0
1: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/18(金) 21:37:14 ID:???Sa
かのすみのSSばかり8作できたので、オムニバス形式でやってきます。
よろしくお願いします。
【目次】
告白されたら
プラトニック
大嫌い!!
変身
メッセージ
境内にて
イストレインジド
月光
よろしくお願いします。
【目次】
告白されたら
プラトニック
大嫌い!!
変身
メッセージ
境内にて
イストレインジド
月光
0
2: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/18(金) 21:41:15 ID:???Sa
【告白されたら】
学校 廊下
かのん「~♪」テクテク
かのん(さて、先生に頼まれた用事も済んだし、練習練習♪)テクテク
「……れて、あり……とう……」
かのん「……?」
かのん(あれ、今どこかから声が……)キョロキノロ
かのん「……!」
かのん(そこの教室からだ)タタッ
かのん(誰かいるのかな?)ソロリ
空き教室
千砂都「それで話って?」
生徒「うん……」ギュッ
生徒「あのね、驚くと思うんだけど……」
千砂都「……」
生徒「私、嵐さんのことが好きです!」
生徒「私と付き合ってください!!」
かのん「!?」
千砂都「……ありがとう」
千砂都「そんな風に思ってくれてたなんて、気持ちとっても嬉しいよ」
生徒「……」
千砂都「でも……」
千砂都「ごめん……」
生徒「……っ」ポロッ
かのん「……っ!!」
かのん(これは大変だー!!)
学校 廊下
かのん「~♪」テクテク
かのん(さて、先生に頼まれた用事も済んだし、練習練習♪)テクテク
「……れて、あり……とう……」
かのん「……?」
かのん(あれ、今どこかから声が……)キョロキノロ
かのん「……!」
かのん(そこの教室からだ)タタッ
かのん(誰かいるのかな?)ソロリ
空き教室
千砂都「それで話って?」
生徒「うん……」ギュッ
生徒「あのね、驚くと思うんだけど……」
千砂都「……」
生徒「私、嵐さんのことが好きです!」
生徒「私と付き合ってください!!」
かのん「!?」
千砂都「……ありがとう」
千砂都「そんな風に思ってくれてたなんて、気持ちとっても嬉しいよ」
生徒「……」
千砂都「でも……」
千砂都「ごめん……」
生徒「……っ」ポロッ
かのん「……っ!!」
かのん(これは大変だー!!)
0
5: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/18(金) 21:44:30 ID:???Sa
廊下
かのん(どうしよう、どうしよう!)テクテク
かのん(とんでもないところ見ちゃったよー!)
かのん「あ、すみれちゃん!」タタッ
すみれ「あら、かのん。練習行くわよ?」
かのん「それどころじゃないよー!」
すみれ「はぁ?」
◆
すみれ「なるほど。千砂都がね」
かのん「もうビックリしちゃったよ!」
かのん「しかもちぃちゃん断っちゃうし!」
かのん「あの子、可哀想だったなぁ……」
すみれ「そう」
かのん「……」
かのん「あれ、あんまり驚かないね」
すみれ「だって千砂都でしょ? モテるでしょ」
すみれ「告白の1つや2つされてもおかしくないわ」
かのん「そうなの!?」
かのん(どうしよう、どうしよう!)テクテク
かのん(とんでもないところ見ちゃったよー!)
かのん「あ、すみれちゃん!」タタッ
すみれ「あら、かのん。練習行くわよ?」
かのん「それどころじゃないよー!」
すみれ「はぁ?」
◆
すみれ「なるほど。千砂都がね」
かのん「もうビックリしちゃったよ!」
かのん「しかもちぃちゃん断っちゃうし!」
かのん「あの子、可哀想だったなぁ……」
すみれ「そう」
かのん「……」
かのん「あれ、あんまり驚かないね」
すみれ「だって千砂都でしょ? モテるでしょ」
すみれ「告白の1つや2つされてもおかしくないわ」
かのん「そうなの!?」
0
7: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/18(金) 21:50:29 ID:???Sa
かのん「もしかして、すみれちゃんも告白されたことあるの……?」
すみれ「え? まあ何回かは……」
かのん「すごっ!! 何回もあるの!?」
すみれ「そんな珍しいことじゃないわよ」
すみれ「スクールアイドルやってるわけだし」
かのん「え、待って……」
かのん「もしかして、他のみんなもあるの……?」
すみれ「恋が音楽科の子に告られてるのは見たことあるわよ」
すみれ「可可も、私、可可のこと好きな子から相談されたことあるし」
かのん「ええっ!!?」
すみれ「むしろかのんはないの? 告られたこと」
かのん「ないない! そんなの全然ないよー!」
すみれ「へー、意外ね」
すみれ「あんたこそ結構告られてそうなのに」
かのん「私全然モテないんだー」アハハ
すみれ「と言うより、かのんの場合、逆に誰も一歩踏み出せないのかもね」
かのん「え……?」
すみれ「何でもない」
すみれ「え? まあ何回かは……」
かのん「すごっ!! 何回もあるの!?」
すみれ「そんな珍しいことじゃないわよ」
すみれ「スクールアイドルやってるわけだし」
かのん「え、待って……」
かのん「もしかして、他のみんなもあるの……?」
すみれ「恋が音楽科の子に告られてるのは見たことあるわよ」
すみれ「可可も、私、可可のこと好きな子から相談されたことあるし」
かのん「ええっ!!?」
すみれ「むしろかのんはないの? 告られたこと」
かのん「ないない! そんなの全然ないよー!」
すみれ「へー、意外ね」
すみれ「あんたこそ結構告られてそうなのに」
かのん「私全然モテないんだー」アハハ
すみれ「と言うより、かのんの場合、逆に誰も一歩踏み出せないのかもね」
かのん「え……?」
すみれ「何でもない」
0
9: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/18(金) 21:56:07 ID:???Sa
かのん「でもいいなー」
かのん「私も告白されたいなー」
すみれ「どうしたのよ急に」
かのん「だって、みんなされてるんでしょ?」
かのん「私も『好きです!』って言われてみたいよー!」ウワーン
すみれ「あんただって、そのうち言われるわよ」ハァ
かのん「そうかなー?」
かのん「なんかそんな気配全くないんだよねー」
かのん「誰か告白してくれないかなー」
かのん「私も告白されたいなー」
すみれ「どうしたのよ急に」
かのん「だって、みんなされてるんでしょ?」
かのん「私も『好きです!』って言われてみたいよー!」ウワーン
すみれ「あんただって、そのうち言われるわよ」ハァ
かのん「そうかなー?」
かのん「なんかそんな気配全くないんだよねー」
かのん「誰か告白してくれないかなー」
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10: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/18(金) 22:00:03 ID:???Sa
すみれ「それなら彼女募集中とか言ってみたら?」
すみれ「そしたら、チャンスだと思って告られるんじゃない?」
かのん「彼女募集中かぁ……」
すみれ「その代わり、凄いことになっちゃうかもね」
かのん「凄いこと……?」
すみれ「自覚ないみたいだけど、あんた結構モテるのよ」
かのん「え?」
かのん「え、ええっ!?」
かのん「いやー、そうかなー!? モテちゃってるのかなー!?」デレデレ
すみれ「ほんと、あんたって……」
すみれ「そしたら、チャンスだと思って告られるんじゃない?」
かのん「彼女募集中かぁ……」
すみれ「その代わり、凄いことになっちゃうかもね」
かのん「凄いこと……?」
すみれ「自覚ないみたいだけど、あんた結構モテるのよ」
かのん「え?」
かのん「え、ええっ!?」
かのん「いやー、そうかなー!? モテちゃってるのかなー!?」デレデレ
すみれ「ほんと、あんたって……」
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11: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/18(金) 22:02:48 ID:???Sa
すみれ「とにかく、告白されたらされたで大変なんだから」
かのん「何が大変なの?」
すみれ「あんた、その先のこと何も考えてないのね」
すみれ「告られたら、付き合うか、付き合わないか決めないといけないのよ」
すみれ「告らせておいて、返事はなしなんて絶対にダメ」
かのん「あ、そっか……」
すみれ「だから、決めるの」
すみれ「付き合うつもりがないなら、断らないといけない」
すみれ「相手だって覚悟を決めて告白してくれてるんだから」
すみれ「それを断るのって、こっちも辛いものなのよ」
かのん「…………」
かのん「すみれちゃんも辛かった?」
かのん「断った時」
すみれ「……」
すみれ「まあね」
すみれ「相手は自分に好意を持ってくれてるわけだし」
すみれ「そんな人を悲しませることになるんだもの」
すみれ「でも中途半端にするのは1番良くない」
すみれ「だからその気がないなら、きっぱりと断るの」
すみれ「こっちも誠心誠意ね」
かのん「そっか……」
かのん「何が大変なの?」
すみれ「あんた、その先のこと何も考えてないのね」
すみれ「告られたら、付き合うか、付き合わないか決めないといけないのよ」
すみれ「告らせておいて、返事はなしなんて絶対にダメ」
かのん「あ、そっか……」
すみれ「だから、決めるの」
すみれ「付き合うつもりがないなら、断らないといけない」
すみれ「相手だって覚悟を決めて告白してくれてるんだから」
すみれ「それを断るのって、こっちも辛いものなのよ」
かのん「…………」
かのん「すみれちゃんも辛かった?」
かのん「断った時」
すみれ「……」
すみれ「まあね」
すみれ「相手は自分に好意を持ってくれてるわけだし」
すみれ「そんな人を悲しませることになるんだもの」
すみれ「でも中途半端にするのは1番良くない」
すみれ「だからその気がないなら、きっぱりと断るの」
すみれ「こっちも誠心誠意ね」
かのん「そっか……」
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12: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/18(金) 22:10:18 ID:???Sa
生徒「……」テクテク
かのん「あ……」
生徒「あ……」
生徒「……!」ギュッ
すみれ「……?」
すみれ(あれ、この子……)
生徒「かのんちゃん……」ゴニョゴニョ
スタスタスタスタ
すみれ(行っちゃった……)
かのん「うーん……」
すみれ「あの子と何かあったの? 仲良かったわよね?」
かのん「うん、仲良かったよ」
かのん「でも最近気まずいんだよね」
すみれ「喧嘩でもした?」
かのん「そうじゃないんだけど……」
かのん「あ……」
生徒「あ……」
生徒「……!」ギュッ
すみれ「……?」
すみれ(あれ、この子……)
生徒「かのんちゃん……」ゴニョゴニョ
スタスタスタスタ
すみれ(行っちゃった……)
かのん「うーん……」
すみれ「あの子と何かあったの? 仲良かったわよね?」
かのん「うん、仲良かったよ」
かのん「でも最近気まずいんだよね」
すみれ「喧嘩でもした?」
かのん「そうじゃないんだけど……」
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13: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/18(金) 22:15:19 ID:???Sa
数日前
生徒「私、かのんちゃんのことが好き!」
生徒「ずっと一緒にいたいの!」
生徒「だから……」
かのん「うん! 私も大好きだよ!」
かのん「ずっと友達でいようね!」ニコッ
生徒「え……」
かのん「そうだ、今度の休み遊びに行かない?」
かのん「ちぃちゃんたちも誘ってさ!」
生徒「……っ!!」
生徒「う、うぅ……」ポロポロ
かのん「え!?」ギョッ
生徒「聞いてくれて……ありがとう……」タタッ
かのん「ま、待って……!」
かのん「どうしたの!? ねぇ!」
◆
かのん「それから、なんか気まずくて」
かのん「どうしてあの時、急に泣き出しちゃったんだろう」
かのん「私何か言っちゃったのかな……」
かのん「あー、それはそうと、私も告白されたいなー」
すみれ「…………」
生徒「私、かのんちゃんのことが好き!」
生徒「ずっと一緒にいたいの!」
生徒「だから……」
かのん「うん! 私も大好きだよ!」
かのん「ずっと友達でいようね!」ニコッ
生徒「え……」
かのん「そうだ、今度の休み遊びに行かない?」
かのん「ちぃちゃんたちも誘ってさ!」
生徒「……っ!!」
生徒「う、うぅ……」ポロポロ
かのん「え!?」ギョッ
生徒「聞いてくれて……ありがとう……」タタッ
かのん「ま、待って……!」
かのん「どうしたの!? ねぇ!」
◆
かのん「それから、なんか気まずくて」
かのん「どうしてあの時、急に泣き出しちゃったんだろう」
かのん「私何か言っちゃったのかな……」
かのん「あー、それはそうと、私も告白されたいなー」
すみれ「…………」
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14: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/18(金) 22:18:15 ID:???Sa
すみれ「はぁ……」
かのん「なんでため息ついたの!?」
すみれ「なるほどね」
すみれ「どうやらあんたには、物凄くわかりやすく伝えないとダメみたいね」
かのん「え……?」
すみれ「いいわ」
すみれ「そんなに告白されたいって言うんなら、私が告白してあげる」
かのん「ええっ!?」
すみれ「私が普段かのんにどんな気持ちを抱いているか、全部言ってあげるわ」
すみれ「覚悟はいい?」ジッ
かのん「……っ!!」ドキッ
かのん「えっと、すみれちゃん……」アタフタ
かのん「あ、あの……」カアアア
かのん「その……」プシュー
すみれ「……」
かのん「……」
すみれ「ぷっ……」
すみれ「ぷはは、あははは」ケラケラ
かのん「!?」
かのん「あー、すみれちゃん、からかったでしょ!」
すみれ「ごめんごめん、かのんがそんなに言うものだから」ケラケラ
かのん「もー!」
かのん「ビックリしちゃったじゃん!」
すみれ「かのんったら純粋よね」ケラケラ
かのん「もうすみれちゃんなんて知らない」ムスッ
かのん「私練習行くから」
すみれ「ごめんごめん!」ケラケラ
かのん「なんでため息ついたの!?」
すみれ「なるほどね」
すみれ「どうやらあんたには、物凄くわかりやすく伝えないとダメみたいね」
かのん「え……?」
すみれ「いいわ」
すみれ「そんなに告白されたいって言うんなら、私が告白してあげる」
かのん「ええっ!?」
すみれ「私が普段かのんにどんな気持ちを抱いているか、全部言ってあげるわ」
すみれ「覚悟はいい?」ジッ
かのん「……っ!!」ドキッ
かのん「えっと、すみれちゃん……」アタフタ
かのん「あ、あの……」カアアア
かのん「その……」プシュー
すみれ「……」
かのん「……」
すみれ「ぷっ……」
すみれ「ぷはは、あははは」ケラケラ
かのん「!?」
かのん「あー、すみれちゃん、からかったでしょ!」
すみれ「ごめんごめん、かのんがそんなに言うものだから」ケラケラ
かのん「もー!」
かのん「ビックリしちゃったじゃん!」
すみれ「かのんったら純粋よね」ケラケラ
かのん「もうすみれちゃんなんて知らない」ムスッ
かのん「私練習行くから」
すみれ「ごめんごめん!」ケラケラ
0
15: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/18(金) 22:24:41 ID:???Sa
◆
帰り道
すみれ「……」テクテク
すみれ「ふふっ……」
すみれ(さっきのかのんったら、本当に面白かったわね)
すみれ(あんなに慌てちゃって)フフッ
すみれ「…………」
すみれ(結局、私逃げちゃった)
すみれ(これじゃ、これまで私に真剣に告白してくれた子たちに顔向けできないわね)
(かのん『私だって、告白されたいよー!』ウワーン)
すみれ「そっか、かのんは告白されたいんだ」
すみれ(それなら……)
すみれ(私も、いつかきっと……)
◆
帰り道
かのん「……」テクテク
かのん(今日はいろんなことがあってビックリしちゃった)
かのん(ちぃちゃんが告白されてた件もそうだけど)
かのん(まさかすみれちゃんにあんなこと言われるなんて)
(すみれ『私が普段かのんにどんな気持ちを抱いているか、全部言ってあげるわ』)
(すみれ『ごめんごめん、かのんがそんなに言うものだから』ケラケラ)
かのん「…………」
かのん「ドキドキして損した……」ボソッ
おわり
帰り道
すみれ「……」テクテク
すみれ「ふふっ……」
すみれ(さっきのかのんったら、本当に面白かったわね)
すみれ(あんなに慌てちゃって)フフッ
すみれ「…………」
すみれ(結局、私逃げちゃった)
すみれ(これじゃ、これまで私に真剣に告白してくれた子たちに顔向けできないわね)
(かのん『私だって、告白されたいよー!』ウワーン)
すみれ「そっか、かのんは告白されたいんだ」
すみれ(それなら……)
すみれ(私も、いつかきっと……)
◆
帰り道
かのん「……」テクテク
かのん(今日はいろんなことがあってビックリしちゃった)
かのん(ちぃちゃんが告白されてた件もそうだけど)
かのん(まさかすみれちゃんにあんなこと言われるなんて)
(すみれ『私が普段かのんにどんな気持ちを抱いているか、全部言ってあげるわ』)
(すみれ『ごめんごめん、かのんがそんなに言うものだから』ケラケラ)
かのん「…………」
かのん「ドキドキして損した……」ボソッ
おわり
0
16: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/18(金) 22:25:58 ID:???Sa
【かのすみ豆知識①】
Liella!で海に行った際、すみれはかのんに日焼け止めを塗ってあげていた。
(Days2023 4月号より)
次回は明日更新予定です。
よろしくお願いします!
Liella!で海に行った際、すみれはかのんに日焼け止めを塗ってあげていた。
(Days2023 4月号より)
次回は明日更新予定です。
よろしくお願いします!
0
22: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/19(土) 22:14:59 ID:???Sa
【プラトニック】
かのん「そっか……」
かのん「そうだったんだ……」シュン
すみれ「え……?」
かのん「ちょっとでも期待しちゃった私が馬鹿みたい」
すみれ「ち、違う! 何か勘違いして……」
かのん「そうだよね、私なんて……」ポロッ
かのん「さよなら……」タタッ
すみれ「待って……!」
すみれ「そんな……」
すみれ「こんなに……」
すみれ「こんなに好きなのに……!!」ギュッ
「はい、カットー!!」
かのん「ふー」
すみれ「……」ホッ
監督「2人とも凄い良かったよー!」
すみれ「大丈夫そう?」
監督「うん、バッチリ!」
監督「チェックするから待っててねー!」
かのん「そっか……」
かのん「そうだったんだ……」シュン
すみれ「え……?」
かのん「ちょっとでも期待しちゃった私が馬鹿みたい」
すみれ「ち、違う! 何か勘違いして……」
かのん「そうだよね、私なんて……」ポロッ
かのん「さよなら……」タタッ
すみれ「待って……!」
すみれ「そんな……」
すみれ「こんなに……」
すみれ「こんなに好きなのに……!!」ギュッ
「はい、カットー!!」
かのん「ふー」
すみれ「……」ホッ
監督「2人とも凄い良かったよー!」
すみれ「大丈夫そう?」
監督「うん、バッチリ!」
監督「チェックするから待っててねー!」
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23: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/19(土) 22:20:20 ID:???Sa
かのん「いやー、映画研究部に映画の出演を頼まれた時はどうなることかと思ったけど……」
すみれ「しかも私とかのんのダブル主演でね」
かのん「うん。でもなんとかここまで順調に来れたね」
すみれ「あっという間だったわね」
かのん「そうだよー! 明日がいよいよ撮影最終日だもんね」
すみれ「少し寂しいけど、最後まで頑張りましょ」
かのん「うん!」
すみれ「しかも私とかのんのダブル主演でね」
かのん「うん。でもなんとかここまで順調に来れたね」
すみれ「あっという間だったわね」
かのん「そうだよー! 明日がいよいよ撮影最終日だもんね」
すみれ「少し寂しいけど、最後まで頑張りましょ」
かのん「うん!」
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24: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/19(土) 22:25:31 ID:???Sa
監督「はい、オッケーでーす!」
監督「2人ともお疲れ様!」
監督「明日がいよいよ最終日だけどよろしくね!」
かのん「うん!」
すみれ「ええ!」
監督「明日はついに2人が結ばれるラストの展開!」
監督「この作品『プラトニック』の肝となるキスシーンも、気合い入れてお願いね!」
かのん・すみれ「!?」
かのん「え!?」
すみれ「キスシーン!?」
監督「あれ、言ってなかったけ?」
すみれ「そんなの聞いてないわよ!」
監督「台本にも書いてあるはずなんだけど……」
すみれ「え?」ペラペラ
かのん「本当だ……」
監督「2人のキスシーンはこの映画のクライマックスだから期待してるよ!」
かのん「え、えっと……」
すみれ「あ……」
監督「2人ともお疲れ様!」
監督「明日がいよいよ最終日だけどよろしくね!」
かのん「うん!」
すみれ「ええ!」
監督「明日はついに2人が結ばれるラストの展開!」
監督「この作品『プラトニック』の肝となるキスシーンも、気合い入れてお願いね!」
かのん・すみれ「!?」
かのん「え!?」
すみれ「キスシーン!?」
監督「あれ、言ってなかったけ?」
すみれ「そんなの聞いてないわよ!」
監督「台本にも書いてあるはずなんだけど……」
すみれ「え?」ペラペラ
かのん「本当だ……」
監督「2人のキスシーンはこの映画のクライマックスだから期待してるよ!」
かのん「え、えっと……」
すみれ「あ……」
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25: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/19(土) 22:27:40 ID:???Sa
◆
かのん「まさかキスシーンがあったなんてね」アハハ
すみれ「そ、そうね……」
かのん「……」
すみれ「……」
かのん「どうしよっか……?」
すみれ「ど、どうって……」
すみれ「かのんは……どうなのよ」
かのん「えっと、私は……」
かのん「やっぱりキスは恥ずかしいよね、なんて」アハハ
すみれ「そ、そうよね! さすがにキスはね……」
かのん「あ、すみれちゃんとキスするのが嫌とか、そういうんじゃないよ!」
かのん「でもやっぱり恥ずかしいし……」
すみれ「そうよ、無理にすることないわよ……!」
すみれ「Liella!としてのイメージもあるわけだし」
すみれ「2人で断って、キスするフリで許してもらいましょ?」
かのん「あ、うん! それがいいよね!」
かのん「……」ホッ
すみれ「……」フー
かのん「まさかキスシーンがあったなんてね」アハハ
すみれ「そ、そうね……」
かのん「……」
すみれ「……」
かのん「どうしよっか……?」
すみれ「ど、どうって……」
すみれ「かのんは……どうなのよ」
かのん「えっと、私は……」
かのん「やっぱりキスは恥ずかしいよね、なんて」アハハ
すみれ「そ、そうよね! さすがにキスはね……」
かのん「あ、すみれちゃんとキスするのが嫌とか、そういうんじゃないよ!」
かのん「でもやっぱり恥ずかしいし……」
すみれ「そうよ、無理にすることないわよ……!」
すみれ「Liella!としてのイメージもあるわけだし」
すみれ「2人で断って、キスするフリで許してもらいましょ?」
かのん「あ、うん! それがいいよね!」
かのん「……」ホッ
すみれ「……」フー
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26: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/19(土) 22:36:19 ID:???Sa
◆
監督「ではクライマックスのキスシーン行きます!」
監督「よーい、アクション!」
すみれ「あなたのこともう絶対に離さない!」
かのん「私だって!」
かのん「ずっと一緒にいよ」
すみれ「ええ」
すみれ「愛してるわ」スッ
かのん「……」スッ
監督「はい、カットー!」
すみれ「……」
かのん「……」
監督「2人とも最高の演技だったよ!」
監督「じゃあ、チェックするねー!」
かのん(キスするフリをして、カメラの角度も工夫してもらったけど……)
すみれ(やっぱりあくまでフリだから、映像の迫力に欠けるわね……)
監督「……」
監督「まあこんなもんでしょう……」ボソッ
かのん「……っ!」
監督「2人ともお疲れ様! ラストシーンの準備するから、少し休憩してて」
すみれ「わかったわ」
かのん「……」
かのん「ねえ、すみれちゃん……」
すみれ「……?」
かのん「やっぱりキス、しよ……?」
すみれ「え……?」
かのん「今更ごめんね」
かのん「でも映画研究部のみんながこんなに頑張ってくれてるんだもん」
かのん「あそこは凄く大事なシーンだし、やっぱりちゃんとキスした方がいいと思ったんだ」
すみれ「かのん……」
かのん「その……すみれちゃんが嫌じゃなければ、だけど……」
すみれ「……!」
すみれ「わ、私だって、かのんとキスするのが嫌ってわけじゃないし……」
すみれ「かのんがいいなら、私は構わないわよ」
かのん「本当?」
すみれ「私はショービジネスの世界で生き抜いてきたんだから!」
すみれ「キスでもなんでも、してやるったらしてやるわよ!」
かのん「すみれちゃん……!」
監督「ではクライマックスのキスシーン行きます!」
監督「よーい、アクション!」
すみれ「あなたのこともう絶対に離さない!」
かのん「私だって!」
かのん「ずっと一緒にいよ」
すみれ「ええ」
すみれ「愛してるわ」スッ
かのん「……」スッ
監督「はい、カットー!」
すみれ「……」
かのん「……」
監督「2人とも最高の演技だったよ!」
監督「じゃあ、チェックするねー!」
かのん(キスするフリをして、カメラの角度も工夫してもらったけど……)
すみれ(やっぱりあくまでフリだから、映像の迫力に欠けるわね……)
監督「……」
監督「まあこんなもんでしょう……」ボソッ
かのん「……っ!」
監督「2人ともお疲れ様! ラストシーンの準備するから、少し休憩してて」
すみれ「わかったわ」
かのん「……」
かのん「ねえ、すみれちゃん……」
すみれ「……?」
かのん「やっぱりキス、しよ……?」
すみれ「え……?」
かのん「今更ごめんね」
かのん「でも映画研究部のみんながこんなに頑張ってくれてるんだもん」
かのん「あそこは凄く大事なシーンだし、やっぱりちゃんとキスした方がいいと思ったんだ」
すみれ「かのん……」
かのん「その……すみれちゃんが嫌じゃなければ、だけど……」
すみれ「……!」
すみれ「わ、私だって、かのんとキスするのが嫌ってわけじゃないし……」
すみれ「かのんがいいなら、私は構わないわよ」
かのん「本当?」
すみれ「私はショービジネスの世界で生き抜いてきたんだから!」
すみれ「キスでもなんでも、してやるったらしてやるわよ!」
かのん「すみれちゃん……!」
0
27: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/19(土) 22:44:21 ID:???Sa
◆
監督「ではクライマックスシーン、もう一度行きまーす!」
かのん「……」ギュッ
すみれ「……」
すみれ「緊張してる?」
かのん「うん……」アハハ
かのん「考えてみたら、キスなんて小さい頃に家族としたくらいだし」
かのん「上手くできるかな……」
すみれ「……」
すみれ「私からいくから」
すみれ「かのんは目を瞑ってて」
かのん「……うん、わかった」
◆
監督「よーい、アクション!」
すみれ「あなたのこともう絶対に離さない!」
かのん「私だって!」
かのん「ずっと一緒にいよ」
すみれ「ええ」
すみれ「愛してるわ」
かのん「……」ドキドキ
すみれ「……」ドキドキ
すみれ(じゃあ、いくわよ)
かのん(うん)
かのん「……」
すみれ「……」スッ
チュッ
監督「はい、カットー!」
監督「うおおおおお!! 最高!! マジ最高!!」
監督「2人とも素晴らしいよー!!」ブンブン
かのん・すみれ「……っ!!」カアアアアア
かのん(すみれちゃんと……)ドキドキ
すみれ(キスしちゃった……)ドキドキ
監督「ではクライマックスシーン、もう一度行きまーす!」
かのん「……」ギュッ
すみれ「……」
すみれ「緊張してる?」
かのん「うん……」アハハ
かのん「考えてみたら、キスなんて小さい頃に家族としたくらいだし」
かのん「上手くできるかな……」
すみれ「……」
すみれ「私からいくから」
すみれ「かのんは目を瞑ってて」
かのん「……うん、わかった」
◆
監督「よーい、アクション!」
すみれ「あなたのこともう絶対に離さない!」
かのん「私だって!」
かのん「ずっと一緒にいよ」
すみれ「ええ」
すみれ「愛してるわ」
かのん「……」ドキドキ
すみれ「……」ドキドキ
すみれ(じゃあ、いくわよ)
かのん(うん)
かのん「……」
すみれ「……」スッ
チュッ
監督「はい、カットー!」
監督「うおおおおお!! 最高!! マジ最高!!」
監督「2人とも素晴らしいよー!!」ブンブン
かのん・すみれ「……っ!!」カアアアアア
かのん(すみれちゃんと……)ドキドキ
すみれ(キスしちゃった……)ドキドキ
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28: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/19(土) 22:52:01 ID:???Sa
かくして映画『プラトニック』は無事完成し、文化祭で放映された。
「ねー、映画研究部の映画観た?」
「観た観た! かのん先輩とすみれ先輩、ヤバかったよねー!」
「あのキスシーン美し過ぎるでしょ!」
ワイワイ、ガヤガヤ、キャーキャー
恋「千砂都さん! 観ましたか、映画……」
千砂都「うん、観た……!」
恋「凄いことになってましたよね!?」
千砂都「なってた……!」
恋「まさか、かのんさんとすみれさんが……」
恋「き、き、キスを……!」
千砂都「しかも結構ガッツリ……!」
恋「あわわわわわ!!」
可可「……!」グッ
可可「かのんとキスするなんて……」
可可「一体あのグソクムシは何をしているのデスかー!!」
可可「身の程わきまえろデス!!」
可可「絶対絶対許せまセーン!!」ブンブン
千砂都「あはは……」
「ねー、映画研究部の映画観た?」
「観た観た! かのん先輩とすみれ先輩、ヤバかったよねー!」
「あのキスシーン美し過ぎるでしょ!」
ワイワイ、ガヤガヤ、キャーキャー
恋「千砂都さん! 観ましたか、映画……」
千砂都「うん、観た……!」
恋「凄いことになってましたよね!?」
千砂都「なってた……!」
恋「まさか、かのんさんとすみれさんが……」
恋「き、き、キスを……!」
千砂都「しかも結構ガッツリ……!」
恋「あわわわわわ!!」
可可「……!」グッ
可可「かのんとキスするなんて……」
可可「一体あのグソクムシは何をしているのデスかー!!」
可可「身の程わきまえろデス!!」
可可「絶対絶対許せまセーン!!」ブンブン
千砂都「あはは……」
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29: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/19(土) 22:53:33 ID:???Sa
かのん「映画、何か凄い反響みたいだね」アハハ
すみれ「ま、まあ、この私とかのんのダブル主演だもの、当然と言えば当然……!」
「見て、あの2人……」ヒソヒソ
「あのシーン凄かったよね」ヒソヒソ
「すっごく綺麗だった」ヒソヒソ
「本当に付き合ってるのかな?」ヒソヒソ
かのん「あ、あはは……」
すみれ「あははじゃないわよ」
すみれ「あのシーンのせいで、恥ずかしくて映画見返せないんだから」
かのん「あー、それ私もー」エヘヘ
すみれ「ま、まあ、この私とかのんのダブル主演だもの、当然と言えば当然……!」
「見て、あの2人……」ヒソヒソ
「あのシーン凄かったよね」ヒソヒソ
「すっごく綺麗だった」ヒソヒソ
「本当に付き合ってるのかな?」ヒソヒソ
かのん「あ、あはは……」
すみれ「あははじゃないわよ」
すみれ「あのシーンのせいで、恥ずかしくて映画見返せないんだから」
かのん「あー、それ私もー」エヘヘ
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31: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/19(土) 23:00:00 ID:???Sa
監督「お陰様で映画は大好評でした!」
監督「映画研究部として最高の作品ができたと思います!」
監督「本当にお2人にお願いして良かったです!」
かのん「みんなの頑張りのお陰だよ!」
すみれ「まあでも好評で何よりだわ」
監督「特に、あの『美し過ぎるキスシーン』の大反響! 観客動員数も凄いことに!」
すみれ「……」
監督「そこで、なのですが……!」
監督「ぜひ続編を制作させていただきたく、お2人にまた出演して欲しいのです!!」
かのん「え!?」
すみれ「続編!?」
監督「はい! 恋人として結ばれた2人のその後を描く、一大巨編!」
監督「タイトルは『プラトニック2 ~禁断のセカイ~』!!」
かのん「禁断……」
すみれ「まさか、またキスシーンを入れるって話じゃないでしょうね」
監督「いえいえ! これは2人の物語の続編ですから!」
監督「キスのその先、濡れ場のベッドシーンも盛り込みたく……」
かのん・すみれ「「できるかー!!!!」」
おわり
監督「映画研究部として最高の作品ができたと思います!」
監督「本当にお2人にお願いして良かったです!」
かのん「みんなの頑張りのお陰だよ!」
すみれ「まあでも好評で何よりだわ」
監督「特に、あの『美し過ぎるキスシーン』の大反響! 観客動員数も凄いことに!」
すみれ「……」
監督「そこで、なのですが……!」
監督「ぜひ続編を制作させていただきたく、お2人にまた出演して欲しいのです!!」
かのん「え!?」
すみれ「続編!?」
監督「はい! 恋人として結ばれた2人のその後を描く、一大巨編!」
監督「タイトルは『プラトニック2 ~禁断のセカイ~』!!」
かのん「禁断……」
すみれ「まさか、またキスシーンを入れるって話じゃないでしょうね」
監督「いえいえ! これは2人の物語の続編ですから!」
監督「キスのその先、濡れ場のベッドシーンも盛り込みたく……」
かのん・すみれ「「できるかー!!!!」」
おわり
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32: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/19(土) 23:01:35 ID:???Sa
【かのすみ豆知識②】
かのんがみんなにラテアートを描いた時、特にリクエストのないすみれにはティアラを描いてあげて、すみれはご機嫌だった。
(3期6話本編特別パート及びリエラジ208回より)
お読みいただきありがとうございます。
今回の8作のうち一部は過去作のリメイクを含みます。
次回は「大嫌い!!」更新予定です。
かのんがみんなにラテアートを描いた時、特にリクエストのないすみれにはティアラを描いてあげて、すみれはご機嫌だった。
(3期6話本編特別パート及びリエラジ208回より)
お読みいただきありがとうございます。
今回の8作のうち一部は過去作のリメイクを含みます。
次回は「大嫌い!!」更新予定です。
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36: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/20(日) 19:20:10 ID:???Sa
【大嫌い!!】
かのん「ああああ!!!!」
かのん「すみれちゃんムカつくムカつくー!!」バタバタ
千砂都「どしたの?」
かのん「聞いてよ、ちぃちゃん!!」
かのん「すみれちゃんったらほんとムカつくんだよー!!」イライラ
千砂都「……」
千砂都(かのんちゃん、かなり怒ってるなぁ……)
かのん「ああああ!!!!」
かのん「すみれちゃんムカつくムカつくー!!」バタバタ
千砂都「どしたの?」
かのん「聞いてよ、ちぃちゃん!!」
かのん「すみれちゃんったらほんとムカつくんだよー!!」イライラ
千砂都「……」
千砂都(かのんちゃん、かなり怒ってるなぁ……)
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37: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/20(日) 19:29:45 ID:???Sa
千砂都「何があったの?」
かのん「さっきの話なんだけどね」
30分前
かのん「それでね! 聞いたところによると……」
すみれ「ふーん」スマホポチポチ
かのん「ビックリだよね! でねでね!」
すみれ「へー」スマホポチポチ
かのん「そしたらなんと……!」
すみれ「……」スマホポチポチ
かのん「……」
かのん「ねぇ、すみれちゃん、聞いてる?」
すみれ「聞いてるわよ」スマホポチポチ
かのん「嘘! 聞き流してるでしょ」
すみれ「聞いてるってば」
かのん「もっとちゃんと聞いてよ!」
すみれ「何よ、めんどくさいわね……」
かのん「何その言い方。ちょっとひどくない?」
かのん「私はすみれちゃんが知りたいかなって思って話してるのに」
すみれ「あのねぇ……」
すみれ「言っとくけど、誰もがあんたみたいにゴシップ好きじゃないの」
かのん「別にゴシップ好きじゃないよ!」
すみれ「大好きじゃない。いつも人の秘密ペラペラペラペラいろんな人に話して」
かのん「そんなことしてないよ!」
すみれ「どうだか」
すみれ「私の子どもの頃の仕事のことだって、すぐ可可に話したじゃない」
かのん「今それ言う!? 関係ないじゃん!」
すみれ「関係あるわよ! あんたは口が軽いって言いたいの!」
すみれ「今の話だって、本人はあんまり広めて欲しくないんじゃない?」
かのん「そんなこと……!」
かのん「さっきの話なんだけどね」
30分前
かのん「それでね! 聞いたところによると……」
すみれ「ふーん」スマホポチポチ
かのん「ビックリだよね! でねでね!」
すみれ「へー」スマホポチポチ
かのん「そしたらなんと……!」
すみれ「……」スマホポチポチ
かのん「……」
かのん「ねぇ、すみれちゃん、聞いてる?」
すみれ「聞いてるわよ」スマホポチポチ
かのん「嘘! 聞き流してるでしょ」
すみれ「聞いてるってば」
かのん「もっとちゃんと聞いてよ!」
すみれ「何よ、めんどくさいわね……」
かのん「何その言い方。ちょっとひどくない?」
かのん「私はすみれちゃんが知りたいかなって思って話してるのに」
すみれ「あのねぇ……」
すみれ「言っとくけど、誰もがあんたみたいにゴシップ好きじゃないの」
かのん「別にゴシップ好きじゃないよ!」
すみれ「大好きじゃない。いつも人の秘密ペラペラペラペラいろんな人に話して」
かのん「そんなことしてないよ!」
すみれ「どうだか」
すみれ「私の子どもの頃の仕事のことだって、すぐ可可に話したじゃない」
かのん「今それ言う!? 関係ないじゃん!」
すみれ「関係あるわよ! あんたは口が軽いって言いたいの!」
すみれ「今の話だって、本人はあんまり広めて欲しくないんじゃない?」
かのん「そんなこと……!」
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38: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/20(日) 19:34:51 ID:???Sa
すみれ「とにかく、私は噂話には興味ないの」
すみれ「そんなレベルの低い会話を真剣に聞けなんて、無理ったら無理ね!」
かのん「うわ、ひど……」
かのん「レベルの低いって……」
かのん「私はただ、すみれちゃんと楽しくお喋りしたかっただけなのに……!」
すみれ「……」
かのん「そんなんだから、すみれちゃん人望ないとか言われるんだよ!」
すみれ「はぁ? 誰がそんなこと言ったのよ!」
かのん「それに肝心な時にヘタレるもんね」
すみれ「へー、そんな風に思ってたの」
かのん「でもすみれちゃんはそんなの気にしないでしょ?」
かのん「いいよね! そういう性格で!」
すみれ「言ったわね……!」ムカッ
すみれ「あんたなんか……!」ムカムカ
かのん「すみれちゃんなんて……!」ムカムカ
ギャーギャー、ガミガミ
ワーワー、ピエーン
かのん「なんでそんなこと言うの!!」ポロポロ
すみれ「あんたが突っかかってきたからじゃない!」フンッ
かのん「すみれちゃんなんて……!」
かのん「すみれちゃんなんて、大っ嫌いっ!!」ピエーン
すみれ「そんなレベルの低い会話を真剣に聞けなんて、無理ったら無理ね!」
かのん「うわ、ひど……」
かのん「レベルの低いって……」
かのん「私はただ、すみれちゃんと楽しくお喋りしたかっただけなのに……!」
すみれ「……」
かのん「そんなんだから、すみれちゃん人望ないとか言われるんだよ!」
すみれ「はぁ? 誰がそんなこと言ったのよ!」
かのん「それに肝心な時にヘタレるもんね」
すみれ「へー、そんな風に思ってたの」
かのん「でもすみれちゃんはそんなの気にしないでしょ?」
かのん「いいよね! そういう性格で!」
すみれ「言ったわね……!」ムカッ
すみれ「あんたなんか……!」ムカムカ
かのん「すみれちゃんなんて……!」ムカムカ
ギャーギャー、ガミガミ
ワーワー、ピエーン
かのん「なんでそんなこと言うの!!」ポロポロ
すみれ「あんたが突っかかってきたからじゃない!」フンッ
かのん「すみれちゃんなんて……!」
かのん「すみれちゃんなんて、大っ嫌いっ!!」ピエーン
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39: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/20(日) 19:44:52 ID:???Sa
千砂都「そんなことがあったんだ……」
かのん「うん」
かのん「やばい。思い出しただけでイライラしてきた……」
かのん「ああああああああ!!」イライラ
かのん「すみれちゃんムカつくムカつくー!!」ブンブン
かのん「大嫌い!!」フンッ
千砂都「…………」
千砂都(こりゃかのんちゃん相当怒ってるね……)
◆
可可「どうせすみれが悪いのデショウ?」
可可「早くかのんに謝ってきやがれデス」
すみれ「はぁ? なんで私が謝らなきゃいけないのよ!」
すみれ「悪いのは全部かのんでしょ!?」
可可「いいえ、すみれが悪いに決まってマス」
すみれ「あり得ないわよ! そんなこと!」
すみれ「かのんったら、私になんて言ったと思う!?」
すみれ「ああ、思い出しただけで……!」プルプル
すみれ「あんなに腹が立ったのも久しぶりだったわ!」イライラ
すみれ「もうあんな奴、顔も見たくない!!」フンッ
可可「…………」
可可(ここまで怒ったすみれは初めて見マシタ……)
かのん「うん」
かのん「やばい。思い出しただけでイライラしてきた……」
かのん「ああああああああ!!」イライラ
かのん「すみれちゃんムカつくムカつくー!!」ブンブン
かのん「大嫌い!!」フンッ
千砂都「…………」
千砂都(こりゃかのんちゃん相当怒ってるね……)
◆
可可「どうせすみれが悪いのデショウ?」
可可「早くかのんに謝ってきやがれデス」
すみれ「はぁ? なんで私が謝らなきゃいけないのよ!」
すみれ「悪いのは全部かのんでしょ!?」
可可「いいえ、すみれが悪いに決まってマス」
すみれ「あり得ないわよ! そんなこと!」
すみれ「かのんったら、私になんて言ったと思う!?」
すみれ「ああ、思い出しただけで……!」プルプル
すみれ「あんなに腹が立ったのも久しぶりだったわ!」イライラ
すみれ「もうあんな奴、顔も見たくない!!」フンッ
可可「…………」
可可(ここまで怒ったすみれは初めて見マシタ……)
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40: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/20(日) 19:56:09 ID:???Sa
1週間後
かのん「……」ツン
すみれ「……」ツン
恋「あわあわ……」
メイ「かのん先輩とすみれ先輩、相変わらず全く目を合わせないな……」
夏美「まだ喧嘩してるんですの……? さすがに長過ぎですの……」
きな子「すみれ先輩と可可先輩もよく喧嘩してるっすけど……」
四季「それとは雰囲気が全然違う……」
千砂都(うーん、2人がこんな感じだと、部全体の空気が悪くなるんだよね……)
千砂都(部長としてどうにかしたいけど……)ウーン
かのん「……」ツン
すみれ「……」ツン
恋「あわあわ……」
メイ「かのん先輩とすみれ先輩、相変わらず全く目を合わせないな……」
夏美「まだ喧嘩してるんですの……? さすがに長過ぎですの……」
きな子「すみれ先輩と可可先輩もよく喧嘩してるっすけど……」
四季「それとは雰囲気が全然違う……」
千砂都(うーん、2人がこんな感じだと、部全体の空気が悪くなるんだよね……)
千砂都(部長としてどうにかしたいけど……)ウーン
0
41: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/20(日) 19:58:28 ID:???Sa
千砂都「え、えっと……可可ちゃん、新しい衣装のアイディアはまとまりそう?」
可可「は、はい! 結構イメージできてきマシタ!」
可可「こんな感じなのデスが……」パサッ
千砂都「おお、いいねー!」
千砂都「かのんちゃんはどう思う?」
かのん「うん! 私も曲の感じに合っててすごく良いと思う!」
かのん「ここのワンポイントが可愛いね!」
可可「あ、ここはすみれのアイディアデス」
かのん「ぁ……」
すみれ「あら、見る目あるじゃない?」フッ
千砂都「……!!」
千砂都(これは仲直りチャンス……!?)
かのん「ふーん……」ツン
すみれ「ま、ショービジネスで培った私のセンスが光るところよね!」
すみれ「この部分はギャラクシーなアクセント! 名付けてギャラクシーポイントよ!」
かのん「ぷっ、なにそれ」ボソッ
千砂都「!?」
すみれ「何? 何か言った?」
かのん「別に」
すみれ「言いたいことがあるなら、はっきり言いなさいよ!」
恋「あわあわあわ……」
可可「は、はい! 結構イメージできてきマシタ!」
可可「こんな感じなのデスが……」パサッ
千砂都「おお、いいねー!」
千砂都「かのんちゃんはどう思う?」
かのん「うん! 私も曲の感じに合っててすごく良いと思う!」
かのん「ここのワンポイントが可愛いね!」
可可「あ、ここはすみれのアイディアデス」
かのん「ぁ……」
すみれ「あら、見る目あるじゃない?」フッ
千砂都「……!!」
千砂都(これは仲直りチャンス……!?)
かのん「ふーん……」ツン
すみれ「ま、ショービジネスで培った私のセンスが光るところよね!」
すみれ「この部分はギャラクシーなアクセント! 名付けてギャラクシーポイントよ!」
かのん「ぷっ、なにそれ」ボソッ
千砂都「!?」
すみれ「何? 何か言った?」
かのん「別に」
すみれ「言いたいことがあるなら、はっきり言いなさいよ!」
恋「あわあわあわ……」
0
43: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/20(日) 20:04:02 ID:???Sa
千砂都「まあまあ、すみれちゃん! ここのアクセント、私もとってもいいと思うよ!」
かのん「私はお喋りだから黙ってればいいんでしょ? ならすみれちゃんには何も言わない」
すみれ「誰もそんなこと言ってないでしょ!」ガタッ
かのん「言ってたじゃん! 私は喋るなって!」 ガタッ
恋「あわあわあわ……」
可可「か、かのん! 落ち着いてクダサイ……!」
すみれ「あんた、屁理屈もいい加減にしなさいよ!」
かのん「屁理屈言ってるのはすみれちゃんの方じゃん!」
すみれ「私は正論でしょ! あんたが子どもなの!」
かのん「そうやって子ども扱いして! すみれちゃんは自分勝手なだけじゃん!」
すみれ「どの口が言ってるの!?」
かのん「おかしいのはそっちじゃん!」
ギャーギャー、ガミガミ
ワーワー、ピエーン
恋「あわあわあわ……」
恋「!!」ハッ
きな子「うぅ……」ウルウル
恋(きな子さん……)
恋「……っ!」キッ
恋「お2人とも、いい加減にしてください!」バッ
恋「そんなに声を荒げて言い合いして」
恋「1年生も見ているのですよ?」
かのん「……!」
すみれ「……!」
メイ「えっと……」
四季「……」
夏美「ですの……」シュン
きな子「ぐすん……」ウルウル
かのん・すみれ「…………」
かのん「私はお喋りだから黙ってればいいんでしょ? ならすみれちゃんには何も言わない」
すみれ「誰もそんなこと言ってないでしょ!」ガタッ
かのん「言ってたじゃん! 私は喋るなって!」 ガタッ
恋「あわあわあわ……」
可可「か、かのん! 落ち着いてクダサイ……!」
すみれ「あんた、屁理屈もいい加減にしなさいよ!」
かのん「屁理屈言ってるのはすみれちゃんの方じゃん!」
すみれ「私は正論でしょ! あんたが子どもなの!」
かのん「そうやって子ども扱いして! すみれちゃんは自分勝手なだけじゃん!」
すみれ「どの口が言ってるの!?」
かのん「おかしいのはそっちじゃん!」
ギャーギャー、ガミガミ
ワーワー、ピエーン
恋「あわあわあわ……」
恋「!!」ハッ
きな子「うぅ……」ウルウル
恋(きな子さん……)
恋「……っ!」キッ
恋「お2人とも、いい加減にしてください!」バッ
恋「そんなに声を荒げて言い合いして」
恋「1年生も見ているのですよ?」
かのん「……!」
すみれ「……!」
メイ「えっと……」
四季「……」
夏美「ですの……」シュン
きな子「ぐすん……」ウルウル
かのん・すみれ「…………」
0
44: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/20(日) 20:08:27 ID:???Sa
すみれ「もういいわ」バッ
千砂都「すみれちゃん?」
すみれ「帰るったら帰る」タタッ
千砂都「あ……」
千砂都「ちょっと待ってよ……!」タタッ
かのん「何なのあの態度……」ブツブツ
可可「かのん……」
かのん「見たでしょ? 可可ちゃん」
かのん「ほんとムカつくんだよ、すみれちゃんって」
かのん「せっかく可可ちゃんの考えてくれた衣装素敵だったのに」
可可「……」
かのん「ああいうところ直して欲しいよね」イライラ
かのん「私も帰るね」
千砂都「すみれちゃん?」
すみれ「帰るったら帰る」タタッ
千砂都「あ……」
千砂都「ちょっと待ってよ……!」タタッ
かのん「何なのあの態度……」ブツブツ
可可「かのん……」
かのん「見たでしょ? 可可ちゃん」
かのん「ほんとムカつくんだよ、すみれちゃんって」
かのん「せっかく可可ちゃんの考えてくれた衣装素敵だったのに」
可可「……」
かのん「ああいうところ直して欲しいよね」イライラ
かのん「私も帰るね」
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45: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/20(日) 20:11:10 ID:???Sa
かのん「……」テクテク
かのん(ああもう、ほんとイライラする!!)
かのん(なんですみれちゃんってこんなに人をムカつかせるの得意なんだろ!?〕
かのん(そういう才能だよね、もう!)
?「あの……」
かのん「!?」
女性「Liella!の澁谷かのんさんですよね?」
かのん「あ、はい、そうですけど……」
女性「平安名すみれさんはまだ学校にいますか?」
かのん「いえ、すみれちゃんなら帰りましたけど……」
女性「そうでしたか。なかなか会えないですね……」
かのん「えっと……」
女性「申し遅れました。私、こういう者です」スッ
かのん「……!」
かのん(芸能事務所の人……!?)
かのん(しかも有名なところだ……)
女性「実は平安名さんと連絡をとらせていただきたくて……」
女性「その名刺、平安名さんにお渡しいただけますか?」
女性「それで、お話したいことがあるので、そこの連絡先までお電話欲しいと伝えていただきたいのですが……」
かのん「……わかりました。すみれちゃんに伝えます」
女性「ありがとうございます!」
かのん(ああもう、ほんとイライラする!!)
かのん(なんですみれちゃんってこんなに人をムカつかせるの得意なんだろ!?〕
かのん(そういう才能だよね、もう!)
?「あの……」
かのん「!?」
女性「Liella!の澁谷かのんさんですよね?」
かのん「あ、はい、そうですけど……」
女性「平安名すみれさんはまだ学校にいますか?」
かのん「いえ、すみれちゃんなら帰りましたけど……」
女性「そうでしたか。なかなか会えないですね……」
かのん「えっと……」
女性「申し遅れました。私、こういう者です」スッ
かのん「……!」
かのん(芸能事務所の人……!?)
かのん(しかも有名なところだ……)
女性「実は平安名さんと連絡をとらせていただきたくて……」
女性「その名刺、平安名さんにお渡しいただけますか?」
女性「それで、お話したいことがあるので、そこの連絡先までお電話欲しいと伝えていただきたいのですが……」
かのん「……わかりました。すみれちゃんに伝えます」
女性「ありがとうございます!」
0
46: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/20(日) 20:14:11 ID:???Sa
翌日
かのん「……」
かのん(まさかすみれちゃん宛に芸能事務所の人から名刺貰うなんてね)
かのん(連絡して欲しいって……)
かのん(つまりこれ、スカウトってことだよね?)
かのん(すみれちゃん、喜ぶだろうな)
かのん(ずっと夢だったもんね)
かのん(とにかく、この名刺渡さないと)
かのん(でも……)
かのん(今はすみれちゃんに話しかけづらい……)ムムッ
かのん(ムカつくし……)
千砂都「……」テクテク
かのん「!」
かのん(そうだ! ちぃちゃんに頼もっと!)
かのん「ねぇ、ちぃちゃん! お願いが……」
千砂都「かのんちゃん、ごめん! これから部長会なんだ!」
千砂都「また後でね!」タタッ
かのん「あ、うん……!」
かのん「…………」
かのん(仕方ない……自分で渡すか……)
かのん「……」
かのん(まさかすみれちゃん宛に芸能事務所の人から名刺貰うなんてね)
かのん(連絡して欲しいって……)
かのん(つまりこれ、スカウトってことだよね?)
かのん(すみれちゃん、喜ぶだろうな)
かのん(ずっと夢だったもんね)
かのん(とにかく、この名刺渡さないと)
かのん(でも……)
かのん(今はすみれちゃんに話しかけづらい……)ムムッ
かのん(ムカつくし……)
千砂都「……」テクテク
かのん「!」
かのん(そうだ! ちぃちゃんに頼もっと!)
かのん「ねぇ、ちぃちゃん! お願いが……」
千砂都「かのんちゃん、ごめん! これから部長会なんだ!」
千砂都「また後でね!」タタッ
かのん「あ、うん……!」
かのん「…………」
かのん(仕方ない……自分で渡すか……)
0
47: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/20(日) 20:16:48 ID:???Sa
すみれ「……」
かのん「……」
かのん(なんですみれちゃんに話しかけるのにこんなに緊張してるんだろ……)
かのん(要件伝えるだけ。要件伝えるだけ)
かのん「あ……」
かのん「ねぇ、すみれちゃん……?」
すみれ「……?」
すみれ「何よ」
かのん「……」
とにかくこの名刺を見せて……
かのん「……!!」
でも。
でも、待って。
この名刺を渡したらどうなるの?
すみれちゃんはスカウトされて、芸能事務所に入って……
そしたら?
Liella!をやめることになるんじゃないの?
(女性『その名刺、平安名さんにお渡しいただけますか?』)
かのん「……っ!」
すみれちゃんがスカウト待ちしてる時は、一言も声かけてこなかったくせに。
スクールアイドルで少し有名になった途端、手のひら返したみたいに甘い言葉かけてきて。
(かのん『すみれさん、あなたをスカウトに来ました』)
先にすみれちゃんをスカウトしたのは私なのに。
(すみれ『かのん、行きましょ!』)
あの人に取られちゃうの?
すみれちゃんを。
かのん「……っ!」グッ
嫌だ。
そんなの絶対嫌だ。
かのん「……」
かのん(なんですみれちゃんに話しかけるのにこんなに緊張してるんだろ……)
かのん(要件伝えるだけ。要件伝えるだけ)
かのん「あ……」
かのん「ねぇ、すみれちゃん……?」
すみれ「……?」
すみれ「何よ」
かのん「……」
とにかくこの名刺を見せて……
かのん「……!!」
でも。
でも、待って。
この名刺を渡したらどうなるの?
すみれちゃんはスカウトされて、芸能事務所に入って……
そしたら?
Liella!をやめることになるんじゃないの?
(女性『その名刺、平安名さんにお渡しいただけますか?』)
かのん「……っ!」
すみれちゃんがスカウト待ちしてる時は、一言も声かけてこなかったくせに。
スクールアイドルで少し有名になった途端、手のひら返したみたいに甘い言葉かけてきて。
(かのん『すみれさん、あなたをスカウトに来ました』)
先にすみれちゃんをスカウトしたのは私なのに。
(すみれ『かのん、行きましょ!』)
あの人に取られちゃうの?
すみれちゃんを。
かのん「……っ!」グッ
嫌だ。
そんなの絶対嫌だ。
0
48: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/20(日) 20:18:14 ID:???Sa
すみれ「何なのよ」
かのん「……」
かのん「ううん、何でもない」タタッ
すみれ「はぁ……?」
それなら、このことは言わないでおこう。
すみれちゃんにも。他のみんなにも。
かのん「……」
かのん「ううん、何でもない」タタッ
すみれ「はぁ……?」
それなら、このことは言わないでおこう。
すみれちゃんにも。他のみんなにも。
0
49: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/20(日) 20:22:48 ID:???Sa
数日後
すみれ「ショービジネスの世界では……」
可可「グソクムシがよく言うデス!」
すみれ「やかましいわ!」
かのん「……」
あのこと、すみれちゃんにまだ言ってないけど……
やっぱりダメだよね、こんなこと。
ちゃんと話さなきゃ。
かのん「ねぇ、すみれちゃ……」
すみれ「ちょっと話があるんだけど」
かのん「え? うん……」
◆
すみれ「この名刺、貰ってるわよね」スッ
かのん「……っ!!」
かのん(あの人の名刺だ……)
すみれ「昨日会ったのよ、この人と」
すみれ「そしたら、かのんに私に渡すよう頼んだって言ってたんだけど」
すみれ「本当?」
かのん「……」
かのん「うん。言われたよ……」スッ
すみれ「……!」
すみれ「そう……」
すみれ「本当だったのね……」
すみれ「私に黙ってたのは、私のことが嫌いだから?」
かのん「……」
かのん「え……?」
すみれ「ショービジネスの世界では……」
可可「グソクムシがよく言うデス!」
すみれ「やかましいわ!」
かのん「……」
あのこと、すみれちゃんにまだ言ってないけど……
やっぱりダメだよね、こんなこと。
ちゃんと話さなきゃ。
かのん「ねぇ、すみれちゃ……」
すみれ「ちょっと話があるんだけど」
かのん「え? うん……」
◆
すみれ「この名刺、貰ってるわよね」スッ
かのん「……っ!!」
かのん(あの人の名刺だ……)
すみれ「昨日会ったのよ、この人と」
すみれ「そしたら、かのんに私に渡すよう頼んだって言ってたんだけど」
すみれ「本当?」
かのん「……」
かのん「うん。言われたよ……」スッ
すみれ「……!」
すみれ「そう……」
すみれ「本当だったのね……」
すみれ「私に黙ってたのは、私のことが嫌いだから?」
かのん「……」
かのん「え……?」
0
50: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/20(日) 20:26:10 ID:???Sa
すみれ「気に入らなかったんでしょ。私がスカウトされて」
すみれ「だから黙ってた」
かのん「ちょ、ちょっと……」
違う。
そんなんじゃない。
すみれ「確かに私たち、ここのところギクシャクしてたけど」
すみれ「私は仲直りできるものだと思ってた」
すみれ「でも、あんたは違ったのね」
かのん「え、ちが……」
すみれ「それにいくら気に食わないからって、こんな大切なこと伝えないなんて」
すみれ「見損なったわよ……!」
かのん「……!」
かのん「ま、待ってよ。すみれちゃん」
かのん「私、今から話そうとしてて……」
すみれ「何よその言い訳」
すみれ「そんなのずっと黙ってたのと一緒よ」
かのん「待って、話を……」
すみれ「あんた、私のこと嫌いなんでしょ?」
かのん「ぇ……」
すみれ「嫌いならはっきりそう言ってくれた方がいいわ」
かのん「ちが……」
すみれ「仲直りなんて無理だったみたいね」
かのん「だから話聞いてってば!」
かのん「人の話聞かないの、すみれちゃんの悪いところだよ!?」
すみれ「この期に及んで、突っかかってくるわけ?」
すみれ「呆れた」
かのん「そうじゃなくて……!」
すみれ「もうあんたとやり合うのも疲れたわ」
すみれ「絶交よ。それでいいでしょ」
かのん「……っ!?」
すみれ「だから黙ってた」
かのん「ちょ、ちょっと……」
違う。
そんなんじゃない。
すみれ「確かに私たち、ここのところギクシャクしてたけど」
すみれ「私は仲直りできるものだと思ってた」
すみれ「でも、あんたは違ったのね」
かのん「え、ちが……」
すみれ「それにいくら気に食わないからって、こんな大切なこと伝えないなんて」
すみれ「見損なったわよ……!」
かのん「……!」
かのん「ま、待ってよ。すみれちゃん」
かのん「私、今から話そうとしてて……」
すみれ「何よその言い訳」
すみれ「そんなのずっと黙ってたのと一緒よ」
かのん「待って、話を……」
すみれ「あんた、私のこと嫌いなんでしょ?」
かのん「ぇ……」
すみれ「嫌いならはっきりそう言ってくれた方がいいわ」
かのん「ちが……」
すみれ「仲直りなんて無理だったみたいね」
かのん「だから話聞いてってば!」
かのん「人の話聞かないの、すみれちゃんの悪いところだよ!?」
すみれ「この期に及んで、突っかかってくるわけ?」
すみれ「呆れた」
かのん「そうじゃなくて……!」
すみれ「もうあんたとやり合うのも疲れたわ」
すみれ「絶交よ。それでいいでしょ」
かのん「……っ!?」
0
52: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/20(日) 20:40:44 ID:???Sa
すみれちゃんはそれだけ言うと静かにその場を立ち去った。
まったく聞く耳を持ってくれなかった。
もう私の声なんて届かなかった。
かのん「……」グッ
でも。
今、このまますみれちゃんと別れたら……
今何も言わなかったら……
きっとすべてが終わってしまう。
そんな気がしてならなくて。
かのん「待って……!」
すみれ「……」
かのん「待ってよ、すみれちゃん!」ダキッ
すみれ「!!」
咄嗟に、私はすみれちゃんを背後から思い切り抱きしめた。
かのん「こんなので終わりなんて、嫌だよ……」ギュッ
かのん「絶交なんて、嫌だよ……」ポロッ
すみれ「……」
かのん「言わなかったこと、本当にごめん」
かのん「でもね、躊躇ってたのは、すみれちゃんが嫌いだからじゃないよ」
かのん「すみれちゃんにいなくなって欲しくなかったの……」ポロポロ
かのん「すみれちゃんと一緒にいたかったの!」ギュウウ
すみれ「……」
かのん「こんなの我儘だってわかってる」
かのん「すみれちゃんの夢だもんね。それを引き止めちゃいけない」
かのん「だから……」
かのん「頑張ってね。すみれちゃん」
かのん「Liella!を辞めても、すみれちゃんの夢、応援してるから……!」
かのん「それと……」
かのん「これからも友達でいてね……」ギュッ
すみれ「……」
まったく聞く耳を持ってくれなかった。
もう私の声なんて届かなかった。
かのん「……」グッ
でも。
今、このまますみれちゃんと別れたら……
今何も言わなかったら……
きっとすべてが終わってしまう。
そんな気がしてならなくて。
かのん「待って……!」
すみれ「……」
かのん「待ってよ、すみれちゃん!」ダキッ
すみれ「!!」
咄嗟に、私はすみれちゃんを背後から思い切り抱きしめた。
かのん「こんなので終わりなんて、嫌だよ……」ギュッ
かのん「絶交なんて、嫌だよ……」ポロッ
すみれ「……」
かのん「言わなかったこと、本当にごめん」
かのん「でもね、躊躇ってたのは、すみれちゃんが嫌いだからじゃないよ」
かのん「すみれちゃんにいなくなって欲しくなかったの……」ポロポロ
かのん「すみれちゃんと一緒にいたかったの!」ギュウウ
すみれ「……」
かのん「こんなの我儘だってわかってる」
かのん「すみれちゃんの夢だもんね。それを引き止めちゃいけない」
かのん「だから……」
かのん「頑張ってね。すみれちゃん」
かのん「Liella!を辞めても、すみれちゃんの夢、応援してるから……!」
かのん「それと……」
かのん「これからも友達でいてね……」ギュッ
すみれ「……」
0
54: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/20(日) 20:50:46 ID:???Sa
すみれ「はぁ……」
すみれ「言っておくけど、私スカウト受けるつもりないわよ」
かのん「……」
かのん「え……?」
かのん「どうして!? こんなチャンスなかなかないよ?」
すみれ「確かに魅力的なスカウトだけれど」
すみれ「今の私にはそれ以上にLiella!での活動が大切なの」
すみれ「ショービジネスの世界に戻るのは卒業してから」
すみれ「その頃にはもっとビッグなオファーがくるかもしれないしね!」ウインク
かのん「すみれちゃん……!!」
かのん「その……本当にごめんね……」
すみれ「もういいわよ。言おうとしてくれてたのは、本当みたいだし」
かのん「それと、今までの喧嘩の分も……」
すみれ「……わ、私も言い過ぎたところあったし?」
すみれ「こっちこそ、ごめん……」
かのん「……!」
かのん「もうっ!」ギュウウ
すみれ「ちょ、何なのよったら何なのよ!」
かのん「すみれちゃん大好きっ!!」ポロポロ
すみれ「言っておくけど、私スカウト受けるつもりないわよ」
かのん「……」
かのん「え……?」
かのん「どうして!? こんなチャンスなかなかないよ?」
すみれ「確かに魅力的なスカウトだけれど」
すみれ「今の私にはそれ以上にLiella!での活動が大切なの」
すみれ「ショービジネスの世界に戻るのは卒業してから」
すみれ「その頃にはもっとビッグなオファーがくるかもしれないしね!」ウインク
かのん「すみれちゃん……!!」
かのん「その……本当にごめんね……」
すみれ「もういいわよ。言おうとしてくれてたのは、本当みたいだし」
かのん「それと、今までの喧嘩の分も……」
すみれ「……わ、私も言い過ぎたところあったし?」
すみれ「こっちこそ、ごめん……」
かのん「……!」
かのん「もうっ!」ギュウウ
すみれ「ちょ、何なのよったら何なのよ!」
かのん「すみれちゃん大好きっ!!」ポロポロ
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57: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/20(日) 20:55:45 ID:???Sa
◆
翌日 部室
かのん「それでね、それでね!」
すみれ「へー、そんなことがあったの」
かのん「でね! その後に……」
かのん「おっかしいよねー!」ケラケラ
すみれ「なによそれ!」ケラケラ
キャッキャ、キャッキャ
他部員「…………」
夏美「いつの間にか仲直りしてますの……」
四季「しかもとても楽しそう」
きな子「良かったっす……良かったっす……」ウルウル
メイ「やっぱり先輩たちは仲良しじゃないとな!」
恋「一件落着なようで良かったです」ホッ
千砂都「それにしてもこの変わり様、何があったのかな?」
可可「可可も気になりマス」
可可「かのん、すみれと何があったのデスか?」
かのん「え? うーんとねぇ……」
かのん「内緒♪」
◆
女性「平安名さんは素晴らしい才能をお持ちだと思います」
女性「ぜひうちの事務所でデビューしていただきたく……」
すみれ「とても有難いお話なんですが」
すみれ「今回はお断りさせていただきます」
女性「え……」
女性「うちの事務所なら、万全のバックアップで、華々しい舞台をご用意できます! なので……!」
すみれ「ごめんなさい」
すみれ「私のこと、先に見つけてくれた子がいるので!」ウインク
おわり
翌日 部室
かのん「それでね、それでね!」
すみれ「へー、そんなことがあったの」
かのん「でね! その後に……」
かのん「おっかしいよねー!」ケラケラ
すみれ「なによそれ!」ケラケラ
キャッキャ、キャッキャ
他部員「…………」
夏美「いつの間にか仲直りしてますの……」
四季「しかもとても楽しそう」
きな子「良かったっす……良かったっす……」ウルウル
メイ「やっぱり先輩たちは仲良しじゃないとな!」
恋「一件落着なようで良かったです」ホッ
千砂都「それにしてもこの変わり様、何があったのかな?」
可可「可可も気になりマス」
可可「かのん、すみれと何があったのデスか?」
かのん「え? うーんとねぇ……」
かのん「内緒♪」
◆
女性「平安名さんは素晴らしい才能をお持ちだと思います」
女性「ぜひうちの事務所でデビューしていただきたく……」
すみれ「とても有難いお話なんですが」
すみれ「今回はお断りさせていただきます」
女性「え……」
女性「うちの事務所なら、万全のバックアップで、華々しい舞台をご用意できます! なので……!」
すみれ「ごめんなさい」
すみれ「私のこと、先に見つけてくれた子がいるので!」ウインク
おわり
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60: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/20(日) 20:58:25 ID:???Sa
【かのすみ豆知識③】
写真にお化けが写っていないかと言われた時、かのんとすみれは2人で手を取り合って怖がっていた。
(ちょこっとリエラ~ギャラクシー☆バカンス編~より)
それではまた次回に。
写真にお化けが写っていないかと言われた時、かのんとすみれは2人で手を取り合って怖がっていた。
(ちょこっとリエラ~ギャラクシー☆バカンス編~より)
それではまた次回に。
0
65: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/24(木) 21:39:12 ID:???Sa
【変身】
四季「かのん先輩、メイの件、ありがとう」
かのん「私は何もしてないよー!」
かのん「でもまた何かあったらいつでも相談して?」
四季「わかった」
四季「かのん先輩にお礼」スッ
かのん「えー、お礼なんていいのに」
かのん「て言うか、これ何……?」スチャッ
四季「変身薬」
かのん「変身!?」
四季「可可先輩の髪の毛をいただいて、それを元に作った」
四季「それを飲めば可可先輩になれる」
かのん「可可ちゃんに!?」
かのん「あはは、四季ちゃんはやっぱり面白いなー……」
◆
かのん(と言うことで、貰っちゃったけど)
かのん(こんなのどうすればいいのかな?)
かのん(とりあえず飲んでみよっか!)ゴックン
かのん「んんっ!?」グラッ
かのん(ヤバいヤバい! 目が回るよー!)クラクラ
かのん(なんだか意識が……!)クラクラ
可可「……っ!」ハッ
可可「すごい……」
かのん(私、本当に可可ちゃんになってる!!)
四季「かのん先輩、メイの件、ありがとう」
かのん「私は何もしてないよー!」
かのん「でもまた何かあったらいつでも相談して?」
四季「わかった」
四季「かのん先輩にお礼」スッ
かのん「えー、お礼なんていいのに」
かのん「て言うか、これ何……?」スチャッ
四季「変身薬」
かのん「変身!?」
四季「可可先輩の髪の毛をいただいて、それを元に作った」
四季「それを飲めば可可先輩になれる」
かのん「可可ちゃんに!?」
かのん「あはは、四季ちゃんはやっぱり面白いなー……」
◆
かのん(と言うことで、貰っちゃったけど)
かのん(こんなのどうすればいいのかな?)
かのん(とりあえず飲んでみよっか!)ゴックン
かのん「んんっ!?」グラッ
かのん(ヤバいヤバい! 目が回るよー!)クラクラ
かのん(なんだか意識が……!)クラクラ
可可「……っ!」ハッ
可可「すごい……」
かのん(私、本当に可可ちゃんになってる!!)
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66: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/24(木) 21:49:30 ID:???Sa
千砂都「あれ、可可ちゃん、練習行くよ?」
可可「!!」
かのん(ち、ちぃちゃん……!!)
可可「千砂都、先に行っててクダサイ!」
可可「可可も用事を済ませたら行きマス!」
千砂都「わかった! じゃあまた後でね!」
可可「……!」
かのん(凄い! 可可ちゃんになりきれちゃった!)
かのん(元々モノマネは得意だけど、完全に本人だと思われちゃうなんて!)
かのん(これは……ちょっと面白いかも……!)
可可「!!」
かのん(ち、ちぃちゃん……!!)
可可「千砂都、先に行っててクダサイ!」
可可「可可も用事を済ませたら行きマス!」
千砂都「わかった! じゃあまた後でね!」
可可「……!」
かのん(凄い! 可可ちゃんになりきれちゃった!)
かのん(元々モノマネは得意だけど、完全に本人だと思われちゃうなんて!)
かのん(これは……ちょっと面白いかも……!)
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67: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/24(木) 21:55:26 ID:???Sa
すみれ「何してるのよ、練習行くわよ」
可可「あ、すみれちゃ……すみれ!」
かのん(すみれちゃんの前で可可ちゃんのマネ……通じるかな?)
可可「すみれ、元気デスか?」
すみれ「は? 別に普通だけど」
可可「そうデスか」
すみれ「練習行くわよ」
可可「……」
かのん(うーん、せっかくだから、可可ちゃんの姿でないとできないことをしたいなぁ……)
かのん(そうだ! 私のことについて聞いてみちゃお!)
可可「すみれはかのんのこと、どう思いマスか?」
すみれ「何よ急に」
可可「いいから! どう思いマスか?」
すみれ「どうって別に……」
可可「な……! なんとも思ってないのデスか!?」
すみれ「何ともってことはないわよ」
可可「ではどう思ってマスか?」
すみれ「何が聞きたいのよ!」
可可「すみれにとって、かのんはどういう存在なのデスか!?」
すみれ「どういう存在って……」
すみれ「Liella!のセンターとして信頼してるわよ」
すみれ「私の良きライバルでもあるしね」
可可「……!!」
かのん(すみれちゃん……!!)
かのん(そんな風に思ってくれてたんだ)エヘヘ
かのん(よし、そしたらもっと……)
可可「あ、すみれちゃ……すみれ!」
かのん(すみれちゃんの前で可可ちゃんのマネ……通じるかな?)
可可「すみれ、元気デスか?」
すみれ「は? 別に普通だけど」
可可「そうデスか」
すみれ「練習行くわよ」
可可「……」
かのん(うーん、せっかくだから、可可ちゃんの姿でないとできないことをしたいなぁ……)
かのん(そうだ! 私のことについて聞いてみちゃお!)
可可「すみれはかのんのこと、どう思いマスか?」
すみれ「何よ急に」
可可「いいから! どう思いマスか?」
すみれ「どうって別に……」
可可「な……! なんとも思ってないのデスか!?」
すみれ「何ともってことはないわよ」
可可「ではどう思ってマスか?」
すみれ「何が聞きたいのよ!」
可可「すみれにとって、かのんはどういう存在なのデスか!?」
すみれ「どういう存在って……」
すみれ「Liella!のセンターとして信頼してるわよ」
すみれ「私の良きライバルでもあるしね」
可可「……!!」
かのん(すみれちゃん……!!)
かのん(そんな風に思ってくれてたんだ)エヘヘ
かのん(よし、そしたらもっと……)
0
68: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/24(木) 22:00:17 ID:???Sa
可可「すみれは……」
すみれ「……?」
可可「かのんのこと、可愛いと思いマスか?」
すみれ「何なのよ、さっきから……」
可可「いいから答えろデス」
すみれ「はぁ……」
すみれ「そんなの、あんたいつもかのんのこと可愛い可愛い言ってるじゃない」
すみれ「ならそうなんじゃないの」
可可「すみれはどう思うのデスか?」
すみれ「なんでそんなこと聞くのよ」
可可「すみれの気持ちを聞きたいのデス!」
すみれ「かのんでしょ?」
すみれ「可愛いわよ、そりゃ」
すみれ「言うまでもないでしょ」
可可「……!!」ドキッ
かのん(すみれちゃんが、私のこと可愛いって!)
かのん(しかも言うまでもない、だって!)
かのん(嬉しいなー!!)バタバタ
すみれ「……?」
可可「かのんのこと、可愛いと思いマスか?」
すみれ「何なのよ、さっきから……」
可可「いいから答えろデス」
すみれ「はぁ……」
すみれ「そんなの、あんたいつもかのんのこと可愛い可愛い言ってるじゃない」
すみれ「ならそうなんじゃないの」
可可「すみれはどう思うのデスか?」
すみれ「なんでそんなこと聞くのよ」
可可「すみれの気持ちを聞きたいのデス!」
すみれ「かのんでしょ?」
すみれ「可愛いわよ、そりゃ」
すみれ「言うまでもないでしょ」
可可「……!!」ドキッ
かのん(すみれちゃんが、私のこと可愛いって!)
かのん(しかも言うまでもない、だって!)
かのん(嬉しいなー!!)バタバタ
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69: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/24(木) 22:03:22 ID:???Sa
可可「すみれ、ありがとう、デス」
すみれ「何であんたが感謝するのよ」
可可「かのん、どれくらい可愛いと思いますか?」
すみれ「はぁ?」
可可「どれくらい可愛いと思ってるか、教えろデス」
すみれ「……」ジッ
可可「……?」
すみれ「なんか今日のあんた、ちょっとおかしいわよ」ジーッ
可可「……!!」
かのん(やば……)
かのん(さすがに調子に乗り過ぎちゃった……!)
かのん(なんとか誤魔化すしかない!)
可可「すみれ、大好きデスー!!」ダキッ
すみれ「!?」ビクッ
すみれ「何であんたが感謝するのよ」
可可「かのん、どれくらい可愛いと思いますか?」
すみれ「はぁ?」
可可「どれくらい可愛いと思ってるか、教えろデス」
すみれ「……」ジッ
可可「……?」
すみれ「なんか今日のあんた、ちょっとおかしいわよ」ジーッ
可可「……!!」
かのん(やば……)
かのん(さすがに調子に乗り過ぎちゃった……!)
かのん(なんとか誤魔化すしかない!)
可可「すみれ、大好きデスー!!」ダキッ
すみれ「!?」ビクッ
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70: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/24(木) 22:08:48 ID:???Sa
可可「すみれ~」ギュウウ
すみれ「ちょ……あんた、いきなり何なのよ……!」アタフタ
かのん(ふふっ、すみれちゃんは可可ちゃんのこと大好きだから、こうされたら冷静でいられないよね!)
すみれ「あんた……やっぱり今日何かおかしいわよ……!」
可可「何がデスか?」
すみれ「こんなこと、普段は絶対しないじゃない!」
すみれ「変なものでも食べたの?」
可可「そんなことないデス」
可可「可可は、すみれにいつも思ってる気持ちを表してるだけデス」ギュッ
すみれ「……っ!!」ドキッ
かのん(ふふっ、すみれちゃんったら慌てちゃって)
かのん(いいよ)
かのん(私のこと可愛いって言ってくれたお礼に、たっぷり喜ばせてあげる)
すみれ「ちょ……あんた、いきなり何なのよ……!」アタフタ
かのん(ふふっ、すみれちゃんは可可ちゃんのこと大好きだから、こうされたら冷静でいられないよね!)
すみれ「あんた……やっぱり今日何かおかしいわよ……!」
可可「何がデスか?」
すみれ「こんなこと、普段は絶対しないじゃない!」
すみれ「変なものでも食べたの?」
可可「そんなことないデス」
可可「可可は、すみれにいつも思ってる気持ちを表してるだけデス」ギュッ
すみれ「……っ!!」ドキッ
かのん(ふふっ、すみれちゃんったら慌てちゃって)
かのん(いいよ)
かのん(私のこと可愛いって言ってくれたお礼に、たっぷり喜ばせてあげる)
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71: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/24(木) 22:16:41 ID:???Sa
可可「すみれはとっても優しいデス」
可可「それに美人さんデス」
すみれ「い、いったい何を企んでるのよ……!」
すみれ「わかったわ! 四季の変な薬でも飲んだんでしょ!」
かのん(ほとんど当たってる……!)ギクッ
可可「なんでそんなこと言うんデスか?」ウルウル
すみれ「え……?」
可可「可可、すみれのことが本当に大好きなんデスよ?」
すみれ「……っ!!」
可可「だからこうするんデス」ダキッ
可可「すみれ、とっても可愛いデス!」ギュウウ
すみれ「もう…………」カアアア
かのん(あれ、すみれちゃん……?)
すみれ「…………」
かのん(顔真っ赤にしたまま俯いて、黙っちゃった……)
かのん(なんかしおらしくなってるような……)
かのん(そっか、可可ちゃん相手だと、すみれちゃんもこうなっちゃうんだ)
可可「それに美人さんデス」
すみれ「い、いったい何を企んでるのよ……!」
すみれ「わかったわ! 四季の変な薬でも飲んだんでしょ!」
かのん(ほとんど当たってる……!)ギクッ
可可「なんでそんなこと言うんデスか?」ウルウル
すみれ「え……?」
可可「可可、すみれのことが本当に大好きなんデスよ?」
すみれ「……っ!!」
可可「だからこうするんデス」ダキッ
可可「すみれ、とっても可愛いデス!」ギュウウ
すみれ「もう…………」カアアア
かのん(あれ、すみれちゃん……?)
すみれ「…………」
かのん(顔真っ赤にしたまま俯いて、黙っちゃった……)
かのん(なんかしおらしくなってるような……)
かのん(そっか、可可ちゃん相手だと、すみれちゃんもこうなっちゃうんだ)
0
72: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/24(木) 22:19:49 ID:???Sa
可可「……」クラッ
かのん(あれ、なんだか頭がクラクラ……)クラクラ
かのん(あ! これって、薬の効き目が切れるってことなんじゃ……!)
かのん(やばいやばい!)
すみれ「可可…………?」ボーッ
可可「すみれ! 可可、急用を思い出しマシタ!」
可可「とりあえず行きマス!」タタッ
すみれ「あ……」
可可「すみれも早く練習行くのデスよー!」スタスタッ
スタスタスタスタ
すみれ「……うん」
かのん(あれ、なんだか頭がクラクラ……)クラクラ
かのん(あ! これって、薬の効き目が切れるってことなんじゃ……!)
かのん(やばいやばい!)
すみれ「可可…………?」ボーッ
可可「すみれ! 可可、急用を思い出しマシタ!」
可可「とりあえず行きマス!」タタッ
すみれ「あ……」
可可「すみれも早く練習行くのデスよー!」スタスタッ
スタスタスタスタ
すみれ「……うん」
0
73: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/24(木) 22:21:16 ID:???Sa
可可「すみれええええ!!」ドタドタ
すみれ「え……!?」ビクッ
すみれ「可可……!? どうして……!?」キョロキョロ
可可「今ここに、可可が来なせんデシタか!?」ゼェゼェ
すみれ「え、ええ……今あっちに……」
可可「バッカヤロー、デス! それはかのんデス!」
可可「デカいお尻して変装も見破れないのデスか!? このグソクムシ!!」
可可「待てええええええ!! かのんー!!」タタッ
スタスタスタスタ
すみれ「…………」
すみれ「えっと……」
すみれ「ルパン……?」
おわり
すみれ「え……!?」ビクッ
すみれ「可可……!? どうして……!?」キョロキョロ
可可「今ここに、可可が来なせんデシタか!?」ゼェゼェ
すみれ「え、ええ……今あっちに……」
可可「バッカヤロー、デス! それはかのんデス!」
可可「デカいお尻して変装も見破れないのデスか!? このグソクムシ!!」
可可「待てええええええ!! かのんー!!」タタッ
スタスタスタスタ
すみれ「…………」
すみれ「えっと……」
すみれ「ルパン……?」
おわり
0
74: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/24(木) 22:22:15 ID:???Sa
【かのすみ豆知識④】
夜、部屋に虫が出た時、かのんは心細くてすみれに連絡した。
すみれは遅い時間にも関わらず返事をしてあげていた。
(リエラジ142回より)
お読みいただきありがとうございます!
次回は「メッセージ」更新予定です。
夜、部屋に虫が出た時、かのんは心細くてすみれに連絡した。
すみれは遅い時間にも関わらず返事をしてあげていた。
(リエラジ142回より)
お読みいただきありがとうございます!
次回は「メッセージ」更新予定です。
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82: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/29(火) 21:22:25 ID:???Sa
【メッセージ】
かのんの部屋
かのん「はぁ……」
かのん「今日は上手くいかなかったなぁ」
今日の練習を振り返り、ため息をつく。
新しいステップを上手く踊ることができなかったのだ。
そういうことがたまにあると、私は気分転換に大好きなカフェオレを飲んだり、お菓子を食べたりする。
だけど今日の私はスマホを手に取った。
かのん:すみれちゃん、聞いてよー!
すみれちゃんに向けてメッセージを打つ。
すると少しして返事が返ってくる。
すみれ:どうしたのよ?
かのん:今日の新しいステップ、全然上手くできなかったんだー
すみれ:そうなの? 出来てるように見えたけど
かのん:それが全然なんだよー!
私は今日のことを赤裸々に話す。
すみれちゃんに聞いてもらって、すみれちゃんに励ましてもらいたかった。
かのんの部屋
かのん「はぁ……」
かのん「今日は上手くいかなかったなぁ」
今日の練習を振り返り、ため息をつく。
新しいステップを上手く踊ることができなかったのだ。
そういうことがたまにあると、私は気分転換に大好きなカフェオレを飲んだり、お菓子を食べたりする。
だけど今日の私はスマホを手に取った。
かのん:すみれちゃん、聞いてよー!
すみれちゃんに向けてメッセージを打つ。
すると少しして返事が返ってくる。
すみれ:どうしたのよ?
かのん:今日の新しいステップ、全然上手くできなかったんだー
すみれ:そうなの? 出来てるように見えたけど
かのん:それが全然なんだよー!
私は今日のことを赤裸々に話す。
すみれちゃんに聞いてもらって、すみれちゃんに励ましてもらいたかった。
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83: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/29(火) 21:32:46 ID:???Sa
『私を誰だと思ってるの!?』
思えばすみれちゃんとの出会いは最悪だった。
私もビビっちゃったし、すみれちゃんには近づき難いものを感じてしまった。
でもLiella!として一緒に苦楽を乗り越えるうち、いつの間にか仲良くなって、今は気になる存在になっていた。
高飛車ですぐ調子に乗るくせに、面倒見が良くて優しい。
すみれちゃんと話していると、隣にいると、不思議と安心する自分がいた。
すみれ:すぐにできるようになるわよ
かのん:うん、頑張る
すみれ:自主練するなら私も付き合ってあげるから
かのん:本当!? ありがとう!!
かのん「はぁ……」
かのん「やっぱり好きだなぁ……」
私はベッドに潜り込む。
好き。
すみれちゃんが好き。
思えばすみれちゃんとの出会いは最悪だった。
私もビビっちゃったし、すみれちゃんには近づき難いものを感じてしまった。
でもLiella!として一緒に苦楽を乗り越えるうち、いつの間にか仲良くなって、今は気になる存在になっていた。
高飛車ですぐ調子に乗るくせに、面倒見が良くて優しい。
すみれちゃんと話していると、隣にいると、不思議と安心する自分がいた。
すみれ:すぐにできるようになるわよ
かのん:うん、頑張る
すみれ:自主練するなら私も付き合ってあげるから
かのん:本当!? ありがとう!!
かのん「はぁ……」
かのん「やっぱり好きだなぁ……」
私はベッドに潜り込む。
好き。
すみれちゃんが好き。
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84: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/29(火) 21:43:28 ID:???Sa
千砂都「それじゃ今日は終わり! お疲れ様!」
きな子「今日のメニューはなかなかキツかったっす~」
メイ「キツかったな~!」
四季「2人ともこれを飲むといい」スッ
メイ「いや大丈夫」
恋「千砂都さん……!」タタッ
恋「この後、ちょっといいですか?」
千砂都「うん、大丈夫だよ!」ニコッ
かのん「……」
かのん(恋ちゃん、絶対ちぃちゃんのこと好きだよね)
かのん(四季ちゃんとメイちゃんも相変わらずだし)
かのん(部内の恋愛も活発になってきたのかな?)
かのん(私もすみれちゃんと……)エヘヘ
かのん「ねぇ、すみれちゃ……」
夏美「すみれ先輩、この動画を観て欲しいんですの!」
すみれ「え? グソクムシを踊ってみた……って、何よこれ!」
ワーワー、ワーワー
かのん「……」
かのん(すみれちゃんと夏美ちゃん、何だかんだ仲良いんだよね)アハハ
きな子「今日のメニューはなかなかキツかったっす~」
メイ「キツかったな~!」
四季「2人ともこれを飲むといい」スッ
メイ「いや大丈夫」
恋「千砂都さん……!」タタッ
恋「この後、ちょっといいですか?」
千砂都「うん、大丈夫だよ!」ニコッ
かのん「……」
かのん(恋ちゃん、絶対ちぃちゃんのこと好きだよね)
かのん(四季ちゃんとメイちゃんも相変わらずだし)
かのん(部内の恋愛も活発になってきたのかな?)
かのん(私もすみれちゃんと……)エヘヘ
かのん「ねぇ、すみれちゃ……」
夏美「すみれ先輩、この動画を観て欲しいんですの!」
すみれ「え? グソクムシを踊ってみた……って、何よこれ!」
ワーワー、ワーワー
かのん「……」
かのん(すみれちゃんと夏美ちゃん、何だかんだ仲良いんだよね)アハハ
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85: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/29(火) 21:50:04 ID:???Sa
かのんの部屋
かのん「……」カキカキ
かのん「よし……!」
かのん(新曲の歌詞、いい感じにできてきた!)
かのん(今日はこんなところかな!)
かのん「ふぅ……」
かのん(今日はすみれちゃんとあんまり話せなかったなぁ……)
かのん(そうだ、メッセージ送っちゃお!)スマホポチポチ
かのん:歌詞できてきたんだ! すみれちゃん、明日見てくれる?
かのん「……」
かのん「…………」
かのん(既読つかない……)ズーン
ピコン
かのん「あ……!」
すみれ:お疲れ様。もちろん見させてもらうわ
かのん「ふふっ」
すみれ:でもかのんの歌詞ノートって難解なのよね…
かのん:すみれちゃんならわかるでしょ!
すみれ:まあ、わかるようにはなってきたわ
かのん:根詰めて歌詞書いたから、気分転換したいなー
すみれ:今度の休みに遊びにでも出かけたら?
かのん:すみれちゃん、連れて行ってよー!
かのん「……」
かのん(すみれちゃんと2人で遊びに行きたーい!)
かのん「……」カキカキ
かのん「よし……!」
かのん(新曲の歌詞、いい感じにできてきた!)
かのん(今日はこんなところかな!)
かのん「ふぅ……」
かのん(今日はすみれちゃんとあんまり話せなかったなぁ……)
かのん(そうだ、メッセージ送っちゃお!)スマホポチポチ
かのん:歌詞できてきたんだ! すみれちゃん、明日見てくれる?
かのん「……」
かのん「…………」
かのん(既読つかない……)ズーン
ピコン
かのん「あ……!」
すみれ:お疲れ様。もちろん見させてもらうわ
かのん「ふふっ」
すみれ:でもかのんの歌詞ノートって難解なのよね…
かのん:すみれちゃんならわかるでしょ!
すみれ:まあ、わかるようにはなってきたわ
かのん:根詰めて歌詞書いたから、気分転換したいなー
すみれ:今度の休みに遊びにでも出かけたら?
かのん:すみれちゃん、連れて行ってよー!
かのん「……」
かのん(すみれちゃんと2人で遊びに行きたーい!)
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87: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/29(火) 21:56:52 ID:???Sa
数日後 CatChu!練習
すみれ「この曲もだいぶ形になってきたわね」
かのん「そうだね!」
メイ「ほんと先輩たちのお陰だよ」
すみれ「何よ、メイが出してくれたアイディアがいいヒントになったんじゃない」
すみれ「メイのこと頼りにしてるんだから、もっと自信持ちなさい」
メイ「お、おう……!」カアアア
かのん「……」
すみれ「かのん……?」
かのん「ねぇ、すみれちゃん、私は?」
かのん「今日もメイちゃんばっかり褒めててズルいよー!」
すみれ「だからあんた先輩でしょ!」
かのん「すみれちゃんは、私のことなんてどうでもいいんだ」
すみれ「そんなこと言ってないでしょ!」
メイ「2人とも、また何やってるんだか……」
メイ「そろそろ帰るぞ」
すみれ「はーい」
すみれ「行くわよ、かのん」
かのん「あ、ごめん! 私これから生徒会の用事があるんだよね!」
すみれ「え? これから?」
かのん「うん! 2人は先帰ってて!」タタッ
すみれ「あ……」
すみれ「この曲もだいぶ形になってきたわね」
かのん「そうだね!」
メイ「ほんと先輩たちのお陰だよ」
すみれ「何よ、メイが出してくれたアイディアがいいヒントになったんじゃない」
すみれ「メイのこと頼りにしてるんだから、もっと自信持ちなさい」
メイ「お、おう……!」カアアア
かのん「……」
すみれ「かのん……?」
かのん「ねぇ、すみれちゃん、私は?」
かのん「今日もメイちゃんばっかり褒めててズルいよー!」
すみれ「だからあんた先輩でしょ!」
かのん「すみれちゃんは、私のことなんてどうでもいいんだ」
すみれ「そんなこと言ってないでしょ!」
メイ「2人とも、また何やってるんだか……」
メイ「そろそろ帰るぞ」
すみれ「はーい」
すみれ「行くわよ、かのん」
かのん「あ、ごめん! 私これから生徒会の用事があるんだよね!」
すみれ「え? これから?」
かのん「うん! 2人は先帰ってて!」タタッ
すみれ「あ……」
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88: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/29(火) 22:14:12 ID:???Sa
夜 かのんの部屋
かのん「ふー」
かのん「練習後も生徒会があって今日はちょっと忙しかったけど」
かのん「一息ついたら、歌詞書こうかな」
ピロン♪
かのん「……?」
すみれ:生徒会お疲れ様。大変だったわね
かのん(すみれちゃんの方からメッセージ送ってくれた!)パアア
かのん(私のこと気にしてくれてたんだ!)
かのん:ありがとう!
かのん:生徒会今忙しいんだ
かのん:恋ちゃんはもっと大変だけどね
すみれ:2人とも両立できてて偉いわ
かのん:あ、すみれちゃんが褒めてくれた!
すみれ:はいはい、偉い偉い
かのん:なんか雑じゃない!?
すみれ:雑じゃないったら
すみれ:今度一緒に甘いものでも食べましょ
かのん:やったー!
かのん「ふふっ」
かのん(大好き!)ギュッ
かのん(すみれちゃんとの距離、どんどん縮まってるのが実感できて嬉しいな)
かのん(それに来週は、なんとすみれちゃんの誕生日!)
かのん(よし、頑張ろ……!)
かのん「ふー」
かのん「練習後も生徒会があって今日はちょっと忙しかったけど」
かのん「一息ついたら、歌詞書こうかな」
ピロン♪
かのん「……?」
すみれ:生徒会お疲れ様。大変だったわね
かのん(すみれちゃんの方からメッセージ送ってくれた!)パアア
かのん(私のこと気にしてくれてたんだ!)
かのん:ありがとう!
かのん:生徒会今忙しいんだ
かのん:恋ちゃんはもっと大変だけどね
すみれ:2人とも両立できてて偉いわ
かのん:あ、すみれちゃんが褒めてくれた!
すみれ:はいはい、偉い偉い
かのん:なんか雑じゃない!?
すみれ:雑じゃないったら
すみれ:今度一緒に甘いものでも食べましょ
かのん:やったー!
かのん「ふふっ」
かのん(大好き!)ギュッ
かのん(すみれちゃんとの距離、どんどん縮まってるのが実感できて嬉しいな)
かのん(それに来週は、なんとすみれちゃんの誕生日!)
かのん(よし、頑張ろ……!)
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89: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/29(火) 22:26:03 ID:???Sa
翌週 すみれの誕生日
みんな「すみれちゃん、誕生日おめでとう!!」
すみれ「ギャ、ギャラクシー!?」
かのん「ふふっ」ニコッ
練習前に、みんなでサプライズですみれちゃんをお祝いする。
すみれちゃんは驚いていて、とっても嬉しそうで。
みんなで用意したプレゼントを渡したけど、プレゼントはそれで終わりじゃないんだ。
私は別に特別なプレゼントを用意していた。
練習後にすみれちゃんに渡すつもりなのだ。
そして、それとともにこの想いを伝えるのだ。
かのん(すみれちゃん……)ギュッ
みんな「すみれちゃん、誕生日おめでとう!!」
すみれ「ギャ、ギャラクシー!?」
かのん「ふふっ」ニコッ
練習前に、みんなでサプライズですみれちゃんをお祝いする。
すみれちゃんは驚いていて、とっても嬉しそうで。
みんなで用意したプレゼントを渡したけど、プレゼントはそれで終わりじゃないんだ。
私は別に特別なプレゼントを用意していた。
練習後にすみれちゃんに渡すつもりなのだ。
そして、それとともにこの想いを伝えるのだ。
かのん(すみれちゃん……)ギュッ
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90: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/29(火) 22:34:08 ID:???Sa
千砂都「それじゃ今日は終わり! お疲れ様!」
きな子「今日のメニューはなかなかキツかったっす~」
メイ「キツかったな~!」
四季「2人ともこれを飲むといい」スッ
メイ「いや大丈夫」
マルガレーテ「これってデジャヴじゃない?」
冬毬「アグリーです」
かのん「……」
かのん(あっと言う間に練習終わっちゃった……)
かのん(すごい緊張してきた……)ドキドキ
かのん(えっと、すみれちゃんは……)キョロキョロ
かのん「あれ、すみれちゃんは?」
千砂都「すみれちゃんなら夏美ちゃんとどっか行ったよ」
かのん「そっか」
かのん(またじゃれ合ってるんだろうな)
かのん(でもプレゼント渡したいし)
かのん(探しに行こっと)タタッ
きな子「今日のメニューはなかなかキツかったっす~」
メイ「キツかったな~!」
四季「2人ともこれを飲むといい」スッ
メイ「いや大丈夫」
マルガレーテ「これってデジャヴじゃない?」
冬毬「アグリーです」
かのん「……」
かのん(あっと言う間に練習終わっちゃった……)
かのん(すごい緊張してきた……)ドキドキ
かのん(えっと、すみれちゃんは……)キョロキョロ
かのん「あれ、すみれちゃんは?」
千砂都「すみれちゃんなら夏美ちゃんとどっか行ったよ」
かのん「そっか」
かのん(またじゃれ合ってるんだろうな)
かのん(でもプレゼント渡したいし)
かのん(探しに行こっと)タタッ
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91: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/29(火) 22:39:38 ID:???Sa
◆
かのん「どこまで行っちゃったんだろ……?」スタスタ
かのん(あれ、この空き教室……)タタッ
すみれ「……」
夏美「……」
かのん(あ、すみれちゃんと夏美ちゃんがいる……!)
かのん(なんか静かだけど、2人で何してるんだろ?)
かのん「…………」
かのん「え……」
すみれ「夏美……」
夏美「すみれ先輩……」
2人の雰囲気は普段とはまるで違った。
2人は静かに見つめ合い、寄り添い合っていたのだ。
その光景を見れば何が起きてるかなんて聞かなくてもわかる。
私の知らないどこかで、2人の関係は大きく変わっていたのだ。
寄り添い合う2人の間には、他にはない親密さがあった。
かのん「……………………」
私は物音を立てないようにゆっくりと後退り、その場を後にした。
歩きながら手元に目を落とすと、プレゼントの入った紙袋が虚しく揺れていた。
かのん「どこまで行っちゃったんだろ……?」スタスタ
かのん(あれ、この空き教室……)タタッ
すみれ「……」
夏美「……」
かのん(あ、すみれちゃんと夏美ちゃんがいる……!)
かのん(なんか静かだけど、2人で何してるんだろ?)
かのん「…………」
かのん「え……」
すみれ「夏美……」
夏美「すみれ先輩……」
2人の雰囲気は普段とはまるで違った。
2人は静かに見つめ合い、寄り添い合っていたのだ。
その光景を見れば何が起きてるかなんて聞かなくてもわかる。
私の知らないどこかで、2人の関係は大きく変わっていたのだ。
寄り添い合う2人の間には、他にはない親密さがあった。
かのん「……………………」
私は物音を立てないようにゆっくりと後退り、その場を後にした。
歩きながら手元に目を落とすと、プレゼントの入った紙袋が虚しく揺れていた。
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94: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/29(火) 22:43:57 ID:???Sa
◆
夏美「すみれ先輩、今日はありがとうございましたの!」
すみれ「お礼言うのはこっちの方」
すみれ「お祝いしてくれてありがと」
夏美「えへへ」
夏美の照れ笑いに、私も頬が綻ぶ。
そのまま見つめていると、またニコッと笑ってくれて。
すみれ「それじゃ、気をつけてね」
夏美「すみれ先輩もですの」
夏美「……」
すみれ「……?」
夏美「すみれ先輩」
夏美「大好きですの」
すみれ「私もよ、夏美」
夏美と別れて、帰路につく。
今日はみんながお祝いしてくれて、夏美も私のために精一杯お祝いしてくれて。
本当に幸せな一日だった。
最高の誕生日だった。
すみれ(サプライズ企画してくれたの、かのんだったのよね)
すみれ(あの子ったら本当に……)フフッ
すみれ「ただいまー」
家に帰り、自分の部屋で荷物を下ろす。
スマホにメッセージが届いていることに気づく。
かのんからメッセージだ。
すみれ「え……?」
私はそれを見て、胸がきゅっと締め付けられた。
かのんからのメッセージはたった一言。
かのん:バカ
おわり
夏美「すみれ先輩、今日はありがとうございましたの!」
すみれ「お礼言うのはこっちの方」
すみれ「お祝いしてくれてありがと」
夏美「えへへ」
夏美の照れ笑いに、私も頬が綻ぶ。
そのまま見つめていると、またニコッと笑ってくれて。
すみれ「それじゃ、気をつけてね」
夏美「すみれ先輩もですの」
夏美「……」
すみれ「……?」
夏美「すみれ先輩」
夏美「大好きですの」
すみれ「私もよ、夏美」
夏美と別れて、帰路につく。
今日はみんながお祝いしてくれて、夏美も私のために精一杯お祝いしてくれて。
本当に幸せな一日だった。
最高の誕生日だった。
すみれ(サプライズ企画してくれたの、かのんだったのよね)
すみれ(あの子ったら本当に……)フフッ
すみれ「ただいまー」
家に帰り、自分の部屋で荷物を下ろす。
スマホにメッセージが届いていることに気づく。
かのんからメッセージだ。
すみれ「え……?」
私はそれを見て、胸がきゅっと締め付けられた。
かのんからのメッセージはたった一言。
かのん:バカ
おわり
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97: ◆wRTCGkkc★ 2025/04/29(火) 22:50:49 ID:???Sa
【かのすみ豆知識⑤】
「じゃあすみれちゃんちいこっか」(原文ママ)
お参りの仕方を聞きにきたり、ランニングで寄ったり、CatChu!の練習に使ったりと、かのんは何かとすみれの家の神社を訪れている。
(2人の時間!2巻、Kila2 Life comic2巻、ちぃちゃん部長は有能です!2巻より)
だんだん湿度が上がります。
それではまた次回。
「じゃあすみれちゃんちいこっか」(原文ママ)
お参りの仕方を聞きにきたり、ランニングで寄ったり、CatChu!の練習に使ったりと、かのんは何かとすみれの家の神社を訪れている。
(2人の時間!2巻、Kila2 Life comic2巻、ちぃちゃん部長は有能です!2巻より)
だんだん湿度が上がります。
それではまた次回。
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105: ◆E6BveHpR★ 2025/05/07(水) 21:03:50 ID:???Sa
【境内にて】
妹「お姉ちゃん、サボっちゃダメだからね!」
すみれ「はーい」
そよ風が木々の葉を優しく揺らし、昼下がりの境内に生命の香りを吹き込んでいた。
巫女服を着た私は箒で境内の落ち葉を掃いている。
神社の娘として小さい頃から当たり前のようにやっている習慣。
私はこの習慣が嫌いではなかった。
掃き掃除をしながら考え事をすることもできたし、それとは逆に無心で集中することもできた。
私の心を整えるのに、この場所とこの習慣は最適だったのだ。
すみれ「こんなところかしらね」
あたりを一通り掃き終え、こんもりと山になった落ち葉を見る。
様々な色の葉が不思議なグラデーションを作っていた。
私がそれらの片付けに入ろうとした時、背後からその声はした。
かのん「すーみれちゃんっ!」
すみれ「……!!」
見れば私服姿のかのんが立っていた。
パーカーとパンツのラフな格好だった。
手にはコンビニのビニール袋を下げている。
かのん「やっほー」
すみれ「どうしたのよ」
かのん「ちょっと寄りたくなっちゃって」
妹「お姉ちゃん、サボっちゃダメだからね!」
すみれ「はーい」
そよ風が木々の葉を優しく揺らし、昼下がりの境内に生命の香りを吹き込んでいた。
巫女服を着た私は箒で境内の落ち葉を掃いている。
神社の娘として小さい頃から当たり前のようにやっている習慣。
私はこの習慣が嫌いではなかった。
掃き掃除をしながら考え事をすることもできたし、それとは逆に無心で集中することもできた。
私の心を整えるのに、この場所とこの習慣は最適だったのだ。
すみれ「こんなところかしらね」
あたりを一通り掃き終え、こんもりと山になった落ち葉を見る。
様々な色の葉が不思議なグラデーションを作っていた。
私がそれらの片付けに入ろうとした時、背後からその声はした。
かのん「すーみれちゃんっ!」
すみれ「……!!」
見れば私服姿のかのんが立っていた。
パーカーとパンツのラフな格好だった。
手にはコンビニのビニール袋を下げている。
かのん「やっほー」
すみれ「どうしたのよ」
かのん「ちょっと寄りたくなっちゃって」
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106: ◆E6BveHpR★ 2025/05/07(水) 21:07:51 ID:???Sa
私たちは縁側に座って、かのんが買ってきてくれたソーダ味のアイスを食べた。
かのん「美味しい!」シャクッ
すみれ「……」シャクッ
すみれ(そう言えば、前にもこんなことがあったわね)
すみれ(あの時は、かのんがお参りの仕方を教えて欲しいって言ってきて……)
かのん「やっぱりいいね。境内でこうやってお喋りするの」
すみれ「そう?」
かのん「うん。すみれちゃんと出会わなかったら、こんなことなかったもん」
すみれ「それはそうかもね」
かのん「美味しい!」シャクッ
すみれ「……」シャクッ
すみれ(そう言えば、前にもこんなことがあったわね)
すみれ(あの時は、かのんがお参りの仕方を教えて欲しいって言ってきて……)
かのん「やっぱりいいね。境内でこうやってお喋りするの」
すみれ「そう?」
かのん「うん。すみれちゃんと出会わなかったら、こんなことなかったもん」
すみれ「それはそうかもね」
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108: ◆E6BveHpR★ 2025/05/07(水) 21:13:05 ID:???Sa
かのん「……」ジッ
すみれ「何よ……」
かのん「すみれちゃん、巫女服似合うよね」
すみれ「まあ、小さい頃から着てるからね」
かのん「私も似合うかな?」
すみれ「今度試してみたら?」
かのん「えー?」
すみれ「……」
私はかのんが巫女服を着てるところを想像し、境内で箒を持って落ち葉を掃いているところを想像してみた。
悪くない、と言うよりかなり似合っているかもしれない。
そもそもかのんはスタイルも良いし華があるから大抵の服は似合ってしまうのだ。
かのん「あ、今度の曲さ、巫女風の衣装なんてどうかな?」
すみれ「それ動きづらくないかしら……」
かのん「そこはうまく工夫してさ!」
かのん「可愛いと思うんだよねー!」
すみれ「何よ……」
かのん「すみれちゃん、巫女服似合うよね」
すみれ「まあ、小さい頃から着てるからね」
かのん「私も似合うかな?」
すみれ「今度試してみたら?」
かのん「えー?」
すみれ「……」
私はかのんが巫女服を着てるところを想像し、境内で箒を持って落ち葉を掃いているところを想像してみた。
悪くない、と言うよりかなり似合っているかもしれない。
そもそもかのんはスタイルも良いし華があるから大抵の服は似合ってしまうのだ。
かのん「あ、今度の曲さ、巫女風の衣装なんてどうかな?」
すみれ「それ動きづらくないかしら……」
かのん「そこはうまく工夫してさ!」
かのん「可愛いと思うんだよねー!」
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109: ◆E6BveHpR★ 2025/05/07(水) 21:23:51 ID:???Sa
◆
かのん「それで、その時ちぃちゃんがね!」
すみれ「あら、千砂都らしいわね」クスッ
私とかのんの他愛ない話は続く。
最近の出来事、服の話、お菓子の話、クラスの話、新しくできた店の話。
話題は次々と移り変わりながらも、それが尽きる予感はまるでなかった。
かのんとなら宇宙の終わりを迎えるまで永遠に喋り続けていられる気がする。
私たちの話題はやがて、きな子たち新入生を迎えたLiella!のことに移り、今度のラブライブのことになる。
私たちにとって2度目のラブライブだ。
すみれ「いよいよね」
かのん「うん」
すみれ「1年生も張り切ってるわよ」
かのん「みんなにとっては、初めてのラブライブだしね」
すみれ「私たちにとっては、去年の雪辱を果たすラブライブよ」
かのん「……」
そこからかのんはしばらく沈黙した。
かのん「みんなさ……」ギュッ
すみれ「……?」
かのん「みんな、信じてついてきてくれてるんだよね……」
かのんは伏し目がちにそう言った。
それはさっきまでの明るい声色とは違い、動かし難い何かを憂うような響きがあった。
かのん「それで、その時ちぃちゃんがね!」
すみれ「あら、千砂都らしいわね」クスッ
私とかのんの他愛ない話は続く。
最近の出来事、服の話、お菓子の話、クラスの話、新しくできた店の話。
話題は次々と移り変わりながらも、それが尽きる予感はまるでなかった。
かのんとなら宇宙の終わりを迎えるまで永遠に喋り続けていられる気がする。
私たちの話題はやがて、きな子たち新入生を迎えたLiella!のことに移り、今度のラブライブのことになる。
私たちにとって2度目のラブライブだ。
すみれ「いよいよね」
かのん「うん」
すみれ「1年生も張り切ってるわよ」
かのん「みんなにとっては、初めてのラブライブだしね」
すみれ「私たちにとっては、去年の雪辱を果たすラブライブよ」
かのん「……」
そこからかのんはしばらく沈黙した。
かのん「みんなさ……」ギュッ
すみれ「……?」
かのん「みんな、信じてついてきてくれてるんだよね……」
かのんは伏し目がちにそう言った。
それはさっきまでの明るい声色とは違い、動かし難い何かを憂うような響きがあった。
0
110: ◆E6BveHpR★ 2025/05/07(水) 21:28:53 ID:???Sa
かのん「たまに思うんだ」
かのん「私がセンターで、Liella!のリーダーでいいのかなって」
すみれ「何よ。自信なくしてるの?」
かのんはまた黙った。
境内のすべての落ち葉を透明にしてしまう深い沈黙だった。
それからその揺らめく瞳から大粒の涙を一粒、もう一粒と流した。
それは雨上がりに濃い緑の葉先から音もなく水滴が落ちるような静かな涙だった。
私は座り直し、かのんの肩に手を回してそこを撫でた。
かのん「このままで……」ポロッ
かのん「このままで、本当に大丈夫なのかな……」ポロポロ
すみれ「……」
かのんは静かにすすり泣き始める。
私はかのんを抱きしめ、ゆっくりと頭を撫で、背中を撫でた。
かのんは緊張の糸が切れたみたいに私の胸でどっと泣き始めた。
私の胸にかのんの熱が溢れ、巫女服がかのんの涙で湿っていった。
かのん「私がセンターで、Liella!のリーダーでいいのかなって」
すみれ「何よ。自信なくしてるの?」
かのんはまた黙った。
境内のすべての落ち葉を透明にしてしまう深い沈黙だった。
それからその揺らめく瞳から大粒の涙を一粒、もう一粒と流した。
それは雨上がりに濃い緑の葉先から音もなく水滴が落ちるような静かな涙だった。
私は座り直し、かのんの肩に手を回してそこを撫でた。
かのん「このままで……」ポロッ
かのん「このままで、本当に大丈夫なのかな……」ポロポロ
すみれ「……」
かのんは静かにすすり泣き始める。
私はかのんを抱きしめ、ゆっくりと頭を撫で、背中を撫でた。
かのんは緊張の糸が切れたみたいに私の胸でどっと泣き始めた。
私の胸にかのんの熱が溢れ、巫女服がかのんの涙で湿っていった。
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111: ◆E6BveHpR★ 2025/05/07(水) 21:34:34 ID:???Sa
すみれ「かのんは頑張り屋さんね」
腕の力を少し強めて、かのんをぎゅっと抱きしめた。
それからまたかのんの髪を撫でながら、彼女が落ち着くのを黙って待った。
すぐに泣き止む必要なんてない。
かのんが気が済むまで吐き出せばいい。
全部私が受け止めてあげるから。
かのん「すみれちゃん……」
すみれ「うん」
かのんは泣き続けてもなお潤んでいる瞳で私を見つめてから、そっと抱きしめ返してきた。
そうやって寄り添い合っているうちに、かのんは眠ってしまっていた。
私の膝の上で眠るかのんの表情は、心から安心しきったようで。
すみれ(よくもまあ、こんな無防備でいられるわね)
腕の力を少し強めて、かのんをぎゅっと抱きしめた。
それからまたかのんの髪を撫でながら、彼女が落ち着くのを黙って待った。
すぐに泣き止む必要なんてない。
かのんが気が済むまで吐き出せばいい。
全部私が受け止めてあげるから。
かのん「すみれちゃん……」
すみれ「うん」
かのんは泣き続けてもなお潤んでいる瞳で私を見つめてから、そっと抱きしめ返してきた。
そうやって寄り添い合っているうちに、かのんは眠ってしまっていた。
私の膝の上で眠るかのんの表情は、心から安心しきったようで。
すみれ(よくもまあ、こんな無防備でいられるわね)
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112: ◆E6BveHpR★ 2025/05/07(水) 21:37:41 ID:???Sa
◆
すみれ「それじゃ、気をつけて」
かのん「うん」
かのん「今日はごめんね」
かのん「がっかりさせちゃった?」
かのんは覗き込むように私のことを見つめた。
私の胸にはまだかのんから貰った熱の余韻が残っていた。
すみれ「がっかりなんて、するわけないじゃない」
かのんは私のことをしばらくじっと見てから、そよ風が揺らす境内の木々を見上げた。
それから両腕を広げて、湿った空気を美味しそうに吸い込んだ。
かのん「ここはやっぱり風の音がよく聞こえるね」
かのんはもう一度深呼吸した。
前にここに来た時も、かのんはそう言って気持ち良さそうに歌い始めたっけ。
すみれ「ねぇ、かのん」
すみれ「いつでも来ていいから」
すみれ「来たい時に、いつでも来て」
かのん「…………」
かのん「……うん」
お互いに手を振り合って別れる。
私は歩いていくかのんの背中をずっと見つめていた。
するとふと、さっき食べたソーダ味のアイスのことを思い出した。
特別変わったアイスではなかったが、何故かその味や食感を鮮明に思い出すことができた。
かのんはあのアイスが好きみたいだった。
やがてかのんが見えなくなった後も、私はその場所から動かずにいた。
かのんの熱の余韻は今もまだ私の胸に残っている気がした。
そしてかのんの見せたあの静かな涙が、切ない横顔が、しばらく頭から離れそうになかった。
おわり
すみれ「それじゃ、気をつけて」
かのん「うん」
かのん「今日はごめんね」
かのん「がっかりさせちゃった?」
かのんは覗き込むように私のことを見つめた。
私の胸にはまだかのんから貰った熱の余韻が残っていた。
すみれ「がっかりなんて、するわけないじゃない」
かのんは私のことをしばらくじっと見てから、そよ風が揺らす境内の木々を見上げた。
それから両腕を広げて、湿った空気を美味しそうに吸い込んだ。
かのん「ここはやっぱり風の音がよく聞こえるね」
かのんはもう一度深呼吸した。
前にここに来た時も、かのんはそう言って気持ち良さそうに歌い始めたっけ。
すみれ「ねぇ、かのん」
すみれ「いつでも来ていいから」
すみれ「来たい時に、いつでも来て」
かのん「…………」
かのん「……うん」
お互いに手を振り合って別れる。
私は歩いていくかのんの背中をずっと見つめていた。
するとふと、さっき食べたソーダ味のアイスのことを思い出した。
特別変わったアイスではなかったが、何故かその味や食感を鮮明に思い出すことができた。
かのんはあのアイスが好きみたいだった。
やがてかのんが見えなくなった後も、私はその場所から動かずにいた。
かのんの熱の余韻は今もまだ私の胸に残っている気がした。
そしてかのんの見せたあの静かな涙が、切ない横顔が、しばらく頭から離れそうになかった。
おわり
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113: ◆E6BveHpR★ 2025/05/07(水) 21:40:10 ID:???Sa
【かのすみ豆知識⑥】
すみれのスマホには、かのんが1年生の頃の恥ずかしい写真や動画が保存されている。
(リエラジ207回より)
それではまた次回。
すみれのスマホには、かのんが1年生の頃の恥ずかしい写真や動画が保存されている。
(リエラジ207回より)
それではまた次回。
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117: ◆E6BveHpR★ 2025/05/11(日) 18:36:57 ID:???Sa
【イストレインジド】
千砂都「すみれちゃんにお願いがあるんだ」
全てはその一言から始まった。
すみれ「何よ、かしこまって」
千砂都「私の一生のお願い、聞いてくれる?」
すみれ「一生のお願いって……ちょっと怖いんだけど」
千砂都「すみれちゃんにしか頼めないことなんだ」
すみれ「私にしか?」
すみれ「何なのよ。言ってみなさいよ」
千砂都「うん」
千砂都「かのんちゃんと恋人になって」
千砂都「すみれちゃんにお願いがあるんだ」
全てはその一言から始まった。
すみれ「何よ、かしこまって」
千砂都「私の一生のお願い、聞いてくれる?」
すみれ「一生のお願いって……ちょっと怖いんだけど」
千砂都「すみれちゃんにしか頼めないことなんだ」
すみれ「私にしか?」
すみれ「何なのよ。言ってみなさいよ」
千砂都「うん」
千砂都「かのんちゃんと恋人になって」
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120: ◆E6BveHpR★ 2025/05/11(日) 18:50:14 ID:???Sa
すみれ「はぁ……?」
すみれ「何を言い出すのかと思ったら、何の冗談?」
千砂都「冗談じゃないよ」
千砂都「私の一生のお願い!」
千砂都「かのんちゃんと付き合ってあげて!」
すみれ「あのねぇ……」
すみれ「千砂都、ちゃんと説明してくれる?」
千砂都「うん」
千砂都「実はね、かのんちゃん、すみれちゃんのことが好きなんだ」
千砂都「すみれちゃんと恋人になりたいって、心の底から思ってるんだよ」
すみれ「え……?」
千砂都「ふふっ、驚いた?」
すみれ「そう……だったの……」
すみれ「かのんが、そんな風に……」ギュッ
千砂都「……」
すみれ「何を言い出すのかと思ったら、何の冗談?」
千砂都「冗談じゃないよ」
千砂都「私の一生のお願い!」
千砂都「かのんちゃんと付き合ってあげて!」
すみれ「あのねぇ……」
すみれ「千砂都、ちゃんと説明してくれる?」
千砂都「うん」
千砂都「実はね、かのんちゃん、すみれちゃんのことが好きなんだ」
千砂都「すみれちゃんと恋人になりたいって、心の底から思ってるんだよ」
すみれ「え……?」
千砂都「ふふっ、驚いた?」
すみれ「そう……だったの……」
すみれ「かのんが、そんな風に……」ギュッ
千砂都「……」
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121: ◆E6BveHpR★ 2025/05/11(日) 18:59:59 ID:???Sa
千砂都「でも、すみれちゃんは違うでしょ?」
千砂都「かのんちゃんがすみれちゃんに告白しても、すみれちゃんはOKしない」
千砂都「そうだよね?」
すみれ「……」
千砂都「だから、かのんちゃんがフラれる前に、私がお願いしてるんだ」
すみれ「ちょ、ちょっと待って……」
すみれ「このこと、かのんは……」
千砂都「知らないよ」
すみれ「それじゃ、あんた勝手に……」
千砂都「だからすみれちゃん、かのんちゃんと付き合って!」
すみれ「……」
すみれ「悪いわね、千砂都」
すみれ「あんたの見込み通り、私はかのんにそういう気持ちはないの」
すみれ「そりゃ、私だってかのんのことは好き」
すみれ「でもあの子とは友達でいたいのよ」
千砂都「…………」
千砂都「かのんちゃんがすみれちゃんに告白しても、すみれちゃんはOKしない」
千砂都「そうだよね?」
すみれ「……」
千砂都「だから、かのんちゃんがフラれる前に、私がお願いしてるんだ」
すみれ「ちょ、ちょっと待って……」
すみれ「このこと、かのんは……」
千砂都「知らないよ」
すみれ「それじゃ、あんた勝手に……」
千砂都「だからすみれちゃん、かのんちゃんと付き合って!」
すみれ「……」
すみれ「悪いわね、千砂都」
すみれ「あんたの見込み通り、私はかのんにそういう気持ちはないの」
すみれ「そりゃ、私だってかのんのことは好き」
すみれ「でもあの子とは友達でいたいのよ」
千砂都「…………」
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122: ◆E6BveHpR★ 2025/05/11(日) 19:08:50 ID:???Sa
千砂都「すみれちゃん……」
すみれ「……?」
千砂都「お願いします! かのんちゃんと付き合ってあげてください!!」ドゲザッ
すみれ「!?」
千砂都「この通りです!! 一生のお願いです!!」
すみれ「ちょ、あんた何やってるのよ……!!」
千砂都「すみれちゃん、お願いします! かのんちゃんの恋人になってあげてください!!」
すみれ「やめて! 頭あげなさいよ!」
千砂都「お願いします! お願いします……!」
すみれ「頭あげなさいったら、あげなさい!」
すみれ「……?」
千砂都「お願いします! かのんちゃんと付き合ってあげてください!!」ドゲザッ
すみれ「!?」
千砂都「この通りです!! 一生のお願いです!!」
すみれ「ちょ、あんた何やってるのよ……!!」
千砂都「すみれちゃん、お願いします! かのんちゃんの恋人になってあげてください!!」
すみれ「やめて! 頭あげなさいよ!」
千砂都「お願いします! お願いします……!」
すみれ「頭あげなさいったら、あげなさい!」
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124: ◆E6BveHpR★ 2025/05/11(日) 19:21:33 ID:???Sa
千砂都「付き合って、くれますか……?」
すみれ「……」
すみれ「そんなの、頼まれて決めることじゃないわ」
すみれ「どうしてかのんのためにそこまでするの?」
千砂都「かのんちゃんの役に立ちたいから……」
すみれ「……」
すみれ「そんなにかのんのことが大切なら、自分が付き合えばいいじゃない……」
千砂都「それじゃ、ダメだよ」
千砂都「かのんちゃんには、本気で好きになった人と幸せになって欲しいんだ」
千砂都「それがすみれちゃんなんだよ」
すみれ「私の気持ちは……どうなるのよ」
千砂都「すみれちゃんだって、今は意識してないかもしれないけど、付き合ったらきっとかのんちゃんのこと好きになるって!」
すみれ「……」
すみれ「……」
すみれ「そんなの、頼まれて決めることじゃないわ」
すみれ「どうしてかのんのためにそこまでするの?」
千砂都「かのんちゃんの役に立ちたいから……」
すみれ「……」
すみれ「そんなにかのんのことが大切なら、自分が付き合えばいいじゃない……」
千砂都「それじゃ、ダメだよ」
千砂都「かのんちゃんには、本気で好きになった人と幸せになって欲しいんだ」
千砂都「それがすみれちゃんなんだよ」
すみれ「私の気持ちは……どうなるのよ」
千砂都「すみれちゃんだって、今は意識してないかもしれないけど、付き合ったらきっとかのんちゃんのこと好きになるって!」
すみれ「……」
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125: ◆E6BveHpR★ 2025/05/11(日) 19:28:25 ID:???Sa
千砂都「だからお願いです!!」バッ
千砂都「かのんちゃんは今度すみれちゃんに告白するつもりです」
千砂都「そこでOKしてあげてください!」
千砂都「かのんちゃんを幸せにしてあげてください!!」
すみれ「…………」
千砂都は地面に頭が張り付いたみたいに土下座を止めなかった。
その圧倒的な懇願に私は言葉を失う。
結局、私は千砂都に根負けして、かのんと付き合うことにした。
千砂都「かのんちゃんは今度すみれちゃんに告白するつもりです」
千砂都「そこでOKしてあげてください!」
千砂都「かのんちゃんを幸せにしてあげてください!!」
すみれ「…………」
千砂都は地面に頭が張り付いたみたいに土下座を止めなかった。
その圧倒的な懇願に私は言葉を失う。
結局、私は千砂都に根負けして、かのんと付き合うことにした。
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126: ◆E6BveHpR★ 2025/05/11(日) 20:09:23 ID:???Sa
◆
かのん「すみれちゃんっ♪」タタッ
かのん「ごめん、待った?」
すみれ「ううん、今来たとこ」
かのん「行こ♪」
私とかのんは並んで街中を歩く。
かのんと付き合ってから何度目かのデート。
でも私の中では友達同士で遊びに行くような感覚でもあった。
すみれ「そういえば、何か欲しいものがあるんでしょ?」
かのん「うん。すみれちゃんと何かお揃いの物が欲しくて」
すみれ「お揃い?」
かのん「その、すみれちゃんが嫌じゃなければだけど……」
かのんは少し心配そうに、でも甘えるように、上目遣いで言った。
かのんったら、そういう表情もするのね。
すみれ「いいわよ。探しに行きましょ!」ニコッ
かのん「やったー!」ギュッ
かのんが私の腕に抱きつく。
驚いてかのんを見ると、かのんは「えへへ」って笑って。
かのん「こうしてたらカップルに見えるかな?」
それから私たちは腕を組んだまま歩いた。
かのんの体温を、匂いを感じながら。
これはもう、友達同士の遊びだなんて言えないかもね。
かのん「すみれちゃんっ♪」タタッ
かのん「ごめん、待った?」
すみれ「ううん、今来たとこ」
かのん「行こ♪」
私とかのんは並んで街中を歩く。
かのんと付き合ってから何度目かのデート。
でも私の中では友達同士で遊びに行くような感覚でもあった。
すみれ「そういえば、何か欲しいものがあるんでしょ?」
かのん「うん。すみれちゃんと何かお揃いの物が欲しくて」
すみれ「お揃い?」
かのん「その、すみれちゃんが嫌じゃなければだけど……」
かのんは少し心配そうに、でも甘えるように、上目遣いで言った。
かのんったら、そういう表情もするのね。
すみれ「いいわよ。探しに行きましょ!」ニコッ
かのん「やったー!」ギュッ
かのんが私の腕に抱きつく。
驚いてかのんを見ると、かのんは「えへへ」って笑って。
かのん「こうしてたらカップルに見えるかな?」
それから私たちは腕を組んだまま歩いた。
かのんの体温を、匂いを感じながら。
これはもう、友達同士の遊びだなんて言えないかもね。
0
127: ◆E6BveHpR★ 2025/05/11(日) 20:16:15 ID:???Sa
◆
かのんと付き合い始めてから数ヶ月が経った。
付き合ってみて、かのんの新たな一面を知り、かのんについて詳しくもなった。
かのんも私のことをもっと知りたがった。
私たちは普通の恋人のように、手を繋ぎ、デートをし、関係を深めていった。
最初こそ千砂都に言われて始まった交際だったけど、いつの間にか私もかのんとの日々を楽しんでいた。
恋「この写真の冬毬さん、とても可愛らしいですね」
すみれ「本当ね。冬毬もいい笑顔するようになったわ」
すみれ「恋もいい表情してる」
恋「ふふっ、私も昔は固かったですが、すみれさんのご指導のお陰です!」
すみれ「またいつでも教えてあげるわよ!」
かのんと付き合い始めてから数ヶ月が経った。
付き合ってみて、かのんの新たな一面を知り、かのんについて詳しくもなった。
かのんも私のことをもっと知りたがった。
私たちは普通の恋人のように、手を繋ぎ、デートをし、関係を深めていった。
最初こそ千砂都に言われて始まった交際だったけど、いつの間にか私もかのんとの日々を楽しんでいた。
恋「この写真の冬毬さん、とても可愛らしいですね」
すみれ「本当ね。冬毬もいい笑顔するようになったわ」
すみれ「恋もいい表情してる」
恋「ふふっ、私も昔は固かったですが、すみれさんのご指導のお陰です!」
すみれ「またいつでも教えてあげるわよ!」
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128: ◆E6BveHpR★ 2025/05/11(日) 20:19:07 ID:???Sa
かのん「あ、恋ちゃん! すみれちゃん!」テクテク
恋「かのんさん! これから生徒会ですか?」
かのん「うん、そうだよ!」
恋「それでは、私は一足先に行ってますね!」スタッ
かのん「あ、うん。私もすぐ行くから!」
かのん「恋ちゃん先行っちゃった」
すみれ「気を利かせてくれたのね。別にいいのに」
かのん「あはは、そっか」
かのん「あ、すみれちゃん、今度の週末空いてる?」
かのん「良かったら、またうちでご飯食べない?」
すみれ「週末ね、大丈夫よ」
かのん「ありがとう。ごめんね、お母さんがすみれちゃんに会いたがってて」アハハ
かのん「それじゃ、また後でね!」タタッ
すみれ「ええ」
かのんはニコッと笑いながら手を振ってくれて。
私の恋人はとっても可愛い。
恋「かのんさん! これから生徒会ですか?」
かのん「うん、そうだよ!」
恋「それでは、私は一足先に行ってますね!」スタッ
かのん「あ、うん。私もすぐ行くから!」
かのん「恋ちゃん先行っちゃった」
すみれ「気を利かせてくれたのね。別にいいのに」
かのん「あはは、そっか」
かのん「あ、すみれちゃん、今度の週末空いてる?」
かのん「良かったら、またうちでご飯食べない?」
すみれ「週末ね、大丈夫よ」
かのん「ありがとう。ごめんね、お母さんがすみれちゃんに会いたがってて」アハハ
かのん「それじゃ、また後でね!」タタッ
すみれ「ええ」
かのんはニコッと笑いながら手を振ってくれて。
私の恋人はとっても可愛い。
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129: ◆E6BveHpR★ 2025/05/11(日) 20:26:07 ID:???Sa
◆
休日 すみれの家
妹「お姉ちゃん、たこ焼きー!」
すみれ「わかったから」
妹「早く早くー!」
すみれ「買ってきてあげるから、ちょっと待ってなさい」
簡単に身支度を整え、バッグを手に取る。
ふとレザートレーにある、煌めく指輪が目に入った。
かのんがペアリングを欲しがって、ついこの間2人で買ったものだ。
さすがに学校にはつけていけないから、2人で遊ぶ時だけ指にはめていた。
かのんは私が指輪をしてくると、とても嬉しそうだった。
すみれ「ちょっと出かけるだけだし、別にいいわよね」
私は指輪を付けないまま出かけた。
目指すはたこ焼き屋。
千砂都、いるかしら。
休日 すみれの家
妹「お姉ちゃん、たこ焼きー!」
すみれ「わかったから」
妹「早く早くー!」
すみれ「買ってきてあげるから、ちょっと待ってなさい」
簡単に身支度を整え、バッグを手に取る。
ふとレザートレーにある、煌めく指輪が目に入った。
かのんがペアリングを欲しがって、ついこの間2人で買ったものだ。
さすがに学校にはつけていけないから、2人で遊ぶ時だけ指にはめていた。
かのんは私が指輪をしてくると、とても嬉しそうだった。
すみれ「ちょっと出かけるだけだし、別にいいわよね」
私は指輪を付けないまま出かけた。
目指すはたこ焼き屋。
千砂都、いるかしら。
0
◆
たこ焼き屋
千砂都「いらっしゃいま……って、すみれちゃん!」
すみれ「頑張ってる?」
すみれ「たこ焼き買いに来たわよ」
千砂都「はい、おまちどおさま!」タタッ
すみれ「ありがと」
千砂都「かのんちゃんと一緒じゃないんだ」
すみれ「妹にたこ焼き食べたいってねだられたのよ」
千砂都「そっか!」
千砂都「かのんちゃんとは順調みたいだね」
すみれ「お陰様でね」
千砂都「2人なら絶対いい恋人になると思ってたよ」
すみれ「そう」
千砂都「あ、でも、すみれちゃん、ペアリングしてない!」
千砂都「ダメだよ、気を抜いたら!」
すみれ「……知ってたのね」
130: ◆E6BveHpR★ 2025/05/11(日) 21:03:16 ID:???Sa
◆
たこ焼き屋
千砂都「いらっしゃいま……って、すみれちゃん!」
すみれ「頑張ってる?」
すみれ「たこ焼き買いに来たわよ」
千砂都「はい、おまちどおさま!」タタッ
すみれ「ありがと」
千砂都「かのんちゃんと一緒じゃないんだ」
すみれ「妹にたこ焼き食べたいってねだられたのよ」
千砂都「そっか!」
千砂都「かのんちゃんとは順調みたいだね」
すみれ「お陰様でね」
千砂都「2人なら絶対いい恋人になると思ってたよ」
すみれ「そう」
千砂都「あ、でも、すみれちゃん、ペアリングしてない!」
千砂都「ダメだよ、気を抜いたら!」
すみれ「……知ってたのね」
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131: ◆E6BveHpR★ 2025/05/11(日) 21:10:07 ID:???Sa
千砂都「ねぇ、すみれちゃん」
千砂都「またお願いがあるんだけど」
すみれ「また?」
すみれ「一生のお願いは聞いたでしょ」
千砂都「これも一生のお願いなんだけど」
すみれ「もう聞かないわよ」
千砂都「かのんちゃんと結婚して」
すみれ「…………」
すみれ「はぁ…………」
すみれ「本当に一生のお願いね…………」
千砂都「またお願いがあるんだけど」
すみれ「また?」
すみれ「一生のお願いは聞いたでしょ」
千砂都「これも一生のお願いなんだけど」
すみれ「もう聞かないわよ」
千砂都「かのんちゃんと結婚して」
すみれ「…………」
すみれ「はぁ…………」
すみれ「本当に一生のお願いね…………」
0
132: ◆E6BveHpR★ 2025/05/11(日) 21:14:19 ID:???Sa
千砂都「もちろん今すぐってことじゃないけど」
千砂都「かのんちゃん、将来はすみれちゃんと結婚したいんだって」
千砂都「あ、プロポーズはすみれちゃんからしてね!」
千砂都「かのんちゃん、そういうのに憧れあるみたいだから」
すみれ「ちょっと……」
すみれ「本当に私の気持ちは無視なのね」
千砂都「無視してないよ!」
千砂都「すみれちゃんだって、かのんちゃんと恋人になったわけだから」
すみれ「あんたにあんな風に土下座されたら、私だって断れないわよ」
千砂都「……」
千砂都「かのんちゃん、将来はすみれちゃんと結婚したいんだって」
千砂都「あ、プロポーズはすみれちゃんからしてね!」
千砂都「かのんちゃん、そういうのに憧れあるみたいだから」
すみれ「ちょっと……」
すみれ「本当に私の気持ちは無視なのね」
千砂都「無視してないよ!」
千砂都「すみれちゃんだって、かのんちゃんと恋人になったわけだから」
すみれ「あんたにあんな風に土下座されたら、私だって断れないわよ」
千砂都「……」
0
133: ◆E6BveHpR★ 2025/05/11(日) 21:23:08 ID:???Sa
千砂都「本当はね、あれだけ頼み込んでも、断られたらどうしようって思ってたんだ」
千砂都「すみれちゃんがかのんちゃんのこと、そういう目で見てないのは知ってたから」
千砂都「でも、すみれちゃんは優しいよね」
千砂都「かのんちゃんが好きになった相手がすみれちゃんで良かったよ」
すみれ「それ褒めてるの?」
千砂都「褒めてるよ!」
千砂都「すみれちゃん」
千砂都「かのんちゃんのと恋人になってくれて本当にありがとう」ペコッ
すみれ「…………」
千砂都「それじゃ、私バイト戻るね!」
すみれ「あ、うん。頑張って」
千砂都「かのんちゃんのこと幸せにしてね!」タタッ
すみれ「まったく……」
すみれ「…………」
すみれ(さ、帰りましょ)スタッ
かのん「……………………」
すみれ「え……」
すみれ「かのん……?」
かのん「……すみれ…………ちゃん…………」
かのん「今の、話…………本当…………?」
つづく
千砂都「すみれちゃんがかのんちゃんのこと、そういう目で見てないのは知ってたから」
千砂都「でも、すみれちゃんは優しいよね」
千砂都「かのんちゃんが好きになった相手がすみれちゃんで良かったよ」
すみれ「それ褒めてるの?」
千砂都「褒めてるよ!」
千砂都「すみれちゃん」
千砂都「かのんちゃんのと恋人になってくれて本当にありがとう」ペコッ
すみれ「…………」
千砂都「それじゃ、私バイト戻るね!」
すみれ「あ、うん。頑張って」
千砂都「かのんちゃんのこと幸せにしてね!」タタッ
すみれ「まったく……」
すみれ「…………」
すみれ(さ、帰りましょ)スタッ
かのん「……………………」
すみれ「え……」
すみれ「かのん……?」
かのん「……すみれ…………ちゃん…………」
かのん「今の、話…………本当…………?」
つづく
0
141: ◆TTQws88T★ 2025/05/16(金) 21:24:32 ID:???Sa
かのん「……すみれ…………ちゃん…………」
かのん「今の、話…………本当…………?」
すみれ「……っ!!」ズキッ
かのん「ちぃちゃんが……」
かのん「ちぃちゃんが頼んだから、すみれちゃん付き合ってくれたの……?」
かのん「私のこと、好きでもないのに……?」ポロッ
すみれ「ち、違うの……!」
すみれ「かのん、これは……」
かのん「私だけ舞い上がってて、馬鹿みたい……」ポロポロ
かのん「私、すみれちゃんにずっと無理させてたんだ……」ポロポロ
かのん「ごめんなさい……!」タタッ
すみれ「ま、待って! かのん!!」
かのんは駆け出す。
その時、流れる涙と、その指に付けた指輪が煌めくのが見えた。
私が呼び止めても、かのんは一度も振り返らずに走り続けた。
すみれ「かのん、お願い! 待って!」
ゆっくりと進めてきた私たちの交際は、呆気なく終わりを告げた。
かのん「今の、話…………本当…………?」
すみれ「……っ!!」ズキッ
かのん「ちぃちゃんが……」
かのん「ちぃちゃんが頼んだから、すみれちゃん付き合ってくれたの……?」
かのん「私のこと、好きでもないのに……?」ポロッ
すみれ「ち、違うの……!」
すみれ「かのん、これは……」
かのん「私だけ舞い上がってて、馬鹿みたい……」ポロポロ
かのん「私、すみれちゃんにずっと無理させてたんだ……」ポロポロ
かのん「ごめんなさい……!」タタッ
すみれ「ま、待って! かのん!!」
かのんは駆け出す。
その時、流れる涙と、その指に付けた指輪が煌めくのが見えた。
私が呼び止めても、かのんは一度も振り返らずに走り続けた。
すみれ「かのん、お願い! 待って!」
ゆっくりと進めてきた私たちの交際は、呆気なく終わりを告げた。
0
142: ◆TTQws88T★ 2025/05/16(金) 21:33:07 ID:???00
◆
それから数週間が過ぎた。
かのんはあれ以来ほとんど口を聞いてくれない。
目線すらまともに合わせてくれない。
可可や恋は本気で心配してくれたけど、適当に誤魔化した。
もう何もかも終わったんだ。
すみれ「かのん……」
私はベッドで仰向けになりながら宙を見つめていた。
未だ喪失感の中にあった。
一瞬のうちに、かのんとの距離が隔てられ、もうかのんを感じることができなくなった。
「おはよう」のメッセージも、「おやすみ」のメッセージもない。
休日にデートに出かけることもない。
学校で2人でお喋りすることも、笑い合うこともない。
私の日常でいつもそばにかのんが、今は遥か遠くに行ってしまった。
すみれ「かのん……」
すみれ「ごめんなさい……」
寂しさを覚えるのが自分勝手なのはわかってる。
私が全部悪いのだ。
千砂都にいくら頼まれたって、気持ちがないならきっぱり断るべきだったのだ。
私のしたことは、かのんを深く深く傷つけた。
私は、最低だ。
それから数週間が過ぎた。
かのんはあれ以来ほとんど口を聞いてくれない。
目線すらまともに合わせてくれない。
可可や恋は本気で心配してくれたけど、適当に誤魔化した。
もう何もかも終わったんだ。
すみれ「かのん……」
私はベッドで仰向けになりながら宙を見つめていた。
未だ喪失感の中にあった。
一瞬のうちに、かのんとの距離が隔てられ、もうかのんを感じることができなくなった。
「おはよう」のメッセージも、「おやすみ」のメッセージもない。
休日にデートに出かけることもない。
学校で2人でお喋りすることも、笑い合うこともない。
私の日常でいつもそばにかのんが、今は遥か遠くに行ってしまった。
すみれ「かのん……」
すみれ「ごめんなさい……」
寂しさを覚えるのが自分勝手なのはわかってる。
私が全部悪いのだ。
千砂都にいくら頼まれたって、気持ちがないならきっぱり断るべきだったのだ。
私のしたことは、かのんを深く深く傷つけた。
私は、最低だ。
0
143: ◆TTQws88T★ 2025/05/16(金) 21:44:29 ID:???00
◆
街中
ザワザワ、ザワザワ
すみれ「…………」
すみれ(いつまでも部屋にいても仕方ないから、外に出てみたけど)
すみれ(最新のトレンドチェック、って言うのも気乗りしないわね……)
すみれ(でもいくらか寂しさは紛らわせるかしら……)
すみれ(とにかくまずはいつものショップに行って……)テクテク
すみれ「え……」
かのん「……」テクテク
すみれ(かのん……!)ドキッ
私の前をかのんが歩いていた。
私には気づいていない。
街中
ザワザワ、ザワザワ
すみれ「…………」
すみれ(いつまでも部屋にいても仕方ないから、外に出てみたけど)
すみれ(最新のトレンドチェック、って言うのも気乗りしないわね……)
すみれ(でもいくらか寂しさは紛らわせるかしら……)
すみれ(とにかくまずはいつものショップに行って……)テクテク
すみれ「え……」
かのん「……」テクテク
すみれ(かのん……!)ドキッ
私の前をかのんが歩いていた。
私には気づいていない。
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144: ◆TTQws88T★ 2025/05/16(金) 21:55:50 ID:???00
すみれ(かのん、買い物かしら……)
私は無意識にかのんの後を追っていた。
そんなことしたって仕方ないのに。
かのん「…………」テクテク
かのんは歩きは、目指すべき場所に一直線という感じではなかった。
その足取りはどことなくフラフラしていて、少し心配になるくらいだった。
すみれ(どこに向かってるのかしら……)
少し距離を取りながらかのんの様子を伺っていると、突然、誰かがかのんに話しかけてきた。
女性「こんにちはー! いい天気だね!」
かのん「……そうですね」
女性「君すっごく可愛いね。これからどこ行くの?」
大学生くらいの年上の女性だった。
すみれ(ナンパね……)
すみれ(そんなの相手することないわよ)
私は無意識にかのんの後を追っていた。
そんなことしたって仕方ないのに。
かのん「…………」テクテク
かのんは歩きは、目指すべき場所に一直線という感じではなかった。
その足取りはどことなくフラフラしていて、少し心配になるくらいだった。
すみれ(どこに向かってるのかしら……)
少し距離を取りながらかのんの様子を伺っていると、突然、誰かがかのんに話しかけてきた。
女性「こんにちはー! いい天気だね!」
かのん「……そうですね」
女性「君すっごく可愛いね。これからどこ行くの?」
大学生くらいの年上の女性だった。
すみれ(ナンパね……)
すみれ(そんなの相手することないわよ)
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145: ◆TTQws88T★ 2025/05/16(金) 22:01:43 ID:???00
女性「良かったら、これから一緒に遊ばない?」
かのん「…………何して遊ぶんですか?」
女性「まずはお茶して! それから楽しいところ行こ!」
かのん「ふーん」
女性「よし、行こ行こ!」グイッ
女性はかのんの腕を掴み、行きたい方向へ誘導する。
かのんは抵抗もせず、そのまま女性についていく。
2人は人通りの少ない方へと歩みを進めていく。
私はぞっとした。
すみれ(どうして……?)
すみれ(どうしてそんな人について行っちゃうの……!?)
気がつくと私は駆け出し、女性の手をかのんから引き剥がしていた。
すみれ「ちょっと! かのんに触らないで!」バッ
女性「!?」
女性「え……えっと、お友達……?」
かのん「すみれ、ちゃん……?」
すみれ「人の恋人に手を出すなんて最低ね!」ギロッ
女性「……!」
すみれ「かのん、行きましょ」ニギッ
スタスタスタスタ
女性「なんだ、彼女いたんだ……」ブツブツ
かのん「…………何して遊ぶんですか?」
女性「まずはお茶して! それから楽しいところ行こ!」
かのん「ふーん」
女性「よし、行こ行こ!」グイッ
女性はかのんの腕を掴み、行きたい方向へ誘導する。
かのんは抵抗もせず、そのまま女性についていく。
2人は人通りの少ない方へと歩みを進めていく。
私はぞっとした。
すみれ(どうして……?)
すみれ(どうしてそんな人について行っちゃうの……!?)
気がつくと私は駆け出し、女性の手をかのんから引き剥がしていた。
すみれ「ちょっと! かのんに触らないで!」バッ
女性「!?」
女性「え……えっと、お友達……?」
かのん「すみれ、ちゃん……?」
すみれ「人の恋人に手を出すなんて最低ね!」ギロッ
女性「……!」
すみれ「かのん、行きましょ」ニギッ
スタスタスタスタ
女性「なんだ、彼女いたんだ……」ブツブツ
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147: ◆TTQws88T★ 2025/05/16(金) 22:12:47 ID:???00
◆
私はかのんの手を引いてとりあえず近くのカフェに入った。
かのんは黙ってついてきた。
かのん「……」
すみれ「……」
すみれ「……ねぇ、ああいうことってよくするの?」
かのん「ああいうことって?」
すみれ「知らない女の人について行ったりとか」
かのん「さあ、どうだろ」
すみれ「……」
すみれ「さっきの人、ついて行ったら危なかったわよ」
かのん「そうかな?」
すみれ「あのままついて行ったら、どこに連れ込まれてたかわからなかった」
すみれ「変なことされてたかも」
かのん「別にいいよ。それでも」
すみれ「……どうして?」
かのん「どうしてって、すみれちゃんは何が言いたいの?」
すみれ「私はあんたに、もっと自分のこと大切にして欲しいのよ」
私はかのんの手を引いてとりあえず近くのカフェに入った。
かのんは黙ってついてきた。
かのん「……」
すみれ「……」
すみれ「……ねぇ、ああいうことってよくするの?」
かのん「ああいうことって?」
すみれ「知らない女の人について行ったりとか」
かのん「さあ、どうだろ」
すみれ「……」
すみれ「さっきの人、ついて行ったら危なかったわよ」
かのん「そうかな?」
すみれ「あのままついて行ったら、どこに連れ込まれてたかわからなかった」
すみれ「変なことされてたかも」
かのん「別にいいよ。それでも」
すみれ「……どうして?」
かのん「どうしてって、すみれちゃんは何が言いたいの?」
すみれ「私はあんたに、もっと自分のこと大切にして欲しいのよ」
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149: ◆TTQws88T★ 2025/05/16(金) 22:17:59 ID:???00
かのん「すみれちゃんには関係ないじゃん」
すみれ「関係あるわよ。かのんが心配だから、友達として言ってるの」
かのん「私たち友達だったんだ」
すみれ「……」
かのん「すみれちゃんと付き合ってた時はね、毎日お日様の光が柔らかかった」
かのん「鳥の囀りが聞こえたし、花には蝶々がとまってた」
かのん「でも私が生きていると思ってた世界は実は夢の世界で」
かのん「それはある日突然弾け飛んだの」
かのん「その気持ちってわかる?」
すみれ「…………」
すみれ「ねぇ、かのん……」
かのん「すみれちゃんもちぃちゃんもひどいよね」
かのん「騙すなら、最後までちゃんと騙してくれたら良かったのに」
すみれ「関係あるわよ。かのんが心配だから、友達として言ってるの」
かのん「私たち友達だったんだ」
すみれ「……」
かのん「すみれちゃんと付き合ってた時はね、毎日お日様の光が柔らかかった」
かのん「鳥の囀りが聞こえたし、花には蝶々がとまってた」
かのん「でも私が生きていると思ってた世界は実は夢の世界で」
かのん「それはある日突然弾け飛んだの」
かのん「その気持ちってわかる?」
すみれ「…………」
すみれ「ねぇ、かのん……」
かのん「すみれちゃんもちぃちゃんもひどいよね」
かのん「騙すなら、最後までちゃんと騙してくれたら良かったのに」
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150: ◆TTQws88T★ 2025/05/16(金) 22:25:33 ID:???00
カフェを出て、私はかのんを家まで送った。
かのんは最初必要ないと言ったけど、私が送ると言い張ったら、それ以上何も言わなかった。
私と会話すること自体が面倒だ、と言わんばかりに。
私たちは一言も交わすことなく歩き続けた。
かのんの家の前まで来て、私は口を開いた。
すみれ「ねぇ、かのん」
かのん「……」
すみれ「私たち、やり直せないかしら」
すみれ「もう一度、最初から」
かのん「…………」
かのん「それは無理だよ」
かのん「もうすみれちゃんに無理させたくないし」
すみれ「無理なんかじゃ……!」
かのん「私のすみれちゃんへの気持ちも無くなっちゃったんだ」
すみれ「ぁ……」
かのん「だからお互い、もう全部忘れよ」
かのんは最初必要ないと言ったけど、私が送ると言い張ったら、それ以上何も言わなかった。
私と会話すること自体が面倒だ、と言わんばかりに。
私たちは一言も交わすことなく歩き続けた。
かのんの家の前まで来て、私は口を開いた。
すみれ「ねぇ、かのん」
かのん「……」
すみれ「私たち、やり直せないかしら」
すみれ「もう一度、最初から」
かのん「…………」
かのん「それは無理だよ」
かのん「もうすみれちゃんに無理させたくないし」
すみれ「無理なんかじゃ……!」
かのん「私のすみれちゃんへの気持ちも無くなっちゃったんだ」
すみれ「ぁ……」
かのん「だからお互い、もう全部忘れよ」
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152: ◆TTQws88T★ 2025/05/16(金) 22:34:23 ID:???00
◆
かのんがドアを閉めると、私たちの距離はより一層隔てられたような気がした。
帰り道、私はかのんへの想いを巡らせる。
かのんのあの言葉は嘘ではないだろう。
私への恋心なんて、とうの昔に失ってしまったみたいだった。
私が壊したんだ。
かのんはもう私のことなんか見ていない。
でも。
それでも。
私はどうしても、今の気持ちをかのんに伝えたかった。
伝えないわけにはいかなかった。
家に帰ると、私はかのんに宛てた手紙を書いた。
手紙には、かのんと出会いから始まる私の気持ちを綴った。
スカウトされて嬉しかったこと。
一緒にラブライブを目指して心が昂ったこと。
それから、千砂都に頼まれて付き合ったことも正直に書いた。
かのんと付き合ってみて楽しかったこと、私は無理なんて全くしていなかったことを書いた。
傷つけてしまってごめんなさい。
とても後悔していること。
そして、かのんには幸せにになって欲しいと心の底から思っていることを書いた。
手紙を書き終えた私は、かのんとのペアリングに目をやった。
かのんはもうこの指輪を捨ててしまっただろうか。
あの時のかのんの笑顔を思い出す。
涙が自然とこぼれ落ちた。
かのんがドアを閉めると、私たちの距離はより一層隔てられたような気がした。
帰り道、私はかのんへの想いを巡らせる。
かのんのあの言葉は嘘ではないだろう。
私への恋心なんて、とうの昔に失ってしまったみたいだった。
私が壊したんだ。
かのんはもう私のことなんか見ていない。
でも。
それでも。
私はどうしても、今の気持ちをかのんに伝えたかった。
伝えないわけにはいかなかった。
家に帰ると、私はかのんに宛てた手紙を書いた。
手紙には、かのんと出会いから始まる私の気持ちを綴った。
スカウトされて嬉しかったこと。
一緒にラブライブを目指して心が昂ったこと。
それから、千砂都に頼まれて付き合ったことも正直に書いた。
かのんと付き合ってみて楽しかったこと、私は無理なんて全くしていなかったことを書いた。
傷つけてしまってごめんなさい。
とても後悔していること。
そして、かのんには幸せにになって欲しいと心の底から思っていることを書いた。
手紙を書き終えた私は、かのんとのペアリングに目をやった。
かのんはもうこの指輪を捨ててしまっただろうか。
あの時のかのんの笑顔を思い出す。
涙が自然とこぼれ落ちた。
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153: ◆TTQws88T★ 2025/05/16(金) 22:41:45 ID:???00
◆
翌日、私は学校に手紙を持ってきた。
放課後にでもタイミングを見計らってかのんに渡そうと考えていた。
2人で話せるタイミングで、でもかのんは私と話したくないだろうからさっと渡して。
でも放課後になると、かのんは忽然と姿を消してしまった。
すみれ「ねぇ、かのんは……?」
恋「かのんさんなら、体調が悪いみたいで帰られました」
すみれ「そう、だったの……」
少し考えて、私も適当な理由をつけて部活を休んだ。
少しでも早くかのんに手紙を渡したかった。
かのんの家まで行って、この手紙を渡さなければならない、そんな気がしたのだ。
私はかのんの家に行き、お店に入った。
ありあ「いやっしゃいま……あ、すみれさん!」
すみれ「こんにちは」
すみれ「かのん、いるかしら……?」
ありあ「お姉ちゃんはまだ帰ってきてないですよ」
すみれ「え……?」
ありあ「……?」
すみれ「あ、そうだったのね! それじゃまた!」
私は動揺を悟られないようにお店を出た。
まだ帰ってきてない……?
嫌な胸騒ぎがした。
翌日、私は学校に手紙を持ってきた。
放課後にでもタイミングを見計らってかのんに渡そうと考えていた。
2人で話せるタイミングで、でもかのんは私と話したくないだろうからさっと渡して。
でも放課後になると、かのんは忽然と姿を消してしまった。
すみれ「ねぇ、かのんは……?」
恋「かのんさんなら、体調が悪いみたいで帰られました」
すみれ「そう、だったの……」
少し考えて、私も適当な理由をつけて部活を休んだ。
少しでも早くかのんに手紙を渡したかった。
かのんの家まで行って、この手紙を渡さなければならない、そんな気がしたのだ。
私はかのんの家に行き、お店に入った。
ありあ「いやっしゃいま……あ、すみれさん!」
すみれ「こんにちは」
すみれ「かのん、いるかしら……?」
ありあ「お姉ちゃんはまだ帰ってきてないですよ」
すみれ「え……?」
ありあ「……?」
すみれ「あ、そうだったのね! それじゃまた!」
私は動揺を悟られないようにお店を出た。
まだ帰ってきてない……?
嫌な胸騒ぎがした。
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154: ◆TTQws88T★ 2025/05/16(金) 22:46:29 ID:???00
私はそれから街中を巡ってかのんを探した。
すみれ「お願い、かのん……」
私の脳裏に浮かぶのは昨日のかのんの姿だ。
また風の吹かれるままフラフラ歩いてるんじゃないだろうか。
女の人に声をかけられて、ついて行っちゃってるんじゃないだろうか。
そうなったら、今度こそ……
すみれ「……っ!!」ズキッ
すみれ(お願い……)
すみれ(お願いよ、かのん……)
(かのん『すみれちゃん、これ美味しいよ!』)
(かのん『こんな可愛い服着れないよー!』)
(かのん『少しこうしててもいい……?)
すみれ「……!」グッ
すみれ(かのん……!)
すみれ(お願い、無事でいて……!)ウルッ
すみれ「お願い、かのん……」
私の脳裏に浮かぶのは昨日のかのんの姿だ。
また風の吹かれるままフラフラ歩いてるんじゃないだろうか。
女の人に声をかけられて、ついて行っちゃってるんじゃないだろうか。
そうなったら、今度こそ……
すみれ「……っ!!」ズキッ
すみれ(お願い……)
すみれ(お願いよ、かのん……)
(かのん『すみれちゃん、これ美味しいよ!』)
(かのん『こんな可愛い服着れないよー!』)
(かのん『少しこうしててもいい……?)
すみれ「……!」グッ
すみれ(かのん……!)
すみれ(お願い、無事でいて……!)ウルッ
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155: ◆TTQws88T★ 2025/05/16(金) 22:52:49 ID:???00
思い当たる場所をあちこちと駆け回ったが、かのんは見つからない。
連絡しても当然返事はない。
私は泣き出しそうになるのをぐっと堪えて探し続ける。
通りを走っていると、ある店の前にその子はいた。
店のモニターに映るスクールアイドルの映像をぼーっと眺めている。
この場所は、私がかのんにスカウトされた場所だ。
すみれ「かのん……!!」タタッ
私は思わずかのんに抱きついた。
ぎゅっと抱きしめた。
かのん「すみれちゃん……?」
かのん「どうして……?」
すみれ「どうしてじゃないわよ!」
すみれ「かのんがまた危ない目にあってないかって心配で……」
すみれ「でも良かった……」ギュッ
かのん「……」
連絡しても当然返事はない。
私は泣き出しそうになるのをぐっと堪えて探し続ける。
通りを走っていると、ある店の前にその子はいた。
店のモニターに映るスクールアイドルの映像をぼーっと眺めている。
この場所は、私がかのんにスカウトされた場所だ。
すみれ「かのん……!!」タタッ
私は思わずかのんに抱きついた。
ぎゅっと抱きしめた。
かのん「すみれちゃん……?」
かのん「どうして……?」
すみれ「どうしてじゃないわよ!」
すみれ「かのんがまた危ない目にあってないかって心配で……」
すみれ「でも良かった……」ギュッ
かのん「……」
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156: ◆TTQws88T★ 2025/05/16(金) 23:01:49 ID:???00
かのん「離して……」
かのん「私たち、もう恋人じゃないんだから」
すみれ「…………」
すみれ「そうよね、わかってる」パサッ
かのん「心配なんてしなくていいよ」
かのん「すみれちゃんは私のことなんて忘れてよ」
すみれ「かのん……」
すみれ「本当にごめんなさい」
かのん「……今更謝られたって」
すみれ「わかってる。かのんは私の顔も見たくないわよね」
すみれ「それでもいい」
すみれ「でもね、かのん」
すみれ「これだけは聞いてくれる?」
かのん「…………なに?」
すみれ「私のかのんへの本当の気持ち」
この気持ちはきっと届かない。
一生嫌われ続けるかもしれない。
もうその笑顔が私に向けられることはないかもしれない。
それでも、言葉にして伝えたい。
他の誰かに頼まれたんじゃない。
私自身の本当の想いなのだから。
おわり
かのん「私たち、もう恋人じゃないんだから」
すみれ「…………」
すみれ「そうよね、わかってる」パサッ
かのん「心配なんてしなくていいよ」
かのん「すみれちゃんは私のことなんて忘れてよ」
すみれ「かのん……」
すみれ「本当にごめんなさい」
かのん「……今更謝られたって」
すみれ「わかってる。かのんは私の顔も見たくないわよね」
すみれ「それでもいい」
すみれ「でもね、かのん」
すみれ「これだけは聞いてくれる?」
かのん「…………なに?」
すみれ「私のかのんへの本当の気持ち」
この気持ちはきっと届かない。
一生嫌われ続けるかもしれない。
もうその笑顔が私に向けられることはないかもしれない。
それでも、言葉にして伝えたい。
他の誰かに頼まれたんじゃない。
私自身の本当の想いなのだから。
おわり
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158: ◆TTQws88T★ 2025/05/16(金) 23:04:43 ID:???00
【かのすみ豆知識⑦】
ユニットライブ&ファンミーティングツアー心・技・体!極上大冒険!!~最終章~ジャケットでは、熱いグータッチを交わす2人が確認できる。
次回でラストです。
ユニットライブ&ファンミーティングツアー心・技・体!極上大冒険!!~最終章~ジャケットでは、熱いグータッチを交わす2人が確認できる。
次回でラストです。
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164: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 22:10:21 ID:???Sa
【月光】
カランカラン
「ありがとうございましたー!」
かのん「美味しかったね!」
すみれ「そうね。また来ましょ」
かのん「じゃあ、どこ行こっかー」
すみれ「ちょうどこの先に……」
街中をすみれちゃんと2人で歩く。
私たちは恋人同士。
高校を卒業し、大学生になってから付き合い始めたんだ。
もう半年になる。
カランカラン
「ありがとうございましたー!」
かのん「美味しかったね!」
すみれ「そうね。また来ましょ」
かのん「じゃあ、どこ行こっかー」
すみれ「ちょうどこの先に……」
街中をすみれちゃんと2人で歩く。
私たちは恋人同士。
高校を卒業し、大学生になってから付き合い始めたんだ。
もう半年になる。
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165: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 22:13:51 ID:???Sa
2人でいろんなところへ遊びに行ったり、他愛も無い話でお茶をしたり、すみれちゃんとの距離は高校の頃よりもさらに近くなったと思う。
一緒に過ごす時間がこの上なく楽しかった。
私にとって初めての、素敵な恋人であることに間違いなかった。
かのん「それでその時、ちぃちゃんがねー」テクテク
すみれ「あ、かのん、段差気をつけて」スッ
かのん「ありがとう……」ニギッ
そして、すみれちゃんは私にとっても優しかった。
ちょっとしたことに気を使ってくれるし、デート中はカッコよくエスコートしてくれる。
友達でいた頃のすみれちゃんとはまた違う一面を知れた気がして嬉しかったし、私のことを彼女として大切にしてくれていることがよくわかった。
だから恋人として何の不満もないはず。
なのに。
ただ1つだけ気がかりなことがある。
それはつまり、恋人としての進展がまったくないのだった。
デートの時に手を繋ぐことはある。でもそれだけ。
キスだってしたことはない。
一緒に過ごす時間がこの上なく楽しかった。
私にとって初めての、素敵な恋人であることに間違いなかった。
かのん「それでその時、ちぃちゃんがねー」テクテク
すみれ「あ、かのん、段差気をつけて」スッ
かのん「ありがとう……」ニギッ
そして、すみれちゃんは私にとっても優しかった。
ちょっとしたことに気を使ってくれるし、デート中はカッコよくエスコートしてくれる。
友達でいた頃のすみれちゃんとはまた違う一面を知れた気がして嬉しかったし、私のことを彼女として大切にしてくれていることがよくわかった。
だから恋人として何の不満もないはず。
なのに。
ただ1つだけ気がかりなことがある。
それはつまり、恋人としての進展がまったくないのだった。
デートの時に手を繋ぐことはある。でもそれだけ。
キスだってしたことはない。
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166: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 22:17:46 ID:???Sa
何ヶ月か前、すみれちゃん家で初めてお泊りした時は、胸が沸騰しそうなほど緊張したっけ。
きっと今夜、私はすみれちゃんに抱かれるんだろうなって。
初めてを奪われちゃうんだろうなって。
でも、同じベッドに入ったすみれちゃんは、私に指一本触れることなく、こんこんと眠ってしまった。
私は期待と不安が入り混じった感情に一日中落ち着かなかったって言うのに。
すぐ隣に眠るすみれちゃんの所為で、眠れなくなっていたって言うのに。
それからもずっとそうだった。
お家デートの時も、お泊りの時も、すみれちゃんが私を求めてくれることはなかった。
でも、考えてみればそれもそっか。
すみれちゃんは私よりずっとスタイルいいもん。
私の体なんて興味ないよね。
キスやエ チがすべてじゃないし、別にそれがなくたって構わないのかもしれない。
そんなことしなくたって、すみれちゃんと一緒にいられるだけで幸せなんだから。
でも、やっぱり……
好きな人とは、そういうこともしたい。
もっとすみれちゃんと繋がりたい。
もっとすみれちゃんのことを知りたい。
そういう気持ちも確かにあって。
モヤモヤして。
それに、すみれちゃんだって、何もしなければ溜まるはずだ。
それをもしかして、他の魅力的な女の子で発散してるんじゃないかって、嫌な考えまで浮かんできて。
またモヤモヤして。
そんな日々の中。
可可「かのん、元気デジタか!?」ワアア
かのん「可可ちゃん!」ニコッ
その日は可可ちゃんと久々に2人でランチをした。
可可ちゃんの相変わらずの明るい笑顔に私は安心した。
きっと今夜、私はすみれちゃんに抱かれるんだろうなって。
初めてを奪われちゃうんだろうなって。
でも、同じベッドに入ったすみれちゃんは、私に指一本触れることなく、こんこんと眠ってしまった。
私は期待と不安が入り混じった感情に一日中落ち着かなかったって言うのに。
すぐ隣に眠るすみれちゃんの所為で、眠れなくなっていたって言うのに。
それからもずっとそうだった。
お家デートの時も、お泊りの時も、すみれちゃんが私を求めてくれることはなかった。
でも、考えてみればそれもそっか。
すみれちゃんは私よりずっとスタイルいいもん。
私の体なんて興味ないよね。
キスやエ チがすべてじゃないし、別にそれがなくたって構わないのかもしれない。
そんなことしなくたって、すみれちゃんと一緒にいられるだけで幸せなんだから。
でも、やっぱり……
好きな人とは、そういうこともしたい。
もっとすみれちゃんと繋がりたい。
もっとすみれちゃんのことを知りたい。
そういう気持ちも確かにあって。
モヤモヤして。
それに、すみれちゃんだって、何もしなければ溜まるはずだ。
それをもしかして、他の魅力的な女の子で発散してるんじゃないかって、嫌な考えまで浮かんできて。
またモヤモヤして。
そんな日々の中。
可可「かのん、元気デジタか!?」ワアア
かのん「可可ちゃん!」ニコッ
その日は可可ちゃんと久々に2人でランチをした。
可可ちゃんの相変わらずの明るい笑顔に私は安心した。
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167: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 22:21:46 ID:???Sa
かのん「そっちの大学はどう?」
可可「課題が多くて可可干からびそうデス……」
大学の話、可可ちゃんの家族の話、スクールアイドルの話。
積もる話もあって、話題は次々と移り変わり、私とすみれちゃんの話になった。
可可「かのんとすみれももう半年デスか」
かのん「気がついたらね」フフッ
可可「すみれ、かのんのこと泣かせたりしてないデスか?」
かのん「全然! そりゃたまに喧嘩もするけど、いつもすごく優しいんだ」
可可「そうデスか」
可可「もし何かあったらいつでも可可に相談してクダサイ!」
かのん「うん、わかった! ありがとう、可可ちゃん」フフッ
可可「あのグソクムシがかのんを悲しませるようなことしたら、可可が懲らしてやりマス!」
かのん「うん……」
かのん「…………」
可可「……?」
すみれちゃんは私を悲しませることなんてしないよ。
でも、ただ一つ気になるあのこと。
可可ちゃんに言えるはずないよね。
◆
可可(結局、かのんとだいぶ遅くまで話してしまいマシタ……)
可可(かのん、元気そうで良かったデス)
可可(でも、あの時のかのんの表情……)
(かのん『…………』)
可可(あの時は何も聞けませんでしたが、気になりマス……)
可可(まさかすみれに限って、そんなことはないと思いマスが……)
可可「課題が多くて可可干からびそうデス……」
大学の話、可可ちゃんの家族の話、スクールアイドルの話。
積もる話もあって、話題は次々と移り変わり、私とすみれちゃんの話になった。
可可「かのんとすみれももう半年デスか」
かのん「気がついたらね」フフッ
可可「すみれ、かのんのこと泣かせたりしてないデスか?」
かのん「全然! そりゃたまに喧嘩もするけど、いつもすごく優しいんだ」
可可「そうデスか」
可可「もし何かあったらいつでも可可に相談してクダサイ!」
かのん「うん、わかった! ありがとう、可可ちゃん」フフッ
可可「あのグソクムシがかのんを悲しませるようなことしたら、可可が懲らしてやりマス!」
かのん「うん……」
かのん「…………」
可可「……?」
すみれちゃんは私を悲しませることなんてしないよ。
でも、ただ一つ気になるあのこと。
可可ちゃんに言えるはずないよね。
◆
可可(結局、かのんとだいぶ遅くまで話してしまいマシタ……)
可可(かのん、元気そうで良かったデス)
可可(でも、あの時のかのんの表情……)
(かのん『…………』)
可可(あの時は何も聞けませんでしたが、気になりマス……)
可可(まさかすみれに限って、そんなことはないと思いマスが……)
0
168: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 22:23:58 ID:???Sa
数日後
すみれ「それで話って何よ」
可可「すみれ、正直に答えてクダサイ」
可可「かのんというものがありながら、浮気なんてしてないデスよね!?」バッ
すみれ「はああああ!?」
すみれ「私が浮気なんてするはずないでしょ!」イラッ
すみれ「そんなことを聞きに呼び出したわけ?」
可可「……」
可可(鎌をかけてみましたが、やはり……)
可可「まあ、可可もすみれがそんなことをするとは思っていマセンが……」
可可「ただ気になることがあって……」
すみれ「気になること?」
可可「かのん、何か悩みを抱えているようなのデス……」
すみれ「かのんが……?」
可可「きっとすみれに関わることだと思うのデス」
すみれ「でも私、ほんとに浮気なんて……」
可可「そうでなくても、何か気になることはありマセンか?」
すみれ「……」
すみれ「特に思いつかないけど……」
可可「ウーン……」
可可「そういえば可可、最近大学の友達に相談されたのデスが……」
可可「最近、恋人が家に来ても、ヤることだけヤってすぐ帰ってしまうから寂しいと……」
可可「まるで体にしか用がないみたいな……」
すみれ「何の話よ……」
可可「まさか、すみれ……!」ハッ
可可「かのんにそんなことしてないデスよね!?」バッ
可可「かのんのことを弄ぶような、そんなこと!!」
すみれ「だからしてないったらしてないわよ!!」
すみれ「それで話って何よ」
可可「すみれ、正直に答えてクダサイ」
可可「かのんというものがありながら、浮気なんてしてないデスよね!?」バッ
すみれ「はああああ!?」
すみれ「私が浮気なんてするはずないでしょ!」イラッ
すみれ「そんなことを聞きに呼び出したわけ?」
可可「……」
可可(鎌をかけてみましたが、やはり……)
可可「まあ、可可もすみれがそんなことをするとは思っていマセンが……」
可可「ただ気になることがあって……」
すみれ「気になること?」
可可「かのん、何か悩みを抱えているようなのデス……」
すみれ「かのんが……?」
可可「きっとすみれに関わることだと思うのデス」
すみれ「でも私、ほんとに浮気なんて……」
可可「そうでなくても、何か気になることはありマセンか?」
すみれ「……」
すみれ「特に思いつかないけど……」
可可「ウーン……」
可可「そういえば可可、最近大学の友達に相談されたのデスが……」
可可「最近、恋人が家に来ても、ヤることだけヤってすぐ帰ってしまうから寂しいと……」
可可「まるで体にしか用がないみたいな……」
すみれ「何の話よ……」
可可「まさか、すみれ……!」ハッ
可可「かのんにそんなことしてないデスよね!?」バッ
可可「かのんのことを弄ぶような、そんなこと!!」
すみれ「だからしてないったらしてないわよ!!」
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169: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 22:28:18 ID:???Sa
すみれ「ていうか、その……まだだし……」ボソッ
可可「……?」
すみれ「まだかのんとはそういうことしたことないのよ。一度も」
可可「……」
可可「はあああああああ!!?」
◆
可可「まさかキスすらまだだったなんて……」
可可「呆れて文句の一つも思いつきマセン」
可可「ヘタレ腰抜け臆病グソクムシ」
すみれ「思いついてるじゃない!」
すみれ「だってあんたもよく考えてみなさいよ!」
すみれ「かのんってそういうイメージなくない?」
可可「確かに、あまりイメージはありマセンが……」
すみれ「かのんがその手の話してるの聞いたことないし、手出していいのかなって、思っちゃうのよ」
すみれ「そりゃ私だってかのんとそういうことしたいわよ」
すみれ「でも、もしかのんに嫌われたらと思うと、怖くて……」グッ
可可「……」
可可「……?」
すみれ「まだかのんとはそういうことしたことないのよ。一度も」
可可「……」
可可「はあああああああ!!?」
◆
可可「まさかキスすらまだだったなんて……」
可可「呆れて文句の一つも思いつきマセン」
可可「ヘタレ腰抜け臆病グソクムシ」
すみれ「思いついてるじゃない!」
すみれ「だってあんたもよく考えてみなさいよ!」
すみれ「かのんってそういうイメージなくない?」
可可「確かに、あまりイメージはありマセンが……」
すみれ「かのんがその手の話してるの聞いたことないし、手出していいのかなって、思っちゃうのよ」
すみれ「そりゃ私だってかのんとそういうことしたいわよ」
すみれ「でも、もしかのんに嫌われたらと思うと、怖くて……」グッ
可可「……」
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170: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 22:29:58 ID:???Sa
可可「半年も一緒にいて、それで嫌いになることなんてないと思いマスが」
すみれ「で、でも、もしかのんがそういうの嫌いな子だったら……?」
すみれ「結局体目当てなんだって思われたら……?
可可「……」
可可(あ……)
可可(かのんのあの時の表情ってもしかして……)
可可「はぁ……」
すみれ「ちょっと、溜め息つかないでよ」
可可「すみれ、私はあなたのことを信じて、あなたにかのんを預けたのデスよ?」
可可「言い訳並べて逃げてないで、勇気を出したらどうデスか?」
すみれ「うぅ……」
可可「それとも、かのんに恥をかかせる気デスか?」
すみれ「……!!」
すみれ「わ、わかったよ! やってやるったらやってやるわよ!」
可可「まあ2人のことデスから、可可はこれ以上言いマセンが……」
可可「かのん、待ってると思いマスよ」
すみれ「で、でも、もしかのんがそういうの嫌いな子だったら……?」
すみれ「結局体目当てなんだって思われたら……?
可可「……」
可可(あ……)
可可(かのんのあの時の表情ってもしかして……)
可可「はぁ……」
すみれ「ちょっと、溜め息つかないでよ」
可可「すみれ、私はあなたのことを信じて、あなたにかのんを預けたのデスよ?」
可可「言い訳並べて逃げてないで、勇気を出したらどうデスか?」
すみれ「うぅ……」
可可「それとも、かのんに恥をかかせる気デスか?」
すみれ「……!!」
すみれ「わ、わかったよ! やってやるったらやってやるわよ!」
可可「まあ2人のことデスから、可可はこれ以上言いマセンが……」
可可「かのん、待ってると思いマスよ」
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数日後
かのん「~♪」
かのん(すみれちゃん、そろそろ来るかな)
待ち合わせ場所ですみれちゃんの到着を待つ。
今日はすみれちゃんと1日デートしてから、すみれちゃんの家にお泊りすることになっている。
お泊りと言ってもいつも何もないけど……
でもね。今日の私はちょっと頑張ったんだ。
この前買った、いつもよりちょっぴり露出の多いセクシーめな服。
すみれちゃんに披露するのは初めてだけど、どう思うかな。
少しはドキドキしてくれるかな?
かのん(ふふっ、大胆なことされちゃったらどうしよう)
かのん(なんてね)フフッ
すみれ「おはよう、かのん!」テクテク
かのん「あ、すみれちゃん! おはよう」
すみれ「ごめん待った? ……って、ええっ!?」ビクッ
かのん「……?」
すみれちゃんが私を見て目を丸くして固まっている。
もしかしてこの服のせい?
いつもより肌の面積の多い私にドギマギしたとか。
そんなわけないか。
171: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 22:32:45 ID:???Sa
数日後
かのん「~♪」
かのん(すみれちゃん、そろそろ来るかな)
待ち合わせ場所ですみれちゃんの到着を待つ。
今日はすみれちゃんと1日デートしてから、すみれちゃんの家にお泊りすることになっている。
お泊りと言ってもいつも何もないけど……
でもね。今日の私はちょっと頑張ったんだ。
この前買った、いつもよりちょっぴり露出の多いセクシーめな服。
すみれちゃんに披露するのは初めてだけど、どう思うかな。
少しはドキドキしてくれるかな?
かのん(ふふっ、大胆なことされちゃったらどうしよう)
かのん(なんてね)フフッ
すみれ「おはよう、かのん!」テクテク
かのん「あ、すみれちゃん! おはよう」
すみれ「ごめん待った? ……って、ええっ!?」ビクッ
かのん「……?」
すみれちゃんが私を見て目を丸くして固まっている。
もしかしてこの服のせい?
いつもより肌の面積の多い私にドギマギしたとか。
そんなわけないか。
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172: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 22:34:38 ID:???Sa
それから私たちは映画を見て、ショッピングを楽しんで、予定通りすみれちゃんの家にお邪魔した。
すみれ「ふー、今日はたくさん歩いたわね」
かのん「そうだね!」
すみれ「晩御飯何つくろうかしら」
すみれ「かのん何か食べたいものある?」
かのん「うーんと……」
ソファーに背を預けるすみれちゃんにピタッと身を寄せる。
今日の私は頑張るんだ。
すみれちゃんに興味を持ってもらうために。
欲しいなって思ってもらうために。
そして何より、純粋にすみれちゃんに思い切り甘えたかった。
かのん「すみれちゃん……」ギュッ
すみれ「ど、どうしたのよ、かのん」
かのん「ううん。なんでもー」ギュギュッ
すみれ「……」
すみれ「ふー、今日はたくさん歩いたわね」
かのん「そうだね!」
すみれ「晩御飯何つくろうかしら」
すみれ「かのん何か食べたいものある?」
かのん「うーんと……」
ソファーに背を預けるすみれちゃんにピタッと身を寄せる。
今日の私は頑張るんだ。
すみれちゃんに興味を持ってもらうために。
欲しいなって思ってもらうために。
そして何より、純粋にすみれちゃんに思い切り甘えたかった。
かのん「すみれちゃん……」ギュッ
すみれ「ど、どうしたのよ、かのん」
かのん「ううん。なんでもー」ギュギュッ
すみれ「……」
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173: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 22:36:47 ID:???Sa
すみれちゃんの体を抱きしめると、すみれちゃんも静かに返してくれて。
もしかして、これがいいムードってやつなのかな?
カップルはみんなこういうムードから進展していくのかな?
かのん「……」ジッ
すみれ「……っ!!」
すみれちゃんのことをじっと見つめる。
すみれちゃんの可憐で整った顔立ち、美しく輝く瞳。
見つめ合う。
かのん「すみれちゃん……」
すみれ「かのん……」
キス、してくれないかな。
少しずつ、顔を近づける。
してくれないなら、私から。
すみれ「……っ!!」バッ
かのん「!?」ビクッ
すみれ「あ、あ、そうだ! お風呂の準備しないと!」
すみれ「準備してくるから、待っててね!」タタッ
かのん「あ……」
かのん「すみれちゃん……」
もしかして、これがいいムードってやつなのかな?
カップルはみんなこういうムードから進展していくのかな?
かのん「……」ジッ
すみれ「……っ!!」
すみれちゃんのことをじっと見つめる。
すみれちゃんの可憐で整った顔立ち、美しく輝く瞳。
見つめ合う。
かのん「すみれちゃん……」
すみれ「かのん……」
キス、してくれないかな。
少しずつ、顔を近づける。
してくれないなら、私から。
すみれ「……っ!!」バッ
かのん「!?」ビクッ
すみれ「あ、あ、そうだ! お風呂の準備しないと!」
すみれ「準備してくるから、待っててね!」タタッ
かのん「あ……」
かのん「すみれちゃん……」
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174: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 22:40:53 ID:???Sa
◆
すみれ「はぁ……はぁ……」
すみれ「~~っ!!」グッ
すみれ(ああああ、かのん、可愛い可愛い可愛い可愛い!!!!)
すみれ(かのんったら可愛過ぎるわよ!)
すみれ(まず今日のファッション!)
すみれ(かのんがセクシーめの服を着てくるなんて……! しかも似合ってたし、工 かったし……!)
すみれ(1日ずっとドキドキしちゃったわ……)
すみれ(それに今の上目遣い、本当に抑えられなくなりそうだった……)
すみれ(結局ビビって何もできなかったけど……)
(可可『かのん、待ってると思いマスよ』)
すみれ「……」
すみれ(私がやらなきゃいけないなんてこと、わかってるわよ……)
すみれ「はぁ……はぁ……」
すみれ「~~っ!!」グッ
すみれ(ああああ、かのん、可愛い可愛い可愛い可愛い!!!!)
すみれ(かのんったら可愛過ぎるわよ!)
すみれ(まず今日のファッション!)
すみれ(かのんがセクシーめの服を着てくるなんて……! しかも似合ってたし、工 かったし……!)
すみれ(1日ずっとドキドキしちゃったわ……)
すみれ(それに今の上目遣い、本当に抑えられなくなりそうだった……)
すみれ(結局ビビって何もできなかったけど……)
(可可『かのん、待ってると思いマスよ』)
すみれ「……」
すみれ(私がやらなきゃいけないなんてこと、わかってるわよ……)
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175: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 22:43:15 ID:???Sa
◆
かのん「…………」ポツン
かのん(なんか今日、私1人張り切っちゃって馬鹿みたいだ……)
かのん(やっぱりだ……)
かのん(やっぱりそうなんだ……)
かのん「すみれちゃん……」シュン
かのん「…………」ポツン
かのん(なんか今日、私1人張り切っちゃって馬鹿みたいだ……)
かのん(やっぱりだ……)
かのん(やっぱりそうなんだ……)
かのん「すみれちゃん……」シュン
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176: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 22:44:28 ID:???Sa
◆
かのん「やっぱりすみれちゃんって料理上手だよねー」
すみれ「かのんだって上出来だったじゃない」
かのん「ねぇ、今度一緒にクッキー作ろうよ!」
すみれ「いいわね」
晩御飯を食べ、2人で片づけを終える。
さっきのことはショックだったけど、できるだけそれを悟られないように振舞った。
キスをねだったけど断られたから不機嫌になるなんて、そんなの面倒くさいもんね。
すみれ「かのん、そろそろお風呂入ってらっしゃい」
かのん「うん、ありがとう。じゃあ入ってきちゃうね」
いつだったか、『一緒に入っちゃう?』って冗談ぽく誘ったこともあった。
はぐらかされちゃったけど。
今の私にそんなことを言えるはずもなく、お風呂場に向かう。
かのん「…………」
洗面所の鏡に映る自分を見る。
そこには無表情で色気のない顔と、張り切って選んだ今日の服装が虚しく映っていた。
私って魅力ないのかな。
かのん「やっぱりすみれちゃんって料理上手だよねー」
すみれ「かのんだって上出来だったじゃない」
かのん「ねぇ、今度一緒にクッキー作ろうよ!」
すみれ「いいわね」
晩御飯を食べ、2人で片づけを終える。
さっきのことはショックだったけど、できるだけそれを悟られないように振舞った。
キスをねだったけど断られたから不機嫌になるなんて、そんなの面倒くさいもんね。
すみれ「かのん、そろそろお風呂入ってらっしゃい」
かのん「うん、ありがとう。じゃあ入ってきちゃうね」
いつだったか、『一緒に入っちゃう?』って冗談ぽく誘ったこともあった。
はぐらかされちゃったけど。
今の私にそんなことを言えるはずもなく、お風呂場に向かう。
かのん「…………」
洗面所の鏡に映る自分を見る。
そこには無表情で色気のない顔と、張り切って選んだ今日の服装が虚しく映っていた。
私って魅力ないのかな。
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177: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 22:46:10 ID:???Sa
◆
すみれ(かのん、なんだか元気なかったわね……)
かのんがお風呂に入っている間、いつもと様子の違った恋人のことを思い返す。
すみれ(私、何かしちゃったかしら……)
思い当たる節はある。
あのことだ。
もしあの時、かのんが私にキスを求めていたとしたら……
私の行動は最低だ。
でも、そうじゃなかったとしたら……?
その考えが、いつも私にストップをかける。
すみれ「……」ススッ
部屋のある引き出しを開けて、1枚のカードを取り出す。
『澁谷かのん』と書かれた1枚の名刺。
私の宝物。
すみれ「かのんは、どういう気持ちだったのかしら……」
私だってかのんとキスがしたい。その先のこともしたい。
かのんともっと触れ合いたい。
けれど、それを想う度、浮かんでくるイメージがある。
(かのん『…………』ジッ)
そこには、普段の凛とした佇まいは陰り、笑顔のないかのんがいる。
軽蔑の表情を浮かべるかのんが。
(かのん『すみれちゃん、そういうことしたかったんだ』)
私に向けられる、見たことのない、かのんの冷たい目線。
その未来だけが、本当に怖くて。
怖くて。
そうなったなら、私は耐えられない。
すみれ(かのん、なんだか元気なかったわね……)
かのんがお風呂に入っている間、いつもと様子の違った恋人のことを思い返す。
すみれ(私、何かしちゃったかしら……)
思い当たる節はある。
あのことだ。
もしあの時、かのんが私にキスを求めていたとしたら……
私の行動は最低だ。
でも、そうじゃなかったとしたら……?
その考えが、いつも私にストップをかける。
すみれ「……」ススッ
部屋のある引き出しを開けて、1枚のカードを取り出す。
『澁谷かのん』と書かれた1枚の名刺。
私の宝物。
すみれ「かのんは、どういう気持ちだったのかしら……」
私だってかのんとキスがしたい。その先のこともしたい。
かのんともっと触れ合いたい。
けれど、それを想う度、浮かんでくるイメージがある。
(かのん『…………』ジッ)
そこには、普段の凛とした佇まいは陰り、笑顔のないかのんがいる。
軽蔑の表情を浮かべるかのんが。
(かのん『すみれちゃん、そういうことしたかったんだ』)
私に向けられる、見たことのない、かのんの冷たい目線。
その未来だけが、本当に怖くて。
怖くて。
そうなったなら、私は耐えられない。
0
178: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 22:48:19 ID:???Sa
◆
すみれ「そろそろ寝ましょ」
かのん「あ、うん」
寝る時は、すみれちゃんと同じベッドに入る。
お泊りの時はいつもこうだ。
でも、電気を消して、おやすみを言い合えば、後はそれぞれ眠るだけ。
それもいつものこと。
かのん「…………」
暗がりの中、そっとすみれちゃんの方を見る。
すみれちゃんの影。きっと目も閉じている。あるいはもう眠ってしまったのだろうか。
切なさと寂しさで胸がぎゅっと締め付けられる。
やっぱり私に魅力がないから?
私じゃすみれちゃんの気を引けないの?
本当は全然違う子がタイプなの?
頭の中を嫌な何かがぐるぐると回る。
私とすみれちゃんは友達でいる期間が長かったから、今も友達の延長線上って感じがあるのかもしれない。
だから付き合ってはみたけれど、すみれちゃんは私とそういうことしたいとは思えなくて。
それなら、その先に待ってるのは……
(すみれ『ごめん。やっぱり私、かのんのこと女としては……』)
かのん「……っ!!」ギュッ
そんなの……
そんなの絶対嫌だ……
気付けば、私はゆっくりとすみれちゃんの方に手を伸ばしていた。
そして言葉が喉から出かかる。
『ねぇ、しよ……』
でも、すみれちゃんに触れる前にピタリとそれを止める。
必死で堪える。
だめだ。もしそんなことしたら……
じわりと涙がこみ上げて来る。
すみれちゃん、寂しいよ……
すみれ「そろそろ寝ましょ」
かのん「あ、うん」
寝る時は、すみれちゃんと同じベッドに入る。
お泊りの時はいつもこうだ。
でも、電気を消して、おやすみを言い合えば、後はそれぞれ眠るだけ。
それもいつものこと。
かのん「…………」
暗がりの中、そっとすみれちゃんの方を見る。
すみれちゃんの影。きっと目も閉じている。あるいはもう眠ってしまったのだろうか。
切なさと寂しさで胸がぎゅっと締め付けられる。
やっぱり私に魅力がないから?
私じゃすみれちゃんの気を引けないの?
本当は全然違う子がタイプなの?
頭の中を嫌な何かがぐるぐると回る。
私とすみれちゃんは友達でいる期間が長かったから、今も友達の延長線上って感じがあるのかもしれない。
だから付き合ってはみたけれど、すみれちゃんは私とそういうことしたいとは思えなくて。
それなら、その先に待ってるのは……
(すみれ『ごめん。やっぱり私、かのんのこと女としては……』)
かのん「……っ!!」ギュッ
そんなの……
そんなの絶対嫌だ……
気付けば、私はゆっくりとすみれちゃんの方に手を伸ばしていた。
そして言葉が喉から出かかる。
『ねぇ、しよ……』
でも、すみれちゃんに触れる前にピタリとそれを止める。
必死で堪える。
だめだ。もしそんなことしたら……
じわりと涙がこみ上げて来る。
すみれちゃん、寂しいよ……
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179: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 22:50:58 ID:???Sa
◆
すみれ「…………」
かのんはもう寝てしまっただろうか。
結局、今日も何もできなかった。
私の勇気が足りなくて……
すみれ(かのん……)
布団の下で、眠っているであろうかのんに、手を伸ばす。
欲しい。
かのんが、欲しい。
私の手は吸い寄せられるようにかのんを求める。
本当に触れるわけにはいかない。
眠っているかのんにそんなことはできない。
それでも、その温もりを少しでも感じたくて。
欲望と自制のせめぎ合いの中、私の指先はかのんに近づいていく。
すると、不意に細く柔らかいものと当たる。
かのんの指先だった。
すみれ「…………」
かのん「…………」
微かに重なり合う互いの指と指。
どちらともなくそれを引き寄せ合う。
私が少し力を込めて握ると、かのんもぎゅっと握り返してくれて。
すみれ「…………!!」
カーテンの隙間から差し込んだ月光が、かのんの顔をうっすらと照らす。
キラリと光る瞳は涙で潤んでいるのがわかる。
その表情は儚げで、悲しげで、あまりにも切なくて。
すみれ「…………」
私って馬鹿だ
本当の大馬鹿だ。
すみれ「かのん……」
私は身を起き上げた、
ここでいかなきゃ、かのんの恋人だなんて一生名乗れない。
すみれ「…………」
かのんはもう寝てしまっただろうか。
結局、今日も何もできなかった。
私の勇気が足りなくて……
すみれ(かのん……)
布団の下で、眠っているであろうかのんに、手を伸ばす。
欲しい。
かのんが、欲しい。
私の手は吸い寄せられるようにかのんを求める。
本当に触れるわけにはいかない。
眠っているかのんにそんなことはできない。
それでも、その温もりを少しでも感じたくて。
欲望と自制のせめぎ合いの中、私の指先はかのんに近づいていく。
すると、不意に細く柔らかいものと当たる。
かのんの指先だった。
すみれ「…………」
かのん「…………」
微かに重なり合う互いの指と指。
どちらともなくそれを引き寄せ合う。
私が少し力を込めて握ると、かのんもぎゅっと握り返してくれて。
すみれ「…………!!」
カーテンの隙間から差し込んだ月光が、かのんの顔をうっすらと照らす。
キラリと光る瞳は涙で潤んでいるのがわかる。
その表情は儚げで、悲しげで、あまりにも切なくて。
すみれ「…………」
私って馬鹿だ
本当の大馬鹿だ。
すみれ「かのん……」
私は身を起き上げた、
ここでいかなきゃ、かのんの恋人だなんて一生名乗れない。
0
180: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 22:53:04 ID:???Sa
◆
突然だった。
何かの糸がプツリと切れたかのように、すみれちゃんが体を動かしたかと思うと、勢い良く私の上に覆い被さった。
はぁ、はぁ、と全力疾走でも終えたかのような荒々しい呼吸をするすみれちゃんが、目を大きく見開いて私を見ていた。
何が起こったのかわからなかった。
すみれ「かのん、私……」
かのん「え……?」
すみれ「もう我慢できそうにないわ……」
私より少し背の高いすみれちゃんの体がしっかりと私を捕らえる。
その肩を大きく揺らしながら、荒く、熱い呼吸は続く。
それは獲物を前にした空腹の肉食獣の雰囲気を纏っていた。
もしかして、すみれちゃん、興奮してる……?
すみれ「だからかのん……」
すみれちゃんがぐっと顔を近づける。
お互いの吐息のかかる距離。
付き合い始めて半年、こんなにすみれちゃんを近くに感じたことはない。
すみれ「その……いいかしら……?」
かのん「……」
すみれちゃんの熱と、心臓の激しい鼓動が伝わってくる。
本当に。
本当に、すみれちゃんは。
そんなの、いちいち聞かなくていいのに。
私は静かに頷く。
かのん「すみれちゃんの好きにしていいよ」
突然だった。
何かの糸がプツリと切れたかのように、すみれちゃんが体を動かしたかと思うと、勢い良く私の上に覆い被さった。
はぁ、はぁ、と全力疾走でも終えたかのような荒々しい呼吸をするすみれちゃんが、目を大きく見開いて私を見ていた。
何が起こったのかわからなかった。
すみれ「かのん、私……」
かのん「え……?」
すみれ「もう我慢できそうにないわ……」
私より少し背の高いすみれちゃんの体がしっかりと私を捕らえる。
その肩を大きく揺らしながら、荒く、熱い呼吸は続く。
それは獲物を前にした空腹の肉食獣の雰囲気を纏っていた。
もしかして、すみれちゃん、興奮してる……?
すみれ「だからかのん……」
すみれちゃんがぐっと顔を近づける。
お互いの吐息のかかる距離。
付き合い始めて半年、こんなにすみれちゃんを近くに感じたことはない。
すみれ「その……いいかしら……?」
かのん「……」
すみれちゃんの熱と、心臓の激しい鼓動が伝わってくる。
本当に。
本当に、すみれちゃんは。
そんなの、いちいち聞かなくていいのに。
私は静かに頷く。
かのん「すみれちゃんの好きにしていいよ」
0
181: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 22:54:38 ID:???Sa
すみれちゃんはそのまま、ゆっくりと顔を近づける。
やがて触れ合う互いの唇。柔らかい。
伝わってくるすみれちゃんの熱が愛おしくて。
ずっとこれが欲しかったんだ。
すみれちゃんから貰う熱と、とめどない興奮で、頭の中が溶けていく。
かのん「……っ」
つっ、と離される唇。
もうおわり?
すみれちゃんは目を細くして私を見つめると、またキスしてくれて。
ちゅっと、また互いの感触を確かめると、それを繰り返した。
今までずっと我慢してきた分、何度も何度も口づけを重ねる。
すみれちゃんとなら永遠にだってこうしていたい。
やがて触れ合う互いの唇。柔らかい。
伝わってくるすみれちゃんの熱が愛おしくて。
ずっとこれが欲しかったんだ。
すみれちゃんから貰う熱と、とめどない興奮で、頭の中が溶けていく。
かのん「……っ」
つっ、と離される唇。
もうおわり?
すみれちゃんは目を細くして私を見つめると、またキスしてくれて。
ちゅっと、また互いの感触を確かめると、それを繰り返した。
今までずっと我慢してきた分、何度も何度も口づけを重ねる。
すみれちゃんとなら永遠にだってこうしていたい。
0
182: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 22:56:06 ID:???Sa
私はすみれちゃんの背中に手を回す。
もっともっとちょうだいって。
すみれちゃんは少し強めに唇を押し付けてくれた。
私もぎゅっとすみれちゃんを抱きしめてそれに応える。
すると、私の唇を割って何かが入ってくる。
すみれちゃんの舌が私の中に。
かのん「んっ……!」
驚いちゃったけど、すみれちゃんからそうしてくれることが嬉しくて。
私の口の中を這えずり回るすみれちゃんの舌。
気持ちいいような、くすぐったいような、妙な感覚。
すみれちゃんに探りあてられ、触れ合う舌と舌。
どうしたらいいかわからず、ちろちろと舌を動かしていたら、すみれちゃんに深く絡み取られた。
ねちゃっと水音を立てながら、交わり、唾液を交換していく。
それはのように脳を刺激し、感覚を麻痺させる。
もっと欲しくさせる。 心地いい。
ちゅっ……
唇が離れると、2人の間に銀糸の橋がかかる。
深く交わった証が。
お互いの呼吸が激しい。
すみれ「かのん、私、もう止まらなくなりそう」
かのん「言ったでしょ。すみれちゃんの好きにしていいって」
かのん「私、すみれちゃんになら、何されてもいいよ」
もっともっとちょうだいって。
すみれちゃんは少し強めに唇を押し付けてくれた。
私もぎゅっとすみれちゃんを抱きしめてそれに応える。
すると、私の唇を割って何かが入ってくる。
すみれちゃんの舌が私の中に。
かのん「んっ……!」
驚いちゃったけど、すみれちゃんからそうしてくれることが嬉しくて。
私の口の中を這えずり回るすみれちゃんの舌。
気持ちいいような、くすぐったいような、妙な感覚。
すみれちゃんに探りあてられ、触れ合う舌と舌。
どうしたらいいかわからず、ちろちろと舌を動かしていたら、すみれちゃんに深く絡み取られた。
ねちゃっと水音を立てながら、交わり、唾液を交換していく。
それはのように脳を刺激し、感覚を麻痺させる。
もっと欲しくさせる。 心地いい。
ちゅっ……
唇が離れると、2人の間に銀糸の橋がかかる。
深く交わった証が。
お互いの呼吸が激しい。
すみれ「かのん、私、もう止まらなくなりそう」
かのん「言ったでしょ。すみれちゃんの好きにしていいって」
かのん「私、すみれちゃんになら、何されてもいいよ」
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183: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 22:59:34 ID:???Sa
私の肩に落としたすみれちゃんの手がゆっくり進んでいき、その下の膨らみに触れる。
最初は布越しに優しく触れるだけだったけど、それじゃ全然物足りないと、手を服の下に滑り込ませる。
すみれちゃんの手が直に触れる。すみれちゃんはその感触を確かめるように、ゆっくりと指を沈ませる。
すみれ「ずっとかのんとこうしたかった」
すみれちゃんは普段とは遠い、小さく囁くような声を落とした。
すみれ「でもかのんに嫌われるんじゃないかって」
かのん「そんなわけないじゃん……」
すみれちゃんに服を捲り上げられ、その控えめな膨らみが完全に露になる。
恥ずかしい。
かのん「大きくないよ」
すみれ「ううん。かのんのだから、欲しいの」
そんなに見ないでよって言っても、すみれちゃんはやめてくれず、私の胸をじっくりと見てはゴクリと喉を鳴らした。
見られてるだけでも変な気持ちになる。それでいて辛かった。
だって、すでにその先端は痛いほど硬く尖っていて。
早く触って、触ってよって、すみれちゃんにピンと主張し、今にも泣き出しそうだった。
すみれちゃんはそれを見てじゅるっと舌なめずりした。
唇の間から確かに見えた、赤い舌の動きに、私の体は一層熱を帯び、下半身で何かが溢れたのがわかった。
すみれちゃん、早く…… お願い、すみれちゃん……
私の気持ちを感じ取ったのか、すみれちゃんは微笑んで、赤い舌をちろちろと動かしながら、ゆっくりとそこに近づく。
そのピンク色の蕾を舌でぺろっと撫でる。
「あっ!」
思わず体が跳ねる。
体を電気が貫いたような鋭い快感。
自制のしようがなかった。
最初は布越しに優しく触れるだけだったけど、それじゃ全然物足りないと、手を服の下に滑り込ませる。
すみれちゃんの手が直に触れる。すみれちゃんはその感触を確かめるように、ゆっくりと指を沈ませる。
すみれ「ずっとかのんとこうしたかった」
すみれちゃんは普段とは遠い、小さく囁くような声を落とした。
すみれ「でもかのんに嫌われるんじゃないかって」
かのん「そんなわけないじゃん……」
すみれちゃんに服を捲り上げられ、その控えめな膨らみが完全に露になる。
恥ずかしい。
かのん「大きくないよ」
すみれ「ううん。かのんのだから、欲しいの」
そんなに見ないでよって言っても、すみれちゃんはやめてくれず、私の胸をじっくりと見てはゴクリと喉を鳴らした。
見られてるだけでも変な気持ちになる。それでいて辛かった。
だって、すでにその先端は痛いほど硬く尖っていて。
早く触って、触ってよって、すみれちゃんにピンと主張し、今にも泣き出しそうだった。
すみれちゃんはそれを見てじゅるっと舌なめずりした。
唇の間から確かに見えた、赤い舌の動きに、私の体は一層熱を帯び、下半身で何かが溢れたのがわかった。
すみれちゃん、早く…… お願い、すみれちゃん……
私の気持ちを感じ取ったのか、すみれちゃんは微笑んで、赤い舌をちろちろと動かしながら、ゆっくりとそこに近づく。
そのピンク色の蕾を舌でぺろっと撫でる。
「あっ!」
思わず体が跳ねる。
体を電気が貫いたような鋭い快感。
自制のしようがなかった。
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184: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 23:02:10 ID:???Sa
すみれちゃんは私の反応を見て嬉しそうにニヤッと笑った。
恥ずかしい。
私は顔を手で覆う。
すみれちゃんは私の頭を撫でながらまた近づいて。
かぷり
すみれちゃんの唇が蕾を覆う。
そして舌を動かし、ゆっくりと愛撫を始めてくれた。
「ぁ、ん、ぁ……すみれ、ちゃ……ぁ」
もう片方の蕾も、指できゅっと捕らえられては、指の腹でコロコロと転がされる。
押し寄せる快感の波に、勝手に声が漏れてしまう。
腰ががたがたと揺れ、お腹のあたりがじんと熱くなる。
かのん「んぁ、ふう……は、ぁ……あっ!」
すみれ「かのん、気持ちいい?」
かのん「はぁ……ぁ、はぁ……」
そんなこと聞かないでよって泣きそうになりながらすみれちゃんを見ると、優しく微笑んでくれて。
すみれちゃんは胸の蕾を丹念に味わいながら、手は私の太ももへと伸びていた。
そこをまさぐるように触れ、感触を楽しんでいるようだった。
すみれちゃんも私も、もう我慢なんてできなかった。
互いに着ているものをすべて脱がし、脱がされ、布1つない体同士が絡み合い、交わった。
熱と熱を交換し、汗や唾液がぐちょぐちょに絡み合っていく。
すみれちゃんは私の唇に、肌に、何度もキスを落とした。
止め処ない愛撫の雨が、私の全身を溶かしていく。
すみれちゃんに口づけされるたび、触られるたび、抑えられない声を上げ、激しく感じてしまう。
恥ずかしいはずなのに、もうそんなこと考えられなくて。
すみれちゃんにされるがままに、体は乱れてぐちゃぐちゃになっていった。
かのん「すみれちゃ……ぁ、ふぁ……ぁ……」
すみれ「かのん、可愛いわよ」
恥ずかしい。
私は顔を手で覆う。
すみれちゃんは私の頭を撫でながらまた近づいて。
かぷり
すみれちゃんの唇が蕾を覆う。
そして舌を動かし、ゆっくりと愛撫を始めてくれた。
「ぁ、ん、ぁ……すみれ、ちゃ……ぁ」
もう片方の蕾も、指できゅっと捕らえられては、指の腹でコロコロと転がされる。
押し寄せる快感の波に、勝手に声が漏れてしまう。
腰ががたがたと揺れ、お腹のあたりがじんと熱くなる。
かのん「んぁ、ふう……は、ぁ……あっ!」
すみれ「かのん、気持ちいい?」
かのん「はぁ……ぁ、はぁ……」
そんなこと聞かないでよって泣きそうになりながらすみれちゃんを見ると、優しく微笑んでくれて。
すみれちゃんは胸の蕾を丹念に味わいながら、手は私の太ももへと伸びていた。
そこをまさぐるように触れ、感触を楽しんでいるようだった。
すみれちゃんも私も、もう我慢なんてできなかった。
互いに着ているものをすべて脱がし、脱がされ、布1つない体同士が絡み合い、交わった。
熱と熱を交換し、汗や唾液がぐちょぐちょに絡み合っていく。
すみれちゃんは私の唇に、肌に、何度もキスを落とした。
止め処ない愛撫の雨が、私の全身を溶かしていく。
すみれちゃんに口づけされるたび、触られるたび、抑えられない声を上げ、激しく感じてしまう。
恥ずかしいはずなのに、もうそんなこと考えられなくて。
すみれちゃんにされるがままに、体は乱れてぐちゃぐちゃになっていった。
かのん「すみれちゃ……ぁ、ふぁ……ぁ……」
すみれ「かのん、可愛いわよ」
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185: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 23:03:51 ID:???Sa
そして、すみれちゃんの手が、私の太ももを撫でながら、体の中心へと向かっていくと。
くちゅっ、とそこが音を立てた。
あ……
やっぱりそこまでしちゃうんだ。
もちろん覚悟はしていたし、ずっとすみれちゃんとしたかったことだ。
でも、いざ触られるとやはり緊張してしまう。
自分以外の誰にも触れられたことのないその場所を、すみれちゃんは優しくなぞった。
かのん「はっ……ふ……あ……」
すでに十分過ぎるほど濡れていたその場所はピチャリと水音をたてる。
すみれちゃんの白い指に粘り気のある愛液がたっぷりとつく。
それを愛おしげに眺めるすみれちゃん。
すみれ「すごく濡れてるわよ」
かのん「ぁ……いわないで……」
すみれちゃんはそのまま自分の指を咥えてしまう。
甘い生クリームを味わうみたいに美味しそうに、ねっとりとしゃぶって。
かのん「ぃやぁ……すみれちゃん、きたない……」
すみれ「かのんのなら綺麗」
すみれちゃんはそう言うと、もっとそれを味わいたいとでも言うように、自分の顔を私の秘部へと近づける。
ぐちょぐちょに濡れたその場所を、今度は直接、舌でぺろぺろと舐め始めた。
かのん「ぁ……ぅ……ぁ、ぁ、ぁっ」
耐え難いほどの快感に、思わずシーツをぎゅっと掴む。
声をどんなに押し〇しても漏れてしまう。
愛液はどんどん溢れ出る。
ぴちゃ、くちゃ、ぴちゃ、と卑猥な水音が部屋に響き渡った。
くちゅっ、とそこが音を立てた。
あ……
やっぱりそこまでしちゃうんだ。
もちろん覚悟はしていたし、ずっとすみれちゃんとしたかったことだ。
でも、いざ触られるとやはり緊張してしまう。
自分以外の誰にも触れられたことのないその場所を、すみれちゃんは優しくなぞった。
かのん「はっ……ふ……あ……」
すでに十分過ぎるほど濡れていたその場所はピチャリと水音をたてる。
すみれちゃんの白い指に粘り気のある愛液がたっぷりとつく。
それを愛おしげに眺めるすみれちゃん。
すみれ「すごく濡れてるわよ」
かのん「ぁ……いわないで……」
すみれちゃんはそのまま自分の指を咥えてしまう。
甘い生クリームを味わうみたいに美味しそうに、ねっとりとしゃぶって。
かのん「ぃやぁ……すみれちゃん、きたない……」
すみれ「かのんのなら綺麗」
すみれちゃんはそう言うと、もっとそれを味わいたいとでも言うように、自分の顔を私の秘部へと近づける。
ぐちょぐちょに濡れたその場所を、今度は直接、舌でぺろぺろと舐め始めた。
かのん「ぁ……ぅ……ぁ、ぁ、ぁっ」
耐え難いほどの快感に、思わずシーツをぎゅっと掴む。
声をどんなに押し〇しても漏れてしまう。
愛液はどんどん溢れ出る。
ぴちゃ、くちゃ、ぴちゃ、と卑猥な水音が部屋に響き渡った。
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186: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 23:05:12 ID:???Sa
◆
かのん「んふぅ……すみれちゃ……ぁ……」
私は夢中で、かのんのそこを貪り続ける。
綺麗なピンク色をしたその場所。
大好きな人のものだからだろう。
溢れ出る蜜は甘く感じられ、もっともっと欲しくなる。
かのんと私がこんなことしてる。
Liella!のセンターで、普段明るくみんなを引っ張っていた、あのかのんが。
人当たりよく、みんなの人気者の、あのかのんが。
見たことのない表情を浮かべ、聞いた事のない声を漏らしている。
他の誰も知らない、私だけのかのんだ。
すみれ「ちゅる……じゅ……れろっ……」
舌の動きを次第に速くしていき、秘部の芽を入念に攻め始める。
かのんの嬌声がより一層高いものになる。
かのん、ここが気持ちいいんだ……
かのん「んふぅ……すみれちゃ……ぁ……」
私は夢中で、かのんのそこを貪り続ける。
綺麗なピンク色をしたその場所。
大好きな人のものだからだろう。
溢れ出る蜜は甘く感じられ、もっともっと欲しくなる。
かのんと私がこんなことしてる。
Liella!のセンターで、普段明るくみんなを引っ張っていた、あのかのんが。
人当たりよく、みんなの人気者の、あのかのんが。
見たことのない表情を浮かべ、聞いた事のない声を漏らしている。
他の誰も知らない、私だけのかのんだ。
すみれ「ちゅる……じゅ……れろっ……」
舌の動きを次第に速くしていき、秘部の芽を入念に攻め始める。
かのんの嬌声がより一層高いものになる。
かのん、ここが気持ちいいんだ……
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187: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 23:07:09 ID:???Sa
すみれ「かのん……ちゅる、かのん……」
かのん「はぁぁ……んぁ……ふぁ……」
かのんの腰が浮き、太ももががくがくと震える。
それは、更なる快感がかのんを襲う前兆のようでもあった。
私は、より強く、激しく、芽を集中して愛撫した。
かのんへの想いのありったけを、かのんにぶつけるように。
私がどれだけかのんのことを愛しているか、伝えるように。
かのん「すみれちゃん、ぁ、やだぁ……ん、きちゃう……きちゃうからっ!」
やだ、と言っても、もう聞いてあげない。
震えるかのんの太ももを両手でがっしりと抑え、そこからさらに股を広げさせる。
より表に露出した陰核を舌でなぞり、舐め回し、次第に動きを速めていく。
かのん「だ、だめっ! だめだめだめっ! あっあっあっ、はああっ、あっあっ」
かのんの快感が上り詰めていくのがわかる。
その声色が、体の乱れが、絶頂の近いことを表していた。
かのんの息遣いが一段と激しくなるの感じると、私は腫れ上がった陰核をぎゅっと甘噛みするようにしゃぶりついた。
かのん「ああああああああっ!!!!」
かのんは絶叫し、体を大きく仰け反らせる。
甘い甘い愛液が溢れ出し、私の口いっぱいに広がった。
イッちゃったみたい。
かのん「はぁぁ……んぁ……ふぁ……」
かのんの腰が浮き、太ももががくがくと震える。
それは、更なる快感がかのんを襲う前兆のようでもあった。
私は、より強く、激しく、芽を集中して愛撫した。
かのんへの想いのありったけを、かのんにぶつけるように。
私がどれだけかのんのことを愛しているか、伝えるように。
かのん「すみれちゃん、ぁ、やだぁ……ん、きちゃう……きちゃうからっ!」
やだ、と言っても、もう聞いてあげない。
震えるかのんの太ももを両手でがっしりと抑え、そこからさらに股を広げさせる。
より表に露出した陰核を舌でなぞり、舐め回し、次第に動きを速めていく。
かのん「だ、だめっ! だめだめだめっ! あっあっあっ、はああっ、あっあっ」
かのんの快感が上り詰めていくのがわかる。
その声色が、体の乱れが、絶頂の近いことを表していた。
かのんの息遣いが一段と激しくなるの感じると、私は腫れ上がった陰核をぎゅっと甘噛みするようにしゃぶりついた。
かのん「ああああああああっ!!!!」
かのんは絶叫し、体を大きく仰け反らせる。
甘い甘い愛液が溢れ出し、私の口いっぱいに広がった。
イッちゃったみたい。
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188: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 23:07:48 ID:???Sa
かのん「はぁ……はぁ……はぁ……」
しばらくかのんの荒い呼吸が続いた。
その瞳からは涙が零れていた。
それを指先で拭い、頭を優しく撫でながら、かのんが落ち着くのを待った。
かのん「すみれちゃん……」
恥ずかしそうに小さくなりながら、上目遣いで見つめてくるかのん。
本当に可愛いったら、可愛い。
すみれ「かのん、大好きよ」
私は何度目かわからない口づけをした。
しばらくかのんの荒い呼吸が続いた。
その瞳からは涙が零れていた。
それを指先で拭い、頭を優しく撫でながら、かのんが落ち着くのを待った。
かのん「すみれちゃん……」
恥ずかしそうに小さくなりながら、上目遣いで見つめてくるかのん。
本当に可愛いったら、可愛い。
すみれ「かのん、大好きよ」
私は何度目かわからない口づけをした。
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189: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 23:09:33 ID:???Sa
◆
カーテンの切れ目から真っ白な光が差し込む。
天気の良い、清々しい朝だった。
かのん「おはよう」ニコッ
すみれ「おはよ」
ベッドで目を覚ました私とすみれちゃん。
そっか、私たち昨日……
思い出すだけで恥ずかしくなるけど、やっぱりすごく嬉しくて。
私たちは心も体も結ばれたんだ。
かのん「朝ご飯どうしよっか」
すみれ「そうねー」
何が食べたいか、朝食の話し合いをしてたけど、結局その朝はずっとベッドの中でイチャイチャしていた。
幸せな朝だった。
すみれちゃんとの関係がまたひとつ進展して。
これから私たちはどうなっていくんだろう?
そんなワクワクした気持ちもありながら。
すみれ「そろそろ起きる?」
かのん「うーん、もうちょっと……」
そう言って、すみれちゃんの胸に身を寄せると、抱きしめてくれて。
すみれ「かのんって意外と甘えん坊よね」
かのん「違うもん……」
すみれ「ふふっ」
すみれちゃんが私の頭を撫でてくれる。
私もぎゅっと、すみれちゃんを抱きしめ返した。
おしまい
カーテンの切れ目から真っ白な光が差し込む。
天気の良い、清々しい朝だった。
かのん「おはよう」ニコッ
すみれ「おはよ」
ベッドで目を覚ました私とすみれちゃん。
そっか、私たち昨日……
思い出すだけで恥ずかしくなるけど、やっぱりすごく嬉しくて。
私たちは心も体も結ばれたんだ。
かのん「朝ご飯どうしよっか」
すみれ「そうねー」
何が食べたいか、朝食の話し合いをしてたけど、結局その朝はずっとベッドの中でイチャイチャしていた。
幸せな朝だった。
すみれちゃんとの関係がまたひとつ進展して。
これから私たちはどうなっていくんだろう?
そんなワクワクした気持ちもありながら。
すみれ「そろそろ起きる?」
かのん「うーん、もうちょっと……」
そう言って、すみれちゃんの胸に身を寄せると、抱きしめてくれて。
すみれ「かのんって意外と甘えん坊よね」
かのん「違うもん……」
すみれ「ふふっ」
すみれちゃんが私の頭を撫でてくれる。
私もぎゅっと、すみれちゃんを抱きしめ返した。
おしまい
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190: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 23:10:25 ID:???Sa
【かのすみ豆知識⑧】
かのんはいつも部屋にあるフクロウのクッションに寄りかかったり、枕代わりにしているが、かのんの部屋ですみれは、そのクッションを抱っこしながらくつろいでいた。
(アニメ本編及びちぃちゃん部長は有能です!2巻より)
かのんはいつも部屋にあるフクロウのクッションに寄りかかったり、枕代わりにしているが、かのんの部屋ですみれは、そのクッションを抱っこしながらくつろいでいた。
(アニメ本編及びちぃちゃん部長は有能です!2巻より)
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192: ◆TTQws88T★ 2025/05/23(金) 23:13:23 ID:???Sa
かのすみ過去作も良ければ。
・かのん「実はね、私、すみれちゃんのこと好きなんだ」 千砂都「そうだったんだ」
・かのん「すみれちゃんはいいよね、そういう体型で」
以上です。
かのすみたくさん書けてとても楽しかったです。
長丁場となりましたが、お付き合いいただきありがとうございました!
・かのん「実はね、私、すみれちゃんのこと好きなんだ」 千砂都「そうだったんだ」
・かのん「すみれちゃんはいいよね、そういう体型で」
以上です。
かのすみたくさん書けてとても楽しかったです。
長丁場となりましたが、お付き合いいただきありがとうございました!
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195: ◆U4AAh2pr★ 2025/05/24(土) 01:14:22 ID:???Sd
かのすみたすかる
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198: ◆akd2QOqd★ 2025/05/25(日) 22:29:06 ID:???Sa
素晴らしい乙
豆知識も良かったで
豆知識も良かったで
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197: ◆9GqMXnkB★ 2025/05/24(土) 10:58:33 ID:???Sd
最高でした
引用元: https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/11224/1744979834/