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1: 2017/06/04(日) 12:39:43.53 ID:Z/SOh3KD.net
「曜ちゃんのことが好き」
小さな勇気を振り絞って出た言葉に、振り向いた曜ちゃんの顔。
そこには多分、嫌悪も喜びもなくて、ただ驚きに染まっていた。
目を見開いたまま、しばらく固まっていた曜ちゃんは、そっと眉をひそめてこう言った。
「千歌ちゃん、違うよ…それはきっと、恋じゃない」
小さな勇気を振り絞って出た言葉に、振り向いた曜ちゃんの顔。
そこには多分、嫌悪も喜びもなくて、ただ驚きに染まっていた。
目を見開いたまま、しばらく固まっていた曜ちゃんは、そっと眉をひそめてこう言った。
「千歌ちゃん、違うよ…それはきっと、恋じゃない」
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2: 2017/06/04(日) 12:40:09.75 ID:Z/SOh3KD.net
断るなら、そう言って欲しかった。
どうしてそんな逃げるような言い方をするんだろう。
そんなの私が勝手に告白しただけなんだから、文句なんて言う権利はないんだろうけど、それでも曜ちゃんの言葉が私の胸を痛め付けたのは間違いなかった。
「どうして、そんなこと言うの…私は、本当に曜ちゃんのことを……」
「ずっと一緒にいるからさ、そういう…親友として大好きな気持ちを勘違いしちゃっただけだと思うよ。千歌ちゃん、恋とかしたことないって言ってたでしょ?」
どうしてそんな逃げるような言い方をするんだろう。
そんなの私が勝手に告白しただけなんだから、文句なんて言う権利はないんだろうけど、それでも曜ちゃんの言葉が私の胸を痛め付けたのは間違いなかった。
「どうして、そんなこと言うの…私は、本当に曜ちゃんのことを……」
「ずっと一緒にいるからさ、そういう…親友として大好きな気持ちを勘違いしちゃっただけだと思うよ。千歌ちゃん、恋とかしたことないって言ってたでしょ?」
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3: 2017/06/04(日) 12:40:37.47 ID:Z/SOh3KD.net
「違う!違うの!私は、曜ちゃんが…」
曜ちゃんは悲しそうに笑うだけで、それ以上何も言わなかった。
私もうまく言葉が紡げなくて、涙が滲んでいた。
でもここで私が泣くなんて、勝手にも程があるってわかってたから歯を強く、強く噛み締める。
曜ちゃんはしばらく私の顔を眺めていたけど、一言「また明日ね」って言って歩き始めた。
曜ちゃんは悲しそうに笑うだけで、それ以上何も言わなかった。
私もうまく言葉が紡げなくて、涙が滲んでいた。
でもここで私が泣くなんて、勝手にも程があるってわかってたから歯を強く、強く噛み締める。
曜ちゃんはしばらく私の顔を眺めていたけど、一言「また明日ね」って言って歩き始めた。
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4: 2017/06/04(日) 12:41:03.62 ID:Z/SOh3KD.net
「曜ちゃん、ずるいよ」
吐息に混ざって小さく吐き出した言葉に、曜ちゃんが引き止められる。
ゆっくりと振り向いて眉をハの字にしたままに「どうして?」と泣きそうな声で。
「私の気持ちから逃げないでよ…」
「逃げてる訳じゃ」
「逃げてるよッッ!」
吐息に混ざって小さく吐き出した言葉に、曜ちゃんが引き止められる。
ゆっくりと振り向いて眉をハの字にしたままに「どうして?」と泣きそうな声で。
「私の気持ちから逃げないでよ…」
「逃げてる訳じゃ」
「逃げてるよッッ!」
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5: 2017/06/04(日) 12:42:12.32 ID:Z/SOh3KD.net
「ち、かちゃ…」
「曜ちゃんは、いつもそうだよ…昔からいつも…いつも!つらいときとか悲しいときとか何も言わないで…一人で抱え込んで!私、そんなに頼りないんだなって…私じゃ曜ちゃんのこと、助けられないんだって!」
気持ちが昂って、大きな声を出してしまう。
一瞬驚いたような顔をしていたけど、すぐに今にでも泣き出してしまいそうな顔に変わった。
「曜ちゃんは、いつもそうだよ…昔からいつも…いつも!つらいときとか悲しいときとか何も言わないで…一人で抱え込んで!私、そんなに頼りないんだなって…私じゃ曜ちゃんのこと、助けられないんだって!」
気持ちが昂って、大きな声を出してしまう。
一瞬驚いたような顔をしていたけど、すぐに今にでも泣き出してしまいそうな顔に変わった。
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6: 2017/06/04(日) 12:42:40.64 ID:Z/SOh3KD.net
「そんなの、千歌ちゃんもだよ…」
「……え?」
「私だって、ずっとそう思ってた。千歌ちゃんは、私が幼なじみで嫌だったのかな、って…」
「そんなこと……」
「…私も、千歌ちゃんのこと頼りないなんて思ってないよ」
「じゃあ、なんでなにも…」
「千歌ちゃんこそ……どうして」
「……え?」
「私だって、ずっとそう思ってた。千歌ちゃんは、私が幼なじみで嫌だったのかな、って…」
「そんなこと……」
「…私も、千歌ちゃんのこと頼りないなんて思ってないよ」
「じゃあ、なんでなにも…」
「千歌ちゃんこそ……どうして」
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7: 2017/06/04(日) 12:44:44.29 ID:Z/SOh3KD.net
どうして、なんで、って意味のない言葉が飛び交った。
どちらも答えは出さないから、空中にたくさんの疑問が浮かんだまま。
それらはどれも長い間溜まり続けた消えることのない不満とか、不安だったと思う。
いくら増えても終わりが見えないそれを終わらせたのは、曜ちゃんだった。
それは、考え得る限りでは最悪な終わり方だ。
どちらも答えは出さないから、空中にたくさんの疑問が浮かんだまま。
それらはどれも長い間溜まり続けた消えることのない不満とか、不安だったと思う。
いくら増えても終わりが見えないそれを終わらせたのは、曜ちゃんだった。
それは、考え得る限りでは最悪な終わり方だ。
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9: 2017/06/04(日) 12:45:32.38 ID:Z/SOh3KD.net
「千歌ちゃんが好きになったのが、梨子ちゃんだったら良かったのに」
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10: 2017/06/04(日) 12:45:59.46 ID:Z/SOh3KD.net
私の中で、何かが音をたてて崩れていった。
我慢していた涙が一滴、ぽたりと地面に落ちる。
じんわりと寂しそうに広がるそれを意味もなく眺める。
「……最低」
一度溢れたものはもう二度と戻ることはなくて、きっとこんな言葉だって意味なんかなかった。
ぽたりぽたりと次々に地面へ広がる水滴。
空は晴れているのに私の上だけに雨が降ってるみたいだ。
ざあざあと私の中に降り注ぐ、雨だ。
我慢していた涙が一滴、ぽたりと地面に落ちる。
じんわりと寂しそうに広がるそれを意味もなく眺める。
「……最低」
一度溢れたものはもう二度と戻ることはなくて、きっとこんな言葉だって意味なんかなかった。
ぽたりぽたりと次々に地面へ広がる水滴。
空は晴れているのに私の上だけに雨が降ってるみたいだ。
ざあざあと私の中に降り注ぐ、雨だ。
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11: 2017/06/04(日) 12:47:03.13 ID:Z/SOh3KD.net
「うん、ごめんね千歌ちゃん」
「本当…私って、最低だ」
なんとなく、曜ちゃんの顔は見れないままだったけど、きっとその顔は歪んでしまっているんだろうなってそんな気がした。
わかんない。
曜ちゃんのこと、私なんにもわからないよ。
「本当…私って、最低だ」
なんとなく、曜ちゃんの顔は見れないままだったけど、きっとその顔は歪んでしまっているんだろうなってそんな気がした。
わかんない。
曜ちゃんのこと、私なんにもわからないよ。
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12: 2017/06/04(日) 12:48:02.02 ID:Z/SOh3KD.net
「……バス来ちゃうからもう行くね」
「…うん」
「また、明日」
「……うん」
そのまま、曜ちゃんが振り向くことはなかった。
ようやく私は顔を上げて、一人世界に
取り残されたような気持ちでその背中を眺め続けていた。
見えなくなるまで、ずっと。
「…うん」
「また、明日」
「……うん」
そのまま、曜ちゃんが振り向くことはなかった。
ようやく私は顔を上げて、一人世界に
取り残されたような気持ちでその背中を眺め続けていた。
見えなくなるまで、ずっと。
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13: 2017/06/04(日) 12:48:42.83 ID:Z/SOh3KD.net
***
「はぁ…」
思わず出たため息。
学校をサボるなんて、初めてだ。
Aqoursの練習だってあるのに…。
でも、あんなことがあって、いつも通りになんてできないよ。
曜ちゃんはどうしてるのかな。
どこかもやもやしてくれてるのかな。
それとも、私のことなんてなんとも思ってない?
そんな私の気持ちとは裏腹に、明るい曲が部屋に響く。
自分で設定した着信音なのに少し耳障りだと思った。
「はぁ…」
思わず出たため息。
学校をサボるなんて、初めてだ。
Aqoursの練習だってあるのに…。
でも、あんなことがあって、いつも通りになんてできないよ。
曜ちゃんはどうしてるのかな。
どこかもやもやしてくれてるのかな。
それとも、私のことなんてなんとも思ってない?
そんな私の気持ちとは裏腹に、明るい曲が部屋に響く。
自分で設定した着信音なのに少し耳障りだと思った。
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14: 2017/06/04(日) 12:49:15.42 ID:Z/SOh3KD.net
きっと誰かが心配して電話してきてくれたんだろうけど、今はとてもそんな気分にはなれない。
相手だけでも見ておこうとスマホを手に取ったが、すぐにそれは私の手から滑り落ちていった。
――なんで、曜ちゃんから。
もうやめてよ。
どうして電話なんて。
切ろうかとも思ったけど、やっぱり私は単純で。
心のどこか少しでも期待しているのだろうか、通話ボタンを押していた。
相手だけでも見ておこうとスマホを手に取ったが、すぐにそれは私の手から滑り落ちていった。
――なんで、曜ちゃんから。
もうやめてよ。
どうして電話なんて。
切ろうかとも思ったけど、やっぱり私は単純で。
心のどこか少しでも期待しているのだろうか、通話ボタンを押していた。
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15: 2017/06/04(日) 12:49:42.02 ID:Z/SOh3KD.net
「も、もしもし…」
【千歌ちゃん!よかった…出てくれて】
「…どうしたの?」
【あー…学校来てなかったし、その…昨日のことも……ってああ!そうじゃなくて!】
【千歌ちゃんに会いたいなって思ってさ】
「……なにそれ」
【千歌ちゃん!よかった…出てくれて】
「…どうしたの?」
【あー…学校来てなかったし、その…昨日のことも……ってああ!そうじゃなくて!】
【千歌ちゃんに会いたいなって思ってさ】
「……なにそれ」
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16: 2017/06/04(日) 12:50:11.60 ID:Z/SOh3KD.net
昨日、私の気持ちを否定して、あんなことまで言っておいて会いたいだなんて。
今さら言うことなんてないでしょう?
なのに、どうしてかな。
私の口は自然と「私も会いたい」だなんて言ってしまうのだから。
【じゃあいつものとこでね】
それだけ言って切られてしまった。
今さら言うことなんてないでしょう?
なのに、どうしてかな。
私の口は自然と「私も会いたい」だなんて言ってしまうのだから。
【じゃあいつものとこでね】
それだけ言って切られてしまった。
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17: 2017/06/04(日) 12:51:01.85 ID:Z/SOh3KD.net
『いつものとこ』
他人にはわからない私たちだけの秘密。
そんな秘密が心地よくて、昔から二人きりになりたいときはよく使ってたっけ。
美渡姉と大喧嘩したあと、曜ちゃんが大会で負けちゃったあと、テストで赤点を取ったあと、悲しいときはいつもそこに行ってた。
お互い何かを言うわけじゃなくて、ただ一緒にいるだけ。
それだけで心が軽くなったんだ。
他人にはわからない私たちだけの秘密。
そんな秘密が心地よくて、昔から二人きりになりたいときはよく使ってたっけ。
美渡姉と大喧嘩したあと、曜ちゃんが大会で負けちゃったあと、テストで赤点を取ったあと、悲しいときはいつもそこに行ってた。
お互い何かを言うわけじゃなくて、ただ一緒にいるだけ。
それだけで心が軽くなったんだ。
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18: 2017/06/04(日) 12:51:28.57 ID:Z/SOh3KD.net
でも、なんだか気恥ずかしくて、そんなこともしなくなったのはいつからだっただろう。
昔はずっと隣にいたけど、今はどうだろう。
靴をはいて外に出る。
『いつものとこ』は私の家からそんなに遠くない。
目の前が海で、少し高台になったところ。
穏やかな波の音と、優しい潮風がすごく気持ちいいんだ。
昔はずっと隣にいたけど、今はどうだろう。
靴をはいて外に出る。
『いつものとこ』は私の家からそんなに遠くない。
目の前が海で、少し高台になったところ。
穏やかな波の音と、優しい潮風がすごく気持ちいいんだ。
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19: 2017/06/04(日) 12:52:02.68 ID:Z/SOh3KD.net
その場所に着くと、既に曜ちゃんがいた。
じっと海を見つめていた。
どこか儚げで、壊れてしまいそうな危うさがある。
そんな横顔を見て、とても綺麗だと思った。
「千歌ちゃん、来てくれたんだ」
私に気付くとふっ、と小さく笑ってくれた。
誰が見たって作り笑いだとわかっちゃうくらい下手くそだった。
じっと海を見つめていた。
どこか儚げで、壊れてしまいそうな危うさがある。
そんな横顔を見て、とても綺麗だと思った。
「千歌ちゃん、来てくれたんだ」
私に気付くとふっ、と小さく笑ってくれた。
誰が見たって作り笑いだとわかっちゃうくらい下手くそだった。
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20: 2017/06/04(日) 12:52:30.77 ID:Z/SOh3KD.net
「ほら、座って?」
ぽんぽんと隣に座るように促されて、そのまま私は座った。
「はい、どうぞ」
みかんアイスをパキッと半分に割って、その片方を手渡してくる。
ありがとうと一言お礼を言ってから受け取った。
ぽんぽんと隣に座るように促されて、そのまま私は座った。
「はい、どうぞ」
みかんアイスをパキッと半分に割って、その片方を手渡してくる。
ありがとうと一言お礼を言ってから受け取った。
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21: 2017/06/04(日) 12:53:13.86 ID:Z/SOh3KD.net
「あのさ、昨日のことなんだけど」
曜ちゃんは一度深呼吸をしてから、ゆっくりと話始める。
「あのときは私も動揺しちゃって、ひどいことたくさん言って、ごめん。本当にごめん。いっぱい傷付けたよね」
「千歌ちゃんの気持ちが嫌だった訳じゃないの。むしろすごく嬉しかった。でも、それと同時にすごく怖くなったんだ」
曜ちゃんは一度深呼吸をしてから、ゆっくりと話始める。
「あのときは私も動揺しちゃって、ひどいことたくさん言って、ごめん。本当にごめん。いっぱい傷付けたよね」
「千歌ちゃんの気持ちが嫌だった訳じゃないの。むしろすごく嬉しかった。でも、それと同時にすごく怖くなったんだ」
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22: 2017/06/04(日) 12:54:37.72 ID:Z/SOh3KD.net
「千歌ちゃんが言ってたみたいにさ、私ってずるいんだ。普通ならこうするべきだって、常識みたいなものに囚われて…」
「今さら言うのはずるいかもしれないけど…私、ずっと千歌ちゃんのこと好きだった。恋愛対象として」
「でもさ、女の子同士でしょ?それに千歌ちゃんが私のことを好きでいてくれる自信なんてなかったから、諦めてたの」
「今さら言うのはずるいかもしれないけど…私、ずっと千歌ちゃんのこと好きだった。恋愛対象として」
「でもさ、女の子同士でしょ?それに千歌ちゃんが私のことを好きでいてくれる自信なんてなかったから、諦めてたの」
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23: 2017/06/04(日) 12:55:11.76 ID:Z/SOh3KD.net
「だから、昨日千歌ちゃんに好きだって言われて…本当はすぐにOKしようと思ってたんだけど、今はほら、アイドルやってるでしょ?」
「うん…まぁ、それだけじゃないか。Aqoursのみんなは応援してくれそうだけど、世間的な目とか、考えたら…」
「私と付き合っても、千歌ちゃんを幸せにできない。つらい思いをさせるだけだ…って。だからね、私のことを嫌いになってもらいたくて、あんな最低なこと言っちゃったんだ」
「うん…まぁ、それだけじゃないか。Aqoursのみんなは応援してくれそうだけど、世間的な目とか、考えたら…」
「私と付き合っても、千歌ちゃんを幸せにできない。つらい思いをさせるだけだ…って。だからね、私のことを嫌いになってもらいたくて、あんな最低なこと言っちゃったんだ」
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24: 2017/06/04(日) 12:55:38.99 ID:Z/SOh3KD.net
「……まぁ、今こうやって話しちゃってるから意味ないんだけどね…」
たはは、って自虐的に笑った曜ちゃんの顔は寂しそうだった。
私は気付いたら曜ちゃんのことを抱きしめていた。
コトンと音を立ててみかんアイスが落ちた。
「…ばか曜ちゃん」
「ば、ばかって…」
たはは、って自虐的に笑った曜ちゃんの顔は寂しそうだった。
私は気付いたら曜ちゃんのことを抱きしめていた。
コトンと音を立ててみかんアイスが落ちた。
「…ばか曜ちゃん」
「ば、ばかって…」
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25: 2017/06/04(日) 12:56:07.48 ID:Z/SOh3KD.net
「そんなの、気にしないよ…!曜ちゃんと付き合って、嫌なことがあるよりも、曜ちゃんにあんなこと言われる方が何倍も、何十倍もつらいんだからね!」
「ご、めん…っ」
「私は曜ちゃんが好きなの!他の人がどう思うかなんてどうでもいい!」
「っ…!」
「ご、めん…っ」
「私は曜ちゃんが好きなの!他の人がどう思うかなんてどうでもいい!」
「っ…!」
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26: 2017/06/04(日) 12:56:43.24 ID:Z/SOh3KD.net
「だから、だから…そんな悲しい顔しないで…?」
涙が伝う曜ちゃんの頬を優しく撫でる。
あたたかくて、愛おしく感じた。
「ねぇ千歌ちゃん…今からでもやり直せるかなあ?」
「うん、いつだってやり直せる!」
「もう…千歌ちゃんのこと傷付けたりしないから……ずっと、ずっと守るからさ」
「私と付き合ってください」
涙が伝う曜ちゃんの頬を優しく撫でる。
あたたかくて、愛おしく感じた。
「ねぇ千歌ちゃん…今からでもやり直せるかなあ?」
「うん、いつだってやり直せる!」
「もう…千歌ちゃんのこと傷付けたりしないから……ずっと、ずっと守るからさ」
「私と付き合ってください」
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27: 2017/06/04(日) 12:57:10.20 ID:Z/SOh3KD.net
いつかのように地面に広がる水滴は二人分で、それは冷たい雨なんかじゃなくてあたたかい、シャワーみたいに感じたんだ。
もう一度強く、強く抱きしめた。
I love You
You love me
子どもみたいな言葉遊び。
小さいときに『You』って、ようとゆー二つあってわかりにくいね、なんて笑い合ったっけ。
「ねぇ曜ちゃん?」
「なあに?」
「あいらぶよー!」
もう一度強く、強く抱きしめた。
I love You
You love me
子どもみたいな言葉遊び。
小さいときに『You』って、ようとゆー二つあってわかりにくいね、なんて笑い合ったっけ。
「ねぇ曜ちゃん?」
「なあに?」
「あいらぶよー!」
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28: 2017/06/04(日) 12:57:40.31 ID:Z/SOh3KD.net
今もまだまだ子どもで、そんなばかみたいなことで笑い合って。
曜ちゃんは歯を見せて笑って「よーらぶちか!」
なんて言ってくるんだもん。
やっぱり、曜ちゃんのこと大好きみたい。
顔に熱が集まってくるのを感じる。
いつまでも、こうやってばかみたいなことを話していたいね。
あいらぶよー!よーらぶみー!
曜ちゃんは歯を見せて笑って「よーらぶちか!」
なんて言ってくるんだもん。
やっぱり、曜ちゃんのこと大好きみたい。
顔に熱が集まってくるのを感じる。
いつまでも、こうやってばかみたいなことを話していたいね。
あいらぶよー!よーらぶみー!
0
29: 2017/06/04(日) 12:58:17.04 ID:Z/SOh3KD.net
おしまい。
引用元: http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1496547583/