【SS】四季 「メイに告白したい」 夏美 「それで私に?」【ラブライブ!スーパースター!!】

SS


1: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 22:06:02.76 ID:198Vu1Cu
四季 「前回の恋先輩の騒動でつくづく感じた。このままでは私がメイに告白する前に、他の誰かにメイを奪われてしまう」

夏美 「……」

夏美 (二人のじゃれあいを見てる身からしたら、万が一でもそれはあり得ないと思いますが……)

四季 「ということで、メイにようやく告白することに決めた。でもその前に確率を少しでも上げたいと思い」

夏美 「それで私に?」

四季 「……戦略が得意そうに見えたから」
 
2: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 22:06:49.42 ID:198Vu1Cu
夏美 (つまり夏美が、告白が成功できるようにプロデュースをするということ……!)

夏美 「ふふ、よく私を頼ってくれたですの!! それこそ私の得意分野! 頑張るですの!」

四季 「おおっー、頼もしい」

夏美 「と言っても、結局は二人次第なので、主な作戦はそちらに任せるですの。夏美はサポートメインで頑張りますので」

四季 「私が作戦を?」

夏美 「はい。最初は曖昧な案でも構いません、そこから私が完璧に仕上げちゃいますので!」
 
3: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 22:07:19.72 ID:198Vu1Cu
四季 「……じゃあメイは鈍感だから、まず私の印象を強くしたい」

夏美 「四季さんの印象を?」

四季 「そう。私って可愛くないし、地味だし……印象に残りにくいでしょ?」

夏美 (本気で言ってるですの……?)

四季 「せいぜい変な装置を作れるくらい。個性なんかない」

夏美 (それを個性と言わず何と言うんですの……!!)
 
4: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 22:08:18.38 ID:198Vu1Cu
四季 「髪型も普通だし……千砂都先輩やメイみたいにシニョン、団子もないし……」

夏美 「じゃ、じゃあとりあえず髪型はイメチェンしてみるですの!」

夏美 (クライアントの意見が第一!)

四季 「あと語尾も普通だし……きな子ちゃんみたいな個性が欲しいと言えば欲しいかも……」

夏美 「なるほど! なら語尾も夏美と一緒に考えましょう!」
 
5: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 22:08:53.83 ID:198Vu1Cu
夏美 (ふむふむ……どんどん夏美の中で、完璧なビジョンが浮かんできました……!)

四季 「あと、印象が残るようにプレゼントを渡すのも手かも」

夏美 「プレゼント良いですね!」

夏美 (もう完璧!! 夏美の中では、イメチャンしてさらに語尾もあざとくして、それでいてプレゼントを渡すことで、メイさんが四季さんに惚れまくる映像が完成されてるですの!)
 
6: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 22:09:37.75 ID:198Vu1Cu
四季 「プレゼント……蝋人形はどうだろう」

夏美 「!!?」

四季 「手先が器用だから、私は蝋人形を作るのが得意」

夏美 (あなたは聖飢魔IIでも目指してるですの!?)

四季 「そうだ、せっかくならメイの形の蝋人形を作るのはどうだろう!」

夏美 (いや怖すぎるですの!? 本当に、お前も蝋人形にしてやろうかー!! じゃない!?)
 
7: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 22:11:51.40 ID:198Vu1Cu
四季 「……どう? 完璧なアイデアになったかな」

夏美 「……」

夏美 (髪型が独特で……)

夏美 (語尾も独特で……)

夏美 (それでいて蝋人形にしてやろうか……)

夏美 (ワンピースのMr.3しか浮かばないですの……)
 
8: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 22:12:53.84 ID:198Vu1Cu
夏美 「髪型を3にして、語尾をガネにして、ドルドルの実で相手を蝋人形に……」

夏美 「まったく告白が上手くいくビジョンが浮かばないですの!!!!」

四季 「……残念」 ハァ

夏美 「夏美は悪くないですの!!!!」
 
9: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 22:13:39.66 ID:198Vu1Cu
四季 「じゃあ次の手を考えるしかない」

夏美 「もっと他にないんですの? ほら、自分の特技を活かした!」

四季 「私が作った、『神経とコミットして体を動かせる装置』や『話したくなる飲み物』とかはあるけど……」

夏美 (犯罪感がすごい……!)

夏美 「もっと平和な発明とかは!?」
 
10: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 22:14:43.01 ID:198Vu1Cu
四季 「花の言葉が聞けるようになる薬とか」

夏美 「おおっー! 告白に使えるかは別として、ロマンチックで素敵ですの!」

四季 「ちなみにこれは、お花に薬をかけるんだけど、その花は最初は喋るようになって、しばらくすると歩き出し、やがて人間を喰らい出す」

夏美 「トリフィドですの!!!!」

夏美 「そんなんボツに決まってるですの!!!!」
 
11: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 22:16:10.68 ID:198Vu1Cu
四季 「えー……」

夏美 「えー、じゃなくて!!」

四季 「夏美ちゃんが私の特技を告白に使えって言ったのに」

夏美 「世界が滅ぶ特技はなしですの!!」

四季 「……じゃあ今度の今度こそ、どうしようか。これ以上私からは良い案が浮かぶ自信はない」

夏美 「……」

夏美 (正直二人とも両想いなのはバレバレなので、普通に告白すれば上手くいきそうですが……)
 
12: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 22:17:02.99 ID:198Vu1Cu
夏美 (それを夏美が伝えるのは野暮というもの。やっぱり、四季さんが考えた案じゃないと)

夏美 「相手の好きなものから連想するのもありですの」

四季 「メイの好きなもの?」

夏美 「ええ」

四季 「……メイは猫が好きだと思う」

夏美 「じゃあ猫から浮かびそうな作戦を考えるんですの♪」
 
13: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 22:18:17.75 ID:198Vu1Cu
四季 「なるほど……」

四季 「……」 ムムム

夏美 「頑張って……!」

四季 「! 思い付いた!」

夏美 「おおっーー!!」

四季 「火の輪くぐりをしよう!!」

夏美 「???」
 
14: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 22:19:40.19 ID:198Vu1Cu
四季 「これならインパクト抜群……! 告白も成功確率100パーセント……!」

夏美 「えっと、一つ質問いいですか?」

四季 「もちろん」

夏美 「なぜ猫からそうなるんですの??」

四季 「……サーカスで虎がよく火の輪くぐりをするイメージがあるから」

夏美 (虎!!!!)

夏美 (確かに同じネコ科だけども!!!!)
 
17: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 22:36:05.04 ID:198Vu1Cu
四季 「でも安心して。動物保護の精神から、虎は使わない。火の輪くぐりをするのは、私だから」

夏美 「どこに安心の要素が!?」

四季 「……あと失敗したら大変だと思って、予行練習の準備はしてある。ちょうどここに一式がある」 ガチャ

夏美 「なんで火の輪くぐり一式が揃ってるんですの!?」

四季 「デアゴスティーニで買った」

夏美 「デアゴスティーニで!? あの創刊号だけ破格の!?」
 
18: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 22:36:59.00 ID:198Vu1Cu
四季 「そう。全部揃うのに半年かかった」

夏美 「デアゴスティーニって火の輪くぐりセットまであるんですの……? 品揃えの多さは尊敬ですの……!」

四季 「じゃあ、この輪に火をつける」 カチカチ

ボォ

夏美 「おおっ、壮観ですの……」

四季 「近付いたら火が移っちゃうから気を付けて」
 
19: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 22:37:44.91 ID:198Vu1Cu
夏美 「了解ですの〜」 パチパチ

四季 「……」

夏美 「……パチパチ?」

ボォ ボォ ボォ

四季 「服に燃え移ってる……!」

夏美 「うぎゃぁぁぁぁーーーーー!! 夏美の服がぁぁぁぁぁぁぁ!! セールで買った服がぁぁぁぁぁぁぁ!!」 パチパチ

四季 「大変……! 早く水を持ってこないと!」
 
20: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 22:38:58.65 ID:198Vu1Cu
夏美 「熱いんですのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」 タタタタ

四季 「!」

四季 (校舎の方に! 止めないと!)

副会長の権力を振りかざしたい澁谷かのん 「副会長の権力を振りかざしたい!」

かのん 「ちょっと! 校舎で火遊びなんてダメだよ! すぐやめないと副会長権限でしばらく学校出入り禁止にしちゃうからね!」

夏美 「燃えてるんですのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」 タタタタ

かのん 「って夏美ちゃん!?」
 
21: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 22:40:08.53 ID:198Vu1Cu
恋 「あれはまさか!」

すみれ 「ちょ! 服が燃えてるじゃない!」

かのん 「恋ちゃん! すみれちゃん! 大変だよ! 夏美ちゃんが燃えてるよ!!」

恋 「落ち着いてください! かのんさん!」

かのん 「こんなの落ち着けないよ!!」

恋 「落ち着いて!」

かのん 「無理!」
 
22: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 22:40:49.30 ID:198Vu1Cu
恋 「お願い落ち着いて!」

かのん 「無理だってば!」

恋 「じゃあ落ち着かないで!」

かのん 「無理!!」

恋 「……」

かのん 「……」

恋 「落ち着きました?」

かのん 「うん」
 
23: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 22:49:23.30 ID:198Vu1Cu
夏美 「早く、早く、水をぉぉぉぉぉぉぉぉ!」 タタタタ

恋 「あれはわたくし見たことあります……!」

かのん 「本当!? 恋ちゃん!? どこで!?」

恋 「……あれはウルトラダイナマイトです」

かのん 「ウルトラダイナマイト!?」

恋 「ウルトラマンタロウの使う必〇技で、全身が炎に包まれ、そのまま目標に突進する最大火力を誇る必〇技です!!」

かのん 「なんでそんなに詳しいの?」
 
24: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 22:50:58.48 ID:198Vu1Cu
恋 「ゲーム中毒から脱しようとしたら、今度は特撮にハマって毎日夜遅くまで見てるからです。お父様が毎日DVDを郵送してきて」

すみれ 「あんたたち、なに冷静になってんの!?」

かのん 「……いやだって、ウルトラマンの必〇技って言われたらね? なんか安心するじゃん?」

恋 「ちなみに目標に突進した後は自爆をし、さらに二回使ってしまうと、二十年分の寿命を消費して復活します」

かのん 「早く誰か夏美ちゃんを止めてあげてぇぇぇ!!」
 
25: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 22:52:48.79 ID:198Vu1Cu
メイ 「どうかしたのか?」

かのん 「メイちゃん! 大変なんだよ!! 夏美ちゃんが燃えてるんだよ!!」

メイ 「あー……あんなやり方じゃ、あいつはいつか炎上すると思ってたよ、そうかついに……」

夏美 「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 ボォ ボォ

メイ 「本当に燃えてるぅぅ!?」
 
27: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 23:07:10.62 ID:198Vu1Cu
メイ (ってまずい、腰が抜けて……!)

メイ 「う、動けない……」

夏美 「メイさん! そこを早く離れてぇぇぇぇぇぇぇ」 タタタタ

四季 「バケツ重い……っ! ってあれはメイ!?」

すみれ 「あのままじゃ二人ともぶつかるわよ!?」

かのん 「ど、どうすれば……!!」
 
28: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 23:08:07.06 ID:198Vu1Cu
四季 (メイに告白もしてないのに……)

四季 (いや、この際告白なんてどうでもいい。私の命にかえても)

四季 (メイを救う!! 一方通行の愛であったとしても、メイを救えるなら!!)

四季 「メイ!!」 バッ

メイ 「四季!? そこにいたらおまえ、燃えちゃうんだぞ!?」

四季 「別に構わない……っ! それでメイが守れるなら……!」

四季 「私の大好きな人を守れるなら!!」
 
29: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 23:08:56.13 ID:198Vu1Cu
夏美 「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 タタタタ

バンッ!

ボォ ボォ ボォ ボォ

ボォ ボォ ボォ ボォ

かのん 「そ、そんな……燃え移っちゃった……」

恋 「っ……!」

夏美 「? 夏美の炎が全部……!」

メイ 「そんな!! 嘘だろ!!」
 
30: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 23:12:02.33 ID:198Vu1Cu
肉食植物 「グギャアァァアシキメイトウトイィィィィィィーーーーーーーーー!!!!!」 ボォ ボォ

四季 「……」

四季 「……一匹だけ作っちゃった肉食植物が偶然、私の目の前に」

夏美 「トリフィド作ってたんですの!?」

恋 (これは、一部始終を見てたわたくしからのお話です)

恋 (その後、偶然にも世界の危機を救ったLiella!は、夏美さん含め、誰も怪我をすることなく、騒動を無事終えました)

恋 (ちなみにこの騒ぎは、生徒会権限で隠蔽しました)
 
31: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 23:20:00.45 ID:198Vu1Cu
恋 (そして、四季さん、メイさんはと言うと……)

メイ 「……」

四季 「……」

メイ 「さっき、『私の大好きな人を守れるなら!!』って言ってたよな」

四季 「い、言わないで……///」

メイ 「いや、スルーできないよ」

四季 「……///」
 
32: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 23:20:31.35 ID:198Vu1Cu
メイ 「四季の気持ちに応えたいから」

四季 「!」

メイ 「四季、私も好きだ。ありがとう、こんな私を好きになってくれて」

四季 「メイ……!!」

メイ 「……やっぱり少し恥ずかしいな///」

四季 「……思わせぶりじゃないよね?」

メイ 「……ああ、本当だよ」
 
33: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 23:21:07.52 ID:198Vu1Cu
すみれ 「あんなハプニングがあったって言うのに、あの二人は呑気にイチャイチャしてるわね」

恋 「はわわわ……! 禁断の世界です……!!」

かのん 「あはは。でも良いんじゃない? より絆が深まったんなら!」

すみれ 「あれを果たして絆と呼ぶべきか……」

夏美 「……ふぅ、危うく燃えるとこだったですの」
 
34: (もんじゃ) 2022/09/15(木) 23:22:07.43 ID:198Vu1Cu
恋 「夏美さん、とんだ災難でしたね。四季さんにはしっかり注意しておきますから……」

夏美 「それは大丈夫ですの!!」

恋 「えっ?」

夏美 「……夏美はただ、依頼されたプロデュースをこなしただけですから」

夏美 (正直、頼ってくれたのが嬉しかったですの)

夏美 「ふふ♪ 夏美のプロデュースは完璧でしたの〜♪」

おわり
 

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1663247162/

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