【SS】すみれ「かのんって結構ヤンキーよね」【ラブライブ！スーパースター!!】

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ありがとうございます！

恋「はい？　ヤンキー、ですか？」

可可「Yankee？　かのんはれっきとしたニッポンジンデスよ？　すみれ大丈夫デスか？」

すみれ「？　あんたこそ何言ってんの？」

恋「あ、本来の意味のヤンキーではなくて、不良とかワルとか、そういったことを言いたいのだと思いますよ」

可可「不良？！　何言うデスか！　かのんは優しいデス！とっても優しい！」

すみれ「あー優しいのは分かるんだけど、そうじゃないのよ。なんていえば良いのかしら～～？」

恋「私はちょっと分かりますよ」

可可「レンレン！？　クゥクゥを裏切るデスか！？」

恋「ほら、私の場合かのんさんとの出会いがアレでしたから」

すみれ「あ～、そういえばあんたたちスクールアイドルの活動を巡って喧嘩してたって言ってたわねｗ」

可可「あれは喧嘩ではアリマセン！　生徒会による一方的な権力の濫用デス！」

恋「うっ……。その節は本当に申し訳ございません……」ｼｭﾝ

すみれ「コラっ、そうやってすぐ人を煽らないの！」ｺﾂﾝ　　可可「ｱｲﾔ！」

恋「――で、そう思うからには、なにか思い当たる節があったのですか？」


すみれ「いやまあ、私を勧誘するときも『センター欲しかったら、かかってきなよ』って啖呵きるような奴だし、もともと尖ってるなとは思っていたのだけれど」


可可「そんな感じでしたっけ？」


すみれ「昨日ね、かのんの家に行ったのよ。普通に、カフェの客として」


恋「あの辺りすみれさんの活動圏ですものね」


すみれ「そう。そしたら一人、男の客が来て――私たちと同じくらいの歳の、冴えない陰キャって感じの奴だったんだけど」


すみれ「かのんは『あ、いらっしゃいませ～！　久しぶりだね！』ってずいぶん愛想よく接客してたのよ」


可可「ス、スクールアイドルに男の影……」ﾜﾅﾜﾅﾜﾅ


可可「ゆ、許すまじそのｳﾏﾉﾎﾈ！　どこの誰ですか！？見つけ出して極刑に処しマス！！」


すみれ「落ち着きなさいよ……。広い店でもないから話しが聞こえてくるんだけど、中学校の同級生らしいのね。卒業以来だねとか何とか、しばらく普通にしゃべってたわ」


すみれ「そしたら突然、その男子が言ったのよ！『澁谷さん、ずっと好きでした。付き合ってください！』って」

可可「はぁ～～～！？」


恋「なあああ、は、破廉恥です！！」


すみれ「別にハレンチではないでしょうよ……。――まあいいわ、それでかのん、何て答えたと思う！？」


可可「う～ん……　『え、え～私！？　な、なんで～～！？！？』とかデスか？」


恋「あ、言いそうですねそれ」


すみれ「ブッブー」


恋「では逆に、顔を真っ赤にしてそのまま失神、とか？」


可可「かのんならありそうデスｗｗｗ」


恋「ブー、それも違うわ。正解は」




『え、ごめん普通にムリｗ』




可可・恋「ｗｗｗｗｗｗｗ」


すみれ「って、しかも秒よ！　超食い気味に！　『付き合ってくだ』くらいで『え、ごめん普通にムリｗ』よ！　すごくない！？」


可可「かのん、すっごいデスｗ」


恋「容赦ないですねｗｗｗ」


すみれ「ビックリしたわよ。ビックリしすぎて『おぉ゛！？』って変な声出たわよ私」


恋「そこはギャラクシーではないのですねｗｗ」


すみれ・可可「ｗｗｗｗｗ」

可可「それで、そのｳﾏﾉﾎﾈはどうしたのですか？」


すみれ「泣いて敗走したわ。二度と告白なんてできないでしょうね」


恋「それはそうなりますよね」


可可「はぁ～～～～ビックリデス。でも、かのんなら言いそうデス」


恋「そうですね、予想外なのに、不思議としっくりきてしまいます」


すみれ「そうなのよね～。私たち周り女子だらけだから想像つきにくいけれど、かのんの遠慮のない真っすぐな性格が男子にも向けられると考えれば、ああなるのも頷けるのよね」


恋「共学だったら、女子にも男子にも人気ありそうですね」


すみれ「ええ、女子グループの派閥争いとかとは無縁のタイプね」


可可「これがヤンキーデスか」


恋「ヤンキーですね」


すみれ「ね、ヤンキーだったでしょ？」


可可「なるほどデスね～～。……そういう意味ならクゥクゥも分かったデス。ヤンキーかのん」


恋「何かエピソードがあるのですか？」


すみれ「聞かせなさいったら聞かせてみなさい」

可可「エピソードと言えるかは分りマセンが……この前かのんと廊下を歩いていた時、音楽科の3人組が前から歩いてきたのデス。廊下狭いのに、横並びでデス」


すみれ「さすが音楽科ね、横柄だわ」


恋「恥ずべき行為……綱紀粛正しなければ」


可可「で、廊下の幅的に、真ん中側を歩いているかのんか音楽科の一人のどちらかが避けないとすれ違えなくて、クゥクゥ、かのんどうするのかなー、避けるのかなーと考えていたのデス」


恋「しかし、かのんさんは避けなかったと」


すみれ「かのんらしいわね。相手が音楽科でも譲らない感じ」


可可「いえ、かのん避けました」


すみれ「いや避けるんかいｗｗｗ」


恋「ぜんぜんヤンキーっぽくありませんが？ｗ」


可可「いえ、避けた後、『ホンット邪魔なんだけど！なに幅きかせてんの！？』って小声で悪態ついていたのデス」


すみれ「ちっさ！ヤンキーだけどもちっさ！」


恋「その小ささがヤンキーっぽいのではないですか？　ちょっと可愛いですっ」ｸｽｸｽ


可可「はいデス。とってもカワイイ」


すみれ「え～～～そうかしら？」


可可「すみれ、分からないのデスかぁ？　スクールアイドルは学校という日常の中で輝く一番星！　だから等身大が尊いのデスっ」ｴｯﾍﾝ!


すみれ「ふんっ、等身大だなんて、ショービジネスの世界では通用しないわ！　やっぱりアマチュアの価値観ね！」ﾄﾞﾔｧ


可可「なぁ！？　アマチュアではないと何度言えば――まあ今は良いでしょう、かのんの可愛さを語る会に争いは無用デス」


すみれ「そんな会だったかしら……？」

恋「なるほど等身大……！」ｸﾜｯ


可可「おぉ、レンレン何かひらめいたデスか？」


恋「等身大とは違うかもしれませんが、このあいだ皆さんとかのんさんのお家でお泊り会したじゃないですか」


すみれ「したわね、勉強会の流れで」


恋「それで、かのんさんの部屋でおしゃべりしている時、何度かお母様が部屋に来たでしょう？」


すみれ「あー何言いたいか分かったかもｗ」


恋「そうなんですｗ　かのんさん、それまでニコニコ喋っていたのに、ご家族が来ると途端にムスッとするんですよね」ｸｽｸｽ


可可「ぜったい『なにぃ！？』ってキツイ声で言いマスｗｗ　『もー、なにぃ！？』って」


すみれ「似てるったら似てるわねｗｗｗ」


恋「ご家族には普段もああいう感じなのでしょうか？」


すみれ「どうでしょうね。家族は仲いいみたいだし、友達と一緒にいる時だけなんじゃない？ｗｗ」


可可「キャーそれ可愛いデス～！」


恋「っ～～～～！////」悶絶


すみれ「実際お母さんも結構どうでもいい理由で来てたわよねｗ　『ジュースまだある？』とか『買い物行くけど何かいる？』とか『テレビであんたの好きなアーティスト出てるわよ』とかｗｗ」


恋「すごい気にかけてる風でしたよねｗｗ」


可可「そのたびにかのん、『さっきもいいって言ったじゃん！』と、必死に追い出してマシタ」ｷｬｯｷｬｯ


すみれ「親に気にかけられるのがイヤ。友達の前で恥ずかしい。そんなお年頃なんでしょうね……」


くぅすみれん「うわっ、かわいい…………」

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部室前


千砂都「だってさ。反抗期なの？」


かのん「知らない！！！！」


その日の澁谷家は荒れたという。

おしまい