【SS】曜「転売で億万長者を目指すであります！」梨子「……」【ラブライブ！サンシャイン!!】

曜「はぁ……」

善子「なによ。ため息ついて」

曜「はぁ～……」

善子「だから何よ」

曜「あーあ、お金欲しいなぁ～……」

善子「ふーん。バイトでもすれば？」

曜「んー、そうだけどさ～」

善子「けど？」

曜「この前梨子ちゃんにもそう言ったんだけどね、そしたら……」

………
……
…
　

梨子「アルバイト？」

曜「うん！最近お金にも困ってきたし！」

梨子「……」

曜「私ね、カフェの店員さんとかやってみたい！おしゃれな喫茶店とかの制服着て～」

梨子「ダメ」

曜「えっ？」

梨子「ダメったらダメ！」

曜「うぇぇぇ！！？」
　

曜「そんなぁ～」

梨子「どーせバイト先で可愛い子と知り合いになりたいな～、とか考えてるんでしょ」

曜「うっ！？」

梨子「ほらやっぱり」

曜「いっ、いやちょっとだけだよ！あくまで目的はお小遣い稼ぎだし！」

梨子「それでもダメ！」

曜「なんで～！！？」
　

梨子「だいたいね！曜ちゃんがお店でまともに働けるわけないでしょ！？」

曜「ちゃ、ちゃんとやるもん！私だってやるときはきっちりやるんだから！」

梨子「それでもダメ！万が一コワい目にでも遭ったらどうするの！」

曜「えぇぇ～！？」

梨子「いーい！あのね、曜ちゃん！世の中には曜ちゃんのこと騙そうとしてくる人とか悪い女の子とかがたくさんなんだからね！もし騙されてお持ち帰りとかされちゃったらどうするのよ！」

曜「でもっ！」

梨子「でもじゃないですっ！とにかく禁止なものは禁止だからね！わかった！！？」

曜「はぅぅぅ……」
　

曜「……って言われちゃって」

善子「ふーん」

曜「あーあ、働かないでお金が増える方法、どこかにないかなぁ……」

善子「はぁ、馬鹿ね。そんな都合のいい方法なんて、あるわけな……」

善子「……あっ」

曜「？」

善子「いいこと思いついた」

曜「なに？」

善子「要するにバイトじゃなければいいんでしょ」

曜「うん」

善子「転売するのよ。フリマアプリで」

曜「てんばい……？」
　

善子「そ。今持ってるものを売っていくの。フリマアプリを通して」

曜「なるほど……？」

善子「リアルの人と関わらずに金が稼げればいいんでしょ？」

曜「ん～、けど……『転売』って、何か悪い響きがするような」

善子「何も悪いことなんてしてないわよ。いらなくなったものを誰かにあげるのって、環境にもいいし。そもそもスーパーだってコンビニだって物を仕入れて小売する転売で稼いでいるじゃない」

曜「けど、そんな簡単に売れるかなぁ……？」

善子「そこが腕の見せ所なのよ。腕のある転売ヤーは再びシュリンクに詰めて未使用品と遜色ないくらいに戻してからフリマアプリに出すらしいわよ」

曜「そ、そうなんだ……」

善子「ええ。難しいこと考えずに参考書でもなんでも使わなくなって売れそうなものから出品してけばいいのよ」

曜「そっか、なるほど……わかった！やってみる！」
　

～間～

曜「むむむ、とは言っても何を売ればいいんだろ……？」

曜（わかんないから適当に調べてみよーっと）

ｽｯｽｯ

曜「あっ、ほんとだ。善子ちゃんが言ってたみたいにほんとに色んなものが出品されてる」

曜（紙袋とかヘビの下半身とか……うっわ、燃えるゴミまで出品されてんじゃん）

曜「こ、こんなのほんとに売れるのかなぁ……って売れてる！！？」

曜（うっそぉ。ほんとになんでも売れるんだ）

曜「だったら～……！」

………
……
…
　

曜「じゃじゃーん！梨子ちゃんの脱ぎたてパンツ！」

曜（えへへ、さっき更衣室から取ってきたから原価がゼロ！これぞ転売の基本だよ！）

曜「さっそくフリマアプリに登録して、と～」

ｽｯｽｯ

【梨子ちゃんの脱ぎたてパンツ　3,000円】

曜「さてと、売れるかな～」

ﾋﾟｺﾝ!

曜「あっ、もうコメントついてる！どれどれ～」
　

≪パンツ3,000円は高くて草≫

曜「いいじゃん！梨子ちゃんの脱ぎたてなんだから！」

ｽｯｽｯ

曜：買いますか？

≪誰が買うかよバーカ≫

曜「むっき～！買わないんだったら高かろうが関係なくない！？ほっといてよ！」

曜（むぅぅぅ……）

ﾋﾟｺﾝ!

曜「あっ、またコメントついてる！」
　

≪すみません。買いたいんですけど、値下げとかってしてもらえませんか？≫

曜「えっ、値下げかぁ～……」

ｽｯｽｯ

曜：いいですよ。いくらなら買えますか？

曜（むふふ。なんか大人の交渉みたいで面白いかも）

ﾋﾟｺﾝ!

≪300円≫

曜「は！！？」
　

曜「1/10じゃん！舐めてるの！！？」

≪300円だったら買ってもいい≫

曜「買ってもいいって、むむ……！！」

曜（でも売れないよりはマシかなぁ……？）

曜「ん～……！」

ｽｯｽｯ

曜：わかりました。じゃあ300円で

≪やっぱ辞めた≫

曜「はぁ！！？」

曜（ちょちょちょちょっと待ってよ！買うって約束したよねぇ！！？）

曜「えぇぇぇ！！？」

【ブロックされました】

曜「えぇぇ～～！！？」
　

曜「な……なんなの！！？いったい！！どいつもこいつも！！」

曜「梨子ちゃんのパンツ欲しくないの！！？世界でたった一つのパンツだよ！！？」

曜（ほんっとこいつら……！なんにもわかってないんだから！）

曜「いいもんね～！そんなこというなら私のものにしちゃうもん！それっ！」

ﾎﾟﾁｯ!

曜「へへーんだ！これであなたたちは買えませー

ﾋﾟﾛﾘﾛﾘﾝ!

曜「わあっ！？」
　

【おめでとう！梨子ちゃんの脱ぎたてパンツ　が売れました！】

曜「そりゃまあ、私が買ったわけだし……」

【累計売上：3,000円】

曜「……ん？待てよ」

曜（私が買ったってことは、お金払わなくてもいいんだよね。自分で出品したやつだし）

曜「ということは……出費はゼロで、売り上げが3,000円」

曜（！）

曜「と、いうことは！」
　

曜「むふふふふ～♪」

善子「どう？売れた？」

曜「うん！見て見て善子ちゃん！」

善子「ほう……」

曜「梨子ちゃんの脱ぎたてパンツと脱ぎたて靴下、それと使用済みのタオルが全部で1万円で売れたであります！」

善子「えっ、あんたそんなもの売ってたの？まあいいけど」

善子「ちなみにだけど誰が買ったの？ま、どーせ冴えないおじさん

曜「ううん、買ったの私だよ」

善子「は？」

曜「えへへ。出品者だからなんでもやりたい放題なんだよね～」

善子「？？？？？」
　

曜「いっちまんえん～、いっちまんえん～♪」

善子「ちょっと待って。その1万円ってどっから来てるのよ」

曜「どっからって、梨子ちゃんの脱ぎたて使用済みセットが売れたからだよ」

善子「そのお金はどこから来たのよ」

曜「どこって

善子「買った人でしょ？」

曜「もちろん」

善子「買ったのあんたでしょ？」

曜「うん」
　

善子「ということは、あんたがマイナス1万円じゃない」

曜「？」

善子「あんたが1万円払って、それがフリマサイトを経由して、あんたの手元のプラス1万円になってるのよ」

曜「ん、ん～……？」

善子「プラスマイナス０じゃない」

曜「あっ、ほんとだ」

善子「でしょ？」

曜「うん」

曜（……）

曜「……あっ、そうじゃん！」
　

善子「はぁ、ったく……」

曜「あ、あはははは～。ごめん善子ちゃん。次からは気を付け

ﾋﾟｺﾝ!

曜「わっ！」

【プラットフォーム使用料のおしらせ】

曜「プラットフォーム、使用料……？」

善子「フリマサイトを使ってお金稼ぎさせてもらってるわけでしょ？使用料がかかるのよ」

曜「え、お金かかるの！！？」

善子「あったり前でしょ。向こうも慈善事業じゃないんだから」

曜「そんなぁ～！！？」

善子「色々あるけど一件売れるごとに課金されるのが普通ね」

曜「ど、どうしよ善子ちゃん！！お金ないよ！！」

善子「自分で出品して自分で買うなんてバカなことしてるからでしょ」

曜「うぅぅぅ～～！！それは反省するから～～！！反省するからなんとかして～～！！」

梨子「何を反省するの？」

曜「ひっ！！？」
　

曜「りっ、梨子ちゃん！！？」

梨子「なあに？」

曜「あ、いや、その～……」

梨子「……」

曜「あははは～……」

梨子「……で、曜ちゃん？」

曜「ひぃぃぃ！！？」

梨子「勝手に私の私物でお金儲けしようとしていた曜ちゃんは、いったい何を反省するの？」

曜「や、やだなぁ梨子ちゃん。それは誤解だよ～……！ねっ！善子ちゃんからも

善子「はい、今回のは曜が一人でやりました。ヨハネは何にも関与してません」

曜「え゛！！？」
　

曜「ちょっ、善子ちゃん！！？何言ってるの！！？」

梨子「そっか。じゃあ曜ちゃんが責任とってくれるんだ。ふーん」

曜「うぇぇぇ！！？」

梨子「ふ～ん……」

曜「り、梨子ちゃーん……」

梨子「……」

曜「怒らないでよ～……」

梨子「曜ちゃんが怒られるようなことするからでしょ」

曜「うぅ、ごめんなさい……」
　

梨子「お金、欲しいんでしょ？」

曜「そっ、それはもちろん！！」

梨子「でしょ？プラットフォーム使用料、払えないものね」

曜「よーそろー……」

梨子「ねえ、曜ちゃん。助けて欲しい？」

曜「う、うん！もちろん！！」

梨子「そっか。ふーん」

曜「！？」

梨子「ふ～ん……」

曜「……」

………
……
…
　

曜「……」

梨子「ほら、曜ちゃん」

曜「……」

梨子「次、曜ちゃんのセリフだよ？」

曜「……」

梨子「曜ちゃん？」

曜「は、はぅ……あ、愛してるよ。梨子ちゃ……って！！」

梨子「？」

曜「なんで私がこんな目に遭ってるの～～！！？//////」

梨子「えっ？」
　

梨子「そんなの曜ちゃんが私に酷いことしたからに決まってるじゃない」

曜「そっ、そうかもだけど！！いやしたよ！！？梨子ちゃんに酷いことしちゃったけどさ！！」

曜「けど！！だからって変なおままごとに付き合わせられるのはおかしいよ～～！！////」

梨子「アルバイトだもん。ちゃんと私の言うこと聞いてよ」

曜「イヤ！！梨子ちゃん恥ずかしいお願いばっかしてくるし！！////」

梨子「そっか、曜ちゃん言うこと聞いてくれないんだ」

曜「な！！？」

梨子「じゃあ残念だけど曜ちゃんには1,000円の減給処分です」

曜「うぇぇぇ！！？」
　

曜「またぁ！！？」

梨子「曜ちゃんが悪いんでしょ。曜ちゃんが全然私の希望に沿ってくれないから」

曜「そっ、そんなぁ～～！！」

曜（私、もうかれこれ二時間くらいはタダ働きだよ～～！！）

梨子「ほーら。お金、欲しいんでしょ？」

曜「うっ、うぅぅぅ～～！！」

梨子「ちゃんと私の言うこと聞いてくれる？」

曜「うぅぅぅ～～！！/////」

梨子「ふふっ。曜ちゃんいい子。ちゃんと私の言うこと聞こうね～」

曜（む～～！！なんか屈辱～～！！）

梨子「ほら。次の曜ちゃんのセリフ」ﾄﾝﾄﾝ

曜「え゛！！？」
　

曜「こっ、これ読むの……？////」

梨子「うん」

曜（……////）

曜「なんか色々誤解されちゃわない……？」

梨子「私は曜ちゃんの気持ちを素直に言葉にしてあげただけだよ？」

曜（そんなぁ！？）

梨子「ほーら」

曜「……////」

梨子「曜ちゃん？」

曜（む～～～！！恥ずかしいよ～～！！/////）

梨子「……」

曜（それにこんなこと言ったらなんか一線超えて戻れなくなる気がする！！）

曜「り、梨子ちゃ

梨子「……むぅ。じゃあやっぱり

曜「わぁぁぁ！！？言うからぁ！言うからこれ以上お金減らすのはやめてよ～～！！」

梨子「うん」

曜「じゃ、じゃあ……いくよ？」

梨子「……」

曜「わっ、私……梨子ちゃんのことが、だーい好き！」

梨子「ふふっ、私もよ。曜ちゃん♪」ﾑｷﾞｭ

曜「ぐぇっ」

梨子「これからもずーっと二人っきりでいようね～」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

曜（えぇぇぇ～！！？誰か！！誰か助けてぇ～～！！）



この後めちゃくちゃ束縛された
　

【おまけ】

ﾋﾟｺﾝ!

≪プラットフォーム使用料を受け取りました≫

鞠莉「……」

ﾋﾟｺﾝ!

≪プラットフォーム使用料を受け取りました≫

鞠莉（……くくっ）

鞠莉「あははははっ！！」

鞠莉「なんていい商売なの～！マリーはパソコンの画面を見ているだけで、ユーザーが勝手に物を転売して、プラットフォーム使用料を貢いでくれる！」

鞠莉「まさに働かずして金儲けができる！これぞ究極の商売の形デース！」

鞠莉「さてと、そろそろ

ダイヤ「なるほど。あなたが運営していたのですね」

鞠莉「！！？」
　

ダイヤ「……」

鞠莉「チャ、チャオ～。ダイヤ～」

ダイヤ「……」

鞠莉「っ……こほん。ようこそ理事長室へ。何のご用件かしら」

ダイヤ「怪しげなフリマサイトの運営に浦の星女学院に割り合てられたIPアドレスが使われていると、連絡があったのですわ」

鞠莉「へっ！？」

ダイヤ「プロバイダからそう言われた時はどうもおかしいと思ったのですが……やはりあなたの仕業でしたのね」

鞠莉「な、なんのこと～？マリーさっぱり～

果南「鞠莉～。言われた通りダイヤの私物で売れそうなの持ってきたよ」

鞠莉「あっ」
　

果南「ほんとに売れるの？いまいち半信半疑……って」

果南「ありゃ、ダイヤ本体じゃん」

ダイヤ「……」

果南「あー……なに？ひょっとして本人ごと売りとばそうってこと？」

果南「ん～、売れるかなぁ？ダイヤって需要なさそうだし、売れたとしても2,000円くらい

ダイヤ「ふんっ！」

果南「ごふっ！？」

鞠莉「オ、オゥ～。暴力はダメよ、ダイヤ～」

ダイヤ「……」

鞠莉「イッツアジョーク～」

ダイヤ「ジョーク？冗談ならばなんでも許されると思っているのですか？」

鞠莉「……」

ダイヤ「こんな人様にご迷惑をかけるような真似をして。覚悟は出来ているのですわよね……？」

鞠莉「……」



この後めちゃくちゃおしおきされた
　

終わりです。お読みいただきありがとうございました。
（スレタイの「：」は普通にミスです。）