【SS】海未「絵里って犬ですよね」

海未「え？ と疑問を抱かれましても……」

絵里「疑問を抱くことに疑問を抱くことが疑問なんだけど」

海未「ともかく、絵里は犬なんです」

絵里「ちょっと待って、話が全然見えないわ」

海未「まず根拠なのですが」

絵里「お願い人の話を聞いて」
　

海未「犬にはふさふさの毛があります。絵里にもふさふさの毛があります」

絵里「それはそうね。女だし、凛みたいに短くしてもいないし。でもそれなら海未も……」

海未「いえ、下の毛の話です」

絵里「わかったわ、この話は終わりにしましょう」

海未「しかもふさふさで」

絵里「見てもいないのに決めつけないでくれるかしら」
　

海未「なら今ここで確認させてください！ そもそもなぜ絵里はパ〇〇やスカートを履いてるのですか！ 犬は服など着ません！ 脱いでください！」

絵里「なんでそうなるのよ！ あと、パ〇〇は履いてないわ」

海未「ノーパンで生徒会長ですか」

絵里「ええ」

海未「ともかく、下の毛がふさふさなわけです」

絵里「さっきから何一つ進展してないわね。この際正直に言うけれど、あんまり生えてないわよ。金色だからちょっと目立つかもしれないけど」

海未「そうですか……ですが、ゴールデンレトリバーという犬種もありますし、あまり問題ありません」

絵里「何をもって問題なしとしたのか教えて」
　

海未「次に、犬はよく人に懐きます。絵里も……いや、このごり押しは厳しいでしょうか……」

絵里「ごり押しの自覚はあったのね。……まぁ、確かに人懐っこいとはあまり言われないわ」

海未「どちらかというと懐かれるタイプですよね。μ's内でも頼られていますし」

絵里「ポジティブに言い換えればそうなるわね。昨日なんか、ふざけたにこと希に甘えられて困ったわ」

海未「3人で会っていたのですか？ 私も行きたかったです……」

絵里「ごめんなさい、急に決まったのだけど、それでもほかのメンバーに声をかければよかったわね。希の家で、3人で集まっていたの」

海未「集会ですか？」

絵里「集会……といえばまぁそうなるのかしら」

海未「犬や猫も路上で集まっていたりしますよね」

絵里「どうしてもそっちの方向で話さないとダメかしら？ 猫まで含んでるけど、四足歩行の動物なら何でもいいの？」

海未「いえ、六脚でも八本でも構いません」

絵里「そういう答えを期待して言ったわけではないわ」
　

海未「そして、犬と同じように絵里もよく吠えます」

絵里「もはやただの罵倒になってない？」

海未「あなたたちの気にすることではないわ」ｷﾘｯ

絵里「やめて」

海未「私にとっては、スクールアイドル全部が素人にしか見えないの。一番実力あるというA-RISEも、素人にしか見えない」ｷﾘｯ

絵里「やめて！」

海未「学校の許可ぁ？ 認められないわぁ」ｷﾘｯ

絵里「それ私言ってない！！」

海未「……と、こんな感じに。出会った当初は本当によく吠えてましたね」

絵里「本格的に罵倒するペースね」
　

海未「ともかく、絵里は犬なんです！ ここまで言ってもまだわかりませんか？！」

絵里「ええ、何一つ」

海未「では……絵里は『犬』という動物にどんな印象を抱いてますか？」

絵里「そうね……やっぱり、賢いという印象はあるわね。知能に関するいろいろなエピソードをよく聞くわ」

海未「他には何がありますか？」

絵里「うーん、かわいいっていうのも外せないわよね。ペットとして人気なのもこの点が大きいと思うし」

海未「『かしこいかわいい』といえば？」

絵里「私ね！！」

海未「ということで、絵里は犬なのです。わかりましたか？」

絵里「もうこの際ヤケよ、みんなが来るまでノッてあげるわ！ わんわん！」

海未「ふふ、かわいいですね。さあ、私の胸に飛び込んで来てください」ﾊﾞｯ

絵里「わおーん！」ｶﾞﾊﾞｯ
　

ｶﾞﾗｯ
にこ「おっはよー♪ 今日も元気に、にっこにこ……」


海未「ふふふ、今日はたっぷりかわいがってあげますね……♡」ぎゅー

絵里「くぅーん」ぎゅうう


ｶﾞﾗﾗｯ ﾋﾟｼｬｯ
にこ「」

希「にこっち？ そんなところで固まってどうしたん？」

完