【SS】穂乃果「真姫ちゃんを怒らせた」

穂乃果「いや〜クレープ美味しい〜」

ヒデコ「あはは。穂乃果ほっぺにクリーム付いてるよ」

穂乃果「え？本当？」

ことり「反対側だよ〜穂乃果ちゃん」

ヒデコ「こうして二人と遊ぶのも久しぶりだよね」

ミカ「μ'sを結成してから忙しかったもんね」

ヒデコ「しかも今や生徒会長だもんね。信じられないなぁ」

穂乃果「だよね〜」
　

凛「あっ！穂乃果ちゃん！」

穂乃果「え？あっ、凛ちゃん！」

ことり「凛ちゃん。こんにちは」

凛「こんにちは」

穂乃果「こんな所で奇遇だね。何してるの？」

凛「ちょっとお買い物に。穂乃果ちゃんこそ何してるの？」

穂乃果「せっかく部活休みだし久しぶりにヒデコ達と遊びに来てるんだよ」

凛「そう言う事言ってるんじゃなくて。今日、真姫ちゃんと映画に行く約束してなかった？」

穂乃果「え？」

ことり「穂乃果ちゃん…？」
　

凛「なんか二人が好きな映画の続編やるから観に行こうって盛り上がってたじゃん。真姫ちゃん楽しみにしてたよ」

穂乃果「それって…来週のはず…」

ことり「来週は練習あるよ？」

穂乃果「え…そんなはずは…」　

ヒデコ「だ、大丈夫？」

ミカ「もしかして真姫ちゃん待ってるんじゃない？」

穂乃果「…………げっ…着信入ってる……」

ヒデコ「あの……私達の事は良いからさ」

ことり「うん。真姫ちゃんの方に行ってあげた方が…」

穂乃果「ことりちゃん、ヒデコ、ミカ。ごめん」

ヒデコ「うん。早く行ってあげな」
　
穂乃果「この埋め合わせいつかするから。じゃあ」
　

ヒデコ「…………大丈夫かな？」

ミカ「さあ？」

ことり「所で凛ちゃんは…今からラーメン食べに行くの？」

凛「うん。3人も行く？」

ことり「今…15時だよ？」
　

ー映画館前ー

真姫「……………遅い」

穂乃果「真姫ちゃーーーーん。おーーーい」

真姫「穂乃果！」

穂乃果「ごめん、真姫ちゃん」

真姫「遅い。何時だと思ってるの？」

穂乃果「何時？」

真姫「2時間も遅刻だわ」

穂乃果「ご、ごめん。勘違いしてて…」

真姫「勘違い？」

穂乃果「来週かと…でもさ〜2時間も来ないんだから」

真姫「2時間も待たせといて…」

穂乃果「ご、ごめん。そうだよね。あの…じゃあ…行こうか」

真姫「知らない」

穂乃果「え？」

真姫「もう絶交よ。帰る」

穂乃果「えぇ…ちょっ…真姫ちゃん？」

真姫「ついて来ないで」
　

ー翌日ー

穂乃果「と言う感じで…かなり怒ってて…」

にこ「そりゃあ怒るわよ。2時間でしょ？」

穂乃果「うん」

絵里「ちゃんと謝ったの？」

穂乃果「それが電話しても出てくれないし…メールの返事もないしで…」

にこ「相当怒ってるわね」

穂乃果「かなぁ？」
　

海未「日頃だらしないからそうなるんです」

ことり「あはは…」

穂乃果「だ、だらしないのは関係ないじゃん。ちょっと勘違いしちゃったんだよ」

絵里「言い訳はいいから。真姫が来たら第一声謝るのよ」
　

ガチャ

花陽「お疲れ様です」

穂乃果「あっ、花陽ちゃん」

花陽「あっ……穂乃果ちゃん……」

穂乃果「あのさ花陽ちゃん。真姫ちゃんは一緒じゃ…」

花陽「えっと…」

真姫「私がなんですか？」

穂乃果「真姫ちゃん！」
　

真姫「なんですか？」

穂乃果「…あの…昨日は…ごめん」

真姫「別にどうでもいいです」

穂乃果「いや…でもさ」

凛「取り敢えず入口でやるのやめて欲しいにゃ。凛も中入りたいんだけど」

穂乃果「あっ、ごめん」　
　

真姫「………」

穂乃果「真姫ちゃん。本当に昨日は…ごめんなさい」

真姫「だからどうでもいいです」

穂乃果「なんで敬語なの？」

真姫「別に深い意味はないです」

穂乃果「えぇ…」
　

にこ「あれ…やっぱり相当怒ってるわね」

花陽「うん…みたいだね。凛ちゃんから話は聞いたけど…」　

穂乃果「真姫ちゃん…あのさ…」

真姫「………」

穂乃果「真姫ちゃん」

真姫「しつこい」　

穂乃果「だ、だってぇ」
　

ことり「あのね真姫ちゃん。昨日は私が穂乃果ちゃんを遊びに誘っちゃったの…」

穂乃果「ことりちゃん」

真姫「だから？」

ことり「え…」

真姫「別にそんなの関係ないじゃない。先に約束があるからって断れば良いんだから」

にこ「もっともね」
　

海未「真姫。真姫が怒るのも分かります。ですが、いつまでも怒っていると疲れるでしょう？」

真姫「だから」

海未「確かに穂乃果は遅刻はよくするし、いい加減な事を言うし、粗忽で大雑把で…この間なんて朝全然来ないから家まで行ったらまだ寝てて。本当にだらしがないんですよ。だいたい穂乃果からは気を付けようと言う気概が感じられません」

絵里「う、海未。あなたまで怒り始めないでよ。収拾つかないから」

海未「え…あっ…すいません」
　

穂乃果「勘弁してよ海未ちゃん」

海未「あなた反省してます？」

穂乃果「してるよ…」

真姫「………」

にこ「まあ真姫。大人になりなさい。過ぎた事じゃない」

真姫「にこちゃんには言われたくないんだけど」

にこ「はあ？なんですって」

絵里「だから…ややこしくしないでって…」
　

穂乃果「真姫ちゃん…」

真姫「はあ…しつこいです」

穂乃果「お願いだから敬語やめてぇ。キツい…」

真姫「私もキツかったですけどね。寒いなか2時間も待たされて。お昼も食べずに」
　

穂乃果「うっ…はい…」

真姫「それじゃあ」スッ

穂乃果「え？どこ行くの？」

真姫「屋上ですけど」

穂乃果「な、なるほど」
　

〜屋上〜

絵里「じゃあペアになって」

凛「か〜よちん」

花陽「うん」

希「ふ〜ん。それで真姫ちゃん怒ってるんや」

にこ「そうなのよ。穂乃果も穂乃果だけど、真姫も真姫よね。普通2時間も来なかったら帰るわよね」

希「まあね」

にこ「ね。それよりさ…そろそろ降ろしてくれない？ね！降ろして！ちょっと！降ろしてよ！」

穂乃果「あの…真姫ちゃん…。一緒にストレッチ…」

真姫「結構です」

穂乃果「でも…他に…」

真姫「他の人とやれば良いじゃないですか」

穂乃果「そうなんだけど…あの…今日は真姫ちゃんと…」
　

真姫「私は他の人とやるので高坂さんも他の人とやって下さい」

穂乃果「その呼び方やめてよ…私高坂さんじゃない…」

絵里「いや…高坂さんでしょ…」

穂乃果「真姫ちゃん。もう許してよ。土下座でもなんでもするからぁ」

真姫「結構です」

絵里「真姫。確かに穂乃果がやった事は酷いけど、もう許してあげてもいいんじゃない？」
　

希「そうやん真姫ちゃん。怒るのだって疲れるやろ？穂乃果ちゃんだって反省してるんやし」

穂乃果「うん、うん」

海未「真姫の気持ちは凄く分かります。ですが、ここは一つ真姫が大人になって許してあげてくれませんか？」

真姫「……私が何で怒ってるか分かる？」

穂乃果「そりゃあ…2時間も待たせたから…」

真姫「違う…」

穂乃果「え？ち、違うの？」
　

にこ「じゃあ何で怒ってるのよ？」

穂乃果「真姫ちゃん……」

真姫「自分の胸に聞いてみれば？」

穂乃果「胸…？胸に？」

真姫「帰る」

穂乃果「真姫ちゃん！！？」

真姫「ふん」
　

穂乃果「あの…待って真姫ちゃん…」

真姫「何よ…」ピタッ

穂乃果「タオル忘れてる…」

真姫「………知らない！！！！」タッタッタッ

穂乃果「あっ…」

絵里「バカ…」
　

凛「穂乃果ちゃん」

穂乃果「なに？」

凛「真姫ちゃんが何で怒ってるか本当に分からないの？」

穂乃果「それは…だから…約束をすっぽかしたから」

凛「そうなんだけど、そうじゃないんだよ」
　

穂乃果「そうなんだけど、そうじゃない？どう言う事？」

凛「本当に分からないだね」

穂乃果「だって…」

花陽「穂乃果ちゃん。真姫ちゃんは穂乃果ちゃんと映画に行くのを凄い楽しみにしてたんだよ」

穂乃果「そうなの？」

花陽「真姫ちゃんは口にはしないけど、分かるんだ」

絵里「真姫がどんな気持ちであなたを待ってたか。寒空の下で2時間。分からないあなたじゃないでしょ？」

穂乃果「うん…」
　

ことり「穂乃果ちゃん、何してるの？」

穂乃果「え？」

ことり「早く真姫ちゃんを追いかけなきゃ」

にこ「そうよ。あの子意地っ張りで不器用な癖に寂しがり屋なんだから。今頃、半べそかきながら歩いてるわよ」
　

ことり「ほら、早く！」

穂乃果「う、うん。分かった」タッタッタッ

にこ「全く…手のかかる子ね」

希「誰かさんみたいやね」

にこ「誰の事よ？」

希「別に〜」
　

真姫「はあ……」

穂乃果「真姫ちゃーーーーーん」

真姫「え？」

穂乃果「真姫ちゃん。待って」

真姫「穂乃果…何しに来たのよ」

穂乃果「謝りに」

真姫「………もういいわ。私も少し大人気なかったから」
　

穂乃果「ううん。私が良くないの」

真姫「は？何を言って」

穂乃果「私、真姫ちゃんと映画に行きたいの。どうしても一緒に観たいの」

真姫「穂乃果…あなた…」

穂乃果「分かってる。こんな事言える立場じゃないって。でも、嘘じゃないの。私だって楽しみにしてたんだから！！！」
　

真姫「なにそれ…ふふっ…ふふふ…あはははは」

穂乃果「え？え？」

真姫「あ〜可笑しい。自分が約束すっぽかしておいて何言ってるのよ。謝りに来たとか言って一言謝ってないし」

穂乃果「うっ…それは…」

真姫「も〜なんかバカバカしい」

穂乃果「真姫ちゃん…」

真姫「仕方ないわね。穂乃果がこんなんだもん。私が大人にならなくちゃ」
　

穂乃果「そ、それって。許してくれるの？」

真姫「もういいわよ」

穂乃果「ま、真姫ちゃん！」

真姫「今から練習戻るのもね…どうする？」

穂乃果「どうするって…それって…」

真姫「これ以上野暮な事は言わないでよね」

穂乃果「うん！！今すぐに時間調べるから！」
　

真姫「ふふっ」

穂乃果「あっ！あと30分しかない！」

真姫「え？間に合う？」

穂乃果「走れば！行こう！」

真姫「ちょっと。も〜夕飯は穂乃果の奢りだからね」

穂乃果「え〜真姫ちゃんお金持ちなのに」

真姫「それとこれとは関係ないのよ」

穂乃果「は〜い」
　

その頃

海未「帰ってきませんね…二人とも」

凛「もしかして…喧嘩になっちゃったかな？」

にこ「え…どうする？まだ待つ？」

希「なんで電話の電源切ってるんやろうね…二人とも」

凛「もしかして…何かあったのかな！！？」

絵里「いや…映画観てるんじゃない？」
　

完