0
1: ◆nNTwFclD★ 2025/05/12(月) 23:31:35 ID:???00
ー音ノ木坂ー
構成員「……それでさ、金保留来たんだからそりゃ~Rush行くでしょって思ったの」
構成員「流石に金保留は熱いもんね。って事は金ヤマトも?」
構成員「出たよ、勿論。でもレバブルが無くてさ」
構成員「あっ……それは、うん」
構成員「察したね。まあ、案の定でしたけどね」
<ザッザッ…
構成員「ちゃんとフルカスタムだったの?」
構成員「あたしどの台も基本フルカスだから。当たる訳ない演出で弄ばれるのダルいし」
<ザッ…
構成員「……!」
構成員「だって青保留で発展リーチされてもウザ……どしたの?」
構成員「いや…明らかに同業者が」
<?「……園田組の子?」
構成員「…どちら様でしょうか」
構成員「カチコミ?」
?「な訳ないでしょ……誰か目上の方を呼んで頂ける?」
構成員「目上ったって…」
構成員「津島のカシラは?」
構成員「……ちょっと待ってて。あ、お名前は?」
すみれ「……すみれ。神宮一家の平安名すみれ」
構成員「……それでさ、金保留来たんだからそりゃ~Rush行くでしょって思ったの」
構成員「流石に金保留は熱いもんね。って事は金ヤマトも?」
構成員「出たよ、勿論。でもレバブルが無くてさ」
構成員「あっ……それは、うん」
構成員「察したね。まあ、案の定でしたけどね」
<ザッザッ…
構成員「ちゃんとフルカスタムだったの?」
構成員「あたしどの台も基本フルカスだから。当たる訳ない演出で弄ばれるのダルいし」
<ザッ…
構成員「……!」
構成員「だって青保留で発展リーチされてもウザ……どしたの?」
構成員「いや…明らかに同業者が」
<?「……園田組の子?」
構成員「…どちら様でしょうか」
構成員「カチコミ?」
?「な訳ないでしょ……誰か目上の方を呼んで頂ける?」
構成員「目上ったって…」
構成員「津島のカシラは?」
構成員「……ちょっと待ってて。あ、お名前は?」
すみれ「……すみれ。神宮一家の平安名すみれ」
0
2: ◆nNTwFclD★ 2025/05/12(月) 23:34:22 ID:???00
────
善子「神宮一家の?何でまた……」
海未「……先の1件で追われたのでしょう。丁重にお迎えなさい」
善子「分かりました……というか、私でいいんですか?」
海未「私がわざわざ出迎えるのも違いますし、若い子達には対応しきれない。ですがあなたならその方に対応出来るのですよ」
善子「……?取り敢えず、迎えます」
海未「ええ、お願いしますね。後でここに」
構成員「どうぞ」
テクテク
善子「神宮一家の?何でまた……」
海未「……先の1件で追われたのでしょう。丁重にお迎えなさい」
善子「分かりました……というか、私でいいんですか?」
海未「私がわざわざ出迎えるのも違いますし、若い子達には対応しきれない。ですがあなたならその方に対応出来るのですよ」
善子「……?取り敢えず、迎えます」
海未「ええ、お願いしますね。後でここに」
構成員「どうぞ」
テクテク
0
3: ◆nNTwFclD★ 2025/05/12(月) 23:37:05 ID:???00
すみれ「……」
構成員「……玄関先で突っ立ってないで、入れば?ウチと敵対してるとかじゃないんでしょ?」
すみれ「それじゃ礼儀がなってないわ」
構成員「はーん……?」
<構成員「お名前は平安名さんと」
<善子「ん」
すみれ「……」
善子「……」
スッ…
すみれ「……ご当家、軒下の仁義。失礼ですが、お控え下さい」
構成員「……ぷっ」
構成員「……善子さん、分かんないけどこれ何か古くないですか?」
善子「……なるほどね。あたしが来た意味はこれか」ボソッ
構成員「え?」
スッ
善子「……ありがとうございます。軒下の仁義に失礼しますが、手前これにて控えさせて頂きます」
構成員(カシラまでやるんかい……笑)
すみれ「早速ながら、ご当家三尺三寸借り受けまして稼業、仁義を発します」
善子「手前当家の若輩者でございます。どうぞお控え下さい」
すみれ「手前、旅中の者でございます。是非ともお姉えさんからお控え下さい」
善子「ありがとうございます。再三のお言葉、逆意とは心得ますが手前、これにて控えさせて頂きます」
すみれ「早速のお控えありがとう存じます。不束者につき前後間違えましたる節は重ねて失礼にございますが、まっぴらご容赦願います」
ザッ
構成員「……玄関先で突っ立ってないで、入れば?ウチと敵対してるとかじゃないんでしょ?」
すみれ「それじゃ礼儀がなってないわ」
構成員「はーん……?」
<構成員「お名前は平安名さんと」
<善子「ん」
すみれ「……」
善子「……」
スッ…
すみれ「……ご当家、軒下の仁義。失礼ですが、お控え下さい」
構成員「……ぷっ」
構成員「……善子さん、分かんないけどこれ何か古くないですか?」
善子「……なるほどね。あたしが来た意味はこれか」ボソッ
構成員「え?」
スッ
善子「……ありがとうございます。軒下の仁義に失礼しますが、手前これにて控えさせて頂きます」
構成員(カシラまでやるんかい……笑)
すみれ「早速ながら、ご当家三尺三寸借り受けまして稼業、仁義を発します」
善子「手前当家の若輩者でございます。どうぞお控え下さい」
すみれ「手前、旅中の者でございます。是非ともお姉えさんからお控え下さい」
善子「ありがとうございます。再三のお言葉、逆意とは心得ますが手前、これにて控えさせて頂きます」
すみれ「早速のお控えありがとう存じます。不束者につき前後間違えましたる節は重ねて失礼にございますが、まっぴらご容赦願います」
ザッ
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5: ◆nNTwFclD★ 2025/05/12(月) 23:40:21 ID:???00
すみれ「……手前、生国は東京渋谷神宮前、表参道を通りて隠田神社に発します」
すみれ「稼業、縁持ちまして身の片親と発しますは、原宿に元居を構えておりました神宮一家当代、東條希に付き従います若い者です」
善子「……」
すみれ「姓は平安名、名はすみれ。見ての通りしがない駆け出し者でございます。以後お見知り置きの上向後万端、ざっくばらんに宜しくお願い申します」
構成員(すげー……よくこんなスラスラ出るなぁ。マジ昔の映画みたい)
構成員(うん……でも今令和なんだけどね笑)
構成員(それはそう笑)
善子「……ありがとうございます。ご丁寧なお言葉に対し申し遅れまして失礼を致します」
すみれ「……」
善子「手前、園田組3代目、園田海未に従い預けられました若頭の末席を汚しております者」
善子「姓は津島、名は善子。稼業未だ未熟の駆け出し者です。以後万事万端宜しくお願い致します」
すみれ「斯様に丁寧な仁義、誠に恐れ入ります。どうぞお手をお上げ下さい」
善子「ありがとうございます。そちらからお上げなさって」
すみれ「それでは困ります」
善子「…では、ご一緒にお上げなさい」
スッ
すみれ「ありがとうございます」
善子「ありがとうございます」
すみれ「稼業、縁持ちまして身の片親と発しますは、原宿に元居を構えておりました神宮一家当代、東條希に付き従います若い者です」
善子「……」
すみれ「姓は平安名、名はすみれ。見ての通りしがない駆け出し者でございます。以後お見知り置きの上向後万端、ざっくばらんに宜しくお願い申します」
構成員(すげー……よくこんなスラスラ出るなぁ。マジ昔の映画みたい)
構成員(うん……でも今令和なんだけどね笑)
構成員(それはそう笑)
善子「……ありがとうございます。ご丁寧なお言葉に対し申し遅れまして失礼を致します」
すみれ「……」
善子「手前、園田組3代目、園田海未に従い預けられました若頭の末席を汚しております者」
善子「姓は津島、名は善子。稼業未だ未熟の駆け出し者です。以後万事万端宜しくお願い致します」
すみれ「斯様に丁寧な仁義、誠に恐れ入ります。どうぞお手をお上げ下さい」
善子「ありがとうございます。そちらからお上げなさって」
すみれ「それでは困ります」
善子「…では、ご一緒にお上げなさい」
スッ
すみれ「ありがとうございます」
善子「ありがとうございます」
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6: ◆nNTwFclD★ 2025/05/12(月) 23:43:04 ID:???00
構成員「お~」パチパチ
構成員「姉貴、流石ですね!こういうののやり方も知ってるなんて」
善子「昔海未さんに教えられたの。アンタもいつの時代から来たのよ」
すみれ「ウチも親から教えられただけ。他の組に邪魔する時は、こうしなさいってね」
善子「希さんね……ま、追々聞くわ。上がって」
すみれ「失礼します」
構成員「姉貴、流石ですね!こういうののやり方も知ってるなんて」
善子「昔海未さんに教えられたの。アンタもいつの時代から来たのよ」
すみれ「ウチも親から教えられただけ。他の組に邪魔する時は、こうしなさいってね」
善子「希さんね……ま、追々聞くわ。上がって」
すみれ「失礼します」
0
7: ◆nNTwFclD★ 2025/05/12(月) 23:46:07 ID:???00
────
<コンコン
海未「はい」
ガチャッ
善子「当代、お連れしました」
すみれ「……」スッ
海未「ごきげんよう」
すみれ「園田組当代、園田海未さんとお見受けします。お初にお目にかかります」
海未「津島より聞き及んでいます。どうぞお入りなさい」
すみれ「恐れ入ります」
バタン…
善子「……いや、やっぱアンタ古くない?マジで昭和から来たの?」
すみれ「だってこうしろって希さんが……」
海未「ふふ、あの希の事です。面白がって仕込んだだけだと思いますけどね」
すみれ「え!?」
海未「そういう所があるのですよ希は。客人にお茶を」
構成員「はいっ」
善子「確か、ウチと神宮一家は特に繋がりがある訳じゃ……」
海未「ええ、ただの茶飲み友達ですよ」
すみれ「……」
海未「だから……お互い不可侵の約束だったんです。筋者同士の関わり合いは無しと。この時代、私達位はただの友達でいようと」
すみれ「……希さんは、私達下の者を守る為、単身【台場組】に乗り込みました。その後通達が来て、神宮一家は台場組の傘下となると言い渡してきて……」
<コンコン
海未「はい」
ガチャッ
善子「当代、お連れしました」
すみれ「……」スッ
海未「ごきげんよう」
すみれ「園田組当代、園田海未さんとお見受けします。お初にお目にかかります」
海未「津島より聞き及んでいます。どうぞお入りなさい」
すみれ「恐れ入ります」
バタン…
善子「……いや、やっぱアンタ古くない?マジで昭和から来たの?」
すみれ「だってこうしろって希さんが……」
海未「ふふ、あの希の事です。面白がって仕込んだだけだと思いますけどね」
すみれ「え!?」
海未「そういう所があるのですよ希は。客人にお茶を」
構成員「はいっ」
善子「確か、ウチと神宮一家は特に繋がりがある訳じゃ……」
海未「ええ、ただの茶飲み友達ですよ」
すみれ「……」
海未「だから……お互い不可侵の約束だったんです。筋者同士の関わり合いは無しと。この時代、私達位はただの友達でいようと」
すみれ「……希さんは、私達下の者を守る為、単身【台場組】に乗り込みました。その後通達が来て、神宮一家は台場組の傘下となると言い渡してきて……」
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8: ◆nNTwFclD★ 2025/05/12(月) 23:49:12 ID:???00
海未「……分かっています」
構成員「失礼します、お茶を」
すみれ「分かっておられたんなら、何か手を貸して下さるとか!」ガタッ
構成員「うわっとぉ!?」
善子「すみれ!」
海未「私の所にも来てましたから。台場の使者が」
すみれ「!」
構成員「お茶置いときまーす……」コトッ
善子「ありがとね」
構成員「ういっすー……」
海未「あなたのいた神宮一家も、園田組も小さい組織です。どこの派閥にも属さず街に根ざし、古き良きを重んじていた……そんな所だったでしょう」
すみれ「…はい」
海未「そこに奴等は目を付けてきました。ウチの様な小さい組をどんどんと吸収し、ゆくゆくこの関東一円をまとめ上げる。その一心で」
海未「しかし、時は令和です。街中でドンパチかますのも普通やりません。やりたいとも思えない。そんな牙は、今の我々には無い」
すみれ「……」
海未「希は血を流すのを何より嫌います。そうでしょう?だから、自分を人質にし、一先ずはあなた達の安全を引き換えにした……そんな所でしょうね」
すみれ「では、園田組に来た台場の者はどうされたので?」
海未「さて。季節外れの海水浴に行くとか何とか言ってましたけど」ゴクッ
すみれ「……!!」
海未「希の所は……あなたの一家は穏健派です、それは本当に良い事ですよ。ただ、ウチは違う。私たちの住む街と、その子達に危害が及ぶかもしれないのならば」
海未「我が園田組、修羅の道をどこまでも突き進む覚悟です」
善子「……」ゴクッ
構成員「失礼します、お茶を」
すみれ「分かっておられたんなら、何か手を貸して下さるとか!」ガタッ
構成員「うわっとぉ!?」
善子「すみれ!」
海未「私の所にも来てましたから。台場の使者が」
すみれ「!」
構成員「お茶置いときまーす……」コトッ
善子「ありがとね」
構成員「ういっすー……」
海未「あなたのいた神宮一家も、園田組も小さい組織です。どこの派閥にも属さず街に根ざし、古き良きを重んじていた……そんな所だったでしょう」
すみれ「…はい」
海未「そこに奴等は目を付けてきました。ウチの様な小さい組をどんどんと吸収し、ゆくゆくこの関東一円をまとめ上げる。その一心で」
海未「しかし、時は令和です。街中でドンパチかますのも普通やりません。やりたいとも思えない。そんな牙は、今の我々には無い」
すみれ「……」
海未「希は血を流すのを何より嫌います。そうでしょう?だから、自分を人質にし、一先ずはあなた達の安全を引き換えにした……そんな所でしょうね」
すみれ「では、園田組に来た台場の者はどうされたので?」
海未「さて。季節外れの海水浴に行くとか何とか言ってましたけど」ゴクッ
すみれ「……!!」
海未「希の所は……あなたの一家は穏健派です、それは本当に良い事ですよ。ただ、ウチは違う。私たちの住む街と、その子達に危害が及ぶかもしれないのならば」
海未「我が園田組、修羅の道をどこまでも突き進む覚悟です」
善子「……」ゴクッ
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9: ◆nNTwFclD★ 2025/05/12(月) 23:52:06 ID:???00
すみれ「……失礼致しました。親分さんのお気持ち汲み取れず、感情に任せてしまい……」
海未「構いません。良い子を持ちましたね、希は」
善子「……それで?すみれはここに何をしにきたの?」
すみれ「……みるみる台場組の奴等が街にのさばり出して……抵抗はしたんだけど、流石に数には勝てなくておめおめとここまで逃げて来たって訳」
善子「そう……仲間は?」
すみれ「散り散りよ。通達が来た時から、組はバラバラになって……皆、どっかに行ったわ」
善子「そう……」
すみれ「……組長、先だってお願いがあって参りました。お聞き頂けませんか」
海未「希とは縁あっての仲でした。力になれる事なら」
すみれ「ありがとうございます。人を探すのに、ご助力頂きたいんです」
海未「人を……」
すみれ「私の姉妹(きょうだい)分の、澁谷かのんという子を探して欲しいんです」
すみれ「一家再興の為、彼女の力は必要なんです……」
────
海未「構いません。良い子を持ちましたね、希は」
善子「……それで?すみれはここに何をしにきたの?」
すみれ「……みるみる台場組の奴等が街にのさばり出して……抵抗はしたんだけど、流石に数には勝てなくておめおめとここまで逃げて来たって訳」
善子「そう……仲間は?」
すみれ「散り散りよ。通達が来た時から、組はバラバラになって……皆、どっかに行ったわ」
善子「そう……」
すみれ「……組長、先だってお願いがあって参りました。お聞き頂けませんか」
海未「希とは縁あっての仲でした。力になれる事なら」
すみれ「ありがとうございます。人を探すのに、ご助力頂きたいんです」
海未「人を……」
すみれ「私の姉妹(きょうだい)分の、澁谷かのんという子を探して欲しいんです」
すみれ「一家再興の為、彼女の力は必要なんです……」
────
0
10: ◆nNTwFclD★ 2025/05/12(月) 23:55:39 ID:???00
ー客間ー
<ザーッ…
すみれ「……」
───『承りました。澁谷かのんを探す様組員に私から伝えておきます』
───『あなたも行く場所が無いんでしょう。暫くウチでゆっくりしていきなさい』
───『身の回りの事は私が面倒見るわ。何かあればいつでも言って』
<ザーッ……
すみれ「……情けないったら無いわ」
<コンコン
すみれ「はい」
<「失礼します」
ガラッ
構成員「えーと……時、の、しのぎ?です。どうぞ」
すみれ「無理してそんな言葉使わなくても良いのに」
構成員「姉さんがそう言えって言うから!」
善子「ふふっ、って事でメシよ。お腹空いたでしょ」
すみれ「……頂きます」
───
<ザーッ…
すみれ「……」
───『承りました。澁谷かのんを探す様組員に私から伝えておきます』
───『あなたも行く場所が無いんでしょう。暫くウチでゆっくりしていきなさい』
───『身の回りの事は私が面倒見るわ。何かあればいつでも言って』
<ザーッ……
すみれ「……情けないったら無いわ」
<コンコン
すみれ「はい」
<「失礼します」
ガラッ
構成員「えーと……時、の、しのぎ?です。どうぞ」
すみれ「無理してそんな言葉使わなくても良いのに」
構成員「姉さんがそう言えって言うから!」
善子「ふふっ、って事でメシよ。お腹空いたでしょ」
すみれ「……頂きます」
───
0
11: ◆nNTwFclD★ 2025/05/12(月) 23:58:08 ID:???00
善子「アンタらも食べなさい」
構成員「え、私らも一緒に良いんですか?」
善子「いつもコンビニでしょ。たまにはこんな一汁二菜を食っとくといいわ」
構成員「あ、はい……頂きます」
構成員(焼き魚にご飯、味噌汁……漬物は2切れて。少ないんだよなぁ)
構成員(ねぇ?戦時中じゃあるまいし)
構成員(戦時中ってこんなご飯食べれたの?)
構成員(いや知らんけど。適当言った)
善子「……」
すみれ「……」
善子「遠慮なく、お上がんなさい」
構成員「あ、じゃあ……」ペコッ
構成員「……もぐもぐ」
すみれ「……ご厚情に預かります」スッ
構成員(何あの紙……)
すみれ「……ずずーっ」
構成員「あでも、たまにはこういうのって良いな……」ズズッ
構成員「うん。すいませんおかわり下さい」パリッ
善子「ん。早いのね」
すみれ「もぐもぐ」
善子「……」
すみれ「……」スッ…
構成員(平安名さんも食べるの早……くない!?真ん中一口しか食べてないじゃん!)
善子「…作法にかなったおかわり、恐れ入ります」
構成員(合ってんだ……)
すみれ「……」ペコッ
構成員「え、私らも一緒に良いんですか?」
善子「いつもコンビニでしょ。たまにはこんな一汁二菜を食っとくといいわ」
構成員「あ、はい……頂きます」
構成員(焼き魚にご飯、味噌汁……漬物は2切れて。少ないんだよなぁ)
構成員(ねぇ?戦時中じゃあるまいし)
構成員(戦時中ってこんなご飯食べれたの?)
構成員(いや知らんけど。適当言った)
善子「……」
すみれ「……」
善子「遠慮なく、お上がんなさい」
構成員「あ、じゃあ……」ペコッ
構成員「……もぐもぐ」
すみれ「……ご厚情に預かります」スッ
構成員(何あの紙……)
すみれ「……ずずーっ」
構成員「あでも、たまにはこういうのって良いな……」ズズッ
構成員「うん。すいませんおかわり下さい」パリッ
善子「ん。早いのね」
すみれ「もぐもぐ」
善子「……」
すみれ「……」スッ…
構成員(平安名さんも食べるの早……くない!?真ん中一口しか食べてないじゃん!)
善子「…作法にかなったおかわり、恐れ入ります」
構成員(合ってんだ……)
すみれ「……」ペコッ
0
12: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 00:02:15 ID:???00
もぐもぐ……
ずずーっ
構成員「……んぐっ!?ごほっごほっ」スッ
ドスッ
構成員「がっつくから……」
<テクテク…
海未「……」チラッ
構成員「んぐ……ごめんお茶取って」
構成員「はいはい」
海未「こら」
構成員「っ!?」
海未「ウチの飯は墓場行きですか?」
構成員「んぇ!?」
すみれ「……」チョイチョイ
構成員「え?あ、これ?」
善子「ご飯に箸ぶっ刺すとかマジヤバいから」
構成員「す、すいません……」
海未「……」
<テクテク
すみれ「ずず……」
構成員「あーびっくりした……」
構成員「言われてみれば、あんなの仏壇に供える時しか見ないもんね」
構成員「確かに縁起悪かった……」
善子「……」
ずずーっ
構成員「……んぐっ!?ごほっごほっ」スッ
ドスッ
構成員「がっつくから……」
<テクテク…
海未「……」チラッ
構成員「んぐ……ごめんお茶取って」
構成員「はいはい」
海未「こら」
構成員「っ!?」
海未「ウチの飯は墓場行きですか?」
構成員「んぇ!?」
すみれ「……」チョイチョイ
構成員「え?あ、これ?」
善子「ご飯に箸ぶっ刺すとかマジヤバいから」
構成員「す、すいません……」
海未「……」
<テクテク
すみれ「ずず……」
構成員「あーびっくりした……」
構成員「言われてみれば、あんなの仏壇に供える時しか見ないもんね」
構成員「確かに縁起悪かった……」
善子「……」
0
13: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 00:05:10 ID:???00
すみれ「……ふぅ」
スッ
構成員(……は!?魚の骨持って帰んの!?)
すみれ「手厚きおもてなし、恐れ入ります」
善子「何のお構いもなく」
すみれ「お先に、失礼」
構成員「んぐっ」ペコッ
構成員「……」ペコッ
<テクテク……
構成員「もぐもぐ……何か凄いなぁ」
善子「金筋の客人って奴よ。私がアンタらを同席させたのは、あんな作法を覚えて損が無いから」
構成員「は、はぁ」
善子「確かに古いし細かいし……でもアンタらに足りない"礼儀"の正しさってのが目に見えて分かったでしょ」
構成員「……」
構成員「……え、魚の骨持って帰るのも作法なんですか?」
善子「魚の骨もしっかり頂いたって事で持ち帰って、後々見えない所で捨てるってこと」
構成員「ほぇ~……」
善子「今日ピザの予定だったのにわざとこのメニューにしたんだから。あの子の礼儀作法をもっと見てみたかったし」
構成員(ピザ食べたかった……)
構成員「……善子さん、何でそんな詳しいんですか?」
善子「言ったでしょ。私は海未さんに教えてもらっただけ」
ーーーー
【風呂】
かぽーん
すみれ「はぁ……」
ザバーッ……
すみれ「……」
───『どこ行く気なの!?あんたまでウチからいなくなったら……!』
───『必ず一家の仇を討つ。それまで……お互い生き残ろう』
すみれ「……私だって、こんな命くらい」
<ザーッ……
────
スッ
構成員(……は!?魚の骨持って帰んの!?)
すみれ「手厚きおもてなし、恐れ入ります」
善子「何のお構いもなく」
すみれ「お先に、失礼」
構成員「んぐっ」ペコッ
構成員「……」ペコッ
<テクテク……
構成員「もぐもぐ……何か凄いなぁ」
善子「金筋の客人って奴よ。私がアンタらを同席させたのは、あんな作法を覚えて損が無いから」
構成員「は、はぁ」
善子「確かに古いし細かいし……でもアンタらに足りない"礼儀"の正しさってのが目に見えて分かったでしょ」
構成員「……」
構成員「……え、魚の骨持って帰るのも作法なんですか?」
善子「魚の骨もしっかり頂いたって事で持ち帰って、後々見えない所で捨てるってこと」
構成員「ほぇ~……」
善子「今日ピザの予定だったのにわざとこのメニューにしたんだから。あの子の礼儀作法をもっと見てみたかったし」
構成員(ピザ食べたかった……)
構成員「……善子さん、何でそんな詳しいんですか?」
善子「言ったでしょ。私は海未さんに教えてもらっただけ」
ーーーー
【風呂】
かぽーん
すみれ「はぁ……」
ザバーッ……
すみれ「……」
───『どこ行く気なの!?あんたまでウチからいなくなったら……!』
───『必ず一家の仇を討つ。それまで……お互い生き残ろう』
すみれ「……私だって、こんな命くらい」
<ザーッ……
────
0
14: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 00:08:03 ID:???00
【次の日】
<シトシト…
すみれ「……」
<善子「おはようさん」
すみれ「……ん」
善子「雨降る朝もはよから……健康ね」シュボッ
すみれ「取り柄はそれだけよ。もう10時だけど」
善子「ふー……朝には変わりないわ」
すみれ「……」
善子「見事な庭園でしょ」
すみれ「ええ……雨なのが、寧ろ」
善子「東京ど真ん中に今時珍しいわよね」
すみれ「……」
善子「それでも、ちゃんとした名家の家なんかとは比べ物にならないけどね。寧ろこじんまりしてて……」
すみれ「その方がいいわ……落ち着くもの」
善子「……分かるわ」
すみれ「……」
善子「……」
シトシト…
<シトシト…
すみれ「……」
<善子「おはようさん」
すみれ「……ん」
善子「雨降る朝もはよから……健康ね」シュボッ
すみれ「取り柄はそれだけよ。もう10時だけど」
善子「ふー……朝には変わりないわ」
すみれ「……」
善子「見事な庭園でしょ」
すみれ「ええ……雨なのが、寧ろ」
善子「東京ど真ん中に今時珍しいわよね」
すみれ「……」
善子「それでも、ちゃんとした名家の家なんかとは比べ物にならないけどね。寧ろこじんまりしてて……」
すみれ「その方がいいわ……落ち着くもの」
善子「……分かるわ」
すみれ「……」
善子「……」
シトシト…
0
15: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 00:13:21 ID:???00
善子「……今時、って言うなら……アンタもなかなか時代錯誤甚だしいけどね」
すみれ「否定はしないわ」
善子「今日日、顔に傷作って草履にスーツで、他の組訪ね歩いてくるなんてさ……東映のを見てる気分よ」
すみれ「実録って奴ね。なまじ映画と違うのは、現実にゃ華も何も無いって事位」
善子「……」
すみれ「場所を追われ台場組に追われ、死にはしなくてもボロボロで……音ノ木坂まで」
すみれ「カッコよくもなけりゃ、美しくもない……私がこれからやろうとしてる事も、ただの仇討ちで"映え"なんか無いったら無いわ」
善子「やっぱ考えてんのね」
すみれ「渡世の義理よ。親に守られるヤクザの何て情けない事かって」
すみれ「一家の為なら、この身捨てる覚悟よ。あなただってそうでしょ」
善子「……まあね」
すみれ「……」
<シトシト…
すみれ「……ねぇ、何かやれる事は無い?」
善子「その言葉を待ってたわ。ウチも小さい所帯でね、人手はいつでも欲しいの」
すみれ「先に言わせてしまって、ごめんなさい」
善子「いいの。時代柄強制ってのもさ、何かヤだし」
すみれ「時代……ね」
善子「そうと決まれば行きましょう。説明は道すがらするわ」
────
すみれ「否定はしないわ」
善子「今日日、顔に傷作って草履にスーツで、他の組訪ね歩いてくるなんてさ……東映のを見てる気分よ」
すみれ「実録って奴ね。なまじ映画と違うのは、現実にゃ華も何も無いって事位」
善子「……」
すみれ「場所を追われ台場組に追われ、死にはしなくてもボロボロで……音ノ木坂まで」
すみれ「カッコよくもなけりゃ、美しくもない……私がこれからやろうとしてる事も、ただの仇討ちで"映え"なんか無いったら無いわ」
善子「やっぱ考えてんのね」
すみれ「渡世の義理よ。親に守られるヤクザの何て情けない事かって」
すみれ「一家の為なら、この身捨てる覚悟よ。あなただってそうでしょ」
善子「……まあね」
すみれ「……」
<シトシト…
すみれ「……ねぇ、何かやれる事は無い?」
善子「その言葉を待ってたわ。ウチも小さい所帯でね、人手はいつでも欲しいの」
すみれ「先に言わせてしまって、ごめんなさい」
善子「いいの。時代柄強制ってのもさ、何かヤだし」
すみれ「時代……ね」
善子「そうと決まれば行きましょう。説明は道すがらするわ」
────
0
16: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 00:16:15 ID:???00
ブーン…
構成員「~♪」
善子「次、右ね」
構成員「はーい」
すみれ「……それで?」
善子「時代だ何だ言ってるけど、案外昔ながらってのは残ってるもんで」
善子「ウチが運営してる賭場があってね。そこの用心棒をしてもらいたくて」
すみれ「へぇ……園田組は博徒なのね?」
善子「いや、最近はもうそんな細かく区別する事も無いのよ。少しでも金になる事なら、大体の事は噛んでるって思ってもらって」
すみれ「……」
善子「安心して、薬だきゃ厳禁だから。そればっかりはマジで、やってる奴はまとめてぶっ〇すわ」
構成員「こわ……」
善子「あんたは大丈夫でしょうねー?パ千ンコばっかやって金無いからって、そっち走ってないでしょうねー?」コンコン
構成員「あ、あたしも薬は大っ嫌いなんで!」
善子「ならいいけど」
すみれ「……用心棒ね。別にそんな腕っ節に自信ある訳じゃないわよ」
善子「そう?まあでも、威圧感は半端ないからそれだけでも良いけどね?」
すみれ「…え、そう?」
善子「ええ」
構成員「平安名さん、結構怖いですよ」
すみれ「……まあ、良いか」
───
構成員「~♪」
善子「次、右ね」
構成員「はーい」
すみれ「……それで?」
善子「時代だ何だ言ってるけど、案外昔ながらってのは残ってるもんで」
善子「ウチが運営してる賭場があってね。そこの用心棒をしてもらいたくて」
すみれ「へぇ……園田組は博徒なのね?」
善子「いや、最近はもうそんな細かく区別する事も無いのよ。少しでも金になる事なら、大体の事は噛んでるって思ってもらって」
すみれ「……」
善子「安心して、薬だきゃ厳禁だから。そればっかりはマジで、やってる奴はまとめてぶっ〇すわ」
構成員「こわ……」
善子「あんたは大丈夫でしょうねー?パ千ンコばっかやって金無いからって、そっち走ってないでしょうねー?」コンコン
構成員「あ、あたしも薬は大っ嫌いなんで!」
善子「ならいいけど」
すみれ「……用心棒ね。別にそんな腕っ節に自信ある訳じゃないわよ」
善子「そう?まあでも、威圧感は半端ないからそれだけでも良いけどね?」
すみれ「…え、そう?」
善子「ええ」
構成員「平安名さん、結構怖いですよ」
すみれ「……まあ、良いか」
───
0
17: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 00:19:20 ID:???00
【パ千ンコ屋】
構成員「……到着です」
善子「ん」
すみれ「ここ?ただのパ千ンコ屋じゃ……」
善子「まあまあ」
ガチャッ
バタンッ
<「……あ、お疲れ様ですー!津島のカシラ!」
善子「お疲れ、かすみ。調子は?」
かすみ「ぼちぼちですね。最近は規制規制で、本業の方も回転数落ちてますけどっ」
善子「そっちはどうしようも無いから……ちょっと"奥"に通して」
かすみ「了解!」
<ウィーン
ジャンジャンバリバリジャンジャンバリバリ…
<『SANYO!』
<『あたァッ、ほゥわッたぁッ!!』
<『超強欲ボーナス!』
すみれ「……うっさ」
善子「アンタは打たないの?」
すみれ「好きじゃないの」
善子「そ。良い事ね」
構成員「……おっ、これいいな」ポチポチ
かすみ「こちらです」ガチャッ
すみれ(……事務所?)
構成員「……到着です」
善子「ん」
すみれ「ここ?ただのパ千ンコ屋じゃ……」
善子「まあまあ」
ガチャッ
バタンッ
<「……あ、お疲れ様ですー!津島のカシラ!」
善子「お疲れ、かすみ。調子は?」
かすみ「ぼちぼちですね。最近は規制規制で、本業の方も回転数落ちてますけどっ」
善子「そっちはどうしようも無いから……ちょっと"奥"に通して」
かすみ「了解!」
<ウィーン
ジャンジャンバリバリジャンジャンバリバリ…
<『SANYO!』
<『あたァッ、ほゥわッたぁッ!!』
<『超強欲ボーナス!』
すみれ「……うっさ」
善子「アンタは打たないの?」
すみれ「好きじゃないの」
善子「そ。良い事ね」
構成員「……おっ、これいいな」ポチポチ
かすみ「こちらです」ガチャッ
すみれ(……事務所?)
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18: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 00:22:12 ID:???00
かすみ「そちらは新しく入られた方ですか?」
善子「客分の平安名すみれよ。暫く面倒見る事になってね」
すみれ「宜しく」
かすみ「そうでしたか。じゃ、ここに来るって事は……」
すみれ「用心棒させて貰うらしいわ。取り敢えず下見ってとこ?」
善子「そゆこと」
かすみ「なるほどです。ではこちらへ」
<ガコンッ
すみれ「書類棚の裏……」
かすみ「こっちは組員専用入口です。お客さんは地下の非常階段と店横の裏口から入ってきますよ」
カツカツ…
善子「……うわっぷ!ちょっとかすみ!蜘蛛の巣張ってんだけど!?」
かすみ「ごごご、ごめんなさい!暫くこの通路は使ってなかったので…」
すみれ「凄いわね……こんなのわざわざ作ったの?」
善子「いんや、元々ここいらはパチ屋が建つ大昔から賭場だったのよ。海未さんのひいひいお祖母様……先々代位前から、ウチの物って訳」
かすみ「ここも歴史が長いんです。ま、前時代の遺物ですけどね」
善子「言うじゃない、かすみ」
かすみ「い、良い意味でですよ!?」
すみれ「殆ど悪口よ」
<「……った張った!」
すみれ「……!」
善子「客分の平安名すみれよ。暫く面倒見る事になってね」
すみれ「宜しく」
かすみ「そうでしたか。じゃ、ここに来るって事は……」
すみれ「用心棒させて貰うらしいわ。取り敢えず下見ってとこ?」
善子「そゆこと」
かすみ「なるほどです。ではこちらへ」
<ガコンッ
すみれ「書類棚の裏……」
かすみ「こっちは組員専用入口です。お客さんは地下の非常階段と店横の裏口から入ってきますよ」
カツカツ…
善子「……うわっぷ!ちょっとかすみ!蜘蛛の巣張ってんだけど!?」
かすみ「ごごご、ごめんなさい!暫くこの通路は使ってなかったので…」
すみれ「凄いわね……こんなのわざわざ作ったの?」
善子「いんや、元々ここいらはパチ屋が建つ大昔から賭場だったのよ。海未さんのひいひいお祖母様……先々代位前から、ウチの物って訳」
かすみ「ここも歴史が長いんです。ま、前時代の遺物ですけどね」
善子「言うじゃない、かすみ」
かすみ「い、良い意味でですよ!?」
すみれ「殆ど悪口よ」
<「……った張った!」
すみれ「……!」
0
19: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 00:25:28 ID:???00
<ワイワイガヤガヤ…
壷振「さあ半方、半方無いか!」
客「半だ半だ!!」
客「丁丁丁!」
親「よしっ、こいこい!」
客「クソッタレ、カスじゃねぇか!!」
客「シゴロだ!シゴロだぜおい!」
客「悪ぃな、ピンゾロだ」
すみれ「……凄」
善子「ちょっとしたカジノよ。古き良き日本のね」
かすみ「あ、忘れない内に提案なんですけど」
善子「うん……え今?」
かすみ「ちょっと前に、人気なかったおいちょかぶの一角を閉鎖したじゃないですか?あそこ、麻雀なんてどうです?」
善子「……ふむ」
かすみ「裏雀荘の摘発を受けて、やる場所が無くなって流れたお客とかが最近多くて。ここで麻雀出来る様になったら、お客も増えると思うんですよね」
善子「……分かった、組長に具申しとく。OKだとしても、そんなに卓は置けないけどね」
かすみ「お願いします!」
すみれ「……今は用心棒はいないの?」
善子「そこかしこにいるウチの組員が代わりなんだけど、心許ないのよ。あなたの仕事としては全体の見張り───木戸番ね」
すみれ「あーね……分かったわ」
善子「一応下っ端達のまとめ役がいるから紹介しとくわ。凛!」
壷振「さあ半方、半方無いか!」
客「半だ半だ!!」
客「丁丁丁!」
親「よしっ、こいこい!」
客「クソッタレ、カスじゃねぇか!!」
客「シゴロだ!シゴロだぜおい!」
客「悪ぃな、ピンゾロだ」
すみれ「……凄」
善子「ちょっとしたカジノよ。古き良き日本のね」
かすみ「あ、忘れない内に提案なんですけど」
善子「うん……え今?」
かすみ「ちょっと前に、人気なかったおいちょかぶの一角を閉鎖したじゃないですか?あそこ、麻雀なんてどうです?」
善子「……ふむ」
かすみ「裏雀荘の摘発を受けて、やる場所が無くなって流れたお客とかが最近多くて。ここで麻雀出来る様になったら、お客も増えると思うんですよね」
善子「……分かった、組長に具申しとく。OKだとしても、そんなに卓は置けないけどね」
かすみ「お願いします!」
すみれ「……今は用心棒はいないの?」
善子「そこかしこにいるウチの組員が代わりなんだけど、心許ないのよ。あなたの仕事としては全体の見張り───木戸番ね」
すみれ「あーね……分かったわ」
善子「一応下っ端達のまとめ役がいるから紹介しとくわ。凛!」
0
20: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 00:28:44 ID:???00
凛「絶対半にゃあっ!!!」
壷振「勝負!」
凛「にゃにゃにゃにゃ……!!」
壷振「……ピンゾロの丁!」
凛「んにゃあぁッ!!!」
客「はははっ、凛ちゃんまた負けた!」
凛「もうすってんてんにゃあ……あ分かった、イカサマでしょぉっ!?」
壷振「んな訳無いだろ!!」
善子「こら」コツンッ
凛「あたっ。あっ、善子ちゃん!」
すみれ「ちゃん付け……」
善子「コイツは良いのよ、厳密にはウチの子じゃないし。また客に混ざってやってんの?」
凛「暇だったからさー」
善子「ばか、もう貸さないわよ?何なら次はウチの子会社からトゴで貸したげよっか?」
凛「それは勘弁……ん?あなたは?」
すみれ「私?平安名すm───」
善子「待った!」
すみれ「は?」
凛「にゃ?」
善子「ごにょごにょ」
凛「ふんふん……」
すみれ「……何これ?」
かすみ「さぁ……ただ、カシラがあの目の時は大抵何かしら企んでますよ」
善子「……」ポンッ
凛「……お控えなすって!」
すみれ「───!!」
かすみ「え急に?寅さんですか?」
善子「……」ニヤ
壷振「勝負!」
凛「にゃにゃにゃにゃ……!!」
壷振「……ピンゾロの丁!」
凛「んにゃあぁッ!!!」
客「はははっ、凛ちゃんまた負けた!」
凛「もうすってんてんにゃあ……あ分かった、イカサマでしょぉっ!?」
壷振「んな訳無いだろ!!」
善子「こら」コツンッ
凛「あたっ。あっ、善子ちゃん!」
すみれ「ちゃん付け……」
善子「コイツは良いのよ、厳密にはウチの子じゃないし。また客に混ざってやってんの?」
凛「暇だったからさー」
善子「ばか、もう貸さないわよ?何なら次はウチの子会社からトゴで貸したげよっか?」
凛「それは勘弁……ん?あなたは?」
すみれ「私?平安名すm───」
善子「待った!」
すみれ「は?」
凛「にゃ?」
善子「ごにょごにょ」
凛「ふんふん……」
すみれ「……何これ?」
かすみ「さぁ……ただ、カシラがあの目の時は大抵何かしら企んでますよ」
善子「……」ポンッ
凛「……お控えなすって!」
すみれ「───!!」
かすみ「え急に?寅さんですか?」
善子「……」ニヤ
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21: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 00:31:33 ID:???00
客「なんだなんだぁ?」
壷振「おっ、余興ですか?」
凛「賭場の盆中でお姉えさんには失礼さんにござんすが、どうぞお控えなすって!」
すみれ「……」チラッ
善子「……」クイッ
スッ
客「おっ、姉ちゃんもかい?」
かすみ「えぇっ?!」
すみれ「ありがとうございます。お言葉にございますから、控えさせて頂きます」
凛「早速お控えありがとうござんす!手前持って生まれた口不調法、もし前後間違えましたら御免を蒙ります!」
ザッ
凛「手前、生国と発しまするは東京秋葉原は音ノ木坂でござんす!親を持ちません風来坊で、寝床は今も昔も盆の上!」
凛「渡世の義理故、園田組に御免を蒙っております!姓は星空、名は凛と申します!」
すみれ「…」
凛「御覧の通りの粗忽者でござんす!発します仁義も後や先、後や先は右や左となり右や左は……」
かすみ「……凛、そんな饒舌だっけ?」
凛「……仁義半ばにして自慢となり法螺となり、打てば響かぬ太鼓となり!もし間違いましたら、あっ御免蒙ります!」
すみれ「……ふふっ」
善子(…やあっと笑った)
すみれ「ありがとうございます。丁寧なるお言葉に対し申し遅れまして失礼さんにございます」
すみれ「手前生国と発しますは渋谷神宮。姓名の儀、姓は平安名、名はすみれと申すしがない旅の者です。縁あって園田組親分さんに御免蒙ります」
壷振「うんうん、やっぱこんなのが1番カッコイイわ」
客「すげぇ、任侠物観てるみてぇだ」
すみれ「向かいます上さんとはお初にございます。お見掛け通りの不束者ですがお見知り置かせられまして、万端宜しくお頼もうします」
凛「ご丁寧なる仁義ありがとうございます!どうぞ、お楽になすって!」
すみれ「それではご仁義になりません、お先に楽になさって」
凛「へい!」
すみれ「あらっ」コテッ
客「はっはっは!」
壷振「おっ、余興ですか?」
凛「賭場の盆中でお姉えさんには失礼さんにござんすが、どうぞお控えなすって!」
すみれ「……」チラッ
善子「……」クイッ
スッ
客「おっ、姉ちゃんもかい?」
かすみ「えぇっ?!」
すみれ「ありがとうございます。お言葉にございますから、控えさせて頂きます」
凛「早速お控えありがとうござんす!手前持って生まれた口不調法、もし前後間違えましたら御免を蒙ります!」
ザッ
凛「手前、生国と発しまするは東京秋葉原は音ノ木坂でござんす!親を持ちません風来坊で、寝床は今も昔も盆の上!」
凛「渡世の義理故、園田組に御免を蒙っております!姓は星空、名は凛と申します!」
すみれ「…」
凛「御覧の通りの粗忽者でござんす!発します仁義も後や先、後や先は右や左となり右や左は……」
かすみ「……凛、そんな饒舌だっけ?」
凛「……仁義半ばにして自慢となり法螺となり、打てば響かぬ太鼓となり!もし間違いましたら、あっ御免蒙ります!」
すみれ「……ふふっ」
善子(…やあっと笑った)
すみれ「ありがとうございます。丁寧なるお言葉に対し申し遅れまして失礼さんにございます」
すみれ「手前生国と発しますは渋谷神宮。姓名の儀、姓は平安名、名はすみれと申すしがない旅の者です。縁あって園田組親分さんに御免蒙ります」
壷振「うんうん、やっぱこんなのが1番カッコイイわ」
客「すげぇ、任侠物観てるみてぇだ」
すみれ「向かいます上さんとはお初にございます。お見掛け通りの不束者ですがお見知り置かせられまして、万端宜しくお頼もうします」
凛「ご丁寧なる仁義ありがとうございます!どうぞ、お楽になすって!」
すみれ「それではご仁義になりません、お先に楽になさって」
凛「へい!」
すみれ「あらっ」コテッ
客「はっはっは!」
0
22: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 00:34:12 ID:???00
壷振「凛、そういうのは大体一緒に楽にするもんだろ!」
凛「あれ?そうだっけ?間違えたにゃ!」
客達『はははは……!!』
かすみ「ふふっ、締まらないですね」
善子「……さあさ、まだまだお天道様は登る途中!ウチらは陰に隠れても、寂しい懐にゃ日の目を浴びさせていって!」パンパン
客「寂しいは余計だ!」
客「よっしゃ、もうひと勝負!」
壷振「そう来ねぇとな!さあ張った張った!」
<ワハハハ…!!
すみれ「……いい所ね」
善子「暖かいとこでしょ」
凛「す・み・れ・ちゃん!これからここで働くの?」
すみれ「ええ、暫くご厄介になるわね」
凛「そっか、一緒にがんばろーね!ま、楽に行こーにゃ!」
すみれ「はいはい……ふふっ」
善子「……」ニコッ
かすみ「まだこんな時間なのにこの賑わい。眠気覚ましにピッタリの余興でしたね」
善子「気合い入れだけじゃないけどね」
かすみ「?」
善子(ずっとしかめっ面じゃ、疲れるでしょ)
すみれ「……何よ?」
善子「いーえ何でも。さ、今日のところは帰るわよ」
すみれ「え、帰るの?」
善子「今日は紹介だけ。バイトも面接の日から働いたりしないでしょ」
凛「今の面接だったの?」
善子「ものの例えよ。これからすみれを宜しくね、凛」
凛「はーいにゃ!」
善子「ん。じゃ行くわよ」
すみれ「了解」
────
凛「あれ?そうだっけ?間違えたにゃ!」
客達『はははは……!!』
かすみ「ふふっ、締まらないですね」
善子「……さあさ、まだまだお天道様は登る途中!ウチらは陰に隠れても、寂しい懐にゃ日の目を浴びさせていって!」パンパン
客「寂しいは余計だ!」
客「よっしゃ、もうひと勝負!」
壷振「そう来ねぇとな!さあ張った張った!」
<ワハハハ…!!
すみれ「……いい所ね」
善子「暖かいとこでしょ」
凛「す・み・れ・ちゃん!これからここで働くの?」
すみれ「ええ、暫くご厄介になるわね」
凛「そっか、一緒にがんばろーね!ま、楽に行こーにゃ!」
すみれ「はいはい……ふふっ」
善子「……」ニコッ
かすみ「まだこんな時間なのにこの賑わい。眠気覚ましにピッタリの余興でしたね」
善子「気合い入れだけじゃないけどね」
かすみ「?」
善子(ずっとしかめっ面じゃ、疲れるでしょ)
すみれ「……何よ?」
善子「いーえ何でも。さ、今日のところは帰るわよ」
すみれ「え、帰るの?」
善子「今日は紹介だけ。バイトも面接の日から働いたりしないでしょ」
凛「今の面接だったの?」
善子「ものの例えよ。これからすみれを宜しくね、凛」
凛「はーいにゃ!」
善子「ん。じゃ行くわよ」
すみれ「了解」
────
0
23: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 00:37:54 ID:???00
<ペカッ
構成員「おっと、100ゲーム以内。こりゃ良いの掴んだかな?」
善子「くらっ!なーにペカらせてんのよ!」ベシッ
構成員「あだっ!す、すいません!」
善子「下にいないと思ったら……まあいいわ。折角の当たりは手放したくないでしょ」
構成員「ま、まあ……」
善子「今日はここで賭場の見張りしてなさい。デコからのタレコミは無いけど、万が一を考えてね。はいお駄賃」ピラッ
構成員「え?!あ、ありがとうございます!」
すみれ「……」
善子「何かあったらすぐ連絡よ。報連相ね」
構成員「おす!お疲れ様です!」
<ウィーン
シトシト…
善子「ちっ、止まないわね。取り敢えず飯でも行きましょ」
すみれ「……ええ、運転するわよ」
善子「ありがとう。頼むわね」
バタンッ
ブーン…
────
構成員「おっと、100ゲーム以内。こりゃ良いの掴んだかな?」
善子「くらっ!なーにペカらせてんのよ!」ベシッ
構成員「あだっ!す、すいません!」
善子「下にいないと思ったら……まあいいわ。折角の当たりは手放したくないでしょ」
構成員「ま、まあ……」
善子「今日はここで賭場の見張りしてなさい。デコからのタレコミは無いけど、万が一を考えてね。はいお駄賃」ピラッ
構成員「え?!あ、ありがとうございます!」
すみれ「……」
善子「何かあったらすぐ連絡よ。報連相ね」
構成員「おす!お疲れ様です!」
<ウィーン
シトシト…
善子「ちっ、止まないわね。取り敢えず飯でも行きましょ」
すみれ「……ええ、運転するわよ」
善子「ありがとう。頼むわね」
バタンッ
ブーン…
────
0
24: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 00:42:52 ID:???00
【小料理屋】
善子「……えーと、瓶ビールで」
すみれ「え?」
善子「あごめん、飲めない?」
すみれ「いや、車……」
善子「あー……まあ若いの呼んで持ってかせるわよ。飲める?」
すみれ「……頂くわ」
善子「ん。それと焼き鳥盛り合わせと、チャンジャと、きゅうりのたたきを」
店員「かしこまりました」
すみれ「……」
善子「……アンタ、煙草は?」
すみれ「吸うけど…」
善子「持ってる?持ってないならあげるけど」
すみれ「あるから大丈夫。ありがとう」スッ
善子「ん」シュボッ
店員「失礼します、瓶ビールです。おあときゅうりのたたきです」
善子「どうも」
すみれ「…」ペコッ
善子「……ほい」
すみれ「……頂きます」
トクトクトク…
シュワー……
すみれ「じゃあ」
善子「ああ良いわよ良いわよ、自分で入れるから」シュワー…
すみれ「させてよ…」
善子「……乾杯」スッ
すみれ「……」
キン…
善子「……えーと、瓶ビールで」
すみれ「え?」
善子「あごめん、飲めない?」
すみれ「いや、車……」
善子「あー……まあ若いの呼んで持ってかせるわよ。飲める?」
すみれ「……頂くわ」
善子「ん。それと焼き鳥盛り合わせと、チャンジャと、きゅうりのたたきを」
店員「かしこまりました」
すみれ「……」
善子「……アンタ、煙草は?」
すみれ「吸うけど…」
善子「持ってる?持ってないならあげるけど」
すみれ「あるから大丈夫。ありがとう」スッ
善子「ん」シュボッ
店員「失礼します、瓶ビールです。おあときゅうりのたたきです」
善子「どうも」
すみれ「…」ペコッ
善子「……ほい」
すみれ「……頂きます」
トクトクトク…
シュワー……
すみれ「じゃあ」
善子「ああ良いわよ良いわよ、自分で入れるから」シュワー…
すみれ「させてよ…」
善子「……乾杯」スッ
すみれ「……」
キン…
0
25: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 00:45:26 ID:???00
善子「んぐ……ぷはっ、真昼間から飲むビールが1番美味いっ!」
すみれ「ぷっ……ごくっ」
善子「……」
すみれ「…何?」
善子「ホント……事情は分かってるけどさ」
すみれ「?」
善子「もっと笑っても損は無いわよ」
すみれ「……さっきの……凛か。善子の差し金ね」
善子「あの子のくるくる回る口上は面白かったでしょ?フーテンって奴よ。元はどっかの組の流れもんらしいけど」
すみれ「それは良いけど、笑うとか何とかってのは何」
善子「暗いってのよ。そりゃ事情が事情だから、自分だけが楽しくやるなんてのはアンタの性質上、受け入れられないんでしょうけどね?」
すみれ「……」
善子「ずっと閉じこもるだけ閉じこもっても、崩れるのは自分の心だけよ」
すみれ「親がとっ捕まって、姉妹分が駆けずり回ってるかもしれないってのに───」
善子「アンタはアンタ、姉妹は姉妹!そして親分は親分!子としての本分遂げたいのは分かるけど、それじゃアンタが持たないって言ってんの!」
善子「台場の奴等に喧嘩売ってきたから、そんな生傷作ってウチに来たんでしょ。みっともなくとも、何がなんでも生きる為に」
すみれ「それは……」
善子「今の時代はね、相手を〇りさえすれば勝てるって時代じゃないの。これだけは分かっときなさい」
すみれ「……」
善子「アンタが死んじゃ、元も子も無いって事。あのままのアンタじゃ、死に向かってる様にしか見えなかった」
善子「園田組の客分として、若頭として。アンタにそんな事はさせないわよ。覚悟しときなさい」
すみれ「…ごめん」
すみれ「ぷっ……ごくっ」
善子「……」
すみれ「…何?」
善子「ホント……事情は分かってるけどさ」
すみれ「?」
善子「もっと笑っても損は無いわよ」
すみれ「……さっきの……凛か。善子の差し金ね」
善子「あの子のくるくる回る口上は面白かったでしょ?フーテンって奴よ。元はどっかの組の流れもんらしいけど」
すみれ「それは良いけど、笑うとか何とかってのは何」
善子「暗いってのよ。そりゃ事情が事情だから、自分だけが楽しくやるなんてのはアンタの性質上、受け入れられないんでしょうけどね?」
すみれ「……」
善子「ずっと閉じこもるだけ閉じこもっても、崩れるのは自分の心だけよ」
すみれ「親がとっ捕まって、姉妹分が駆けずり回ってるかもしれないってのに───」
善子「アンタはアンタ、姉妹は姉妹!そして親分は親分!子としての本分遂げたいのは分かるけど、それじゃアンタが持たないって言ってんの!」
善子「台場の奴等に喧嘩売ってきたから、そんな生傷作ってウチに来たんでしょ。みっともなくとも、何がなんでも生きる為に」
すみれ「それは……」
善子「今の時代はね、相手を〇りさえすれば勝てるって時代じゃないの。これだけは分かっときなさい」
すみれ「……」
善子「アンタが死んじゃ、元も子も無いって事。あのままのアンタじゃ、死に向かってる様にしか見えなかった」
善子「園田組の客分として、若頭として。アンタにそんな事はさせないわよ。覚悟しときなさい」
すみれ「…ごめん」
0
26: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 00:48:05 ID:???00
善子「あーやーまーるー事じゃなーいの!」ペシッ
すみれ「あうっ」
善子「今は耐え忍ぶ時よ。どうせ生きるなら、生きたもん勝ち」
すみれ「……そうね」
店員「失礼します、チャンジャと焼き鳥盛り合わせです」
善子「ありがとう。さ、食べなさい」
すみれ「……もうひとつ聞かせて」
善子「ん?」
すみれ「何でそんな、その……優しくしてくれるの?」
善子「そりゃ客分だからよ」
すみれ「それだけで?」
善子「頭の古いアンタなら分かるでしょ。客分ってのはそれ相応に扱わないと」
善子「……ま、それ抜きにしても。同年代のアンタを……何かほっとけないのよ」
すみれ「……!」
───『ほっとけないんだよ。すみれちゃんは』
───『だから、私がついていてあげないとね!』
善子「……すみれ?」
すみれ「……いえ、ありがとう。善子」
善子「いーの」ゴクッ
すみれ「食べていい?」
善子「勿論」
───
すみれ「あうっ」
善子「今は耐え忍ぶ時よ。どうせ生きるなら、生きたもん勝ち」
すみれ「……そうね」
店員「失礼します、チャンジャと焼き鳥盛り合わせです」
善子「ありがとう。さ、食べなさい」
すみれ「……もうひとつ聞かせて」
善子「ん?」
すみれ「何でそんな、その……優しくしてくれるの?」
善子「そりゃ客分だからよ」
すみれ「それだけで?」
善子「頭の古いアンタなら分かるでしょ。客分ってのはそれ相応に扱わないと」
善子「……ま、それ抜きにしても。同年代のアンタを……何かほっとけないのよ」
すみれ「……!」
───『ほっとけないんだよ。すみれちゃんは』
───『だから、私がついていてあげないとね!』
善子「……すみれ?」
すみれ「……いえ、ありがとう。善子」
善子「いーの」ゴクッ
すみれ「食べていい?」
善子「勿論」
───
0
27: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 00:51:17 ID:???00
【原宿、元神宮一家事務所】
【現 台場組直参 朝香興行事務所】
果林「もうちょっと右……そうそう、看板はちゃんと掲げないとね」
希「あーあ……ウチの事務所が」
果林「居抜きさせてもらうわ。ま、看板変えただけよ?」
希「でもこれで事実上、完全に元の神宮一家は……無くなったわ」
果林「誰だって死にたくなんか無いでしょう。生きる為、生き残る為、アナタがしたのは英断だったのよ」
希「……」
果林「さて、私はちょっとビッグサイトでベンチャー企業の展示会があるから行ってくるわ。来年出展の下見にね」
希「ウチは?お台場からさんざ連れ回しといてほっとくん?」
果林「朝香興行傘下としての神宮一家よ?普通に事務所にいればいいじゃない」
希「ゆっるいなぁ。他組織の元ボスを野放しにしとくん?」
果林「あからさまに敵対してたり戦争してたとかなら話は別だけど、希のとことは別に何も無かったじゃない」
果林「だから監禁したり、監視とかもしないわよ。そんな事大っぴらに出来る時代じゃないもの」
【現 台場組直参 朝香興行事務所】
果林「もうちょっと右……そうそう、看板はちゃんと掲げないとね」
希「あーあ……ウチの事務所が」
果林「居抜きさせてもらうわ。ま、看板変えただけよ?」
希「でもこれで事実上、完全に元の神宮一家は……無くなったわ」
果林「誰だって死にたくなんか無いでしょう。生きる為、生き残る為、アナタがしたのは英断だったのよ」
希「……」
果林「さて、私はちょっとビッグサイトでベンチャー企業の展示会があるから行ってくるわ。来年出展の下見にね」
希「ウチは?お台場からさんざ連れ回しといてほっとくん?」
果林「朝香興行傘下としての神宮一家よ?普通に事務所にいればいいじゃない」
希「ゆっるいなぁ。他組織の元ボスを野放しにしとくん?」
果林「あからさまに敵対してたり戦争してたとかなら話は別だけど、希のとことは別に何も無かったじゃない」
果林「だから監禁したり、監視とかもしないわよ。そんな事大っぴらに出来る時代じゃないもの」
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28: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 00:54:20 ID:???00
希「大っぴらやなくても隠れてすればええやん」
果林「……何、されたいの?拘束」ズイッ
希「…イヤや。痛いの嫌いだもん」
果林(誘い受けね)
果林「じゃあ大人しく私の帰りを待ってなさいな」
希「……」
果林「行くわよ。車出して」
構成員「はい、少々お待ちを────」
パァン…!!
構成員「───あ?」ドロッ
ドサッ
果林「……───!!!?」
希「あかん、ハジキや!!」
希(外したな、取り敢えず逃げて……!)
構成員「果林さんを守れ!!」
構成員「鉄砲玉がいるぞ!!」
<?「……クソッ!!」タタッ
果林「逃がさないで!!」
構成員「待てコラァッ!!!」タタッ
構成員「果林さん頭下げて!!」
構成員「アンタもだよ!」
希「……っ!」
───
果林「……何、されたいの?拘束」ズイッ
希「…イヤや。痛いの嫌いだもん」
果林(誘い受けね)
果林「じゃあ大人しく私の帰りを待ってなさいな」
希「……」
果林「行くわよ。車出して」
構成員「はい、少々お待ちを────」
パァン…!!
構成員「───あ?」ドロッ
ドサッ
果林「……───!!!?」
希「あかん、ハジキや!!」
希(外したな、取り敢えず逃げて……!)
構成員「果林さんを守れ!!」
構成員「鉄砲玉がいるぞ!!」
<?「……クソッ!!」タタッ
果林「逃がさないで!!」
構成員「待てコラァッ!!!」タタッ
構成員「果林さん頭下げて!!」
構成員「アンタもだよ!」
希「……っ!」
───
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29: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 00:57:17 ID:???00
善子「……どぅあぁからぁ!!ひっく、あたしはヨハネだって言ってんでしょ!!?」
すみれ「アンタがヨハネなら、私は何かしらねぇ!?時代遅れのグソクムシ!?」
善子「どっからグソクムシ出てくんのよ!」
すみれ「わっかんない!」
すみよし『あっははは……!!』
?「……うるせぇな」
善子「……あ?」
?「うるせぇって言ってんの」
すみれ「……」
善子「何?……半グレさん」
半グレ「あ?」
すみれ「待った。騒がしくしてごめん。気をつける様言っておく」
半グレ「……」
すみれ「行くわよ、善子」
善子「んにゃー……」
<テクテク
半グレ「……」クイッ
半グレ「やる?」
半グレ「そこそこ持ってそうじゃんね」
ゾロゾロ…
すみれ「……」
善子「……すみれ」
すみれ「ええ。どうする気?」
善子「騒がしかったのは私だもんね……かと言って、素直にボコられる気は無いわ」
すみれ「やるの?向こうは……4、5人かしら」
善子「やる分には大した事は無いけどね。いきなり襲われない様、この大通りを歩き続けて上手く裏に行って」
すみれ「分かったわ」
テクテク…
────
すみれ「アンタがヨハネなら、私は何かしらねぇ!?時代遅れのグソクムシ!?」
善子「どっからグソクムシ出てくんのよ!」
すみれ「わっかんない!」
すみよし『あっははは……!!』
?「……うるせぇな」
善子「……あ?」
?「うるせぇって言ってんの」
すみれ「……」
善子「何?……半グレさん」
半グレ「あ?」
すみれ「待った。騒がしくしてごめん。気をつける様言っておく」
半グレ「……」
すみれ「行くわよ、善子」
善子「んにゃー……」
<テクテク
半グレ「……」クイッ
半グレ「やる?」
半グレ「そこそこ持ってそうじゃんね」
ゾロゾロ…
すみれ「……」
善子「……すみれ」
すみれ「ええ。どうする気?」
善子「騒がしかったのは私だもんね……かと言って、素直にボコられる気は無いわ」
すみれ「やるの?向こうは……4、5人かしら」
善子「やる分には大した事は無いけどね。いきなり襲われない様、この大通りを歩き続けて上手く裏に行って」
すみれ「分かったわ」
テクテク…
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30: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 01:00:15 ID:???00
【裏路地】
善子「……ここらでいっか」
すみれ「……ん」
善子「向こうからどうせ話しかけてくるしね」
すみれ「向こう待ちなの?」
<半グレ「ねーねーおねーさん達!」
善子「ほらね」
すみれ「……」
半グレ「さっきの迷惑料としてさ、金払ってくんない?」
半グレ「2人併せて10万で良いよ。そんくらい持ってそうだしさ」
半グレ「そっち系の人でしょー?あるよね、そんくらい」
善子「うるさくしたのは悪かったわ。ただ10万か……持ってないわよ。にしても高過ぎるしね」
半グレ「そんくらいも持ってないの?」
半グレ「ヤクザもたかが知れてんね」
すみれ「ッ……」
善子「まだ待って、すみれ」ボソッ
半グレ「どーする?」
半グレ「……ヤクザでしょ?じゃあいいじゃん」
チャキッ
すみれ「光り物抜いて来たけど、まだ?」
善子「……殴りかかってきたら、あとはご自由に。私もそうする」
善子「……ここらでいっか」
すみれ「……ん」
善子「向こうからどうせ話しかけてくるしね」
すみれ「向こう待ちなの?」
<半グレ「ねーねーおねーさん達!」
善子「ほらね」
すみれ「……」
半グレ「さっきの迷惑料としてさ、金払ってくんない?」
半グレ「2人併せて10万で良いよ。そんくらい持ってそうだしさ」
半グレ「そっち系の人でしょー?あるよね、そんくらい」
善子「うるさくしたのは悪かったわ。ただ10万か……持ってないわよ。にしても高過ぎるしね」
半グレ「そんくらいも持ってないの?」
半グレ「ヤクザもたかが知れてんね」
すみれ「ッ……」
善子「まだ待って、すみれ」ボソッ
半グレ「どーする?」
半グレ「……ヤクザでしょ?じゃあいいじゃん」
チャキッ
すみれ「光り物抜いて来たけど、まだ?」
善子「……殴りかかってきたら、あとはご自由に。私もそうする」
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31: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 01:03:29 ID:???00
半グレ「……」スッ…
すみれ「……」
半グレ「じゃあ、あるだけ出して。顔に傷が付く前に」
半グレ「まあもう傷だらけだけどね。また増えるよー」
半グレ「何なら絆創膏の上から刺しちゃえ!」
善子「……」
すみれ「……」
半グレ「何とか言えよ!」ヒュッ
ザクッ
すみれ「……っ」タラーッ
半グレ「あーあ、折角キレイな顔に傷が────」
ドゴッ!!
半グレ「がッッ……!?!!」
ドサッ
すみれ「……開戦の合図よね」
半グレ「て、てめぇっ!!」
ズドォッ!!
半グレ「ごぼォっゥぇッ!!?」
<ガッシャァン!!
善子「イエス。仲間傷付けられちゃあ黙ってらんないわ」
半グレ「ッざけんなぁァッ!!!」ブンッ
ゴンッ!!
善子「……い゛ッづぅ……!!」
すみれ「善子!!」
すみれ「……」
半グレ「じゃあ、あるだけ出して。顔に傷が付く前に」
半グレ「まあもう傷だらけだけどね。また増えるよー」
半グレ「何なら絆創膏の上から刺しちゃえ!」
善子「……」
すみれ「……」
半グレ「何とか言えよ!」ヒュッ
ザクッ
すみれ「……っ」タラーッ
半グレ「あーあ、折角キレイな顔に傷が────」
ドゴッ!!
半グレ「がッッ……!?!!」
ドサッ
すみれ「……開戦の合図よね」
半グレ「て、てめぇっ!!」
ズドォッ!!
半グレ「ごぼォっゥぇッ!!?」
<ガッシャァン!!
善子「イエス。仲間傷付けられちゃあ黙ってらんないわ」
半グレ「ッざけんなぁァッ!!!」ブンッ
ゴンッ!!
善子「……い゛ッづぅ……!!」
すみれ「善子!!」
0
32: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 01:06:15 ID:???00
善子「大丈夫、効いちゃいないわあッ!!」ガシッ
半グレ「ぐえっ!?」
善子「おらァッ!!」
ボゴォッ!!
半グレ「ごっふァッ!!?」
すみれ「なら良いけど……ッ!!」ヒュッ
バキィッ!!
半グレ「あだぁっ!!?」
すみれ「こんな光り物、ダサいからやめなさい」ポイッ
<カラーン
半グレ「知るかよ!」
すみれ「喧嘩は素手の方が良いわよッッ!!」ヒュッ
ベキィッ!!
半グレ「あぎゃァッ!!?」
ドサァッ…!
半グレ達『』
善子「若い癖に、もう終わり?」
すみれ「こんなもんでしょ」
善子「コイツらこそ気を付けるべき奴等よ。ウチらと違って、まともな統制が無いし」
すみれ「その代わり瓦解しやすいじゃない」
善子「まあね……」
<「抑えろ」
善子「……は?」
すみれ「───っ!?」
ガシッ
半グレ「ぐえっ!?」
善子「おらァッ!!」
ボゴォッ!!
半グレ「ごっふァッ!!?」
すみれ「なら良いけど……ッ!!」ヒュッ
バキィッ!!
半グレ「あだぁっ!!?」
すみれ「こんな光り物、ダサいからやめなさい」ポイッ
<カラーン
半グレ「知るかよ!」
すみれ「喧嘩は素手の方が良いわよッッ!!」ヒュッ
ベキィッ!!
半グレ「あぎゃァッ!!?」
ドサァッ…!
半グレ達『』
善子「若い癖に、もう終わり?」
すみれ「こんなもんでしょ」
善子「コイツらこそ気を付けるべき奴等よ。ウチらと違って、まともな統制が無いし」
すみれ「その代わり瓦解しやすいじゃない」
善子「まあね……」
<「抑えろ」
善子「……は?」
すみれ「───っ!?」
ガシッ
0
33: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 01:09:54 ID:???00
善子「ちょっ、のびてたんじゃないの!?」
半グレ「うるせぇっ!!」
すみれ「離せ……ッ!!」
半グレ「メイさん!!コイツらっす!!」
メイ「お前?喧嘩売ってきたの」スッ…
ヒョイッ
すみれ「吹っかけてきたのは、コイツらよ」
善子「メイ、だっけ?そのナイフどうする気?」
メイ「お前に関係ねぇ。これをどうしようと私の勝手」
半グレ「こいつが最初に殴ってきたんです!!」
メイ「へー」
すみれ「だから、最初は───」
ザクッ
すみれ「───っ、あ」
ポタッ、ポタポタッ
メイ「じゃあお前からな」
善子「……す、すみれぇッ!!!」
すみれ「っ゛、い゛……」
メイ「痛ぇか、腹?ウチの奴等の方が痛いと思うけどな。ヤーさんに喧嘩売られたって言や、サツも動いてくれっかな」グッ
すみれ「……ッ゛!!」
メイ「……ンだ、その目」
すみれ「……」
メイ「何とか言えよコラァッ!!!」
すみれ「……どうぞ」
ポツポツ…
メイ「……は?」
すみれ「半グレ気取るってんなら……1人くらい〇してみろってんのよ」
ザーッ…
半グレ「うるせぇっ!!」
すみれ「離せ……ッ!!」
半グレ「メイさん!!コイツらっす!!」
メイ「お前?喧嘩売ってきたの」スッ…
ヒョイッ
すみれ「吹っかけてきたのは、コイツらよ」
善子「メイ、だっけ?そのナイフどうする気?」
メイ「お前に関係ねぇ。これをどうしようと私の勝手」
半グレ「こいつが最初に殴ってきたんです!!」
メイ「へー」
すみれ「だから、最初は───」
ザクッ
すみれ「───っ、あ」
ポタッ、ポタポタッ
メイ「じゃあお前からな」
善子「……す、すみれぇッ!!!」
すみれ「っ゛、い゛……」
メイ「痛ぇか、腹?ウチの奴等の方が痛いと思うけどな。ヤーさんに喧嘩売られたって言や、サツも動いてくれっかな」グッ
すみれ「……ッ゛!!」
メイ「……ンだ、その目」
すみれ「……」
メイ「何とか言えよコラァッ!!!」
すみれ「……どうぞ」
ポツポツ…
メイ「……は?」
すみれ「半グレ気取るってんなら……1人くらい〇してみろってんのよ」
ザーッ…
0
34: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 01:14:09 ID:???00
メイ「……」
ゴツッ
半グレ「テメッ───」
メイ「頭突きになってねぇぞ」
すみれ「頭突きするつもりなんか無いわよ」
メイ「何お前、死にてぇの?」
すみれ「……」
善子「すみれ、アンタ……」
メイ「死にてぇのか、いいよ。しょうがねぇから手助けしてやる」
すみれ「あんた、親は?」
メイ「あ?関係ねぇだろ」
すみれ「親は?」
メイ「……いねぇよ、だから何だよ」
すみれ「私もいない。厳密に言えば、知らない」
すみれ「神社に捨てられてたから」
メイ「……」
すみれ「拾って育ててくれた親がいる。その人が……死ぬかもしれない」
すみれ「私と同じ様な子もいる。その子はきっと今頃、仇討ちの為に駆け回ってる」
メイ「グダグダグダグダ何を……」
すみれ「私はもう……どうせ何も出来ない」
善子「……!」
ゴツッ
半グレ「テメッ───」
メイ「頭突きになってねぇぞ」
すみれ「頭突きするつもりなんか無いわよ」
メイ「何お前、死にてぇの?」
すみれ「……」
善子「すみれ、アンタ……」
メイ「死にてぇのか、いいよ。しょうがねぇから手助けしてやる」
すみれ「あんた、親は?」
メイ「あ?関係ねぇだろ」
すみれ「親は?」
メイ「……いねぇよ、だから何だよ」
すみれ「私もいない。厳密に言えば、知らない」
すみれ「神社に捨てられてたから」
メイ「……」
すみれ「拾って育ててくれた親がいる。その人が……死ぬかもしれない」
すみれ「私と同じ様な子もいる。その子はきっと今頃、仇討ちの為に駆け回ってる」
メイ「グダグダグダグダ何を……」
すみれ「私はもう……どうせ何も出来ない」
善子「……!」
0
35: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 01:17:51 ID:???00
すみれ「親1人助けられなくて、逃げて、何も出来なくて」
すみれ「……死んだっていいわ。こんな人間」
メイ「……」
善子「すみれぇッ!アンタ私の言った事忘れたの!?死んだって何も───」
半グレ「メイさん!〇っちゃって下さいそんな死にたがり!!」
メイ「……」
すみれ「半グレに命握られてさ。何が渡世の義理よ、情けないったら情けないわ」
すみれ「……いいわ、もう」
善子「すみれェッ!!!」
メイ「……やなこった」
ズシャッ…
すみれ「いッ……!」
メイ「死にたがりは〇らねぇ、〇ってやらねぇ。ウチの奴等にした落とし前として、生きやがれ」
すみれ「……」
メイ「そいつら離せ。行くぞ」
半グレ「で、でも」
メイ「あ?」
半グレ「……はい」スッ…
善子「っ……!」バッ
メイ「じゃあな。雑魚が」
<スタスタ…
善子「……すみれ」
すみれ「……」フラッ
ドサッ…
善子「この、バカ……!!」
ザーッ…
────
すみれ「……死んだっていいわ。こんな人間」
メイ「……」
善子「すみれぇッ!アンタ私の言った事忘れたの!?死んだって何も───」
半グレ「メイさん!〇っちゃって下さいそんな死にたがり!!」
メイ「……」
すみれ「半グレに命握られてさ。何が渡世の義理よ、情けないったら情けないわ」
すみれ「……いいわ、もう」
善子「すみれェッ!!!」
メイ「……やなこった」
ズシャッ…
すみれ「いッ……!」
メイ「死にたがりは〇らねぇ、〇ってやらねぇ。ウチの奴等にした落とし前として、生きやがれ」
すみれ「……」
メイ「そいつら離せ。行くぞ」
半グレ「で、でも」
メイ「あ?」
半グレ「……はい」スッ…
善子「っ……!」バッ
メイ「じゃあな。雑魚が」
<スタスタ…
善子「……すみれ」
すみれ「……」フラッ
ドサッ…
善子「この、バカ……!!」
ザーッ…
────
0
36: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 01:20:12 ID:???00
【朝香興行 事務所内】
希「……」
果林「あなたの差し金?」
かのん「……ッ、離せ!!」
構成員「動くんじゃない!」チャキッ
希「アンタの所で軟禁されててどうやって連絡すんの?」
果林「……」
希「監視下じゃなくても管理下だったのに、外の奴らに連絡なんか出来へんよ」
希「やっとお台場から出て来れて今日、ここに来れたのに。それをどうやってこの子に伝えるん?」
果林「じゃあ、この子のやった事に関係ないのね?糸引いてないのね?」
希「何も知らんよ。ウチは」
かのん「……」
果林「……そう。ならいいわ」
希(……今はこう言うしか無い。ごめん、ありがとうかのんちゃん)
かのん(……それで良いです、希さん……!)
果林「えーと、澁谷かのんちゃん?」
かのん「……」ギロッ
果林「ふふ、そんな睨まないでよ」
かのん「〇すならとっとと〇して」
果林「そんな事しないわよ。今日び死体隠せるとこも少ないの。海も海保がうるさいし、山も警察が常駐してるしね。正義感のお強い田舎モンも多いし」
かのん「……」
果林「でもね、さっきのおイタの事は謝ってもらわないと。ウチの子が死んでないにしろ入院しちゃったから」
かのん「そのまま死んでりゃ良かったんだ」
果林「ふふっ、血気盛んね」
希「……っ」
希「……」
果林「あなたの差し金?」
かのん「……ッ、離せ!!」
構成員「動くんじゃない!」チャキッ
希「アンタの所で軟禁されててどうやって連絡すんの?」
果林「……」
希「監視下じゃなくても管理下だったのに、外の奴らに連絡なんか出来へんよ」
希「やっとお台場から出て来れて今日、ここに来れたのに。それをどうやってこの子に伝えるん?」
果林「じゃあ、この子のやった事に関係ないのね?糸引いてないのね?」
希「何も知らんよ。ウチは」
かのん「……」
果林「……そう。ならいいわ」
希(……今はこう言うしか無い。ごめん、ありがとうかのんちゃん)
かのん(……それで良いです、希さん……!)
果林「えーと、澁谷かのんちゃん?」
かのん「……」ギロッ
果林「ふふ、そんな睨まないでよ」
かのん「〇すならとっとと〇して」
果林「そんな事しないわよ。今日び死体隠せるとこも少ないの。海も海保がうるさいし、山も警察が常駐してるしね。正義感のお強い田舎モンも多いし」
かのん「……」
果林「でもね、さっきのおイタの事は謝ってもらわないと。ウチの子が死んでないにしろ入院しちゃったから」
かのん「そのまま死んでりゃ良かったんだ」
果林「ふふっ、血気盛んね」
希「……っ」
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37: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 01:23:06 ID:???00
果林「さて、落とし前としてあなたにやって欲しい事があるんだけど」
かのん「は?」
果林「鉄砲玉として来たのなら、鉄砲玉として任務を果たして欲しいの」スッ
かのん「……」
果林「この子を始末して」
かのん「……!」
希「海未、ちゃんを……」
果林「この子、顔に似合わず意外と強硬派っぽくてね。ウチの組の使者を死者にしたみたいで……やだ、愛のが伝染った?」
果林「大人しくウチに下る気が無いみたいだし、かと言ってほっとけば歯向かうだろうし。なら親が死ねばバラバラになって組は霧散するでしょう、小さいとこだし」
果林「希がウチに来たあとの、この事務所みたいにね?もぬけの殻だったものね」
希「やかましいわ。皆生きてくれてるんなら万々歳よ」
かのん「希さん……」
果林「あ、希のお友達なんだっけ?説得出来るならしてもいいけど、頑固そうだし無理じゃない?」
希「……まあ、無理やろね」
果林「でしょ?という事で、あなたに行ってきてもらうわね」
かのん「イヤ。台場の奴らの言う事なんか聞けない」
果林「あら?状況が分かってなかったのね」クイッ
構成員「……」チャキッ
希「……っ!!」
かのん「希さん!!」
果林「あなたの大好きな希はこっちの手の中よ?あなたが職務を遂行出来ないのなら、こっちにも考えがある」
かのん「こンの……ッ!!!」
果林「そうね……1週間あげる。来週までに園田海未を〇れなかったら、あなた共々希も〇す。神宮一家は、終わり。これは譲歩よ」
かのん「……!」
果林「武器は貸したげるわ。準備出来たら、いつでも実行して。それまで希はウチで預かっておくから。良い?」
かのん「……」
果林「……分かったわね?澁谷かのん」
構成員「……」チャキッ
希(…かのんちゃん……!)
かのん「……はい……ッ」
────
かのん「は?」
果林「鉄砲玉として来たのなら、鉄砲玉として任務を果たして欲しいの」スッ
かのん「……」
果林「この子を始末して」
かのん「……!」
希「海未、ちゃんを……」
果林「この子、顔に似合わず意外と強硬派っぽくてね。ウチの組の使者を死者にしたみたいで……やだ、愛のが伝染った?」
果林「大人しくウチに下る気が無いみたいだし、かと言ってほっとけば歯向かうだろうし。なら親が死ねばバラバラになって組は霧散するでしょう、小さいとこだし」
果林「希がウチに来たあとの、この事務所みたいにね?もぬけの殻だったものね」
希「やかましいわ。皆生きてくれてるんなら万々歳よ」
かのん「希さん……」
果林「あ、希のお友達なんだっけ?説得出来るならしてもいいけど、頑固そうだし無理じゃない?」
希「……まあ、無理やろね」
果林「でしょ?という事で、あなたに行ってきてもらうわね」
かのん「イヤ。台場の奴らの言う事なんか聞けない」
果林「あら?状況が分かってなかったのね」クイッ
構成員「……」チャキッ
希「……っ!!」
かのん「希さん!!」
果林「あなたの大好きな希はこっちの手の中よ?あなたが職務を遂行出来ないのなら、こっちにも考えがある」
かのん「こンの……ッ!!!」
果林「そうね……1週間あげる。来週までに園田海未を〇れなかったら、あなた共々希も〇す。神宮一家は、終わり。これは譲歩よ」
かのん「……!」
果林「武器は貸したげるわ。準備出来たら、いつでも実行して。それまで希はウチで預かっておくから。良い?」
かのん「……」
果林「……分かったわね?澁谷かのん」
構成員「……」チャキッ
希(…かのんちゃん……!)
かのん「……はい……ッ」
────
0
38: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 01:26:09 ID:???00
【園田組 邸内】
<ザーッ…
すみれ「……ん」
善子「……おはよう、ねぼすけ」
すみれ「……あれ、私……半グレに絡まれて」
善子「覚えてないの?」
すみれ「喧嘩したのは覚えてるんだけど……何があったっけ」
善子「……」
<ガラッ
すみれ「!」
海未「……おはようございます、すみれ」
すみれ「海未さん……」
スッ…
海未「体調は如何ですか?」
すみれ「私……刺されたんですか」
海未「その内に思い出せると思いますけど、その通り。あなたは半グレに腹を刺されてます」
海未「割と深かったので……3日間寝っぱなしでしたよ。余っ程死んだのかと」
すみれ「……」
─── 『死にたがりは〇らねぇ、〇ってやらねぇ』
───『ウチの奴等にした落とし前として、生きやがれ』
───『じゃあな、雑魚が』
すみれ「……っ」パシッ
善子「思い出したみたいね」
海未「あなたがウチに来てすぐ気付きましたけど、かなり直情的な子ですね」
すみれ「……」
海未「……古いやり方に固執し、親を守るという題目のもと、自分を正当化しようとしている節がある。未熟な、駆け出しにありがちな事です」
善子「海未、さん……?」
すみれ「────っ!!!」
ドスッ
すみれ「い゛ッッ!!?」
善子「うわ、傷口……」
<ザーッ…
すみれ「……ん」
善子「……おはよう、ねぼすけ」
すみれ「……あれ、私……半グレに絡まれて」
善子「覚えてないの?」
すみれ「喧嘩したのは覚えてるんだけど……何があったっけ」
善子「……」
<ガラッ
すみれ「!」
海未「……おはようございます、すみれ」
すみれ「海未さん……」
スッ…
海未「体調は如何ですか?」
すみれ「私……刺されたんですか」
海未「その内に思い出せると思いますけど、その通り。あなたは半グレに腹を刺されてます」
海未「割と深かったので……3日間寝っぱなしでしたよ。余っ程死んだのかと」
すみれ「……」
─── 『死にたがりは〇らねぇ、〇ってやらねぇ』
───『ウチの奴等にした落とし前として、生きやがれ』
───『じゃあな、雑魚が』
すみれ「……っ」パシッ
善子「思い出したみたいね」
海未「あなたがウチに来てすぐ気付きましたけど、かなり直情的な子ですね」
すみれ「……」
海未「……古いやり方に固執し、親を守るという題目のもと、自分を正当化しようとしている節がある。未熟な、駆け出しにありがちな事です」
善子「海未、さん……?」
すみれ「────っ!!!」
ドスッ
すみれ「い゛ッッ!!?」
善子「うわ、傷口……」
0
39: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 01:29:26 ID:???00
海未「怒ってるんですよ、すみれ」
グググ…
すみれ「あ゛ッ、いッ゛……!!?」
海未「親が囚われ姉妹分も所在不明、痛めつけられここまで逃げてきたあなたの心中……察するに余りあります」
海未「ですがそれはそれ。半グレ共に襲われる中、ウチの若頭を放っておいて自分だけ死のうなんざ……随分義理に欠いてませんか?ん?」
すみれ「……っ!!」
海未「あなたは我が園田組の大事な客分です。だからこそ善子はあなたを守り、仁義によってあなたも善子を守って欲しい」
海未「でもね、例えどうなっても私は、死んで欲しくなど無いんです。あなた達のような良い子は」
すみれ「…」ポロッ
善子「……」
すみれ「私なんか……生きてちゃダメなんです。かのんも希さんもきっと、死ぬ気で頑張ってるのに」
すみれ「私1人だけ逃げて海未さんに世話になって、善子に面倒見てもらって……こんな、こんな情けないヤクザがいますか!?」
海未「だからって死を選ぶのは愚か者のする事でしょうが!!!」
すみれ「…!」
海未「かのんや希が何故頑張っているか、あなたや他の者に生きていて欲しいからでしょう!!?そうやって受けた恩があると自覚してるなら」
海未「あなたは生きる事が恩返しになるんでしょう!!死んだって、なンっの得にもなりゃしないんだから!!!」
善子「……」
すみれ「海未さん……」
海未「死ぬな、平安名すみれ。情けなくても、みっともなくても生きていきなさい」
海未「あなたはもう、私の子ですよ」
すみれ「……っ、ぐすっ……」
善子「……お腹は?」
すみれ「ひっく……穴空いてる」
善子「知っとるわ。空いてるかって」
すみれ「……空いてる」
海未「ご飯にしましょう。善子」
善子「はい。ピザにしましょっか」
すみれ「米が良い……」
善子「いや炊くのダルい……」
────
グググ…
すみれ「あ゛ッ、いッ゛……!!?」
海未「親が囚われ姉妹分も所在不明、痛めつけられここまで逃げてきたあなたの心中……察するに余りあります」
海未「ですがそれはそれ。半グレ共に襲われる中、ウチの若頭を放っておいて自分だけ死のうなんざ……随分義理に欠いてませんか?ん?」
すみれ「……っ!!」
海未「あなたは我が園田組の大事な客分です。だからこそ善子はあなたを守り、仁義によってあなたも善子を守って欲しい」
海未「でもね、例えどうなっても私は、死んで欲しくなど無いんです。あなた達のような良い子は」
すみれ「…」ポロッ
善子「……」
すみれ「私なんか……生きてちゃダメなんです。かのんも希さんもきっと、死ぬ気で頑張ってるのに」
すみれ「私1人だけ逃げて海未さんに世話になって、善子に面倒見てもらって……こんな、こんな情けないヤクザがいますか!?」
海未「だからって死を選ぶのは愚か者のする事でしょうが!!!」
すみれ「…!」
海未「かのんや希が何故頑張っているか、あなたや他の者に生きていて欲しいからでしょう!!?そうやって受けた恩があると自覚してるなら」
海未「あなたは生きる事が恩返しになるんでしょう!!死んだって、なンっの得にもなりゃしないんだから!!!」
善子「……」
すみれ「海未さん……」
海未「死ぬな、平安名すみれ。情けなくても、みっともなくても生きていきなさい」
海未「あなたはもう、私の子ですよ」
すみれ「……っ、ぐすっ……」
善子「……お腹は?」
すみれ「ひっく……穴空いてる」
善子「知っとるわ。空いてるかって」
すみれ「……空いてる」
海未「ご飯にしましょう。善子」
善子「はい。ピザにしましょっか」
すみれ「米が良い……」
善子「いや炊くのダルい……」
────
0
40: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 01:32:09 ID:???00
────
【雀荘】
オーナー「園田組について?」
かのん「……」
オーナー「うーん……その園田組の賭場に誘われてっけどね。そこで組の存在知ったくらいだし、あんま他に知らないんだよなぁ。小さいとこっぽいしさ」
かのん「賭場?」
オーナー「そ。ちょっと行ったとこにパチ屋があるんだけど、そこの地下にそこそこ大きい賭場があるんだよ」
かのん「そこに園田組の奴は来るの?」
オーナー「常駐してんのは下っ端とかだけだよ。たまーに若頭が来るくらいで。私も見た事ないよ」
かのん「……」
オーナー「そういや、私を誘ってきた園田組の奴が今日来るよ。私も釈放されたばっかで話すのは久しぶりなんだ」
オーナー「あなたも同業なんでしょ?」
かのん「……うん、雀荘じゃないけどね。カードとかそっち」
オーナー「レトロな賭場だから西洋系のギャンブルが入れる余地あるかなぁ」
<ガチャッ
かすみ「お邪魔しまーす!ムショでも元気だった?」
オーナー「何とかね。また活動出来そうなら頼むよ」
かすみ「丁度持て余してるスペースがあるからさ、そこに食い込める様頼んでみるよ。あれ?あなたは?」
かのん「同業です。オーナーさんとは知り合いで」
オーナー「ちょっとかすみに話があるらしいんだ。あ、ちょっとコンビニ行ってくる。タバコ買ってくるわ。なんかいる?」
かすみ「うーん…あ、じゃあG's買ってきて欲しいです!」
オーナー「はいはい、自分で買っておけばいいのに」
<ガチャッ
【雀荘】
オーナー「園田組について?」
かのん「……」
オーナー「うーん……その園田組の賭場に誘われてっけどね。そこで組の存在知ったくらいだし、あんま他に知らないんだよなぁ。小さいとこっぽいしさ」
かのん「賭場?」
オーナー「そ。ちょっと行ったとこにパチ屋があるんだけど、そこの地下にそこそこ大きい賭場があるんだよ」
かのん「そこに園田組の奴は来るの?」
オーナー「常駐してんのは下っ端とかだけだよ。たまーに若頭が来るくらいで。私も見た事ないよ」
かのん「……」
オーナー「そういや、私を誘ってきた園田組の奴が今日来るよ。私も釈放されたばっかで話すのは久しぶりなんだ」
オーナー「あなたも同業なんでしょ?」
かのん「……うん、雀荘じゃないけどね。カードとかそっち」
オーナー「レトロな賭場だから西洋系のギャンブルが入れる余地あるかなぁ」
<ガチャッ
かすみ「お邪魔しまーす!ムショでも元気だった?」
オーナー「何とかね。また活動出来そうなら頼むよ」
かすみ「丁度持て余してるスペースがあるからさ、そこに食い込める様頼んでみるよ。あれ?あなたは?」
かのん「同業です。オーナーさんとは知り合いで」
オーナー「ちょっとかすみに話があるらしいんだ。あ、ちょっとコンビニ行ってくる。タバコ買ってくるわ。なんかいる?」
かすみ「うーん…あ、じゃあG's買ってきて欲しいです!」
オーナー「はいはい、自分で買っておけばいいのに」
<ガチャッ
0
41: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 01:35:06 ID:???00
かすみ「賭場には来ないよ」
かのん「知ってる。でも若頭は来るんでしょ」
かすみ「あなたの狙いは園田海未でしょ。鉄砲玉なら鉄砲玉らしく屋敷に突っ込めば?」カチッ シュボッ
かのん「無駄死にさせる気なら意味無いよ。こんな事で死んでやらない」
かすみ「ははっ、どんな屋敷想像してんの?ただの小さい弱小組織の、その辺の普通の家だよ?」フー
かすみ「まあちょっと大きいくらい。場所も調べりゃ出るよ。組員も全然いない。ウチらに比べればね」
かのん「だからってたった1人で屋敷突っ込んで勝てる程無敵じゃないんで」
かすみ「行けると思うけどなぁ。別に」
かのん「あなたは何なの?台場組なんでしょ?朝香に言われて来たけど」
かすみ「うん、潜入。園田と津島って凄い甘ちゃんで、それっぽい事言って同情誘ったら普通に入れたんだよね」
かのん「……」
かすみ「でもかすみん結構頑張って、賭場の会計任せられる位にはなったんですよ~?んで、時期が来るまでずっと賭場にいたって訳」
かのん「時期って何?」
かすみ「園田組壊滅の時期だよ。あなたが急先鋒ってこと」
かのん「っ…」
かのん「知ってる。でも若頭は来るんでしょ」
かすみ「あなたの狙いは園田海未でしょ。鉄砲玉なら鉄砲玉らしく屋敷に突っ込めば?」カチッ シュボッ
かのん「無駄死にさせる気なら意味無いよ。こんな事で死んでやらない」
かすみ「ははっ、どんな屋敷想像してんの?ただの小さい弱小組織の、その辺の普通の家だよ?」フー
かすみ「まあちょっと大きいくらい。場所も調べりゃ出るよ。組員も全然いない。ウチらに比べればね」
かのん「だからってたった1人で屋敷突っ込んで勝てる程無敵じゃないんで」
かすみ「行けると思うけどなぁ。別に」
かのん「あなたは何なの?台場組なんでしょ?朝香に言われて来たけど」
かすみ「うん、潜入。園田と津島って凄い甘ちゃんで、それっぽい事言って同情誘ったら普通に入れたんだよね」
かのん「……」
かすみ「でもかすみん結構頑張って、賭場の会計任せられる位にはなったんですよ~?んで、時期が来るまでずっと賭場にいたって訳」
かのん「時期って何?」
かすみ「園田組壊滅の時期だよ。あなたが急先鋒ってこと」
かのん「っ…」
0
42: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 01:38:53 ID:???00
かすみ「まあでもあなたの仕事は組長の襲撃だけ。賭場とかの方はかすみんが請け負うから」
かのん「……じゃあとっとと終わらせてやるから、園田の行動予定とか教えてくんない?」
かすみ「基本ずっと屋敷から出ないよ。どこもそんな感じじゃん」
かのん「あなたのとこの朝香はベンチャー企業運営してるくらいだけど」
かすみ「我ら台場組は時代の最先端を行ってますから!」
かのん「……ふん」
かすみ「……あ、でもあった。外出てくる時」
かのん「いつ?」
かすみ「明後日。先代の墓参り。連れていくのも構成員1人か2人と若頭だけ」
かのん「随分少ないんだね」
かすみ「時代柄、筋者が大っぴらに動いたらうるさいもん」
かのん「……場所は?」
かすみ「音ノ木坂共同墓地の1番奥。時間は知らない。ずっと張ってりゃ良いんじゃない?」
かのん「……了解」
かすみ「あ、1人で動いてね。協力者なんかいないと思うけど、今ゾロゾロ動かれても困るだけだから」
かのん「……」
───
かのん「……じゃあとっとと終わらせてやるから、園田の行動予定とか教えてくんない?」
かすみ「基本ずっと屋敷から出ないよ。どこもそんな感じじゃん」
かのん「あなたのとこの朝香はベンチャー企業運営してるくらいだけど」
かすみ「我ら台場組は時代の最先端を行ってますから!」
かのん「……ふん」
かすみ「……あ、でもあった。外出てくる時」
かのん「いつ?」
かすみ「明後日。先代の墓参り。連れていくのも構成員1人か2人と若頭だけ」
かのん「随分少ないんだね」
かすみ「時代柄、筋者が大っぴらに動いたらうるさいもん」
かのん「……場所は?」
かすみ「音ノ木坂共同墓地の1番奥。時間は知らない。ずっと張ってりゃ良いんじゃない?」
かのん「……了解」
かすみ「あ、1人で動いてね。協力者なんかいないと思うけど、今ゾロゾロ動かれても困るだけだから」
かのん「……」
───
0
43: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 01:41:25 ID:???00
【賭場】
壷振「さあ丁方無いか丁方無いか!?」
客「半だ!」
すみれ「……」
凛「丁にゃあ!」
壷振「勝負……ゴゾロの丁!!」
客「あぁ……」
凛「やったぁ!!」
すみれ「やっと勝ったのね、凛」
凛「危うくすっからかんにゃ、ギリギリだよぉ」
すみれ「そんなになるまでやるから……」
凛「……すみれちゃんて、いつも傷だらけだね」
すみれ「……何、急に」
凛「ううん……さあもうひと勝負にゃ!!」
すみれ「……」
───
壷振「さあ丁方無いか丁方無いか!?」
客「半だ!」
すみれ「……」
凛「丁にゃあ!」
壷振「勝負……ゴゾロの丁!!」
客「あぁ……」
凛「やったぁ!!」
すみれ「やっと勝ったのね、凛」
凛「危うくすっからかんにゃ、ギリギリだよぉ」
すみれ「そんなになるまでやるから……」
凛「……すみれちゃんて、いつも傷だらけだね」
すみれ「……何、急に」
凛「ううん……さあもうひと勝負にゃ!!」
すみれ「……」
───
0
44: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 01:44:03 ID:???00
客「じゃあまたな、凛」
凛「ばいばい!また来てにゃ!」
すみれ「さて……かすみは?」
凛「奥で計算中にゃ。半年の決算だから時間かかると思うよ」
<「あら、そういえばそうだったわね」
すみれ「善子、今来たの?」
善子「うん。明日の準備もあってね」
凛「明日?何かあるの?」
善子「先代の墓参りがあるのよ。あ、すみれも来てね?」
すみれ「良いの?部外者なのに」
善子「あんたはもう殆ど園田組よ」
すみれ「……そう」
凛「じゃあ、すみれちゃんもゆくゆく盃交わすのかにゃ?」
すみれ「いや、それは……」
善子「考えといて。別に代紋違いの盃交わしても大丈夫でしょ?姉妹分、ならない?」
すみれ「まあ……私は良いけどさ」
善子「……あなたの一件が、片付いたらね」
すみれ「……うん」
構成員「善子さん、すみれさん。今いいですか?」
善子「ん?」
構成員「この写真を見て下さい」ピラッ
すみれ「写真?」
構成員「最近、屋敷周辺にいた女なんです」
すみれ「……!!」
善子「すみれ?」
すみれ「かのん、だわ」
善子「!!」
構成員「すみれさんから聞いていた特徴と一致してます。近くにいるかもしれませんよ」
すみれ「何で、ここに……」
善子「すみれがここにいる事を、どこかで知ったのかしら」
すみれ「探してきていい?」
善子「ええ、勿論よ。ただもう夜遅いし、まだ近くにいるとは……」
すみれ「……」
凛「ばいばい!また来てにゃ!」
すみれ「さて……かすみは?」
凛「奥で計算中にゃ。半年の決算だから時間かかると思うよ」
<「あら、そういえばそうだったわね」
すみれ「善子、今来たの?」
善子「うん。明日の準備もあってね」
凛「明日?何かあるの?」
善子「先代の墓参りがあるのよ。あ、すみれも来てね?」
すみれ「良いの?部外者なのに」
善子「あんたはもう殆ど園田組よ」
すみれ「……そう」
凛「じゃあ、すみれちゃんもゆくゆく盃交わすのかにゃ?」
すみれ「いや、それは……」
善子「考えといて。別に代紋違いの盃交わしても大丈夫でしょ?姉妹分、ならない?」
すみれ「まあ……私は良いけどさ」
善子「……あなたの一件が、片付いたらね」
すみれ「……うん」
構成員「善子さん、すみれさん。今いいですか?」
善子「ん?」
構成員「この写真を見て下さい」ピラッ
すみれ「写真?」
構成員「最近、屋敷周辺にいた女なんです」
すみれ「……!!」
善子「すみれ?」
すみれ「かのん、だわ」
善子「!!」
構成員「すみれさんから聞いていた特徴と一致してます。近くにいるかもしれませんよ」
すみれ「何で、ここに……」
善子「すみれがここにいる事を、どこかで知ったのかしら」
すみれ「探してきていい?」
善子「ええ、勿論よ。ただもう夜遅いし、まだ近くにいるとは……」
すみれ「……」
0
45: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 01:47:19 ID:???00
<かすみ「うーん……」ガチャッ
善子「あら、かすみ」
かすみ「……合わないんですよね。幾らか」
善子「……は?」
かすみ「今月までの合算と最終的な帳簿にズレが出てます。これ、幾らかかすめ取られてると思うんです」
凛「り、凛そんな事しないよ!?」
構成員「自分もですよ!?」
すみれ「……」
善子「全員動くな!!」
構成員「!」
善子「すみれ、一応アンタもよ」
すみれ「勿論。しっかり調べて」
善子「いくらくらい?」
かすみ「そこまで高い額ではないですけど。30万程」
善子「現金としてパクられてる訳?」
かすみ「恐らく。考えられる容疑者は私、凛、すみれさん、現金洗浄員のあなたです」
構成員「…」
善子「あんた、パ千ンコ負けてるからって」
構成員「しないですよ!!調べてください、現金なんて持ってないですから!!」
すみれ「……」
善子「……家も調べるわよ」
構成員「どうぞ」
善子「すみれ、凛、かすみ、あんた達もね」
かすみ「勿論です」
凛「凛じゃないにゃあ……」
すみれ「疑いかけられちゃ仕方ないわ。大人しく受け入れなさい」
善子「はぁ……今日は寝れないかもね」
───
善子「あら、かすみ」
かすみ「……合わないんですよね。幾らか」
善子「……は?」
かすみ「今月までの合算と最終的な帳簿にズレが出てます。これ、幾らかかすめ取られてると思うんです」
凛「り、凛そんな事しないよ!?」
構成員「自分もですよ!?」
すみれ「……」
善子「全員動くな!!」
構成員「!」
善子「すみれ、一応アンタもよ」
すみれ「勿論。しっかり調べて」
善子「いくらくらい?」
かすみ「そこまで高い額ではないですけど。30万程」
善子「現金としてパクられてる訳?」
かすみ「恐らく。考えられる容疑者は私、凛、すみれさん、現金洗浄員のあなたです」
構成員「…」
善子「あんた、パ千ンコ負けてるからって」
構成員「しないですよ!!調べてください、現金なんて持ってないですから!!」
すみれ「……」
善子「……家も調べるわよ」
構成員「どうぞ」
善子「すみれ、凛、かすみ、あんた達もね」
かすみ「勿論です」
凛「凛じゃないにゃあ……」
すみれ「疑いかけられちゃ仕方ないわ。大人しく受け入れなさい」
善子「はぁ……今日は寝れないかもね」
───
0
46: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 01:50:40 ID:???00
【構成員自宅前】
善子「ふー……」
すみれ「……」
プルル
構成員「……!」ピッ
凛「来た!」
かすみ「……」
構成員「うん、うん……分かった」
ピッ
構成員「かすみさんの自宅からは何も。凛さんはそもそも賭場で寝泊まりしてるんで、潔白はかすみさんが証明済みです」
善子「すみれも今は園田組に住んでるから調べるのは簡単だったわ。そもそも、荷物も殆ど何も無い状態で来てるしね」
かすみ「……では、残るはあなただけですね」
構成員「分かってます……どうぞ」
すみれ「お邪魔するわ」
ガチャッ
善子「……案外綺麗じゃない」
構成員「これでも綺麗好きなんですよ」
かすみ「ふーん……」
凛「あ、ゆいがおーだ!可愛いにゃ」
すみれ「何これ?」
凛「すみれちゃんゆいがおー知らないの?見てこれ、ちょー可愛くない?」
すみれ「……まあ、うん」
善子「タンスとかもひっくり返すけど、いい?」
構成員「勿論です。潔白ですから」
すみれ「……」
───
善子「ふー……」
すみれ「……」
プルル
構成員「……!」ピッ
凛「来た!」
かすみ「……」
構成員「うん、うん……分かった」
ピッ
構成員「かすみさんの自宅からは何も。凛さんはそもそも賭場で寝泊まりしてるんで、潔白はかすみさんが証明済みです」
善子「すみれも今は園田組に住んでるから調べるのは簡単だったわ。そもそも、荷物も殆ど何も無い状態で来てるしね」
かすみ「……では、残るはあなただけですね」
構成員「分かってます……どうぞ」
すみれ「お邪魔するわ」
ガチャッ
善子「……案外綺麗じゃない」
構成員「これでも綺麗好きなんですよ」
かすみ「ふーん……」
凛「あ、ゆいがおーだ!可愛いにゃ」
すみれ「何これ?」
凛「すみれちゃんゆいがおー知らないの?見てこれ、ちょー可愛くない?」
すみれ「……まあ、うん」
善子「タンスとかもひっくり返すけど、いい?」
構成員「勿論です。潔白ですから」
すみれ「……」
───
0
47: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 01:53:23 ID:???00
善子「ふう……あんたオシャレに興味無いのね。お陰で戻すのに時間かかんなかったわ」
構成員「まあ……」
凛「うん、でも何も無かったね」
善子「ええ。ごめんね、疑って」
構成員「いや当然の事ですし!でも、どうしましょうかね」
かすみ「……」ガサゴソ
善子「かすみ?」
凛「ゴミ箱にはカップ麺の空き箱と、割り箸しか入ってなかったよ?」
構成員(…何してんの、かすみさん……!?)
かすみ「……割り箸ね、こんな黒くなるっけ?」スッ…
構成員「!!」
善子「そういう素材なんじゃないの?」
かすみ「いえ、割り箸の原料的に黒はまず無いんです。基本白か、黄色っぽい白。高級店の箸とかなら別ですけど」
構成員(な、何言う気!?)
かすみ「よく見て下さい。全体的に黒色と言うより、黒ずんでる。まるで"焦げた"みたいに。目眩しのために全部を炙ったんだ」
凛「あ、炙る?何でそんな」
かすみ「……白粉のパケの封を閉じる時に炙るんですよ。割り箸で挟んで固定してね」
構成員「────ッッッ!!!?」
善子「……おい」
構成員「ち、ちが、薬なんかないっすよ!?第一今は、金の在り処が何処なのかって───」
構成員「まあ……」
凛「うん、でも何も無かったね」
善子「ええ。ごめんね、疑って」
構成員「いや当然の事ですし!でも、どうしましょうかね」
かすみ「……」ガサゴソ
善子「かすみ?」
凛「ゴミ箱にはカップ麺の空き箱と、割り箸しか入ってなかったよ?」
構成員(…何してんの、かすみさん……!?)
かすみ「……割り箸ね、こんな黒くなるっけ?」スッ…
構成員「!!」
善子「そういう素材なんじゃないの?」
かすみ「いえ、割り箸の原料的に黒はまず無いんです。基本白か、黄色っぽい白。高級店の箸とかなら別ですけど」
構成員(な、何言う気!?)
かすみ「よく見て下さい。全体的に黒色と言うより、黒ずんでる。まるで"焦げた"みたいに。目眩しのために全部を炙ったんだ」
凛「あ、炙る?何でそんな」
かすみ「……白粉のパケの封を閉じる時に炙るんですよ。割り箸で挟んで固定してね」
構成員「────ッッッ!!!?」
善子「……おい」
構成員「ち、ちが、薬なんかないっすよ!?第一今は、金の在り処が何処なのかって───」
0
48: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 01:56:25 ID:???00
すみれ「ねぇ、写真もう一度見せてくれない?」
凛「え、今!?」
構成員「……!?」
構成員(な、何考えてんの、こいつ……!?)
善子「……すみれ?」
すみれ「ね、ホントにかのんだったか確認したいの。見せて?」
構成員「……は、はあ」スッ…
ガシッ!!
構成員「い゛……っ!!?」
グググ…!!
すみれ「……この指の間の穴は、何?まるで何か"針みたいな物"を刺した穴だけど」
構成員「────っあ」
すみれ「そりゃ、賭場の金は持ってないわね……全部シャブに変えたんだから」
構成員「……!!!」
善子「───ッッッ!!」ガシッ!!
構成員「か゛、は……ッ!!?」
善子「どこ?その粉は」
構成員「あ……あが……っ!!」
善子「言え」
チャキッ
凛「ひっ……!」
すみれ「善子」
善子「〇しゃしないわよ。今はね」
凛「え、今!?」
構成員「……!?」
構成員(な、何考えてんの、こいつ……!?)
善子「……すみれ?」
すみれ「ね、ホントにかのんだったか確認したいの。見せて?」
構成員「……は、はあ」スッ…
ガシッ!!
構成員「い゛……っ!!?」
グググ…!!
すみれ「……この指の間の穴は、何?まるで何か"針みたいな物"を刺した穴だけど」
構成員「────っあ」
すみれ「そりゃ、賭場の金は持ってないわね……全部シャブに変えたんだから」
構成員「……!!!」
善子「───ッッッ!!」ガシッ!!
構成員「か゛、は……ッ!!?」
善子「どこ?その粉は」
構成員「あ……あが……っ!!」
善子「言え」
チャキッ
凛「ひっ……!」
すみれ「善子」
善子「〇しゃしないわよ。今はね」
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49: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 01:59:59 ID:???00
かすみ「……」
善子「その粉はどこ?……とっとと吐けぇッ!!!!」
構成員「ぜ……全部…売りました……ッ!!」
善子「……じゃあ、その金は?」
構成員「ぐっ……!!」
かすみ「……」
構成員(か、かすみ、さん……!!何で私売ったの……!?)
プルル
かすみ「……はい」ピッ
すみれ「……」
かすみ「……はあ、そうですか」
ピッ
善子「何?」
かすみ「賭場の組員からです。全額戻ってきたと」
善子「……は?」
かすみ「金を盗ってシャブに替え、それを売った金を今戻した……そんなとこ?」
構成員「……っ!……っ!!」コクコク
善子「……誰が?こいつが?じゃないわよね?協力者がいるわね。誰?」
かすみ「……」
凛「ね、ねぇ、言おう?善子ちゃんも、正直に言ったら許してくれるよ……」
善子「あんまその気無いけど。金を盗み、シャブを売り、あまつさえ自分でも喰ってる」
すみれ「……同情出来ないわ」
善子「ごめん。あんた結構好きだったんだけど……甘やかし過ぎた」
チャキッ
構成員「がぁ…ッ!!?」
善子「組に背くなら、〇すわ」
凛「にゃあ……っ」フルフル
善子「その粉はどこ?……とっとと吐けぇッ!!!!」
構成員「ぜ……全部…売りました……ッ!!」
善子「……じゃあ、その金は?」
構成員「ぐっ……!!」
かすみ「……」
構成員(か、かすみ、さん……!!何で私売ったの……!?)
プルル
かすみ「……はい」ピッ
すみれ「……」
かすみ「……はあ、そうですか」
ピッ
善子「何?」
かすみ「賭場の組員からです。全額戻ってきたと」
善子「……は?」
かすみ「金を盗ってシャブに替え、それを売った金を今戻した……そんなとこ?」
構成員「……っ!……っ!!」コクコク
善子「……誰が?こいつが?じゃないわよね?協力者がいるわね。誰?」
かすみ「……」
凛「ね、ねぇ、言おう?善子ちゃんも、正直に言ったら許してくれるよ……」
善子「あんまその気無いけど。金を盗み、シャブを売り、あまつさえ自分でも喰ってる」
すみれ「……同情出来ないわ」
善子「ごめん。あんた結構好きだったんだけど……甘やかし過ぎた」
チャキッ
構成員「がぁ…ッ!!?」
善子「組に背くなら、〇すわ」
凛「にゃあ……っ」フルフル
0
50: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 02:02:41 ID:???00
かすみ「善子さん」
善子「何?」
かすみ「気持ちは分かります。ただ、時間も時間ですよ。海未さん、墓参り行くんじゃないんですか?」
善子「……」
かすみ「私が賭場の責任者って訳じゃないですが、私の管轄から出た不始末でもあります。その子の後始末は、私に任せてくれませんか」
すみれ「……善子、取り敢えず…金は戻った。一旦、それで手を打たない?」
善子「……ッ!」
すみれ「確かにその子の処罰はするべきだけど、何より海未さんの墓参りよ。お1人で行かせる訳にはいかないでしょ」
善子「…ちッ!……かすみ、任せるわよ」パッ
ドサァッ!
構成員「ごほっ、ごほっ……!!」
善子「4時か……今から帰れば3時間は寝れるか」
善子「行くわよすみれ。凛、付き合わせてごめんね。帰っていいわ」
凛「う、うん……またね、善子ちゃん」
すみれ「……」
構成員「はぁッ……はぁ……」
すみれ「……かすみ、この子を頼むわね」
かすみ「お任せあれです」
<ガチャッ
<テクテク…
凛「……」
構成員「……なんですか」
凛「……ううん。また会おうね」
構成員「……っ」
凛「かすみちゃん、また」
かすみ「はいっ」
<バタンッ
善子「何?」
かすみ「気持ちは分かります。ただ、時間も時間ですよ。海未さん、墓参り行くんじゃないんですか?」
善子「……」
かすみ「私が賭場の責任者って訳じゃないですが、私の管轄から出た不始末でもあります。その子の後始末は、私に任せてくれませんか」
すみれ「……善子、取り敢えず…金は戻った。一旦、それで手を打たない?」
善子「……ッ!」
すみれ「確かにその子の処罰はするべきだけど、何より海未さんの墓参りよ。お1人で行かせる訳にはいかないでしょ」
善子「…ちッ!……かすみ、任せるわよ」パッ
ドサァッ!
構成員「ごほっ、ごほっ……!!」
善子「4時か……今から帰れば3時間は寝れるか」
善子「行くわよすみれ。凛、付き合わせてごめんね。帰っていいわ」
凛「う、うん……またね、善子ちゃん」
すみれ「……」
構成員「はぁッ……はぁ……」
すみれ「……かすみ、この子を頼むわね」
かすみ「お任せあれです」
<ガチャッ
<テクテク…
凛「……」
構成員「……なんですか」
凛「……ううん。また会おうね」
構成員「……っ」
凛「かすみちゃん、また」
かすみ「はいっ」
<バタンッ
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51: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 02:05:13 ID:???00
構成員「……何で引っ掻き回したんですか?」
かすみ「ああいう手合いってね、外からの攻撃には強いけど……中からの攻撃には滅法弱いんだよ」
かすみ「ただでさえ少ない構成員がご法度の薬やってて、金まで盗んで……気付けば金は戻ってるしね。あはは、疲れたろうなぁ」
構成員「本当に戻したんですか?わざわざ」
かすみ「いや全然?もう台場組に送ったし。シャブ諸共。あとの捌きは、りな子がインターネットでするしね」
構成員「…そうすか」
かすみ「あ、ゆいがおー貸して。残りの薬入ってるでしょ」
構成員「あ、はい」
ーーーー
凛「……台場、組!?」
<ガチャッ
凛「!!」
チャキッ
かすみ「……かすみん、結構凛の事気に入ってたんだけどな」
凛「……っか、かす、みちゃん……!!?」
かすみ「悪いけど、付いてきてくれる?」
────
かすみ「ああいう手合いってね、外からの攻撃には強いけど……中からの攻撃には滅法弱いんだよ」
かすみ「ただでさえ少ない構成員がご法度の薬やってて、金まで盗んで……気付けば金は戻ってるしね。あはは、疲れたろうなぁ」
構成員「本当に戻したんですか?わざわざ」
かすみ「いや全然?もう台場組に送ったし。シャブ諸共。あとの捌きは、りな子がインターネットでするしね」
構成員「…そうすか」
かすみ「あ、ゆいがおー貸して。残りの薬入ってるでしょ」
構成員「あ、はい」
ーーーー
凛「……台場、組!?」
<ガチャッ
凛「!!」
チャキッ
かすみ「……かすみん、結構凛の事気に入ってたんだけどな」
凛「……っか、かす、みちゃん……!!?」
かすみ「悪いけど、付いてきてくれる?」
────
0
52: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 02:08:57 ID:???00
【次の日、園田組邸内】
すみれ「すぅ……」
善子「……」スヤー
<ガラッ
海未「……」スッ…
カンカンカンカンカン!!!!
すみれ「のわぁッ!!?」すってーん
善子「何ぃ!?カチコミィ!!?」がっしゃーん
海未「遅くに帰って来たと思ったら、寝坊ですか!」
すみれ「す、すいません……」
善子「実は昨日色々ありまして……」
海未「詳しくは道中聞きましょう。朝ごはんですよ。食べたらすぐに行きますからね」
すみよし『はーい……』
────
すみれ「すぅ……」
善子「……」スヤー
<ガラッ
海未「……」スッ…
カンカンカンカンカン!!!!
すみれ「のわぁッ!!?」すってーん
善子「何ぃ!?カチコミィ!!?」がっしゃーん
海未「遅くに帰って来たと思ったら、寝坊ですか!」
すみれ「す、すいません……」
善子「実は昨日色々ありまして……」
海未「詳しくは道中聞きましょう。朝ごはんですよ。食べたらすぐに行きますからね」
すみよし『はーい……』
────
0
53: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 02:13:15 ID:???00
ブーン…
善子「……という訳です。あの子は禁を破った……それは厳罰に処さなければと」
海未「……はぁ。若い身空でどうして薬など」
すみれ「……」
海未「その件は善子にお任せします。ただ、出来れば温情をかけてあげてください。あの子ならきっと改心してくれる」
善子「…善処します」
すみれ「……お言葉ですが」
海未「……」
すみれ「組の決まり事というのはカタギのそれと比べ物にならない程、固い物だと思っています」
善子「……」
すみれ「私は組にお世話になっているだけの厄介者です、出過ぎた事を言っている自覚はあります。ですが、あの子に……かける温情は無いのではないかと」
海未「では、どうしますか?〇すのですか?」
すみれ「……そう思われる位の責め苦を与えた方が良いかと」
海未「賛成出来ませんね」
すみれ「……」
海未「我々がされるのなら分かります。もう全身稼業に身をやつしていますから、私達に先も後も無い」
海未「でもね、彼女はまだ若い。1度付いた汚点ではありますが、彼女次第でまだまだ人生どうとでもなる。違いますか?」
すみれ「……極道も、一度の過ち位は許す様になってるんですね」
海未「頭の古ーいすみれには理解し難いかもしれませんが、良いじゃないですか。結局、全て人それぞれが決める事ですから」
善子「……まだまだ青いのよ、私達は皆」
すみれ「……青い菫か」
構成員「そろそろ、到着します」
────
善子「……という訳です。あの子は禁を破った……それは厳罰に処さなければと」
海未「……はぁ。若い身空でどうして薬など」
すみれ「……」
海未「その件は善子にお任せします。ただ、出来れば温情をかけてあげてください。あの子ならきっと改心してくれる」
善子「…善処します」
すみれ「……お言葉ですが」
海未「……」
すみれ「組の決まり事というのはカタギのそれと比べ物にならない程、固い物だと思っています」
善子「……」
すみれ「私は組にお世話になっているだけの厄介者です、出過ぎた事を言っている自覚はあります。ですが、あの子に……かける温情は無いのではないかと」
海未「では、どうしますか?〇すのですか?」
すみれ「……そう思われる位の責め苦を与えた方が良いかと」
海未「賛成出来ませんね」
すみれ「……」
海未「我々がされるのなら分かります。もう全身稼業に身をやつしていますから、私達に先も後も無い」
海未「でもね、彼女はまだ若い。1度付いた汚点ではありますが、彼女次第でまだまだ人生どうとでもなる。違いますか?」
すみれ「……極道も、一度の過ち位は許す様になってるんですね」
海未「頭の古ーいすみれには理解し難いかもしれませんが、良いじゃないですか。結局、全て人それぞれが決める事ですから」
善子「……まだまだ青いのよ、私達は皆」
すみれ「……青い菫か」
構成員「そろそろ、到着します」
────
0
54: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 02:17:15 ID:???00
【音ノ木坂霊園】
キキッ
ガチャッ
善子「どうぞ、海未さん」
海未「ありがとうございます」
構成員「こちらへ。すみれさんも」
すみれ「ありがとう」
バタンッ
シトシト…
善子「傘をお願い」
構成員「はい、海未さん」
バサッ
海未「ありがとう。では行きましょうか」
<ガサッ
善子「!!」
すみれ「……誰?」
海未「そんな大袈裟な。風の音では?」
構成員「いや……います」
善子「いるのは分かってるわ。出てきなさい!」
<……ガサガサッ
すみれ「……!」
<スッ…
キキッ
ガチャッ
善子「どうぞ、海未さん」
海未「ありがとうございます」
構成員「こちらへ。すみれさんも」
すみれ「ありがとう」
バタンッ
シトシト…
善子「傘をお願い」
構成員「はい、海未さん」
バサッ
海未「ありがとう。では行きましょうか」
<ガサッ
善子「!!」
すみれ「……誰?」
海未「そんな大袈裟な。風の音では?」
構成員「いや……います」
善子「いるのは分かってるわ。出てきなさい!」
<……ガサガサッ
すみれ「……!」
<スッ…
0
55: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 02:21:29 ID:???00
かのん「っ……」
すみれ「っか、かのん……ッ!!?」
かのん「何で……?何で、すみれちゃんがここにいるの……!?」チャキッ
善子「は、はァ!?かのんって、アンタ───」
構成員「銃を下ろして!!組長、後ろに!!」
かのん「何でいるの!!?すみれちゃんがいたら、その人を撃てないじゃんか!!!」
すみれ「こっちのセリフよッ!!何でアンタが海未さんを狙うの!!?」
かのん「だ、だって……!!」
海未「台場の差し金ですか?」
すみれ「!!」
海未「……やらされてるんでしょう。本当にただ私を〇す気なら、茂みから撃てば良かった。動揺が私たちに伝わり、敢えて身をさらけだしたのは……すみれがここにいたからですか?」
かのん「ッ……!」
海未「教えて下さい、あなたの今の立ち位置を」
かのん「……希さんが……事務所で監禁されてます」
すみれ「っ、希さんは生きてるの!?」
かのん「うん。助ける為に事務所に戻って来た朝香を撃とうとしたんだけど、下っ端に当たって……落とし前に、園田組の親分さんを弾いてこいって」
かのん「失敗すれば、私も希さんも〇す……そう言われた」
すみれ「アイツら……ッ!!」
善子「すみれに感謝ね。あなたがいなかったら今頃海未さんは撃たれてた」
海未「とにかく、あなたはこのままウチに来なさい。共に希の救出作戦について考えましょう。猶予はあまり無いようですが」
かのん「期限は1週間以内と言われました。一応、まだ3日ほど時間はあります」
善子「しかし……何でこんな失敗前提みたいな作戦を?そりゃすみれがいたから良いものの」
かのん「ハナから成功する訳ないって思ってたんじゃないかな。体のいい汚れ仕事を押し付けて、希さんを孤立させたかっただけじゃ……」
すみれ「奴等にとって私らはただのコマ。消えてくれれば万々歳って事よ。ついでに掃除もしてくれりゃ……それでよし」
善子「……ていうかちょっと待って」
構成員「善子さん、傘を貰います」
善子「ええ」
構成員「よっと……」
ブンブン
すみれ「っか、かのん……ッ!!?」
かのん「何で……?何で、すみれちゃんがここにいるの……!?」チャキッ
善子「は、はァ!?かのんって、アンタ───」
構成員「銃を下ろして!!組長、後ろに!!」
かのん「何でいるの!!?すみれちゃんがいたら、その人を撃てないじゃんか!!!」
すみれ「こっちのセリフよッ!!何でアンタが海未さんを狙うの!!?」
かのん「だ、だって……!!」
海未「台場の差し金ですか?」
すみれ「!!」
海未「……やらされてるんでしょう。本当にただ私を〇す気なら、茂みから撃てば良かった。動揺が私たちに伝わり、敢えて身をさらけだしたのは……すみれがここにいたからですか?」
かのん「ッ……!」
海未「教えて下さい、あなたの今の立ち位置を」
かのん「……希さんが……事務所で監禁されてます」
すみれ「っ、希さんは生きてるの!?」
かのん「うん。助ける為に事務所に戻って来た朝香を撃とうとしたんだけど、下っ端に当たって……落とし前に、園田組の親分さんを弾いてこいって」
かのん「失敗すれば、私も希さんも〇す……そう言われた」
すみれ「アイツら……ッ!!」
善子「すみれに感謝ね。あなたがいなかったら今頃海未さんは撃たれてた」
海未「とにかく、あなたはこのままウチに来なさい。共に希の救出作戦について考えましょう。猶予はあまり無いようですが」
かのん「期限は1週間以内と言われました。一応、まだ3日ほど時間はあります」
善子「しかし……何でこんな失敗前提みたいな作戦を?そりゃすみれがいたから良いものの」
かのん「ハナから成功する訳ないって思ってたんじゃないかな。体のいい汚れ仕事を押し付けて、希さんを孤立させたかっただけじゃ……」
すみれ「奴等にとって私らはただのコマ。消えてくれれば万々歳って事よ。ついでに掃除もしてくれりゃ……それでよし」
善子「……ていうかちょっと待って」
構成員「善子さん、傘を貰います」
善子「ええ」
構成員「よっと……」
ブンブン
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56: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 02:24:50 ID:???00
かのん「…」
善子「何でここに来るって……分かったの?一体全体、誰から聞いた?」
かのん「それは、あなたの組の────」
パァン…!!
海未「……───っあ」
ドサッ…
善子「…っ、うみ、さん……ッ!!!?」
かのん「そ、そんな……っ!!?」
すみれ「伏せて!!!」
構成員「……ッ!!」バッ
ーーーー
?「……ヒット、ナイスです彼方さん」
彼方「ん。どう、あの子達動きそう?しずくちゃん」
しずく「たった3人で来た彼女達に出来る行動は無いですよ。園田の誘導も、合図もあの子が送ってくれましたし」
彼方「後始末は?」
しずく「高飛びの道すがら、後は嵐珠さんがやってくれます。あの子も上手くあの場を離れると思いますし、拾って私達も離脱しましょう」
彼方「ちゃんと高飛びさせるのかい?」
しずく「いいえ。させません」
ーーーー
善子「何でここに来るって……分かったの?一体全体、誰から聞いた?」
かのん「それは、あなたの組の────」
パァン…!!
海未「……───っあ」
ドサッ…
善子「…っ、うみ、さん……ッ!!!?」
かのん「そ、そんな……っ!!?」
すみれ「伏せて!!!」
構成員「……ッ!!」バッ
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?「……ヒット、ナイスです彼方さん」
彼方「ん。どう、あの子達動きそう?しずくちゃん」
しずく「たった3人で来た彼女達に出来る行動は無いですよ。園田の誘導も、合図もあの子が送ってくれましたし」
彼方「後始末は?」
しずく「高飛びの道すがら、後は嵐珠さんがやってくれます。あの子も上手くあの場を離れると思いますし、拾って私達も離脱しましょう」
彼方「ちゃんと高飛びさせるのかい?」
しずく「いいえ。させません」
ーーーー
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57: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 02:28:17 ID:???00
海未「……ッ、ごほッ……!!」
ビシャッ
善子「海未さん、海未さんっ!!!」
かのん「やっぱり撃てないって思われてたのか……!クソッ!!」
すみれ「不味い、これじゃ……!!」
海未「ッう゛……!皆、さん…!!」
善子「喋らないで!!」
海未「かのんさんが、私を撃たず……でも撃たれたという事は……見切りを付けられたということ……ごほっ!!」
かのん「!!」
海未「1週間の猶予など、もうありません……希が、危ない……ッ!!」
すみれ「でも、このままじゃあなたが……!!」
善子「音ノ木坂の霊園よ!!良いからとっとと救急寄越せって言ってんの!!!アンタは車持ってきて!!」
構成員「は、はい……!」タタッ
海未「善子……」
善子「……っ」
海未「私はここに置いて、あなたは希を助けに行って下さい……」
善子「で、でも海未さんが!!」
海未「救急車は、呼んでくれたのでしょう?車を持ってきてくれるあの子もいます……私の事は、一先ず良いから」
海未「私の友人を……助けてあげて…ッ!!」
善子「……!」
かのん「でも……」
すみれ「…親の言う事は絶対でしょ。私達お互いの親が狙われて、黙ってられないなら……腹括るしか無い」
善子「分かってるわよッ!!」
プルル
すみれ「……何?」ピッ
壷振『すみれさん!と、賭場が……グアッ!?』<パァンパァン!!
プツッ
すみれ「……ッ!!」
かのん「何!?どうしたの、すみれちゃん!!」
すみれ「園田組の賭場が、襲われてる……!!」
ビシャッ
善子「海未さん、海未さんっ!!!」
かのん「やっぱり撃てないって思われてたのか……!クソッ!!」
すみれ「不味い、これじゃ……!!」
海未「ッう゛……!皆、さん…!!」
善子「喋らないで!!」
海未「かのんさんが、私を撃たず……でも撃たれたという事は……見切りを付けられたということ……ごほっ!!」
かのん「!!」
海未「1週間の猶予など、もうありません……希が、危ない……ッ!!」
すみれ「でも、このままじゃあなたが……!!」
善子「音ノ木坂の霊園よ!!良いからとっとと救急寄越せって言ってんの!!!アンタは車持ってきて!!」
構成員「は、はい……!」タタッ
海未「善子……」
善子「……っ」
海未「私はここに置いて、あなたは希を助けに行って下さい……」
善子「で、でも海未さんが!!」
海未「救急車は、呼んでくれたのでしょう?車を持ってきてくれるあの子もいます……私の事は、一先ず良いから」
海未「私の友人を……助けてあげて…ッ!!」
善子「……!」
かのん「でも……」
すみれ「…親の言う事は絶対でしょ。私達お互いの親が狙われて、黙ってられないなら……腹括るしか無い」
善子「分かってるわよッ!!」
プルル
すみれ「……何?」ピッ
壷振『すみれさん!と、賭場が……グアッ!?』<パァンパァン!!
プツッ
すみれ「……ッ!!」
かのん「何!?どうしたの、すみれちゃん!!」
すみれ「園田組の賭場が、襲われてる……!!」
0
58: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 02:31:58 ID:???00
善子「……そん、な」
海未「…善子ぉッ!!!」
善子「!!」
海未「……若頭として……やるべき事を、やりなさい」
かのん「…私は事務所に戻って時間を稼ぐ。死ぬ気で暴れて、希さんを助ける。力づくで」
善子「アンタ……」
かのん「あなたは自分達の場所を守って!!」
すみれ「かのん、アンタ1人で行く気!?」
かのん「元は私が独断で動いたせいでしょ。落とし前は自分で付ける。すみれちゃんは、お世話になった園田さんの場所を一緒に護ってあげて」
すみれ「……ッ」
善子「……車まで戻るわよ。賭場までぶっ飛ばす。途中まで送るから、来なさい」
かのん「ありがとう、お願い」
海未「……ふふ」
善子「海未さん……後は、任せてください」
海未「青いというのは……いい物ですね」
すみれ「傘、置いておきます」
海未「ありがとう。さあ、行って」
善子「……っ、行くわよ!!」
ダダダッ
ザーッ……
すみれ「……待って、何でまだ車がある訳!?」
かのん「さっき園田組の子に取りに行かせたよね……!?」
善子「……っあぁもう!!どいつもこいつも寝返りやがってッ!!!もういいから、乗って!!」ガチャッ
すみれ「海未さん……!」
善子「仮にも渡世の親を、野ざらしにして……見つけ次第、問答無用でぶっ〇してやる……ッ!!」
ブォン!!
────
海未「…善子ぉッ!!!」
善子「!!」
海未「……若頭として……やるべき事を、やりなさい」
かのん「…私は事務所に戻って時間を稼ぐ。死ぬ気で暴れて、希さんを助ける。力づくで」
善子「アンタ……」
かのん「あなたは自分達の場所を守って!!」
すみれ「かのん、アンタ1人で行く気!?」
かのん「元は私が独断で動いたせいでしょ。落とし前は自分で付ける。すみれちゃんは、お世話になった園田さんの場所を一緒に護ってあげて」
すみれ「……ッ」
善子「……車まで戻るわよ。賭場までぶっ飛ばす。途中まで送るから、来なさい」
かのん「ありがとう、お願い」
海未「……ふふ」
善子「海未さん……後は、任せてください」
海未「青いというのは……いい物ですね」
すみれ「傘、置いておきます」
海未「ありがとう。さあ、行って」
善子「……っ、行くわよ!!」
ダダダッ
ザーッ……
すみれ「……待って、何でまだ車がある訳!?」
かのん「さっき園田組の子に取りに行かせたよね……!?」
善子「……っあぁもう!!どいつもこいつも寝返りやがってッ!!!もういいから、乗って!!」ガチャッ
すみれ「海未さん……!」
善子「仮にも渡世の親を、野ざらしにして……見つけ次第、問答無用でぶっ〇してやる……ッ!!」
ブォン!!
────
0
59: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 02:35:35 ID:???00
【朝香興行】
プルル
果林「私が出るわ」
構成員「はっ。どうぞ」
果林「……もしもし」ガチャッ
希「……」
構成員「お茶は?お菓子もあるけど」
希「何や急に、気色悪いな……」
構成員「あ、ウイスキーの方が良かった?」
希「元々ウチのやそれ。何なん急に」
<ガチャッ…
果林「……最後の晩餐って奴よ。気の利く子達でしょ?」
希「…失敗したんか。かのんちゃんは」
果林「うーん、失敗というか……元々撃てると思ってないしね。でも多分園田さんは死んだわよ。ウチの子が弾いたわ」
希「なら、そもそもこうするつもりやったんやろ?〇るなら〇って」
果林「でもねぇ……ずっと一本独鈷でやってきたその辣腕をむざむざ失うのも……って思うのよ」
希「……何や、生かしてくれるん?ほんならかのんちゃんもすみれちゃんも、ウチの子皆生かしておいて欲しいんやけど」
果林「うん……そうよね、別に〇す必要なんかないし。総代とか下の子は、反抗分子は全員根絶やしにすべきって言ってるけど」
希「噂に聞く台場の当代、高咲……なんやらか」
果林「そ。いやでもねぇ……どうしましょう?」
希「ウチに聞かれても困るわ。ほんまやったら死んでも嫌なんよ?海未ちゃんを弾いてウチらも園田組の子らも、バラバラに引き裂いたアンタらの傘下に成り下がるなんてさ」
果林「そりゃ誰だってイヤよ。でも人の世って世知辛いものよね」
希「でもな……生きてれば何とかなるんよ。ウチらと違って、彼女らは若い。これから先はあの子らが作ってくんや」
希「それをウチら老兵が引っ掻き回すなんて……やっちゃあかんよ」
果林「ええ……全く、その通りだわ」チャキッ
パァン……!!
────
プルル
果林「私が出るわ」
構成員「はっ。どうぞ」
果林「……もしもし」ガチャッ
希「……」
構成員「お茶は?お菓子もあるけど」
希「何や急に、気色悪いな……」
構成員「あ、ウイスキーの方が良かった?」
希「元々ウチのやそれ。何なん急に」
<ガチャッ…
果林「……最後の晩餐って奴よ。気の利く子達でしょ?」
希「…失敗したんか。かのんちゃんは」
果林「うーん、失敗というか……元々撃てると思ってないしね。でも多分園田さんは死んだわよ。ウチの子が弾いたわ」
希「なら、そもそもこうするつもりやったんやろ?〇るなら〇って」
果林「でもねぇ……ずっと一本独鈷でやってきたその辣腕をむざむざ失うのも……って思うのよ」
希「……何や、生かしてくれるん?ほんならかのんちゃんもすみれちゃんも、ウチの子皆生かしておいて欲しいんやけど」
果林「うん……そうよね、別に〇す必要なんかないし。総代とか下の子は、反抗分子は全員根絶やしにすべきって言ってるけど」
希「噂に聞く台場の当代、高咲……なんやらか」
果林「そ。いやでもねぇ……どうしましょう?」
希「ウチに聞かれても困るわ。ほんまやったら死んでも嫌なんよ?海未ちゃんを弾いてウチらも園田組の子らも、バラバラに引き裂いたアンタらの傘下に成り下がるなんてさ」
果林「そりゃ誰だってイヤよ。でも人の世って世知辛いものよね」
希「でもな……生きてれば何とかなるんよ。ウチらと違って、彼女らは若い。これから先はあの子らが作ってくんや」
希「それをウチら老兵が引っ掻き回すなんて……やっちゃあかんよ」
果林「ええ……全く、その通りだわ」チャキッ
パァン……!!
────
0
60: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 02:40:11 ID:???00
善子「ここでいいの?」
かのん「うん、同じ轍を踏む気は無いよ。ただただ無駄死にするつもりは無いからね。協力を頼むよ」
すみれ「そんな奴がいる訳?」
かのん「後輩がここらにいるハズなんだ。協力させる」
かのん「何人か再起不能にしてでも、ついてこさせるよ」
善子「……無理すんじゃないわよ」
かのん「分かってる。そっちが片付いたら、こっちに手を貸して。襲撃しといて虫が良い話だとは思うけど」
すみれ「それが海未さんの意思なんだから、断る理由は無いでしょ?」
善子「ええ。あなたも無茶しないで」
かのん「分かった……2人もね」
<ブーン…!!
かのん「……」
<ゾロゾロ…
半グレ達「……」
かのん「……わざわざ雨の中見回り?」
メイ「ヤーさんがシマでコソコソしてたら見に来るだろ。で、誰お前?」
かのん「…久しぶり」
メイ「……かのん、先輩」
半グレ「え、メイさんの先輩っすか?」
メイ「ああ……1番怖ぇって言葉が付くけどな」
かのん「……メイちゃんもさ、私に似て真面目な真っ直ぐばかだよね」
半グレ「テメッ、誰に向かって───」
メイ「テメェこそ誰に口聞いてんだ」
半グレ「……すんません」
かのん「うん、同じ轍を踏む気は無いよ。ただただ無駄死にするつもりは無いからね。協力を頼むよ」
すみれ「そんな奴がいる訳?」
かのん「後輩がここらにいるハズなんだ。協力させる」
かのん「何人か再起不能にしてでも、ついてこさせるよ」
善子「……無理すんじゃないわよ」
かのん「分かってる。そっちが片付いたら、こっちに手を貸して。襲撃しといて虫が良い話だとは思うけど」
すみれ「それが海未さんの意思なんだから、断る理由は無いでしょ?」
善子「ええ。あなたも無茶しないで」
かのん「分かった……2人もね」
<ブーン…!!
かのん「……」
<ゾロゾロ…
半グレ達「……」
かのん「……わざわざ雨の中見回り?」
メイ「ヤーさんがシマでコソコソしてたら見に来るだろ。で、誰お前?」
かのん「…久しぶり」
メイ「……かのん、先輩」
半グレ「え、メイさんの先輩っすか?」
メイ「ああ……1番怖ぇって言葉が付くけどな」
かのん「……メイちゃんもさ、私に似て真面目な真っ直ぐばかだよね」
半グレ「テメッ、誰に向かって───」
メイ「テメェこそ誰に口聞いてんだ」
半グレ「……すんません」
0
61: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 02:45:28 ID:???00
メイ「……まあそっすね。だから何すか?」
かのん「……」
チャキッ
メイ「…!」
半グレ「ばっ、こんな街中でハジキ出すなよ!!」
メイ「何のつもりですか、先輩?」
かのん「……メイちゃん」
メイ「……」
かのん「お願い……助けて」
メイ「……はっ、銃突き付けながら言う事かよ」
半グレ「脅しは通じねぇよ!!ハジキであたしらがビビると思ってんのか、アァ!?」
パァン…!!
半グレ「……───ッ、だァ!!?」
かのん「次は本気で〇す。足じゃ済まさない」
メイ「……アンタ、堕ちたな」
かのん「何と言われようと構わない。私の親を助ける為なら、〇されたっていい」
メイ「親……?」
かのん「実の親なんかより固い絆って奴だよ。その為なら、君達全員〇してみせる事だって出来る」
半グレ「ぐっ……助け求めときながら〇すのかよ……頭おかしいのかてめぇ!!?」
かのん「時間が無い。来てくれるのか来ないのか、決めてくれる?」
かのん「タダでとは言わないよ。片がついたら、相応のお礼はする。それだけは約束するよ」
かのん「だから……力を貸して、お願い」
メイ「……何か最近こんなんばっかだな」ボソッ
かのん「……」
メイ「はぁ……何する気だよ」
───
かのん「……」
チャキッ
メイ「…!」
半グレ「ばっ、こんな街中でハジキ出すなよ!!」
メイ「何のつもりですか、先輩?」
かのん「……メイちゃん」
メイ「……」
かのん「お願い……助けて」
メイ「……はっ、銃突き付けながら言う事かよ」
半グレ「脅しは通じねぇよ!!ハジキであたしらがビビると思ってんのか、アァ!?」
パァン…!!
半グレ「……───ッ、だァ!!?」
かのん「次は本気で〇す。足じゃ済まさない」
メイ「……アンタ、堕ちたな」
かのん「何と言われようと構わない。私の親を助ける為なら、〇されたっていい」
メイ「親……?」
かのん「実の親なんかより固い絆って奴だよ。その為なら、君達全員〇してみせる事だって出来る」
半グレ「ぐっ……助け求めときながら〇すのかよ……頭おかしいのかてめぇ!!?」
かのん「時間が無い。来てくれるのか来ないのか、決めてくれる?」
かのん「タダでとは言わないよ。片がついたら、相応のお礼はする。それだけは約束するよ」
かのん「だから……力を貸して、お願い」
メイ「……何か最近こんなんばっかだな」ボソッ
かのん「……」
メイ「はぁ……何する気だよ」
───
0
62: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 02:48:15 ID:???00
【賭場】
すみれ「……善子、銃はある?」
善子「ほら。行くわよ、台場組の奴等なら全員弾いて構わない。ここを取り返すのよ」
すみれ「……勿論」
ダダッ
ガコンッ…
善子「……ッ」コツコツ
すみれ「……静かね」コツコツ
バッ
善子「……クソっ、クソ……ッ!!」
すみれ「……遅かったのね……」
構成員「」
構成員「」
構成員「」
壷振「」
すみれ「……凛、凛は!?」
<コツコツ…
善子「……!すみれ、下がって!!」
<コツコツ
すみれ「……っ」チャキッ
<?「……あれ、もう着いたんですか?早かったですね」
すみれ「……かす、み」
善子「……あんた」
かすみ「お疲れ様です。もう暫くここは使えないですね。まだ雀卓入れる前で良かったです。牌が全部赤ドラになっちゃいますし。ぷくく」
善子「あんたまで……台場の手の者だったのね」
かすみ「はい。あ、この子もね」
構成員「……」
すみれ「……シャブで前後不覚だからって訳でも無さそうね」
構成員「まあ、結構な量貰っ((パァン!!」
ドサッ
構成員「」
かすみ「あらら……」
善子「……ウチではご法度だっつってんのよ」チャキッ
すみれ「……善子、銃はある?」
善子「ほら。行くわよ、台場組の奴等なら全員弾いて構わない。ここを取り返すのよ」
すみれ「……勿論」
ダダッ
ガコンッ…
善子「……ッ」コツコツ
すみれ「……静かね」コツコツ
バッ
善子「……クソっ、クソ……ッ!!」
すみれ「……遅かったのね……」
構成員「」
構成員「」
構成員「」
壷振「」
すみれ「……凛、凛は!?」
<コツコツ…
善子「……!すみれ、下がって!!」
<コツコツ
すみれ「……っ」チャキッ
<?「……あれ、もう着いたんですか?早かったですね」
すみれ「……かす、み」
善子「……あんた」
かすみ「お疲れ様です。もう暫くここは使えないですね。まだ雀卓入れる前で良かったです。牌が全部赤ドラになっちゃいますし。ぷくく」
善子「あんたまで……台場の手の者だったのね」
かすみ「はい。あ、この子もね」
構成員「……」
すみれ「……シャブで前後不覚だからって訳でも無さそうね」
構成員「まあ、結構な量貰っ((パァン!!」
ドサッ
構成員「」
かすみ「あらら……」
善子「……ウチではご法度だっつってんのよ」チャキッ
0
63: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 02:51:20 ID:???00
すみれ「…容赦する気はなかったのね」
かすみ「でもこれで分かりましたよね?もう園田組に、あなた達の味方はいなくなりましたよ」
すみれ「……凛はどうしたの?」
かすみ「呼ばれてますよー」
<スッ…
凛「……」フルフル
かすみ「逃げられても困るんで、ガムテで口と両手を失礼してます」
善子「じゃあ、凛は裏切ってないのね」
かすみ「たまたまこの前の案件で皆さんが帰った後、私らの話を盗み聞きされてまして。ただ私が結構凛の事気に入ってたんで、まだ生かしてます」
すみれ「凛、大丈夫?」
凛「……」コクコク
かすみ「さて、長いお仕事の仕上げです」チャキッ
グイッ
凛「っ!!」
かすみ「私の仕事は、園田組と賭場を内部から崩壊させ吸収しやすくする事。園田海未が死にかけの今、組はもう崩壊寸前」
かすみ「あとは若頭の善子さんが死ねば、実質園田組は解散です」
善子「そうしたけりゃすりゃ良いけど、死んだら組は手に入らないわよ」
かすみ「馬鹿なんですか?組自体に興味なんか無いんですよ。この賭場と、園田組のシマ、これだけが欲しいんです」
かすみ「あなた達がいなくなった後は、僭越ながら私がこの辺りを治めます。台場組の代紋の下ね。末永く繁栄させていくつもりなのでご安心を」
すみれ「……何もかも台場の計算通りって事ね」
かすみ「概ね。あなたが園田組に来た上、賭場にまで来るのは予想外でしたが」
かすみ「ま、後はあなた達お2人を始末して終わりです。今までお世話になりました」
善子「……」
すみれ「……善子」
善子「……何かもう……疲れたな」スッ…
かすみ「でもこれで分かりましたよね?もう園田組に、あなた達の味方はいなくなりましたよ」
すみれ「……凛はどうしたの?」
かすみ「呼ばれてますよー」
<スッ…
凛「……」フルフル
かすみ「逃げられても困るんで、ガムテで口と両手を失礼してます」
善子「じゃあ、凛は裏切ってないのね」
かすみ「たまたまこの前の案件で皆さんが帰った後、私らの話を盗み聞きされてまして。ただ私が結構凛の事気に入ってたんで、まだ生かしてます」
すみれ「凛、大丈夫?」
凛「……」コクコク
かすみ「さて、長いお仕事の仕上げです」チャキッ
グイッ
凛「っ!!」
かすみ「私の仕事は、園田組と賭場を内部から崩壊させ吸収しやすくする事。園田海未が死にかけの今、組はもう崩壊寸前」
かすみ「あとは若頭の善子さんが死ねば、実質園田組は解散です」
善子「そうしたけりゃすりゃ良いけど、死んだら組は手に入らないわよ」
かすみ「馬鹿なんですか?組自体に興味なんか無いんですよ。この賭場と、園田組のシマ、これだけが欲しいんです」
かすみ「あなた達がいなくなった後は、僭越ながら私がこの辺りを治めます。台場組の代紋の下ね。末永く繁栄させていくつもりなのでご安心を」
すみれ「……何もかも台場の計算通りって事ね」
かすみ「概ね。あなたが園田組に来た上、賭場にまで来るのは予想外でしたが」
かすみ「ま、後はあなた達お2人を始末して終わりです。今までお世話になりました」
善子「……」
すみれ「……善子」
善子「……何かもう……疲れたな」スッ…
0
64: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 02:54:07 ID:???00
凛「んーっ!!?」
すみれ「……アンタが、前の私みたいになってどうするつもり」
善子「帰る場所が全部無くなったのよ。今ここで暴れて、こいつを〇したって…もう…」
すみれ「親の意思を蔑ろにする気!!?アンタの使命はここを守るだけじゃない、私の親を助ける事も含まれてんのよ!!」
善子「……」
すみれ「海未さんは生きろと言ってくれた、でも親に報いる為には……生きる為には、ここで死ぬしか無いのよ!!!」
善子「……!!」
すみれ「……行けるとこまで、行きましょう。もうどうせ、後戻りは出来ないんだから」
善子「…」
チャキッ
かすみ「ちょいちょい、何奮起してるんですか。四面楚歌って知ってます?言っときますけど、1人で来た訳じゃ無いんですよ。ここの出入口も、ウチの組員達で塞いでるんです」
かすみ「私を撃てば、絶対に引鉄を引いて誰かしら〇します。そうなれば銃声を聞いた組員達が、あんた達を必ず〇す」
すみれ「……」
かすみ「……もう詰んでんだよアンタらはァッ!!!大人しくここで、死んどけば良いんだよォッ!!」チャキッ
凛「っ……!!」
すみれ「この……!!」
善子「すみれ」
すみれ「!」
善子「……分かったわ」チャキッ
パァン…!!
すみれ「……アンタが、前の私みたいになってどうするつもり」
善子「帰る場所が全部無くなったのよ。今ここで暴れて、こいつを〇したって…もう…」
すみれ「親の意思を蔑ろにする気!!?アンタの使命はここを守るだけじゃない、私の親を助ける事も含まれてんのよ!!」
善子「……」
すみれ「海未さんは生きろと言ってくれた、でも親に報いる為には……生きる為には、ここで死ぬしか無いのよ!!!」
善子「……!!」
すみれ「……行けるとこまで、行きましょう。もうどうせ、後戻りは出来ないんだから」
善子「…」
チャキッ
かすみ「ちょいちょい、何奮起してるんですか。四面楚歌って知ってます?言っときますけど、1人で来た訳じゃ無いんですよ。ここの出入口も、ウチの組員達で塞いでるんです」
かすみ「私を撃てば、絶対に引鉄を引いて誰かしら〇します。そうなれば銃声を聞いた組員達が、あんた達を必ず〇す」
すみれ「……」
かすみ「……もう詰んでんだよアンタらはァッ!!!大人しくここで、死んどけば良いんだよォッ!!」チャキッ
凛「っ……!!」
すみれ「この……!!」
善子「すみれ」
すみれ「!」
善子「……分かったわ」チャキッ
パァン…!!
0
65: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 02:57:08 ID:???00
かすみ「────う゛、あ゛っ……!?」ガクッ
凛「んーっ!!?」
すみれ「……凛ッ!!」グイッ
かすみ「お、前…えェッ───」
ダッ
善子「……───うぅあああああぁぁぁっ!!!」
かすみ「こン、のォおぉ…………ッッッ!!!」チャキッ
ドンッ
凛「ん゛んっ!!?」
パァン…!!
ドサァッ!
すみれ「……っ、善子、アンタ……」
善子「はぁッ、はぁッ……案外何とかなるのよ、こんなの。ナイスよすみれ、阿吽の呼吸って奴?」スッ
ビリッ
凛「ぷはっ、善子ちゃんごめん、凛を庇って……」
善子「アンタに当たらなくて良かった、私の捨て身の意味が無くなるわ……くっ」ポタッ
すみれ「……!!」
善子「ごめん、さっき迄の私は私らしく無かったわ。ただ、この使命は私だけじゃキツ過ぎる」
善子「神宮一家の行く末は、アンタに託す。園田組は、私が守り切るわ」
すみれ「善、子……」
善子「……そこの丁半の盆の下、幹部と旦那衆専用の抜け口がある。そこを通ればパ千ンコ屋の裏に出れるから」
善子「何とか神宮一家の事務所まで行きなさい。私も、きっと後から追いつくから……!」
すみれ「……ッ」
善子「……早く行け!!この園田組の窮地は、若頭の私が請け負うってんのよ!!」
凛「んーっ!!?」
すみれ「……凛ッ!!」グイッ
かすみ「お、前…えェッ───」
ダッ
善子「……───うぅあああああぁぁぁっ!!!」
かすみ「こン、のォおぉ…………ッッッ!!!」チャキッ
ドンッ
凛「ん゛んっ!!?」
パァン…!!
ドサァッ!
すみれ「……っ、善子、アンタ……」
善子「はぁッ、はぁッ……案外何とかなるのよ、こんなの。ナイスよすみれ、阿吽の呼吸って奴?」スッ
ビリッ
凛「ぷはっ、善子ちゃんごめん、凛を庇って……」
善子「アンタに当たらなくて良かった、私の捨て身の意味が無くなるわ……くっ」ポタッ
すみれ「……!!」
善子「ごめん、さっき迄の私は私らしく無かったわ。ただ、この使命は私だけじゃキツ過ぎる」
善子「神宮一家の行く末は、アンタに託す。園田組は、私が守り切るわ」
すみれ「善、子……」
善子「……そこの丁半の盆の下、幹部と旦那衆専用の抜け口がある。そこを通ればパ千ンコ屋の裏に出れるから」
善子「何とか神宮一家の事務所まで行きなさい。私も、きっと後から追いつくから……!」
すみれ「……ッ」
善子「……早く行け!!この園田組の窮地は、若頭の私が請け負うってんのよ!!」
0
66: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 03:00:13 ID:???00
凛「んっ、しょっ!!凄っ、盆の下にこんな空間あったんだ……!」バコンッ
すみれ「……死なないで、善子、凛」
善子「アンタもね」
凛「分かってるにゃ!すみれちゃん、早く!」
すみれ「……ッ」ダダッ
<「行け行け!銃声が聞こえてんだぞ!!」
善子「……オラかかって来なさいよ、台場ァッ!!」パァンパァン!!
<「うおっ、身を隠せ!!」パァンパァン!!
善子「凛、これ使って!!」ポイッ
凛「にゃあッ!?凛、銃なんて使った事無いんだけどぉっ!!」
善子「今慣れて!死にたくなけりゃ!!」
凛「……んもうっ!!」ジャキンッ
<「……裏口に回って!!ごほっ……!!」
凛「んなっ、生きてたの!?」
台場組組員「かすみさん、こっちに!!」グイッ
かすみ「何人か、裏口に回して下さい!絶対逃がさないで!!」
善子「かすみィッ……!!この、死に損ないがァッ!」パァンパァン!!
かすみ「はははッ、そう簡単に死ぬ訳にゃ行かねぇんですよォッ!!」パァンパァン!!
───
すみれ「……死なないで、善子、凛」
善子「アンタもね」
凛「分かってるにゃ!すみれちゃん、早く!」
すみれ「……ッ」ダダッ
<「行け行け!銃声が聞こえてんだぞ!!」
善子「……オラかかって来なさいよ、台場ァッ!!」パァンパァン!!
<「うおっ、身を隠せ!!」パァンパァン!!
善子「凛、これ使って!!」ポイッ
凛「にゃあッ!?凛、銃なんて使った事無いんだけどぉっ!!」
善子「今慣れて!死にたくなけりゃ!!」
凛「……んもうっ!!」ジャキンッ
<「……裏口に回って!!ごほっ……!!」
凛「んなっ、生きてたの!?」
台場組組員「かすみさん、こっちに!!」グイッ
かすみ「何人か、裏口に回して下さい!絶対逃がさないで!!」
善子「かすみィッ……!!この、死に損ないがァッ!」パァンパァン!!
かすみ「はははッ、そう簡単に死ぬ訳にゃ行かねぇんですよォッ!!」パァンパァン!!
───
0
67: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 03:03:14 ID:???00
タタタッ
すみれ「はっ、はっ、はっ……!!」
<「……おい、アイツ!!」
<「いたぞ、追え!」
<パァン!!パァンパァン!!
すみれ「時代柄、街中でドンパチなんて……しないんじゃなかったの……ッ!!?」
<キキーッ
すみれ「あっぶ……ッ!!?」
一般人「あ、危ないよッ!?急に飛び出したら」
すみれ「この先に向かう方がもっと危ないわよ!!出来る事ならここからとっとと逃げ───」
<……パァン!!
ビシッ!!
一般人「ひぃっ!!?ふ、フロントガラスが!!?」
すみれ「ちっ……!乗せて!!」ガチャッ
バタンッ
一般人「ちょっ、はぁ!?何してんの!?」
すみれ「後で弁償するから!サツにも脅されたって言えばいい!!ここに向かって!!」ピッ
一般人「朝香、興行……?」
<ビシッ!!
一般人「ひいいぃぃぃっ!!?」
すみれ「早く!!」
一般人「何なのもおおおおっ!!?」ブオォンッ!!
ブーン……!!
ーーーー
すみれ「はっ、はっ、はっ……!!」
<「……おい、アイツ!!」
<「いたぞ、追え!」
<パァン!!パァンパァン!!
すみれ「時代柄、街中でドンパチなんて……しないんじゃなかったの……ッ!!?」
<キキーッ
すみれ「あっぶ……ッ!!?」
一般人「あ、危ないよッ!?急に飛び出したら」
すみれ「この先に向かう方がもっと危ないわよ!!出来る事ならここからとっとと逃げ───」
<……パァン!!
ビシッ!!
一般人「ひぃっ!!?ふ、フロントガラスが!!?」
すみれ「ちっ……!乗せて!!」ガチャッ
バタンッ
一般人「ちょっ、はぁ!?何してんの!?」
すみれ「後で弁償するから!サツにも脅されたって言えばいい!!ここに向かって!!」ピッ
一般人「朝香、興行……?」
<ビシッ!!
一般人「ひいいぃぃぃっ!!?」
すみれ「早く!!」
一般人「何なのもおおおおっ!!?」ブオォンッ!!
ブーン……!!
ーーーー
0
68: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 03:06:30 ID:???00
カチッ
ブォン!!ブロロロ…!
かのん「ありがとう、メイちゃん」
メイ「死にたがりの為にアイツらの命は張らせられねぇ。私一人と、このダンプカーで我慢してもらいますよ」
かのん「それでも良い。今はたった1人でも一緒に戦ってくれる人が欲しかったから」
メイ「……台場組でしたっけ?要は外様ですよね。急に来て我が物顔とか一番ムカつくんすよ」
メイ「ここらの一帯は……ずっと私らがシメてんだ、勝手な真似は許さねぇ」
かのん「……行こう!!」
ブゥオオォン!!
<……カタッ
───
ブォン!!ブロロロ…!
かのん「ありがとう、メイちゃん」
メイ「死にたがりの為にアイツらの命は張らせられねぇ。私一人と、このダンプカーで我慢してもらいますよ」
かのん「それでも良い。今はたった1人でも一緒に戦ってくれる人が欲しかったから」
メイ「……台場組でしたっけ?要は外様ですよね。急に来て我が物顔とか一番ムカつくんすよ」
メイ「ここらの一帯は……ずっと私らがシメてんだ、勝手な真似は許さねぇ」
かのん「……行こう!!」
ブゥオオォン!!
<……カタッ
───
0
69: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 03:10:47 ID:???00
希「……っ、はぁっ、はぁ……ッ!!」
果林「…決めた。あなたは〇さない。私の傍で働いてもらうわ」
希「普通に口で言ってや!!撃つ必要無いやろ!!?」
果林「議決って感じで、つい」
希「ついちゃうわ!令和なんよ!!?今時そんな、ばかすかハジキ撃つアホおらんて!!」
果林「それ程力があるのがウチなのよ。逆らわない方が得じゃない?」
希「ほんま……力のある奴がこうやから渡世は良くならんねん」
果林「悪かったわね。〇してくれてもいいわよ」
希「そういうのが嫌なんやて……傍におくんなら、ウチの言う事も聞いてや」
果林「なぁに?」
希「変わらへんよ。神宮一家の皆を〇さんといて」
果林「うーん……でもかのんは私の舎弟を弾いてるのよ?それには相応のケジメを付けて貰わなきゃじゃない。極道ならね」
希「……分かった。ウチが指詰めたる」
果林「あっはっは!!今時指なんて貰っても何にもなりゃしないわよ!いくらになるの、希の指は?!ふふふ……!」
希「ケジメはケジメや。神宮一家総代、原宿一帯を締める東條の指よ。これを詰めたら、台場と言えど黙認はさせへん」
果林「……」
希「……どうや」
果林「………道具持って来て」
構成員「はい」
果林「…惚れたわ。その心意気」
希「……」
────
果林「…決めた。あなたは〇さない。私の傍で働いてもらうわ」
希「普通に口で言ってや!!撃つ必要無いやろ!!?」
果林「議決って感じで、つい」
希「ついちゃうわ!令和なんよ!!?今時そんな、ばかすかハジキ撃つアホおらんて!!」
果林「それ程力があるのがウチなのよ。逆らわない方が得じゃない?」
希「ほんま……力のある奴がこうやから渡世は良くならんねん」
果林「悪かったわね。〇してくれてもいいわよ」
希「そういうのが嫌なんやて……傍におくんなら、ウチの言う事も聞いてや」
果林「なぁに?」
希「変わらへんよ。神宮一家の皆を〇さんといて」
果林「うーん……でもかのんは私の舎弟を弾いてるのよ?それには相応のケジメを付けて貰わなきゃじゃない。極道ならね」
希「……分かった。ウチが指詰めたる」
果林「あっはっは!!今時指なんて貰っても何にもなりゃしないわよ!いくらになるの、希の指は?!ふふふ……!」
希「ケジメはケジメや。神宮一家総代、原宿一帯を締める東條の指よ。これを詰めたら、台場と言えど黙認はさせへん」
果林「……」
希「……どうや」
果林「………道具持って来て」
構成員「はい」
果林「…惚れたわ。その心意気」
希「……」
────
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70: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 03:13:25 ID:???00
ブォーン……!!
かのん「……メイちゃん」
メイ「はい、何すか」
かのん「…もう1つ、お願い聞いてくれる?」
メイ「いくつ聞きゃ良いんですか?既に命張ってんすよ」
かのん「ついでだよ……このまま事務所に突っ込んで」
メイ「……」
かのん「…だめ?」
メイ「……先輩」
かのん「?」
メイ「………ハナっから、そのつもりですよッ!!!」ブォン!!
かのん「……っ!!」ニヤッ
ブオォ……ンッ!!
構成員「それでさ、あの新しい海物語のJAPANさ、火鈴が結構可愛くて」
構成員「でもあのモード全然リーチかからないじゃん」
<……ブォン!!
構成員「フルカスタムだからじゃないの?しない方が良いよ。まあ私も魚群は100%にするけ、ど……」
構成員「……?どしたの」
構成員「…あ、あれ……ッ!!」
構成員「え?……ッあ」
<ブオオォォォン!!!
構成員「つ、突っ込むぞおおぉぉぉっ!!!!」
ガッシャアアアァァァ……ン!!!
シュー…
構成員「げほっ、ごほっ……か、カチコミだァッ!!!」
構成員「」
かのん「……メイちゃん」
メイ「はい、何すか」
かのん「…もう1つ、お願い聞いてくれる?」
メイ「いくつ聞きゃ良いんですか?既に命張ってんすよ」
かのん「ついでだよ……このまま事務所に突っ込んで」
メイ「……」
かのん「…だめ?」
メイ「……先輩」
かのん「?」
メイ「………ハナっから、そのつもりですよッ!!!」ブォン!!
かのん「……っ!!」ニヤッ
ブオォ……ンッ!!
構成員「それでさ、あの新しい海物語のJAPANさ、火鈴が結構可愛くて」
構成員「でもあのモード全然リーチかからないじゃん」
<……ブォン!!
構成員「フルカスタムだからじゃないの?しない方が良いよ。まあ私も魚群は100%にするけ、ど……」
構成員「……?どしたの」
構成員「…あ、あれ……ッ!!」
構成員「え?……ッあ」
<ブオオォォォン!!!
構成員「つ、突っ込むぞおおぉぉぉっ!!!!」
ガッシャアアアァァァ……ン!!!
シュー…
構成員「げほっ、ごほっ……か、カチコミだァッ!!!」
構成員「」
0
71: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 03:17:00 ID:???00
構成員「ど、どこのどいつだコラァ!!」
ガチャッ
構成員「……あ」
かのん「ただいま」スチャッ
パァン!!
構成員「」ドサッ
<バンッ!!
メイ「久しぶりの大喧嘩だ、遊ばせてもらうからなぁッ!!!」ブンッ
ゴキャッ
構成員「あがッ!!?」
かのん「このまま進むよ!!」
メイ「さあどんだけの量来るかな!?」
<「…ウチらも混ぜてもらっていいすか!!?」
かのん「……っえ!?」
メイ「お、お前ら……何で!?」
半グレ「ダンプの後ろに、隠れさせてもらってました。自分だけ命張るとかやめてくれます?ウチらのリーダーが」
半グレ「メイさんの為なら、あたしら全員死ぬ気ですからね!!」
ガチャッ
構成員「……あ」
かのん「ただいま」スチャッ
パァン!!
構成員「」ドサッ
<バンッ!!
メイ「久しぶりの大喧嘩だ、遊ばせてもらうからなぁッ!!!」ブンッ
ゴキャッ
構成員「あがッ!!?」
かのん「このまま進むよ!!」
メイ「さあどんだけの量来るかな!?」
<「…ウチらも混ぜてもらっていいすか!!?」
かのん「……っえ!?」
メイ「お、お前ら……何で!?」
半グレ「ダンプの後ろに、隠れさせてもらってました。自分だけ命張るとかやめてくれます?ウチらのリーダーが」
半グレ「メイさんの為なら、あたしら全員死ぬ気ですからね!!」
0
72: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 03:20:33 ID:???00
メイ「……!!」
かのん「……いい子を持ったじゃん。メイちゃん」
メイ「……ふん、馬鹿が。だから死にたがりは嫌いなんだよ」
<「カチコミだァ!!」
<「入口にいるぞ!!!」
かのん「……っ!!」パァンパァン!!
メイ「止まんな、行け!!」
かのん「っ、分かった!ありがとう!!」
メイ「テメェらァ!!道拓けぇッ!!!」
半グレ達『うおおぉぉぉぉっ!!!』
ドドドド…!!
構成員「ガキ共に遅れをとるな!!押し返せ!!」
構成員「出来れば〇すなよ!?」
構成員「向こうは〇しに来てんだ、正当防衛だろ!!」
かのん「メイちゃん達は〇さないで!私が……全部引き受けるから!!!」パァンパァン!!
構成員「ぐおっ!!」
構成員「ぎゃっ!!?」
かのん「朝香あぁぁぁぁァァッ!!!」
────
かのん「……いい子を持ったじゃん。メイちゃん」
メイ「……ふん、馬鹿が。だから死にたがりは嫌いなんだよ」
<「カチコミだァ!!」
<「入口にいるぞ!!!」
かのん「……っ!!」パァンパァン!!
メイ「止まんな、行け!!」
かのん「っ、分かった!ありがとう!!」
メイ「テメェらァ!!道拓けぇッ!!!」
半グレ達『うおおぉぉぉぉっ!!!』
ドドドド…!!
構成員「ガキ共に遅れをとるな!!押し返せ!!」
構成員「出来れば〇すなよ!?」
構成員「向こうは〇しに来てんだ、正当防衛だろ!!」
かのん「メイちゃん達は〇さないで!私が……全部引き受けるから!!!」パァンパァン!!
構成員「ぐおっ!!」
構成員「ぎゃっ!!?」
かのん「朝香あぁぁぁぁァァッ!!!」
────
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73: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 03:23:07 ID:???00
果林「……ちょっとおイタが過ぎるんじゃない?希の指で済む話じゃないわよ、これ」
希「……タイミング悪いな、かのんちゃん」
希(でも……ありがとな。ほんま、ええ子達を持ったわ)
果林「なるべく〇さないで。無駄に罪状が増える」
構成員「徹底させます」
希「……」
果林「……希、来なさい」
希「…どこへでも」
────
希「……タイミング悪いな、かのんちゃん」
希(でも……ありがとな。ほんま、ええ子達を持ったわ)
果林「なるべく〇さないで。無駄に罪状が増える」
構成員「徹底させます」
希「……」
果林「……希、来なさい」
希「…どこへでも」
────
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74: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 03:26:21 ID:???00
<パァン!!パァンパァン!!
メイ「オラァッ!!」ドゴッ
構成員「ごあぁっ!!?」
かのん「ここだ、組長室!!」
バァン!!
構成員「なっ、もうここまで───」
かのん「っ!!」スチャッ
パァン!!
構成員「」
ドサッ
かのん「希さん!!どこなの!?」
メイ「他の部屋はもう誰もいねぇぞ!!ここ以外に部屋があんのか!?」
かのん「まさか、もう逃げた…!?」
メイ「入口はアイツらが塞いでんだ、誰も逃がさねぇよ!!」
かのん「でもこれ以上の部屋は……っあ」
メイ「あ!?」
かのん「…屋上だ!!」
───
メイ「オラァッ!!」ドゴッ
構成員「ごあぁっ!!?」
かのん「ここだ、組長室!!」
バァン!!
構成員「なっ、もうここまで───」
かのん「っ!!」スチャッ
パァン!!
構成員「」
ドサッ
かのん「希さん!!どこなの!?」
メイ「他の部屋はもう誰もいねぇぞ!!ここ以外に部屋があんのか!?」
かのん「まさか、もう逃げた…!?」
メイ「入口はアイツらが塞いでんだ、誰も逃がさねぇよ!!」
かのん「でもこれ以上の部屋は……っあ」
メイ「あ!?」
かのん「…屋上だ!!」
───
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75: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 03:30:12 ID:???00
ブーン……!!
一般人「あなた何なの!?ヤクザさん!?そうなんでしょ!?」
すみれ「だったら何、叩き出す!?やる気なら、あなたを降ろしてからで良いのよ!!?」スチャッ
一般人「ぴゃあああっ!!?〇さないで下さいいぃっ!!?」
すみれ「……そんな事しないわよ、死んでも。でも悪いけど、全速力で向かって」
一般人「…分かったよ……!もう着くよ!!」
すみれ「……っ!」
<ワーワー…!!
一般人「……な、何あの大惨事……!!?」
すみれ「……かのん、派手にやったわね」
一般人「え、何て!?何か言った!?」
すみれ「ありがとう、ここでいいわ。危ないから離れてて」
一般人「う、うん……」
すみれ「落ち着いたら車の請求出して。平安名すみれ宛に。死んでも直すから」
一般人「……!」
すみれ「……助かったわ!ありがとう!」ガチャッ
バタンッ
一般人「……良い人なのかどうかも、分からない人なのだ……」
ーーーー
一般人「あなた何なの!?ヤクザさん!?そうなんでしょ!?」
すみれ「だったら何、叩き出す!?やる気なら、あなたを降ろしてからで良いのよ!!?」スチャッ
一般人「ぴゃあああっ!!?〇さないで下さいいぃっ!!?」
すみれ「……そんな事しないわよ、死んでも。でも悪いけど、全速力で向かって」
一般人「…分かったよ……!もう着くよ!!」
すみれ「……っ!」
<ワーワー…!!
一般人「……な、何あの大惨事……!!?」
すみれ「……かのん、派手にやったわね」
一般人「え、何て!?何か言った!?」
すみれ「ありがとう、ここでいいわ。危ないから離れてて」
一般人「う、うん……」
すみれ「落ち着いたら車の請求出して。平安名すみれ宛に。死んでも直すから」
一般人「……!」
すみれ「……助かったわ!ありがとう!」ガチャッ
バタンッ
一般人「……良い人なのかどうかも、分からない人なのだ……」
ーーーー
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76: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 03:33:05 ID:???00
<「うぅ……」
<「げほっ……ぐっ……」
すみれ「……酷い有様。私たちの事務所なのに」
タタタッ
すみれ「組長室……開いてる?」
<キィ…
すみれ(誰もいない……)
<「クソっ、超いてぇ……」
すみれ「……!」
半グレ「……あ?まだ動ける奴がいたのかよ……!?」
すみれ「あんた、どっかで見た顔ね」
半グレ「……?……っあ!!?」
すみれ「思い出した。あんた私のお腹にヤッパ刺した奴じゃない」
半グレ「ンだよ……生きてたんだな」
すみれ「……皆は?」
半グレ「上だ……屋上だよ」
すみれ「分かった……死ぬんじゃないわよ」
半グレ「テメェに言われたかねぇよ……ぐっ」
────
<「げほっ……ぐっ……」
すみれ「……酷い有様。私たちの事務所なのに」
タタタッ
すみれ「組長室……開いてる?」
<キィ…
すみれ(誰もいない……)
<「クソっ、超いてぇ……」
すみれ「……!」
半グレ「……あ?まだ動ける奴がいたのかよ……!?」
すみれ「あんた、どっかで見た顔ね」
半グレ「……?……っあ!!?」
すみれ「思い出した。あんた私のお腹にヤッパ刺した奴じゃない」
半グレ「ンだよ……生きてたんだな」
すみれ「……皆は?」
半グレ「上だ……屋上だよ」
すみれ「分かった……死ぬんじゃないわよ」
半グレ「テメェに言われたかねぇよ……ぐっ」
────
0
77: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 03:36:15 ID:???00
【朝香興行、屋上】
バンッ!!
かのん「すみれちゃん!!」
メイ「あ、お前!!」
すみれ「かのん、希さん……!!」
果林「……あなたも希の子ね?」スチャッ
希「…っ」
すみれ「アンタは!?」
果林「台場組直参 朝香興行の朝香果林よ。お初ね」
かのん「希さんを離せ、朝香ァッ!!」
果林「あなた達勘違いしてるわよ。私自身あなた達をどうこうするつもりは無い。希だって生かしておくつもりだった」
すみれ「……は?」
果林「園田組は歯向かってきたから相応の代償を払ってもらっただけ。神宮一家は希のお陰で残しておく予定なのよ?」
かのん「台場の傘下ででしょ。アンタらの勝手に、私達を巻き込まないでくれる!?」
果林「弱肉強食を知らないの!?弱い組織は強い組織に組み込まれる形でもないと、存続のしようが無い事くらい分からない!?」
バンッ!!
かのん「すみれちゃん!!」
メイ「あ、お前!!」
すみれ「かのん、希さん……!!」
果林「……あなたも希の子ね?」スチャッ
希「…っ」
すみれ「アンタは!?」
果林「台場組直参 朝香興行の朝香果林よ。お初ね」
かのん「希さんを離せ、朝香ァッ!!」
果林「あなた達勘違いしてるわよ。私自身あなた達をどうこうするつもりは無い。希だって生かしておくつもりだった」
すみれ「……は?」
果林「園田組は歯向かってきたから相応の代償を払ってもらっただけ。神宮一家は希のお陰で残しておく予定なのよ?」
かのん「台場の傘下ででしょ。アンタらの勝手に、私達を巻き込まないでくれる!?」
果林「弱肉強食を知らないの!?弱い組織は強い組織に組み込まれる形でもないと、存続のしようが無い事くらい分からない!?」
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78: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 03:39:50 ID:???00
メイ「何が弱肉強食だよ…」
果林「さっきから言ってるでしょ、私自身はあなた達をどうするつもりも無い!生かしといてあげるってんのよ!!」
果林「イヤイヤで通じる程甘い業界じゃない事くらいは分かるでしょ!?大人しく降りなさい!!今なら……」
チャキッ
かのん「!!」
果林「……澁谷かのん、あなたの死だけで許してあげる」
すみれ「言ってる事が違うじゃない、神宮一家は生かしておくんじゃないの!?」
果林「この惨事を見なさい!これだけの事をしでかしておいて、何のお咎めも無くのうのうと生きられると思ってる!?」
希「……!」
果林「…希は承諾してたのよ。神宮一家が台場の傘下に入る事を引き換えに、あなた達の命を保証する契約にね」
すみれ「…希さん」
希「分かってくれとは言わん、嫌なのも分かるよ。ただ…それでもかのんちゃん達は生きてかなきゃダメだよ。海未ちゃんもきっと、そんな事言うてたんじゃないん?」
かのん「…っ!」
希「嫌なのは分かる、分かるよ!でも…反抗して〇されるのがええとは思えんよ!私達の神宮一家が消えるより、生きて残してった方がええやろ!?」
かのん「…私が死ねば、皆生きられるの?」
果林「ええ。約束する」
希「あかんわ!ウチの命でもって終わりにして!若いのが死ぬ理由なんか無いんや!」
果林「さっきから言ってるでしょ、私自身はあなた達をどうするつもりも無い!生かしといてあげるってんのよ!!」
果林「イヤイヤで通じる程甘い業界じゃない事くらいは分かるでしょ!?大人しく降りなさい!!今なら……」
チャキッ
かのん「!!」
果林「……澁谷かのん、あなたの死だけで許してあげる」
すみれ「言ってる事が違うじゃない、神宮一家は生かしておくんじゃないの!?」
果林「この惨事を見なさい!これだけの事をしでかしておいて、何のお咎めも無くのうのうと生きられると思ってる!?」
希「……!」
果林「…希は承諾してたのよ。神宮一家が台場の傘下に入る事を引き換えに、あなた達の命を保証する契約にね」
すみれ「…希さん」
希「分かってくれとは言わん、嫌なのも分かるよ。ただ…それでもかのんちゃん達は生きてかなきゃダメだよ。海未ちゃんもきっと、そんな事言うてたんじゃないん?」
かのん「…っ!」
希「嫌なのは分かる、分かるよ!でも…反抗して〇されるのがええとは思えんよ!私達の神宮一家が消えるより、生きて残してった方がええやろ!?」
かのん「…私が死ねば、皆生きられるの?」
果林「ええ。約束する」
希「あかんわ!ウチの命でもって終わりにして!若いのが死ぬ理由なんか無いんや!」
0
79: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 03:42:23 ID:???00
果林「まあ、こっちとしてはどっちが死んでも構わないわ。主犯か責任者か、どちらでも」
すみれ「…」
かのん「極道として、親にそんな事させられるわけない。私が死ぬ」
すみれ「……」
希「子が親より先に死ぬのを黙って見てられる訳無いやろ!!」
すみれ「………」
果林「決めなさい!神宮一家は、ここが岐路よ!!」
メイ「…おい、死にたがり。どうすんだ、この状況」
すみれ「………─────っ!!!!」
チャキッ
パァン……!!
果林「……────何、を」
ドサァッ…!
希「───っ、すみ、れちゃん」
かのん「…何で」
メイ「……はは」
すみれ「…」
かのん「極道として、親にそんな事させられるわけない。私が死ぬ」
すみれ「……」
希「子が親より先に死ぬのを黙って見てられる訳無いやろ!!」
すみれ「………」
果林「決めなさい!神宮一家は、ここが岐路よ!!」
メイ「…おい、死にたがり。どうすんだ、この状況」
すみれ「………─────っ!!!!」
チャキッ
パァン……!!
果林「……────何、を」
ドサァッ…!
希「───っ、すみ、れちゃん」
かのん「…何で」
メイ「……はは」
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80: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 03:44:24 ID:???00
すみれ「…私には耐えられない。姉妹分が死ぬのか親が死ぬのか、選べる訳無いじゃない」
すみれ「……分からない、何が最善だったのかも、何も」
希「…」
すみれ「海未さんも弾かれ、善子も凛も、今頃……下手したらここにいる皆も死んで終わり」
すみれ「…そんなの、イヤだから」
テクテク
果林「ぐっ…うぅ……」
すみれ「…」
チャキッ
果林「…覚悟は、出来た?」
すみれ「……かかってくればいい」
パァン…!!
────
すみれ「……分からない、何が最善だったのかも、何も」
希「…」
すみれ「海未さんも弾かれ、善子も凛も、今頃……下手したらここにいる皆も死んで終わり」
すみれ「…そんなの、イヤだから」
テクテク
果林「ぐっ…うぅ……」
すみれ「…」
チャキッ
果林「…覚悟は、出来た?」
すみれ「……かかってくればいい」
パァン…!!
────
0
81: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 03:46:41 ID:???00
【パ千ンコ屋前】
ザワザワ…
警察「立ち止まらないで下さーい!」
警察「ほら、動くな!」
構成員「ちっ…!」
?「…ここら一帯は人払いしてたから、ドンパチしていいって?」
かすみ「はい、死んだのは筋者だけ。じゃあ世間は喜ぶでしょ?桜内警部」
梨子「ナメてんじゃないわよ。これだけの事しでかして、簡単に出て来れると思わないで」
かすみ「ンな事よりとっとと救急搬送してもらっていいですか?肩ぶち抜かれてんですよ、ここで死んでやってもいいんですけど?」
梨子「こンの……ッ!」
警察「桜内さん!出て来ました!!」
梨子「…」
かすみ「……しぶと。何で生きてんですか」
善子「生きてて悪かったわね。所でこれをどうぞ」スッ
かすみ「…携帯?」
善子「下で撃ち合って勝手に死んだ、あんたんとこの構成員の携帯よ。メールを見てみなさい」
かすみ「……ッ!!」バッ
善子「ごゆっくりどうぞ」
かすみ「…クソッ……!!」
善子「……っ」フラッ
凛「善子ちゃん!」
善子「…流石に、ちょっと疲れたわ」
凛「そりゃそうだよ…」
梨子「お疲れの所申し訳ないけど、治療が終わったら覚悟しててね?洗いざらい全部吐いてもらうわ。今回の事件の全てを」
善子「はいはい…」
かすみ「…これで終わらせませんからね、善子さん」
善子「受けて立つわ。いつでもかかって来なさい」
───
ザワザワ…
警察「立ち止まらないで下さーい!」
警察「ほら、動くな!」
構成員「ちっ…!」
?「…ここら一帯は人払いしてたから、ドンパチしていいって?」
かすみ「はい、死んだのは筋者だけ。じゃあ世間は喜ぶでしょ?桜内警部」
梨子「ナメてんじゃないわよ。これだけの事しでかして、簡単に出て来れると思わないで」
かすみ「ンな事よりとっとと救急搬送してもらっていいですか?肩ぶち抜かれてんですよ、ここで死んでやってもいいんですけど?」
梨子「こンの……ッ!」
警察「桜内さん!出て来ました!!」
梨子「…」
かすみ「……しぶと。何で生きてんですか」
善子「生きてて悪かったわね。所でこれをどうぞ」スッ
かすみ「…携帯?」
善子「下で撃ち合って勝手に死んだ、あんたんとこの構成員の携帯よ。メールを見てみなさい」
かすみ「……ッ!!」バッ
善子「ごゆっくりどうぞ」
かすみ「…クソッ……!!」
善子「……っ」フラッ
凛「善子ちゃん!」
善子「…流石に、ちょっと疲れたわ」
凛「そりゃそうだよ…」
梨子「お疲れの所申し訳ないけど、治療が終わったら覚悟しててね?洗いざらい全部吐いてもらうわ。今回の事件の全てを」
善子「はいはい…」
かすみ「…これで終わらせませんからね、善子さん」
善子「受けて立つわ。いつでもかかって来なさい」
───
0
82: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 03:48:38 ID:???00
ピッ、ピッ、ピッ…
海未「…」
希「…海未ちゃん、一旦終わったで。ウチの……すみれちゃんが、終わらせた。全部引き受けおった」
海未「…」
希「……ウチら親の言う事なんか、聞くわけないもんな。若い子がさ」
希「…青いよなぁ……ほんま」
海未「…」
希「…ウチら、協力しよう。大人の悪知恵を働かせるのがウチらの出来る事や」
希「そうでもせんと、これから増していく台場の圧力に耐えられん。若さだけじゃどうしようも出来ん力に踏み躙られるのは」
海未「…」
希「…もう見てられないよ」
海未「…」パチッ
希「……組の名前、どうする?」
海未「……未熟組で」
希「…ふっ、ダサいわ」
海未「……では、【蕾會】は?」
希「……まあ、まだええか」
https://youtu.be/ptiK8U4WlSc?si=3pbOR6CM59_wFzoX
────
海未「…」
希「…海未ちゃん、一旦終わったで。ウチの……すみれちゃんが、終わらせた。全部引き受けおった」
海未「…」
希「……ウチら親の言う事なんか、聞くわけないもんな。若い子がさ」
希「…青いよなぁ……ほんま」
海未「…」
希「…ウチら、協力しよう。大人の悪知恵を働かせるのがウチらの出来る事や」
希「そうでもせんと、これから増していく台場の圧力に耐えられん。若さだけじゃどうしようも出来ん力に踏み躙られるのは」
海未「…」
希「…もう見てられないよ」
海未「…」パチッ
希「……組の名前、どうする?」
海未「……未熟組で」
希「…ふっ、ダサいわ」
海未「……では、【蕾會】は?」
希「……まあ、まだええか」
https://youtu.be/ptiK8U4WlSc?si=3pbOR6CM59_wFzoX
────
0
83: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 03:50:23 ID:???00
ーCASTー
平安名すみれ
澁谷かのん
津島善子
中須かすみ
米女メイ
星空凛
桜坂しずく
近江彼方
朝香果林
桜内梨子
東條希
園田海未
高海千歌(特別出演)
高咲侑
上原歩夢
各構成員、警察、通行人エキストラの皆様
ーMUSICー
https://youtu.be/ptiK8U4WlSc?si=3pbOR6CM59_wFzoX
(藤井風 - 満ちてゆく)
ーBased on a Story byー
ラブライブ!
ラブライブ!サンシャイン!!
ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
ラブライブ!スーパースター!!
───
平安名すみれ
澁谷かのん
津島善子
中須かすみ
米女メイ
星空凛
桜坂しずく
近江彼方
朝香果林
桜内梨子
東條希
園田海未
高海千歌(特別出演)
高咲侑
上原歩夢
各構成員、警察、通行人エキストラの皆様
ーMUSICー
https://youtu.be/ptiK8U4WlSc?si=3pbOR6CM59_wFzoX
(藤井風 - 満ちてゆく)
ーBased on a Story byー
ラブライブ!
ラブライブ!サンシャイン!!
ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
ラブライブ!スーパースター!!
───
0
84: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 03:52:09 ID:???00
すみれ「…」
かのん「すみれちゃん」
すみれ「…ん?」
かのん「…ごめん」
すみれ「何が…?」
かのん「全部…引き受けてくれて」
すみれ「…そんなつもりないわよ」
かのん「…」
すみれ「私達で、皆で、これからもやっていかないと」
すみれ「ヤクザ気取るんならね」
かのん「…うん」
すみれ「……いつまでも蕾じゃいられないんだから」
<ガチャッ
善子「…よ」
凛「にゃ」
すみれ「早かったわね。2人とも」
善子「民間人に危害加わってないのが良かったのね。ちょっとした保釈金で何とかなったわ」
凛「遂に寝床が牢屋になるとこだったにゃ…」
かのん「はは…これで、勢揃いだね」
すみれ「…行きましょう。やる事は死ぬ程ある」
善子「…ええ」
<「おい、車用意したぞ。パシリやがって」
かのん「…いいの?メイちゃん」
メイ「これからアンタらはただのケツ持ちだろ。でも私らは私らでやらせてもらう」
メイ「…裏は私らのもんだ」
すみれ「…ええ、奴等に負ける訳にはいかないわ」
────
かのん「すみれちゃん」
すみれ「…ん?」
かのん「…ごめん」
すみれ「何が…?」
かのん「全部…引き受けてくれて」
すみれ「…そんなつもりないわよ」
かのん「…」
すみれ「私達で、皆で、これからもやっていかないと」
すみれ「ヤクザ気取るんならね」
かのん「…うん」
すみれ「……いつまでも蕾じゃいられないんだから」
<ガチャッ
善子「…よ」
凛「にゃ」
すみれ「早かったわね。2人とも」
善子「民間人に危害加わってないのが良かったのね。ちょっとした保釈金で何とかなったわ」
凛「遂に寝床が牢屋になるとこだったにゃ…」
かのん「はは…これで、勢揃いだね」
すみれ「…行きましょう。やる事は死ぬ程ある」
善子「…ええ」
<「おい、車用意したぞ。パシリやがって」
かのん「…いいの?メイちゃん」
メイ「これからアンタらはただのケツ持ちだろ。でも私らは私らでやらせてもらう」
メイ「…裏は私らのもんだ」
すみれ「…ええ、奴等に負ける訳にはいかないわ」
────
0
85: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 03:53:47 ID:???00
?「…酷い結果だね。主目的が達成出来てない。幾ら金や薬を手に入れても、肝心のシマと賭場はまだ向こうの手の中」
かすみ「ごめんなさい…」
?「侑ちゃんが保釈金出してくれたから一旦何とかなったものの、果林ちゃんを失ったのは痛いよ」
侑「……歩夢、嵐珠ちゃんを呼んで」
歩夢「もう呼んでるよ。後始末が終わったらすぐ来るって」
侑「了解。かすみちゃん」
かすみ「は、はい…」
侑「汚名を濯ぐチャンスをあげる。嵐珠ちゃんと協力して、渋谷を丸ごと貰ってきて」
侑「果林ちゃんの弔い合戦だよ。もし同じ様な事になれば…分かるよね?」
かすみ「勿論です!!」
侑「でもまだ動いちゃダメだからね。かすみちゃんの傷もあるし、警察も今はうるさい。ほとぼりが冷めたら───」
歩夢「…」
かすみ「……っ!」
侑「……全部、奪ってやる」
────
かすみ「ごめんなさい…」
?「侑ちゃんが保釈金出してくれたから一旦何とかなったものの、果林ちゃんを失ったのは痛いよ」
侑「……歩夢、嵐珠ちゃんを呼んで」
歩夢「もう呼んでるよ。後始末が終わったらすぐ来るって」
侑「了解。かすみちゃん」
かすみ「は、はい…」
侑「汚名を濯ぐチャンスをあげる。嵐珠ちゃんと協力して、渋谷を丸ごと貰ってきて」
侑「果林ちゃんの弔い合戦だよ。もし同じ様な事になれば…分かるよね?」
かすみ「勿論です!!」
侑「でもまだ動いちゃダメだからね。かすみちゃんの傷もあるし、警察も今はうるさい。ほとぼりが冷めたら───」
歩夢「…」
かすみ「……っ!」
侑「……全部、奪ってやる」
────
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86: ◆nNTwFclD★ 2025/05/13(火) 03:55:04 ID:???00
蛇足っぽくてもエンディング後のシーンを追加する癖が治らない
⬇️最新5作⬇️
きな子「渇望」
可可「哭憾」
かのん「ちょっと待とうか」
曜「雨の日のコーヒー」
かのん「オーディナリー・デイズ」
⬇️最新5作⬇️
きな子「渇望」
可可「哭憾」
かのん「ちょっと待とうか」
曜「雨の日のコーヒー」
かのん「オーディナリー・デイズ」
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87: ◆dD019iBR★ 2025/05/13(火) 07:40:25 ID:???Sp
乙
めちゃくちゃ面白かった
めちゃくちゃ面白かった
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88: ◆XmdrnpHw★ 2025/05/13(火) 08:01:23 ID:???00
こういう雰囲気のssすきだから面白かった
乙
乙
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91: ◆XFXAtie5★ 2025/05/13(火) 09:21:17 ID:???Sd
見事な語り口でした
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92: ◆LBTlWUIk★ 2025/05/13(火) 10:33:47 ID:???00
なぜか龍が如く維新を見てる気分になった
良きSSでした
良きSSでした
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93: ◆yNGJdEah★ 2025/05/13(火) 16:41:21 ID:???Sd
乙
それにしても引き出しが多いな
楽しかった
それにしても引き出しが多いな
楽しかった
引用元: https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/11224/1747060295/