【SS】かのん「可可ちゃんとの食卓」【ラブライブ！スーパースター!!】

かのくぅ(クーカー)

かのんちゃん家、早朝

可可「いただきまーす！あむっ、んん～っ、今日もチョコバナナトーストが美味しいデス！」

かのん「すっかり我が家の朝食の定番メニューになったね、これも」

可可「えっ、前はそうじゃなかったのデスか？」

かのん「食べてはいたけど、今ほどではないかな」

可可「もしかして、可可のために？」

かのん「まあ、美味しいし」

可可「そんな、いつもご馳走になってばかりなのに、皆さんにお手間をかけさせてしまって」

かのん「いいのいいの。全然手間じゃないしさ、作ってるのも私だし」

可可「えっ」

かのん「あれ、言わなかったっけ？」

可可「初耳デス。かのんさんが、これを…」

かのん「作るって言ったって、トーストにチョコを塗って、スライスしたバナナを乗っけただけのお手軽料理だけどね」

可可「そんなことありマセン！かのんさんが可可のために作ってくれた、その気持ちがなにより嬉しいデス！可可、味わっていただきマス！」

かのん「ふふっ、ゆっくり食べるのもいいけど、遅刻しないようにしなきゃだよ」

ホットサンドにアレンジする日もある、そんな朝食の風景。

……………………………………

かのん「ふぅ、夏はまだ先だっていうのに、今日も暑くなりそうだねー」

可可「かのんさん、今日は冷たいお茶を持ってきマシタ。いかがですか？」

かのん「いいの？」

可可「はい！かのんさんはコーヒーの方がお好きかもですが」

かのん「そんなことないよ、ありがと！ん、美味しい！」

可可「本場から取り寄せた紅茶の茶葉で、可可のお気に入りデス！」

かのん「へえ、こだわってるんだ」

可可「かのんさん。よければ今度、可可の家でお茶会しませんか？」

かのん「いいね！可可ちゃんの好きな紅茶とか、色々教えてよ！」

……………………………………

かのん「今日のメインは餃子だよー」

可可「わあ、焼き餃子！」

かのん「中国では水餃子が一般的って聞いたことがあるから、あまり食べ慣れてないかもだけど」

可可「そんなことはありません、うちでは焼き餃子も食べていたんデス、お母さんがよく作ってくれていマシタ！」

かのん「そっか、可可ちゃんのお母さん、日本出身って言ってたもんね」

可可「ご飯と食べるスタイルも日本流のものデスが、可可はこっちも好きデス」

かのん「色々違いがあるんだね」

可可「所変われば品変わる、デス！」

かのん「さらっとそういう諺が出てくるあたり、さすが可可ちゃん。さあ、熱いうちに召し上がれ」

可可「いただきまーす！んんっ、美味しい！ああ、お母さんの手料理を思い出しマス～」

かのん(お母さんの味、かぁ)

可可「かのんさん、こっちのタレはなんデスか？」

かのん「ああ、これはポン酢って言って――」

……………………………………

キーンコーンカーンコーン…

可可「かのん、お昼デス！」

かのん「…」

可可「あれ？かのん？」

かのん「…ううっ、可可ちゃ～ん！」

可可「わわっ、どうしたのデス！？」

かのん「数学が、高校数学が私をいじめる…」

可可「はい？」

かのん「いきなり難しくなりすぎだよ…数字と記号と公式が、頭の中でカーニバルして、私にはなにがなにやら…」

可可「くすくす、そういうことデスか。ほら、そんな暗い顔してないで、まずはご飯にしまショウ！楽しくご飯を食べれば、きっと笑顔になれマス！勉強は後で可可が教えてあげますから」

かのん「ありがとう、可可ちゃん…！でも、勉強はまたの機会でいいかなーって…」

可可「そんなこと言っていたら、高校の勉強についていけなくなって――」

かのん「あ、ああー、お腹すいたなぁ、今日のお昼は何かなー」

可可「わざとらしいデスが…いいでしょう。腹が減ってはなんとやらデス」

かのん「ほっ…なんとかこの場を凌げた」

可可「なにか言いました？」

かのん「ううん！？なにも！？」

可可「むぅ…まあ、気を取り直して、こほん。本日のお昼ご飯は、こちら！ジャーン！可可特製、おにぎりお弁当デス！」

かのん「おにぎりお弁当！」

可可「前から憧れていましたので、作ってみました！はい、これがかのんの分デス！」

かのん「ありがとう。わあ…！」

かのん(お弁当箱はもちろんのこと、お弁当入れから保冷剤に至るまで、どれもこれもが可愛らしい。お弁当箱は、二段になってるね)

可可「上の段がおにぎりで、具はシャケと梅干しデス！綺麗に握るのは難しく、少し変な三角になってしまいましたが…あ、握るときはちゃんとラップを使いましたので、そこはご安心を！」

かのん「シャケの方は混ぜ込んであるタイプだね、これ好きなんだ！下の段には何が入ってるの？」

可可「そっちはおかずデス。開けてみてください」

かのん「どれどれ…あ、たこさんウインナーに、卵焼き！」

可可「これが伝統的なお弁当のスタイルと聞きマシタので！」

かのん「確かにアニメや漫画では定番だけど、実際目にするのは初めてかも」

可可「さあさあ、ぜひぜひ召し上がれ！」

かのん「じゃあ早速、いただきます！まずはシャケから――んっ、美味しい！」

可可「おにぎり、変じゃないですか？」

かのん「全然！握り加減がちょうど良くて、食べやすくて美味しいよ」

可可「よかったぁ。卵焼きも試してみてください、自信作なんデス」

かのん「あむっ。んんっ、甘い卵焼きだ、これも好きな味！」

可可「実は、甘いのかしょっぱいのかで迷ったのデス、それを聞いて安心しました！」

かのん「ふふっ」

可可「ん、どうしました？」

かのん「なんか幸せだなーって」

かのん(おにぎりも卵焼きもたこさんウインナーも、全部可可ちゃんの手作りってことだもんね)

可可「ふふっ、可可も嬉しいデス！」

かのん(ああ、こんな楽しい時間が、ずっと続いたらいいのに)

可可「食べ終わって一休みしたら、さっきの数学の復習をしまショウ！鉄は熱いうちに打て、デスので！」

かのん(…こ、この時間が、ずっと続けばいいのに)

……………………………………

可可「かのん、ミルクはどのくらい入れマスカ？」

かのん「今日は多めで、たっぷりと」

可可「はーい。お待ちどお様デス！」

かのん「ありがと！あれ、可可ちゃん、今日はストレートティーなの？」

可可「いえ、仕上げはかのんにお願いしたいのデス！」

かのん「なるほどね。じゃあ、入れるから良いところでストップかけてねー」

可可「～♪」

かのん「あんまりニコニコしてると、止めどきを間違えちゃうよ？」

可可「大丈夫です、かのんを信頼してますカラ！」

かのん「責任重大だなぁ。よし、このくらいでどうかな」

可可「まだデス」

かのん「えー、入れすぎるのも良くないよ？」

可可「そういう気分なのデス。んー、もうちょっと、もうちょっと」

かのん「いやいや、これ以上は危ないって」

可可「あと少し、もう少し…ストップです！」

かのん「かなり冒険したね、ギリギリすぎてスプーン入れたら溢れちゃいそう」

可可「技術の見せ所デスね！」

かのん「簡単に言ってくれちゃって。よし、これでどうかな」

可可「いただきます――んんっ、これデス！さすがかのん、これぞまさに求めていた味デス！」

かのん「私はミルクを入れただけだってば」

可可「その一手間が嬉しいのデス」

かのん「ん、それはわかるかも」

可可「ああ、やっぱりかのんが整えてくれた紅茶が一番美味しいデス！」

かのん「もう、調子いいんだから。ああ、美味しい」

……………………………………

可可「くぅ～！」

かのん「かき氷を食べるたびにそうなってるけど、可可ちゃんって冷たい物は苦手？」

可可「そうじゃないデス。ないデスが、氷を口に含んだ瞬間、くぅ～！」

かのん「ふふ、あははっ！」

可可「あっ、なんで笑うんデスかぁ」

かのん「これが夏の可可ちゃんなのかなって思ったら、なんだか可愛くって」

可可「頑張って食べてるのに、茶化すのは無しデス。うう、頭がキーンって、キーンって…！」

かのん「でも、そろそろ夏も終わりだね」

可可「暑いのはご勘弁デスが、少し寂しい気がします」

かのん「そうだね」

かのん(また次の夏も、可可ちゃんと一緒に楽しく過ごせるかな)

可可「ん？かのん、何か言いました？」

かのん「んー、別に？」

可可「そうですか？なにやら声が聞こえたような…んっ、くぅぅ…！」

かのん「もしかしたら、心の声が聞こえちゃったのかも」

可可「心の、声？」

かのん「この光景も、今年はこれで見納めか、ってね」

可可「人を風物詩みたいに言わないでクダサイ。くぅ～！」

かのん「ほらほら、慌てて食べるから。夏の美味しさ、ゆっくり味わおうよ」



終わり

かのくぅが可愛くて書いてしまいました。

宣伝となり恐縮ですが、下記はかのくぅの過去作で、一応は前日談にあたります。よろしければ併せてお願いします。

かのん「可可ちゃんの好きなもの」

【SS】かのん「可可ちゃんの好きなもの」【ラブライブ！スーパースター!!】

かのんちゃん家の喫茶店―― 可可「わあぁ…！ナポリタン、チョコバナナのサンデー、それにミルクティー！」 かのん「可可ちゃんの好きなものを取り揃えたよ！って言っても、全部お店で出してるものだけどね」 可可「どうしてこんなに沢山…ハッ！可可、もしかして今日が誕生日だったとか」 かのん「あははっ、まさか」

lovelive-petitsoku.com

2021年8月22日 18:30

ありがとうございました。

いいぞ

クーカーワタルシミ…