【SS】穂乃果「レズから逃げ切ったら10万円?」

SS


1: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 15:10:54.95 ID:ctcWWxoq.net
穂乃果「本当に!? 10万円も貰えるの!?」

希「うん、いい話やろ? だから2人も参加しようよ!」

にこ「……具体的に何をするのよ」

希「ただの鬼ごっこ。3時間鬼から逃げだけやん」

にこ「それだけで10万円? なーんか胡散臭いわね……」

希「胡散臭くなんかないよー。目的はμ'sの宣伝用の映像撮るためやし」

穂乃果「宣伝用の映像?」

希「穂乃果ちゃん知らん? 最近スクールアイドルが山登ったりサッカーやったりって映像がよくネットに上がってるやろ?」

穂乃果「そうなのにこちゃん?」

にこ「スクールアイドルのステージ外での側面を見せる、って趣向でそういう動画が流行ってるのは事実よ」

4: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 15:18:26.08 ID:ctcWWxoq.net
希「A-RISEはメンバーのことをどれだけ知ってるかのクイズ大会、みたいなことをやってたね」

穂乃果「ほえー、面白そうだね!」

にこ「その流行に乗って私たちも動画を撮る、ってこと?」

希「その通り。ファンの方々からもやってください、って要望いっぱい来てるから」

穂乃果「それならやらないわけにはいかないね!」

にこ「それはまあ同意だけど、だからってなんで企画の内容が鬼ごっこなのよ」

にこ「しかもレズから逃げるって……」

希「スリリングでアクションもあって面白いと思わん? ウチ的にはなかなかええと思ったんやけど」

にこ「賞金10万円とレズ云々は余計じゃない?」

希「賞金やペナルティがあった方が真剣にやるし緊張感も出るやろ?」

にこ「それはまあ、そうだけど……」

8: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 15:23:24.03 ID:ctcWWxoq.net
穂乃果「私たちは全員逃げる側? それとも何人か鬼に回るの?」

希「半々に別れてやる予定やで」

穂乃果「ってことはケイドロみたいな感じなんだね、面白そう!」

にこ(内輪だけでやるならペナルティの心配はそこまでないわね……何より賞金10万円……)

にこ(10万円もあれば……)

希「穂乃果ちゃんは乗り気な感じやけど、やってくれる?」

穂乃果「もちろんだよ! すごく楽しそう!」

希「ゲス顔してるにこっちはやってくれるん?」

にこ「げっ……ごほん。まあμ'sのためだし? 賞金とかはどうでもいいけどしょうがないからやってあげるわ」

12: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 15:28:59.51 ID:ctcWWxoq.net
にこ「そもそもにこがいなかったら再生数半分以上落ちちゃうだろうし? 参加しないわけにはいか」

希「それじゃあこれで全員参加決定やね。場所は休日の学校を貸し切ってやる予定やから」

にこ「って無視してるんじゃないわよ!」

穂乃果「学校!? 学校でケイドロ出来るの!? すごいすごい!」

希「宣伝にもなるから、って2つ返事で了承してくれたでー」

にこ「随分と周到な手回しね……」

希「あ、そうそう。大切なことなんやけど、2人は鬼か獲物、どっち側がええ?」

穂乃果「逃げる側がいい!」

希「はい、穂乃果ちゃんは獲物ね。にこっちは?」

にこ「賞金が出るのは逃げる側だけなのよね?」

希「そうやね」

にこ「じゃあ獲物でお願い」

希「ふふ、了解。撮影は明日やから2人とも今日は早く寝るんやで?」

18: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 15:34:36.40 ID:ctcWWxoq.net
  
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

希「じゃあ全員揃ったようやし、始めよか」

希「ってことでお2人さん、進行お願いね」


亜里沙「任せてください!」

雪穂「が、頑張ります……」


絵里「どうして亜里沙が……」

穂乃果「ファイトだよー! 雪穂ー!」


雪穂「え、えっと、これよりμ'sプロモーション企画、レズから逃げ切ったら10万円! を始めさせてもらいます」

雪穂「ルール説明です。制限時間は3時間、獲物側は鬼から逃げ切ったら賞金10万円獲得です」

雪穂「鬼側は1人でも多くの獲物を捕まえてたくさんあはーんうふーんなことをしちゃいましょう」

雪穂「捕まえたか否かの判定はこの手錠で行います」

雪穂「獲物側は腕のどちらか片方にこれをかけられた時点でゲームオーバーなので気を付けましょう」

雪穂「あと大切なルールを1つ。鬼が間違って鬼を捕まえてしまった場合、加害者側の鬼はその場でゲームオーバーとします」

雪穂「獲物側と同じペナルティを被害者側の鬼に受けてもらうので覚えておいてください」

雪穂「最後に。残り時間が2時間、1時間になったタイミングでイベントが発生しますので楽しみにしていてください」

21: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 15:39:59.50 ID:ctcWWxoq.net
>>18
最後から2行目訂正

雪穂「獲物側と同じペナルティを加害者側の鬼に受けてもらうので覚えておいてください」

23: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 15:44:01.80 ID:ctcWWxoq.net
雪穂「ルール説明は以上です。何か質問のある方は?」


 「…………」


雪穂「いないようなので鬼と獲物の組み分けを始めます。亜里沙」

亜里沙「はい! 今から私が皆さんに100円玉を配ります」

亜里沙「表側にサインの書かれたものを配られた人が鬼、裏側にサインの書かれたものを配られた人が獲物です」

亜里沙「鬼か獲物かは事前調査の意見を尊重した上で決められていますのでご安心ください」


絵里「随分とややこしいことをするのね……」

希「獲物が鬼から逃げるために、自分が鬼って嘘付いたり出来んようにするためやで」

にこ「それにしたってもっと分かりやすい方法あるんじゃない? 鬼です、みたいなハチマキ付けさせるとか」

希「見た目で誰が鬼で誰が獲物か最初から分かったら面白くないやん?」

絵里「それもそうね」


亜里沙「ではコインを配りますので順番に取りに来てください」

亜里沙「一緒に初期開始地点を書いた紙も渡します。コインを受け取った人からそちらに向かってくださいね」

亜里沙「正午のチャイムと同時にゲームスタートです、みなさん頑張ってください!」

27: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 15:49:33.20 ID:ctcWWxoq.net
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

穂乃果「早く捕まっちゃったら面白くないから、最後まで逃げ切りたいなー」


 「穂乃果は足が早いから最後まで逃げ切りそうだよね」


穂乃果「花陽ちゃんとかなら大丈夫だと思うけど、絵里ちゃんとか海未ちゃんが鬼だと自信ないかも」


 「私も置いてかれないように頑張って付いて行くね」


穂乃果「カメラ持ちながらだけど頑張ってね!」

穂乃果「にしても、逃げるときの定石ってなんなんだろう……」


 「まずは隠れとくのがいいんじゃない? 見つからないと捕まらないし」


穂乃果「やっぱそうなるよね……学校って広いから本気で隠れれば見つけられないだろうし……」


 「私たち的には、隠れてるだけの動画見てても何も面白くないけどね」


穂乃果「となると隠れるのは無しだね! 正々堂々歩き回って見つかって逃げるよ!」


 「あはは、穂乃果らしい作戦」

30: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 15:53:44.70 ID:ctcWWxoq.net
穂乃果「にしても誰が鬼で誰が獲物なんだろう?」

穂乃果「にこちゃんが獲物っていうのは分かるんだけど、それ以外のみんなは……」


凛「あー!!」


穂乃果「ふぁ!?」


凛「穂乃果ちゃん見つけたにゃー!!」


穂乃果「凛ちゃん……?」

穂乃果(こっちに向かって来てるってことは……)

凛「覚悟ー!」

穂乃果「きゃあああああ!!?」

35: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 16:00:21.63 ID:ctcWWxoq.net
凛「逃げるってことは穂乃果ちゃんやっぱり獲物だにゃー!」

穂乃果「ええ!? 私が獲物だって知らずに走って来たの!?」

凛「誰がどっちかなんて分からないから!」

穂乃果「それもそうだよねー……」

穂乃果(って凛ちゃんめちゃくちゃ速い!?)

穂乃果(本気で走らないと追いつかれる……!)ダダッ

凛(穂乃果ちゃんやっぱり速い……)

凛(でも、この距離なら……!)


穂乃果「はぁっ……! はぁ……!」

穂乃果(これ、このままはまずいよね……?)

穂乃果(バテたタイミングで他の鬼に見つかっちゃったら……)

凛「待てー!!」

37: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 16:07:46.35 ID:ctcWWxoq.net
穂乃果(どこかで振り切らないといけない……でもどこで……)

穂乃果「!」

穂乃果(あそこだ!)

凛「……?」

凛(空き教室? なんでそんな場所に……)

凛(もしかして、中から鍵を閉めて……!?)


ガチャン


凛「にゃー!?」

穂乃果「ごめんね凛ちゃん、 ちょっと卑怯だけど」

凛「立て篭るなんて卑怯だよー!」ドンドン

穂乃果「凛ちゃんすごく速いから、正々堂々はしんどいや」

39: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 16:13:41.66 ID:ctcWWxoq.net
凛「むー! 出て来るにゃー!」

穂乃果「あはは、ごめんねー」

穂乃果(あの窓から外に出られる……これで一安心かな)

凛「穂乃果ちゃんがそのつもりなら、凛も出て来るまでここにいるんだからね!」

穂乃果(時間稼ぎのためにもちょっといじわるしちゃおうかなー)クス

穂乃果(物音を立てずに、バレないようにこっそりと……)

凛「徹底抗戦だにゃー……!」


穂乃果「さ、水飲み場行こうかな。喉渇いちゃった」

穂乃果(それにしても、凛ちゃんは鬼で私とにこちゃんは獲物かぁ……)

穂乃果(他のみんなはどうしてるんだろ……この感じだと1人くらい捕まっててもおかしくないよね……?)

穂乃果「って考え事してる場合じゃないや。凛ちゃんが気付く前に移動移動っと」


凛(ここの鍵、職員室に行けば貰えたりして……)

41: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 16:17:55.89 ID:ctcWWxoq.net
  
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

花陽「あぅぅぅ……」

花陽(賞金に目が眩んで獲物になっちゃったけど……)

花陽(私、μ'sの中で一番足遅いの忘れてた……見つかったら絶対に逃げられないよぉ……)

花陽(捕まっちゃったら、あんなことやそんなことをされて……)

花陽(そしてその映像がネットにアップされて、不特定多数に私の恥ずかしい姿が……)

花陽「あぅぅ……誰か助けてぇぇ……」


にこ「……花陽?」


花陽「ぴゃ!?」

43: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 16:25:31.42 ID:ctcWWxoq.net
にこ「アンタこんな場所で何やってんの……ここアルパカ小屋……」

花陽「にに、にこちゃ……!!?」


 『なーにぃ? もしかして花陽獲物ー?』

 『ふふ、じゃあこれでゲームオーバーねー』

 『花陽のおっ〇〇をにっこにっこにーしてあげるわ!』


花陽「きゃあああああああ!!」ダダッ

にこ「ってどこ行くの!?」

花陽「誰か助けてえええええええ!!」

にこ「ってちょ、急に走ったらあぶなっ」


 ガッ


花陽「あ―――」

45: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 16:28:50.01 ID:ctcWWxoq.net
にこ「花陽!!」


 ガシ…


花陽「っ……!?」

にこ「ったぁ……このアホ! 転んで顔に怪我でもしたらどうすんの!」

花陽「にこちゃ……」

にこ「私が抱きとめなきゃ壁に顔面から突っ込んでたわよ」

花陽「ご、ごめんなさい!」

にこ「まったくもう……アンタその反応から考えるに獲物でしょ」

花陽「うん……にこちゃんは……?」

にこ「私も獲物よ」

花陽「ほ、本当に……?」

にこ「これ証拠。裏にサイン書いてあるでしょ。あと鬼だったら真っ先に手錠かけてるっての」

47: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 16:35:44.14 ID:ctcWWxoq.net
花陽「良かったぁ……私、にこちゃんが鬼だと思って、すっごくビックリして……」ウルウル

にこ「な、なに泣きそうになってんのよ……」

花陽「だってぇ……すっごく不安で、ぐずっ、心細くてぇ……!!」ギュウウ

にこ「だー鬱陶しいわね! 鼻水を付けるな鼻水を!!」

花陽「ごべんなざいぃぃぃ」

にこ「まったくもう……アンタそんなんじゃ一瞬で捕まるわよ……」

にこ「足遅いのにどうしてわざわざ獲物になんてなったの」

花陽「A-RISEの初回限定版ライブBDと新発売のグッズが欲しくてぇ……」

にこ(私とまったく同じ理由だし……)

花陽「にこちゃん助けてぇぇ……」

にこ「助けて欲しいのは私の方よ……」

にこ「今さっきまで真姫ちゃんに追われてたっていうのに……」

50: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 16:40:49.31 ID:ctcWWxoq.net
花陽「え、じゃあ真姫ちゃんは鬼なの……?」

にこ「そうでしょうね、にこを見つけた途端手錠取り出して走って来たから。めっちゃ遅かったけど」

花陽「じゃあ、すぐそこに真姫ちゃんが……」

にこ「撒いたつもりだけど、その可能性は高いわね」

花陽「そんな……」

にこ(このゲーム、どう考えても単独で動いて隠れて過ごすのが一番勝率が高い)

にこ(自分のことだけを考えるなら、花陽を囮にして上手くここから離れるのが正解だけど……)チラ…

花陽「あぅぅ……」

にこ「はぁ……もう、そんなに怖がらなくても大丈夫よ」

にこ「鬼は同じμ'sメンバーなんだから、捕まったとしても胸揉まれるくらいで済むわよ」

花陽「本当に……?」

54: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 16:45:46.58 ID:ctcWWxoq.net
にこ「アイツらがそんな酷いことするように見える?」

花陽「……ううん」

にこ「ならちょっとは気を楽に持ちなさい。こんなただのお遊びに思い詰め過ぎよ」

花陽「にこちゃん……」

にこ「とにかく、今はここを離れた方がいいわ。真姫ちゃんがすぐ近くにいるはずだから、見つかるのは時間の問題だわ」

にこ「ほら、行くわよ」

花陽「私はダメだよ……にこちゃんと一緒になんか行けないよ……」

にこ「足手まといになるからって? バカ、別にアンタを助けようとしてるわけじゃないわ」

にこ「ただ2人いたら見つかった時に囮に出来るから連れて行くってだけよ」

にこ「どうせここに居ても捕まるだけなんだから、にこの役に立ちなさい」

花陽「にこちゃん……ぐず、ありがとう……」

にこ「……行くわよ」

56: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 16:50:15.88 ID:ctcWWxoq.net
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

絵里(スタートから20分……誰も会わないんだけど大丈夫なのかしら……?)

絵里(プロモーション映像だし本気で勝ちを狙いにいくのも大人気ないから、こうやって歩き回ってるんだけど……)


 「…………」


絵里(もしかして私って、影薄い……?)

絵里(い、いや、そんなはずは……)


海未「絵里」


絵里「ふひゃあ!?」

絵里「って、海未……ビックリした、驚かせないでよ……」

海未「すみません、不意打ちで捕まえようとも思ったんですが、あまりに堂々と歩いているのが不思議で……」

絵里「どういうことかしら?」

海未「絵里、あなたは獲物と鬼どっちですか?」

絵里「あー、なるほど、そういうことね……」

海未「間違って鬼を捕まえてしまった場合ゲームオーバーですので、確認は怠れません」

60: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 16:55:48.84 ID:ctcWWxoq.net
絵里(この様子だと海未は鬼のようね)

絵里(でも私は獲物……それを言えば捕まってしまう、それなら……)

絵里「そうね……どっちだと思う?」

海未「それを訪ねているのですが……」

絵里「ふふ、教えてあげない」

海未「絵里……?」ジャラ…

絵里「いいの? もし私が鬼だったら海未はゲームオーバーよ?」

海未「!」

絵里(このゲーム、獲物側が圧倒的に不利だと思っていたけれど……案外そうでもないみたいね)

海未「……コインを見せてくれませんか?」

絵里「見せる理由がないわ」

海未「見せられないの間違いじゃないのですか? 自分が獲物だから」

66: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 17:00:12.67 ID:ctcWWxoq.net
絵里「私の目的が貴女っていう可能性は考えないのかしら?」

海未「……」

絵里「せっかく鬼になったのに、自分がイタズラしたい相手も鬼だった」

絵里「そういう場合はわざと自分を捕まえさせればいい。そうすればイタズラを出来る権利が発生するから」

海未「……故に鬼側は自分がアウトになるリスクがある以上、誰彼構わず捕まえる訳にもいかなくなる、ですか」

絵里「希が考えたんでしょうけど、よく出来たルールだわ」

絵里「仮に獲物の子が足に自信が無かったとしても、駆け引きで勝算を生み出せるし」

海未「そんな駆け引きが出来るのはμ'sの中でも数人でしょうが……」

絵里「ふふ、それもそうね」

海未「はぁ……降参です」

絵里「あら意外。そんなこと言い出す時点で怪しい、とか言って手錠かけられると思ったんだけど」

70: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 17:05:58.62 ID:ctcWWxoq.net
海未「アウトになるリスクを犯してまで絵里に固執しませんよ……」

絵里「賢明な判断ね。本命は穂乃果かしら」

海未「……秘密です」

絵里「別に隠さなくていいのに。本人以外みんな知ってることなんだから」

海未「わ、私はもう行きます。このゲームにおける絵里の目的が何なのかは知りませんが、敵にならないことを祈ります」

絵里「私も、海未みたいに頭が良くて足の速い子とだけは敵にならないようにしたいわ」

海未(それはこちらの台詞ですよ、絵里……)

絵里「それじゃ、私はそろそろ行くわね。応援してるわ、海未」

海未「ありがとうございます。絵里も御武運を」

絵里「ふふ、侍みたいでカッコいいわね、それ」


海未(応援、ですか……)

海未「……」

海未「リスクを冒してでも、今捕まえるべきだったのかもしれませんね」

73: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 17:11:50.75 ID:ctcWWxoq.net
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
希(開始から20分……みんな誰かしらとは会ったかなぁ)

希(アナウンスが入ってないから、まだ誰も捕まってはないやろうけど……)


ことり「あ、希ちゃんだ!」


希「ことりちゃんやん。奇遇やねー」

ことり「さっきそこで凛ちゃんと会ったよ? 穂乃果ちゃんに騙されたー、って悔しそうにしてた」クス

希「ってことは早速2人は追いかけっこしたんや」

希「足の速さはあの2人トップやから、良い画が取れてそうやね」

ことり「ふふ、そうだね」

希「ところでことりちゃん、えらい堂々としたことやってるけど、どういう目的なん?」

ことり「堂々としたこと?」

77: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 17:16:23.23 ID:ctcWWxoq.net
希「胸のところ。組み分けの時のコイン付けとるけど」

希(そんなことしたら鬼の人をアウトに出来んなるけど……)

ことり「ことりも鬼だし、間違えて捕まえようとしちゃう鬼の人がいるとダメだから」

希「……海未ちゃんが鬼ってことは知ってるん?」

ことり「うん、知ってるよ? スタートしてから一番最初に会ったのは海未ちゃんだから」

希(ってことは、目的は穂乃果ちゃんか……)

希「好きな人、捕まえられるとええな」

ことり「うん♪」

ことり「希ちゃんは絵里ちゃん狙い?」

希「別に誰狙いとかはないよ? ただ、動画が面白くなるように動く、ってだけで」

ことり「ふふ、希ちゃんらしいね」

希「だから、そろそろ一人捕まるくらいのアクションが起これば最高なんやけど……」

80: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 17:22:50.83 ID:ctcWWxoq.net
ことり「見境無く捕まえにかかってるのは凛ちゃんだけだから、何か起こるとすれば凛ちゃんの周りだと思うな」

希「それか穂乃果ちゃんやろうな。あの子の性格から考えて、どこかで隠れるってことはせえへんやろうから」

希「例えばこうやって話してる時にふらっと……」


穂乃果「あ! 希ちゃんとことりちゃんだ! おーい!!」


希「噂をすればなんとやら、やな」

ことり「ふふ、そうだね」スッ…

希(さっとコイン隠すあたりは流石やな……)

ことり「穂乃果ちゃーん!」

穂乃果「聞いてよ2人ともー。さっき凛ちゃんに追いかけられてね、それで凛ちゃんすっごく速くて……」

穂乃果「は!?」

ことり「……」ニコニコ

希「くふふ……」

84: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 17:30:14.01 ID:ctcWWxoq.net
穂乃果「……ふ、2人は鬼ですか?」

希「どっちや思う?」

穂乃果「鬼なら私のこと見た瞬間に追いかけるから……獲物?」

ことり「そう思わせて、不意打ちで穂乃果ちゃんを捕まえようとしてるのかもしれないよ?」

穂乃果「ど、どっちなの……?」

希「それを自分で判断出来んと、最後まで逃げ切るのは難しいやろうなぁ」

穂乃果「……ま、またね2人とも!!」ダッ

ことり「ふふ、逃がさないよ穂乃果ちゃん!」ダッ


 「うわああああ!? やっぱり鬼だあああああ!!」

 「待てー! ことりのおやつにしちゃうぞー!」


希「2人ともファイトやでー」

希「さて。ウチも見てるだけじゃあれやし、鬼らしく誰か捕まえに行こうっと」

希「狙い目は……ふふ、やっぱあの子やな」

89: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 17:36:05.92 ID:ctcWWxoq.net
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

真姫「……はぁ」

真姫(どこにもいない……逃げられちゃった……)

真姫「大人しく捕まればいいのに……もう……」


凛「あー!!」


真姫「ヴぇええ!?」

凛「真姫ちゃん見つけたにゃ! 覚悟ー!!」

真姫「って凛!? ちょ、ちょっと待ちなさい!」

凛「問答無用!」

真姫「鬼! 私は鬼よ!!」

凛「え、そうなの?」

真姫「ほらこれ。ちゃんと表にサイン書いて……」

真姫「……」

凛「真姫ちゃん?」

93: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 17:41:31.55 ID:ctcWWxoq.net
真姫(こ、コインがない……嘘、どこに行ったの……?)

真姫「ちょ、ちょっと待って。確かここに……」

凛「怪しい……!」

真姫「ば、バカ! 私を捕まえたらアンタがゲームオーバーになるわよ!?」

凛「そう行って逃げようとしてるのかもー……」

真姫「だーかーらー!」

真姫「あ、そう! ほらこれ! 手錠!」

真姫「これ持ってるのは鬼だけよ。だから私も鬼、分かった?」

凛「それは確かに……もー、真姫ちゃん紛らわしいよー」

真姫「確認もせず一目散に突っ込んで来る? 普通……」

凛「追いかけて逃げたら獲物にゃ。これ以上に分かりやすい確認方法はないにゃ」

真姫「まあ一理あるけど……」

97: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 17:45:47.50 ID:ctcWWxoq.net
凛「真姫ちゃんコインどこに無くしたの?」

真姫「分かんない……にこちゃんを追いかけてた時に落としたのかも……」

凛「それじゃあ捜しようがないね……」

真姫「まあいいわ。鬼かどうかの判断なら手錠ですればいいし」

凛「それもそうにゃ」

真姫「凛は誰か捕まえたの?」

凛「穂乃果ちゃんを追いつめたんだけど、あと一歩のところで逃げられたにゃ……」

凛「真姫ちゃんは?」

真姫「にこちゃんに逃げられたわ……」

凛「ふふ、真姫ちゃんじゃにこちゃんに追いつけそうにないね」

真姫「見た目どおりすばしっこくて……めちゃくちゃ速いってわけじゃないんだけどね……」

凛「凛が捕まえてあげようか?」

真姫「ほ、本当に?」

99: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 17:50:12.38 ID:ctcWWxoq.net
凛「ことりちゃんも海未ちゃんと協力して穂乃果ちゃんを追ってたし、凛たちも協力しようよ」

真姫「ありがとう凛! あなたがいれば百人力だわ!」

凛「2人でかかればにこちゃんなんて瞬〇だにゃ」

真姫「私も凛に協力するわ。誰を捕まえたいの?」

凛「凛は獲物を全員捕まるつもりだけど……もしかよちんが獲物なら、凛が捕まえてあげたい、かな」

真姫「まあ、そうなるわよね」クス

凛「べ、別に変なことしようとかは思ってないよ?」

凛「ただ、希ちゃんとかことりちゃんに捕まったらセクハラされて泣いちゃいそうだから……」

真姫「あー……確かに……」

凛「かよちんを守るのは凛の役目だから」

真姫「そう……凛は相変わらずね」

104: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 17:57:24.03 ID:ctcWWxoq.net
凛「真姫ちゃんも人のこと言えないにゃ」

真姫「わ、私は別ににこちゃんだけじゃないから」

真姫「鬼らしく獲物は全員捕まえるつもりだし、凛と同じよ」

凛「流石真姫ちゃんだにゃー」

真姫「なによその棒読み! 本当なんだから!」

凛「穂乃果ちゃんとにこちゃんは確定として、残りの獲物は誰なんだろう?」

凛「ことりちゃんと海未ちゃんは鬼らしいから、残っている人で分からないのは……」

真姫「花陽、希、絵里の3人ね。なんとなくだけど、希は獲物って雰囲気がしないわ」

凛「同感だにゃー」

真姫「となると花陽と絵里が残りの獲物だろうけど……こればっかりは会わないと分からないわね」

凛「まずはかよちんを見つけるにゃ! あとにこちゃんも」

真姫(完全についでね……まあ別にいいけど)

107: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 18:05:22.46 ID:ctcWWxoq.net
真姫「しかしそう簡単に見つかるかしら……」

凛「どういうこと?」

真姫「花陽は運動音痴だからどこかに隠れてそうだし」

真姫「にこちゃんも本気で10万狙ってるから、姿を見せずに潜伏してそうだわ」

凛「2人とも面倒くさいにゃ……」

真姫「逃げる側が本気で勝ちにいくなら普通はそうするでしょ」

真姫「隠れずにその辺歩いてるのなんて、それこそ足に自信があるかちょっと頭が弱いかで……」


絵里「あら、真姫に凛じゃない。こんなところで会うなんて奇遇ね」


真姫「エリー……?」

凛「絵里ちゃん初めましてだにゃー!」

111: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 18:10:31.78 ID:ctcWWxoq.net
絵里「これでやっと3人目だわ。どうしてか分からないけど、全然μ'sのみんなと会わないのよね」

真姫(私たちを見つけてもこの余裕……エリーは獲物じゃないのかしら……?)

凛「凛はことりちゃんと穂乃果ちゃんに会ったよ? 真姫ちゃんはにこちゃんを見かけたらしいにゃ」

絵里「そう。2人は鬼? それとも獲物?」

凛「凛たちは鬼だよ。絵里ちゃんは?」

絵里「うーん、内緒で」

真姫「……どういうこと?」

絵里「自分で訊いといてなんだけど、こういうことは隠しておいた方が得だから」

凛「えー! 絵里ちゃんずるいにゃ! 教えてよー」

114: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 18:17:19.48 ID:ctcWWxoq.net
真姫「そうやって隠してる時点で自分が獲物だと言っているように思えるんだけど」ジャラ…

絵里(さっきと同じ展開ね)

凛「真姫ちゃんの言う通りだにゃ! 絵里ちゃん覚悟……!」

絵里(2人を言いくるめたらさっきと展開が同じだし、ここは……)

絵里「……逃げてみようかしら」クス

凛「へ?」

真姫「凛! 捕まえるわよ!」ダッ

絵里「流石に真姫に捕まるのはちょっと嫌ね!」ダッ

凛「ま、待って2人とも!!」


絵里(高校3年生にもなって本気で追いかけっこなんて……ふふ、すごく楽しいかも♪)

115: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 18:23:05.39 ID:ctcWWxoq.net
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

にこ(あと15分で1時間経過……残りは2時間か……)

にこ(このまま隠れ続けられればいいんだけど、そうはいかないでしょうね)

にこ(花陽は……)

花陽「すぅ……」

にこ「って寝てるし!?」

にこ(さっきはあんだけビクビクしてたくせにどういうことよ……)

にこ(気を張り過ぎて精神すり減らすよか健康的だけど)

花陽「ぅん……」

にこ(はぁ……この寝顔見てたらこっちまで眠たくなって来るわね……)

にこ(ちょっと寝ようかな、真姫ちゃんに追いかけられて疲れたし……でも流石ににこまで寝るのは……)


 ガチャ


にこ「!」

118: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 18:30:08.08 ID:ctcWWxoq.net
 
 
 スタ…スタ…


にこ(誰か入った来たわね……)

にこ(普通の生徒は司書のいない休日の図書室に用なんてないだろうし、ってことは……)チラ…


海未「……」


にこ(海未……)


にこ(もしあの子が鬼だとしたら、見つかるとまず逃げられないでしょうね)


海未「……」キョロキョロ


にこ(あの挙動、まず間違いないわね)

にこ(見つかるのは時間の問題……)

121: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 18:35:40.63 ID:ctcWWxoq.net
にこ「花陽、起きなさい」

花陽「ん、ぅ……?」

にこ(ったく、こんなヤバい場面で呑気な顔してくれちゃって……)

花陽「ごめんなさい、ちょっと寝ちゃってた……」

にこ「寝起きのところ悪いけど、落ち着いて聞きなさい。近くに鬼がいるわ」

花陽「ふぇ!?」

にこ「静かにしなさい。相手は海未よ、見つかれば終わり」

花陽「そ、そんな……どど、どうすればいいのにこちゃん……?」

にこ「……花陽、ここで隠れてなさい。私に考えがあるわ」

花陽「な、何するの……?」

にこ「ちょっとした賭けよ」

122: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 18:40:28.55 ID:ctcWWxoq.net
海未(思った通り、人の気配がします……)

海未(穂乃果はこんな場所で隠れるような真似はしないはずですが……)

にこ「やっほ」

海未「!」

にこ「こんなとこで会うなんて偶然ね」

海未「にこ……」

にこ「図書室なら誰か隠れてそうかな、って思ったんだけど、まさかアンタがいるとは思わなかったわ」

海未「同感です。にこは誰かと会いましたか?」

にこ「真姫ちゃんくらいしか見かけてないかなー。逃げられちゃって探してるところ」

海未「……真姫は獲物なんですか?」

にこ「たぶんね。私の顔見たら一目散に逃げたし」スッ

海未(表にサイン……)

にこ「一応確認だけど、海未も鬼よね?」

海未「はい、そうです」スッ

にこ「ん、間違えて捕まえる心配がなくなって結構だわ」

124: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 18:46:16.71 ID:ctcWWxoq.net
にこ「ここには誰もいないから、他の場所を探した方が賢明よ」

海未「そうですか。探す手間が省けて良かったです、ここは広いですから……」

にこ「にこはまだ真姫ちゃんしか見かけてないんだけど、海未は他に誰かと会った?」

海未「ことりと絵里には会いましたね。校内が広い分、なかなか獲物を見つけられません」

にこ「ことりと絵里も鬼なの?」

海未「ことりは鬼です。絵里は分かりません」

にこ「どういうこと?」

海未「鬼か獲物か教えてくれなかったので……」

にこ「それってつまり獲物ってことじゃないの?」

海未「十中八九そう思いましたが、万が一もあるので見逃しました」

にこ「……絵里が鬼かもしれない、ってこと?」

海未「そうです。鬼が鬼を捕まえるとアウトになってしまうので」

にこ「なるほどね、そこまで絵里には興味ない、ってわけ」

海未「100%獲物だと確信を持てたなら捕まえますがね」

126: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 18:52:45.45 ID:ctcWWxoq.net
にこ(海未の本命はあくまで穂乃果か……)

にこ(この様子だと穂乃果も獲物で間違いなさそうね)

海未「にこ、1つ取引をしませんか」

にこ「取引?」

海未「もし穂乃果の情報を得たら、それを全て私に教えて欲しいです」

にこ「……それをすることによる私のメリットは?」

海未「にこと花陽を見逃してあげます」

花陽「!?」

にこ「……はぁ。全部お見通しってわけね」

海未「自分を鬼だと証明するときは、手錠も一緒に見せるのが鉄則ですよ」ジャラ…

にこ(あー、なるほど。手錠ね……)

133: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 18:57:46.18 ID:ctcWWxoq.net
にこ「花陽がいるってことはどうして分かったの?」

海未「さっきからこちらの様子を伺っているので」


花陽「ぴゃ!?」


にこ「はぁぁぁ……」

海未「そのコインはどうやって手に入れたんですか?」

海未「花陽の姿が見えるまでは本気で騙されていました。一体誰のものですか?」

にこ「真姫ちゃんの落とし物よ」

海未「なるほど……良いものを持っていますね」

にこ「で……本当に見逃してくれるわけ?」

海未「今後、穂乃果の情報を提供して頂けるなら。もちろん花陽が知った分も」

にこ「別にいいわよね、花陽? てか拒否権なんて無いけど」

花陽「……分かりました」

海未「話が早くて助かります」

137: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 19:05:11.83 ID:ctcWWxoq.net
にこ「しっかし、本当に穂乃果にしか興味ないのねアンタ」

海未「鬼側に回った人間はみな同じような目的です。にこも真姫に追われたんでしょう?」

にこ「……真姫ちゃんはそんなんじゃないでしょ」

海未「それを知っているのは真姫だけですよ」

花陽「あの、海未ちゃん。凛ちゃんは鬼か獲物、どっちか知ってる……?」

海未「凛は鬼らしいです。ことりがそう言っていました」

花陽「鬼、なんだ……」

にこ「希は?」

海未「鬼ですね」

にこ「ま、そりゃそうよね。アイツは獲物なんてタチじゃないし」

花陽「ってことは……鬼が凛ちゃん、真姫ちゃん。海未ちゃん、ことりちゃん、希ちゃんで」

にこ「獲物がにこ、花陽、穂乃果、絵里ね」

海未「おおよそ半々ですので、それで間違いないと思います」

146: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 19:11:03.43 ID:ctcWWxoq.net
 ピンポンパンポーン


花陽「……?」


亜里沙『μ'sのみなさん、お疲れ様です。ただいまをもって1時間が経過しました!』

亜里沙『現在の時点で捕まった獲物はいません。鬼のみなさんは頑張ってください!』

亜里沙『なお、1時間が経過しましたのでイベントを発生させます』


海未(イベント……?)


亜里沙『体育館、屋上にて鬼側のアイテム、獲物センサー』

亜里沙『理事長室、下足室にて獲物側のアイテム、逆襲手錠を2つずつ用意しますので、使用したい方は取りに来てください』

亜里沙『獲物センサーは全ての獲物の現在地が表示されるスマートパッドです』

亜里沙『逆襲手錠はなんと鬼を捕まえることが出来る特別な手錠です』

亜里沙『追加されたアイテムを使ってさらにゲームを盛り上げましょう!』

亜里沙『残り2時間です。みなさん頑張ってください!』

151: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 19:18:29.89 ID:ctcWWxoq.net
にこ「まーたとんでもないもんぶっ込んで来たわね……」

花陽「獲物センサーに逆襲手錠……」

海未「……ことり、さっきの放送聞いていましたか?」

海未「はい。体育館です。至急向かってください、私もすぐに向かいます。はい、では」

にこ「流石に手回しが早いわね」

海未「すみません、にこ、花陽。もう行きますね」

海未「御武運を祈ります」ダッ


花陽「ね、ねえにこちゃん、私たちも取りに行った方がいいんじゃ……?」

にこ「確かに逆襲手錠は魅力的なアイテムよね……逃げるしか出来ない私たちに対抗手段が与えられるわけだから」

にこ「それにただでさえ足が遅いにこや花陽には絶対に欲しいアイテム……」

156: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 19:23:44.10 ID:ctcWWxoq.net
花陽「じゃあ……」

にこ「でも取りに行ったところを捕まえられる危険もあるのよねぇ……獲物がそこに集まるわけなんだから」

花陽「ど、どうしよう……?」

にこ「うーん……」

にこ(獲物はにこ、花陽、穂乃果、絵里……)

にこ(穂乃果はそんなの要らなさ無さそうだし、もし絵里が取りに行ったとしても1つ余るか……)

にこ「そこまで急ぐ必要ないんじゃない?」

にこ「捕まる危険を考えて、もう少し様子を見てからの方がいいと思うわ」

花陽「じゃあ、しばらくはここで待機?」

にこ「それがいいでしょうね。もう1時間くらいはここで潰して……」


希「そんなことはさせへんよ?」


にこ「!!」

花陽「の、希ちゃん!?」

159: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 19:31:46.71 ID:ctcWWxoq.net
希「いやー、探したよー? 2人なら絶対にどこかで隠れてると思った」

希「みんなを楽しませるための動画なんやから、そんな面白くないことしたらアカンやん?」クス

にこ「こちとら必死なのよ。そりゃ凛や海未くらい足が速けりゃ正々堂々やるけどね」

希「ま、そうやって隠れる子がいるってのを読んでの獲物センサーやから、ウチの予想は的中やね」

希「そうやって隠れてられるのも時間の問題やん?」

にこ「はぁ……」

花陽「にこちゃん……早く逃げないと……」


にこ「花陽。私はいいから、アンタだけで逃げなさい」


花陽「え……?」

花陽「に、にこちゃん……? 何言ってるの……?」

にこ「希の目的は私よ。だから早く逃げて」

162: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 19:37:54.90 ID:ctcWWxoq.net
花陽「そ、そんなこと出来ないよ!?」

花陽「ここまで私を守ってくれたにこちゃんを置いて行くなんて、そんな……!」

にこ「アンタがいると邪魔だって言ってんのよ!!」

花陽「っ……!」

にこ「私のことを思ってくれるなら1秒でも早くここから居なくなって。お願いだから」

花陽「にこ、ちゃん……」ウルウル…

希「そこまでして花陽ちゃんを逃がしてあげるなんて、泣かせるやんにこっち」

にこ「逃がすんじゃなくて邪魔だから消え って言ってるだけよ」

希「カッコええこと言って……そういうところが真姫ちゃんも好きなんやろなぁ」クス

167: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/18(木) 19:45:01.42 ID:ctcWWxoq.net
にこ「勝負よ希!」

にこ「なにもかもアンタの思惑通りになると思ってるなら大間違いなんだから!」ダ゙ッ

希「にこっちはそうやってウチを楽しませてくれるから大好きやん!」ダッ

花陽「にこちゃん!」

にこ「花陽! アンタは絶対に生き残りなさいよ!!」

にこ「約束だからね!」

花陽「わ、私……頑張るね! にこちゃんの分もいっぱい頑張るから!!」


 「待てーにこっちー!」

 「そんな重そうなもんぶら下げてるアンタになんか負けないんだから!」

 「にこっちは負荷ゼロでも大して足速ないやん!」

 「うっさい!」


花陽(今度は、私がにこちゃんを助けないと……)

花陽(私が……)

218: ◆eXOA7P6h/E (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 02:59:05.03 ID:XeCuETNb.net
  
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

絵里「はぁ……キッツイ……」

絵里(流石にμ's最速なだけあるわ、あそこが2階じゃなかったら確実に捕まってた)

絵里(真っ向勝負を挑むにも次からは相手を考えないと)

絵里(しばらく動けそうにないわ……)

絵里(それにしても獲物センサーに逆襲手錠、すごいアイテムが追加されたわね)

絵里(凛から逃げてる最中に早速1つ手に入れれるなんて、出来過ぎてるかしら)クス

絵里(獲物センサー。私は獲物だけど……ってダメなのね)

絵里(つまり、逆襲手錠も鬼は使えない……まあ当たり前よね、逆襲してないし)

絵里(でもこうやって回収して相手に使わせなくする、っていうのはアリね)

絵里(とんでもないアイテムだし、これが唯一の救済措置、ってことかしら……)


ことり「~♪」


絵里「!」

絵里(ことり……)

223: ◆eXOA7P6h/E (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 03:06:44.58 ID:XeCuETNb.net
  
 
ことり「……」ポチポチ…


絵里(鬼なのかしら……? もしそうだとしたら最悪の展開だけど……)

絵里(って胸のところにコイン付けてるじゃない……表にサイン、ってことは……)


ことり「もしもし、海未ちゃん?」

ことり「今どこにいるの? うん……うん、そっか」


絵里(はぁ……見つかれば確実に捕まるわね……)

絵里(海未の時みたいに誤摩化せればいいけど、ことりに通用するかしら……)

絵里(電話してるみたいだし、案外見つからないかもだけど……)

225: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 03:12:59.18 ID:XeCuETNb.net
ことり「えっとね、相談なんだけど、獲物センサーは置いといて逆襲手錠を取りに行ったらどうかな?」

ことり「穂乃果ちゃんが逆襲手錠を手に入れちゃうと困ると思うの」

ことり「それに穂乃果ちゃん自身も逆襲手錠を取りに行くかもしれないから、先回り出来れば捕まえられると思うんだ」


絵里(海未と作戦会議をしてるのね……協力すればこういうことも出来るからお得ね)


ことり「……」

ことり「うん、分かった♪ じゃあ作戦変更で」

ことり「私のいる場所からだと下足室が近いから、私が下足室に行くね」


絵里「……?」


ことり「海未ちゃんは理事長室の逆襲手錠を取りに行って?」

ことり「うん、海未ちゃんも頑張ってね♪ それじゃあまた」


絵里(穂乃果に逆襲手錠を取られると厄介だから、先回りして手錠を回収)

絵里(そこまでは分かるけど、どうしてことりが……)


ことり「えーりちゃん♪」ギュ


絵里「ほひゃああ!?」

226: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 03:20:13.28 ID:XeCuETNb.net
  
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

穂乃果「はぁ……ぁ……」

穂乃果(なんとか逃げ切ったけど、しんどいよ……)

穂乃果(ことりちゃんトップスピードは速くないけど持久力はすごいから、10分以上追いかけられてた……)

穂乃果(今鬼に見つかったら絶対に逃げられないよ……)

穂乃果(さっき1時間経過のアナウンスがあったけど……)

穂乃果(追加アイテムの獲物センサーを使われたら、こうやって隠れて休むことも出来なくなるんだよね……?)

穂乃果「はぁ、キッツイなぁ……凛ちゃんとかに追われたら確実にゲームオーバーだよ」

穂乃果(やっぱり、逆襲手錠取りに行った方がいいよね)

穂乃果(持ってるだけですごく心強いだろうし)

228: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 03:28:53.82 ID:XeCuETNb.net
穂乃果「よし、休憩終わり!」

穂乃果「目標は逆襲手錠! 凛ちゃんもことりちゃんも返り討ちにしてやるんだから!」

穂乃果「えーっと、ここから近いのは理事長室だから……」


真姫「穂乃果?」


穂乃果「うひゃあっ!?」

穂乃果「って真姫ちゃん!」

真姫「顔を会わせるのはスタート前以来かしら」

穂乃果「お、鬼ですか……?」

真姫「その様子じゃ随分と追いかけ回されたみたいね」クス

229: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 03:30:43.79 ID:XeCuETNb.net
穂乃果「もうめちゃくちゃ走らされたよー」

穂乃果「凛ちゃん速いしことりちゃんずっと付いて来るし」

真姫「よく逃げ切れたわね……私なら凛に追いかけられた時点でアウトよ」

穂乃果「ってことは真姫ちゃんは獲物!?」

穂乃果「私ぜんっぜん獲物の人と合わないからすっごく嬉し……!」

真姫「残念ながら私も鬼よ」ジャラ…

穂乃果「あ、あはは、そうなんだー……」

穂乃果「じゃあ、私用事を思い出したからこれで……」

真姫「ま、待って。穂乃果を捕まえようとしてるわけじゃないの」

穂乃果「どういうこと?」

230: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 03:35:09.54 ID:XeCuETNb.net
真姫「その、私も穂乃果を捕まえないし、出来るだけ助けるから……協力して欲しいの」

穂乃果「協力……?」

真姫「私……にこちゃんを探してて……」

穂乃果「にこちゃん? あー……なるほどね~♪」

真姫「な、なによその反応」

穂乃果「ふふ、可愛いな、って」

真姫「っ……!」

穂乃果「いいよ! 協力してあげる! 私は何をすればいいの?」

232: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 03:42:51.25 ID:XeCuETNb.net
真姫「にこちゃんを見つけた時に居場所を教えてくれたら……」

穂乃果「分かった!」

真姫(即答!?)

穂乃果「でもでも、居場所が知りたいなら獲物センサーを取りにいけばいいんじゃないかな?」

真姫「それが取りに行ったんだけど、もうなくなってて……」

穂乃果「嘘!?」

穂乃果「ってことは、もう誰かが獲物センサーを使って……」

真姫「その可能性は高いわね」

穂乃果「急ごう真姫ちゃん! 早く逆襲手錠を取りに行かなくちゃ!」

真姫「わ、私も行くの?」

233: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 03:45:56.22 ID:XeCuETNb.net
穂乃果「今他の鬼に見つかって逃げられる自信無いから……」

穂乃果「手錠手に入れるまで一緒にいて……?」

真姫「ここから理事長室まですぐそこだし、別に大丈夫だと思うんだけど……」

穂乃果「お願い……」

真姫「うっ……」

真姫「も、もう、しょうがないわね……手錠手に入れるまでよ」

穂乃果「わー! ありがとう真姫ちゃん!」ギュッ

真姫「ヴぇえ!?」

穂乃果「私と真姫ちゃんのコンビなら無敵だね!」

真姫「わ、私鬼なんだけど……」

穂乃果「目指すは理事長室!!」

236: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 03:52:16.85 ID:XeCuETNb.net
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

凛「はぁ……絵里ちゃんに逃げられちゃった……」

凛(まさか2階の窓から飛び降りるなんて……絵里ちゃん本気過ぎるにゃ……)

凛(気付けば真姫ちゃんもいなくなってるし、また一人ぼっち……)

凛「はぁ……」

凛(かよちんに会いたいなぁ)

凛(このゲーム始まってから一度も顔見てないにゃ……もう1時間も経ってるのに……)

凛(大丈夫かな……泣いたりしてないかな……)

凛(もしかしたら、もう希ちゃんとかに捕まって……え、え ちなこと、されて……)

凛「……」

凛(かよちんを見つけないと……見つけて、凛が捕まえて……)

凛(そうだ……獲物センサーがあればかよちんの居場所が分かるかも……!)

凛「そうと決まれば目標は獲物センサーだにゃ! マッハで取りに行くにゃ!」

凛(待っててねかよちん……かよちんは凛が絶対に守るから……)

237: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 03:59:23.90 ID:XeCuETNb.net
     
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

穂乃果「着いた!」

穂乃果「あの部屋に逆襲手錠が……!」

真姫「ちょっと待ちなさい」

穂乃果「へ?」

真姫「私が中の様子を見て来るわ。鬼か待ち伏せしてる可能性があるから」

穂乃果「あ、なるほど……真姫ちゃん頭良いねー、私だったらノンストップで部屋の中に入ってたよ」

真姫「私と一緒にいて正解だったわね……」


ガチャ


真姫「…………」


真姫「大丈夫よ」

穂乃果「ありがとう真姫ちゃん!」

238: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 04:05:59.33 ID:XeCuETNb.net
穂乃果「逆襲手錠は……」

真姫「残念だけど、先を超されたみたいね」

穂乃果「へ?」


 『SOLD OUT!』


穂乃果「そんなぁ……」

真姫「まだアナウンスから10分くらいしか経ってないのに、流石の人気ね」

穂乃果「誰が取ったんだろうね?」

真姫「分からないわね……獲物側の誰かかもしれないし、鬼側の誰かが使わせないように回収したのかもしれないし……」

239: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 04:14:19.05 ID:XeCuETNb.net
穂乃果「逆襲手錠って鬼の人も使えるのかな?」

真姫「鬼が鬼捕まえてもしょうがないし、無理でしょ」

穂乃果「あはは、それもそうだよね」

穂乃果「とりあえず、もう1つの方を急いで取りに行こう!」


 「その必要はありませんよ」


穂乃果「!?」

真姫「!?」


海未「穂乃果はここで捕まるんですから」


穂乃果「う、海未ちゃん……」

真姫「出たわね……」

242: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 04:20:18.56 ID:XeCuETNb.net
海未「随分と探しましたよ。まさか見つけるまでに制限時間の半分を使うとは思いませんでした」

真姫「穂乃果、逃げて。私が時間を稼ぐから」

穂乃果「真姫ちゃん……」

海未「……どういうことですか?」

海未「真姫は鬼のはずです、どうして穂乃果を助けるんです?」

真姫「別に。なんでもいいでしょ」

海未「……にこですか」

真姫「も、もう! なんなのよアンタら!?」

真姫「私の顔見たら二言目にはにこちゃんにこちゃんって!!」

海未「違うんですか?」

真姫「……知らないわよ、ばか」

243: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 04:26:57.35 ID:XeCuETNb.net
海未「……真姫、私の獲物センサーをあなたにあげます」

真姫「!?」

海未「その代わり穂乃果を私にください」

穂乃果「うぇえええ!?」

真姫「な……」

海未「どうです? 悪くない話だとは思いませんか?」

海未「貴女の目的がにこなら、これ以上に強力なアイテムはありません」

海未「それこそちゃらんぽらんの穂乃果に頼るよりよっぽど確実で良いと思いますが」

穂乃果「ひどい!?」

真姫「……物はどこにあるのよ」

海未「ことりが持っていますのでご安心を」

真姫「…………」

穂乃果「え、ま、真姫ちゃん……? どうして黙っちゃうのかな……?」

245: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 04:32:52.08 ID:XeCuETNb.net
穂乃果「そ、そんなアイテムなんかで私を売らないよね?」

穂乃果「私と真姫ちゃんはほのまき同盟で固く結ばれてるんだよね?」

海未「1つ言葉を足すと、今こちらにことりが向かっています」

海未「真姫がどれだけ時間を稼ごうと、穂乃果が捕まるのは時間の問題かと」

穂乃果「そ、それでも真姫ちゃんは私を守って……!」

真姫「……ごめんなさい、穂乃果」ガシ

穂乃果「ままま、真姫ちゃん!?」

海未「賢明な判断です」クス

穂乃果「え、ちょっ、まっ」

海未「真姫、そのまま掴んでおいてください」

真姫「ええ、分かったわ」

246: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 04:39:22.70 ID:XeCuETNb.net
穂乃果「う、嘘……嘘だよね……真姫ちゃん……?」

真姫「……」

海未「よくここまで頑張りましたね、穂乃果」ジャラ…

穂乃果(そんな、そんなのって……)

海未「ですが……」

海未「これでゲームオーバーです」


絵里「認められないわね」ガシ


真姫「!?」

海未「なっ……」

穂乃果「絵里ちゃん……!?」

248: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 04:45:00.93 ID:XeCuETNb.net
絵里「真姫、穂乃果を離しなさい。獲物センサーなら私があげるわ」スッ

真姫「!」

海未「ど、どうして絵里がそれを持っているんですか!?」

絵里「たまたま拾っただけよ」

絵里「それにしても真姫、海未の言葉を安易に信じ過ぎじゃないかしら」

真姫「どういうこと……?」

絵里「本当にことりが獲物センサーを持っていると思ったの?」

絵里「穂乃果を手に入れるためのハッタリだとは考えなかった?」

真姫「!」

海未「絵里……!」

絵里「ふふ、海未のそういうところは好きだけどね」

251: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 04:50:30.19 ID:XeCuETNb.net
海未「どうして私の邪魔をするんです……?」

絵里「貴女とことりが協力し合うように、私たちも助け合うのは当然でしょ?」

穂乃果「絵里ちゃん……」ウルウル

海未「やはり貴女は……」


海未「あの時捕まえておくべきでした!!」バッ


絵里「祈りとは届かないものね! 残念だわ!!」グイ…


穂乃果「きゃあ……!?」

絵里「穂乃果! 全力で走って! 2人で逃げるわよ!」

穂乃果「う、うんっ!」

海未「くっ……! 絶対に逃がしません!!」ダッ

253: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 04:56:01.41 ID:XeCuETNb.net
絵里「1人で走れる!?」

穂乃果「大丈夫! 私、絵里ちゃんとならどこまでもいける気がする!」

絵里「い、今はあんまりそういうこと言わないで!?」

穂乃果「へ?」

絵里「海未のスピードが上がっちゃうから!」


海未「絵里ぃぃぃ……!!」


穂乃果「速っ!?」

海未「もう許しません! まずはあなたから捕まえます!」

海未「そして捕まえた暁には希に引き渡して羞恥の限りを尽くさせます!!」

絵里「そそそ、それはちょっと笑えないわね!!?」

255: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 05:02:58.20 ID:XeCuETNb.net
絵里(ってこのスピードも笑えないわ!?)

絵里(凛の2倍くらい速いんじゃ……!?)


 「あなたは超えてはいけない一線を超えました!」

 「許しません! 絶っっ対に許しません!!」

 「きゃああああああああああ!!?」


真姫「……」

真姫「あ、獲物センサー落ちてる……」

真姫「……」

258: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 05:11:56.50 ID:XeCuETNb.net
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

にこ「はぁ……ぁ……」

希「そろそろ……限界みたいやね……」

にこ「アンタこそ、ごほっ……フラフラじゃない……」

にこ「てか、しつこいのよ……いつまでも、付いて来てっ……」

希「どこまでも、付いて行くで……?」

希「にこっちが、倒れるまで……」ヘナ…

にこ「はっ……ざまあないわね……」

にこ「アンタが、倒れてんじゃないの……」

希「にこっちには……敵わんわ……」

にこ「まあ……ここまで私に食らいついたのは……」

にこ「褒めて、あげるわ……」ヘナ…

希「ふふ、なんや……」

希「にこっちも限界やん……」

にこ「ぅ……ぁ……」

260: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 05:19:30.82 ID:XeCuETNb.net
にこ(もう無理っ……一歩も動けないっ……)

にこ(こんなに走ったの、生まれて初めてで……)

希「引き分けって、言いたいところやけど……」


―――ザッ


希「ウチの勝ちやん……?」

にこ「あ、あはは……嘘でしょ……」


凛「にこちゃん見つけたにゃー♪」


にこ(はぁ……年貢の納め時ね……)

262: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 05:27:43.21 ID:XeCuETNb.net
希「凛ちゃん、あとは任せたで……」

凛「任されたにゃ。かよちんじゃなくて残念だけど、見つけたからには捕まえるにゃ」

にこ「はっ……希に捕まるくらいなら、凛のが1000倍マシね……」

希「減らず口叩けるなんて、まだまだ元気やん……」

凛「にこちゃん、何か言い残すことはない?」


―――タタッ


にこ「……そうね」

にこ「持つべきものは後輩……かしら」

凛「……?」

希「!」

263: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 05:28:21.94 ID:XeCuETNb.net
凛「意味がわから……」

希「凛ちゃん後ろ!!」

凛「へ?」


花陽「っ……!」


―――カチャン


凛「え……?」

265: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 05:34:26.15 ID:XeCuETNb.net
にこ「あはは……やるじゃない、花陽」

凛「かよ、ちん……?」

花陽「……ごめんね、凛ちゃん」


雪穂『1時間34分経過時点。星空凛さん、小泉花陽さんの逆襲手錠にて捕まりました!!」


凛「えええええ!!?」

凛「ぎゃ、逆襲手錠!? かよちんが、凛に!?」

希「今ままで姿見せんかったのはこのためか……花陽ちゃんやるなぁ」

花陽「ごめんね凛ちゃん」

花陽「最初は希ちゃんを捕まえようと思ってたんだけど、凛ちゃんがにこちゃんを捕まえようとしたから……」

凛「かよちん……」

266: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 05:40:39.70 ID:XeCuETNb.net
にこ「はぁ……助かったわよ、花陽」

花陽「私、にこちゃんにずっと助けられてばっかりだったから……」

花陽「だから今度は、ぐずっ、私がにこちゃんを助ける番だ、って……」

にこ「なに泣いてんのよ……可愛い顔が台無しよ……」ナデ…

花陽「にこちゃん……」ギュ…


凛「…………」


希(凛ちゃんの目からハイライトが……)

にこ(これ以上やると刺されるわね……)

花陽「……」ウルウル…

にこ「……花陽、そろそろ行くわよ」

にこ「まだもう一匹いるし、寝てる場合じゃないわ……」

花陽「に、にこちゃん大丈夫なの? もう立てる……?」

にこ「ええ、走るのは無理だけど歩くくらいなら……」

268: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 05:47:27.84 ID:XeCuETNb.net
花陽「私に身体預けて? それでゆっくり歩いて……」ギュウ…

にこ「は、花陽。私なら大丈夫だから、ちょっと離れ……」


凛「…………」


希(あかん、この状況面白過ぎる……!)

花陽「ダメだよ!? にこちゃんフラフラで今にも倒れそうなのに……!」ギュウウ

にこ「そ、そこまで過保護にしなくていいから!」

にこ「てか顔も身体も何もかもが近い! 離れなさい!!」

花陽「で、でも……!」


凛「にゃああああああああああ!!」


花陽「ふぇ!?」

希(爆発した)

にこ「ああもうほら言わんこっちゃない!」

269: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 05:53:10.42 ID:XeCuETNb.net
凛「2人ともイチャイチャしすぎだにゃああああ!!」

花陽「ごご、ごめんなさい!?」

凛「離れて! かよちんにこちゃんに触るの禁止!!」グイ…

花陽「きゃっ」

凛「にこちゃんはかよちんの視界に入るの禁止!!」

にこ「無茶言うな!!」

希「あはは、まさにジェラシーボンバーやねー」

にこ(他人事だと思ってコイツは……!)

凛「かよちんは凛を捕まえたんでしょ!? それなら凛のことだけを見てよ!」

花陽「で、でも……」

270: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 06:02:24.87 ID:XeCuETNb.net
凛「凛は、凛はずっとかよちんのことだけ考えてたのに……」

凛「このゲームに参加したのも全部、かよちんを守るためなのに……」

凛「ぐずっ……ひぐっ……」

凛「うああ……うああああんん……」

にこ(ってガチ泣き!?)

希「やーい、にこっち泣ーかしたー」

にこ「どど、どう考えても花陽でしょ!?」

花陽「うぇえええ!?」

272: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 06:06:33.44 ID:XeCuETNb.net
凛「うあああ……ああああ……!!」

花陽「り、凛ちゃ……」

希「こうなったらしょうがない。ウチがなんとかする」

にこ「ちょっとやめなさいよ!? どうせまた余計なことしようと……!」

希「えい」カチャン

花陽「え」


雪穂『1時間40分経過時点。小泉花陽さん、東條希さんに捕まりました!』


花陽「うえええええ!!?」

にこ「はあああああ!!?」

274: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 06:09:57.43 ID:XeCuETNb.net
希「凛ちゃん、これで花陽ちゃんとにこっちは永遠に引き裂かれたよ!」

希「んでウチが捕まえた花陽ちゃんを凛ちゃんにあげるな」グイ

花陽「ぴゃっ!?」

凛「……かよちん凛のもの?」

希「そうやね」

凛「……」ギュ…

花陽「ゃっ……」カァァ

にこ(なにこれ)

希「めでたしめでたし、やね!」

にこ「ぶっ飛び過ぎて誰も付いて行けてないわよ!?」

276: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 06:17:55.32 ID:XeCuETNb.net
にこ「てか捕まえた人間の譲渡とかアリなわけ!?」

希「アリでええんちゃう? 正直その辺まで考えてなかったし」

にこ「アンタねぇ……」

花陽「あ、あの……私と凛ちゃんはこのあとどうしたら……?」

希「ここでイチャついとけばいいやん? 捕まったあとはそういう趣向やし」

花陽「そ、そんなこと言われても……」

凛「……」ジト…

にこ(目で訴えかけなくても分かってるわよ……)シッシ

にこ「邪魔者はとっと消え ってことでしょ」

花陽「にっ」

にこ「それ以上私の名前呼んだら、どうなるか知らないわよ」

花陽「っ……」

にこ「……ガチ泣きするくらいなんだから、凛は凛でずっとアンタのこと心配してたんでしょ」

にこ「ちょっとくらい労ってあげなさいよ」


花陽「……」

凛「……」

277: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 06:23:36.73 ID:XeCuETNb.net
にこ「……で、アンタはどうすんのよ、希」

にこ「今からにこともう一勝負するつもり?」

希「流石にその元気はもうないわ」

希「行かないといけない場所があるから、そこに行ってくるね」

にこ「……そう」

希「にこっちも、まだもう一山残っとるやろ?」

にこ「はぁ……やめてよその話、せっかく忘れてたのに……」

希「ずっと向こうから見とるで?」

にこ「は?」


真姫「……」ギロ


にこ「……」

278: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/20(土) 06:27:43.13 ID:XeCuETNb.net
にこ「い、いつから……?」

希「本人に訊いたらええんちゃう?」

にこ(いや、あれどう見てもそんな状態じゃ……)


真姫「……」ジャラ…


にこ「あーもうアホー!! 」ダッ

真姫「ッ……!」ダッ


希「ファイトやでー、にこっちー」

希(残る獲物はあと3人……)

希(うーん、間に合うかなぁ……)

338: ◆eXOA7P6h/E (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 21:27:33.19 ID:EeREuZL2.net
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

穂乃果(も、もう無理……動けない……)ヘナ…

海未「……どうやらここまでのようですね」

絵里「はぁ……ぁ……」

絵里(あのスピードであれだけ走ったのに……息を切らしてないなんて……)

海未「穂乃果はここまでかなり走らされているはずです……このタイミングで限界が来るのは読めていました」

海未「絵里1人ならあと10分は保ったでしょうに……邪魔をするからそうなるんです」

絵里「でも、面白かったでしょ……? スリリングで、アクションがあって……」

海未「……どんどん希に似て来ていますね」

絵里「ふふ……」

海未「茶番はこれで終わりです。そこを退いてください」

339: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 21:35:31.60 ID:EeREuZL2.net
海未「これ以上邪魔をしないなら、絵里だけでも見逃してあげます」

穂乃果「はぁ……ぁ……」

穂乃果(絵里ちゃん……)

絵里「……断るわ」

海未「……理由を訊いてもいいですか」

絵里「希がね、このゲームのことを考えている時に言っていたのよ」

絵里「絶対に面白くなる、みんなの仲の良いところも見てもらえるし、再生数100万回超えも夢じゃない、って」

絵里「小さい子供みたいに目を輝かせて、大はしゃぎで私に話をするの」

海未「……」

絵里「そんな希の顔を見たら……」

絵里「少しでもゲームを盛り上げたい、って思うのが普通でしょ?」ジャラ…

海未「!!」

342: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 21:44:19.00 ID:EeREuZL2.net
穂乃果「そ、それって……」

絵里「さあ、素敵なステージで踊りましょうか」クス

穂乃果「逆襲手錠!?」

海未「絵里……!!」ジャラ…

絵里「狩る側が狩られる側になる!」

絵里「こんなにも面白いルール、活かさない手はないわ!」ダッ

海未「全てはこのためですか!」

海未「この瞬間、私に勝負を挑むために穂乃果を!」ダッ

絵里「大きな障害を乗り越えてこその恋だとは思わないかしら!」

海未「戯れ言を!」

穂乃果「2人とも……」

345: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 21:51:58.83 ID:EeREuZL2.net
絵里「穂乃果! あなたは今のうちに逃げなさい!」

絵里「時間稼ぎはこれが限界よ!」

海未「くっ……! させません……!」

穂乃果「で、でも……」

絵里「早く!」

穂乃果「っ……」

穂乃果「ありがとう絵里ちゃん! 大好きだよ!」ダッ

絵里「っ」ドキ

海未「」

穂乃果「絶対に生き残ってね!」


タッタッタ…


絵里「あ、あはは……大好きって言われちゃった」

346: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 21:57:27.28 ID:EeREuZL2.net
海未「……」ギロ

絵里(め、目の色が変わった……)

絵里(これはちょっと、まず)


ダッ


絵里「!?」

海未「!」ガッ

絵里「ちょっ」

海未「ヤアッ!!」ブォン


絵里「いうっ!!?」


絵里(せ、背負い投げ……)

海未「終わりです」ジャラ

348: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 22:03:30.48 ID:EeREuZL2.net
絵里「!」


カチャン !!


海未「なっ……」

海未(て、手錠で手錠を……!?)

絵里「もう少しだけ抵抗させてもらうわ!」ガッ

海未「きゃあ!?」

絵里「さっきのお返しよ!」

海未(は、早く手錠を拾って……!)

絵里「っと!」

海未「っ……!?」

絵里「これで少しは勝算が出たかしら?」ジャラ…

海未「小賢しい真似を……!」

349: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 22:10:07.79 ID:EeREuZL2.net
絵里「ねえ海未、例えばこのかけ合わさった2つの手錠……」

絵里「こういう場所にかけちゃえばどうなるかしら?」

海未「!」

絵里「鍵が無い以上、この手錠はもう使えなくなる……」

絵里「手錠を失った貴女はもう獲物を捕まえる事が出来ない……違うかしら?」

海未「……新しい手錠を貰いにいけばいいだけです」

海未「1人につき1つまでなんてことはあり得ないはずです」

絵里「仮にそうだとしても、どこに貰いに行けばいいのかは知ってるの?」

絵里「新しい手錠を探している間にもどんどん穂乃果の行方は分からなくなるし、私だってまた邪魔しに来るわよ」

海未(そうなれば致命的なタイムロスに……)

352: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 22:16:09.72 ID:EeREuZL2.net
絵里「一歩でも動けばこの手錠を使い物にならなくしてあげる」

海未「くっ……!」

絵里(知力、体力、走力……全部1番だと思っていた海未を追いつめてるなんて、すごく気分がいいわ)クス

海未「……どうすればそれを返して貰えますか」

絵里「うーん、そうね……」

絵里「海未が今付けてるブラジャーと交換してあげるわ」

海未「なっ」

絵里「ふふ……」

海未「ななな、何を言っているんですか貴女はっ!!?」

絵里「ショーツでもいいわよ?」

海未「え、絵里ぃぃ……!!」

絵里「これ以上は譲歩しないわぁー」

354: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 22:22:39.27 ID:EeREuZL2.net
海未「ぅぅぅ……!」

絵里(あはは、冗談なのにめちゃくちゃ悩んでる……)

絵里(穂乃果パワーはすごいわね、キスくらいならしてくれるんじゃ)

海未「……う、上でいいですか」

絵里「へ?」

海未「ブラでいいのかと訊いてるんですっ!!」

絵里「……ほ、本当にくれるの?」

海未「貴女が言い出したことでしょう!!?」カァァ

絵里「……」

絵里「こ、交渉成立ね!」

358: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 22:27:50.49 ID:EeREuZL2.net
海未「うぅぅ……屈辱的です……」

絵里(すごいわ穂乃果……)

絵里(まさかあの海未がこんなことするなんて……)

海未「絵里……」

絵里「な、なに?」

海未「その、外すので後ろを向いてもらえませんか……?」

絵里「え、こういうのって外してる瞬間を見るのが一番良いと思うんだけど……」

海未「ッ……!!」

海未「この変態っっ!!」

絵里(返す言葉がないわね……)

359: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 22:33:54.27 ID:EeREuZL2.net
海未「ぐずっ、貴女は最低です……」

絵里(ど、どうしよう、すごくドキドキしてきたわ)

絵里(あの海未が目の前でブラ外してるなんて……)

海未「うぅ……」モゾモゾ

絵里「は、ハラショー……」

海未「こんなもの貰ってどうするんですか……理解に苦しみます……」シュル…

絵里「あはは……」

海未「……あ、あとで返してくださいよ」スッ

絵里(白……)

絵里(今更だけど、私どうして海未のブラを……)


トントン


絵里「?」

希「アウトやん?」カチャン

絵里「へ?」

367: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 22:41:22.26 ID:EeREuZL2.net
  
 
亜里沙『……1時間59分時点。綾瀬絵里さん、東條希さんに捕まりました』


絵里「なっ!?」

海未「の、希……?」

希「えりちのピンチやと思って頑張って走って来たのに……まさかこんなことになってるなんてね」

希「穂乃果ちゃんダシにして下着要求するなんて、良い趣味してるやん?」

絵里「ち、違うの……これには深い訳があって……」

希「うん、いいよ? いっぱい言い訳してくれて」

希「えりちがそんな物で海未ちゃん捕まえようとしてた理由も含めて……全部ゆっくり教えてよ」   

絵里「ちち、違うわ希!? それこそ貴女が思っているような理由じゃなくて……!?」

374: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 22:55:17.35 ID:EeREuZL2.net
>>367 368
修正
綾瀬→絢瀬

371: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 22:49:33.29 ID:EeREuZL2.net
 
 
 ピンポンパンポーン


雪穂『μ'sのみなさん、お疲れ様です。ただいまをもって2時間が経過しました』

雪穂『現在の時点で捕まった獲物は、小泉花陽さん、綾瀬絵里さんの2人です』

雪穂『残った獲物はあと2人なので、鬼のみなさんは頑張って捕まえてください』

雪穂『残り時間が1時間を切ったためイベントを発生させます』


海未(残り1時間……)


雪穂『講堂にて鬼側、獲物側の両陣営使用可能なアイテム、ウイニングホイッスルを用意します』

雪穂『ウイニングホイッスルは使用すると一発逆転のとっても凄いことが起きます』

雪穂『詳細は使ってからのお楽しみですので、是非手に入れてくださいね』

雪穂『残り時間は1時間です、鬼の人も獲物の人も頑張ってください!』


絵里「……何が起きるの?」

希「使ってからのお楽しみやん?」

376: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 22:59:41.84 ID:EeREuZL2.net
海未「絵里、手錠を返してください。急がないと……」

絵里「ちょっと使いにくくなっちゃったけど、ごめんなさいね」ジャラ…

海未「……これ、どっちを使えばいいんでしょうか? 一見区別が付きませんが……」

希「どっち使ってもええと思うよ? 手錠は手錠やし」

絵里「そんな適当な……」

海未「間違う心配がないのならそれでいいです」

希「あ、海未ちゃん。これあげるわ、獲物センサー」

海未「!」

希「凛ちゃんから貰ったのなんやけど、今のウチにそこまで必要ってわけでもないから」

海未「ありがとうございます、希……」

海未「助けてもらったことも含めて、なんてお礼を言っていいか……」

379: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 23:07:16.32 ID:EeREuZL2.net
希「お礼なんていらへんよ、頑張って穂乃果ちゃん捕まえてな!」

海未「はい!」

絵里「散々邪魔しといてなんだけど、私からも健闘を祈るわ」

海未「……絵里は希から報いを受けてください」

絵里「うっ」

希「センサーなんやけど、グラウンドの辺りで忙しなく動いてるのがにこっちや思うわ。真姫ちゃんに追われてたから」

海未「ということは、これが穂乃果……」

海未(このまま進めば講堂に……)

海未「すみません、先を急ぎます! 希、何から何まで本当にありがとうございました!」ダッ

希「ファイトやでー、海未ちゃん」

絵里「あ、待って海未! あなたブラ忘れて……!」

絵里(って行っちゃった……)

382: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 23:13:58.77 ID:EeREuZL2.net
希「良かったやんえりち、返すのが手錠だけで済んで」

絵里「えっと、何度でも言うけどそれは……」

希「下着脱がせた上に拘束しようとして……一体何をするつもりやったんやろうなぁ……」

絵里「だ、だから誤解よ!? あなたが思っているようなことは何も……!」

希「まあ、細かい話は後でするとして」

絵里「の、希……? 顔が近……」


希「今はペナルティの時間やん……?」クイ…


絵里「ちょ、待っ―――」

387: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 23:20:18.75 ID:EeREuZL2.net
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

穂乃果(残り時間はあと1時間……)

穂乃果(絵里ちゃんが希ちゃんに捕まったってことは、海未ちゃんはまた私を追ってくるんだよね……?)

穂乃果(ことりちゃんもいるし、2人に追いかけられたら終わりだよ……)

穂乃果(逃げようにも体力はほとんど残ってないし、逆襲手錠も無いから戦うのは無理だし)

穂乃果(にこちゃんと協力しようにも、真姫ちゃんに追われてそれどころじゃないだろうから……)

穂乃果「……やっぱり取りに行くしか無いよね、ウイニングホイッスル」

穂乃果(私が勝つにはそれしかないんだから、迷ってる暇なんてない!)

388: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 23:25:00.93 ID:EeREuZL2.net
穂乃果「そうと決まれば全速力で講堂に……!」


ことり「みーつけた♪」


穂乃果「うひゃあ!?」

ことり「久しぶりだね、穂乃果ちゃん」

穂乃果「こ、ことりちゃん……」

ことり「その様子だと海未ちゃんからは逃げられたみたいだね、本当に良かった」

ことり「絵里ちゃん、ちゃんと助けてくれたんだね」

穂乃果「え……?」

390: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 23:31:52.69 ID:EeREuZL2.net
穂乃果「な、なんでことりちゃんがそのことを知ってるの……?」

ことり「絵里ちゃんに手錠をあげたのは私だから」

穂乃果「えええ!?」

ことり「これを使って穂乃果ちゃんを助けてあげて、ってお願いしたのも私だよ?」

穂乃果「ど、どういうこと……?」

穂乃果「ことりちゃんと海未ちゃんは協力してるんだよね……?」

ことり「海未ちゃんはそう思ってるね」

穂乃果「……」

ことり「ここから講堂まであと少し……」

ことり「頑張ってね、穂乃果ちゃん♪」ダッ

穂乃果「応援してくれるなら追いかけて来ないでええええ!!?」ダッ

ことり「あはは、待てー!」

392: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 23:38:57.77 ID:EeREuZL2.net
  
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
  
にこ(もう無理……走れない……)

にこ(てかにこ、走ってないし……)

にこ(もう早歩きくらいのスピードしか出せてない……)

にこ「それなのに……」


真姫「はぁ……ぁ……」


にこ「なんで追いつけないのよおおおおおおお!!」

真姫「う、うっさいわね……」

にこ「足遅いにも、ほどがあるでしょ……」

にこ「満身創痍のにこにも追いつけないって、どっか怪我でもしてるんじゃないの……」

真姫「私だって……エリー追っかけたり、にこちゃんたちのとこまで走ったりして……とっくに限界なんだから……」

にこ「アンタ、たぶん花陽よりも遅いわよ……」

真姫「そんなことっ……」

393: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 23:47:09.85 ID:EeREuZL2.net
真姫「てか……いい加減捕まりなさいよ……」

にこ「真姫ちゃんが……中途半端に希望与えるせいよ……」

真姫「希望なんて、あるわけないでしょ……」

真姫「獲物センサーがある時点で、私からは逃げられないわ……」

にこ「それは……そうだけどっ……」

真姫「ならもう、捕まりなさいよ……」

にこ「お断りよ……」

真姫「どうして、そこまでして逃げるのよ……」

にこ「そんなの、賞金のために決まってるでしょ……」

真姫「私から逃げれたとしても、他にも鬼はいるわ……」

真姫「海未にことりに希……私なんかより、ずっと速いし体力も残ってる……」

真姫「逃げ切るなんて絶対に無理……それが分かってるくせに、どうして逃げるのよ……!」

にこ「っ……」

真姫「他の誰かに捕まるくらいならっ……私に捕まりなさいよバカ!!」

395: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/22(月) 23:56:22.29 ID:EeREuZL2.net
にこ「……」

真姫「はぁ……ぁ……」

にこ「……なによそれ、告白のつもり?」

真姫「そう思いたいなら……思いなさいよ……」


にこ「…………」


にこ「あーもう! 疲れた!」

真姫「え……?」

にこ「……ちょっと休む」

真姫「や、休むって……」

にこ「あー、しんっどい……もう無理動けない……」

真姫「……どういうつもりよ」

にこ「別に……疲れたから、休んでるだけよ……ごほっ」

真姫「捕まえるわよ……?」

にこ「好きにすれば」

396: ◆eXOA7P6h/E (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/23(火) 00:03:37.84 ID:EeREuZL2.net
真姫「……」

にこ「……」

真姫「……動かないでよね」ジャラ…

にこ「はぁ……」

真姫(やっと、諦めてくれた……)

にこ「……」

真姫(これで、終わり……)

にこ「……真姫ちゃん」ガシ

真姫「え?」

にこ「ごめんっ!!」グイ


 カチャン


真姫「ッ……!?」

397: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/23(火) 00:09:18.31 ID:kcJtcIsb.net
にこ「……自分の腕に手錠がかかってしまえば、もう何も出来ないでしょ」

真姫「にこ、ちゃん……?」

にこ「新しい手錠があったとしても、両腕が使えないんじゃ私を捕まえるなんて無理……」

にこ「ゲームオーバーよ、真姫ちゃん」

真姫「……どうして」

にこ「……」

真姫「なんで……!?」

にこ「悪いけど、アンタにだけは捕まる訳にはいかないの」

真姫「っ……!」

にこ「……ごめんなさい」ダッ

真姫「にこちゃん! 待って!」

真姫「にこちゃんっっ!!」


タッタッタ…


真姫「…………」

401: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/23(火) 00:17:00.59 ID:kcJtcIsb.net
   
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
  
ことり「ほらほら穂乃果ちゃん、もっと速く走らないと!」

穂乃果「もう無理だよぉ……これ以上速くなんか走れないよぉ……」

ことり「あんまり遅いと捕まえちゃうよー」

穂乃果「た、助けてぇぇぇ……!!」

ことり(ふふ、穂乃果ちゃん追いかけるの楽しいなー♪)

穂乃果(ことりちゃん絶対に手加減してるよぉ……)

穂乃果(追いつくか追いつかないか微妙なスピードで走って……うぅ、ドSだよぉ……)

ことり「あ、講堂だ」

穂乃果「講堂!?」

穂乃果(あの中に入れば一発逆転のアイテムが……!!)


海未「見つけましたよ! 2人とも!!」


穂乃果「うぇえええ!? 」

ことり「ふふ、絶体絶命だね」

403: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/23(火) 00:27:41.45 ID:kcJtcIsb.net
海未「ことり! 穂乃果を講堂へ入れてはいけません! 」

海未「アイテムを使われるのは危険です! ここで捕まえてください!」

ことり「そうしたいのは山々なんだけど、私これ以上は速く走れなくて」

海未「ななっ」

穂乃果「え、そうなのことりちゃん!?」

ことり「私が足速くない、ってことは穂乃果ちゃんも知ってるでしょ?」

穂乃果「ってことは、講堂まで間に合うかも……!?」

海未「くっ……! そうはさせません……!」ダダッ

穂乃果「わーー!? 海未ちゃん来たーー!?」

ことり「2人とも頑張れー」

海未「ことりも頑張ってください!!」

穂乃果(講堂の入り口、もうすぐだ……!)

穂乃果(海未ちゃんはめちゃくちゃ速いけど、この距離なら……!)

405: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/23(火) 00:35:31.16 ID:kcJtcIsb.net
海未(このままじゃ講堂に入られる……!)

海未「ことり! あともうちょっとです! 穂乃果を捕まえてください!」

ことり「余裕そうに見えるかもだけど、これでも一生懸命だよ~」

海未(私があと5秒早く着いていれば……!)

穂乃果「うおおおおお!! 最後の力振り絞れえええええ!!」

ことり(ここに来て速くなってる……?)

海未「逃がしません!!」

ことり(海未ちゃんも……)

穂乃果「講堂着いた! 」

穂乃果「ウイニングホイッスルは……あった! 舞台の上!!」

海未「くっ……絶対に渡しません!」ダッ

穂乃果「勝負だよ海未ちゃん!!」ダッ

411: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/23(火) 00:43:50.42 ID:kcJtcIsb.net
ことり「2人ともー! 段差があるから気を付けてねー!」

穂乃果(あと少しっ……!)

穂乃果「うおりゃあああああああ!!」

海未(手を伸ばせば、届くっ……!!)

海未「穂乃果ぁぁぁ!!」


 ガシッ


穂乃果「!?」

海未(掴んだ!)

海未(このままこちらに引っ張って……!)

穂乃果「っ!」

海未「なっ……」

海未(上着を脱いで……!?)

412: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/23(火) 00:50:12.22 ID:kcJtcIsb.net
穂乃果「取った!」

穂乃果「笛!!」

海未「!?」

穂乃果「ふふ、私の勝ちだね! 海未ちゃん、ことりちゃん!」

ことり「おめでとう、穂乃果ちゃん♪」

海未「ま、まだ分かりません!」

海未「何が起こるか分からない限り、まだ……ってなんで祝ってるんですかことり!?」

穂乃果「一発逆転のすごいこと……」

穂乃果「起こしてよ! その奇跡!」

穂乃果「ウイニングホイッスル!!」


 ピィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ !!!


海未(一体何が……!?)

穂乃果(起こるんだろう……!?)

413: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/23(火) 00:50:55.39 ID:kcJtcIsb.net
    
   
 バツン


穂乃果「へ!?」

海未「て、停電!?」

ことり「停電っていうより、暗転……?」


 「やっぱり、私の予想は当たったみたいね」


穂乃果「この声って……」


 「ゲームが始まる前から、笛を吹くのはあなただと思っていたわ」


 バツン


ことり「!?」

海未「なっ!?」


ツバサ「高坂穂乃果さん♪」


穂乃果「つつ、ツバサさんっっ!!?」

420: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/23(火) 00:58:53.65 ID:kcJtcIsb.net
亜里沙『遂に登場しました! スペシャルゲスト、A-RISEの綺羅ツバサさんについて説明します!』

亜里沙『ツバサさんはウイニングホイッスルを使用した人を全面的にサポートするお助けキャラです』

亜里沙『ツバサさんの所有アイテムは、誰でも手錠、どこでもセンサー、ウォーターガン、手錠のマスターキーです」

亜里沙『誰でも手錠はその名の通り鬼、獲物問わず誰でも捕まえられる手錠です』

亜里沙『ツバサさんに捕まった時点でペナルティの対象となりますので注意してください』


ことり「!!?」


亜里沙『どこでもセンサーは全てのプレイヤーを対象に、どこに誰がいるのかが表示されるスマートパッドです』

亜里沙『ウォーターガンはツバサさん専用の水鉄砲です』

亜里沙『撃たれた時点で鬼獲物問わずゲームオーバーになるので注意してください』


海未「なっ……!?」

426: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/23(火) 01:05:54.49 ID:kcJtcIsb.net
亜里沙『手錠のマスターキーはその名の通り、全ての手錠を外すことの出来る鍵です』

亜里沙『常にお目当ての獲物が誰かに捕まっていたり、逆襲手錠にて捕まった鬼を復帰させたい場合にはどんどん解除してもらいましょう』


穂乃果「すごい……!」


亜里沙『最後に他プレイヤーのツバサさんへの対抗手段を説明します』

亜里沙『手錠で捕まえる! 以上です!』

亜里沙『獲物側は逆襲手錠が無い限り捕まえる事は出来ないので、諦めて逃げましょう』

亜里沙『なおツバサさんにもペナルティは適応されるので、ツバサさんにアレコレしたい方は戦いを挑みましょう!』

亜里沙『説明は以上です! 残り時間46分、みなさん頑張ってくださいね!』

429: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/23(火) 01:14:58.70 ID:kcJtcIsb.net
ことり「…………」

海未「な、なんですかその反則レベルのスペックは……」

ツバサ「いくらゲストだからって流石にやり過ぎよね、私も思うわ」

穂乃果「すごい! すごいですツバサさん!! これならもう怖いもの無しですよ!」

穂乃果「それこそ海未ちゃんやことりちゃん、みーんな捕まえることも出来るんですよね!?」

ツバサ「穂乃果さんが望むのなら、私はそれを叶えるために全力を尽くすわ」

穂乃果「わああ……!!」

ことり「……海未ちゃん、逃げよう」

海未「え……?」

ことり「早く!!」グイ…

海未「ちょ、ことりっ……!?」

430: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/23(火) 01:24:47.47 ID:kcJtcIsb.net
ことり「走って! 海未ちゃん!!」

海未「ま、待ってくださいことり!」

海未「確かに彼女はとてつもない強敵ですが、立ち向かわないことには穂乃果は……!」

ことり「お願いだから今は私の言う事を聞いてっ!?」

海未(こ、こんなことりの表情……)

穂乃果(ゲームが始まって以来、初めて見た……)

穂乃果(どんな時でも笑ってゲームを楽しんでたのに……)

ツバサ「どうする? 追いかける?」

ツバサ「センサーがあるから、どこに逃げようと行方を追って捕まえられるけど」

穂乃果「……ことりちゃん、様子が変でした」

穂乃果「ツバサさんをすごく怖がってた、みたいな……」

ツバサ「私に捕まると何か不都合なことがあるんじゃないかしら」

穂乃果「不都合なこと……?」

ツバサ(あの反応からして、大体予想は付くけど……)

431: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/23(火) 01:32:17.51 ID:kcJtcIsb.net
ツバサ「……さて、どうするの?」

ツバサ「南さんや園田さんたちを追う? それとも他のメンバーのところに向かう?」

穂乃果「……今ことりちゃんと海未ちゃんを追うのは、やめておきます」

穂乃果「なんだか、普通な雰囲気じゃなかったから……ちょっとだけ様子見、っていうか」

ツバサ「悪くない判断だと思うわ。もしかしたら何かの罠かもしれないしね」

穂乃果(そういえば、にこちゃんが捕まったっていうアナウンスがまだ入ってない……)

穂乃果(真姫ちゃんどうしたんだろう? 何かあったのかな……)

穂乃果「……ツバサさん、誰でもセンサーって誰がどこにいるのか分かるんですよね?」

ツバサ「ええそうよ、見てみる?」

穂乃果「はい……真姫ちゃんとにこちゃんがどうなっているのかを、ちょっと……」

ツバサ「分かったわ、ちょっと待っててね……」

ツバサ「はい、どうぞ」

436: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/23(火) 01:41:01.01 ID:kcJtcIsb.net
穂乃果「わわ……にこちゃんと真姫ちゃんめちゃくちゃ離れてる……?」

ツバサ「西木野さんの反応、完全に止まってるわね……矢澤さんの方はゆっくり動いてるのに……」

穂乃果「これは事件です……!」

穂乃果「あの2人が一緒に居ないなんて、何かあったに違いないです!」

ツバサ「なら様子を見に行きましょうか。どっちに会いに行く?」

穂乃果「ほのまき同盟があるんで、真姫ちゃんのところに行きたいです!」

ツバサ「了解。それじゃあ行きましょうか」ダッ

穂乃果(って速っ!?)

穂乃果「まま、待ってください! ツバサさん!!」

ツバサ「あ、そっか。穂乃果さんはずっと走ってるからロクに動けないんだったわね」

穂乃果「お恥ずかしながら……」

439: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/23(火) 01:49:26.35 ID:kcJtcIsb.net
ツバサ「うーん……じゃあ私が穂乃果さんを抱えて走るわね」

穂乃果「へ?」

穂乃果「ってきゃああ!?」

ツバサ「さ、行きましょうか」

穂乃果(こ、これって……)カァァ

ツバサ「本気で走るから、怖かったら言ってね?」

穂乃果「つつ、ツバサさん!?」

穂乃果「あのっ、つ、ツバサさんが私なんかにこういうことしちゃうのは色々とまず……!?」

ツバサ「~♪」ダッ

穂乃果「きゃああああ!!?」

442: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/23(火) 01:57:34.26 ID:kcJtcIsb.net
  
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
  
海未「待ってください、ことりっ……」

海未「ここまでくれば、もう追っては来れないはずです、だからっ……」

ことり「はぁ……ぁ……」

海未「何をそんなに慌てているのですか……?」

海未「確かに今の穂乃果たちと対峙するのはあまりに危険ですが、でも……」

ことり「海未ちゃん、中に入って……」

海未「え……?」

ことり「お願い……ここなら鍵も締められるし、安全だから……」

海未「わ、分かりました。お互いに一度落ち着いて、作戦を練り直しましょう」

ことり「……」カチャ…

海未「しかし、本当に驚きました……まさかこんなイベントが用意されていたなんて……」

446: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/23(火) 02:08:02.78 ID:kcJtcIsb.net
海未「彼女が与えられているアイテムの性能だけを考えても、真正面から戦いを挑むのはあまりに無謀です」

海未「まずは希に協力を仰ぎましょう」

海未「3人がかりでもどうにかなるかは微妙ですが、それでも……」


ギュウ…


海未「っ……!!?」

ことり「……」

海未「こ、ことり……?」

海未「どど、どうしたんですか……? 急になにを……」

ことり「ごめんなさい」

海未「え……?」

ことり「私、海未ちゃんのことずっと騙してたの……」

海未「どういう、ことですか……?」

451: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/23(火) 02:15:40.71 ID:kcJtcIsb.net
ことり「私が本当に好きなのは……」


ことり「貴女です。園田海未さん」カチャン


海未「……」

海未「え?」


雪穂『2時間36分経過時点。園田海未さん、南ことりさんの逆襲手錠にて捕まりました!』


海未「……」

ことり「……」

海未「捕まった……?」

海未「私が、ことりに……? 逆襲手錠で……?」

608: ◆eXOA7P6h/E (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 16:39:58.60 ID:Wl4NWFPn.net
ことり「ごめんね、海未ちゃん……」

海未「どうしてことりがそれを持っているんですか……?」

海未「いや、そもそも……何故ことりが逆襲手錠を使えるんです……?」

海未「逆襲手錠は獲物しか使えないはずです、それなのに……」

ことり「それはね、私が獲物だからだよ」

海未「!?」

ことり「ビックリした?」

海未「ほ、本当ですか……?」

ことり「これ、私のコインなんだけど……」スッ

海未「!」

海未「裏と表にまったく同じサイン……!?」

612: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 16:46:33.83 ID:Wl4NWFPn.net
ことり「みんな思い付きそうなことだと思ったんだけど、実際にやったのは私だけだったね」

海未「どうやってそんなものを……」

ことり「裏に書いてあったのを真似して書いただけだよ?」

海未(たったそれだけのことで、私たちは全員騙されて……)

ことり「ルールで禁止されてなかったから、やってもいいんだ、って思って」

海未「ま、待ってください。手錠はどうしたんですか?」

海未「そうです、私はことりと一番最初に会った時、表のコインと手錠を見せられたから鬼だと信じたんです」

海未「手錠は獲物には絶対に支給されないアイテムのはず……それなのにどうして……?」

ことり「それもすごく簡単なことなんだけど……ゲームが終わってから教えてあげるね」

海未「……」

ことり「みんなにも説明することを、海未ちゃんだけにするのは二度手間だから」

海未「それはそうかもしれませんが……」

614: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 16:51:24.61 ID:Wl4NWFPn.net
ことり「海未ちゃんが今知っていればいいことはね」グイ…

海未「へ……?」

ことり「ことりが海未ちゃんのこと大好きで」

海未「ひゃっ」

ことり「海未ちゃんが穂乃果ちゃんを追いかけてる間、すごくモヤモヤしてて」

海未「こ、ことっ」

ことり「捕まえた後、どんなことをするのか……ずっと考えてたってことだけなんだよ?」

海未「だ、ダメですことり……こんなこと……」

ことり「海未ちゃんの可愛い姿……いっぱい見たいな……」

海未「ゃ……」

ことり「穂乃果ちゃんには見せない顔……私だけに見せて……?」クイ…

海未「こ、ことっ―――」

617: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 16:55:31.64 ID:Wl4NWFPn.net
   
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
     
真姫(私……何のためにこのゲーム参加したんだっけ……)

真姫(そう……もうすぐクリスマスだから、捕まえた権限で予定を貰えれば、って思って……)

真姫(素直になれないし、普通に誘う勇気も無いから……このゲームを使って、それで……)


 『悪いけど、アンタにだけは捕まる訳にはいかないの』


真姫「…………」

真姫「……ぐずっ、ひぐ」

真姫「うっ……うぅ……」

真姫(誰でもいい……この気持ちを忘れさせて欲しい……)

真姫(あの人を好きっていうこの気持ちを……)

真姫「誰か……」


穂乃果「あ!真姫ちゃんいた!!」


真姫「!」

620: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 17:01:11.65 ID:Wl4NWFPn.net
真姫「ほ、穂乃果……?」

真姫「それに、あなたは……」

ツバサ「これ、良かったら使って?」スッ

真姫「……」

ツバサ「女の子が泣いていいのは幸せな時だけよ、西木野真姫さん」

真姫(綺羅、ツバサ……)

穂乃果「真姫ちゃん大丈夫!? どうして泣いてるの!?」

穂乃果「体育座りしてうずくまってて、めちゃくちゃビックリしたんだからね!?」

真姫「ぐずっ……穂乃果……」

穂乃果「て、てかなんで鬼なのに手錠かけられてるの!? 」

穂乃果「もしかしてにこちゃんに酷いことされて……!」

ツバサ「穂乃果さん、落ち着いて」

穂乃果「っ……」

621: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 17:06:33.21 ID:Wl4NWFPn.net
ツバサ「西木野さん、もう大丈夫だからまずは深呼吸して?」

真姫「深呼吸……」

ツバサ「気持ちが落ち着いたあとでいいから、何があったのかを私たちに教えて欲しいの」

ツバサ「穂乃果さんならきっと、あなたの力になりたいと願うはずだから」

真姫「……」

穂乃果「し、深呼吸だよ真姫ちゃん! ほら、吸って吐いて!」

穂乃果「ヒッヒッフーだよ! ヒッヒッフー!」

ツバサ「穂乃果さん、それはラマーズ法よ」

穂乃果「ら、ラマ?」

ツバサ「一体何を産ませるつもりなのかしら?」クス

真姫「ぷふっ……あはは……」

穂乃果「えっ、私なんか変なこと言った!?」

624: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 17:10:54.21 ID:Wl4NWFPn.net
真姫「言ったわよ……穂乃果のそれは赤ちゃんを産む時の呼吸法よ」

穂乃果「ななっ」カァァ

真姫「はー、おかしい……」

ツバサ「少し天然なのね、穂乃果さんは」

穂乃果「て、天然じゃないですよ…… ?」

ツバサ「天然の子はみんなそう言うらしいわよ? 私もそうだし」

穂乃果「え、ツバサさんも?」

ツバサ「いやね、私自身はまったくそんなつもりはないんだけど、どうしてか……」

真姫「ちょっとアンタたち、イチャイチャするなら他所でやりなさいよ」

穂乃果「してないよ!?」

ツバサ「あはは」

真姫「はぁ……さっきまで死にそうになってた自分がバカらしくなってくるわ……」

ツバサ「少しは気が楽になったかしら?」

真姫「……おかげさまで」

625: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 17:17:29.09 ID:Wl4NWFPn.net
穂乃果「真姫ちゃん、何があったか話せる?」

真姫「別にそんな大層な話じゃないわよ……」

真姫「私がにこちゃんに手錠かけようとしたら、腕を掴まれて逆にかけられたってだけ」

真姫「ただの間抜けな笑い話よ」

ツバサ「へえー、やるわね矢澤さん」

穂乃果「真姫ちゃんを泣かせてまで10万円が欲しいなんて……」

真姫「な、泣いてたのは騙されて悔しかっただけだから!」

ツバサ「それにしては随分と落ち込んでいたように見えたけど?」

真姫「うっ……」

穂乃果「こんな時までツンデレしてる場合じゃないよ真姫ちゃん!」

穂乃果「早くにこちゃんを捕まえないと……」

真姫「無理よ……もう時間もないし、何よりこんな状態でにこちゃんを捕まえるなんて……」

穂乃果「ツバサさん、真姫ちゃんの手錠の鍵を外してあげてください!」

真姫「へ?」

ツバサ「はーい」

626: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 17:22:14.85 ID:Wl4NWFPn.net
ツバサ「西木野さん、腕出して?」

真姫「……?」


カチャン


真姫「な……」

ツバサ「さて、次に私は何をすればいいのかしら」

穂乃果「にこちゃんを捕まえるの手伝ってください!」

ツバサ「ふふ、了解しました」

真姫「ちょ、ちょっと待ちなさいよ……どういうこと……?」

穂乃果「真姫ちゃん、みんなでにこちゃん捕まえよう」

穂乃果「あんなにも泣いてたってことは何かあったんだよね」

真姫「っ……」

穂乃果「仲違いしたままなんて絶対にダメだよ」

627: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 17:27:52.30 ID:Wl4NWFPn.net
穂乃果「ちゃんと言いたいこと言って、気持ち伝えて……」

真姫「言ったわよ……私は自分の気持ちをちゃんと伝えた、それでもにこちゃんは……!」


雪穂『2時間36分経過時点。園田海未さん、南ことりさんの逆襲手錠にて捕まりました!』


穂乃果「え……?」

真姫「な……」

ツバサ「残り24分……あまり時間はないわね、急いだ方がいいわ」

穂乃果「そ、それもそうですけど、海未ちゃんが捕まったって……」

真姫「それもことりに……ことりは鬼のはずじゃ……?」

ツバサ「獲物が鬼のフリをするのは王道な戦法だと思うわよ?」

ツバサ「彼女がすごいのは、逃げるために鬼を装うんじゃなくて、好きな人を捕まえるためにそれをしたってことだけど」

ツバサ「それもこの瞬間まで誰にも気付かれることなく……素直に感心するわ」

穂乃果「じゃあ、私がことりちゃんに捕まらなかったのって……」

ツバサ「彼女、どこまで考えていたのかしら。あとで話を訊きたいわ」クス

真姫「始まってから今までずっと、そんなことを……」

628: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 17:31:05.75 ID:Wl4NWFPn.net
ツバサ「南さんに比べれば、今の西木野さんの状況なんて生易しいと思わない?」

真姫「!」

ツバサ「私が南さんならとっくに諦めてると思うわよ? それなのに彼女は……」

穂乃果(何の話をして……?)

真姫「……」

ツバサ「一度フられたくらいで諦められるなら、結局それまでの人ってことなのよね」

ツバサ「他に好きな人がいても、何度フられても」

ツバサ「どんな障害があっても好きだって言える人が……私は運命の相手だと思うわ」

真姫「……穂乃果、綺羅ツバサさん」

真姫「お願い、私に力を貸して……!」

穂乃果「っ……」

穂乃果「もちろんだよ!!」

ツバサ「その言葉が聞きたかったわ」

穂乃果「行こう! 真姫ちゃん! ツバサさん!」

穂乃果「目標はにこちゃん!!」

632: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 17:38:12.54 ID:Wl4NWFPn.net
   
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
   
にこ(残り時間あと10分ちょっと)

にこ(なんだかんだで逃げ切れそうね……)


 『にこちゃん!待って!』

 『にこちゃんっっ!!』


にこ(真姫ちゃん、泣いてたわよね……)

にこ(でも、しょうがないでしょ……アイドルは恋愛厳禁なんだから……)

にこ(女同士メンバー同士。部外者からは百合営業程度にしか見えないだろうけど、それでも世間に公開されることを考えたら……)

にこ「はぁ……機嫌直すまで1ヶ月はかかるだろうなぁ……」

にこ(ゲーム終わったあとに謝りに行くつもりだけど、果たしてどうなるやら)

639: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 17:43:45.56 ID:Wl4NWFPn.net
にこ(ゲットした10万円でクリスマスプレゼントでも買ってみようかしら……?)

にこ(それで機嫌直してくれるなら安いもんだけど……)

穂乃果「あー! にこちゃんいたー!!」

にこ「のわあああ!?」

にこ「って、穂乃果……」

穂乃果「真姫ちゃんから話は全部訊いたよ!」

にこ「っげー……」

穂乃果「なんでどうせ捕まるのに真姫ちゃんに捕まってあげないのさ!?」

にこ「誰にも捕まるつもりがないからよ」

にこ「私は逃げ切って10万手に入れるの。真姫ちゃんから逃げた理由はそれだけ」

にこ「鬼ごっこで鬼から逃げて何が悪いわけ?」

穂乃果「むー……!」

642: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 17:49:52.71 ID:Wl4NWFPn.net
にこ「で、アンタは何しに来たの?」

にこ「わざわざこんな場所まで来て……あと10分ちょっとなんだから大人しく隠れときなさいよ」

穂乃果「私と真姫ちゃんはほのまき同盟を結んでるの」

にこ「同盟……? アンタは獲物で真姫ちゃんは鬼でしょ? 意味不明なんですけど」

穂乃果「意味不明じゃないよ、真姫ちゃんは私を捕まえずに見逃してくれたから」

にこ「あー、なるほど。そういうこと……」

にこ「で、なに。どうしようっての? 獲物のアンタが私を捕まえるつもり?」

穂乃果「私は捕まえないよ。捕まえるのは……」

にこ「……?」


ツバサ「私よ、矢澤にこさん!」ジャラ


にこ「!!」

ツバサ「わ、すごい。この距離から不意打ちして避けられるんだ」

にこ(す、すっかり忘れてたわ……そういやそんなアナウンスあったわね……)

644: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 17:55:37.97 ID:Wl4NWFPn.net
穂乃果「にこちゃん大人しく捕まった方がいいよ?」

穂乃果「ツバサさんめちゃくちゃ凄いから、抵抗したって無駄だよ?」

にこ(確かに、穂乃果だけならまだしもツバサまで入ってくるとかなりヤバいかも……)

にこ(てか、普通に考えて逃げられないんじゃ……)

ツバサ「あんまり女の子を泣かせちゃダメよ? 矢澤さん」

ツバサ「本当に気持ちに応えられないならまだしも、素直になれないのが原因で行き違うなんて、それはとっても悲しいことだわ」

にこ「っ……」

穂乃果「そうだよにこちゃん!」

穂乃果「憧れのツバサさんもこう言ってるんだから大人しく捕まりなさい!」

にこ「やかましい! それとこれとは話は別よ!」

にこ「悪いけど、ここまで来て大人しく捕まってやれるほどにこは諦め良くないから」

ツバサ「ふふ、そうこなくっちゃね……そうじゃないと面白くないわ」

穂乃果「にこちゃんの分からず屋!」

穂乃果「ツバサさん、やっちゃってください!」

647: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 17:59:56.36 ID:Wl4NWFPn.net
ツバサ「仰せのままに」ダッ

にこ(はっや!?)

ツバサ「私も最初から参加したかったわ、そうすればいっぱい身体動かせたのに」

にこ(ちょ、あり得ないんだけど!? なにこのスピード!!?)

ツバサ「全力で走らないと捕まえちゃうわよ?」

にこ「もう十分全力なんですけどーー!?」

穂乃果「ツバサさんファイトー!」

ツバサ「ふふ、穂乃果さんに応援されるってすごく気分が良いわ」

にこ(しゃ、喋りながら走れる速さとにこの全力疾走が同じスピードって……!?)

にこ(こ、このままじゃあと10秒もしないうちに捕まるっ……!)

にこ(あともうちょっとでゲーム終わるのに……!)

653: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 18:06:40.57 ID:Wl4NWFPn.net
ツバサ「私ね、矢澤さんの考えてることもよく分かるの」

にこ「えっ……?」

ツバサ「アイドルはファンがあってこその存在……」

ツバサ「ファンのためのムービーで、ファンを不安にさせるような内容を見せるのはよくないわ」

にこ「だだ、だよねだよねっ!?」

にこ「トップアイドルのツバサさんならにこの気持ち分かってくれますよね!?」

ツバサ「こうやって撮られてるとなると、嫌でもそういうことは意識しちゃうわ」

にこ「そう、そうなのよ! ツバサさんみたいに1流のスクールアイドルならそう考えるのが普通なのよ!」

にこ「にも関わらずアイツらはその辺のことなにも考えずに好き勝手やって……!」

にこ「希と絵里辺りなんかおっ始めてるんじゃないかって本当に心配で……!」

ツバサ「その辺りはあとで編集すればいいんだし、大丈夫だと思うわよ?」

にこ「で、でも……!」

654: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 18:11:59.59 ID:Wl4NWFPn.net
ツバサ「ま、なんにせよ」

ツバサ「矢澤さんがそういうことを気にかけるなら、絶対に逃げ切らないといけないわね」

にこ「にこの気持ちを分かってくれるなら見逃して欲しいですっ……!」

ツバサ「ご主人様の命令だから。ごめんなさいね」

にこ(期待してないから別にいいけどっ……!)

ツバサ「そういえば、このまままっすぐ行ったところに音楽室があったわね」

にこ「え……?」

ツバサ「少し見させてもらったけど、素敵な場所だったわ」

ツバサ「グランドピアノがあるし鍵もかけられるし、曲作りも捗りそうね」

にこ「!」

ツバサ「……」クス

656: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 18:16:11.90 ID:Wl4NWFPn.net
にこ「どういうことですか……?」

ツバサ「想像にお任せするわ」

にこ(ツバサが本気を出せば、にこなんてすぐに捕まえられるはず……)

にこ(なのにそれをせずにお喋りを続けてるってことは、つまり……)

ツバサ「私、矢澤さんみたいな人は好きよ。アイドルに対して真摯な人はね」

にこ「っ……」

にこ「次、送られて来る花は楽しみにしててください!!」ダッ

にこ(音楽室……!)

ツバサ「……」

にこ(ツバサはスピードをあげて来ない、ってことはやっぱり……!)

658: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 18:20:45.42 ID:Wl4NWFPn.net
 
 
 バタン!!
 
 
にこ「はぁ……ぁ……」

にこ「ぁ……」
 
 
 カチャ
 
 
にこ「……ざまあないわね、穂乃果」

にこ(助っ人とは言え、ツバサに頼り過ぎるからこうなるのよ……)


雪穂『残り時間5分です。獲物の皆さんも鬼の皆さんも最後まで頑張ってください!』


にこ(残り5分……)

にこ(この時間なら、誰かが鍵を取りに行っても間に合わない……)

にこ「勝った……」

にこ(ってより、勝たせてもらった、だけど……)

662: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 18:26:26.31 ID:Wl4NWFPn.net
にこ「はぁ……マジで危なかったぁ……」

にこ「ツバサには足向けて寝れな」
 
 
 カチャン
 
 
にこ「……」

真姫「……」

にこ「……はぁ」


雪穂『2時間55分時点。矢澤にこさん、西木野真姫さんに捕まりました!!』


真姫「……」ギュ…

にこ「っ……」

665: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 18:31:08.02 ID:Wl4NWFPn.net
にこ「……ま、真姫ちゃん」

真姫「……」

にこ「1つだけお願いがあるんだけど……」

真姫「……なに」

にこ「どんなペナルティでも受けてあげるから、その……撮影が終わってからでいい……?」

真姫「……」

にこ「にこたちはアイドル。これはファンのためのムービー」

にこ「お互いに超えちゃいけないラインがあるのは分かってるわよね……?」

真姫「ええ、そうね……」グイ…

にこ「っ……」

真姫(綺麗な紅い瞳……)

にこ「ま、真姫ちゃん……?」

668: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 18:35:52.24 ID:Wl4NWFPn.net
真姫(力強くて、いつも前だけを見ていて)

にこ「話、聞いてた……?」

真姫(でも今は、私だけを見つめてる)

真姫(今この瞬間だけは……)スッ…

にこ「ちょ、まっ―――」


真姫(全部、私のもの)チュゥ…


にこ「っ~~~!!?」

672: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 18:37:58.61 ID:Wl4NWFPn.net
真姫「ふぅ……」

にこ「あ、あ、あ……」カァァ

真姫「……初めて?」

にこ「アンタ何考えてんのっ!? 撮られてるのよっ!?」

真姫「だからするんでしょ」

にこ「なっ」

真姫「アイドル出来なくなったら、私が責任取るわ」

真姫「にこちゃんの残りの人生貰ってあげる……」

にこ「は、はぁぁ!? なな、なにアホなこと言ってっ」

にこ「ってちょ、だ、ダメっ、真姫ちゃ―――」

679: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 18:43:29.62 ID:Wl4NWFPn.net
   
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
  
   
雪穂『2時間55分時点。矢澤にこさん、西木野真姫さんに捕まりました!!』
 
 
ツバサ「作戦成功ね」

穂乃果「流石ですツバサさん!」

ツバサ「矢澤さんって疑り深い性格だと思ってたんだけど、案外そうでもないのね」

穂乃果「ツバサさんだから信じたんだと思いますよ? にこちゃん大ファンだから」

ツバサ「ふふ、日頃の行い、ってことかしら」

穂乃果「これで真姫ちゃんも元気になるだろうし、一件落着……」

穂乃果「ツバサさん、本当にありがとうございました!」

ツバサ「どういたしまして。力になれたようで何よりだわ」

穂乃果「私、ツバサさんがいなかったら絶対に捕まってました……」

穂乃果「真姫ちゃんもずっと体育座りしてただろうし……感謝しきれないです」

ツバサ「ふふ、穂乃果さんが何かお礼してくれるなら、ゲームが終わった後にパフェでも奢ってくれたらいいわ」

穂乃果「ぜひ!」

684: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 18:50:20.67 ID:Wl4NWFPn.net
ツバサ「生き残りおめでとう、穂乃果さん」

穂乃果「絵里ちゃんや真姫ちゃん、ツバサさんのおかげです」

穂乃果「私一人じゃすぐに捕まってました……」

ツバサ「全員それぞれの思惑があって動いていたわけだし、そこは謙遜しなくていいと思うわ」

穂乃果「あはは……」

ツバサ「賞金の使い道は考えてるの?」

穂乃果「あ、そっか。10万円も貰えるんだ……忘れてた……」

ツバサ「羨ましいわ。それだけあればなんでも出来るだろうし」

穂乃果「ツバサさんなら何に使いますか?」

ツバサ「私? うーん、そうね……海外旅行にでも行くかしら?」

ツバサ「欧州やアメリカのアイドル文化に触れてみたいわ」

穂乃果「さ、流石です……」

690: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 18:55:56.96 ID:Wl4NWFPn.net
ツバサ「穂乃果さんの立場なら……打ち上げ用の資金にでもするかしら?」

穂乃果「あ、それいいかも……」

ツバサ「身体動かしたあとはいっぱい食べないとね」

穂乃果「名案ですツバサさん! わー、打ち上げ楽しみだなー」

ツバサ「ふふ……」

穂乃果「そういえば気になってたんですけどー……」

ツバサ「?」

穂乃果「さっきから何を触ってるんですか? それ」

ツバサ「これ? 矢澤さんの落とし物よ。後で返そうと思って」

ツバサ「μ'sのサインが書いてある100円玉。記念に欲しいわ」

穂乃果「……」

ツバサ「どうかした? 穂乃果さん」

穂乃果「そ、それって……にこちゃんの、なんですよね?」

ツバサ「ええ、そうだけど」

穂乃果「…………」

693: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 19:00:40.16 ID:Wl4NWFPn.net
 
 
亜里沙『残り時間10秒です! カウントに入ります!』


ツバサ「……穂乃果さん?」

穂乃果「ツバサさん、ちょっと確かめたいことがあるんで……手錠を貸して貰えませんか?」

ツバサ「手錠? 別にいいけど……何に使うの?」ジャラ…

穂乃果「……」

ツバサ「?」


穂乃果「……」ニギ

ツバサ「……?」

穂乃果「えいっ」カチャン

ツバサ「へ?」


雪穂『2時間59分時点。綺羅ツバサさん、高坂穂乃果さんに捕まりました!』


ツバサ「!!?」

696: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 19:03:58.51 ID:Wl4NWFPn.net
穂乃果「やっぱりそうなんだ……」

ツバサ「ど、どういうこと……?」

ツバサ「まったく状況が飲み込めないんだけど……」

穂乃果「ツバサさん、私……」


穂乃果「鬼です」


ツバサ「……」

ツバサ「ええええ!?」


 キーンコーンカーンコーン


亜里沙『ただいまのチャイムをもってゲーム終了です!』

亜里沙『μ'sのみなさんお疲れ様でした。結果発表をしますので、講堂へお集まりください!』

702: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 19:08:18.91 ID:Wl4NWFPn.net
  
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
   
雪穂「改めてみなさんお疲れ様でした。これより結果発表をさせて頂きます」

雪穂「まず始めに。捕まった獲物のみなさんを発表します」

雪穂「小泉花陽さん、絢瀬絵里さん、矢澤にこさんです」


にこ「はぁ……」

絵里(露骨に落ち込んでるわね……)

花陽(え、絵里ちゃん首元にキスマークいっぱい付いてる……)


雪穂「3人には捕まえられた鬼によるペナルティが発生します」

雪穂「捕まえた鬼のみなさんは思い思いのお仕置きをしてあげてください」


にこ「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!?」

にこ「ペナルティならもう十分すぎるくらい受けたんだけど!?」

絵里「そ、そうよ! これ以上私たちに何をされろっていうの!?」

704: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 19:12:55.44 ID:Wl4NWFPn.net
希「ゲーム中にアレコレしてたおませさんたちがいるみたいやけど、」

希「あくまでペナルティはゲーム後の予定やよ?」

希「ゲーム中の出来事に関しては各自の任意ってことで♪」

絵里「な……」

希「だってそうじゃないとタイムアップ間際で捕まえた子が損やん?」

真姫「一理あるわね」

にこ「ない!!」

凛「かよちんにお仕置きされちゃうにゃー♪」

穂乃果(お仕置き……)チラ

ツバサ「あはは……」

706: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 19:18:03.99 ID:Wl4NWFPn.net
雪穂「えっと、結果発表に戻りますね」

雪穂「次に獲物の逆襲手錠にて捕まった鬼を発表します」

雪穂「星空凛さん、園田海未さんです」

希「ちょっと映像見たけど、2人ともドラマティックな逮捕劇でめっちゃ良かったよ♪」

凛「まさかかよちんに捕まるとは思わなかったにゃー」

花陽「あはは……」

海未「同じくです、まさかことりに捕まるなんて……」

ことり「えへへ」

絵里「凛はともかく、海未が捕まったのには本当に驚いたわ」

穂乃果「私も! え、ことりちゃん獲物だったの!? みたいな!」

真姫「みんな穂乃果が鬼だったことの方が驚いてるわよ、一体何がどうなってたわけ?」

海未「約束の時間です。全て説明してください、ことり」

ことり「えっと、じゃあ最初から順番に話していくね」

711: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 19:25:55.67 ID:Wl4NWFPn.net
ことり「まず組み分けのコインをもらった時に、私は獲物だったの」

ことり「この際だし言っちゃうけどね、私は海未ちゃんのことが大好きだから、海未ちゃんを捕まえたかったんだけど……」

穂乃果「え、そうなのことりちゃん!?」

凛「衝撃の事実だにゃー!?」

真姫「話が逸れるから2人とも黙ってて!」

海未(ど、どうして言っちゃえるんですかことり……)カァァ

にこ「ここから全員口出し禁止よ! 分かったら黙って聞きなさい!」

ことり「ふふ、続けるね」

ことり「私が一番最初にしたことは海未ちゃんを探すこと」

ことり「海未ちゃんが鬼か獲物かを知ってから、これからどうするかを決めようと思って」

715: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 19:29:10.95 ID:Wl4NWFPn.net
ことり「それで探してる最中……スタートしてから5分くらいかな?」

ことり「部室に来た時にね、手錠が置いてあるのを見つけたの」

花陽「手錠……?」

ことり「私が鬼に成り済ますのを考えたのはその時」

ことり「表にサインの入ったコインと手錠を持ってれば、鬼のフリが出来るって思って」

にこ「こんなにも簡単に成り済ましが出来るなんて、ちょっと問題なんじゃないの?」

希「手錠は鬼の初期位置にしか置いてないから、誰かが取るの忘れん限りあり得へん出来事なんやけど……」


穂乃果「あーーー!!」


絵里「ど、どうしたの穂乃果!?」

穂乃果「その手錠、私のだ……」

にこ「はああああ!?」

穂乃果「おかしいと思ったの! なんで私獲物なのに手錠置いてあるんだろう、って!」

718: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 19:32:25.17 ID:Wl4NWFPn.net
凛「ど、どういうこと……?」

花陽「穂乃果ちゃんは鬼だったんだよね……?」

絵里「あー、なるほどね……大体何が起こったのか分かって来たわ」

真姫「穂乃果、まさかあなた……」


真姫「100円玉の裏表間違って覚えてたんじゃ……」


海未「!」

穂乃果「ふふ、普通は100って書いてある方が表だと思うよね!?」

にこ「アホ! 100円は表に年号で裏に数字よ! そんなの誰でも知ってるわよ!?」

凛「凛でも間違えないにゃー」

穂乃果「そんなぁ……」

ツバサ「ふふ、あははっ」

海未「真相はこれですか……」

722: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 19:37:21.92 ID:Wl4NWFPn.net
希「ウチの思惑が思わぬ形でハマったみたいやね」

絵里「もしかして、わざと間違えやすい100円を組み分けのアイテムにしたの?」

希「にこっちあたりが鬼獲物勘違いして掻き回してくれれば、っていう遊び心はあったけど」

希「誰かが手錠を取らないっていうのまでは読めんかったよ」

真姫「鬼の手錠は初期開始地点にある、って説明されたのにどうしてそうなるのよ……」

穂乃果「希ちゃんに獲物が良いって言ってたし、100円のサインも年号のところに入ってたから……」

穂乃果「何かの間違いなのかな、って……」アハハ

ことり「穂乃果ちゃん、獲物が良いって言ってたの?」

穂乃果「うん、そうだよ」

ことり「ことりは鬼が良いって希ちゃんに言ってたはずなんだけど……」

にこ「まさかアンタ……」

希「組み分けはちゃんと本人の希望通りにしたで?」

真姫「じゃあどうして穂乃果が鬼、ことりが獲物でスタートしたのよ?」

724: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 19:40:23.38 ID:Wl4NWFPn.net
希「組み分けの時に間違えてコイン渡したんちゃう? 亜里沙ちゃんが」

亜里沙「ぎくっ」

雪穂「あ、亜里沙……?」

希「あのとき確か穂乃果ちゃんが一番最初にコイン受け取ってたよな?」

穂乃果「うん」

希「で、その次にことりちゃん……」
 
亜里沙「ごめんなさい!」

亜里沙「南先輩にコインを渡したあとに間違いに気付いて!」

亜里沙「そのあとはちゃんと紙に書かれた通りに渡したんですけど……」

雪穂「なな、なんで言わなかったの!?」

亜里沙「2人とももういなかったから……」ウルウル

海未「つまり、ことりと穂乃果の入れ替わりの犯人は亜里沙ですか……」

亜里沙「ごめんなさいごめんなさいっ!!」

絵里「誰も怒ってないから気にしなくていいわよ」ヨシヨシ

希「むしろ間違ったおかげで面白くなったんやしグッジョブやん♪」

727: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 19:44:56.88 ID:Wl4NWFPn.net
ことり「ことりが獲物だった理由はそういうことだったんだ……」

海未「話を戻しますが、穂乃果が鬼だということには気付いていたんですか?」

ことり「うん、知ってたよ。手錠の持ち主が誰なのか考えてる時に気付いちゃった」

穂乃果「どうしてそんなことが分かったの?」

ことり「希ちゃんが鬼と獲物は半々だって言ってたでしょ? だから鬼の最大数は5人」

ことり「海未ちゃん、希ちゃん、真姫ちゃん、凛ちゃんが鬼だから」

ことり「穂乃果ちゃん、絵里ちゃん、花陽ちゃん、にこちゃんの誰かが自分を獲物だと勘違いしてる鬼の人」

ことり「この中で100円の裏表を間違えて、手錠を置いて行きそうなのは……穂乃果ちゃんかな、って」

凛「ことりちゃん頭良いにゃー……」

絵里「獲物の中に鬼がいる、って知っていたことりだからこそ出来る推理ね」

希「ことりちゃんが穂乃果ちゃんにだけ自分のコイン見せてなかったのはどういう理由?」

ことり「穂乃果ちゃんが私のコインを見たら、自分が鬼だってことに気付くと思って」

希「あー、なるほどな……」

728: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 19:48:10.74 ID:Wl4NWFPn.net
ことり「私としては、穂乃果ちゃんが自分を獲物って勘違いしたまま逃げていて欲しかったから」

海未「ことりの目的が私なら、穂乃果が鬼だと教えた方が良かったのでは?」

ことり「それだと海未ちゃん、わざと穂乃果ちゃんを捕まえてゲームオーバーになるよね」

海未「それは……そうかもしれません」

ことり「私の目的はあくまで海未ちゃんだから」

海未「っ……」

穂乃果「ことりちゃん……」

穂乃果「本当に海未ちゃんのことが好きなんだね!!」

ことり「う、うん……」アハハ

ツバサ「こんなにも一途に思われる、っていうのは素敵だわ」

花陽「ロマンティックです……」

希「スピリチュアルやね……」

真姫(海未の立場からすればかなり複雑な心境でしょうけど……)

730: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 19:52:38.31 ID:Wl4NWFPn.net
絵里「質問してもいいかしら」

ことり「なに絵里ちゃん?」

絵里「ことりが海未を捕まえようと考えたのは逆襲手錠がきっかけ?」

ことり「そうだよ?」

ことり「それまでは穂乃果ちゃんが他の誰かに捕まるまで、海未ちゃんの邪魔をしようと思ってたんだけど……」

にこ「そりゃ事情も変わるわよね、あんな反則級のアイテムが追加されれば」

海未「もしかして、獲物センサーではなく逆襲手錠を手に入れるよう提案したのは……?」

ことり「実際はそうじゃなかったけど、もし獲物センサーで『誰が』獲物なのかまで分かったら……その時点で私のことがバレちゃうから」

絵里「……海未を捕まえた逆襲手錠は理事長室で手に入れたの?」

ことり「うん。アナウンスが入ったあとにたまたま近くにいて」

絵里「じゃあ私にくれた逆襲手錠は下足室のもの?」

ことり「ううん、違うよ? あれは逆襲手錠じゃなくてただの手錠」

絵里「えっ!?」

海未「じゃあ、絵里は私を普通の手錠で捕まえようとしていたんですか……?」

ことり「絵里ちゃんは逆襲手錠だ、って思い込んでたみたいだけどね。その様子だと海未ちゃんたちも」

734: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 19:58:07.53 ID:Wl4NWFPn.net
希「えりちがハッタリ利かせてるんや思ってたけど、ホンマに逆襲手錠って勘違いしてたんやね」

絵里「え、希はあれがそうじゃないって気付いてたの?」

希「うん。逆襲手錠を作ったんはウチやし、そもそも逆襲手錠は赤くペイントしてるから」

ことり「絵里ちゃんたち、逆襲手錠見たことないだろうから勘違いしてくれるかな、って」

にこ「よくそんなこと思いつくわね……」

真姫「素直に感心するわ……」

ことり「あとは穂乃果ちゃんたちが知ってる通りだよ?」

ことり「穂乃果ちゃんを講堂まで追いかけて、ツバサさんが出て来て」

ことり「ツバサさんに海未ちゃんが捕まると思って、急いで逃げて」

穂乃果「あ、だからあの時あんなにも慌ててたんだ……」

ことり「ツバサさんが出て来た時は本当にビックリしたよ?」

ことり「逃げてる最中も心臓が破裂しそうだったし」

ツバサ「私に捕まれば全部台無しだもんね」

ことり「はい。本当に怖かったです」

735: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 20:03:38.95 ID:Wl4NWFPn.net
海未「そして最後は安全な部室まで私を連れて、逆襲手錠で捕まえた、ですか」

穂乃果「すごい! すごいよことりちゃん!!」

穂乃果「私なんてただ走ってるだけだったのに、そんなにもいろんなこと考えてたなんて!」

希「愛のなせる力やね」

花陽「凄過ぎます……」

ことり「一応全部説明したつもりだけど……まだ何か分からないことはある?」

海未「いえ、大丈夫です……」

海未「どうして私が捕まったのか、何故穂乃果が鬼でことりが獲物なのか……全て分かりました」

ことり「……本当にごめんね、海未ちゃん」

海未「どうしてことりが謝るんです?」

ことり「だって、私……海未ちゃんの邪魔して……」ウルウル…

海未「!」

736: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 20:09:29.54 ID:Wl4NWFPn.net
ことり「海未ちゃんは穂乃果ちゃんのことが好きなのに……それなのにっ……」

海未「ことり……」

ことり「応援しなくちゃって、好きになっちゃダメだって分かってるんだけどねっ……」

ことり「それでも私、海未ちゃんのことが好きでっ……諦められなくてっ……」ポロ…

海未「な、泣かないでくださいっ!?」

海未「まま、まずは気持ちを落ち着けてっ……!」

ことり「ごめんなさい、海未ちゃんっ……」ギュ…

海未「っ!?」

ことり「好きになって、ひぐっ、ごめんなさいっ……」

海未「…………」

738: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 20:15:08.84 ID:Wl4NWFPn.net
花陽「純愛だね……」

凛「純愛だにゃ……」

にこ「……いきなりメロドラマ始まったわけだけど、この2人どうすんの」

希「とりあえず見て見ぬフリやね」

真姫「穂乃果が鈍感だからこんなにも拗れるのよ」

穂乃果「わ、私のせいなの!?」

ツバサ(あれを無視出来るってμ'sのスルースキルはすごいわね……)

雪穂「え、えっと、一段落着いたようなので結果発表に戻ります」

739: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 20:17:41.30 ID:Wl4NWFPn.net
雪穂「次に見事鬼から逃げ切った獲物を表彰します」

雪穂「南ことりさん、ですけど……」


ことり「ぐずっ、うぅ……海未ちゃぁん……」


雪穂「……そ、それどころじゃないみたいなので、表彰を終えます」

雪穂「えっと、ここに10万円置いときますね……?」

絵里「こんなにも存外な賞金の扱い方ってあるのね……」

希「結果発表にドラマが待ってるっていうまさかの展開やからね」

740: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 20:21:40.86 ID:Wl4NWFPn.net
雪穂「最後に。綺羅ツバサさんにも鬼からのペナルティを受けてもらいますので、そのつもりでいてください」

ツバサ「あはは、やっぱりそうなるんだ」

穂乃果「えっと、私がするんだよね……?」

にこ「アンタ天下の綺羅ツバサに変なことしたらどうなるか分かってるでしょうねっ……!?」

穂乃果「へへ、変なことなんてしないよ!!?」

ツバサ「あはは、私は穂乃果さんなら大歓迎よ?」

穂乃果「ええええ!?」

にこ「穂乃果ぁぁ……!」

花陽「羨ましいです……!」

穂乃果「ね、ねえ真姫ちゃん、ペナルティって何をすればいいの……?」

真姫「ヴぇぇえ!? わ、私に訊かないでよっ!?」

凛「かよちんは凛にどんなペナルティーしてくれるのー?」ギュ

花陽「ふぇえ!?」

741: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 20:29:58.90 ID:Wl4NWFPn.net
希「自分がしたいこと相手にすればええやん?」

穂乃果「うーん、そう言われても……」

希「例えばこんな感じで」ワシ

絵里「ちょっ!?」

花陽「むむ、無理! 無理です!!?」

希「うーん、花陽ちゃんと穂乃果ちゃんはペナルティの内容が思いつかんみたいやね……」

にこ「みんながみんなアンタたちみたいに煩悩に溢れてると思ったら大間違いよ」

真姫「なんで私の方見るのよ!」

にこ「見てないわよ!?」

希「うーん、でもゲームのオチとしてペナルティはしてもらわな困るしなぁ」

ツバサ「なら、最低限のラインだけ用意して、それ以上は個人に任せる、って形にすれば?」

希「と、いうと?」

ツバサ「例えば……捕まった人に自分のクリスマスをプレゼントする、とか」

真姫「!」

743: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 20:34:52.13 ID:Wl4NWFPn.net
希「それは名案やね!」

希「初心な子はクリスマスデートで済むし、おませさんはラブホテルゴーやし!」

絵里「ちょっ」

海未「なっ」

希「うん、決定! その日はなんでも言うこと聞く、っていう条件も追加で」

にこ「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!? そんな凶悪な条件アリなわけ!?」

希「そらあくまでペナルティやし」

穂乃果「クリスマスデート……」

花陽「それなら分かりやすくていいかも……」

希「ことりちゃんもそれでええ?」

ことり「うん……」

希「決まりやな♪」

746: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 20:39:41.65 ID:Wl4NWFPn.net
凛(かよちんとクリスマス……)

凛(去年も一昨年も一緒だったから今まで通りかも)

絵里(希とクリスマスに2人きり……本当に2人だけで過ごすのって初めてかも)

絵里(なんでも言うこと聞く、っていうのがすごーく引っかかるけど……)

にこ(クリスマスねぇ。いつもは家族で過ごしてたけど……)

にこ(……年下のくせに、残りの人生貰うとか……バッカじゃないの……)

海未(クリスマス……)

海未(ことりの想いや自分の気持ちと向き合うには良い機会なのかもしれません)

海未(私の心は……一体誰を……)

穂乃果(ツバサさんとクリスマスかぁ……)

穂乃果(な、なんか今から緊張して来るかも……失礼の無いようにしなくちゃ……)

747: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 20:44:49.17 ID:Wl4NWFPn.net
希「さ、映像もバッチリ撮り終わったし、今日はこれで解散やね」


希「クリスマスまであと2日……」

絵里「……」


凛「楽しみだにゃー」

花陽「そうだね」


真姫「見ないで」

にこ「見てない」


海未「……」

ことり「……」


穂乃果「……」チラ…

ツバサ「~♪」


希「みんな思い思いの計画を立ててな♪」


終わり

748: (湖北省)@\(^o^)/ 2014/12/24(水) 20:45:46.69 ID:Wl4NWFPn.net
お疲れ様でした
ことうみ人気だったんでかなり増量したのは内緒です
ありがとうございました

引用元: http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1418883054/

タイトルとURLをコピーしました