【SS】絵里「海未、ポッキーゲーム？っていうのしましょ♪」海未「どんな遊びなのですか？」

絵里「さぁ･･･？　海未、聞いたことない？」


海未「知らないのに誘ったんですかっ？！」
　

絵里「でもポッキーって付くからポッキーを食べるんでしょう？」スッ

海未「わざわざ持ってきたんですね、ポッキー･･･」いただきます

絵里「今日ってポッキーの日らしいのよ。
　　　だから希がね、仲良くなりたい人とやってみれば？って」

海未（････なんでしょう、妙な寒気がしたのですが･･･）


絵里「だから、ね？　うーみっ」ぎゅ

海未「う･･･それより練習計画ですっ！
　　　ハロウィンライブの反省もふまえてステップを中心に――」


絵里「･･･そっかぁ。海未は私と、仲良くなりたくなかったのね」しょぼーん

海未「えっ」

絵里「ほんとは海未とはすごいシンパシー感じてたのよ？
　　　でも結局、そんなの私だけだったのね･･･やんなっちゃうわぁ」いじいじ

海未「あぁああ分かりましたやりますやればいいんでしょうっ！」


絵里「そう来なくっちゃ♪」ﾙﾝﾙﾝ

海未（どうして私はいつもこうなのでしょうか･･･）うぅ
　

海未「それで、私は何をすれば？」

絵里「そうねえ････ではまず、ポッキーの箱を開けて、袋から出します」

海未「はい」ﾊﾟｶｯ

絵里「一本取り出して、相手の目の前に近づけてください」

海未「こう、ですか？」ｽｯ

絵里「･･･あむっ」ﾊﾟｸｯ もぐもぐ

海未「････」


絵里「おーいしい♪　いつもよりチョコが甘い感じがするわ！
　　　これって大好きな人がくれたからかしら？」えへへ

海未「･･･すみません。用事を思い出したので先に」ｶﾞﾀｯ

絵里「ごめんなさい今のは冗談だからぁっ！」ぎゅっ
　

絵里「でね？　まず“ゲーム”って付くからルールがあるはずなのよ。
　　　でないと勝敗が決まらないでしょう？」

海未「あの、希からルールは説明してもらわなかったんですか？」

絵里「希が説明する前に、にこに邪魔されちゃって･･･
　　　絵里に余計な入れ知恵するなって。失礼しちゃうわよね？」まったくもうっ

海未（ますますいやな予感がしてきたんですが･･･）


絵里「“仲良くなりたい人と”なんだから、二人以上でやるゲームなのよね」

海未「そうですね･･･でしたら、全員集まってからの方がいいのでは？」

絵里「そうね。だったら私たちは先に特訓しとかなくちゃ♪」

海未「特訓も何もルールが分からないじゃないですか･･･」はぁ

絵里「それを今考えてるんだけどね、」むむむ


絵里「あっ。海未、ちょっとその袋のポッキー全部貸して！」

海未「なにか思いついたんですか！」わくわく

絵里「王様だーれｄ」

海未「絵里。それは別のゲームです」

絵里「うん、分かってた･･･」ｼｭﾝ
　

絵里「とにかく、ポッキーを使って複数人でやるゲームではあるのよ」

海未「もう希に聞いたらいいんじゃないですか？」

絵里「私もそうしたのよ、昼休みに。
　　　そしたら、折れた方が負け、とまでは教えてくれたんだけど、
　　　あとは『面白いから海未ちゃんから聞いて♪』って流されちゃって」

海未（確信しました･･･絶対よからぬ遊びですよ、これ）げっそり


海未「もう、普通に早食い競争か何かでいいんじゃないですか？」

絵里「それだったら“折れたら負け”なんて言い方しないでしょう。
　　　あと仲良くなれる要素がなさそうじゃない」むぅ

海未「かえってギスギスしそうですね･･･
　　　となると、あの、普通に食べるのとは少し違うのでは？」

絵里「ああ･･･なるほど、食べ方ね。それは気づかなかったわ」はらしょー

海未「では、まずはその線で攻めてみましょう！」
　

海未「食べ方･･･折れた方が負け･･･
　　　つまりポッキーを折らないように食べる、ということでしょうか？」

絵里「それは無理よ。棒のまま食べたらのどにつっかえちゃうわ」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

海未「そうですよね。
　　　やっぱり、何かの比喩表現と捉える方が自然でしょう」たべすぎです

絵里「比喩表現･･･分からなすぎて、もう私の心が折れそうよ」けちぃ


海未「･･･ああ、それです！ 絵里、きっとそのことですよ！」ﾊﾟｱｧ

絵里「なにか分かったの？」ｳｽﾞｳｽﾞ


海未「たぶん、相手の心が折れるようにするゲームなんです！
　　　だからきっと、食べるのを妨害するんですよ！」

絵里「････はらしょー！ 海未、すごいわあっ！」ぎゅうっ

海未「え、えりぃ？！」///
　

　　　☆――暫定ルール――☆

　・一人一袋のポッキーを食べる

　・食べながら他の人が食べるのをジャマする

　・先に無事に食べ終わった方が勝ち


海未「まとめると、こんなところでしょうか」ふぅ

絵里「･･･完璧ね。これこそがポッキーゲームよ！すごいわ海未！」ﾊﾟｱｧ

海未「ま、まあ私は状況から推論しただけですけどねっ」///


絵里「あ、でも待って。
　　　羽交い締めとか口をふさぐのはさすがにナシじゃない？」

海未「そうですね･･･では、そのあたりは反則として書き加えます」ｶｷｶｷ


海未「それじゃあ一回戦、挑戦してみましょう！」

絵里「じゃあ勝った方は罰として一回なんでも言うこと聞いてね♪」すたーと！

海未「え　ちょっええっ！？」
　

海未（まずいです、とにかく早く食べないと･･･）ﾋﾞﾘｯ あむっ

絵里「･･･」じーっ

海未（･･･あれ、絵里は食べない･･･？）もぐもぐ


絵里「海未。好きよ」

海未「っ！？」ごふぉっげほっ
　

絵里「海未、かわいい。もぐもぐ･･･私、
　　　海未みたいなきれいな人、見たことない」ふふっ

海未（な、なにを言い出すんですかこの人はぁっ///）

絵里「そうやって一本ずつ食べてる姿、リスさんみたいね。
　　　海未の指もきれい、ポッキーよりそっちをたべたくなっちゃう」くすくす

海未「なっ、何を･･･ってもう３分の１近く食べたんですか？！」


絵里「ぱくっ･･･もう、海未ったらもう顔が赤くなっちゃって。
　　　んくっ、もぐもぐ･･･照れてるのかしら？　海未ちゃん♥」ｳｲﾝｸ

海未「っ！///」

海未（だ、駄目です･･･///　あれは絵里の精神攻撃です･･･！）ﾐｴﾅｲｷｺｴﾅｲ
　

絵里「うーみっ。こっち向いてったらぁ」

海未（無心で食べるのです･･･明鏡止水です････）ﾊﾟｸﾊﾟｸﾊﾟｸﾊﾟｸ

絵里「･･･そうはいかないんだから」むぅ


絵里「ねぇ、･･･海未」ふぅ

海未「ひゃんっ！///　なっ、いまっ耳にふぅーって！！///」

絵里「･･･息は食べるのに関係ないから、反則じゃないのよね？」ふーっ

海未「やっ･･･そういう問題じゃなくｔひゃああんっ///」ﾋﾞｸｯ


絵里「ねぇ海未？　私のポッキー、もうあと３本になっちゃった」ﾆｺｯ

海未（そ、そうです！ まずいです、早く食べないと何をされるか、）ﾓｸﾞﾓｸﾞ

絵里「あなたの罰ゲーム、何がいいかしら？」くすっ

海未（だめです、このままじゃ絶対間に合わない――）


海未（こ、こうなったら！！）


絵里「あーんっ･･･そうだ、いいこと考えちゃった。
　　　海未のおててでポッキーを･･･ひゃふぅっ！？///」ﾋﾞｸﾋﾞｸｯ
　

海未「すみません、ちょっと絵里の制服にポッキーがこぼれたので」ぺろっ

絵里「やぁっ///　そんなの、ウソに決まって･･･って、あなた何を！？」

海未「ああーすみません！絵里のシャツのなかに、私の食べこぼしが、」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

絵里「やだ、チクチクするからやめ･･･ぅううっ！///」ﾋﾞｸｯ


海未「あっ絵里の首がチョコでよごれちゃいました」ぺろりっ

絵里「ぅああっ//　海未のえ　ち、そんなのノーカンよっ！！」ｸﾞｽｯ

海未（っ！　さすがにやりすぎましたか･･･？）

海未（いやいやダメです、この人はそうやって私をからかってくるんですから！）ｷｯ


海未「すみません。ちょっとこぼれたのを取らせてください」ぷちぷち

絵里「ちょっなにするのっヘンタイ！ そんな、おなかが･･･ひゃふぅっ///」

海未「あの、ちょっとブラをあげてもらっても」ちゅう

絵里「ぁああっ///　だめよぉっ、こんなのだめっ･･･うみぃゆるしてえっ！」ﾋﾞｸｯ
　

　　◆　　◆　　◆


希「でね、そういうえりちはフレンチクルーラーやん！って言ったらにこっちが」あはは

ｶﾞﾀｶﾞﾀｯ

ことり「ねえ希ちゃん？　部室、もう誰か来てるの？　さっき変な音が･･･」

希「えっ？　ああ、えりちと海未ちゃんが････ってことは、」

ことり「まさか、ほんとにポッキーゲーム？！　あの海未ちゃんたちがっ！？」きゃー


希「いやいやいや、まだ早いまだ早い！
　　えりちが乗り気でもきっと海未ちゃんが止めてるって！」

ことり「そっかぁ･･･でも、もしポッキーゲームしてたら、」

希「えりちに５００円」

ことり「希ちゃん、二人とも同じ人に賭けちゃったら成り立たないよ･･･」あはは


希「でも、どっちにせよ面白いものが見れそうやん？」にやり

ことり「海未ちゃーん、はいるよー」ふふっ

ガチャッ



海未「んちゅ･･･くちゅ･･･んくっぷはあっ･･･」ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ

絵里「やだあっ･･･！/// うぁっ、ちゅうこわいぃっ///へんになるからやあぁっ！///」ﾋﾞｸﾝｯ


ことり「」
　

絵里「やだぁ･･･こないでっ！ えりちかのこといじめるぅ･･･！」えぐえぐ

ことり「絵里ちゃん大丈夫だからねっ！ひどいことしないからね！？」あわわわ

絵里「もうやあっ、みんなきらいよ、えりちか、おうちかえるぅう」ぽいっ

ことり「スカート投げちゃだめっ！？　ていうかおうち帰る前に服を着てーっ！」



海未「ふふふ･･･決まりました、これで大きくリードして勝負は私に、」ふふーん

海未「って、希！？ い、いつからそこにいたのですかっ！？」


希「･･･えーとね？　園田さん。えりちに何してたの」

海未「何って、それは････」


　→ 【☆――暫定ルール――☆】


海未「ポッキーゲームです！」えっへん

希「全っ然違うわあほー！！！」
　

海未「えっ　だって、ポッキーゲームって、絵里がさっき、」あたふた


海未「･･･は？　一本を、二人で？　両方からくわえて？」きょとん


海未「でもそれじゃ、･･･っ、キス、しちゃいますよっ･･･///」もじもじ



海未「･･･する寸前で止めるのですか」


海未「先に照れた方が、負け？　それは初めて聞きました」ほぉ


海未「ああ･･･ポッキーゲームとはそのような趣旨だったのですね」なるほどー

海未「･････」





海未「ぁぁぁあぁあああああぁあああーーっっ///」ああああっ
　

――――――
――――
――


海未「もうしにますぅ！離してくださあい！！///」ｶﾞﾝｶﾞﾝｯ

希「海未ちゃん頭突きはだめ！ 部室の壁こわれちゃうからっ！」がしっ

海未「だめですぅ私は最低なんですぅうう頭ぶつけて自害しますぅううう」じたばた

希「そしたら生きて罪を償おう？　ねっ？」


絵里「ぐすっ･･･うみ、ひどいのよっ、えりちか怖かったの･･･」ｴｸﾞｴｸﾞ

ことり「うんうん、怖かったね、海未ちゃんあとで叱っとくからね、」なでなで

絵里「はじめてはねっ、海岸沿いの夜景の見えるホテルでねっ
　　　ブランデーをかたむけて、ロマンチックにって決めてたのに、うみがぁ･･･」ｸﾞｽｯ

ことり「う、うん･･･そうだねー大変だねえー･･･」しらないよそんなの･･･

絵里「それでねっ、エリチカ、先にシャワー浴びなさいって言うの、
　　　夜景を見ながら、湯上がりのうみのね、ぐすっ、バスタオルに手を伸ばしてね、」

ことり「そうだねえー、つらかったねー･･･」なでなで
　

こうしてμ'sでは「ポッキーゲーム」は禁句になったにこ

あのバカはことりと、話を聞いた穂乃果からこっぴどく叱られたにこ

それでなんか知らないけど海未は絵里の責任を取るってことで収まったわ

結果的に二人が仲良くなれたってのが、こう、腹立つわね･･･

最後に、希のやつは、絵里が････うん、忘れたにこ☆

いや私に聞かないで。あれは不幸な事故だったのよ、うん




絵里「――ところで海未、知ってる？　
　　　希が言ってたんだけど、きのこの山とたけのこの里ってね、」

海未「私もう絶対なんにもしないですからねっ！？」ビクッ

絵里「今回はそういうのじゃないからぁっ！」



完