愛「カリン……探したよまったく」果林「ふふふ、待っていたわ愛」【SS】

愛「あれほど１人で出歩くなって言ったじゃんよ～」ｸﾞｲｯ

果林「まさか学校で迷子になるとは思わなかったのよ」ﾃｸﾃｸ

愛「ねえカリン、これで２回目だよ」

果林「２度あることは３度あるって言うわね」

愛「流石に３回目は笑えないよ……」ｸﾞｲｯ

果林「こうやって愛と歩くの好きよ」ﾃｸﾃｸ

愛「調子良いんだからー……」

愛「ねえカリン、わざとやってない？」

果林「まさか」

愛「仏の顔は３度までだよ」ｸﾞｲｯ

果林「なんで迷っちゃうんでしょうね」ﾃｸﾃｸ

愛「こっちのセリフだよー……」

愛「ねえカリン、愛さんそんなに暇じゃないんだけど」

果林「だから気分が良いんじゃない」

愛「カーリーン……？」

果林「いつも助かってるわ。ありがとうね、愛」

愛「もう……」ｸﾞｲｯ

果林「今日は野球部の助っ人かしら？」ﾃｸﾃｸ

愛「まだ試合残ってるんだからね」

果林「あら、ついでだし見て行こうかしら」

愛「……」

果林「今日は遅かったわね」

愛「愛さんそろそろ怒った方がいいのかなーって」

果林「今回は本当に困ってるの」

愛「つまり今までは困ってなかったってことだよね？」

果林「このお店に連れて行って欲しいんだけど……」

愛「カーリーン……？」

果林「ごめんなさい」

愛「もう……なんで迷うって分かってるのに無謀なことするかなぁ」

愛「そういうことなら最初から声かけてよー……」ｸﾞｲｯ

果林「あなた忙しいじゃない」ﾃｸﾃｸ

愛「言ってることとやってることおかしいからね？」

果林「ねえ、愛」

愛「んー？」

果林「私ね、本当はそこまで方向音痴じゃないの」

愛「えー……」

果林「少なくとも近所や学校で迷うほどのものではないわ」

愛「愛さんガチめにショックなんだけど……じゃあ今までのはなんだったのさー」

果林「困ったふりをすれば、愛は私に構ってくれると思って」

愛「もしかして勉強できないのも……？」

果林「それは本当よ」

果林「あなたは人気者で、きらきらしていて、名の通りみんなに分け隔てなく愛を振りまいてる」

果林「私はそんなあなたを独り占めしたかったの」

果林「他の誰かとの用事よりも私のことを優先してくれる……その事実がとても嬉しかった」

果林「私の隣であなたが歩いている、手を引いている……そんな姿をみんなに見せびらかしたかったのよ」

果林「そんなわがままのせいで愛にはたくさん迷惑をかけたわ。今だってそう。本当にごめんなさい……」

愛「カリンそんなこと思ってたんだね……な、なんか、めっちゃはずい……」

愛「てか普通に暑くなってきたかも、あははー……」

果林「これからは自重して、迷惑にならないようにするわ」

愛「そりゃ用事の最中だし、迷惑といえば迷惑だったけど……」

愛「私なりに全部、優先順位とか色々考えた上でやったことだから」

果林「それって……」

愛「本当に無理だったらそもそも来ないよ？いや、無理そうでもめっちゃ頑張ってどうにかするんだろうけど……」

愛「つまり！愛さんにとってもカリンは特別ってこと！」

愛「だから、これからは助けてとか怖いとかって不安を煽るような呼び出し方禁止！」

愛「そんな言い方しなくてもちゃんと会いに行くから。愛だけに、ね」

果林「……本当に？」

愛「ホントホント。愛さんはやるって言ったらやる子だってカリンも知ってるでしょ？」

果林「勉強、見てくれる？」

愛「今までで断ったことないでしょ」

果林「朝も起こしてくれる？」

愛「うーん、そーゆーのはカリンのためにならないからなしかなぁ」

果林「残念……」

愛「抜け目ないんだからもー」

果林「まあいいわ。ちゃんと言質は取ったし」

愛「え？」

果林「愛にとって私は特別、そうよね？」

愛「うん、そうだけど……？」

果林「みんなにそう言いふらすわ」

愛「あはは、恥ずかしいからほどほどにねー」

果林（私の特別と愛の特別はきっと中身が違うんだろうけど）

果林「……今はまだ、それでいいわ」

果林「絶対にその気にさせてあげるから」


おわり

ええやん
良いものを見させてもらった

とても良かったです！

乙

よきよき

すこすこのすこ
あいかり増えてほしいね

わざと(ガチで)迷ってからお店に連れてって、デートするんじゃないのか！

よきかな…

あいかりもっと流行ってもええんやで

あいかりいいな