1: 2021/04/29(木) 17:20:11.93 ID:6ObY/YDA
~学生寮・果林の部屋~
浅野内匠頭『〽風さそふ~~、花よりもなほ、我はまた……』
エマ「わぁっ、素敵ぃ~~」?
「桜の木の下で俳句を詠むだなんて、風流だねぇ~~」
果林「よくもまぁ、ポテチを食べながら呑気に見てられるわねぇ」?
「これから何が起きるかも知らずに……」
(ふたりが何気なく見ていたテレビには、刃傷沙汰を起こした浅野内匠頭の切腹シーンが映っている)
浅野内匠頭『〽風さそふ~~、花よりもなほ、我はまた……』
エマ「わぁっ、素敵ぃ~~」?
「桜の木の下で俳句を詠むだなんて、風流だねぇ~~」
果林「よくもまぁ、ポテチを食べながら呑気に見てられるわねぇ」?
「これから何が起きるかも知らずに……」
(ふたりが何気なく見ていたテレビには、刃傷沙汰を起こした浅野内匠頭の切腹シーンが映っている)
2: 2021/04/29(木) 17:20:37.11 ID:6ObY/YDA
エマ「あ……」
「なんか、ナイフみたいなのを手に取ったよ?」
「リンゴでも食べるのかなぁ?」
果林「見てれば分かるわよ……」
(と––––)
浅野内匠頭『ムッ!!!!!!!!』
(内匠頭が詰め腹を切った瞬間、白装束が赤く染まる!!)
介錯人『ヤァッ!!』
_人人人人人人人人人人人人人_
> ドバッ!!!!!!!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
「なんか、ナイフみたいなのを手に取ったよ?」
「リンゴでも食べるのかなぁ?」
果林「見てれば分かるわよ……」
(と––––)
浅野内匠頭『ムッ!!!!!!!!』
(内匠頭が詰め腹を切った瞬間、白装束が赤く染まる!!)
介錯人『ヤァッ!!』
_人人人人人人人人人人人人人_
> ドバッ!!!!!!!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
3: 2021/04/29(木) 17:20:57.40 ID:6ObY/YDA
エマ「」?
「」
「」
果林「ちょ……」?
エマ「…………」
「え……」?
「死んじゃったよ?この人……」
果林「そうよ、これが切腹よ」
「昔の日本人は、こうやって自分の非を詫びたの」
エマ「え?え?え?」
「冗談だよねぇ……?果林ちゃん……」
「またいつもの、>>1の時代錯誤なギャグに決まって……」
果林「??」真実を伝える目
「」
「」
果林「ちょ……」?
エマ「…………」
「え……」?
「死んじゃったよ?この人……」
果林「そうよ、これが切腹よ」
「昔の日本人は、こうやって自分の非を詫びたの」
エマ「え?え?え?」
「冗談だよねぇ……?果林ちゃん……」
「またいつもの、>>1の時代錯誤なギャグに決まって……」
果林「??」真実を伝える目
4: 2021/04/29(木) 17:21:17.11 ID:6ObY/YDA
エマ「……ハァ????」?
「刑務所とかないの????いきなり死刑なの????」
「昔の日本って、このドラマみたいにバチで野蛮だったの?」
果林「この時代の人達はねぇ……」
「とにかく、殿様の言う事が絶対で……」
「殿様の気分次第で……善人が処刑されたり、悪人が無罪放免になる世の中だったのよ」
エマ「そ、そんなぁ……!!」?
「いくらなんでも無茶苦茶すぎるよぉ!!」
「第一、そんなに人を死なせてばっかりじゃあ、優秀な人材がいなくなっちゃわない!?」
果林「それを実際にやっちゃったから、徳川幕府や旧日本軍は滅んだのよ」
エマ「…………」
「刑務所とかないの????いきなり死刑なの????」
「昔の日本って、このドラマみたいにバチで野蛮だったの?」
果林「この時代の人達はねぇ……」
「とにかく、殿様の言う事が絶対で……」
「殿様の気分次第で……善人が処刑されたり、悪人が無罪放免になる世の中だったのよ」
エマ「そ、そんなぁ……!!」?
「いくらなんでも無茶苦茶すぎるよぉ!!」
「第一、そんなに人を死なせてばっかりじゃあ、優秀な人材がいなくなっちゃわない!?」
果林「それを実際にやっちゃったから、徳川幕府や旧日本軍は滅んだのよ」
エマ「…………」
5: 2021/04/29(木) 17:21:34.39 ID:6ObY/YDA
(と––––)
エマ「あ~~……」
「そっかぁ~~……」
果林「?」
エマ「果林ちゃんや、同好会のみんなも……」
「今こうやって生きてるのは、ご先祖様がミスらなかったからなんだね……」?
果林「はぁ??」
エマ「日本人が、消極的な思考を持った人種になった理由が、なんとなく解った気がするよ」
(その翌日––––)
(同好会の面々に『ご先祖様に感謝しようね』と触れて回り、気味悪がられるエマの姿が異彩を放っていた)
エマ「あ~~……」
「そっかぁ~~……」
果林「?」
エマ「果林ちゃんや、同好会のみんなも……」
「今こうやって生きてるのは、ご先祖様がミスらなかったからなんだね……」?
果林「はぁ??」
エマ「日本人が、消極的な思考を持った人種になった理由が、なんとなく解った気がするよ」
(その翌日––––)
(同好会の面々に『ご先祖様に感謝しようね』と触れて回り、気味悪がられるエマの姿が異彩を放っていた)
6: 2021/04/29(木) 17:21:46.95 ID:6ObY/YDA
,," ̄''`ヽ
@。八ゞ、) ふふっ……
ノcイˆᴗˆハ それから?
と) 芥)つ
く/_i_i_>
し'ノ
7: 2021/04/29(木) 17:22:16.27 ID:6ObY/YDA
~都内某所・撮影スタジオ~
?
シャッターパシャッ!!
スタッフ「ハーーイ、OKで~~す!!」
果林「お疲れ様で~す」
(果林先輩、今日は読モの撮影日––––)
(いつもの果林だったら、このあと道に迷わず帰宅できるかどうかを憂えるのだが––––)
果林(ウフフフッ……)?
(今日はなにやら、不敵な笑みを浮かべてるご様子……)
?
シャッターパシャッ!!
スタッフ「ハーーイ、OKで~~す!!」
果林「お疲れ様で~す」
(果林先輩、今日は読モの撮影日––––)
(いつもの果林だったら、このあと道に迷わず帰宅できるかどうかを憂えるのだが––––)
果林(ウフフフッ……)?
(今日はなにやら、不敵な笑みを浮かべてるご様子……)
8: 2021/04/29(木) 17:22:47.39 ID:6ObY/YDA
果林(思えば都会に出てから、早数年……)
(これまで散々、方向音痴に泣かされ続けてきたけれど……)
(そんな日々とも、今日でサヨナラだわ!!)
(かすみちゃんがくれたコッペパンが、私にヒントをもたらしたのよ!!)
(神田の赤毛ピアノ少女の0.000001倍を誇る、果林の頭脳が弾き出した妙案とは––––)
果林(そう……)?
(もう二度と、帰り道に困らないように……)
(かすみちゃんのコッペパンを……)
(これまで散々、方向音痴に泣かされ続けてきたけれど……)
(そんな日々とも、今日でサヨナラだわ!!)
(かすみちゃんがくれたコッペパンが、私にヒントをもたらしたのよ!!)
(神田の赤毛ピアノ少女の0.000001倍を誇る、果林の頭脳が弾き出した妙案とは––––)
果林(そう……)?
(もう二度と、帰り道に困らないように……)
(かすみちゃんのコッペパンを……)
9: 2021/04/29(木) 17:23:10.18 ID:6ObY/YDA
‐ . |電|::| | |
. ‐|柱|::| | /|
|ー┘| | ../ |
__| .::::|___|/ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ..:::|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
""""
,´" ̄`ヽ
l" _li」!リ!i_)
ヽル^ᴗ ゚イ
(つ?と)
/_il_i_iゝ
(_ハ_) ◦ ◦ ◦ ◦
果林(スタジオに来る最中に、ちぎっては道に置いてきたからね!!)
. ‐|柱|::| | /|
|ー┘| | ../ |
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| ..:::|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
""""
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l" _li」!リ!i_)
ヽル^ᴗ ゚イ
(つ?と)
/_il_i_iゝ
(_ハ_) ◦ ◦ ◦ ◦
果林(スタジオに来る最中に、ちぎっては道に置いてきたからね!!)
10: 2021/04/29(木) 17:23:39.85 ID:6ObY/YDA
果林(落としたパンの後を追っていけば、迷うことなく寮に帰れる……)
(て……天才だわ、わたし)身震い
(ひょっとしたら、いま東大を受験したら合格できるかもしれない……)
(よ~~しっ!!決めたわっ!!)?
(今日から私のキャッチフレーズは、『かしこい・セクシー・果林さん』よ!!)
(と、不遜が最高潮に達した果林が、私服に着替えてスタジオの外へ出ると––––)
(て……天才だわ、わたし)身震い
(ひょっとしたら、いま東大を受験したら合格できるかもしれない……)
(よ~~しっ!!決めたわっ!!)?
(今日から私のキャッチフレーズは、『かしこい・セクシー・果林さん』よ!!)
(と、不遜が最高潮に達した果林が、私服に着替えてスタジオの外へ出ると––––)
11: 2021/04/29(木) 17:24:10.63 ID:6ObY/YDA
_____
/::::::、::゛ヽ
/::´::::::ヽ:::ヽ
. /:::ノヽ:ゝノ`:ゝ:::ヽ
. l::l ○ ,,, ○ l:::::l
. ヽ:ノ "" ~ """ノ/ヽ:/ もぐもぐ……
. (:人________人l_/人
. (::)/:::::::{>>0<}::::::::::ヽ´(:::)
. (::)l::::l:::ノ:| ヽ:::ヽ:::l (:::)
. ヽj:::j :| j::::::l:ノ ´`
/#/#il#l#iヽヽゝ
. ヽ_l__/
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`-`-´
/::::::、::゛ヽ
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12: 2021/04/29(木) 17:24:53.02 ID:6ObY/YDA
エマ「もぐもぐ……」
「…………ごっくん」?
果林「」?
エマ「あれぇ?」
「どうして果林ちゃんがここに……」
果林「……エマ」
「それはこっちが聞きたいわよ……」
エマ「それがさぁ~~、実に不思議な事なんだけど……」
「練習が終わって、寮に帰るときに……」
「…………ごっくん」?
果林「」?
エマ「あれぇ?」
「どうして果林ちゃんがここに……」
果林「……エマ」
「それはこっちが聞きたいわよ……」
エマ「それがさぁ~~、実に不思議な事なんだけど……」
「練習が終わって、寮に帰るときに……」
13: 2021/04/29(木) 17:25:27.76 ID:6ObY/YDA
14: 2021/04/29(木) 17:26:26.84 ID:6ObY/YDA
エマ「激しい練習の後で、もうお腹ペコペコだったからさぁ……」
「思わず口にしたら、もうすっっっっっっっっごく美味しくって~~~~♥」?
果林「」
(『天才少女』から一気に、『先の展開が読めない馬鹿女』に転落したショックで、果林の目が曇る)
エマ「そこからはもう、ほら……」
「日本で言うところの、『やめられない・とまらない』って奴で……」
「拾い喰いし続けてたら、ここまで来ちゃったんだ~~」
果林「…………」
「思わず口にしたら、もうすっっっっっっっっごく美味しくって~~~~♥」?
果林「」
(『天才少女』から一気に、『先の展開が読めない馬鹿女』に転落したショックで、果林の目が曇る)
エマ「そこからはもう、ほら……」
「日本で言うところの、『やめられない・とまらない』って奴で……」
「拾い喰いし続けてたら、ここまで来ちゃったんだ~~」
果林「…………」
15: 2021/04/29(木) 17:27:09.66 ID:6ObY/YDA
エマ「あ……」?
「ごめ~~ん、果林ちゃんの分は残ってないんだ」
「ここに落ちてたのが、最後だったから……」
果林「…………」
「どうして……」
「どうして食べちゃったのよ……」?
エマ「????」
(いつものクールな伊達女の面影も、何処へやら––––)
「ごめ~~ん、果林ちゃんの分は残ってないんだ」
「ここに落ちてたのが、最後だったから……」
果林「…………」
「どうして……」
「どうして食べちゃったのよ……」?
エマ「????」
(いつものクールな伊達女の面影も、何処へやら––––)
16: 2021/04/29(木) 17:28:14.20 ID:6ObY/YDA
果林「あれはねぇ!!私が落とした奴だったの!!」
「帰り道が分かるようにっ!!目印代わりに落としたのっ!!」?
エマ「えぇ……」
果林「せっかくの私のナイスアイデアを、よくもぶち壊してくれたわねぇ!!!!」
(頭ごなしに怒鳴り散らす親友を前に、エマの頭が力なく垂れ下がる)
(やがて––––)
エマ「ごめん……」
「ごめんなさい……果林ちゃん」?
「まさか、果林ちゃんのだとは思わなかったから……」
「帰り道が分かるようにっ!!目印代わりに落としたのっ!!」?
エマ「えぇ……」
果林「せっかくの私のナイスアイデアを、よくもぶち壊してくれたわねぇ!!!!」
(頭ごなしに怒鳴り散らす親友を前に、エマの頭が力なく垂れ下がる)
(やがて––––)
エマ「ごめん……」
「ごめんなさい……果林ちゃん」?
「まさか、果林ちゃんのだとは思わなかったから……」
17: 2021/04/29(木) 17:29:57.74 ID:6ObY/YDA
果林「あ~~もうっ!!最悪っ!!!!」
(苛立ちのあまり、頭をボリボリ掻きむしる!!)
果林「意地汚い友達のせいで、帰り道が分からなくなっちゃったわ!!!!」?
エマ「ごめん……ホントに……」
果林「謝れば許されると思ってるの!?おめでたい人ねぇ!!」
「スイスだったらそれで済んだでしょうけど、ここは日本だから!!」
「断じて許し難し!!万死に値するって奴よ!!」
エマ「…………」
「…………グスッ」
「……ヒック……ごめんなさぁい……」?
「食べたパンは、弁償して返すからぁ……許してぇ……」
(苛立ちのあまり、頭をボリボリ掻きむしる!!)
果林「意地汚い友達のせいで、帰り道が分からなくなっちゃったわ!!!!」?
エマ「ごめん……ホントに……」
果林「謝れば許されると思ってるの!?おめでたい人ねぇ!!」
「スイスだったらそれで済んだでしょうけど、ここは日本だから!!」
「断じて許し難し!!万死に値するって奴よ!!」
エマ「…………」
「…………グスッ」
「……ヒック……ごめんなさぁい……」?
「食べたパンは、弁償して返すからぁ……許してぇ……」
18: 2021/04/29(木) 17:32:02.92 ID:6ObY/YDA
果林「そんな涙で水に流すほど、朝香果林は安い女じゃないわよ!!」
「どうせ謝るぐらいなら、切腹……」
「そうよ!!切腹よ!!切腹!!」?
エマ「!?」
果林「この間のテレビみたいに、腹のひとつでも切ってみなさいよ!!」
エマ「」
果林「それぐらいしてくれなきゃ、とうてい腹の虫が治まらなぁぁぁぁいっ!!!!」???
エマ「…………」
(ついに––––)
「どうせ謝るぐらいなら、切腹……」
「そうよ!!切腹よ!!切腹!!」?
エマ「!?」
果林「この間のテレビみたいに、腹のひとつでも切ってみなさいよ!!」
エマ「」
果林「それぐらいしてくれなきゃ、とうてい腹の虫が治まらなぁぁぁぁいっ!!!!」???
エマ「…………」
(ついに––––)
19: 2021/04/29(木) 17:34:09.64 ID:6ObY/YDA
エマ「う」
「うわああぁ……」?
「あああぁぁぁぁあああん……」
(打ちのめされたエマが、ひとり夕暮れの街の中へ消えていった)
果林「はぁ……はぁ……」?
「こんなに人に怒りをぶつけたのは、久しぶりね……」
「今日は最悪の一日だわ……」
(結局––––)
(帰り道が分からなくなった果林は、大枚はたいてタクシーに乗り、学生寮まで戻ってきた)
「うわああぁ……」?
「あああぁぁぁぁあああん……」
(打ちのめされたエマが、ひとり夕暮れの街の中へ消えていった)
果林「はぁ……はぁ……」?
「こんなに人に怒りをぶつけたのは、久しぶりね……」
「今日は最悪の一日だわ……」
(結局––––)
(帰り道が分からなくなった果林は、大枚はたいてタクシーに乗り、学生寮まで戻ってきた)
20: 2021/04/29(木) 17:38:42.01 ID:6ObY/YDA
22: 2021/04/29(木) 17:40:01.82 ID:6ObY/YDA
~学生寮・果林の部屋~
部屋の扉バタン……
果林「…………」
(余計な出費がかさみ、弱り目に祟り目な果林––––)
(室内に立てかけてある鏡には、不自然に顔の筋肉が揺れ動く果林の姿が––––)
果林「あ~~~~っ……」
「くそっ……くそっ……」?
「まさか自分にも、こんな低レベルな感情が備わってたなんて……」
「それもこれも、全部エマのせい……」
部屋の扉バタン……
果林「…………」
(余計な出費がかさみ、弱り目に祟り目な果林––––)
(室内に立てかけてある鏡には、不自然に顔の筋肉が揺れ動く果林の姿が––––)
果林「あ~~~~っ……」
「くそっ……くそっ……」?
「まさか自分にも、こんな低レベルな感情が備わってたなんて……」
「それもこれも、全部エマのせい……」
23: 2021/04/29(木) 17:41:26.69 ID:6ObY/YDA
(留まる事のないエマへの怨念をブツブツ呟きつつ、苛立ち紛れに室内を歩き回る)
(と––––)
果林「いだっ!!」
(なにかを踏んづけ、目から火花!!)
果林「っつ~~~~!!」??
「ほんと何なの!?今日という日は!?」
「仏滅と天中〇が、いっぺんに来たのかしら!?」
(その場にしゃがみ込み、痛みを和らげようと必死に足の裏を揉んでいると––––)
(と––––)
果林「いだっ!!」
(なにかを踏んづけ、目から火花!!)
果林「っつ~~~~!!」??
「ほんと何なの!?今日という日は!?」
「仏滅と天中〇が、いっぺんに来たのかしら!?」
(その場にしゃがみ込み、痛みを和らげようと必死に足の裏を揉んでいると––––)
24: 2021/04/29(木) 17:42:33.37 ID:6ObY/YDA
果林「…………」
(この事態の原因である、蒼色のスーパーボールが果林の元に転がってきた)
果林「これって……」?
「たしか、夏祭りの時の……」
(この事態の原因である、蒼色のスーパーボールが果林の元に転がってきた)
果林「これって……」?
「たしか、夏祭りの時の……」
25: 2021/04/29(木) 17:44:07.06 ID:6ObY/YDA
26: 2021/04/29(木) 17:46:04.46 ID:6ObY/YDA
(屋台で買った焼きそばを、ズルズルと口にかっこむ……)
エマ「もぐもぐもぐ……」
「う~~~~ん♥ボーノだよぉ♥」?
(薄暮にきらめく屋台の明かりと、夥しい人の群れ––––)
(祭りに酔いしれてる雑踏の中に、小粋な浴衣姿で身を固めた、背丈の高い2人の少女の姿がある)
果林「ったく……花火を見に来たというのに……」?
「さっきからずっと、ボーノbotになっちゃって……」
「そんなに暴飲暴食してたら、後で体重計に乗るのが怖くなるわよ?」
エマ「もぐもぐもぐ……」
「う~~~~ん♥ボーノだよぉ♥」?
(薄暮にきらめく屋台の明かりと、夥しい人の群れ––––)
(祭りに酔いしれてる雑踏の中に、小粋な浴衣姿で身を固めた、背丈の高い2人の少女の姿がある)
果林「ったく……花火を見に来たというのに……」?
「さっきからずっと、ボーノbotになっちゃって……」
「そんなに暴飲暴食してたら、後で体重計に乗るのが怖くなるわよ?」
27: 2021/04/29(木) 17:48:03.11 ID:6ObY/YDA
(たこ焼き、お好み焼き、大判焼き、焼きそば……)
(これらの屋台を、片っ端から制覇していくエマを見ていれば、果林でなくとも呆れかえるハズだ)
エマ「無理無理無理ぃ~~~~!!」?
「こんなにお店がいっぱいあるのに、我慢しろって言う方が残酷だよぉ~~!!」
(暖簾に腕押し、糠に釘––––)
果林「じゃあせめて、口の周りについてるソースを何とかしなさい」
「せっかくの和風美人が台無しよ?」
(さすがに恥じらいを覚えたエマが、あわてて口元を拭う)
(これらの屋台を、片っ端から制覇していくエマを見ていれば、果林でなくとも呆れかえるハズだ)
エマ「無理無理無理ぃ~~~~!!」?
「こんなにお店がいっぱいあるのに、我慢しろって言う方が残酷だよぉ~~!!」
(暖簾に腕押し、糠に釘––––)
果林「じゃあせめて、口の周りについてるソースを何とかしなさい」
「せっかくの和風美人が台無しよ?」
(さすがに恥じらいを覚えたエマが、あわてて口元を拭う)
28: 2021/04/29(木) 17:50:03.19 ID:6ObY/YDA
(と––––)
エマ「!!」
「うわぁ~~、綺麗~~♥」?
(エマの目を引きつけたのは、大量の色とりどりなスーパーボールが水槽の中を流れる光景であった)
エマ「へぇ~~、『スーパーボールすくい』って言うのかぁ~~」
「この蒼くてキラキラ光ってる奴とか、果林ちゃんにお似合いだと思わない?」
(『まるで子供だましね』と、喉まで出かかった果林であったが––––)
(純真無垢にはしゃぐエマの姿に、なんだか心をほだされてしまい––––)
エマ「!!」
「うわぁ~~、綺麗~~♥」?
(エマの目を引きつけたのは、大量の色とりどりなスーパーボールが水槽の中を流れる光景であった)
エマ「へぇ~~、『スーパーボールすくい』って言うのかぁ~~」
「この蒼くてキラキラ光ってる奴とか、果林ちゃんにお似合いだと思わない?」
(『まるで子供だましね』と、喉まで出かかった果林であったが––––)
(純真無垢にはしゃぐエマの姿に、なんだか心をほだされてしまい––––)
29: 2021/04/29(木) 17:51:51.33 ID:6ObY/YDA
果林「そんなに気に入ったのなら、やってみたら?」
「花火が打ち上がるまで、まだ時間もあるし……」
エマ「うんっ!!やってみるね!!」
(意気揚々と屋台の店主にお金を払い、お椀とポイを受け取る)
エマ「見ててね、果林ちゃん」?
「あのボールをすくってみせるから!!」
(お目当てのボールに狙いを定め、水槽の中にポイを沈め……)
エマ「えいっ!!」
(ボールの底からすくい上げるように、ポイを勢いよく引き上げる!!)
(が––––)
「花火が打ち上がるまで、まだ時間もあるし……」
エマ「うんっ!!やってみるね!!」
(意気揚々と屋台の店主にお金を払い、お椀とポイを受け取る)
エマ「見ててね、果林ちゃん」?
「あのボールをすくってみせるから!!」
(お目当てのボールに狙いを定め、水槽の中にポイを沈め……)
エマ「えいっ!!」
(ボールの底からすくい上げるように、ポイを勢いよく引き上げる!!)
(が––––)
30: 2021/04/29(木) 17:54:02.74 ID:6ObY/YDA
エマ「あ……」
(当然うまくいくワケがなく、ポイが破ける)
エマ「う~~ん、これは一筋縄ではいかないなぁ……」
果林「ちょっと厳しいんじゃない?素人目に見ても」
「そんな薄っぺらい紙で、あんな大きな玉を取れるワケが……」
エマ「まだだよ!!勝負はこれからだもん!!」?
(是が非でもボールをゲットしようと、財布の紐を緩めてチャレンジし続けるエマであったが––––)
(当然うまくいくワケがなく、ポイが破ける)
エマ「う~~ん、これは一筋縄ではいかないなぁ……」
果林「ちょっと厳しいんじゃない?素人目に見ても」
「そんな薄っぺらい紙で、あんな大きな玉を取れるワケが……」
エマ「まだだよ!!勝負はこれからだもん!!」?
(是が非でもボールをゲットしようと、財布の紐を緩めてチャレンジし続けるエマであったが––––)
31: 2021/04/29(木) 17:56:04.15 ID:6ObY/YDA
エマ「むぅ~~~~っ……」
「おかしい……」
「2000円も使ったのに、取れないだなんて……」
果林「いい加減にギブしたら?」
「人間、諦めが肝心ってよく言うじゃない」
エマ「このボール……意地っ張りな所まで、果林ちゃんみたいだね」?
果林「馬鹿な事を言ってないで、はやく花火大会の会場へ行くわよ」?
(と––––)
エマ(……はっ!!)
(そういえば前に、しずくちゃんが言ってたっけ……)
(こういう射幸心を煽る店は、じつは裏で……)
「おかしい……」
「2000円も使ったのに、取れないだなんて……」
果林「いい加減にギブしたら?」
「人間、諦めが肝心ってよく言うじゃない」
エマ「このボール……意地っ張りな所まで、果林ちゃんみたいだね」?
果林「馬鹿な事を言ってないで、はやく花火大会の会場へ行くわよ」?
(と––––)
エマ(……はっ!!)
(そういえば前に、しずくちゃんが言ってたっけ……)
(こういう射幸心を煽る店は、じつは裏で……)
32: 2021/04/29(木) 18:00:05.29 ID:6ObY/YDA
~地下・コントロール室~
(お祭り会場の地下50メートル深くに、大型コンピューターが完備された個室がある)
構成員「うゆゆゆゆゆゆゆwwwwww」?
「あのお姉さん、カモられてる事に全然気づいてなくて草」
(お祭り会場の地下50メートル深くに、大型コンピューターが完備された個室がある)
構成員「うゆゆゆゆゆゆゆwwwwww」?
「あのお姉さん、カモられてる事に全然気づいてなくて草」
33: 2021/04/29(木) 18:06:59.72 ID:6ObY/YDA
35: 2021/04/29(木) 18:10:05.42 ID:6ObY/YDA
構成員「まさか夢にも思わないだろうね」?
「ここから遠隔して、景品を取れないようにしてるだなんて……」
(彼女の役目は、お祭り会場に点在してるテキ屋の景品を遠隔操作して、客が儲かりすぎないようにする事である)
構成員「あ~~っ、はやくお家に帰りたいなぁ~~」
「これだけシノギを稼げれば、お姉ちゃんにいっぱい誉められるだろうし……」
(と––––)
構成員「……うゆ?」
(モニター内で、エマが果林に向かって何やら話し込んでいる)
「ここから遠隔して、景品を取れないようにしてるだなんて……」
(彼女の役目は、お祭り会場に点在してるテキ屋の景品を遠隔操作して、客が儲かりすぎないようにする事である)
構成員「あ~~っ、はやくお家に帰りたいなぁ~~」
「これだけシノギを稼げれば、お姉ちゃんにいっぱい誉められるだろうし……」
(と––––)
構成員「……うゆ?」
(モニター内で、エマが果林に向かって何やら話し込んでいる)
37: 2021/04/29(木) 18:12:10.56 ID:6ObY/YDA
構成員「まだやる気かなぁ?この人」
「よ~~し……もっと水槽内に重力をかけて、絶対取れないようにしよっと」
(構成員がほくそ笑みながら、重力コントロールのボタンを押そうとしたところ––––)
構成員「あれれぇ?」?
「どっかに行っちゃった……」
(件のエマが、果林をひとり置いて人混みの中へと消えていく)
「よ~~し……もっと水槽内に重力をかけて、絶対取れないようにしよっと」
(構成員がほくそ笑みながら、重力コントロールのボタンを押そうとしたところ––––)
構成員「あれれぇ?」?
「どっかに行っちゃった……」
(件のエマが、果林をひとり置いて人混みの中へと消えていく)
38: 2021/04/29(木) 18:14:31.36 ID:6ObY/YDA
構成員「諦めた……のかなぁ?」?
「それともお金が無くなって、コンビニのATMへ行ったとか……」
「ま……どっちにしろ、いい社会勉強になったと思うよ?」
「ダイスキだけのお祭りなんて、この世には存在しないんだって……」
_人人人人人人人人人人人人人_
> 扉バァァァァン!!!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
構成員「!!!!????」?
「それともお金が無くなって、コンビニのATMへ行ったとか……」
「ま……どっちにしろ、いい社会勉強になったと思うよ?」
「ダイスキだけのお祭りなんて、この世には存在しないんだって……」
_人人人人人人人人人人人人人_
> 扉バァァァァン!!!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
構成員「!!!!????」?
39: 2021/04/29(木) 18:17:04.73 ID:6ObY/YDA
エマ「あ~~~~っ!!やっぱり!!」?
「しずくちゃんの言った通りだ~~!!」
「あなた……私にボールを取らせないよう、ここから遠隔してたんでしょ!?」
構成員「な……」
(突然の闖入者に面食らったものの、そこはヤクザの家の娘––––)
構成員「フ……フンだっ!!」??
「世の中だまされる方が悪いんだもんっ!!」
「うまい話と降旗愛の公式サイトには気をつけろって、ママから教わらなかったのぉ!?」
エマ「ああいえば上祐……」
「もぉ~~っ!!絶対に許さないんだからぁ!!」
「しずくちゃんの言った通りだ~~!!」
「あなた……私にボールを取らせないよう、ここから遠隔してたんでしょ!?」
構成員「な……」
(突然の闖入者に面食らったものの、そこはヤクザの家の娘––––)
構成員「フ……フンだっ!!」??
「世の中だまされる方が悪いんだもんっ!!」
「うまい話と降旗愛の公式サイトには気をつけろって、ママから教わらなかったのぉ!?」
エマ「ああいえば上祐……」
「もぉ~~っ!!絶対に許さないんだからぁ!!」
41: 2021/04/29(木) 18:23:05.96 ID:6ObY/YDA
42: 2021/04/29(木) 18:26:07.25 ID:6ObY/YDA
構成員「ちょっ……!!なにする気なのぉ!?」
エマ「これだね?遠隔するのに使う機械は……」
「こんな機械なんか……え~~いっ!!」
エマ「これだね?遠隔するのに使う機械は……」
「こんな機械なんか……え~~いっ!!」
43: 2021/04/29(木) 18:30:14.22 ID:6ObY/YDA
44: 2021/04/29(木) 18:33:17.35 ID:6ObY/YDA
45: 2021/04/29(木) 18:39:17.98 ID:6ObY/YDA
構成員「ピギャアアアアアア!!!!」?
「三億兆円もする遠隔装置がぁぁ!!!!」
「お姉ちゃんに誉められるどころか、ルビィの小指が吹っ飛んじゃうぅぅぅぅ!!!!」
エマ「ハァ……ハァ……」?
「日本のアイドルは、こういう時にはこう呟くって、かすみちゃんが言ってたっけ……」
エマ「……快感!!」?
(その後––––)
(果林の待つスーパーボールすくいの屋台に戻ってきたエマが、お目当ての蒼色のスーパーボールを、いとも簡単にすくい上げたのは言うまでもない)
「三億兆円もする遠隔装置がぁぁ!!!!」
「お姉ちゃんに誉められるどころか、ルビィの小指が吹っ飛んじゃうぅぅぅぅ!!!!」
エマ「ハァ……ハァ……」?
「日本のアイドルは、こういう時にはこう呟くって、かすみちゃんが言ってたっけ……」
エマ「……快感!!」?
(その後––––)
(果林の待つスーパーボールすくいの屋台に戻ってきたエマが、お目当ての蒼色のスーパーボールを、いとも簡単にすくい上げたのは言うまでもない)
46: 2021/04/29(木) 18:42:07.03 ID:6ObY/YDA
48: 2021/04/29(木) 18:45:37.48 ID:6ObY/YDA
~夏祭り・花火大会会場~
エマ「はいっ♥果林ちゃん」☺
「取るのに2000円も掛かったんだから、大事にしてよね」
(スーパーボールが入った水袋を、果林に差し出す)
果林「ちょっ……待ってよぉ」?
「そんな風に言われたら、気軽に受け取れないわよぉ」
エマ「水くさい事は言いっこなしだよ?」
「さっきも言ったけど、これは果林ちゃんが持ってる方が相応しいもん」
(場内アナウンスで、花火打ち上げまでのカウントダウンが始まる)
(その最中––––)
エマ「はいっ♥果林ちゃん」☺
「取るのに2000円も掛かったんだから、大事にしてよね」
(スーパーボールが入った水袋を、果林に差し出す)
果林「ちょっ……待ってよぉ」?
「そんな風に言われたら、気軽に受け取れないわよぉ」
エマ「水くさい事は言いっこなしだよ?」
「さっきも言ったけど、これは果林ちゃんが持ってる方が相応しいもん」
(場内アナウンスで、花火打ち上げまでのカウントダウンが始まる)
(その最中––––)
49: 2021/04/29(木) 18:49:04.16 ID:6ObY/YDA
エマ「それに……」
果林「??」
エマ「私をお祭りに誘ってくれた、お礼もしたいしね」
果林「お礼……?」?
エマ「ほら、果林ちゃんって人気者だからさぁ……」
「他の子からも、お祭りに行こうってお誘いが来てたんじゃないの?」
「まさか果林ちゃんが、私を選んでくれるとは思わなかったから……」?
果林「…………」
「バカねぇ……エマ」
「もっと自分に、自信を持ちなさいよ」
「私は最初から、あなたを誘うつもりで……」
(その時––––)
果林「??」
エマ「私をお祭りに誘ってくれた、お礼もしたいしね」
果林「お礼……?」?
エマ「ほら、果林ちゃんって人気者だからさぁ……」
「他の子からも、お祭りに行こうってお誘いが来てたんじゃないの?」
「まさか果林ちゃんが、私を選んでくれるとは思わなかったから……」?
果林「…………」
「バカねぇ……エマ」
「もっと自分に、自信を持ちなさいよ」
「私は最初から、あなたを誘うつもりで……」
(その時––––)
50: 2021/04/29(木) 18:53:03.67 ID:6ObY/YDA
51: 2021/04/29(木) 18:57:14.39 ID:6ObY/YDA
エマ「た~~まや~~~~!!」?
「って言うんだっけ?日本の場合……」
果林「…………」
エマ「スイスでもね、8月の建国記念日の時には、盛大に各地で花火が上がるんだよ」
「果林ちゃんが住んでた八丈島でも、花火ってあった?」
果林「え……あぁ」
「八丈島も、8月に大きな花火大会があるわよ」
「中学の時から都会住まいだから、長いこと行ってないけど……」
エマ「そっか……」?
「なんだか私達、変なトコまで同じだね」
(2人がしんみりとなってるのを余所に、花火が二発三発と打ち上がり––––)
「って言うんだっけ?日本の場合……」
果林「…………」
エマ「スイスでもね、8月の建国記念日の時には、盛大に各地で花火が上がるんだよ」
「果林ちゃんが住んでた八丈島でも、花火ってあった?」
果林「え……あぁ」
「八丈島も、8月に大きな花火大会があるわよ」
「中学の時から都会住まいだから、長いこと行ってないけど……」
エマ「そっか……」?
「なんだか私達、変なトコまで同じだね」
(2人がしんみりとなってるのを余所に、花火が二発三発と打ち上がり––––)
52: 2021/04/29(木) 19:01:38.42 ID:6ObY/YDA
エマ「ねぇ、果林ちゃん……」
果林「??」
エマ「私達、これから大人になってもさぁ……」
「こうやって、同じ空の下で、同じ花火を一緒に見れる……」
「そんな仲でいられたらいいよね……」?
果林「…………」
果林「??」
エマ「私達、これから大人になってもさぁ……」
「こうやって、同じ空の下で、同じ花火を一緒に見れる……」
「そんな仲でいられたらいいよね……」?
果林「…………」
53: 2021/04/29(木) 19:05:05.69 ID:6ObY/YDA
54: 2021/04/29(木) 19:08:23.06 ID:6ObY/YDA
エマ「果林……ちゃん?」
果林「約束よ?エマ」
「来年の今日も、こうして2人で花火を見るって……」?
エマ「…………」
「うんっ!!」
「ずっとずっと、私たちの青春は終わらないよっ!!」?
果林「約束よ?エマ」
「来年の今日も、こうして2人で花火を見るって……」?
エマ「…………」
「うんっ!!」
「ずっとずっと、私たちの青春は終わらないよっ!!」?
55: 2021/04/29(木) 19:10:09.94 ID:6ObY/YDA
~再び、果林の部屋~
果林「そうよ……思い出したわ」?
「このスーパーボールに誓ったんだっけ……」
「ふたりの友情は、不変だって……」
(だが今となっては、なんだかボールに対して申し訳が無く––––)
(胸の奥底が、ただただ焼け付くようで––––)
果林「はぁ……」
「なんで私、あんなにムキになって怒ったりしたんだろう……」?
果林「そうよ……思い出したわ」?
「このスーパーボールに誓ったんだっけ……」
「ふたりの友情は、不変だって……」
(だが今となっては、なんだかボールに対して申し訳が無く––––)
(胸の奥底が、ただただ焼け付くようで––––)
果林「はぁ……」
「なんで私、あんなにムキになって怒ったりしたんだろう……」?
57: 2021/04/29(木) 19:14:11.09 ID:6ObY/YDA
(その時だった––––)
(果林のスマホが、ピローンと鳴ったのは)
果林「……?」
「え……」?
果林「な、なんで??」?
「きょう生放送があるって、聞いてないわよ?」
(あわてて動画配信アプリを起動する果林)
(彼女が見た光景は––––)
(果林のスマホが、ピローンと鳴ったのは)
果林「……?」
「え……」?
果林「な、なんで??」?
「きょう生放送があるって、聞いてないわよ?」
(あわてて動画配信アプリを起動する果林)
(彼女が見た光景は––––)
58: 2021/04/29(木) 19:18:14.73 ID:6ObY/YDA
59: 2021/04/29(木) 19:21:38.83 ID:6ObY/YDA
エマ「みなさん、こんばんは」?
「QU4RTZのエマ・ヴェルデです」
「私のこの恰好をみて、みなさん驚かれてると思いますが……」
「実はついさっき……」
「…………」
(思うように言葉を紡ぎ出せず、エマの唇がモゴモゴ彷徨う)
エマ「あの……」?
「私にとって、かけがえのない親友に……」
「そのぉ……」
「…………」?
「取り返しの……」
「取り返しの付かない過ちを犯してしまいました」
(マイナスイオンの固まりのような彼女の声が、ひどく震えて聞こえる)
「QU4RTZのエマ・ヴェルデです」
「私のこの恰好をみて、みなさん驚かれてると思いますが……」
「実はついさっき……」
「…………」
(思うように言葉を紡ぎ出せず、エマの唇がモゴモゴ彷徨う)
エマ「あの……」?
「私にとって、かけがえのない親友に……」
「そのぉ……」
「…………」?
「取り返しの……」
「取り返しの付かない過ちを犯してしまいました」
(マイナスイオンの固まりのような彼女の声が、ひどく震えて聞こえる)
60: 2021/04/29(木) 19:25:02.31 ID:6ObY/YDA
エマ「この放送を、彼女が見てくれてるかどうかはわかりませんが……」
「私の誠意を見てほしいと思い、この放送を決めました」
「これが私にできる、彼女への最大級の謝罪だと信じてます」
「題して……」
「『QU4RTZ緊急生放送……エマ・ヴェルデ、はじめての切腹』です」☹
「私の誠意を見てほしいと思い、この放送を決めました」
「これが私にできる、彼女への最大級の謝罪だと信じてます」
「題して……」
「『QU4RTZ緊急生放送……エマ・ヴェルデ、はじめての切腹』です」☹
61: 2021/04/29(木) 19:28:23.05 ID:6ObY/YDA
~果林の部屋~
果林「」?
「な」
「なんですって……」
(動揺を隠せない果林を余所に、生放送では––––)
彼方『それはちょっと変じゃない?エマちゃん』
『一回こっきりしか出来ないのに、はじめてって……』
エマ『それもそうだね……』
果林「」?
「な」
「なんですって……」
(動揺を隠せない果林を余所に、生放送では––––)
彼方『それはちょっと変じゃない?エマちゃん』
『一回こっきりしか出来ないのに、はじめてって……』
エマ『それもそうだね……』
62: 2021/04/29(木) 19:32:19.66 ID:6ObY/YDA
~エマの部屋~
(死に装束で畏まってるエマの周りに、QU4RTZの面々が神妙そうに佇む)
かすみ「エマ先輩……」?
「まさかこんな形で、エマ先輩とお別れになるなんて……」
「かすみん、もっとエマ先輩の膝枕でお昼寝したかったですぅ……」
エマ「泣かないで……かすみちゃん」?
「私は天国からずっと、かすみちゃん達を見守ってるから……」
「だからかすみちゃんは、私の分までスクールアイドルを頑張ってね」
かすみ「ううっ……」
「私、絶対絶対ぜ~~ったいにNo.1のスクールアイドルになってみせますぅ……」
エマ「うんうん……」☺
「やっぱかすみちゃんは、そうでなくっちゃ……」
(死に装束で畏まってるエマの周りに、QU4RTZの面々が神妙そうに佇む)
かすみ「エマ先輩……」?
「まさかこんな形で、エマ先輩とお別れになるなんて……」
「かすみん、もっとエマ先輩の膝枕でお昼寝したかったですぅ……」
エマ「泣かないで……かすみちゃん」?
「私は天国からずっと、かすみちゃん達を見守ってるから……」
「だからかすみちゃんは、私の分までスクールアイドルを頑張ってね」
かすみ「ううっ……」
「私、絶対絶対ぜ~~ったいにNo.1のスクールアイドルになってみせますぅ……」
エマ「うんうん……」☺
「やっぱかすみちゃんは、そうでなくっちゃ……」
63: 2021/04/29(木) 19:36:03.06 ID:6ObY/YDA
璃奈「エマさん……」?
「たった今、入場者数が10万人を超えたよ」
「Twitterでも、トレンド第1位……」
「みな口々に、エマさんの早すぎる死を悼んでくれてる」
エマ「そっか……」
「ビリスタ常連だった私が、まさかこんな形で1位になるなんてね……」
璃奈「あ、さっそく侑さんが呟いてる……」?
「歩夢さんと自宅で一緒に見てるって」
「たった今、入場者数が10万人を超えたよ」
「Twitterでも、トレンド第1位……」
「みな口々に、エマさんの早すぎる死を悼んでくれてる」
エマ「そっか……」
「ビリスタ常連だった私が、まさかこんな形で1位になるなんてね……」
璃奈「あ、さっそく侑さんが呟いてる……」?
「歩夢さんと自宅で一緒に見てるって」
64: 2021/04/29(木) 19:40:02.30 ID:6ObY/YDA
~果林の部屋~
果林「ハハッ……」
「ハハハハ……」?
「何この放送……センスないわねぇ」
「どうせまた、じゅんぺいのクソみたいな台本通りに演じてるだけでしょ?」
「そうでければ、あの時の罵声を本気にするだなんて……」?
「……ハァ」
(強がってみせる果林ではあったが、呼吸の乱れは隠しようがない)
(と––––)
彼方『ところでエマちゃん……』
『ちゃんと、辞世の句は考えてあるの?』
果林「ハハッ……」
「ハハハハ……」?
「何この放送……センスないわねぇ」
「どうせまた、じゅんぺいのクソみたいな台本通りに演じてるだけでしょ?」
「そうでければ、あの時の罵声を本気にするだなんて……」?
「……ハァ」
(強がってみせる果林ではあったが、呼吸の乱れは隠しようがない)
(と––––)
彼方『ところでエマちゃん……』
『ちゃんと、辞世の句は考えてあるの?』
66: 2021/04/29(木) 19:43:19.86 ID:6ObY/YDA
~エマの部屋~
エマ「あ、うん……」
「今から発表しようと思ってたんだ……」
(懐からメモを取り出す……)
エマ「じゃ、詠み上げるね」
3人「…………」
エマ「え~~、ごほんっ……」
〽道まよう~~
〽君のパンを、食べたから~~
〽4月29日は切腹記念日~~
エマ「あ、うん……」
「今から発表しようと思ってたんだ……」
(懐からメモを取り出す……)
エマ「じゃ、詠み上げるね」
3人「…………」
エマ「え~~、ごほんっ……」
〽道まよう~~
〽君のパンを、食べたから~~
〽4月29日は切腹記念日~~
67: 2021/04/29(木) 19:47:01.76 ID:6ObY/YDA
エマ「……どうかなぁ?」
彼方「いいよいいよぉ~~」?
「記念日に例えるだなんて、斬新な句だと思うぜぇ~~」
かすみ「これほどの逸材を死なすなんて、返す返す惜しいです……」
(と、ここで突如カメラを睨みつけ––––)
かすみ「いったい誰ですか……」?
「エマ先輩を、ここまで追い込んだ大バカ野郎は……」
彼方「いいよいいよぉ~~」?
「記念日に例えるだなんて、斬新な句だと思うぜぇ~~」
かすみ「これほどの逸材を死なすなんて、返す返す惜しいです……」
(と、ここで突如カメラを睨みつけ––––)
かすみ「いったい誰ですか……」?
「エマ先輩を、ここまで追い込んだ大バカ野郎は……」
69: 2021/04/29(木) 19:50:20.63 ID:6ObY/YDA
~果林の部屋~
璃奈『私、ちょっとその人が許せない……』
『この放送を見てたら、エマさんに謝って欲しい』
(カメラ目線で非難してくる出演者に対して––––)
果林「や……やめてよ……」?
「そんな目で私を見ないでよ……」
「これは私とエマの問題なのに……」
「揃いも揃って、利いた風な口を……」
(と––––)
璃奈『私、ちょっとその人が許せない……』
『この放送を見てたら、エマさんに謝って欲しい』
(カメラ目線で非難してくる出演者に対して––––)
果林「や……やめてよ……」?
「そんな目で私を見ないでよ……」
「これは私とエマの問題なのに……」
「揃いも揃って、利いた風な口を……」
(と––––)
70: 2021/04/29(木) 19:54:02.54 ID:6ObY/YDA
エマ『それじゃあ、みんな……』?
『私はこれから切腹するけど……』
『みんなも、大事な人を怒らせないようにね』
『どうか私を、反面教師にしてね』
(そう湿っぽく語ったのちに、目の前の三方に乗せられたナイフを手に取る)
果林「!!!!!!!!」?
エマ『いざ……』
果林「ばっ、バカッッッッ!!!!」??
「そんな事されたって、私はちっとも嬉しく無いわよ!!!!」
『私はこれから切腹するけど……』
『みんなも、大事な人を怒らせないようにね』
『どうか私を、反面教師にしてね』
(そう湿っぽく語ったのちに、目の前の三方に乗せられたナイフを手に取る)
果林「!!!!!!!!」?
エマ『いざ……』
果林「ばっ、バカッッッッ!!!!」??
「そんな事されたって、私はちっとも嬉しく無いわよ!!!!」
71: 2021/04/29(木) 19:58:01.84 ID:6ObY/YDA
エマ『彼方ちゃん……』
『私が切腹した後の、介錯はまかせたよ』
彼方『まかせといて~~』?
『銃刀同好会から借りてきた、この同田貫で苦しまずに西国浄土へ送ってあげるからぁ~~』
字幕『※新型コロナウィルス感染防止の一環で、ソーシャルディスタンスを守って介錯します。』
(と––––)
かすみ『……え?』
(ここでスタッフが、かすみに何やら原稿を手渡す)
『私が切腹した後の、介錯はまかせたよ』
彼方『まかせといて~~』?
『銃刀同好会から借りてきた、この同田貫で苦しまずに西国浄土へ送ってあげるからぁ~~』
字幕『※新型コロナウィルス感染防止の一環で、ソーシャルディスタンスを守って介錯します。』
(と––––)
かすみ『……え?』
(ここでスタッフが、かすみに何やら原稿を手渡す)
72: 2021/04/29(木) 20:02:25.10 ID:6ObY/YDA
かすみ『あ~~、ちょっとエマ先輩』?
『このタイミングで、視聴者からのメールが届いたんですけど……』
エマ『えぇっ……?』
かすみ『切腹の前に、読んでやれとのお達しが……』
彼方『んも~~、雰囲気が崩れるなぁ~~』?
『ちゃちゃっと読んでよ?ちゃちゃっと……』
璃奈『誰だろう……こんな短時間で書いてくるなんて……』
かすみ『じゃ、読みますね』
『ハラキリネーム『QU4RTZのロードローラー』さんからのお便りです』
彼方『またおま~~』
『このタイミングで、視聴者からのメールが届いたんですけど……』
エマ『えぇっ……?』
かすみ『切腹の前に、読んでやれとのお達しが……』
彼方『んも~~、雰囲気が崩れるなぁ~~』?
『ちゃちゃっと読んでよ?ちゃちゃっと……』
璃奈『誰だろう……こんな短時間で書いてくるなんて……』
かすみ『じゃ、読みますね』
『ハラキリネーム『QU4RTZのロードローラー』さんからのお便りです』
彼方『またおま~~』
74: 2021/04/29(木) 20:06:01.85 ID:6ObY/YDA
かすみ『え~~……』
『『QU4RTZのみなさん、こんばんは』……』
4人『こんばんは~~』????
かすみ『『エマさんが切腹すると聞き、矢も楯もたまらずペンを取りました』……』
(かすみが嫌々ながらメールを音読している間に––––)
果林「……」
「……させない」
「切腹なんか、絶対にさせない……」?
「わたし……まだエマに言いたい事が、山ほどあるのに……」
「それを聞かずに死ぬだなんて、絶対に許さないっ!!」
(メールが読み終わるのを待たずに、果林は部屋から飛び出し、一路エマの部屋へと駆けだした)
『『QU4RTZのみなさん、こんばんは』……』
4人『こんばんは~~』????
かすみ『『エマさんが切腹すると聞き、矢も楯もたまらずペンを取りました』……』
(かすみが嫌々ながらメールを音読している間に––––)
果林「……」
「……させない」
「切腹なんか、絶対にさせない……」?
「わたし……まだエマに言いたい事が、山ほどあるのに……」
「それを聞かずに死ぬだなんて、絶対に許さないっ!!」
(メールが読み終わるのを待たずに、果林は部屋から飛び出し、一路エマの部屋へと駆けだした)
75: 2021/04/29(木) 20:10:57.03 ID:6ObY/YDA
~エマの部屋~
かすみ「『あまりにも突然すぎるエマさんの切腹宣言の前に、夕食が喉を通りませんでした』」
「『今もこうしてメールを打ってる最中にも、惜別の涙が一向に止まりません……』」
エマ「ねぇ~~、まだ読み終わらないのぉ~~?」
「あんまし長いと、こっちの決心が鈍っちゃうんだけど~~」?
\アッハッハッハッ……/
↑じゅんぺいの笑い声
かすみ「『今夜はエマさんの歌を聴きながら、喪に服そうと思います』」
「『さようならエマさん––––空気に溶け込むような貴女の歌声は、絶対に忘れません』」
「……以上です」
かすみ「『あまりにも突然すぎるエマさんの切腹宣言の前に、夕食が喉を通りませんでした』」
「『今もこうしてメールを打ってる最中にも、惜別の涙が一向に止まりません……』」
エマ「ねぇ~~、まだ読み終わらないのぉ~~?」
「あんまし長いと、こっちの決心が鈍っちゃうんだけど~~」?
\アッハッハッハッ……/
↑じゅんぺいの笑い声
かすみ「『今夜はエマさんの歌を聴きながら、喪に服そうと思います』」
「『さようならエマさん––––空気に溶け込むような貴女の歌声は、絶対に忘れません』」
「……以上です」
76: 2021/04/29(木) 20:13:59.98 ID:6ObY/YDA
璃奈「最近多いよね、こういう長文系のヤツ」?
彼方「こんどから番組へのメールには、文字数制限を設けようかなぁ……」?
エマ「ったく、人の気も知らずに……」
「時間も押してきてるし、もう切るね」
(手に持ったナイフの刃を、腹に向ける)
(そして、カメラに向かって––––)
彼方「こんどから番組へのメールには、文字数制限を設けようかなぁ……」?
エマ「ったく、人の気も知らずに……」
「時間も押してきてるし、もう切るね」
(手に持ったナイフの刃を、腹に向ける)
(そして、カメラに向かって––––)
77: 2021/04/29(木) 20:18:02.12 ID:6ObY/YDA
エマ「…………」
「さようなら……」
「さようなら……果林ちゃん」
_人人人人人人人人人人人人人_
> 扉バァァァァン!!!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
果林「エマ!!!!」
「さようなら……」
「さようなら……果林ちゃん」
_人人人人人人人人人人人人人_
> 扉バァァァァン!!!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
果林「エマ!!!!」
78: 2021/04/29(木) 20:23:20.08 ID:6ObY/YDA
79: 2021/04/29(木) 20:28:25.76 ID:6ObY/YDA
果林「」?
「あ……」
彼方「え……」
「か、果林ちゃん……??」?
果林「え、エマ……」
かすみ「一足遅かったですね……果林先輩」?
「エマ先輩なら、たった今……」
エマ「」
(腹にナイフを突き刺したまま、ものも言わずにエマがうなだれている)
「あ……」
彼方「え……」
「か、果林ちゃん……??」?
果林「え、エマ……」
かすみ「一足遅かったですね……果林先輩」?
「エマ先輩なら、たった今……」
エマ「」
(腹にナイフを突き刺したまま、ものも言わずにエマがうなだれている)
81: 2021/04/29(木) 20:32:52.99 ID:6ObY/YDA
果林「」
「…………い」
「いやぁ……」?
「いやぁぁぁぁ……」
(果林の顔色が、リトマス試験紙のごとく青く染まり––––)
果林「いやああああああああ!!!!!!」?
「エマアアアアアアアア!!!!!!」
(我を忘れて、エマにすがりつく!!)
「…………い」
「いやぁ……」?
「いやぁぁぁぁ……」
(果林の顔色が、リトマス試験紙のごとく青く染まり––––)
果林「いやああああああああ!!!!!!」?
「エマアアアアアアアア!!!!!!」
(我を忘れて、エマにすがりつく!!)
82: 2021/04/29(木) 20:36:04.60 ID:6ObY/YDA
果林「なんて事をしちゃったのぉぉぉぉ!!??」
「どうして早まった事をしたのぉぉ!!??」
「お願いだから答えて!!エマァ!!!!」
(エマを強く揺さぶるものの、応答が全くない)
エマ「」
果林「うああああぁぁぁぁああああ!!!!」?
「こんなのって……!!!!」
「こんな幕切れってないわよぉぉぉぉ!!!!」
璃奈「あ……」
「あのぉ……果林さん……」?
「エマさんなら……」
「どうして早まった事をしたのぉぉ!!??」
「お願いだから答えて!!エマァ!!!!」
(エマを強く揺さぶるものの、応答が全くない)
エマ「」
果林「うああああぁぁぁぁああああ!!!!」?
「こんなのって……!!!!」
「こんな幕切れってないわよぉぉぉぉ!!!!」
璃奈「あ……」
「あのぉ……果林さん……」?
「エマさんなら……」
83: 2021/04/29(木) 20:40:22.53 ID:6ObY/YDA
果林「ごめんなさぁい!!エマァ!!!!」
「わたしが悪かったのよぉぉぉぉ!!!!」
「わたしのせいで、エマがこんな事をするハメに……!!!!」
(と––––)
果林「彼方!!!!」?
「あなたのその刀、私に貸して!!!!」
彼方「……えっ??」
果林「なにボーーッとしてるのよ!!!!」
「刀を貸してって言ってるのよ!!!!」
彼方「……借りた刀で、どうする気?」
果林「そんなの決まってるじゃない!!!!」
「エマの後を追って、私も死ぬの!!!!」?
彼方「ひいぃっ!!」?
「わたしが悪かったのよぉぉぉぉ!!!!」
「わたしのせいで、エマがこんな事をするハメに……!!!!」
(と––––)
果林「彼方!!!!」?
「あなたのその刀、私に貸して!!!!」
彼方「……えっ??」
果林「なにボーーッとしてるのよ!!!!」
「刀を貸してって言ってるのよ!!!!」
彼方「……借りた刀で、どうする気?」
果林「そんなの決まってるじゃない!!!!」
「エマの後を追って、私も死ぬの!!!!」?
彼方「ひいぃっ!!」?
84: 2021/04/29(木) 20:45:09.20 ID:6ObY/YDA
果林「エマ……!!」
「あなたひとりだけで、あの世に行かせるモンですかっ……!!」
(果林の双眸から、とめどなく涙が流れ––––)
果林「また2人で夏祭りに行こうって、誓い合ったじゃない……!!」
「わたしたちの青春は、ここで終わるには早すぎるわよぉ~~!!」
「うああああぁぁぁぁ~~!!!!」?
(人目を憚らずに号泣する果林の姿が、全世界に配信され––––)
(生放送のコメント欄が、夥しい数の『エマかり』の四文字で高速スクロールしつづける)
「あなたひとりだけで、あの世に行かせるモンですかっ……!!」
(果林の双眸から、とめどなく涙が流れ––––)
果林「また2人で夏祭りに行こうって、誓い合ったじゃない……!!」
「わたしたちの青春は、ここで終わるには早すぎるわよぉ~~!!」
「うああああぁぁぁぁ~~!!!!」?
(人目を憚らずに号泣する果林の姿が、全世界に配信され––––)
(生放送のコメント欄が、夥しい数の『エマかり』の四文字で高速スクロールしつづける)
85: 2021/04/29(木) 20:50:15.41 ID:6ObY/YDA
果林「エマァァァァ……」
「ああおおおおぉぉぉぉ……」
エマ「」
果林「誰か、誰か私を死なせてよぉぉぉぉ……」
「私もエマと一緒に死なせてよぉぉぉぉ……」
エマ「」
果林「うああぁぁぁ……」?
エマ「…………」
「……本気なの?」
「本気で謝ってるの?果林ちゃん……」
果林「あったりまえでしょ……」?
「あなたのいない朝香果林なんて、抜け殻も同然……」
「…………」
「え……」?
「ああおおおおぉぉぉぉ……」
エマ「」
果林「誰か、誰か私を死なせてよぉぉぉぉ……」
「私もエマと一緒に死なせてよぉぉぉぉ……」
エマ「」
果林「うああぁぁぁ……」?
エマ「…………」
「……本気なの?」
「本気で謝ってるの?果林ちゃん……」
果林「あったりまえでしょ……」?
「あなたのいない朝香果林なんて、抜け殻も同然……」
「…………」
「え……」?
86: 2021/04/29(木) 20:55:56.75 ID:6ObY/YDA
エマ「…………フフッ」
「ウフフフフフフ……」
「……バァ~~~~ッ!!」?
果林「」
エマ「もぉ~~っ、果林ちゃんってばぁ~~……」
「だめだよぉ~~?冗談でも『切腹しろ』だなんて言ったりしたらぁ~~」
(指切りげんまんの小指を差し出し……)
エマ「ハイ、私との約束だよ♥」?
「もうあんな暴言は、二度と使わないって……」
「ウフフフフフフ……」
「……バァ~~~~ッ!!」?
果林「」
エマ「もぉ~~っ、果林ちゃんってばぁ~~……」
「だめだよぉ~~?冗談でも『切腹しろ』だなんて言ったりしたらぁ~~」
(指切りげんまんの小指を差し出し……)
エマ「ハイ、私との約束だよ♥」?
「もうあんな暴言は、二度と使わないって……」
87: 2021/04/29(木) 20:58:01.28 ID:6ObY/YDA
果林「……」
「どういう事??これって……」?
「あなた、切腹したんじゃ……」
エマ「あ、コレ?」
「やだなぁ~~……自分で買っておいて、忘れちゃったの?」
(これ見よがしに、ナイフを見せつけ……)
エマ「ほらぁ……コレだよ、コレェ」?
「夏祭りの時に、果林ちゃんが屋台で買ってくれた、おもちゃのナイフだよぉ」
(そう言いながら、エマが刃の先端を人差し指で押すと、ヒョコッと刃が引っ込む……)
「どういう事??これって……」?
「あなた、切腹したんじゃ……」
エマ「あ、コレ?」
「やだなぁ~~……自分で買っておいて、忘れちゃったの?」
(これ見よがしに、ナイフを見せつけ……)
エマ「ほらぁ……コレだよ、コレェ」?
「夏祭りの時に、果林ちゃんが屋台で買ってくれた、おもちゃのナイフだよぉ」
(そう言いながら、エマが刃の先端を人差し指で押すと、ヒョコッと刃が引っ込む……)
88: 2021/04/29(木) 21:02:35.77 ID:6ObY/YDA
果林「」?
エマ「アハハハハ……!!」?
「どっきり大成功だよぉ~~♥みんな~~」
かすみ「ヒューーヒューー♥果林せんぱ~~い」
「クールな果林先輩もぉ、愛しのエマ先輩の前では形無しなんですねぇ~~」?
果林「」
彼方「エマちゃんから聞いたよぉ~~」?
「いくらエマちゃんの過失とは言え、切腹とはいただけないなぁ~~」
璃奈「このまま黙ってる私達じゃない……」
「果林さんをギャフンと言わせるために、このドッキリ生放送を画策したの」?
果林「」
エマ「アハハハハ……!!」?
「どっきり大成功だよぉ~~♥みんな~~」
かすみ「ヒューーヒューー♥果林せんぱ~~い」
「クールな果林先輩もぉ、愛しのエマ先輩の前では形無しなんですねぇ~~」?
果林「」
彼方「エマちゃんから聞いたよぉ~~」?
「いくらエマちゃんの過失とは言え、切腹とはいただけないなぁ~~」
璃奈「このまま黙ってる私達じゃない……」
「果林さんをギャフンと言わせるために、このドッキリ生放送を画策したの」?
果林「」
89: 2021/04/29(木) 21:12:35.87 ID:6ObY/YDA
かすみ「(果林の声真似で)ごめんなさぁ~~い!!エマァ~~!!」?
「すべてわたしが悪かったのよぉ~~!!」
エマ「くくっ……」
「やめてあげなよぉ~~、かすみちゃん」
「果林ちゃん、顔を真っ赤にしてるじゃん」
彼方「ホントに切腹すると思ってたのかい?」
「コンプラが厳しいこのご時世に、マジでやるわけないじゃ~~ん」
果林「」
(目にも止まらぬ早さで、果林が彼方の手から同田貫を奪う!!)
彼方「あっ!!」?
(恐ろしく柔和な表情で、カメラの前に立ち––––)
「すべてわたしが悪かったのよぉ~~!!」
エマ「くくっ……」
「やめてあげなよぉ~~、かすみちゃん」
「果林ちゃん、顔を真っ赤にしてるじゃん」
彼方「ホントに切腹すると思ってたのかい?」
「コンプラが厳しいこのご時世に、マジでやるわけないじゃ~~ん」
果林「」
(目にも止まらぬ早さで、果林が彼方の手から同田貫を奪う!!)
彼方「あっ!!」?
(恐ろしく柔和な表情で、カメラの前に立ち––––)
90: 2021/04/29(木) 21:13:25.21 ID:6ObY/YDA
エマ「果林ちゃん、どうしたの……」
果林「え~~、この放送を見ているみなさ~ん」?
「たった今から、この番組は朝香果林がジャックしたわよぉ~~」
かすみ「へ」
果林「題して、『朝香果林緊急生放送、クサレ外道4人衆打ち首式』よ」
「人の純情を踏みにじった悪童どもの首が、宙高く舞い飛ぶ光景を期待しててねぇ~~♥」?
4人「」????
果林「いざ……」?
果林「え~~、この放送を見ているみなさ~ん」?
「たった今から、この番組は朝香果林がジャックしたわよぉ~~」
かすみ「へ」
果林「題して、『朝香果林緊急生放送、クサレ外道4人衆打ち首式』よ」
「人の純情を踏みにじった悪童どもの首が、宙高く舞い飛ぶ光景を期待しててねぇ~~♥」?
4人「」????
果林「いざ……」?
91: 2021/04/29(木) 21:15:27.13 ID:6ObY/YDA
~高咲家・侑の部屋~
(ノートPCの前で、膝を合わせて生放送を視聴している2人)
歩夢「すごいねぇ~~、果林さん」?
「あんな大きな刀を振り回してるのに、体軸が全然ぶれてないよ」
「エマさん達、抵抗できずに部屋中を逃げ回ってばっかり……」
「私があの中にいたら、たぶん一分と持たないよぉ」
侑「そ、そうだね……」?
「果林さんを怒らせないように、私達も気をつけなきゃね……」
「あはは……」
(ノートPCの前で、膝を合わせて生放送を視聴している2人)
歩夢「すごいねぇ~~、果林さん」?
「あんな大きな刀を振り回してるのに、体軸が全然ぶれてないよ」
「エマさん達、抵抗できずに部屋中を逃げ回ってばっかり……」
「私があの中にいたら、たぶん一分と持たないよぉ」
侑「そ、そうだね……」?
「果林さんを怒らせないように、私達も気をつけなきゃね……」
「あはは……」
92: 2021/04/29(木) 21:16:00.36 ID:6ObY/YDA
歩夢「あ、そうそう侑ちゃん……」
「今日の午後、学校の廊下でせつ菜ちゃんと何か話してたよね?」
侑「え」?
歩夢「私に内緒で、なに話してたのかなぁ~~?」?
侑「いや……別に……」
「とりとめのない、ただの世間話で……」?
歩夢「あ、危ないっ!!」?
「あと2・3cmちょっとで、かすみちゃんの首が落ちてたトコだったよ~~」
侑「うへぇ……」
「今日の午後、学校の廊下でせつ菜ちゃんと何か話してたよね?」
侑「え」?
歩夢「私に内緒で、なに話してたのかなぁ~~?」?
侑「いや……別に……」
「とりとめのない、ただの世間話で……」?
歩夢「あ、危ないっ!!」?
「あと2・3cmちょっとで、かすみちゃんの首が落ちてたトコだったよ~~」
侑「うへぇ……」
93: 2021/04/29(木) 21:20:18.10 ID:6ObY/YDA
歩夢「楽しそうだなぁ~~、あの5人」☺
「でもさぁ……あの中にせつ菜ちゃんもいれば、もっと盛り上がると思うんだけどなぁ~~」
侑「」?
歩夢「ねぇ……」
「まさか侑ちゃんも、せつ菜ちゃんと一緒に逃げ回りたいとか思ってないよねぇ……」@cメ*◉ _ ◉リ
~おわり~
「でもさぁ……あの中にせつ菜ちゃんもいれば、もっと盛り上がると思うんだけどなぁ~~」
侑「」?
歩夢「ねぇ……」
「まさか侑ちゃんも、せつ菜ちゃんと一緒に逃げ回りたいとか思ってないよねぇ……」@cメ*◉ _ ◉リ
~おわり~
94: 2021/04/29(木) 21:34:10.64 ID:8F3rYPsA
キチっぷり控えめだったがキレがあって面白かったぞ乙
97: 2021/04/29(木) 21:56:10.32 ID:dR0+U5v9
いつもぶっ飛んでるな
乙
乙
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1619684411/