【SS】花陽「にこちゃんの練習着…」

SS


1: (庭)@\(^o^)/ 2015/06/24(水) 02:21:32.32 ID:1+bqsBLU.net
花陽「にこちゃん、忘れて帰っちゃったんだね…」

花陽「あ、にこちゃんの匂いだぁ…」

花陽「…」くんくん

花陽「…はわぁ」

花陽「んっ…にこちゃん…」

にこ「あ、花陽、にこの練習着知らな…ってぇ…」

花陽「」

17: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/24(水) 19:26:38.38 ID:Zpc3kQmM.net
花陽(ご、誤魔化さないと)

にこ「なにしてるの、はなよ……」

花陽「ち、ちがうのっ」

にこ「ちがう……?」

花陽「そうなの……誤解しないでほしいの!」

花陽「この、汗が滴る練習着は、一体どんないい匂いがするのかなっておもって……」

花陽「ただ、それだけなのっ」

にこ「」

花陽「……あっ!にこちゃんのだから、嗅いだんだよ?」

花陽「誰のでもいいわけじゃありませんっ」ぷんぷん

にこ「」

花陽(あれ?にこちゃん固まってる……?私、今、なんて……言った…っけ……)

花陽「ぴゃぁぁぁぁ!!」

花陽「ちがうのちがうのっ!にこちゃん、今の全部ちがうからねっ!」あせあせ

にこ「」

花陽「あっもうこんな時間!花陽、かえらなくちゃ!にこちゃん、またあしたっ」

がちゃ、ばたん
どたどたどた

にこ「」


にこ「」

23: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/28(日) 13:00:20.45 ID:wxLRwZtC.net
翌日 屋上


絵里「ワンツー、スリーフォー、ワンツー、スリーフォー」

花陽(はぁ……。あれから、にこちゃんと話せてない)

花陽(話しかけようとすると逃げられちゃうし……)

花陽(目すら合わせてくれないし……)ちらっ

にこ「っ!」びくっ

花陽(あ、目が合いました!)

絵里「ワンツー……、にこ、花陽。遅れてるわよ!」

花陽(いけないっ、集中しないと)

花陽「はいっ!」

にこ「ん」

絵里「じゃあ、次のパート行くわよー」


――――――

―――


28: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/28(日) 13:23:39.67 ID:wxLRwZtC.net
絵里「小休止。みんな、水分補給しておいてね」

花陽(……やっと休憩の時間です)

花陽(にこちゃんが気になって、みょうに疲れてしまいました……)ふぅ


にこ「それでねー、そのとき希ったら……」

絵里「ええ、それ本当?希もどじなところあるのね」

希「ちょっ、にこっちそれ言わんといてって言ったやん!」

三人 キャッキャウフフ


花陽(……)じぃー

花陽(……そうだ、今のうちに水分とらなくちゃ……)よろよろ

凛「かーよーちんっ」ひょこ

凛「なんだか疲れてそうだったから、かわりにかよちんの水筒持ってきたよ!」

花陽「あ……」

花陽「凛ちゃん、ありがとうっ」かぱっ ごくごく

凛「おお、いい飲みっぷりだにゃ」そんなかよちんもすき

花陽「ふぅー……。生き返ったよー」

凛「……ところで、かよちん」

花陽「なあに、凛ちゃん」

凛「にこちゃんと何かあったの?」

花陽「!?」

30: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/28(日) 13:32:58.16 ID:wxLRwZtC.net
花陽「ナンノコトカナ?花陽ワカンナイ」とぼけ

凛「……練習中、ずっとにこちゃんのほう見てたよね?」

凛「凛の位置からだと丸見えだったにゃ」

花陽「」

凛「それに、朝からずっと、なんだか上の空だったし……」

凛「かよちんに何かあったのかなぁって思ってたところに、これだもん」

凛「にこちゃんと何かあったんだなって、凛にだってわかるよ?」

花陽「何かって、なんなのぉ!?」

凛「いや、それは凛がきいてるんだけど……」ひき

31: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/28(日) 13:45:36.08 ID:wxLRwZtC.net
花陽「うー……」

凛「ねえ、かよちん。それって凛にも話せないようなこと?」しんけん

花陽(……)

凛「凛はかよちんが苦しんでるの、見たくないよ」うるうる

凛「だから、教えて?にこちゃんと、何があったの?」

花陽(……凛ちゃん)

花陽「うん、わかったよ、凛ちゃん。全部話すよ」

花陽「大好きな親友に、頼らせてもらいますっ」にこっ

凛「かよちん……!」

花陽「昨日、私だけ、部室に残ってたでしょ?」

花陽「そうしたら部室に、にこちゃんの―――」

――――――

―――


34: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/28(日) 14:34:43.42 ID:wxLRwZtC.net
花陽「―――ということなの。凛ちゃん、私はどうすればいいと思う……?」なみだめ

凛「……」

凛「なーんだ。かよちんのにおいフェチがバレただけなのかにゃ」ほっ

凛「ふわぁ……。それにしても、今日はいいお天気で眠くなるにゃー」あくび

花陽「!?」

花陽「ほっ、じゃないよぉ!」

花陽「さっきまでの真剣な凛ちゃんはドコニイッチャッタノォ!?」

凛「ええ……、だって仕方ないよ」

凛「かよちん、好きなニオイには見境ないし。凛だって、最初に見た時ひいたもん」

凛「自分の枕をフンスフンスしてるかよちんって、結構、衝撃大きかったんだからね?」

凛「ましてや、自分の練習着でそれをされてたら……」

凛「……」

花陽「何か言ってよぉ」

凛「にこちゃんだし、そのうち受け入れてくれるよ」

凛「……たぶん」

花陽「多分じゃこまるよっ。……ねえ、凛ちゃん、本当にどうにもならない……?」

花陽「私、にこちゃんとお話できないの、とってもつらいの……」ぐすっ

凛「……」はぁ

凛「わかったよ、かよちん」

凛「にこちゃんには凛から話しておくから。まかせてほしいにゃっ」

花陽「!」ぱぁぁ

花陽「ありがとう、凛ちゃんっ」ぎゅっ

凛「どういたしましてー」


絵里「そろそろ始めるわよー」


凛「それじゃ、また後でね」

花陽「うんっ!」

――――――

―――


36: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/28(日) 14:54:49.31 ID:wxLRwZtC.net
練習終了後 廊下 


凛『にこちゃん!練習終わった後、少ししてから部室に戻ってきて来てほしいにゃ!』

凛『あ、一人できてね!』


にこ(部室に戻って来いだなんて、一体何のようなのかしら……)てくてく

にこ(相談とか持ちかけられちゃうのかしら)

にこ(そうだったら先輩っぽくてちょっとうれしいかも……)

にこ(ま、部室に入ればわかるわよね)

到着

にこ「凛、いるわよね?入るわよー?」がちゃ

にこ「……?」

にこ「あれ、誰もいない」きょろきょろ

にこ「もしかしてイタズラだった?……にしても、面白くないし」

にこ「ん?……机の上に何かある、ってこれ……」

にこ「花陽の練習着じゃないの……」

38: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/28(日) 15:35:35.22 ID:wxLRwZtC.net
にこ「それに、この紙……」

『これでもかいで かよちんの気持ちをあじわうにゃ 凛』

にこ「なるほどね……」

にこ(花陽が凛に相談して、こうなったのかしら……)

にこ(正直、私がしたところで意味あると思えないし、気は進まないけど……)

にこ(仲を取り持とうとする気遣いをむげには出来ないわよね)

にこ「花陽の練習着……湿ってるわね……」つまみ

にこ「……」そーっ

にこ「んっ……」すんすん

にこ「……」

にこ「へえ……」くんくん

にこ「……」ぐいっ

にこ「これは結構いけ……」すぅー

にこ「って何やってるのよ私……」はぁー

39: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/28(日) 15:54:44.62 ID:wxLRwZtC.net
にこ(でも……)

にこ「癖になるわね……」くんかくんか

にこ(汗の匂いって好きじゃなかったと思うけど……)

にこ(花陽のにおいだからかしら……)

にこ(なんだか甘い香りがするような……)

にこ(湿ってるから濃厚というか……)

にこ(頭がぼーっとしてくる……)

にこ(……………)くんくん


こん、こん


にこ「」びくーっ

にこ(凛かしら!?)あせあせ

にこ(落ち着け私!凛が嗅げっていって嗅いでるんだから、大丈夫!)くんくん

にこ(平気な顔して見せつけて、なにやらせんのよって文句いってやらなくちゃ!)くんくん


がちゃっ


花陽「は、入るよー……」

にこ「」

42: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/28(日) 16:43:12.18 ID:wxLRwZtC.net
花陽「あれ、にこちゃんだけ……?凛ちゃんいないよね……」さがし

にこ「」びくっ

花陽「にこちゃんは、何してるの……って……」ちらっ

花陽「」

花陽「えっ?えっ?そそそれ、わ、私の、練習着、だよね……?」

にこ「!?」さっ

にこ「な、なんのことかわからないニコ~」かくし

にこ(咄嗟に隠しちゃったけど、どうしよう……)

にこ(今の反応からすると、凛から何も聞いてないみたいだし……)

花陽「」ぼうぜん

にこ(凛の仕組んだことだって、ぶちまけようかしら……)だらだら

にこ(でもここで私がばらしちゃったら、喧嘩の火種になるかもしれないし……)

にこ(もう、あのばか凛!やり方が強引すぎるのよ!)

花陽「に、にこちゃん……?」ふるふる

にこ(うっ……どうしよう……)だらだら

花陽「もしかして、にこちゃんも、私のにおい、好きなのかなぁ……?」かおまっか

花陽「だったら、私……」

46: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/28(日) 17:30:49.60 ID:wxLRwZtC.net
花陽「にこちゃんになら、ぜんぶっ……」


ひらっ


花陽「……紙?」ひろう

にこ「あっ……」


『これでもかいで かよちんの気持ちをあじわうにゃ 凛』


花陽「……」


花陽「そっか……そうだよね……」しゅん

花陽「そんなわけないよね……」うるっ

花陽「ごめん……ね、にこちゃん。わたしの、せいで、変、なこと…っ…させちゃった……」ぽろっ


にこ「……」


花陽「私から、凛ちゃんには、言っておくね。だから…っ…許してあげてね?」ぽたぽた

花陽「それじゃあ、私は、凛ちゃんを探さないといけないから……ばいばい……」ふらふら


がちゃ―――


にこ「―――待ちなさいよ」

47: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/28(日) 19:03:01.92 ID:wxLRwZtC.net
にこ「私はまだ、」ぐいっ

花陽「きゃっ」ぽすっ

にこ「あんたの質問に答えてない」ぎゅっ


花陽(……抱きしめられました……)

花陽(とっても、あったかくて……いい匂い……)


にこ「それに、変なことって何よ」

にこ「私は、好きで花陽の練習着をかいでたのよ?」

にこ「変なことだなんて言われたら、私は悲しい」


花陽「でも、紙に……」

にこ「……そうね」

にこ「やってみようかなって思ったきっかけは、その紙よ」


花陽(やっぱり―――)


にこ「でも、いざかぎ始めてみたら止まらなくなってたわ」

にこ「花陽が部室にこなかったら、ずっとくんくんしてたと思うぐらい」

にこ「そのにおいに、夢中になってたわ」


花陽「そう、なんだ」

花陽(……にこちゃんは、私のにおいで喜んでくれるんだ……)

花陽(とっても、嬉しい、な……)


にこ「だからね。昨日の花陽の気持ちは、わかったから」

花陽「……うん」

にこ「次は、今の花陽の気持ちを教えてよ」

50: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/28(日) 19:23:04.83 ID:wxLRwZtC.net
花陽「私の気持ち……?」

にこ「全部、の続きよ」

にこ「さっき言おうとしてたこと、最後まで聞かせてよ」


花陽(にこちゃんなら……)

花陽(きっと、だいじょうぶ)

花陽(……受け止めて、くれるっ)


花陽「あのね、にこちゃん……」

花陽「私、にこちゃんになら全部……あげても、いいよ……?」

花陽「全部、まるごと……。にこちゃんのモノにして欲しいな……」うわめづかい

花陽「だから……にこちゃんは私のモノになってほしいのっ」まっかっか


にこ(……)


にこ「?」


にこ(……)


にこ「!?」


にこ(えっ……これそういう話だったの……!?)

58: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/28(日) 20:49:41.51 ID:wxLRwZtC.net
にこ(えぇ~……)

にこ(てっきり、そういう趣味の話だと思ってたんだけど……)

にこ(いや別の意味で、そういう趣味の話だったけど!)

にこ(どうしたらいいのよ……マジで……)


花陽「ね、にこちゃん。どうかな……?」どきどき


にこ(めっちゃ期待した顔で見てるぅー!)だらだら

にこ(そりゃそうよ!さっきの私、そういう感じだったもの!今だって抱きしめたままだし!見つめ合ってるし!)


花陽「にこちゃん……」きらきら


にこ(ぐぅぅ……)

にこ(そんなぴゅあぴゅあな瞳で見つめないで……)

にこ(私が悪かったからっ)だらだら


花陽「にこちゃん……?」おろおろ

花陽「もしかして、迷惑、だったかな……?」なみだめ


にこ(……にこのばか!)

にこ(あんたが鈍いせいで、花陽を悲しませちゃってるじゃない!)

にこ(私はそんな顔、見たくないのに!)

にこ(もう、覚悟を決めるしかないわね……!)


にこ「花陽っ!」

花陽「ひゃ、ひゃいっ」びくん

にこ「いい?一回しか言わないから、ちゃんと聞いとくのよ!」

63: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/28(日) 22:21:58.24 ID:wxLRwZtC.net
にこ「私は―――」

花陽「……」どきどき

にこ「あんたのモノにはならないわ!」

花陽「え……」

にこ「だから、あんたも私のモノにならなくていいの」

花陽「……うん」しゅん


花陽(ダメ、でした……。でも、にこちゃんは真剣に、答えてくれた……)

花陽(それだけで、私は嬉しい……はずなのに)ぐすっ

花陽(……涙が、溢れそう……)


にこ「てい」でこぴん


花陽「ぴゃぁ」びくっ

にこ「こらっ、花陽!話は最後まで聞きなさいよねっ」

にこ「いい!?」

にこ「私は、人にモノ扱いされたくないし、誰かをモノ扱いしたくもない」

にこ「だけど、花陽のことは、ずっと大切にしたい」

にこ「……そういうことよっ」なでなで


花陽「あ……」ぱぁぁ

花陽(それって……!)

花陽「にこちゃんっ」ぎゅっ

花陽「にこちゃん、にこちゃん、にこちゃあああん!」ぎゅぎゅーっ


にこ「もう、苦しいわよ、花陽」むぎゅむぎゅ

にこ「ったく、あまえんぼなんだから……」よしよし


にこ(……)


にこ(よしっ!核心的なことを言わずに乗りきれた!)

72: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/29(月) 21:06:59.34 ID:cuA1msNC.net
にこ(え?後で困るんじゃないかって……?)

にこ(はんっ)

にこ(―――後のことは後で考えればいい)

にこ(私は、今をしのげればそれでいい!)

にこ(それが矢澤哲学よっ)きりっ


花陽「えへへ~」くんくん

花陽「なまのにこちゃんのにおいだぁ……♪」くんくん


にこ(……なんて現実逃避してる間に、好き放題されてる……)


花陽「すぅー……はぁー……」

花陽「ふへへぇ……」とろーん


にこ(なんかヤバそうだけど……)やべえ

にこ(まあ、今だけは好きにさせてあげましょう)


花陽「あれぇ?」

花陽「にこちゃんは、シないの……?」

にこ「……え゛っ?」

花陽「花陽は、にこちゃんにも、くんくんしてほしいなぁ……♪」


にこ「」むらむらむらっ


にこ「そんなの……するに決まってるじゃないっ!」ぎゅっ

にこ「覚悟しなさいよ、花陽……」

にこ「あんたの恥ずかしい、そのにおいだけは、私のモノしてあげるわ……」

にこ「だから、他の誰にもかがせるんじゃないわよっ!」


花陽「―――うん♪私のにおい……にこちゃんのモノにして?」にこっ


にこ「っ」ぷつっ

にこ「ああああっ!」

にこ「はなよ、はなよはなよーーー!」くんかくんかくんか

76: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/29(月) 21:28:38.46 ID:cuA1msNC.net
5分後


にこ「はなよぉ、はなよーっ」くんくん

花陽「にこちゃぁん、にこちゃああん」くんくん


10分後


にこ「はなよぉ~……」すぅーはぁー

花陽「にこちゃーん………」くんくん


20分後


にこ「花陽花陽花陽ぉー!」ぎゅーっ

花陽「にこちゃぁんっ!」ぎゅーっ


ばんっ


凛「いつまでやってるにゃー!!」

にこぱな「!?」びくっ


凛「……ふたりとも、何かお忘れじゃないですかにゃー?」

にこぱな「」


凛「……」じーっ

凛「まず、かよちん!」

花陽「ひゃ、ひゃいっ」びくっ

凛「かよちんは、凛を探しに部室に来たんだよね」

凛「にこちゃんとあわせるために誘導したから、それは当然だよ?でもね……」

凛「仲直りできた後も、凛を探さずにずっとくんくんしてるのはおかしいにゃー!」

花陽「」

77: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/29(月) 21:44:50.61 ID:cuA1msNC.net
凛「そ~し~て~、にこちゃん!」びしっ

にこ「な、なによぅ」

凛「凛知ってるよ」

凛「にこちゃんは、凛が仕組んだことだってわかってたって」

にこ「当たり前でしょ!」


凛「ふーん……」


凛「ということは、凛が近くにいるんじゃないか……ってくらいは思ってたよね?」

にこ「あ、当たり前でしょ……」


凛「それじゃあ……」


凛「……二人の会話を、全部聞いてたことも知ってるの?」

凛「それは凛、知らなかったなあ……」


にこ「」

79: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/29(月) 22:13:36.72 ID:cuA1msNC.net
凛「でも、にこちゃんが、かよちんのにおいにハマるのは予想外だったにゃ」

にこ「……」むっ

にこ「なんなのよ……盗み聞きなんて、趣味悪いわよ?」

にこ「それに、そんなことわざわざ言わなくてもいいじゃないっ」


凛「……」


凛「……凛だって、こんなこと言いたくなかったんだよ?」

凛「二人の大切な思い出なんだから、そっとしておこうって思ってたよ……」


にこ「ならなんで―――」


凛「ずっと、待ってたんだよ」

凛「ドアの外で、仲良くしてる二人を想像して」

凛「出てきたら、おめでとうって言いながら、大好きな二人に抱きつこうって、ワクワクしながら待ってたんだよ……?」

花陽「凛ちゃん……」

80: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/29(月) 22:36:51.16 ID:cuA1msNC.net
凛「それなのに……」うるっ

凛「二人が、凛のこと忘れてずーっと盛ってるから……」

凛「凛はもう、お払い箱なのかなって……」

凛「抱きついたりしちゃ、ダメなのかなって……」ぽろぽろ

にこ「あっ―――」

花陽「りんちゃ―――」


凛「……っ」ぶんぶん 

凛「えへへ、ちょっと不安になっちゃってたみたい……」ごしごし

凛「雰囲気壊しちゃって、ごめんね?」

81: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/29(月) 22:51:57.63 ID:cuA1msNC.net
花陽「凛ちゃんっ」ぎゅっ


凛「っ……かよちん……?」

凛「凛は、にこちゃんじゃないよ?」


花陽「……凛ちゃん、ごめんね」

花陽「凛ちゃんだって、とーっても大切なのに……」

花陽「やっぱり私、好きなことになると暴走しちゃうみたい」

花陽「だから……」

花陽「これからも、ずっとずーっと、凛ちゃんがいないと、私困っちゃうなぁ……」にこっ

凛「かよちん……」


にこ「……ほんとよ、バカ凛」ぎゅっ


凛「にこ、ちゃん」

にこ「いつものあんたはどうしたの?」

にこ「私が部室で花陽と話してたら、無理やり割って入ってきたり」

にこ「学校で私を見かける度に無理やり抱きついてくる―――そんなあんたよ」

にこ「私、あんたがああやって絡んでくるの、結構好きだったんだから……」

82: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/29(月) 23:22:07.38 ID:cuA1msNC.net
凛「……」うるうる

凛「かよちんっ、にこちゃんっ」


凛「ふたりとも、大好きだにゃーっ!」ぎゅーっ


花陽「うんっ」ぎゅっ

にこ「……仕方ない子ねー」なでなで


凛「」ぎゅぎゅーっ


花陽(うーん……)すんすん

花陽(……にこちゃんには負けるけど、やっぱり凛ちゃんのにおいも好きだなあ……)


にこ(ほう……)くんくん

にこ(花陽には負けるけど、なかなかやるじゃない、凛……)


凛「!?」

凛(かよちんはいつものことだけど、にこちゃんも……!?)

84: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/29(月) 23:51:37.62 ID:cuA1msNC.net
花陽(……にこちゃんのにおいに、凛ちゃんのにおい……)

花陽(ここは天国なのでしょうか……)ぎゅっ


凛「かよちん、苦しいにゃぁ……」じたばた


にこ(花陽が甘いにおいなら……凛はさっぱり系ね……)

にこ(においが混ざって……フルーツの香りみたい……)ぎゅっ


凛「ぐぇ……にこちゃん……はなして……」じたばた


花陽「にこちゃん……凛ちゃん……しゅきぃ……」うっとり

にこ「……………」くんかくんか


凛「誰か……たす…けて……」じた…ばた…


花陽「……」くんくん

にこ「……」くんくん


凛「……にゃっ」かくん


凛「」しろめ

89: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/30(火) 19:31:20.24 ID:SGN/GTwq.net
――――――

―――




下校途中



凛「もうっ!二人のせいで死んじゃうとこだったんだからねっ」ぷんぷん

にこ「まだその話続けるのー?ただの気絶じゃない。あんた大袈裟なのよ」

花陽「凛ちゃん、本当にごめんね……」


てくてく


にこ「そりゃ、すぐ意識取り戻したとはいえ、突然ぶっ倒れてびっくりしたし。悪いとは思ってるけど……」

凛「……けど?それだけなのっ」

花陽「ごめんね凛ちゃん、ごめんね、ごめんね」ぶつぶつ

にこ「ほら花陽なんて、ちょっとトラウマになってるじゃない。もう何回謝ってるんだか……」

90: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/30(火) 19:44:38.60 ID:SGN/GTwq.net
凛「―――それだにゃ!」

凛「にこちゃんには真剣味が足りてないんだよっ」

凛「かよちんみたいに、とはいわないけど……もっとショック受けてもいいんじゃないの?」

凛「……にこちゃんは凛のこと、そんなに大切に思ってないかもしれないけどっ」つーん

にこ「……」はぁ


にこ(そういえば、私が花陽を大切にするっていってたの聞いてたんだっけ)

にこ(言われた花陽を羨ましく思って、こんなこと言ってるのかしら……)

にこ(……だとしたら)

にこ(凛も可愛いところ、あるわね)

94: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/30(火) 19:52:02.65 ID:SGN/GTwq.net
にこ(……仕方ないわねー!)

にこ(出血大サービスよ!)


にこ「凛!」

にこ「今度、ラーメン一緒に食べに行きましょ!このパイセンが奢ってあげるわ!」

にこ「だから、それで許しなさい!」


凛「……」ぴくっ


凛「……」


凛「煮玉子、つけてくれる?」

にこ「もっちろんよ」

にこ「大切な後輩には、いっぱい栄養とってもらわないとね」

凛「……」

凛「……許すにゃ!」えへへ


にこ(ちょろめんどくさカワイイ)

95: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/30(火) 20:24:30.63 ID:SGN/GTwq.net
にこ(さて、あとは……)


花陽「ごめんね、ごめんね、ごめんね……」ぶつぶつ


にこ(花陽をどうにかしないと)


花陽「凛ちゃんごめんね、ごめんね」ぶつぶつ

にこ「花陽、そろそろ顔あげなさいよ。凛はもう怒ってないから」

花陽「……ごめんね……ごめんね……」ぶつぶつ


にこ(う~ん……予想以上にショック受けてたみたい……)

にこ(どうしよ……)


凛「ねえねえ、にこちゃん」

にこ「んっ」びくん

にこ「……ちょっと、いきなり耳元でしゃべらないでよっ」どきどき


凛「あはは、ごめんにゃ」こそっ

にこ「もう……。で、なんなのよ?」こそっ

凛「にこちゃん、かよちんを元に戻す方法考えてるんでしょ?凛にいい考えがあるよ」じっ

にこ「……」


にこ(ついさっき、私に花陽の練習着をかがせて無理やり会わせるっていう、わけのわからない策を披露した凛だけど……)

にこ(結果的には上手くいったし……)

にこ(ここは凛にかけてみるのもアリね)


にこ「……とりあえず聞いたげるから、言ってみなさいよ」

凛「うんっ」ぱぁぁ

凛「あのね、あのねっ、まず、かよちんを秋葉につれていって―――」


――――――

―――


96: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/30(火) 20:54:55.96 ID:SGN/GTwq.net
アイドルグッズショップ


花陽「わぁー!私達のグッズ、こんなに増えてるよっ」

花陽「凛ちゃんも、にこちゃんも、はやくはやくっ!」わたわた


にこ「ちょっと待ってよっ」はぁはぁ

凛「かよちん早いにゃー」


花陽「あっ!あっちに新しいコーナーが出来てるよっ」

花陽「にこちゃん、凛ちゃん!私、先に行ってるからねっ」だっ

97: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/30(火) 21:13:09.01 ID:SGN/GTwq.net
にこ「」ぼうぜん

にこ「……あっという間に元に戻ったわね」

にこ「この前一緒に来た時は、あんな風にはならなかったけど……どうしてなの?」


凛「ふっふっふー」どや


にこ「……妙に嬉しそうね」

凛「凛はかよちんの親友だからねっ」

凛「にこちゃんが知らないかよちんを、凛は知ってるよ」ふふん


にこ(さっきまで、にこに構って欲しそうにしてた凛が)

にこ(今度は花陽の仲良しは自分だと主張してる)きゅん

にこ(いじらしいわ……ほんといじらしい……)なでなで


凛「ちょ、ちょっとにこちゃん?急にどうしたの?」


にこ(馬鹿な子ほど可愛いってやつかしら……)なでなで

98: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/30(火) 21:26:42.16 ID:SGN/GTwq.net
凛「にこちゃんってばっ!」

にこ「!」びくっ


にこ「あ、ごめんごめん……ちょっと我を忘れてたわ……」

にこ「えっと、それで……。花陽がああなった理由、教えてくれる?」


凛「簡単なことだよ?」

凛「かよちん、最近忙しくてアイドルグッズ見に行ったり出来なかったの」

凛「だからその分、嬉しいんだと思うな」


にこ「……なるほどね」

にこ(意外に普通の理由だった)


凛「でも、ここに来て良かったなあ」

凛「にこちゃんと二人きりになれたもん」

凛「実は、話したいことがあったの……」

99: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/06/30(火) 21:32:34.62 ID:SGN/GTwq.net
にこ「えっ!?」


にこ(まさか、凛も花陽みたいに私のこと……?)

にこ(……どうやって逃げよう……)


凛「……たぶん、にこちゃんが考えてることとは違うことだよ」

凛「むしろ、その逆というか……」


にこ「んん?」

にこ「……それって、どういうこと?」


凛「うん、」

凛「その……」

凛「ちょっと言いづらいんだけど……」

凛「かよちんが告白して……」

凛「にこちゃんが、それに答えてたのを聞いて思ったんだけど……」

凛「……」


凛「―――かよちんとのこと、誤魔化すつもりじゃないよね?」


にこ「」

112: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/02(木) 18:10:12.73 ID:oJV42aNi.net
翌日 朝 にこにー登校中



にこ(はぁー。学校に行くの気が滅入るわ……)

にこ(色々あったせいか、よく眠れなかったし)

にこ(それに、昨日の凛の言葉が気になる……)



――
―――


凛『凛の思い過ごしならいいんだけど……』

凛『にこちゃんはどういうつもりで、大切にしたいって言ったの?』

凛『もちろん、そういう意味で答えたんだよね?』じーっ


にこ『』だらだら


凛『…………』

凛『ま、いいにゃ。どうせ、手遅れだもんね』くすくす

凛『にこちゃんは、かよちんの中で、お米より上になっちゃったんだから』けらけら


―――
――



にこ(あの意味深な言葉……)

にこ「一体なんだったのかしら……」

にこ(このにこにーを悩ませるなんて凛の癖に生意気よね)てくてく

にこ「……うーん、わからない……」てくてく

花陽「にこちゃん、何がわからないの?」

にこ「いやね、たいしたことじゃないんだけど、昨日―――」


にこ「―――」


にこ「えっ?」ちらっ

花陽「昨日、どうしたの?」にこにこ


にこ「!?」

115: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/02(木) 19:15:13.31 ID:oJV42aNi.net
にこ「……えっ花陽?なんでいるの?」びくっ

にこ(偶然……?いやでも私、自分の家出て十メートルくらいなんですけど)

にこ(っていうか、そもそも花陽と私の家って方向違うし)


花陽「えへへ~」にこにこ

花陽「にこちゃんと一緒に登校したいなって思って、ずっと待ってたのっ」

花陽「……びっくりさせちゃったかな?」


にこ「あ、ああ、そういうことね……。うん、びっくりしたわ……」

にこ(マジで)


にこ「連絡入れてくれれば、私のほうから行ったのに」

花陽「ううん。私のわがままなんだから、そんなことさせられないよ」

にこ「でも……。花陽の家から私の家って結構遠いし、大変だったでしょ」

花陽「そんなことないよ?にこちゃんのこと考えながら歩いてたら、すぐ着いちゃったもん」てれてれ

にこ「そ、そう……」

にこ(なによ、全然普通じゃない。いや、ちょっとアレだけど……)

にこ(凛のせいで無駄にびっくりしたわ……)

116: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/02(木) 19:32:13.52 ID:oJV42aNi.net
花陽「……あ、そうだ」ぴこーん

花陽「ねえ、にこちゃん♪手、繋いでいこ?」ぎゅっ

にこ「それ、握ってから言うセリフじゃないでしょ……」

花陽「えへへ~」


にこ(もう、可愛いんだから……!)きゅん


にこ「仕方ないわね……。とにかく、そろそろ行きましょう」

花陽「うんっ」てくてく


にこ「……」てくてく


にこ「それにしても、あんたの手、なんか冷たくない?」てくてく

花陽「……そうかなあ?」てくてく

にこ「繋いでる私が言うんだから、そーよ」

花陽「……うーん。それじゃあ、にこちゃんの手であったかくして?」

にこ「……」

にこ「いいけど……」

にこ「……」

にこ「そういえば花陽、あんた何時からあの場所で、」

花陽「あ!にこちゃん、さっきのわからないことって何だったのっ?」

にこ「いや、だから何時から、」

花陽「たいしたことじゃないんだよね?私も知ってることかなあ?」すらすら

花陽「アイドルグッズの話なのかな?だとしたら花陽におまかせですっ」ぺらぺら


にこ「……そうね」てくてく

にこ(深く聞くのはやめときましょう……)

118: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/02(木) 20:05:52.37 ID:oJV42aNi.net
学校 三年生 教室


ざわざわ……

  ざわざわ……


「矢澤さんとμ’sの花陽ちゃんが手繋いで登校してきたんだって……」こそこそ

    「あ、私ちょうど、後ろ歩いてたんだけど……。校門くぐった途端、花陽ちゃんが腕絡ませてたの見たよ……」こそこそ

 「えー!?それってやっぱり、まわりに見せつけてたの?」きゃー


ざわざわ……

  やざわやざわ……



にこ「」ぷしゅー


にこ「うぅ……」

にこ(まさか、校舎に入るまで繋がれるとは思わなかったわ……しまいには腕絡ませてくるし……)

にこ(離そうとしたら泣きそうな顔になるし……)

にこ(……それに、いいにおいだったし……)

にこ(あんなの無理ゲーよ……)

120: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/02(木) 20:16:48.04 ID:oJV42aNi.net
がらっ


希「にこっちー!おはよーさん♪」

にこ「……そろそろ来る頃だと思ってたわ。わざわざ隣からご苦労なことね……」

希「ふっふー」にやにや

希「なんか、面白そうなことになってるみたいやん?えりちも気にしてたよー?」


にこ「……」ぶすっ

にこ「何もおもしろかないわよー……」


希「あらら……。本当に疲れてるみたいやね」

にこ「はぁぁー」ぼろっ

希「……」

希「ねえ、にこっち。うちはにこっちのこと、大切な友達やと思ってるよ」

にこ「……急に何よ」

希「だから、いつでも相談にのるから。本当に辛い時は、言ってね」


にこ「……」じーん


にこ「のぞみぃ……」うるうる

希「それに……」

希「花陽ちゃんとどうなってるのか、知りたいし♪」くすくす

にこ「……。あんた、しばくわよ……」いらっ

希「きゃー♪にこっちに襲われる―♪」けらけら


がららっ


花陽「そこまでです、希ちゃん!」


にこ「!?」

希「!?」

クラス中「!?」

125: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/02(木) 20:47:25.37 ID:oJV42aNi.net
花陽「ふぅ、危ないところでした……」すたすた


にこ「花陽……?」

希「は、花陽ちゃん?」

花陽「ごめんね、ふたりとも。驚かせちゃったかな……?」

希「あ、うん、ちょっと急やったから……」

希(めっちゃ叫んでたしね。それに、そこまでって何がやろ……?)


にこ「……それで、どうしたの?何かあったの?」

花陽「え、と。にこちゃんに伝え忘れたことがあって来たんだけど」きょろきょろ

花陽「お昼一緒に食べよう?部室でどうかな」こそこそ

にこ「……良いけど」

花陽「やったぁ♪今日のお弁当、自分で作ったんだぁ。にこちゃんにも食べて欲しいな♪」こそこそ


希「……」じーっ

希(これは面白いことになりそうやん……)


希「……ねえねえ、花陽ちゃん。それって凛ちゃんと真姫ちゃんも一緒なん?」

花陽「えっえっ……」あたふた

希「もしかして、二人きりで食べるん……?」にやにや


花陽「……うぅ」まっかっか

花陽「……」こくん

126: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/02(木) 20:57:24.44 ID:oJV42aNi.net
希(ふふ……。にこっちは一年生に人気あって、ちょっと羨ましい)

希(花陽ちゃんは、にこっちに対して控え目やったから、今になって独占欲みたいなのが爆発したんやろうなぁ)ほのぼの

希(凛ちゃんは花陽ちゃん第一だから気にしないだろうけど、真姫ちゃんはにこっちとの時間減ったら結構気にするかも……)

希(くふふ。これからのお楽しみ、増えたやん♪)


花陽「そっか、みんなには、まだ言ってなかったね」

希「うん?」

花陽「私とにこちゃん、お付き合いすることになったの」ぱなっ

希「へえ、そうなんや!めでたいやん!みんなでお祝いせんとね」にこっ

花陽「ありがとう、希ちゃん♪あ、それじゃそろそろ教室戻るね」ふりふり

希「うん、またね」ふりふり


がらっ てくてくてく……


にこ「……」

希「……」

にこ「……」

希「……は?」

にこ「真顔で見つめないで……」だらだら




ざわざわざわ……!

  ざわざわざわ……!


「私みんなに教えてくる!」

   「私3組に行ってくるから、あんた4組で!」

 「ああ、私μ’sのファンで良かった……」きまし


ざわざわざわ……!

  やざわやざわやざわ……!

130: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/02(木) 21:21:44.00 ID:oJV42aNi.net
お昼休み 部室


にこ(やばいやばいやばい……)

にこ(どんどん逃げ道が塞がれていってる……)

にこ(あのあと、希は何も言わずにどこか行っちゃうし……)

にこ(三年生には、もう私と花陽が付き合ってるものだと認識されちゃってる)

にこ(一年生、二年生全体に広がるのも時間の問題……っていうかもう広がっててもおかしくないわよね……)

にこ(一年生なんて一クラスしかないし)

にこ(いや、でも、他のメンバーから連絡は何もきていない……考えすぎかもしれない)


にこ「ああああっ、どうしたらいいのよぉっ」ぶんぶん


にこ(昼休みの間に、どうにか花陽を説得して、なかったことに……)

にこ(とにかく何か考えないと。まずは落ち着くのよ、私)

にこ(そうだ、μ’sのブログの更新作業、まだ残ってたのよね)

にこ(とりあえずそれでもやって、落ち着こう)


にこ「……」かたかたかた

にこ「あれ?更新されてる?」


にこ(私更新したっけ?更新履歴でも見てみましょう……)


にこ「プロフィールが更新されてる……?」


にこ(そんなことした記憶ないけど。見てみよう……)

にこ「うーん、どこも変わってないように見えるけど……ん?」


【小泉花陽】
      好きな食べ物 白いご飯
      嫌いな食べ物 なし
      好きな人    にこちゃん


にこ「」


にこ「あの子勝手にナニヤッテルノォ!?」

132: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/02(木) 21:39:57.65 ID:oJV42aNi.net
にこ「誰にも気付かれないうちに消してしまえば……!」

にこ「ってああっ!Twitterで更新したこと呟いてるし!」

にこ「誰も見てませんように……」おそるおそる

にこ「……」カチッ



lovelive_muselove
【激拡散】小泉花陽の好きな人が矢澤にこだと判明



lovelive_muselove
【爆速拡散希望】これを読んだほかのファンたちも応援してください!!!
μ’sの花陽ちゃんがにこちゃんのことが好きなのが判明しました!


lovelive_muselove
μ’sの花陽ちゃんがにこちゃんにラヴな様です。皆さん急いで拡散してください。




にこ「」


にこ「」


にこ(終わった……) ?
Rock54: Caution(BBR-MD5:f70dfdc711a7c6ae6accccb939f27fbf)

138: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/03(金) 17:47:07.07 ID:2fZZQpgd.net
にこ(いやいや、待つのよにこ!ファンたちは本気だとは思ってないはずよ)

にこ(百合営業を始めたぐらいにしか思ってないに決まってるわ)

にこ(そういう線で誤魔化せば、まだ取り返しはつくはずよ……)


にこ「……」かたかたかた

にこ(にこの名前で声明出しておきましょう……)

にこ「『にこもー、花陽ちゃん大好きにこ~♪』……と」かたっ

にこ「……うん。まあ、嘘じゃないし。こんな感じにしとけば、そのうち沈静化するでしょ……」ふぅ


10分後


にこ「それにしても、花陽遅いわね……」

にこ「何してるのかしら……お昼休み終わっちゃうわよ」

にこ(お腹すいたけど、先に食べるわけにもいかないし……)ぐぅ


こん、こん


にこ(……なんて考えてたら来たわね)

にこ「はいはい、どうぞー」


がちゃ


絵里「失礼するわ」

海未「にこ、話があります」

真姫「……」くるくる

希「にこっちやっほー、邪魔するでー」

穂乃果「にこちゃん、きたよー♪」

ことり「二人の時間を邪魔して、ごめんね」

凛「賽は投げられたにゃ」


ぞろぞろ


花陽「あはは……にこちゃん、おまたせ……」

にこ「」

140: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/03(金) 18:43:37.01 ID:2fZZQpgd.net
―――――

―――





絵里「さて、にこ。私達が何をしに来たか、わかってるわね?」

にこ「……え、えぇー?なんのことか、にこわかんなーい」

絵里「……このスキャンダルの責任はどう取って貰えるのかしらね?」

にこ「絵里ちゃん、なんだかこわ~い」きゃるん


絵里「……」


絵里「これだけ学校中騒ぎになってるのに、とぼけるのね……」

絵里「事情を聞いてから決めようと思ってたけど。先に、おしおきが必要みたいね」

絵里「ねえ、みんなもそう思うでしょ?」


海未「……」ぎろっ

真姫「……」ぎろっ

希「……」じーっ

穂乃果「……」じーっ

ことり「……」じーっ

凛「……」にゃーっ


にこ「ひぃっ」

142: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/03(金) 19:00:54.72 ID:2fZZQpgd.net
にこ(まさか、ヤキ入れられちゃうの……?)がくがく


絵里「そんなに怖がらなくても……。別に酷いことしないわよ?」

にこ「……ほんとう?なぐったりしない?」ぷるぷる


絵里(えぇ~!?私達、信用ないのかしら……。結構ショックなんだけど……)ずーん

絵里「ほんとよほんと!ただ、みんなでわしわしするだけよ」

絵里「ね、酷くないでしょ?」にこっ

にこ「……十分嫌なんだけど」

にこ(心底嫌だけど……それで皆が落ち着いてくれるなら……)


絵里「ただ、交代でワシることになるから……」

絵里「今日一日中は覚悟しといて貰わないとダメなんだけど」

絵里「まあ大丈夫よね」


にこ「」

145: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/03(金) 19:44:14.56 ID:2fZZQpgd.net
にこ「いやっ!絶対いやよっ!」がーっ

にこ「一日中わしわしされたら胸が取れちゃうわよっ!」

凛「……にこちゃん、取れる胸あるの?」びっくり

にこ「それあんたが言うの!?」

にこ「とにかく、ぜーったい嫌だからね!」


絵里「もう、にこったら、わがままなんだから……」

絵里「やっぱり一人でおしおきを受けるのは不安なのかしら」

絵里「でもそこは安心していいわよ?」

絵里「おしおきは当然、花陽にも受けてもらわなくちゃならないから」


にこ「えっ?」


花陽「……うん」

花陽「私も、一緒に罰を受けます」

花陽「にこちゃん。一緒に、頑張って耐えようね……?」にこっ


にこ「―――」

147: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/03(金) 19:47:53.08 ID:2fZZQpgd.net
にこ(今なんていった?花陽になにするって?)

にこ(誰が?……皆が。誰に?……花陽に)

にこ(何を?……おしおき。苦しくて辛いわしわし)

にこ(この、かよわくて、私のことが好きな花陽に、やるの?)

にこ(私の、私だけの花陽に?)

にこ(へぇー……)


にこ(―――)ぶちっ


凛(!)ぴくっ

絵里「ね?二人一緒なら、安心して耐えら―――」


にこ「絵里ぃぃぃぃっ!!」だっ


凛「―――駄目だにゃっ!!」がしっ

にこ「離しなさいよ凛っ!あんたはこいつら許せるの!花陽を苦しめようとしてるのよ!?ぶん殴って目ぇ覚ましてやんないといけないでしょうが!!」

凛「暴力はだめっ!!」ぎゅううう

にこ「それともあんたもソッチ側ってわけ!?花陽の親友だろうが何だろうが、私の花陽を傷つけたら許さないから!!」

凛「違うの、にこちゃん!これドッキリなの!絵里ちゃんの考えたドッキリ!」

凛「にこちゃんが、かよちんをどれだけ守れるか試すんだーっていって、ノリノリで始めたドッキリなの!ほら、あそこで固まってる絵里ちゃんを見てよっ」

にこ「はぁぁ!?そんな言い訳が通じると思ってるの!?何がドッキリよ!そうやって、安心させてからっ……ん?………え?ドッキリ……?」



絵里「」


絵里「」しろめ

149: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/03(金) 20:08:22.37 ID:2fZZQpgd.net
――――――

―――




絵里「」


希「えー……」おほん

希「にこっちのマジギレで、魂が抜けちゃったえりちに変わって説明するけど……」

希「一言で言うとドッキリなんよ」


にこ「……」ぶっすー


希「まあ、花陽ちゃんは知らなかったけどね。お昼休み始まって、花陽ちゃんと合流する前に、えりちが急に言い出してな」

希「わしわしなら、そんなに怒らんよねって思って、それにしたんやけど。うん、あそこまで怒るとは……」

希「睨まれてないウチでも正直、怖かったわ……。真正面から受けたえりちは、しばらく放心したままやろうね」

希「ここまでで、なんか質問ある?」


にこ「……ふん」むすっ


希「……元々は、みんなでお祝いの言葉言おう!って話になっててんけどね……」

希「責める気なんて、最初からなかったんよ」


にこ「……」

花陽「にこちゃん」

にこ「……」

花陽「ね?」ぎゅっ

にこ「……はぁ。いーわよ、わかったわよ。花陽が許すなら、私からいうことはないわ」

にこ「お祝いしてくれようとした気持ちは、嬉しいしね」


希「良かったぁ」ほっ

151: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/03(金) 20:57:22.17 ID:2fZZQpgd.net
にこ「ったく、あんたら揃いも揃って趣味が悪いんだから」はぁ

にこ「……海未や真姫ちゃんあたりは、こういうの嫌いそうなのに、よく協力したわね」ふふっ


海未「すみません、にこ」

海未「悪いとは思ったのですが……。にこの覚悟を、私も確認して置きたかったのです」

にこ「あーあー、いいってば。そんな本気で謝らなくても」ひらひら


真姫「私も似たようなものよ。……にこちゃんが、どれだけ花陽を大切にするのか見ておきたかったの」つん

にこ「……うん。気にしてくれてありがと、ふたりとも」


にこ「……」


にこ「で、そこの二人はなんでニヤニヤしてるのよ」

穂乃果「えー!にやにやはしてないよっ、にこにこだよっ」にこにこ

ことり「そうだよ~♪」にこにこ

にこ「なんかムカつくわね……。ちょっとぐらいションボリするか、真面目な顔しときなさいよね」

穂乃果「だってぇー。にこちゃん、カッコ良かったんだもん!ねー、ことりちゃん」

ことり「うん、とってもカッコ良かったね♪かよちゃんの言うとおりだったねっ」


にこ「……花陽の言うとおり?」

152: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/03(金) 20:58:19.83 ID:2fZZQpgd.net
穂乃果「そうだよ?花陽ちゃんがクラスで説明してくれた通り、にこちゃんがかっこよかったから、素敵だなぁって思ったんだ」

ことり「かよちゃんが、とってもかわいいにこちゃんが、本当はとってもかっこいいんだって力説してたから」

ことり「一体何言ってるんだろうって思ってたけど、想像以上にかっこよかったねー♪」

穂乃果「ねー♪」


にこ「……ん?」

にこ「クラス……?説明……?噂じゃなくて?」


希「?」

希「うちのところにも、花陽ちゃん来て説明してたけど。休憩時間に。ねえ、花陽ちゃん」

花陽「うん、誤解があるといけないから。凛ちゃんと一緒にみんなのクラスを周って、お付き合いするまでの経緯を説明してたんだ」ぱなっ

花陽「あ、にこちゃんも一緒に周ったほうが良かったよね……」しゅん


花陽「……でも、安心してね。私達がにおいフェチなことは、上手く誤魔化しておいたからね?」こそっ


にこ「」

156: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/03(金) 21:37:04.66 ID:2fZZQpgd.net
にこ「ね、ねえ、凛……」ふるふる

にこ「……それって、メンバーにだけ説明してたのよね?」こそっ

凛「かよちん、周りの人に普通に聞こえるトーンで説明してたよ」こそっ


花陽「?」にこにこ


にこ「いやいや、私達は花の女子高生よ?休憩時間ともなれば相当うるさいはず……」こそこそ

凛「そういえばかよちんが話してる時だけ、どのクラスも妙に静かだったよ?不思議なこともあるもんだにゃー」こそこそ


にこ「で、でもっ……」

凛「諦めるにゃ」ぼそっ


にこ「」


花陽「凛ちゃん、にこちゃんどうしちゃったの?」にこにこ

凛「あのね、さっきのにこちゃんのセリフで、『私の花陽』とか、『傷つけたら許さない』とか」

凛「なんだか愛を感じるねーって言ったら、にこちゃん恥ずかしがっちゃって固まっちゃった」しれっ

花陽「あは、もう、凛ちゃんっ。それは恥ずかしいよぉ~」ぱしぱし

凛「かよちん、痛いにゃ~」きゃっきゃ


希「羨ましくなるくらい、幸せそうやねぇ……」ほのぼの

真姫「……あんな笑顔で笑えるんだもの。最高に幸せに決まってるわ」

海未「そうですね。愛というものは美しく、幸せなものであるべきです」

穂乃果「……穂乃果もいつか、そういう人と会えるのかなぁ」

ことり「穂乃果ちゃん……。穂乃果ちゃん、好きな人が出来たら私に相談してね?」

海未「ほ、穂乃果!私にも言ってくださいね?ことりもですよっ!」

穂乃果「海未ちゃん慌てすぎだよぉー」


きゃっきゃ


にこ「」


絵里「」

163: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 15:09:03.78 ID:CWR+PgTW.net
にこにー 午後授業中


教師「ですから、ここはこうなって、答えは25と87いうことになるんですね」ぺちゃくちゃ


にこ(……)ぼーっ

にこ(ああああ……)

にこ(思い返してみれば、皆の前で啖呵切っちゃったのよね)

にこ(……私の方から告白しなおしたようなもんだもん。もう、退路は断たれたといっていいわ)

にこ(今更これを、実は違うんです、なんて言ってひっくり返してみなさいよ)

にこ(そこで、にこのスクールアイドル生命は絶たれることになるでしょうね……)

にこ(……凛の言うとおり、諦めるしかないのかしら……)


にこ「はぁー」ためいき


にこ(それに……)


花陽『……うん』

花陽『私も、一緒に罰を受けます』

花陽『にこちゃん。一緒に、頑張って耐えようね……?』にこっ


にこ(あの時の花陽の微笑み……。私を安心させて、支えようとする笑顔……)

にこ(本当に、綺麗だった)

164: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 15:36:47.79 ID:CWR+PgTW.net
教師「……矢……さん?」


にこ(あの子は、ほんと卑怯よ)

にこ(あんなの見せられたら誰だって……。私だって、花陽のこと、本当に―――)


教師「―――矢澤さん、聞こえていますかっ!」


にこ「!?」びくっ

にこ「あ、はい!」がたっ


教師「……授業はちゃんと聞いてくださいね」

にこ「すみません……」


教師「……」

教師「……矢澤さん」


にこ「はい」

にこ(なんだろ?)


教師「話は聞いています。……これから、色々と頭を悩ませることもあるでしょう」

教師「ですが、私達教師は、あなた達の味方ですからね。何かあれば相談してください」

教師「……」

教師「では、授業を続けます」


にこ「……」


にこ「……」


にこ(はんっ!)

にこ(このタイミングだもの。どうせその話するんでしょってわかってたから、驚かなかったわ)

にこ(ふふ、流石にこね!ふふっ、ふふっ、ふふふっ……)

にこ(……ふぅ)

にこ(ああ、周囲の気遣いが、つらい)ずーん

165: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 16:21:24.14 ID:CWR+PgTW.net
放課後 部室


にこ「……」じーっ

絵里「あ、にこ……!こわい……」ささっ

絵里「のぞみー!のぞみー!」ぎゅうううう


希「……この通り、まだえりち本調子じゃないみたいやから。今日練習お休みにせえへん?」えりち、くるしい

希「にこっちも疲れてるやろ?」


にこ「そうね……。花陽があちこちで爆弾落としまくったせいで、どこ行っても注目の的だったし」

にこ「……誰かさんのドッキリが一番疲れたけどね」

希「あはは、はは……」

希「……まあ、それはそれとして!穂乃果ちゃんたちには、うちから連絡しとくから!」

希「にこっちは一年生の教室に行ってあげてよ」


にこ「え?なんで?」

希「なんでって……。花陽ちゃんと一緒に帰らへんの?」

にこ「あー……」

166: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 16:24:31.42 ID:CWR+PgTW.net
にこ(帰りの約束はしてないし)

にこ(今は、一人で考えをまとめたいわね……)


にこ「凛と真姫ちゃんいるし、そこまで一緒じゃなくて大丈夫でしょ」

希「そうかなぁ……?二人は出来たてほやほやのカップルやろー?」

希「ここで、にこっちのほうから行ってあげたら、花陽ちゃん喜ぶと思うんやけど」


にこ「……」

にこ「いいから。私はもうこのまま帰るわ」

にこ「花陽たちにも、練習はなしって伝えておいて。そしたら一年生三人で帰るでしょ」


希「うーん……。そこまでいうならそうするけど……」

にこ「頼んだわよ。……それじゃ、帰るわ」ばいばい


がちゃ ばたん


希「ええのかなぁ……」

絵里「……あれ?にこ、帰っちゃったの?」ひょこ

希「おっ、えりち、ちょっとは回復してきたん?」にこにこ

絵里「どうしよう、わたし、まだにこに謝ってないのに……」

希「えっ?」

絵里「……にこ、帰ってきて!にこー!にこー!」びええ

希(あ、これ元に戻るまで長くなるパターンや……)



――――――

―――


172: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 22:33:06.44 ID:CWR+PgTW.net
夕方 ゲームセンター


【PERFECT CLEAR!】

にこ「ふふふ、だいぶ上達したわ……。連続でパーフェクトクリアよ!」

にこ「明日にでも穂乃果と凛を連れて来て、勝負挑んでやろうかしら」

にこ「いつも舐めた口聞いてくるアホ二人をぎゃふんと言わせるチャンスよねっ」くっくっくっ

にこ(……それにしても)

にこ(ゲーセンで何も考えずに体動かすってのも、悪くないわね~)

にこ(悩みなんてどこかに吹っ飛んでいった気分だわ)

にこ(なんにも解決してないけどね)


にこ「あー、スッキリ」


にこ(ま、急ぐことはないわ。花陽のことは、ゆっくり考えていけばいい)

にこ(もう逃げるに逃げられないんだし)

にこ(それに……)

にこ(正直、花陽との関係を、悪くないと思ってる自分がいるのも本当だもの)

にこ(うん)

にこ「きっと、なるようになるわっ!」


「ねえ凛、あそこにいるのってにこちゃんよね?」

「そうだと思うにゃー」

173: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 22:33:59.19 ID:CWR+PgTW.net
にこ「んー?」くるっ


凛「にこちゃん、偶然だねっ」にゃにゃっ

真姫「こんなところで会うなんてね」かみのけくるー


にこ「凛に、真姫ちゃん」

にこ(ということは花陽も近くにいるわね……)

にこ(……)

にこ(ま、いいか。悩むのはやめたし。今日のところは三人に合流して、遊び倒すとしましょうか)


にこ「あんたたち、これから時間ある?」

真姫「え?うん……あるけど」くるくる

凛「ゲームセンターに来るくらい、暇を持て余してるにゃ」

にこ「そりゃそうね。……ねえ、これからみんなでカラオケでも行かない?」

にこ「今すっごい歌いたい気分なのよね」

175: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 22:35:25.62 ID:CWR+PgTW.net
凛「うーん……」

凛「凛はいいけど。お邪魔にならないかなぁ」

真姫「私も問題ないけど。花陽は二人で居たいんじゃないの?」くるくる

にこ「いやいや、お邪魔も何も、あんた達二人と別れるほうが変でしょー」

真姫「そうかしら?私なら、デートの邪魔されるのは嫌だけど」

にこ「デートって、何がよ」くすくす

真姫「制服来たまま放課後にデートするのって、制服デートっていうんでしょ?花陽も楽しみにしてたと思うけどっ」むっ


にこ(花陽とデートすることも、そのうちあるんでしょうけど)

にこ(一緒に遊んでた友達と別れて、急にデートしたいとは言わないでしょ)

にこ(友達思いだけど、少し暴走気味というか……。そんな真姫ちゃんも可愛いけどね)くすっ


にこ「もう、大袈裟ねー。花陽に聞けば、みんなで遊ぼうよって言うに決まってるじゃない」

真姫「でもっ」

凛「……」


にこ「はいはい、あとは本人に聞きましょ。ところで―――」

凛「ねえ、にこちゃん―――」


にこ「花陽の姿が見えないけど、どこかでゲームしてるの?」  凛「にこちゃんって、今までかよちんと制服デートしてたんだよね……?」


にこ「えっ」 凛「……」 真姫「え?」

 

――――――

―――


176: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 22:43:15.55 ID:CWR+PgTW.net
のぞみホーム



ずるい、ずるい、ずるいことはー♪ しちゃダメなのよ こらこらー♪


希「およ。にこっちから電話みたいや」

絵里「にこから電話……!?ねえねえ希、にこと話し終わったら、私に替わって!ねっ!ねっ!」

希「そんなに、にこっちに謝りたいん?そんなら自分から電話しとけばよかったのに……」

絵里「自分からは無理よっ勇気でないのっ」うるうる

希(今日のえりちめんどくさっ)


まじめにー♪


希「って、はやくしないと切れちゃう切れちゃう……」


ぽち


希「はいはい、にこっちー?うちやけど。どうしたんー?」

177: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 22:45:38.96 ID:CWR+PgTW.net
にこ『のぞみぃぃ!!』

希「ひゃっ!?」びくっ

希「な、なにっ、どうしたん!?」

絵里「?」

にこ『あんた最後まで部室残ってたのよねっ!?』

希「う、うん、残ってたけど」

にこ『花陽は来たのっ!?』

希「花陽ちゃん?結構遅くまで学校におったけど、来なかったよ?」

希「……あ、もしかして練習がなくなった連絡の話?」

希「それなら部室に来た凛ちゃんに教えたから、一年生三人とも知ってると思うよ?」

にこ『それは凛からきいたから知ってる!』

絵里「ね、希、そろそろかわってほしいわっ」ゆさゆさ

希「んー、どういうことなん?話が見えへんねんけど」

にこ『~~~!ああっもうっ説明してる時間が惜しいから、端的に聞くわ!あんた放課後以降に花陽に会った!?』

希「会ってへんけど……。ねえ、にこっち、一体なんの話を、」

ぷつっ

希「ええ~……」

絵里「希、話終わったわね!携帯貸してっ!」ぱしっ

絵里「―――あの、にこ?今日のお昼の事、まだ謝ってなくて、その、本当にごめんなさい……反省してるわ」

絵里「だからどうか、許して欲しいの……。ね、にこ……。お願い、何か言ってっ……!」うるうる

希「えりち、もう電話切れてるよ」



――――――

―――


180: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 23:20:51.46 ID:CWR+PgTW.net
通学路



にこ「はぁっ……はぁっ……」

にこ(体力ついたと思ったけど……学校まで全力疾走はきついわね……)



――
―――


にこ『あんた達、花陽と一緒じゃないの……?』

真姫『花陽、にこちゃんと帰るって言ってたから、今も一緒にいるのかと思ってたわ』

にこ『今日、一緒に帰るとか、そういう話をした覚えはないわよ……?』

真姫『……えっと……それじゃあ、花陽は……?』

にこ『まさか、学校にいるとか……。いや、そんなわけないわよね』

真姫『流石にもう帰ってるはずよ。そうよね、凛……って電話してるみたいね』ちらっ

にこ『……花陽かしら?』

181: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 23:21:33.50 ID:CWR+PgTW.net
凛『……うん、そっか、まだ帰ってないんだ。おばさんありがとー』

凛『え?ううん、喧嘩したわけじゃないよー。ちょっと気になっただけー。うん、そう。あはは、また今度ご飯食べに行くね。それじゃ』

ぴっ

凛『にこちゃん、真姫ちゃん、かよちんまだ帰ってないって』

凛『それとついでに言っておくと、かよちんの携帯は電源が切れてて繋がらないみたいだよ』

真姫『それって……』

凛『……たぶん、学校で、にこちゃんを待ってる』


にこ『』さーっ


にこ『ま、待って!希なら花陽がどうしてるか知ってるかもっ!』


―――
――



にこ「はぁっ……!はぁっ……!」

にこ(……あの子、想像以上にバカだわっ)

にこ(約束もしてないのに、なんでずっと待ってるのよっ)

にこ(暗くなってきてるんだから、帰りなさいよっ!)

にこ(つーか一緒に帰りたきゃ連絡寄越してきなさいよ!せめて携帯の電源くらい入れときなさいよ!)

にこ(一方的に期待を押し付けるなってビンタしてやんなきゃ、気が済まない……!)


にこ「待ってなさいよっ!」だっ

182: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 23:26:46.91 ID:CWR+PgTW.net
学校 一年生の教室



花陽「…………」


がらっ


にこ「はぁっ……はぁっ……」


にこ「……ふぅ」

にこ「ここにいたのね、」

にこ「花陽」


花陽「にこちゃん」

183: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 23:27:44.08 ID:CWR+PgTW.net
にこ「……あんたねっ!なんでまだ残ってるのよっ!外暗くなってるでしょうが!」

にこ「私がこなかったらどうするつもりだったの!ずっと残ってたなんて言わないわよね!」


花陽「嬉しい」

花陽「やっぱり、来てくれた」にこっ


にこ「あのね!私は、あんたを叱りに、」


花陽「にこちゃん」

花陽「あのね」

花陽「私ね、今日ね、思ってたことがあるの」


にこ「……何よ」

184: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 23:29:03.65 ID:CWR+PgTW.net
花陽「朝、手を繋いで、一緒に登校したよね。恋人同士になれた証拠みたいで、私はとっても嬉しかった」

花陽「でも、にこちゃんは違った。ううん、違ったっていうより、いつもと同じだったっていうのかな」

花陽「思い切って腕を組んでみても、照れてるっていうより、誰かに見られるのが恥ずかしい、みたいで……」


にこ「っ」


花陽「だから、ね。もしかしたら、昨日のことは夢だったんじゃないかって。勘違いだったんじゃないかって」

花陽「そう考え出しちゃって……。そうしたら、止まらなくなっていって……」

花陽「……それで、不安を消すために、思い切って色々やっちゃったの。……えへへ、にこちゃん、ごめんね」


にこ「そう、だったの……」

185: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 23:35:58.71 ID:CWR+PgTW.net
花陽「えっと、それでね。今日、練習がお休みのことを知った時に……もしも、にこちゃんが私のところに来てくれたら……」

花陽「約束もお話も、何もしていない、私のところに、来てくれたら」

花陽「昨日のことは夢じゃなくて、本当のことだったんだって信じようって、思ったの」


にこ「……」


花陽「だから、にこちゃんが来てくれて、とっても嬉しい」にこっ


花陽「……っ」

花陽「それで……」

花陽「その上で、もう一度。にこちゃんと、やりなおしたいことがあるの」

花陽「……いいかな?」


にこ「うん。……いいわよ」


花陽「ありがとう」


花陽「……ふぅ……」

花陽「すぅー、はぁー……」


花陽「……」

花陽「私、小泉花陽は、矢澤にこさんのことが、大好きです」



花陽「恋人として、お付き合いしてください」

186: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 23:37:24.42 ID:CWR+PgTW.net
 
 
 
 
 
にこ「ごめんなさい」
 
 
 
 
  ?
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)

188: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 23:38:23.88 ID:CWR+PgTW.net
花陽「……うん」


花陽「なんとなく、そうなのかなって、思ってた……」ぐすっ

花陽「っ……少しの間だったけど……にこちゃんの、恋人になれて……っ……」

花陽「……私は嬉しかった。にこちゃん、ありがとうございました……」ぽろぽろ

189: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 23:38:51.88 ID:CWR+PgTW.net
にこ「―――」


『ま、いいにゃ。どうせ、手遅れだもんね』

『にこちゃんは、かよちんの中で、お米より上になっちゃったんだから』


にこ(花陽はお米が「好き」なだけじゃなくて、「大事」な存在)

にこ(そして私は、そのお米以上に大事にされる―――まったく、凛のやつめ。私にも、わかるように言いなさいよね)

にこ(おかげで、たった一日で花陽にほだされちゃって、手遅れよ。文句なしに好きになっちゃったわよ)

にこ(はい、って答えるのは簡単だったけど。それじゃあ、面白くないわよね?)

190: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 23:39:44.22 ID:CWR+PgTW.net
花陽「うぅ……うっ……」ぼろぼろ


にこ(……それに、花陽は「やりなおし」をしたんだから、私だって「やりなおし」をしないと)

にこ(あの時の嘘が、本当に嘘になっちゃうもの)


にこ「……ていっ」でこぴん

花陽「ぴゃあっ」びくっ


にこ「ふふっ。でこぴんした時の花陽って、いつも同じ反応よね」

花陽「にこ、ちゃん?何を……」ひりひり


にこ「こら、花陽。話は最後まで聞きなさいよね」

にこ「というかさ、あんたが言ってたんじゃない」

にこ「私は、宇宙で一番可愛いんだけじゃなくて、とってもカッコ良くもあるって」

にこ「それなのに、私からは言わさせてくれないわけ?」

にこ「私にも、カッコつけさせてよ」

191: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 23:40:39.57 ID:CWR+PgTW.net
花陽「!」


にこ「小泉花陽さん」

にこ「私はあなたのことが好き。大好きです」

にこ「……だから、ね。花陽。私と、付き合ってよ」


花陽「あ……」ぱぁぁ


花陽「は、はいっ」


花陽「……喜んでっ!」ぽろぽろ

192: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/04(土) 23:42:23.24 ID:CWR+PgTW.net
学校 一年生の教室 扉の前


凛「●REC」ジー……

真姫「凛、あんた何やってんのよ……」

凛「……?スマホで撮影だよ?」

真姫「いやいやいや。そんな不思議そうな顔で見つめないでよ。むしろそれは私がする顔よ」

凛「えー?……でも、記念になると思うよ?二人の一生の記念だよ?」

真姫「……そうなのかもしれないけど」

凛「あ、でも、二人が別れちゃったら、記念どころかただの黒歴史になっちゃうにゃ」

真姫「……凛、あんた結構きついこと言うわね……親友相手でも容赦なしなの……?」

凛「凛は二人の幸せを願ってるよ?でも、二人に振り回されて今日は大変だったし」

凛「今だって、急に走りだしたにこちゃんが心配で追いかけてきて、ここまで来てるんだから」

凛「これくらいは役得だにゃー」

真姫「……そう言われると、そうなのかしら……」ぶつぶつ

真姫「うーん、でも……」ぶつぶつ


凛「あ、キスしてる」

真姫「どこどこっ!?」がばっ

凛(なんだかんだ言っても、真姫ちゃんもノリノリだにゃー)


――――――

―――


207: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/05(日) 13:50:15.59 ID:jN5f6UT0.net
翌日 放課後 屋上



絵里「はい、5分間、休憩を入れるわ。水分補給しておいてね」



穂乃果「ふぅ、やっと休憩だよー。……それにしても、今日は妙に暑いよねえ、ことりちゃん」

ことり「そうだねー。海未ちゃんですら、この暑さはダメみたいだもんね」

海未「はれんちです……はれんちです……」ぶつぶつ



花陽「にこちゃーんっ」だだっ ぎゅっ

にこ「もう、苦しいわよ」

花陽「花陽、寂しかったよ……」うるうる

にこ「……私だって、寂しかったわよ……」ぎゅううう

208: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/05(日) 13:51:56.51 ID:jN5f6UT0.net
穂乃果「……」ちらっ

穂乃果「休憩の度に見せつけられるの、きついよね……」げんなり

ことり「あはは……。ことりは、あの二人を見てるとほんわかしちゃうけどなぁ」

海未「はれんちです……はれんちです……」ぶつぶつ


希「穂乃果ちゃん、ことりちゃん。何の話してるんー?」ひょこ

絵里「……海未はまた壊れてるのね」ひょこ


穂乃果「希ちゃん、絵里ちゃん。何の話って、そんなの決まってるよー」

ことり「あれの話だよ~」にこにこ

希「ふふっ、あれ呼ばわりなんや。ことりちゃんも結構酷いなー」ちらっ



あれ「はぁっ、はぁっ……にこちゃんっ……♡」くんくん

あれ「花陽、こんなに汗かいちゃって……凄いにおいしてるわよ……♡」くんくん

あれ「特に、わきのところなんて……っ♡」くんくん

あれ「いやぁっにこちゃん、そこは恥ずかしいよぉ♡」くんくん



ことり「うふふ♡」ぷわぷわ

穂乃果「」 希「」 絵里「」

海未「」ぷしゅー

209: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/05(日) 13:53:21.07 ID:jN5f6UT0.net
希「……えぇ~。なんか、おっぱじめてるやん……なにあのプレイ……」


凛「それは―――」ひょこ

凛「凛と、真姫ちゃんがっ」きりっ

凛「説明するにゃ!」ででん

真姫「……私はしないわよ」くるくる


希「二人は何か知ってるん?」

210: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/05(日) 13:54:26.36 ID:jN5f6UT0.net
凛「うん。あの二人はにおいフェチで、特にお互いのにおいが大好きなんだにゃ」あっさり


希「……」

希「今、結構プライベートなこと、あっさり暴露されたんやけど……」

希「それ、うちらにバラしても良かったの……?」


真姫「ふんっ。どうせしばらく見てれば、すぐにわかることよ」つん

真姫(昨日、嫌って言うほど見せられたわ……私が勝手に覗いてたんだけど)

真姫(凛から全部事情を聞いたっていうのもあるけどねっ)

211: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/05(日) 13:55:19.41 ID:jN5f6UT0.net
凛「そうにゃそうにゃ」


凛「……それにちゃんと知っておいてくれたほうが、みんなにも見守ってもらいやすいと思ったの」

凛「あの二人、結構迂闊なところあるから、気にしてあげて欲しいにゃ」

凛「外で、今みたいに始められたら困るし」ほんとに

凛「お願い、出来るかな?」


希「……なるほど、それなら納得やん」

希「ふふっ、もちろん見守らせてもらうよ。ね、みんな」

穂乃果「うん!大切な仲間だもんっ!当然だよっ!ねっ、海未ちゃん、ことりちゃん!」


海未「……ええ。そういう理由なら、仕方ありませんね……破廉恥ですが……破廉恥ですがっ」

穂乃果「もーう、海未ちゃんは固いな~」くすくす


ことり「ことりは外でも、ずっと見ていたいけどなぁ……」ぼそ

穂乃果「―――ことりちゃん?」じろっ

海未「―――ことり?」ぎろっ

ことり「ぴぃっ!?……なんでもないのよ、なんでも」あせあせ

212: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/05(日) 13:56:41.17 ID:jN5f6UT0.net
希「えりちは……聞くまでもないよね」くす


絵里「穂乃果も言ってるけど、それこそ当然でしょ?」

絵里「μ’sはみんなで一つなんだから。わざわざ聞くまでもないことよ」


真姫「……だから言ったじゃない、凛」くるくる

真姫「私達μ’sに、わざわざ助けてくれるかどうか確認するような真似は、必要ないってね」

凛「うん、そうだったね。……ごめんね、みんな。それと……」

凛「ありがとにゃっ!」にこっ



えへへー  
     あはは
          ふふ
   ふふっ
        ふんっ

にゃははっ



希「ふふ……」

希「……まあ、えりちは、にこっちが花陽ちゃん助けて守れるかどうかのドッキリ仕掛けようって言い出したけどね」

絵里「ちょっ!希っ、今いい雰囲気なんだから、それ言うのやめてよおっ」


\どっ/


絵里「もぉぉーっ!」ちかぁ

213: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/05(日) 13:58:10.15 ID:jN5f6UT0.net
――――――

―――





絵里「……えー、こほんっ」

絵里「では、気を取り直して―――」


穂乃果「よっ、絵里ちゃん大統領っ!」

凛「ドッキリの伝道師っ!」


絵里「もういじらないでよっ!さんざん私で遊んだでしょっ」まっかっか


絵里「……おほんっ!!」

絵里「えー、では、そろそろ休憩が終わるので……10分以上過ぎちゃってるけど……」

絵里「とにかくっ!練習を再開したいので、まずは未だにイチャついてる二人を止めたいと思いますっ」

214: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/05(日) 13:59:09.77 ID:jN5f6UT0.net
穂乃果「うーん……」

希「といってもなぁ……。あそこに入るのは気がひけるんやけど」


にこ「~~~っ♡~~~っ♡♡」くんかくんか

花陽「っ♡っ♡」くんかくんか


希「休憩前より汗かいてない?あの二人」ひきっ


ことり「……私も入れてくれないかなぁ……」ぼそっ

穂乃果「……」じーっ 海未「……」じーっ

ことり「……はい」

215: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/05(日) 14:00:28.89 ID:jN5f6UT0.net
絵里「ねえ凛、何かいい考え、あったりしない?」

凛「んー?別に、難しく考える必要ないよー」

凛「普通に突っ込んでいって、頭でも引っ叩けばいいんだにゃー」かよちんにはしちゃダメだけど


絵里「え……?でも、それって、二人が怒ったりしないかしら……」ふあん


凛「邪魔されたからって気にするような二人じゃないよ?」

凛「それに今、練習中だし。悪いのは二人のほうだよ」

凛「もしも怒ったりなんかしたら、凛がお説教してやるにゃ!」どや


希「……」

絵里「……」

216: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/05(日) 14:01:34.03 ID:jN5f6UT0.net
希「さっきから思ってたんやけど……」

希「凛ちゃんって、二人の保護者みたいやね♪」にこにこ

絵里「そうね。……とっても可愛い保護者さんよね」にこにこ


凛「にゃっ!?」


穂乃果「確かに確かにっ!穂乃果も、二人のために一生懸命な凛ちゃん、とっても可愛いなって思ってたっ!」

海未「そうですね。凛のそういう健気なところ、私は好きですよ」なでなで

ことり「ふふ~♪それじゃあ、ことりが凛ちゃんの保護者になっちゃおうかな~♪」ぎゅーっ

真姫「……ま、そこが凛のいいところよね」かみのけくるー



凛「―――」かおまっか

凛「う、え、えっと……」

凛「二人のとめかたっ……!」

凛「凛が見本みせてあげるにゃっ!」たたたっ

217: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/05(日) 14:02:58.65 ID:jN5f6UT0.net
希「あらら、逃げちゃった」

絵里「凛って褒められるのに弱いわよね。可愛いからいいけど」


穂乃果「あ、ほらほら!凛ちゃんが突入するみたいだよっ!」



凛「二人とも、もうやめるにゃぁっ……!」がしっ

花陽「あっ♡凛ちゃんだぁ♡凛ちゃんも、一緒でいいよね?にこちゃん♡」ぎゅっ

にこ「当たり前じゃない♡凛、こっちきなさいっ♡」ぎゅううっ

凛「や、やめっ……はなすにゃぁ……!」じたばた

花陽「にこちゃん♡凛ちゃん♡」くんくん

にこ「花陽ー♡凛ー♡」くんくん

凛「……っ!……っ!」じたばた

凛「……」


凛「」




希「……あっ……」

絵里「うん……」

穂乃果「ダメだったみたいだね……」

海未「凛。あなたの犠牲は忘れません」

ことり「海未ちゃん、今から助けにいったら間に合うと思うよ?」

海未「……」するー

真姫「海未って意外と薄情よね……」



――――――

―――


219: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/05(日) 14:10:03.59 ID:jN5f6UT0.net
そして、四年後。


業界に一石を投じるアイドルグループがデビューする。

なんと、そのグループには、いわゆる百合営業ではなく、ガチ百合メンバーが在籍していたのだ。

その事実により、そのアイドルグループは話題沸騰となり一躍人気者となった。

『別にいいじゃない、好きなんだから』―――ガチ百合メンバーの、その言葉は流行語となるほどに持て囃され。

世間も、彼女らを暖かく迎えいれ、アイドル達を楽しんだ。……しかし、それはネタ的な、消耗品として楽しんでいるに過ぎなかった。

ほぼ全ての人が、結局はイロモノアイドルとして、短い命だと考えていた。

だが。

そのグループは、本来持っていた頭角を現しはじめたのだ。

徐々に、徐々に。

世間は気がついていった。

いつの間にか、自分達も、『別にいい』と考え始めていることに。

彼女たちによって、社会が動きはじめているという、その事実に。


それが後に、世界の価値観を変革することになる、伝説のアイドルグループ。

―――名前を、『にこりんぱな』といった。



                              西木野真姫 著「まきにこりんぱな」より抜粋



――――――

―――


220: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/05(日) 14:10:51.61 ID:jN5f6UT0.net
「うーん、なかなか上手く書けないわねぇ……」ぐぬぬ

「……あれ?にこちゃん、何書いてるの?」ぎゅっ

「んー?いやね……。真姫ちゃんが本出したじゃない?私達、にこりんぱなの研究本」

「あの本、にこちゃんも読んだの?とっても良い本だったね!」

「そりゃね。頼んでいないのに、サイン付きの本送ってこられたら、読まないわけにはいかないわよ」

「……というか私達の本なのに、タイトルで自分の名前が最初に来るのって、どうなのよって感じだけど……」

「あはは……真姫ちゃんらしいよね」

「それに、凛だって、本出してたでしょ?星空凛の不本意語録、とかいうアホっぽい本。……いや、なかなか笑えたけどね」

「……ふふっ。にこちゃん、なんだかんだ言っても、しっかり読んでるんだよねっ?」

「当たり前でしょ。大切なメンバーの本だもの」

221: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/05(日) 14:11:44.20 ID:jN5f6UT0.net
「それに、本がつまんなかったら私達の評判が下るでしょ。その時は文句いってやらないといけないからねっ」ふんっ

「……やっぱり私、にこちゃんのこと大好きっ」ぎゅうう

「もー……。そんなに抱きしめられたら、私、書けないんだけど?」

「あ、そうでした。えへへ、そういえば何書いてるのか聞いたんだったね。……何書いてるの?」

「本出した二人に触発されてね。私達の馴れ初めを、本にしようかと思って」

「ふぇ?馴れ初め?」

「……あの、にこちゃん。それって、どこから書くつもりなの……?」

「どこって?」

「出会った場所というか……恋が芽生えた場所とか……そういう時間の……」

「ああ……。そんなの決まってるでしょ?あんたが私の練習着嗅いでたところよ」

「」

222: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/05(日) 14:13:26.32 ID:jN5f6UT0.net
「スクールアイドルとか、μ’sとかの説明は軽くいれたけど。メインは私達だもの。当然じゃない」

「―――にこちゃんお願いっ、その本出すのやめてえっ!」あせあせ

「においフェチのこと世界中に知られたくないよぉっ!」ひっし

「えー?私は別に平気だけど……花陽と一緒だし……」

「おねがいしますぅ!」

「……あのね、花陽」

「はいっ」

「私が今書いてるの、礼状なの」

「えっ……?」

「原稿はもうとっくの昔に出来てて、出版社に送ってあるわ。今頃校正も終わって印刷してるんじゃないかしら?」

「で、私は今、協力してくれた関係者にありがとねーっていう礼状を今書いてるってわけ。これがなかなか難しくて……」

「」

「あ、ちなみにタイトルは、練習着から始まった恋、よ。そのまんまだけど、最高に可愛いでしょ?」

「」

「花陽、聞いてるの?花陽?」


「」


「だっ」



「誰かっ」




「ダレカタスケテ~~~!!」

223: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/05(日) 14:14:09.92 ID:jN5f6UT0.net
花陽「にこちゃんの練習着…」  おわり!

225: (アラビア)@\(^o^)/ 2015/07/05(日) 14:24:14.89 ID:W2egcb5S.net
良いにこぱなでした

228: (たこやき)@\(^o^)/ 2015/07/05(日) 14:41:00.87 ID:q7WzZL96.net
おう最高やったで

229: (ぎょうざ)@\(^o^)/ 2015/07/05(日) 14:47:57.12 ID:OKNGqTXc.net
すごくよかった

234: (SB-iPhone)@\(^o^)/ 2015/07/05(日) 17:57:13.31 ID:9PfnRjdQ.net
にこぱなはやっぱいいね

引用元: http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1435080092/

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