【SS】ダイヤ「茶葉の香りと」千歌「秘密の日常」【ラブライブ!サンシャイン!!】

SS


1: (もんじゃ) 2020/04/10(金) 20:59:55.43 ID:iEDdIp6c
ちかダイ短編
 

2: (もんじゃ) 2020/04/10(金) 21:00:54.31 ID:iEDdIp6c
ガチャッ

千歌「失礼します!ダイヤさんいますか?」

ダイヤ「あら、千歌さん……すみません、少し作業が長引きそうですので、先に練習を始めておいていただけますか?」

千歌「いや、練習に呼びに来たんじゃなくて……」ガサゴソ

千歌「はい!これ!差し入れです!」

ダイヤ「これは……抹茶風味のチョコレート、ですか……?それもかなり高級そうですわね……」

千歌「そう!昨日曜ちゃんと梨子ちゃんと遊びに行ったときにデパートで見つけたんだ!ダイヤさんと一緒に食べようと思って!今日の授業中もずーっと楽しみにしてたんだ!」

ダイヤ「そうだったんですか……わざわざありがとうございます」

ダイヤ「そうですね。私もちょうど一区切りついたところでしたし、一端休憩にいたしましょうか。千歌さんも良かったら、ご一緒にいかがですか?」

千歌「うん!ありがとダイヤさん!」
 
3: (もんじゃ) 2020/04/10(金) 21:03:06.92 ID:iEDdIp6c
ダイヤ「では……少々お待ちくださいね、千歌さん。すぐに準備を終わらせてしまいますので……」

ガラガラッ
カチャカチャ

千歌「えっ!?ティーポット!?ダイヤさんいつの間にそんなもの準備してたの!?」

ダイヤ「私のものではありませんわ。これは理事長……鞠莉さんの私物です。学校でもアフタヌーンティーを楽しみたいという鞠莉さんのワガママでここに備え付けていたのですが……」

ダイヤ「少しばかり、拝借させていただきますわね」

千歌「ふーん、そうだったんだー。じゃあ私もこれからはいつでも生徒会室にお茶を飲みに……」

ダイヤ「もちろん一般の生徒の使用は一切禁止ですわ」

千歌「ええー!!?いいじゃん!少しくらい!」

ダイヤ「そもそも本来ならば生徒が学校でアフタヌーンティーを嗜むということ自体がおかしなことですし……それに私だって許可なく使用させていただいている身です。もし見つかれば怒られてしまいますわ」

ダイヤ「だから今日のこのことは、私と千歌さんだけの秘密ですわよ?」

千歌「……うん、わかった!ダイヤさん!」
 
4: (もんじゃ) 2020/04/10(金) 21:09:14.89 ID:iEDdIp6c
ブォォーーーッ

千歌「それにしてもあの真面目でお堅いダイヤさんがルールを破っちゃうようなこと考えちゃうなんて、ちょっと意外かもっ♪なんかこういうの楽しいっ!」

ダイヤ「真面目でお堅い……」

ダイヤ(やはり私は普段から、そのような印象を持たれているのですわね……)

千歌「ねえダイヤさん、もし私とダイヤさんがこうやって生徒会室でお茶してるってこ、曜ちゃんたちにバレちゃったらどうなっちゃうのかな?学校中たいへんなことになっちゃうとか!?」ケシシシ

ダイヤ「もう、千歌さん、からかわないで下さい。私だってたまには冒険したくなることくらい、あるんですわよ?」

ダイヤ「ですが……そうですわね、確かに普段の私……いえ、昔の私なら、あまりこのような風紀を乱してしまう行為を進んでやろうとは、思えなかったのかもしれませんわね」

ダイヤ「鞠莉さんや果南さん……それに千歌さんやルビィたちと同じ時間を過ごすうちに、わたくしもあなた方の色に染め上げられてしまった、ということかもしれませんわね?」ニコッ

千歌「ダイヤさん……」

プシューッ!!ピーッ!!

ダイヤ「あっ、お湯が沸いたみたいですわ。すみませんが千歌さん、カップを二人分並べてはいただけませんか?」
 
5: (もんじゃ) 2020/04/10(金) 21:11:17.79 ID:iEDdIp6c
千歌「わー!!綺麗な赤色!透き通ってるみたいだよ!」

ダイヤ「ええ。以前鞠莉さんから紅茶の淹れ方は習っていたのですが……案外、体が覚えているものですわね」

千歌「でもダイヤさん。ダイヤさんのお茶は緑茶ってイメージだったんだけど……ほんとに紅茶でいいの?」

ダイヤ「確かにわたくしは普段から緑茶を愛飲してはいるのですが……あいにく学校には鞠莉さんの嗜好に合うものしか常備されていませんので……」

ダイヤ「ですが、抹茶チョコと紅茶という案外変わった取り合わせも、試してみると意外と相性が良かったりするのですよ?」

千歌「……」

千歌「それって、私と、ダイヤさんとか……?」

ダイヤ「……そうですね、そうかもしれませんね」

ダイヤ「さあっ、おしゃべりはこのくらいにして、千歌さんのお菓子をいただいてみましょうか」

千歌「う、うん!ダイヤさんのお口に合うといいんだけど……」

ダイヤ「ご心配には及びませんわ。抹茶のお菓子であれば、どんなものであっても私は楽しんで見せる自信がありますし、それに……」

ダイヤ「千歌さんが心を込めて選んでくださった商品なのでしょう?だったら美味しいに決まっていますわ。もっと自信をもって下さい」

千歌「う、うん……だと、いいんだけど……」
 
7: (もんじゃ) 2020/04/10(金) 21:21:38.65 ID:iEDdIp6c
ダイヤ「では、さっそく、頂いてみますね」ペリッ

ダイヤ(見た目は深いうぐいす色をしていてしっかりと抹茶風味を再現しているであろうことが伺えます……このふわふわした様子は、いわゆるトリュフチョコのようなもの、ということなのでしょうか……?)

ダイヤ「……」パクッ

モグモグ

千歌「ど、どう、美味しい?ダイヤさん……」ドキドキ

ダイヤ「これは……」

ダイヤ「絶品ですわね……しつこ過ぎない甘さに加えて、口の中から鼻の奥の方へと仄かに抜けていく抹茶の香り……今まで頂いてきた抹茶のお菓子の中でも指折りの名品ですわ」

千歌「よかったぁ……ダイヤさんのお口に合わなかったらどうしようって、ずーっとそのことだけが心配で……」ホッ

ダイヤ「……だからさっきから妙にソワソワしていたのですか」

千歌「ええっ!?もしかしてバレてた!?」

ダイヤ「なんとなくですが少しだけ……そうではないかと思っていました」

千歌「そ、そっかー……や、やっぱり、ダイヤさんには敵わないや……あはは……」
 
8: (もんじゃ) 2020/04/10(金) 21:23:38.86 ID:iEDdIp6c
ダイヤ「良かったら千歌さんもいかがですか?本当に美味しいチョコレートですわよ?」

千歌「で、でも、せっかくダイヤさんのために買ってきたものだし……それに私が食べちゃったらなくなっちゃうし……」

ダイヤ「ご心配には及びませんわ。まだまだたくさんありますし、それに……」

ダイヤ「二人で食べた方が、もっと美味しいはず、ですわよ?」

千歌「う、うん、じゃあ私も、ひとつだけ……」パクッ
 
9: (もんじゃ) 2020/04/10(金) 21:24:35.50 ID:iEDdIp6c
千歌「!!!」

千歌「なにこれ!?すっごく美味しい!苦くはないんだけど甘すぎもしなくて!すっごく美味しいよ!ダイヤさん!」

ダイヤ「ふふっ、お楽しみいただけたのなら良かったですわ」

千歌「それに紅茶とチョコの相性も意外といい!バランスが合ってるって感じ!」

ダイヤ「ええ、本当ですわね。チョコレートの甘さと紅茶の爽やかさがいい具合にマッチしていて……あとで鞠莉さんにお礼を言わなくてはいけませんね」

千歌「ねえ!ダイヤさん、もう一個だけもらってもいい?」

ダイヤ「もちろんですわ。もともと半分こするつもりでしたので、一個と言わず遠慮なく食べて下さい」

千歌「わーい!ありがと!ダイヤさん!」

ダイヤ(ふふっ、やっぱり千歌さんは元気に溢れている時の方が可愛らしいですわね)
 
10: (もんじゃ) 2020/04/10(金) 21:25:50.93 ID:iEDdIp6c
………



千歌「でねでね!その後お洋服見にいったんだけどね!曜ちゃんがね!もうほんとに可愛くって!普段は曜ちゃんボーイッシュな服着てるんだけどね、梨子ちゃんオススメのワンピースが意外と似合ってて……」

ダイヤ「………」ウツラウツラ

千歌「ダイヤさん、大丈夫?さっきから眠そうにしてるけど……」

ダイヤ「えっ!?だ、大丈夫ですわ!ちゃんと聞いておりますので!」

ダイヤ(い、いけませんわ!せっかく千歌さんがお話して下さってるのに寝てしまいそうになるなんて……)

ダイヤ「さ、私は聞いておりますので、どうぞ続けて下さい」

千歌「う、うん、わかった……」

千歌「……」
 
11: (もんじゃ) 2020/04/10(金) 21:27:20.44 ID:iEDdIp6c
千歌「あ、そうだ!梨子ちゃんがオススメしてくれたやつ、ダイヤさんも試してみない?」ガサゴソ

ダイヤ「………梨子さんおすすめの商品ですか?」

ダイヤ(い、いったいどんな商品なのでしょうか……?想像もつきません……)

千歌「はいこれ!じゃじゃーん!!ホットアイマスク~!」

ダイヤ「ホットアイマスク……?」

千歌「うん!なんかすっごくリラックスできるんだって!」

千歌「さ!ダイヤさん!つけてみて!」ビリッ!

ダイヤ「は、はぁ……」

ダイヤ(ホットアイマスクという言葉の通り、ほんのり温かいですね……)

ダイヤ(これを目元に当てる、ということでしょうか……?)ピトッ
 
12: (もんじゃ) 2020/04/10(金) 21:28:50.21 ID:iEDdIp6c
千歌「どう、ダイヤさん?気持ちいい?」

ダイヤ「ええ……なんだか目が癒されていくようです……」

ダイヤ(なんだか身も心もほぐされていくようですわ……)

ダイヤ(で、ですが……たしかに体は休まるのですが……その……少し気を抜いてしまったら、眠ってしまいそうで……)

ダイヤ(い、いけませんわ!生徒会長が生徒会室で惰眠を貪るなど、言語道断ですわ!もし果南さんや鞠莉さんに見つかってしまえば、なんと言われることか……)

ダイヤ「ち、千歌さん、もう、このくらいで……」

ギーッ
ガタガタ

ダイヤ「千歌さん?何をやっているのですか?急に私の隣に椅子を移動させて……」

千歌「ん?何って……ダイヤさんが寝やすいようにしてあげてるんだよ?」

ダイヤ「えっ!?だ、大丈夫ですわ!私は、別に……」
 
13: (もんじゃ) 2020/04/10(金) 21:30:05.08 ID:iEDdIp6c
千歌「でもダイヤさん、少し眠いんでしょ?」

千歌「それに少しのお昼寝は勉強効率にもいいって、今日の授業で先生も言ってたし!」

ダイヤ「確かに、そうかもしれませんが……」

ダイヤ「ですが生徒会長が生徒会室で昼寝をするというのは……」

千歌「いいのいいの♪だってここには私とダイヤさんしかいないもん」

千歌「だからこれは私とダイヤさんだけの秘密なの」

千歌「ねっ?だからほら?少し私に寄りかかってみて?」

ダイヤ「ち、千歌さん……私、まだ寝ると決めたわけでは……

………


 
14: (もんじゃ) 2020/04/10(金) 21:31:08.01 ID:iEDdIp6c
ダイヤ「すぅ………すぅ………」

千歌「ふふっ、ダイヤちゃん寝ちゃった……よっぽど疲れてたんだね……」ナデナデ

ダイヤ「すぅ………すぅ………」

千歌(やっぱりダイヤちゃんの寝顔って可愛いかも、アイマスクで隠れちゃって半分しか見えないけど……)

ダイヤ「すぅ………すぅ………」

千歌(もう練習始まってるだろうけど、もう少しだけここでこうやっててもバチは当たらないよね……)

………


 
16: (もんじゃ) 2020/04/10(金) 21:33:47.39 ID:iEDdIp6c
ガチャッ

曜「あっ、千歌ちゃんここにいたんだ。もう練習始まってるんだけど……」

千歌「曜ちゃん!しーーっ!!ダイヤさん起きちゃうでしょ!!」シーッ!!

曜「ご、ごめん!!それで、練習のことなんだけど……」ヒソヒソ

千歌「うん、私ももう少ししたら行くから、先始めといて?」ヒソヒソ

曜「うん!了解であります!」ヒソヒソ

バタンッ!

千歌(ふぅー……危なかった……ダイヤちゃん起きちゃうところだったよ……)

千歌(それに、今は二人だけの時間だから、もう少しだけ……)

ダイヤ「すゃ………千歌、さん………」スヤスヤ

千歌「うん、ダイヤちゃん、私だよ、千歌だよ」ポンポン

ダイヤ「すゃ………千歌、さん……いか、ないでぇ……」ギュッ

千歌「ダイヤちゃん………」

千歌「……」

千歌「うん、私はいつまでもここにいるから」

千歌「だから今だけは、安心して」

千歌「おやすみなさい、ダイヤちゃん♪」

千歌「起きたらまたたくさん楽しいこと、いーっぱいしようね?」
 
17: (もんじゃ) 2020/04/10(金) 21:34:27.28 ID:iEDdIp6c
終わりです。お粗末様でした
コメント&お読みいただき大変ありがとうございました!
 

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1586519995/

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