1: (もんじゃ) 2020/05/29(金) 12:15:56.70 ID:p/t1fM4e
6月。
梅雨の季節。
毎年この季節になると憂鬱になる。
…だって、空が雲で覆われてたら私の心まで暗雲に覆われてしまったように感じるじゃない。
梅雨の季節。
毎年この季節になると憂鬱になる。
…だって、空が雲で覆われてたら私の心まで暗雲に覆われてしまったように感じるじゃない。
2: (もんじゃ) 2020/05/29(金) 12:16:23.23 ID:p/t1fM4e
昔から、運は悪かった。
よくつまづいて転ぶし、懸賞や福引で一番下の賞以外当たったことないし…
それこそ大事な時には毎回のように雨が降る。
だからせめて、何も無い普通の日くらい曇りのない笑顔で笑って欲しかった。
それなのに6月の空は毎年嫌な事があったかのように涙を落とすの。
よくつまづいて転ぶし、懸賞や福引で一番下の賞以外当たったことないし…
それこそ大事な時には毎回のように雨が降る。
だからせめて、何も無い普通の日くらい曇りのない笑顔で笑って欲しかった。
それなのに6月の空は毎年嫌な事があったかのように涙を落とすの。
3: (もんじゃ) 2020/05/29(金) 12:16:43.14 ID:p/t1fM4e
善子「はぁ…やっぱりついてないわね……」
それは最近続く曇った空からポツポツと降り始める水滴。
丁度うっかり折りたたみの傘を忘れてきた日だった。
善子「これはやはりこのヨハネが堕天使からの祝福を受けている所為…仕方の無いことですね。」
お決まりのポーズを決める。
それは最近続く曇った空からポツポツと降り始める水滴。
丁度うっかり折りたたみの傘を忘れてきた日だった。
善子「これはやはりこのヨハネが堕天使からの祝福を受けている所為…仕方の無いことですね。」
お決まりのポーズを決める。
4: (もんじゃ) 2020/05/29(金) 12:17:17.29 ID:p/t1fM4e
いつからだったか。
自分は堕天の女神、そういう風に考え始めたのは。
キャラを作っていて痛い?中二病?
ならどうすればいいの?生まれ持ったこの運の悪さは神サマから嫌われてるんだって、絶望でもすればいいのかしら。
…おっと、このまま物思いに耽ってたら雨に濡れちゃうわね。
そう思って近くにあった本屋の入り口で雨宿りをする。
雨足は徐々に勢いを増し、私が帰るのを邪魔するばかり。
自分は堕天の女神、そういう風に考え始めたのは。
キャラを作っていて痛い?中二病?
ならどうすればいいの?生まれ持ったこの運の悪さは神サマから嫌われてるんだって、絶望でもすればいいのかしら。
…おっと、このまま物思いに耽ってたら雨に濡れちゃうわね。
そう思って近くにあった本屋の入り口で雨宿りをする。
雨足は徐々に勢いを増し、私が帰るのを邪魔するばかり。
5: (もんじゃ) 2020/05/29(金) 12:17:17.47 ID:p/t1fM4e
いつからだったか。
自分は堕天の女神、そういう風に考え始めたのは。
キャラを作っていて痛い?中二病?
ならどうすればいいの?生まれ持ったこの運の悪さは神サマから嫌われてるんだって、絶望でもすればいいのかしら。
…おっと、このまま物思いに耽ってたら雨に濡れちゃうわね。
そう思って近くにあった本屋の入り口で雨宿りをする。
雨足は徐々に勢いを増し、私が帰るのを邪魔するばかり。
自分は堕天の女神、そういう風に考え始めたのは。
キャラを作っていて痛い?中二病?
ならどうすればいいの?生まれ持ったこの運の悪さは神サマから嫌われてるんだって、絶望でもすればいいのかしら。
…おっと、このまま物思いに耽ってたら雨に濡れちゃうわね。
そう思って近くにあった本屋の入り口で雨宿りをする。
雨足は徐々に勢いを増し、私が帰るのを邪魔するばかり。
6: (もんじゃ) 2020/05/29(金) 12:19:12.33 ID:p/t1fM4e
「あ~、降ってきちゃってるじゃない。…全くついてないわねぇ…」
と、そこに本屋から出て来た人が。
彼女もきっと傘を持って来てなくて、本屋で読書をしていたら雨に降られてたのかしら。
と思って声のする方向を見てみると、
少し幼さの残るあどけない顔、眼鏡越しに分かる大きい瞳。
まっすぐで傷一つないツヤのある黒のロングヘア。
最近の流行を取り入れた落ち着いた雰囲気のコーディネート。
100人が見て100人が認める美女……美少女…?
可愛さと綺麗さを兼ね備えた美しさだった。
と、そこに本屋から出て来た人が。
彼女もきっと傘を持って来てなくて、本屋で読書をしていたら雨に降られてたのかしら。
と思って声のする方向を見てみると、
少し幼さの残るあどけない顔、眼鏡越しに分かる大きい瞳。
まっすぐで傷一つないツヤのある黒のロングヘア。
最近の流行を取り入れた落ち着いた雰囲気のコーディネート。
100人が見て100人が認める美女……美少女…?
可愛さと綺麗さを兼ね備えた美しさだった。
7: (もんじゃ) 2020/05/29(金) 12:19:53.20 ID:p/t1fM4e
私がその女の人に見蕩れていると、彼女の方から近づいてきた。
「ふふっ…。ねぇもしかして、アナタも傘がなくて困ってたんでしょ。」
善子「えっ…あ、はい。そうですけど…」
「やっぱりね!いかにもついてないなって顔、してたわよ。」
そんな顔、してただろうか?と思って自分のほっぺをグニグニと確認してみる。
「私ね、職業柄人の表情を見抜くの得意なの。…どう?どうせあなたも雨が上がるまで暇でしょ?よかったらそこの喫茶店で飲み物でも飲んでいかない?」
…むむむ、迷う。知らない人について行っちゃいけないなんてことは幼稚園児ですら知ってることよ。
ましてやこんな急だなんて…
でもなんだか私の直感がこの人は悪い人じゃない、それに美人だしって告げていた。
私の中のヨハネも美人には弱いのね。
「ふふっ…。ねぇもしかして、アナタも傘がなくて困ってたんでしょ。」
善子「えっ…あ、はい。そうですけど…」
「やっぱりね!いかにもついてないなって顔、してたわよ。」
そんな顔、してただろうか?と思って自分のほっぺをグニグニと確認してみる。
「私ね、職業柄人の表情を見抜くの得意なの。…どう?どうせあなたも雨が上がるまで暇でしょ?よかったらそこの喫茶店で飲み物でも飲んでいかない?」
…むむむ、迷う。知らない人について行っちゃいけないなんてことは幼稚園児ですら知ってることよ。
ましてやこんな急だなんて…
でもなんだか私の直感がこの人は悪い人じゃない、それに美人だしって告げていた。
私の中のヨハネも美人には弱いのね。
8: (もんじゃ) 2020/05/29(金) 12:20:36.29 ID:p/t1fM4e
喫茶店に入るとその人はブラックコーヒーを頼んで私に
「好きなものを頼みなさい。遠慮しなくてもいいわよ、私、それなりにお金あるから」
と言ってくれた。
厚意に甘えてレモンティーとケーキを2つ頼むと、
「おぉ…意外とホントに遠慮しないのね…。最近の子は肝が据わってるというか…ここまで着いてくるだけでも度胸いるだろうに。」
と、感心していた。
「好きなものを頼みなさい。遠慮しなくてもいいわよ、私、それなりにお金あるから」
と言ってくれた。
厚意に甘えてレモンティーとケーキを2つ頼むと、
「おぉ…意外とホントに遠慮しないのね…。最近の子は肝が据わってるというか…ここまで着いてくるだけでも度胸いるだろうに。」
と、感心していた。
9: (もんじゃ) 2020/05/29(金) 12:21:03.24 ID:p/t1fM4e
「コホン、初めまして、ね。私結構偶然って大事にしてるの。偶然が重なって奇跡が起きるってね。」
「アナタ、名前はなんて言うの?」
善子「……ヨハネ。」
するとぽかんとした顔で彼女は、
「え、ヨハネっていう名前なの?…これって最近流行りのキラキラネームってやつかしら。ご両親はどんな思いでその名前をつけたのよ…いやでも本人はこの名前気に入ってるかも知れないし…」
とブツブツうるさいので
善子「善子!…津島善子。」
とついつい言ってしまう。
「アナタ、名前はなんて言うの?」
善子「……ヨハネ。」
するとぽかんとした顔で彼女は、
「え、ヨハネっていう名前なの?…これって最近流行りのキラキラネームってやつかしら。ご両親はどんな思いでその名前をつけたのよ…いやでも本人はこの名前気に入ってるかも知れないし…」
とブツブツうるさいので
善子「善子!…津島善子。」
とついつい言ってしまう。
10: (もんじゃ) 2020/05/29(金) 12:21:28.20 ID:p/t1fM4e
「善子ね、分かったわ。よろしくね。」
すると、さっきまでヨハネという名前だと信じきっていた筈なのに急に善子って訂正しても全然驚いていない彼女。
私がそれを不思議に思っていると、
「だからさっき人の表情を見抜くの得意って言ったでしょ。嘘をついてるのなんてバレバレだっての。」
と、イタズラな笑顔を浮かべてそう言った。
すると、さっきまでヨハネという名前だと信じきっていた筈なのに急に善子って訂正しても全然驚いていない彼女。
私がそれを不思議に思っていると、
「だからさっき人の表情を見抜くの得意って言ったでしょ。嘘をついてるのなんてバレバレだっての。」
と、イタズラな笑顔を浮かべてそう言った。
11: (もんじゃ) 2020/05/29(金) 12:22:24.54 ID:p/t1fM4e
善子「私の事ばっか話してないで、そっちの事もきかせ…」
私が言葉を最後まで言い切る前に、頼んでいた品物が運ばれてきた。
彼女は頼んだブラックコーヒーを飲みながら、
「あ、私の名前?…うわ苦、カッコつけて頼んでみたはいいけどこれ飲めないわ…」
と一言。あ、この人割とダメな大人だ。と、思うのと同時に
にこ「__私の名前は矢澤にこ。よろしくね、善子」
彼女は掛けていた眼鏡を取ってそう名乗った。
私が言葉を最後まで言い切る前に、頼んでいた品物が運ばれてきた。
彼女は頼んだブラックコーヒーを飲みながら、
「あ、私の名前?…うわ苦、カッコつけて頼んでみたはいいけどこれ飲めないわ…」
と一言。あ、この人割とダメな大人だ。と、思うのと同時に
にこ「__私の名前は矢澤にこ。よろしくね、善子」
彼女は掛けていた眼鏡を取ってそう名乗った。
12: (もんじゃ) 2020/05/29(金) 12:22:59.77 ID:p/t1fM4e
矢澤にこって言ったら、元々アイドルに興味の無い私でも聞いた事がある名前だった。
気になって調べたことがある。
第2回ラブライブ優勝校の音ノ木坂学院所属のスクールアイドル、μ's。
そのメンバーとして個性溢れるキャラクターとその高いアイドルへの姿勢をもって活躍した彼女。
卒業後は大学に通いながらアイドルとして活動を続け、えーっと、彼女が卒業してから数えると……22歳?になった今ではテレビで見ない日は無いくらいに人気のアイドルだった。
気になって調べたことがある。
第2回ラブライブ優勝校の音ノ木坂学院所属のスクールアイドル、μ's。
そのメンバーとして個性溢れるキャラクターとその高いアイドルへの姿勢をもって活躍した彼女。
卒業後は大学に通いながらアイドルとして活動を続け、えーっと、彼女が卒業してから数えると……22歳?になった今ではテレビで見ない日は無いくらいに人気のアイドルだった。
13: (もんじゃ) 2020/05/29(金) 12:23:34.49 ID:p/t1fM4e
善子「え、本物……?」
にこ「ええ、本物よ。意外と眼鏡掛けて髪の毛下ろすだけで気づかれなくなるものよね。…そう考えるとあの頃の私の変装って……」
よく分からないけど勝手に落ち込み出す彼女。
…随分感情が豊かな人なんだろうな。
善子「なんでこんな所に?」
にこ「あぁ、ちょっと暇が出来たからね。観光みたいなものよ」
…観光?住んでる私が言うのもなんだけど、こんな所に来たってなんにも……。
にこ「ええ、本物よ。意外と眼鏡掛けて髪の毛下ろすだけで気づかれなくなるものよね。…そう考えるとあの頃の私の変装って……」
よく分からないけど勝手に落ち込み出す彼女。
…随分感情が豊かな人なんだろうな。
善子「なんでこんな所に?」
にこ「あぁ、ちょっと暇が出来たからね。観光みたいなものよ」
…観光?住んでる私が言うのもなんだけど、こんな所に来たってなんにも……。
14: (もんじゃ) 2020/05/29(金) 12:24:05.98 ID:p/t1fM4e
にこ「あ、ダメじゃない。…今こんな所観光するような場所も無いド田舎よ、って顔したわね」
善子「そこまでは思ってない!」
にこ「あら、そう?…でもね、ここは自然が沢山あってとてもいい所だと思うわよ」
そうかしら…私には東京の方がよっぽど魅力的に思える。
そんなことを考えていると、また表情を読まれたようで。
隣の芝は青く見えるってものよ、と彼女は渋い顔でコーヒーを啜りながらそう言った。
善子「そこまでは思ってない!」
にこ「あら、そう?…でもね、ここは自然が沢山あってとてもいい所だと思うわよ」
そうかしら…私には東京の方がよっぽど魅力的に思える。
そんなことを考えていると、また表情を読まれたようで。
隣の芝は青く見えるってものよ、と彼女は渋い顔でコーヒーを啜りながらそう言った。
16: (もんじゃ) 2020/05/29(金) 12:24:56.33 ID:p/t1fM4e
善子「じゃあ、ここには休暇の為に来たっていう事?」
にこ「まぁ、そうね。…違う目的もあるんだけど」
善子「違う目的……。」
なんだろう、と思案する。
これだけ有名な人がわざわざここに来る目的って……
一体何があるって言うんだろうか。
にこ「まぁ、そうね。…違う目的もあるんだけど」
善子「違う目的……。」
なんだろう、と思案する。
これだけ有名な人がわざわざここに来る目的って……
一体何があるって言うんだろうか。
17: (もんじゃ) 2020/05/29(金) 12:25:24.55 ID:p/t1fM4e
にこ「後輩にね、頑張れって…そう言いに来たのよ。」
善子「知り合いがいたのね。それなら納得かも」
にこ「ま、会えるかどうかは正直運みたいなものだったけど。…私、昔から運悪くてね」
善子「…私と同じだ。」
にこ「あら、貴女も?……でも今回は運が良かったみたい」
善子「?…それって……。」
善子「知り合いがいたのね。それなら納得かも」
にこ「ま、会えるかどうかは正直運みたいなものだったけど。…私、昔から運悪くてね」
善子「…私と同じだ。」
にこ「あら、貴女も?……でも今回は運が良かったみたい」
善子「?…それって……。」
18: (もんじゃ) 2020/05/29(金) 12:26:06.54 ID:p/t1fM4e
にこ「あ、みて。雨、上がったみたい」
彼女に促されて外を見てみると、しとしとと雨を降らせていた雨雲からは光が差し込んで、大きな虹が掛かっていた。
善子「…綺麗。」
にこ「そうね、綺麗な9色……。」
善子「虹色は7色じゃ……?」
にこ「いいえ、私の目にはいつだって…9色に見えてる。雨が上がると毎回顔を出すのよ」
…言ってる事はよく分からなかったけど、なんだか素敵な事を言っているような気もして。
善子「…うん。」
私はそう言って頷いた。
彼女に促されて外を見てみると、しとしとと雨を降らせていた雨雲からは光が差し込んで、大きな虹が掛かっていた。
善子「…綺麗。」
にこ「そうね、綺麗な9色……。」
善子「虹色は7色じゃ……?」
にこ「いいえ、私の目にはいつだって…9色に見えてる。雨が上がると毎回顔を出すのよ」
…言ってる事はよく分からなかったけど、なんだか素敵な事を言っているような気もして。
善子「…うん。」
私はそう言って頷いた。
20: (もんじゃ) 2020/05/29(金) 12:26:38.90 ID:p/t1fM4e
にこ「…よし。じゃあ、そろそろ帰らなきゃね」
善子「……そっか、そうよね。もう帰っちゃうのね…」
にこ「きっとまたいつか会えるわよ。知ってる?…奇跡ってね、意外と起こるものなのよ」
そんなものかな、と思った。
でも彼女が言うと、確かにそんな気がしてきてしまうから凄い。
にこ「今日はありがと、次に会う時は……そうね、まず目上の人を敬う事から始めましょうか?」
善子「あっ……。」
善子「……そっか、そうよね。もう帰っちゃうのね…」
にこ「きっとまたいつか会えるわよ。知ってる?…奇跡ってね、意外と起こるものなのよ」
そんなものかな、と思った。
でも彼女が言うと、確かにそんな気がしてきてしまうから凄い。
にこ「今日はありがと、次に会う時は……そうね、まず目上の人を敬う事から始めましょうか?」
善子「あっ……。」
21: (もんじゃ) 2020/05/29(金) 12:27:19.76 ID:p/t1fM4e
彼女にイタズラっぽい笑顔を向けられるまでは、自分でも気がつかなかった。
…私よりも7つも歳上のはずの彼女に、私は自然とタメ口で話をしてしまっていた事に。
それは彼女の持つ少し隙のある……小悪魔、とでも言えばいいんだろうか…そんな雰囲気にあてられたせいなのかしら。
にこ「ま、それは次会う時までの宿題にしときましょ。…またね、善子」
善子「……ええ、また。」
…私よりも7つも歳上のはずの彼女に、私は自然とタメ口で話をしてしまっていた事に。
それは彼女の持つ少し隙のある……小悪魔、とでも言えばいいんだろうか…そんな雰囲気にあてられたせいなのかしら。
にこ「ま、それは次会う時までの宿題にしときましょ。…またね、善子」
善子「……ええ、また。」
22: (もんじゃ) 2020/05/29(金) 12:28:49.06 ID:p/t1fM4e
そう言って逆の方向へ歩き出す私達。
少し歩みを進めた所で、善子!と私を呼ぶ声に振り返る。
にこ「…頑張りなさいよ。色んな苦難もあるだろうし、理不尽な事が起こるかもしれない。」
にこ「それでも、仲間を……自分自身を信じて頑張りなさい。自分を貫く事で、きっと道が拓けるって…私はそう信じてるから」
言いたい事だけ言ってまたくるりと踵を返す彼女。
……確か、後輩に会いに来たって言ってたっけ。
善子「……まさかね。」
そうして私は一生に1度あるかないかというような貴重な経験をする事が出来た。
…神サマにしてはいい仕事するじゃない、そう思った。
少し歩みを進めた所で、善子!と私を呼ぶ声に振り返る。
にこ「…頑張りなさいよ。色んな苦難もあるだろうし、理不尽な事が起こるかもしれない。」
にこ「それでも、仲間を……自分自身を信じて頑張りなさい。自分を貫く事で、きっと道が拓けるって…私はそう信じてるから」
言いたい事だけ言ってまたくるりと踵を返す彼女。
……確か、後輩に会いに来たって言ってたっけ。
善子「……まさかね。」
そうして私は一生に1度あるかないかというような貴重な経験をする事が出来た。
…神サマにしてはいい仕事するじゃない、そう思った。
23: (もんじゃ) 2020/05/29(金) 12:29:46.47 ID:p/t1fM4e
…………
……
それから、彼女の言うように色々な事があって。
大変だった事も沢山あったし、色々な辛い事が私たちを襲った。
そんな中でも、仲間を信じて…自分を、ヨハネとしてのキャラクターを信じて精一杯やってきて。
目標だった、ラブライブでの優勝。
あの時に出会った彼女が数年前に成し遂げた道に、ようやく辿り着くことが出来て。
優勝してからは、廃校が決まった学校のスクールアイドルとして少し注目されて、色々なインタビューを受けた。
……
それから、彼女の言うように色々な事があって。
大変だった事も沢山あったし、色々な辛い事が私たちを襲った。
そんな中でも、仲間を信じて…自分を、ヨハネとしてのキャラクターを信じて精一杯やってきて。
目標だった、ラブライブでの優勝。
あの時に出会った彼女が数年前に成し遂げた道に、ようやく辿り着くことが出来て。
優勝してからは、廃校が決まった学校のスクールアイドルとして少し注目されて、色々なインタビューを受けた。
24: (もんじゃ) 2020/05/29(金) 12:30:56.65 ID:p/t1fM4e
『___座右の銘はありますか?』
そうね、偶然が重なって奇跡が起きる。かしら。
『___貴女が大切にしている事は?』
自分を貫く事、ね。
『___最後に、憧れの人っていますか?』
……雨の日に、飲めもしないブラックコーヒーを飲んでいた人。
そうね、偶然が重なって奇跡が起きる。かしら。
『___貴女が大切にしている事は?』
自分を貫く事、ね。
『___最後に、憧れの人っていますか?』
……雨の日に、飲めもしないブラックコーヒーを飲んでいた人。
25: (もんじゃ) 2020/05/29(金) 12:31:21.67 ID:p/t1fM4e
______
____________
__________________
それから、少しの時間が経って。
私達がした事も、徐々に過去の話になっていく。
あの時と同じ6月。
今ではそんなにこの季節が嫌いじゃない。
あれからすっかり常連になってしまった喫茶店でブラックコーヒーを啜りながら、あの日の事を思い出す。
____________
__________________
それから、少しの時間が経って。
私達がした事も、徐々に過去の話になっていく。
あの時と同じ6月。
今ではそんなにこの季節が嫌いじゃない。
あれからすっかり常連になってしまった喫茶店でブラックコーヒーを啜りながら、あの日の事を思い出す。
26: (もんじゃ) 2020/05/29(金) 12:33:36.57 ID:p/t1fM4e
きっとまた会える、私はそう信じてる。
だって、奇跡は意外と起こるものだから。
カランコロン、来客を知らせるベルの音。
コツ、コツ、と入口に背を向けたソファに座る私に足音が近づく。
善子「……ふー、ふー。…ズズッ…」
ふと外を見ると、9色の虹が光っていた。
だって、奇跡は意外と起こるものだから。
カランコロン、来客を知らせるベルの音。
コツ、コツ、と入口に背を向けたソファに座る私に足音が近づく。
善子「……ふー、ふー。…ズズッ…」
ふと外を見ると、9色の虹が光っていた。
27: (もんじゃ) 2020/05/29(金) 12:34:06.22 ID:p/t1fM4e
おしまい
28: (しうまい) 2020/05/29(金) 12:35:02.46 ID:eFGNulnD
いいね
雨の日のコーヒーにハズレなし
雨の日のコーヒーにハズレなし
32: (もんじゃ) 2020/05/29(金) 13:22:01.67 ID:w33eLBuC
日常ものは日常もののよさがある
このSSの優しい雰囲気好きだよ
このSSの優しい雰囲気好きだよ
34: (茸) 2020/05/29(金) 14:41:47.61 ID:I6VSSUKF
この空気感いいな
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1590722156/