【SS】かすみ「しず子ってなんで皆さん付けで呼ぶの？」しずく「え？」【ラブライブ！虹ヶ咲】

かすみ「かすみんとしず子が友達になって結構経つでしょ？」

しずく「まぁ半年くらい経つね」

かすみ「そろそろかすみんのことが呼び捨てで呼んでもいいんじゃない？」

しずく「うーん……」

しずく「昔っから周りの方の事はさん付けで呼んでたから」

しずく「もう癖になっちゃったのかも」

かすみ「ならかすみんを初めての相手にしちゃいなよー」

しずく「……」

しずく「なんかその言い方やだ」

かすみ「なんでぇ！？」

かすみ「普通に言っただけじゃん！」

かすみ「まぁまぁ、しず子」

かすみ「とりあえずかすみんの事、呼び捨てにしてみてよ」

しずく「なんでそんなに呼んで欲しがるの？」

かすみ「だってなんか距離感ある気がするんだもん」

しずく「そんな事ないよ？」

しずく「かすみさんは一番の親友だもん」

かすみ「ッ！？///」

かすみ「……う、うれしいけど！」

かすみ「一番の親友なら尚更呼んで欲しいよぉ〜！」

しずく「……」

しずく「それを言うならかすみさんもじゃない？」

かすみ「へ？」

しずく「かすみさんも私の事しず子って呼ぶけど」

しずく「名前で呼び捨てした事ないじゃない」

かすみ「しず子って呼び方かわいいじゃん」

しずく「かすみさんって呼び方も可愛いと思うんだけど」

かすみ「ぐぬぬぬぬ……」

かすみ「しず子って本当に頑固だよね」ｼﾞﾄｰ

しずく「むっ……」ﾌﾟｸｰ

しずく「頑固じゃないんだけど？」

しずく「ならさ」

かすみ「んー？」

しずく「先にかすみさんが私の事呼び捨てにしてみてよ」

かすみ「かすみんは同級生の事は○○子って呼びたいんだけどなぁ……」

しずく「かすみんとしてではなく、中須かすみさんとして話せば良いじゃない」

しずく「私を励ましてくれた時みたいにさ」

かすみ「かすみんじゃなくて……私として話すって事？」

しずく「うん」

かすみ「……」

かすみ「分かったよ」

しずく「！！」

かすみ「呼ぶね？」

しずく「う、うん！」

しずく（な、なんか緊張しちゃう。かすみさんから呼び捨てにされる……のかぁ……！！）

しずく「……」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

かすみ「──」ｽｩｩｩ



かすみ「桜坂しずく」

しずく「」

しずく「なんでよ！！！！」ﾊﾞﾝ!!

かすみ「！？」ﾋﾞｸｯ

かすみ「ど、どうしたの桜坂しずく！？」

しずく「すっごい距離開いた気がするんだけど！？」

かすみ「そんな事ないよ？」

かすみ「私は桜坂しずくの事、大好きだから！！」

しずく「今言われても心に響かないよ！！」

しずく「そんな呼び方するなら、私はかすみさんの事呼び捨てにしません！！」

かすみ「な！？」

かすみ「ずるじゃん！ ちゃんとやったのに！」

しずく「フルネームで呼べなんて言ってないでしょ！？」

かすみ「ぐぬぬぬぬ」

しずく「ふんだ！」ﾌﾟｲｯ

かすみ「しず子の約束破り！！」

しずく「なんと言われても、やりません！」

かすみ「大体なんでしず子が主導権持ってるのさ！」

しずく「別に持ってないもん。かすみさんが変なことするからじゃない」

かすみ「むっきー！！」

かすみ「こうなったら徹底抗戦だよ！」

かすみ「絶対にかすみって呼ばせてやるからね！！」

しずく「はぁ！？」

しずく「なら私だってしずくって呼ばせるから！！」

かすみ「ふん！」ﾌﾟｲｯ

しずく「ふんだ！」ﾌﾟｲｯ

かすみ「………………」

しずく「………………」

かすみ「……」ｽﾏﾎ ｽｯ

かすみ「……」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ

かすみ「……」ｶｷｶｷ

しずく（何してるのよこの子は……）

かすみ「しず子ー」

しずく「……なに？」

かすみ「最近りな子がSwitchでモンスター倒すゲームやってるじゃん？ 愛先輩とかせつ菜先輩と」

しずく「え？ ああ、やってるよね」

かすみ「なんかそれに透明になれる、カメレオンみたいなボスが出るんだってさ」

しずく「へー」

かすみ「そのモンスターの名前に付いてる名称の漢字が読めないから教えて欲しいんだよね」

しずく「かすみさんが……漢字に興味を……！？」ﾋｷ

かすみ「そんなに引かなくていーじゃん！」

かすみ「しず子漢字とか得意でしょ？」

かすみ「教えて欲しいんだって」

しずく「……仕方ないなぁ」

しずく「どれ？」

かすみ「これなんだけどさぁ」ｽｯ


霞


しずく「あー、簡単だよ」

しずく「かす──」

しずく「──ハッ！！」

かすみ「あれぇ？」

かすみ「しず子どーしたの？」ﾆﾔﾆﾔ

かすみ「早く教えてよー」ﾆﾔﾆﾔ

しずく「………………」

かすみ「あれー？ どしたのしず子〜」

しずく「これはねかすみさん」

しずく「カって読むんだよ？」

かすみ「は？」

かすみ「いやいや、違うでしょ？」

しずく「ホントだよ？」

しずく「調べてみれば？」ﾆｺﾆｺ

かすみ「むぅ……」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ

かすみ「……あっ、ほんとだ」

かすみ「でも音読みじゃん！」

かすみ「訓読みではどーなのさ！」

しずく「今スマホで調べたからわかったでしょ？」ﾆｺﾆｺ

かすみ「ぐぬぬぬぬ……！！」

かすみ「しず子のいじわる！！」

しずく「こっちのセリフですよ！！」

かすみ「ちぇ……しず子も結構頭が回るなぁ」

しずく「なんかかすみさんに言われるの凄くおバカにされてる気分なんだけど」

かすみ「しつれーすぎでしょ！！」

しずく「さっきからそのまま返せる言葉が多いよかすみさん」

かすみ「……なら次の考える」

しずく「もう隠そうとすらしないんだね」

しずく「…………」

しずく「ねぇ、かすみさん」

かすみ「ん？」

しずく「最近私、緑茶にハマってるの」

かすみ「へ？ そうなの？」

しずく「うん」

しずく「滋賀県の緑茶なんだけどね。上品でスッキリした味わいがあってとっても美味しいの。健康にも良いみたいだよ」

かすみ「へぇ〜！」

かすみ「どんなの？」

しずく「こんなパッケージのお茶なんだけどね」

しずく「それにら名前がとっても良くてね。近江ってつくの」

かすみ「！？」

かすみ「彼方先輩の苗字じゃん！」

しずく「そうなの」ﾆｺﾆｺ

しずく「面白いから一文字ずつ見せてくね！ ちょっと指で隠します」ｷﾞｭｯ

しずく「一文字ずつ読んでって？」

かすみ「うん」ｺｸﾘ

しずく「いくよ？」 ｽｯ

かすみ「えっと」

かすみ「こ」

しずく「……」ｽｯ

かすみ「の」

しずく「……」ｽｯ

かすみ「え」

しずく「……」ｽｯ

かすみ「の」

しずく「……」ｽｯ

かすみ「し」

しずく「……」ｽｯ

かすみ「ず」

しずく「……」ﾆﾔﾆﾔ ｽｯ

かすみ「こ！」

しずく「」

しずく「ひらがなすら読めないの！？」ﾊﾞﾝ!!

しずく「近江のしずくって書いてあるでしょ！！」

しずく「しず子じゃありません！！」

かすみ「読めるから！！ てかそんなので騙されるわけないじゃん！！」ﾊﾞﾝ!!

かすみ「やる事かすみんのマネだよそれ！」

かすみ「オリジナリティにかけるよ。不合格」ﾋﾟｼｯ

しずく「……むぅ……！！」ﾌﾟｸｰ

かすみ「イタズラでかすみんを騙そうなんて100年早いよ」

しずく「かすみさんなんてイタズラしてそれがバレて、せつ菜さんか果林さんに怒られれば良いのに」

かすみ「その発言普通に悪口じゃん」

しずく「はぁ……」

かすみ「はぁ……」

しずく「……」

かすみ「……」

かすみ「なんか、疲れたね」

しずく「かすみさんのせいでしょ」

かすみ「しず子にも原因があるよ」

しずく「6:4でかすみさんが悪いもん」

かすみ「はいはい」

かすみ「……あっ、侑先輩からメッセージ届いてる」

しずく「え？」

かすみ「もうすぐ部活始まるってさ」

しずく「もうそんな時間なんだ」

かすみ「みたいだね」

かすみ「じゃ、そろそろ部室行こっか」

しずく「うん。璃奈さんも情報処理学科の集会終わったかな？」

かすみ「どーだろ？ とりあえずりな子の教室寄ってみよ」

しずく「うん！」

かすみ「じゃあ行こっか。しずく」

しずく「そうだねかすみさん」

かすみ「うん」

しずく「……ん？」

かすみ「ん？」

かすみ「どーしたのしず子？」

しずく「……か、かすみさん？」

しずく「今なんて言ったの？」

かすみ「え？ どーしたのしず子だけど……」

しずく「そ、その前！」

かすみ「…………」

かすみ「……さりげなくスルーしてよ！！///」

かすみ「呼び捨てにするの、すっごい恥ずかしいんだから！！」ｶｧｧｧｧ

しずく「へ？ え、えぇ！？」

かすみ「しず子のあほ！！」ﾊﾞｯ!!

ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ!!

しずく「」ﾎﾟｶｰﾝ

しずく「！！」ﾊｯ!!

しずく「ま、待ってよ！ 走って逃げるのはずるでしょ！？」

しずく「──かすみ！」

終

乙。よかった

二人とも可愛くて乙、こういうのもいいね
しずくは言葉遣いも丁寧だし、さん付けは育ちの良さって感じがする
かすみも先輩に対しては先輩と付けていて、ああ見えて礼儀正しいんだよね

どちらも一年生だから作中では分からないが、後輩にはどんな同じ呼び方をするのか興味がある

たまんねぇ最高だよかすみさん