【SS】かのん「ライト・オン・ザ・プラネット」【ラブライブ！スーパースター!!】

店員「…今日も打ったねぇ。もう4時半だよ」


かのん「んね…明日筋肉痛だよ。右腕」


店員「次は負けないよ！ゼロワンでもクリケでもね！」


かのん「受けて立とう…ひっく」


店員「大丈夫？結構飲んでたけど…」


かのん「だいじょぶだいじょぶ。こんな日もあるでしょ」


店員「……分かる。飲みたくなる日もあるよね」


かのん「はは…」


＜ﾁｰﾝ


店員「お、エレベーター来たね」


かのん「ほんじゃ、また」


店員「うん！また来てね～」


ｳｨｰﾝ…


かのん(……ヘッドホンは、と…)ｽｯ


ﾋﾟｯ


～♪


https://youtu.be/AQ2T5VVQfp0?si=M-S7vK3PaCPUvoBH



ﾁｰﾝ


＜ｳｨｰﾝ


かのん「…まぶし」


────
　
　

＜ﾃﾃﾃﾝ!


＜『TRIPLE 1 』


すみれ「んなっ！なぁんで入らないかなぁ！？」


かのん「あっはっは！力み過ぎなんだよすみれちゃんは！」


すみれ「もうちょっと力抜けっての？」


かのん「その通り。もっと肩も手も力抜いて、ふわっと投げるんだよ」


すみれ「んー……えいっ」ﾋｭｯ


＜ｶﾂｰﾝ


すみれ「刺さりもしなかったけど！？！？」


かのん「抜w抜き過ぎwwwwあははははっ！wwww」


店員「ふふ、もう少し力入れても大丈夫だよ？」


すみれ「さじ加減が難しいわよ、これ…」


店員「んまぁそれはねぇ。あ、お代わりは？」


かのん「私カシオレー！」


すみれ「じゃあ、翠ジンソーダで」


店員「はーい！」


────
　
　

ｶﾞﾔｶﾞﾔ…


＜サラリーマン「ふぁ～あ…」


現場職人「おはようさん。今日も安全にな」＞


＜主婦「弁当忘れてるっての！」


＜ﾌﾟｯﾌﾟｰ


＜ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ


おじちゃん「はぁ…腰いてぇ」


サラリーマン「おはよう、親父さん」


おじちゃん「おう、今日は早ぇな。いつものだろ？」


サラリーマン「うん。あ、あと昼飯用にお茶も頂戴」


おじちゃん「あいよ」


かのん「…」


かのん(…お腹、空いた様な…)


かのん(お酒飲んだから、そう思うだけかなぁ)


かのん(……今日もいい天気になりそうだ)
　
　

ｳｨｰﾝ


店員「らーしゃせー」


かのん「58番下さい」


店員「あいーす。スムースヴァイオレットで宜しかったすかー」


かのん「はい」


店員「あーっす。530円でーす」ﾋﾟｯ


かのん「PayPayで」


店員「バーコードおねしゃーす」


＜ﾍﾟｲﾍﾟｲｯ


かのん「どうも」


店員「あざしたー」


ｳｨｰﾝ


かのん(…眠くないなぁ)ﾋﾟﾘｯ


ｼﾞｼﾞｼﾞ…


かのん(寝ようと思ったら寝れるけど。なんそれ。ふふっ)


かのん(…お水か何か買っとけば良かった。戻るのだる)ｽｰ


ﾌｰ…


かのん(……朝の、澄んだ良い空気)
　
　

＜ﾀﾀﾀｯ


学生「ほら早くっ！急がないと！」


学生「ちょっ、待ってったら待って！」


学生「試合の開始時刻に遅れてしまいますよ！」


かのん「おっと」


学生「あっ、ご、ごめんなさい！」


学生「ほら走るデスよ！」


ﾀﾀﾀｯ…


かのん「…」ﾌﾟｶｰ


かのん(こんな朝早くから…走って、駅に)


かのん(最近の子って凄いなぁ…)


かのん「…」


かのん(…私は)


────
　
　

かのん「…」ｶｷｶｷ


すみれ「……歌詞？」


かのん「うん」ｶｷｶｷ


すみれ「…良い感じ？」


かのん「うん」ｶｷｶｷ


すみれ「……恋がボスニア・ヘルツェゴビナ行くらしいわよ」


かのん「うん」ｶｷｶｷ


すみれ「かのん！！！！」


かのん「んなぁッ！！？何！？どうしたの！？」


すみれ「ったく、そうなったらホンットに人の話聞かないんだから！」


かのん「え？何か言ってた？うぇ？」
　
　

すみれ「はぁ～っ…ご飯、どうする？」


かのん「うーん…何でもいーよ」


すみれ「それが困るっつってんの！決めなさい何でもいいなら！」


かのん「…ふふっ」


すみれ「なぁに笑ってんのよ」


かのん「んー？何か、新婚さんみたいで」


すみれ「………ッはぁ！？///」


かのん「にひひー」


すみれ「ったく、このバカ…」


かのん「ばかじゃないもーん」


すみれ「…いい歌詞ね」


かのん「でしょ。またオーディション受けなきゃ」


すみれ「…アンタなら、どこだって行けるわよ」


かのん「…えへへ」


すみれ「好きな事に本気になれるのって、すごい事ね」


かのん「私にはこれしかないから」


すみれ「…」


────
　
　

ｶﾞﾁｬｯ


かのん「ただい……」


かのん「……あー…」


ﾊﾞﾀﾝｯ…


かのん(…言う意味無いや)


かのん(……顔くらいは、洗うかぁ…)


ﾃｸﾃｸ


かのん「…はぁ」ｷｭｯ


＜ｼﾞｬｰｯ


かのん「…」


ﾊﾞｼｬｯ


ﾊﾞｼｬｯ…


ｷｭｯ


かのん「っ、はぁ…」ｺﾞｼｺﾞｼ


『…』かのん


かのん「…はは」


『…』かのん


かのん「…酷い顔」


────
　
　

かのん「…ん…」


すみれ「…起きた？」


かのん「……何時？今…」


すみれ「4時半よ。お互い早起きね」


かのん「…んむ～っ…」ﾓｿﾞﾓｿﾞ


すみれ「綺麗な朝日よ」


かのん「すみれちゃんの方が綺麗…」


すみれ「朝っぱらから言うわね」


かのん「寒い…」


すみれ「服着なさいよ」


かのん「すみれちゃんこそ…」


すみれ「着るったら着るわよ。コーヒーでいい？」


かのん「お願い…」


すみれ「その前に顔洗って来なさい。あ、私が先ね」


かのん「んむ…」


すみれ「……ふふ。かのん、Tシャツ貸して」


かのん「入んないよ多分…」


すみれ「……まあ、今だけよ」ｽｯ


ﾃｸﾃｸ
　
　

すみれ「歩き出す朝…朝焼けの匂い……♪」ｷｭｯ


ｼﾞｬｰｯ…


ﾊﾞｼｬｯ


ﾊﾞｼｬｯ


すみれ「っぷぁ…タオルタオル…」ｺﾞｼｺﾞｼ


＜ｷﾞｭｯ


すみれ「わっ」


かのん「……ん…」


すみれ「…おはよ」


かのん「おはよ…」


すみれ「…酷い顔よ？見てみなさい」


かのん「みたくない…」


すみれ「全く…ふふふっ」


────
　
　

【06:37】


かのん「…」


かのん「………んあっ」


かのん「…寝てた」


かのん(そのまま寝てても良かったのに。何で起きるかな…)


かのん(…無駄に寝たから余計眩しいや。カーテン閉めよ…)ｽｯ


かのん「…」


かのん(…綺麗な……朝日)


ｽｯ


ｶｼｬｯ


かのん「…ふふ」


かのん(良い写真だ…)ｽｯｽｯ


かのん「…！」


ﾋﾟｯ


────
　
　

可可「せーのっ」


千砂都「かのんちゃん！」


恋「お誕生日！」


すみれ「おめでとう」


ﾊﾟｧﾝ!


かのん「わっ！あははっ、ありがとう！」


可可｢どうぞ、かのん！ククからのプレゼントです！｣


かのん「え、でっか！開けてもいい？」


可可「勿論デス！」


ｶｻｯ


かのん「…凄っ！！」


可可「メガジャンボ寝そべりマンマルです！夜なべして作りました！」


かのん「だ、抱き心地が凄い…！ありがとう！」


千砂都「私からはこれ！」


かのん「えっやば！これ確かめちゃくちゃ良いヘッドホンだよね？！」


千砂都「かのんちゃんの為だもん！」


かのん「わぁ…しかもオレンジで可愛い！ありがとうちぃちゃん！」


恋「かのんさん、私からはこちらを」


かのん「……え、領収書？」


恋「すみません。ご自宅に私自ら持ってこれるものでは無かったので、先んじて郵送しておきました。それはその証明です」


かのん「えーと……はい！？こここ、これプロも使ってるガチのキーボードじゃ…！！？」


恋「歌手の夢を追い続けているかのんさんに是非使って頂きたくて！」


かのん「」
　
　

可可｢どれどれ、KORGの…ろ、6万8000え…！！？｣


千砂都「すとっぷ可可ちゃん。値段は言いっこなし」


かのん「……つ、謹んで使わせて、頂きます」


恋「はい！」ﾆｺｰ


千砂都「ごほん！さてさて、すみれちゃんからは～？」


すみれ「……」


かのん「ん～？何くれるの、すみれちゃんは？」


可可「早く決めた言葉言えデスよグソクムシ！」ﾎﾞｿｯ


千砂都「今しか無いぜ。すみれちゃん！」ﾎﾞｿｯ


すみれ「分ぁかってるったら分かってるわよ！急かさないで！」


恋「？？？」


かのん「…？」


すみれ「……はぁ。かのん」


かのん「うん」


すみれ「…プレゼントは…」


かのん「…」


すみれ「…………わ、私…///」ﾎﾞｿｯ


恋「はい？」
　
　

千砂都「声小さいなァッ！！！」ﾊﾞｧﾝ!!


恋「」ﾋﾞｸｯ


可可｢なぁんも聞こえねーデスねぇッ！！！｣ﾊﾞｧﾝ!!


恋「」ﾋﾞｸｯ


すみれ「アンタらの方が余っ程じゃないの！！だから私よ私！！プレゼントは、わた───」


ｷﾞｭｯ…


すみれ「……！」


かのん「…嬉しいよ、すみれちゃん」


恋「…！？///！！？///」


千砂都「よぉしそれで良い！！それを待ってたんだよ、こちとら！！」


可可｢く～っ、グソクムシの癖に！羨ましいデスよ！｣


すみれ「…喜んでくれたなら、それで良いわ」


かのん「…当たり前じゃん」


────
　
　

＜恋『え、あ、お2人はそういう！？禁断のセカイって奴ですか！？』


＜可可『皆まで言わずとも！このグソクムシとかのんはアツアツなんデスよ！』


＜ﾜｰｷﾞｬｰ…


かのん「…」


ﾎﾟﾛｯ


かのん「…！」


ﾎﾟﾀｯﾎﾟﾀｯ…


かのん「うわ、やば…っ」ｸﾞｽｯ


ｺﾞｼｺﾞｼ…


かのん「ち、違うし…朝日が眩しくて……っ！」


かのん「って誰に言ってんの…あはは、馬鹿じゃん」


かのん「………あぁ～～～～～……っ」


かのん(駄目だ、外出よう)


かのん(今寝たら……悪い夢見そう)


ｶﾞﾁｬｯ


ﾊﾞﾀﾝｯ


────
　
　

すみれ「…かのん」


かのん「…」


すみれ「……気にしちゃ…」


かのん「何回目だと思う？」


すみれ「…」


かのん「25回目」


すみれ「っ…」


かのん「流石にさ」


かのん「数えてんのもどうかと思うけど」


かのん「気も落ちるよ」


すみれ「…っで、でも落ちたからって」


かのん「才能無いんだ」


すみれ「！」


かのん「歌が"好きなだけ"で」


かのん「歌が"出来る"って訳じゃないんだ」


すみれ「あ、あんた…！！」


かのん「すみれちゃんは良いよね」


すみれ「！！」
　
　

かのん「今度のドラマ、レギュラーで出るんでしょ？凄いよ、本当に」


かのん「事務所に所属もしてさ」


すみれ「…」


かのん「……はーあ」


かのん「…もう辞めよっかな」


すみれ「ッ！！」


ﾊﾞﾁﾝｯ…


かのん「……っ」


すみれ「…なンで……ッ！！そうやって簡単に諦めんのよ！！？」


かのん「…別に簡単にじゃないと思うけど」


すみれ「はぁ！？」


かのん「いいなぁ」


かのん「凄いなぁ」


かのん「皆……かっこいいなぁ…」ｸﾞｽｯ


すみれ「…か、かの」


かのん「お願い」


すみれ「…」


かのん「もう……」


かのん「…放っといて」


すみれ「…ッ！！」


ﾄﾞﾀﾀｯ


＜ｶﾞﾁｬｯ


かのん「…」


ﾊﾞﾀﾝｯ…


────
　
　

ﾀﾀﾀｯ…


かのん「はっ、はっ、はっ…！！ぐすっ、はぁっ……！！」ﾀｯﾀｯﾀｯ


(走ってどうすんの？)


かのん「知るか……ッ！！」


(家で寝てりゃ良いじゃん)


かのん「寝たくない…！」


(どうせ寝りゃ忘れるよ)


『どうせ酒ばっか飲んでんだから』


『どうせ好きな事しかしてないんだから』かのん


かのん？『どうせ────』


かのん「────うっさいッ！！！私の……大馬鹿っ！！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ


ｻﾞｯ…


かのん「はぁ、はぁ……うぇっ…」


ｽﾄﾝ…


かのん「ぜぇ、ぜぇ…！」


『公園なんかに逃げ込んで。通報されるよ。子供達も登校したり登園したりする時間だってのに』


かのん「別に…どうせ誰もいないんだから」


『言えてる。どうせいたって変わんないもんね』


かのん「…今は1人がいい」
　
　

＜「…おねえちゃん」


かのん「わっ！？」


子供「ないてるの？」


かのん「…うん、泣いてる」


『何だよ、1人がいいんじゃないの？』


子供「どうして？かなしいことあったの？」


かのん「…うん」


子供「ふーん…どうしたら、なかなくなるの？」


かのん「……うーん、分かんないや」


子供「おとななのに？」


かのん「……あはは。そうだよ」


かのん「大人はさ」


かのん「…いや、私はね？」


かのん「何にも分かんないんだ。もう」


子供「さんすうも？」


かのん「うん……分かんない」


子供「へー…」


かのん「…」


子供「じゃあ」







子供「わたしとおなじ！」


かのん「………────っ！！！」ﾎﾟﾛｯ
　
　

子供「おねえちゃんもわたしとおんなじ！だからなかないで！」


かのん「…うん、うん……同じだね…私も、アナタも…！」


子供「いっしょにあそぼ！わたし、おねえちゃんとはんたいのシーソーすわる！」


かのん「……ぐすっ。遊んでくれるの？私なんかと」


子供「なんかじゃないよ！おねえちゃんはおねえちゃんだもん！」


かのん「……あぁ～～～～っ、ははは…！確かに。私は、私だったね…」


子供「うん！じゃ、あっちすわ───」


＜母親「こら！バス来ちゃうわよ！ごめんなさいね」


かのん「…ぐすっ」ｺﾞｼｺﾞｼ


子供「えー！おねえちゃんとあそびたい！！」


かのん「すみません、連れてってあげて下さい。こちらこそ話してもらって嬉しかったです」


母親「あら、そんなにお話出来るようになったの？大きくなったのね」


子供「おおきいもん！おねえさんだもん！」
　
　

かのん「あはは…泣かされちゃいましたよ。立派なお姉さんだ」


母親「ちょっと、大丈夫？何も分からないけど、あなた若いんだから────」


かのん「…っ」


母親「………好きに生きていいのよ」


かのん「！！」


母親「若いって、本当に素晴らしい事よ。この子が、何よりの証拠！ね？」


子供「？」


かのん「…あ、あはは…親子揃って凄い人達だ…」


母親「自由でいいのよ。間違えてもいいの！あなたはあなたでいれればそれでいいの！」


子供「いいの！」


かのん「…ありがとうございます」


母親「いいの！酷いクマよ。取り敢えず寝なさいな」


＜ﾌﾟｯﾌﾟｰ


子供「ばすだ！」


母親「おっと。じゃあまたね」


かのん「なんかほんと、すいません…」


母親「いいの。ほら行くわよ、"すみれ"」


かのん「！！！」


子供「うん！バイバイ、おねえちゃん！」


かのん「…うん、バイバイ」


＜ﾄﾃﾃｰ
　
　

かのん「……ははっ」ｽﾄﾝ


『何救われた気でいんの？』


かのん「…」


『変わっちゃいないよ』


『若いって……バーカ、こっちゃ四捨五入したら三十路だよ？』


『もう終わってんだよ。好きな事だけで生きるなんてどだい、かのんには無理なんだよ』


かのん「…うるさ、お前」


『お前こそな。諦めろよ。すみれちゃんも、音楽も！！』


かのん「ッ……」ｸﾞｽｯ


『子供に、それっぽい事言われただけで救われた気になってんの？おめでた過ぎるだろ、"私"』


「取り返しつかないんだよ！！すみれちゃんはいない！！私にも音楽の才能なんか無い！！！取り柄も無い！！！！』


かのん「私には……ッ！！！」


かのん「もう…何も……！！！」


…ﾌﾜｯ


かのん「っ、え」


＜ｶﾀﾝｯ


かのん「…！！」ﾊﾞｯ






＜？「……嘘、かのんより重くなったの？私」
　
　

かのん「…すみ、れ、ちゃ……！」


すみれ「…なんて顔よ」


かのん「なん、何で、げほっ！……出てっちゃったんじゃ…！」


『出てったんだよ！！私に愛想尽かして！！落ちて、腐る私を嫌いになって───』


すみれ「嫌いになんかならないわよ」


かのん「っ、は……！！」


すみれ「息吸って、吐いて」


かのん「けほっ、はぁ…！」


すみれ「…私は」


すみれ「……ここにいるから」


かのん「どうし、て…？私の事なんか、もう…！」


すみれ「嫌いになんか"なれない"って言ってんでしょッ！！！」


かのん「────っ！！」
　
　

ｻﾞｯ…


すみれ「ほんの少しだけ、思ったわ！！！」


『行くなよ』


ｻﾞｯ…


すみれ「私、かのんの事嫌いかも…なんて！」


『私じゃあの人の為にならないよ』


ｻﾞｯ…


すみれ「勢いのまま、家飛び出して！！ちょっとしか経ってないのにあんたより重くなってしまうくらい────」


『どうせお前じゃ無理なんだよ！！！』


ｻﾞｯ…!


すみれ「大号泣だってしたわよ！！年甲斐も無くね！！！」


すみれ「だってあなたを……一瞬でもキライだなんて思った自分が、だいっキライになりそうで！！！！」
　
　

ｷﾞｭｯ…!


かのん「ぐすっ…うぇっ……！すみれちゃぁん……！！」


すみれ「クソバカな答えを…いや、答えなんかじゃない。勝手に答えだと思って自分で納得しようとしたの。アナタがキライだって」


すみれ「不正解だったわ。私は……かのんが好きなの。私の正解は、これだけなの」


かのん「私だって……！すみれちゃんがいないと、大好きなすみれちゃんがいないと……なんにも出来ないんだよぉ…！！！」


────
　
　

「ごめん。離れて」


「ごめん、失望させて」


「してない。どんなかのんも、かのんだもの」


「変わらないで、いてくれる？」


「こんな私を」


『何にも出来なくて』


『やる気を無くして』


『人に当たる様な私を」


「傍においてくれる？」


「離れないわ」


「もう、二度と。絶対。イヤよ。するもんですか」


「私は」


「私も」


「『あなたといたい、本当に。ただそれだけ』」


────
　
　

この2人いっつもちょっと気怠げな社会人カップルやってるな
　
　

乙
こーゆーかのすみ好き
また書いて欲しい
　
　

いつもたすかるやで
　
　

乙　今回も良いssだった