【SS】にこ「花陽！さらなる高みを目指すわよ！」

ー部室ー

にこ「う～ん……」

花陽「？」

にこ「足りない足りない足りない……」

花陽「にこちゃん…？」

にこ「まだまだ、まだまだ……」

花陽「にこちゃん、どうしたの？」

にこ「花陽」

花陽「は、はい！？」

にこ「今の私には何が足りないと思う？」

花陽「いきなりどうしたの？にこちゃん」

にこ「どうしたもこうしたも無いわよ！

今こうしてる間にも新たなスクールアイドルが次から次に誕生し、下から突き上げてくるのよ！！」

花陽「ちょ、ちょっとにこちゃん怖いよ……」

にこ「はぁ、はぁ、はぁ…」

花陽「今何か飲み物用意するから落ちついて、ね？」

にこ「ありがとう。私としたことがみっともなく取り乱してしまったわ」

花陽「はい、どうぞ」

にこ「ありがと」ｺﾞｸｺﾞｸ

花陽「少し落ち着いた？」

にこ「ええ、おかげさまで落ち着きを取り戻すことができたわ」

花陽「よかった～ あ、おにぎりも食べますか？」

にこ「いや、さすがにそれは遠慮しておくわ…」

花陽「残念、こんなにおいしいのに」

にこ「あんまり食べすぎるとまたダイエットするハメになるわよ」

花陽「うぐっ……」

にこ「ところで花陽」

花陽「はい？」

にこ「この前の土日、何があったか知ってる？」

花陽「え～と… わかりません……」

にこ「まあさすがにこんな漠然とした質問じゃ答えようが無いわよね」

にこ「アイドル雑誌は今も読んでるんでしょ？」

花陽「うん、もちろん定期購読してるよ」

にこ「ならわかるでしょ」

花陽「そっか、彼女達…だよね？」

にこ「そうよ」

花陽「1stライブがあったんだね」

にこ「そう、そして彼女達のライブに実は参加してきたの」

花陽「一緒に歌ったの！？」

にこ「ぬわぁんでよ！！そんなわけないでしょ！」

花陽「ごめんなさい……」

にこ「ったく、つづけるわよ」

花陽「どうぞ……」

にこ「結論から言うと最高のステージだったと私は思うわ」

にこ「初めての舞台でみんな一生懸命、精一杯に歌とダンスを頑張ってた……
ミスもあったけど、みんなでフォローして励ましあって頑張ってた」

にこ「何より来ていたファンの笑顔が本当に凄かったわ」

にこ「さすがにμ'sの後継者だとか言われてるだけはあると思ったわ」

にこ「それと同時にものすごく悔しかった……」

花陽「にこちゃん……」

にこ「ねえ、花陽」

花陽「なんですか？」

にこ「μ'sはもう終わりなのかな…？」

花陽「えっ…？」

にこ「いや、なんかほら、ね？」

花陽「にこちゃん」

にこ「うん？」

花陽「にこちゃんは今、悔しい以外にどんな気持ちですか？」

にこ「どうしたのよ急に？」

花陽「いいから答えてください！」

にこ「う～ん… 急にそう言われても…」

花陽「私は今、にこちゃんの話を聞いてから、すごく歌いたくなりました」

にこ「花陽？」

花陽「だって、私達だってスクールアイドルなんだから！」

にこ「花陽…」

花陽「そんなにすごいステージなんだったら私も行けばよかったかな？
そうすれば負けたくないって気持ちがもっと強くなったのに……」

にこ「花陽、あんた本当に強くなったわね」

花陽「そう、私は強くなれました」

花陽「私が強くなれたのもμ'sのみんなのおかげ…
そしてにこちゃんのおかげなんだよ？」

花陽「いつもいつも、苦しい時でも辛い時でも無理矢理にでも強がってみんなを引っ張ってくれた人……」

にこ「あんた……」

花陽「にこちゃん！！」

にこ「は、はい！？」

花陽「μ'sはまだまだこれから！こんな所でサボってる暇があるんならダンスの練習をしましょう！！」

にこ「いきなりなんなのよ！」

花陽「他のメンバーだって今の話を聞いたらきっと私と同じ気持ちになったはず…」

花陽「私達μ'sは最後の最後まで走り続けなきゃいけないんです！！」

にこ「…………」

花陽「だって、だって私達には何よりも大切なファンの人達が待っていてくれているんです！！」

にこ「！？」

花陽「μ'sの物語は1人だけじゃ紡ぐことはできないんです…
私達だけじゃなくファンの人や、それこそ他のスクールアイドルだってみんな、みんなで叶える物語なんです」

にこ「はぁ…」

花陽「にこちゃん？」

にこ「ホントバカよね、あんたは」

花陽「ええーっ！？いくらなんでも酷いですー！」

にこ「まあ、私もそのバカなんだけどね」

花陽「にこちゃん…」

にこ「まあそんなことどうでもいいわ…
今からみんなを呼んで練習よ！
μ'sとしてあの子達に挑戦状を叩きつけてやるとするわ！！
さあ花陽、ついてらっしゃい！！」

花陽「はい！！私達の物語はまだまだこれからです！」

にこ「μ'sはまだまだこれからなんだから！！」



ーおしまいー