1: (たこやき) 2017/11/27(月) 20:26:15.29 ID:rke0hNSP
その日、私はかけがえのない親友を失った。
「おい!!女の子が二人倒れてるぞ!!」
「救急車早く!!」
「千歌……ちゃ……ん。千……歌……ちゃ」
「曜ちゃん!曜……ちゃ……ん」
「大好き…よ……………き……て」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――
「おい!!女の子が二人倒れてるぞ!!」
「救急車早く!!」
「千歌……ちゃ……ん。千……歌……ちゃ」
「曜ちゃん!曜……ちゃ……ん」
「大好き…よ……………き……て」
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2: (たこやき) 2017/11/27(月) 20:27:29.08 ID:rke0hNSP
「千歌!」
「千歌ちゃん?」
「……ん」
目を開ける。
知らない天井に………見慣れた………顔?
意識がぼーっとする。
美渡「千歌?」
志満「分かる?千歌ちゃん」
そうだ、私千歌だ。
千歌「志満ねぇに美渡ねぇ………」
美渡「本当に……千歌?」
千歌「何言ってんのー。当たり前だよ」
志満「………おかえりなさい、千歌ちゃん」
千歌「うん、ずっと志満ねぇ達話しかけてくれてたもんね」
美渡「ちゃんと………聞こえてたんだ」
千歌「なんか不思議な感じだけどね。そうだ、Aqoursの皆は?」
「千歌ちゃん?」
「……ん」
目を開ける。
知らない天井に………見慣れた………顔?
意識がぼーっとする。
美渡「千歌?」
志満「分かる?千歌ちゃん」
そうだ、私千歌だ。
千歌「志満ねぇに美渡ねぇ………」
美渡「本当に……千歌?」
千歌「何言ってんのー。当たり前だよ」
志満「………おかえりなさい、千歌ちゃん」
千歌「うん、ずっと志満ねぇ達話しかけてくれてたもんね」
美渡「ちゃんと………聞こえてたんだ」
千歌「なんか不思議な感じだけどね。そうだ、Aqoursの皆は?」
4: (たこやき) 2017/11/27(月) 20:29:34.14 ID:rke0hNSP
志満「許可さえもらえれば合えると思う。ちょっと待っててね」
皆って言ったけどちゃんとメンバーのこと思い出せるのかな
えーっと、梨子ちゃん、果南ちゃん、ダイヤさん、鞠莉ちゃん、ルビィちゃん、善子ちゃん、花丸ちゃんに………………
千歌「―――――!!曜ちゃんは!?」
美渡「………………全部説明する」
志満「千歌ちゃんにはすっごく辛い話だと思うけど……」
「あのね……曜ちゃんは―――――――――――――」
そんな話、聞きたくなかった。
キキタクナカッタ。
それからそう日数もかからず私は家に帰ることができた。
明日からはもう学校に行ってもいいらしい。
皆って言ったけどちゃんとメンバーのこと思い出せるのかな
えーっと、梨子ちゃん、果南ちゃん、ダイヤさん、鞠莉ちゃん、ルビィちゃん、善子ちゃん、花丸ちゃんに………………
千歌「―――――!!曜ちゃんは!?」
美渡「………………全部説明する」
志満「千歌ちゃんにはすっごく辛い話だと思うけど……」
「あのね……曜ちゃんは―――――――――――――」
そんな話、聞きたくなかった。
キキタクナカッタ。
それからそう日数もかからず私は家に帰ることができた。
明日からはもう学校に行ってもいいらしい。
5: (たこやき) 2017/11/27(月) 20:31:07.80 ID:rke0hNSP
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――
私の名前は渡辺曜………というらしい。
らしいというのはどうも私は事故で死んでしまったようなのだ。
私は渡辺曜を模したアンドロイド。
何故私が手配される事になったかというと、私の親友であった高海千歌という女性が同じ事故で精神に大きなダメージを負ってしまった。
それを親友である私がケアする……とのことだ。
………大丈夫だろうか?
……アンドロイドが思案していても仕方ない、私は意を決して扉を開けることにした。
曜「はじめまして、Aqoursの部室はここでしょうか……」
「……」
8人の女生徒の視線が痛い。
彼女たちの情報は事前に入手してある、ということはここがスクールアイドル部……
彼女たちの部室であることに間違いはないはずなのだが………
―――――――――――――――――――――――――
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私の名前は渡辺曜………というらしい。
らしいというのはどうも私は事故で死んでしまったようなのだ。
私は渡辺曜を模したアンドロイド。
何故私が手配される事になったかというと、私の親友であった高海千歌という女性が同じ事故で精神に大きなダメージを負ってしまった。
それを親友である私がケアする……とのことだ。
………大丈夫だろうか?
……アンドロイドが思案していても仕方ない、私は意を決して扉を開けることにした。
曜「はじめまして、Aqoursの部室はここでしょうか……」
「……」
8人の女生徒の視線が痛い。
彼女たちの情報は事前に入手してある、ということはここがスクールアイドル部……
彼女たちの部室であることに間違いはないはずなのだが………
7: (たこやき) 2017/11/27(月) 20:35:28.10 ID:rke0hNSP
梨子「はじめましてだなんて………」
ダイヤ「少し語弊があるのではなくて?」
曜「そうかもしれませんね。すみません」
ルビィ「曜ちゃん……」
善子「冥府より蘇らん我がリトルデーモン……!」
花丸「無理はしない方がいいずらよ…?」
曜「大丈夫です、医療用ではありますがアンドロイドですので」
鞠莉「我が浦の星女学院は渡辺曜さんの復学を祝福します…………おかえり、曜」
果南「こんな時はハグが一番!おかえりっ!!」
曜「み、みなさん……私の目的は………!」
そう、私の目的は―――――――
千歌「……………………」
彼女をケアすること
曜「はじめまして……ではありませんね。高海千歌さん、渡辺曜です。帰ってきました」
千歌「帰って」
ダイヤ「少し語弊があるのではなくて?」
曜「そうかもしれませんね。すみません」
ルビィ「曜ちゃん……」
善子「冥府より蘇らん我がリトルデーモン……!」
花丸「無理はしない方がいいずらよ…?」
曜「大丈夫です、医療用ではありますがアンドロイドですので」
鞠莉「我が浦の星女学院は渡辺曜さんの復学を祝福します…………おかえり、曜」
果南「こんな時はハグが一番!おかえりっ!!」
曜「み、みなさん……私の目的は………!」
そう、私の目的は―――――――
千歌「……………………」
彼女をケアすること
曜「はじめまして……ではありませんね。高海千歌さん、渡辺曜です。帰ってきました」
千歌「帰って」
8: (たこやき) 2017/11/27(月) 20:37:14.02 ID:rke0hNSP
…………?
曜「千歌さん……?」
千歌「曜ちゃんのそっくりロボットなんかいらない!!!!!!!!帰ってよ!!!!!!!!!!!」
曜「…帰ることはできますが、定期的に会わなければならないプランになっておりまして……」
千歌「いいから帰って!!!!」
何か気に障ることをしてしまったようだ………
曜「分かりました。本日はこれで…失礼します」
やはりはじめましてから始めるべきだったのだろうか。
「曜(ちゃん)……」
私、正確には渡辺曜を気遣う声を背にスクールアイドル部から去る。
どうも道のりは長いらしい。
曜「千歌さん……?」
千歌「曜ちゃんのそっくりロボットなんかいらない!!!!!!!!帰ってよ!!!!!!!!!!!」
曜「…帰ることはできますが、定期的に会わなければならないプランになっておりまして……」
千歌「いいから帰って!!!!」
何か気に障ることをしてしまったようだ………
曜「分かりました。本日はこれで…失礼します」
やはりはじめましてから始めるべきだったのだろうか。
「曜(ちゃん)……」
私、正確には渡辺曜を気遣う声を背にスクールアイドル部から去る。
どうも道のりは長いらしい。
9: (たこやき) 2017/11/27(月) 20:40:14.49 ID:rke0hNSP
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――
翌日・部室
今日も私はここを訪れる。
私の気が向く向かないに関わらずここには来なくてはいけないことになっている。
……尤も機械の私に気が向かない、なんてことはないのだが
曜「こんにちは」
梨子「あ、曜ちゃん」
曜「梨子さんでしたか、こんにちは」
他のメンバーはおらず、彼女だけが私を出迎えてくれた。
梨子「他の皆は今ちょっと外してるの、今日は千歌ちゃんお休みみたい。学校には来てるんだけど」
曜「えぇ、廊下でお見掛けしたのですが…その」
梨子「無視されちゃった?」
曜「恥ずかしながら」
彼女は今日も私と話してはくれなかった。
失礼のないよう、言葉を慎重に選んだはずだったのだが……
しかし、私の思案を梨子さんは180度逆の方向から打ち砕いた。
梨子「そうねー、まずは敬語やめてみない?」
曜「……?」
敬語を……やめる?
―――――――――――――――――――――――――
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翌日・部室
今日も私はここを訪れる。
私の気が向く向かないに関わらずここには来なくてはいけないことになっている。
……尤も機械の私に気が向かない、なんてことはないのだが
曜「こんにちは」
梨子「あ、曜ちゃん」
曜「梨子さんでしたか、こんにちは」
他のメンバーはおらず、彼女だけが私を出迎えてくれた。
梨子「他の皆は今ちょっと外してるの、今日は千歌ちゃんお休みみたい。学校には来てるんだけど」
曜「えぇ、廊下でお見掛けしたのですが…その」
梨子「無視されちゃった?」
曜「恥ずかしながら」
彼女は今日も私と話してはくれなかった。
失礼のないよう、言葉を慎重に選んだはずだったのだが……
しかし、私の思案を梨子さんは180度逆の方向から打ち砕いた。
梨子「そうねー、まずは敬語やめてみない?」
曜「……?」
敬語を……やめる?
10: (たこやき) 2017/11/27(月) 20:42:51.72 ID:rke0hNSP
曜「何故でしょう?私が所謂タメ口を使うことは失礼に値すると思うのですが」
梨子「貴女は千歌ちゃんをケアするために作られたロボットなんでしょう?だったらもっと曜ちゃんに近づかないと」
………一理あるのかもしれない。
傷ついた彼女は渡辺曜を求めている。
現在の私が渡辺曜の人間像から乖離してしまっているのだとしたら、拒絶反応が出るのもごく自然なことなのかもしれない
曜「――――なるほど」
梨子「自分で言っておいてなんだけど誰も曜ちゃんの事ロボットだなんて思ってないんだよ?だからもっと自然に接して、ね?」
曜「では………」
梨子「もっとラフに♪」
曜「じゃ、じゃあ…」
梨子「うん」
曜「梨子ちゃん……こんな感じでいいのかな」
梨子「ウフフ、おまけで合格点♪」
梨子「貴女は千歌ちゃんをケアするために作られたロボットなんでしょう?だったらもっと曜ちゃんに近づかないと」
………一理あるのかもしれない。
傷ついた彼女は渡辺曜を求めている。
現在の私が渡辺曜の人間像から乖離してしまっているのだとしたら、拒絶反応が出るのもごく自然なことなのかもしれない
曜「――――なるほど」
梨子「自分で言っておいてなんだけど誰も曜ちゃんの事ロボットだなんて思ってないんだよ?だからもっと自然に接して、ね?」
曜「では………」
梨子「もっとラフに♪」
曜「じゃ、じゃあ…」
梨子「うん」
曜「梨子ちゃん……こんな感じでいいのかな」
梨子「ウフフ、おまけで合格点♪」
12: (たこやき) 2017/11/27(月) 20:47:10.54 ID:rke0hNSP
曜「よかったぁ…」
梨子「あらためてよろしくね、曜ちゃん!」
……………
曜「うん、よろしくね梨子ちゃん!」
――――何だろう
私に心があるのだとしたら……
いや、今はやめておこう。
何はともあれ、人間関係を円滑に進める手がかりを梨子さん否、梨子ちゃんから得ることができた、この収穫は大きい。
私の目的は彼女、高海千歌さんをケアする事。
目標達成に邁進しなければ。
全速前進で。
梨子「あらためてよろしくね、曜ちゃん!」
……………
曜「うん、よろしくね梨子ちゃん!」
――――何だろう
私に心があるのだとしたら……
いや、今はやめておこう。
何はともあれ、人間関係を円滑に進める手がかりを梨子さん否、梨子ちゃんから得ることができた、この収穫は大きい。
私の目的は彼女、高海千歌さんをケアする事。
目標達成に邁進しなければ。
全速前進で。
13: (たこやき) 2017/11/27(月) 20:49:46.25 ID:rke0hNSP
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――
あれから何回か千歌さんと接触することができたが、状況は芳しくない。
やはり、現在の私はAqoursメンバーが知る渡辺曜から大きく離れてしまっているようだ。
渡辺曜を知ることができれば、近づくことができればきっと千歌さんの心も……
思考を巡らせているうちに私は浦の星女学院の屋上へと足を運んでいた。
善子「あ、曜だ」
花丸「曜ちゃんずら、ルビィちゃん」
ルビィ「ホントだ!曜ちゃんこんにちは!」
一年生の三人が私を迎えてくれた。
千歌さんと違い他のメンバーは私の死を直接見た訳ではないからか、私に示す抵抗感がないようだ。
曜「こんにちは。善子ちゃん、花丸ちゃんにルビィちゃん」
善子「ヨハネよ!」
曜「―――では、そのように。ヨハネちゃん」
善子「~~~~ッ…………あー……………善子でいいわよ」
善子ちゃんは一瞬嬉しそうな、寂しそうな表情を見せた後発言を訂正した。
どうも私は人の感情の機微については察しやすいよう作られているらしい。
何故そのような感情を抱くに至ったか?まで分からないのが残念でならないが……
―――――――――――――――――――――――――
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あれから何回か千歌さんと接触することができたが、状況は芳しくない。
やはり、現在の私はAqoursメンバーが知る渡辺曜から大きく離れてしまっているようだ。
渡辺曜を知ることができれば、近づくことができればきっと千歌さんの心も……
思考を巡らせているうちに私は浦の星女学院の屋上へと足を運んでいた。
善子「あ、曜だ」
花丸「曜ちゃんずら、ルビィちゃん」
ルビィ「ホントだ!曜ちゃんこんにちは!」
一年生の三人が私を迎えてくれた。
千歌さんと違い他のメンバーは私の死を直接見た訳ではないからか、私に示す抵抗感がないようだ。
曜「こんにちは。善子ちゃん、花丸ちゃんにルビィちゃん」
善子「ヨハネよ!」
曜「―――では、そのように。ヨハネちゃん」
善子「~~~~ッ…………あー……………善子でいいわよ」
善子ちゃんは一瞬嬉しそうな、寂しそうな表情を見せた後発言を訂正した。
どうも私は人の感情の機微については察しやすいよう作られているらしい。
何故そのような感情を抱くに至ったか?まで分からないのが残念でならないが……
15: (たこやき) 2017/11/27(月) 20:53:33.38 ID:rke0hNSP
曜「えぇと、何かまずいこと言っちゃったかな?」
花丸「ううん、善子ちゃんは善子ちゃんずら♪」
善子「ズラ丸!アンタはヨハネって呼びなさいよ!」
ルビィ「それで曜ちゃんはどうして屋上に?」
曜「皆が知る渡辺曜はどんな人だったのかな?って思って色々考えてたら……此処へ」
善子「これぞ因果律ッ……!この場所こそリトルデーモン達が魂を磨き来るべき祭典への…」
曜「??えっと……?」
花丸「善子ちゃん、やめるずら」
善子「――はっ!申し訳ない……」
ルビィ「えっとね、この屋上はルビィ達Aqoursにとっての思い出がいっぱい詰まった場所なんだ!だから曜ちゃんも足を運んでくれたんじゃないのかな」
曜「私には……皆との思い出は……………」
ない。
私は渡辺曜を模しただけのアンドロイド。
予め渡辺曜の情報は幾らか与えられてはいるが圧倒的に不足している。
少なくとも屋上が彼女たちにとって重要な場所であるとの情報は与えられていない。
つまり、ルビィちゃんの発言はまるで的外れ、私がここに来たのは全くの偶然なのだから……
花丸「ううん、善子ちゃんは善子ちゃんずら♪」
善子「ズラ丸!アンタはヨハネって呼びなさいよ!」
ルビィ「それで曜ちゃんはどうして屋上に?」
曜「皆が知る渡辺曜はどんな人だったのかな?って思って色々考えてたら……此処へ」
善子「これぞ因果律ッ……!この場所こそリトルデーモン達が魂を磨き来るべき祭典への…」
曜「??えっと……?」
花丸「善子ちゃん、やめるずら」
善子「――はっ!申し訳ない……」
ルビィ「えっとね、この屋上はルビィ達Aqoursにとっての思い出がいっぱい詰まった場所なんだ!だから曜ちゃんも足を運んでくれたんじゃないのかな」
曜「私には……皆との思い出は……………」
ない。
私は渡辺曜を模しただけのアンドロイド。
予め渡辺曜の情報は幾らか与えられてはいるが圧倒的に不足している。
少なくとも屋上が彼女たちにとって重要な場所であるとの情報は与えられていない。
つまり、ルビィちゃんの発言はまるで的外れ、私がここに来たのは全くの偶然なのだから……
16: (たこやき) 2017/11/27(月) 20:57:40.69 ID:rke0hNSP
善子「ない……だなんてことないでしょ」
花丸「そうずら、曜ちゃんは今までもそしてこれからもずっと丸たちの大切なお友達」
ルビィ「だからそんなこと言わないで」
彼女たちは皆辛そうな顔をしていた。
いくら千歌さんのケアを担当するアンドロイドだからといってこれでは失格だ
…………どうにかせねば
曜「ごめんね。そうだ、よかったら皆私のことをもっと教えてくれないかな?もっと」
――――もっと私は、私らしく
渡辺曜らしくなりたい。
善子「ま、あれよね」
花丸「あれしかないずら」
ルビィ「いくよー!せーのっ!」
「「「全速前進!!ヨーソロー!!」」」
曜「よ、ヨーソロー……♪なんちゃって…」
確か直進を意味する航海用語だった気がするのだけれど…
不思議と悪い気分ではなかった。
ルビィ「曜ちゃん……!」
花丸「ふふふ、やっぱり曜ちゃんはこれずら」
善子「よーし!こうなったらトコトン曜に曜の知識ぶち込んでやるわよー!!」
曜「み、皆のバスが間に合うような時間にしてね?」
こうして私は、皆から私のことを教えてもらった。
千歌さん……千歌ちゃんも喜んでくれるといいな。
花丸「そうずら、曜ちゃんは今までもそしてこれからもずっと丸たちの大切なお友達」
ルビィ「だからそんなこと言わないで」
彼女たちは皆辛そうな顔をしていた。
いくら千歌さんのケアを担当するアンドロイドだからといってこれでは失格だ
…………どうにかせねば
曜「ごめんね。そうだ、よかったら皆私のことをもっと教えてくれないかな?もっと」
――――もっと私は、私らしく
渡辺曜らしくなりたい。
善子「ま、あれよね」
花丸「あれしかないずら」
ルビィ「いくよー!せーのっ!」
「「「全速前進!!ヨーソロー!!」」」
曜「よ、ヨーソロー……♪なんちゃって…」
確か直進を意味する航海用語だった気がするのだけれど…
不思議と悪い気分ではなかった。
ルビィ「曜ちゃん……!」
花丸「ふふふ、やっぱり曜ちゃんはこれずら」
善子「よーし!こうなったらトコトン曜に曜の知識ぶち込んでやるわよー!!」
曜「み、皆のバスが間に合うような時間にしてね?」
こうして私は、皆から私のことを教えてもらった。
千歌さん……千歌ちゃんも喜んでくれるといいな。
17: (たこやき) 2017/11/27(月) 21:02:17.46 ID:rke0hNSP
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――
それから数日少しずつ元の私に近づいているのか、千歌ちゃんからの刺すような視線が以前と比べると柔らかくなった気がする。
でも、このままじゃダメなんだ。
私は渡辺曜として…千歌ちゃんの力になりたい。今日こそ千歌ちゃんと打ち解けて見せるんだ!
曜「千歌ちゃん!」
千歌「……あぁ、ロボよーちゃんか」
曜「………っ」
千歌「曜ちゃんのマネ上手になったんだね」
曜「あはは……そういってもらえると嬉しいな」
千歌「で、なんか千歌に用事?早くお昼食べないと休み時間終わっちゃうよ」
曜「あ、あのっ!!」
落ち着け、渡辺曜。
私は千歌ちゃんの友達、曜らしく
千歌ちゃんの力に……千歌ちゃんの近くに!
曜「お、お、お、お、お昼ご飯………一緒に…………食べよ?」
自分でも情けないほど声が出なかった。
一度診てもらった方がいいのかな、どこもおかしくはないはずなんだけれど。
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――
それから数日少しずつ元の私に近づいているのか、千歌ちゃんからの刺すような視線が以前と比べると柔らかくなった気がする。
でも、このままじゃダメなんだ。
私は渡辺曜として…千歌ちゃんの力になりたい。今日こそ千歌ちゃんと打ち解けて見せるんだ!
曜「千歌ちゃん!」
千歌「……あぁ、ロボよーちゃんか」
曜「………っ」
千歌「曜ちゃんのマネ上手になったんだね」
曜「あはは……そういってもらえると嬉しいな」
千歌「で、なんか千歌に用事?早くお昼食べないと休み時間終わっちゃうよ」
曜「あ、あのっ!!」
落ち着け、渡辺曜。
私は千歌ちゃんの友達、曜らしく
千歌ちゃんの力に……千歌ちゃんの近くに!
曜「お、お、お、お、お昼ご飯………一緒に…………食べよ?」
自分でも情けないほど声が出なかった。
一度診てもらった方がいいのかな、どこもおかしくはないはずなんだけれど。
18: (たこやき) 2017/11/27(月) 21:05:47.92 ID:rke0hNSP
千歌「……食べれるの?」
曜「――――――!!!!」
千歌「聞いてるー?」
曜「―――あ、もちろん食べられるよっ!」
何でもないはずの会話に反応が遅れてしまう。
何故だろう
何故だろう
千歌「ふぅん、じゃあいこっか。今日梨子ちゃんお休みだし………千歌ひとりじゃさびしーし」
曜「うん!!」
とても嬉しい
千歌ちゃん……千歌ちゃん!
曜「――――――!!!!」
千歌「聞いてるー?」
曜「―――あ、もちろん食べられるよっ!」
何でもないはずの会話に反応が遅れてしまう。
何故だろう
何故だろう
千歌「ふぅん、じゃあいこっか。今日梨子ちゃんお休みだし………千歌ひとりじゃさびしーし」
曜「うん!!」
とても嬉しい
千歌ちゃん……千歌ちゃん!
21: (たこやき) 2017/11/27(月) 21:10:35.76 ID:rke0hNSP
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――
千歌「ホントにご飯食べられるんだね」
曜「うん、詳しいことは私もよく分からないんだけどね。有機物も燃料に変えられるみたい」
千歌「へー」
曜「うん………」
困った
会話が続かない、何故だか補給もイマイチうまくいかない。
千歌「パン食べないの?」
曜「え、あぁうん。適当に買ったんだけど…あまり好きじゃなくて。おかしいね………私ロボットなのに」
千歌「曜ちゃんみたい」
曜「えっ?」
千歌「そのパンね、パサパサしてて美味しくないって……曜ちゃんも言ってた」
曜「千歌ちゃん………」
千歌「ホントによーちゃんみたい……」
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――
千歌「ホントにご飯食べられるんだね」
曜「うん、詳しいことは私もよく分からないんだけどね。有機物も燃料に変えられるみたい」
千歌「へー」
曜「うん………」
困った
会話が続かない、何故だか補給もイマイチうまくいかない。
千歌「パン食べないの?」
曜「え、あぁうん。適当に買ったんだけど…あまり好きじゃなくて。おかしいね………私ロボットなのに」
千歌「曜ちゃんみたい」
曜「えっ?」
千歌「そのパンね、パサパサしてて美味しくないって……曜ちゃんも言ってた」
曜「千歌ちゃん………」
千歌「ホントによーちゃんみたい……」
22: (たこやき) 2017/11/27(月) 21:13:52.58 ID:rke0hNSP
この数日私なりに私自身や、千歌ちゃんのことを調べてみた。
お昼に誘うと決めた時からこれを渡したいとずっと思っていた。
曜「あのね、千歌ちゃん!!」
千歌「なぁに?」
みかんを……二人の好物であるみかんを千歌ちゃんに
千歌「あ、チャイムなっちゃった……もう行かないと」
曜「千歌ちゃん!みかん半分、食べない!?」
千歌「……ありがと。もう行かないとロボットでも曜ちゃんも怒られるよ」
お昼に誘うと決めた時からこれを渡したいとずっと思っていた。
曜「あのね、千歌ちゃん!!」
千歌「なぁに?」
みかんを……二人の好物であるみかんを千歌ちゃんに
千歌「あ、チャイムなっちゃった……もう行かないと」
曜「千歌ちゃん!みかん半分、食べない!?」
千歌「……ありがと。もう行かないとロボットでも曜ちゃんも怒られるよ」
23: (たこやき) 2017/11/27(月) 21:17:44.98 ID:rke0hNSP
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――
曜「………………………」
授業に集中できない。
する必要があるのか分からないけど。
千歌ちゃんはあまり笑ってくれなかった。
私の勝手な有難迷惑だったんだろうか……あのみかん。
捨てられたりしてないかな
曜「―――!」
こつん、と何かが頭にぶつかる。
当たった何かは私の机の上にそのまま落ちた。
曜「(手紙……クラスの誰かから)」
可愛らしい色どりに、ゆるキャラ……と呼ばれるキャラクター達がプリントされたメモ紙を小さく折りたたんだ手紙。
ひょっとすればロボットが授業だなんて嫌がる人もいたのかな
少し不安になりながら私は手紙の封をゆっくりと解いてみる。
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――
曜「………………………」
授業に集中できない。
する必要があるのか分からないけど。
千歌ちゃんはあまり笑ってくれなかった。
私の勝手な有難迷惑だったんだろうか……あのみかん。
捨てられたりしてないかな
曜「―――!」
こつん、と何かが頭にぶつかる。
当たった何かは私の机の上にそのまま落ちた。
曜「(手紙……クラスの誰かから)」
可愛らしい色どりに、ゆるキャラ……と呼ばれるキャラクター達がプリントされたメモ紙を小さく折りたたんだ手紙。
ひょっとすればロボットが授業だなんて嫌がる人もいたのかな
少し不安になりながら私は手紙の封をゆっくりと解いてみる。
25: (たこやき) 2017/11/27(月) 21:20:34.81 ID:rke0hNSP
ロボよーちゃんへ
みかんありがと
チカ
曜「…………っ」
良かった、本当に………良かった
みかんありがと
チカ
曜「…………っ」
良かった、本当に………良かった
26: (たこやき) 2017/11/27(月) 21:24:37.19 ID:rke0hNSP
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――
鞠莉「What?家庭科室?どうして?」
曜「その……皆とお話してると私お裁縫とか衣装作りが得意だったみたいだから」
ダイヤ「なるほど、より曜さんに近づこうというワケですわね」
曜「うん、皆に迷惑かけちゃったみたいだし何かお返しできたらなって。今でも迷惑かけてるかもだけど…」
果南「水臭いことは言いっこなし!だよ!」
鞠莉「果南はちょっと潮水クサいけどね~~」
果南「んなっ!!?///ちゃんと上がった後はシャワー浴びてるし!」
ダイヤ「鞠莉さん話を脱線させないでください!!」
鞠莉「っとそうね。OK曜♪家庭科室は自由に使ってくれて構わないわ」
ダイヤ「とは言えあなたもわが校の生徒です。くれぐれも下校時間は厳守!!学業に支障をきたさないことが原則ですわよ?」
曜「あはは…了解であります」
果南「まぁ私達で力になれることがあったら何でも言ってよ、仲間なんだから」
――――よし、頑張るぞ!
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――
鞠莉「What?家庭科室?どうして?」
曜「その……皆とお話してると私お裁縫とか衣装作りが得意だったみたいだから」
ダイヤ「なるほど、より曜さんに近づこうというワケですわね」
曜「うん、皆に迷惑かけちゃったみたいだし何かお返しできたらなって。今でも迷惑かけてるかもだけど…」
果南「水臭いことは言いっこなし!だよ!」
鞠莉「果南はちょっと潮水クサいけどね~~」
果南「んなっ!!?///ちゃんと上がった後はシャワー浴びてるし!」
ダイヤ「鞠莉さん話を脱線させないでください!!」
鞠莉「っとそうね。OK曜♪家庭科室は自由に使ってくれて構わないわ」
ダイヤ「とは言えあなたもわが校の生徒です。くれぐれも下校時間は厳守!!学業に支障をきたさないことが原則ですわよ?」
曜「あはは…了解であります」
果南「まぁ私達で力になれることがあったら何でも言ってよ、仲間なんだから」
――――よし、頑張るぞ!
29: (たこやき) 2017/11/27(月) 21:38:12.47 ID:rke0hNSP
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――
過去のライブ映像や採寸表なんかは手元にあったのでそれを元に作成を開始する。
トコトコトコトコ、カタカタカタカタ…………
誰もいない部屋で一人きり、千歌ちゃんの為に一着、作ってみよう。
というよりお小遣いは生前と変わっていないらしいので一着しか作れない。
……………ミスはできない。
千歌ちゃんには内緒にしてある。
サプライズの方がより千歌ちゃんを喜ばせることができるのではないだろうか、そう考えた。
以前よりずっと千歌ちゃんも私に笑いかけてくれるようになった。
何日もかけてようやく一着、作り上げることができた
曜「……………出来た」
千歌ちゃん喜んでくれるといいな
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――
過去のライブ映像や採寸表なんかは手元にあったのでそれを元に作成を開始する。
トコトコトコトコ、カタカタカタカタ…………
誰もいない部屋で一人きり、千歌ちゃんの為に一着、作ってみよう。
というよりお小遣いは生前と変わっていないらしいので一着しか作れない。
……………ミスはできない。
千歌ちゃんには内緒にしてある。
サプライズの方がより千歌ちゃんを喜ばせることができるのではないだろうか、そう考えた。
以前よりずっと千歌ちゃんも私に笑いかけてくれるようになった。
何日もかけてようやく一着、作り上げることができた
曜「……………出来た」
千歌ちゃん喜んでくれるといいな
30: (たこやき) 2017/11/27(月) 21:40:46.86 ID:rke0hNSP
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――
部室
今日は千歌ちゃんへ衣装を渡す日だ。
メンバーもみんな見守る中、千歌ちゃんに告げてみる。
ダイヤさん達も知らない体、バレないといいけど…
千歌「へ、千歌にプレゼント?チカ別に誕生日とかじゃないよ?」
曜「もーそのくらい知ってるよ」
鞠莉「なになにー?」
ダイヤ「き、気になりますわね、見当もつきませんわ!」
果南「あはは…ホント気になるなー」
曜「開けてみてほしいな」
千歌「まぁ…くれるんなら開けてみよっかな?」
ドキドキする。
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――
部室
今日は千歌ちゃんへ衣装を渡す日だ。
メンバーもみんな見守る中、千歌ちゃんに告げてみる。
ダイヤさん達も知らない体、バレないといいけど…
千歌「へ、千歌にプレゼント?チカ別に誕生日とかじゃないよ?」
曜「もーそのくらい知ってるよ」
鞠莉「なになにー?」
ダイヤ「き、気になりますわね、見当もつきませんわ!」
果南「あはは…ホント気になるなー」
曜「開けてみてほしいな」
千歌「まぁ…くれるんなら開けてみよっかな?」
ドキドキする。
31: (たこやき) 2017/11/27(月) 21:43:48.31 ID:rke0hNSP
花丸「衣装ずら!」
善子「ん?お、おぉ……」
ルビィ「あっ…」
千歌「なにこれ?」
曜「あのね、昔のライブ映像とか見て千歌ちゃんに衣装作ってみたんだ!ど、どうかな」
千歌「………」
視線が……痛くなった。
この目は最初の頃のあの目だ。
冷たい、他人を見るような、刺すようなあの視線。
千歌「全然違う」
千歌「全然違うよ……ボタンの位置変だし中の綿ちょっと出ちゃってるし、リボンだってちゃんと結べてないし!!!」
曜「ご、ごめんね、まだ下手くそで…」
やめて
千歌「やっぱり………」
お願い
千歌「やっぱり………」
痛い、痛い
善子「ん?お、おぉ……」
ルビィ「あっ…」
千歌「なにこれ?」
曜「あのね、昔のライブ映像とか見て千歌ちゃんに衣装作ってみたんだ!ど、どうかな」
千歌「………」
視線が……痛くなった。
この目は最初の頃のあの目だ。
冷たい、他人を見るような、刺すようなあの視線。
千歌「全然違う」
千歌「全然違うよ……ボタンの位置変だし中の綿ちょっと出ちゃってるし、リボンだってちゃんと結べてないし!!!」
曜「ご、ごめんね、まだ下手くそで…」
やめて
千歌「やっぱり………」
お願い
千歌「やっぱり………」
痛い、痛い
33: (たこやき) 2017/11/27(月) 21:48:12.39 ID:rke0hNSP
視線が、心が
千歌「やっぱり曜ちゃんじゃないよ……もう帰る」
梨子「千歌ちゃん!」
果南「千歌……」
鞠莉「千歌っち…」
千歌「千歌だって……千歌だってこんなこと言いたくないけど………曜ちゃんと全然違うんだもん!!」
千歌ちゃんが帰った後もみんなは優しく私を慰めてくれた。
でも、苦しい。
何故だろう、千歌ちゃんのことを
千歌ちゃんの喜ぶ顔が見たかっただけなのに。
善子「もう千歌いないし、今はめいっぱい泣きなさい」
曜「うっ………うぅぅぅっ」
どうしてこんなに苦しいのだろう。
まるで人間みたいに、機械のくせに。
曜「うぁぁぁっ……わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん」
涙が出る機能がついてることを今日初めて知った。
千歌「やっぱり曜ちゃんじゃないよ……もう帰る」
梨子「千歌ちゃん!」
果南「千歌……」
鞠莉「千歌っち…」
千歌「千歌だって……千歌だってこんなこと言いたくないけど………曜ちゃんと全然違うんだもん!!」
千歌ちゃんが帰った後もみんなは優しく私を慰めてくれた。
でも、苦しい。
何故だろう、千歌ちゃんのことを
千歌ちゃんの喜ぶ顔が見たかっただけなのに。
善子「もう千歌いないし、今はめいっぱい泣きなさい」
曜「うっ………うぅぅぅっ」
どうしてこんなに苦しいのだろう。
まるで人間みたいに、機械のくせに。
曜「うぁぁぁっ……わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん」
涙が出る機能がついてることを今日初めて知った。
34: (たこやき) 2017/11/27(月) 21:52:54.98 ID:rke0hNSP
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――
志満「おかえり千歌ちゃん」
千歌「うん……ただいま。ごめん今日はもう休む」
力なくベッドに倒れこむ、どうしてあんな言い方しかできないんだろう私は
千歌「あの衣装、結構可愛かったのに………」
曜ちゃん泣いちゃっただろうな。すっごく辛そうだったもん。
千歌「あーーー!!!もう!!なんであんな言い方ーーーーーーーー!?」
足をバタバタさせもがいてみても心のもやもやは晴れなかった。
「千歌!うるさいよー!お客さんの迷惑になるから静かにーーー!」
千歌「……そんなにうるさかったかなぁ」
ごめんね、曜ちゃん。
千歌も本当はね、曜ちゃんの事大好きなのに……
ダイスキナノニ…
千歌「はは……泣くに泣けないや」
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――
志満「おかえり千歌ちゃん」
千歌「うん……ただいま。ごめん今日はもう休む」
力なくベッドに倒れこむ、どうしてあんな言い方しかできないんだろう私は
千歌「あの衣装、結構可愛かったのに………」
曜ちゃん泣いちゃっただろうな。すっごく辛そうだったもん。
千歌「あーーー!!!もう!!なんであんな言い方ーーーーーーーー!?」
足をバタバタさせもがいてみても心のもやもやは晴れなかった。
「千歌!うるさいよー!お客さんの迷惑になるから静かにーーー!」
千歌「……そんなにうるさかったかなぁ」
ごめんね、曜ちゃん。
千歌も本当はね、曜ちゃんの事大好きなのに……
ダイスキナノニ…
千歌「はは……泣くに泣けないや」
35: (たこやき) 2017/11/27(月) 21:56:48.69 ID:rke0hNSP
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――
あれから数日が経っても千歌ちゃんは目を合わせてくれない。
これじゃケア用アンドロイド失格だよね、なりきることすらできずに相手を傷つけてしまったんだ……
鞠莉「Hi♪いつまでメソメソしてるつもり?」
曜「鞠莉ちゃん……」
相変わらず皆私にやさしくしてくれる。
まるで私がケアされる側みたいに……
ダイヤ「人間であれロボットであれ失敗はつきもの!いえロボットだとは思っていませんがそこから前に進むのが……その」
ルビィ「頑張ルビィ!ってことだよね?」
善子「なにそれ」
花丸「千歌ちゃんに何かしてあげたかったならおらたちも頼って欲しかったずら」
果南「そうだよ、まだまだ慣れないことだって多いんだからさ」
梨子「サプライズするなら今度は皆でしてあげようよ。みんな心はひとつだよ?」
曜「みんな……」
ルビィ「ぅゅ!ルビィ衣装づくりまた曜ちゃんとやってみたい!!」
善子「そろそろこの概念礼装も新調したいと思っていたところだしね」
果南「ダンスやフォーメーションの練習も色々案があるんだ」
梨子「私も暇だから曲にアレンジ加えちゃった♪」
ダイヤ「みんなあなたを待っていますのよ、曜さん」
鞠莉「今回はSurpriseだから例外的に千歌っちは抜きになるけど……
―――――――――――――――――――――――――
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あれから数日が経っても千歌ちゃんは目を合わせてくれない。
これじゃケア用アンドロイド失格だよね、なりきることすらできずに相手を傷つけてしまったんだ……
鞠莉「Hi♪いつまでメソメソしてるつもり?」
曜「鞠莉ちゃん……」
相変わらず皆私にやさしくしてくれる。
まるで私がケアされる側みたいに……
ダイヤ「人間であれロボットであれ失敗はつきもの!いえロボットだとは思っていませんがそこから前に進むのが……その」
ルビィ「頑張ルビィ!ってことだよね?」
善子「なにそれ」
花丸「千歌ちゃんに何かしてあげたかったならおらたちも頼って欲しかったずら」
果南「そうだよ、まだまだ慣れないことだって多いんだからさ」
梨子「サプライズするなら今度は皆でしてあげようよ。みんな心はひとつだよ?」
曜「みんな……」
ルビィ「ぅゅ!ルビィ衣装づくりまた曜ちゃんとやってみたい!!」
善子「そろそろこの概念礼装も新調したいと思っていたところだしね」
果南「ダンスやフォーメーションの練習も色々案があるんだ」
梨子「私も暇だから曲にアレンジ加えちゃった♪」
ダイヤ「みんなあなたを待っていますのよ、曜さん」
鞠莉「今回はSurpriseだから例外的に千歌っちは抜きになるけど……
36: (たこやき) 2017/11/27(月) 22:00:31.92 ID:rke0hNSP
またみんなで歌おう
優しい言葉が、傷口を覆うように心にしみこんでいく
曜「うっうぅぅぅ……」
嬉しい……
もちろん怖さもあるけど、皆とならきっとみんなとなら……
花丸「善子ちゃんが泣かせたズラ」
善子「私じゃない!」
果南「いつの間にか曜も泣き虫になっちゃったね」
曜「ありがとう……ごめんねみんな…」
鞠莉「泣かないで?貴女はずっと私達の仲間、そうでしょう?」
ダイヤ「そうと決まれば、皆さん次のセリフは決まっていますわね?」
ルビィ「おねぇちゃぁ……それ実は前もやった…」
曜「ううん!やろう!!いくよー………」
梨子「さんはいっ」
「「「「「「「「全速前進!!ヨーソロー!!!!」」」」」」」」
優しい言葉が、傷口を覆うように心にしみこんでいく
曜「うっうぅぅぅ……」
嬉しい……
もちろん怖さもあるけど、皆とならきっとみんなとなら……
花丸「善子ちゃんが泣かせたズラ」
善子「私じゃない!」
果南「いつの間にか曜も泣き虫になっちゃったね」
曜「ありがとう……ごめんねみんな…」
鞠莉「泣かないで?貴女はずっと私達の仲間、そうでしょう?」
ダイヤ「そうと決まれば、皆さん次のセリフは決まっていますわね?」
ルビィ「おねぇちゃぁ……それ実は前もやった…」
曜「ううん!やろう!!いくよー………」
梨子「さんはいっ」
「「「「「「「「全速前進!!ヨーソロー!!!!」」」」」」」」
40: (たこやき) 2017/11/27(月) 22:05:45.98 ID:rke0hNSP
________________________
____________
ルビィ「しゅごい!曜ちゃん上手だよ!!」
曜「えへへ、精進するのみであります!」
____________________________________
________________________
____________
曜「船乗りカレー復刻バージョンだよ♪」
善子「……美味!」
鞠莉「Good♪」 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)
____________
ルビィ「しゅごい!曜ちゃん上手だよ!!」
曜「えへへ、精進するのみであります!」
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曜「船乗りカレー復刻バージョンだよ♪」
善子「……美味!」
鞠莉「Good♪」 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)
41: (たこやき) 2017/11/27(月) 22:06:46.28 ID:rke0hNSP
____________________________________
________________________
____________
ダイヤ「まさかこの特訓プログラムをこなすとは……!」
果南「流石曜、飲み込み早いねぇ。振り付けもバッチリだよ」
曜「ホントかな、よかったぁ」
____________________________________
________________________
____________
花丸「綺麗な歌声……」
梨子「あとは、本番だね!」
曜「……うん」
梨子「大丈夫、今回は皆もついてるから千歌ちゃんの事喜ばせてあげよう?」
曜「…うん!」 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)
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ダイヤ「まさかこの特訓プログラムをこなすとは……!」
果南「流石曜、飲み込み早いねぇ。振り付けもバッチリだよ」
曜「ホントかな、よかったぁ」
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花丸「綺麗な歌声……」
梨子「あとは、本番だね!」
曜「……うん」
梨子「大丈夫、今回は皆もついてるから千歌ちゃんの事喜ばせてあげよう?」
曜「…うん!」 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)
42: (たこやき) 2017/11/27(月) 22:08:35.78 ID:rke0hNSP
____________________________________
________________________
____________
曜ちゃんに酷いことを言ってからしばらく
私はやっぱり曜ちゃんにやさしい言葉はかけてあげられなかった。
多分、これからも……
最近みんなの様子がおかしいのは分かってた。
とうとうみんなこんなチカに愛想つかしちゃったのかなって。
すると皆に呼び出されて―――――――――?
千歌「なになにみんなーずっと千歌に黙ってコソコソしてたけど」
果南「それはついてからのお楽しみっ」
ルビィ「早く早く!!」
千歌「押さないでよ~~」
ダイヤ「――お待ちしておりましたわ。さ、ルビィたちは早くステージへ」
千歌「…………?」
「来てくれたんだね、千歌ちゃん」
千歌「曜ちゃん………」
曜「今日は前回の反省を踏まえ、皆でサプライズライブすることにしました!!」
千歌「…………」
曜「ルビィちゃん達に手伝ってもらったところはいっぱいあるけど、前よりは……ずっと上手にできたと思う」
うん、今の曜ちゃんはとってもかわいい
曜ちゃんはずっと…
________________________
____________
曜ちゃんに酷いことを言ってからしばらく
私はやっぱり曜ちゃんにやさしい言葉はかけてあげられなかった。
多分、これからも……
最近みんなの様子がおかしいのは分かってた。
とうとうみんなこんなチカに愛想つかしちゃったのかなって。
すると皆に呼び出されて―――――――――?
千歌「なになにみんなーずっと千歌に黙ってコソコソしてたけど」
果南「それはついてからのお楽しみっ」
ルビィ「早く早く!!」
千歌「押さないでよ~~」
ダイヤ「――お待ちしておりましたわ。さ、ルビィたちは早くステージへ」
千歌「…………?」
「来てくれたんだね、千歌ちゃん」
千歌「曜ちゃん………」
曜「今日は前回の反省を踏まえ、皆でサプライズライブすることにしました!!」
千歌「…………」
曜「ルビィちゃん達に手伝ってもらったところはいっぱいあるけど、前よりは……ずっと上手にできたと思う」
うん、今の曜ちゃんはとってもかわいい
曜ちゃんはずっと…
43: (たこやき) 2017/11/27(月) 22:12:34.89 ID:rke0hNSP
曜「一曲だけだけど…必死に練習しました!!だから……もし、私が……私達が輝いてると思ってくれたのなら!!」
曜ちゃんはずっと輝いてる
輝いていないのは……
曜「私を―Aqoursのメンバーにしてください!!!!」
Aqoursに要らないのは………
曜「そしてその時は千歌ちゃんもこの衣装を………着てほしいな」
千歌に……私に、そんな資格は………
曜「それでは聴いてください――――――――――」
梨子ちゃん
ダイヤさん
果南ちゃん
鞠莉ちゃん
ルビィちゃん
善子ちゃん
花丸ちゃん
そして、曜ちゃん
皆とっても輝いていた、文句のつけようがないくらいキラキラと。
ダイヤ「――それでは、わたくしたちは一足先に」
鞠莉「goodluck、曜♪」
曜ちゃんを残し、皆は千歌と曜ちゃんを二人きりにした。
ステージに上がりこんだ私と曜ちゃん、フタリキリ
曜ちゃんはずっと輝いてる
輝いていないのは……
曜「私を―Aqoursのメンバーにしてください!!!!」
Aqoursに要らないのは………
曜「そしてその時は千歌ちゃんもこの衣装を………着てほしいな」
千歌に……私に、そんな資格は………
曜「それでは聴いてください――――――――――」
梨子ちゃん
ダイヤさん
果南ちゃん
鞠莉ちゃん
ルビィちゃん
善子ちゃん
花丸ちゃん
そして、曜ちゃん
皆とっても輝いていた、文句のつけようがないくらいキラキラと。
ダイヤ「――それでは、わたくしたちは一足先に」
鞠莉「goodluck、曜♪」
曜ちゃんを残し、皆は千歌と曜ちゃんを二人きりにした。
ステージに上がりこんだ私と曜ちゃん、フタリキリ
44: (たこやき) 2017/11/27(月) 22:18:24.27 ID:rke0hNSP
他愛ない話をしてみたり
感想を言ってみたり
曜ちゃんはとってもニコニコしていた。
きっと曜ちゃん本来の眩しい笑顔なんだと千歌は思う
曜「どうだったかな?」
千歌「うん……とっても輝いてた」
曜「本当!?じゃあ………」
千歌「曜ちゃんはAqoursのメンバーだよ」
曜「やった!!よろしくね、千歌ちゃんっっ!!」
本当に弾けるようにキラキラと……
キラキラと……?
千歌「そうだけど………」
違う、眩しいけどそういうのじゃない
曜「千歌ちゃん……?」
照明だ!!!
千歌「曜ちゃん!!危ないッッッ!!!!!!!!!!」
渾身の力を込めて曜ちゃんを突き飛ばす
あなた
だ
けは
助かって
感想を言ってみたり
曜ちゃんはとってもニコニコしていた。
きっと曜ちゃん本来の眩しい笑顔なんだと千歌は思う
曜「どうだったかな?」
千歌「うん……とっても輝いてた」
曜「本当!?じゃあ………」
千歌「曜ちゃんはAqoursのメンバーだよ」
曜「やった!!よろしくね、千歌ちゃんっっ!!」
本当に弾けるようにキラキラと……
キラキラと……?
千歌「そうだけど………」
違う、眩しいけどそういうのじゃない
曜「千歌ちゃん……?」
照明だ!!!
千歌「曜ちゃん!!危ないッッッ!!!!!!!!!!」
渾身の力を込めて曜ちゃんを突き飛ばす
あなた
だ
けは
助かって
45: (たこやき) 2017/11/27(月) 22:24:26.35 ID:rke0hNSP
____________________________________
________________________
____________
曜「うぅ……」
頭が痛い。
確か照明が落ちてきて、千歌ちゃんに突き飛ばされて………
――――――――機械の私はともかく千歌ちゃんが危ない!!!!!!!!!!
まだ視界ははっきりしないけど千歌ちゃんはどこ!?
曜「千歌ちゃん!!!!」
千歌「あ、起きた?」
千歌ちゃんは照明に挟まれて動けずにいる
なんとか………なんとかしないと
曜「待ってて!すぐに救急車を……痛っ!?」
千歌「ダメだよー…曜ちゃん血ぃ出てるもん」
確かに血は出ている……でも
――――?
――?
血?
私が?
曜「うぅ……」
痛みは増す一方だけど視界ははっきりしてきた。
確かに出血してる。
千歌「無理しちゃダメ。千歌の言うコト聞いて?」
そして――――――――
千歌ちゃんの身体からは、ケーブルのようなものが飛び出ている
千歌「それとも…………ロボットの千歌じゃダメかな?」
すべて思い出してしまった。
________________________
____________
曜「うぅ……」
頭が痛い。
確か照明が落ちてきて、千歌ちゃんに突き飛ばされて………
――――――――機械の私はともかく千歌ちゃんが危ない!!!!!!!!!!
まだ視界ははっきりしないけど千歌ちゃんはどこ!?
曜「千歌ちゃん!!!!」
千歌「あ、起きた?」
千歌ちゃんは照明に挟まれて動けずにいる
なんとか………なんとかしないと
曜「待ってて!すぐに救急車を……痛っ!?」
千歌「ダメだよー…曜ちゃん血ぃ出てるもん」
確かに血は出ている……でも
――――?
――?
血?
私が?
曜「うぅ……」
痛みは増す一方だけど視界ははっきりしてきた。
確かに出血してる。
千歌「無理しちゃダメ。千歌の言うコト聞いて?」
そして――――――――
千歌ちゃんの身体からは、ケーブルのようなものが飛び出ている
千歌「それとも…………ロボットの千歌じゃダメかな?」
すべて思い出してしまった。
55: (たこやき) 2017/11/27(月) 22:37:20.11 ID:rke0hNSP
____________________________________
________________________
____________
曜ちゃん!曜……ちゃ……ん」
「大好き…よ…………き……て?」
「大好きだよようちゃんいきて?」
その日、私はかけがえのない親友を失った。
そして心と記憶が壊れてしまった。
________________________
____________
曜ちゃん!曜……ちゃ……ん」
「大好き…よ…………き……て?」
「大好きだよようちゃんいきて?」
その日、私はかけがえのない親友を失った。
そして心と記憶が壊れてしまった。
57: (たこやき) 2017/11/27(月) 22:39:53.16 ID:rke0hNSP
____________________________________
________________________
____________
千歌「―――――!!曜ちゃんは!?」
美渡「………………全部説明する」
志満「千歌ちゃんにはすっごく辛い話だと思うけど……」
「あのね……曜ちゃんは事故の際に記憶を失い、自分をロボットだと思い込むようになってしまったの」
志満ねぇからは私が千歌の記憶を持ったアンドロイドだということ
曜ちゃんが記憶を失ったこと、私が曜ちゃんの記憶を取り戻すカギとなる可能性が高いこと。
そして、刺激を与えるため、曜ちゃんが自らを知ることに積極性を持つように基本的には反発的な態度を取らなければいけないということ
いろんな話を聞かされた。
そんな話、聞きたくなかった。
キキタクナカッタ。
せめてもの救いは志満ねぇ達が今まで通り接してくれたことかな
________________________
____________
千歌「―――――!!曜ちゃんは!?」
美渡「………………全部説明する」
志満「千歌ちゃんにはすっごく辛い話だと思うけど……」
「あのね……曜ちゃんは事故の際に記憶を失い、自分をロボットだと思い込むようになってしまったの」
志満ねぇからは私が千歌の記憶を持ったアンドロイドだということ
曜ちゃんが記憶を失ったこと、私が曜ちゃんの記憶を取り戻すカギとなる可能性が高いこと。
そして、刺激を与えるため、曜ちゃんが自らを知ることに積極性を持つように基本的には反発的な態度を取らなければいけないということ
いろんな話を聞かされた。
そんな話、聞きたくなかった。
キキタクナカッタ。
せめてもの救いは志満ねぇ達が今まで通り接してくれたことかな
58: (たこやき) 2017/11/27(月) 22:44:03.40 ID:rke0hNSP
____________________________________
________________________
____________
千歌「あはは……思い出したんだね」
曜「そんな………私バカみたいだ。バカ曜だ………」
千歌「ごめんね曜ちゃん」
曜「どうして千歌ちゃんが謝るのさっ!」
千歌「ずっと千歌曜ちゃんに意地悪してたでしょ?だから……ごめんね」
曜「それは……私の為にしてくれてたんだよね」
千歌「一応………そうなるのかなぁ?だってAqoursの皆にこんなことさせられないもん。千歌はそのために作られたロボットなんだから」
曜「謝るのはこっちだよ…変な思い込みして千歌ちゃんを苦しめて…」
千歌「ぜーたく言うならもうちょっと早く気づいてくれると嬉しかったかなぁ、皆千歌にめっちゃ気ぃ使ってたし」
曜「思い返せば……ホントだね」
千歌「で…しょ…?衣装つtkってくれた時なんか果南ちゃん千歌が本物なら絶対怒ってる……・・・sい」
曜「うん…気持ちも知らないで!とか言って怒るかも」
千歌「ずっと辛かった、辛……時は涙を流しtkkかった。偽……モノだと曜ちゃんに隠すのが辛かった…」
千歌「もっとみんなと……かがやきタカッタ」
曜「千歌ちゃん……」
千歌「曜ちゃんと………仲良くしたかった」
________________________
____________
千歌「あはは……思い出したんだね」
曜「そんな………私バカみたいだ。バカ曜だ………」
千歌「ごめんね曜ちゃん」
曜「どうして千歌ちゃんが謝るのさっ!」
千歌「ずっと千歌曜ちゃんに意地悪してたでしょ?だから……ごめんね」
曜「それは……私の為にしてくれてたんだよね」
千歌「一応………そうなるのかなぁ?だってAqoursの皆にこんなことさせられないもん。千歌はそのために作られたロボットなんだから」
曜「謝るのはこっちだよ…変な思い込みして千歌ちゃんを苦しめて…」
千歌「ぜーたく言うならもうちょっと早く気づいてくれると嬉しかったかなぁ、皆千歌にめっちゃ気ぃ使ってたし」
曜「思い返せば……ホントだね」
千歌「で…しょ…?衣装つtkってくれた時なんか果南ちゃん千歌が本物なら絶対怒ってる……・・・sい」
曜「うん…気持ちも知らないで!とか言って怒るかも」
千歌「ずっと辛かった、辛……時は涙を流しtkkかった。偽……モノだと曜ちゃんに隠すのが辛かった…」
千歌「もっとみんなと……かがやきタカッタ」
曜「千歌ちゃん……」
千歌「曜ちゃんと………仲良くしたかった」
59: (たこやき) 2017/11/27(月) 22:50:01.78 ID:rke0hNSP
曜「うっ……うぅぅ」
千歌『ナカナイデ。止血だけでも……ch歌が……よし』
千歌『も…行っって』
曜「ダメだよ!千歌ちゃんが死んじゃう!!」
千歌『チカはね、もうシンデルんだよ。私はニセモノ』
曜「関係ない!おぶっていく!!」
千歌『ムリだよ……重くなってテ………ちょっと部…屋でジタバタし………ら美…渡ねに…お…ラレテ……』
曜「絶対にあきらめない!!!親友を二回も失うなんて考えられない!!」
曜「最後まで足搔くことを教えてくれたのは千歌ちゃんだからっ!!これからもずっと千歌ちゃんと居たいからぁぁぁ!」
千歌『も……起キてラレ・・・イ……みた…い』
曜「嫌嫌嫌嫌!!!イヤ!!!千歌ちゃん!!千歌ちゃん!!!」
「大好きだよようちゃんいきて?」
曜「やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
千歌『ナカナイデ。止血だけでも……ch歌が……よし』
千歌『も…行っって』
曜「ダメだよ!千歌ちゃんが死んじゃう!!」
千歌『チカはね、もうシンデルんだよ。私はニセモノ』
曜「関係ない!おぶっていく!!」
千歌『ムリだよ……重くなってテ………ちょっと部…屋でジタバタし………ら美…渡ねに…お…ラレテ……』
曜「絶対にあきらめない!!!親友を二回も失うなんて考えられない!!」
曜「最後まで足搔くことを教えてくれたのは千歌ちゃんだからっ!!これからもずっと千歌ちゃんと居たいからぁぁぁ!」
千歌『も……起キてラレ・・・イ……みた…い』
曜「嫌嫌嫌嫌!!!イヤ!!!千歌ちゃん!!千歌ちゃん!!!」
「大好きだよようちゃんいきて?」
曜「やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
60: (たこやき) 2017/11/27(月) 22:52:40.14 ID:rke0hNSP
実はここからは書き溜めしてないんだ
ハッピー風かトゥルー風か
下2
ハッピー風かトゥルー風か
下2
61: (家) 2017/11/27(月) 22:53:41.68 ID:ieBjAMJJ
ハッピー
62: (SB-iPhone) 2017/11/27(月) 22:53:55.93 ID:rmFySYKn
ハッピー
69: (たこやき) 2017/11/28(火) 00:21:33.22 ID:PaCGZq/Q
____________________________________
________________________
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そのあと、私を心配したダイヤさん達が戻ってきてくれて、私は無事手当てを受けることができた。
ステージの作りが甘いとメンバー一同大目玉を食らってしまったが、それ以上に私の記憶が戻ったことを大人たちも喜んでくれた。
それから一か月
傷も治り私は二度目の復学。
今度こそ千歌ちゃんのいない生活
梨子「どう?体の具合は?」
曜「うん、もうバッチリこの通り!」
ダイヤ「嗚呼…!無理はいけませんわよ曜さん…安静になさって」
曜「もー心配し過ぎだって。この通り渡辺曜!五体満足健康体であります!」
ルビィ「曜ちゃん…」
曜「また衣装作り頑張ろうねルビィちゃん!!」
善子「曜……私の名前呼んでみて」
曜「え?…善子ちゃんでしょ?」
善子「まだ記憶が混乱してるようね、いい?貴女は私をヨハネと呼んでいたのよ?」
花丸「やめるずら」
果南「善子ーまだ病み上がりなんだからキツイ冗談はやめときなよー」
善子「冗談じゃない!!ヨハネ!」
曜「はは……みんな思い出したから心配しないで。っていうかあんまり言われると恥ずかしいから」
みんな優しい。
________________________
____________
そのあと、私を心配したダイヤさん達が戻ってきてくれて、私は無事手当てを受けることができた。
ステージの作りが甘いとメンバー一同大目玉を食らってしまったが、それ以上に私の記憶が戻ったことを大人たちも喜んでくれた。
それから一か月
傷も治り私は二度目の復学。
今度こそ千歌ちゃんのいない生活
梨子「どう?体の具合は?」
曜「うん、もうバッチリこの通り!」
ダイヤ「嗚呼…!無理はいけませんわよ曜さん…安静になさって」
曜「もー心配し過ぎだって。この通り渡辺曜!五体満足健康体であります!」
ルビィ「曜ちゃん…」
曜「また衣装作り頑張ろうねルビィちゃん!!」
善子「曜……私の名前呼んでみて」
曜「え?…善子ちゃんでしょ?」
善子「まだ記憶が混乱してるようね、いい?貴女は私をヨハネと呼んでいたのよ?」
花丸「やめるずら」
果南「善子ーまだ病み上がりなんだからキツイ冗談はやめときなよー」
善子「冗談じゃない!!ヨハネ!」
曜「はは……みんな思い出したから心配しないで。っていうかあんまり言われると恥ずかしいから」
みんな優しい。
70: (たこやき) 2017/11/28(火) 00:26:27.46 ID:PaCGZq/Q
気を遣って接してくれているのが痛いほどわかる。
鞠莉「ずっと言ってたでしょ?私達は仲間……無理はしないでね?」
いつも中心に私を置いてくれる。
まるで傷が付かないように心を囲ってくれているようで
曜「あー……でも、今日は帰ろうかな」
温かい輪の中心に居る私の心だけ酷く冷え切っていて
果南「送ってこうか!?」
何もなくて
曜「平気平気」
空虚で
ダイヤ「曜さん…………」
鞠莉「ずっと言ってたでしょ?私達は仲間……無理はしないでね?」
いつも中心に私を置いてくれる。
まるで傷が付かないように心を囲ってくれているようで
曜「あー……でも、今日は帰ろうかな」
温かい輪の中心に居る私の心だけ酷く冷え切っていて
果南「送ってこうか!?」
何もなくて
曜「平気平気」
空虚で
ダイヤ「曜さん…………」
71: (たこやき) 2017/11/28(火) 00:32:54.63 ID:PaCGZq/Q
____________________________________
________________________
____________
気が付くと砂浜に来ていた。
どうやって家に帰るかなんて考えてなかった。
曜「ま、いっか………」
中心に置いてもらっている私の心の中心はぽっかりと穴が開いて酷く空虚
同じ親友が二度死んだんだろうか?
等しい親友が二人死んでしまったんだろうか?
考えても考えても分からない。
キチンと考えられてるのかも分からない。
それでも
それでも
曜「千歌ちゃんがいないのは……寂しいよ……………!!!!!!!!!」
私にとってかけがえのない光
唯一無二の何物にも代えられない宝物
千歌ちゃん
曜「そうだ……会いに行こう」
暗い夜の海に素足を晒す
死んでしまえばきっと……どっちかの千歌ちゃんには会えるよね
曜「千歌ちゃん…」
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気が付くと砂浜に来ていた。
どうやって家に帰るかなんて考えてなかった。
曜「ま、いっか………」
中心に置いてもらっている私の心の中心はぽっかりと穴が開いて酷く空虚
同じ親友が二度死んだんだろうか?
等しい親友が二人死んでしまったんだろうか?
考えても考えても分からない。
キチンと考えられてるのかも分からない。
それでも
それでも
曜「千歌ちゃんがいないのは……寂しいよ……………!!!!!!!!!」
私にとってかけがえのない光
唯一無二の何物にも代えられない宝物
千歌ちゃん
曜「そうだ……会いに行こう」
暗い夜の海に素足を晒す
死んでしまえばきっと……どっちかの千歌ちゃんには会えるよね
曜「千歌ちゃん…」
72: (たこやき) 2017/11/28(火) 00:40:12.19 ID:PaCGZq/Q
もうずいぶんと冷える季節だが、冷たさは気にならなかった。
曜「千歌ちゃん」
一歩また一歩と歩を進める。
ひょっとすれば水泳の経験が活きているのかもしれない。
冷たい海水すら千歌ちゃんに会いに行くためならヘッチャラだ。
曜「全速前進だね、千歌ちゃん」
ちかちゃん
曜「千歌ちゃん」
「よーちゃん」
曜「千歌ちゃん」
「よーうちゃん」
…………!千歌ちゃんの声だ!
曜「どこ!?千歌ちゃんどこ!!?会いに来たよ!!」
前からも後ろからも優しい千歌ちゃんの声
曜「千歌ちゃん」
一歩また一歩と歩を進める。
ひょっとすれば水泳の経験が活きているのかもしれない。
冷たい海水すら千歌ちゃんに会いに行くためならヘッチャラだ。
曜「全速前進だね、千歌ちゃん」
ちかちゃん
曜「千歌ちゃん」
「よーちゃん」
曜「千歌ちゃん」
「よーうちゃん」
…………!千歌ちゃんの声だ!
曜「どこ!?千歌ちゃんどこ!!?会いに来たよ!!」
前からも後ろからも優しい千歌ちゃんの声
73: (たこやき) 2017/11/28(火) 00:53:36.54 ID:PaCGZq/Q
目を凝らすと優しい光に包まれた千歌ちゃんが……居た
千歌「えへへ……お盆じゃないのに来ちゃった」
曜「待ってて!今行くね!!」
千歌「ダーメ、曜ちゃんには罰として寿命いっぱいまで生きるの刑に服してもらうのだ!」
曜「嫌だよ!せっかく会えたんだよ!?」
千歌「千歌ね、ずっと見てたんだ」
………?
千歌「曜ちゃんずっと辛そうで……でもね千歌が最期に言ったようにやっぱり曜ちゃんには生きていてほしい」
曜「千歌ちゃん…でも」
千歌「曜ちゃん、もう一人のチカは嫌い?」
曜「んーん……どっちも大好き。だから!だから辛いの!!もうどうしたらいいか分からないよ!」
千歌「それを聞けて良かった」
千歌ちゃんを包む光が薄くなっていく
曜「イヤ…消えないで」
千歌「ホントはもっと言いたいことあったんだけどねー。ダイヤさんうるさくしないでねとか果南ちゃん海の中でおしっこしたらダメだよとか」
曜「そうだよ、もっと言って?もっとおしゃべりしよ、ね?ね?千歌ちゃん……」
千歌「まだまだ伝えたいことがいーーーーっぱい!!でももうそろそろ行かないと」
千歌「えへへ……お盆じゃないのに来ちゃった」
曜「待ってて!今行くね!!」
千歌「ダーメ、曜ちゃんには罰として寿命いっぱいまで生きるの刑に服してもらうのだ!」
曜「嫌だよ!せっかく会えたんだよ!?」
千歌「千歌ね、ずっと見てたんだ」
………?
千歌「曜ちゃんずっと辛そうで……でもね千歌が最期に言ったようにやっぱり曜ちゃんには生きていてほしい」
曜「千歌ちゃん…でも」
千歌「曜ちゃん、もう一人のチカは嫌い?」
曜「んーん……どっちも大好き。だから!だから辛いの!!もうどうしたらいいか分からないよ!」
千歌「それを聞けて良かった」
千歌ちゃんを包む光が薄くなっていく
曜「イヤ…消えないで」
千歌「ホントはもっと言いたいことあったんだけどねー。ダイヤさんうるさくしないでねとか果南ちゃん海の中でおしっこしたらダメだよとか」
曜「そうだよ、もっと言って?もっとおしゃべりしよ、ね?ね?千歌ちゃん……」
千歌「まだまだ伝えたいことがいーーーーっぱい!!でももうそろそろ行かないと」
74: (たこやき) 2017/11/28(火) 01:03:12.41 ID:PaCGZq/Q
曜「嫌だよ……千歌ちゃんがいない世界なんて…生きてても意味ないもん……」
千歌「うん、だからねもう一人のチカのことが好きって聞けて良かった」
曜「さっきから何言ってるの!?二人ともいなくなっちゃったくせに!!」
千歌「さて問題です!!それじゃあここにいる私が一人なのはなーぜだ?」
曜「それは……………」
「曜ちゃーん!!!!はぶっっ!って言うか私海水大丈夫だっけ……」
千歌「もうお別れだね」
曜「千歌ちゃぁぁん……」
千歌「曜ちゃん、私のことを忘れないで。そして……千歌をよろしくね」
曜「ひぐっ…………あぁぁぁ……!!あぁぁぁぁ………」
千歌「さようなら…大好き」
最期にお別れを言って、千歌ちゃんは消えてしまった
「よーーちゃーーーーーん!!!!!!!!!!!!」
そして後ろから現れた
曜「ち……ひっく………じゅる……ぢがぢゃん」
千歌「大丈夫曜ちゃん!?とりあえず海から上がろ!」
千歌「うん、だからねもう一人のチカのことが好きって聞けて良かった」
曜「さっきから何言ってるの!?二人ともいなくなっちゃったくせに!!」
千歌「さて問題です!!それじゃあここにいる私が一人なのはなーぜだ?」
曜「それは……………」
「曜ちゃーん!!!!はぶっっ!って言うか私海水大丈夫だっけ……」
千歌「もうお別れだね」
曜「千歌ちゃぁぁん……」
千歌「曜ちゃん、私のことを忘れないで。そして……千歌をよろしくね」
曜「ひぐっ…………あぁぁぁ……!!あぁぁぁぁ………」
千歌「さようなら…大好き」
最期にお別れを言って、千歌ちゃんは消えてしまった
「よーーちゃーーーーーん!!!!!!!!!!!!」
そして後ろから現れた
曜「ち……ひっく………じゅる……ぢがぢゃん」
千歌「大丈夫曜ちゃん!?とりあえず海から上がろ!」
76: (たこやき) 2017/11/28(火) 02:01:24.00 ID:PaCGZq/Q
____________________________________
________________________
____________
暗い砂浜に焚火を起こし体を温める
私から発する言葉は何もなかった
というより頭も心も嬉しさと悲しさと驚きでいっぱいで…………
一つだけ言えることは
心の中に小さな光が灯った気がする。
千歌「夜の海が危ないって曜ちゃんなら分かるよね」
曜「うん………」
千歌「たまたま気付けたからよかったけど死んじゃうかも知れなかったんだよ!?」
曜「えへへ…千歌ちゃんの声だ」
これは幻?現実?
確かに感じることは炎の温かみと千歌ちゃんの温かみ。
千歌「ちょっと聞いてるーー?」
曜「千歌ちゃん…」
……!
千歌「きーいーてるー?」
痛い
曜「ひはいよ、ひはひゃん」
ほっぺたをつねられた
曜「ひはい……」
涙が頬を伝う
千歌「あっ……ごめんねよーちゃん、力加減とかおかしかった?まだ千歌…」
曜「ううん……千歌ちゃんがいることが嬉しくて……」
千歌「…曜ちゃんが生きててよかった。ウチに入ろ?」
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暗い砂浜に焚火を起こし体を温める
私から発する言葉は何もなかった
というより頭も心も嬉しさと悲しさと驚きでいっぱいで…………
一つだけ言えることは
心の中に小さな光が灯った気がする。
千歌「夜の海が危ないって曜ちゃんなら分かるよね」
曜「うん………」
千歌「たまたま気付けたからよかったけど死んじゃうかも知れなかったんだよ!?」
曜「えへへ…千歌ちゃんの声だ」
これは幻?現実?
確かに感じることは炎の温かみと千歌ちゃんの温かみ。
千歌「ちょっと聞いてるーー?」
曜「千歌ちゃん…」
……!
千歌「きーいーてるー?」
痛い
曜「ひはいよ、ひはひゃん」
ほっぺたをつねられた
曜「ひはい……」
涙が頬を伝う
千歌「あっ……ごめんねよーちゃん、力加減とかおかしかった?まだ千歌…」
曜「ううん……千歌ちゃんがいることが嬉しくて……」
千歌「…曜ちゃんが生きててよかった。ウチに入ろ?」
77: (たこやき) 2017/11/28(火) 02:16:01.99 ID:PaCGZq/Q
その夜私は千歌ちゃんといっぱいお話をした。
死んでしまった千歌ちゃんとの最後の会話。
記憶を失っている間千歌ちゃんの為に頑張っていたこと。
海で多分死んじゃったほうの千歌ちゃんと出会ったこと。
私は死んでしまった千歌ちゃんをきっと一生忘れられないってこと。
今目の前にいる千歌ちゃんもかけがえのない存在だっていうこと。
千歌ちゃんからもたくさんお話をしてくれた。
メモリが破損していなかったから何とか帰ってくることができたらしい。
とはいっても危ない状態に変わりはなく、メンバー……特に私をぬか喜びさせないためにも情報は伏せられていたそうな。
私が記憶を失っている間本心のままに振舞えなくて辛かったこと。
私の記憶をよみがえらせるという役目を終えた今、高海千歌として生きる……活動していいのかという悩み。
家族やAqoursの皆、私にニセモノでもいいから自分を受け入れてほしいという願い。
それは死んでしまった千歌ちゃんに対する冒涜ではないのかという千歌ちゃんの葛藤。
話題は尽きなかった。
暗い空が白んできて、朝を迎えても私達はずっと話し続けた。
死んでしまった千歌ちゃんとの最後の会話。
記憶を失っている間千歌ちゃんの為に頑張っていたこと。
海で多分死んじゃったほうの千歌ちゃんと出会ったこと。
私は死んでしまった千歌ちゃんをきっと一生忘れられないってこと。
今目の前にいる千歌ちゃんもかけがえのない存在だっていうこと。
千歌ちゃんからもたくさんお話をしてくれた。
メモリが破損していなかったから何とか帰ってくることができたらしい。
とはいっても危ない状態に変わりはなく、メンバー……特に私をぬか喜びさせないためにも情報は伏せられていたそうな。
私が記憶を失っている間本心のままに振舞えなくて辛かったこと。
私の記憶をよみがえらせるという役目を終えた今、高海千歌として生きる……活動していいのかという悩み。
家族やAqoursの皆、私にニセモノでもいいから自分を受け入れてほしいという願い。
それは死んでしまった千歌ちゃんに対する冒涜ではないのかという千歌ちゃんの葛藤。
話題は尽きなかった。
暗い空が白んできて、朝を迎えても私達はずっと話し続けた。
78: (たこやき) 2017/11/28(火) 02:28:03.19 ID:PaCGZq/Q
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チカ「千歌お姉ちゃん、行ってきます」
遺影に手を合わせ、今日も私は学校へ向かう。
美渡「ちゃんとお姉ちゃんに手ぇ合わせた?」
チカ「合わせたよー……ってヤバ!もうバス来ちゃうじゃ~ん美渡ねぇが止めるからーーー!」
美渡「ゲっ……私もやばいやばい…行ってきまーす!」
志満「はぁい。美渡ちゃんもチカちゃんも頑張ってね~」
私は心の内を家族やメンバーの皆に打ち明けた。
私は高海千歌さんの記憶を持っている。
それでも厳密には同じ存在ではない。
私は命の最期まで足搔き、輝き続けた千歌さんを尊重したいし
私という一つの心にも向き合ってほしかった。
…………だって寂しいもん。
こうして私は高海チカになった。
梨子「チカちゃん、おはよ!急いで!」
チカ「あぁわわわわ!待って待ってぇ乗りまーす!!」
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チカ「千歌お姉ちゃん、行ってきます」
遺影に手を合わせ、今日も私は学校へ向かう。
美渡「ちゃんとお姉ちゃんに手ぇ合わせた?」
チカ「合わせたよー……ってヤバ!もうバス来ちゃうじゃ~ん美渡ねぇが止めるからーーー!」
美渡「ゲっ……私もやばいやばい…行ってきまーす!」
志満「はぁい。美渡ちゃんもチカちゃんも頑張ってね~」
私は心の内を家族やメンバーの皆に打ち明けた。
私は高海千歌さんの記憶を持っている。
それでも厳密には同じ存在ではない。
私は命の最期まで足搔き、輝き続けた千歌さんを尊重したいし
私という一つの心にも向き合ってほしかった。
…………だって寂しいもん。
こうして私は高海チカになった。
梨子「チカちゃん、おはよ!急いで!」
チカ「あぁわわわわ!待って待ってぇ乗りまーす!!」
79: (たこやき) 2017/11/28(火) 02:42:32.70 ID:PaCGZq/Q
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鞠莉「チカッちも新生Aqoursのメンバーとしてなかなか様になってきた感じ♪」
果南「うんうん、千歌にも見せてやりたいくらい」
チカ「い、いやぁ、それほどでも……あるかな?」
私はAqoursの皆にも温かく迎え入れてもらうことができた。
お姉ちゃんから譲り受けた「チ」の字Tシャツを着てチカも一緒にみんなとレッスンに励んでいる。
千歌お姉ちゃんと同じような扱いをしてもらっているけど、きちんと私という個も尊重してもらってる…多分
何か一つ明確に違う点を挙げるとするなら、涙が出ないのをいいことにやたらと感動ドッキリを仕掛けられることかなぁ?
梨子「そう言えば曜ちゃん遅いね」
善子「言われてみれば……」
ダイヤ「全く……キツく言いたくはないのですが。ルビィ?」
ルビィ「ピギっ!?ルビィは何にも知らないよ…」
花丸「声が震えてるずら~?」
チカ「曜ちゃん……」
________________________
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鞠莉「チカッちも新生Aqoursのメンバーとしてなかなか様になってきた感じ♪」
果南「うんうん、千歌にも見せてやりたいくらい」
チカ「い、いやぁ、それほどでも……あるかな?」
私はAqoursの皆にも温かく迎え入れてもらうことができた。
お姉ちゃんから譲り受けた「チ」の字Tシャツを着てチカも一緒にみんなとレッスンに励んでいる。
千歌お姉ちゃんと同じような扱いをしてもらっているけど、きちんと私という個も尊重してもらってる…多分
何か一つ明確に違う点を挙げるとするなら、涙が出ないのをいいことにやたらと感動ドッキリを仕掛けられることかなぁ?
梨子「そう言えば曜ちゃん遅いね」
善子「言われてみれば……」
ダイヤ「全く……キツく言いたくはないのですが。ルビィ?」
ルビィ「ピギっ!?ルビィは何にも知らないよ…」
花丸「声が震えてるずら~?」
チカ「曜ちゃん……」
80: (たこやき) 2017/11/28(火) 02:58:54.68 ID:PaCGZq/Q
曜「お待たせ~……ちょっとこれ作ってたら遅れちゃって………はは」
ダイヤ「今回だけですわよ」
曜「ダイヤさん……!」
チカ「はぁ~一瞬ヒヤッとしたよ」
曜「ごめんね、はいこれ」
小さな包みを曜ちゃんから受け取った。
チカ「これは……?」
曜「私からチカちゃんへの…初めてのプレゼント。今まではずっと千歌ちゃんに向けてだったから」
チカ「開けてもいい?」
曜「うん、開けてみて?」
包みを開けると今着ているTシャツにそっくりなTシャツが一枚。
………何か違和感が
チカ「うーん、何か違うような…」
ルビィ「ふふふ…」
花丸「よくみたら「チ」じゃなくて「メ」ずら」
果南「ホントだ」
ダイヤ「よくもまぁここまで似せて作りましたわね……」
チカ「なんで「メ」?」
曜「色々あるけど、チカちゃんにはいっぱい泣かされたから…線を一本没収したのであります!」
チカ「なにそれ~」
可笑しい。
でも嬉しい。
チカがチカとして受け取った初めてのプレゼント。
チカ「ありがと……とってもとっても嬉しいっ……!」
曜「喜んでもらえて私も嬉しい。これからもよろしくね、チカちゃん!」
チカ「うん!大好きだよ…………曜ちゃん!」
ずっと一緒だよ。
ずっと
Happy風エンド
ダイヤ「今回だけですわよ」
曜「ダイヤさん……!」
チカ「はぁ~一瞬ヒヤッとしたよ」
曜「ごめんね、はいこれ」
小さな包みを曜ちゃんから受け取った。
チカ「これは……?」
曜「私からチカちゃんへの…初めてのプレゼント。今まではずっと千歌ちゃんに向けてだったから」
チカ「開けてもいい?」
曜「うん、開けてみて?」
包みを開けると今着ているTシャツにそっくりなTシャツが一枚。
………何か違和感が
チカ「うーん、何か違うような…」
ルビィ「ふふふ…」
花丸「よくみたら「チ」じゃなくて「メ」ずら」
果南「ホントだ」
ダイヤ「よくもまぁここまで似せて作りましたわね……」
チカ「なんで「メ」?」
曜「色々あるけど、チカちゃんにはいっぱい泣かされたから…線を一本没収したのであります!」
チカ「なにそれ~」
可笑しい。
でも嬉しい。
チカがチカとして受け取った初めてのプレゼント。
チカ「ありがと……とってもとっても嬉しいっ……!」
曜「喜んでもらえて私も嬉しい。これからもよろしくね、チカちゃん!」
チカ「うん!大好きだよ…………曜ちゃん!」
ずっと一緒だよ。
ずっと
Happy風エンド
81: (たこやき) 2017/11/28(火) 03:06:47.45 ID:PaCGZq/Q
残ってたらトゥルーっぽいのも書く
読んでくれた人はありがとう
読んでくれた人はありがとう
96: (たこやき) 2017/11/28(火) 16:44:33.09 ID:PaCGZq/Q
____________________________________
________________________
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そのあと、私を心配したダイヤさん達が戻ってきてくれて、呆然と立ち尽くす私は救助された。
ステージの作りが甘いとメンバー一同大目玉を食らってしまったが、それ以上に私の記憶が戻ったことを大人たちは喜んでいた。
その日私は親友をもう一度失ってしまった。
幸か不幸か、私の心は壊れてくれなかった。
美渡「私も専門的なことは分かんないんだけど……ざっくりいうとこんな感じなのかな」
志満「どんな形でもいいから千歌ちゃんに居てほしかった…きっと罰が当たったのね。曜ちゃんまで巻き込んで、ごめんなさい」
千歌ちゃんはメモリが破損し、ボディを新しく変えてもそれはもう千歌ちゃんじゃないらしい。
何でも記憶というのは大本になる人間が生きている間だけバックアップが取れるとても曖昧なデータらしく
忘れ具合も含めて、機械の体になった千歌ちゃんから復旧させようとしてもうまくいかないのだそうだ。
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そのあと、私を心配したダイヤさん達が戻ってきてくれて、呆然と立ち尽くす私は救助された。
ステージの作りが甘いとメンバー一同大目玉を食らってしまったが、それ以上に私の記憶が戻ったことを大人たちは喜んでいた。
その日私は親友をもう一度失ってしまった。
幸か不幸か、私の心は壊れてくれなかった。
美渡「私も専門的なことは分かんないんだけど……ざっくりいうとこんな感じなのかな」
志満「どんな形でもいいから千歌ちゃんに居てほしかった…きっと罰が当たったのね。曜ちゃんまで巻き込んで、ごめんなさい」
千歌ちゃんはメモリが破損し、ボディを新しく変えてもそれはもう千歌ちゃんじゃないらしい。
何でも記憶というのは大本になる人間が生きている間だけバックアップが取れるとても曖昧なデータらしく
忘れ具合も含めて、機械の体になった千歌ちゃんから復旧させようとしてもうまくいかないのだそうだ。
97: (たこやき) 2017/11/28(火) 16:55:11.20 ID:PaCGZq/Q
奇跡は二度も起きない。
千歌ちゃんは死んだ
ちかちゃんはしんだ
しんだ
ちかちゃん
私は心に蓋をすることにした。
曜「私は大丈夫」
私は一つの嘘をつき続けることにした。
曜「千歌ちゃんが居ないことを乗り越えなきゃ…天国の千歌ちゃん達に笑われちゃうもんね!」
私のたった一つの真実の為に。
千歌ちゃん以外の全員に嘘をつこう。
千歌ちゃんは死んだ
ちかちゃんはしんだ
しんだ
ちかちゃん
私は心に蓋をすることにした。
曜「私は大丈夫」
私は一つの嘘をつき続けることにした。
曜「千歌ちゃんが居ないことを乗り越えなきゃ…天国の千歌ちゃん達に笑われちゃうもんね!」
私のたった一つの真実の為に。
千歌ちゃん以外の全員に嘘をつこう。
98: (たこやき) 2017/11/28(火) 17:06:54.75 ID:PaCGZq/Q
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曜「1,2,3,4,5,6,7,8……ルビィちゃん!ワンテンポ遅れてる!花丸ちゃんぐらつかない!梨子ちゃんもっと笑顔だよ!」
鞠莉「フフ……吹っ切れたって感じ?」
曜「はは…どーだろ。でもせめてラブライブ優勝くらいしないと顔向けできないもん」
今回は鞠莉ちゃんすら気付かないほど取り繕って。
曜「最期まで足搔こう!一生懸命輝こう!!」
ダイヤ「まるで千歌さんがいるようですわね…」
果南「さ、行くよ」
「千歌ちゃんが居なくても大丈夫な渡辺曜」を演じて
「Aqours!!サンシャイン!!!」
気を遣われるのが怖かったから。
私達はラブライブに優勝した。
千歌ちゃんの死を乗り越えた私達はそれぞれの輝きを追い求め続ける。
疎遠というワケではないけれど、Aqoursの時のように皆で集まることは殆どなくなった。
私達は千歌ちゃんの死を乗り越えた。
私を除いて。
______________
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曜「1,2,3,4,5,6,7,8……ルビィちゃん!ワンテンポ遅れてる!花丸ちゃんぐらつかない!梨子ちゃんもっと笑顔だよ!」
鞠莉「フフ……吹っ切れたって感じ?」
曜「はは…どーだろ。でもせめてラブライブ優勝くらいしないと顔向けできないもん」
今回は鞠莉ちゃんすら気付かないほど取り繕って。
曜「最期まで足搔こう!一生懸命輝こう!!」
ダイヤ「まるで千歌さんがいるようですわね…」
果南「さ、行くよ」
「千歌ちゃんが居なくても大丈夫な渡辺曜」を演じて
「Aqours!!サンシャイン!!!」
気を遣われるのが怖かったから。
私達はラブライブに優勝した。
千歌ちゃんの死を乗り越えた私達はそれぞれの輝きを追い求め続ける。
疎遠というワケではないけれど、Aqoursの時のように皆で集まることは殆どなくなった。
私達は千歌ちゃんの死を乗り越えた。
私を除いて。
99: (たこやき) 2017/11/28(火) 17:11:33.64 ID:PaCGZq/Q
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私はオリンピック飛込競技で金メダル獲得を果たした。
千歌ちゃんに何か一つでも自慢できることを増やしたかった。
マスコミは私を親友失った悲劇のヒロインが前を向き成長し続けている
そんな風に報道したけれどそんなことはどうでもよくて―――――――
私が飛込競技に関わったのはメダルを獲得したその日が最後になった。
次のオリンピックや後進の育成だなんてどうでもいいことだから。
私は勉強に勉強を重ね、海外の大学へ進学することにした。
______________
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私はオリンピック飛込競技で金メダル獲得を果たした。
千歌ちゃんに何か一つでも自慢できることを増やしたかった。
マスコミは私を親友失った悲劇のヒロインが前を向き成長し続けている
そんな風に報道したけれどそんなことはどうでもよくて―――――――
私が飛込競技に関わったのはメダルを獲得したその日が最後になった。
次のオリンピックや後進の育成だなんてどうでもいいことだから。
私は勉強に勉強を重ね、海外の大学へ進学することにした。
101: (たこやき) 2017/11/28(火) 17:14:57.87 ID:PaCGZq/Q
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私は年にお盆と、それと別に一か月ほど日本に帰国する生活サイクルの中生きていた。
曜「志満さん…、美渡さん。ご無沙汰してます」
親友が死んだ約一か月後に再び親友を失った。
志満「毎年ありがとう、立派な大学に行ってて忙しいのに……」
その墓参りに訪れるためだ。
美渡「ホント、バカ千歌達もいい友達を持ったね…」
曜「それじゃ、私はこれで」
それ以外は研究室に閉じこもってロクに会話も交わさない、そんな生活。
地元に帰るとみんなの輝きは嫌でも目に入る、耳にする。
名家の跡取りを立派にこなす才女のダイヤさん
グループをさらに発展させ高額納税者ランキング常連の鞠莉ちゃん
知らぬ人はいないダイビングスポットの名物お姉さん果南ちゃん
人気アイドル兼ファッションデザイナーのルビィちゃん
当たると評判のカリスマ堕天使系占い師善子ちゃん
聖歌隊にお寺に食いしん坊タレントにと常に師走状態の花丸ちゃん
世界を股にかけるピアニスト梨子ちゃん
私と千歌ちゃんの時間だけが今も止まっている。
曜「…………帰らなきゃ」
ケータイを変えるたびにAqoursのメンバーの連絡先は減っていった。
嘘をつくのが下手になっていそうで怖かったから。
優しくされてしまったら、千歌ちゃんに会いに行ってしまいそうだったから。
______________
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私は年にお盆と、それと別に一か月ほど日本に帰国する生活サイクルの中生きていた。
曜「志満さん…、美渡さん。ご無沙汰してます」
親友が死んだ約一か月後に再び親友を失った。
志満「毎年ありがとう、立派な大学に行ってて忙しいのに……」
その墓参りに訪れるためだ。
美渡「ホント、バカ千歌達もいい友達を持ったね…」
曜「それじゃ、私はこれで」
それ以外は研究室に閉じこもってロクに会話も交わさない、そんな生活。
地元に帰るとみんなの輝きは嫌でも目に入る、耳にする。
名家の跡取りを立派にこなす才女のダイヤさん
グループをさらに発展させ高額納税者ランキング常連の鞠莉ちゃん
知らぬ人はいないダイビングスポットの名物お姉さん果南ちゃん
人気アイドル兼ファッションデザイナーのルビィちゃん
当たると評判のカリスマ堕天使系占い師善子ちゃん
聖歌隊にお寺に食いしん坊タレントにと常に師走状態の花丸ちゃん
世界を股にかけるピアニスト梨子ちゃん
私と千歌ちゃんの時間だけが今も止まっている。
曜「…………帰らなきゃ」
ケータイを変えるたびにAqoursのメンバーの連絡先は減っていった。
嘘をつくのが下手になっていそうで怖かったから。
優しくされてしまったら、千歌ちゃんに会いに行ってしまいそうだったから。
102: (たこやき) 2017/11/28(火) 17:22:06.28 ID:PaCGZq/Q
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私はいくつも博士号を取得した。
というより、研究をしていたら勝手についてきた、という方が正しい。
そんなものは必要ないんだけれど予算やらが降りやすいのなら……ということで私は色んな賞を受賞したりした。
女性初の……だとか世紀の発見でこれからの人類にの発展………だとかよく覚えていない。
額は覚えてないんだけれどいつの間にか鞠莉ちゃんのグループの総資産よりも大きい金額が私の研究には降りるらしい。
何にいくら使ったか分からないし、それで千歌ちゃんが戻ってこないのなら何の意味もないのだけれど
どれだけ記録に残していても千歌ちゃんの記憶が失われていくのが怖かった。
ふとディスプレイに目をやる。
「ヨウちゃんダイスキ」
機械の体をした千歌ちゃんが最後に残してくれたメッセージらしい。
エラーと破損まみれのメモリの中からこれだけは拾い上げることができたそうだ。
曜「いつになったら返事を聞いてくれるのかな……」
これだけを励みに私は今日も研究室へと閉じこもる。
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私はいくつも博士号を取得した。
というより、研究をしていたら勝手についてきた、という方が正しい。
そんなものは必要ないんだけれど予算やらが降りやすいのなら……ということで私は色んな賞を受賞したりした。
女性初の……だとか世紀の発見でこれからの人類にの発展………だとかよく覚えていない。
額は覚えてないんだけれどいつの間にか鞠莉ちゃんのグループの総資産よりも大きい金額が私の研究には降りるらしい。
何にいくら使ったか分からないし、それで千歌ちゃんが戻ってこないのなら何の意味もないのだけれど
どれだけ記録に残していても千歌ちゃんの記憶が失われていくのが怖かった。
ふとディスプレイに目をやる。
「ヨウちゃんダイスキ」
機械の体をした千歌ちゃんが最後に残してくれたメッセージらしい。
エラーと破損まみれのメモリの中からこれだけは拾い上げることができたそうだ。
曜「いつになったら返事を聞いてくれるのかな……」
これだけを励みに私は今日も研究室へと閉じこもる。
103: (たこやき) 2017/11/28(火) 17:29:34.58 ID:PaCGZq/Q
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時折実家からメンバーの結婚の知らせなどが届くようになった。
簡素な返事だけを差し上げて私はデスクへ向かう。
数年おきにメンバーの出産の報告なども届いた。
私は研究を進める。
七五三、入学式、子供の結婚………etc
私は千歌ちゃんに会いたい。
メンバーの訃報が届き、残るメンバーが私一人になった頃に私の研究も漸く最終段階へと落ち着いた。
もはや私は研究室に不要の偏屈老人らしい。
残りの研究は何とか私費で賄える段取りが着いたので、私はおとなしく研究室を去り日本へと向かう。
間に合ってくれるといいけれど
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時折実家からメンバーの結婚の知らせなどが届くようになった。
簡素な返事だけを差し上げて私はデスクへ向かう。
数年おきにメンバーの出産の報告なども届いた。
私は研究を進める。
七五三、入学式、子供の結婚………etc
私は千歌ちゃんに会いたい。
メンバーの訃報が届き、残るメンバーが私一人になった頃に私の研究も漸く最終段階へと落ち着いた。
もはや私は研究室に不要の偏屈老人らしい。
残りの研究は何とか私費で賄える段取りが着いたので、私はおとなしく研究室を去り日本へと向かう。
間に合ってくれるといいけれど
104: (たこやき) 2017/11/28(火) 17:39:03.13 ID:PaCGZq/Q
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いつ来ても内浦の海は雄大で心地よく優しい。
街並みが変わり時が経っても色あせない美しい自然。
しかし、たった一つのピースが足りていない。
私は梨子ちゃんのお家があった場所に研究所を構えた。
十千万は今は美渡さんのお孫さんが立派に跡取りを務めてらっしゃるらしい。
よかったね、千歌ちゃん
曜「もうちょっとだからね……待ってて」
重い脚を引き摺り、定まらぬ焦点を合わせデスクへ向かう。
そろそろ体にガタが来たらしい。
体中に転移した癌、強度を補うため取り替えた人口の骨。
機能を失った臓器を補う機械。
発展した医療をもってしても流石にどうにもならないところまで来てしまったらしい。
でも間に合う。
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いつ来ても内浦の海は雄大で心地よく優しい。
街並みが変わり時が経っても色あせない美しい自然。
しかし、たった一つのピースが足りていない。
私は梨子ちゃんのお家があった場所に研究所を構えた。
十千万は今は美渡さんのお孫さんが立派に跡取りを務めてらっしゃるらしい。
よかったね、千歌ちゃん
曜「もうちょっとだからね……待ってて」
重い脚を引き摺り、定まらぬ焦点を合わせデスクへ向かう。
そろそろ体にガタが来たらしい。
体中に転移した癌、強度を補うため取り替えた人口の骨。
機能を失った臓器を補う機械。
発展した医療をもってしても流石にどうにもならないところまで来てしまったらしい。
でも間に合う。
105: (たこやき) 2017/11/28(火) 17:49:45.32 ID:PaCGZq/Q
一から千歌ちゃんを創る。
一から十へ
十から百へ
百から千へ
千歌ちゃんへ
ほんの少しも違わぬ千歌ちゃんを創ってみせよう。
返事をしよう。
曜「友達だもんね…千…歌……ちゃ」
ボタンを二つ押す……
押せたのだろうか
分からない
意識が遠のいていく
多分これは気絶じゃなくて
死
千歌「久しぶりだね……よーちゃん」
ごめんね千歌ちゃん
返事できそうもないや
さようなら
一から十へ
十から百へ
百から千へ
千歌ちゃんへ
ほんの少しも違わぬ千歌ちゃんを創ってみせよう。
返事をしよう。
曜「友達だもんね…千…歌……ちゃ」
ボタンを二つ押す……
押せたのだろうか
分からない
意識が遠のいていく
多分これは気絶じゃなくて
死
千歌「久しぶりだね……よーちゃん」
ごめんね千歌ちゃん
返事できそうもないや
さようなら
106: (たこやき) 2017/11/28(火) 17:56:05.70 ID:PaCGZq/Q
ここはどこだろう
そうだ私は死んだんだ。
……?
身体が若い
理屈はともかく17歳くらいの時の体…?魂らしい
「久しぶりだね、よーちゃん」
曜「……!!!」
千歌「よーちゃーん」
あぁ
曜「千歌ちゃん……」
千歌ちゃんだ
曜「ずっと……ずっと会いたかったぁぁぁぁぁ」
千歌「ちょっと曜ちゃん!?」
曜「千歌ちゃん千歌ちゃん!千歌ちゃぁぁん」
千歌「曜ちゃんここでも一応鼻水とかつくから!!そんなくっつかないでー!」
曜「ヤダ、無理。離さないもん」
千歌「はぁ……今だけだよ?よしよーし」
曜「グスン………」
この暖かさ、優しさ、ほのかに漂うみかんの香り
間違いなく千歌ちゃんだ
そうだ私は死んだんだ。
……?
身体が若い
理屈はともかく17歳くらいの時の体…?魂らしい
「久しぶりだね、よーちゃん」
曜「……!!!」
千歌「よーちゃーん」
あぁ
曜「千歌ちゃん……」
千歌ちゃんだ
曜「ずっと……ずっと会いたかったぁぁぁぁぁ」
千歌「ちょっと曜ちゃん!?」
曜「千歌ちゃん千歌ちゃん!千歌ちゃぁぁん」
千歌「曜ちゃんここでも一応鼻水とかつくから!!そんなくっつかないでー!」
曜「ヤダ、無理。離さないもん」
千歌「はぁ……今だけだよ?よしよーし」
曜「グスン………」
この暖かさ、優しさ、ほのかに漂うみかんの香り
間違いなく千歌ちゃんだ
107: (たこやき) 2017/11/28(火) 18:00:04.16 ID:PaCGZq/Q
千歌「…落ち着いた?」
曜「…うん」
そうだ、返事を返事をしないと
曜「あのね千歌ちゃん!」
千歌「ダーメ、それはあっちの千歌でしょー」
曜「あ、そっか……」
千歌「そっかじゃないよー!あっちの千歌一人でどうすんのーーー!?浦島ちかちーじゃーーん」
曜「ここから私の部屋って見れる?」
千歌「うん、見れるよ?ほい」
グニョンと空間が湾曲し、雲の切れ間のような場所に映る私の研究室。
曜「うわー……自分の死体見るのってキッツいなぁ」
千歌「あー分かる。もう結構前だからあんまり覚えてないけど」
私の研究室には私の死体を前におろおろしている千歌ちゃん
千歌「で、どうなんの?千歌めっちゃ困ってるよ?」
曜「大丈夫であります!渡辺曜は任務を全うしました!」
そう、ボタンは二つ押した。
…はず
曜「…うん」
そうだ、返事を返事をしないと
曜「あのね千歌ちゃん!」
千歌「ダーメ、それはあっちの千歌でしょー」
曜「あ、そっか……」
千歌「そっかじゃないよー!あっちの千歌一人でどうすんのーーー!?浦島ちかちーじゃーーん」
曜「ここから私の部屋って見れる?」
千歌「うん、見れるよ?ほい」
グニョンと空間が湾曲し、雲の切れ間のような場所に映る私の研究室。
曜「うわー……自分の死体見るのってキッツいなぁ」
千歌「あー分かる。もう結構前だからあんまり覚えてないけど」
私の研究室には私の死体を前におろおろしている千歌ちゃん
千歌「で、どうなんの?千歌めっちゃ困ってるよ?」
曜「大丈夫であります!渡辺曜は任務を全うしました!」
そう、ボタンは二つ押した。
…はず
108: (たこやき) 2017/11/28(火) 18:03:35.19 ID:PaCGZq/Q
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ヨウ「――――おまたせ、チカちゃん。もう一人の私は…死んじゃったんだね」
チカ「ひぐっ………うぅぅ。よーちゃん…」
ヨウ「返事なんだけどね?」
チカ「技術進化したからって涙出る機能なんか普通つけないだろーーーー!?」
ヨウ「え!?あ、いやぁ……リアリティ求めてたらつい」
チカ「友達が死ぬの!すっごく辛いんだよ!?」
ヨウ「知ってるよ……二回も。ううん、Aqoursの皆も含めるともっと……」
チカ「…じゃあ許す」
ヨウ「とりあえず私をまず寝かせてあげるね……よいしょっと」
チカ「返事」
ヨウ「へ?」
チカ「へーーーんーーーーじ!」
ヨウ「―――――うん」
チカ「………」
ヨウ「大好きだよ……チカちゃん」
チカ「うん…チカも大好き」
ずっと一緒だよ。
ずっと
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ヨウ「――――おまたせ、チカちゃん。もう一人の私は…死んじゃったんだね」
チカ「ひぐっ………うぅぅ。よーちゃん…」
ヨウ「返事なんだけどね?」
チカ「技術進化したからって涙出る機能なんか普通つけないだろーーーー!?」
ヨウ「え!?あ、いやぁ……リアリティ求めてたらつい」
チカ「友達が死ぬの!すっごく辛いんだよ!?」
ヨウ「知ってるよ……二回も。ううん、Aqoursの皆も含めるともっと……」
チカ「…じゃあ許す」
ヨウ「とりあえず私をまず寝かせてあげるね……よいしょっと」
チカ「返事」
ヨウ「へ?」
チカ「へーーーんーーーーじ!」
ヨウ「―――――うん」
チカ「………」
ヨウ「大好きだよ……チカちゃん」
チカ「うん…チカも大好き」
ずっと一緒だよ。
ずっと
109: (たこやき) 2017/11/28(火) 18:11:43.16 ID:PaCGZq/Q
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梨子「なーんていい話で終わらせてあげると思った?」
曜「梨子ちゃん?……どして」
ダイヤ「ここはあの世なんですから当然でしょう」
曜「げっ、ダイヤさんまで」
善子「曜ってば結構薄情よねぇ……ずぅぅぅっとちかちゃーんって」
ルビィ「ピギギ……善子ちゃんからかうのはやめてあげようよ…プププ」
曜「ホンット皆ごめんね!!……ていうか善子ちゃん頭の輪っかちゃんと黄色なんだね」
善子「私は堕天使!!輪っか見んな!!///」
鞠莉「でも~私にも言ってくれないなんて嫉妬fire~~~~~~よ、曜?」
曜「いやぁ…返す言葉もない。ちょいちょい千歌ちゃんのところ逝っちゃいそうでさ」
千歌「そうそう、止められないからホント焦ったんだよねぇ」
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梨子「なーんていい話で終わらせてあげると思った?」
曜「梨子ちゃん?……どして」
ダイヤ「ここはあの世なんですから当然でしょう」
曜「げっ、ダイヤさんまで」
善子「曜ってば結構薄情よねぇ……ずぅぅぅっとちかちゃーんって」
ルビィ「ピギギ……善子ちゃんからかうのはやめてあげようよ…プププ」
曜「ホンット皆ごめんね!!……ていうか善子ちゃん頭の輪っかちゃんと黄色なんだね」
善子「私は堕天使!!輪っか見んな!!///」
鞠莉「でも~私にも言ってくれないなんて嫉妬fire~~~~~~よ、曜?」
曜「いやぁ…返す言葉もない。ちょいちょい千歌ちゃんのところ逝っちゃいそうでさ」
千歌「そうそう、止められないからホント焦ったんだよねぇ」
110: (たこやき) 2017/11/28(火) 18:19:42.10 ID:PaCGZq/Q
曜「ところで花丸ちゃんと果南ちゃんは?」
ルビィ「花丸ちゃんは神様のお手伝いだよ!!」
ダイヤ「西洋東洋問わず、今日も神に仕えていらっしゃいますわ」
曜「へぇ~……伊達に聖歌隊で実家お寺じゃないね…で、果南ちゃんは」
鞠莉「果南ならあの世一武道会に出るって意気込んでたよ?」
曜「あーーーー……」
梨子「あーーって何!?って言うかそんなのないよ!?」
千歌「そう言えばさ、あの千歌泣いてたけど他になんかあるの?」
曜「え?全部元の千歌ちゃんと一緒のはずだよ?生理も来るし子供も作ろうと思えば作れるし、あと病気にも普通にかかるであります!」
千歌「うわぁ…」
曜「えっ、千歌ちゃん!?」
ダイヤ「さて、曜さん?」
曜「はい!」
鞠莉「マリー達に構ってくれなかった分、時間を忘れて遊ぶわよ!」
善子「輪廻から解き放たれた堕落の楽園………嗚呼、甘美!」
曜「ちょちょ、引っ張らな…千歌ちゃん助けて……いたたたたた!」
千歌「へへ…………」
ダーメ♡
true風エンド
ルビィ「花丸ちゃんは神様のお手伝いだよ!!」
ダイヤ「西洋東洋問わず、今日も神に仕えていらっしゃいますわ」
曜「へぇ~……伊達に聖歌隊で実家お寺じゃないね…で、果南ちゃんは」
鞠莉「果南ならあの世一武道会に出るって意気込んでたよ?」
曜「あーーーー……」
梨子「あーーって何!?って言うかそんなのないよ!?」
千歌「そう言えばさ、あの千歌泣いてたけど他になんかあるの?」
曜「え?全部元の千歌ちゃんと一緒のはずだよ?生理も来るし子供も作ろうと思えば作れるし、あと病気にも普通にかかるであります!」
千歌「うわぁ…」
曜「えっ、千歌ちゃん!?」
ダイヤ「さて、曜さん?」
曜「はい!」
鞠莉「マリー達に構ってくれなかった分、時間を忘れて遊ぶわよ!」
善子「輪廻から解き放たれた堕落の楽園………嗚呼、甘美!」
曜「ちょちょ、引っ張らな…千歌ちゃん助けて……いたたたたた!」
千歌「へへ…………」
ダーメ♡
true風エンド
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1511781975/