【SS】ありあ「美人のお姉さんを餌付けした話」【ラブライブ!スーパースター!!】

SS


3: (もんじゃ) 2022/03/21(月) 21:50:59.55 ID:iCxgHlMw
ありあ「店じまい店じまいっと……ん?」

∬Σcイ ' A `v グギュルルルル...

ありあ(……もしかして、お腹の音?)

ありあ(どうしよう……あ)

ありあ「ちょっと待っててね」

∬Σcイ ' ∀ `v ???
 
4: (もんじゃ) 2022/03/21(月) 21:57:39.82 ID:iCxgHlMw
ありあ「はい、余りものだけど、クッキーどうぞ」

∬Σcイ ' ∀ `v !!!

∬Σcイ ' ∀ `v ?パクパクもぐもぐ

∬Σcイ ' A `v …!!?

∬Σcイ × □ × ゴッホゴッハヘ!!

ありあ「ああもう、一気に食べるから」

ありあ「はい温かいミルク」

∬Σcイ ' A `v チビチビコクコク

ありあ(…………)
 
5: (もんじゃ) 2022/03/21(月) 22:01:21.14 ID:iCxgHlMw
~次の日~


ありあ「店じまい店じまい……」

ありあ(今日も来てるかなぁ……)

ありあ(……あ)


∬Σcイ ' ∀ `v ᶘ 'ᴥ` ᶅ


ありあ(増えてる……)
 
6: (もんじゃ) 2022/03/21(月) 22:05:04.34 ID:iCxgHlMw
ありあ「ちょ、ちょっと待っててね」

∬Σcイ ' ∀ `v ᶘ 'ᴥ` ᶅ きゃっきゃっ

ありあ(というか犬でっか)


ありあ「……はい、ケーキのあまりとミルク」

∬Σcイ ' ∀ `v いちごのショートケーキ!!!!

∬Σcイ ' ~ `v ?むしゃむしゃ

ありあ「わっはやいよ」
 
7: (もんじゃ) 2022/03/21(月) 22:09:11.74 ID:iCxgHlMw
∬Σcイ ' ~ `v ?むしゃ…

∬Σcイ ; ~ ;v ポロポロ

ありあ「…………あ」

∬Σcイ ; ~ ;v むしゃポロ

ありあ「…………」

ありあ「………」ナデナデ

∬Σcイ ; ~ ;v ポロポロ

ᶘ 'ᴥ` ᶅ チビチビコクコク
 
9: (もんじゃ) 2022/03/21(月) 22:16:43.54 ID:iCxgHlMw
ありあ(それから何度も)


∬Σcイ ' ∀ `v ?むしゃむしゃ


ありあ(謎の美人なお姉さんがお店にやってくるたびに、わたしはおやつを分けました)


∬Σcイ ' ~ `v ?むしゃむしゃ


ありあ(事情は聞きませんでした)

ありあ(だって、そのほうが特別な感じがするから)


∬Σcイ ' ∀ `v ?むしゃむしゃ


ありあ(ただ、それだけ……)
 
10: (もんじゃ) 2022/03/21(月) 22:23:38.33 ID:iCxgHlMw
かのん「打ち合わせおしまいっと。じゃあ東京大会がんばろー!」

5人「うぃっすうぃっすうぃっす~~♪」

千砂都「ばいば~い」カランコロン~

可可「外はさ、寒いデス~~!」ギュゥ

すみれ「歩きにくいったら歩きにくいじゃない! 離れなさいっての」

恋「では私はここで」

かのん「うん! またね」


ありあ(…………)チラ
 
11: (もんじゃ) 2022/03/21(月) 22:28:16.76 ID:iCxgHlMw
ʃt(c◜・ ᴗ ・) ニコニコ

ありあ(なんだか健康的な肉付きになってきたような)

ありあ「外寒いけどちょっと待っててね。お姉ちゃん上にあがったらいつもの……」コソコソ

ʃt(c◜・ ᴗ ・) ありあさん。

ありあ「え……?」
 
13: (もんじゃ) 2022/03/21(月) 22:34:27.90 ID:iCxgHlMw
ʃt(c◜・ ᴗ ・) ありあさん。いつもありがとうございます。

ʃt(c◜・ ᴗ ・) お互いの身の上がわかってしまってからも、この時間は変わらず接してくれて。

ありあ「え、えぇ? 急にもう、なぁに?」

ありあ「気にしないでよ、そんな……」

ʃt(c◜・ ᴗ ・) この御礼は必ず……それとは別に。

ʃt(c◜・ ᴗ ・) ありあさんに言わなければならないことがあるのです。

ありあ「…………え?」
 
14: (もんじゃ) 2022/03/21(月) 22:40:48.41 ID:iCxgHlMw
ありあ(ドキリとした)

ありあ(もとから歪な関係……餌付けのようにおやつを与える側と、与えられる側)

ありあ(普通の人間関係ならありえない……お互いの素性を知らないから、かえって続けられていただけ)

ありあ(わたしが澁谷かのんの妹とバレて、謎の美人なお姉さんはお姉ちゃんの学校の生徒会長さんとわかってしまって)

ありあ(それでも今日まで続けられていたのはただの惰性)

ありあ(実際……わたしの中でも、∬Σcイ ' ∀ `v が『葉月恋』という、『憧れ』に近づいてきている)

ありあ(憧れてしまえば、もう、これまでの関係でいられない……)

ありあ(∬Σcイ ' ∀ `vがわたしの手の届かないところにいっちゃう……)
 
15: (もんじゃ) 2022/03/21(月) 22:46:59.90 ID:iCxgHlMw
ʃt(c◜・ ᴗ ・) ありあさん。実は

ありあ「……やだ」

ʃt(c◜・ ○ ・) え?

ありあ「やだ! やだよ! これからも∬Σcイ ' ∀ `vの面倒はわたしが見るの」

ありあ「べつにいいでしょ? これまで通りに、わたしがおやつをあげて、いちごミルク作ってあげて」

ありあ「ずっとお世話させてよ……!」

ʃt(c◜・ ᴗ ・) ありあさん……。

ありあ「………」ギュゥ..

ʃt(c◜・ ᴗ ・) ふふ。


ʃt(c◜・ ᴗ ・) 気づいて、なかったんですね。

ありあ「────え?」
 
16: (もんじゃ) 2022/03/21(月) 22:52:27.85 ID:iCxgHlMw
ʃt(c◜・ ᴗ ・) ありあさんが本当にお世話したい人は、私ではないのですよ。

ʃt(c◜・ ᴗ ・) もちろんお世話してくださるなら私は喜んで甘えますが。

ありあ「な、なんのこと???」

ʃt(c◜・ ᴗ ・) ありあさんのおやつ……本当は、お店の余りものではないですよね。

ありあ「!!!……」
 
18: (もんじゃ) 2022/03/21(月) 22:58:25.81 ID:iCxgHlMw
ʃt(c◜・ ᴗ ・) 最初の関係のままなら気づきませんでした。

ʃt(c◜・ ᴗ ・) ありあさんと、かのんさんのことを良く知ることができた今だからわかります。

ʃt(c◜・ ᴗ ・) 本当は────かのんさんのために作ったおやつ、そうですよね。

ありあ「…………」

ʃt(c◜・ ᴗ ・) ありあさんが本当にお世話したかったのは、私ではなく、かのんさんだった。

ありあ「…………う」
 
19: (もんじゃ) 2022/03/21(月) 23:03:12.41 ID:iCxgHlMw
ありあ(嘘……と、否定できなかった)

ありあ(春休み中、音楽科に落ちてから、ずっとだらけていたお姉ちゃん)

ありあ(そんなお姉ちゃんのお世話を、わたしはずっとしていた)

ありあ(朝起こして、ごはんを用意してあげて、帰ったら脱ぎ散らかした服を洗濯機まで運んで、濡れたままの髪を乾かしてあげて、冷える夜にホットココアを渡してあげて)

ありあ(わたしがお姉ちゃんを管理していた)


ありあ(わたしが、あの、美人で自慢のお姉ちゃんを守っていたのだ)
 
20: (もんじゃ) 2022/03/21(月) 23:06:39.01 ID:iCxgHlMw
ありあ(でも……お姉ちゃんはスクールアイドルという目標を見つけてから、自立してしまった)

ありあ(そんなとき、∬Σcイ ' A `vをお店の前で見つけて)

ありあ(庇護欲をかきたてられるのは、当然だった────)


ʃt(c◜・ ᴗ ・) さんざん甘えさせてもらっておいて、こんなお節介は怒らせてしまうかもしれませんが。

ʃt(c◜・ ᴗ ・) 今日は、かのんさんをお世話してあげてください。
 
21: (もんじゃ) 2022/03/21(月) 23:10:23.08 ID:iCxgHlMw
ありあ「そ、そんなの……」

ありあ「意味ない、よ……今のお姉ちゃんは人前で歌えないっていう、唯一の弱点もなくなって」

ありあ「わたしからしたらもう完璧超人で、わたしなんかが……」

ʃt(c◜・ ᴗ ・) それは違います。

ʃt(c◜・ ᴗ ・) これも、お二人のことをよく知らなければ、気づかなかったことですが。

ʃt(c◜・ ᴗ ・) 東京大会という大きな舞台を前にした今、かのんさんにはありあさんの助けが必要です。

ʃt(c◜・ ᴗ ・) かのんさん、すっごく緊張してるんですよ。

ありあ「お姉ちゃんが……」
 
22: (もんじゃ) 2022/03/21(月) 23:14:29.88 ID:iCxgHlMw
かのん「ありあ~~いつまで外に────って恋ちゃんも!?」カランコロン

ありあ「!!!あ……っと」

恋「ふふ、ありあさんと少し世間話でもと」ニコ

かのん「ほ、ほえ~珍しい組み合わせ……」

かのん「って、外寒いんだから、中入っちゃえばよかったのに」

恋「いえ、私はもうこのくらいで……ただ」


グイ…


ありあ「────あ」
 
23: (もんじゃ) 2022/03/21(月) 23:18:42.13 ID:iCxgHlMw
背中に手のひらの感触がして、わたしは一歩、たたらを踏む。

恋さんの手。いつか、泣いている恋さんをわたしが撫でたときは、もっと弱々しい身体のイメージだったけれど。

温かくて、優しくて、大きなその手のひらは、わたしをお姉ちゃんの目の前に送り出した。


見上げたお姉ちゃんの顔は、きょとんとしていて、有無を言わせぬ展開に今にもテンパってしまいそうなわたしとのギャップが、なんだか面白い。

そうして少し、落ち着いた。


息を吸う。わたしは進む。

恋さんに背中を支えられていても、これだけはまぎれもない、わたしの意思だ。


お姉ちゃん、あのね─────


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24: (もんじゃ) 2022/03/21(月) 23:22:36.06 ID:iCxgHlMw
~後日談~


ありあ「というわけで、今日は初ウーバーイーツを試してみるよ」

ありあ「いや~一回やってみたかったんだよねぇ」

ʃt(c◜・ ᴗ ・) ᶘ 'ᴥ` ᶅ  きゃっきゃっ

ありあ「あ、チビはいつものだからね」

ᶘ 'ᴥ` ᶅ

ᶘ 'ᴥ` ᶅ
 
25: (もんじゃ) 2022/03/21(月) 23:26:13.69 ID:iCxgHlMw
ぶうぅぅぅぅぅぅぅん


ありあ「あ、来たみたい。ん?」

ʃt(c◜・ ᴗ ・) あの原付ですね。……ん?


ぶぅぅん……キュ。


{c| ˚ - ˚} ウーバーイーツで……

ʃt(c◜・ □ ・) さ、サヤさん……!

{c| ˚ □ ˚} お嬢様……。

ありあ(メイドさんがスーパーカブ乗ってウーバーイーツやってる……!!)
 
26: (もんじゃ) 2022/03/21(月) 23:30:17.81 ID:iCxgHlMw
ʃt(c◜・ □ ・) サヤさんこれは……。

{c| ˚ - ˚} ……副業のようなものです。

{c| ˚ - ˚} お嬢様から一時的に離れたときに、一応登録を。

{c| ˚ - ˚} それはさておきお嬢様。

ʃt(c◜・ □ ・) はい!

{c| ˚ - ˚} チビ。

ᶘ 'ᴥ` ᶅ !!

{c| ˚ - ˚} 最近私の献立からはありえないほど肉付きが良いと思ったら、まさかこんな……。

{c| ˚ - ˚} 主人の放蕩を諌めるのも従者の役割でありましょう……しかもそれが人様にご迷惑をおかけしているのならなおさら。

ʃt(c◜・ □ ・) ち、ちが……

∬Σcイ ' A `v ちがわない……?

ᶘ 'ᴥ` ᶅ わふぅ。
 
27: (もんじゃ) 2022/03/21(月) 23:34:39.43 ID:iCxgHlMw
チャリンチャリン。

{c| ˚ - ˚} では、ご利用ありがとうございました。

{c| ˚ - ˚} お嬢様とチビは、また後ほど。


ぶぅんカコン(2速)ぶぅぅんカコン(3速)ぶうぅぅぅん


∬Σcイ ' A `v ᶘ 'ᴥ` ᶅ

∬Σcイ ' A `v 今日は早めに帰って掃除します……。

ありあ「あ……」


ありあ「また来てね! ∬Σcイ ' ∀ `vちゃん!」

ʃt(c◜・ ᴗ ・) ……はいまた、甘えに来ますね。
 
28: (もんじゃ) 2022/03/21(月) 23:40:04.83 ID:iCxgHlMw
ありあ「さて、せっかくの初ウーバーイーツ、一人じゃ量が多くなっちゃったな」

ありあ「あ、そうだ」



ありあ「お姉ちゃ~~んおやつ食べる~~~??」


 




美人のお姉ちゃんを餌付けした話
おしまい
 
29: (もんじゃ) 2022/03/21(月) 23:41:44.07 ID:RpGaEfoU
乙乙
恋ちゃんとチビかわいかったよ
癒やされた
 
30: (しまむら) 2022/03/21(月) 23:42:11.79 ID:uFEsfoIJ
スレタイ感心した
サヤさん思ったよりサヤさんだな
 
35: (もんじゃ) 2022/03/22(火) 09:39:52.86 ID:Pcxuc07O
ʃt(c◜・ ᴗ ・)この顔文字かわいい
 
32: (もんじゃ) 2022/03/21(月) 23:51:17.63 ID:iWz2o5FL
乙。可愛い
 

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1647866335/

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