【SS】千歌「ねえ、あそこに座ってるの鞠莉ちゃんじゃない?」果南「本当だ、なんでサイゼなんかに」【ラブライブ!サンシャイン!!】

SS


1: (家) 2019/03/10(日) 03:16:08.61 ID:K1YHbxeO
鞠莉「~♪」ゴクゴク


千歌「ジュース飲んでるよ」

果南「おかしいなあ、こういう安っぽいところは基本来ないはずなんだけど」

千歌「あ、でも先月来てなかった?ほら、ライブの話し合いしようってなって、皆で……」

果南「あー、そういえばそうだね。あの時サイゼ来るの初めてだって言ってたっけ、鞠莉」

千歌「でも今は一人で来てるっぽいけど……」


鞠莉「!」

店員「お待たせしました、辛味チキンです」カチャッ

鞠莉「~♪」


千歌「……ねえ、あの様子は…………」

果南「うん……気に入ったんだ、サイゼ……」

3: (家) 2019/03/10(日) 03:19:20.63 ID:K1YHbxeO
鞠莉「……」パシャッ


千歌「ねえねえ、辛味チキン写真撮ってるよ!」

果南「そんな大層なものじゃないでしょ……」


鞠莉「……」パクッ

鞠莉「……」モニュモニュ

鞠莉「……」ゴクン

鞠莉「……」キョロキョロ


千歌「……なんで食べたあとキョロキョロしてるの?」

果南「手がベタベタしてるの恥ずかしいんだろうね、辛味チキン手掴みで食べたから」

4: (家) 2019/03/10(日) 03:22:42.29 ID:K1YHbxeO
果南「うーん……それにしても、あれ声掛けちゃダメな感じなのかなん」

千歌「……あっ!でもそういえばさ……」


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~皆でサイゼに行った時~


鞠莉「へえー、話には聞いた事あるけどここがサイゼ?」

梨子「ええ、来たことないんですか?」

鞠莉「まあね♪」

鞠莉「ていうか私ホンモノのイタリアの血筋なのよ?」

鞠莉「あんまりこういうこと言うのもなんだけど……正直、ねえ?」

千歌「おおー、流石鞠莉ちゃん」

鞠莉「私の舌には合わないでしょ?w」エッヘン

7: (家) 2019/03/10(日) 03:26:42.22 ID:K1YHbxeO
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千歌「……なんてことあったよね?」

果南「あー、そういえばそうだった」

果南「あの後も何か注文してはドヤ顔で『本場のイタリア料理に比べたら~』とかよく分かんないうんちく垂れてたっけ」

千歌「ここのミラノ風ドリアはただ牛乳に米ぶち込んだような味しかしないとも言ってたね」

果南「まあ~……確かに鞠莉が普段してる食事を考えたら、本当にそう感じててもおかしくなさそうなんだけど……」

千歌「『こ、こんな美味しいもの食べたの初めてですわ!』とか、鞠莉ちゃんレベルだとなさそうなのにね。ダイヤさんで十分だよそういうのは」

果南「……あ」

果南「千歌見て、あれ」

千歌「ん?」


鞠莉「~♪」


果南「あそこ……ホラ、鞠莉ドリンクバーコーナーにいる……」

千歌「あー……あれって……」

果南「ドリンク混ぜて遊んでる……」

8: (家) 2019/03/10(日) 03:29:09.36 ID:K1YHbxeO
果南「……なんとなく分かったよ、千歌」

千歌「へ?」

果南「鞠莉はね……多分ここの食事はそんなに美味しいと感じてないと思う」

千歌「あんなニマニマしてるのに?」

果南「うん。あれは多分ね……」

果南「サイゼの雰囲気を楽しんでるんだよ!」


鞠莉「……」ゴクゴク

鞠莉「……」ボー


千歌「……ふいんき」

果南「うん」

千歌「ボーッとしてるけど」

果南「あれもここの空気感を堪能してるだけだね」

果南「普段こういうとこ来れないし来ないから新鮮なんだよ多分」

千歌「あー……」

9: (家) 2019/03/10(日) 03:32:13.34 ID:K1YHbxeO
千歌「でもそれならそうと言ってくれれば一緒に行くのにね」

千歌「私たちなんかドリンクバーだけで半日はたむろしてるのに」

果南「あれだけボロクソに言った手前それも恥ずかしいんでしょ」

千歌「まあ、それもそうかぁ」

果南「となればね、千歌」

千歌「あぁ、うん」

果南「…………」

千歌「…………」

果南「……バレないように観察してよ!w」

千歌「うぇへへへ!w」


鞠莉「……!」

店長「お待たせしました、ガーリックトーストとプロシュートです」

鞠莉「……」ニコニコ

12: (家) 2019/03/10(日) 03:34:37.00 ID:K1YHbxeO
千歌「ガーリックトースト……は分かるけど」

千歌「プロシュートってなんだっけ?」

果南「生ハムじゃなかった?頼んだことないけど」

千歌「ふーん、よく分かんないけど微妙な組み合わせ……じゃない?」

果南「……あ!ねえねえ、あれ見てよ千歌!」

千歌「ん?」


鞠莉「……」サッサッ

鞠莉「……」

鞠莉「……」モグモグ


千歌「なにあれ!ガーリックトーストに生ハム巻いて食べてる!」

千歌「おいしそう!」

果南「やっぱ通な食べ方を……流石イタリア人」

千歌「イタリア人って言い切っちゃうのはどうなの……」

13: (家) 2019/03/10(日) 03:37:29.27 ID:K1YHbxeO
鞠莉「……」ボー


千歌「基本食べ終わったらボーッとするんだね」

果南「鞠莉が頬杖ついてるとこ初めて見た」

果南「完全なるオフモードだねあれは」


鞠莉「……」スッ

鞠莉「……」ボー


千歌「メニュー見てるよ」

果南「なんか頼むのかな?」

果南「……って」

果南「ねえねえ!あれメニューじゃないよ千歌!」

千歌「え?メニューじゃない?じゃああれは……」

千歌「……あっ!」

果南「分かった?」

千歌「うん!」

千歌果南「「間違い探ししてる!!」」


鞠莉「……」ボー

15: (家) 2019/03/10(日) 03:40:52.26 ID:K1YHbxeO
鞠莉「……」


千歌「すごいどうでもよさそうに眺めてるね」

果南「暇潰しなんだろうね」

果南「きっとまだ何か頼んでるんでしょ」


鞠莉「……?」

鞠莉「……」

鞠莉「……」ジー


千歌「なんか険しい顔し始めたよ」

果南「あー」

果南「暇潰し程度に眺めてただけなのに思いの外答えが見つからなくてちょっと本腰入れちゃうパターンのやつだ」

果南「サイゼの間違い探しは難しいからね」


鞠莉「……」ジー

鞠莉「……」スッ

鞠莉「……」


千歌「あ、スマホ見た」

果南「諦めてネットで答え確認してるねアレ」

17: (家) 2019/03/10(日) 03:45:32.38 ID:K1YHbxeO
鞠莉「……」

鞠莉「……」キョロキョロ


千歌「スマホと間違い探し交互に見てる」

果南「なんか面白くなさそうな顔だね」

千歌「納得のいかない答えがあったのかな……」


店長「あの~……」

鞠莉「!」

店長「あ、お待たせしました。小エビのサラダとマッシュルームスープです」

鞠莉「♪」


千歌「ていうかさ、今気付いたんだけど……」

果南「ん?」

千歌「あの時間差で運ばれてくる頼み方……あれ外国の料理の食べ方だよね……コース制……って言うんだっけ……」

果南「あ」

果南「ああ……なるほど」

果南「鞠莉の中でイタリア料理はその食べ方しか存在しないんだろうね……」

千歌「サイゼリアでしっかり形式守って食べてる……」

20: (家) 2019/03/10(日) 03:49:16.45 ID:K1YHbxeO
鞠莉「……!」

鞠莉「……」スタスタ


千歌「わっ!なんか歩いてくるよ!」

果南「いや、あれはこっちに気付いた訳ではないっぽい……?」


鞠莉「……」スッ

鞠莉「……」スタスタ


千歌「自分の席に戻ってく……?」

果南「どうやらドリンクバーの近くからオリーブオイルと唐辛子を持って行きたかったみたいだね」


鞠莉「……」パッパッ

鞠莉「……」ドボドボ


千歌「サラダにいっぱいかけてるよ」

果南「飲食店行ってテンション上がるとたまにやるやつじゃん……」


鞠莉「……」モグモグ

鞠莉「……」


千歌「顔しかめてる」

果南「辛かったんだろうね」

22: (家) 2019/03/10(日) 03:52:35.17 ID:K1YHbxeO
千歌「でも普段の鞠莉ちゃんからは想像できないくらい庶民的だよね」

果南「こんなとこ見られたって分かったらまた泣くかもしれない……」

千歌「これは……見つかるわけにはいかないね、私達の方が」

果南「確かに」

果南「……でもさ、千歌」

千歌「ん?」

果南「ちょっと……なに?イタズラ、してみたくない?」

千歌「果南ちゃん……」

千歌「……悪い顔してるよ…………」

果南「いやいや!大したことはしないって」

果南「たださ、ちょっとLINE送ってみない?鞠莉に」

千歌「あー」

千歌「どんな反応するか観察するってこと?」

果南「そうそう!」

23: (家) 2019/03/10(日) 03:56:03.90 ID:K1YHbxeO
果南「文面は……こう!」


果南:やっほー、いまどこ?何してるの?暇?


千歌「まあ、そのくらいならね」

果南「『サイゼにいるよー』って送ってくるのかな」

千歌「鞠莉ちゃん結構嘘吐けないからなー、どうだろ」

千歌「でも流石にサイゼは隠すでしょ」

果南「まあとりあえず送ってみよっか……それ!」


ピロリン


鞠莉「……?」

鞠莉「……」スッスッ

鞠莉「…………」


千歌「スマホ見たまま考えてるよ」

果南「結構……長考してるね」


鞠莉「…………」

鞠莉「……」スッスッ


ピロリン


果南「返信きた!」

24: (家) 2019/03/10(日) 04:00:24.54 ID:K1YHbxeO
鞠莉:イタリア料理、フルコース堪能中♡ノξソ>ω<ハ6


千歌「ひええぇえ~!!」

果南「あ、これ……」

果南「私達絶対見つかっちゃいけないやつだ……!」

千歌「ま、まま真顔だったよぉ~!真顔でその文面打ってたよ鞠莉ちゃん~!」

果南「ち、千歌!もうちょい隠れて!ダメだ!思ったよりこれ隠れなきゃいけないやつだった!」

千歌「サイゼでイタリア料理フルコースとかおこがましいよ~……!鞠莉ちゃんもそれ分かっててこの文面打ってるよ~……!嘘は言ってないからって~!」

千歌「そこに恐怖を感じるよぉ~!」

果南「と、とりあえずこのLINEには適当に返信しておくとして……」

果南(それにしてもフルコース、か)

果南(てことはあと数品頼んでるはず……?)

27: (家) 2019/03/10(日) 04:07:01.26 ID:K1YHbxeO
鞠莉「……」モグモグ


千歌「やばいよこれ……見つかったら鞠莉ちゃん赤っ恥ってレベルじゃないよ……」

果南「別にサイゼ来ること自体はいいんだけどね……イタリア料理フルコースって言った以上はそりゃ赤っ恥にもなるかな……」


鞠莉「!」

店長「お待たせしました。こちらシーフードパエリアになります」

鞠莉「……」ニコッ


果南「!パエリア!?」

千歌「それにしてもよく食べるなあ、鞠莉ちゃん。お腹空いてたのかな」

果南「……千歌、ねえねえ。パエリアだってパエリア!」

千歌「……え。そ、それは見たら分かるけど……」

果南「パエリアだよパエリア!?……サイゼのパエリアって本当に頼む人いたんだ……メニュー見るたび誰が頼むんだこれって思ってたけど……」

千歌「そこはいいでしょ別に……」

果南「流石鞠莉……ミラノ風ドリアで妥協しないんだね」

30: (家) 2019/03/10(日) 04:12:22.25 ID:K1YHbxeO
~数分後~


鞠莉「……」カタン


千歌「スプーン置いた。食べ終わったんだね」

果南「結構食べ切った顔してるね。これで最後だったのかな?」


鞠莉「……」スタスタ

鞠莉「……」

鞠莉「……」コポポ

鞠莉「……」スタスタ


千歌「やっぱ食後はコーヒー飲むんだあ」

果南「……」

果南(ていうか結局私達鞠莉を警戒するあまりドリンクバーあまり使えなかったな……)

千歌「……あ、でも待って!この感じだとデザートも注文してるんじゃない?」

果南「あ、確かに」

果南「フルコースって言ってるんだから頼んでないのは変だよね」

千歌「あ、店長さん鞠莉ちゃんのテーブルに歩いていくよ!ほら」


店長「お待たせしました。こちらイタリアンプリンです」コトッ

鞠莉「……」

鞠莉「~~っ♪」


果南「あ、めっちゃ喜んでる。かわいい」

31: (家) 2019/03/10(日) 04:15:48.39 ID:K1YHbxeO
鞠莉「……」モニュモニュ

鞠莉「……」モニュモニュ

鞠莉「……」モニュモニュ


千歌「黙々と食べてるね」

果南「分かる。一人でプリンとかあの手のもの食べてる時ってああなる」

千歌「プリン美味しいしね」


鞠莉「……」ゴクン

鞠莉「……」

鞠莉「……」サッ

鞠莉「……」


果南「食べ終わった……けど」

千歌「メニュー見てるね?」


鞠莉「…………」


千歌「なんか迷ってるっぽい?」

果南「あー」

果南「多分プリンが予想外に美味しくてもの足りないから、もう1個デザート注文しようか迷ってるんじゃないかな」


鞠莉「……」

鞠莉「……」サッ


千歌「あ、メニュー置いた。やっぱ頼まないみたいだね」

果南「まあ流石にカ口りーとかねー」

32: (家) 2019/03/10(日) 04:19:55.39 ID:K1YHbxeO
鞠莉「……」スッ

鞠莉「……」スタスタ


果南「あ、やば。千歌、隠れて!」

千歌「あ、うん!」サッ

果南「伝票持って出口に……お会計だね」

千歌「ふー、これでひとまず安心だよお」

果南「心置き無くドリンクバーで粘れるね」


店長「はい、お会計ですね」


千歌「…………」

果南「…………」

千歌「…………?」

果南「…………?」

千歌「なんか……あれ?お会計手間取ってる……?」

果南「……?なんか普通の感じじゃないね。よく聞こえないけど」


鞠莉「…………」

鞠莉「……」スタスタ


千歌「わっ!戻ってきた!?」

果南「なんで!?……とりあえず千歌隠れて!」

33: (家) 2019/03/10(日) 04:22:52.32 ID:K1YHbxeO
鞠莉「……」スッ


千歌「元のテーブルに座ったよ……?」

果南「……?……?何が起きてるの?」


鞠莉「……」

鞠莉「……」ズゥゥン


千歌「うなだれてるけど……」

果南「……?」

果南「……」

果南「……あっ!」


──────この時果南に電流走る……!


千歌「?どしたの果南ちゃん」

果南「分かった……!分かったよ千歌!何が起きたか!」

千歌「え?」

果南「あれだよ!鞠莉ってお金持ちだよね!?」

千歌「何を今更……」

果南「よく考えてみて!ほら!よく言うでしょ?」

果南「お金持ちは現金を持たない!」

34: (家) 2019/03/10(日) 04:26:28.14 ID:K1YHbxeO
千歌「ああ……うん。それはよく言うけど……」

千歌「鞠莉ちゃんもなの?」

果南「うん!鞠莉も基本持ち歩かないの!持っててもほんの少し……1000円札1枚とか!」

千歌「そういう人はカード払いするんだよね」

果南「そう!」

果南「でもさ、サイゼは……」

千歌「…………」

千歌「あ!」


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果南「説明しよう!サイゼリアは安く食事を提供するために様々なコストカットを行っており、人件費削減や調理方法の簡略化などに取り組んでいるが、その中の1つとしてカード決済の廃止も行っているのだ!」

36: (家) 2019/03/10(日) 04:32:35.11 ID:K1YHbxeO
千歌「なるほど……」

果南「多分持ってる現金じゃ足りなかったんだね」

千歌「い、家の人を呼ぶとか……」

果南「いやー、ムリでしょ」

果南「サイゼ食べててお金足りませんでしたとか、鞠莉のお母さんが知ったらなんと言うか」

千歌「そんな厳しい人なんだ鞠莉ちゃんのお母さん……」

果南「これはもう仕方ないね」スッ


鞠莉「……」ズゥゥン

鞠莉「…………?」

鞠莉「……!」


果南「よっ、鞠莉」

千歌「ぐ、偶然だねー」

鞠莉「……か」

鞠莉「かぁ゛~な゛~ん゛~!!」

鞠莉「千歌っちも゛~!」

千歌「ず、随分……困ってそうだね……」

鞠莉「だっでぇ~!だっでえ゛~!」

鞠莉「カード使えないって言うんだもん゛~!!」

鞠莉「どうしようかと思ったあ゛~!!」

果南「ま、まあ大丈夫だから……」

千歌「うん、そうそう……アハハ……」

果南「私達はティラミス奢ってもらえれば十分だから……」

千歌「うん、そうそう……」

鞠莉「あ゛ー……よかったあ……」

37: (家) 2019/03/10(日) 04:34:01.01 ID:K1YHbxeO
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鞠莉「と、ところで……私がサイゼリア来てたってのは皆に内緒ね……?」

果南「そんな隠すようなことじゃないって」モグモグ

38: (家) 2019/03/10(日) 04:34:08.54 ID:K1YHbxeO
おわり

39: (家) 2019/03/10(日) 04:35:10.03 ID:K1YHbxeO
サイゼでカード使えないって知った時に鞠莉ちゃんが支払いできなくて困ってる姿が思い浮かんだので

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1552155368/

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