【SS】千歌「栞子ちゃんを脱塩して梨子ちゃんを作ろう！」

栞子「なぜ私は捕まっているのでしょうか」

千歌「栞子ちゃんは、これから梨子ちゃんになるの」

栞子「何を言っているのですか？」

花丸「簡単な算数の問題ずら」

花丸「“しおりこ”ちゃんから“しお”を引くと、あとに残るのは…」

花丸「りこちゃん！」

千歌「かしこーい！」

栞子「そう上手くいくでしょうか」

千歌「ここんとこ、梨子ちゃんが忙しそうだからね～」

千歌「もう一人増やして負担を軽減するのだ！」
　

花丸「でも、脱塩ってどうやってやるの？」

千歌「ガーン！」

千歌「それは考えてなかったのだ…」ﾑﾑﾑ

千歌「曜ちゃん！」

曜「そうだね…いくつか方法はあるけど、栞子ちゃんに汗をたくさん流させるのが手っ取り早いんじゃない？」

千歌「かしこーい！」

花丸「千歌ちゃんと違って頼りになるずら！」

千歌「キー！」
　

千歌「汗を流させるといえば……決まりだね！」

花丸「ずらっ」

千歌「曜ちゃんありがとー！ホラ、いくよ栞子ちゃん」

栞子「どこへいくのですか？」

花丸「答える義理はないずら♪」

ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯﾀ…

曜「……」

曜「千歌ちゃん……」

ﾋｭｳｳｳｳｳｳ…

曜「ここだよー」
　

千歌「というわけで善子ちゃん！堕天使の泪をありったけ栞子ちゃんのお口に突っ込んで！」

善子「人の料理を拷問に使うなっての」

千歌「ゴウモン！？ゴウモンってなんだ！？」

ルビィ「助けて！ルビィ、ゴウモンにあってるの！！」

花丸「ルビィちゃん！？」

千歌「大変だー！大変だ―！」

善子「見たわね」
　

千歌「というわけで善子ちゃん！堕天使の泪をありったけ栞子ちゃんのお口に突っ込んで！」

善子「人の料理を拷問に使うなっての」

千歌「ゴウモン！？ゴウモンってなんだ！？」

花丸「拷問というのは、対象に苦痛を与えるために、その人の心身をいじめ抜くことずら」

千歌「いじめ！？私、いじめなんてしないよ！？」

ルビィ「嘘つきー！嘘つきー！」

花丸「いじめはとっても悪いことずら」

ルビィ「見ているだけもいじめだよ！見ているだけは悪なんだ！」

栞子「なんだかうるさいですね」

ルビィ「馬鹿だね栞子ちゃんって！栞子ちゃんが助かるにはルビィに味方するしかないのにね！」

ルビィ「後で後悔するんだよ！その時にはもう遅いんだ！」
　

ジュワアアアアアアアア

花丸「焼けたずら♪」

栞子「美味しそうですね」

千歌「言ったね！そんなら食べてもらおうじゃないの！」

栞子「良いのですか？」

千歌「『良いのですか？』だって！やだねー！これだから箱入り娘は！」

ルビィ「箱入り娘はルビィだよ！」

ルビィ「だってルビィ、箱に入ってるもん！ずーっと入ってるもん！」

花丸「それはそれで幸せな一生ずら」

ルビィ「外からならなんとでも言えるんだ！」

栞子「では、いただきます」ﾊﾟｸﾘ
　

栞子「あつっ」ﾊﾌﾊﾌ

千歌「お味は！？」

栞子「から…」ｼﾞｰﾝ

栞子「お水…」

千歌「おーっと！お水は渡さないよ！」

栞子「そんな…！それでは、口の中が熱くなってしまいます！」

千歌「それがいいんじゃないの！汗が出るんじゃないの！」

千歌「汗出して塩出していこー！」

栞子「汗が…汗が出ます！」

栞子「熱い！」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ
　

果南「こんちはー」ｶﾞﾗｶﾞﾗ

千歌「果南ちゃん！邪魔しないで！今いいとこなの！」

栞子「からっ…、熱…っ」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ

果南「わっ、汗だくだくじゃん」

栞子「果南さん、ご無沙汰してます」ﾍﾟｺﾘ

果南「で、誰だっけ」

花丸「失礼すぎるずら」

栞子「三船栞子です」

千歌「ちーがーうーだーろー！」

千歌「桜内梨子だろー！？」
　

果南「あれ、梨子ちゃんってこんなだっけ？」

千歌「こんなだろー！？美人でえ　ちだろー！？」

果南「まあなんでもいいや。そんな事より私のコサックダンス見てよ」

果南「うっし、うっし」ﾉｯｻﾉｯｻ

千歌「それビリーズブートキャンプ」

栞子「熱い！」

千歌「服抜げば？」

栞子「失礼します」ﾇｷﾞﾇｷﾞ

花丸「あっ！！」
　

花丸「すごい！もう体の半分が梨子ちゃんになってるずら！」

栞子「えっ！？」

千歌「どこどこ！？」

花丸「ほら、この背中の感じ」

千歌「梨子ちゃんの背中だー！」

栞子「そんな…困ります」

栞子「私の背中を返してください！」

千歌「ダーメ！栞子ちゃんはこのまま梨子ちゃんになるの！」

栞子「そんな…！」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ

千歌「焦ると余計に汗かいて、どんどん梨子ちゃんになっちゃうよ？」ﾆﾔﾆﾔ

栞子「くっ…」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ
　

栞子「いやだ…梨子さんになんてなりたくありません…」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ

花丸「諦めるずら。梨子ちゃんにも良いところはあるずらよ」

千歌「顔とかね！」

栞子「顔は間に合っています」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ

千歌「確かにー！」

千歌「カニ！」ﾁｮｷﾁｮｷ

栞子(ああ…私の中の『私』が遠くなっていくのを感じます……)ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ

花丸「もうすぐだね」

千歌「カウントダウン入りまーす！」

千歌「ごー、よーん、さーん、にー、いーち…」
　

ﾊﾞﾀﾝ！

ᶘｲ^⇁^ﾅ川「そこまでです✋」

千歌花丸栞子「！？」

千歌「なんだなんだ！？突然！！！」

花丸「何者ずら！？」

ᶘｲ^⇁^ﾅ川「見た通りです」

千歌「見た通りって」

花丸「じゃあ…」

千歌花丸「ジーニー！？」

ᶘｲ^⇁^ﾅ川「栞子です」
　

栞子「しかし…栞子は私です」

ᶘｲ^⇁^ﾅ川「あなたは本家の栞子です」

ᶘｲ^⇁^ﾅ川「私は素材から作られたまがいもの…いわばコピー」

千歌「どういうこと！？」

ダイヤ「その方は元・梨子さんですわ」

花丸「ダイヤさん！」

ダイヤ「やっぱり、思った通りでしたわ！」

ダイヤ「ニジガクの皆さんから、栞子さんの行方が分からないと相談を受けて、ピンときました。またあの二人かと！」

ダイヤ「それで先手を打って梨子さんを塩漬けにして栞子さんをもう一人作ったのです」
　

ダイヤ「お二人とも、恥を知りなさい！」

花丸「ごめんなさいずら。マルは千歌ちゃんに乗せられて…」

千歌「あー！そういうこというー！？」

千歌「ダイヤさんもおかしいよ！ニジガクのみんななんかよりAqoursの仲間の方を…」

ダイヤ「梨子さんなんて１人いれば十分でしょうが！２人もいたら手に負えません！」

果南「ん？ダイヤ、ちょっと待って」

ダイヤ「なんですか果南さん」

果南「腰にナポリタンついてるよ」

ダイヤ「あ、ほんとですわ」

ダイヤ「失礼」ﾁｭﾙﾙﾙﾙ
　

栞子「ダイヤさん、ありがとうございました。助かりました」

ダイヤ「いえいえ。すみませんウチの千歌さんが」

千歌「ちぇー」

ᶘｲ^⇁^ﾅ川「で、私はどうしましょう」

ダイヤ「そんなことは私の知ったことじゃありませんわ。私はあなたの親ではありません」

ᶘｲ^⇁^ﾅ川「困りました。これからどうしましょう」

栞子「あの…」

ᶘｲ^⇁^ﾅ川「！」

栞子「一緒に来ませんか？私と…」

ᶘｲ^⇁^ﾅ川「栞子さん…」

栞子「同じ栞子じゃないですか」

栞子「私達…もっと仲良くなれる気がするんです」
　

千歌「いいアイディアだと思ったんだけどなー」

花丸「そう簡単に人間一人増やせたら苦労はないずら」

果南「どんまいどんまい」

ダイヤ「全く…だから日本はクローン後進国と言われるのですわ」

千歌「どういうこと？」

ダイヤ「人権意識が欠けているということです！」

ダイヤ「簡単に命を吹き込んだり、作り替えたり…自分が神になったつもりですか！？」

ダイヤ「われわれは自分の作り出した命に責任を持たなくてはいけない！」

果南「でも日本には四季があるから」

ダイヤ「良いですか！？アナタに言っているのですよ！」

ダイヤ「アナタですよ！」

ダイヤ「自分のことじゃないと思っている、そこの、ア・ナ・タ！」