【SS】歩夢「私も梨子ちゃんのお勧めしてくれた幼馴染の本読んでみたいな」梨子「えっ」

A・ZU・NAーSS


3: 2021/04/19(月) 22:15:39.18 ID:P5joEQX3
歩夢「あっごめんね。大切な本だった…?」

梨子「ううん。むしろ貸したくて仕方ないけど、そうじゃなくて」

梨子「あのね、歩夢ちゃんが後でショックを受けないように、いくつか確認していいかな」

梨子「まず最初に、この本漫画なの」

歩夢「そうなんだ。私も漫画好きだよ? 侑ちゃんが少年漫画集めてるから、ちょっと濃いめでも大丈夫」

梨子「むしろこれは薄い」

歩夢「薄い??」

歩夢「…えっと、絵柄が? それとも展開かな?」

梨子「絵はとっても綺麗よ。展開は…ぐちょぐちょしているわ」

歩夢「????????」

5: 2021/04/19(月) 22:18:25.40 ID:P5joEQX3
梨子「正直に言っちゃうけどこれ、女の子同士の恋愛本なの」

歩夢「えっ!?///」

歩夢「そ、そうなんだ。幼馴染の女の子同士の恋愛? ふーん…///」チラチラ

梨子「…無理そう?」

歩夢「ううん!! 全然気にしないっていうか! むしろ現代的には有りなんじゃないかな!!?」ハヤクチッ

梨子「……」

歩夢「ま、まあ、せっかく梨子ちゃんがお勧めしてくれてるから…ね?///」

梨子「エ チなシーンあるけど大丈夫?」

歩夢「幼馴染の女の子同士がエ チな事を!!???///」ガターン

8: 2021/04/19(月) 22:21:22.16 ID:P5joEQX3
梨子「そっか…幼馴染の女の子でエ チするのはおかしいんだ…」シュン

歩夢「ええ!? ううん!! だ、ダイスキだったら…ダイジョウブなんじゃないかな?///」アセアセ

梨子「歩夢ちゃんだったらする?」

歩夢「ふへえ!?///」

梨子「……」シュン

歩夢「う、うう…///」

歩夢「……」

歩夢「あくまでこれは一般論だけど」コホン

歩夢「ほ、本当に大好きだったら、性別とか以前にそういう事したいって思う…んじゃないかな…」ボソボソ

歩夢「あくまでね! 一般論なんだけど!///」

梨子「幼馴染の神に誓って?」ズイッ

歩夢「梨子ちゃん!!///」モォー

12: 2021/04/19(月) 22:24:15.44 ID:P5joEQX3
歩夢「そっかぁ、だから貸し渋ってたんだぁ。幼馴染の女の子がエ チする漫画…ふーん///」チラチラ

梨子「……」

梨子「もう一つ大丈夫かなって思ってたとこがあって」

梨子「ぶっちゃけこの二人実在するのよね」

歩夢「そうなの!!?」

梨子「て言うか歩夢ちゃんの知ってる人」

歩夢「私の知ってる幼馴染の女の子がぐちょぐちょにエ チする漫画ァァァーーー!!??」ズガーン

梨子「……」

歩夢「……」

歩夢(それってまさか…)

歩夢(わ、私が…描かれてるのでは…?///)カァッ

18: 2021/04/19(月) 22:27:50.30 ID:P5joEQX3
歩夢(それなら梨子ちゃんのこの態度も説明がつくよね)

歩夢(つまり相手は…私の幼馴染…)

歩夢(……///)ポッ

梨子「やめとく?」

歩夢「……」

梨子「……」

歩夢「……………………」

歩夢「キャラクターのイニシャルは?」

梨子「一人はY」

歩夢「貸して///」

梨子「沼へようこそ!!」ドサドサドサッ

21: 2021/04/19(月) 22:31:45.48 ID:P5joEQX3
歩夢「……」テクテク

歩夢(私の本では無かった…けど)

歩夢(あ、あの二人のあんな本を…読んでしまったぁ///)

歩夢(次からどんな顔して会えばいいの…梨子ちゃんのメンタル強すぎるよ…///)

歩夢「……」テクテク

歩夢「待って私」ピタッ

歩夢「私達のでは無かったけど、あの二人の漫画が存在している」

歩夢「なぜならあの二人はスクールアイドルとして知られていて、熱心なファンがいるから」

歩夢「熱心なファン…つまり今日子ちゃんや色葉ちゃんのような」

歩夢「…それなら」

歩夢「私達の幼馴染本も存在するのでは!?」ピキーン

歩夢「私達の…あ、ああいう本が…///」ポッ

歩夢「あ! 丁度ファミレスで勉強しているせつ菜ちゃんが!」

歩夢「せつ菜ちゃんならこういうの詳しいよね。よし。それとなく探りを入れてみよう!」

歩夢(…やる事が侑ちゃんに似てきたかな?///)コソコソ

23: 2021/04/19(月) 22:34:29.25 ID:P5joEQX3
歩夢「待ち合わせです、はい。あそこの眼鏡の子と」

歩夢「よし」テクテク

歩夢「せつ菜ちゃん…せつ菜ちゃん…」ボソボソ

せつ菜「……」カキカキ

歩夢(…話題が話題だけに小声になっちゃった。全然気付いてもらえない…)

歩夢「…ん?」

せつ菜「フヒ…フヒヒ…」カキカキ

歩夢(あっ…!)

歩夢(せつ菜ちゃん勉強してたんじゃない)

歩夢(漫画描いてる!!)

歩夢(それも…)

歩夢「すっごい上手~~!!!」✨

せつ菜「えっ!?」ガバッ

25: 2021/04/19(月) 22:37:11.44 ID:P5joEQX3
せつ菜「あ…歩夢さん!?」ダラダラ

歩夢「ぐ、偶然だね」シラジラ

せつ菜「……」ササッ

歩夢「……」

せつ菜「…見ました?」

歩夢「ちらっとだけ」

せつ菜「……」

歩夢「……」

せつ菜「あーーー!!! あああああああーーーー!!!!」ジタバタ

せつ菜「見られてしまいました! 生まれてきてすいません!! 死にます! 今すぐ死にますううう!!!」ガンガンガン

歩夢「えーーーっ!!?」

歩夢「お、落ち着いて!? いいじゃない漫画描くの! すごくいい趣味だと思うよ!!」アセアセ

歩夢「おうち厳しいんだもんね? こんな所で描くしかないのもわかるっていうか!」キョロキョロ

歩夢「それにちょっとしか見えなかったけどすっごい上手だったよ!!!」

歩夢「すごく目立ってるから…お願いだから落ち着いてーーー!!」

27: 2021/04/19(月) 22:40:21.28 ID:P5joEQX3
せつ菜「う、うう…歩夢ざん…こんなゴミクズみたいなわだじに…ずびばぜぇん…」グスグス

歩夢「そんな事絶対言っちゃダメだよ。あんなに素敵な絵が描けるの、すごい才能だよ」

せつ菜「ひっぐ…歩夢ざんはどぼじでぞんなにやざじいんでずか…?」

歩夢「もうほら、鼻かんで。かわいい顔が台無し」

歩夢「せつ菜ちゃんがどうしても嫌なら私は忘れるから。そんなに気にしないでほしいな」ヨシヨシ

せつ菜「うう…すいません落ち着いてきました…」チーン

歩夢「よかったぁ」フフッ

せつ菜「私…ただ自分の大好きを他の方にも見てほしかっただけなんです…」

せつ菜「まさかご本人に見られたのに、こんなに優しくしてもらえるなんて思いませんでしたぁ…」チーン

歩夢「……」

歩夢「うん?」

28: 2021/04/19(月) 22:43:26.23 ID:P5joEQX3
歩夢「……」チラッ

ツインテの子『トキメイちゃう~♡』

歩夢(あっ…!)

歩夢(せつ菜ちゃんが隠したアナログ原稿からチラッと見えるあの絵の子…)

歩夢(…侑ちゃん!?)

せつ菜「あの…お詫びにドリバ奢ります!! とびきり美味しいの作ってきますね!!」

歩夢「う、うん? 奢り? ドリバで? あの、普通でお願いするね…?」

せつ菜「いえ! 不肖中川、ここが汚名返上の剣が峰だと、魂に刻んで行って参ります!!」

歩夢「ほんとに普通でいいから!!」

歩夢「…行っちゃった」

歩夢「」チラッ

歩夢(間違いない…あの毛先のグラデ…侑ちゃんがモデルだ!)

歩夢(あれ? でもせつ菜ちゃんはさっき…)

せつ菜『ご本人に見られたのに』

歩夢「……」ポクポクポク

歩夢「!?」?ピーン

29: 2021/04/19(月) 22:46:49.22 ID:P5joEQX3
歩夢(ま、まさか…せつ菜ちゃんが描いていたのは…?)ソーッ

せつ菜「お待たせしました!!!! 自信作です!!!!!!」

歩夢「あびゃああああああ!!!??」ドキーン

歩夢「お、お帰り! 早かったね!」

せつ菜「? ドリバすぐそこですからね。どうぞ! 私の大好きがいっぱい詰まっています!!」プーン

歩夢「いただきます!!!!」ゴクゴクゴクプハー

せつ菜「!!!???」

せつ菜「こ、これは夢でしょうか? 初めての反応です…!」

せつ菜「自分の作ったドリンクが秒〇してもらえるって…こんなに嬉しいんですね!!!!」ペカー

歩夢「美味しかったよせつ菜ちゃん! せつ菜ちゃんには物を作る才能があるね!!」???

せつ菜「そんな…///」テレテレ

歩夢「……」

歩夢「きっとその漫画も」

歩夢「せつ菜ちゃんのこだわりがいっぱい詰まってるんだろうなあ…」チラッ

せつ菜「!!?」

31: 2021/04/19(月) 22:49:48.00 ID:P5joEQX3
歩夢「どんな内容なのかなぁ…気になるなぁ…」ジー

せつ菜「い、いえ! これは人様にお見せするほどの物では!」

歩夢「見せないの? せっかく描いてるのに?」

せつ菜「…あのそれがですね…少し人を選ぶ内容と言いますか…」アセアセ

歩夢「…!」?ピーン

歩夢「どんな内容か」

歩夢「当ててみせようか?」

せつ菜「はえっ!?」ドキーン

せつ菜「え、えっ? どういう事ですか? 歩夢さんには何かそんな感じの…異能力があるんですか!?」✨キラキラ

歩夢「さあどうかな~?」フフフ

歩夢(…チャンス!)

歩夢(この流れならもし間違っても冗談で済む…)

歩夢(自然に漫画の内容を割り出せる!)

歩夢(幼馴染の神様! 私に力を貸してください…!!)ギュッ

32: 2021/04/19(月) 22:53:01.82 ID:P5joEQX3
歩夢「そうだねぇ、まずこの気配からすると…」ムムム

せつ菜「……///」ドキドキ

歩夢「これは恋愛もの」

せつ菜「!!」

歩夢「それも女の子同士だね?」ズバッ

せつ菜「はぁう!!」ドキーン

せつ菜「す、すごいです! どうしてわかるんですか!? 何のヒントも出してないのに!!」✨キラキラ

歩夢「ふふふふふ」

歩夢(やったやった! 一か八かが当たった…いい流れだよ!)

歩夢「驚くのは早いよせつ菜ちゃん。その二人はおそらく…」

歩夢「…幼馴染、だね?」キリッ

せつ菜「ははばぁ!!」ドドキーン

せつ菜「え、えっ、推理!? いえ推理の材料なんて無いはずです! あ、歩夢さん…あなたは本当に…!?」✨キラキラ

歩夢「…そして二人は」

歩夢「ちょっぴり大人の…エ チな関係ッッ!!!!///」ズバーン

せつ菜「ひゃわわわわあああぁ!!///」ドドドドキーン

34: 2021/04/19(月) 22:56:24.27 ID:P5joEQX3
せつ菜「そ、そこまでわかって…お願いです! 成年向けを描いてるの内緒にしてください!!」ウルウル

歩夢「それはせつ菜ちゃん次第かな?」

せつ菜「えっ?」

歩夢「…その本、実在の人間。せつ菜ちゃんのごく身近な人が登場してるよね…?」

せつ菜「はひゅっ…!!」ビクン

歩夢「一人は侑ちゃん」

せつ菜「!!! ほっ、本物…! 歩夢さんは本物の異能力者なんですね…!!!///」✨ハァハァ

歩夢「…もちろん実在する登場人物は侑ちゃんだけじゃない」

歩夢「なぜなら侑ちゃんには幼馴染がいる。つまり…」

せつ菜「…はい。おっしゃる通りです」

せつ菜「歩夢さんと侑さんを…出させて頂いています…」

せつ菜「この原稿は…お二人の愛の物語なんです…///」ポッ

歩夢(きたーーーーーー!!!!!!///)

36: 2021/04/19(月) 22:59:22.85 ID:P5joEQX3
歩夢「…見せてくれる?」

せつ菜「えっ!?」ドキーン

歩夢「ここまで知られてたなら、もう見せてもよくない?」

せつ菜「いっいえ! その…まだ完成していませんので!!」アセアセ

歩夢「できてる所まででいいから。ダメ?」

せつ菜「…正直に言います。怖れているのは『解釈違い』なんです」

歩夢「解釈違い?」

せつ菜「はい。『侑ちゃんはこんな事言わない』みたいな奴です」

歩夢「あー」

せつ菜「特に恋愛ものですからその…内容を歩夢さんに否定されてしまうと…」

せつ菜「私を否定されるようで…怖いです…」シュン

歩夢「……」

歩夢「しないよ。するわけない」

歩夢「だってもしせつ菜ちゃんに出会わなかったら、今の上原歩夢も高咲侑もいないんだから」

歩夢「だからこそ知りたいんだ。私達を変えてくれたせつ菜ちゃんに、私達はどう見えているのか…」フッ

せつ菜「あの、いい感じに言ってくださって申し訳ないんですが。今日はエ チな部分のページしか持ってないです」

歩夢「そ、そう! それじゃしょうがないね! そのページしかないなら、そこを見せてもらうしかないね~!///」アハハハ

37: 2021/04/19(月) 23:02:59.06 ID:P5joEQX3
せつ菜「わかりました! 今日だけでも歩夢さんに数え切れない恩ができてしまいました」

せつ菜「私の拙作で恩返しの足しになるのでしたら!」

歩夢「お、大袈裟だよ~」

せつ菜「それではどうぞ! ご本人に読んでいただくなんて、すごく恥ずかしいです!!///」エヘヘ

歩夢「まあエ チな漫画だしね///」

歩夢(と言うかせつ菜ちゃん、ファミレスでエ チな絵を描いてたの…?)

歩夢「ふーん、私と侑ちゃんが初めてする時の話なんだ/// すごい、本当に絵上手だね」

せつ菜「私なんてまだまだです! でも体はちゃんと自分のを見て描いたんですよ!」

歩夢(なるほどそれで…顔は可愛いけど体はエ チな感じなんだ…///)ドキドキ

歩夢「うわあキスシーン濃厚…え、待って待って。侑ちゃん、お風呂くらい入らせて!」

せつ菜「そこは侑さんの性格的に我慢できないのではないかなと」

歩夢「うう…悔しいけど解釈一致だよ…///」

せつ菜「嬉しいです!!!!!」ペカー

歩夢「わあ…うわわあ…私完全に準備ができちゃってる…/// という事はつまり…」

せつ菜「はい!! ついにお二人の初体験です!!!」

歩夢「はわわ…///」ペラッ

39: 2021/04/19(月) 23:06:04.96 ID:P5joEQX3
歩夢「……」モクモク

せつ菜「……///」ドキドキ

歩夢「……」パサッ

せつ菜「……」

せつ菜「あの。どうでしたか…?」

歩夢「……」

歩夢「いくつか聞きたい事があるんだけど」

せつ菜「あっ! これ憧れのシチュです!」✨キラキラ

せつ菜「漫画家のQ&Aを見る度に私ならこう答えるって妄想してたんです。夢が叶いました!!」エヘヘ

歩夢「…本当にプロ顔負けだね。侑ちゃんすごく可愛く描けてる」

せつ菜「恐れ入ります!」

歩夢「私もこんなに可愛く描いてもらって恐縮しかないよ」

せつ菜「そんな! 本物の可愛さには及びもつかないです!!!」アセアセ

歩夢「それでさ」

歩夢「私達の間に入ってきたこのおじさんは誰?」

43: 2021/04/19(月) 23:09:12.92 ID:P5joEQX3
せつ菜「オリキャラです!!!」✨ペカー

せつ菜「名前は雌牡蛎 孕鱒恋(めすがき はらますこい)。ニック・ボウマンとどっちがいいか悩みました」

せつ菜「歳は40、小太り糸目の団子っ鼻で髪はかなり寂しくなっています。低い背丈に反して肉厚のチン長は怪物そのもの」

せつ菜「善人ぶった顔の裏に黒い欲望を秘めた、それはそれは最低なおじさんなんです!!!」✨✨✨ペカペカペカー

歩夢「どうでもええんじゃい!!!!!!!」バンッ

せつ菜「!!?」

52: 2021/04/19(月) 23:12:55.44 ID:P5joEQX3
せつ菜「あ、あの…何かお気に障りましたか…?」オドオド

歩夢「凄いね! この状況でそのセリフ言えちゃうの凄すぎるね! 見ての通りだよ! 怒り最高潮だよ!!!」

せつ菜「そうですか…やはり恐れていた解釈違いが…」シュン

歩夢「そんな次元の話ですらないよ!! 脳が完全に解釈拒否してるんだよ!!!!!」

歩夢「ねえさっき私達の初体験って言ったよね? してないでしょこれ! 初体験の相手おじさんでしょ!!!」

せつ菜「雌牡蛎さんです」

歩夢「どうでもいいんだってば!!!!!!」

せつ菜「恋人でいる限り二人の愛は試され続ける。そういうものではないでしょうか」

歩夢「少なくとも初体験におじさん乱入で試される事はないよ!!!」

せつ菜「言い切れますか?」

歩夢「ブチ切れそうだよ!!!!!!」

55: 2021/04/19(月) 23:16:26.11 ID:P5joEQX3
せつ菜「うう…さっき歩夢さんは私の大好きを否定しないって言ったのに…」

歩夢「さっきと状況が変わったからね! なんなのこのセリフ!!?」

歩夢「『んほおおおおおお♡♡♡ おじさまちんぽいいのおおお♡♡♡ 歩夢よりしゅごいのおおおおおお♡♡♡♡♡』」

歩夢「侑ちゃんは!!!! こんな事言わない!!!!!」

せつ菜「いえ、この侑さんはおじさんに感度3000倍にさせられたので言います。見た事あるんですか? 3000倍侑さん」

歩夢「あるわけないでしょ!!!! なんなのその数字は!!!!!!」

せつ菜「…あのですね、これは大きなテーマなんです。男を知らずに女が女を好きと言っても、言葉が軽くないですか?」

歩夢「なっ…!?」

せつ菜「男を知った上で、それでもなお女を選ぶ。それが本当の覚悟というものではないでしょうか」

歩夢「そ…それは…」

歩夢「…そういうお話なの?」

せつ菜「いえ。チンポに完堕ちしてメス豚ENDです。エ 漫画なので」

歩夢「だから!!! だああああかああああらああああああ!!!!! 」ダンダンダン

せつ菜「ほら、鬼滅でも読者は無惨じゃなくて炭治郎に勝ってほしいじゃないですか。そういう事ですよ」

歩夢「今すぐ謝って!!!!! 炭治郎くんに!!!!!!!!!」

57: 2021/04/19(月) 23:19:36.09 ID:P5joEQX3
歩夢「どうしてこんな可愛い絵で地獄みたいな漫画を描くの…? 私せつ菜ちゃんの事がわからないよ…」ポロポロ

せつ菜「……」

せつ菜「最初はかなエマだったんです」

歩夢「え?」

せつ菜「何の波風も立たず、ひたすらエマさんと彼方さんがほのぼのするだけ。それがかつて私が描いていた漫画でした」

歩夢「いいじゃない! 素敵な内容じゃない! 一体何が不満だったの!?」

せつ菜「ええ。全然バズりませんでしたけど、喜んでくれる人はいました。私もそれで満足でした」

せつ菜「けれどある日の事でした。最高にいい表情のお二人が描けたんです。その時不意に思ってしまったんです」

せつ菜「『ああ~。お二人の間に挟まりたいなあ~』…ってね!」ニチャア

歩夢「!!」

歩夢「それが…せつ菜ちゃんの邪悪の原点なんだね…!」ギリッ

せつ菜「フフフ、悪でしょうか? …ええ、だから描いてやったんです、欲望のままに」

せつ菜「お二人の間に笑顔で挟まる…」

せつ菜「かすみさんと璃奈さんをね!!!!」ババーン

歩夢「ええーー!!??」ガガーン

62: 2021/04/19(月) 23:23:07.77 ID:P5joEQX3
せつ菜「めちゃくちゃバズりました!! その時からですよ! 私が<百合に挟まる+α>に目覚めたのは…!!!」フハハハハ

歩夢「ねえどうして間違っちゃったの!? 違うよね!? 璃奈ちゃん達と種付けおじさんじゃ、天と地ほども違うよね!!?」

せつ菜「…私はどうせならフォロワーさん達の見たがっているものを描きたいと思いました」

せつ菜「そして<ちょい足し投票フォーム>を設置したんです。このペアにちょい足しするなら誰がいいですか? って」

せつ菜「最初はじわじわ票が増えるだけでした。でもある日いきなりユーザー追加項目が増えていたんです」

せつ菜「<種付けおじさん>」

せつ菜「他の3000倍くらい票が入っていました」

せつ菜「ええ、わかったんです。これが皆さんの本当に見たがっていたもの。私が全身全霊をかけて向き合うべきものなんだ…とね!」グッ

歩夢「それ荒らされただけじゃない!!?!!?」ガガーン

65: 2021/04/19(月) 23:27:11.94 ID:P5joEQX3
しずく「話は聞かせてもらいました」ヒョコ

せつ菜「え!? しずくさん!?」

しずく「…せつ菜さんが…雪瀬ツナ先生だったんですね…」

せつ菜「はい…」

歩夢「何そのペンネーム」

しずく「…ある女の子の昔話をしましょうか」コホン

歩夢「う、うん? どうしてしずくちゃんはいつも突然頼んでもない語りを始めるのかな?」

しずく「その子はとある絵師さんのファンでした。毎日ツイッターを眺めるのが日々の糧でした」

歩夢「その子っていうか、しずくちゃんだよね」

しずく「仮に少女Sとしましょうか」

歩夢「しずくちゃんだよね」

67: 2021/04/19(月) 23:30:27.21 ID:P5joEQX3
しずく「それはとても幸せな日々。しかし突然Sの幸福は打ち砕かれてしまったのです。一枚のイラストによって!」ギリッ

しずく「そのイラストにはそれまでにない二人の異物が描かれていました…いえ、正直に認めましょう」

しずく「Sはそのイラストをいいな、と思ったんです。でも同じくらいの怒りが湧いてしまったんです」

しずく「『どうしてこの二人を挟んだの? もっと先に彼方さんエマさんと組んでいた子がいるのに…!』と!」

しずく「そしてちょい足しフォームが設置されました。彼女は毎日しこしこ投票しました」

しずく「『やっぱりしずくちゃんだよね』『スクフェス組最高~』」

しずく「コメントで多数派を演じてみても票の伸びは普通でした。ぶっちゃけ9割その子でした」

しずく「Sの苦労をよそに順調に伸びるQU4RTZ。彼女の脳裏に怒りと屈辱が甦ります」

しずく「またあの屈辱を味わうくらいなら…! Sは怒りのままに項目を追加しました」

しずく「<種付けおじさん>」

しずく「そして震える手で連投スクリプトを叩いたのです」

しずく「これはとある女の子の…悲しい昔話…」フゥ

歩夢「お前が元凶かァァァァ~~~~!!!!!!!」

71: 2021/04/19(月) 23:34:06.13 ID:P5joEQX3
歩夢「謝って!! 今すぐ私に謝って!!!!!」ユサユサ

しずく「見えますかツナ先生? これがあなたの選んだ結末です」ユサユサ

せつ菜「…え?」

しずく「あなたの大好きを見て泣き叫ぶ人がいる…それがツナ先生の望んだ未来なんですか?」

せつ菜「!!!???」ガガーン

歩夢「凄いね!!! 私は全く悪くないという鋼の意思が凄い!!!!」

せつ菜「わ、私は…私の大好きで皆さんに笑顔になってほしくて…本当にただそれだけで…」ブルブル

しずく「それがいつしか多数派の意見におもねる事にすり替わってしまったんです」

しずく「思い出してください最初の気持ちを。アンケに従う必要なんてありません…クソですよあんなもの…」ヒソヒソ

歩夢「ねえしずくちゃんは自分の望む方向に誘導したいだけだよね!? 本当にたちが悪いね!?」

せつ菜「ううすみません…アンケがいいから次はかなエマや近江姉妹に挟まるしずくさんを描こうとか…安易な考えに染まってましたぁ…」シクシク

しずく「いえファンの声は大切です。私がクソだと言ったのはですね、両方描いてみては?という事です。自分で自分の可能性を狭める必要なくないですか?」クルッ

歩夢「秒で手の平返せるの本当に凄いね!! 桜坂ハンドはドリルかな? どうしたら一瞬で言いわけをひねり出せるのかな!?」

75: 2021/04/19(月) 23:37:30.87 ID:P5joEQX3
せつ菜「不快な思いをさせてすみませんでしたァァァーー!! かくなる上は筆を折って責任を取ります!!」?ドゲザァ

歩夢「いやうん…実在の人間を描いてる時点で相当な責任が伴うと思うけど…」

歩夢「…顔を上げてせつ菜ちゃん。私せつ菜ちゃんに漫画をやめてほしいなんて思ってない」

せつ菜「えっ?」

歩夢「だってせつ菜ちゃんの漫画には力があるもの。読んだ人を笑顔にしたり泣かせたりする力が」

せつ菜「あ、歩夢さん…!」

しずく「正確には気持ち悪い笑顔ですよね?」

歩夢「黙って?」

歩夢「…実際おじさんが乱入してくるまでは私もドキドキしっぱなしだった。だからその力を正しい道に使ってほしい」

せつ菜「正しい道…?」

歩夢「うん。読んだ人みんなが笑顔になれるような、愛で溢れた漫画。せつ菜ちゃんだったらきっと描けると思うから」

歩夢「そしてゆうぽむの伝道師として…これから死ぬほど本を量産してほしい…」✨キラキラ

しずく「先にかなしずはるをお願いします」ズイ

歩夢「どいて?」

せつ菜「あ、歩夢さん…! いえ…女神…!!///」ウルウル

せつ菜「わかりました。この命歩夢さんに頂いたようなもの。もう種付けおじさんは卒業です。これからは光の漫画を描いていきます…!」✨キラキラ

しずく「一件落着…ですね」フフッ

歩夢「あなたは何も変わってないね?」

76: 2021/04/19(月) 23:41:13.44 ID:P5joEQX3
~一ヶ月後~

せつ菜「無事入稿完了しました! それじゃ電子データをお渡ししますね!」

歩夢「ううん、いい」

せつ菜「え?」キョトン

歩夢「ちゃんとお金出して紙の本で買う。それが…せつ菜ちゃんに対する私の敬意だから」

せつ菜「歩夢さん…」

歩夢「……」

せつ菜「……」

?

せつ菜「私、歩夢さんのおかげで変われた気がします。今の私があるのは貴女のおかげ。本当にありがとうございました」ペコリ

歩夢「えへへ。それなら私だってそうだよ。今の私があるのはせつ菜ちゃんのおかげ…」

せつ菜「それならお互い様…ですね///」フフッ

歩夢「うんっ///」エヘヘ

 
後日歩夢はメロブに委託されたその本を買った

かつておじさんが描かれていた箇所は全て顔が愛さんにすげ替えられ

種付けおじさんは種付け愛さんになっていた

せつ菜が新規公開した近江姉妹のイラストにもやっぱり愛さんが挟まっていた

しずくの粘着荒しと歩夢の凍結申請でせつ菜のツイ垢は壊滅した

END

77: 2021/04/19(月) 23:42:53.46 ID:ubYUZznM
酷すぎる
めちゃくちゃ笑った

78: 2021/04/19(月) 23:43:30.17 ID:xUYleQVM
残当

79: 2021/04/19(月) 23:44:21.74 ID:/3INQlFI
愛であふれた漫画…そういうことかよ

82: 2021/04/19(月) 23:46:34.88 ID:09iSSKer
桜内さぁ…

87: 2021/04/20(火) 00:01:00.30 ID:tsBKY5LO
クソワロタ乙乙

93: 2021/04/20(火) 02:36:48.00 ID:JT8SyC0t
夜中だけど笑った

95: 2021/04/20(火) 03:58:59.45 ID:cH1eY4be
久々に笑えるssだった

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1618837937/

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