【SS】しずく「璃奈さん、今日もお家泊まりに行っていいかな？」璃奈「いいよ」【ラブライブ！虹ヶ咲】

しずく「ありがとう！ お母さんに連絡するね！」ﾋﾟｯ

璃奈「うん」

璃奈（最近、しずくちゃんが私の家に泊まりに来る事が増えた）

璃奈（正直うれしい）

璃奈（両親はほとんど帰って来ないから、寂しい事の方が多い我が家だけれど）

璃奈（最近はしずくちゃんのおかげで賑やかだ）

しずく「よーしっ、許可取れたっ！ 今日もよろしくね、璃奈さん！」ﾆｯｺﾘ

璃奈「全然大丈夫、私も楽しみ。璃奈ちゃんボード『にっこりん』」

璃奈（ただ、しずくちゃんが泊まりに来る理由はしっかりとある）

────
───
──
─

しずく「よーし！ 今日こそクリアしますよ！」ｸﾞｯ

璃奈（しずくちゃんが、ゲームにハマった）

璃奈「はい、コントローラー」ｽｯ

しずく「ありがとう、璃奈さん。いつもお邪魔してごめんね」

璃奈「大丈夫だよ。今日も頑張ってね」

しずく「うん！」

しずく「えぇっと、あっそうだ。このボスの前からだったね」ｶﾁｶﾁｯ

璃奈「しずくちゃん、だいぶ操作に慣れてきたよね」

璃奈「最初コントローラーを逆手に持った時は色々と心配だった」

しずく「うっ……それは忘れて下さい……」

璃奈「ゲーム慣れしてなかったしずくちゃん、可愛かった」

しずく「それ褒めてないよ」

しずく「璃奈さん、今日も見ているだけで大丈夫なの？」

璃奈「私はもうこのゲーム8周くらいクリアしたし、大丈夫。しずくちゃんがやっているの見てて、楽しいし」

しずく「す、凄いやってるね……わかった、頑張るから見ててね！」

しずく「今日こそこの人倒すから応援してね！ 璃奈さんっ」

璃奈「うん。ファイトっ」

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

～1時間後～

しずく「……あぁ、なんでこれ……っ、ダメだ……落ち着くのよしずく。もっと攻め手を変えないと……回転攻撃の後は、これだね……！！ あっ、そうだ……ここでこれを使って……」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

璃奈「………………」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

璃奈（しずくちゃんがやっているゲームは、死にゲーだ）

璃奈（刀を主に使う忍者が主人公で、上手く敵の攻撃を弾くゲーム。難易度は非常に高い）

璃奈（合宿時にやったスマホのアプリゲーとは比べ物にならないくらい、難しいゲームだ）

璃奈（始めたきっかけは、しずくちゃんの『璃奈さんの好きなゲームをやらせて』という一言だった）

璃奈（私は格ゲーとか死にゲーといった、操作のシビアなゲームが好き。私の好きなゲームと言われたので、正直酷だと思ったけれど、このゲームをやってもらう事にした）

璃奈（友達に嘘はつけない）

しずく「……よし！ 1ゲージ削った……！！ あともうちょっと……！！」

璃奈「あともう少しだね。頑張れしずくちゃん」

しずく「ありがとう、璃奈さん。私、がんば──」

ｻﾞｼｭｯ! 死

しずく「あああああああああッ！！ 油断しましたぁぁぁああああああああ！！！！」

璃奈「……ご、ごめん」

しずく「違うの！！ 璃奈さんは悪くない……！！ 油断した私が……。くっ、絶対に許しませんこのボス！！ 絶対に、絶対に私がやっつけます！！！！」ｷﾞｯ

璃奈（……難しいゲームと向き合って頑張っている人の実況は凄く面白い。なんでだろうね）

璃奈（正直自分でやるより、楽しい）

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

しずく「やったあああああああ！！ 倒しましたああああああ！！！！」ｸﾞｯ

璃奈「しずくちゃん、頑張った。なでなで」

しずく「えへへ、璃奈さんありがとう！」ﾆｯｺﾘ

璃奈（疲れて素直になってるしずくちゃんかわいい。すき）

しずく「2時間くらいかけちゃった。強かったねこのボス」

璃奈「ここは結構詰む人も多いからね。本当にしずくちゃん上手になった。璃奈ちゃんボード『ほっこり』」

しずく「だいぶコツを掴んできました！ これゲーム的にはどれくらい進んでいるの？」

璃奈「もう終盤だよ。このステージクリアしたら、ラスボスもすぐそこ」

しずく「おぉ……！ 遂にここまで来たんだ……！！」

璃奈「がんばろがんばろー」

しずく「うん！ このまま今日中にラストボスも倒しちゃいましょう！！」

璃奈「………………」

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

しずく「璃奈さん」

璃奈「なぁに、しずくちゃん」

しずく「このゲーム」

しずく「おかしいよ」

しずく「ねぇ」

しずく「なんで？」

しずく「私、このゲームたくさん練習して、自分で言うのもなんだけれど大分上達したと思うの」

しずく「でもさ」

璃奈「………………」

しずく「ラストボス、勝てる気がしない」

璃奈「ラスボスがいっちばん強いからね。今までの経験を全て使わないと勝てない」

しずく「……心が折れそう……」

璃奈「もう時間も遅いし、そろそろやめる？」

しずく「ダメです」

璃奈「！？」

しずく「いま、やめたら」

しずく「ここまでの動きができなくなる気がする」

しずく「下手になる気がするの」

しずく「明日は土曜日で学校も部活もお休みだもん」

しずく「もう少し頑張りたい」

しずく「お願い。璃奈さん」

璃奈「わ、わかった。もう少しやろう。璃奈ちゃんボード『ファイト』」

しずく「うん、ありがとう」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ

璃奈（目がガチだ）

璃奈「でも夜更かしは良くないから、本当に限界が来たらやめようね」

しずく「うん」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ

しずく「だ、ダメだ……本当に勝てる気がしない……」

璃奈「コツは少しずつ掴めてきているよ。大丈夫、しずくちゃんなら勝てる」

しずく「嬉しいけれど、さすがにちょっと眠くなってきたね」

璃奈「そうだよね、もう23時だもんね。そろそろ寝よ──」

しずく「というわけで璃奈さん。何か眠気が覚めるお話しよ？」

璃奈「えぇ……」

ｶﾞｼｯ

しずく「お願い！」

しずく「もう少しなの！！」

しずく「私、頑張りたいよ！！ ラストボスを倒して国を救ってって、心の中で私が叫んでいるのっ」

しずく「どんな私からも逃げたりはしたくないの！」

璃奈「お、おぉ……激アツなセリフだね」

璃奈「わかった。ならお話しよ」

しずく「ありがとう、璃奈さん」

璃奈「大丈夫」

璃奈「それで、かすみちゃんとはどこまで行ったの？」

しずく「」

しずく「な、何を言っているの璃奈さん？」

璃奈「デートとかよく行くの？」

しずく「遊びにはよく行くけれど……」

璃奈「キスとかはもうした？」

しずく「な、ななななななななな……！？//////」

しずく「してないよ！？ というかしないよ！？」

しずく「かすみさんはし・ん・ゆ・う！ そういう事する関係じゃないよ！？」

璃奈「そうなの？ 私と愛さんはよくキスするけれど……」

しずく「！？////」

しずく「そ、そうなの……？」

璃奈「うそ」

しずく「璃奈さん！？」

璃奈「冗談を本気で受け止めちゃう正直者なしずくちゃん、かわいい」

しずく「それも褒めてないよ……こんな形で可愛いって言われてもあんまり嬉しくないよ……」

璃奈「テレテレ」

しずく「なんで璃奈さんが照れてるの！？」

璃奈「目、覚めた？」

しずく「もう目ぱっちりだよ……」

璃奈「なら良かった」

璃奈「けど、しずくちゃんもかすみちゃんもすっごく仲良しだし」

璃奈「しずくちゃんがあげた髪飾り、かすみちゃんすごく喜んでたし、そういう関係なのかなぁとも正直思ってた」

しずく「違うし、もし仮にそういう関係になったら璃奈さんには真っ先に報告するよ……隠したりなんかしないって」

璃奈「え……？ ほんと？」

璃奈「そう言ってくれるのは、すっごく嬉しい」

しずく「……璃奈さん、ちょっと勘違いしてる……」ｼﾞﾄｰ

璃奈「え？」

しずく「……なんでもないです」ﾌﾟｸｰ

璃奈「？？？」

璃奈（なぜか口を膨らませるしずくちゃん）

璃奈（可愛いけれど、どうしたんだろう？）

璃奈（なんか私、やらかしちゃったかな？）

しずく「まぁ何はともあれ、眠気は覚めました。ありがとう、璃奈さん」

璃奈「う、うん。ファイト」

しずく「うん。頑張るね」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ

璃奈「………………」

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

しずく「あともうちょっと……あともう……少し！！」

璃奈「………………」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

璃奈（再開してからもうすぐ1時間経つ。集中力的にもこれがラストチャンス……！！）

しずく「落ち着く……落ち着くのよ桜坂しずく……焦らないの……」

璃奈（自問自答し続けてるしずくちゃん。大丈夫、気持ちわかる。頑張れ……頑張れ！！）

しずく「……──！！」

しずく「これで！！ 最後！！」

ｶｷｨｨｨﾝ!! ──ﾀｧﾝｯ!!

しずく「────っ！！」

璃奈「い、いった……」

しずく「か、勝てた」

しずく「勝てた、勝てたぁ！！」ﾊﾟｧｧｱｱｱ

しずく「璃奈さん！！ わたし勝てたよぉぉおおおおおおお！！！！」

璃奈「うん！ うん！ しずくちゃんすごい！ 頑張ったっ。璃奈ちゃんボード『ぶわっ（ ;ᯅ; ）』」

しずく「ありがとう！！ ありがとう璃奈さん！！」

璃奈「わたし、何もしてない。しずくちゃんが、本当に頑張った……！！」

しずく「ずっと見ててくれたもん！ 本当に、ありがとう！！」

しずく「心臓がまだバクバクしてる……達成感が凄いよ……」

しずく「ゲームって……面白いね！ 璃奈さん！！」

璃奈「！！」

璃奈「……」

しずく「？ 璃奈さん……どうしたの？」

璃奈「嬉しい」

しずく「え？」

璃奈「ゲーム、全然できなかったしずくちゃんがここまでゲームをやってくれたのも嬉しいし」

璃奈「ゲームを好きになってくれたのも、嬉しい」

璃奈「涙を出せたのなら、私今泣いてると思う」

しずく「璃奈さん……」

璃奈「本当に、ゲームクリアおめでとう。しずくちゃん」

璃奈「本当に頑張った。凄いよしずくちゃん」

しずく「……璃奈さん」

しずく「聞いてほしいことがあるの」

璃奈「え？」

しずく「璃奈さん、なんで私が突然ゲームをやらせてって言ったと思う？」

璃奈「えーと……合宿でやった時に楽しかったからとか？」

しずく「ううん。違うよ」

璃奈「……ごめん。分からない」

しずく「大丈夫だよ」

しずく「じゃあ、教えてあげるね」

璃奈「う、うん」

しずく「あっ！ ごめんその前に渡したい物があったんだ」

璃奈「へ？ 」

しずく「手、出して欲しいな」

璃奈「う、うん。わかった」ｽｯ

しずく「はい、どうぞ」ｽｯ

璃奈「え？ これ……」

しずく「キーホルダーだよ。璃奈ちゃんボードでよくやるにっこりんとすっごく似てる表情をした猫。かわいいでしょ？」

璃奈「うん……！ すっごくかわいい。すき」

しずく「ふふっ、喜んでもらえて良かった」ﾆｯｺﾘ

璃奈「でもこれ……なんで急に私にくれるの？」

しずく「それはね、ゲームをやらせてもらった理由にも関わってくるんだけれど」

璃奈「うん」

しずく「私、璃奈さんともっと仲良くなりたかったの」

璃奈「え？」

しずく「璃奈さん、さっき私とかすみさんはすっごく仲良しって言ってたよね？」

璃奈「うん。誰から見ても仲良しだと思うよ」

しずく「確かに私、かすみさん大好きだよ」

しずく「私が主演を降板させられた時、あの子は私を励ましてくれた」

しずく「正面からぶつかってくれて、本当の私を好きって言ってくれた。救われたよ、本当に」

しずく「だけれど、かすみさんを送り出してくれたのは璃奈さんだよね？」

しずく「かすみさんから聞いたよ」

璃奈「！！」

しずく「璃奈さん」

しずく「私ね、かすみさんの事も大好き」

しずく「だけれど、璃奈さんの事も同じくらい大好き！」

しずく「2人とはずっと一緒にいたい」

璃奈「しずくちゃん……」

しずく「私とかすみさんがすっごく仲良しって言う括りじゃなくて」

しずく「私とかすみさん、それに璃奈さん！ 貴方を含めた三人で、すっごく仲良しでいたいよ」

しずく「私とかすみさんの関係を遠くから見るんじゃなくて……」

しずく「一緒にいようよ」

しずく「ね？」ﾆｯｺﾘ

璃奈「………………」

璃奈「……しい」

しずく「え？」

璃奈「うれしい……うれ、しい……」

しずく「り、璃奈さん」

しずく「ど、どうしたの……な、泣かないで？」ｵﾄﾞｵﾄﾞ

璃奈「え？」ﾎﾟﾛ､ﾎﾟﾛ

璃奈「わたし……泣いてるの？ いま……？」

しずく「ご、ごめんね！ 急にこんなこと……あ、えと！ ハンカチ！ ど、どこだっけ！！」ｱｾｱｾ

璃奈「違う……違う、大丈夫。……大丈夫だよ」

璃奈「涙なんて出たの……いつぶりだろう……」

璃奈「でもこれ……悲しいんじゃないの」

璃奈「嬉しいんだ……しずくちゃん」

しずく「璃奈さん……」

璃奈「……でも……いいの？ こんな変な私に……そんな事言ってくれるの？」

しずく「……璃奈さん！」

璃奈「！！」

しずく「私もかすみさんも、天王寺璃奈の事大好きだよ！」

しずく「だから、変な私なんて言わないで？」

璃奈「………………」

ﾊﾞｯ
──ｷﾞｭｯ

しずく「わわ！？」

璃奈「……しずくちゃん」

璃奈「ありがとう」

璃奈「大好き」ｷﾞｭｭｭｭ

しずく「ふふっ」

しずく「私も大好きだよ。璃奈さん」ｷﾞｭｭｭｭ

しずく「これからさ、一緒に大人になっていこうよ。そして──大人になっても、こうやって一緒に遊ぼう」

璃奈「──ッ！！」

璃奈「うんっ！」ﾆｯｺﾘ

しずく「すぅ……すぅ」ｽﾔｽﾔ

璃奈「しずくちゃん、寝ちゃった」

璃奈（あれから、色々なお話をした）

璃奈（しずくちゃんのちっちゃい頃の話。普通の人を演じてた話。かすみちゃんとあの時どんな話をしていたのか等々）

璃奈（色々な話をしてくれた）

璃奈（そして、疲れて寝ちゃった）

しずく「すぅ、すぅ……」

璃奈「かわいい」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

しずく「……んん」

璃奈「///」


しずく『私とかすみさんがすっごく仲良しって言う括りじゃなくて』

しずく『私とかすみさん、それに璃奈さん！ 貴方を含めた三人で、すっごく仲良しでいたいよ』

しずく『私とかすみさんの関係を遠くから見るんじゃなくて……』

しずく『一緒に、いようよ』


璃奈「………………」

璃奈「しずくちゃん、ありがとうね」

璃奈「これからも、よろしくね」

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

かすみ「おおおおお！！ 見て見て二人共！ すっごく広い！」

かすみ「それにあそこで売ってる付け耳、絶対かすみんに似合うよ！ 二人共早く早く！」

しずく「もうっ、かすみさん？ あんまりはしゃぐと転んじゃうよ？」

璃奈「あのジェットコースター、乗りたい……！！」

璃奈「璃奈ちゃんボード『わくわく！』」

しずく「ほーら、璃奈さんも一緒になってはしゃがないの！」

璃奈「テレテレ」

しずく「褒めてないよ」

かすみ「もぉ！ しず子は落ち着きすぎ！」

かすみ「遊園地だよ遊園地！？ ほら、早く早く！」ﾀﾞｯ

ﾂﾙﾝｯ!

かすみ「アゴゥ゛ッ！！」

璃奈「あっ、転んだ」

しずく「ちょ、かすみさん！？ だから言ったじゃない！ 大丈夫！？」ｱｾｱｾ

かすみ「だ、大丈夫……合宿でせつ菜先輩が投げてきた枕の方が痛かった……」

璃奈「かすみちゃん、転んだのに泣いてない。偉い偉い。なでなで」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

かすみ「りな子かすみんの事お子様だと勘違いしてない！？ かすみん達同学年だよ！？」

しずく「まぁ来年は後輩になるかもしれないけどね」

璃奈「留年……悲しいなぁ」

かすみ「しないよ！！」

しずく「ふふっ、かすみさんかわいい」

璃奈「わかる。かすみちゃんかわいい」

かすみ「嬉しいけれど今ここで言う言葉じゃないよこれぇ！」

かすみ「もう怒った！！」

ｽｯ ──ｷﾞｭｯ

璃奈（あっ）

かすみ「二人共今日はとっことんかすみんのワンダーランド巡りに付き合ってもらうから！」

かすみ「この手はもう離さないもんねぇ！」

璃奈「………………」

しずく「強引だなぁかすみさんは」

かすみ「かすみんをイジる二人が悪いもん！ ほら行くよ！」

しずく「はいはい♪」

璃奈「………………」ｷﾞｭｩ

かすみ「ん？ どしたのりな子ー？」

かすみ「ポカーンってしてないで、一緒に行くよ！」ﾆｶｯ

しずく「そうだねっ」

しずく「璃奈さん、一緒に行こ？」ﾆｺｯ

璃奈「──うん！」

璃奈「いっぱい遊ぼうっ」

おしまい。

しずかす好きだけどそれ以上にしずかすりなの３人で仲良くしているのが一番好きです。
アニガサキの6話見直してて璃奈が部屋で本音を語るシーンでしずくの顔がアップになるシーンを見てこの話が思い浮かびました。
読んでくれた方々、レス頂けた方々ありがとうございました。

週明けからこんな神SS見せてもらっていいのか…
最高でした

乙だぞ
また頼むな

ありがとう…ありがとう

しずかすりな良いよね
乙ありがとう

乙
最高だった

しずりなからのしずかすりな素晴らしすぎる……
おつです！

かすみ送り出すシーン好き

素晴らしいSSでした
月曜の朝からいいものを見た