね!」
かすみ「しず子いまそういうのいいから!」
璃奈「それは……」
果林「最低ね」
エマ「果林ちゃん!」
愛「せっつーは何で告白した方がいいって言っちゃったの? 副会長は諦めようとしてたじゃん?」
せつ菜「せつ菜なら何て言うか考えてたらつい……」
しずく「せつ菜さんは役に入り込むタイプなんですね!」
かすみ「しず子いまそういうのいいから!」
38: 2021/05/04(火) 21:31:35.81 ID:veIuBxO0
彼方「まあ、このまま告白されて振って終わればまだましだよねぇ。もし正体がばれたら」
せつ菜「副会長を深く傷つけることに……」
果林「彼方が言ってるのは周りの目のことでしょ。ファンの気持ちを弄んだスクールアイドルと思われても仕方ないわ」
せつ菜「あぁ、私はどうすれば!?」
エマ「早く本当のこと全部話すしかないんじゃないかな?」
璃奈「でもSIFは明日。もし今副会長を怒らせたら」
侑「うっ、それなら明後日以降だとありがたいなぁ……」
せつ菜「副会長を深く傷つけることに……」
果林「彼方が言ってるのは周りの目のことでしょ。ファンの気持ちを弄んだスクールアイドルと思われても仕方ないわ」
せつ菜「あぁ、私はどうすれば!?」
エマ「早く本当のこと全部話すしかないんじゃないかな?」
璃奈「でもSIFは明日。もし今副会長を怒らせたら」
侑「うっ、それなら明後日以降だとありがたいなぁ……」
39: 2021/05/04(火) 21:34:44.11 ID:veIuBxO0
歩夢「せつ菜ちゃんはどうしたいの?」
せつ菜「私は……副会長を傷つけたくはないです」
歩夢「それなら、うーん、時間が経ってからの方がいいのかな? 今本当のこと聞くのはショックが大きいと思う」
せつ菜「つまり、まずは告白されて断ると?」
しずく「そのあとほとぼりが冷めてからの方がいいかもしれませんね」
せつ菜「そんなに待つんですか……?」
果林「早く謝ってしまった方がいいというのは、謝る側の都合なのかもしれないわね」
せつ菜「私は……副会長を傷つけたくはないです」
歩夢「それなら、うーん、時間が経ってからの方がいいのかな? 今本当のこと聞くのはショックが大きいと思う」
せつ菜「つまり、まずは告白されて断ると?」
しずく「そのあとほとぼりが冷めてからの方がいいかもしれませんね」
せつ菜「そんなに待つんですか……?」
果林「早く謝ってしまった方がいいというのは、謝る側の都合なのかもしれないわね」
40: 2021/05/04(火) 21:37:53.77 ID:veIuBxO0
~SIF当日~
愛「次はこの衣装に着替えて……っと。今日何回着替えたっけ?」
璃奈「ライブと運営の手伝いを交互にやってると着替えないわけにはいかない」
せつ菜「私は皆さんの倍は着替えたと思います……」
愛「あ、せっつー。結局副会長はどうしたの?」
せつ菜「菜々の姿で仕事した後せつ菜でステージから菜々で副会長とかすみさんのステージを見てせつ菜でビラを配ってせつ菜で会場運営して……」
璃奈「それは大変そう」
せつ菜「菜々の姿で副会長に駅まで見送られてせつ菜で猛ダッシュで会場に戻りました」
愛「あはは! めっちゃ面白いのに同好会以外のみんなに話せないのかぁ」
せつ菜「やめてください! ……ん? 曇ってきました?」
愛「次はこの衣装に着替えて……っと。今日何回着替えたっけ?」
璃奈「ライブと運営の手伝いを交互にやってると着替えないわけにはいかない」
せつ菜「私は皆さんの倍は着替えたと思います……」
愛「あ、せっつー。結局副会長はどうしたの?」
せつ菜「菜々の姿で仕事した後せつ菜でステージから菜々で副会長とかすみさんのステージを見てせつ菜でビラを配ってせつ菜で会場運営して……」
璃奈「それは大変そう」
せつ菜「菜々の姿で副会長に駅まで見送られてせつ菜で猛ダッシュで会場に戻りました」
愛「あはは! めっちゃ面白いのに同好会以外のみんなに話せないのかぁ」
せつ菜「やめてください! ……ん? 曇ってきました?」
41: 2021/05/04(火) 21:41:01.64 ID:veIuBxO0
~夢ここ終了後、舞台裏~
せつ菜「何とか無事成功、といったところでしょうか」
せつ菜(副会長が動いてくれたおかげですね)
侑「みんな着替えた? よーし撤収だ!」
今日子「侑先輩! 大変です!」
侑「どうしたの?」
今日子「ここの会場の管理者の人がすごく怒ってるんです! 今副会長が対応してます!」
せつ菜「えっ!?」
侑「ここの管理者ってことは……先生だよね?」
せつ菜「何とか無事成功、といったところでしょうか」
せつ菜(副会長が動いてくれたおかげですね)
侑「みんな着替えた? よーし撤収だ!」
今日子「侑先輩! 大変です!」
侑「どうしたの?」
今日子「ここの会場の管理者の人がすごく怒ってるんです! 今副会長が対応してます!」
せつ菜「えっ!?」
侑「ここの管理者ってことは……先生だよね?」
42: 2021/05/04(火) 21:44:08.73 ID:veIuBxO0
副会長「申し訳ありませんでした!」
先生「夜間の使用時は大きな音が出ないようにと言ったはずです。奥の校舎まで音が届いていましたがどういうことですか!?」
せつ菜「まずいです……あの先生とのやり取りは殆ど私がやってたので副会長は知らないことが多い……」
かすみ「それならせつ菜先輩が!」
せつ菜「やり取りしていたのは、生徒会長としてです」
璃奈「今は、生徒会長はここにはいない……」
歩夢「私たちで時間を稼ぐから早く着替えて!」
せつ菜「都合が良すぎます。中川菜々さんは帰ったというのに、ちょうど必要とされるタイミングで、SIFが全部終わったこのタイミングで現れるなんて」
先生「夜間の使用時は大きな音が出ないようにと言ったはずです。奥の校舎まで音が届いていましたがどういうことですか!?」
せつ菜「まずいです……あの先生とのやり取りは殆ど私がやってたので副会長は知らないことが多い……」
かすみ「それならせつ菜先輩が!」
せつ菜「やり取りしていたのは、生徒会長としてです」
璃奈「今は、生徒会長はここにはいない……」
歩夢「私たちで時間を稼ぐから早く着替えて!」
せつ菜「都合が良すぎます。中川菜々さんは帰ったというのに、ちょうど必要とされるタイミングで、SIFが全部終わったこのタイミングで現れるなんて」
43: 2021/05/04(火) 21:47:16.43 ID:veIuBxO0
副会長「……ですのでここを夜間に使用する判断をしたのは私です。ですからこれに関しては全て私の責任です」
侑「すみませんこのイベントの責任者は私です! だから……」
先生「責任が誰にあるかではないです。今後スクールアイドル同好会にはここの会場は貸せませんよ」
副会長「そんな……」
侑「すみませんこのイベントの責任者は私です! だから……」
先生「責任が誰にあるかではないです。今後スクールアイドル同好会にはここの会場は貸せませんよ」
副会長「そんな……」
46: 2021/05/04(火) 21:50:24.53 ID:veIuBxO0
自分の失態で大好きなスクールアイドルに迷惑をかけ、憧れる生徒会長の顔に泥を塗る。
彼女は深く傷ついている。
彼女を傷つけないためと嘘をつき続けた結果がこれだ。
これが、己を偽った者への罰だというのですね。
彼女は深く傷ついている。
彼女を傷つけないためと嘘をつき続けた結果がこれだ。
これが、己を偽った者への罰だというのですね。
47: 2021/05/04(火) 21:53:37.56 ID:veIuBxO0
「先生、私から弁明させてください」
副会長「え?」
せつ菜「生徒会長の、中川菜々です」
副会長「え?」
せつ菜「生徒会長の、中川菜々です」
48: 2021/05/04(火) 21:57:12.31 ID:veIuBxO0
せつ菜「イベント中の夜間の騒音に関しては参加者全員が守れる保証はありませんでした。そのためすべての会場の周辺で事前に周知を行いその上で……」
中川菜々としてこの先生と会場使用の打ち合わせは何度もしてきた。
そして騒音の問題が起きかねないと踏んでいた私は手を打っていた。
それを先生や副会長とも共有しなかった私の失態ということで先生は納得してくれた。
先生との話し合いの最中、私は彼女の顔を一度も見ることが出来なかった。
中川菜々としてこの先生と会場使用の打ち合わせは何度もしてきた。
そして騒音の問題が起きかねないと踏んでいた私は手を打っていた。
それを先生や副会長とも共有しなかった私の失態ということで先生は納得してくれた。
先生との話し合いの最中、私は彼女の顔を一度も見ることが出来なかった。
49: 2021/05/04(火) 22:00:26.94 ID:veIuBxO0
副会長「せつ菜ちゃんが会長だったなんて……ふふっ、ファンになるのも当然ですね」
せつ菜「もうわかっているとは思いますが、あなたに謝らないといけないことがあります。あなたが中川菜々への想いをせつ菜に語ったあの時、私は恋を諦めるなと言いました。私はあなたの想いに応えられないというのに」
副会長「じゃあ……どうしてあんなこと」
せつ菜「すみません……菜々の都合であなたへの向き合い方を変えてはいけないと思ってしまい……」
副会長「そうじゃなくて!」
せつ菜「えっ」
副会長「さっきの事です! あそこで会長として名乗りでなければよかったのに! あとで先生と話をつければ同好会だって会場を借り続けられるのに!」
せつ菜「もうわかっているとは思いますが、あなたに謝らないといけないことがあります。あなたが中川菜々への想いをせつ菜に語ったあの時、私は恋を諦めるなと言いました。私はあなたの想いに応えられないというのに」
副会長「じゃあ……どうしてあんなこと」
せつ菜「すみません……菜々の都合であなたへの向き合い方を変えてはいけないと思ってしまい……」
副会長「そうじゃなくて!」
せつ菜「えっ」
副会長「さっきの事です! あそこで会長として名乗りでなければよかったのに! あとで先生と話をつければ同好会だって会場を借り続けられるのに!」
50: 2021/05/04(火) 22:03:55.26 ID:veIuBxO0
せつ菜「確かにそうしようとしました。でも出来なかったんですよ」
副会長「………………」
せつ菜「私がすぐに真実を伝えなかったのは、あなたを傷つけるのが嫌だから、そう思っていました。でも違ったんです。結局私が怖かっただけです。あなたに嫌われるのが」
副会長「……嫌われてもいいと思ったってことですか」
せつ菜「正直これであなたに嫌われたと思うと泣きだしたいくらいです。それでも、目の前で傷つくあなたを放ってはおけなかったんです」
副会長「……そうやって会長は、自分がどうなろうとお構いなしに人を助けようとする。猫一匹捕まえるのに泥だらけになって……、人に傘を貸して自分はずぶ濡れになって帰ろうとして、怒られたり嫌われたりする役目をいつも買って出て、自分が我慢して無理をすれば全部解決みたいな顔して!」
私の悪い癖です。
副会長「本当は傷ついてるはずなのに! それでも辛い顔一つ見せずに私に笑いかける……そんなあなたを好きになったんです……」
あなたは、私の悪いところも含めて好きになってくれたのですね。
副会長「………………」
せつ菜「私がすぐに真実を伝えなかったのは、あなたを傷つけるのが嫌だから、そう思っていました。でも違ったんです。結局私が怖かっただけです。あなたに嫌われるのが」
副会長「……嫌われてもいいと思ったってことですか」
せつ菜「正直これであなたに嫌われたと思うと泣きだしたいくらいです。それでも、目の前で傷つくあなたを放ってはおけなかったんです」
副会長「……そうやって会長は、自分がどうなろうとお構いなしに人を助けようとする。猫一匹捕まえるのに泥だらけになって……、人に傘を貸して自分はずぶ濡れになって帰ろうとして、怒られたり嫌われたりする役目をいつも買って出て、自分が我慢して無理をすれば全部解決みたいな顔して!」
私の悪い癖です。
副会長「本当は傷ついてるはずなのに! それでも辛い顔一つ見せずに私に笑いかける……そんなあなたを好きになったんです……」
あなたは、私の悪いところも含めて好きになってくれたのですね。
52: 2021/05/04(火) 22:07:16.92 ID:veIuBxO0
副会長「どうして私を助けたんですか……そんなことされたら、会長の事ますます好きになっちゃいますよ」
放っておけなかったから、と言おうとしてやめた。
副会長「私の想いに応えてくれないのに、会長はさらに好きにさせるなんて……あんまりじゃないですか……」
気付けばまた雨が降っていた。
副会長「会長、あなたの事が大好きです」
雨音にかき消されそうなほど弱弱しい告白。
副会長「……告白したら忘れられると思ったんですけど。もう一生忘れられませんよ」
ぽつり、ぽつりと雫が落ちる。
私が彼女にどれだけ酷いことをしてきたか、今やっと思い知らされた。
放っておけなかったから、と言おうとしてやめた。
副会長「私の想いに応えてくれないのに、会長はさらに好きにさせるなんて……あんまりじゃないですか……」
気付けばまた雨が降っていた。
副会長「会長、あなたの事が大好きです」
雨音にかき消されそうなほど弱弱しい告白。
副会長「……告白したら忘れられると思ったんですけど。もう一生忘れられませんよ」
ぽつり、ぽつりと雫が落ちる。
私が彼女にどれだけ酷いことをしてきたか、今やっと思い知らされた。
53: 2021/05/04(火) 22:10:44.03 ID:veIuBxO0
~数日後、部室~
せつ菜「そういえば私の正体はなんで広まってないんですかね?」
侑「果林さん達がその場にいたみんなにお願いしてくれたんだって」
エマ「箝口令って言うんだよね」
彼方「お! エマちゃん難しい日本語知ってるねぇ」
愛「帰り際だったし20人もいなかったよね?」
璃奈「みんな約束を守ってくれたんだ」
せつ菜「そうだったんですか。ありがとうございます!」
せつ菜「そういえば私の正体はなんで広まってないんですかね?」
侑「果林さん達がその場にいたみんなにお願いしてくれたんだって」
エマ「箝口令って言うんだよね」
彼方「お! エマちゃん難しい日本語知ってるねぇ」
愛「帰り際だったし20人もいなかったよね?」
璃奈「みんな約束を守ってくれたんだ」
せつ菜「そうだったんですか。ありがとうございます!」
54: 2021/05/04(火) 22:13:51.16 ID:veIuBxO0
果林「で、結局副会長とはどうなの?」
歩夢「なんか気まずくなってそう」
しずく「いえいえ! 劇的な愛の告白を受けたせつ菜さんは、付き合うことはないと思っていた副会長の顔が事あるごとに浮かぶようになってですね……」
かすみ「いやないからしず子」
副会長「失礼します」
せつ菜「副会長!? 何か緊急の案件ですか?」
副会長「いえ、生徒会はありませんよ。一緒にいたいので来ました」
侑「副会長吹っ切れたなぁ」
歩夢「全然諦めてないね」
副会長「せつ菜ちゃんに諦めるなと言われたので!」
せつ菜「そ、それは告白もせずに諦めるなという意味で」
歩夢「なんか気まずくなってそう」
しずく「いえいえ! 劇的な愛の告白を受けたせつ菜さんは、付き合うことはないと思っていた副会長の顔が事あるごとに浮かぶようになってですね……」
かすみ「いやないからしず子」
副会長「失礼します」
せつ菜「副会長!? 何か緊急の案件ですか?」
副会長「いえ、生徒会はありませんよ。一緒にいたいので来ました」
侑「副会長吹っ切れたなぁ」
歩夢「全然諦めてないね」
副会長「せつ菜ちゃんに諦めるなと言われたので!」
せつ菜「そ、それは告白もせずに諦めるなという意味で」
55: 2021/05/04(火) 22:17:15.60 ID:veIuBxO0
果林「断るならちゃんと断らないとだめよ」
副会長「好きです。大好きです」
せつ菜「だから……その、前にも言ったとおり……」
愛「せっつー顔真っ赤じゃん」
彼方「おや? もう落ちかけてるじゃないか」
かすみ「……しず子の言う通りかもね」
副会長「大好きを伝えることの素晴らしさは、せつ菜ちゃんから教わったんですから。覚悟してくださいね? 会長」
副会長「好きです。大好きです」
せつ菜「だから……その、前にも言ったとおり……」
愛「せっつー顔真っ赤じゃん」
彼方「おや? もう落ちかけてるじゃないか」
かすみ「……しず子の言う通りかもね」
副会長「大好きを伝えることの素晴らしさは、せつ菜ちゃんから教わったんですから。覚悟してくださいね? 会長」
56: 2021/05/04(火) 22:18:45.77 ID:veIuBxO0
おわり
>>1
代行ありがとうございました
>>1
代行ありがとうございました
57: 2021/05/04(火) 22:18:56.13 ID:HxlGAR62
副会長大好き
60: 2021/05/04(火) 22:20:22.30 ID:qMhh86+Z
乙です
せつ菜ちゃん可愛いな
せつ菜ちゃん可愛いな
61: 2021/05/04(火) 22:20:43.92 ID:Veo5fMsK
副菜は体にいい
62: 2021/05/04(火) 22:25:23.63 ID:eY90V7tY
乙
積極的な副会長も好き
副ちゃんも名前欲しいよなぁ
積極的な副会長も好き
副ちゃんも名前欲しいよなぁ
63: 2021/05/04(火) 22:27:17.92 ID:Zjtzj6Nw
副奈々流行らせ!
68: 2021/05/05(水) 00:05:01.38 ID:UmthNTGL
副菜はなんぼあってもいい
69: 2021/05/05(水) 00:58:17.06 ID:MpGYoIe5
素晴らしい
71: 2021/05/05(水) 01:55:56.92 ID:GsvaNKq2
こういう終わり方もいいな
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1620127868/