4: (玉音放送) 2018/12/31(月) 07:27:04.56 ID:YmAVVG4G
冬休み、理事長室
鞠莉「――これでよし、と。来年の準備は済ませたし、書類の整理も完了。後はゴミを捨てて全部終わり。いよいよ大詰めね。ふぅ…」
鞠莉「…まだ4時半だっていうのに、もう日が暮れはじめてる。明るいうちに帰るためにも、最後のもうひと頑張り――」
コンコン
鞠莉「!」ビクッ
コンコン
鞠莉(ノックされた…今日は私以外、校内には誰もいないはずなのに…)
鞠莉(いったい誰が――)グッ
鞠莉「――これでよし、と。来年の準備は済ませたし、書類の整理も完了。後はゴミを捨てて全部終わり。いよいよ大詰めね。ふぅ…」
鞠莉「…まだ4時半だっていうのに、もう日が暮れはじめてる。明るいうちに帰るためにも、最後のもうひと頑張り――」
コンコン
鞠莉「!」ビクッ
コンコン
鞠莉(ノックされた…今日は私以外、校内には誰もいないはずなのに…)
鞠莉(いったい誰が――)グッ
5: (玉音放送) 2018/12/31(月) 07:27:48.42 ID:YmAVVG4G
「あれ、いないのかな」
鞠莉「!」
鞠莉「その声、曜?」
「あっ、鞠莉ちゃん!私だよ!」
鞠莉(本当に曜だ!どうしてここに…)
「入っても大丈夫?」
鞠莉「あ…ええ、どうぞ」
ガチャ
曜「えへへ、失礼しまーす」
鞠莉「!」
鞠莉「その声、曜?」
「あっ、鞠莉ちゃん!私だよ!」
鞠莉(本当に曜だ!どうしてここに…)
「入っても大丈夫?」
鞠莉「あ…ええ、どうぞ」
ガチャ
曜「えへへ、失礼しまーす」
6: (玉音放送) 2018/12/31(月) 07:30:38.11 ID:YmAVVG4G
鞠莉「どうしたの。今年はもう練習はないし、そもそも学校も閉まってて誰もいないのに」
曜「私もそうかなって思ったんだけど、実際来てみたら開いてたし、鞠莉ちゃんもいるし」
鞠莉「私は見てのとおり仕事だもの。それに、休みの学校に入るのは本当はダメなのよ?今は切ってあるけど、通常だと防犯センサーが作動しちゃうから」
曜「そうなんだ…はい、気をつけますっ」
鞠莉「よろしい。で、ご用件は?」
曜「ちょっと忘れ物を取りにね。それと――じゃーん!差し入れに!」ガサ
鞠莉「えっ、私に?」
曜「うんっ!お仕事お疲れ様!」
曜「私もそうかなって思ったんだけど、実際来てみたら開いてたし、鞠莉ちゃんもいるし」
鞠莉「私は見てのとおり仕事だもの。それに、休みの学校に入るのは本当はダメなのよ?今は切ってあるけど、通常だと防犯センサーが作動しちゃうから」
曜「そうなんだ…はい、気をつけますっ」
鞠莉「よろしい。で、ご用件は?」
曜「ちょっと忘れ物を取りにね。それと――じゃーん!差し入れに!」ガサ
鞠莉「えっ、私に?」
曜「うんっ!お仕事お疲れ様!」
7: (玉音放送) 2018/12/31(月) 07:32:01.89 ID:YmAVVG4G
鞠莉「差し入れって、私がここにいるって分かってたの?」
曜「ううん、偶然だよ」
鞠莉「じゃあ、どうやって」
曜「職員用の入り口から入ったんだけど、そこで靴を見かけてさ。鞠莉ちゃんお仕事中かなーって思ったから買いに行ったんだ。コンビニまでひとっ走りしてね」
鞠莉「ひとっ走りって簡単に言うけど、かなりの距離じゃない。この寒い中…」
曜「そこはほら、走って体が温まったから大丈夫!私のことはいいから、一息入れようよ。ほら、差し入れの中を見て」
鞠莉「えっと…缶コーヒーと、チョコチャンククッキー?」
曜「私のお気に入りなんだ。しっとりしてるところが美味しいんだよね。缶コーヒーでごめんなさいだけど、休み中はお湯とか使えないかなって思ったから」
鞠莉「そこまで考えて…あら、曜の分は?」
曜「ううん、偶然だよ」
鞠莉「じゃあ、どうやって」
曜「職員用の入り口から入ったんだけど、そこで靴を見かけてさ。鞠莉ちゃんお仕事中かなーって思ったから買いに行ったんだ。コンビニまでひとっ走りしてね」
鞠莉「ひとっ走りって簡単に言うけど、かなりの距離じゃない。この寒い中…」
曜「そこはほら、走って体が温まったから大丈夫!私のことはいいから、一息入れようよ。ほら、差し入れの中を見て」
鞠莉「えっと…缶コーヒーと、チョコチャンククッキー?」
曜「私のお気に入りなんだ。しっとりしてるところが美味しいんだよね。缶コーヒーでごめんなさいだけど、休み中はお湯とか使えないかなって思ったから」
鞠莉「そこまで考えて…あら、曜の分は?」
8: (玉音放送) 2018/12/31(月) 07:32:40.70 ID:YmAVVG4G
曜「私は大丈夫!走って来たけど、喉は乾いてないから」
鞠莉「せっかくなら、コーヒーの相手をして欲しかったのに」
曜「それはまた今度ね。にしても…」マジマジ
鞠莉「ん。どうかした?」
曜「いや、私服で理事長室にいるのって、普段と違うから新鮮な気がして」
鞠莉「休日出勤だからね。服装もだけど、自分のペースで出来るから楽でいいわ」
鞠莉「せっかくなら、コーヒーの相手をして欲しかったのに」
曜「それはまた今度ね。にしても…」マジマジ
鞠莉「ん。どうかした?」
曜「いや、私服で理事長室にいるのって、普段と違うから新鮮な気がして」
鞠莉「休日出勤だからね。服装もだけど、自分のペースで出来るから楽でいいわ」
10: (玉音放送) 2018/12/31(月) 07:33:18.34 ID:YmAVVG4G
曜「休日出勤かぁ、大人な単語だね。今日はどんな仕事やってたの?」
鞠莉「えっと、年明けの仕事の準備と、周りの整理整頓ね。書類を収納したり、いるものといらないものを分けたりとかかな」
曜「なるほど。年末の大掃除って感じかな」
鞠莉「そんなところね。やるべきことを終わらないと、年を越せないから」
曜「だよねぇ。まだやる事は残ってる?」
鞠莉「一通り終わったから、後はごみを置きに行くだけよ」
曜「それなら私にもお手伝い出来そうだね!よし、ごみ置場に運んでくるよ」
鞠莉「えっと、年明けの仕事の準備と、周りの整理整頓ね。書類を収納したり、いるものといらないものを分けたりとかかな」
曜「なるほど。年末の大掃除って感じかな」
鞠莉「そんなところね。やるべきことを終わらないと、年を越せないから」
曜「だよねぇ。まだやる事は残ってる?」
鞠莉「一通り終わったから、後はごみを置きに行くだけよ」
曜「それなら私にもお手伝い出来そうだね!よし、ごみ置場に運んでくるよ」
11: (玉音放送) 2018/12/31(月) 07:34:07.56 ID:YmAVVG4G
鞠莉「そんな、いいわよ。後でやるから座ってて」
曜「いいからいいから、そのくらい手伝わせて。よっと」グッ
鞠莉「そんなに一度に持ったら重いし、危ないわ」
曜「平気平気!ごめんね、ドア開けてもらえる?」
鞠莉「開けるけど、それなら、私も一緒に――」ガチャ
曜「ありがと!行ってくるねー!」ダッシュ
鞠莉「あっ、曜!」
曜「いいからいいから、そのくらい手伝わせて。よっと」グッ
鞠莉「そんなに一度に持ったら重いし、危ないわ」
曜「平気平気!ごめんね、ドア開けてもらえる?」
鞠莉「開けるけど、それなら、私も一緒に――」ガチャ
曜「ありがと!行ってくるねー!」ダッシュ
鞠莉「あっ、曜!」
12: (玉音放送) 2018/12/31(月) 07:35:42.25 ID:YmAVVG4G
曜「鞠莉ちゃんはコーヒー飲んでてー!」タッタッタッ
鞠莉「荷物抱えて走ったら危ないわよ!」
曜「大丈夫ー!ゆっくりしててねー!」タッタッ…
鞠莉「ゆっくりしなきゃなのは曜の方…って、行っちゃった。もう、この寒いのに元気なんだから」
鞠莉「でも、やっと仕事も終わったし…ここはお言葉に、甘えちゃおうかな」
鞠莉「荷物抱えて走ったら危ないわよ!」
曜「大丈夫ー!ゆっくりしててねー!」タッタッ…
鞠莉「ゆっくりしなきゃなのは曜の方…って、行っちゃった。もう、この寒いのに元気なんだから」
鞠莉「でも、やっと仕事も終わったし…ここはお言葉に、甘えちゃおうかな」
13: (玉音放送) 2018/12/31(月) 07:36:32.84 ID:YmAVVG4G
……………………………………
曜「ただいま!置いて来たよー」
鞠莉「お帰り。早かったのね」
曜「鍛えてますから!このくらいはお安い御用、ってね!」
鞠莉「運んでくれてありがとう。おかげで全部片付いたわ。これで本日の、いえ、今年の業務はオールフィニッシュ。仕事納めね」
曜「今年一年、お疲れ様でした」
鞠莉「いえいえ、支えてくれるみんなのおかげよ。さ、早く帰りましょ、って言いたい所だけど…」
曜「ただいま!置いて来たよー」
鞠莉「お帰り。早かったのね」
曜「鍛えてますから!このくらいはお安い御用、ってね!」
鞠莉「運んでくれてありがとう。おかげで全部片付いたわ。これで本日の、いえ、今年の業務はオールフィニッシュ。仕事納めね」
曜「今年一年、お疲れ様でした」
鞠莉「いえいえ、支えてくれるみんなのおかげよ。さ、早く帰りましょ、って言いたい所だけど…」
14: (玉音放送) 2018/12/31(月) 07:37:44.59 ID:YmAVVG4G
曜「完全に暗くなっちゃったね。校内もすっかり冷え切ってたよ」
鞠莉「となると、外はもっと寒いわね…曜、車で送るわ」
曜「そうしてもらえると助かるけど、いいの?」
鞠莉「もちろんよ。私に付き合って仕事までしてくれたんだしね。車は手配済みだから、到着するまでコーヒータイムにしましょう」
曜「わかった!って、今お湯は無かったんじゃ」
鞠莉「紙コップを用意したから、買ってくれたコーヒーを分けて飲みましょう。クッキーも半分こにして、ね」
曜「あ、うんっ!」
鞠莉「となると、外はもっと寒いわね…曜、車で送るわ」
曜「そうしてもらえると助かるけど、いいの?」
鞠莉「もちろんよ。私に付き合って仕事までしてくれたんだしね。車は手配済みだから、到着するまでコーヒータイムにしましょう」
曜「わかった!って、今お湯は無かったんじゃ」
鞠莉「紙コップを用意したから、買ってくれたコーヒーを分けて飲みましょう。クッキーも半分こにして、ね」
曜「あ、うんっ!」
15: (玉音放送) 2018/12/31(月) 07:39:42.52 ID:YmAVVG4G
――――――――
鞠莉「ご馳走様。美味しかったわ、コーヒーもクッキーも」
曜「えへへ、お粗末さまでした。いいコーヒー休憩になったかな?」
鞠莉「ええ、おかげでようやく落ち着いたわ。ふぅ…」
曜「疲れちゃった?」
鞠莉「ううん、今年もいよいよ終わりなんだなって思って。長かったようで、あっという間のようで…色んなことがあったわ」
曜「そうだね…そういえばさ、元日はダイヤさんのお誕生日会兼新年会だけど、鞠莉ちゃん年末はどうするの?」
鞠莉「んー。実のところノープランで、どうしようかなって悩んでるの」
曜「決まってないんだ。ご家族は?」
鞠莉「パパもママも海外だからね。新年の挨拶はするつもりだけど、忙しいからそれもいつになるのかって感じよ」
鞠莉「ご馳走様。美味しかったわ、コーヒーもクッキーも」
曜「えへへ、お粗末さまでした。いいコーヒー休憩になったかな?」
鞠莉「ええ、おかげでようやく落ち着いたわ。ふぅ…」
曜「疲れちゃった?」
鞠莉「ううん、今年もいよいよ終わりなんだなって思って。長かったようで、あっという間のようで…色んなことがあったわ」
曜「そうだね…そういえばさ、元日はダイヤさんのお誕生日会兼新年会だけど、鞠莉ちゃん年末はどうするの?」
鞠莉「んー。実のところノープランで、どうしようかなって悩んでるの」
曜「決まってないんだ。ご家族は?」
鞠莉「パパもママも海外だからね。新年の挨拶はするつもりだけど、忙しいからそれもいつになるのかって感じよ」
16: (玉音放送) 2018/12/31(月) 07:40:45.35 ID:YmAVVG4G
曜「そっか…うちもね、今年はパパが帰ってこれないんだ。本当だったら、一年間お疲れ様ってことで、大晦日は家族みんな揃って忘年会をしてたんだけど」
鞠莉「あら…それは寂しいわね」
曜「うん。えっと、それで、なんだけど…」
鞠莉「どうかした?」
曜「よければ、大晦日はうちに来ませんか?」
鞠莉「!」
鞠莉「あら…それは寂しいわね」
曜「うん。えっと、それで、なんだけど…」
鞠莉「どうかした?」
曜「よければ、大晦日はうちに来ませんか?」
鞠莉「!」
17: (玉音放送) 2018/12/31(月) 07:42:22.12 ID:YmAVVG4G
曜「今話した我が家の忘年会なんだけど、中止にしちゃうのは寂しいし、かと言って私とママだけでやるのも寂しいなって思ってて」
曜「鞠莉ちゃんが来てくれれば、料理だって作りがいもあるし、きっと賑やかで楽しい会になると思うんだ。もし大晦日の予定が空いてて、迷惑でなければ、どうかな」
鞠莉「予定はないし、有難い話だけど…急にお邪魔したら、それこそお家のご迷惑になるわ」
曜「それは大丈夫、もうママの許可とってあるから。鞠莉ちゃんさえよければ、遠慮なくどうぞって」
鞠莉「えっ?」
曜「…本当のこと言うと、鞠莉ちゃんの年末の予定も知ってたんだ。果南ちゃんとダイヤさんに、ここに来る前に電話で聞いて。それで、ママにも相談して…」
鞠莉「そういうことか。なるほど、周到に検討されていたわけね」
曜「鞠莉ちゃんが来てくれれば、料理だって作りがいもあるし、きっと賑やかで楽しい会になると思うんだ。もし大晦日の予定が空いてて、迷惑でなければ、どうかな」
鞠莉「予定はないし、有難い話だけど…急にお邪魔したら、それこそお家のご迷惑になるわ」
曜「それは大丈夫、もうママの許可とってあるから。鞠莉ちゃんさえよければ、遠慮なくどうぞって」
鞠莉「えっ?」
曜「…本当のこと言うと、鞠莉ちゃんの年末の予定も知ってたんだ。果南ちゃんとダイヤさんに、ここに来る前に電話で聞いて。それで、ママにも相談して…」
鞠莉「そういうことか。なるほど、周到に検討されていたわけね」
18: (玉音放送) 2018/12/31(月) 07:43:43.83 ID:YmAVVG4G
曜「検討って程でもないけど、年末年始って、家族や大切な人と一緒に過ごす時間だって思うから。仕方のないこともあるけど、それが叶わないのはやっぱり寂しいし」
鞠莉「ん…そうね」
曜「あとは、その…鞠莉ちゃんとそういう時間を、一緒に過ごせたら嬉しいなって…」
鞠莉「!」
曜「えへへっ…色々言ったけど、これが本命の理由なんだ。今年の最後と新年の始まりを、鞠莉ちゃんと一緒に迎えたいって、最近ずっと思ってて」
鞠莉「曜…」
曜「でも、きっと予定があるだろうし、誘ったら迷惑かなって言い出せなかったんだけど」
曜「果南ちゃんたちから話を聞いて『これだ!』って思って、それで…」
鞠莉「…」
鞠莉「ん…そうね」
曜「あとは、その…鞠莉ちゃんとそういう時間を、一緒に過ごせたら嬉しいなって…」
鞠莉「!」
曜「えへへっ…色々言ったけど、これが本命の理由なんだ。今年の最後と新年の始まりを、鞠莉ちゃんと一緒に迎えたいって、最近ずっと思ってて」
鞠莉「曜…」
曜「でも、きっと予定があるだろうし、誘ったら迷惑かなって言い出せなかったんだけど」
曜「果南ちゃんたちから話を聞いて『これだ!』って思って、それで…」
鞠莉「…」
19: (玉音放送) 2018/12/31(月) 07:44:28.77 ID:YmAVVG4G
曜「って、これ、私が状況を良いように利用してるだけだよね…ごめん…」
鞠莉「…いいえ、謝ること無いわ」
曜「え…?」
鞠莉「大切な人と一年の終わりを振り返って、新しい年を一緒に迎える…確かにそのとおりだと思う。忙しかったり、なかなか会えないからこそ、余計にね」
曜「うん…」
鞠莉「だから、私のために色々考えてくれたのも、勇気を出して誘ってくれたのも…本当に嬉しいわ」
鞠莉「ありがとうね」ニコ
曜「鞠莉ちゃん…」
鞠莉「…いいえ、謝ること無いわ」
曜「え…?」
鞠莉「大切な人と一年の終わりを振り返って、新しい年を一緒に迎える…確かにそのとおりだと思う。忙しかったり、なかなか会えないからこそ、余計にね」
曜「うん…」
鞠莉「だから、私のために色々考えてくれたのも、勇気を出して誘ってくれたのも…本当に嬉しいわ」
鞠莉「ありがとうね」ニコ
曜「鞠莉ちゃん…」
20: (玉音放送) 2018/12/31(月) 07:44:59.10 ID:YmAVVG4G
鞠莉「あと、今日は忘れ物を取りに来たって話。あれ作り話でしょ」
曜「え、どうして?」
鞠莉「曜って忘れ物とかしなさそうだし、見た所、それらしきものは持ってないしね」
鞠莉「大方、果南とダイヤから話を聞いたとき、私が学校で仕事していることも知らされたってところかしら」
曜「あはは、大正解。んー、詰めが甘かったかな」
鞠莉「曜が自白してくれなきゃ、危うく信じちゃう所だったけどね」
曜「え、どうして?」
鞠莉「曜って忘れ物とかしなさそうだし、見た所、それらしきものは持ってないしね」
鞠莉「大方、果南とダイヤから話を聞いたとき、私が学校で仕事していることも知らされたってところかしら」
曜「あはは、大正解。んー、詰めが甘かったかな」
鞠莉「曜が自白してくれなきゃ、危うく信じちゃう所だったけどね」
22: (玉音放送) 2018/12/31(月) 07:45:34.05 ID:YmAVVG4G
曜「自白って、人聞きの悪い」
鞠莉「じゃあ、告白?」
曜「ん…そうだね。そっちの方がいいや」
鞠莉「ふふっ、じゃあそういうことで」
曜「…忘れ物って言うより、やり残したことって言った方が正確だけど」ボソ
鞠莉「何か言った?」
曜「ううん。それで、告白に対する答えは?」
鞠莉「じゃあ、告白?」
曜「ん…そうだね。そっちの方がいいや」
鞠莉「ふふっ、じゃあそういうことで」
曜「…忘れ物って言うより、やり残したことって言った方が正確だけど」ボソ
鞠莉「何か言った?」
曜「ううん。それで、告白に対する答えは?」
23: (玉音放送) 2018/12/31(月) 07:45:58.60 ID:YmAVVG4G
鞠莉「そうね。すごく良い話だと思うけど、正直、私がご家族の輪に入るのって申し訳ない気がするし…」
曜「…っ」
鞠莉「…でも、またとないこの機会。お邪魔させてもらうわ」
曜「…!本当に?来てくれるの?」
鞠莉「ええ。色々と気を遣わせてしまうだろうけど、ご一緒させてもらえたら嬉しいわ」
曜「…ああ、よかったぁ!なかなか答えてくれないから、ダメなんじゃないかってドキドキしちゃったよ」
曜「…っ」
鞠莉「…でも、またとないこの機会。お邪魔させてもらうわ」
曜「…!本当に?来てくれるの?」
鞠莉「ええ。色々と気を遣わせてしまうだろうけど、ご一緒させてもらえたら嬉しいわ」
曜「…ああ、よかったぁ!なかなか答えてくれないから、ダメなんじゃないかってドキドキしちゃったよ」
24: (玉音放送) 2018/12/31(月) 07:46:51.37 ID:YmAVVG4G
鞠莉「告白の返事らしく、緊張感を出してみようかなと思ったり?」
曜「そんなことしないで、初めから素直に嬉しいって言えばいいのに」
鞠莉「回りくどいのはお互い様よ」
曜「あはは、そうかもね。…ちょっと早いけど、一年間本当にお疲れ様。いつもありがとう」
鞠莉「言ったでしょ、支えてくれるから頑張れるの。こちらこそ、いつもありがとう」ハグ
曜「えへへっ」ギュー
鞠莉「ふふっ…」ナデナデ
曜「そんなことしないで、初めから素直に嬉しいって言えばいいのに」
鞠莉「回りくどいのはお互い様よ」
曜「あはは、そうかもね。…ちょっと早いけど、一年間本当にお疲れ様。いつもありがとう」
鞠莉「言ったでしょ、支えてくれるから頑張れるの。こちらこそ、いつもありがとう」ハグ
曜「えへへっ」ギュー
鞠莉「ふふっ…」ナデナデ
25: (玉音放送) 2018/12/31(月) 07:47:42.46 ID:YmAVVG4G
ピピピッ…
曜「!」
鞠莉「ちょうど車が来たみたいね。帰りましょうか」
曜「うん…」シュン
鞠莉「そんな顔しないの。せっかくだから、手を繋いで行きましょう」
曜「あ…うんっ!」パァァ
鞠莉「そうやって表情がダイレクトで素直な所、可愛くて好きだよ?」スッ
曜「へへ…ん?ダイレクト、って?」ギュ
鞠莉「こっちの話よ」
曜「そっか、まあなんでもいいや。えへへっ」ニコニコ
鞠莉「うふふっ」
曜「!」
鞠莉「ちょうど車が来たみたいね。帰りましょうか」
曜「うん…」シュン
鞠莉「そんな顔しないの。せっかくだから、手を繋いで行きましょう」
曜「あ…うんっ!」パァァ
鞠莉「そうやって表情がダイレクトで素直な所、可愛くて好きだよ?」スッ
曜「へへ…ん?ダイレクト、って?」ギュ
鞠莉「こっちの話よ」
曜「そっか、まあなんでもいいや。えへへっ」ニコニコ
鞠莉「うふふっ」
26: (玉音放送) 2018/12/31(月) 07:51:08.47 ID:YmAVVG4G
……………………………………
曜「我が家の忘年会はね、一年のお疲れ様ってことで、料理は各自の一番好きな物を作るんだ。パスタだったりハンバーグだったり。ちょっと豪華に、いい飲み物とかデザートも用意してね!」
鞠莉「へぇ、それは素敵ね!」
曜「あと、忘れちゃいけない年越し蕎麦も!」
鞠莉「色々料理が出るのに、お蕎麦まで食べるの?」
曜「そりゃもちろん。年越し蕎麦を食べないと年は越せないもん!小さめサイズだけどね」
鞠莉「年越し蕎麦かぁ。曜に誘われなかったら、今年は食べ損ねるちゃうところだったわ」
曜「危なかったね。年が越せなくなるところだったよ?」
鞠莉「ふふ、そうね。年越し蕎麦ってご家庭によって色々だ思うけど、曜の家ではどんなお蕎麦なの?」
曜「色々だけど、今年は月見蕎麦にしようと思ってるんだ。生卵じゃなくて、ちょっと半熟にしたのを乗っけると美味しいんだよ!今回はさらに一工夫を考えてて――」
曜「我が家の忘年会はね、一年のお疲れ様ってことで、料理は各自の一番好きな物を作るんだ。パスタだったりハンバーグだったり。ちょっと豪華に、いい飲み物とかデザートも用意してね!」
鞠莉「へぇ、それは素敵ね!」
曜「あと、忘れちゃいけない年越し蕎麦も!」
鞠莉「色々料理が出るのに、お蕎麦まで食べるの?」
曜「そりゃもちろん。年越し蕎麦を食べないと年は越せないもん!小さめサイズだけどね」
鞠莉「年越し蕎麦かぁ。曜に誘われなかったら、今年は食べ損ねるちゃうところだったわ」
曜「危なかったね。年が越せなくなるところだったよ?」
鞠莉「ふふ、そうね。年越し蕎麦ってご家庭によって色々だ思うけど、曜の家ではどんなお蕎麦なの?」
曜「色々だけど、今年は月見蕎麦にしようと思ってるんだ。生卵じゃなくて、ちょっと半熟にしたのを乗っけると美味しいんだよ!今回はさらに一工夫を考えてて――」
27: (玉音放送) 2018/12/31(月) 07:52:20.85 ID:YmAVVG4G
鞠莉「すっかり暗くなった廊下をふたりで歩く。寒いけど、顔をほころばせて話す曜を見ていると、繋いだ手だけじゃなく、私の心まで温かくなっていくのがわかる」
鞠莉「――廃校が確定した今、私たちが来年がどうなるかはまだわからない。きっとこれまで以上に波乱続きで、色んなことに巡り合うと思うけど」
鞠莉「みんなにとって、Aqoursにとって。曜にとって、私にとって。笑顔とシャイニーにあふれた一年になりますように」
終わり
鞠莉「――廃校が確定した今、私たちが来年がどうなるかはまだわからない。きっとこれまで以上に波乱続きで、色んなことに巡り合うと思うけど」
鞠莉「みんなにとって、Aqoursにとって。曜にとって、私にとって。笑顔とシャイニーにあふれた一年になりますように」
終わり
28: (玉音放送) 2018/12/31(月) 07:52:59.40 ID:YmAVVG4G
全弾撃ち尽くしました。仕事納めようまりでした。
↓は前に書いたものです。よろしければ併せてお願いします。
鞠莉「ふたりのクリスマス作戦」
http://fate.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1545428108/
ありがとうございました。
↓は前に書いたものです。よろしければ併せてお願いします。
鞠莉「ふたりのクリスマス作戦」
http://fate.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1545428108/
ありがとうございました。
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1546208713/