【SS】穂乃果「金の理事長」

穂乃果「おじゃましまーすっ」

海未「お邪魔します」

ことり「ただいま～」



理事長「あらあら　いらっしゃい」ﾆｺｰ



理事長「３人がうちに集合なんて久しぶりね？」

ことり「たしかにそうかも」ｴﾍﾍ



穂乃果「でも、実家のような安心感っ♪」ﾄﾀﾀ

海未「落ち着きなさい！あなたは小学生ですかっ」

ことり「ふふふ」





理事長「お部屋に行く前にリビングでゆっくりしたら？お茶淹れるから」ﾆｺ

ことほのうみ「はーい」

ｶﾞﾁｬ


穂乃果「んー♪　見慣れた風景っ　　…んー？」

海未「なにやら見慣れないものが　なんですかコレ？」

ことり「えっ　さあ…　朝は無かったけど　　新しい家具かなぁ？」



理事長「皆、お茶とコーヒーと紅茶どれがいいかしら？」ｶﾞﾁｬﾘ

ことり「おかーさん」ｸﾙﾘ



ことり「これ、なあに？」

理事長「あっ…」

穂乃果「おっきいですね！何がはいってるんですか！？」ﾜｸﾜｸ

理事長「あ～…　それねぇ　　　…見たいかしら？」



穂乃果「見たいですっ！」ﾌﾝｽ

海未「ちょ、穂乃果…」

理事長「いや、全然いいのよ？　まあ…　少し恥ずかしいけれど」

ことり「？」





理事長「実物を見るのは私も初めてなのよね」ﾍﾞﾘﾍﾞﾘ…

穂乃果「こ、これは…！」

海未「う、まぶしいっ…！」

ことり「えぇ…」




ﾊﾟｧｱｱｱｱ！




理事長「そう…　　音ノ木坂学院理事長、1/1スケール胸像よ！　　　…純金製、らしいわ」



穂乃果「じゅっ、純金！？」ｶﾞﾋﾞｰﾝ！

海未「このサイズで、純金製…！？」ﾋｬｰ

ことり「おかあさん、実はけっこう自分大好きだったりする…？」ﾋｷ…

理事長「ち、違うわよ！？ことりはなにか誤解してるわ！」ｱｾｱｾ

穂乃果「へえー！　真姫ちゃんのお母さんが」


理事長「ええ　彼女が音ノ木坂が廃校を免れたことへのお祝いとして作ってくれたの」


海未（この…　なんというか）

ことり（露骨にTHE・成金趣味って感じの像…　西木野プレゼンツかぁ）



理事長「向こうは学校に第二の二宮金次郎像として置いてほしかったみたいだけど…　さすがに、ね」ｱﾊﾊ

海未「しかし、おふたりに繋がりがあったんですか…　驚きです」

理事長「腐れ縁、かしらね？　いきなり『あなたの像を作らせてるから♪』って連絡きたときは驚いたわ…」




ﾅﾃﾞ




理事長「でも…　あの人ちょっとズレてはいるけど、やっぱり嬉しくって　私のためにこんな…　その気持ちが、嬉しかった」ﾆｺ



理事長「だから、うちで飾ろうかな、ってね　　別にナルシストこじらせたわけじゃないのよ？」ﾌﾌ

ことり「そうだったんだ…」

理事長「まあ、そういうことよ　　さて、もう３人ともお茶でいいかしら？淹れてくるわね」


ｶﾞﾁｬｯ　　ﾊﾞﾀﾝ


穂乃果「…はー　昔のお友達からの贈り物かぁ　なんかいいねっ　素敵だねっ」

海未「真姫は知っていたのでしょうか？」

ことり「わたしは真姫ちゃんからそんな話聞いたこと…　ていうかおかあさん、わたしにも今まで教えてくれてなかったよ」





穂乃果「…っていうか、さ」ｼﾞｯ



穂乃果「これ、すごくない？めちゃくちゃよくできてるよね」

海未「はい…　まさに職人技といいますか　細部まで丁寧につくられているのがわかります」

ことり「ちょっと美人にしすぎてる気もするんだけど…」ﾎﾞｿｯ



ﾅﾃﾞﾘ

穂乃果「これが、金の手触り…」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

海未「ちょっ　人様の…！しかもとっても高価な代物ですよ！気安く触っては」

ことり「まあまあ　おかあさんそういうのはあんまり気にしないし大丈夫だよ　自分でもさっき触ってたし」

海未「そ、そうですか？」

穂乃果「海未ちゃんは神経質だなあ」ｱﾊﾊ

ｻﾜｻﾜ

穂乃果「ほら見て、このトサカもさ…！スッゴい再現率っ　ぷふっ」

海未「くふふっ　ほ、穂乃果っ　確かによくできていますけどっ…！」ｸﾞｯ

ことり「あ～！ふたりともひどいっ　南一族に代々つたわる髪型をばかにした～！」ﾌﾟﾝｽｺ


海未「南一族って…！　くふっ…！」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

ことり「も～！怒ったよ～！？　…ふふふっ」

穂乃果「あはははははっ」





ﾎﾟｷﾝｯ





穂乃果「……は、は？」


海未「えっ」

ことり「えっ」



とさかを失くしたゴールド理事長「」ﾆｯｺﾘ



穂乃果「え…」ﾁﾗ

金のとさか「」ｽﾝ…





ことほのうみ「あﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞっ！？！？！？」ｷﾞｬｰﾝ！

穂乃果「どどどどっ、どっ！？」ｱﾜｱﾜｱﾜ

海未「ほ、ほのほのほかかっ！？」ｱﾜｱﾜｱﾜ

ことり「じゅんき、じゅきんガッ」ｱﾜｱﾜｱﾜ



ｶﾞﾁｬ

理事長「おまたせ　お茶が入りましたよ」

穂乃果「ウワーーーーーーーーーーーーーーオ！？！？！？」ｽｭﾊﾞｧ

理事長「きゃあ！？」ﾋﾞｸｰﾝ




理事長「…どうしたの？穂乃果ちゃん」

穂乃果「りっ、理事長の像、寂しそうな顔してるから～！つい頭撫でてあげちゃってる感じですかね～！あは、あはあはあはは！」

理事長「？　私としては満面の笑みを浮かべているように見えるのだけど…」

理事長「ほら、そんなとこに立ってないで　ソファでゆっくり」

海未「おおおお茶はですね！私が飲ませるので穂乃果は立ってて結構ですよ！そのまま！そのままで！」ｶﾞﾀｧ

理事長「えええっ！？」



理事長「な、何言ってるの…？海未ちゃん」

海未「すみません～！穂乃果ったら人の家だと緊張しちゃって！まともにリラックスとかできないんですよ～！ね！穂乃果！」

穂乃果「そ、そぉなんですぅー！穂乃果ったら、シャイなんですっ♪だから私ここでお茶いただきますね！」hahaha

理事長「実家のような安心感はどこへ！？」ｶﾞｰﾝ



理事長「でもその体勢、すごく飲みにくそう…」

ことり「いやいやいやだいじょうぶだよ～！おかーさんは知らないと思うけど、今時の女子高校生的にはわりとスタンダードな飲み方だから！」

理事長「そうなの！？」ｺﾞｰﾝ





海未「さあ穂乃果、ぐいっと！」ｸﾞｲｰ

穂乃果「う、うぶぶ」


ﾋﾞｼｬﾋﾞｼｬﾋﾞｼｬﾋﾞｼｬ


理事長「私の像の方がたくさんお茶飲んでるように見えるわよ！？」

ｶﾗｯ

ことり「あ～！　ほのかちゃんの分もう無くなっちゃった！ほのかちゃんおかわりほしいよね！ね！」

穂乃果「うん！うんっ！おかわりほひいっ！（ﾌﾞﾊﾟ）　　っ　は、はやく持ってきてほしいなぁー！　　…ごほっ　けほ」


穂乃果（ハナからお茶でた…）ﾂｰﾝ


理事長「そ、そう？じゃあまたお茶を…」

穂乃果「いや！コーヒー！コーヒーが飲みたいです！」ﾊｲｯ

理事長「ええっ！？」

穂乃果「しっかり豆からドリップされたコーヒーが飲みたいなぁ～！」

理事長「でも時間かかっちゃう…」

海未「どうぞどうぞどうぞ！ゆっくりじっくり手間暇かけてこさえてきて下さいっ！」

理事長「そ、そこまでいうのなら…？」

理事長「じゃあできるまで、ゆっくり待っててちょうだいね」ｶﾞﾁｬ


ﾊﾞﾀﾝ


穂乃果「……」ﾁﾗ

海未「……」ﾁﾗ

ことり「……」ﾁﾗ





ことり「…そろそろ、くっついた？」

穂乃果「どうかな…　一旦離してみるね」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

海未「くっつくわけないでしょう！」ｽﾞﾋﾞｼ



穂乃果「っていうか、なにこれどういうこと！純金っていったじゃん！金ってこんな貧弱な鉱物だったの！？」

海未「なにを逆ギレしているのですか！純金は金箔と同じなのですからペリョッって崩れたりポリッと取れたりしますよ！食用にもなりますし！」

ことり「海未ちゃんも何言ってるかわかんないからおちついてっ！」




ﾊｧ　ﾊｧ　ﾊｧ…




穂乃果「…弁償？」

海未「できると思いますか？たかだか和菓子屋の娘風情が」

ことり「オーダーメイドの純金製だからね…」

ことり「なにより…」ｺﾞｸ




海未「『あの人ちょっとズレてはいるけど、やっぱり嬉しくって　私のためにこんな…　その気持ちが、嬉しかった』」

穂乃果「やめてええええええええええええええええええええええええ！！！！！！」ｷﾞｬｱｱｱｱｱ



ことり「彼女の込めたキモチ、プライスレス」ﾌ…

穂乃果「ひ、ひどいよふたりとも！これ以上穂乃果を追い込まないでよぉ！」ｳｴｴｰﾝ




海未「ひどい！？　そもそも！いったい誰のせいでこんなことになったと思っているのですかっ！」ｽﾞﾋﾞｼｰ

穂乃果「ううっ！」ｸﾞｻ

ことり「とりあえず、アロンアルファで応急処置を…！」ｺﾞｿｺﾞｿ

穂乃果「こ、こんなトサカ生やしてる人が悪い！」ﾀﾞｲｺﾝﾗﾝ

海未「この期に及んで他人のせいにするのですか！あなたは最低ですっ！」ｽﾊﾟｧﾝ！

穂乃果「へぶぅっ！」ﾊﾟｯ


ﾋｭｰﾝ…


穂乃果「あっ…」

海未「…え？」




ことり「ふたりとも～！とりあえずこれでくっつけて」ﾄﾃﾃ


ﾊﾟﾘｨﾝ…


ことり「…ん？」





元とさか「」ｺﾅｺﾞﾅｧ


ことり「」


ほのうみ（おっ、ひょおおおおおおおおおおおお……！？！？！？）ｻｧｰｯ

ことり「あの…　ふたり、とも…？　それは」ﾌﾟﾙ　ﾌﾟﾙ


海未「これ、は…　その…」ﾏｯｻｵ

穂乃果「ガラス細工かな？」ﾎﾞｳｾﾞﾝ



ことり「こ、これじゃ誤魔化すこともできないよぉ！」ﾜｰﾝ



海未「これは…　あっ、金箔です　いや、金粉？　ふふ、私はトサカを本来あるべき姿へと導いたのですね　すばらしいです、私　ナイス私」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ…

穂乃果「見苦しい！見苦しいよ海未ちゃん！」

海未「なっ！　　だ、だいたい穂乃果がしっかり握っていないのが悪いのです！」ﾜｰ

穂乃果「ああー！人のせいにする！さっき私をぶって説教かましたくせにー！」ｷﾞｬｰ

ことり「ちょっ　けんかしてる場合じゃ」



ｶﾞﾁｬ

理事長「ごめんなさい　探したけれどコーヒー豆が」

海未「みもーーーーーーーーーーーーーーーーーーッしゃあ！！！！！！」ﾜｯｼｬｱｱ

理事長「きゃああああ！？」ﾋﾞｸﾋﾞｸｰ！



理事長「う、海未ちゃん…？」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

海未「なんでもありません」ﾌｧｻ

理事長「そ、そうなの？何かを素早くかき集めたように見えたけど…　　金色の、粉みたいな」

海未「かき集めてませんし金とか知りませんよ千と千尋の観すぎじゃないですか」ｻｻｯ

理事長「あら…？　ことり、それは？」

ことり「ぎくぅっ！？」ﾄﾞｷｰﾝ



ことり「お、落ちてたの～　どこから迷い込んできたんだろこの接着剤♪　　　じゃあ、片してくるね～…」ｿｿｸｻ

理事長「接着剤…？　私は最近使ってないけれど」ﾊﾃﾅ



理事長「穂乃果ちゃん、代わりにまたお茶淹れてきたから…　はい、どうぞ」ｽｯ

穂乃果「えﾞっ　　ちょ、ちょっと私いま手が離せないですぅ～　金の理事長の頭を愛でるのに大忙し♪」ﾅﾃﾞｺﾅﾃﾞｺ

理事長「べ、別に無理してその私を愛でなくてもいいのよ？今でも充分しあわせそうな顔で笑ってるし」

ｸﾙｯ

理事長「えっと　じゃあ…　また海未ちゃんが飲ませてあげるのかしら」

海未「はひィっ！？」ﾋﾞｸｩｰ！



海未「こ、今回は…！　　私も、現在取り込み中と言いますかっ」ﾓｿﾞ

理事長「…？　もしかして、手がふさがってるの？どうして」ｽｽｽ

海未「！？　っそぉい！！！！！」ｼﾞｬﾎﾟｰ！

理事長「えええええええええ！？！？！？」ｺﾞｰﾝ



海未「ふさがってません両手フリーです！　ほら穂乃果！新しいお茶ですって！」ﾊﾞｯ

理事長「今…　お茶が金色に染まったような　異物混入…？」

海未「ハハハ気のせいですよぉ美味しそうなお茶です！さあ飲んで！飲んでください穂乃果ぁ！」ｸﾞｲｸﾞｲ

穂乃果「うぶぶぶうぶぅ」ﾋﾞｼｬﾋﾞｼｬﾋﾞｼｬ


海未（証拠隠滅にはこれしか手が無かったのです…！頑張って胃におさめてください！）ｸﾞｲｸﾞｲ

穂乃果（高級な味がする…　ような…）ｺﾞﾎﾞﾎﾞｯ

ゴールド理事長「」ﾋﾞﾁｬﾋﾞﾁｬﾋﾞﾁｬｱｰ



ことり「ヒエェ…」

理事長「あの像…　茶カテキンでものすごく脱臭されてそう」

ｺﾞｷｭ！ｺﾞｷｭ！


ことり「ぷはぁ！わたしもおかわりっ！」ｶﾞﾁｬﾝ

理事長「あら…　皆のど乾いてたのねぇ　　ことりは自分で淹れる？」

ことり「うっ、ううん！　わたし、おかーさんが淹れてくれた紅茶が飲みたいなぁ♡」ﾆﾊﾟｰ

理事長「こ、ことりっ///」ｷｭﾝ





理事長「ふふっ　じゃあ、待っててね♪」ｶﾞﾁｬ

ことり「じっくり丹念に淹れてね～…」


ﾊﾞﾀﾝ





ことり「……」ﾁﾗ


穂乃果「だいじょうぶかな…　穂乃果、金の食べ過ぎで死んだりしない？」ｻｽｻｽ

海未「消化されませんから安心してください　むしろ金箔を食べることで不老不死になれるという言い伝えもあるくらいです」

ｻﾞｯ


ことり「どうするの…？」

ほのうみ「ゴメンナサイ」ﾄﾞｹﾞｻﾞ



穂乃果「でもでもだって、庶民にはわからないよ…！　金があんなに繊細なシロモノだったなんて」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

海未「きっと金の延べ棒とやらも、チョコバーのようにすぐモギッと折れてしまうのでしょうね…」




ことり「怒ってるわけじゃないけど…　これじゃあ、頭部を隠し続けることしかできないよ」

海未「そう、ですよね…」

穂乃果「だからって、穂乃果がここに張り付きっぱなしでいるわけにはいかないよ！？」

ことり「そうだ　なにか代わりになるものは…」ｷｮﾛｷｮﾛ



ことり「あっ！これいい！これを使おう！」ﾊﾞｯ


ｼﾞｬｰﾝ！


穂乃果「……バナナ？」

海未「ギャグで言ってます？」

ことり「色も形も金のとさかと大差ないよ　これ乗っけとこっ　　ふぅ～、ぴったりなの見つかってヨカッタ～♪」ﾊｰﾚﾙﾔｰ！



海未（ことり…　一番冷静に見えてましたが、内心めちゃくちゃテンパっていますね）

穂乃果（ことりちゃん、鍋にチーズケーキぶち込んだ時とおんなじ目をしてる…）

海未「でも確かに、その場凌ぎにはなりそうですね…　大きさも同じくらいですし」

穂乃果「うん！パッと見なら違和感ないかも！」

ことり「えへへ　じゃあとりあえず今はコレで」ﾎﾟｽﾝ






ﾎﾞｷﾞﾝ






ことり「えっ」



ｺﾞﾄﾝｯ！　ｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛ…



穂乃果「」

海未「」



首のないゴールド理事長「」

首だけのゴールド理事長「」ｺﾞﾛﾝ



ことほのうみ（いや、なんでだああああああああああああああああああああああ！！！！！！！！！）ｽﾞｶﾞｧｱｱｱｱ

ことり「おかしいでしょおおおおおおおお！？」ｶﾞﾀｧ


穂乃果「ことりちゃん…　金を触るときは、やさしく丁寧に　だよ？（柔らかいまなざし）」

海未「これだから庶民は…　金細工の扱い方というものをまるで理解していない（呆れ顔）」

ことり「待ってこれことりが悪いのっ！？おかしいでしょ！！！バナナ置いただけなのに！！！！！！」




首だけのゴールド理事長「」ﾆｯｺﾘ


穂乃果「くっ、いい顔で笑いやがって」

海未「これは…　この大きさは　３人の胃袋を使っても、はたして処理しきれるかどうか…」ﾑﾑﾑ

ことり「なんで海未ちゃんは食べてどうにかしようとするの！？」

海未「しかしこのまま置いておくわけには」

穂乃果「とりあえずことりちゃんの部屋に隠そう！」

ことり「そ、そうだねっ　　　うわ、けっこう重…」ｽﾞｼ


ｶﾞﾁｬ

理事長「おまたせことり♪紅茶がはいりまし」

ことり「ぃよーーーーっこいしょーーーーーーーーーーー！！！！！！」ﾌﾞｵﾝｯ


ｶﾞｯｼｬｰﾝ！


理事長「窓がー！？」ｶﾞｰﾝ

ことり「どろぼう…　どろぼうが侵入ってきたの　いま窓から逃げたの」ｸｯ

理事長「なんですって！？」ｽﾞｺﾞｰﾝ


海未「危ないところでした…　私に武道の嗜みが無ければ、どうなっていたことか」ﾌｩ　ﾔﾚﾔﾚ

理事長「相手は武闘派だったのね…！」ﾋｴｴ



理事長「大丈夫？　はっ、金目のものが持ち出されちゃったりしたのかしら」ｵﾛｵﾛ

ことり「金目っ」ｷﾞｸｰﾝ



海未「いえ、金目の物というか金そのものが出て行ったといいますか」

ことり「しゃらっぷぁ！」ｽﾞﾎﾞｰ！

海未「バナナっ！？」ﾓｺﾞｫ

海未「ゲッホ！ぅおエ！」ｺﾞﾎｺﾞﾎ

理事長「穂乃果ちゃんは…　どうしたのその体勢？逆肩車みたいになってるけれど…」

穂乃果「い、いやあ私の母性が溢れ出して止まんなくなっちゃって！　全身で金りじの頭を包み込みたくなりまして～！」ﾃﾍﾍﾟﾛｰ！

理事長「金りじ…？」




ｺﾞｸ　ｺﾞｸｯ


海未「ウ、さっきの剥けてないバナナのせいでまだ喉がイガイガします…　すみません私もおかわりが欲しいです」ﾊｲ

理事長「お茶でいいのかしら？」

海未「あっ　せっかくなので一番淹れるのに時間かかるやつでお願いします」

理事長「欲しいの欲しくないのどっち！？」ｺﾞｰﾝ

ｶﾞﾁｬ　ﾊﾞﾀﾝ



穂乃果「……」ﾁﾗ

海未「…とりあえず、首を回収しましょう」

ことり「そうだね…」





元ゴールド理事長の頭部「」ｺﾅｺﾞﾅｧ…


ことほのうみ「……」





穂乃果「知ってたけどね（諦観）」

海未「なにに混ぜて飲みます？」

ことり「いいよもうそのままで　いい庭の肥料になるよきっと（適当）」

ことほのうみ（さーて…）ｸﾙｯ



首のないゴールド理事長「」ｽﾝｯ…



穂乃果「デュラハンかな？」

ことり「完全に一致だね」

海未「言ってる場合じゃないでしょう…」






海未「あの木端微塵になった金りじから頭部を復元するのは現実的に考えて不可能です　となると…」



穂乃果「いっそ、紙粘土とかで新しく作っちゃう…　とか」ﾋﾟｰﾝ

ことり「！　その手が～！」ﾊﾟﾁｰ

海未「はァ　なるほど　やってみましょうか（ヤケクソ）」

………………

…………

……



ことり「持ってきたよ～　小学校のころ使ってたやつの余り」

穂乃果「そーいえばことりちゃんの作品ってたしか入賞してなかったっけ？」

海未「今気付いたのですが　色はどうしましょう」


ｺﾞｿ


ことり「えのぐ【きんいろ】があるよ」

海未「……」

穂乃果「純金も金メッキもえのぐ【きんいろ】も素人から見たら全部いっしょだよ平気へーき」

穂乃果「とりあえず一番器用なことりちゃんから作ってみよう！」

ことり「う、うんっ」ｺﾈｺﾈ



・

・

・



ことり「できた…」ﾌｩ




不細工ババア首「」ｽﾝｯ


海未「ひどすぎますよ！クオリティ的な意味ではなく！」ｽﾞﾋﾞｼｨ！





ことり「だ、だって　身内を美形に作るのってなんか抵抗が…」

穂乃果「いやいやいや！客観的にみてもことりちゃんのおかあさん美人だから！コレはもはや別人だよ！」

海未「こんなんなら穂乃果のほうが、ことりよりはいいものを作れそうですね」

穂乃果「やってみるよ！」ｺﾈｺﾈ



・

・

・



穂乃果「できた」ﾑﾌｩ




キラキラおめめ理事長首「」ｵｿﾛｼｲｺ…！


ことり「ベルばらだよこれ！」ｺﾞｰﾝ





穂乃果「我ながら傑作だと思ったんだけど…」

海未「違和感がぬぐえなさすぎですよ…！頭部と胴体が完全に別世界の住人じゃないですか！キメラが生まれます！」

ことり「もう…　　海未ちゃんしか」

海未「く…」


海未（私に、できるでしょうか…？　いや、やらねばならない　やるのです園田海未）


海未「…わかりました　集中です…！　思い出せ、漫画も主観も除いた、完璧なる母親像を！　ありのままの複製を！」ｺﾈｺﾈ



・

・

・



海未「…できました」ﾌｰ…




園田母の首「」ｷﾘｯ


穂乃果「園田ァ！！！」ｸﾜｯ





園田「…はっ！？　極限の無想状態でコネていたら…　いつの間にか」ｶﾞｰﾝ

ことり「確かにすごいリアルで、職人技だとは思うけども！」

穂乃果「どうしよう…　これ」


ｽﾞﾗﾘ


ことり「どれも…　元の姿とはかけ離れてるね」

海未「駄目です　作りなおしま」



ｶﾞﾁｬﾘ

理事長「海未ちゃん　おまたせ…」

海未「新しい顔ですよ！」ﾌﾞﾝｯ！


穂乃果「証拠」ﾎﾞｺｵ

ことり「隠滅っ」ﾒｺｵ





理事長「…？　ことり、穂乃果ちゃん、今なにか叩き壊した…」

ことり「やだなぁ叩き壊すとか、おかーさん物騒！　紙粘土で遊んでただけだよ～♪」ﾓｰ　ﾔﾀﾞｰ

穂乃果「いやあよくできた作品だっ！　タイトルは『残骸』」ﾌｩ


理事長「海未ちゃんは、なにか投げた…？」

海未「いえ、バタコさんの真似をしていただけです」ｿｰﾚｯ

理事長「私の気のせいね　　これ海未ちゃんに、はいっ　　時間をかけて抹茶を点ててきたわよ」ｺﾄ

海未「どうも…」


穂乃果（さっきはよく確認しなかったけど…）ﾁﾗ

ことり（海未ちゃんはどのあたまを選んだの…？）ﾁﾗ






金の園田母像「」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ


ことほの（園田…）




理事長「美味しいかしら？」ﾆｺｯ

海未「えっ、えっと　美味しいはずなんですが　　　なんだか、複雑な味がします…」ｽﾞｷｽﾞｷ

海未（穂乃果！ことり！）ｱｲｺﾝﾀｸﾄ

穂乃果（海未ちゃん？）ｱｲｺﾝﾀｸﾄ

ことり（どうしたの？）ｱｲｺﾝﾀｸﾄ




海未（今更ですが私、良心の呵責が…　　私たちは、このまま真実を隠し続けていてもいいのでしょうか！？）

ことり（うっ）ｸﾞｻ

穂乃果（い、いまさらだね…　ほんとに）ｽﾞｷｰ


理事長「？」ﾆｺﾆｺ

ことり（でも…　確かに、正直に言うべきなのかも　　黙っていても、アレが元通りになるわけじゃないし）

海未（でしょう？　おばさまもいつかはアレが園田像になっていることに気付くはず　いっそバレる前に誠心誠意謝った方が…）

穂乃果（そっか…　そうだね　　うん　　罪を隠すため必死になって…　　私たち、心が汚れてたみたい　反省しなくちゃ）



ことり（ごめんなさい、しよう　　ちゃんと、おかーさんに）ｷﾘｯ

穂乃果（己の過ちを認めて…　　　像も、何年かかるかわからないけど　きちんと弁償しよう）ｸﾞｯ

海未（もちろんですよ　　頑張ってくださいね、穂乃果っ）ｺｸﾘ









穂乃果（……うん？）

海未（はい？）

ことり「おかーさん！あの」

理事長「なあに？こと」

穂乃果「すとぉーっぷ！ちょっと待ったぁ！」ｽﾊﾞｰ

海未「突然何なんです穂乃果　　騒がしい…」ﾌｩ


ｷﾞｯ


穂乃果（海未ちゃん海未ちゃん　さっきの頑張ってって、どういう意味かな？）ﾆｯｺｰ

海未（言葉通りです　　借金返済、ファイトだよ♪という意味ですが）

穂乃果（うん！頑張ろうね　　……いっしょにね？）





海未（は？）

穂乃果（はぁ！？）

海未（いやいやいや）

穂乃果（いやいやいや！？）



穂乃果（んん　海未ちゃん、どういうことかな？）ﾋﾟｸﾋﾟｸ

海未（も、もとはと言えば穂乃果のせいですし？　　園田家の財をもってしても、あれほどの純金は…　こほん）ﾌｲｯ

穂乃果「はああああああ！？」ｶﾞﾀﾝ



理事長「ほ、穂乃果ちゃん！？何事！？」

穂乃果「あっ」



穂乃果「す、すううううう～～～……！　はあああああ～～～～～っ　　し、深呼吸です　　　空気がおっ、おっいし～な～♪」ﾌﾝﾌﾌ～

理事長「ずいぶん気合の入った呼吸ね…　ロングブレスダイエットってやつかしら？」

穂乃果（ちょっと待ってよ！それはあんまりじゃない！？）ｷﾞｬﾝ

海未（自らの非を認めるのでしょう？）

穂乃果（認めるよ！穂乃果、認めるけども！海未ちゃんは認めるつもりないの！？）


海未（認めます　ですから誠心誠意謝ろうと）ｳﾑ

穂乃果（頭下げることだけが誠意じゃないんだよ！）ｸﾜｯ



海未（わ、私まで底なし返済地獄の沼に引き入れようとしているのですか穂乃果！？）ﾋｨ！

穂乃果（ヤな言い方しないでくれる！？）



海未（嫌ですー！終わらない返済、始めよっ♪なんて、シャレになりません！この事件の引き金を引いた責任を取りなさい穂乃果！）ｷﾞｬｰ

穂乃果（往生際悪いよ！だいたい、トサカにトドメ刺したのは海未ちゃんでしょー！）ｷﾞｬｰ






ことり（ま、まあまあ…　　けんかは、よそう？　ふたりなかよく折半で、ねっ♪）ﾁｭﾝﾁｭﾝ♪

ほのうみ（んん！？）ﾋﾟｼｨ


理事長「なにかしら…　　空気がピリピリしてる気がする　こわいわ…」

穂乃果（ことり、ちゃん…？）

ことり（海未ちゃん！ほのかちゃんひとりに押し付けちゃだめっ！友達でしょ！）ﾋﾟｼｯ


海未（ことり…　ことりも、私達の友達ですよね？）

ことり（うんっ♪もちろんだよ！　わたしたち、ともだち！）ﾆｺｰ




穂乃果（じゃあ…　さんにんで三等分だねっ！弁償、頑張ろうね！）ﾊﾟｧｱ







ことり（……今日のごはんは、なにかなあ）ﾌﾟｲｽ

ほのうみ（コラァ！どこ見てんだあああああああああああ！！！！！！）ｸｱｯ


理事長（なんだか私　い、居心地が悪い　ような…）ｷｮﾛ　ｷｮﾛ

ことり（だ、だってヘンだよ？おかーさんに借金なんて　　ことりはおかーさんの家族なんだもんっ）ﾌﾟｰｲ

海未（ふざけないでください！１番ダメにした金の体積がデカいのは誰だと思ってるのですか！）

穂乃果（あ　そういえば金って溶かせばまたくっつけたりできるんじゃないっけ）ﾊｯ



海未（それは、まぁ…　金属ですし）

穂乃果（だよね？　そう考えると、穂乃果は最初にトサカ折っただけ…　　罪は軽いんじゃ　いや、むしろ、ほぼ無罪なんじゃ）ﾋﾟｰﾝ！

ことり（なに言ってるのほのかちゃん！元とさかは誰の胃袋に収まったと思ってるの！？）ｶﾞｯ

穂乃果（詰め込んだのは海未ちゃんだもん！）

海未（なっ！そ、それを言うなら穂乃果が体外に出せば済む話です！消化されないのですから…　その…　お手洗いで）ﾒｿﾗｼ

穂乃果（う、海未ちゃん最ッ低ー！///）

ことり（『庭』‐ｸﾞﾗﾝﾄﾞﾗｲﾝ‐に散らばったありったけの秘宝…　かきあつめるべきかな（白目））

ｷﾞｽ　ｷﾞｽ


穂乃果「……！」ﾌｰ！

海未「……！」ﾑｰ！

ことり「……！」ｳｰ！



理事長「えっ…　園田、さん？」

海未「はいぃっ！？」ﾄﾞｷｨ

ことほの「！！！」ﾋﾞｸｰﾝ



海未（理事長もいたこと、忘れかけてました…）「な、なんでしょうか」ｸﾙｯ









ゴールド園田母「」ｺﾝﾆﾁﾜ

理事長「あっ、あらら…？　　めたもるふぉーぜ…？」


ことほのうみ「」

理事長「気のせい…？　でも、南の証であるトサカも無いし」


穂乃果「」


理事長「いや　よく見たら、継ぎ目が…（ｸﾞﾗｯ　ｺﾞﾄﾝ！）　ひぃ！もげた！？」ﾋﾞｸｰ


海未「」


理事長「っていうか、これ絵の具みたいな色ね…　　手触りも、小学生の工作というか…」ｻﾜ


ことり「」







首のないゴールド理事長「」ｽﾝｯ…







理事長「…デュラハン？」ﾎﾟｶｰﾝ


ことほのうみ「スイマセンでしたあああああああああああああああああああ！」ｺﾞｯｼｬｱ！

理事長「！？　　ど、どうしたの！？　いきなりそんな、頭蓋骨砕けそうな土下座かまして…！」ｵﾛｵﾛ



穂乃果「すみませんホントすみません！庶民が、物の価値もわからない小娘が金なんて触っちゃったものですから！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

海未「おばさまの、お友達からの大切な戴き物を…！理事長像の頭部を！私達が、壊してしまいました！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

ことり「それなのに…！正直に打ち明けるどころか、ウソついてニセモノつくって誤魔化そうなんて考えたりしちゃって！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

理事長「！」




ことり「これは…　紛れもなく、わたしたち生徒会のミス」


海未「しかし、無い袖は振れませんっ…」


穂乃果「私達、全力で償います（金銭面除く）！　　ですので、それで（金銭面での負担は）ご理解いただければと思います！」






ことほのうみ「どうか、どうかゆるしてくださいーっ！　おねがい、しますっ！！！」ｶﾞﾊﾞｧｰ

理事長「……」

理事長「あなたたち…」


海未「っ！　あ、そうです！私、靴舐めましょうか！大丈夫ですよ私やれます！」

穂乃果「ぅええっ！？　じゃ、じゃあ穂乃果はトサカ舐めますっ！へーきです私もやれます！」

ことり「肩たたき券一年分つくる！」





理事長「……」ｽｯ


ことほのうみ「っ」ﾋﾞｸ！





ｷﾞｭｯ…





ことほのうみ「！？！？！？」ﾄﾞｷ


理事長「大丈夫よ…　私は、怒っていないわ」ﾆｺｯ

理事長「形あるものは、いずれ壊れる…　遅かれ早かれ　　　例えそれが、どんなに高価なものであっても」


穂乃果「で、でも…　　あれは、お友達からの特別な…！」ｸﾞｯ




理事長「いいのよ…　気持ちはしっかり受け取ったのだから　　…それより、皆に怪我がなくて良かったわ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ


ことほのうみ「ぐ、ぐれーとまざぁ～～～……！！！」ﾌﾞﾜﾜｯ！





ｷﾞｭｯ！


理事長「当然でしょう？　ことりだけじゃない…　オトノキの生徒全員が、私の大切な愛娘…」ﾊﾟｧｱｱｱ！

穂乃果「おかあさぁーん！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

海未「母上様ぁ…！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

ことり「ママ～！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛﾎﾟﾛ



ﾊｯﾋﾟｰｴﾝﾄﾞﾈ!

　　



理事長「…ってことがあって　　その、本当にごめんなさい…」ｼｭﾝ

『ふふ　いいのよそんな理由付けて取り繕わなくても』

理事長「えっ」



『私はわかってるから！胸像じゃ満足できなかったのでしょう！？　実は、私も！　だからすでに1/1スケール全身像をオーダーしているわ！』

理事長「え？　……え、えええええええええええっ！？！？！？」ｺﾞｰﾝ



『完成したらすぐ送るよう手配しているから、楽しみに待っててちょうだいね♪』



ｶﾞﾁｬﾝ！　ﾂｰ　ﾂｰ…



理事長「えぇー…？」ﾎﾟｶｰﾝ

………………

…………

……


ゴールド理事長全身像「」ﾆｯｺﾘ

理事長「届いちゃった…　もう一人の私」



ﾌｩ

理事長「敵わないわね　　西木野さんには」ｸｽｯ



ﾁﾗ



理事長「にしても…　相変わらずというか　　あの人私をヘンに買い被ってるトコあるのよねぇ　　私、こんなに…　ぼんきゅぼーんじゃないし///」


ﾎﾞﾝ　ｷｭｯ　ﾎﾞｰﾝ♡


理事長「この細すぎるくびれとか　　私をナミかロビンと勘違いしてるんじゃ、なんて」ｻﾜ





ﾎﾟｷﾝ　　ｺﾞﾄﾝ！　





理事長「」

ゴールド理事長上半身「」ﾆｯｺﾘ

ゴールド理事長下半身「」ｽﾝ…



理事長「」










ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ！

西木野母「南さ～ん♪　エヘヘ、遊びに来ちゃった！　アナタの像を眺めながら、お茶しましょう♪」


理事長「」

おしまい


読んでくれたひとありがとうございますﾁｭﾝ
ことほのうみを書いてたはずなのに　ママライブ！になったちゅん…？

あーあ…
面白かったおつ

乙
面白かったぜ
ママライブ！もっと書いてもいいんだぜ