【SS】かすみ｢女の人が振り向いたその時…誰もいないはずの教室からこう聞こえたんです…｣【ラブライブ！虹ヶ咲】 侑｢…｣ｺﾞｸﾘ しずく｢ウラメシヤ～ッ！！！｣

侑＆かすみ｢ぎょええええええええええええええ！！！！！！！？？？？？？？！！！！！｣

しずく｢ええ…｣

侑｢び、び、びっくりしたぁ！！？？？！｣ﾊﾞｸﾊﾞｸ

かすみ｢な、なななな、なんてことするのしず子！！！！！！！？？！！｣ﾄﾞｷﾄﾞｷ

しずく｢なんでって…2人が仲良く怪談話をしてたのでわたしも混ぜてほしくて…｣

侑｢だからってうらめしやはないじゃん！！｣

かすみ｢そーだよ！しかも無駄に演技派らしい感じでやってたよね！？ほ〇怖みたいな感じでやってたよね！？？？！！！！？｣

しずく｢そ、そんなことないよぉ｣

侑｢めちゃくちゃびびったんだけど！！！多分17年生きてきて1番びびったよ？！｣

かすみ｢かすみん口から心臓が飛びてて可愛くない姿になりそうだったんだけど！！！ねえ！！！！！｣

しずく｢ごめんなさいって…｣

侑｢ほんとにびっくりしたぁ…｣

かすみ｢さいてーだよしず子ぉ…｣

しずく｢謝ってるじゃん～！｣

侑｢しっかし、しずくちゃんの演技は幅が広いね…まさかお化けにまでなれるなんて｣

しずく｢ありがとうございます///｣

かすみ｢すぐに甘やかさないでください！｣

侑｢まあでも、今回ばかりはわたしもぷんすこだよ～？｣

しずく｢うう…｣

侑｢だからさ、お詫びに今度わたしの好きな小説のワンシーンをやってよ！｣

しずく｢え？それでいいんですか？｣

侑｢うん！なんかね、ドラマ化されてるんだけどイマイチピンと来なくてさ～｣

しずく｢ぜひやらせてください！｣

侑｢よろしくね♪｣

しずく｢はい！｣

かすみ(けっ)

かすみ(なんかちゃっかりいい雰囲気になっちゃって)

かすみ(かすみんの計画は、怖い話を思い出しちゃって寝れない～！ってなった侑先輩と引っ付いて寝る…という計画だったのに)

かすみ(しず子のせいで台無しだよもう)

かすみ(……)ｷｭﾋﾟｰﾝ

かすみ(かすみん閃いちゃった～！！)

───────

かすみ｢侑先輩侑先輩｣ｺｿｯ

侑｢どうしたの？｣

かすみ｢仕返し、したくないですか？｣

侑｢仕返し？誰に？｣

かすみ｢しず子ですよしず子｣

侑｢わたしはもう怒ってないよ？｣

かすみ｢侑先輩はしず子の恐ろしさをわかってません｣

侑｢え？｣

かすみ｢実は少し前に、りな子としず子と3人でお泊まり会をしたんです｣

侑｢うん｣

かすみ｢その日、さっきと同じようにりな子と怪談話をしてる時にしず子に驚かされたんですよ｣

侑｢ええ？今日が初犯じゃなかったの？｣

かすみ｢そうです！しかも、かすみんとりな子が眠りについたころ、その時話してた怪談に出てきたお化けのマネをして｣

かすみ｢かすみんとりな子を恐怖のどん底に陥れたんです｣

侑｢しずくちゃんが？しずくちゃんはそういうことしない子だよ｣

かすみ｢は～！？侑先輩はしず子に甘すぎです！｣

侑｢そう？｣

かすみ｢そうです！とにかく、今の話は本当です！りな子に聞けばすぐにわかります！｣

侑｢うむ…そこまで言うならかすみちゃんを信じるよ｣

かすみ｢ありがとうございます｣

かすみ(後半は嘘なんですけどね……)

かすみ(しかしかすみんがこれをやられるのは2回目なのは事実…このままじゃ終われない…)

かすみ(…嘘ついてごめんなさい侑先輩…しかし、かすみんにトコトン付き合ってもらいますからね！)


かすみ｢それでそれで、しず子のことなので今日かすみんと侑先輩が寝たあと、その日と同じようなことをすると思うんです｣

侑｢それは嫌だなぁ…次はほんとに心臓飛び出てくるかも｣

かすみ｢ですよね！なので、そう出来ないように先手を打つんです！｣

侑｢なるほど…それが結果的に、さっきの仕返しにもなるってことだね｣

かすみ｢そういうことです！｣

侑｢…よし、乗った！｣

かすみ｢！｣

侑｢今度わたしのお願い聞いてもらう約束したとはいえ、確かにしずくちゃんに一泡吹かせたいかも｣

かすみ｢交渉成立ですね！｣

侑｢でも、どうやって仕返しするの？｣

かすみ｢ふっふっふ そこはイタズラのプロ かすみんがとっておきの仕返しを考えてます｣

侑｢どんなのどんなの！｣

かすみ｢すばり！お化けは怖いんだ作戦です！｣

侑｢おお！｣

かすみ｢内容は単純！かすみんたち2人で、しず子を驚かすんです！そして、お化けは怖いということを教えてあげるのです！｣

侑｢そうすればもう、しずくちゃんもわたしたちを驚かすことはなくなる、ってことだね｣

かすみ｢えさくた！｣

侑｢そうとなったら、早速どんな風に驚かすか作戦会議だね！｣

かすみ｢いえーす！｣


菜々｢…｣

─────────

深夜

侑｢…｣ｺﾞｿｺﾞｿ

ｷﾞｨｯ

ﾊﾞﾀﾝ


ﾋﾟﾛﾝ

侑＞持ち場についたよ！

かすみ｢…にひ｣

かすみ＞了解です！では、かすみんはしず子を廊下に連れ出しますね！

侑＞頼んだよ！

かすみ＞任せてください！

かすみ｢…｣

しずく｢…｣ｽﾔｽﾔ

かすみ｢ふっふっふ…恐怖の宴の始まりですよ…｣

かすみ｢しず子…しず子…｣

しずく｢んん…なに……｣

かすみ｢と、トイレに付き合ってもらっていい…？｣

しずく｢ええ…？1人で行けばいいじゃん…｣

かすみ｢しず子に驚かされたのがトラウマになってんの…！｣

しずく｢はあ…？｣

かすみ｢とにかく、しず子のせいなんだから付き合ってよ！｣

しずく｢はぁ…わかったよ…｣

かすみ(…)ﾆﾔﾘ

かすみ｢ほら、早く行くよ…！じゃないとかすみん漏らしちゃう！｣

しずく｢汚いこと言わないの カーディガンが着てもいい？｣

かすみ｢わかったよ…かすみん先外に出てるからね｣

しずく｢うん あとから追いかけるよ｣

かすみ｢りょ！｣

ｶﾞﾗﾗｯ

ﾊﾞﾀﾝ

しずく｢はぁ…まったく、かすみさんは…｣

しずく｢…｣ﾁﾗｯ

しずく｢…｣

ｶﾞﾗﾗｯ

ﾊﾞﾀﾝ

しずく｢あれ、かすみさーん？｣

ｼｰﾝ

しずく｢もう、1人で先に行くならわたし起こさなくてもよかったんじゃ｣

ﾃｸﾃｸ

しずく｢しかし、夜の学校ともなると暗いなぁ 月明かりがなかったら歩くことすら難しいくらいじゃん｣

ﾃｸﾃｸ

しずく｢…てかかすみさん、どこまで言っちゃったの｣

ｶﾞﾀｯ

しずく｢！｣ﾋﾞｸｯ

しずく｢な、なに？｣

ｼｰﾝ

しずく｢風？｣

しずく｢はあ…｣ﾃｸﾃｸ

ｶﾞﾀｶﾞﾀｯ

しずく｢！！｣ﾋﾞｸｯ

しずく｢だ、誰かいるんですか…？｣

ｼｰﾝ

しずく｢…｣

ｽｯ

しずく｢ん…？人影…かすみさん？｣ﾃｸﾃｸ

しずく｢…あれ、いない……｣

しずく｢もう…｣

しずく｢ほんとにかすみさんどこいったんだろ…まあトイレしかないよね｣ﾃｸﾃｸ


トイレ


しずく｢かすみさーん？いる？｣

ｼｰﾝ

しずく｢はあ？トイレに来てたんじゃないの？｣

しずく｢もう、戻ったら叱らないと｣

しずく｢…｣

しずく｢なんかわたしもトイレしたくなってきちゃった…｣

しずく｢個室は全部空いてるし、かすみさんあれかな？もしかしてわたしを怖がらせようとしてる？｣

しずく｢って、怖がりなかすみさんには無理かな｣ﾌﾌ

ﾊﾞﾀﾝ

ｶﾞﾁｬ

しずく｢ふう…｣

……………

しずく｢…｣

ｶﾞﾀｯ

しずく｢！｣

ｶﾞﾀ…

しずく｢かすみさん？｣

ｼｰﾝ

しずく｢もお、イタズラならやめてよ？｣

ｼｰﾝ

しずく｢…｣

ｶﾞﾀﾀｯ

しずく｢！｣ﾋﾞｸｯ

しずく｢か、かすみさん？｣

ｶﾞﾀﾀﾝｯ

しずく｢かすみさん、いるの…？｣

ｶﾞﾀｯｶﾞﾀｯ

しずく｢っ……｣ﾄﾞｷﾄﾞｷ

ｼｰﾝ

しずく｢……やっぱり風かな……｣

ﾋﾀｯﾋﾀｯ

しずく｢！！？｣ﾋﾞｸｯ

しずく(だ、誰か来る……)

ﾋﾀｯﾋﾀｯ

しずく｢…｣ﾊﾞｸﾊﾞｸ

ﾋﾀｯﾋﾀｯ

しずく｢………｣ﾄﾞｷﾄﾞｷ

ﾋﾀｯ…

しずく｢～！｣

しずく(わ、わたしの個室の前で音が止まった…っ！)

ｼｰﾝ

しずく｢…｣ﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷ

ｺﾝｺﾝ

しずく｢？？！！！！！｣

しずく｢だ、誰…ですか…？｣

ｺﾝｺﾝ

しずく｢か、かすみさん？！！イタズラならやめて！！！｣

ｺﾝｺﾝ

しずく｢ねえ！わたし怒るよ！？｣

ｺﾝｺﾝ

しずく｢っ……｣

ｺﾝｺﾝ

しずく｢……え｣

しずく(ど、どうして横の個室からノックが……誰も入ってなかったはずなのに………！)

ｺﾝｺﾝ

ｺﾝｺﾝ

しずく｢い、いや………｣

ｺﾝｺﾝ…

ｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝ

しずく｢やめて……｣

ｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝ

しずく｢やめて…ください……ぐす………｣

ｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝ

しずく｢もうお化けになりきってイタズラなんてしませんから……お願いします…許してください……ひぐっ……｣

ﾊﾞﾝｯ!!!!

しずく｢ひいっ？！｣

ｳﾗﾒｼﾔｧ…………

ｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝｺﾝ

しずく｢…っ……うわあああああああああああんっ！！！！！！！｣

｢え、ちょ、さすがにまずいって｣

しずく｢…え……ゆ、ゆうせんぱい……ひぐ……｣

｢しず子？！しず子！かすみんだよ！｣

しずく｢かすみさん……っ｣ｶﾞﾁｬ

侑｢大丈夫？！｣

しずく｢うわあああんっ！！｣ﾀﾞｷｯ

侑｢おわっと｣

しずく｢怖かったです……！！誰かが…ずっとノックしてて………！！！｣

かすみ｢あ、それはその…｣

侑｢ごめんねしずくちゃん…あれ、全部わたしたちがやったんだ…｣

しずく｢え…？｣ｸﾞｽｸﾞｽ

しずく｢ゆうせんぱいとかすみさんが…？ぐすっ｣

侑｢う、うん！｣

かすみ｢でもちょっとやりすぎちゃった…ごめんね？｣

しずく｢やりすぎどころじゃないですよぉ…！わたしすごく怖かったんですよ…っ？！｣ｸﾞｽｸﾞｽ

侑｢ごめん…ごめんね…！｣ｷﾞｭｯ

しずく｢いやです…！絶対に許しません…！！ぐすっ…｣

かすみ｢お、落ち着いてしず子！今度しず子のお願い聞いてあげるから！｣

侑｢うん…！しずくちゃんの好きなパンケーキでも、坦々麺でも、わたしたちが好きなだけ奢るからさ！もう泣かないでよ…！｣

しずく｢ほんと…ですか…？｣

かすみ｢約束する！｣

しずく｢…今の言葉、絶対に忘れないでくださいね？｣ｽｲｯ

侑｢…はい？｣

しずく｢パンケーキと坦々麺食べ放題かあ～！テンション上がっちゃう～♪｣

かすみ｢し、しず子？｣

───────

侑｢わたしとかすみちゃんの計画を｣

かすみ｢知ってた～～？！！！？？！｣

しずく｢はい｣

侑｢どうして？！誰にも気付かれないように計画立ててたのに！｣

かすみ｢そうですよ！わざわざLINEで細かいやり取りしてたんだよ？！｣

しずく｢いえ、わたしもどんな計画を立ててたのかは知りませんよ？｣

しずく｢ただ｣

侑｢ただ？｣

しずく｢侑先輩とかすみさんが良からぬ話をしているところを偶然せつ菜さんが見ていて｣

かすみ｢せつ菜先輩が？！｣

しずく｢はい それで、その話にわたしの名前が出てきたから気をつけてって、わざわざ忠告してもらったんです｣

侑｢そんな…｣

しずく｢ですよね？せつ菜さん｣

かすみ｢え？｣

菜々｢呼びましたか？｣ｽｯ

侑｢菜々ちゃん？！｣

かすみ｢どうしてここに…｣

菜々｢しずくさんが申しあげてた通り、偶然侑さんとかすみさんが話をしているのを聞いたのですよね｣

菜々｢それで、しずくさんの名前が出てきたので、もしかしたら2人がしずくさんに良からぬことをするのではと、しずくさんに忠告したわけです｣

侑｢う…｣

しずく｢かすみさんに起こされた時に、侑先輩が部屋にいなかったのを見て、せつ菜さんの忠告が確信に変わったんです｣

かすみ｢するどい…｣

しずく｢それで、せつ菜さんを起こして後ろから付いてきてもらってたわけです｣

侑｢で、でも！トイレに来るまでしずくちゃん驚いてたよね！？｣

かすみ｢そうだよ！しず子びくびくしてたじゃん！……まさか…｣

しずく｢ぜーんぶ、演技ですっ♡｣

かすみ｢くっ…｣

侑｢完敗だよ……｣

菜々｢まったく…かすみさんならともかく、上級生の侑さんまでノリノリとは｣

侑｢うう…｣

かすみ｢元はと言えばしず子がいけないんじゃん！｣

しずく｢うん、それは自覚してる かすみさん、侑先輩、ごめんなさい｣ﾍﾟｺﾘ

かすみ｢あ…｣

侑｢も、もう気にしてないから大丈夫だよ｣ｱｾｱｾ

しずく｢知ってますよ｣

侑｢はい？｣

しずく｢だって脅かしちゃった時も謝ったじゃないですか 2回も謝ったんだから感謝してくださいよね｣

侑｢し、しずくちゃん？｣

しずく｢なんですか｣

侑｢怒ってる…？｣

しずく｢……べつに｣ﾌﾟｸｩ

かすみ｢あっれ～？もしかして、侑先輩やかすみんの仕業だとわかりつつも、怖かったとか～？？｣ﾆﾔﾆﾔ

しずく｢うるさい！//｣

かすみ｢えー？聞こえないー｣

ｸﾞﾆｨ

菜々｢調子に乗るのはやめましょうね？｣ﾆｯｺﾘ

かすみ｢ひいっ？！｣

侑｢何はともあれ、一件落着だね！｣

しずく｢っていうのが、わたしの思い描いていたシナリオでした｣

しずく｢でも、現実はそう甘くはなかったのです｣

歩夢｢え、今の話で終わりじゃないの……？｣

しずく｢今のはあくまで、こういう話でありたかったという、わたしの願望です｣

菜々｢そ、それはどういう意味ですか…？｣

しずく｢……侑先輩とかすみさんの声が聞こえ、急いでドアを開けた向こうには｣

歩夢｢…｣ｺﾞｸﾘ

菜々｢…｣ｺﾞｸﾘ

しずく｢誰もいなかったのです｣

────────

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ヒエッ

えっ…

もしやガチホラーなのか

こわい

そろそろ時期的にこういうホラーSS増えてほしいね