【SS】歩夢「今年のイブは侑ちゃんと会えなかったな…」【ラブライブ!虹ヶ咲】

ゆうぽむ SS


6: (もんじゃ) 2021/12/25(土) 00:14:29.41 ID:Ya5dzuwt
代行ありがとうございます


歩夢「私はライブがあって、侑ちゃんは発表会があったから仕方ないんだけど」

歩夢「毎年2人でお祝いしてたから少し寂しいよ…」

歩夢「これが前に進むって事なのかなぁ」

歩夢「ハァ…」

歩夢「気にしてても仕方ないよね」

歩夢「今日はもう寝よう」

歩夢「もしかしたら夢の中で侑ちゃんと会えるかもしれないもん」

歩夢「それくらいなら望んだって良いでしょ?」
 
8: (もんじゃ) 2021/12/25(土) 00:18:05.75 ID:Ya5dzuwt
歩夢「スー…スー」

トントン…ドンッ
「よいしょっと…」

歩夢「スー…スー…えへへぇ侑ちゃん…」

ペタペタ

歩夢「スー…スー…ぅんん?」

トントン

歩夢「…んぅ?」

歩夢「誰かいるのぉ…」
 
10: (もんじゃ) 2021/12/25(土) 00:22:08.50 ID:Ya5dzuwt
ベランダから何かが聞こえた気がして私は思わず暗闇に向かって話しかける

でも、返ってくる返事はない

当たり前だよね。ここ結構高層だし

人がいたらびっくりだよ

きっと風の音に反応しちゃったんだ

歩夢「気のせいだよね…ぇ…」

歩夢「ふぁあ〜ん、うぅ…スー…スー」

暖かな布団の心地よさに誘われるまま微睡に身を任せて私は心地良い夢の中へ戻っていく…
 
12: (もんじゃ) 2021/12/25(土) 00:28:13.76 ID:Ya5dzuwt
「うーん、もうちょっと強く叩かなきゃダメかなぁ」

トントン

ドンッ
ガチャン!!

歩夢「!!!???」ビクッ

何かの割れる音と共に痛い程の冷気が容赦無く流れ込んで来た

心臓が一気に跳ね上がる

歩夢「えっ!?何!?何!?」
歩夢「まさか本当に泥棒!?」

さっきまで暖かだった布団は瞬く間に冷たくなって、寒さが早く起きろと私の頭を叩く

でも、体が震えるのはこの寒さのせいだけじゃないだろう
 
17: (もんじゃ) 2021/12/25(土) 00:34:52.20 ID:Ya5dzuwt
歩夢「だっ…誰なの!?」

恐る恐る目を開ける

両親は数日家を開けると言っていたし、大声を出したら侑ちゃんがこっちに来ちゃうかもしれない

だから何かがいたとして、私に何が出来る訳でもない

でも、そこに何がいるのか確認しなきゃ怖くって仕方がないから

そこにいたのは…


侑「ハッピークリスマス!歩夢っ!」

歩夢「えっ!?侑ちゃん!?」

歩夢「えっ!?どうして」

歩夢「いや、本当にどうして!?」


最低の登場をしたのは最高の幼馴染だった
 
18: (もんじゃ) 2021/12/25(土) 00:39:14.81 ID:Ya5dzuwt
侑「トリック オア プレゼント!」

歩夢「はぁっ?」

侑「トリック オア プレゼントっ!」

歩夢「いやいや!」

歩夢「私もう既にとんでもないトリックされてるよ!?」

歩夢「っていうかイベント間違ってるよ!」

侑「そんな割れたガラスの破片みたいに細かい事気にしないで」

歩夢「大きいよ!」

歩夢「どうしてベランダの扉を割っちゃったの!?」
 
20: (もんじゃ) 2021/12/25(土) 00:41:35.39 ID:Ya5dzuwt
侑「歩夢に会いたかったから!」

歩夢「普通にチャイム鳴らして入ってくれれば良くない!?」

侑「いやぁ、こんな時間にチャイム鳴らすのはいくら幼馴染でも失礼かなって」

歩夢「少なくてもいきなり窓を割るよりは常識のある行動だと思うな、私は」

歩夢「両親がいないって事を知ってるなら尚更ね」

侑「今日お邪魔する事はお義母さんから許可いただいてるよ?」

侑「好きに入って良いって」

歩夢「それはきっと開けておくから玄関から入ってって意味だよ!」

歩夢「『窓を好きに割って入ってね』なんて意味じゃないよ?」

歩夢「あと、多分だけど漢字間違ってない?」

侑「間違ってないよ」

歩夢「そう?」

侑「うん」
 
22: (もんじゃ) 2021/12/25(土) 00:47:11.53 ID:Ya5dzuwt
侑「ガラスを割った事は心配いらないよ」

歩夢「そうだよね。普通に考えるなら何かトリックがあるんだよね!」

もしかすると昼のうちにダミーの扉と変えてくれてたのかな?

それとも、ガラスを替える当てがあるとか?

心配いらないって言われるとなんだかホッとしちゃった

侑「テープを貼って破片が飛び散らないようにしたから安心して!」

ホッと出来なかった
 
24: (もんじゃ) 2021/12/25(土) 00:51:19.41 ID:Ya5dzuwt
歩夢「そんな事は気にしてないのっ!」

歩夢「この扉を見てよ」

歩夢「人が通れるような穴が空いて、すっかり風通しが良くなっちゃったよ!」

侑「そうだね。これでいつでもお互いの部屋から声が届くよ!」

歩夢「本当だね。それなら嬉しいな」

歩夢「とはならないからね、流石に」

歩夢「今は冬だよ!…いや、夏もダメだけどっ!!」

侑「歩夢…」

侑「そんなに怒ってると可愛い顔が勿体無いよ?」

侑「怒り慣れてないそんな顔も勿論可愛いけど、私は笑顔の歩夢が1番好きだな」

歩夢「誰のせいでこんな表情になってるんだろうねぇ!」
 
27: (もんじゃ) 2021/12/25(土) 00:57:48.87 ID:Ya5dzuwt
侑「まあまあ、プレゼントあげるから落ち着いて」

歩夢「私、真夜中いきなり幼馴染に窓を割られたにしては落ち着いてる方だと思うよ」

侑「私が歩夢に渡すプレゼントはねぇ…」

歩夢「話を聞いて?」

侑「私だよ」

歩夢「はぁ?」

侑「ギブ ユー 侑」

歩夢「なんで英語なの…」

侑「だからね、歩夢」

侑「プレゼント フォー 侑」

歩夢「そんな笑顔で両手を出されても…」
 
29: (もんじゃ) 2021/12/25(土) 01:04:15.30 ID:Ya5dzuwt
歩夢「侑ちゃんとはこんなに早く会えないと思ってて」

歩夢「プレゼントは午後買うつもりだったからまだないよぉ…」

侑「じゃあ、イタズラしなきゃだね」

歩夢「もうされてるんだよ!」

侑「問答無用っ!」

侑「歩夢の物になった私が立場を入れ替えるってイタズラをさせてもらうね」

歩夢「どういう事?」

侑「つまりは歩夢を私の物にするって事だね」
 
30: (もんじゃ) 2021/12/25(土) 01:10:32.58 ID:Ya5dzuwt
歩夢「私、侑ちゃんをつい数秒前にプレゼントされたばっかりだよねぇ!」

歩夢「所有権奪い返されるの早すぎないかなぁ」

侑「取り敢えず、私の部屋に持ち帰らなきゃ」

歩夢「ちょっと、私行くなんて一言も…」

侑「え〜」

侑「こんな寒い部屋で一晩過ごすなんて正気?」
 
33: (もんじゃ) 2021/12/25(土) 01:16:30.40 ID:Ya5dzuwt
歩夢「侑ちゃんのせいで寒くなったんだよ!」

歩夢「温度計見てよ!愛ちゃんのギャグより寒いよ!?」

歩夢「いや、愛ちゃんのギャグは寒くないけどね!あくまで例えだよ!」

歩夢「なんだか私まで変なテンションになってきちゃった!」

侑「顔が紅いね?」

侑「もしかしてクリスマスに私とお泊まりって聞いて興奮しちゃった?」

歩夢「主に怒りでねっ!」

侑「ほら、歩夢行くよ」

侑ちゃんに手を引かれながら私は鍵の開け閉めをして家を出る

実は少し嬉しく思っている私がいるのは秘密だよ
 
36: (もんじゃ) 2021/12/25(土) 01:24:30.65 ID:Ya5dzuwt
歩夢「あったかい…」

歩夢「壁ってこんなに有難いんだね」

侑「良いでしょ」

歩夢「うん」

侑「私と暫くここに住む?」

侑「きっと明日は修理終わらないよ」

歩夢「明日っていうか今日だよね…」

侑「そうだねぇ」

侑ちゃんの部屋で一緒に住む…か

歩夢「有難い申し出だけど、明日はお母さんの部屋で寝るよ」

侑「えぇ〜」

まだ、早いよね
それはもう少し先、大学生くらいまで取っておきたいもん
 
37: (もんじゃ) 2021/12/25(土) 01:29:27.95 ID:Ya5dzuwt
侑「そうだっ、歩夢ジュース飲む?」

何かを飲んで心を落ち着かせたい気分だったから丁度いい

有難い申し出に頷く

歩夢「うん、いただくね」

侑「昨日お義母さんから貰ったんだ」

侑「さっき一人で飲んだけど、美味しかったよ」

そう言いながら侑ちゃんは大きなボトルを持ってきた
 
40: (もんじゃ) 2021/12/25(土) 01:35:21.90 ID:Ya5dzuwt
歩夢「わあっ、立派な瓶だね」

歩夢「まるでお酒みた…」

ふと思う
今日の侑ちゃんのテンションの異常さを

なんだか嫌な予感がして、まさかと思いながらラベルを見る

…いや、まさかね

歩夢「って、シャンパンだよこれ!」

まさかだった
 
42: (もんじゃ) 2021/12/25(土) 01:42:21.18 ID:Ya5dzuwt
侑「ええ?でも、昨日クリスマスイブに飲んでねって言って私にくれたんだよ」

歩夢「ええっ!?」

侑「本当だよ!夜お邪魔するって言ったら嬉しそうにくれたんだ」

戦犯はまさかの身内だった
どうして…

でも良かった

お母さんのせいなら窓を割った言い訳を考えなくて済むもん

流石にダンス練習で割ったなんて言っても信じてくれないだろうからね…


※未成年飲酒は絶対にダメですよ!!!
 
45: (もんじゃ) 2021/12/25(土) 01:48:36.68 ID:Ya5dzuwt
安心したらなんだか眠くなってきちゃった…

歩夢「ごめんね侑ちゃん、ソファー借りるね」

侑「良いけど」

侑「そこだと狭いよ?」

歩夢「十分広いから安心して?」

確かにベッドと比べると狭いけど、人一人が横になるには十分な広さがある

侑ちゃんには私が巨人にでも見えてるのだろうか

それなら怒っちゃうよ?ぷんぷんだよ?
 
46: (もんじゃ) 2021/12/25(土) 01:57:25.40 ID:Ya5dzuwt
侑「でも、二人で寝るには狭いよ」

歩夢「なんで2人で寝るのが前提なの…?」

侑「私がそうしたいからだけど?」

歩夢「そ…そっかぁ」

侑「私はソファーでしっかり密着するのも良いと思うけど」

侑「多分我慢できなくなっちゃうから」

歩夢「我慢って…」

侑「私はそれでも良い…っていうか、正直今すぐにでもそうしたいんだけど」

侑「歩夢ってこういうの順番とか雰囲気を大切にしたいでしょ?」

侑「それなら、ベッドのほうが私が耐えられる分安全だよ」
 
48: (もんじゃ) 2021/12/25(土) 02:12:33.08 ID:Ya5dzuwt
歩夢「そっ、そう…?あっ…そうなの?///」

歩夢「じゃあ、ベッドで一緒に寝ようか///」

普段からは想像も出来ないことを言ってくるのは酔ってるからなのかな?

侑ちゃんってもしかして普段からこう思ってるのかなぁ?

大人になるまでそういうことはしないと思っていたけど

もしも侑ちゃんとお付き合い出来て、侑ちゃんが望んでくれるなら私は…

まあ、それは少なくとも今日じゃないよ///
 
50: (もんじゃ) 2021/12/25(土) 02:17:19.72 ID:Ya5dzuwt
歩夢「ねえ、侑ちゃん」

侑「なに?歩夢」

歩夢「なんでそんなに抱きついてくるの…」

侑「寒いって言ってたから暖めてるの!」

あんな話のすぐ後だというのに、侑ちゃんは本心から私の為を思ってそう言ってくれているのだとわかる

それが心地よくって、何故だか懐かしくって私はそのまますぐ寝入っちゃった


幼い日の夢を見た

両親の帰りが遅くなった日、泣いてる私を侑ちゃんが励ましてくれて、侑ちゃんが私のサンタさんになってくれるって約束をした夢

あの時も震える私をこうして抱きしめてくれてたんだよね

ああ、そうだ

何で忘れちゃってたんだろう

私が侑ちゃんと必ずクリスマスを過ごすようになった最初の理由は…

侑ちゃんが私のお母さんに予め今日来ると伝えていたのは…

侑ちゃんが私のサンタさんだったからだ
 
52: (もんじゃ) 2021/12/25(土) 02:24:38.11 ID:Ya5dzuwt
侑「昨日はごめんね歩夢っ!」

侑「なんだか変なテンションになっちゃって…」

侑「気がついたら何故かあんな事に…」

侑「ガラスも弁償するからっ!」

歩夢「お母さんのせいだから気にしないで」

侑「でも、割っちゃったのは私だし」

歩夢「出るところ出たら私のお母さんが負けると思うよ」

歩夢「むしろ私のお母さんがごめんね?」

侑「でも…」

歩夢「そんなことよりね、侑ちゃん」

歩夢「あの時言ってくれたのは本音なの?」

歩夢「侑ちゃんが私へのプレゼントだって」

侑「本音だよ」

歩夢「じゃあね、侑ちゃん」

歩夢「私と今日1日デートして」

歩夢「そうしたら許してあげる」

こんな言い方は卑怯かな?

でもね、侑ちゃん

クリスマスは始まったばかり

私のサンタさんには今まで助けてくれてたぷんぷん楽しんでもらいたいんだ

だから、手段は選ばないよ!
 
55: (もんじゃ) 2021/12/25(土) 02:31:37.22 ID:Ya5dzuwt
>>52
訂正

誤・私のサンタさんには今まで助けてくれてたぷんぷん楽しんでもらいたいんだ

正・私のサンタさんには今まで助けてくれてた分楽しんでもらいたいんだ



一応これで完結のつもりですが、続きを明日くらいに書くかもしれません
 
64: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 20:52:29.69 ID:fRzBelro
歩夢「そういえば、昨日から姿が見えないけど侑ちゃんのご両親は?」

侑「実はうちも出かけちゃっててさ」

侑「帰りは明後日くらいになるだろうって」

歩夢「へ〜」

歩夢「私の両親も出かけてるし、すごい偶然だね」

侑「…」

侑「偶然なのかなぁ…色々な意味で」

歩夢「どうして?」

侑「どうしてって…///」

侑「なんでもないよっ!」

歩夢「何でもなさそうじゃないけど…」

歩夢「大丈夫?顔、真っ赤だよ」

侑「いいから気にしないで!」

歩夢「うーん、納得いかないけど侑ちゃんがそう言うならそうするね」

侑「ありがとう。そうしてくれると助かるよ!」
 
66: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 20:58:55.70 ID:fRzBelro
歩夢「今日はお昼ごろ出ようと思うんだけど、侑ちゃんは朝ご飯どうする?」

侑「歩夢がデートに誘ってくれたんだよ?」

侑「朝食なんてカップラーメンとかで適当に済ませて準備しなきゃ」

歩夢「そう言ってくれるのは嬉しいけど…」

歩夢「それじゃ健康に良くないよ」

侑「でも、それじゃあ歩夢との時間が減っちゃうっ!」
 
67: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 21:05:45.73 ID:fRzBelro
歩夢「もうっ!…決めた!」

歩夢「朝ごはん作るからキッチン借りるね」

侑「え?」

歩夢「今日は私に作らせて」

侑「歩夢が作ってくれるの!?」

歩夢「侑ちゃんのお母さん程美味しく作れないかもだけど…」

侑「そんなことないよ!」

侑「歩夢のご飯はすっごく美味しいんだから」

侑「すっごいときめいちゃうよ!」

歩夢「そっ…そうかな?」

侑「うんっ!毎日食べたいもん」

歩夢「そんなに煽てないでっ」

歩夢「嬉しくてニヤニヤしちゃうからぁ///」

侑「そういうところも可愛いよ」
 
69: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 21:11:55.54 ID:fRzBelro
侑「でも、大変じゃない?」

歩夢「ふふっ、そんなに大変じゃないから安心して」

侑「良いの?」

歩夢「だってそうしないと侑ちゃんが不健康になっちゃいそうだし」

歩夢「それにね、実を言うと私だって侑ちゃんと一緒にいられる時間は多いほうが嬉しいもん///」

歩夢「嬉しそうに食べてくれる人がいるとつくり甲斐があるしねっ!」

侑「はゆむぅ…」ウルウル
 
70: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 21:18:11.85 ID:fRzBelro
侑「あっ、私にも何か手伝わせて」

歩夢「ふふ、ありがとう」

歩夢「じゃあ、私のお家から少し足りなそうな材料持ってくるから待っててね」

侑「じゃあ、私はその間にお米を炊いておくよ」

歩夢「うん、お願いね」

その後、二人で簡単な料理をして…
 
72: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 21:22:13.23 ID:fRzBelro
歩夢「ねぇ、侑ちゃん…」

侑「うん、歩夢の言いたいことはわかるよ」

侑「私だってビックリした」

侑「でもね、今日は何故か下処理の終わったこれしかお米がなかったんだ」



歩夢「お赤飯しかないって贅沢なお家だねぇ」

侑「普段は普通のご飯だよっ!」
 
73: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 21:27:29.82 ID:fRzBelro
侑「言っておくけどねぇ」

侑「多分だけど、歩夢の家もほぼ間違いなくこんな感じだと思うからね」

歩夢「まさかぁ…」

朝ご飯を一緒に食べてから、私は準備の為に一旦自分の部屋に戻る

侑ちゃん美味しい美味しいって食べてくれて嬉しかったけど…
少し恥ずかしかったなぁ 

とは思いつつ、私も侑ちゃんの作ってくれたサラダを美味しいって食べてた気がするからお互い様か
 
74: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 21:31:40.20 ID:fRzBelro
侑ちゃんが愛しい

その気持ちはどんどん強くなっていく

昨日侑ちゃんの気持ちを知ってからそれは爆発的に膨らんで

気がつけば、関係の変化を恐れる臆病な気持ちよりもずっと大きくなっていた

本当に毎日心を込めて手料理を作りたい

あの笑顔を1番近くで見ていたい

心も身体も繋がって一つになりたい

その為にも、今日私は侑ちゃんに…///
 
76: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 21:38:24.75 ID:fRzBelro
侑ちゃんの予想通り、私のお家にも白米はどこにも無かった

ただ、冷蔵庫を確認するとそこにはお母さんが用意してくれたであろうお赤飯の準備が済ませてあるお米が入っていた

…何故?

私が知らないだけで、最近はクリスマスにお赤飯が定番なのかな?

とりあえず、今日のお昼は侑ちゃんとこれでおかずを食べてからお出かけをしよう


侑ちゃんの家に戻った私はキッチンで会話を楽しみながらおかずの下準備を始めた
 
77: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 21:44:04.55 ID:fRzBelro
電車で少し移動して
私と侑ちゃんはショッピングへ

しばらくウインドウショッピングを楽しんでから私は切り出す

歩夢「侑ちゃん、

侑「なぁに、歩夢ぅ」

侑ちゃんはさっきからすごく嬉しそう

今にもスキップを始めるんじゃないかと思うくらい

繋いだ手からもそのウキウキとした感情が伝わってくる

歩夢「少しだけ別行動しない?」

侑「は?」
 
79: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 21:50:51.51 ID:fRzBelro
歩夢「プレゼントを選ばせて」

侑「えっ…?」

歩夢「ねえ、歩夢」

侑「プレゼントは私だよ」

侑「クーリングオフは受け付けてないから」

侑「捨てるならいつまでも付き纏うね」ウルウル

侑「いつでもどこでも」グスッ

侑「絶対に…」ベソッ

何を曲解しちゃったのか、侑ちゃんはさっきと一転して悲しそうな表情になる

握る手はまるで、決して離さないとでも言うようにその力を強めていた

歩夢「侑ちゃん、そういう意味じゃなくってね…」
 
80: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 21:57:47.06 ID:fRzBelro
歩夢「侑ちゃんがいらないって訳じゃなくってね」

歩夢「ほら、今年はまだ交換できてないでしょ?」

歩夢「侑ちゃんをいらないっていうんじゃなくて、私から侑ちゃんに贈るプレゼントを選びたいんだよ」

歩夢「今年、私からはまだ贈れてないから」
 
82: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 22:04:01.26 ID:fRzBelro
侑「私は歩夢とこうして一緒にいられる時間が1秒でも長いほうが嬉しいんだけどなぁ…」

歩夢「私もそうだけど…」

歩夢「でも、ごめんね」

歩夢「こんなに素敵なプレゼントへのお返しを何かしないと気が済まないから」

歩夢「5分で買ってくるから少しだけ待ってて」

さっき当たりをつけていてよかった

侑「うん。ここで待ってるからね」

急いで売り場へ向かう

プレゼントって物によって色々と意味があるんだよね

それを考えながら私が選ぶのは…
 
83: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 22:13:14.59 ID:fRzBelro
プレゼントを買った後すぐ侑ちゃんの元へ行ってウインドウショッピングを再開して

外が暗くなってからは一緒にイルミネーションを見て



侑「そろそろご飯にしよっか」

歩夢「あっ、もうこんな時間なんだね」

スマホを確認してビックリする

気がつけばもうお腹のすく時刻になっていた

侑ちゃんと一緒にいると時間なんて忘れちゃうな

なんて思いながら何か食べられそうな場所を探すけど…
 
84: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 22:19:48.93 ID:fRzBelro
歩夢「困った…」
歩夢「レストランがどこも空いてない…」

侑「あはは、仕方ないよクリスマスなんだから」

そう。今日はクリスマス

どこも家族連れやカップルで一杯

予め予約をしていなかった自分を恨むよ…デートに誘っておいてこれじゃ侑ちゃんに申し訳がない

うぅ…どうしよう

侑「あっ、そうだ歩夢」

歩夢「うん?なぁに?」

侑「夜ご飯、私の家で一緒に作ろうよ」

歩夢「侑ちゃんのお家で?」

侑「うん、そう。歩夢と2人きりのクリスマスだ」

侑「ときめいちゃうよね」
 
85: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 22:26:21.10 ID:fRzBelro
歩夢「…ふふっ、それも素敵だね」

侑「でしょ?」

侑「それに、歩夢の手料理の方が外食より美味しいもんね」

歩夢「それは言い過ぎだよ!?」

侑「私にとってはそうなの!」

否定しようとした口は動かせなかった

だって侑ちゃんのその目は嘘を言っていなかったから

歩夢「…ありがとう///」

侑「こちらこそ、美味しい料理をありがとう」

歩夢「///」

歩夢「スーパーでお買い物して帰ろうか」

侑「そうだね。行こう歩夢」

繋いだ手はとても暖かい
 
86: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 22:35:01.59 ID:fRzBelro
侑ホーム
2人で作った料理はとっても美味しかった。きっとこれは一生忘れられない味になるだろうなってくらいに

水を流す音が響く室内で
2人で洗い物をしながら何でもないように

動揺を悟られないように私は口を開く

歩夢「ねえ、侑ちゃん」

歩夢「侑ちゃんのせいで私の部屋寒いままだとおもうんだよね」

侑「うぅ…ごめんね」

歩夢「あっ、ううん!責めてるわけじゃないの!」

歩夢「でもねそれはそうと、侑ちゃんには最低限の責任を取る義務があると思うのですっ!」

侑「わかったよ!何でも言って」

歩夢「何でもって…///」

侑「?」
 
88: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 22:39:40.87 ID:fRzBelro
今まではそういうことを考えない侑ちゃんは子供だなぁなんて思えてたんだろうけど

歩夢「私以外にそんなこと言っちゃダメなんだからね」

侑「歩夢ったら何を言うのさ」

侑「当然だよ。こんなこと歩夢にしか言わないよ」

歩夢「うぅ…」

酔ってる時に侑ちゃんにもその欲望があるってわかったから…
うぅ///

覚悟を決めろ、私
 
90: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 22:46:23.29 ID:fRzBelro
歩夢「あのね…その…」

歩夢「今日も泊めてくれないかなぁ…なんて?」

侑「えっ?でも今日はお義母さんの部屋で寝るって…」

歩夢「だってね、あのぅ」

歩夢「うぅ///」

侑「?」

歩夢「…侑ちゃんのバカ」ボソッ

侑「えぇっ!?」

理不尽な事言っちゃってごめんね

でも、それくらい今の私には余裕がないの


その後は何とかお泊まりの約束に成功して
 
91: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 22:49:52.21 ID:fRzBelro
歯を磨いてお風呂に入った後、ベッドの上で2人横に腰掛ける

肩と肩が触れ合いそうな距離で今日のことを話しながら頃合いを見て

座ったまま、私は紙袋を手に取った

歩夢「あっ、そうだ」

あたかも今思い出したというように話を切り出す

歩夢「侑ちゃん…プレゼント、受け取ってくれるかな?」

侑「プレゼント?」

侑「…ああ、今日が楽しすぎてすっかり忘れちゃってたよ」

侑「そういえば買いに行ってくれてたね」

歩夢「うん。いらなかったらいらないで大丈夫だからね」

侑「あはは、何言うのさ」

侑「歩夢がくれるなら何でも嬉しいよ」

歩夢「ふふ、ありがとう」
 
92: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 22:53:20.58 ID:fRzBelro
歩夢「じゃあ、先におまけからあげるね」

侑「おまけ?」

歩夢「そう、おまけ」

歩夢「はい、侑ちゃん」

紙袋から取り出したそれを手渡す

侑「これは…マフラー?」

侑「これがおまけなの?」

歩夢「うん。おまけ」
 
93: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 22:57:02.83 ID:fRzBelro
侑「じゃあ、おまけじゃないプレゼントは?」

その声は私の気のせいじゃなければ大きな期待が含まれているように感じた

大きく深呼吸して…
よしっ!

歩夢「プレゼントは…私」

侑「え?」
 
94: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 23:00:43.44 ID:fRzBelro
歩夢「ふふ、あらためて言葉にするのは恥ずかしいね…」

歩夢「私、侑ちゃんが好きなの」

歩夢「初めて会ったあの日からずっと」

歩夢「1人の女の子として侑ちゃんが好き」

歩夢「こんな私で良ければ貰ってくれませんか?」

答えはわかっている
それでもやっぱり怖い
万が一があるんじゃないかって思うと震えが止まらない

でも

侑「私、私も歩夢が好きっ!」

私の震えは優しく抱きしめてくれる彼女の暖かさに止められた

侑「ずっと、ずっと好きだった!」

侑「私からお願いしたいよ!」

侑「喜んでっ!」

侑「私とお付き合いしてくださいっ」
 
95: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 23:04:17.09 ID:fRzBelro
歩夢「良かったぁ…」

歩夢「ねぇ、侑ちゃん」
侑「ねえ、歩夢」

歩夢「キスして」
侑「キスするね」

部屋の中で2つの影が重なった
 
97: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 23:07:50.62 ID:fRzBelro
歩夢「ねぇ…侑ちゃん」

侑ちゃんの頭を抱いたまま
侑ちゃんに頭を抱かれたまま

歩夢「もう一つだけお願いしても良いかな?」

私は抑えきれないそれを伝えようとする

侑「うん。何でも良いよ」

歩夢「よかった」

私は侑ちゃんに抱きつきながら後ろに倒れ込む

侑「歩夢っ!?」

侑「ちょっと、これはマズイよ!」

侑「こんなの私の理性が耐えられないよ」

暴れて抜け出そうとする侑ちゃんの動きを今だけは無視する
 
98: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 23:12:16.40 ID:fRzBelro
歩夢「私のお願いはね」

歩夢「私を侑ちゃんの好きにしてほしいの」

侑「ええっ!?」

歩夢「それが私の1番望むことだから」

侑「歩夢…」

侑「本当に良いの?」

歩夢「侑ちゃんだから良いのっ」

侑「…痛かったら言ってね」

侑ちゃんのその手がゆっくりと恐る恐ると言った様子で私に触れて…
 
100: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 23:15:12.40 ID:fRzBelro
侑「おはよう、歩夢」ニコリ

歩夢「おはよう…侑ちゃん」ニコ

心地良い感覚に目を開けると、横にいる侑ちゃんが私の頭を優しく撫でてくれていた

あまりの幸福感にまるで夢みたいだと思う感情を、全身に触れ合う温かな肌の感触が否定してくれる


歩夢「ねえ、侑ちゃん」

侑「なに?歩夢」

歩夢「好き…大好きっ」

侑「あはは、知ってるよ」

侑「ずっと昔からね」

侑「ねえ、歩夢」

歩夢「なあに?侑ちゃん」

侑「愛してる」 

歩夢「ふふっ、知ってる」

歩夢「初めて会ったあの日から」


end
 
103: (もんじゃ) 2021/12/26(日) 23:18:12.71 ID:fRzBelro
クリスマスは過ぎましたが1日なんて誤差ですよね!

ベッドシーンまで書くと時間的に明日の仕事に響きそうなんでやめときました!
 
105: (茸) 2021/12/26(日) 23:28:30.36 ID:MXu49Wk9

幸せなゆうぽむで暖まった
 
104: (SB-iPhone) 2021/12/26(日) 23:25:44.44 ID:jG1IxelR

 
107: (たまごやき) 2021/12/27(月) 00:01:13.88 ID:ebwaevyB
⎛(cV„◜ᴗ◝V⎞
 
108: (とばーがー) 2021/12/27(月) 00:23:27.78 ID:9wB+aoXZ
@cメ*˶˘ ᴗ ˘˵リ すてきなクリスマスデートをありがとう
 

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1640358691/

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