【SS】真姫「この自動販売機からにこちゃんの声がするわ」

まき SS


1: 2015/12/07(月) 18:35:03.59 ID:txc9XuhI0.net
学校の帰り道


真姫「……今日、パパもママもいないからひとりでご飯作らないといけないのよね」 

真姫「……別に1人でもなれてるからいいんだけど」 

真姫「にこちゃんが泊りに来てくれるなら寂しくないんだけど……って何言ってるのよ私!」 

真姫「……」 

真姫「……」ハァ 


『いらっしゃいにこ~♪』 


真姫「あれ……?」 

真姫「この声……にこちゃん?」

2: 2015/12/07(月) 18:37:01.42 ID:txc9XuhI0.net
『お飲み物は何にするにこ?』 


真姫「……にこちゃん?」 


『いらっしゃいにこ~♪』 


真姫「おかしいわね……自動販売機以外何も見当たらないのに」キョロキョロ 

真姫「……ひょっとして、中に居るの?」 


『またの来てくれると嬉しいにこ♪』 


真姫「……何やってるのよ、そんな所で」

3: 2015/12/07(月) 18:40:05.79 ID:txc9XuhI0.net
真姫「あ、もしかしてアルバイト?先生に見つかったら怒られるわよ?」 


『……』 


真姫「だいたい、どうして突然バイトだなんて……あ」 

真姫(そういえば、そろそろ私の誕生日だったかしら…) 


『いらっしゃいにこ~♪』 


真姫(もしかしてその為にお金を稼いでるとか……) 


『お飲み物は何にするにこ?』 


真姫「……ふふっ、しょうがないわね、売り上げに貢献しなさいってことね」 

真姫「感謝しなさいよ、にこちゃんっ」カチャッ

4: 2015/12/07(月) 18:41:44.09 ID:txc9XuhI0.net
ガラガラコローン 


『毎度ありがとうにこ♪』 


真姫「しょうがないわね、穂乃果達には黙っといてあげるわ」 

真姫「あんまり無理しないでね?」 


『また来てくれると嬉しいにこ♪』 


真姫「じゃあね、にこちゃんバイト頑張ってね」

6: 2015/12/07(月) 18:45:01.95 ID:txc9XuhI0.net
翌日~ 


真姫「さて……そろそろ帰ろうかしら」 

真姫(にこちゃん、今日もバイトしてるのかしら) 

真姫(ちょっと寄ってみましょ)

穂乃果「……真姫ちゃん」 

真姫「ん?穂乃果、どうかした?」 

穂乃果「……今日も、帰っちゃうの?」

真姫「うん、ちょっと寄らなきゃ行けない所があって…」 

穂乃果「そ、そっか……」 

真姫「じゃあ、また明日」 

穂乃果「うん……ばいばい、真姫ちゃん」

7: 2015/12/07(月) 18:47:40.03 ID:txc9XuhI0.net
真姫「ん、雨ね……」 

真姫「ちょうど傘持ってきておいてよかったわ」タッタッタッ 



『いらっしゃいにこ~♪』 


真姫「……にこちゃん」 


『お飲み物は何にするにこ?』 


真姫「傘もささないで何やってるのよ」

8: 2015/12/07(月) 18:49:25.71 ID:txc9XuhI0.net
真姫「バイトに一生懸命なのはわかるけど、身体を壊したら元も子もないわよ?」 


『いらっしゃいにこ~♪』 


真姫「はぁ……じゃあ、私が傘差してあげるから、その間にバイト続けたら?」 


『毎度ありがとうにこ♪』 


真姫「ど、どういたしまして」テレッ

10: 2015/12/07(月) 18:52:54.41 ID:txc9XuhI0.net
ガラガラガラコローンッ 


『また来てくれると嬉しいにこ♪』 


真姫「……なかなか儲かってるんじゃない?にこちゃん」 


『……』 


真姫「ま、忙しいのは良い事よね」 


「あの子どうしたのかしら、自動販売機の横でずっと立ってるみたいだけど」 

「マチアワセデモシテルンジャナイノカ?」 

「けど、自動販売機に話しかけてるみたいよ?」 

「かんっぜんにフルハウス」 

「確か昨日も居たわね、ここの自動販売機使うのやめましょうか」

「ソウダナ」

11: 2015/12/07(月) 18:55:34.92 ID:txc9XuhI0.net
真姫「にこちゃん」 


『お飲み物は何にするにこ?』 


真姫「最近部活来てないわね」 


『いらっしゃいにこ~♪』 


真姫「穂乃果達も寂しがってるわよ」 


『……』 


真姫「バイトが忙しいのは判るけど、ちょっと顔出しなさいよ…」 


『また来てくれると嬉しいにこ♪』 


真姫「はいはい……もう帰るわよ、にこちゃんもバイト頑張ってね」

12: 2015/12/07(月) 18:58:27.22 ID:txc9XuhI0.net
翌日~ 

屋上~ 


花陽「ま、真姫ちゃん?どうしたの?こんなに沢山ジュース買ってきて…」 

凛「わあ、色々あるにゃ~っ」 

真姫「遠慮なく飲みなさいよ?」 

花陽「う、うん、ありがと、真姫ちゃん」 

凛「こんなにあったら皆でも飲みきれないにゃ…」 

真姫「ふふっ、まぁにこちゃんからの差し入れなんだけど」 

花陽「え……」 

凛「……え」

13: 2015/12/07(月) 19:02:37.66 ID:txc9XuhI0.net
真姫「ほら、にこちゃんも色々忙しいみたいで、部活に来れてないでしょ?」 

凛「……」 

真姫「そのお詫びだと思うんだけど昨日私が受け取ってきたのよね」 

花陽「……」 

真姫「花陽や凛達に会えなくてにこちゃんも寂しいって言って……」 

凛「……真姫ちゃん」 

真姫「?」 

花陽「……あ、あはは……真姫ちゃん冗談なんだよね…?…あはは……」 

真姫「冗談?」 

花陽「最近部活の雰囲気が沈んでるから……冗談でそんな事言ってるんだよね……?」 

真姫「別に冗談なんかじゃ……」

凛「真姫ちゃん!」

14: 2015/12/07(月) 19:05:11.49 ID:txc9XuhI0.net
真姫「ど、どうしたのよ凛……突然大きな声出して」 

凛「……にこちゃんは……もう居ないんだよ」 

真姫「え?」 

花陽「……」 

凛「冗談でも……こういう事はしないで欲しいよ……」 

真姫「凛?」 

花陽「……ご、ごめんね…私、今日はもう帰るね…」 

真姫「花陽?」 

花陽「ごめんっ……」タッ 

真姫「ど、どうしちゃったのよ二人とも」 

凛「……真姫ちゃんこそどうしちゃったの…」

15: 2015/12/07(月) 19:06:42.69 ID:txc9XuhI0.net
真姫「どうしたって……私は別に普通だけど」 

凛「……にこちゃんが、可哀そうだよ」 

真姫「え?」 

あかり「真姫ちゃんがそんなんじゃ……にこちゃんが可哀そうって言ってるの!」 

真姫「り、凛、落ち着いて……」 

凛「真姫ちゃんの……ばかぁっ!」タッ 

真姫「り、凛っ!」

16: 2015/12/07(月) 19:08:10.16 ID:txc9XuhI0.net
真姫「二人ともいっちゃった……」 

真姫「どうしたって言うのよ、にこちゃんが部活に来ないのがそんなに寂しかったのかしら」 

真姫「……」ハァ 

真姫「まったく…二人にこんなさびしい思いをさせて」 

真姫「本当に、にこちゃんはしょうがないんだから……」

19: 2015/12/07(月) 19:11:16.31 ID:txc9XuhI0.net
『いらっしゃいにこ~♪』 


真姫「にこちゃん、今日も買いに来てあげたわよ」 


『毎度ありがとうにこ♪』 


真姫「今日はね、花陽や凛と喧嘩しちゃったのよ」 


『お飲み物は何にするにこ?』 


真姫「やっぱりにこちゃんが居ないと……μ’sは駄目なんだと思う…」 


『……』 


真姫「だからさ……早く帰ってきなさいよ」 

真姫「……にこちゃん」

20: 2015/12/07(月) 19:11:50.41 ID:txc9XuhI0.net
すまぬ、前書いたやつのラブライブ版に改変したからキャラ名変になってるかも

21: 2015/12/07(月) 19:13:55.26 ID:txc9XuhI0.net
真姫「そういえば、そろそろ京子がバイトはじめて1週間になるわね」 


『……』 


真姫「目標の金額は溜まったの?」 


『お飲み物は何にするにこ?』 


真姫「そう……まだ頑張らなきゃいけないのね」 

真姫「……」 


『……』 


真姫「……あ、あのね、にこちゃん」 

真姫「私…別にそんな高いものじゃなくても……その……」

22: 2015/12/07(月) 19:15:31.75 ID:txc9XuhI0.net
真姫(うぅ何言ってるのよ私……にこちゃんは一応、誕生日プレゼントの事隠してるつもりみたいなのに…っ) 

真姫(……けど、やっぱりにこちゃんがμ’sにいないのは寂しいわ…) 


『毎度、ありがとうにこ♪』 


真姫(もう……にこちゃんってば鈍感なんだから)

23: 2015/12/07(月) 19:17:18.38 ID:txc9XuhI0.net
真姫「そろそろ暖かくなってきたわね、にこちゃん」 


『お飲み物は何にするにこ?』 


真姫「ええ、冷たい飲み物が欲しくなる季節ね」 


『毎度ありがとうにこ♪』 


真姫「そう毎回毎回は買ってられないわよ?」クス 


『……』 


真姫「もう、拗ねないでよにこちゃん……」



凛「……真姫ちゃん?」

24: 2015/12/07(月) 19:19:33.91 ID:txc9XuhI0.net
真姫「あれ?凛?」 


『いらっしゃいにこ~♪』 


凛「……こんな所に居たんだね」 

真姫「あはは…見つかっちゃったわね……にこちゃん」 


『お飲み物は何にするにこ?』 


凛「にこ……ちゃん?」 

真姫「ええ、最近にこちゃんが部活に来れなかったのは、ここでバイトしてたからなのよ」 


『毎度ありがとうにこ♪』 


凛「……にこちゃんはここには居ないよ…」 

真姫「え……?」

25: 2015/12/07(月) 19:21:20.38 ID:txc9XuhI0.net
真姫「なに言ってるのよ、凛」 

凛「……」 


『お飲み物は何にするにこ?』 


真姫「にこちゃん、ここにいるじゃない」 

凛「……居ないよ」 


『いらっしゃいにこ~♪』 


真姫「……居るわよ」 

凛「……居ないよ」 


『毎度ありがとうにこ♪』

26: 2015/12/07(月) 19:23:02.92 ID:txc9XuhI0.net
真姫「だってにこちゃんの声がするじゃない」 

凛「……」 


『お飲み物』 


真姫「凛にだって、聞こえるでしょ?これはにこちゃんの声よ?」 

凛「……」 


『は何にする』 


凛「確かに……にこちゃんの声だね」 

真姫「で、でしょ?じゃあ……」 


『にこ?』

27: 2015/12/07(月) 19:23:38.16 ID:txc9XuhI0.net
凛「だって、その自動販売機……にこちゃんの声を録音した自販機だもん…」 

28: 2015/12/07(月) 19:27:17.68 ID:txc9XuhI0.net
数ヶ月前~ 


にこ「大変だわ…みんな聞いて聞いて!」 

海未「どうしたんですかいきなり」 

ことり「どうかしたの?にこちゃん」 

にこ「当たったのよ!当選葉書が来たのよ!」 

絵里「落ち着きなさいよ、にこ何の当選葉書が来たの?」 

にこ「だぁかぁらぁ!自動販売機の音声を公募してたじゃない?あれに当たったのよ!!」 

穂乃果「わぁ!にこちゃん凄いや!」 

凛「え…にこちゃん、あれに立候補してたのかにゃ?」 

にこ「当然でしょ!」 

希「それって嬉しいん…?」

29: 2015/12/07(月) 19:30:25.14 ID:txc9XuhI0.net
にこ「はぁ……みんな、判って無いわね…」 

真姫「だから何がよ?」 

にこ「自動販売機って言うのは、街中に配置されるものなのよ?」 

花陽「うん、花陽も良く利用してるよ?」 

にこ「その自動販売機すべてからにこの声が聞こえる……」 

にこ「これって凄い事なのよ!」 

絵里「ま、まあ……確かに……」 

にこ「言い換えると、この街の…つまり秋葉原の公共施設はすべてが私の手に落ちたも同然って事なのよ!」 

穂乃果「す、凄いっ!」 

海未「いや、そんなはずありませんから……」

30: 2015/12/07(月) 19:33:46.15 ID:txc9XuhI0.net
にこ「まあ、それは言い過ぎかもしれないけど、これからは何時でも私の声が聞ける訳なのよ!」 

真姫「別に電話すれば声聞けるじゃない」 

にこ「おや?真姫ちゃんは寂しくって私の声が聞きたくなった事があるこかしら?ん?」 

真姫「なっ///」 

にこ「もう、しょうがないわね~真姫ちゃんは……何時でもラブコールしてくれて、いいのよ?にこっ♪」 

真姫「……もう二度と電話しないわよ!///」 

にこ「じゃあ私の方からしちゃおうっと~♪」 

真姫「着信拒否にするから」 

にこ「ぬぁんでよ!」

みんな「あはは~」

31: 2015/12/07(月) 19:33:57.38 ID:txc9XuhI0.net
飯落ち

33: 2015/12/07(月) 20:08:40.51 ID:txc9XuhI0.net
にこ「最初の1台目は、私達の通学路に設置されるらしいわ」 

にこ「それで生徒たちの感想を聞いて音声内容を修正して、街中に配置展開よ」 

ことり「楽しみだね♪」 



けれど 


最初の1台以降の自販機が配置される事は 


無かった

34: 2015/12/07(月) 20:09:54.97 ID:txc9XuhI0.net
凛「……にこちゃんが、あんな事になっちゃったんだから……当然だよね……」 

真姫「……」 

凛「……真姫ちゃんが、辛いのも判るよ」 

真姫「……」 

凛「……けど、けど……」 

真姫「……」 

凛「ここには、にこちゃんは居ないんだよ……」 

真姫「……」 

凛「居ないんだよ……」グスッ

36: 2015/12/07(月) 20:12:36.88 ID:txc9XuhI0.net
凛「……あのね、真姫ちゃん」 

真姫「……」 

凛「真姫ちゃんが、ここで自動販売機のにこちゃんと話してる間……凛たち、毎日お見舞いに行ったんだよ……」 

真姫「……」 

凛「にこちゃんのあんな姿、見るのは辛かったけど……」 

真姫「……」 

凛「だけど……凛も、かよちんも、穂乃果ちゃんも、海未ちゃんも、ことりちゃんも、希ちゃんも、絵里ちゃんも……みんな……」 

真姫「……」 

凛「ちゃんと受け止めて……にこちゃんの苦しみを受け止めて……」 

真姫「……」 

凛「お見舞いに行ったんだよ……」

37: 2015/12/07(月) 20:15:36.43 ID:txc9XuhI0.net
凛「今日はね……にこちゃんの手術があるんだよ……」 

真姫「……」 

凛「失敗すると……死んじゃうかもしれない手術……」 

真姫「……!」 

凛「真姫ちゃんの家の病院でも…出来ない大変な手術なんだよ…」

凛「凛たちも……頑張ってにこちゃんを応援してるけど……」 

凛「けど……けど、真姫ちゃんの力が必要なんだよ!」 

凛「り、凛たちだけじゃ、足りないの……!」 

凛「だって……だって、にこちゃん……うわごとで……」 

真姫「……」 

凛「真姫ちゃんの事……呼んでるんだもんっ」グスッ

38: 2015/12/07(月) 20:17:09.73 ID:txc9XuhI0.net
凛「だから……だからね……」 

凛「真姫ちゃん、勇気を出して……病院に来てほしいの……」 

真姫「……」 

凛「にこちゃんと一緒に……戦ってあげてほしい……」 

真姫「……」 

凛「きっと……真姫ちゃんが手を握ってあげるだけで……にこちゃんはいっぱい頑張れると思うから……」 

真姫「……」 

凛「……病院の地図、置いとくよ…」

真姫「……」 

凛「……凛、もう行くね…?」

39: 2015/12/07(月) 20:20:19.24 ID:txc9XuhI0.net
真姫「……」 

真姫「……」 

真姫「……」 


『いらっしゃいにこ~♪』 


真姫「……最初から、知ってたわよ」 


『お飲み物は何にするにこ?』 


真姫ちゃん「この声が本物のにこちゃんの声じゃないなんて事は……知ってたよ……」 


『毎度ありがとうにこ♪』 


真姫「だって……だって…にこちゃんは私の目の前で……」 

真姫「車にはねられたんだもの……」

40: 2015/12/07(月) 20:23:15.32 ID:txc9XuhI0.net
真姫「だけど……だけど、私は怖かった……」 

真姫「そんな現実を認めるのが怖かったのよ……」 

真姫「だって……だって!にこちゃんが死んじゃうかもしれないなんて……認められるはずないじゃないっ!」 


『……』 


真姫「だから……だから、私は病院には行かなかった……」 

真姫「毎日、何時も通り暮らしてた……」 

真姫「そうすれば……そうすれば、にこちゃんがまた、何時もみたいにひょいっと顔出すんじゃないかと思って……」 


『……』

41: 2015/12/07(月) 20:25:00.80 ID:txc9XuhI0.net
真姫「……だけど」 

真姫「だけど……私が逃げてる事で、にこちゃんが寂しい思いをしているのなら……」 

真姫「そのせいでにこちゃんが死んじゃうかもしれないなら……」 

真姫「その方が……嫌よ、嫌よっ……!」 


『また来てくれると嬉しいにこ♪』 



真姫「……ごめん」 

真姫「今まで、甘えちゃってごめん……」 

真姫「もう、大丈夫……大丈夫だから……」

42: 2015/12/07(月) 20:26:04.57 ID:txc9XuhI0.net
真姫「私……ちゃんと、現実を見つめるわ…」 

真姫「にこちゃんの苦しみをちゃんと見つめて……助けてあげないと……!」 


ピッ 


真姫「?」 


ピリピリピリピリピリッ……ピッ 


ガラガラガラコローン 


真姫「あ、あら?何もしてないのにジュース出てきた……?」

43: 2015/12/07(月) 20:26:39.01 ID:txc9XuhI0.net
『にっこにっこにー♪大当たりにこ♪』

44: 2015/12/07(月) 20:27:54.62 ID:txc9XuhI0.net
真姫「……こ、これ、当たり付きだったのね……」 

真姫「けど……どうして今……」 



『……』 



真姫「……もしかして、頑張れって言ってくれてるの……?」 



『おめでとうにこ♪』 



真姫「……そう…」 

真姫「……ありがとう……今まで、ありがとう」

45: 2015/12/07(月) 20:28:47.13 ID:txc9XuhI0.net
真姫「よし、このジュースを持って……にこちゃんの病院に行きましょう」 

真姫「それで……いっぱい謝って……」 

真姫「にこちゃんの手を握って……」

真姫「そうすればきっと……きっと……きっと……」 


ガチャッ 


真姫「……え?」

47: 2015/12/07(月) 20:29:38.23 ID:txc9XuhI0.net
その時、私はジュースを取ろうと自販機の口に手を入れた 


けど、私の手が触れたのはジュースではなく 


誰かの手だった 

50: 2015/12/07(月) 20:31:41.48 ID:txc9XuhI0.net
真姫「……この手の感触」 

真姫「私が落ち込んでる時に手をぎゅっと握ってくれたこの感触は……」 

真姫「……」 

真姫「……にこちゃん?」 



グイィィィッ 



真姫「い、痛っ……!」

53: 2015/12/07(月) 20:33:56.79 ID:txc9XuhI0.net
私の手は、凄い力で引っ張られた 

それと同時に、私の耳に自動販売機の声が届いた 


『ま、真姫?真姫なの?』 


「にこ…ちゃん?」 


『真姫っ、たすけてっ!たすけてっ、こわいっ!ここまっくらで……ひっぱられるのっ!』 

『こわいっ……こわいっ!こんなのやだっ……ひとりはいやだっ』 

『いたいのっ……からだがいたくて、さむいのっ、たすけて……真姫っ』

54: 2015/12/07(月) 20:34:38.54 ID:txc9XuhI0.net
その声を聞いて私は悟った 

きっと 

私は間に合わなかったのだ 


にこちゃんの手術は失敗して…… 

そして……にこちゃんは…… 



二度と戻れない場所に行こうとしているのだろう

55: 2015/12/07(月) 20:36:10.90 ID:txc9XuhI0.net
真姫「……にこちゃん、手を放しちゃダメよ!」 


『ま、真姫っ……たすけて真姫っ、ひとりにしないでっ……!』 


真姫「……大丈夫よ、にこちゃん……もうにこちゃんを1人になんてしないから……」 


『真姫っ……真姫…真姫真姫っ!』 


真姫(うん……大丈夫だから…) 

真姫(もう絶対に、放さないから……大丈夫…) 

真姫(にこちゃん……)

56: 2015/12/07(月) 20:37:10.30 ID:txc9XuhI0.net
私の手は引っ張られる 


自動販売機の中へ 


にこちゃんの元へ 


けど 


もう絶対に放さないから 


放さないから 


だから


ダ…か…ラ

57: 2015/12/07(月) 20:38:01.71 ID:txc9XuhI0.net
これからも……ずっと一緒よね……にこちゃん…… 

58: 2015/12/07(月) 20:38:32.06 ID:txc9XuhI0.net
グキッ 


グキッバキッ 


ゴキゴキゴキッ 


ズズズズズズズズーッ 


グキッ 

60: 2015/12/07(月) 20:39:41.96 ID:txc9XuhI0.net
花陽「……こんなのってないよ……あんまりだよ」ヒック 

凛「かよちん……」 

花陽「うぅっ……」グスンッ 

凛「……お家に帰って、お葬式の準備、してこよう?」 

花陽「う……うんっ……」ヒック 

凛「……凛も、一度お家に帰るね」 

花陽「うんっ……」グスッ

61: 2015/12/07(月) 20:40:44.81 ID:txc9XuhI0.net
凛「……」 

凛「真姫ちゃん……結局、来てくれなかった……」 

凛「……」 

凛「……まだ、あの自動販売機の所に居るのかな……」 

凛「……」 

凛「行ってみよう……」

62: 2015/12/07(月) 20:41:47.06 ID:txc9XuhI0.net
凛「……あれ、真姫ちゃん居ないや……」 

凛「……」キョロ

凛「何処行っちゃったのかな……」


『いらっしゃいにこ~♪』

63: 2015/12/07(月) 20:43:05.81 ID:txc9XuhI0.net
凛「……」 

凛「……結局……にこちゃんの声が聞けるの……ここだけになっちゃったよ……」 


『お飲み物は何にするにこ?』 


凛「……」 

凛「にこちゃん……」 


『いらっしゃいにこ~♪』 



凛「うっ……にこちゃんっ……にこ……ちゃぁんっ」グスッ

64: 2015/12/07(月) 20:44:26.81 ID:txc9XuhI0.net
凛「ひっく……だ、駄目だよね……お葬式の準備しなくちゃいけないのに……こんな所で泣いちゃ……」 

凛「……」ゴシゴシ 



『毎度ありがとうにこ♪』 



凛「……ぅんっ」 

凛「……にこちゃん……またね……」





『ま…また来なさいよ』 



凛「……え?」

65: 2015/12/07(月) 20:45:04.43 ID:txc9XuhI0.net
凛「……今の声……」 

凛「……」 

凛「真姫ちゃん?」

68: 2015/12/07(月) 20:47:50.18 ID:txc9XuhI0.net
にこ「いらっしゃいにこ~♪」 

真姫「い、いらっしゃい」 


にこ「お飲み物は何にするにこ?」 

真姫「何飲むかぐらい早く決めなさいよ」 


にこ「毎度ありがとうにこ♪」 

真姫「い、いつもありがとう…別に感謝なんかしてないんだから///」 


にこ「おめでとうございます~♪」 

真姫「よかったわね、もう1本貰えるわよ」 


にこ「また来てくれると嬉しいにこ♪」 

真姫「ま…また来なさいよ」

69: 2015/12/07(月) 20:49:43.72 ID:txc9XuhI0.net
凛「……」 

凛「……うん」 


凛「また、来るねにこちゃん……真姫ちゃん……」 

凛「こんどは……かよちんやμ’sのみんなも連れて……」 

凛「一緒に……またμ’s、作ろうね……」 

凛「いっしょに……」 

凛「まえみたいに……

70: 2015/12/07(月) 20:50:19.72 ID:txc9XuhI0.net
『ずっと いっしょ だよ』 






お し ま い

74: 2015/12/07(月) 20:53:09.06 ID:txc9XuhI0.net
次はハッピーエンド的なものを書きたいと思います

75: 2015/12/07(月) 20:53:42.06 ID:sVFwHPuA0.net
えええええ
途中からの超展開が…
てか箱監禁想像してたけどもっとエグかった

76: 2015/12/07(月) 20:54:16.61 ID:lE1/FwTZ0.net
安易な感動ストーリーかと思ったら普通にホラーでワロタ

77: 2015/12/07(月) 20:54:50.98 ID:vDyALNPsa.net
こういうのすき

88: 2015/12/07(月) 22:50:30.91 ID:M4Fri1ltr.net
感動系かと思いきやホラー
好き面白かった

112: 2015/12/25(金) 15:18:27.42 ID:224xOpRo0XMAS.net
ホラー物もええやん乙乙

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