【SS】亜里沙「壁ドンって女の子がされたら嬉しいの？」

雪穂「まあ嬉しい人は嬉しいんじゃない？」

亜里沙「ありがとう雪穂！行ってくる！」

雪穂「ちょ…ど…どこ行くの！？」

亜里沙「海未さんの所だよ！」

雪穂「もしかして…」

亜里沙「海未さんにやってあげようと思ったんだけど…ダメかな…？」

雪穂「だ…ダメではないけど…」

亜里沙「じゃあ行ってくる！」

雪穂「ま…待って！亜里沙！」

亜里沙「どうしたの？」

雪穂「亜里沙は壁ドンって知ってるの？」

亜里沙「よく分かんないんだけど」

亜里沙「壁の近くでドンとした勢いで思いを伝える事でしょ？」

雪穂（確かに…間違ってはいないけど…）

亜里沙「海未さんにはいっぱい元気もらってるからありがとうございますって伝えたいし」

雪穂「な…なるほどね…」

雪穂（絶妙に勘違いしてる…）

雪穂「それなら普通に伝えればいいんじゃない？」

亜里沙「普通じゃダメ！」

雪穂「！」ﾋﾞｸｯ

亜里沙「海未さんに感謝の気持ちを伝えるには言葉だけじゃ足りないの！」

雪穂「そ…そう？」

雪穂（こういう時の亜里沙は頑固だから…聞かないよね）

雪穂「それより誰に教えてもらったの？」

亜里沙「お姉ちゃんだけど」

雪穂（上手くごまかして教えたって感じなのかな？真面目そうなお姉さんだし）

雪穂（なんとなく…亜里沙に本当の事を教えたくない理由は分かるけど…）

雪穂（それに、性別抜きにして亜里沙は壁ドンされる側というか）

雪穂（どちらかと言えば海未ちゃんや亜里沙のお姉さんの方が壁ドンする側…）

雪穂（って何考えてるの！？）

亜里沙「雪穂？」

雪穂「なななんでもないよ！」ｱｾｱｾ

雪穂（お姉ちゃんの漫画読みすぎたかな…）

雪穂（まあ、本当の意味知らないみたいだしいいか）

亜里沙「じゃあ、海未さんのところ行ってみるね」

雪穂「いってらっしゃい…」

雪穂（変なことにならなさそうだし…でも一応こっそり着いていこうかな…）

穂乃果「あれ？亜里沙ちゃん？」

亜里沙「穂乃果さん、おじゃましてます」

穂乃果「ゆっくりしていってね…って帰るところ？」

亜里沙「はい！」

亜里沙「これから海未さんに壁ドンしに行くところなんです！」

穂乃果「…ん？」

亜里沙「失礼します！」

穂乃果「…」ﾎﾟｶｰﾝ

穂乃果「ええっ！？亜里沙ちゃんが海未ちゃんに壁ドン！？」

穂乃果「なんでそんな事に…」

雪穂「お姉ちゃん、そこに立ってたら邪魔だよ」

穂乃果「ゆ…雪穂！あ…亜里沙ちゃんが海未ちゃんに…」

雪穂「ああ、聞いたんだ…」

穂乃果「なんでそんな冷静なの！？」

雪穂「後で話すよ」

穂乃果「それよりも」

雪穂「な…何？」

穂乃果「どうしてそんな面白そうなこと教えてくれないの！？」

雪穂「はあ…きっとお姉ちゃんが思ってるような事にはならないよ」

穂乃果「どうして？」

雪穂「亜里沙が壁ドンの意味を勘違いしてるから」

穂乃果「な～んだ」

雪穂「それでもちょっと心配だから見に行こうと思うんだけど…」

穂乃果「ふ～ん、穂乃果も行ってみよっと」

雪穂「お姉ちゃんも来るの！？」

穂乃果「うん！」

穂乃果「あ！亜里沙ちゃんいた！」ﾋｿﾋｿ

雪穂「まだ海未ちゃんは来てないみたいだけど…」ﾋｿﾋｿ

穂乃果「海未ちゃんって後輩の女の子に人気あるから羨ましいなぁ」

雪穂「大和撫子でまさしくお姉さまって感じだもんね」

雪穂「お姉ちゃんなんか程遠いじゃない」

穂乃果「ま…まあ海未ちゃんと比べたらね…」

雪穂「海未ちゃんと比べる以前の問題じゃ…」

穂乃果「ううっ…」

穂乃果「そ…そういえば」

穂乃果「この前なんてラブレター貰ってたんだよ」

雪穂「やっぱり女子高ってそういう事もあるんだ…」

穂乃果「穂乃果なんかもらった事ないのに…」

雪穂「欲しいの！？」

穂乃果「そ…そういうわけじゃないけど…」

穂乃果「海未ちゃんは年下に人気があっていいなって思っただけ！」

雪穂「ふ～ん」

穂乃果「な…なに…？」

雪穂「なんでもなーい」

雪穂「あっ、海未さん来たよ」

雪穂「亜里沙が海未ちゃんにありがとうって伝えるだけだから何もないと思うけど…」

穂乃果「じゃあ、そろそろ帰ろうか？」

雪穂「そうだね…あっ！？」

穂乃果「どうしたの…？あ～～～！！」

亜里沙（海未さんまだかな…）

海未「おはようございます、亜里沙」

海未「私に何か用でしょうか？」

亜里沙「ええっと…その…」

亜里沙「ここに立ってもらってもいいですか？」

海未「ここですか？」

亜里沙「大丈夫です！」

海未「それで、私はどうしたらいいのでしょうか？」

亜里沙「そのままでいてください」

海未「…？分かりました」

亜里沙（これで普段の感謝を伝えるだけ…）ﾄﾞｷﾄﾞｷ

亜里沙「あ…あの！」

亜里沙「きゃっ」

海未「あ…亜里沙！？」ﾄﾞﾝ

亜里沙（どどどどどどうしよう…つまずいて海未さんに体当たりしちゃった）

亜里沙（それに海未さんの顔に貼り手するところだったし…）

亜里沙（壁に着いた手…少し痛いよ…）

亜里沙（って海未さんの顔がこんなに近くに！？？？）

亜里沙「あああの…その…」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

海未「大丈夫ですか？亜里沙」

亜里沙「は…はい…その…すみません…」

海未「私は大丈夫ですので気にしないで構いませんよ」ﾆｺｯ

亜里沙（体当たりしちゃったのに…海未さん笑って許してくれて…優しい…）

海未「それよりもぶつけた手を見せてもらってもいいですか？」

亜里沙「えっ！？」

海未「強く壁にぶつけたみたいなので心配です」

亜里沙「わ…分かりました…」

海未「これは…少し腫れてますね」

海未「そこの水道で冷やした後、私の家で湿布を貼りましょうか」

亜里沙「そ…そこまでしてもらわなくても…」

海未「腫れは早めに対応しないと悪化するので構いませんよ」

海未「それに」

亜里沙「？」

海未「未来の大切な後輩がケガをして見過ごす事なんてできませんから」

亜里沙「…はい！」

亜里沙（海未さんはやっぱり優しくてかっこいいな…）

亜里沙（私もいつか海未さんみたいな大人になりたいです！）



おわり

おまけ


穂乃果「あ…あれ一応壁ドンだよね…」

雪穂「亜里沙…なんであそこでつまづいちゃうかな…」

穂乃果「海未ちゃんなんて一瞬驚いただけで後は冷静に優しく接してあげて…」

雪穂「さすが、後輩キラー…」

雪穂「お姉ちゃんも海未ちゃんを見習ったら後輩人気が出るんじゃない？」

穂乃果「穂乃果にできると思う？」

雪穂「無理でしょ」

穂乃果「…だよねぇ」ﾑｰ

雪穂「お姉ちゃんは変なこと考えないでお姉ちゃんのままでいいの！」

穂乃果「…雪穂」

穂乃果「えへへ…雪穂大好き！」ｷﾞｭｰ

雪穂「ちょ…やめて！」

穂乃果「は～い♪」

雪穂「全く…調子いいんだから…」

穂乃果「えっへん」

雪穂「でも」

穂乃果「？」

雪穂「生活態度はとかは海未ちゃんを見習ってほしいけどね」

穂乃果「そんなぁ～」


おわり

うみありはいいぞ

天然ジゴロ海未ちゃんさいこー