歩夢「クリスマスプレゼントは私だよ」侑「！？」【SS】

侑母「心細いかもしれないけど、冷えピタはここに、冷蔵庫から飲み物は出しとくわ」

侑母「それじゃあ何か食べたいものある？」

侑「大丈夫。ないよ」

侑母「それじゃあ行ってくるわね」

侑母「今日は戻らないからヤバいって感じたら救急車呼ぶってのも忘れずに」

侑「そこまではないでしょ」

侑「それじゃあ、いってらっしゃい」




せっかくのクリスマスなのに最悪だ。
風邪ひいちゃうなんて...


侑「はぁ...」

侑「今頃みんな楽しくパーティーしてるんだろうな...」

侑「クリスマスケーキにチキンにご馳走。それにプレゼント交換と持ち歌熱唱会...」

侑「はぁ...」

侑「風邪薬飲んで寝よ...」

ピーンポーン


侑「はえ...？」

侑「今は...げっ！？もう夜の10時！」

侑「はぁ、もうクリスマス会も終わった頃か...」

侑「それよりも誰か来たのかな、でなきゃ」



侑(風邪薬のおかげでさっきよりは楽になったかな？)テクテク



侑「はーい」ガチャ


大きなプレゼント段ボール?「」


侑「なんだこれ....」

侑「いや、これ何！？」

侑「本当に本当に何！？」

侑「配達物じゃないよね...うち下で受け取れるし」

侑「....」キョロキョロ

侑「周囲に誰もいない」

侑「邪魔だからとりあえず動かさなきゃ」ウンショヨイショ

段ボール「...きゃっ！？」

侑「！？」

侑「段ボールが喋った...！」

侑「中に一体何が....」

侑「中にいる人、大丈夫ですかぁ...？」ゴソゴソ

侑「あ、開けますよぉ...」ぺりぺり






侑「！？！？」


サンタコスの歩夢「め、メリークリスマス?」

侑「へ！？」

歩夢「メリークリスマス...///」

侑「に、2回言わなくても！」

歩夢「...//」

侑「自分で言って恥ずかしがってるし！」

侑「と、とりあえず、寒そうな格好してるから、家の中上がりなよ」

歩夢「うん」

侑「あ、段ボールは邪魔になるからうちの中に一緒に」

歩夢「う、うん」

侑「それで、歩夢さんはどうしてサンタコスしながら大きな段ボールの中に入っていたのですか？」

侑「しかもこんな真冬に」

歩夢「それは...///」

侑「はぁ...言えないんだったらいいよ」

侑「私風邪引いてるし、歩夢に感染るといけないし...家帰った方がいいんじゃない？」

歩夢「それはダメ！」くわっ

侑「！？」

侑「どうしたの急に...？」

歩夢「それはダメなの！」

侑「看病してくれるの？」

歩夢「...」コクリ

侑(自分で言って忘れかけてたけど、私風邪ひいてたんだった)

侑「薬のおかげかだいぶ治ってきたかも」

歩夢「何か作って欲しいものある？」

侑「特にないかな...」

侑「そういえば冷蔵庫の中身、何か入ってたはず」

歩夢「な、何も入ってなかったよ！」

侑「ほんとだ。お母さんが作り置きしてくれたけどなくなってる...」

侑「自分じゃ覚えてないけど食べちゃったのかな..？」

歩夢「じゃあなんでもいいんだね？」

侑「うん！」

侑「なんかこうやって誰かに料理作ってもらう時ってどこか申し訳ない気持ちになる」

侑「ねえ、手伝った方が...？」

歩夢「だーめ、侑ちゃんは寝てないと」

侑「だよね」

侑(それにしてもサンタコスで台所に立つ歩夢って側から見たらとってもシュールだ)

侑(寒そうだからエアコンの温度ちょっと上げとこ)ピッ




数分後


侑「なんか独特な匂いがする....」

歩夢「出来たよ侑ちゃん！」

歩夢「ウガンダ料理のウガリと牛肉のスープ」

侑「ん？」

歩夢「こういうのは本場に倣って手で食べるんだよ。はいあーん」

侑「ちょ、ちょっと待とう。ウガンダ料理？なにそれ？ってか材料あったの！？」

歩夢「材料は冷蔵庫にあったのをちょっと拝借して作ったよ」

歩夢「あーん」

侑「ちょっとまだまだ聞きたいことが」パクっ

侑「あれ？美味しいかも」



人生はじめてのウガンダ料理はちょっとだけ歩夢の味がした。おいしかった。

侑(なんか歩夢の行動に一貫性がないというか、なんというか...)

侑(まあ看病してくれるんだからいいか)

侑「ふぅ...さっきエアコンの温度上げたから汗かいてきちゃった」

侑「ウガンダ料理ってちょっと辛いんだね」

歩夢「ゆうちゃん」ねっとり

侑「大丈夫だよ。お風呂なら自分で入れるよ」

侑「それに汗かいてるのは回復してきた証拠だし」

歩夢「ゆうちゃん」ねっとり

侑「大丈夫だからね？だから脱衣所まで入って来ないで？」

歩夢「ゆうちゃん」ねっとり

侑「歩夢ー！？聴こえてますかぁ！？大丈夫！大丈夫だから服脱がさないで！これいつものより高い奴だからっ！」

侑「あーっ！」

かぽーん



侑「結局2人でお風呂入っちゃった」

歩夢「ちょっとぬるくない？大丈夫？」

侑「私には熱いぐらいかな」

歩夢「そっかぁ」ふふっ

侑「...ドキッ」

侑(歩夢って髪の毛下ろすと色気増すよね...ちょっとドギマギしちゃった)

歩夢「侑ちゃん、久しぶりに髪の毛洗ってあげる」

侑「う、うん」

侑(こんなの不可抗力だよ...)



歩夢「痒いところはありませんか～？」

侑「特に、ないです...///」

侑(なんかドキドキし過ぎちゃって初めて美容院に行った人みたいになってる)

歩夢「それじゃあ流しますね」ジャバー

侑(こんなこと考えちゃダメだけど、歩夢の胸が目の前に...！」

侑「...///」

歩夢「あれ？侑ちゃん顔赤いよ？大丈夫？」

侑「大丈夫です...」

侑「わ、私湯船にもうちょっと浸かっちゃおっかなぁ！」

歩夢「じゃあ私も入る！」

侑「なんだかのぼせて逆に疲れちゃったよ」

歩夢「侑ちゃん、まだヘアブローが残ってますよ」

侑「はーい」

歩夢「タオルでよく拭いて...」ブオォォォ

侑「今日は残念だったなぁ...」

歩夢「クリスマス会の事？」

侑「そう。私も行きたかった」

歩夢「すごい楽しかったよ。彼方さんが隠し芸やってくれて、口から本物の鳩出してきた時は驚いたなぁ」

歩夢「前アルバイトで覚えたって言ってたよ」

侑「なにそれみたい」

歩夢「ふふっクリスマスプレゼントの交換もしたんだけどね...」

侑「クリスマスプレゼント、買ったのに渡す機会がなくなっちゃった」グスン

侑「昨日調子乗って正拳突き一万回やったからこんな事に...」

歩夢「でも、風は早く治すことが大事だよ」

歩夢「新年よろしくね会もあるし、次は一緒に参加しよ？」

侑「...うん」

歩夢「ちょっと喉乾いちゃった。水飲んでくるね」

侑「...うん」

侑「歩夢帰ってくるの遅いな」

侑「またウガンダ料理作ってるわけじゃないよね」

侑「ちょっとみてこよう」

侑「歩夢ーっ！？どうしたの？」




歩夢「...」バタリ

侑「！？」

侑「歩夢！？どうしたのっ！！」

侑「っ！すごい熱だ...とりあえずベッドに運んであげないと...」ウンショヨイショ

侑「ようやくベッドに運べた...」

侑「今度は、えーっと、えーっと、冷えピタ貼って」ぺたぺた

侑「栄養ドリンク持ってきて」アタフタ

侑「脇と手首冷やしてあげて...」ゴソゴソ

侑「よしっ！完了！」

侑「ふーっ、歩夢がこんな熱出てたのに隠してたなんて...」

侑「もしかして、行動に一貫性がなかったり、ウガンダ料理作ったのは熱出てたから？」

侑「熱出てると考えられない行動するって言うし...」

歩夢「うぅ...」パチリ

侑「起きた！ねえ大丈夫！？」

歩夢「あっ、これは...」

侑「廊下で倒れてたんだ。大丈夫？」

歩夢「うん、大丈夫だよ」

侑「歩夢、今までの事、覚えてる？」

歩夢「なんとなくだけど、みんなと一緒にクリスマス会して...荷物運んで」

歩夢「廊下ってマンションの廊下？」

侑「ううん、違うよ。私の家の廊下」

歩夢「そっかぁ。ごめんね、迷惑かけて」

侑「ううん。大丈夫。今度は私が看病する番だね！」

侑「はい、じゃあまずはご飯。これはウガンダ料理のウガリっていって手で食べて.....」

歩夢「ちょっとちょっとなにこれ？侑ちゃんそれ、手で！」



わーわー　やんや　やんや！

侑「歩夢、覚えてる？」

歩夢「...？」

侑「今日ね、大きな段ボールの中に歩夢が入ってたんだけど、覚えてないよね？」

歩夢「...それは」

歩夢「侑ちゃん寂しいかなって。だけどね、ずっとインターフォンが押せなくて。ずっと躊躇ってたら風邪ひいちゃった」

歩夢「押した時の記憶はないんだけど....」

歩夢「でもね、私から侑ちゃんへのクリスマスプレゼントは私自身」

歩夢「クリスマスプレゼントは私だよっ」

歩夢「は、恥ずかしいなぁ。でも結局言っちゃった」

侑「う、うん。聞いてるこっちも恥ずかしくなってきた」

侑「クリスマスプレゼント、ありがとう」

侑「私からも、これ...」ゴソゴソ

歩夢「これ、手袋？」

侑「うん、みんなのとは別に用意してたんだ」

侑「私のマフラーとお揃いの色してるの！」

歩夢「ありがとう、侑ちゃん！」ぎゅっ

侑「ねえ歩夢、このままぎゅーっとして」

歩夢「うん、このままぎゅーっとしてようね...」

おわり

?cﾒ*˶˘ ᴗ ˘˵ﾘ ?cﾒ*˶˘ ᴗ ˘˵ﾘ

おつ！ 続きが気になる
良かった

?cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘ神SS

?cﾒ*˶> ᴗ ・˵ﾘ

?cﾒ*˶˘ ᴗ ˘˵ﾘ かなり現実に近くてよく出来ていました。

?cﾒ*˶˘ ᴗ ˘˵ﾘ　最高だったよ