【SS】絵里「私の大切な妹と友達」

亜里沙「う～ん…」

絵里「どうしたの？何か悩んでる？」

亜里沙「…」

絵里「亜里沙？」

亜里沙「えっ！？ど…どうしたの！？」

絵里「何か悩んでる様子だったから声かけたんだけど」

亜里沙「う…ううん…何でもないよ」

絵里「そう…？」

亜里沙「じゃあ、そろそろ寝るね。おやすみ」

絵里「はい、おやすみなさい」

絵里「亜里沙…何に悩んでいるのかしら？」

絵里「昔はなんでもお姉ちゃんだったのに、ちょっと寂しいわね」ｸｽｯ

絵里「それだけ、亜里沙も成長したって事かしら」

絵里「もうこんな時間だし、私もそろそろ寝ないと」

絵里「おやすみなさい、亜里沙」

絵里「亜里沙、中々起きてこないわね…」

亜里沙「ふわぁ…おはよう…お姉ちゃん…」

絵里「あ…亜里沙！？その顔どうしたの！？」

亜里沙「顔…？」

絵里「目の下にクマが出来てるじゃない！…夜更かししてたの？」

亜里沙「うん…ちょっと考え事をしてて…」

絵里「朝ごはんもう少しでできるから、とりあえず顔洗ってきなさい」

亜里沙「うん…分かった…」

絵里「全く…」

絵里（寝付けないほどの悩み…さすがに心配になるわね…）

絵里（無理に聞き出すのも良くないし、どうしたものかしら…）

絵里「少しは目が覚めた？」

亜里沙「…うん」

絵里「悩むのもいいけど、寝不足には気を付けないとね」

亜里沙「ごめんなさい…」

亜里沙「あのね、お姉ちゃん」

絵里「どうしたの？」

亜里沙「…ううん」

亜里沙「今日のご飯も美味しいね」

絵里「そう？ありがとう」

亜里沙「そろそろ学校に行かないと…」

絵里「あら、もうこんな時間なのね」

絵里「それじゃあ行きましょうか」

亜里沙「うん」

絵里「はぁ…」

希「どしたん？溜息なんかついて」

絵里「ちょっとね。亜里沙の事で」

希「ケンカでもしちゃったん？」

絵里「そういう訳じゃないんだけど、眠れないぐらい何かに悩んでるみたいで」

希「そうなんか…心配やね」

絵里「今までは何でも相談してくれたんだけど、今回は話してくれなくて…」

絵里「姉から離れていくのもちょっと寂しいかなって考えてたりするの…」

希「ふふっ」

絵里「笑い事じゃないわよ…」

希「えりちはちゃーんとお姉さんできてるよ」

絵里「そうかしら…？」

希「ウチは一人っ子だから良く分からんけど」

希「妹ちゃんの事心配して悩んでるって事はえりちは立派なお姉さんだと思うんよ」

絵里「希…」

希「それに、今のえりちの気持ち良く分かるから」

絵里「…？」

希「ウチはえりちがずっとずっと悩んでいるの隣で見てたから分かるんよ」

絵里「希…」

希「μ’sに入る前のえりちはウチが何を言っても聞いてくれなかったやろ？」

絵里「昔の話よ…」

希「でも、最後には話してくれたやん？アイドルやりたいって」

絵里「…うん」

希「あはは、冗談やって」

絵里「もう…」

希「だから、今は優しく見守ってあげるのも大切だと思うん」

希「時が来たら、ちゃーんとお話を聞いてあげるってだけでいいんよ」

希「だから気長に待ってあげよ？」

絵里「そうね…」

希「だから、今は優しく見守ってあげるのも大切だと思うん」

希「時が来たら、ちゃーんとお話を聞いてあげるってだけでいいんよ」

希「だから気長に待ってあげよ？」

絵里「そうね…」

希「えりちにはウチがいるみたいに、亜里沙ちゃんにはえりちがついてるから」

希「それだけで充分や、きっと」

絵里「本当に迷惑をかけたわね…その…色々助けてもらったし…」

希「ううん。ウチはそんな事一回も思ったことないよ」

絵里「本当かしら…？」

希「だって、ウチら友達やん？」

希「目の前で友達が悩んで困っているのに、迷惑なんて感じないよ」

希「ウチは、ウチなりに大事な友達の為に出来る事をしただけ」

絵里「希…」

絵里「本当に、希には敵わないわ…」

希「そうやろ？」

絵里「ええ、友達でいてくれてありがとう…っていうのも変な話ね」

絵里「これからもよろしくって言う方が正しいかしら？」

希「ウチらはこの先もずっと友達や。カードに聞かなくてもわかるんよ」

希「だから、これからもよろしくね。えりち」

絵里（そうよね…悩んでいる時に隣に誰かいるって大切な事よね…）

絵里（きっと、私と同じで亜里沙にも不器用なところはあるから）

絵里（私は亜里沙の味方だって、ちゃんと教えてあげた方がいいのかも…）

絵里（昔の私は、希が当たり前にいてくれる事が大切な事だって気が付かなかったから…）

希「どうするか決まったみたいやね」

絵里「うん、ありがとう。希」

絵里「これが解決したら、一緒にご飯でも食べに行きましょうか」

希「そうやね。賑やかなのもいいけどたまには二人でっていうのもいいかもしれんね」

絵里「ええ。色々話したい事もあるの」

希「ウチもや」ｸｽｯ

希「楽しみにしてるからね。えーりち」

亜里沙「…ただいま」

絵里「ふふっ、おかえりなさい」

亜里沙「お姉ちゃん…？」

絵里「その様子だと、お悩みは解決してないみたいね」

亜里沙「うん…」

絵里「話しにくい事なら無理に話さなくていいの」

亜里沙「お姉ちゃん…」

絵里「でもね、これだけは覚えていてね」

絵里「私は、亜里沙の味方よ」

絵里「だから辛い時には隣にいてあげる事はできるわ」

亜里沙「うん…」

絵里「それに、亜里沙も日本に来て随分経つし、仲のいい友達も増えたでしょ？」

亜里沙「うん、みんな日本の事優しく教えてくれて…大好き」

絵里「友達も味方になってくれるわ」

亜里沙「そうかな…」

絵里「だって、友達ってそういうものなのよ」

絵里「私も、友達に沢山助けられてるから」

亜里沙「お姉ちゃんも…？」

絵里「ええ、本当にお世話になりっぱなしなの」ｸｽｯ

絵里「だから、本当に困った時は一人で抱え込まないでね」

絵里「亜里沙の事を心配してくれる人は沢山いるから」

亜里沙「うん…分かった…」

絵里「それだけ分かってくれればいいわ。それじゃあ晩御飯にしましょう？」

亜里沙「あ…あのね！お姉ちゃん！」

絵里「どうしたの？」

亜里沙「こ…これ…読んでみて…」

絵里「手紙…？もしかしてラブレターでも貰っちゃった？」

亜里沙「ううん…私が書いたの…」

絵里「亜里沙が…？読んでいいの？」

亜里沙「うん…」

絵里「海未宛って事はファンレターかしら？」

亜里沙「うん…」

絵里「どれどれ…いいじゃない。亜里沙の思いが伝わって良いと思うわ」

亜里沙「じゃあ、日本語の文章としてはどうかな…？」

絵里「そうね…色々間違えてるわ…漢字も文法も…」

亜里沙「やっぱり…」

絵里「亜里沙が頑張って書いたんだもの、亜里沙の思いはちゃんと伝わるわよ」

亜里沙「ううん。それじゃあ嫌なの」

亜里沙「私の思いをちゃんと海未さんに届けたいの…」

絵里「…亜里沙」

亜里沙「だから、毎日勉強してたんだけど…上手くいかなくて…」

絵里「それで、遅くまで…」

亜里沙「うん…心配かけてごめんなさい…」

絵里「そんな事無いわ、亜里沙」

亜里沙「…」

絵里「私が日本語教えてあげるから、海未に亜里沙の思い届けましょ？」

亜里沙「いいの？でも練習が忙しいんじゃ…」

絵里「大丈夫よ。今までも二人で日本の事勉強してきたじゃない」

絵里「それに、海未に渡す機会もちゃーんと作ってあげるわ」

亜里沙「本当！？でも、そこまでしてもらうのは…」

絵里「なーに言ってるの。亜里沙」

亜里沙「えっ…」

絵里「私は亜里沙の姉よ」

絵里「大切な妹が困っているなら助けてあげたくなるの」ｸｽｯ

亜里沙「えへへ…ありがとうお姉ちゃん…」

亜里沙「あのね、海未さんにいっぱい伝えたい事があるの」

絵里「その前にご飯食べましょう？」

絵里「その時に沢山聞いてあげるから」

亜里沙「うん！」

絵里（私が大切な妹に出来る事はこれぐらいしかないけど、きっとこれでいいのよね、希？）

亜里沙「お姉ちゃん、海未さんってね」

絵里「はいはい、ちゃんと聞いてるわ」ｸｽｯ


おわり

色々想像できる終わり方しやがって

ハラショー！

仲良し姉妹良いですな

10ﾊﾗｼｮｰ