【SS】かのん「恋ちゃんって見てるとちょっと意地悪したくなっちゃうよね」可可「わかりマス」【ラブライブ！スーパースター!!】

かのん「ねーねー、すみれちゃん？」

すみれ「？」

かのん「恋ちゃんにさ、ちょっとだけ意地悪とかしてみたくない？」

すみれ「あー……」

可可「わかりマス。ああいうのはわからせたくなる感じデス」

すみれ「確かに。絶対にめちゃくちゃ困り顔とか可愛いタイプよね」

千砂都「おろおろするけど、誰にも相談できなくて泣き出しちゃったりしてねー」

くーかーすーちー「……」

くーかーすーちー（ちょっとだけ、イタズラしてみちゃおっかなぁ……）

ｺﾝｺﾝ

恋「こんにちは。みなさんもうおそろいですか？」ｶﾞﾁｬｯ!

可可「レンレン！遅いデス！」

恋「すみません、生徒会の方が長引いてしまって……もしかしてお茶の途中とかでしたか？」

かのん「そうだよ。すみれちゃんがパックの紅茶を買ってきてくれたの」

すみれ「ほら、恋もそこに座りなさ

可可「その前に！可可からお菓子の差し入れデス！」

恋「？」

千砂都「お菓子？」

すみれ「あんたも何か買ってきたの？」

可可「はいデス！じゃじゃーん！特選イチゴポッキーデス！」

かのん「おぉ～！」

恋「……」

恋（いちご……）

恋「……」ﾋﾟｮｺ!ﾋﾟｮｺ!

かのん（あっ、恋ちゃんのポニテ明らかに反応してる！）

可可（ほんと、レンレンのポニテはわかりやすいデス♪）ﾆﾔﾘ

すみれ「差し入れなんて可可にしては気が利くわね」

可可「すみれにできて可可に出来ないことはありません。えっへん！」

千砂都「可可ちゃん、見せて見せて！」

可可「はいデス。ほら！いち、に、さん、よん……」

ｶﾞｻｶﾞｻ

可可「……よん。あれ？」

すみれ「なによ、人数分足りてないじゃない」

恋「！？」

恋（かのんさんで１、可可さんで２、すみれさんで３，千砂都さんで４……）

恋「……」

恋（……ということは、私の分は、なし）

恋「……」ｼﾅｼﾅ

千砂都（あっ、恋ちゃんのポニーテールしおらしくなっちゃってる）

すみれ（まるで馬のしっぽみたいね、本物の馬の）

すみれ「なーんだ。やっぱり可可クオリティなのね。買ってくる個数間違えるなんて！」

かのん「あはは……」

千砂都「でもありがとね、可可ちゃん！わざわざお菓子用意してきてくれて！」

可可「待つデス！まだ可可のことを褒めるのは早いデス！お菓子の数が人数分足りない、そんな時にも使える秘策を可可が用意してきました！」

千砂都「秘策？」

恋（秘策……）ｿﾜｿﾜ

可可「はいデス！見るがいいデス！じゃじゃーん！可可わざわざ家からトランプ持ってきました！」

かのん「おぉ～！可可ちゃん気が利くっ！」

すみれ「ってわざわざそんなもん用意してくるくらいなら最初からお菓子の個数間違えないように確認してきなさいよ！」ｸﾞﾆｯ!

可可「はうう～！ほっぺたつねらないでください～！」

恋「……」

千砂都「お菓子を賭けてトランプするってことでいいの？」

可可「そうデス。負けた人一人が残念ながらイチゴポッキーを食べられません」

恋「……」ﾋﾟｮｺｯ!

恋（ということは私にもチャンスがある……！？）

恋「……」ﾋﾟｮｺﾋﾟｮｺ

かのん「でもどうやって決めよっか？神経衰弱とか？」

可可「そんなの決まってマス。やはりトランプと言えば

すみれ「すとーっぷ！！」ﾋﾞｼｯ!

可可「どうしたんデスか。そんな急に飛び跳ねて」

すみれ「あんたが対決の内容決めるだなんて不公平でしょ！！たまには私にも決定権を委ねなさいよね！」

可可「はぁ……まあいいデス。でもこれで負けたときの言い訳はなしデスよ、すみれ」

すみれ「望むところよ！えっと、そうね、じゃあ……ババ抜きなんてどう？可可とか明らかに弱いでしょ！この勝負！」

恋「……」ﾋﾟｮｺﾝ!

恋（ババ抜き……！）

恋「……」ﾋﾟｮｺ!ﾋﾟｮｺ!

かのん「ババ抜きかぁ……」

恋「……」

可可「可可はそれで大丈夫デスよ。どんな勝負だろうとすみれには絶対負けませんし。かのんは？」

かのん「うん。私もそれで大丈夫だよ」

千砂都「私もそれでおっけー！恋ちゃんは？」

恋「えっ？」

恋「……はい、そうですね。私としても一切問題はありません」

恋「……」ﾌﾘﾌﾘ

かのん（あっ、今度は毛先の先端がふりふりしてる）

すみれ（あれは内心嬉しいことが隠しきれていないときの反応ね）

千砂都（よっぽどババ抜きに自信があるんだねー。そんなんじゃ絶対に勝てないと思うけど）

◇———◇

恋「……」

恋（いちごのチョコ、いちごのチョコ……）ﾋﾟｮｺﾝ!ﾋﾟｮｺﾝ!

すみれ「あっ！私いっちばーん！ギャラクシー！」

恋「！？」ﾋﾟｮｺｯ!

千砂都「ほいっと！私もあがり！」

可可「可可もあがりデス。むぅ、すみれに負けました」

すみれ「ふふーん。心理戦で勝負に挑もうとするのが悪いのよ！」

かのん「ってことは私と恋ちゃんの対決かぁ……」

恋「……」ｿﾜｿﾜ

かのん「一応確認だけど、これで負けた方が残念ながらイチゴのお菓子を貰えない、ってことでいいんだよね？」

可可「はい、そうデス」

恋「……」ｼｬｷｯ!

千砂都（あ、恋ちゃんのポニテ真っ直ぐになった）

すみれ（臨戦態勢ってことね）

かのん「うーん、そっかぁ。じゃあ私が正しい方を選べたら、お菓子もらえるってことかぁ……」

恋「……」

かのん「じゃあ……こっち！」

恋「……」ﾋﾟｮｺﾝ!

かのん「それともやっぱりこっち！」

恋「……」

かのん「やっぱりこっちかなぁ……？」

恋「……」ﾋﾟｮｺﾝ!

かのん（あ、これ絶対右側がジョーカーだ）

可可（しっぽを見てれば一目瞭然デス）

すみれ「ほらかのん、早く引きなさいよ」

かのん「えぇ～？でも、間違えたくないしなぁ……」

千砂都「でも恋ちゃんも困ってるよ？」

恋「別に私は構いません。ゆっくり選んでください」ﾌﾘﾌﾘ

かのん「う～ん……ねえ、ひょっとして恋ちゃんってポーカーフェイスとか得意だったりする？」

恋「はい。昔から表情を顔に出さない子だとはよく言われていました」ﾌﾘﾌﾘ

すみれ（代わりにポニテに全部出ちゃってるけどね）

千砂都（ほんとは全部筒抜けなんだけどね～）

かのん「う～ん、どっちかなぁ……」

恋「……」ﾌﾘﾌﾘ

かのん（ほんとはどっちがジョーカーかなんてわかってるけど～、恋ちゃんのポニーテールの動きも可愛すぎるよ～！）

可可「かのん、早く選んでください！」

かのん「そうだね！じゃあこっち！」

恋（えっ？）ﾋﾟｸｯ!

ｼｭﾊﾞｯ!

かのん「わーい！勝った勝った～！」

恋「……」ｼｭﾝ…

恋「……」

恋（そんな……私、こういう心理戦には結構自信あったのに……）

恋（ともかく、イチゴのポッキーは、今回は私の分は無し……）

恋「……」ｼﾅｯ

恋（うぅぅ……あぁ、食べたかったのになぁ。でも、我慢しなければ

かのん「面白かった！もう一回やろうよ！」

恋「！？」ﾋﾟｮｺﾝ!

可可「はいデス。こんどこそすみれには負けません！」

すみれ「まったく、しょうがないわね～

恋「あ、あのっ！もう一回というのは？」

かのん「ババ抜き！みんなでもう一回やろっ！」

恋「いいのですか？でも、イチゴのポッキーは

千砂都「それなら次負けちゃった人は無しってことでいいんじゃない？」

恋（えっ？）

かのん「私はそれで大丈夫だよ」

可可「可可もそれでおっけーデス！」

すみれ「ま、次も私が勝つんだけど」

かのん「恋ちゃんもそれでいい？」

恋「えっ？ええ、私はなんでも構いませんが……」ﾌﾘﾌﾘ

千砂都（あっ、恋ちゃんってば嘘ついてる！）

可可（あのしっぽは嘘をついてる動きデス）

かのん（内心すっごく喜んでることバレバレだよ～）

◇———◇

千砂都「私いっちばーん！」

可可「可可が二番デス！」

すみれ「あがり。三着よ！」

かのん「あはは、また私と恋ちゃんの一騎打ちか……」

恋「……」ﾋﾟｮｺﾋﾟｮｺ

恋（大丈夫。さっきかのんさんとの対決は経験済み。絶対勝てます。自分を信じれば絶対に勝てる！）

恋「……」ｼｬｷｯ!

可可（あ、レンレンがまたまた戦闘モードに入りました）

すみれ（さっきに比べて毛先の方まで整っているってことは、それだけ本気を出そうとしてるってことね）

かのん「恋ちゃん、シャッフルとかしとかなくて大丈夫？私、ババの位置わかっちゃうかもよ？」

恋「……」

ｼｬｯ!

恋（さっきかのんさんは私の右側のトランプを引いて行きました。と、いうことは、次は反対側のトランプを選ぶはず……と見せかけて、さっきと同じ右側を引く！）ﾋﾟｮｺﾋﾟｮｺ

ｼｬｯ!

恋（かのんさんの裏をかいて、右側の方にババを置くことに決定しました。これで絶対に引っかかるはずです）

恋「どうぞ、引いて下さい。かのんさん」ﾋﾟｮｺﾝ!

かのん「……」

かのん「いいの？じゃあ、こっちにしよっかな～」

恋「……」

かのん「それともこっちにしようかな～」

恋「……」ﾌﾘﾌﾘ!!ﾌﾘﾌﾘ!!

可可（レンレンのしっぽが引いちゃダメって言ってマス）

すみれ（ということはあっちがババね）

かのん「じゃあ……こっち！」ﾋﾟｼｯ!

恋（あっ！）

かのん「いえ～い！四着～！」

恋「……」ｼﾅｼﾅ

恋（ふぇぇ、ま、負けました……）

恋「……」ｼｭﾝ…

恋（うぅぅ、そんなぁ……だって、私、ババ抜きでは一回もお母様に負けたことないのに……お母様も、恋はババ抜きのスペシャリストねって、褒めてくれるくらいなのに……）

恋（どうして、どうして……）ｳﾙｯ

可可「これですみれとの戦績は一勝一敗デス！」

すみれ「一回でも一位を取ったんだから私の勝ちよ！」

恋（むぅぅ、イチゴ味の新作ポッキーが……ちょっと前から購買に並んでいるのを見かけるたび、あぁ、食べてみたいなぁって思ってたのだけれど……）

恋「……」

恋（はぁ……やっぱり私は、そういう星の下に生まれちゃった子供なのね

かのん「はい！」ﾋｮｲｯ!

恋「えっ？」

かのん「ポッキー、恋ちゃんにあげる！」

恋「！？」ﾋﾟｮｺﾝ!

恋「いいのですか！？」

かのん「うん、いいよ」

恋「ですが！その、勝負で負けた手前、そういうものを受け取るわけには……」

可可「けどそれはもともとレンレンのために買ってきたものデス」

恋「！？」ﾋﾟｮｺﾝ!

千砂都「実は私たちは恋ちゃんが来る前にお茶、済ませてるんだよねー」

すみれ「あんまりお菓子食べ過ぎると太っちゃうもの」

恋（それじゃあ……それじゃあ！）

恋「……」ﾌﾘﾌﾘ♪

恋「……」ｻｸｻｸ

恋（美味しい！いちごのほんのりとした甘さがお口の中に広がります～♪）

恋（それに……）

恋「……」ﾁｭｰ

恋（紅茶にも甘さがよくマッチしますし）

恋（あぁ、すっごく幸せを実感します………のはいいのですが）

くーかーすーちー「……」ｼﾞｰｯ

恋「あの……そんなに見られると食べづらいのですが」ﾌﾘﾌﾘ

かのん「えっ？私たちのことそんなに気になる？」

かのん（ぎくっ、恋ちゃんのポニテばっか観察してたのバレちゃったかなぁ……）

すみれ「別に恋のことなんて見ていないけど」

すみれ（観察してたのはあなたのそのポニテの方なのだから）

千砂都「私たちのことは気にしなくて大丈夫だよ！」

可可「デスデス！」

千砂都（恋ちゃんのポニーテールってば可愛すぎだよ～、あとでモフモフさせてもらえないかなぁ～）

恋「そうですか、わかりました」

恋（まあいいでしょう。今はこの幸せをしっかりと噛みしめるんだから！あ～むっ♡）

恋「！」ﾋﾟｮｺﾝ♪

恋（ん～、幸せです～♡）ﾌﾘﾌﾘ!!

くーかーすーちー「……」ｼﾞｰｯ

くーかーすーちー（やっぱり恋ちゃんのポニテって可愛いなぁ～♡）

終わりです。お粗末様でした