【SS】シュレーディンガーの梨子【ラブライブ!サンシャイン!!】

SS


1: 2020/09/05(土) 09:58:32.14 ID:dML4RueL
曜「梨子ちゃんのことだーーいすき!!」

 正直、嫌いって言われるのかと思った。だからびっくりした。勿論それは友達としての好きだと思ったので、私も!と答えたけれど、曜ちゃんは違っていたみたい。

 三年生になり編入先の学校側の強い要望もあって曜ちゃんは水泳部での活動に時間を費やす事が多くなった。飛び込みの大きな大会で結果を残した事もあって、Aqoursとしての活動からは自然と離れていった。

 結局5人での新生Aqoursは夏の大会では決勝大会出場を果たすも、理亞ちゃんの新グループに敗退。千歌ちゃんがリーダーとしての最後の大会となる春の大会では地区予選で敗退した。

2: 2020/09/05(土) 10:04:34.98 ID:dML4RueL
 神奈川にある音大と海洋大学に通うことが決まっていた私と曜ちゃん。卒業間近のある日、私は曜ちゃんに告白された。少し驚きはしたが、私はその告白を受け入れ、互いの学校の中間あたりでシェアハウスをして暮す事にした。

 ルビィちゃんはAqoursを離れた曜ちゃんに対しても、勝ちに拘らず楽しむ事を第一にしていた千歌ちゃんにもかなり憤慨してようだ。

 その事もあり、私達の卒業と同時に千歌ちゃんを含めた沼津組との交流は途絶えていた。

3: 2020/09/05(土) 10:12:54.99 ID:dML4RueL
  一緒に暮らすようになって更に実感する様になったのが、私たちが何もかもまったく違うという事だった。見た目も性格も。

 曜ちゃんは短かった髪を更に短くし高校時代よりもっとボーッシュになった。「船長になる為の勉強」をしているそうだが、正直どんな勉強なのかはよく解らない。だって曜ちゃん、説明してくれるけどいっつも興奮して凄い早口になるんだもの。でも、そんな時の楽しそうな曜ちゃんの顔を見るのが好きだった。

 背も少し高くなって、並んで歩いていると男女のカップルに見られるかな? とも思う。まさか兄妹? いや、曜ちゃんはいつも子供っぽくはしゃいでいるから姉弟かな?

9: 2020/09/05(土) 10:39:51.52 ID:dML4RueL
 曜ちゃんは皆の前ではしっかり者だけど、他人には見せることのない素顔を私はしっている。とても甘えん坊で、いつも無邪気な笑顔で私を見つめてくる。曜ちゃんとの時間は、とても居心地が良くてあたたかい気持ちにしてくれた。

 夜の曜ちゃんは激しい。二人がそういう関係になったのは一緒に住みはじめてすぐだった。

 普段は梨子ちゃん、梨子ちゃんと子犬のように私についてくる曜ちゃんだけど、ベッドの上では飢えた狼だ。私の体の隅々までマーキングしないと気が済まないようだった。そして時々、不安そうな顔をする。

11: 2020/09/05(土) 10:50:20.60 ID:dML4RueL
 ある日、夜中に目がさめると曜ちゃんが泣いていた。どうしたの?と聞くと私が千歌ちゃんとよっちゃんを連れてどこかへ行ってしまう夢を見たらしい。高校時代に自分が仲良くなった二人を梨子ちゃんにとられたとずっと思っていた。と言う。うん、知ってた。ごめんね、でもとったのは二人だけじゃないの。

「そうよ。曜ちゃんのものは全部、私が奪っちゃうの。貴女自身もね。だから安心して、絶対一人にしないから。」そう言って手を握ってあげると曜ちゃんは安心して眠りについた。

12: 2020/09/05(土) 10:54:19.83 ID:dML4RueL
 急な訃報に脚の震えがとまらなかった。

 千歌ちゃんが死んだ…死因は溺死。散歩中に海に落ちたらしい。警察は事故と自〇両方で捜査をしているという。

 私と曜ちゃんはお通夜に向かうために卒業後、初めて内浦に向かった。

16: 2020/09/05(土) 11:29:50.03 ID:dML4RueL
 お通夜の会場に入って、最初に感じたのは美渡さんの私たちを見る視線が怖かったという事だ。

「わざわざ、ありがとうね。」美渡さんの視線を遮るように志満さんがやって来て、話をしてくれた。

 千歌ちゃんはいつも明るく振る舞ってはいたが、一人内浦に残ったことを思い悩んでいたようだった。時折私たちが送る楽しそうなLINEも、実は千歌ちゃんを苦しめていたとう。日課の朝の散歩の途中で堤防から脚を滑らせたというが、精神状態を考えるともしかすると…という事だった。

 最後の挨拶にと棺の前に立ったけれど千歌ちゃんが、その中でねむっているなんて信じられなかった。その棺の窓を覗き込みさえしなければ、死が確定しない。なんてぼんやり考えていたら目の前が白く霞がかってくる。波に足元をさらわれる様な感覚。意識が後方に流れていく…

18: 2020/09/05(土) 11:51:37.06 ID:dML4RueL
 高校生活最後の一年間は非常に充実したものだった。

 静真高校に編入して間もなく、私は曜ちゃんと付き合うことにした。告白したの曜ちゃんからだが、私がそういう雰囲気に誘導した。
 
 曜ちゃんは飛び込みに専念するために正式にAqoursを脱退。それと同時に千歌ちゃんはリーダーをルビィちゃんに任せる事にした。

 5人になった新生Aqoursは夏の大会では理亞ちゃんの新グループに敗退。続く春の大会では地区予選を突破するものの決勝では満足のいくパフォーマンスが出来たものの惜しくも優勝には手が届かなかった。

 脱退した曜ちゃんを含め、Aqoursとしての活動をやりきった私たち6人の団結はこの先も続いていくのだと確信できた。

19: 2020/09/05(土) 12:21:19.65 ID:dML4RueL
 私と曜ちゃんは神奈川の大学に通いながら一緒に暮らしている。

 曜ちゃんはあの性格とルックスのせいもあり、かなりモテる。先日は家に帰ったら知らない女の子が家にいた。その場では平然としていたが夜のベッドでその事を責めると、むこうが私に言い寄ってきただけで、あの娘とはなにも無いんだ信じて。と泣いて懇願するので許してやる事にした。

 千歌ちゃんにその事を報告すると「曜ちゃんは昔からそうだったからね~」だって。後でお仕置きしないとね。

 幸せな毎日は突然の電話で幕を下ろした。千歌ちゃんが死んだと言う知らせだった。

21: 2020/09/05(土) 12:28:50.66 ID:dML4RueL
 ルビィちゃんたちと4人で海水浴中に離岸流に巻き込まれたらしい。ルビィちゃんは助けられなかった事に責任を感じ、よっちゃんは目の前でどんどん沖に流されていく千歌ちゃんを思い出してずっと泣いていた。花丸ちゃんはそんな二人に寄り添って慰めの言葉をかけていた。

 最後の挨拶にと棺の前に立ったけれど千歌ちゃんが、その中でねむっているなんて信じられなかった。その棺の窓を覗き込みさえしなければ、死が確定しない。なんてぼんやり考えていたら目の前が白く霞がかってくる。波に足元をさらわれる様な感覚。意識が後方に流れていく…

 あれ?…この感覚どこかで?…

 そうだ。私はやり直していたんだ。…でも、また千歌ちゃんを救えなかった。それならば、今度は…

23: 2020/09/05(土) 13:17:36.89 ID:dML4RueL
 千歌ちゃんの事を強く思ったせいか、千歌ちゃんとの出会いからの再開だった。今ではハッキリと今までの二度の人生を思い出せていた。思い返せば二度目の時は無意識のうちに一度目で気がかりだったルビィちゃんたちのとの関係を修復させたりしていた。結局は不幸な事故で千歌ちゃんを失ってしまったが、少なくとも最初のように彼女を苦しめたりはしていなかったはずだ。

 今度は千歌ちゃんと一緒になれば、救うことが出来るんじゃないか? そんな風に考える。

 それに、一度目は私にべったりだった曜ちゃんも、二度目では付き合いが長くなったせいか他の女の子に良い顔をするようになっていたし…

24: 2020/09/05(土) 13:36:23.32 ID:dML4RueL
 千歌ちゃんとの仲は元々良かったので、もっと親密になるのは簡単だった。ピアノコンクールにの時に曜ちゃんに相談された事をすっかり忘れていて少し心配したけれど、かわりに善子ちゃんとの仲が進展したようだ。ノクターンも曜ちゃんに預けたみたい。

 グループ内にカップルが二組できてしまった影響なのか、ダンスに危険があるMIRACLE WAVEのフォーメーションを三年生が私たちに教えることはなかった。結局ラブライブ決勝には進出できず、浦の星女学院の廃校も回避することは出来なかった。

 Aqoursの活動はこれで終了となったが、不思議と皆にはやり遂げた感があった。

26: 2020/09/05(土) 13:52:48.99 ID:dML4RueL
 残された浦の星女学院での日々は楽しいものだった。

 皆の前では笑顔でいた千歌ちゃんはやはり本当は悔しかったようで、私の前では一度だけ、泣いた。泣いたその後で私に身を委ねてきた。

 サイズは同じだとは聞いていたけど、ハリのある曜ちゃんと違ってお餅のように柔らかい千歌ちゃんの胸はずっしりと重みがあってたまらなかった。

 たわわな身にしては小さいみかんのヘタの様な先端を口に含むと可愛い声で鳴いてくれた。

27: 2020/09/05(土) 14:14:09.78 ID:dML4RueL
 静真高校に編入していた私たちに待っていたのはボロボロの分校での毎日だった。鞠莉ちゃんが随分、抗議をしてくれたようだったが決定は覆されることはなかった。

 その中で一人だけ、曜ちゃんは飛び込みの特待生扱いで一人、本校舎の方に通学していた。本人はその事を随分気にしているようだった。善子ちゃん(この世界線では、よっちゃんとは呼ぶようにならなかった。)の話では少し情緒が不安定になっている様だという。

 そんな状態で集中できるわけもなく、練習中の不注意で曜ちゃんは帰らぬ人となった。

 そして私はまた、やり直す事を決めた。

28: 2020/09/05(土) 14:39:57.03 ID:dML4RueL
 とりあえず目指すはラブライブでの優勝だ。あわよくば浦の星女学院の存続だ。廃校阻止を確実にするには夏の大会での決勝進出、いや、優勝を狙うしか無い。幸いには私には未来の記憶がある。千歌ちゃんのAqours結成時点でWATER BLUE NEW WORLDもBrightest Melodyもしっかりと私の頭の中にあるのだ。

 曲のアレンジの完成度も高め、音大での経験から歌唱もダンスレッスンも効率的に行えた。

 初の講堂ライブは大成功。鞠莉ちゃんも協力的だ。一年生三人を加え、PVも完成して東京のイベントでは見事に一番の成績を収めた。

 聖良さんからも称賛の言葉をもらえ、ぜひラブライブお会いしましょうと約束を交わした。代わりに理亞ちゃんは以前以上に敵意に満ちた目を向けていたけれど。

30: 2020/09/05(土) 15:05:54.72 ID:dML4RueL
 ひとつ問題が起きた。東京のイベントでの挫折がないと三年生が加入しないのだ。結果を出した事で鞠莉さんから全面的な期待とバックアップを、ダイヤさん(もはや三年生の三人をちゃん付けで呼ぶことはなさそう。)からもAqoursとしての活動を応援するという言葉をもらえたが、加入の切っ掛けは完全に失われた。海の音を聞きたいという話もなかったので、果南さんとは面識すら無い。

 まあ、問題はないか。今の実力なら6人で優勝を狙うのも無理じゃない。

 そんな中で千歌ちゃんから幼馴染がダイビング中の事故で無くなったという。ずっと休学していたが浦の星の生徒らしい。それは、果南さんだった…

32: 2020/09/05(土) 15:41:11.79 ID:dML4RueL
 今度はやり過ぎないように慎重に。9人揃った時点で勝負を掛ける。

 MIRAI TICKETはAqoursの中でも屈指の名曲だと思っている。敗因はまあ、確実に千歌ちゃんの暴走だろう。観客席を煽るのを控えさせてきちんと歌いきれば地区予選突破は確実なはずだ。だから千歌ちゃんにはレギュレーションの話をよく言い聞かせておいた。これで大丈夫だろう。と、思った私が馬鹿だった。

 また、観客席に駆け寄りやがった。あの馬鹿みかん…

33: 2020/09/05(土) 15:49:18.34 ID:dML4RueL
 夏の大会で決勝大会に出場は出来なかったが、オリジナルの歴史をなぞらえて時は進んでいく。

 よっちゃんは犬を拾い、それを切っ掛けに仲良くなった。よっちゃんを間にして花丸ちゃんとも一緒にいる時間が長くなった。

 ある日、部室に行くと、花丸ちゃんがよっちゃんに貸した薄い本を読んでいた。私が声を掛けるとびっくりした花丸ちゃんは椅子から転げ落ち、スカートの中身をあらわにした。

 そういう事に興味があるの? 倒れている花丸ちゃんに覆いかぶさるように立って聞くと、花丸ちゃんは顔を赤らめて小さく頷いた。

 人の本を勝手に貸した堕天使にはお仕置きが必要だと思ったけど、今回だけは許して上げることにした。

35: 2020/09/05(土) 16:44:58.76 ID:dML4RueL
 花丸ちゃんは典型的なムッツリスケベだった。幼い頃から純文学の中の恋愛模様で自分を慰めていたという。よっちゃんがラノベやアニメでそっち方面の知識や興味を持っているのは知ってはいたがルビィちゃんの手前もあって話を振ることも出来なかったらしい。

 花丸ちゃんは二人でいる時は私をお姉様と呼び、その最高のマシュマロボディを差し出した。時にはカラオケボックスで、時には公衆トイレで、私はそれを堪能した。

 一つだけ不満なのは完全にマグロだという事。

「マルのマルを、マルマルして欲しいずら。」とおねだりするだけなのよね。

 まあ、可愛いから良いんだけど。

37: 2020/09/05(土) 17:13:33.45 ID:dML4RueL
 静真高校からの沼津駅までは結構交通量が多い。ある日、ルビィちゃんが下校中に事故にあった。普段一緒に帰っている花丸ちゃんは、私といたのだ。責任を感じてしまう。

 知らせを聞いて病院に駆けつけるとロビーにダイヤさんが座っていた。話しかけようと近づくとこちらを向いて、目を伏せて首を横に振った。

 勿論、そんな事は認めない。やり直しだ。

38: 2020/09/05(土) 17:28:05.34 ID:dML4RueL
 次はルビィちゃんをターゲットにする事にした。

 付き合ってみて驚いたのはルビィちゃんが想像以上にしっかりしているところだった。
「おねいちゃが、いまいち頼りにならないからね。」ベッドの上でよくそう言っていた。

 まだ膨らみきらない蕾のくせに生意気な子ね。といって、子供のようにぷうくりと膨らんだ先端を口にすると、ピギィと鳴いた。

 私たちの関係は浦の星に通ううちから始まり、私の卒業間際まで続いた。

39: 2020/09/05(土) 17:35:09.67 ID:dML4RueL
 卒業式の後、月ちゃんから告白された。こんな事は初めてだ。

 何がフラグなんだろう? と思って考える。月ちゃんから生徒会長を引き継いだルビィちゃんと付き合ってたからかな? そのくらいしか思い浮かばない。

 そういえば、大学生まで続いたのは久しぶりだ。月ちゃんとは遠距離恋愛になりながらも、毎週の様に会って、その度に体を重ねていた。

 懐かしい曜ちゃんの体と似ていながも、少し女の子らしい柔らかさがあった。初めて会った時の印象はボーイッシュだったけれど、ベッドの上では完全に「ネコ」だった。

40: 2020/09/05(土) 17:42:50.37 ID:dML4RueL
 このまま何も起こらず済むのかな? と思っていた矢先だった。私に合うために月ちゃんの乗っていた電車が脱線した。

 賢い月ちゃんとの日々は刺激があって楽しかったけれど仕方ない。

 今度は誰を攻略しようかしら?

43: 2020/09/05(土) 18:14:51.74 ID:dML4RueL
 今度は趣向を変えて、ちょっと可愛いキャラクターを演じて見ることにした。はわわ~ドキドキします。という感じだ。

 これが驚くほどウケた。千歌ちゃんと曜ちゃんは私をお姫様あつかい。一年生は優しいお姉ちゃんと認識しているようだ。

 何より驚いたのが三年生にウケが良い。元々妹のいるダイヤさんはともかく、鞠莉さんと果南さんも私を見る度にこんな妹が欲しいと言い出す始末。

 ただ、どこかで時空が歪んだのか廃校路線は決定しているようだった。

44: 2020/09/05(土) 18:45:18.37 ID:dML4RueL
 私はダイヤさんと付き合うことなった。大学は卒業後はわたくしの片腕となって欲しいというダイヤさんの要望で大学は経済学部へとすすんだ。

 大学時代、東京でのダイヤさんとの生活は今までの人生でないくらいストイックなものだった。夜の営みを除いては。

「おやめになってくださいまし。」ダイヤさんはいつもそう言った。自分から誘っておいて、じゃあ、やめますね。というと「意地悪をいわないでくださいませ。」と目を潤ませる。ここまでが一連のプレイだ。若干マンネリ気味だったのは仕方ない。

46: 2020/09/05(土) 19:15:02.59 ID:dML4RueL
 ダイヤさんが先に卒業し家業を継ぐために沼津に帰った後、私は東京で一人、久々に羽根を伸ばしていた。

 そんなある日、曜ちゃんと再開する。高校時代は千歌ちゃんと付き合っていたようだったが、すぐに別れ、今なでは短大卒業後、黒澤家の仕事を任されていたルビィちゃんのひもになっているらしい。ダイヤさんが苦い顔でそう言っていたのを思い出す。

 色々あって曜ちゃんとは何度か関係を持った。はわわキャラはいつの間にか忘れていた。

47: 2020/09/05(土) 19:21:26.08 ID:dML4RueL
 時は流れ、私はダイヤさんの片腕として働いていた。もちろん恋人の座はそのままだ。

 内浦では色々なことがあった。ホテルオハラが倒産し、果南さんの家の借金を返すために鞠莉さんがルビィちゃんの元で働いているそうだ。果南さんはダイヤさんの仕事を手伝っている。

 黒澤グループには敵も多い。ダイヤさんの手腕を持ってしても解決できない事案も多い。果南さんの仕事はそういった類のものであった。

49: 2020/09/05(土) 19:33:16.46 ID:dML4RueL
 主な仕事は敵対する企業や個人に対する恐喝。時には暴力に訴えることもあったという。ただし、絶対に果南さんの方から手を出すことはない。一撃もらってから正当防衛という形を取ることに徹底した。女性である事が挑発するうえでも、相手に手を挙げさせるのにも役に立つのだそうだ。

 ダイヤさんは果南さんにそんな仕事をさせる事に心を痛めてはいたが、借金を返して鞠莉さんとの幸せな生活を送るための禊として必要と考えていたようだ。

 このまま何も起こらずに人生を送るのかなと思った時、知らせがあった。果南さんが恨みをかった相手に背中から刺されたというのだ。医者に搬送される間に命を落とし、それを聞いた鞠莉さんも後を追ったらしい。

51: 2020/09/05(土) 19:49:49.27 ID:dML4RueL
 いつの間にか忘れていた、はわわキャラはやっぱり私には合わなかったらしい。今度はいつもどおりのキャラで行こう。しかし前回の人生は勉強になった。経済学部に進学して得た知識がすぐに役になった。

 練習後の部室で何気ない鞠莉ちゃんとの会話の中で、私の知識の豊富さに彼女は反応した。

「梨子って博識なのね。驚いたわ。」それから何となく、二人の距離は縮まっていった。

 私は未来をしっているんですよ。と言うと鞠莉さんは「梨子ってユーモアもあるのね。素敵。」と答えた。もちろん、鞠莉さんの部屋のベッドの上での話だ。

55: 2020/09/05(土) 20:29:24.98 ID:dML4RueL
 鞠莉ちゃんとの逢瀬は楽しいものだった。外国人の血が混ざっているせいか鞠莉ちゃんは独特の匂いがする。それを指摘すると泣きそうな顔になって抗議してきたが、私はその匂いが好きでとても興奮すると言うと満更でもなさそうだった。

 豊満な肉体は他のメンバーで味わえなかった様々なプレイが可能だった。特にその大きな胸とお尻は触れているだけで天にも昇る心地だった。

 ぷっくりと膨らんだ先端に舌を這わせながら私は一つの野心を抱いていた。作詞作曲の才能もある鞠莉ちゃんにそれを打ち明けた。

56: 2020/09/05(土) 20:34:13.76 ID:dML4RueL
 そして私はついに成し遂げる。MIRAI TICKETに代わる曲を夏の大会に投入したのだ。曲名は「未来の僕らは知ってるよ」。何度も未来を見てきた私にだから作れた歌だ。

 しかし、この曲をもって夏の大会に優勝したが、浦の星の廃校は覆ることはなかった。ただAqoursの人気と知名度だけは以前とは比べ物にならないほどになった。沼津の街へ出るとたくさん人に囲まれるほどに。

 そんな中、事件が起こった。花丸ちゃんが暴漢に襲われる事件がおこったのだ。花丸ちゃんはそれを苦に自ら命を絶った。

 またやり直しだ。

57: 2020/09/05(土) 20:50:15.08 ID:dML4RueL
 今度は果南ちゃんと付き合うことになった。何となくダイビングが楽しくて通った結果だった。果南ちゃんは性格的にはおっとりして優しいお姉ちゃんキャラだとは思う。ただ、ベッドの上では本当に動物のようだった。

 己の欲望を抑える事が出来ずに激しく攻めてくる。壊れちゃうからやめてというと更に動かす手を速める始末。でもその強引さが他のメンバーにはない魅力でもあった。

 そのくせ、受けに回ると途端に目をウルウルさせて、「優しくして…」となる。そのギャップに鞠莉ちゃんはイチコロになっていたんだろう。

58: 2020/09/05(土) 20:58:37.88 ID:dML4RueL
 一つ心配だったのが果南ちゃんをとられた鞠莉ちゃんだったが、ダイヤちゃんとくっついたようだ。見えないところで経営が破綻仕掛けていた小原グループも二人で協力すれば持ちこたえられるような気がする。

 私の方は高校を卒業後、神奈川の音大に通うために内浦を離れたが、果南ちゃんとの交際はまだ続いていた。

 大学卒業を控えたある日、果南ちゃんから電話があった。「鞠莉とダイヤの乗ったヘリが落ちたらしい…」

59: 2020/09/05(土) 21:01:32.37 ID:dML4RueL
 何度やっても誰かが不幸に見舞われた。その都度やり直してきたけれど、繰り返すうちに段々と「慣れ」が私を支配してきている事を感じていた。

 そろそろ終わりにしても良いかな? その為に本命を残しておいたのだから。

60: 2020/09/05(土) 21:25:30.62 ID:dML4RueL
 犬を拾ったあの日から二年が経った。私は神奈川の音大の一年生。

 学校の最寄り駅はから少し離れた小田急線の駅前に居を構えたのは、週末はほとんど小田原か熱海に通っているからだ。

 何かがある訳ではない。沼津に住む恋人との待ち合わせに便利だからだ。

 恋人の名前は津島善子。もうステージ上以外では自分のことをヨハネと名乗らなくなったくせに、私の事は今でもリリーと呼んでいる、少し生意気で可愛い私の宝物。

61: 2020/09/05(土) 21:58:19.83 ID:dML4RueL
 よっちゃんは最近、Aqoursの方針でルビィちゃんとギクシャクしているようだ。

「ねえ、リリーどう思う? ねえ、ちょっと聞いてるの!?」声を上げるよっちゃん。ごめんね、見惚れてて聞いてなかった。

 よっちゃんはこの一年で随分、背が伸びた。スタイルはさらに良くなって、今なら堕天使よ!と言ったら説得力があるだろう。もっとも本人にとって既に黒歴史になっているようだけど。

「ねえリリー、その…私たち付き合ってもう長いじゃない…だから」言おうとするよっちゃんの唇を私の唇でふさぐ。

「んにゃぁ!」悲鳴を上げるよっちゃん。だめよ。今はまだここまで。まだ子供なんだから。

 そういう事はよっちゃんが卒業するまで待つつもりでいる。

62: 2020/09/05(土) 22:17:46.68 ID:dML4RueL
「それじゃ、また来週ね。」言って今度はよっちゃんからキスをしてくる。いたずらっぽく笑って、私から逃げ出すように駆け出した。

 あっ!

 よっちゃんはそのまま歩道をはみ出し車道へ降りた。そしてそこに丁度、自動車が走ってきた。かなりスピードが出ている。接触したら無事では済まないだろう。

 よっちゃん! 咄嗟に飛び出していた。何かあってもやり直しが出来るのにね。そんな事は考えられなかった。よっちゃんを突き飛ばし、かわりに私は自動車に激突し宙を舞っていた。

 ああ、今度は私の番なのか。でも良かった。よっちゃんじゃなくて…

63: 2020/09/05(土) 22:27:10.08 ID:dML4RueL
 一瞬何が起こったのか理解できなかった。ただリリーの叫び声と自動車のブレーキ音だけが聞こえていた。

 私はアスファルトに突っ伏していたようだ。振り向くと私の足元まで何か黒々としたものが流れてきている。オイルかしら? 違う…これは血?…どこから…、リリー…いやぁーーーー!!!



 最後の挨拶にと棺の前に立ったけど、リリーがその中でねむっているなんて信じられなかった。その棺の窓を覗き込みさえしなければ、リリーの死は確定しないはずよ。

 なんて言ったかしら? そうよ。シュレーディンガー。シュレーディンガーの梨子よ。

 私は絶対に認めないわ。リリーが死んでいるなんて。絶対に。

 なんてぼんやり考えていたら目の前が白く霞がかってくる。波に足元をさらわれる様な感覚。意識が後方に流れていく…

64: 2020/09/05(土) 22:36:19.00 ID:dML4RueL
 犬を拾った。

梨子「じゃあ、曜ちゃんとか?」

善子「そんなに嫌なの?」

梨子「嫌って言うか…」


善子「この子は堕天使ヨハネにとって神々の黄昏に匹敵する、重大議決事項なの!」

 そう、どうしてもリリーじゃなくちゃ駄目だったの。私はやり直すわ。そして今度こそ貴女と二人、幸せになってみせるわ。

65: 2020/09/05(土) 22:39:16.39 ID:dML4RueL
終わりです。長い時間ありがとうございました。

>>53
>>54
私です。できれば、鞠莉ちゃんが幸せになる話と言ってほしかったです(笑)
よろしければ合わせてお読みいただけたら幸いです。

鞠莉「ホテルオハラが倒産した」
https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1599267512/l50

66: 2020/09/05(土) 22:41:00.35 ID:dML4RueL
>>65
リンク間違えました(汗)。こちらです。
鞠莉「ホテルオハラが倒産した」
https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1598754786

68: 2020/09/05(土) 22:56:49.18 ID:OV1GBgyk
乙乙
色んな解釈が広がって楽しかった

69: 2020/09/05(土) 23:10:35.91 ID:aJxNbT4i

果南が何やってたかが気になってたから分かったのもよかったよ。

73: 2020/09/06(日) 08:23:31.80 ID:UFSgVfob
みら僕とか小ネタが良い

84: 2020/09/08(火) 07:59:10.76 ID:KoXa2z50
面白かった

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1599267512/

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